JP5374690B2 - アルコール耐性エマルション及びその製造方法 - Google Patents

アルコール耐性エマルション及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、特に、1価アルコールを含有するO/Wエマルション又は多相エマルション並びにその製造方法に関する。
一般に、油水エマルションを取り扱う技術分野では、1価アルコール、ケトン類等の両親媒性有機溶剤をエマルションに多量に混入した場合、液滴が合体して油相と水相が明確な2層に分離(以下「油水2層分離」という。)することが知られている。両親媒性有機溶剤は油相と水相の両相に相互溶解するため、明確な油水界面を維持できなくなる。すなわち、添加された乳化剤、特に界面活性剤の界面配向が阻止され、液滴の存在を維持できなくなる。相互溶解する結果、物質移動により自由で大きな溶解析出が発生して油水2層分離が促進される。これら一連の現象は一般的に起こり得るものである。従って、油水エマルションを安定的に保持しようとする場合には、両親媒性有機溶剤を添加しないか、あるいはその添加量を少量にとどめてその影響の低減を図るのが常識である。逆に、安定な油水エマルションを早急に2層分離(以下、乳化を壊す意で「解乳化」)させたい場合には、適量の両親媒性有機溶剤を添加させる手法がよく使われる。
一方、こうした両親媒性有機溶剤をエマルションに使用したいというニーズは従前からある。特に、最も生体に安全なエタノールは、その風味と殺菌性を生かして食品への利用、洗浄性や浸透性を生かして化粧品への利用、消毒能を生かして医薬品への利用、溶解性を生かして化成品への利用等がそれぞれ考えられる。ところが、上記のような理由により、エタノールを含むエマルション製品が検討されることはほとんどない。また、エマルションには種々の添加物質を共存して製品とするが、添加物質には水にも油剤にも全く溶解せずアルコールに溶解しやすい物質が多く、これらを安定的に共存させることが可能となる。さらに、油相がアルコールに溶解すること、あるいは界面張力の低減を利用して分散滴を小さくすることにより、従来の組成では調製できなかった微細化エマルションを製造することもできるようになる。O/Wエマルションのようなシングルエマルションに限らず、高濃度のアルコールが共存していても安定な(以下、アルコール耐性ともいう。)多相エマルションが得られれば、さらに技術発展の可能性は高くなると予想される。
油水エマルションとしては、外水相に油相滴が分散したO/Wエマルション系、油相に水相滴が分散したW/Oエマルション系、内水相滴を内包した油相滴が外水相に分散したW/O/Wエマルション系、内油相滴が分散する水相滴が外油相に分散したO/W/Oエマルション系がある。最近では、固体微細粒子を油相滴に内包したS/O/Wエマルションも提案されている(特許文献1)。エマルション製品の大部分はO/Wエマルション系であり、一部がW/Oエマルション系、多相エマルションとも呼ばれるW/O/Wエマルション、O/W/Oエマルション、S/O/Wエマルションについては製品化例が少ない。これに対し、最近では、W/Oエマルション系において高濃度の1価アルコール類を水相の代わり内包したエマルションが開発されている(特許文献2〜5)。
上述したようにW/Oエマルション系の高濃度アルコール含有エマルションについてはいくつかの系が存在する。しかし、最も用途が豊富なO/Wエマルション系のアルコール含有エマルションはほとんど存在しない。例えば、アルコール耐性O/Wエマルションを開発したという報告がある程度である(特許文献6〜8)。
また、油性成分及び非イオン界面活性剤を含有する油相と油相用多価アルコールとからなる系を混合して、上記油相用多価アルコールを連続相とするエマルジョンを形成させた後、該エマルジョンに水相用多価アルコール及び/又は低級アルコールを含有する水相を添加して連続相が上記油相用多価アルコールを含む上記水相になるように転相させることによりO/W型エマルジョンを調製することを特徴とするO/W型エマルジョンの製造方法が開示されている(特許文献9)。
しかしながら、上記の製造方法は、連続相に多価アルコールが存在することを前提とする技術である。特に、特許文献9の[0017]段落では、多価アルコールの配合量が少なすぎると界面張力が下げられないため微細化できない旨が記載されている。すなわち、多価アルコールの存在なしで、1価アルコールを用いて安定したエマルションを調製できることは特許文献9から知ることはできない。
先行文献の開示
特願2002-162072号 特開2001-269115号 特開2002-332444号 特開2001-89753号 特開平11-279572号 特開2002-348589号 特開2001-117号 特開平11-189526号 特開2001-224955号
しかしながら、これらのアルコール耐性エマルションは、アルコール濃度が十分高いものとは言えない。また、工業的に重要なエタノールが適用できないものもある。さらに、エマルションの安定性についても実用的な時間長さや信頼性を証明したものではなく、少なくとも安定性という点において改善の余地がある。
このように、エタノール等にも安定なO/Wエマルション等の開発が進みつつあるが、実用的なアルコール含有エマルションは未だ開発されるに至っていないというのが現状である。
従って、本発明の主な目的は、特に、従来のエマルションよりも安定な1価アルコール含有エマルションを提供することにある。
本発明者は、従来技術の問題を鑑みて鋭意研究を重ねた結果、特に、ある特定の乳化剤の存在下で1価アルコールを含むエマルションを特定の手順で調製することにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記のアルコール耐性エマルション及びその製造方法に係る。
1. 1価アルコール又はそれを溶媒とする溶液と乳化剤とを含有するエマルションであって、
(1)前記1価アルコール又はそれを溶媒とする溶液の含有量がエマルション中40〜80wt%以上であり、
(2)前記乳化剤の含有量がエマルション中0.1〜50 wt%であり、
(3)エマルション形態が、O/Wエマルション、W/O/Wエマルション、O/W/Oエマルション又はS/O/Wエマルションであり、
前記乳化剤として、a)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油系乳化剤及びb)ポリオキシエチレンヒマシ油系乳化剤の少なくとも1種を含み、
前記エマルションの平均滴径は、550nm以上である、
ことを特徴とするアルコール耐性エマルション。
2. レーザー回折散乱式粒度分布計により測定した体積基準液滴累積分布の10%に対応する粒径、50%に対応する粒径及び90%に対応する粒径の3変数において、アルコール耐性エマルション調製直後から1週間後における変動幅が30%以内である、前記項1に記載のアルコール耐性エマルション。
3. 前記乳化剤として、油水分配係数0.1〜10である乳化剤を含む、前記項1に記載のアルコール耐性エマルション。
4. 前記エマルションの平均滴径は、8.62μm以下である、前記項1に記載のアルコール耐性エマルション。
5. 前記溶液が、I)エマルションを構成する1価アルコール、II)エマルションを構成する水相(アルコールを除く。)及びIII)エマルションを構成する油相(アルコールを除く。)の中で、前記I)に対して最も高い溶解度を示す物質が前記1価アルコールに溶解したものである、前記項1に記載のアルコール耐性エマルション。
6. 1価アルコールの含有量が、アルコール耐性エマルションに含まれる全アルコール中99.99〜100wt%である、前記項1に記載のアルコール耐性エマルション。
7. アルコール耐性エマルションを製造する方法であって、(i)少なくともいずれか一方に乳化剤を含む水相用原料及び油相用原料を調製する第1工程、(ii)前記の水相用原料と油相用原料とを混合して前駆体エマルションを調製する第2工程、(iii)前駆体エマルションに1価アルコール又はそれを溶媒とする溶液を混合する第3工程、を含み、
前記乳化剤として、a)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油系乳化剤及びb)ポリオキシエチレンヒマシ油系乳化剤の少なくとも1種を含み、
前記エマルションの平均滴径は、550nm以上であり、
前記1価アルコール又はそれを溶媒とする溶液の含有量がエマルション中40〜80wt%である、ことを特徴とする製造方法。
8. 前記乳化剤として、油水分配係数0.1〜10である乳化剤を含む、前記項7に記載の製造方法。
9. 得られるエマルションの平均滴径が、8.62μm以下である、前記項7に記載の製造方法。
10. 前記溶液が、I)エマルションを構成する1価アルコール、II)エマルションを構成する水相(アルコールを除く。)及びIII)エマルションを構成する油相(アルコールを除く。)の中で、前記I)に対して最も高い溶解度を示す物質が前記アルコールに溶解したものである、前記項7に記載の製造方法。
11. 第3工程で得られたエマルションを多孔質膜に圧入することによって、エマルションの液滴をより微細化する工程をさらに含む、前記項7に記載の製造方法。
本発明のアルコール耐性エマルションは、エタノール等の1価アルコールを含有しているにもかかわらず、長期間にわたって安定したエマルション形態を維持することができる。本発明は、エタノールのような1価のアルコールをエマルションと共存させて使用したいという古くからのニーズに応えるものであり、食品、化粧品、医薬品、化成品等へのさまざまな用途が期待される。
また、本発明の製造方法によれば、こうしたエマルションを経由することにより、水や油剤に全く溶解しないがアルコールに溶解しやすい物質を安定的に共存させることが可能となる。特に、本発明の製造方法では、アルコール溶解による微細化、界面張力の低下等によってエマルション液滴を微細化することも可能となる。これにより、従来技術では調製できなかった微細化エマルションを製造できる等の多くの新しい技術を生み出す基盤技術として期待できる。
アルコール耐性O/Wエマルションの概念図を示す。 アルコール耐性多相エマルションの概念図を示す。(A)はW/O/W型エマルションの模式図を示す。(B)はS/O/W型エマルションの模式図を示す。(C)はO/W/O型エマルションの模式図を示す。 乳化剤「HCO−60」により調製したアルコール耐性O/Wエマルションの滴径分布の変化を示す。 乳化剤「Tween 80」により調製したアルコール耐性O/Wエマルションの滴径分布の変化を示す。 アルコール添加によるエマルションの微細化を表す滴径分布の変化を示す。 6ヶ月間のエマルション安定性を示す滴径分布のグラフを示す。 エタノール濃度69.9 wt%の O/W エマルション(HCO-50+Lp油相/HCO-60+ポロクサマー+グルコース水溶液)の油相滴径変化を示す図である。 エタノール濃度70.1 wt%の O/W エマルション(HCO-40+大豆油油相/HCO-60+ポロクサマー+グルコース水溶液)の油相滴径変化を示す図である。 エタノール濃度69.9 wt%の O/W エマルション(PGCR+大豆油油相/HCO-60+ポロクサマー+グルコース水溶液)の油相滴径変化を示す図である。 調製20時間後におけるエタノール濃度34.3 wt% W/O/Wエマルションの光学顕微鏡による観察結果を示す図である。 調製1時間後におけるエタノール濃度11.4 wt% O/W/Oエマルションの光学顕微鏡による観察結果を示す図である。
符号の説明
(1)油相滴
(2)外水相
(3)油相/外水相界面
(4)内水相滴
(5)油相滴
(6)内水相/油相界面
(7)油相/外水相界面
(8)固体微細粒子
(9)固体微細粒子/油相界面
(10)内油相滴
(11)水相滴
(12)外油相
(13)内油相/水相界面
(14)水相/外油相界面
(15)エタノール無しの「HCO-60」含有O/Wエマルションの油相滴径分布
(16)エタノール濃度を35 wt%にし、1時間経過した後の(15)のエマルションの油相滴径分布
(17)7日後の(16)のエマルションの油相滴径分布
(18)エタノール無しの「Tween 80」含有O/Wエマルションの油相滴径分布
(19)エタノール濃度を35 wt%にした直後の(18)のエマルションの油相滴径分布
(20)ホモミキサーで調製したO/Wエマルションの滴径分布
(21)エタノール濃度を43.1 wt%にした後にホモミキサーで再乳化したO/Wエマルションの滴径分布
(22)(21)エマルションを膜透過法して生成したエマルションの滴径分布
(23)エタノール除去エマルションの6ヶ月後の滴径分布
(24)エタノールを43.1 wt%含有するエマルションの6ヶ月後の滴径分布
(25)エタノール濃度69.9 wt%エマルションの10%D変化
(26)エタノール濃度69.9 wt%エマルションの50%D変化
(27)エタノール濃度69.9 wt%エマルションの90%D変化
(28)エタノールを添加していないエマルションの10%D変化
(29)エタノールを添加していないエマルションの50%D変化
(30)エタノールを添加していないエマルションの90%D変化
(31)エタノール濃度70.1 wt%エマルションの10%D変化
(32)エタノール濃度70.1 wt%エマルションの50%D変化
(33)エタノール濃度70.1 wt%エマルションの90%D変化
(34)エタノールを添加していないエマルションの10%D変化
(35)エタノールを添加していないエマルションの50%D変化
(36)エタノールを添加していないエマルションの90%D変化
(37)エタノール濃度69.9 wt%エマルションの10%D変化
(38)エタノール濃度69.9 wt%エマルションの50%D変化
(39)エタノール濃度69.9 wt%エマルションの90%D変化
(40)エタノールを添加していないエマルションの10%D変化
(41)エタノールを添加していないエマルションの50%D変化
(42)エタノールを添加していないエマルションの90%D変化
1.アルコール耐性エマルション
本発明のアルコール耐性エマルションは、1価アルコール又はそれを溶媒とする溶液と乳化剤とを含有するエマルションであって、
(1)前記1価アルコール又はそれを溶媒とする溶液の含有量がエマルション中10wt%以上であり、
(2)前記乳化剤の含有量がエマルション中0.1〜50 wt%であり、
(3)エマルション形態が、O/Wエマルション、W/O/Wエマルション、O/W/Oエマルション又はS/O/Wエマルションである、
ことを特徴とする。
本発明エマルションに含まれる1価アルコールは限定的でなく、エマルションの用途、使用目的等に応じて適宜選択することができる。特に、本発明では、油剤と水の両方に相互溶解する性質が強いアルコール(両親媒性のアルコール)を好適に用いることができる。かかる見地より、炭素数5以下のアルコールが好ましい。例えば、エタノール、メタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1−ブタノール、2-ブタノール、イソブタノール等が挙げられる。本発明では、メタノール及びエタノールの少なくとも1種がより好ましく。エタノールが最も好ましい。
本発明のアルコール耐性エマルション中の1価アルコールは、アルコール耐性エマルションに含まれる全アルコール中99.99〜100wt%、特に100wt%であることが好ましい。すなわち、アルコールとして多価アルコールは、全アルコール中0.01wt%未満であることが好ましく、特に多価アルコールを含まないこと(0wt%)がより好ましい。
また、本発明では、1価アルコールのほか、それを溶媒とする溶液(アルコール溶液)であっても良い。前記アルコール溶液としては、1)エマルションを構成する1価アルコールのみ、2)エマルションを構成する水相(アルコールを除く。)及び3)エマルションを構成する油相(アルコールを除く。)の中で、前記1)に対して最も高い溶解度を示す物質が前記アルコールに溶解したものであることが好ましい。このような特性を満たすものであれば、いずれの物質も溶質として好ましく採用することができる。例えば、食品の味覚物質、嗅覚物質、色剤等、化粧品の顔料、芳香物質等、薬剤等のほか、蛍光物質、液晶物質等を前記物質(溶質)として用いることができる。
1価アルコール又は前記アルコール溶液の含有量は10wt%以上とし、好ましくは20〜80wt%、より好ましくは40〜80wt%である。この範囲内に設定することにより、良好なエマルション安定性を維持することができる。
乳化剤としては、油相及び水相の両相に溶解する油水分配係数が0.1〜10、特に0.2〜5であるものが好ましい。「油水分配係数」は、対象となる物質が水に溶けやすいか、油に溶けやすいかを表す指標のことであり、油水分配係数=油相への溶解度/水相への溶解度と定義される。正確な定義では油相をn−オクタノールとするが、本明細書では使用する種々の油相に対する溶解度とする。
上記のような係数を有するものであれば、例えばポリオキシエチレン硬化ヒマシ油系、ポリオキシエチレンヒマシ油系、ポリオキシエチレン・ソルビタン系、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル系、ソルビタン系、ポリグリセリン・脂肪酸エステル系、ショ糖脂肪酸エステル系、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル系、レシチン系、陰イオン系等の中から1種又は2種以上を適宜選択することができる。本発明では、特に、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油系乳化剤及びポリオキシエチレンヒマシ油系乳化剤の少なくとも1種の乳化剤を含むことが好ましい。ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油系乳化剤の酸化エチレン付加モル数は特に限定されないが、5〜100であることが望ましい。また、ポリオキシエチレンヒマシ油系乳化剤の酸化エチレン付加モル数は特に限定されないが、3〜60であることが望ましい。これらの乳化剤は、市販品を使用することもできる。
乳化剤の含有量は、用いる乳化剤の種類等に応じて適宜設定することができるが、一般的にはエマルション中0.1〜50wt%、特に0.5〜10wt%とすることが望ましい。
本発明のアルコール耐性エマルションのエマルション形態としては、図1に示すO/Wエマルション、図2に示す多相エマルションがある。多相エマルションは、図2(A)のW/O/Wエマルション、(B)のS/O/Wエマルション、(C)のO/W/Oエマル
ションに分けられる。
まず、各エマルション形態の水相(W)、油相(O)及び固相(S)について説明する。
「水相」は水に乳化剤、場合によっては水性添加剤が含まれるものを言い、一般には油相と混和しないものが用いられる。
「油相」は油剤に乳化剤、場合によっては油性添加剤が含まれるものを言い、一般には水相と混和しないものが用いられる。油剤の種類や量は本質的にアルコール耐性に影響を及ぼすことはない。脂質あるいは炭化水素系のものなど通常のエマルションを構成する物質を使用することができる。
「固相」としては、各種の医薬品、食品、化粧品、着色剤等を例示できる。例えば、塩酸イリノテカン、塩酸エピルビシン等の抗癌剤、ジフェニルグアニジン臭素酸塩、ハロゲン化水素酸塩等の還元剤、メチレンブルー、ローダミン等の色剤を挙げることができる。
O/Wエマルションは、油相滴(1)が外水相(2)に分散している系のことを言うが、ここで1価アルコールは油相と外水相に相互溶解している。一方、乳化剤は油相/外水相界面(3)に集積して配向するものの一部は相互溶解している。
W/O/Wエマルション(A)は、内水相滴(4)を内包した油相滴(5)が外水相(2)に分散しており、1価アルコールは内水相、油相及び外水相に相互溶解している。乳化剤は内水相/油相界面(6)及び油相/外水相界面(7)に集積して配向するものの一部は相互溶解している。
S/O/Wエマルション(B)は、固体微細粒子(8)を内包した油相滴(5)が外水相(2)に分散しており、1価アルコールは油相及び外水相に相互溶解している。乳化剤は固体微細粒子/油相界面(9)及び油相/外水相界面(7)に集積して配向するものの一部は相互溶解している。
O/W/Oエマルション(C)は、内油相滴(10)が分散する水相滴(11)が外油相(12)に分散しており、1価アルコールは内油相、水相及び外油相に相互溶解している。乳化剤は内油相/水相界面(13)及びに水相/外油相界面(14)に集積して配向するものの一部は相互溶解している。
本発明のエマルションは、1価アルコールを含有しているにもかかわらず、比較的長期にわたってエマルションとしての安定性を発揮することができる。本発明では、かかる特性を「アルコール耐性」と称する。好ましくは、レーザー回折散乱式粒度分布計により測定した体積基準液滴累積分布の10%に対応する粒径(10%D)、50%に対応する粒径(50%D)及び90%に対応する粒径(90%D)の3変数において、1)アルコール耐性エマルション調製直後から1時間後における変動幅が30%以内(より好ましくは10%以内)、2)好ましくはアルコール耐性エマルション調製直後から24時間(1日)後における変動幅が30%以内(より好ましくは10%以内)、3)より好ましくはアルコール耐性エマルション調製直後から3日後における変動幅が30%以内(より好ましくは10%以内)、4)最も好ましくはアルコール耐性エマルション調製直後から1週間後における変動幅が30%以内(より好ましくは10%以内)である。言うまでもなく、本発明エマルションは、7日(1週間)を超えて(望ましくは6ヶ月以上)上記変動幅の範囲内を維持できるものも包含する。
なお、本発明では、積算体積分布の50%に対応する粒径(50%D)を「平均粒径」あるいは「平均滴径」とし、それぞれ個々の大きさを「粒径」あるいは「滴径」とも言う。
本発明ではエマルションの安定性を明瞭に定義することにより耐性を特徴づけた。すなわち、レーザー回折散乱式粒度分布計により測定した体積基準液滴累積分布の10%D、50%D及び90%Dの3変数が少なくとも1週間以上30%以内の変動幅にとどまったエマルションは、安定性が高く、耐性があると評価した。
なお、本発明において、レーザー回折散乱式粒度分布計を指定した理由は、測定手法によって計測される滴径や滴径分布に差が生じる場合が多いために測定手法も明確にする必要があると考えたためである。そもそもサブミクロンからミクロンの分散滴の場合、小さすぎて光学顕微鏡では観察不能、電子顕微鏡では真空乾燥による形態変化があり直接的な測定が困難である。一方、遠心沈降式、動的散乱式、静的散乱式、レーザー回折散乱式などの機器測定があるが、こうした機器にはそれぞれ特性があって同じ油滴であっても平均滴径が一致することは少ない。そこで、本発明では、測定レンジが数10nm〜数100μmと幅広く、現在最も広く利用されている装置である理由からレーザー回折散乱式粒度分布測定方法を選択したが、同一の測定機器によって滴径や滴径分布の変化を精度良く追跡できるのであれば、この限りではない。
(2)アルコール耐性エマルションの製造方法
本発明のアルコール耐性エマルションは、上記のような特性をもつものが得られる限り、その製法は特に制限されないが、次の方法によって本発明アルコール耐性エマルションを好適に製造することができる。
すなわち、エマルションを製造する方法であって、(1)少なくともいずれか一方に乳化剤を含む水相用原料及び油相用原料を調製する第1工程、(2)前記の水相用原料と油相用原料とを混合して前駆体エマルションを調製する第2工程、(3)前記エマルションに1価アルコール又はそれを溶媒とする溶液を混合する第3工程、を含むことを特徴とする製造方法を好ましい製造例として挙げることができる。
本発明の製造方法のように、アルコールを混合するに先立って、予めエマルションを調製しておき、後から所定のアルコールを添加することにより、油相の一部がアルコールに溶解すること、あるいは界面張力の低減を利用して分散滴が小さくなる。これにより、従来の乳化技術では得られなかった微細エマルションを調製することもできる。以下、上記方法を本発明のアルコール耐性エマルションの製造方法の代表例として説明する。
第1工程
第1工程では、少なくともいずれか一方に乳化剤を含む水相用原料及び油相用原料を調製する。前記で示した水相及び油相を構成する原料をそれぞれ調製する。乳化剤としては、前記で掲げたものを用いることができる。この場合、乳化剤は、いずれか一方の原料に含有されていても良いし、両者に含まれていても良い。また、必要に応じて、公知の水性添加剤又は油性添加剤を水相用原料又は油相用原料にそれぞれ混合することができる。
また、最終的にW/O/Wエマルションを得ようとする場合は、第1工程の油相用原料としてW/Oエマルションを用いれば良い。また、最終的にS/O/Wエマルションを得ようとする場合は、第1工程の油相用原料としてS/Oサスペンションを用いれば良い。これらW/Oエマルション又はS/Oサスペンションは、公知の方法に従って調製することができる。
水相用原料と油相用原料との割合は特に制限されず、第2工程で得られる前駆体エマルションの油相と水相の体積比が油相:水相=1:0.5〜10000の範囲内となるように適宜設定すれば良い。
第2工程
第2工程では、前記の水相用原料と油相用原料とを混合して前駆体エマルションを調製する。混合方法としては、所望の乳化状態を形成できる限り、特に制限されない。例えば、攪拌乳化、超音波乳化、ホモミキサー乳化、高圧ホモジナイザー乳化、ポンピング法乳化、膜乳化、チャネル乳化等を用いることができる。
第3工程
第3工程では、前記エマルションに1価アルコール又はそれを溶媒とする溶液を混合する。1価アルコール又はそれを溶媒とする溶液は、前記で挙げたものを用いれば良い。混合方法は特に限定されず、これらが水相又は油相に溶解するように攪拌すれば良い。
第3工程により、本発明のアルコール耐性O/Wエマルションが形成される。さらに、O/W/Oエマルションを調製する場合は、このO/Wエマルションを出発原料として、これを公知の方法に従って油相中に分散させることによりO/W/Oエマルションを得ることができる。
一方、所定量の1価アルコール又はそれを溶媒とする溶液を混和した水相用原料あるいは油相用原料を用意し、上記第1と第2工程を経てアルコール耐性エマルションを製造することもできる。特に、水の含有量が少ない高いアルコール濃度のエマルションを製造する場合に好適である。
また、本発明の製造方法では、得られたアルコール耐性エマルションから必要に応じてアルコールを取り除いても良い。これにより、特に前記アルコール溶液を用いている場合にその溶質だけをエマルションに含有させることができる。アルコール耐性エマルションからアルコールを取り除く方法としては、例えば加熱蒸留、減圧蒸留、透析等の一般的な方法により実施することができる。
本発明の製造方法では、第3工程で得られたエマルションを多孔質膜に圧入することによって、アルコール耐性エマルションの液滴を微細化する工程をさらに含んでいても良い。圧入条件等は、公知の方法に従えば良い。特に、多孔質膜としては、例えばガラス多孔質膜等を好適に用いることができる。ガラス多孔質膜としては、例えばガラスのミクロ相分離を利用して製造されたものを好適に使用できる。具体的には、特許第1504002号に開示されたCaO−B23−SiO2−Al23系多孔質ガラス、特許第1518989号及び米国特許第4657875号に開示されたCaO−B23−SiO2−Al23−NaO2系多孔質ガラス、CaO−B23−SiO2−Al23−NaO2−MgO系多孔質ガラス等が挙げられる。また、特開2002−160941に記載のSiO2−ZrO2−Al23−B23−NaO2−CaO系多孔質ガラス等も使用することができる。これらは、市販品を使用することもできる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。ただし、本発明の範囲は、実施例に限定されない。
実施例1
本発明ではアルコール耐性エマルションを生成しうる乳化剤を見出した。このことを立証するために種々の乳化剤を添加したアルコール含有エマルションを調製し、それらの安定性評価試験から乳化剤のアルコール耐性を調べた。
表1に示す乳化剤を準備し、O/Wエマルションを調製して安定性を評価した。油相は大豆油(和光純薬製)、外水相は0.9 wt%塩化ナトリウム水溶液を用いた。乳化剤をi)油相に添加する場合とii)外水相に添加する場合の2つのケースに対して調べた。i)では、各乳化剤0.5 gを比重0.9の大豆油9 gに均一混和した油相9.5.gを外水相19.5 gに滴下しながらホモミキサーを使って16,000 rpmで1分間撹拌乳化してO/Wエマルションを室温にて調製した。同様に、ii)では外水相19.5 gに各乳化剤0.5 gを添加し、これに大豆油9 gを滴下しながらホモミキサーを使って16,000 rpmで1分間撹拌乳化してO/Wエマルションを室温にて調製した。
その後、1価アルコールを代表して比重0.78のエタノール8 gを加え、転倒混和して所定のエマルションとした。このエマルションについて、エマルション調製1時間後、24時間後及び7日後の状態をそれぞれ観察した。エタノール濃度はO/Wエマルション全量に対して21.6 wt%とした。
これらのエマルションの安定性は目視で評価した。ここでは数多い乳化剤を一次スクリーニングし、乳化剤の候補を絞り込んで次の実施例2に供することが目的であり、目視による定性的な評価にとどめた。前記i)又はii)のいずれかにおいて、調製直後と見かけ上ほとんど変化がなかったエマルションには「○」、一部油水分離が発生したり、あるいは顕微鏡下で明らかに油滴の合一が進んでいるエマルションには「△」、完全に油水分離が起こったエマルションには「×」と記した。
なお、乳化剤としては、日光ケミカルズ(株)、和光純薬工業(株)、阪本薬品工業(株)、花王(株)、三菱化学フーズ(株)から発売されている乳化剤をそれぞれ用いた。
その結果を表1に示す。いずれも油水分離せずにエマルション状態を維持できることがわかる。特に、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油は、21.6 wt%程度のエタノールでも高い安定性は保持され、7日経過後もほとんど変化がなかった。
Figure 0005374690
実施例2
表2に示す乳化剤を用い、その安定性を実施例1の手順で調べた。ただし、乳化剤を油相に添加するi)の場合及び外水相に添加するii)の場合のいずれもエタノール濃度が全エマルションに対して35 wt%になるように設定した。
O/Wエマルションの安定性は、レーザー回折散乱式粒度分布計(島津製作所製「SALD-2000」)により滴径分布を測定し、その積算体積分布の10 %径(10%D)、50 %径(50%D)、90 %径(90%D)変化から判定した。すなわち、エタノール添加前のO/Wエマルションと添加1時間後、3日後、7日後のエマルションを比較し、10 %径、50 %径および90 %径の変化の中で最大変化が10 %以内の場合が「○」、10%を超えて30 %以下の場合が「△」、30 %を超える場合が「×」と記した。「○」は油相滴径がまったく変化していないもの、「△」は実用的に問題がない変化であり安定と判断できるもの、×は分離して不安定なものと評価した。
得られた結果を表2に示す。ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油はi)及びii)のいずれの場合でもアルコール耐性を示し、特に、酸化エチレン付加モル数が20〜60である「HCO-20」〜「HCO-60」が顕著であった。また、酸化エチレン付加モル数が3〜60であるポリオキシエチレンヒマシ油「CO-3」〜「CO-60」もアルコール耐性を示した。酸化エチレン付加モル数が60である「HCO-60」を使ったO/Wエマルションに1価アルコールを添加しても油相滴径分布が7日後でも全く変化していないことを図3に示す。図3の(15)はエタノール無しの状態で調製したO/Wエマルションの油相滴径分布、それにエタノールが35 wt%になるように添加して1時間経過後の油相滴径分布が(16)、7日後の油相滴径分布が(17)である。(15)→(16)→(17)の10%D、50%D及び90%Dは、10%Dが3.25μm →2.60μm(変化率20%)→3.11μm(4.3%)、50%Dが8.62μm →8.34μm(3.2%)→ 8.50μm(1.4%)、90%Dが11.6μm →11.6μm(0%)→ 11.6μm(0%)の変化を示したに過ぎず、非常に安定であることを確認した。また、これらのエマルションは1ヶ月後でも変化がなかった。
比較のため、「Tween 80」を使用したエマルションの滴径分布の変化を図4に示す。図4の(18)はエタノール無しの状態で調製したO/Wエマルションの滴径分布、それにエタノールが35 wt%になるように添加した直後の油相滴径分布が(19)である。(18)と(19)の10%D、50%D及び90%Dを比較すると、10%Dが2.20μm → 2.01μm(変化率8.6%)、50%Dが7.92μm →13.4μm(−69.2%)、90%Dが11.2μm → 54.1μm(−383%)となり、「Tween 80」は、35 wt%になるようにエタノールを添加した直後に大幅な油滴合一が進んでおり、アルコール耐性がないことがわかる。
Figure 0005374690
なお、表2中、「CO-3」、「CO-10」、「CO-20」、「CO-40」、「CO-50」及び「CO-60」は、酸化エチレン付加モル数がそれぞれ3モル、10モル、20モル、40モル、50モル及び60モルのポリオキシエチレンヒマシ油(いずれも日光ケミカルズ製)を示す。
表2から明らかなように、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油系乳化剤及びポリオキシエチレンヒマシ油系乳化剤の少なくとも1種を含む場合は、35 wt%という高いアルコール濃度であっても優れたエマルション安定性を発揮できることがわかる。特に、酸化エチレン付加モル数が20〜60の範囲にあるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油は、より優れた効果を達成できることがわかる。
実施例3
1価アルコールとして各アルコールを用いて安定性を調べた。実施例2と同様の条件で乳化剤「HCO-40」を用い、1価アルコールとしてメタノール、エタノール又はプロパノールを35 wt%になるように添加した。その結果を表3に示す。いずれのアルコールの場合もO/Wエマルションは7日以上安定であった。
Figure 0005374690
実施例4
実施例1〜3で使用した油相は植物油である大豆油、すなわちトリグリセライドであった。次に、本発明がトリグリセライド以外の油相を用いたエマルションにも適応できることを確認するため、ケロシン、流動パラフィン及びトルエンを使用したエマルションを調製し、エタノールを添加して安定性を調べた。条件は、実施例2及び実施例3と同様にした。その結果を表4に示す。
Figure 0005374690
表4の結果からもわかるように、いずれの油相もそれらのO/Wエマルションは7日以上安定であり、油相の種類に関係なく所望の安定性が得られることがわかる。
実施例5
乳化剤の油水分配係数を調べた。等量の大豆油と水を用意し、その全量に対して5 wt%に相当する乳化剤を添加し、乳化剤が完全に溶解するように加温しながら攪拌して一旦O/Wエマルションを生成した。乳化剤が十分分配するように2日間静置した後、遠心ろ過によって水相を回収し、全有機炭素量測定装置(島津製作所製「TOC-500」)を用いて水相に含まれる乳化剤濃度Cwを測定した。一方、乳化剤の添加量から油相に含まれる乳化剤濃度Coも算出されることから油水分配係数Co/Cwが求められる。アルコール耐性が高いポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(「HCO-10」〜「HCO-100」)ではCo/Cw = 0.17〜9.7であった。特にアルコール耐性に優れる「HCO-20」〜「HCO-60」ではCo/Cw = 0.3〜4.9であった。
実施例6
アルコールを用いることによりエマルションの油相滴が微細化でき、かつ、その状態を安定化できることを確認した。
大豆油8.gにポリオキシエチレン付加40モル硬化ひまし油(日光ケミカルズ製、「HCO-40」)1 gを添加し油相とした。外水相として、「HCO-60」1 gを溶解した5 wt%グルコース水溶液93 gを用意し、ホモミキサーで16,000 rpm、1分間攪拌してO/Wエマルションを調製した。その滴径分布(20)を図5に示す。このエマルション103 gにエタノール78 gを添加し、エタノール濃度を43.1 wt%にした後にホモミキサーで再度撹拌した。そうするとエマルションは微細化し小さい方へシフトした滴径分布(21)になった。さらにこれを膜透過法で細孔径0.5μmの多孔質ガラス膜を通したところ平均滴径550 nmの単分散エマルション(22)180 gが得られ、本法によりエマルションの微細化が可能なことが実証された。
上記(22)エマルションの一部を透析膜に入れ、外水相で透析を行い、エタノールを除去した。そのエタノール除去エマルションとエタノール含有エマルションを6ヶ月間冷蔵で遮光保存したものについてレーザー回折散乱式粒度分布計((株)島津製作所製SALD-2000)により滴径分布を測定した結果を図6に示す。エタノール除去エマルションの滴径分布(23)は全く変化せず、平均滴径も559 nmであり、一方、エタノール含有エマルションについても滴径分布(24)は変化せず、平均滴径も556 nmであり、長期間にわたりエマルションが安定であることが確認された。
実施例7
高濃度のアルコールを含有エマルションが経時的に安定であることを確認した。
比重1.1のヨード化ケシ油脂肪酸エチルエステル「Lp」(リピオドールウルトラフルイド注:日本シェーリング社)9.5gにポリオキシエチレン付加50モル硬化ひまし油(日光ケミカルズ製、「HCO-50」1gを添加し油相とした。外水相として、「HCO-60」1gと「ポロクサマーPo-188」(Lutrol:BASF武田ビタミン製)1gを溶解した5wt%グルコース水溶液90gを用意し、ホモミキサーで16,000rpm、1分間攪拌してO/Wエマルションを調製した。このエマルション101gにエタノール234gを添加(エタノール濃度69.9wt%)して転倒混和し、5分、1時間、2日、及び9日後に、レーザー回折散乱式粒度分布計(島津製作所製「SALD-2000」)により滴径分布を測定した。エタノール濃度69.9wt%エマルションの10%D変化(25)、50%D変化(26)、90%D変化(27)を図に示す。また、比較のため、エタノールを添加していないO/Wエマルション(エタノール濃度0 wt%)の10%D変化(28)、50%D変化(29)、90%D変化(30)も図7に示す。
その結果、エタノール濃度69.9 wt%エマルションの10%D、50%D、90%Dは0 wt%エマルションに対して変動幅が9日後まで30 %以内に収まっており、安定であることを確認した。
同様に、比重0.9の大豆油8 gにポリオキシエチレン付加40モル硬化ひまし油(日光ケミカルズ製、「HCO-40」1 gを添加し油相とした。外水相として、「HCO-60」1 gと「ポロクサマーPo-188」1 gを溶解した5 wt%グルコース水溶液90 gを用意し、ホモミキサーで16,000 rpm、1分間攪拌してO/Wエマルションを調製した。このエマルション100 gにエタノール234 gを添加(エタノール濃度70.1 wt%)して転倒混和し、上記と同じように滴径分布を測定した。エタノール濃度70.1 wt%エマルションの10%D変化(31)、50%D変化(32)、90%D変化(33)とエタノール濃度0 wt%エマルションの10%D変化(34)、50%D変化(35)、90%D変化(36)を図8に示す。
その結果、エタノール濃度70.1 wt%エマルションの10%D、50%D、90%Dは0 wt%エマルションに対して変動幅が9日後まで30 %以内に収まっており、安定であることを確認した。
同様に、大豆油8 gに比重1.0のポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル(「PGCR」)1 gを添加し油相とした。外水相として、「HCO-60」1 gと「ポロクサマーPo-188」1 gを溶解した5 wt%グルコース水溶液90 gを用意し、ホモミキサーで16,000 rpm、1分間攪拌してO/Wエマルションを調製した。このエマルション101 gにエタノール234 gを添加(エタノール濃度69.9 wt%)して転倒混和し、5分、1時間、2日及び9日後に、レーザー回折散乱式粒度分布計(島津製作所製「SALD-2000」)により滴径分布を測定した。エタノール濃度69.9 wt%エマルションの10%D変化(37)、50%D変化(38)、90%D変化(39)を図7に示す。また、比較のため、エタノールを添加していないO/Wエマルション(エタノール濃度0 wt%)の10%D変化(40)、50%D変化(41)、90%D変化(42)も図9に示す。
その結果、エタノール濃度69.9 wt%エマルションの10%D、50%D、90%Dは0 wt%エマルションに対して変動幅が9日後まで30 %以内に収まっており、安定であることを確認した。
さらに、以上の結果から、アルコール耐性エマルション調製に適した乳化剤、例えば、ポリオキシエチレン硬化ひまし油「HCO」を油相あるいは外水相のいずれか一方に添加しておくならば、油種の違いによらず、他方の乳化剤の種類によらず、また、エタノール濃度が高いにかかわらず、アルコール耐性エマルションを製造できることが確認された。
実施例8
実施例1〜7はエマルションを調製した後にアルコールを添加してアルコール含有エマルションを製造した。一方、ここでは、最初に1価アルコール又はそれを溶媒とする溶液を混和した水相用原料あるいは油相用原料を用意してエマルションを製造し、アルコール耐性エマルションが得られるのかどうかを調べた。
表5に示す比率で水、エタノール及び「HCO-60」を混合して外水相とした。乳化剤濃度は外水相中に5 wt%と20 wt%、エタノール濃度はO/Wエマルション全量に対して0〜83 wt%とした。これらの外水相89 gに、大豆油11 gを滴下しながらホモミキサーを使って16,000 rpmで1分間攪拌乳化してO/Wエマルションを室温にて調製した。
Figure 0005374690
エマルション調製後1時間、及び24時間後に、レーザー回折散乱式粒度分布計により滴径分布を測定した。1時間後と24時間後での各条件のエマルションの滴径分布は、エタノール濃度64 wt%まで10%D、50%D、90%Dの変動幅が30%以内に収まっており、さらに、それ以上のエタノール濃度でもエマルション状態を維持していることを確認した。すなわち、最初に1価アルコール又はそれを溶媒とする溶液を混和した水相用原料あるいは油相用原料を用意してエマルションを製造しても、あるいは、実施例1〜7のようにエマルションを調製した後にアルコールを添加しても、同じようにアルコール耐性エマルションが製造できることを確認した。
実施例9
外水相が1価アルコールのみ、または乳化剤を含有する1価アルコールのみ、すなわち水の濃度が0 wt%のエマルションが生成できることを確認するために、乳化剤を含有するエタノールを使ってエマルションを調製した。
エタノール36 gに「HCO-60」53 gを溶解して外水相とした。この外水相89 gに、大豆油11 gを滴下しながらホモミキサーを使って16,000 rpmで1分間攪拌乳化してO/Wエマルションを室温にて調製した。エタノール濃度はO/Wエマルション全量に対して36 wt%であった。
エマルション調製直後及び24時間後の状態をそれぞれ観察した結果、このエマルションは水を含有しないにもかかわらず、24時間後にもエマルション状態を維持していることを確認した。
実施例10
アルコールを含有する多相エマルションが生成することを確認するために、エタノールを含有するW/O/W型およびO/W/O型多相エマルションを調製した。
フルオレセインイソチオシアネートデキストラン(Sigma社製)10 mgを蒸留水490 mgに溶解し、0.2 gのPGCRを加えた0.72 gの大豆油に、ホモミキサーを用いて分散させてあらかじめW/Oエマルションを得た。このW/Oエマルションを細孔径15μmの多孔質ガラス膜(エス・ピー・ジー・テクノ製)に透過させて、HCO-60を0.05 g溶解させた5 wt%グルコース水溶液を外水相としたW/O/Wエマルションを調製した。そのエマルションに3.12 gのエタノールを添加し、エタノール濃度34.6 wt%のW/O/Wエマルションを調製した。
このエマルションを光学顕微鏡下で観察したところ、粒子の合一もなく、20時間後も安定であることを確認した。20時間後の光学顕微鏡写真を図10に示す。
次に、HCO-60 を0.2 g、蒸留水を3.77 g、エタノール3.12 gを溶解して外水相とし、これに大豆油1.8 gをホモミキサーで分散させてあらかじめO/Wエマルション8.89 gを調製した。これを14.4 gの大豆油と4 gのPGCRを混和した油相に攪拌しながら分散させ、エタノール濃度11.4 wt%のO/W/Oエマルションを調製した。
同様にこのエマルションを光学顕微鏡下で観察したところ、調製1時間後も分離することなく安定であることを確認した。1時間後の光学顕微鏡写真を図11に示す。

Claims (11)

  1. 1価アルコール又はそれを溶媒とする溶液と乳化剤とを含有するエマルションであって、
    (1)前記1価アルコール又はそれを溶媒とする溶液の含有量がエマルション中40〜80wt%であり、
    (2)前記乳化剤の含有量がエマルション中0.1〜50 wt%であり、
    (3)エマルション形態が、O/Wエマルション、W/O/Wエマルション、O/W/Oエマルション又はS/O/Wエマルションであり、
    前記乳化剤として、a)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油系乳化剤及びb)ポリオキシエチレンヒマシ油系乳化剤の少なくとも1種を含み、
    前記エマルションの平均滴径は、550nm以上である、
    ことを特徴とするアルコール耐性エマルション。
  2. レーザー回折散乱式粒度分布計により測定した体積基準液滴累積分布の10%に対応する粒径、50%に対応する粒径及び90%に対応する粒径の3変数において、アルコール耐性エマルション調製直後から1週間後における変動幅が30%以内である、請求項1に記載のアルコール耐性エマルション。
  3. 前記乳化剤として、油水分配係数0.1〜10である乳化剤を含む、請求項1に記載のアルコール耐性エマルション。
  4. 前記エマルションの平均滴径は、8.62μm以下である、請求項1に記載のアルコール耐性エマルション。
  5. 前記溶液が、I)エマルションを構成する1価アルコール、II)エマルションを構成する水相(アルコールを除く。)及びIII)エマルションを構成する油相(アルコールを除く。)の中で、前記I)に対して最も高い溶解度を示す物質が前記1価アルコールに溶解したものである、請求項1に記載のアルコール耐性エマルション。
  6. 1価アルコールの含有量が、アルコール耐性エマルションに含まれる全アルコール中99.99〜100wt%である、請求項1に記載のアルコール耐性エマルション。
  7. アルコール耐性エマルションを製造する方法であって、(i)少なくともいずれか一方に乳化剤を含む水相用原料及び油相用原料を調製する第1工程、(ii)前記の水相用原料と油相用原料とを混合して前駆体エマルションを調製する第2工程、(iii)前駆体エマルションに1価アルコール又はそれを溶媒とする溶液を混合する第3工程、を含み、
    前記乳化剤として、a)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油系乳化剤及びb)ポリオキシエチレンヒマシ油系乳化剤の少なくとも1種を含み、
    得られるエマルションの平均滴径が、550nm以上であり、
    前記1価アルコール又はそれを溶媒とする溶液の含有量がエマルション中40〜80wt%である、
    ことを特徴とする製造方法。
  8. 前記乳化剤として、油水分配係数0.1〜10である乳化剤を含む、請求項7に記載の製造方法。
  9. 得られるエマルションの平均滴径が、8.62μm以下である、請求項7に記載の製造方法。
  10. 前記溶液が、I)エマルションを構成する1価アルコール、II)エマルションを構成する水相(アルコールを除く。)及びIII)エマルションを構成する油相(アルコールを除く。)の中で、前記I)に対して最も高い溶解度を示す物質が前記アルコールに溶解したものである、請求項7に記載の製造方法。
  11. 第3工程で得られたエマルションを多孔質膜に圧入することによって、エマルションの液滴をより微細化する工程をさらに含む、請求項7に記載の製造方法。
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