JP4936563B2 - 高分子材料用表面改質剤 - Google Patents

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Description

本発明は、高分子材料用表面改質剤に関し、更に詳しくは球状シルセスキオキサン微粒子から成る高分子材料用表面改質剤に関する。高分子材料用表面改質剤、化粧品原料、コーティング材、診断薬用担体、塗料原料等として、球状シルセスキオキサン微粒子が広く利用されている。本発明は、粒子径の平均値が極めて小さく、また粒子径の分布が極めて狭い球状シルセスキオキサン微粒子から成る高分子材料用表面改質剤に関する。
従来、球状シルセスキオキサン微粒子は、1)アルカリ触媒存在下に、シラノール形成性ケイ素化合物を水と接触させ、加水分解反応及び縮合反応を同時に行なわせる方法(例えば特許文献1〜14参照)、2)アルカリ触媒存在下に、シラノール形成性ケイ素化合物を水と接触させ、加水分解反応させてシラノール化合物とした後、該シラノール化合物を縮合反応させる方法(例えば特許文献15参照)、3)無機酸触媒存在下に、シラノール形成性ケイ素化合物を水と接触させ、加水分解反応及び縮合反応を同時に行なわせる方法(例えば特許文献16参照)、4)有機酸触媒存在下に、シラノール形成性ケイ素化合物を水と接触させ、加水分解反応させてシラノール化合物とした後、該シラノール化合物を縮合反応させる方法(例えば特許文献17参照)等で得られている。
ところが、これらの方法で得られる従来の球状シルセスキオキサン微粒子には、その粒子径の平均値が比較的に大きく、また粒子径の分布が比較的に広いため、具体的には、一般に得られる球状シルセスキオキサン微粒子の粒子径の平均値が100nm以上であり、また粒子径の変動係数が30%以上であるため、かかる球状シルセスキオキサン微粒子を高分子材料用表面改質剤、例えば滑剤として用いると、高分子材料成形品表面に所望の表面特性を安定して付与することができないという問題がある。
特開昭61−159427号公報 特開昭61−159467号公報 特開昭62−43424号公報 特開昭63−8461号公報 特開昭63−15849号公報 特開昭63−77940号公報 特開昭63−295637号公報 特開昭63−297313号公報 特開平1−144423号公報 特開平2−209927号公報 特開平1−144423号公報 特開平2−209927号公報 特開平6−49209号公報 特開昭63−312324号公報 特開平6−263875号公報 特開昭61−194009号公報 特開平4−337390号公報
本発明が解決しようとする課題は、粒子径の平均値が極めて小さく、また粒子径の分布が極めて狭い球状シルセスキオキサン微粒子から成る高分子材料用表面改質剤を提供する処にある。
しかして本発明者らは、前記の課題を解決するべく研究した結果、特定のシラノール形成性ケイ素化合物を、所定量の特定の酸触媒の存在下で、所定量の水と接触させ、所定の温度下で加水分解反応及び縮合反応を同時に行なわせることにより得られる球状シルセスキオキサン微粒子から成る高分子材料用改質剤が正しく好適であることを見出した。
すなわち本発明は、下記の条件1〜5を同時に満足する条件下で、シラノール形成性ケイ素化合物を酸触媒存在下で水と接触させ、加水分解反応及び縮合反応を同時に行なわせることにより得られる粒子径の平均値が10〜30nm且つ粒子径の変動係数が15%以下の球状シルセスキオキサン微粒子から成る高分子材料用表面改質剤に係る。
条件1:シラノール形成性ケイ素化合物が、メチルトリメトキシシランであること。
条件2:酸触媒が、ドデシルベンゼンスルホン酸であること。
条件3:酸触媒の使用割合が、シラノール形成性ケイ素化合物1モル当たり0.004〜0.03モルであること。
条件4:シラノール形成性ケイ素化合物と水との使用割合が、シラノール形成性ケイ素化合物/水=5/95〜16/84(重量比)であること。
条件5:加水分解反応及び縮合反応時の温度が、15〜25℃であること。
本発明に係る高分子材料用表面改質剤に用いる球状シルセスキオキサン微粒子は、後述する特定の条件1〜5を同時に満足する条件下で、シラノール形成性ケイ素化合物を酸触媒存在下で水と接触させ、加水分解反応及び縮合反応を同時に行なわせることにより得られるものである。
条件1は、シラノール形成性ケイ素化合物が、メチルトリメトキシシランであることである。メチルトリメトキシシランは、加水分解反応によって、1分子当たり3個のシラノール基を形成する。
条件2は、酸触媒が、ドデシルベンゼンスルホン酸であることである。
条件3は、酸触媒の使用割合が、シラノール形成性ケイ素化合物1モル当たり、0.004〜0.03モルであることである。
条件4は、シラノール形成性ケイ素化合物と水との使用割合が、シラノール形成性ケイ素化合物/水=5/95〜16/84(重量比)、好ましくは7/93〜13/87(重量比)であることである。ここで使用する水は脱イオン水が好ましい。
条件5は、加水分解反応及び縮合反応時の温度が、15〜25℃であることである。かかる温度の制御は、反応系の加熱や冷却の他に、シラノール形成性ケイ素化合物に対する酸触媒の使用割合、シラノール形成性ケイ素化合物と水との使用割合、シラノール形成性ケイ素化合物及び水の温度、反応装置等を適宜選択して行うことができる。
本発明に係る高分子材料用表面改質剤に用いる球状シルセスキオキサン微粒子は、以上説明したような特定の条件1〜5を同時に満足する条件下で、シラノール形成性ケイ素化合物を酸触媒の存在下で水と接触させ、加水分解反応及び縮合反応を同時に行なわせることにより得られるものである。より具体的には例えば、前記した特定の条件1〜5を同時に満足することを前提として、1)反応容器に水及び酸触媒を仕込んだ後、攪拌しつつシラノール形成性ケイ素化合物を滴下し、反応系の温度を制御しながら加水分解反応及び縮合反応を同時に行なわせる方法、2)反応容器に水を仕込んでおき、攪拌しつつ酸触媒及びこれとは別のシラノール形成性ケイ素化合物を同時に滴下して、反応系の温度を制御しながら加水分解反応及び縮合反応を同時に行なわせる方法等が挙げられる。かかる方法により、球状シルセスキオキサン微粒子はその半透明の水性懸濁液として得られるので、これをアルカリで中和した水性懸濁液とし、更に乾燥して、例えばスプレードライヤーにより100〜250℃で加熱乾燥して、所望通りの球状シルセスキオキサン微粒子を得る。
かくして得られる球状シルセスキオキサン微粒子は、粒子径の平均値が10〜30nmで且つ粒子径の変動係数が15%以下のものとなる。
本発明に係る高分子材料用表面改質剤は、前記した球状シルセスキオキサン微粒子から成るものである。前記した球状シルセスキオキサン微粒子は、高分子材料用表面改質剤、化粧品原料、コーティング材、診断薬用担体、塗料原料等として広く利用できる。なかでも、前記した球状シルセスキオキサン微粒子は、粒子径の平均値が極めて小さく、また粒子径の分布が極めて狭いため、従来の球状シルセスキオキサン微粒子と比べて、フィルムやシート等の高分子材料成形品表面への高速塗工性に優れ、かかる高分子材料成形品表面に平滑性、密着防止性及び離型性等の表面特性を安定して付与することができるので、高分子材料用表面改質剤として、特に滑剤として有用である。
本発明に係る高分子材料用表面改質剤を適用する高分子材料としては、ポリエステル、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカプロラクトン、アクリル樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート等の合成高分子から成形された合成高分子フィルムやシート、同様の合成高分子から成形されたフィラメントヤーンやステープルファイバー等の合成繊維が挙げられる。
本発明に係る高分子材料用表面改質剤を合成高分子フィルムの滑剤として適用する方法としては、高分子材料用表面改質剤の水性懸濁液を調製し、又は本発明の製造方法によって得られる前記の水性懸濁液をそのまま使用して、これをローラータッチ法、スプレー法、スピンコート法等の公知の方法によって合成高分子フィルムの表面に塗布する方法が挙げられる。塗布する工程としては、合成高分子フィルムの製造工程において、これらの溶融押出し直後における延伸配向前の工程、一軸延伸配向後における二軸延伸配向前の工程等が挙げられる。これらの工程で塗布する場合に通常は、高分子材料用表面改質剤を、合成高分子フィルム1m当たり、0.01〜0.2gとなるように塗布する。
本発明によると、粒子径が極めて小さく、また粒子径の分布が極めて狭い球状シルセスキオキサン微粒子を高分子材料用表面改質剤、例えば滑剤として用いるため、高分子材料成形品表面に所望の表面特性を安定して付与することができるという効果がある。
以下、本発明の構成及び効果をより具体的にするため、実施例等を挙げるが、本発明がこれらの実施例に限定されるというものではない。尚、以下の実施例、参考例及び比較例において、部は重量部を、また%は重量%を意味する。
試験区分1(球状シルセスキオキサン微粒子から成る高分子材料用表面改質剤の製造と評価)
・実施例1
反応容器に水672g及びドデシルベンゼンスルホン酸6g(0.018モル)を仕込み、攪拌しながら、メチルトリメトキシシラン90g(0.66モル)を10分間かけて滴下し、加水分解反応及び縮合反応を同時に行なわせた。滴下中は、発熱による反応系の温度上昇を20〜25℃に制御するため、適宜冷却した。メチルトリメトキシシランの滴下終了後、更に反応系の温度を20〜25℃に制御しながら、攪拌を続けて、メチルトリメトキシシラン滴下開始から24時間後に、5%水酸化ナトリウム水溶液14.7gを投入して触媒を中和し、加水分解反応及び縮合反応を終了させて、水性懸濁液を得た。この水性懸濁液をスプレードライヤーで乾燥処理して、白色粉体42gを得た。この白色粉体を元素分析、NMR分析、ICP発光分光分析により分析したところ、ケイ素含有量41%、炭素含有量18%の球状シルセスキオキサン微粒子であり、走査型電子顕微鏡による任意の100個の球状シルセスキオキサン微粒子の測定結果から、粒子径の平均値21nm、粒子径の変動係数12%の球状シルセスキオキサン微粒子(P−1)であった。これを球状シルセスキオキサン微粒子(P−1)から成る高分子材料用表面改質剤とした。
・実施例又は参考例2〜7及び比較例1〜8
実施例1の球状シルセスキオキサン微粒子(P−1)から成る高分子材料用表面改質剤と同様にして、実施例又は参考例2〜7の球状シルセスキオキサン微粒子(P−2)〜(P−7)から成る高分子材料用表面改質剤及び比較例1〜8の球状シルセスキオキサン微粒子(R−1)〜(R−8)から成る高分子材料用表面改質剤を得た。これらの内容を表1にまとめて示した。
・実施例8
反応容器に水588gを仕込み、攪拌しながら、メチルトリメトキシシラン90g(0.66モル)と、ドデシルベンゼンスルホン酸6g(0.018モル)を溶解した水溶液90gとを、10分間かけて同時に滴下した。滴下中は、発熱による反応系の温度上昇を20〜25℃に制御するため、適宜冷却した。メチルトリメトキシシラン及びドデシルベンゼンスルホン酸水溶液の滴下終了後、更に反応系の温度を20〜25℃に制御しながら、攪拌を続けて、これらの滴下開始から24時間後に、5%水酸化ナトリウム水溶液14.7gを投入して触媒を中和し、加水分解反応及び縮合反応を終了させて、水性懸濁液を得た。この水性懸濁液をスプレードライヤーで乾燥処理して、白色粉体42gを得た。この白色粉体について実施例1と同様に分析し、測定したところ、粒子径の平均値22nm、粒子径の変動係数12%の球状シルセスキオキサン微粒子(P−8)であった。これを球状シルセスキオキサン微粒子(P−8)から成る高分子材料用表面改質剤とした。
・参考例9〜11
実施例8の球状シルセスキオキサン微粒子(P−8)から成る高分子材料用表面改質剤と同様にして、参考例9〜11の球状シルセスキオキサン微粒子(P−9)〜(P−11)から成る高分子材料用表面改質剤を得た。これらの内容を表1にまとめて示した。
比較例9
反応容器にpH12.5の水酸化ナトリウム水溶液800gを入れ、撹拌しつつ、昇温した。液温が50℃に到達したところで、メチルトリメトキシシラン67g(0.49モル)を5分間かけて滴下した。滴下中は、発熱による反応系の温度上昇を50〜55℃に制御するため、適宜冷却した。滴下終了後、さらに2分間撹拌した後、撹拌を止め、静置下に50〜55℃で1時間熟成した。その後、50%酢酸水溶液8gを添加して触媒を中和し、濾過した。濾別したケークを取出し、150℃で2時間乾燥して白色粉末28gを得た。この白色粉末を実施例1と同様にして測定したところ、粒子径の平均値500nm、粒子径の変動係数15%の球状シルセスキオキサン微粒子(R−9)であった。これを球状シルセスキオキサン微粒子(R−9)から成る高分子材料用表面改質剤とした。
比較例10
反応容器に水216g及び酢酸0.04gを仕込み、撹拌しつつメチルトリメトキシシラン272g(2.0モル)を加えた。加水分解反応が進行し、10分間で液温が60℃に上昇した。4時間撹拌を続けた後、濾過して透明なシラノール溶液を得た。別の反応容器に水2000g及び28%アンモニア水溶液50gを仕込み、25℃に調温した。これを撹拌しながら、前記のシラノール溶液488gを10分間かけて滴下した。滴下終了後、16時間撹拌を続けた。反応系を遠心分離処理して沈降物を取り出し、150℃で2時間乾燥して白色粉末131gを得た。この白色粉末を実施例1と同様にして測定したところ、粒子径の平均値130nm、粒子径の変動係数30%の球状シルセスキオキサン微粒子(R−10)であった。これを球状シルセスキオキサン微粒子(R−10)から成る高分子材料用表面改質剤とした。
・比較例11
反応容器にpH4.0の塩酸水溶液500g及びメチルトリメトキシシラン100g(0.74モル)を仕込み、5時間撹拌して、加水分解反応及び縮合反応を同時に行なわせ、シルセスキオキサンの硬化物を得た。この硬化物をアトマイザーで粉砕し、白色粉体44gを得た。この白色粉末を実施例1と同様にして測定したところ、粒子径の平均値5000nm、粒子径の変動係数75%の球状シルセスキオキサン微粒子(R−11)であった。これを球状シルセスキオキサン微粒子(R−11)から成る高分子材料用表面改質剤とした。
・比較例12
反応容器に水216g及び酢酸0.04gを仕込み、撹拌しつつメチルトリメトキシシラン272g(2.0モル)を加えた。加水分解反応が進行し、10分間で液温が60℃に上昇した。4時間撹拌を続けた後、濾過して透明なシラノール溶液を得た。別の反応容器に水475g及びドデシルベンゼンスルホン酸50g(0.15モル)を仕込み、液温を80〜85℃に加熱調温した。これを撹拌しながら、先のシラノール溶液300gを2時間かけて滴下した。滴下終了後、15分間撹拌を続けた後、冷却し、炭酸ナトリウム水溶液でpH7となるよう中和して、水性懸濁液を得た。この水性懸濁液を遠心分離処理して沈降物を取り出し、150℃で2時間乾燥して、白色粉末75gを得た。この白色粉末を実施例1と同様にして測定したところ、粒子径の平均値85nm、粒子径の変動係数55%の球状シルセスキオキサン微粒子(R−12)であった。これを球状シルセスキオキサン微粒子(R−12)から成る高分子材料用表面改質剤とした。




















Figure 0004936563
表1において、
*1:シラノール形成性ケイ素化合物1モルに対する酸触媒のモル数
A−1:メチルトリメトキシシラン
A−2:プロピルトリメトキシシラン
A−3:フェニルトリメトキシシラン
B−1:ドデシルベンゼンスルホン酸
B−2:ジノニルベンゼンスルホン酸
B−3:酸性硫酸ドデシル
B−4:リン酸モノデシル=二水素
BR−1:硫酸
BR−2:トリメチルラウリルアンモニウムクロライド
BR−3:水酸化ナトリウム
試験区分2(高分子材料用表面改質剤としての評価)
・平滑性の評価
25℃のオルソクロロフェノール中で測定した極限粘度が0.62の、無機質フィラーを全く含まないポリエチレンテレフタレートを、エクストルーダーで口金から押し出し、これを40℃に冷却したドラム上で静電印加を行ないながら厚さ152μmの押し出しフィルムとし、続いて93℃に加熱した金属ロール上で長手方向へ3.6倍に延伸して、一軸延伸フィルムとした。次にこの一軸延伸フィルムがテンターに至る直前の位置で、該一軸延伸フィルムの片面上に、試験区分1で合成した球状シルセスキオキサン微粒子から成る高分子材料用表面改質剤の0.1%水性懸濁液を3本のロールからなるコーターヘッドから均一塗布した。この際の球状シルセスキオキサン微粒子から成る高分子材料用表面改質剤の塗工量は上記一軸延伸フィルム1m2当り2.3gとした(この塗布量は、下記の二軸延伸フィルムでは1m2当り0.0129gに相当する)。最後に片面塗工した一軸延伸フィルムをテンター内に導き、101℃で横方向へ3.5倍に延伸し、更に225℃で6.3秒間熱固定して、二軸延伸フィルムとした(片面塗工後のフィルムが加熱を受けた時間は合計で11秒間である)。この二軸延伸フィルムを23℃×65%RHの雰囲気にて調湿し、同条件下で、梨地表面のステンレス板に対する動摩擦係数を摩擦係数測定機(東洋精機社製のTR型、荷重200g、速度300mm/分)で測定し、下記の基準で評価した。結果を表2にまとめて示した。
◎:動摩擦係数が0.3未満、優れている。
○:動摩擦係数が0.3以上0.5未満、良好である。
△:動摩擦係数が0.5以上0.7未満、やや劣る。
×:動摩擦係数が0.7以上、劣る。
・高速塗工性の評価
前記の一軸延伸フィルム上に、球状シルセスキオキサン微粒子の0.1%水性懸濁液を、スピンコーターによるスピンコート法により、回転速度4000rpmで高速塗工した。一軸延伸フィルムの高速塗工面を走査型電子顕微鏡で観察し、球状シルセスキオキサン微粒子の水性懸濁液の高速塗工性を下記の基準で評価した。結果を表2にまとめて示した。
評価基準
◎:均一な塗工膜である。
○:ほぼ均一な塗工膜である。
△:塗工抜けが幾分あるが、全体としてはほぼ均一な塗工膜である。
×:塗工抜けが多く、不均一な塗工膜である。
・剥離性(密着防止性又は離型性)の評価
前記の一軸延伸フィルム上に、球状シルセスキオキサン微粒子の0.1%水性懸濁液を、スピンコーターによるスピンコート法により、回転速度4000rpmで高速塗工した。一軸延伸フィルムの高速塗工面に粘着テープを貼り合わせ、20mm幅に切り出し、一軸延伸フィルムの高速塗工面と粘着テープとの間の180度剥離力をテンシロンにより測定して、下記の基準で評価した。結果を表2にまとめて示した。
◎:剥離力が10g/20mm未満、優れている。
○:剥離力が10g/20mm以上50g/20mm未満、良好である。
△:剥離力が50g/20mm以上70g/20mm未満、やや劣る。
×:剥離力が70g/20mm以上、劣る。










Figure 0004936563
表2において、
P−1〜P−11及びR−1〜R−12:試験区分1で合成した球状シルセスキオキサン微粒子

Claims (3)

  1. 下記の条件1〜5を同時に満足する条件下で、シラノール形成性ケイ素化合物を酸触媒存在下で水と接触させ、加水分解反応及び縮合反応を同時に行なわせることにより得られる粒子径の平均値が10〜30nm且つ粒子径の変動係数が15%以下の球状シルセスキオキサン微粒子から成る高分子材料用表面改質剤。
    条件1:シラノール形成性ケイ素化合物が、メチルトリメトキシシランであること。
    条件2:酸触媒が、ドデシルベンゼンスルホン酸であること。
    条件3:酸触媒の使用割合が、シラノール形成性ケイ素化合物1モル当たり0.004〜0.03モルであること。
    条件4:シラノール形成性ケイ素化合物と水との使用割合が、シラノール形成性ケイ素化合物/水=5/95〜16/84(重量比)であること。
    条件5:加水分解反応及び縮合反応時の温度が、15〜25℃であること。
  2. 高分子材料用滑剤である請求項記載の高分子材料用表面改質剤。
  3. 合成高分子の押し出しフィルム用のものである請求項又は記載の高分子材料用表面改質剤。
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