JP4777782B2 - 芝刈機 - Google Patents
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Description
この歩行型芝刈機で芝を刈る際に、作業者は、作業条件に応じてスロットルレバーを操作してエンジン回転を設定し、芝刈機本体の後方に延びたハンドルを握りながら歩行型芝刈機の後方から連れ歩く。
スロットルレバーを操作することで、スロットル弁を作動させてエンジンの回転数を調整する。
このアクチュエータでスロットル弁を制御することにより、エンジンの回転数を、設定した回転数に自動的に合わせてカッタの回転数を一定に保つ。
このため、エンジンの回転数を、予め設定した目標回転数に自動的に調整するだけでは、歩行型芝刈機の作業性を良好に確保することは難しい。
そこで、請求項1において、エンジンの目標回転数を複数段階に設定し、設定した複数段階の目標回転数を目標回転数選択部で任意に選択可能とした。
この芝刈機で芝を刈る際に、作業者は、芝刈機本体の後方に延びたハンドルを握りながら芝刈機の後方から連れ歩く。このため、エンジン回転数を変化させた際に、変速レバーを手動で操作することなく芝刈機の走行速度を好適に保つことが好ましい。
そこで、請求項1において、目標回転数選択部で目標回転数を切り替える際に、目標回転数選択部に連動させて変速レバーを操作可能な連動機構を備えた。
そこで、請求項1において、目標回転数選択部で目標回転数を高い段階に切り替えたとき、目標回転数選択部に連動させて変速レバーを減速位置に操作することにした。
よって、目標回転数選択部を操作して、エンジンの目標回転数を作業条件に合わせて選択することができる。このように、作業条件に合わせて目標回転数を選択することで、芝刈機の作業性を良好に確保することができる。
よって、目標回転数選択部で目標回転数を選択する際に、選択した目標回転数に合わせて走行速度を自動的に調整することができる。
このように、目標回転数選択部で目標回転数を選択した際に、走行速度を自動的に調整することで、変速レバーを手動で操作する手間を省くことができ、使い勝手の向上を図ることができる。
よって、目標回転数を高い段階に切り替えた場合でも、芝刈機の走行速度を抑えて、作業者に適した徒歩速度に保つことが可能になる。
これにより、作業者は芝刈機の後方から容易に連れ歩くことができ、芝刈機を安定的に操作することができる。
係合部を被係合部に係合させるだけの簡単な構成で、変速レバーを切替操作レバーに連動させることが可能になり、連動機構を簡素な構成とすることができる。
これにより、作業中に、グリップ部を握ったままの状態で、目標回転数の切り替えを容易におこなうことができ、操作性の向上を図ることができる。
図1は本発明に係る芝刈機を示す側面図である。
芝刈機10は、下開放のハウジング(機体)11の前後端にそれぞれ左右の前輪12および左右の後輪(駆動輪)13を備え、ハウジング11の上部にエンジン14を搭載し、ハウジング11の内部にカッタ15を備え、ハウジング11の刈芝排出口11aに芝を収容する芝収容バッグ16を備え、ハウジング11から後上方に向けてハンドル17を延ばし、ハンドル17の後端部に操作部18を備えた歩行型芝刈機である。
さらに、エンジン14は、出力軸19を伝動機構22を介して油圧無段変速装置(以下、変速装置と略記する)25の入力側に連結したものである。変速装置25の出力軸は車軸26を介して後輪13に連結されている。
すなわち、変速装置25は、後輪13の回転数を零(停止)から高速回転域まで無段階に変速するものである。
さらに、変速装置25の変速斜板の傾きを零にすることで、芝刈機10を停止させる。
左ハンドルバー31の後端部31aに左取付ブラケット38を取り付けるとともに、右ハンドルバー32の後端部32aに右取付ブラケットを取り付ける。
左右の取付ブラケット38に作業用クラッチレバー41および走行レバー42が揺動自在に取り付けられている。
作業用クラッチレバー41および走行レバー42は、グリップ部33の後方に設けられている。
走行レバー42を前方に向けて揺動することで、走行レバー42の水平バー55(図3参照)がグリップ水平バー36に重なる。
操作部18は、変速レバー62、メインスイッチ64、目標回転数選択部65、連動機構66(図3参照)および作業用クラッチ操作検出センサ68を備える。
これにより、操作の煩雑さを防いで、操作性を高めることができる。
なお、操作部18については図3〜図10で詳しく説明する。
エンジン14は、始動用のリコイルスタータ81、シリンダ内の燃料を点火する点火装置82、エンジン14の回転で発電する発電機87、およびエンジン14の回転数を調整する電子式ガバナ80を備える。
制御部89は、エンジン回転センサ86からの回転情報に基づいてモータ用ドライバ84に制御信号を発することで、スロットル弁用制御モータ83を電気的にオン・オフ制御する。
スロットル弁用制御モータ83でスロットル弁91を操作して、エンジン14の回転数が目標回転数と一致するように電気的に制御する。
そこで、複数の作業条件を考慮して、目標回転数を複数段階に設定した。そして、設定した複数段階の目標回転数を、目標回転数選択部65を操作することで選択可能にした。
第1の回転制御モードは、アイドリング状態のエンジン回転数に制御する「アイドルモード」である。
第2の回転制御モードは、エンジン14のトルクが最大または概ね最大のときのエンジン回転数に制御する「静音モード」である。
第3の回転制御モードは、エンジン14の出力が最大または概ね最大のときのエンジン回転数に制御する「パワーモード」である。
一般的に、エンジン14は、回転数の増加に応じて出力が高まり、最大出力時の回転数よりも低い回転数で最大トルクを発生する。
「アイドルモード」、「静音モード」および「パワーモード」の3段階のモードは、制御部89に予め設定されている。
これにより、エンジン14の回転数が目標回転数と一致するように電気的に制御することができる。
これにより、電子式ガバナ80から操作部18のスイッチ類への配線を最短距離で結ぶことができる。
目標回転数選択部65は、切替操作レバー77と、切替操作レバー77で操作可能な回転モード切替スイッチ(切替スイッチ)78と、切替操作レバー77を保持する保持ばね79(図3参照)を備える。
具体的には、一例として、目標回転数選択部65は、エンジン14の制御モードを「静音モード」と「パワーモード」とに切り替える。
作業用クラッチ操作検出センサ68は、作業用クラッチレバー41で操作される。すなわち、作業用クラッチレバー41から手を離して作業用クラッチレバー41をオフ位置に保持した場合に、作業用クラッチ操作検出センサ68がオフになり、「アイドルモード」となる。
この操作部18は、前述したように、目標回転数選択部65に加えて、変速レバー62、メインスイッチ64および作業用クラッチ操作検出センサ68を備える。
走行レバー42を操作したときに、変速装置25は変速レバー62の変速操作位置に応じた速度で後輪13を回転させる。その後、走行レバー42を元に戻すと、変速装置25の出力回転は零になり、後輪13を停止させる。
すなわち、作業用クラッチ操作検出センサ68は、作業用クラッチレバー41の操作でクラッチ21を結合(クラッチオン)したとき、クラッチ21が結合操作されたことを検出する。
門型のグリップ部33は、左ハンドルバー31の後端部31aから前方に向けて上り勾配に立ち上げた左グリップ脚部34と、右ハンドルバー32の後端部32aから前方に向けて上り勾配に立ち上げた右グリップ脚部35と、左グリップ脚部34の上端部および右グリップ脚部35の上端部に架け渡したグリップ水平バー36とを備える。
グリップ部33は、左右のグリップ脚部34,35およびグリップ水平バー36で門型を形成する。
作業用クラッチレバー41は、左右の脚部44,45および水平バー46で門型を形成する。
この作業用クラッチレバー41を前方に向けて揺動することで、左脚部44が左グリップ脚部34に重なり、右脚部45が右グリップ脚部35に重なる。さらに、水平バー46がグリップ水平バー36に重なる。
走行レバー42は、左右の水平ロッド51,53、左右の脚部52,54および水平バー55で門型を形成する。
一方、左取付ブラケット38に左水平ロッド51を介して左脚部52を設けることで、走行レバー42の水平バー55をグリップ水平バー36に重ねた際に、走行レバー42の左脚部52を左グリップ脚部34から離して内側に配置する。
この操作空間56に親指57aをおくことで、作業用クラッチレバー41および走行レバー42をグリップ部33に重ね合わせた際に、作業用クラッチレバー41が親指57aに当たることを防止する。
なお、作業用クラッチレバー41および走行レバー42をグリップ部33に重ね合わせた際に、右手58はそれぞれの水平バー36,46,55を握る。
このカバー71は、上面72の外側辺72a近傍に変速レバーガイド孔73を備え、変速レバーガイド孔73の後方にメインスイッチ取付孔74を備え、メインスイッチ取付孔74の右後方に切替操作レバーガイド孔76を備える。
切替操作レバーガイド孔76から切替操作レバー77の操作レバー部127が上方に突出される。
また、作業用ブレーキ/クラッチ部21(図1参照)はクラッチ用ケーブル122を介して作業用クラッチレバー41に連結している。このクラッチ用ケーブル122は左ハンドルバー31側に取り付けられている。
よって、メインスイッチ64、回転モード切替スイッチ78および作業用クラッチ操作検出センサ68の各ワイヤハーネス(図示せず)を変速用ケーブル27およびクラッチ用ケーブル122と一緒に束ねることができる。
これにより、変速用ケーブル27およびクラッチ用ケーブル122で各スイッチのワイヤハーネスを保護することができる。
すなわち、図4は作業者が作業用クラッチレバー41をオン位置まで前方へ揺動操作した状態を示す。図5は作業者が作業用クラッチレバー41から手を離してオフ位置に保持した状態を示す。
変速レバー62は、二股状に離間配置した一対のディスク部94,94と、ディスク部94,94の上端部94aから上方に突起した操作レバー部95を備える。
一対のディスク部94,94間に変速レバーアーム63を配置し、ディスク部94,94および変速レバーアーム63を支持ピン96を介して取付ブラケット61に回動自在に支持する。
第1、第2のガイド孔98,98,99に連結ピン101が挿通され、連結ピン101が変速用ケーブル27を介して変速装置25(図1参照)に連結されている。
すなわち、第1ガイド孔98の半径は、後端部から前端部に向かって徐々に大きくなるように形成されている。
また、変速レバーアーム63の下端部と走行アーム105の先端部とに第2引張りばね106が架け渡されている。
これにより、第2引張りばね106が延びて、第2引張りばね106のばね力が増し、変速レバーアーム63が支持ピン96を軸にして後方に揺動する。
変速用ケーブル27のインナケーブル27aを後方に牽引することで、変速用ケーブル27で変速装置25の変速用アーム25a(図1参照)を操作する。これにより、変速装置25の変速斜板が傾き、芝刈機10が低速走行の状態になる。
よって、変速レバー62を低速位置(想像線で示す位置)から高速位置(実線で示す位置)に向けて前方に揺動することで、連結ピン101が後方に移動する。
変速用ケーブル27のインナケーブル27aを矢印の如くさらに後方に牽引する。変速装置25の変速斜板が大きく傾いて芝刈機10の走行速度が上がる。
連結ピン101が前方に移動することで、インナケーブル27aの牽引力を除去する。これにより、変速装置25の変速斜板の傾きが小さくなり芝刈機10の走行速度が下がる。
被係合突片107は、内側ディスク部94の後下部94bから後方に延びた突片で、上辺に凹状の湾曲部107aを備える。
なお、被係合突片107については図7、図8で詳しく説明する。
メインスイッチ64は、つまみ部64aを水平方向に回転することでオン・オフ状態を切り替え可能なロータリスイッチである。
このメインスイッチ64は、オフ位置からオン位置に切り替えることで芝刈機10の電源系統をオンに切り替えるものである。この状態で、リコイルスタータ81を操作してエンジン14を始動する。
メインスイッチ64を、オン位置からオフ位置に戻すことでエンジン14を停止させる。
目標回転数選択部65は、左ハンドルバー31に設けられた切替操作レバー77と、この切替操作レバー77で操作可能な回転モード切替スイッチ78と、切替操作レバー77をオン位置またはオフ位置に保持する保持ばね79を備える。
切替操作レバー77は、アーム部126がカバー71で覆われ、操作レバー部127が、切替操作レバーガイド孔76(図3参照)から上方に突出した状態に保たれる。
なお、切替操作レバー77および回転モード切替スイッチ78、すなわち目標回転数選択部65については図7および図8で詳しく説明する。
すなわち、目標回転数選択部65は、図2に示す電子式ガバナ80が複数段階の目標回転数から任意の目標回転数を選択するための選択信号を電子式ガバナ80に伝えるものである。
グリップ部33の後方に作業用クラッチレバー41が設けられている。
作業用クラッチレバー41は、左脚部44が支持ピン111に回動自在に取り付けられ、左脚部44の下端部に押付プレート112を備える。押付プレート112は、作業用クラッチ操作検出センサ68の後方に位置する。
作業用クラッチ操作検出センサ68は、プッシュロッド68aを押し込んだときオフ状態、押し込みを解除してプッシュロッド68aを突出させたときオン状態に切り替え可能である。
作業用クラッチ操作検出センサ68がオフ状態になり、このオフ信号に基づいて、エンジン14(図2参照)の回転制御モードが「アイドルモード」になる。
これにより、押付プレート112がプッシュロッド68a(図12(b)も参照)から離れ、プッシュロッド68aが後方に突出した状態を保つ。
目標回転数選択部65が「パワーモード」に選択されている場合、エンジン14の回転制御モードが「パワーモード」になる。
係合部材115が引張りばね116のばね力に抗して支持ピン117を軸に時計回り方向に回動する。係合部材115が回動することで、係合部材115のロック爪115aが連結ピン118に係合する。
クラッチ用ケーブル122の前端部は、作業用ブレーキ/クラッチ部21(図1参照)のレバーに連結されている。
クラッチアーム121の先端部121aに引張りばね123が掛けられている。クラッチアーム121は、引張りばね123のばね力でクラッチオフ位置(図示の位置)に保持される。
つぎに、作業用クラッチレバー41を前方に時計回り方向に揺動する。クラッチアーム121が時計回り方向に揺動して、クラッチ用ケーブル122を後方に牽引する。
これにより、図1に示すエンジン14の回転がカッタ15に伝わり、カッタ15が回転する。
左ハンドルバー31の後端部31aに取付ブラケット61が取り付けられ、取付ブラケット61に目標回転数選択部65が備えられている。
すなわち、目標回転数選択部65を構成する切替操作レバー77および回転モード切替スイッチ78は、取付ブラケット61を介して左ハンドルバー31の後端部31aに支持されている。
この回転モード切替スイッチ78は、プッシュロッド78aを押し込んだときオフ状態、押し込みを解除してプッシュロッド78aを突出させたときオン状態に切り替え可能である。
係止ピン134と係止ブラケット135とには保持ばね79が架け渡されている。係止ブラケット135は、左ハンドルバー31に固定されている。
保持ばね79は、切替操作レバー77をオフ位置(図示の位置)に配置した状態において、切替操作レバーを反時計回り方向に付勢する。
さらに、保持ばね79は、切替操作レバーをオン位置(図14(b)、図15の位置)に配置した状態において、切替操作レバーを時計回り方向に付勢する。
回転モード切替スイッチ78がオフ状態になり、図2に示す電子式ガバナ80にオフ信号を伝える。エンジン14の回転制御モードとして「静音モード」が選択される(切り替わる)。
これにより、押付プレート131が下方に移動して、回転モード切替スイッチ78のプッシュロッド78aが下方に突出した状態を保つ。
回転モード切替スイッチ78がオン状態に切り替わり、電子式ガバナ80にオン信号を伝える。エンジン14の回転制御モードが「静音モード」から「パワーモード」に切り替わり、「パワーモード」が選択される。
なお、保持ばね79については図12(a)および図15で詳しく説明する。
操作レバー部127の位置については図9で詳しく説明する。
係合ピン108は、係合プレート132の前端部132aに横向きに取り付けられて、前端部132aから内側(機体の内側)に突出したピンである。
係合プレート132は、内側ディスク部94の外側(機体の外側)に、内側ディスク部94に隣接させて配置されている。
係合ピン108が下降することで、被係合突片107の湾曲部107aに当接する。
この状態において、変速レバー62を低速位置P1と高速位置P2との間で前後方向に操作しても、被係合突片107の湾曲部107aは係合ピン108に当接しない。
この際、例えば、変速レバー62が高速位置P2に保持されていると、係合ピン108が湾曲部107aに当接して、被係合突片107を下方に押し下げる。
これにより、変速レバー62が高速位置P2から中速位置P3まで後方に揺動する。
なお、変速レバー62を戻す位置は中速位置P3に限らないで、任意に設定することが可能である。
このように、係合ピン108を被係合突片107に係合させるだけの簡単な構成で、変速レバー62を切替操作レバー77に連動させることが可能になり、連動機構66を簡素な構成とすることができる。
切替操作レバー77の操作レバー部127は、頂部に樹脂製のつかみ部(グリップ)127aを備える。つかみ部127aは、ハンドル17(図3参照)のグリップ部33近傍に配置されている。
具体的には、つかみ部127aは、左グリップ脚部34の内側近傍(右側近傍)に配置されている。
左グリップ脚部34の内側近傍には、操作空間56が形成されている。すなわち、走行レバー42は、左取付ブラケット38に支持ピン111を介して左水平ロッド51が回動自在に取り付けられている。そして、左水平ロッド51の先端部51bから上方に向けて左脚部52が立ち上げられている。
これにより、左グリップ脚部34と左脚部52とで操作空間56を形成することができる。
この切替操作レバー77は、グリップ部33の左グリップ脚部34を握った左手57で操作可能な箇所に設けられている。
この状態で、親指57aでつかみ部127aに前向きの押出力をかけて、つかみ部127aを前方に押し出すことができる。
すなわち、作業時にハンドル持ち替えの少ない左手側に切替操作レバー77のつかみ部127aを配置し、手を移動させずに親指57aだけの操作でエンジン回転数を上昇させることができる。
作業者は、左グリップ脚部34を左手57で握った状態において、例えば、グリップ部33の前方から操作空間56まで人差し指、中指、薬指および小指57b…(以下、「他の指57b…」という)を移動する。これにより、他の指57b…をつかみ部127aにかけることができる。
他の指57b…でつかみ部127aに後向きの押出力をかけて、つかみ部127aを後方に戻す。
すなわち、作業時にハンドル持ち替えの少ない左手側に切替操作レバーのつかみ部127aを配置し、手を移動させずに他の指57b…だけの操作でエンジン回転数を下降させることができる。
よって、芝刈機10による作業中に、切替操作レバー77を容易に操作することができる。これにより、エンジン14(図1参照)の目標回転数を作業条件に対応させて迅速に変更させることができ、操作性の向上を図ることができる。
左ハンドルバー31の後端部31aにカバー71が取り付けられている。カバー71の変速レバーガイド孔73から変速レバー62の操作レバー部95が上方に突出され、操作レバー部95の左側後方にメインスイッチ64が設けられ、操作レバー部95の後方の切替操作レバーガイド孔76から切替操作レバー77の操作レバー部127が上方に向けて突出されている。
一方、図8に示すように、左グリップ脚部34は前方に傾斜している。
これにより、つかみ部127aを前方に押し出した際に、つかみ部127aが前方に移動し過ぎることがない。
したがって、左グリップ脚部34および作業用クラッチレバー41の左脚部44を左手57で(図9参照)握った状態において、親指57aでつかみ部127aを楽に(無理なく)前方に押し出すことができる。
よって、前方のつかみ部127aを後方に戻す際には、図9に示す左手57で、左グリップ脚部34および作業用クラッチレバー41の左脚部44を握った状態において、他の指57b…でつかみ部127aを楽に(無理なく)後方に戻すことができる。
まず、図2に示す制御部89をマイクロコンピュータとした場合の制御フローについて、図11に基づき説明する。図中、ST××はステップ番号を示す。特に説明がないステップ番号については、番号順に進行する。以下、図1および図2を参照しつつ説明する。
ST11;各スイッチのスイッチ信号を読み込む。具体的には、図2に示す目標回転数選択部65および作業用クラッチ操作検出センサ68の信号を読み込む。
図5に示すように、作業者が作業用クラッチレバー41から手を離しているときの位置が、オフ位置である。作業用クラッチレバー41の位置は、作業用クラッチ操作検出センサ68(図2参照)の検出信号で判断される。
目標低速回転数NLは、前述したように、予め設定されている一定の回転数であり、エンジン14のアイドリング状態の回転数に相当する。
目標回転数選択部65(図2参照)が、オフのとき「静音モード」、オンのときに「パワーモード」になる。
目標中速回転数NMは、前述したように、予め設定されている一定の回転数であり、エンジン14で発するトルクが最大または概ね最大のときのエンジン回転数に相当する。
目標高速回転数NHは、前述したように、予め設定されている一定の回転数であり、エンジン14で発する出力が最大または概ね最大のときのエンジン回転数に相当する。
ここで、目標低速回転数NL、目標中速回転数NMおよび目標高速回転数NHは、NL<NM<NHの関係が成立する。
ST18;実回転数Nrが目標回転数Ntを下回っているか否かを判断する。下回っている場合ST19に進み、下回っていない場合ST20に進む。
ST20;制御モータ83を逆転駆動させてスロットル弁92を閉駆動する。スロットル弁92を閉駆動することにより実回転数Nrが減少する。
ST22;メインスイッチ64がオンであるか否かを判断する。オンの場合、エンジン14の作動を続行すると判断してST11に戻る。オンでない場合、エンジン14の停止指令があったと判断してST23に進む。
ST23;エンジン14を停止させた後に、この制御フローによる制御を終了する。
まず、ST11〜ST16に対応する作業用クラッチレバー41および走行レバー42の操作例を、図2および図12〜図13に基づいて説明する。
(a)において、作業用クラッチレバー41および走行レバー42をそれぞれオフ位置に保つ。
作業用クラッチレバー41をオフ位置にセットすることで、作業用ブレーキ/クラッチ部21(図2参照)のブレーキを作動するとともにクラッチを切った状態に保つ。
一方、走行レバー42をオフ位置にセットすることで、変速装置25(図2参照)の変速斜板の傾きを零に保つ。
つぎに、作業条件に合わせて目標回転数選択部65で最適な目標回転数を選択する。ここでは、一例として、目標回転数選択部65の切替操作レバー77をオフ位置(図示の位置)の位置に保持して「静音モード」段階を選択する。
よって、保持ばね79のばね力で切替操作レバー77を支持ピン125を軸に反時計回り方向に付勢する。これにより、回転モード切替スイッチ78のプッシュロッド78aを押付プレート131で押し込んだ状態に保つとともに、切替操作レバー77をオフ位置に保持する。
回転モード切替スイッチ78がオフ状態になり、「静音モード」が選択される(切り替わる)。
走行レバー42がオフ位置に保たれているので、エンジン14の回転制御モードが「アイドルモード」になる。さらに、走行レバー42をオフ位置に保つことで芝刈機10を停止状態に保つ。
一方、作業用クラッチレバー41がオフ位置に保たれているので、カッタ15を静止状態に保つ。
作業用クラッチレバー41をオフ位置からオン位置に揺動することにより、押付プレート112が作業用クラッチ操作検出センサ68から後方に離れる。
作業用クラッチ操作検出センサ68がオン状態になることで、エンジン14の回転制御モードが、目標回転数選択部65で選択した「静音モード」になる。
よって、作業用クラッチレバー41とともにクラッチアーム121が矢印Fの如く時計回り方向に揺動する。
これにより、図2に示すエンジン14の回転がカッタ15に伝わり、カッタ15が回転を開始する。
操作ボタン113を左脚部44内に押し下げない状態で、作業用クラッチレバー41をオフ位置からグリップ部33に重ね合わせる方向に揺動する。
押付プレート112が作業用クラッチ操作検出センサ68から後方に離れ、作業用クラッチ操作検出センサ68がオン状態になる。
作業用クラッチ操作検出センサ68がオン状態になることで、図2に示すエンジン14の回転制御モードが、目標回転数選択部65で選択した「静音モード」になる。
この状態で、走行レバー42をオフ位置からオン位置に揺動することで、図2に示す変速装置25の変速斜板が傾いて、芝刈機10が低速走行を開始する。
図14(a),(b)は本発明に係る芝刈機の目標回転数選択部で「パワーモード」に操作する例を説明する図である。
(a)において、重ね合わせたそれぞれの水平バー36,46,55を右手58(図3参照)で握る。
左グリップ脚部34および作業用クラッチレバー41の左脚部44を左手57で握り、芝刈機10で芝刈り作業をおこなう。
この場合、作業者は、左グリップ脚部34を左手57で握った状態において、グリップ部33の後方から操作空間56まで親指57aを移動する。
つかみ部127aは、目標回転数選択部65を構成する切替操作レバー77の上部に取り付けられたつまみ部である。
つかみ部127aを操作空間56に配置することで、作業中に、左手57でグリップ部33を握りながらつかみ部127aの操作を容易におこなうことができる。
これにより、変速レバー62が高速位置から中速位置P3まで矢印Kの如く後方に移動する。
回転モード切替スイッチ78のプッシュロッド78aが下方に突出することで、回転モード切替スイッチ78がオン状態に切り替わる。回転モード切替スイッチ78がオン状態に切り替わることで、図2に示すエンジン14の回転制御モードが「パワーモード」に切り替わる。
これにより、作業を中断することなく、または、作業速度を緩めることなく、エンジン回転数を瞬時に上昇させることが可能となり、作業性の一層の効率アップを図ることができる。
図1に示す芝刈機10は、高速走行から中速走行の状態に切り替わる。
よって、目標回転数を「パワーモード」の高い段階に切り替えた場合でも、芝刈機10の走行速度を抑えて、作業者に適した徒歩速度に保つことが可能になる。
これにより、作業者は芝刈機10の後方から容易に連れ歩くことができ、芝刈機10を安定的に操作することができる。
よって、保持ばね79のばね力で切替操作レバー77を支持ピン125を軸に時計回り方向に付勢する。係合ピン108が湾曲部107aに当接しているので、切替操作レバー77をオン位置に保持する。
この場合、作業者は、左グリップ脚部34を左手57で握った状態において、グリップ部33の前方から他の指57b…をつかみ部127aにかける。他の指57b…でつかみ部127aに後向きの押出力をかけて、つかみ部127aを保持ばね79のばね力に抗して矢印Lの如く後方に戻す。
回転モード切替スイッチ78がオフ状態に切り替わり「静音モード」が選択される。
このように、作業条件に合わせて目標回転数を選択することで、芝刈機10の作業性を良好に確保することができる。
このように、目標回転数選択部65で目標回転数を選択した際に、変速レバー62を自動的に調整することで、変速レバー62を手動で操作する手間を省くことができ、使い勝手の向上を図ることができる。
すなわち、連動機構66は、目標回転数選択部65で目標回転数を切り替える際に、目標回転数選択部65に連動させて変速レバー62を操作可能としたものである。
要は、目標回転数選択部65で目標回転数を切り替える際に、目標回転数選択部65に連動させて変速レバー62を操作可能とする構成であればよい。
Claims (3)
- 機体にエンジンを搭載し、この機体から後方に向けてハンドルを延ばし、ハンドルに芝刈機の走行速度を調整する変速レバーを備えた芝刈機において、
前記エンジンの回転数として複数段階の目標回転数が予め設定され、複数段階の目標回転数から選択された任意の目標回転数にエンジンの回転数を合わせる電子式ガバナと、
この電子式ガバナが前記複数段階の目標回転数から任意の目標回転数を選択するための選択信号を電子式ガバナに伝える目標回転数選択部と、
この目標回転数選択部で前記目標回転数を切り替える際に、目標回転数選択部に連動させて前記変速レバーを操作可能な連動機構と、
を備え、
前記連動機構は、
前記目標回転数選択部の操作で前記目標回転数を高い段階に切り替えたとき、目標回転数選択部に連動させて前記変速レバーを減速位置に操作するものであることを特徴とする芝刈機。 - 前記目標回転数選択部は、前記ハンドルに設けられた切替操作レバーと、この切替操作レバーで操作可能な切替スイッチとを備え、
前記連動機構は、前記切替操作レバーに係合部を備えるとともに、この係合部に係合可能な被係合部を前記変速レバーに備え、
前記切替操作レバーの操作で前記切替スイッチを操作して前記目標回転数を切り替える際に、前記係合部を前記被係合部に係合させて前記変速レバーを連動することを特徴とする請求項1記載の芝刈機。 - 前記切替操作レバーは、つかみ部を備え、このつかみ部を前記ハンドルのグリップ部を握った状態で操作できる位置に配置したことを特徴とする請求項2記載の芝刈機。
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