JP4945137B2 - 歩行型作業機 - Google Patents
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Description
この歩行型芝刈機で芝を刈る際に、作業者は、作業条件に応じてスロットルレバーを操作してエンジン回転を設定し、芝刈機本体の後方に延びたハンドルを握りながら歩行型芝刈機の後方から連れ歩く。
スロットルレバーを操作することで、スロットル弁を作動させてエンジンの回転数を調整する。
このアクチュエータでスロットル弁を制御することにより、エンジンの回転数を、設定した回転数に自動的に合わせてカッタの回転数を一定に保つ。
このため、エンジンの回転数を、予め設定した目標回転数に自動的に調整するだけでは、歩行型芝刈機の作業性を良好に確保することは難しい。
そこで、請求項1において、エンジンの回転数として複数段階の目標回転数を予め設定し、設定したそれぞれの目標回転数を目標回転数選択部で任意に選択可能とした。
そこで、請求項1において、選択した目標回転数より高い目標回転数に変える回転数変更部を備えた。
よって、目標回転数選択部を操作して、作業条件に合わせて最適な目標回転数を選択することができる。このように、作業条件に合わせて最適な目標回転数を選択することで、歩行型芝刈機の作業性を良好に確保することができる。
よって、目標回転数選択部をグリップ部の前側近傍に配置することで、操作者の手の近傍に目標回転数選択部を配置することができる。
これにより、操作者は目標回転数選択部を容易に操作することができ、使い勝手の向上を図ることができる。
、この操作空間に回転数変更部の操作レバーを配置した。よって、作業者は、グリップ部を握った状態で、例えば、グリップ部の後方から操作空間まで親指を移動することで、親指を操作レバーにかけることができる。
この状態で、親指に押出力をかけて、操作レバーを操作することができる。これにより、作業中に、目標回転数の変更を容易におこなうことができ、操作性の向上を図ることができる。
これにより、操作レバーを親指で容易に前方に押し出すことができ、操作性の向上をさらに図ることができる。
以下、実施の形態においては、歩行型作業機として歩行型芝刈機を例示するが、歩行型作業機は歩行型芝刈機に限定するものではない。
歩行型芝刈機10は、下開放のハウジング(機体)11の前後端にそれぞれ左右の前輪12および左右の後輪(駆動輪)13を備え、ハウジング11の上部にエンジン14を搭載し、ハウジング11の内部にカッタ15を備え、ハウジング11の刈芝排出口11aに芝を収容する芝収容バッグ16を備え、ハウジング11から後上方に向けてハンドル17を延ばし、ハンドル17の後端部に操作部18を備えたものである。
さらに、エンジン14は、出力軸19を伝動機構22を介して油圧無段変速装置(以下、変速装置と略記する)25の入力側に連結したものである。変速装置25の出力軸は車軸26を介して後輪13に連結されている。
すなわち、変速装置25は、後輪13の回転数を零(停止)から高速回転域まで無段階に変速するものである。
さらに、変速装置25の変速斜板の傾きを零にすることで、歩行型芝刈機10を停止させる。
左ハンドルバー31の後端部31aに左取付ブラケット38を取り付けるとともに、右ハンドルバー32の後端部32aに右取付ブラケットを取り付ける。
作業用クラッチレバー41および走行レバー42は、グリップ部33の後方に設けられている。
走行レバー42を前方に向けて揺動することで、走行レバー42の水平バー55(図3参照)がグリップ水平バー36に重なる。
操作部18は、変速レバー62、メインスイッチ64、回転モード切替スイッチ(目標回転数選択部)65、回転数変更部60および作業用クラッチ操作検出センサ68を備える。
回転数変更部60は、回転数変更スイッチ66およびブーストレバー(操作部)67で構成される。
これにより、操作の煩雑さを防いで、操作性を高めることができる。
なお、操作部18については、図3〜図10において詳しく説明する。
エンジン14は、始動用のリコイルスタータ81、シリンダ内の燃料を点火する点火装置82、エンジン14の回転で発電する発電機87、およびエンジン14の回転数を調整する電子式ガバナ80を備える。
エンジン14が始動することで、発電機87で発生した交流電力を電源回路88で直流に変換して制御部89に伝える。
スロットル弁用制御モータ83でスロットル弁91を操作して、エンジン14の回転数が目標回転数と一致するように電気的に制御する。
そこで、複数の作業条件を考慮して、目標回転数を複数段階に設定した。そして、設定した複数段階の目標回転数を、回転モード切替スイッチ65を操作することで選択可能にした。
第1の回転制御モードは、アイドリング状態のエンジン回転数に制御する「アイドルモード」である。
第3の回転制御モードは、エンジン14の出力(馬力)が最大または概ね最大のときのエンジン回転数に制御する「パワーモード」である。
「アイドルモード」、「静音モード」および「パワーモード」の3段階のモードは、制御部89に予め設定されている。
これにより、エンジン14の回転数が目標回転数と一致するように電気的に制御することができる。
これにより、電子式ガバナ80から操作部18のスイッチ類への配線を最短距離で結ぶことができる。
回転モード切替スイッチ65は、エンジン14の目標回転数を複数の段階の値に予め設定しておいたなかから、任意に選択した1つの目標回転数の値を指示する選択部である。
この回転モード切替スイッチ65として、例えばシーソースイッチ(「タンブラスイッチ」、「rocker switch」ともいう。)が用いられる。
作業用クラッチ操作検出センサ68は、作業用クラッチレバー41で操作される。すなわち、作業用クラッチレバー41から手を離して作業用クラッチレバー41をオフ位置に保持した場合に、作業用クラッチ操作検出センサ68がオフになり、「アイドルモード」となる。
この操作部18は、前述したように、回転モード切替スイッチ65に加えて、変速レバー62、メインスイッチ64、回転数変更部60および作業用クラッチ操作検出センサ68を備える。
走行レバー42を操作したときに、変速装置25は変速レバー62の変速操作位置に応じた速度で後輪13を回転させる。その後、走行レバー42を元に戻すと、変速装置25の出力回転は零になり、後輪13を停止させる。
ブーストレバー67は、操作する手をレバーから離したときに自動的に元の位置に復帰する自動復帰式操作部材である。回転数変更スイッチ66は、ブーストレバー67の操作に応じてスイッチ動作をするものである。
例えば、回転数変更スイッチ66は、ブーストレバー67を操作したときにオン作動し、ブーストレバー67を元に戻したときにオフ作動する。
すなわち、作業用クラッチ操作検出センサ68は、作業用クラッチレバー41の操作でクラッチ21を結合(クラッチオン)したとき、クラッチ21が結合操作されたことを検出する。
門型のグリップ部33は、左ハンドルバー31の後端部31aから前方に向けて上り勾配に立ち上げた左グリップ脚部(脚部)34と、右ハンドルバー32の後端部32aから前方に向けて上り勾配に立ち上げた右グリップ脚部35と、左グリップ脚部34の上端部および右グリップ脚部35の上端部に架け渡したグリップ水平バー36とを備える。
グリップ部33は、左右のグリップ脚部34,35およびグリップ水平バー36で門型を形成する。
作業用クラッチレバー41は、左右の脚部44,45および水平バー46で門型を形成する。
走行レバー42は、左右の水平ロッド51,53、左右の脚部52,54および水平バー55で門型を形成する。
一方、左取付ブラケット38に左水平ロッド51を介して左脚部52を設けることで、走行レバー42の水平バー55をグリップ水平バー36に重ねた際に、走行レバー42の左脚部52を左グリップ脚部34から離して内側に配置する。
この操作空間56に親指57aをおくことで、作業用クラッチレバー41および走行レバー42をグリップ部33に重ね合わせた際に、作業用クラッチレバー41が親指57aに当たることを防止する。
なお、作業用クラッチレバー41および走行レバー42をグリップ部33に重ね合わせた際に、右手58はそれぞれの水平バー36,46,55を握る。
このカバー71は、上面72の外側辺72a近傍に変速レバーガイド孔73を備え、変速レバーガイド孔73の後方にメインスイッチ取付孔74を備え、上面72の内側辺72b近傍に切替スイッチ取付孔75を備え、切替スイッチ取付孔75とメインスイッチ取付孔74との間にブーストレバーガイド孔76を備える。
切替スイッチ取付孔75に回転モード切替スイッチ65が取り付けられ、ブーストレバーガイド孔76からブーストレバー67の操作レバー部127が上方に突出される。
また、作業用ブレーキ/クラッチ部21(図1参照)はクラッチ用ケーブル122を介して作業用クラッチレバー41に連結している。このクラッチ用ケーブル122は左ハンドルバー31側に取り付けられている。
よって、メインスイッチ64、回転モード切替スイッチ65、回転数変更スイッチ66および作業用クラッチ操作検出センサ68の各ワイヤハーネス(図示せず)を変速用ケーブル27およびクラッチ用ケーブル122と一緒に束ねることができる。
これにより、変速用ケーブル27およびクラッチ用ケーブル122で各スイッチのワイヤハーネスを保護することができる。
すなわち、図4は作業者が作業用クラッチレバー41をオン位置まで前方へ揺動操作した状態を示す。図5は作業者が作業用クラッチレバー41から手を離してオフ位置に保持した状態を示す。
変速レバー62は、二股状に離間配置した一対のディスク部94,94と、ディスク部94,94の上端部94aから上方に突起した操作レバー部95を備える。
一対のディスク部94,94間に変速レバーアーム63を配置し、ディスク部94,94および変速レバーアーム63を支持ピン96を介して取付ブラケット61に回動自在に支持する。
第1、第2のガイド孔98,98,99に連結ピン101が挿通され、連結ピン101が変速用ケーブル27を介して変速装置25(図1参照)に連結されている。
すなわち、第1ガイド孔98の半径は、後端部から前端部に向かって徐々に大きくなるように形成されている。
また、変速レバーアーム63の下端部と走行アーム105の先端部とに第2引張りばね106が架け渡されている。
これにより、第2引張りばね106が延びて、第2引張りばね106のばね力が増し、変速レバーアーム63が支持ピン96を軸にして後方に揺動する。
変速用ケーブル27のインナケーブル27aを後方に牽引することで、変速用ケーブル27で変速装置25の変速用アーム25a(図1参照)を操作する。これにより、変速装置25の変速斜板が傾き、歩行型芝刈機10が低速走行の状態になる。
よって、変速レバー62を前方に揺動することで、連結ピン101が後方に移動して、変速用ケーブル27のインナケーブル27aを矢印の如くさらに後方に牽引する。変速装置25の変速斜板が大きく傾いて歩行型芝刈機10の走行速度が上がる。
メインスイッチ64は、つまみ部64aを水平方向に回転することでオン・オフ状態を切り替え可能なロータリスイッチである。
メインスイッチ64を、オン位置からオフ位置に戻すことでエンジン14を停止させる。
回転モード切替スイッチ65は、例えばシーソースイッチが用いられる。この回転モード切替スイッチ65は、操作ノブ65aの前部65bが押し込まれた状態でオフ信号(「パワーモード」切替え信号)を発するとともに、操作ノブ65aの後部65cが押し込まれた状態でオン信号(「静音モード」切替え信号)を発する。
すなわち、回転モード切替スイッチ65は、図2に示す電子式ガバナ80が複数段階の目標回転数から任意の目標回転数を選択するための選択信号を電子式ガバナ80に伝えるものである。
このように、作業条件に合わせて最適な目標回転数を選択することで、歩行型芝刈機10の作業性を良好に確保することができる。
よって、回転モード切替スイッチ65を左グリップ脚部34の前側近傍に配置することで、左手57の近傍に回転モード切替スイッチ65を配置することができる。
これにより、操作者は回転モード切替スイッチ65を容易に操作することができ、使い勝手の向上を図ることができる。
具体的には、歩行型作業機10で作業をおこなう前に、作業場所に応じて「静音モード」または「パワーモード」でおこなうかを判断する。
なお、回転モード切替スイッチ65は、作業中に、比較的長時間にわたって「静音モード」または「パワーモード」で作業をする状態に変わった場合には、作業を継続しながら操作することも可能である。
ブーストレバー67は、アーム部126がカバー71で覆われ、操作レバー部127が、ブーストレバーガイド孔76(図3参照)から上方に突出した状態に保たれる。
なお、ブーストレバー67および回転数変更スイッチ66、すなわち回転数変更部60については、図7および図8で詳しく説明する。
グリップ部33の後方に作業用クラッチレバー41が設けられている。
作業用クラッチレバー41は、左脚部44が支持ピン111に回動自在に取り付けられ、左脚部44の下端部に押付プレート112を備える。押付プレート112は、作業用クラッチ操作検出センサ68の後方に位置する。
作業用クラッチ操作検出センサ68は、プッシュロッド68aを押し込んだときオフ状態、押し込みを解除してプッシュロッド68aを突出させたときオン状態に切り替え可能である。
作業用クラッチ操作検出センサ68がオフ状態になり、このオフ信号に基づいて、エンジン14(図2参照)の回転制御モードが「アイドルモード」になる。
これにより、押付プレート112がプッシュロッド68a(図13(b)も参照)から離れ、プッシュロッド68aが後方に突出した状態を保つ。
回転モード切替スイッチ65が「パワーモード」に選択されている場合、エンジン14の回転制御モードが「パワーモード」になる。
係合部材115が引張りばね116のばね力に抗して支持ピン117を軸に時計回り方向に回動する。係合部材115が回動することで、係合部材115のロック爪115aが連結ピン118に係合する。
クラッチ用ケーブル122の前端部は、作業用ブレーキ/クラッチ部21(図1参照)のレバーに連結されている。
クラッチアーム121の先端部121aに引張りばね123が掛けられている。クラッチアーム121は、引張りばね123のばね力でクラッチオフ位置(図示の位置)に保持される。
つぎに、作業用クラッチレバー41を前方に時計回り方向に揺動する。クラッチアーム121が時計回り方向に揺動して、クラッチ用ケーブル122を後方に牽引する。
これにより、図1に示すエンジン14の回転がカッタ15に伝わり、カッタ15が回転する。
左ハンドルバー31の後端部31aに取付ブラケット61が取り付けられ、取付ブラケット61に回転数変更部60(ブーストレバー67および回転数変更スイッチ66)が備えられている。
この回転数変更スイッチ66は、プッシュロッド66aを押し込んだときオフ状態、押し込みを解除してプッシュロッド66aを突出させたときオン状態に切り替え可能である。
アーム部126は、後方から前方に向けて下り勾配になるようにアームプレート128を延ばし、アームプレート128の上端部に取付部129が設けられ、アームプレート128の下端部に押付プレート131が設けられている。
ボス133に捩りばね134を取り付け、捩りばね134の一端部をアームプレート128に掛け、他端部を取付ブラケット61に取り付ける。捩りばね134は、アームプレート128を反時計回り方向に付勢する。
捩りばね134のばね力でブーストレバー67を支持ピン125を軸に反時計回り方向に付勢する。これにより、回転数変更スイッチ66のプッシュロッド66aを押付プレート131で押し込んだ状態に保つ。
これにより、押付プレート131が下方に移動して、回転数変更スイッチ66のプッシュロッド66aが下方に突出した状態を保つ。
回転モード切替スイッチ65が「パワーモード」に選択されている場合、エンジン14の回転制御モードは「パワーモード」に継続して保たれる。
操作レバー部127の位置については図9で詳しく説明する。
ブーストレバー67の操作レバー部127は、頂部に樹脂製のグリップ127aを備える。グリップ127aは、左グリップ脚部34の内側(右側)に配置されている。
左グリップ脚部34の内側(右側)には、操作空間56が形成されている。すなわち、走行レバー42は、左取付ブラケット38に支持ピン111を介して左水平ロッド51が回動自在に取り付けられている。そして、左水平ロッド51の先端部51bから上方に向けて左脚部52が立ち上げられている。
これにより、左グリップ脚部34と左脚部52とで操作空間56を形成することができる。
このブーストレバー67は、回転モード切替スイッチ65(図4も参照)に隣接されるとともに、グリップ部33の左グリップ脚部(脚部)34を握った左手(手)57で操作可能な箇所に設けられている。
この状態で、親指57aでグリップ127aに前向きの押出力をかけて、グリップ127aを前方に押し出すことができる。
グリップ127aを前方に押し出すことで、回転数変更スイッチ66(図8参照)がオン状態に切り替わる。
すなわち、作業時にハンドル持ち替えの少ない左手側にブーストレバー67のグリップ127aを配置し、手を移動させずに親指57aだけの操作でエンジン回転数を上昇させることができる。
これにより、作業中に、目標回転数の変更を容易におこなうことができる。
よって、歩行型芝刈機10による作業中に、ブーストレバー67を容易に操作することができ、エンジン14(図1参照)の目標回転数を作業条件に対応させて迅速に変更させることができる。
左ハンドルバー31の後端部31aにカバー71が取り付けられている。カバー71の変速レバーガイド孔73から変速レバー62の操作レバー部95が上方に突出され、操作レバー部95の左側後方にメインスイッチ64が取り付けられ、操作レバー部95の右側後方に回転モード切替スイッチ65が取り付けられている。
操作レバー部127のグリップ127aが、左グリップ脚部34の内側近傍に配置されている。このグリップ127aは、図8に示すように、前方から後方に向けて上り勾配で延び(突出し)ている。
一方、図8に示すように、左グリップ脚部34は前方に傾斜している。
これにより、グリップ127aを前方に押し出した際に、グリップ127aが前方に移動し過ぎることがない。すなわち、グリップ127aを前方に押し出した際に、グリップ127aを左グリップ脚部34の近傍に配置することができる。
したがって、左グリップ脚部34および作業用クラッチレバー41の左脚部44を左手57(図9参照)で握った状態において、親指57aでグリップ127aを楽に(無理なく)前方に押し出すことができる。
まず、図2に示す制御部89をマイクロコンピュータとした場合の制御フローについて、図11〜図12に基づき説明する。図中、ST××はステップ番号を示す。特に説明がないステップ番号については、番号順に進行する。以下、図1および図2を参照しつつ説明する。
ST11;各スイッチのスイッチ信号を読み込む。具体的には、図2に示す回転モード切替スイッチ65、回転数変更スイッチ66および作業用クラッチ操作検出センサ68の信号を読み込む。
図5に示すように、作業者が作業用クラッチレバー41から手を離しているときの位置がオフ位置である。作業用クラッチレバー41の位置は、作業用クラッチ操作検出センサ68(図2参照)の検出信号で判断される。
目標低速回転数NLは、前述したように、予め設定されている一定の回転数であり、エンジン14のアイドリング状態の回転数に相当する。
回転モード切替スイッチ65(図2参照)が、オンのとき「静音モード」、オフのとき「パワーモード」になる。
目標中速回転数NMは、前述したように、予め設定されている一定の回転数であり、エンジン14で発するトルクが最大または概ね最大のときのエンジン回転数に相当する。
目標高速回転数NHは、前述したように、予め設定されている一定の回転数であり、エンジン14で発する出力が最大または概ね最大のときのエンジン回転数に相当する。
ここで、目標低速回転数NL、目標中速回転数NMおよび目標高速回転数NHは、NL<NM<NHの関係が成立する。
ST18;エンジン14の実際の回転数Nr(以下「実回転数Nr」という。)をエンジン回転センサ86(図2参照)で計測する。
ST19;実回転数Nrが目標回転数Ntを下回っているか否かを判断する。下回っている場合ST20に進み、下回っていない場合ST21に進む。
ST21;制御モータ83を逆転駆動させてスロットル弁92を閉駆動する。スロットル弁92を閉駆動することにより実回転数Nrが減少する。
ST23;メインスイッチ64がオンであるか否かを判断する。オンの場合、エンジン14の作動を続行すると判断してST11に戻る。オンでない場合、エンジン14の停止指令があったと判断してST24に進む。
ST24;エンジン14を停止させた後に、この制御フローによる制御を終了する。
ST101;作業用クラッチレバー41がオン位置にあるか否かを判断する。オン位置の場合、ST102に進む。オン位置でない場合、エンジン14の回転制御モードが「アイドルモード」であると判断して図11に示すST17に戻る。
図3、図4に示すように、作業者が作業用クラッチレバー41を前方へ揺動操作した位置がオン位置である。作業用クラッチレバー41の位置については、作業用クラッチ操作検出センサ68(図2参照)の検出信号によって判断する。
回転モード切替スイッチ65(図2参照)が、一例として、オンのとき「静音モード」、オフのときに「パワーモード」になる。
回転数変更スイッチ66は、図2に示すブーストレバー67を前方へ揺動操作しているときだけオンになる。
ST104;エンジン14の目標回転数Ntを目標高速回転数NHの値に設定した後に、図11に示すST17に戻る。
まず、ST11〜ST16に対応する作業用クラッチレバー41、走行レバー42および回転モード切替スイッチ65の操作例を、図2および図13〜図14に基づいて説明する。
(a)において、作業用クラッチレバー41および走行レバー42をそれぞれオフ位置に保つ。
作業用クラッチレバー41をオフ位置にセットすることで、作業用ブレーキ/クラッチ部21(図2参照)のブレーキを作動するとともにクラッチを切った状態に保つ。
加えて、作業用クラッチレバー41をオフ位置にセットすることで、作業用クラッチレバー41の押付プレート112でプッシュロッド68a(図13(b)参照)が押し込まれ、作業用クラッチ操作検出センサ68がオフ状態になる。
一方、走行レバー42をオフ位置にセットすることで、変速装置25(図2参照)の変速斜板の傾きを零に保つ。
つぎに、作業条件に合わせて最適な目標回転数を選択する。すなわち、「パワーモード」段階で作業をおこなう場合には、左手57(図15(a)参照)で回転モード切替スイッチ65に備えた操作ノブ65aの前部65bを押し込む。
これにより、目標回転数を「パワーモード」段階に選択する(切り替える)。
これにより、目標回転数を「静音モード」段階に選択する(切り替える)。
走行レバー42がオフ位置に保たれているので、エンジン14の回転制御モードが「アイドルモード」になる。さらに、走行レバー42をオフ位置に保つことで、歩行型芝刈機10を停止状態に保つ。
一方、作業用クラッチレバー41がオフ位置に保たれているので、カッタ15を静止状態に保つ。
作業用クラッチレバー41をオフ位置からオン位置に揺動することにより、押付プレート112が作業用クラッチ操作検出センサ68から後方に離れる。
これにより、押付プレート112がプッシュロッド68aから離れ、プッシュロッド68aが後方に突出して、作業用クラッチ操作検出センサ68がオン状態になる。
よって、作業用クラッチレバー41とともにクラッチアーム121が矢印Bの如く時計回り方向に揺動する。
クラッチアーム121でクラッチ用ケーブル122を後方に矢印Cの如く牽引する。作業用ブレーキ/クラッチ部21(図2参照)のブレーキを解除するとともにクラッチを接続する。
これにより、図2に示すエンジン14の回転がカッタ15に伝わり、カッタ15が回転を開始する。
操作ボタン113を左脚部44内に押し下げない状態で、作業用クラッチレバー41をオフ位置からグリップ部33に重ね合わせる方向に揺動する。
押付プレート112が作業用クラッチ操作検出センサ68から後方に離れ、作業用クラッチ操作検出センサ68がオン状態になる。
作業用クラッチ操作検出センサ68がオン状態になることで、図2に示すエンジン14の回転制御モードが、回転モード切替スイッチ65で選択した「静音モード」または「パワーモード」になる。
この状態で、走行レバー42をオフ位置からオン位置に揺動することで、図2に示す変速装置25の変速斜板が傾いて、歩行型芝刈機10が低速走行を開始する。
図15(a),(b)は本発明に係る歩行型作業機の回転数変更部を操作する例を説明する図である。
(a)において、重ね合わせたそれぞれの水平バー36,46,55を右手58で握る。そして、左グリップ脚部34および作業用クラッチレバー41の左脚部44を左手57で握る。
よって、作業者は、左グリップ脚部34を左手57で握った状態において、グリップ部33の後方から操作空間56まで親指57aを移動することができる。
(a)において、グリップ127aに親指57aをかけた状態で、グリップ127aを前方に矢印Dの如く押し出す。
ブーストレバー67のグリップ127aを操作空間56に配置することで、作業中に、左手57でグリップ部33を握りながらブーストレバー67の操作を容易におこなうことができる。
押付プレート131が下方に移動して、回転数変更部60を構成する回転数変更スイッチ66のプッシュロッド66aが下方に突出する。
これにより、作業を中断することなく、または、作業速度を緩めることなく、エンジン回転数を瞬時に上昇させることが可能となり、作業性の一層の効率アップを図ることができる。
これにより、回転数変更スイッチ66のプッシュロッド66aを押付プレート131で押し込んだ状態に保つ(図15参照)。
回転モード切替スイッチ65が「パワーモード」に選択されている場合、エンジン14の回転制御モードは「パワーモード」に継続して保たれる。
加えて、ブーストレバー67の操作で「静音モード」から「パワーモード」まで目標回転数を段階的に微調整することも可能である。
Claims (1)
- 機体にエンジンを搭載し、この機体から後方に向けて左右のハンドルバーを所定間隔をおいて延ばし、左右のハンドルバーの後端部を門型のグリップ部で連結した歩行型作業機において、
前記エンジンの回転数として複数段階の目標回転数が予め設定され、複数段階の目標回転数から選択された任意の目標回転数にエンジンの回転数を合わせる電子式ガバナと、
この電子式ガバナが前記複数段階の目標回転数から任意の目標回転数を選択するための選択信号を電子式ガバナに伝える目標回転数選択部と、
が備えられ、
この目標回転数選択部が、前記左右のハンドルバーのいずれか一方に設けられるとともに、前記グリップ部の前側近傍に配置され、
前記目標回転数選択部で選択した任意の目標回転数を、前記目標回転数より高い目標回転数に変えるために、前記電子式ガバナに変更信号を伝える回転数変更部が備えられた歩行型作業機であって、
前記グリップ部の後方に前後方向に揺動可能な門型のレバーを備え、
前記門型のレバーの脚部を前記グリップ部の脚部より内側に離して配置することで、それぞれの脚部間に親指を配置可能な操作空間を形成し、
前記操作空間に前記回転数変更部の操作レバーを配置し、
前記操作レバーを前記グリップ部の脚部の前方から後方に向けて延ばし、前記グリップ部の脚部の後部から後方に突出させ、
前記グリップ部の脚部を握った手の親指を前記操作レバーにかけ、前記操作レバーを前記親指で前方に押し出して前記回転数変更部を操作可能としたことを特徴とする歩行型作業機。
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