JP2002088243A - シリコーンエマルション組成物、およびその製造方法 - Google Patents

シリコーンエマルション組成物、およびその製造方法

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JP2002088243A
JP2002088243A JP2000283630A JP2000283630A JP2002088243A JP 2002088243 A JP2002088243 A JP 2002088243A JP 2000283630 A JP2000283630 A JP 2000283630A JP 2000283630 A JP2000283630 A JP 2000283630A JP 2002088243 A JP2002088243 A JP 2002088243A
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silicone
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Makoto Chikuni
真 千国
Kazuo Takahashi
一雄 高橋
Mitsuhide Shimobukikoshi
光秀 下吹越
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Toto Ltd
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Toto Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非イオン性で環境ホルモンなどの危惧もない
乳化剤を用いて、シリコーン樹脂が微細な油滴となって
水溶媒中に安定に分散されるように調整されたシリコー
ンエマルション組成物を提供すること。 【解決手段】 (a)非硬化性のオルガノポリシロキサ
ン化合物、硬化性のオルガノポリシロキサン化合物から
選ばれるオルガノポリシロキサン化合物(b)プルロニ
ック型界面活性剤(c)炭素数2〜4の1価、又は、2
価アルコールから選ばれる1種若しくは2種以上のアル
コール(d)水を含有するO/Wエマルションにおい
て、該エマルションの油滴の平均粒子径が50nmから500n
mであることを特徴とするシリコーンエマルション組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシリコーン樹脂が微
細な油滴となって水溶媒中に安定に分散されるように調
整されたエマルション組成物に係り、特に安全性に優れ
る非イオン性のプルロニック型界面活性剤を乳化剤とし
て用い、簡便な手法で調整された環境保全にも好適なシ
リコーンエマルション組成物および該組成物の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】シリコーン樹脂は一般的に表面張力が低
く、疎水性が強いために、非イオン性の乳化剤のみを用
いて安定なエマルションに調整することは容易ではな
い。硬化性のシリコーン樹脂の場合は、シリコーン樹脂
特有の表面張力が低い主成分に加えて、極性のある反応
性成分を含有するため、安定なエマルションに調整する
ことは、さらに困難である。
【0003】従来、シリコーン樹脂の乳化で検討される
非イオン性の界面活性剤は、乳化力の優れるノニルフェ
ノール系の界面活性剤が用いられることが多かった。例
えば、実施した例としては、特開2000-63756、特開平11
-92694、特許第2920140号、特許第2846195号、特許第27
32886号などが挙げられる。
【0004】一方、環境ホルモン(外因性内分泌撹乱化
学物質)が90年代に入って相次いで指摘されて問題と
なっている。ノニルフェノールもそのひとつである。ノ
ニルフェノールのエストロジェン(女性ホルモン)類似
作用は、エストロジェンの10万分の1程度であり極め
て弱いとの報告もあるが、一方、その排出量が非常に多
いことが問題となっている。例えば、界面活性剤に使用
されているノニルフェノールエトキシレートは、生分解
の過程でノニルフェノールを生成することがわかってい
るが、日本では年間約4万トン使用されている。ノニル
フェノールについては科学的な知見が不十分な点もあ
り、各方面で研究、調査がなされている段階であるが、
現状では、可能な限り排出を抑制することが望まれてい
る。
【0005】プルロニック型界面活性剤は、非イオン性
で、化学的にも安定で、毒性や刺激性が特に低く安全性
が優れるため、その利用が期待できる。(『プルロニッ
クL-64のミセル形成及びミセル構造に及ぼす温度の影
響』斎藤好広、薬学雑誌、Vol.114,No.5,1994) しか
し、通常の長鎖アルキル基等を有する他の非イオン界面
活性剤と比較して界面活性力はやや劣り、プルロニック
型界面活性剤のみを用いてシリコーン樹脂の乳化剤とし
て安定なエマルションを調整した例は見当たらない。
【0006】また、従来、シリコーン樹脂を含有するエ
マルションを製造する乳化手法は機械的乳化法または乳
化重合法に基づくものであった。しかし、機械的乳化法
は高圧ホモジナイザー、超音波乳化機等の強力なせん断
力を付与するような特殊な乳化機を使用するものであ
る。さらに、そのような特殊な乳化機を使用しても得ら
れるエマルション粒子の微細化には限界があり、不安定
である。乳化重合法はシロキサンモノマーとしての低分
子量シロキサン、または反応性シロキサンオリゴマー、
界面活性剤、水溶性重合触媒および水の混合物を乳化重
合させ、反応が終了するまで攪拌混合して目的の重合体
エマルションを得る方法である。しかし、煩雑で制約の
大きい乳化手法であり、シリコーン樹脂のみの安定なエ
マルションを得るには問題が多い。
【0007】乳化重合法または機械的乳化法以外の乳化
手法として、界面化学的乳化手法がある。界面化学的乳
化手法は、従来の方法では乳化することができなかった
組成物においても安定なエマルションが得られることが
あり、最近、注目されている。しかし、この界面化学的
乳化手法は、エマルションを構成する各成分の種類と配
合比以外に、調合手順や処理条件も乳化の成否に大きく
影響するため、最適な乳化条件を見出すことは多くの経
験と労力を要す。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前記したように、従来
公知の方法では、非イオン性の乳化剤を用いて安全なシ
リコーンエマルション組成物を調整することは困難であ
った。また、従来検討されていた乳化剤が環境ホルモン
として指摘されていることも課題である。
【0009】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたもので、本発明の目的は、非イオン性で環境ホルモ
ンなどの危惧もない乳化剤を用いて、シリコーン樹脂が
微細な油滴となって水溶媒中に安定に分散されるように
調整されたシリコーンエマルション組成物、および、そ
のシリコーンエマルション組成物を調整することができ
る簡便な製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に第1の発明では、(a)非硬化性のオルガノポリシロ
キサン化合物、硬化性のオルガノポリシロキサン化合物
から選ばれるオルガノポリシロキサン化合物 (b)プルロニック型界面活性剤 (c)炭素数2〜4の1価、又は、2価アルコールから
選ばれる1種若しくは2種以上のアルコール (d)水 を含有するO/Wエマルションにおいて、該エマルショ
ンの油滴の平均粒子径が50nmから500nmであることを特
徴とするシリコーンエマルション組成物を提供する。
【0011】ここで、本発明のエマルション組成物を構
成する(a)オルガノポリシロキサン化合物は、油滴の
主成分であり、その目的に応じて非硬化性のオルガノポ
リシロキサン化合物、硬化性のオルガノポリシロキサン
化合物から選択される。(b)プルロニック型界面活性
剤は非イオン性で、化学的にも安定で、毒性や刺激性が
特に低く安全性が優れる組成物で、乳化時の安定性に寄
与する乳化剤である。(c)アルコールは(b)プルロ
ニック型界面活性剤と混合して配合され、乳化時の安定
性に寄与する成分である。
【0012】また、本発明の第一の目的は、水溶媒中に
安定に分散されたエマルションを提供することにある。
一般にエマルションの崩壊はクリーミングによって始ま
る。このクリーミングを防ぐためには乳化滴を細かくす
ることが必要である。(『非イオン界面活性剤による均
質で細かい乳化滴を持つO/Wエマルションの生成機
構』油化学、第30巻第1号、1981) 一般的には粒子の
直径が500nm以下になると、多少密度差はあっても、対
流などの影響によりクリーミングは起こりにくくなる。
(『エマルションの生成と安定性』油化学、第35巻第1
号、1986)
【0013】一方、油滴の粒子径が100nm未満となると
膨潤したミセルと解釈されるマイクロエマルションの領
域となり、もはや二相系のエマルションとは言えず、そ
の性質も異なってくる。(『エマルションの基礎と安定
化および評価技術』、技術情報協会発行、p.24) 従って、本発明の目的とする安定なシリコーンエマルシ
ョン組成物は、エマルション粒子の平均粒子径が50nm〜
500nm、より好ましくは100nm〜300nmである。
【0014】また、安定なシリコーンエマルション組成
物であるためには、エマルション粒子の粒子径は均一で
狭い範囲に分布していたほうが好ましく、重量換算で90
%以上のエマルション粒子が、粒子径50nm〜1000nmの範
囲に分布しているのがよい。より好ましくは、重量換算
で90%以上のエマルション粒子が、粒子径50nm〜500nm
の範囲に分布しているのがよい。
【0015】従って、第2の発明では、(a)非硬化性
のオルガノポリシロキサン化合物、硬化性のオルガノポ
リシロキサン化合物から選ばれるオルガノポリシロキサ
ン化合物 (b)プルロニック型界面活性剤 (c)炭素数2〜4の1価、又は、2価アルコールから
選ばれる1種若しくは2種以上のアルコール (d)水 を含有するO/Wエマルションにおいて、重量換算で90
%以上のエマルション粒子が、粒子径50nm〜1000nmの範
囲内に分布していることを特徴とするシリコーンエマル
ション組成物を提供する。
【0016】第3の発明では、第1の発明又は第2の発
明に記載のシリコーンエマルションにおいて、(a)オ
ルガノポリシロキサン化合物が、平均組成式 R1 pSi
(OR2q(4-p-q)/2 (式中、R1は、一価の有機基
の1種若しくは2種以上からなる官能基であり、R
2は、水素基、又は、炭素数1〜4の一価の有機基の1種
若しくは2種以上であり、p及びqは、0.7≦p≦1.6、
0<q<3.3、0.7<p+q<4を満足する数である)で表
され、硬化するとシロキサン骨格の被膜を形成する、硬
化性のオルガノポリシロキサン化合物であることを特徴
とするシリコーンエマルション組成物を提供する。
【0017】本態様によれば、硬化後、シロキサン骨格
からなる高度に難分解性の被膜を形成するすることがで
きる。例えば、光触媒性塗料や耐熱性塗料に用いられて
も形成された被膜が分解されて劣化することがなく、耐
候性、耐久性、耐熱性に優れる被膜を形成することがで
きる。
【0018】第4の発明では、第3の発明に記載のシリ
コーンエマルションにおいて、さらに(e)光触媒粒子
が分散していることを特徴とするシリコーンエマルショ
ン組成物を提供する。
【0019】本態様によれば、高度に難分解性のシリコ
ーン樹脂中に、光触媒粒子を含有した被膜を形成するこ
とができる。形成された被膜は、光照射によって、酸化
分解力、親水化能力、防汚性などの光触媒的な特性を有
し、なおかつ、光触媒反応による被膜自身の酸化分解を
生じることのない耐久性に優れる被膜を形成できる。
【0020】第5の発明では、(b)プルロニック型界
面活性剤と(c)アルコールを混合攪拌してプルロニッ
ク型界面活性剤を調整する第1の工程、調整された界面
活性剤溶液中に攪拌下(a)オルガノポリシロキサン化
合物を徐々に混合してゲルを調整する第2の工程、調整
されたゲルを(d)水と混合、攪拌してエマルションを
調整する第3の工程からなるシリコーンエマルションの
製造方法を提供する。
【0021】本発明のシリコーンエマルション組成物を
構成する各成分を、本発明の製造方法の手順に従って調
製することにより、粒子径が制御された微細なエマルシ
ョン粒子からなる、本発明のシリコーンエマルション組
成物を製造することができる。また、本発明の製造方法
は界面化学的乳化手法であるため、従来の機械的乳化手
法のように、高圧のせん断エネルギーや超音波エネルギ
ーを付与するような特殊な乳化機を使用しなくても、簡
便な攪拌装置で、微細な乳化滴が分散した安定なエマル
ションが得られる利点がある。
【0022】第6の発明では、前記第3の工程の後に更
に(e)光触媒粒子が水溶液中に分散した光触媒ゾルを
混合する第4の工程を有する第5の発明記載のシリコー
ンエマルション組成物の製造方法を提供する。
【0023】第7の発明では、前記(b)プルロニック
型界面活性剤100重量部に対し、前記(c)アルコー
ルが、25〜300重量部の範囲に調整されていること
を特徴とする第5の発明又は第6の発明記載のシリコー
ンエマルション組成物の製造方法を提供する。
【0024】第8の発明では、前記(b)プルロニック
型界面活性剤100重量部に対し、前記(d)水が、5
〜150重量部の範囲に調整されていることを特徴とす
る第5の発明乃至第7の発明いずれかに記載のシリコー
ンエマルション組成物の製造方法を提供する。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明のエマルション組成物を構成する(a)成
分は、非硬化性のオルガノポリシロキサン化合物、硬化
性のオルガノポリシロキサン化合物から選ばれるオルガ
ノポリシロキサン化合物である。
【0026】ここで、非硬化性のオルガノポリシロキサ
ン化合物としては、その分子構造としては、直鎖状、一
部分岐を有する直鎖状、環状、分岐鎖状が例示され、特
に、直鎖状であることが好ましい。このような非硬化性
のオルガノポリシロキサン化合物としては、分子鎖両末
端トリメチルシロキシ基封鎖ポリジメチルシロキサン、
分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキ
サン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末
端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチ
ル(3,3,3−トリフルオロプロピル)シロキサン共重
合体等の非官能性のシリコーンオイル、ケイ素原子結合
加水分解性基を有するシリコーンオイル、シラノール基
を有するシリコーンオイル、脂肪族不飽和基を有するシ
リコーンオイル、長鎖アルキル基を有するシリコーンオ
イル、ポリエーテル基を有するシリコーンオイル、アミ
ド基を有するシリコーンオイル、カルボン酸基を有する
シリコーンオイル、アミノ基を有するシリコーンオイ
ル、メルカプト基を有するシリコーンオイル、エポキシ
基を有するシリコーンオイルが例示される。
【0027】一方、硬化性のオルガノポリシロキサン化
合物としては、これ自体で硬化するシリコーンオイルや
硬化触媒や架橋剤の添加により硬化するシリコーンオイ
ルが例示される。この硬化機構としては、例えば、縮合
反応、ヒドロシリル化反応、有機過酸化物によるラジカ
ル反応、紫外線によるラジカル反応が挙げられ、硬化反
応による副生成物がなく、反応性が高いことから、特
に、ヒドロシリル化反応であることが好ましい。この縮
合反応硬化性のシリコーンオイルとしては、一分子中に
少なくとも2個のケイ素原子に結合した水酸基、アルコ
キシ基、オキシム基、アセトキシ基、アミノキシ基、あ
るいは水素原子等の加水分解性基を有するオルガノポリ
シロキサン、さらにこのシリコーンオイルに、一分子中
に少なくとも2個のケイ素原子に結合した水酸基、アル
コキシ基、オキシム基、アセトキシ基、アミノキシ基、
あるいは水素原子を有するシラン系またはシロキサン系
の架橋剤、および有機錫化合物、有機チタン化合物等の
縮合反応触媒を混合してなるオイル状シリコーン組成物
が例示される。また、ヒドロシリル化反応硬化性のシリ
コーンオイルとしては、一分子中に少なくとも2個のア
ルケニル基を有するオルガノポリシロキサン、および一
分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した水素原
子を有するオルガノポリシロキサンからなるオイル状シ
リコーン組成物、さらにこのシリコーン組成物にヒドロ
シリル化反応用触媒を混合してなるオイル状シリコーン
組成物が例示される。
【0028】特に、硬化させるとシリコーン樹脂の被膜
を形成する硬化性のオルガノポリシロキサン化合物とし
ては、平均組成式 R1 pSi(OR2q(4-p-q)/2
示されるものが挙げられる。
【0029】ここで、R1は一価の有機基の1種若しく
は2種以上からなる官能基であり、炭素数1〜18のア
ルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基な
どの非置換一価炭化水素基を挙げることができる。具体
的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピ
ル基、ブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、シクロヘ
キシル基、オクチル基、デシル基、ラウリル基、ミリス
チル基、ステアリル基等のアルキル基、ビニル基、アリ
ル基、プロペニル基、ブテニル基、5−ヘキセニル基、
9−デセニル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル
基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基等の
アラルキル基などが挙げられる。
【0030】また、R1は置換一価炭化水素基を含んで
もよく、前記した非置換一価炭化水素基の水素原子の一
部又は全部をハロゲン原子、エポキシ官能基、(メタ)ア
クリル官能基、アミノ基、含硫黄官能基、アルキルエー
テル基、アニオン性基、第4級アンモニウム塩構造含有
基で置換した基を挙げることができる。具体的には、ト
リフルオロプロピル基、パーフルオロブチルエチル基、
パーフルオロオクチルエチル基、3−クロロプロピル
基、2−(クロロメチルフェニル)エチル基、3−グリ
シジロキシプロピル基、2−(3,4−エポキシシクロ
ヘキシル)エチル基、5,6−エポキシヘキシル基、
9,10−エポキシデシル基、3−(メタ)アクリロキ
シプロピル基、(メタ)アクリロキシメチル基、11−
(メタ)アクリロキシウンデシル基、3−アミノプロピ
ル基、N−(2−アミノエチル)アミノプロピル基、3
−(N−フェニルアミノ)プロピル基、3−ジブチルア
ミノプロピル基、3−メルカプトプロピル基、2−(4
−メルカプトメチルフェニル)エチル基、ポリオキシエ
チレンオキシプロピル基、3−ヒドロキシカルボニルプ
ロピル基、3−トリブチルアンモニウムプロピル基など
を挙げることができる。
【0031】R2は、水素基、又は、炭素数1〜4の一価
の有機基の1種若しくは2種以上であり、従って、OR
2は水酸基、又は、アルコキシ基である。アルコキシ基
の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキ
シ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、sec−ブトキ
シ基、t−ブトキシ基などを挙げることができる。
【0032】p及びqは、0.7≦p≦1.6、0<q<3.3、
0.7<p+q<4を満足する数である。ここでp及びq
は、オルガノポリシロキサン化合物のシロキサン構造の
官能性(シリコーンハンドブック、日刊工業新聞社発
行、伊藤邦雄著、p.88)を規定するもので、硬化性や硬
化後の性質に影響する。
【0033】オルガノポリシロキサン化合物が4官能性
シロキサン構造単位を含有すると、硬化したシリコーン
樹脂の被膜の硬度が向上する。しかし、4官能性シロキ
サン構造単位の含有量が多すぎると、硬化時に体積収縮
が大きく塗膜にクラックが生じやすくなるため、4官能
性シロキサン構造単位の含有量は30モル%以下であるこ
とが好ましい。この場合には、3官能性シロキサン構造
単位の最大含有量は70モル%であり、有機基数pは0.7
となる。従って、クラックの発生を防止するためには、
有機基数pは0.7以上でなければならない。
【0034】被膜に可撓性を付与するためには、2官能
性シロキサン構造単位を含有させるのが好ましい。しか
し、架橋密度を大きくし、充分な硬度の硬化被膜を得る
ためには、2官能性シロキサン構造単位の含有量は60モ
ル%以下であることが好ましい。この場合には、3官能
性シロキサン構造単位の最大含有量は40モル%であり、
有機基数pは1.6となる。従って、塗膜の硬度を考慮す
れば、有機基数pは1.6以下でなければならない。
【0035】オルガノポリシロキサン化合物が縮重合反
応性を有すためには、qは0より大きくなければならな
い。
【0036】オルガノポリシロキサン化合物がポリマー
またはオリゴマーであるためには、p+qは4未満でなく
てはならない。
【0037】オルガノポリシロキサン化合物の分子量
は、ポリスチレンを標準物質としたGPC(ゲルパーミ
エーションクロマトグラフィー)測定により求めた数平
均分子量が80〜20000であるものが好ましい。
【0038】オルガノポリシロキサン化合物の粘度は、
25℃において、1〜50,000,000mPa・sの範囲であることが
好ましく、特に、5〜1,000,000mPa・sの範囲であること
が好ましい。粘度が高い場合は、本発明の製造方法によ
る乳化が困難になる。
【0039】(b)成分のプルロニック型界面活性剤
は、ポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンが共重
合した構造からなり、一般式は、 HO-(C24O)a-(C36O)b-(C24O)c-H で示される。ここでa、b、cは重合度を示す正数であ
る。この組成物は、最初米国のワイアンドット社から
『プルロニック』という商品名で発売されたのでプルロ
ニック型界面活性剤と呼ばれる。三洋化成社製の『ニュ
ーポール』、旭電化社製の『アデカプルロニック』など
が挙げられる。
【0040】ここで重合度はさまざまなものを得ること
ができ、1種若しくは2種以上の重合度のプルロニック
型界面活性剤を単独で若しくは組み合わせて、平均分子
量とポリオキシエチレン含有量を適宜調整して、使用す
ることができる。安定なエマルションを得るためには、
平均分子量は1,000から30,000の範囲に調整されること
が好ましく、より好ましくは5,000から20,000の範囲に
調整されることがよい。 また、ポリオキシエチレンの
含有量は40%から90%の範囲に調整されることが好まし
く、より好ましくは50%から80%の範囲に調整されるこ
とがよい。
【0041】(c)成分は、炭素数2〜4のアルコールか
ら選ばれる1種若しくは2種以上のアルコールである。
具体的にはエタノール、n-プロパノール、イソプロパ
ノール、n-ブタノール、イソブタノール、sec-ブタノ
ール、tert-ブタノール、エチレングリコール、1,2-プ
ロパンジオール、トリメチルグリコール、1,3-ブタンジ
オール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール等が
挙げられる。
【0042】特に、広い範囲で乳化の調整が可能である
ことから、1,2-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール
が好ましい。
【0043】本発明の組成物への(c)成分の添加量は
任意に決定することができるが、(b)成分のプルロニ
ック型界面活性剤100重量部に対し25〜300重量部が好ま
しい。
【0044】本発明のエマルションは(d)成分の水を
主溶媒とするO/Wエマルションである。
【0045】ここで、(a)成分が硬化性のオルガノポ
リシロキサンである場合、溶媒のpHは3〜8の範囲が
好ましい。更に好ましくは、pHは4〜7の範囲であ
る。pHが3未満あるいは8を超過した場合、(a)成
分の硬化性のオルガノポリシロキサン化合物が不安定に
なるため好ましくない。
【0046】pHの調節は公知の緩衝剤となる酸あるい
は塩基性化合物を用いて調整することができる。例え
ば、酢酸と酢酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウムと
クエン酸などが挙げられる。
【0047】本発明のエマルション組成物の濃度は、有
効成分である(a)成分が、エマルション組成物の全量
に対し、25重量%以上であることが好ましい。
【0048】本発明のエマルション組成物の濃度は水、
又は水溶性の溶媒を混合して、任意の濃度に希釈するこ
とができる。例えば、有効成分である(a)成分が、エ
マルション組成物の全量に対し、1重量%未満までに調
整することもできる。
【0049】一方、シリコーンエマルション組成物の原
料としては、予め高い濃度に調整されていた方が、後で
希釈して、より広い範囲に濃度が調整できるため、好ま
しい。
【0050】(e)成分は光触媒粒子である。ここで、
本発明における光触媒とは、光触媒性酸化物をいい、酸
化物結晶の伝導電子帯と価電子帯との間のエネルギーギ
ャップよりも大きなエネルギー(すなわち短い波長)の
光(励起光)を照射したときに、価電子帯中の電子の励
起(光励起)によって、伝導電子と正孔を生成しうる酸
化物をいい、具体的には、アナターゼ型酸化チタン、ブ
ルッカイト型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、酸化
錫、酸化亜鉛、三酸化二ビスマス、三酸化タングステ
ン、酸化第二鉄、チタン酸ストロンチウムの群等から選
ばれる1種又は2種以上が使用できる。
【0051】特に、アナターゼ型酸化チタンが好まし
い。酸化チタンは、無害であり、化学的に安定であり、
かつ、安価に入手可能である。
【0052】酸化チタンの平均粒子径は1nm以上、1
00nm以下のものが好ましい。この範囲の酸化チタン
粒子は光触媒活性が高く、また、透明性に優れる塗膜を
形成できる。
【0053】本発明の組成物および製造方法に用いられ
る酸化チタンは、予め水溶液に分散されたものを使用す
ることが好ましい。予め水溶液に分散された酸化チタン
は、エマルションと容易に混合することができる。
【0054】さらに、硬化性のオルガノポシリロキサン
を含むエマルションと調整された場合に、安定性に悪影
響を与えない酸性あるいは中性の水溶液に分散されたも
のを使用するのが好ましい。例えば、硝酸水溶液などの
酸性水溶液に分散された酸化チタンゾルは市場で容易に
入手できる。また、中性水溶液に分散された酸化チタン
ゾルの調整方法は、例えば、特開2000-63117、特開2000
-53421などが挙げられる。
【0055】本発明の組成物への光触媒粒子の添加量は
任意に決定することができるが、(a)成分の硬化性の
オルガノポリシロキサン化合物100重量部に対し10〜400
重量部が好ましい。
【0056】次に本発明のシリコーンエマルション組成
物の製造方法について、詳細に説明する。
【0057】第1の工程は、(b)プルロニック型界面
活性剤と(c)アルコールと少量の水を混合攪拌して親
水性のオルガノポリシロキサン化合物を調整する工程で
ある。
【0058】ここで、(c)アルコールの混合は、
(b)プルロニック型界面活性剤の親水性を強くする効
果がある。少量の水の混合は、(b)プルロニック型界
面活性剤の親水性基を水和し、会合性を上げる効果があ
る。
【0059】(c)成分の添加量は任意に決定すること
ができるが、(b)成分のプルロニック型界面活性剤10
0重量部に対し25〜300重量部(より好ましくは50〜200
重量部、更に好ましくは75〜150重量部)の範囲で調整
する。少量の水は(b)成分のプルロニック型界面活性
剤100重量部に対し5〜150重量部(より好ましくは10〜9
0重量部、更に好ましくは25〜60重量部)の範囲で調整
する。
【0060】第2の工程は、調整されたプルロニック型
界面活性剤溶液中に攪拌下(a)オルガノポリシロキサ
ン化合物を徐々に混合してゲルを調整する工程である。
【0061】この工程で混合される(a)オルガノポリ
シロキサン化合物は、プルロニック型界面活性剤中で、
攪拌によって細かい油滴となり、第1の工程で親水性と
会合性を上げるように調整されたプルロニック型界面活
性剤は、生成される油滴の合一を妨げる効果をもつ。プ
ルロニック型界面活性剤中にオルガノポリシロキサン化
合物が細かい油滴となって分散した状態となる。さらに
オルガノポリシロキサン化合物が混合されていくと、そ
の比率が多くなり、プルロニック型界面活性剤は油滴を
包む薄い連続相隔壁状となり、微細な油滴が高充填され
た粘稠なゲルになる。
【0062】ここで、プルロニック型界面活性剤溶液の
攪拌速度は、500〜10,000rpmの範囲が好ましい。また、
(a)オルガノポリシロキサン化合物の混合速度は、攪
拌中のプルロニック型界面活性剤溶液中に、徐々に混合
するのがよく、別の好ましい態様は、0.015g/secで滴
下するのがよい。
【0063】第3の工程は、調整されたゲルを(d)水
と混合、攪拌してエマルションを調整する工程である。
【0064】第2の工程で調整されたゲルの油滴を包む
薄い連続相隔壁は、プルロニック型界面活性剤からな
り、この親水性部に水が徐々に浸透する。そして、親水
性の連続相隔壁は水で膨潤し、ついには油滴を包み込ん
だ状態で分離し、水中に分散し、O/Wエマルションと
なる。
【0065】本発明の製造方法に用いられる攪拌装置
は、公知の簡便な手法を用いて行うことができる。例え
ば、プロペラ式の攪拌機等が挙げられる。また、従来、
乳化に用いられるホモジナイザー等の乳化機を併用して
もよい。
【0066】本発明のシリコーンエマルションは、優れ
た特性をさらに付与する目的で、各種従来公知の成分
を、本発明の効果を損ねない範囲で適宜配合してもよ
い。例えば、アルカリ金属珪酸塩などの硬化剤、分散
剤、可塑剤、消泡剤、増粘剤、レベリング剤、防腐剤、
防カビ剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤(ベンゾフェノン
系、トリアゾール系、フェニルサリシレート系、ジフェ
ニルアクリレート系、アセトフェノン系等)、ヒンダー
ドアミン系光安定剤や増量剤(アルミペースト、ガラス
フリット等)、シリカなどの金属酸化物粒子、体質顔
料、無機顔料、有機顔料、染料、保湿剤、薬効成分、香
料を挙げることができる。
【0067】
【実施例】以下、実施例を示して本発明を具体的に説明
する。実施例は本発明を種々の観点から例示すものであ
るが、本発明は下記の実施例に限定されるものではな
い。なお、記載中の「部」及び「%」は重量基準であ
る。
【0068】エマルションの平均粒子径および粒度分布
は、ダイナミック光散乱光度計(大塚電子製、DLS-60
0)を用いて、動的光散乱測定法により測定した。添付
した粒度分布の図は、横軸が粒子径(nm)の対数表示、
縦軸が重量換算の相対百分率(%)を示している。
【0069】〔実施例1〕第1の工程として、ビーカー
中に(b)成分のプルロニック型界面活性剤として、三
洋化成社製、ニューポール、PE-78を30部、(c)成
分のアルコールとして、1,3ブタンジオール35部、蒸
留水15部を混合し、一様になるまでよく攪拌した。
【0070】ここでPE-78は、カタログ記載の仕様より
次のような組成物であることがわかっている。平均分子
量は10250、ポリオキシエチレン含有量は80%。
【0071】第2の工程の準備として、滴下用ロート中
に(a)成分のオルガノポリシロキサン化合物として、
アルコキシオリゴマー(信越化学工業社製、X-40-922
5)135部を仕込んだ。
【0072】ここでX-40-9225は、カタログ記載の仕
様、NMR(核磁気共鳴スペクトル)測定結果、ポリス
チレンを標準物質としたGPC(ゲルパーミエーション
クロマトグラフィー)測定結果、クラッキング法による
メトキシ基測定より次のような組成物であることがわか
っている。平均組成式 R1 pSi(OR2q(4-p-q)/2
において、R1はメチル基、OR 2はメトキシ基、p=
0.8、q=0.6、粘度は 80mPa・s(25℃)、重量平均分子
量はMw=3400、数平均分子量はMn=1400。
【0073】次いで、ビーカー中に調整された(b)プ
ルロニック型界面活性剤溶液をプロペラ式の攪拌機を用
いて、攪拌速度1200rpmで攪拌しながら、(a)オルガ
ノポリシロキサン化合物を徐々に滴下し、透明感のある
粘稠なゲルを得た。
【0074】第3の工程の準備として、0.2規定のリン
酸水素二ナトリウム水溶液/0.1規定のクエン酸水溶液
を63.15/36.85の重量比で混合してpH=6の緩衝液を調
整し、(d)成分の水を主とする溶媒を用意した。
【0075】そして、調整されたゲル215部と溶媒2
85部を混合、攪拌し、白色のエマルション組成物(E
-1)を得た。エマルション組成物の構成を表1に示
す。
【0076】エマルション組成物(E-1)の平均粒子
径は189nmであった。粒度分布を図1に示す。ほぼ10
0%のエマルション粒子が、粒子径50nm〜500nmの範囲内
に分布している。
【0077】〔実施例2〕第1の工程として、ビーカー
中に(b)成分のプルロニック型界面活性剤として、三
洋化成社製、ニューポール、PE-74を24部とPE-108を
6部、(c)成分のアルコールとして、1,3ブタンジオ
ール35部、蒸留水15部を混合し、一様になるまでよ
く攪拌した。
【0078】ここでPE-74、PE-108は、カタログ記載の
仕様より次のような組成物であることがわかっている。
PE-74の平均分子量は3417、ポリオキシエチレン含有量
は40%。PE-108の平均分子量は16250、ポリオキシエチ
レン含有量は80%。したがって、PE-74とPE-108の混合
物の平均分子量は5984、ポリオキシエチレン含有量は62
%。
【0079】第2の工程の準備として、滴下用ロート中
に(a)成分のオルガノポリシロキサン化合物として、
シリコーンオイル(信越化学工業社製、KF-56)135
部を仕込んだ。
【0080】ここでKF-56は、カタログ記載の仕様より
次のような組成物であることがわかっている。KF-56は
直鎖状の非硬化性のオルガノポリシロキサンで置換基は
メチル基とフェニル基、粘度は 15mm2/s(25℃)、比重
は0.995(25℃)。
【0081】次いで、ビーカー中に調整された(b)プ
ルロニック型界面活性剤溶液をプロペラ式の攪拌機を用
いて、攪拌速度1200rpmで攪拌しながら、(a)オルガ
ノポリシロキサン化合物を徐々に滴下し、透明感のある
粘稠なゲルを得た。
【0082】第3の工程として、調整されたゲル215
部と(d)成分として蒸留水285部を混合、攪拌し、
白色のエマルション組成物(E−2)を得た。エマルシ
ョン組成物の構成を表1に示す。
【0083】エマルション組成物(E-2)の平均粒子
径は337nmであった。粒度分布を図2に示す。95%以
上のエマルション粒子が、粒子径50nm〜500nmの範囲内
に分布している。
【0084】〔実施例3〕実施例2において、第2の工
程で使用する(a)成分のオルガノポリシロキサン化合
物として、シリコーンオイル(信越化学工業社製、KF-9
6-1000)135部とした以外は同様にして、エマルショ
ン組成物(E−3)を得た。エマルション組成物の構成
を表1に示す。
【0085】ここでKF-96-1000は、カタログ記載の仕様
より次のような組成物であることがわかっている。KF-9
6-1000は直鎖状の非硬化性のオルガノポリシロキサンで
置換基はメチル基、粘度は 1000mm2/s(25℃)、比重は
0.970(25℃)。
【0086】エマルション組成物(E-3)の平均粒子
径は477nmであった。粒度分布を図3に示す。99%以
上のエマルション粒子が、粒子径50nm〜1000nmの範囲内
に分布している。
【0087】〔比較例1〕実施例1において、第1の工
程で使用する(b)成分のプルロニック型界面活性剤を
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(三洋化成
社製、ノニポール55)とした以外は同様にして、組成物
(R−2)を得た。組成物の構成を表1に示す。
【0088】組成物(R-1)の平均粒子径は1099n
mであった。粒度分布を図4に示す。粒子径50nm〜1000n
mの範囲内に分布する粒子は2%程度である。
【0089】〔比較例2〕実施例1と同一の成分を同一
の組成比で用いるが、本発明の製造方法とは異なる方法
で、次のような手順で調整する。
【0090】ビーカー中に、(a)成分のオルガノポリ
シロキサン化合物135部、(b)成分のプルロニック
型界面活性剤30部、(c)成分のアルコール35部お
よび蒸留水15部を混合し、プロペラ式の攪拌機を用い
て、攪拌速度1200rpmでよく攪拌後、(d)成分の水を
主とする溶媒として、pH=6の緩衝液285部を混合、
攪拌し、組成物(R-2)を得た。
【0091】組成物(R-2)はエマルションとはなら
ず、上下2層に分離している。組成物の構成は実施例1
と同等であるが、製造方法を変えた結果、エマルション
とはならなかった。
【0092】〔実施例4〕実施例1で得たエマルション
組成物(E-1)100部、(e)成分の光触媒ゾルと
してアナターゼ型酸化チタンゾル100部、蒸留水50
部を混合、攪拌してエマルション組成物(E-4)を得
た。組成物の構成を表2に示す。
【0093】ここで、アナターゼ型酸化チタンゾルは、
平均粒子径50nm、固形分濃度20.5%、pH=6.8
に調整したものを使用した。
【0094】エマルション組成物(E-4)の粒度分布
を図5に示す。粒子径約200nmにシリコーンからなる油
滴の分布があり、粒子径約50nmに酸化チタン粒子の分布
がある。
【0095】〔比較例3〕実施例4において、エマルシ
ョン組成物(E-1)100部に代えて、比較例1で得
た組成物(R-1)100部とした以外は同様にして、
組成物(R-3)を得た。組成物の構成を表2に示す。
【0096】〔安定性の評価〕エマルション組成物50g
をガラスビンにとり、密閉して、室温で静置した。2ケ
月後に液の状態を観察し、下記3段階で評価した。 ○:液の分離がない △:液が一部分離するが、軽く攪拌すると均一になる。 ×:液が分離している。攪拌しても均一にならない。
【0097】評価結果を表1、表2に示す。
【表1】
【0098】
【表2】
【0099】また、室温で静置、2ケ月後のエマルショ
ン組成物(E-1)の粒度分布を図6に示す。平均粒子
径は189nmであり、ほぼ100%のエマルション粒子
が、粒子径50nm〜500nmの範囲内に分布している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の粒度分布を示す図である。
【図2】本発明の実施例2の粒度分布を示す図である。
【図3】本発明の実施例3の粒度分布を示す図である。
【図4】本発明の比較例1の粒度分布を示す図である。
【図5】本発明の実施例4の粒度分布を示す図である。
【図6】室温で静置、2ケ月後のエマルション組成物
(E-1)の粒度分布を示す図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 83/06 C08L 83/06 Fターム(参考) 4G065 AA01 AA06 AB01Y AB03Y AB10Y AB28Y BA06 BA07 BA20 CA03 DA06 EA01 EA02 EA03 FA01 4J002 CH02X CP03W CP05W CP06W CP09W CP10W CP12W CP18W DE027 DE098 DE108 DE118 DE138 DE188 EC036 EC046 FA088 FD010 FD208 FD31X HA07

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)非硬化性のオルガノポリシロキサン
    化合物、硬化性のオルガノポリシロキサン化合物から選
    ばれるオルガノポリシロキサン化合物 (b)プルロニック型界面活性剤 (c)炭素数2〜4の1価、又は、2価アルコールから
    選ばれる1種若しくは2種以上のアルコール (d)水 を含有するO/Wエマルションにおいて、該エマルショ
    ンの油滴の平均粒子径が50nmから500nmであることを特
    徴とするシリコーンエマルション組成物。
  2. 【請求項2】(a)非硬化性のオルガノポリシロキサン
    化合物、硬化性のオルガノポリシロキサン化合物から選
    ばれるオルガノポリシロキサン化合物 (b)プルロニック型界面活性剤 (c)炭素数2〜4の1価、又は、2価アルコールから
    選ばれる1種若しくは2種以上のアルコール (d)水 を含有するO/Wエマルションにおいて、重量換算で90
    %以上のエマルション粒子が、粒子径50nm〜1000nmの範
    囲内に分布していることを特徴とするシリコーンエマル
    ション組成物。
  3. 【請求項3】前記請求項1又は2に記載のシリコーンエ
    マルションにおいて、(a)オルガノポリシロキサン化
    合物が、平均組成式 R1 pSi(OR2q(4-p-q)/2
    (式中、R1は、一価の有機基の1種若しくは2種以上
    からなる官能基であり、R2は、水素基、又は、炭素数1
    〜4の一価の有機基の1種若しくは2種以上であり、p
    及びqは、0.7≦p≦1.6、0<q<3.3、0.7<p+q<4
    を満足する数である)で表され、硬化するとシロキサン
    骨格の被膜を形成する、硬化性のオルガノポリシロキサ
    ン化合物であることを特徴とするシリコーンエマルショ
    ン組成物。
  4. 【請求項4】前記請求項3に記載のシリコーンエマルシ
    ョンにおいて、さらに(e)光触媒粒子が分散している
    ことを特徴とするシリコーンエマルション組成物。
  5. 【請求項5】(b)プルロニック型界面活性剤と(c)
    アルコールを混合攪拌してプルロニック型界面活性剤を
    調整する第1の工程、調整された界面活性剤溶液中に攪
    拌下(a)オルガノポリシロキサン化合物を徐々に混合
    してゲルを調整する第2の工程、調整されたゲルを
    (d)水と混合、攪拌してエマルションを調整する第3
    の工程からなるシリコーンエマルションの製造方法。
  6. 【請求項6】前記第3の工程の後に更に(e)光触媒粒
    子が水溶液中に分散した光触媒ゾルを混合する第4の工
    程を有する請求項5記載のシリコーンエマルション組成
    物の製造方法。
  7. 【請求項7】前記(b)プルロニック型界面活性剤10
    0重量部に対し、前記(c)アルコールが、25〜30
    0重量部の範囲に調整されていることを特徴とする請求
    項5又は6記載のシリコーンエマルション組成物の製造
    方法。
  8. 【請求項8】前記(b)プルロニック型界面活性剤10
    0重量部に対し、前記(d)水が、5〜150重量部の
    範囲に調整されていることを特徴とする請求項5乃至7
    いずれか1項記載のシリコーンエマルション組成物の製
    造方法。
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