JPH11322945A - ポリオルガノシロキサンエマルジョンおよびその製造方法 - Google Patents

ポリオルガノシロキサンエマルジョンおよびその製造方法

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JPH11322945A
JPH11322945A JP13961898A JP13961898A JPH11322945A JP H11322945 A JPH11322945 A JP H11322945A JP 13961898 A JP13961898 A JP 13961898A JP 13961898 A JP13961898 A JP 13961898A JP H11322945 A JPH11322945 A JP H11322945A
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JP
Japan
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group
emulsion
polyorganosiloxane
polymerization
examples
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JP13961898A
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Makoto Matsumoto
誠 松本
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Momentive Performance Materials Japan LLC
Original Assignee
GE Toshiba Silicones Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易的な方法によって、分散安定性に優れ、
分子量分布が制御され、なおかつその分子量分布の経時
安定性に優れたポリオルガノシロキサンエマルジョンを
提供する。 【解決手段】 有機ケイ素化合物を特定量以上の水中
で、乳化剤の存在下、特定温度範囲で乳化および縮合重
合を行い、目的の重合度に到達した段階で中和して縮合
重合を止めることにより、優れた特性を有するポリオル
ガノシロキサンエマルジョンを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、ポリオルガノシロキサン
エマルジョンおよびその製造方法に関し、さらに詳しく
は製造上の制約条件がより少ない簡易的な方法によって
製造され、しかも分散安定性に優れるとともに、分子量
分布が制御され、なおかつその分子量分布の経時安定性
に優れたポリオルガノシロキサンエマルジョンおよびそ
の製造方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景とその問題点】ポリオルガノシロキ
サンのエマルジョンの調製方法は各種提案されている。
その中で、代表的な方法は機械乳化法および乳化重合法
である。機械乳化法は、ポリオルガノシロキサン、界面
活性剤および水の混合物に機械的エネルギーを付与し、
これらの成分を均一に乳化・分散して所望の安定なエマ
ルジョンを得る製法である。機械的エネルギーの付与の
ためにはコロイドミル、ホモミキサー、ホモジナイザ
ー、コンビミックス、サンドグラインダー等が一般的に
用いられている。例えば、米国特許第2755194 号明細書
に記載の方法では、25℃で350cStのポリジメチルシロキ
サンと界面活性剤とを混合し、この混合物に少量の水を
添加してコロイドミル内で乳化・分散させた後、更に連
続的に水を添加することにより、所望のエマルジョンを
得ている。しかしながら、機械乳化法では、使用した装
置から付与される機械的エネルギーの及ぶ範囲内のポリ
オルガノシロキサンしか使用できず、せいぜい 500,000
cP程度までの粘度のポリオルガノシロキサンしか乳化で
きなかった(特開昭63−125530号公報、特開昭56−1092
27号公報参照)。また、こうして得られたエマルジョン
では、一般的にポリオルガノシロキサンからなる懸濁微
粒子の粒径が大きいため、エマルジョンは経時的な安定
性に問題があった。また、機械乳化法においては、機械
乳化が困難な高粘度の流体および樹脂について、これを
ベンゼン、トルエンあるいはキシレン等の有機溶媒に溶
解させることにより乳化・分散させる方法も提示されて
いる(特公昭63−45748 号公報、特開昭60−1258号、特
開昭60−1259号公報参照)。しかしながら、この方法で
は、有機溶剤を使用するために溶剤臭や溶剤の可燃性に
よる危険性の問題等があった。さらに、機械乳化された
エマルジョンにおいて、ポリオルガノシロキサンにポリ
オキシアルキレン基含有ポリオルガノシロキサンを併用
して懸濁微粒子の微粒化を行い、経時的な安定性を改善
させる方法も提示されている(特開昭60−126209号公
報、特開昭60−197610号公報参照)。しかし、この方法
に適用できるポリオルガノシロキサンの粘度の上限は、
せいぜい1000cP程度に過ぎないという問題があった。
【0003】一方、乳化重合法は、シロキサンモノマー
として低分子量シロキサンまたは反応性シロキサンオリ
ゴマー、界面活性剤、水溶性重合触媒および水の混合物
をコロイドミル、ホモミキサー、ホモジナイザーなどの
乳化機を用いて乳化・分散させ、目的の分子量に重合す
るまで加熱・冷却攪拌を行ってエマルジョンを得る方法
であり、低分子量のオイルから高分子量の生ゴム領域ま
での広い領域にわたる粘度を有するポリオルガノシロキ
サンを得ることができる。このような乳化重合法として
は、例えば、低分子量シロキサンを乳化・分散した後、
酸またはアルカリ触媒を添加して乳化重合させる方法
(特公昭34−2041号公報参照)や、低分子量シロキサン
を触媒活性を有する界面活性剤を用いて同時に乳化分散
・重合させる方法(特公昭43−18800 号公報参照)等が
提案されている。しかし、この場合にもシロキサンモノ
マーの乳化・分散の際に各種乳化機の使用が必要であ
り、また、反応時の安定性の問題から、T単位(三官能
性単位)やQ単位(四官能性単位)を多く含有したよう
な樹脂状のシロキサンのエマルジョンを調製することは
困難であった。また、その他、別の方法として、アルコ
キシシランを原料としたポリオルガノシロキサンのエマ
ルジョンあるいは懸濁液の製造方法も知られている。例
えば、米国特許3,433,780 号明細書および同4,424,297
号明細書には、トリアルコキシシランを攪拌下の水と乳
化剤に加えることによる、平均粒径10〜100nm のオルガ
ノシルセスキオキサンのコロイド状懸濁液の製造方法が
記載されている。この場合添加されるトリアルコキシシ
ランの量は、トリアルコキシシラン、水および乳化剤の
全量に対して約10重量%より少ないか、またはトリアル
コキシシランの添加速度は水1リットルあたり毎時10ml
以下であった。また、特開昭63−305132号公報には1〜
4官能のアルコキシシランの少なくとも2種以上の混合
物と水とを乳化剤の存在下に1時間および水1リットル
当たり最高5mol の速度で混合することによる、ポリオ
ルガノシロキサンのコロイド状懸濁液の連続製造方法が
記載されている。さらに、特開平4−335031号公報には
アルコキシシランを水と乳化剤の存在下に15℃未満の温
度で混合するポリオルガノシロキサンヒドロゾルの製造
方法が記載されている。しかし、これらの方法ではアル
コキシシランの滴下速度や滴下温度などの制約が多く、
また生成するポリオルガノシロキサンの分子量制御がな
されておらず、しかも得られたエマルジョンや懸濁液は
分散安定性の点では良好であるが、未中和のためにポリ
オルガノシロキサンの分子量分布の経時安定性に劣ると
いった問題があった。
【0004】
【発明の目的】本発明は、従来技術における前記問題点
を背景になされたもので、製造上の制約条件がより少な
い簡易的な方法によって、分散安定性に優れるととも
に、分子量分布が制御され、なおかつその分子量分布の
経時安定性に優れたポリオルガノシロキサンエマルジョ
ンおよびその製造方法を提供することにある。
【0005】
【発明の構成】本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意
検討した結果、有機ケイ素化合物を特定量以上の水中
で、乳化剤の存在下、特定温度範囲で乳化および縮合重
合を行い、目的の重合度に到達した段階で中和して縮合
重合を止めることにより、上記特性を有するポリオルガ
ノシロキサンエマルジョンを効率良く製造できることを
見出し、本発明を完成するに至った。即ち本発明は、 一般式 RaSi(OR1)4-a (I) (式中、a は0、1、2または3であり、R は水素原子
または置換あるいは非置換の1価の有機基を示し、R1
置換あるいは非置換の1価の有機基を示す)で表される
少なくとも1種の有機ケイ素化合物を1mol 当たり0.2
リットル以上の水中で、乳化剤の存在下、15〜100 ℃の
温度範囲で乳化および縮合重合を行い、目的の重合度に
到達した段階で中和して縮合重合を止めることを特徴と
するポリオルガノシロキサンエマルジョンの製造方法、
並びに該方法により製造されたポリオルガノシロキサン
エマルジョンである。
【0006】
【発明の構成】以下、本発明を詳細に説明する。本発明
のポリオルガノシロキサンエマルジョンの製造原料とし
て使用される有機ケイ素化合物は、一般式(I)は、 R
aSi(OR1)4-a(式中、a は0、1、2または3であり、R
は水素原子または、置換或いは非置換の1価の有機基
を示し、R1は置換あるいは非置換の1価の有機基を示
す)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の化
合物である。この有機ケイ素化合物のR 基としての非置
換の有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル
基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ヘキサデシル
基、オクタデシル基などの直鎖または分岐状アルキル
基、フェニル基、ナフチル基、キセニル基などのアリー
ル基、ベンジル基、β−フェニルエチル基、メチルベン
ジル基、ナフチルメチル基などのアラルキル基および、
シクロヘキシル基、シクロペンチル基などのシクロアル
キル基などが例示される。一方、R 基としての置換の有
機基としては、上記例示の非置換有機基の水素原子をフ
ッ素や塩素のようなハロゲン原子で置換した基が挙げら
れ、そのようなものとして、3,3,3 −トリフルオロプロ
ピル基、3−フルオロプロピル基などが例示される。さ
らに、有機ケイ素化合物におけるR 基としての別の1価
の有機基として、炭素原子と水素原子と、さらに窒素お
よび酸素のうち少なくとも1種の原子とによって構成さ
れる有機官能基、あるいはエチレン性不飽和基を含む基
が挙げられ、このような有機官能基あるいはエチレン性
不飽和基を含むポリオルガノシロキサンエマルジョンが
形成する皮膜は基材に対する密着性に優れているため、
耐久性がより良好である。このような有機基としては、
たとえば-CH2CH2CH2NH2 、-CH2CH2CH2NHCH2CH2NH2 、-C
H2CH2CH2NHCH2CH2NHCH2CH2NH2 、-CH2CH2CH2SH
【0007】
【化1】
【0008】などが挙げられる。また、エチレン性不飽
和基を含む基としては、一般式 CH2=CH-O-(CH2)n- (II)
【0009】
【化2】
【0010】で表されるものが挙げられる。その他、エ
チレン性不飽和基を含む基として、一般式 CH2=CH-(CH2)n- (V) で表されるものが挙げられる。ただし、上記(II)〜
(V)の式中、n は0〜10の整数を示す。上記(II)式
で表されるエチレン性不飽和基を含む基としては、ビニ
ロキシプロピル基、ビニロキシエトキシプロピル基、ビ
ニロキシエチル基、ビニロキシエトキシエチル基、など
が挙げられ、好ましくはビニロキシプロピル基、ビニロ
キシエトキシプロピル基である。エチレン性不飽和基が
上記(III)式で表される場合、R2は水素原子または炭素
数1〜6のアルキル基、好ましくは水素原子またはメチ
ル基である。このような(III)式で表されるエチレン性
不飽和基を含む基としては、ビニルフェニル基、1−
(ビニルフェニル)エチル基、2−(ビニルフェニル)
エチル基、(ビニルフェニル)メチル基、イソプロペニ
ルフェニル基、2−(ビニルフェノキシ)エチル基、3
−(ビニルベンゾイルオキシ)プロピル基、3−(イソ
プロペニルベンゾイルアミノ)プロピル基などが挙げら
れ、好ましくはビニルフェニル基、1−(ビニルフェニ
ル)エチル基、2−(ビニルフェニル)エチル基であ
る。エチレン性不飽和基が上記(IV)式で表される場
合、R3は水素原子またはメチル基である。また、R4は炭
素数1〜6のアルキレン基、-O- 、-S- 、-N(R5)R6-で
表される基であり、R5は炭素数1〜6の炭化水素基もし
くは(メタ)アクリロイル基、R6は炭素数1〜6のアル
キレン基である。この(IV)式で表されるエチレン性不
飽和基を含む基としては、3−アクリロキシプロピル
基、3−メタクリロキシプロピル基、N−メタクリロイ
ル−N−メチル−3−アミノプロピル基、N−アクリロ
イル−N−メチル−3−アミノプロピル基、N,N −ビス
−(メタクリロイル)−3−アミノプロピル基などが挙
げられ、好ましくはN−メタクリロイル−N−メチル−
3−アミノプロピル基、N−アクリロイル−N−メチル
−3−アミノプロピル基である。また、上記(V)式で
表されるエチレン性不飽和基を含む基としては、ビニル
基、アリル基、ホモアリル基、5−へキセニル基、7−
オクテニル基などが挙げられ、好ましくはビニル基、ア
リル基である。一方、有機ケイ素化合物のR1基としての
非置換の有機基としては、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ヘキサデシ
ル基、オクタデシル基などの直鎖または分岐状アルキル
基、フェニル基、ナフチル基、キセニル基などのアリー
ル基、ベンジル基、β−フェニルエチル基、メチルベン
ジル基、ナフチルメチル基などのアラルキル基および、
シクロヘキシル基、シクロペンチル基などのシクロアル
キル基などが例示される。また、R1基としての置換の有
機基としては、上記例示の非置換有機基の水素原子をフ
ッ素や塩素のようなハロゲン原子で置換した基が挙げら
れ、そのようなものとして、3,3,3 −トリフルオロプロ
ピル基、3−フルオロプロピル基などが例示される。
【0011】このような有機ケイ素化合物の具体例とし
ては、たとえばメチルトリメトキシシラン、メチルトリ
エトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、フ
ェニルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラ
ン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメト
キシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、i−プ
ロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシ
シラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメ
トキシシラン、ビニルエチルジイソプロポキシシラン、
アリルトリメトキシシラン、アリルメチルジメトキシシ
ラン、5−ヘキセニルメチルジエトキシシラン、3−オ
クテニルエチルジエトキシシラン、メチルジメトキシシ
ラン、メチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシ
ラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシ
シラン、トリメチルエトキシシラン、トリエチルメトキ
シシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、テトラメト
キシシラン、テトラエトキシシラン、3−アミノプロピ
ルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメ
トキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノ
プロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピル
トリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルメチル
ジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメト
キシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラ
ン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3−カ
ルボキシプロピルメチルジメトキシシラン、(ビニロキ
シプロピル)メチルジメトキシシラン、(ビニロキシエ
トキシプロピル)メチルジメトキシシラン、p−ビニル
フェニルトリメトキシシラン、1−(m−ビニルフェニ
ル)メチルジメチルイソプロポキシシラン、2−(p−
ビニルフェニル)エチルメチルジメトキシシラン、3−
(p−ビニルフェノキシ)プロピルトリエトキシシラ
ン、3−(p−ビニルベンゾイロキシ)プロピルメチル
ジメトキシシラン、1−(p−ビニルフェニル)エチル
メチルジメトキシシラン、1−(o−ビニルフェニル)
−1,1,2 −トリメチル−2,2 −ジメトキシジシラン、1
−(p−ビニルフェニル)−1,1 −ジフェニル−3−エ
チル−3,3 −ジエトキシジシロキサン、m−ビニルフェ
ニル−[(3−トリエトキシシリル)プロピル]ジフェ
ニルシラン、[3−(p−イソプロペニルベンゾイルア
ミノ)プロピル]フェニルジプロポキシシラン、N−メ
タクリロイル−N−メチル−3−アミノプロピルメチル
ジメトキシシラン、N−アクリロイル−N−メチル−3
−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N,N −ビス
(メタクリロイル)−3−アミノプロピルトリメトキシ
シラン、N,N −ビス(アクリロイル)−3−アミノプロ
ピルメチルジメトキシシラン、N−メタクリロイル−N
−メチル−3−アミノプロピルフェニルジエトキシシラ
ン、1−メタクリロキシプロピル−1,1,3 −トリメチル
−3,3 −ジメトキシジシロキサンなどを挙げることがで
きる。これらの有機ケイ素化合物(I)は、単独でまた
は2種以上を混合して使用することができるが、本発明
のポリオルガノシロキサンエマルジョンの製造において
は、特に一般式 R3Si(OR1)および一般式Si(OR1)4で表さ
れる化合物が0〜50重量%、また一般式R2Si(OR1)2およ
びRSi(OR1)3 で表される化合物が0〜100 重量%の範囲
からなり、実質的にケイ素1原子当たり 0.8〜2.2 のR
基のR 対Si比を有するように混合使用することが好まし
い。
【0012】本発明のポリオルガノシロキサンエマルジ
ョンの製造方法で使用される水の量は、有機ケイ素化合
物(I)1mol 当たり、0.2 リットル以上が好ましく、
より好ましくは0.5 リットル以上である。0.2 リットル
未満では形成されるエマルジョン粒子の安定性が悪く、
反応中或いは保管中に分離する可能性がある。
【0013】また、本発明のポリオルガノシロキサンエ
マルジョンの製造方法で使用される乳化剤とは、縮合重
合反応の触媒の働きをするものであり、アニオン系界面
活性剤あるいはカチオン系界面活性剤を適宜、選択使用
することができる。このようなアニオン系界面活性剤と
しては、下記の一般式(VI)〜(IX)でそれぞれ示され
る脂肪族置換ベンゼンスルホン酸、脂肪族水素サルフェ
ート類、脂肪族スルホン酸または不飽和脂肪族スルホン
酸と水酸化脂肪族スルホン酸の混合物が好適に使用され
る。 R7C6H4SO3H (VI) R7OSO3H (VII) R7SO3H (VIII) R8CH=CH(CH2)mSO3H (IX) R8CH2CH(OH)(CH2)mSO3H (X) (ただし、式中R7は炭素原子数6〜30の一価の脂肪族炭
化水素基、R8は炭素原子数1〜30の一価の脂肪族炭化水
素基、また、m は(IX)式および(X)式の界面活性剤
中の全炭素数が6〜30となるような整数である。) ここで、(VI)式、(VII)式および(VIII)式中のR7
炭素原子数6〜30、好ましくは6〜18の一価の脂肪族炭
化水素基であり、例えばヘキシル基、オクチル基、デシ
ル基、ドデシル基、セチル基、ステアリル基、ミリシル
基、オレイル基、ノネニル基、オクチニル基、フィチル
基、ペンタデカジエニル基等が挙げられる。また、(I
X)式および(X)式中のR8は炭素原子数1〜30、好ま
しくは6〜18の一価の脂肪族炭化水素基であり、例えば
R7と同様の一価の脂肪族炭化水素基が挙げられる。この
ような(VI)式、(VII)式あるいは(VIII)式のアニオ
ン系界面活性剤としては、ヘキシルベンゼンスルホン
酸、オクチルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンス
ルホン酸、セチルベンゼンスルホン酸、オクチルサルフ
ェート、ラウリルサルフェート、オレイルサルフェー
ト、セチルサルフェート、ラウリルスルホン酸、セチル
スルホン酸などが例示される。また、(IX)式のアニオ
ン系界面活性剤としては、例えばテトラデセンスルホン
酸が例示され、(X)式のアニオン系界面活性剤として
は、ヒドロキシテトラデカンスルホン酸が例示される。
さらに、触媒作用の弱いアニオン系界面活性剤も重合触
媒と併用することで、使用することができる。このよう
なアニオン系界面活性剤としては、上記(VI)式の脂肪
族置換ベンゼンスルホン酸、(VII)式の脂肪族水素サル
フェート類、(VIII)式の脂肪族スルホン酸または(I
X)、(X)式の不飽和脂肪族スルホン酸と水酸化脂肪
族スルホン酸の混合物のナトリウム塩、カリウム塩、ア
ンモニウム塩などが挙げられ、具体的にはドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウム、オクチルベンゼンスルホン
酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸アンモニウ
ム、ナトリウムラウリルサルフェート、アンモニウムラ
ウリルサルフェート、トリエタノールアミンラウリルサ
ルフェート、ラウリルスルホン酸ナトリウム、セチルス
ルホン酸ナトリウム、テトラデセンスルホン酸ナトリウ
ム、ヒドロキシテトラデカンスルホン酸ナトリウムが例
示される。また、上述したアニオン系界面活性剤以外に
も、例えばポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル
硫酸、ポリオキシエチレン(13)セチルエーテル硫酸、
ポリオキシエチレン(6)ステアリルエーテル硫酸、ポ
リオキシエチレン(4)ラウリル硫酸ナトリウム、ポリ
オキシエチレン(4)オクチルフェニルエーテル硫酸ア
ンモニウムなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル
硫酸エステルまたはその塩、ポリオキシエチレン(3)
ラウリルエーテルカルボン酸、ポリオキシエチレン
(3)ステアリルエーテルカルボン酸、ポリオキシエチ
レン(6)ラウリルエーテルカルボン酸ナトリウム、ポ
リオキシエチレン(6)オクチルエーテルカルボン酸ナ
トリウムなどのポリオキシエチレンアルキルエーテルカ
ルボン酸エステルまたはその塩などの1種または2種以
上を使用することができるが、なんらこれらに限定され
るものではない。なお、上記アニオン界面活性剤と併用
する重合触媒としては、通常、低分子量オルガノシロキ
サンの重合触媒として使用される脂肪族置換ベンゼンス
ルホン酸、脂肪族水素サルフェート類、不飽和脂肪族ス
ルホン酸と水酸化脂肪族スルホン酸の混合物、塩素、硫
酸、リン酸などの酸性触媒が好適に用いられるが、なん
らこれらに限定されるものではなく、水の存在下で低分
子量オルガノシロキサンを重合させることが可能な触媒
であれば、いずれの触媒も使用できる。このアニオン界
面活性剤の使用量は、有機ケイ素化合物(I) 100重量
部に対して 0.5〜20重量部、特に 0.5〜10重量部にする
ことがより好ましく、 0.5重量部に満たないとエマルジ
ョンの安定性が悪く分離する可能性があり、20重量部を
越えるとエマルジョンが増粘して流動性が悪くなる場合
がある。また、重合触媒を併用する場合、重合触媒の使
用量は特に限定されないが、有機ケイ素化合物(I) 1
00重量部に対して0.05〜10重量部とすることが好まし
い。
【0014】また、乳化剤として使用できるカチオン系
界面活性剤としては、下記の一般式(XI)
【0015】
【化3】
【0016】(但し、式中R9は炭素原子数6以上の脂肪
族一価炭化水素基、R10 、R11 、R12はそれぞれ一価の
有機基、X は水酸基、塩素原子または臭素原子であ
る。)で示される第四級アンモニウム塩系界面活性剤が
好適である。(XI)式において、R9は炭素原子数6以
上、好ましくは8〜18の脂肪族炭化水素基であり、例え
ばヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、セ
チル基、ステアリル基、ミリシル基、オレイル基、ヘキ
サデシル基、ノネニル基、オクチニル基、フィチル基、
ペンタデカジエニル基などが挙げられる。また、R10
R11 、R12 はそれぞれ同種または異種の一価の有機基で
あり、例えばメチル基、エチル基、プロピル基などのア
ルキル基、ビニル基、アリル基などのアルケニル基、フ
ェニル基、キセニル基、ナフチル基などのアリール基、
シクロヘキシル基などのシクロアルキル基などが挙げら
れる。このような、(XI)式の第四級アンモニウム塩系
界面活性剤としては、ラウリルトリメチルアンモニウム
ヒドロキシド、ステアリルトリメチルアンモニウムヒド
ロキシド、ジオクチルジメチルアンモニウムヒドロキシ
ド、ジステアリルジメチルアンモニウムヒドロキシド、
塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリル
トリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモ
ニウム、塩化ジココイルジメチルアンモニウム、塩化ジ
ステアリルジメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウ
ム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウムなど
が挙げられ、これらの1種、または2種以上を用いるこ
とができる。なお、上記カチオン系界面活性剤は触媒作
用が弱いので、重合触媒と併用することが好ましく、こ
の併用する重合触媒としては、通常、低分子量のオルガ
ノシロキサンの重合触媒として使用される水酸化リチウ
ム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジ
ウム、水酸化セシウム等のアルカリ金属水酸化物が挙げ
られる。カチオン系界面活性剤の使用量は、有機ケイ素
化合物(I) 100重量部に対して 0.5〜50重量部、特に
1〜20重量部にすることが好ましく、 0.5重量部に満た
ないとエマルジョン自体のカチオン性が不十分であり、
なおかつエマルジョンの安定性が悪く分離する場合があ
り、50重量部を越えるとエマルジョンが増粘して流動性
が無くなる場合がある。また、重合触媒を併用する場
合、重合触媒の使用量は特に限定されないが、有機ケイ
素化合物(I) 100重量部に対して、0.05〜10重量部と
することが好ましい。また、最終的に得られる本発明の
ポリオルガノシロキサンエマルジョンの安定性を向上さ
せるために、ノニオン系界面活性剤を本発明の目的を損
なわない範囲で、上記乳化剤と縮合重合前もしくは縮合
重合後に併用させて使用しても良い。このようなノニオ
ン系界面活性剤としては、HLBが6〜20のものが好ま
しく、このようなものとしては例えば、ポリオキシエチ
レン(6)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン
(7)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(20)ス
テアリルエーテル、ポリオキシエチレン(3)オクチル
フェニルエーテル、ポリオキシエチレン(18)ノニル
フェニルエーテル、モノステアリン酸ポリエチレングリ
コール(EO14)、ジステアリン酸ポリエチレングリ
コール(EO80)、ポリオキシエチレン(20)硬化
ヒマシ油、モノラウリン酸ポリオキシエチレン(20)
ソルビタン、モノパルミチン酸ポリオキシエチレン(2
0)ソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレン
(6)ソルビタントリオレイン酸ポリオキシエチレン
(20)ソルビタン、テトラオレイン酸ポリオキシエチ
レン(40)ソルビット、モノオレイン酸ポリオキシエ
チレン(15)グリセリル、モノステアリン酸ポリオキ
シエチレン(15)グリセリル、モノパルミチン酸ソル
ビタン、ポリオキシエチレン(10)ベヘニルエーテ
ル、ポリオキシエチレン(10)フィトステロール、ポ
リオキシエチレン(10)ポリオキシプロピレン(4)
セチルエーテル、ポリオキシエチレン(5)ステアリル
アミン、ポリオキシエチレン(8)ステアリルプロピレ
ンジアミンポリオキシエチレン(5)セチルエーテルリ
ン酸ナトリウムなどが挙げられるが、これに限定される
ものではない。このようなノニオン系界面活性剤の使用
量は、縮合重合前に併用する場合には、上記の乳化剤 1
00重量部に対して 500重量部を越えると重合触媒として
の活性を損なうので、0〜500 重量部とすることが好ま
しい。
【0017】本発明のポリオルガノシロキサンエマルジ
ョンの製造方法は、上述したような、有機ケイ素化合物
(I)、乳化剤および水を使用して、乳化および縮合重
合を行い、目的の重合度に到達した段階で中和して縮合
重合を止めることを特徴とするものである。本発明で
は、初めに、水に乳化剤を溶解し、攪拌中、15〜50℃、
より好ましくは15〜40℃で有機ケイ素化合物(I)を添
加する。そして、形成されたエマルジョンを15〜100 ℃
で 0.5〜200 時間保持することで縮合重合を進める。な
お、この際、15℃未満での有機ケイ素化合物の添加およ
び縮合重合の遂行は、縮合重合の反応速度が遅いために
重合度を高めることができず、その結果、縮合反応後の
経時安定性が劣るエマルジョンとなるために、好ましく
ない。そして、ポリオルガノシロキサンが所望の重合度
に到達した段階にて、15〜40℃でアルカリまたは酸を加
えてpH5〜9の範囲に中和して重合を停止すること
で、本発明のポリオルガノシロキサンエマルジョンが得
られる。なお、ここで所望の重合度とは、エマルジョン
の用途や架橋の有無などによってそれぞれ異なり一律に
特定はできないが、一般的にシリコーンとしての各種機
能が発現しうる重合度3〜1,000,000 の範囲内である。
【0018】この際に使用するアルカリ性物質として
は、たとえば水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸
水素ナトリウム、トリエタノールアミンなどが用いら
れ、また酸としては塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、蓚酸など
が用いられる。また、この中和による重合反応の停止
後、必要に応じて、減圧下で水および副生するR1OH(R1
は前記のものを表す)を留去することによって、有効成
分の濃度を高めることができる。この減圧留去の温度条
件としては、ポリオルガノシロキサンの重合や解重合な
どを回避するため、好ましくは15〜50℃、より好ましく
は15〜40℃で行われる。
【0019】なお、本発明によって製造されたポリオル
ガノシロキサンエマルジョンの粒子は単分散性の平均粒
径10〜500nm 程度のものであり、この粒径は使用した乳
化剤の種類や量によって大きく影響を受ける。また、本
発明のポリオルガノシロキサンエマルジョンは、一般式
R3SiO1/2の一官能性単位、一般式R2SiO2/2の二官能性単
位、一般式RSiO2/3 の三官能性単位(式中、R は前記の
ものを示す)および一般式SiO4/2の四官能性単位から構
成された、少なくとも1種類のポリオルガノシロキサン
を有効成分として含有して成るものであり、このエマル
ジョンの加熱などによって水を留去した残渣は、使用し
た有機ケイ素化合物の種類、重合度および架橋度などに
よって、オイル状、ゲル状、エラストマー状、レジン状
あるいは粉末状など、任意の形態を取りうる。
【0020】また、本発明のポリオルガノシロキサンエ
マルジョンには必要に応じて、本発明の目的を損なわな
い程度に、任意の成分を任意量添加することもできる。
このような任意成分としては、煙霧質シリカ、沈殿法シ
リカ、けいそう土、マイカ、タルク、酸化亜鉛、酸化チ
タン、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化セリウム、炭酸
亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マンガン、水酸化セリウ
ム、カーボンブラック、グラファイト、ガラスビーズ、
金属粉などの無機質粉体;レシチン、メチルセルロー
ズ、ポリビニルアルコールなどのエマルジョン安定化
剤;トリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、
トリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、テト
ラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ(n
−プロポキシ)シランなどのシラン化合物、ならびにこ
れらの1種類または2種類以上の部分加水分解物;3−
アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノ
エチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3
−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3,4 −エ
ポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、3−
メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメ
トキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキ
シシラン、4−エテニルフェニルトリメトキシシランな
どの有機官能基含有シラン化合物、ならびにこれらの1
種類または2種類以上の部分加水分解物あるいは反応混
合物;3−アミノプロピル基、N−(2−アミノエチ
ル)−3−アミノプロピル基、3−グリシドキシプロピ
ル基、3,4 −エポキシシクロヘキシルエチル基、3−メ
ルカプトプロピル基、ビニル基、3−メタクリロキシプ
ロピル基、4−エテニルフェニル基などを含有する有機
官能基含有ポリジメチルシロキサンおよびこれらの反応
混合物;前記の有機官能基含有シラン化合物と有機官能
基含有ポリジメチルシロキサンの反応混合物;SiH 結合
を含有した分子末端がトリメチルシリル基、アルコキシ
基あるいは水酸基等で封止された直鎖状または分岐状の
ポリオルガノハイドロジェンシロキサン;前記の特定の
有機官能基を含有していない分子末端がトリメチルシリ
ル基、アルコキシ基あるいは水酸基等で封止された直鎖
状または分岐状のポリオルガノシロキサン;ジブチルス
ズジラウレート、ジオクチルスズラウレート、ジブチル
スズジアセテート、オクチル酸スズ、オクチル酸鉄、オ
クチル酸亜鉛などの有機酸金属塩;コバルト、ロジウ
ム、ニッケル、パラジウム、白金系などの遷移金属化合
物;テトラブトキシチタンなどの有機金属アルコラー
ト;n−ブチルアミン、イミダゾールなどのアミン類;
水;前記例示した各種界面活性剤;メチルセルロース、
カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリル
酸ナトリウムなどの粘度調整剤、エチレングリコールモ
ノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエー
テル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエ
チレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレン
グリコールモノメチルエーテルなどの皮膜形成助剤、フ
タル酸水素カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水
素二ナトリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸二水素
カリウム、酢酸ナトリウムなどの緩衝成分、pH調整
剤、酸化防止剤、防腐剤、防錆剤、香料、着色剤、レベ
リング剤、染料、紫外線吸収剤、光安定剤、老化防止
剤、粘着剤、防曇剤、難燃剤等などの成分を必要に応じ
て配合しても差し支えない。
【0021】なお、本発明のポリオルガノシロキサンエ
マルジョンは各種分野で直接使用することができるが、
必要な場合にはさまざまな考え得る方法で、例えば塩の
添加、極性溶媒による沈殿または水の蒸発などによって
エマルジョンから有効成分のポリオルガノシロキサンを
分離し使用することもできる。
【0022】
【発明の効果】本発明のポリオルガノシロキサンエマル
ジョンは製造上の制約条件がより少ない簡易的な方法に
よって製造され、しかも分散安定性に優れるとともに、
分子量分布が制御され、なおかつその分子量分布の経時
安定性に優れているという特徴を有する。したがって、
従来、各種のシリコーンエマルジョンの製造に際して一
般的に用いられてきたコロイドミルや加圧ホモジナイザ
ーなどの乳化機を全く必要とせず、また、使用した原料
の有機ケイ素化合物の種類、重合度および架橋度などに
応じて、有効成分のポリオルガノシロキサンをオイル
状、ゲル状、エラストマー状、レジン状あるいは粉末状
など、任意の形態へと簡単に制御し、長期に保持するこ
とが可能である。本発明のポリオルガノシロキサンエマ
ルジョンは、各種の特性や形態などに基づいて、天然繊
維、合成繊維等の有機繊維、ガラス繊維等の無機繊維や
紙などの撥水性、柔軟性および平滑性などの特性付与の
ための処理剤として、プラスチック、ゴム、紙、鋳型な
どの離型剤として、天然ゴム、合成ゴム、合成樹脂など
の改質剤として、家庭内の家具雑貨、食品容器や自動車
・建築物の内・外装などのつや出し剤、保護剤として、
水系有機樹脂塗料のバインダーやビヒクルなどの成分と
して、消泡剤の消泡成分などとして、また、ヘアコンデ
ィショナー、メーキャップ、日焼けローションなどの化
粧品の成分などとして、さらには各種有機ポリマーの変
性用中間体などとして有用である。
【0023】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明の実施の形態を
さらに具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に
限定されるものではない。なお、実施例中の部および%
は、特に断らない限り重量基準である。実施例および比
較例における測定・評価は、下記のようにして行った。 (1)重量平均分子量(Mw) 下記条件によるゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ー(GPC )法により測定した。 試料溶液:固形分濃度が 0.5%のテトラヒドロフラン溶
液(エマルジョンをテトラヒドロフランによって破壊
し、溶解。そして得られた溶液に対して5%の硫酸マグ
ネシウムを添加して1時間振とうした後、濾過をするこ
とで調製) 装置 :日本分光工業(株)製ゲル浸透クロマトグラ
ム 801-SC型 カラム :昭和電工(株)製SHODEX K-806L 測定温度:40℃ 流速 :1ml/分 (2)粒子径 大塚電子(株)製レーザー粒径解析システムLPA-3000S/
3100を用いて、動的光散乱法により測定した。
【0024】実施例1 還流冷却管、攪拌機を備えた反応器に、n−ドデシルベ
ンゼンスルホン酸(日産化学工業(株)製、ソフト王洗
5S;乳化剤−1と略記) 2.0部、イオン交換水 400部
を入れ、混合溶解した後、メチルトリメトキシシラン80
部、ジメチルジメトキシシラン8部およびトリメチルメ
トキシシラン12部の混合物を25℃で30分かけて加え、同
温度で1時間攪拌した。その後、攪拌しながら70℃に昇
温し、同温度で3時間反応させ、25℃に冷却して2%水
酸化ナトリウム水溶液でpH6へと中和することで、重
合反応を停止させ、目的とする無色半透明の外観を有す
るポリオルガノシロキサンエマルジョンを得た。得られ
たポリオルガノシロキサンエマルジョンの固形分含有量
は10.7%、エマルジョン中のポリオルガノシロキサンの
ポリスチレン換算の重量平均分子量Mwは 750,000であ
り、 150℃にて1時間加熱することによって水を蒸発さ
せた場合、加熱残渣として再分散不能なレジン状の連続
皮膜を与えた。また、このエマルジョンの粒径解析の結
果、平均粒径52nmの単一分散の分布のエマルジョンであ
ることが確認できた。また、遠心分離安定性を評価する
ため、このエマルジョン10mlを遠心分離管に入れて、30
00rpm で15分間分離機にかけた後、上層部と下層部を各
々1ml程度採取し、不揮発分を測定したところ、それぞ
れ10.7%と10.6%で、ほとんど差がなかった。さらに、
希釈安定性を評価するために、このエマルジョンの50倍
水稀釈液を40℃で24時間静置し、外観、特に液面状態を
肉眼で調べたが全く異常はなく、安定なエマルジョンで
あった。また、このエマルジョンおよび固形分30%に濃
縮したエマルジョンについて、40℃で1ヶ月の加促試験
を行ったところ、外観、重量平均分子量Mw、加熱残渣
の状態、および粒径に変化は見られなかった。結果を表
1に示す。
【0025】実施例2〜9、比較例1〜3 実施例1において、原料組成の一部を表1〜2に示すよ
うに変更した以外は、実施例1と同様にして、ポリオル
ガノシロキサンエマルジョンを製造し、同様に評価し
た。結果を表1〜2に示す。
【0026】実施例10〜11、比較例4〜5 実施例2において、製造条件の一部を表3に示すように
変更した以外は、実施例2と同様にして、ポリオルガノ
シロキサンエマルジョンを製造し、同様に評価した。結
果を表3に示す。
【0027】実施例12〜14 実施例1において、原料組成の一部を表4に示すように
変更した以外は、実施例1と同様にして、ポリオルガノ
シロキサンエマルジョンを製造し、同様に評価した。結
果を表4に示す。 実施例15 実施例1において、表4に示すように、n−ドデシルベ
ンゼンスルホン酸 2.0部の代わりにテトラデセンスルホ
ン酸ナトリウム/ヒドロキシテトラデカンスルホン酸ナ
トリウム=75/25[重量比]混合物(ライオン株式会社
製、リポランPJ-400;乳化剤−2と略記) 2.0部と硫酸
0.4部を使用した以外は実施例1と同様にして、ポリオ
ルガノシロキサンエマルジョンを製造し、同様に評価し
た。結果を表4に示す。 実施例16 実施例1において、表4に示すように、n−ドデシルベ
ンゼンスルホン酸 2.0部の代わりに30%セチルトリメチ
ルアンモニウムクロリド水溶液(花王(株)製、コータ
ミン60W、有効成分30%;乳化剤−3と略記)13.5部、
ポリオキシエチレン(18)ノニルフェニルエーテル
(日光ケミカルズ(株)製、NIKKOL NP-18TX 、HLB 1
9;乳化剤−4と略記) 8.0部および水酸化カリウム 1.
5部を使用し、また中和剤の2%水酸化ナトリウム水溶
液の代わりに 0.5規定塩酸水溶液を使用した以外は実施
例1と同様にして、ポリオルガノシロキサンエマルジョ
ンを製造し、同様に評価した。結果を表4に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】
【表4】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 RaSi(OR1)4-a (I) (式中、a は0、1、2または3であり、R は水素原子
    または置換あるいは非置換の1価の有機基を示し、R1
    置換あるいは非置換の1価の有機基を示す)で表される
    少なくとも1種の有機ケイ素化合物を1mol 当たり0.2
    リットル以上の水中で、乳化剤の存在下、15〜100 ℃の
    温度範囲で乳化および縮合重合を行い、目的の重合度に
    到達した段階で中和して縮合重合を止めることを特徴と
    するポリオルガノシロキサンエマルジョンの製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の方法により製造されたポリ
    オルガノシロキサンエマルジョン。
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