JP2007198240A - エンジン駆動式作業機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エンジン駆動式作業機10は、作業部15を駆動するエンジン14の実際の回転数を目標回転数に合わせるようにスロットル弁92を電気的に開閉制御するものである。エンジン駆動式作業機は、目標回転数を複数の段階の値に予め設定しておき、その中から任意に選択した1つの目標回転数の値を指示する目標回転数切替操作部65と、この目標回転数切替操作部の指示に基づく1つの目標回転数の値に対して実際の回転数が合うようにスロットル弁を開閉制御する制御部89とを備える。
【選択図】図2
Description
(1)スロットル弁を全閉位置まで閉じることで、アイドリング回転数に戻す。
(2)スロットル弁を常用位置まで閉じることで、常用最低回転数に戻す。
一般的なエンジンの特性は、回転数の増加に応じて出力が高まるとともに、最大出力を発生可能な回転数よりも低速回転数において最大トルクを発生する特性であることが、知られている。請求項2に係る発明では、目標中速回転数は、エンジンが最大トルクを発生可能な回転数又はその回転数に近い値に設定される。目標高速回転数は、エンジンが最大出力を発生可能な回転数又はその回転数に近い値に設定される。
このように、エンジン駆動式作業機の作業途中にエンジンの負荷が大きく変動した場合に、作業者は負荷に応じて、エンジンの回転数を中速と高速との2段階に簡便に設定することができる。しかも、目標回転数切替操作部で変更する速度設定は2段階だけであるから、極めて容易に変更操作できる。
以下、エンジン駆動式作業機の一例として歩行型芝刈機を挙げて、第1実施例を図1〜図9に基づき説明する。
歩行型芝刈機10は、下面を開放したハウジング11の前後端にそれぞれ左右の前輪12および左右の後輪13(駆動輪13)を備え、ハウジング11の上部にエンジン14を搭載し、ハウジング11の内部にカッタ15を備え、ハウジング11の刈芝排出口11aに芝収容バッグ16を備え、ハウジング11から後上方に向けてハンドル17を延ばし、ハンドル17の後端部に操作部18を備えたものである。
さらに、エンジン14は、出力軸19を伝動機構22を介して油圧無段変速装置25(以下、単に「変速装置25」と言う。)の入力側に連結したものである。変速装置25の出力軸は車軸26を介して後輪13に連結されている。
すなわち、変速装置25は、後輪13の回転数を零(停止)から高速回転域まで無段階に変速するものである。このように変速装置25は、エンジン14から後輪13へ伝達する出力の遮断・結合を行う(つまり、遮断することで後輪13を停止させ、結合することで後輪13を回転させる)という、いわゆるクラッチ機能を有している。
ハンドル17は、ハウジング11から後上方に延びる左右のハンドルバー31,32と、左右のハンドルバー31,32に架け渡したグリップ部33とからなる。
左右のハンドルバー31,32は、後端部31a,32aに左右の取付ブラケット38,39を備え、これらの取付ブラケット38,39に作業用クラッチレバー41および走行レバー42を前後へ揺動自在に取り付けた構成である。
左ハンドルバー31は、後端部31aに操作部18およびカバー71を備えたものである。
先に、操作部18について説明する。操作部18は、変速レバー62、メインスイッチ64、回転モード切替スイッチ65および作業用クラッチ操作検出センサ68を備える。
走行レバー42を操作したときに、変速装置25は変速レバー62の変速操作位置に応じた速度で後輪13を回転させる。その後、走行レバー42を元に戻すと、変速装置25の出力回転は零になり、後輪13を停止させる。
エンジン14はリコイルスタータ81、点火装置82、スロットル弁用制御モータ83、モータ用ドライバ84、スロットル開度センサ85、エンジン回転センサ86、発電機87、電源回路88および制御部89を備える。なお、エンジン14はバッテリを備えていない。
発電機87は、エンジン14の出力の一部によって交流電力を発電するオルタネータであり、例えばフライホイールに設けたものである。電源回路88は、発電機87で発電された交流電力を整流して直流電力に変換した上で、点火装置82や制御部89等の電装品に供給するものである。
第1の回転制御モードは、アイドリング状態のエンジン回転数に制御する「アイドルモード」である。第2の回転制御モードは、エンジン14で発するトルクが最大又は概ね最大のときのエンジン回転数に制御する「静音モード」である。第3の回転制御モードは、エンジン14で発する出力が最大又は概ね最大のときのエンジン回転数に制御する「パワーモード」である。
図3は本発明に係るエンジンの特性図であり、横軸をエンジンの回転数とし、左の縦軸をエンジンの出力とし、右の縦軸をエンジンのトルクとして、エンジンの回転数に対する出力の特性およびトルクの特性を示したものである。
曲線Pwは、エンジン14(図2参照)の回転数に対する出力の特性を示す出力特性曲線である。曲線Tqは、エンジン14の回転数に対するトルクの特性を示すトルク特性曲線である。
また、トルク特性曲線Tqによれば、最大出力を発生可能な回転数よりも低速回転数NMにおいて最大トルクを発生する特性であることが判る。つまり、トルク特性曲線Tqは、低速回転数NMにおいて最大トルクとなる略山形状の曲線である。
このようなエンジン14の特性は一般的なエンジンの特性と同様である。
図4は本発明に係る歩行型芝刈機のハンドルの後部周りを右前上方から見た斜視図であり、作業用クラッチレバー41および走行レバー42を握った状態を表したものである。
図5は図4の5矢視図であり、作業用クラッチレバー41および走行レバー42を握った状態を表したものである。
図6は図4の6矢視図であり、作業用クラッチレバー41および走行レバー42から手を離した状態を表したものである。
図6に示すように、この作業用クラッチレバー41は、押し下げ操作するためのロック解除ノブ113と、ロック解除ノブ113の降下に連動して降下する操作ロッド114と、操作ロッド114に連動して後方へ揺動する係合部材115と、揺動した係合部材115に係合するクラッチアーム121と、クラッチアーム121に一端を連結したクラッチ用ケーブル122とを備える。
一方、作業者は右手58で、グリップ水平バー36と、作業用クラッチレバー41の水平バー46と、走行レバー42の水平バー55とを、いっしょに握ることができる。
ディスク部94は側部に変速レバーアーム63を重ね合わせた状態で、共に支持ピン96を介して左のハンドルバー31へ前後に揺動可能に取り付けた構成である。変速レバーアーム63は下方へ延びた細長い部材であり、ディスク部94に対して相対的に前後に揺動可能である。
変速用ケーブル27は、インナケーブル27aの一端に備えた連結ピン101を第1のガイド孔98および第2のガイド孔99に嵌合したものである。
支持アーム102は、左ハンドルバー31に備えた固定部材である。第1引張りばね103は、変速レバーアーム63を図4および図6に示す走行停止位置へ自動復帰させるための、リターンスプリングである。走行アーム105は、走行レバー42に備えたスイング部材であり、走行レバー42と共に前後に揺動可能である。
ST01;作業者がメインスイッチ64をオン操作する。
ST02;メインスイッチ64のオン状態において、作業者がリコイルスタータ81のノブ81aを引張ることで、リコイルスタータ81を始動操作する。
ST03;リコイルスタータ81の始動操作により、エンジン14が始動する。
ST04;エンジン14の始動に伴い、発電機87が発電を開始する。
ST05;発電機87の出力電圧が一定以上の安定した電圧になることで、発電機87から供給される電力によって制御部89が自動的に起動する。
ST06;制御部89は所定の制御を開始する前の、初期設定の処理を実行する。
ST07;この時点から、制御部89はエンジン回転数制御処理を自動的に実行する。このエンジン回転数制御処理を具体的に実行するための具体的な制御フローについては、次の図8に示す。
ST12;作業用クラッチレバー41がオフ位置にあるか否かを調べ、YESなら「アイドルモード」であると判断してST13に進み、NOならST14に進む。図6に示すように、作業者が作業用クラッチレバー41から手を離しているときの位置が、オフ位置である。作業用クラッチレバー41の位置については、作業用クラッチ操作検出センサ68(図2参照)の検出信号によって判断する。
ST14;エンジン14の回転制御モードが「静音モード」であるか否かを調べ、YESならST15に進み、NOなら「パワーモード」であると判断してST16に進む。このST14では、回転モード切替スイッチ65がオンであるときにYESの判断になり、回転モード切替スイッチ65がオフであるときにNOの判断になる。
ST16;エンジン14の回転制御モードが「パワーモード」に移行したので、エンジン14の目標回転数Ntを目標高速回転数NHの値に設定する。目標高速回転数NHは、予め設定されている一定の回転数であり、エンジン14で発する出力が最大又は概ね最大のときのエンジン回転数に相当する。
ST18;実回転数Nrが目標回転数Ntを下回っているか否かを調べ、YESならST19に進み、NOならST20に進む。
ST20;制御モータ83を逆転駆動させることにより、スロットル弁92を閉駆動する。この結果、実回転数Nrは減少する。
ST21;メインスイッチ64のスイッチ信号を読み込む。
ST22;メインスイッチ64がオンであるか否かを調べ、YESならエンジン14の作動を続行すると判断してST11に戻り、NOならエンジン14の停止指令があったと判断してST23に進む。
ST23;エンジン14を停止させた後に、この制御フローによる制御を終了する。
図9は本発明に係る歩行型芝刈機の作用説明図であり、横軸を時間としたタイムチャートで各部の作用を示す。
図10および図11に示すように歩行型耕耘機200は、ケース201の上部に搭載したエンジン14と、ケース201内でエンジン14の出力軸19にクラッチ202を介して連結した動力伝達機構203と、動力伝達機構203に連結して左右に延びる水平な耕耘軸204と、耕耘軸204に設けた第1耕耘爪205・・・並びに第2耕耘爪206・・・と、ケース201の後部から下方へ延びる抵抗棒207を備える。
図12は本発明に係る左のハンドルの後部周りの左側面図である。図13は本発明に係る左のハンドルの後部周りの平面図である。
図12および図13に示すように、操作部230は、左のハンドル221のうちグリップ222の近傍に配置したものであり、メインスイッチ64、回転モード切替スイッチ65、作業用クラッチレバー231(つまり、作業用クラッチ操作部231)、作業用クラッチ操作検出センサ68およびカバー232を備える。
本発明では、制御部89には複数の目標回転数Ntの値を予め設定しておき、目標回転数切替操作部65(回転モード切替スイッチ65)を操作して、任意に選択した1つの目標回転数Ntを制御部89に指示することによって、この1つの目標回転数Ntに対して実回転数Nrが合うようにスロットル弁92を電気的に開閉制御することができる。従って、作業者は複数の目標回転数Ntの値のうち、単に1つの値を任意に選択して、目標回転数切替操作部65を切り替え操作するだけで、選択した値の目標回転数Ntに、極めて簡便に切り替えることができる。このため、作業者はスロットルレバーを操作して、目標回転数Ntの微妙な調節を行う必要はない。
目標中速回転数NMは、エンジン14が最大トルクを発生可能な回転数又はその回転数に近い値に設定される。目標高速回転数NHは、エンジン14が最大出力を発生可能な回転数又はその回転数に近い値に設定される。
さらには、目標回転数Ntの値を目標中速回転数NMに切り替えることにより、実回転数Nrを下げて、エンジン騒音を低減させることができる。
Claims (4)
- 作業部を駆動するエンジンの実際の回転数を目標回転数に合わせるようにスロットル弁を電気的に開閉制御するエンジン駆動式作業機において、このエンジン駆動式作業機は、
前記目標回転数を複数の段階の値に予め設定しておき、その中から任意に選択した1つの目標回転数の値を指示する目標回転数切替操作部と、
この目標回転数切替操作部の指示に基づく前記1つの目標回転数の値に対して前記実際の回転数が合うように前記スロットル弁を開閉制御する制御部と、
を備えたことを特徴とするエンジン駆動式作業機。 - 前記複数の目標回転数の値とは、前記エンジンが最大トルクを発生可能な回転数又はその回転数に近い目標中速回転数と、前記目標中速回転数よりも高速で前記エンジンが最大出力を発生可能な回転数又はその回転数に近い目標高速回転数との、2つであることを特徴とした請求項1記載のエンジン駆動式作業機。
- 前記エンジン駆動式作業機は、前記エンジンから前記作業部へ伝達する出力の遮断・結合を行うクラッチと、このクラッチを操作する作業用クラッチ操作部と、この作業用クラッチ操作部で前記クラッチの結合操作がされたことを検出する作業用クラッチ操作検出センサとを備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のエンジン駆動式作業機。
- 前記制御部は、前記作業用クラッチ操作検出センサが前記クラッチの結合操作を検出したときのみ、選択された前記1つの目標回転数の値に基づく制御を実行するように構成したことを特徴とする請求項3記載のエンジン駆動式作業機。
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