JPH0623254B2 - アクリロキシ基、メルカプト基含有シルセスキオキサン球状微粉末の製造方法 - Google Patents

アクリロキシ基、メルカプト基含有シルセスキオキサン球状微粉末の製造方法

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JPH0623254B2
JPH0623254B2 JP6906190A JP6906190A JPH0623254B2 JP H0623254 B2 JPH0623254 B2 JP H0623254B2 JP 6906190 A JP6906190 A JP 6906190A JP 6906190 A JP6906190 A JP 6906190A JP H0623254 B2 JPH0623254 B2 JP H0623254B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はアクリロキシ基、メルカプト基含有シルセスキ
オキサン球状微粉末の製造方法、特には自由流動性がす
ぐれており、これを配合したプラスチック、ゴムなどの
特性が損なわれることがないことから、潤滑性、撥水
性、離型性、応力緩和性などの付与剤として有用であ
り、これらの特性の耐久性が期待されるアクリロキシ
基、メルカプト基含有シルセスキオキサン球状微粉末の
製造方法に関するものである。
(従来の技術) ポリメチルシルセスキオキサン微粉末は自由流動性がす
ぐれていることからプラスチック、ゴム、塗料、イン
ク、化粧品などの分野における潤滑性、撥水性、防汚
性、離型性付与剤として、また応力緩和向上剤として広
く使用されている。
また、このポリメチルシルセスキオキサン粉末は形状が
球状であることから、合成樹脂の充填剤または添加剤と
して、例えば合成樹脂フイルム、紙などのすべり性付与
や離型性付与剤として用いられており、特に粒径分布が
極めて狭いことから塗料などのように薄膜の厚さが厳し
く管理されるよな用途に適するものとされている。
(発明が解決しようとする課題) しかし、このポリメチルシルセスキオキサンも上記した
ような諸特性を付与する目的でプラスチック、ゴムなど
に配合すると、ポリメチルシルセスキオキサンとプラス
チック、ゴムとの間に親和性がないためにプラスチッ
ク、ゴムなどの特性が損なわれることがあり、またこれ
らに付与される諸特性も十分な耐久性をもつものになら
ないという不利がある。
そのため、ポリメチルシルセスキオキサン微粉末にベー
ス材となるプラスチック、ゴムなどとの親和性の良好な
官能基、例えばエポキシ基、ビニル基などを導入するこ
とも提案されており(特願平1-31948号、特願平1-98422
号明細書参照)、このような官能基含有ポリメチルシル
セスキオキサンは一般に目的とする組成に対応するアル
コキシシラン類を塩基性触媒の存在下で加水分解すると
いう方法で製造されているが、アクリロキシ基またはメ
ルカプト基の導入についての例は報告されていない。
また、オレフイン系樹脂、アクリル樹脂などのようなラ
ジカル反応性樹脂やSBR、NBRなどのようなイオウ
を用いて加硫されるゴム製品などに、アクリロキシ基や
メルカプト基などを含有するポリメチルシルセスキオキ
サン粉末を添加して、その特性を向上させることも期待
されているが、これについてはこれらの官能基を有する
ポリメチルシルセスキオキサンをこれに対応するシラン
またはその混合物のアルカリ触媒を用いる加水分解によ
って製造しようとしても、これらの官能基がアルカリ触
媒の作用によって変質してしまうために所定量の官能基
を有する粉末を得ることができず、アルカリ触媒の代わ
りに酸性触媒を用いる場合には粗大なゲルが大量に発生
するために樹脂の特性向上に有用とされる均質な球状粉
末を得ることができず、したがってこれについては未だ
に充分な検討が行なわれていない。
(課題を解決するための手段) 本発明はこのような不利を解決したアクリロキシ基、メ
ルカプト基を含有するシルセスキオキサン球状微粉末の
製造方法に関するものであり、これは平均式CH3Si(OR1)
3(ここにR1は炭素数1〜4のアルキル基)で示される
メチルアルコキシシランまたはその部分加水分解縮合物
と、平均式R2Si(OR1)3(ここにR2はアクリロキシ基、メ
ルカプト基から選択される基)で示されるオルガノアル
コキシシランまたはその混合物あるいはその部分加水分
解縮合物とを、アニオン界面活性剤水溶液中で加水分解
し、中和、乾燥することを特徴とする一般式(CH3Si
O3/2)m(R2SiO3/2)n(ここにR2は前記に同じ、m、nは
正の数で、n/m+n=0.001〜1.0となる値)で示され
るアクリロキシ基、メルカプト基含有シルセスキオキサ
ン球状微粉末の製造方法に関するものである。
すなわち、本発明者らはアクリロキシ基、メルカプト基
を含有するシルセスキオキサン球状微粉末の製造方法に
ついて種々検討した結果、これについてはメチルアルコ
キシシランとアクリロキシ基またはメルカプト基を含有
するトリアルコキシシランンをアニオン界面活性剤水溶
液中で加水分解させると、アクリロキシ基、メルカプト
基という官能基が破壊されずに加水分解されるので、こ
れらの官能基を仕込み量で設定した量で含有するシルセ
スキオキサン球状微粉末が得られることを見出すと共
に、このようにして得られるシルセスキオキサンはメチ
ルシルセスキオキサンとアクリロキシ基、メルカプト基
含有シルセスキオキサンとの混合物となるのですぐれた
潤滑性、撥水性、離型性を示すものになるということ、
またこのものは0.1〜20μmという粒径にコントロール
することができ、このものは粉体の取り出しが容易で簡
単な解砕で凝集のない一次粒子として取得することがで
きることを確認して本発明を完成させた。
以下にこれをさらに詳述する。
(作用) 本発明はアクリロキシ基、メルカプト基を含有するシル
セスキオキサン球状微粒子の製造方法に関するものであ
る。
本発明において始発材とされるアルコキシシランは平均
式 CH3Si(OR1)3 ・・・・・・(1) で示され、R1はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチ
ル基などのような炭素数1〜4のアルキル基であるメチ
ルトリアルコキシシラン、例えばメチルトリメトキシシ
ラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキ
シシラン、メチルトリブトキシシランまたはその部分加
水分解縮合物と、平均式 R2Si(OR1)3 ・・・・・・(2) で示され、R1が前記と同じ炭素数1〜4のアルキル基、
R2がアクリロキシ基、メルカプト基から選択される基で
あるトルアルコキシシラン、例えばアクリロキシ基含有
シランの例としてはメタクリルプロピルトリメトキシシ
ラン、メタクリルブチルトリメトキシシラン、メタクリ
ルプロピルトリエトキシシラン、メタクリルブチルトリ
エトキシシランなど、メルカプト基含有シランの例とし
てはメルカプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプ
トブチルトリメトキシシラン、メルカプトペンチルトリ
メトキシシラン、メルカプトプロピルトリエトキシシラ
ンなど、またはこれらの混合物、さらにはこれらの部分
加水分解縮合物などとの混合物とされる。
なお、この部分加水分解縮合物は上記した式(1)、(2)で
示されるトリアルコキシシランを部分加水分解し、縮合
させたものであるが、これは式(1)、(2)で示されるトリ
アルコキシシラン1モルに対してギ酸、酢酸のような有
機カルボン酸を溶解した水2モル以上と反応させて、例
えば式 CH3Si(OR1)3+H2O→CH3Si(OR1)a(OH)b (ここにaは0、1または2、bは0、1、2または3
でa+b=3である数)で示されるようにしてシラノール
基を含む化合物としたものとすればよいが、このものは
安定に存在するものであるし、シラノール基を含有して
いるので親水性となり、後記するアニオン界面活性剤水
溶液中に滴下されたときにより均一に分散される。
本発明では上記したトルアルコキシシランまたはその加
水分解縮合物の混合物をアニオン系界面活性剤水溶液中
で加水分解するのであるが、このアニオン系界面活性剤
は酸性を示すものであるから加水分解、縮合のための触
媒として作動すると共に、この加水分解で生成したシル
セスキオキサン球状微粉末の分散剤としての役目を果す
ものである。
このアニオン系界面活性剤としては一般式 R3C6H4SO3H、R4OSO3H、R5C6H4O(CH2CH2O)pSO3H4またはR6O
(CH2CH2O)qSO3Hで示され、R3、R4、R5、R6は炭素数6〜18
の脂肪族一価炭化水素基で、p、qはそれぞれ正の整数で
ある脂肪族ベンゼンスルホン酸または脂肪族サルフェー
ト、ポリオキシエチレン脂肪族フェニルエーテルサルフ
ェートおよびポリオキシエチレン脂肪族エーテルサルフ
ェートから選ばれるものとすることがよく、したがって
これについてはオクチルベンゼンスルホン酸、ドデシル
ベンゼンスルホン酸、シリルベンゼンスルホン酸、ヘキ
シルサルフェート、ラウリルサルフェート、セチルサル
フェート、オレイルサルフェート、ポリオキシエチレン
ノニルフェニルエーテルサルフェート、ポリオキシエチ
レンラウリルエーテルサルフェートなどが例示される。
このアニオン系界面活性剤は2種あるいは2種以上を組
合せて使用してもよいが、このものは水溶液中における
アニオン系界面活性剤の濃度が0.005重量%未満では分
散力が弱いために粒子同志の融合が起ってゲル化し易く
なり、5重量%より濃いと懸濁液からのシルセスキオキ
サンの分離、取り出しが困難となるので、水溶液中にお
けるアニオン系界面活性剤の濃度は0.005〜5重量%の
ものとして使用することがよい。
前記した始発剤としてのトリアルコキシシランの加水分
解はこのトリアルコキシシランを前記した濃度に調整し
たアニオン系界面活性剤水溶液中に攪拌しつつ滴下する
ことによって行なえばよいが、このアニオン系界面活性
剤が種類によっては触媒活性の低いものであることがあ
るので、このようなときには硫酸などのような酸あるい
は触媒活性の高いアニオン系界面活性剤を添加すればよ
く、この添加量は触媒濃度として0.0001〜0.1モル%と
すればよい。
この加水分解系に添加されるトリアルコキシシランの量
は水に対して100重量%以上とするとゲル化を起すおそ
れがあり、水に対して5重量%未満とすると生成するシ
ルセスキオキサン微粉末の粒径が0.1μm以下となって
分離、取り出しが困難となり、乾燥後解砕しても一次粒
子として得ることが難しくなるので、水に対して5〜10
0重量%の範囲となるようにすることがよく、これは全
量を一度に添加しても何回かに分けてしてもよいが、何
回かに分けて添加するときに最初に添加する量が少ない
とき、例えば全体の5重量%以下であるときには得られ
るシルセスキオキサン微粒子が粒径0.1μmのものとな
って分離、取り出しが困難となり、乾燥解砕後に一次粒
子として得ることが難しくなるのでこれは5重量%以上
とすることがよい。また、このアルコキシシランは前記
したように式(1)で示されるメチルトリアルコキシシラ
ンと式(2)で示されるアクリロキシ基、メルカプト基含
有トリアルコキシシランとの混合物とされるが、何回か
に分けて添加する場合、ある回に、式(2)で示されるト
リアルコキシシランが含まれていれば他の回では式(1)
で示されるトリアルコキシシランだけとしてもよい。
また、この加水分解、縮合反応を行なわせる温度は特に
限定されるものではないが、0℃未満では氷結するおそ
れがあり、60℃より高い温度とすると加水分解速度が早
すぎてゲル化を起すおそれがあるので、これは0〜60℃
の範囲、好ましくは5〜40℃とすることがよく、この攪
拌も特に限定されるものではないが、ホモジナイザーの
ように剪断力の大きな攪拌とすると粒子同志の衝突によ
って不定形なゲル体が生成し、好ましくないので、これ
は攪拌羽根による5〜1,000rpm、好ましくは20〜300rpm
程度のものとすればよい。また、懸濁液の形成にも攪拌
は必要とされるが、1,000rpm以上の攪拌は粒子同志の衝
突によって不定形のゲル体が生成するので、この攪拌も
ゆるやかなものとすればよい。
上記のようにして始発剤としてはトルアルコキシシラン
の滴下を終了した加水分解反応系は、ついで0〜90℃の
温度においてさらに30分以上攪拌を継続して行なうこと
によってその加水分解、縮合が完結させられるが、これ
によって作られたシルセスキオキサンを含有する懸濁液
は系中に残存する酸触媒を必要に応じ中和する。この中
和はアルカリ性物質であればいかなるものであってもよ
く、これには水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、アン
モニア水などが例示される。
この中和後の懸濁液は遠心分離法あるいはろ過分離法に
より脱水し、得られたペースト状物を20〜150℃で加熱
乾燥するか、または懸濁液を直接スプレードライヤーな
どで乾燥すればよい。なお、この遠心分離、ろ過分離す
るときにはシルセスキオキサン微粒子の分離を容易にす
るために、これに塩化ナトリウム、硫酸ナトリウムなど
の無機塩類や、アルキルトリメチルアンモニウムクロラ
イド、アルキルベンジルアンモニウムクロライドなどの
カチオン系界面活性剤を添加して、分散しているシルセ
スキオキサン微粒子を凝集させてもよく、さらに必要に
応じて水およびメタノール、エタノール、イソプロパノ
ールなどの水溶性アルコールで洗浄して反応の際使用し
たアニオン系界面活性剤、酸触媒、中和剤、凝集剤など
を取り除いておくこともよい。
このように得られた乾燥品はこれをジエットミル粉砕機
などを用いて解砕することによりシルセスキオキサン微
粉末とされるが、このものは一般式(CH3SiO3/2)m(R2SiO
3/2)nで示されるアクリロキシ基、メルカプト基含有シ
ルセスキオキサン微粉末であるが、このものはn/m+
nが0.001〜1.0のもので、真球状あるいは略々真球状で
粒子径が0.1〜20μmの微粉状のものとなる。
上記した本発明により得られたアクリロキシ基、メルカ
プト基含有シルセスキオキサン球状微粒子は各種合成樹
脂の充填剤および添加剤として、例えば合成樹脂フイル
ム、紙などに対するすべり性、離型性付与剤、補強剤と
して用いられるし、またシリコーンワニスをビヒクルと
する耐熱塗料の体質顔料として従来のタルクやマイカ粉
の代わりに使用することができ、さらには半導体封止材
料としてのエポキシ樹脂の応力緩和剤、磁気記録媒体の
テープ滑性改良剤、カーワックスなどのつや出し剤に配
合する光沢を保持したままつやを出すためのつや出し剤
の研磨性、作業性向上剤として使用することができる。
(実施例) つぎに本発明の実施例、比較例をあげるが、例中におけ
るアクリル価、メルカプト価はつぎの方法による測定値
を示したものである。
[アクリル価] 試料約10gを四塩化炭素100mに懸濁させ、これに0.2N
の臭化ヨウ素−酢酸溶液20mを加えて25℃で2時間恒
温の暗所に置いてアクリル基を反応させ、20重量%のヨ
ウ化カリウム水溶液15mを加えて遊離するヨウ素を0.1
Nチオ硫酸ナトリウム水溶液にてデンプン終点まで滴定
し、消費されたヨウ素量からアクリル価を算出する。
[メルカプト価] 試料約10gをアセトン−メタノール(1:4)100mに
懸濁させ、0.02Nの硝酸銀水溶液で電位差滴定を行な
い、メルカプト価を算出する。
実施例1 プロペラ型攪拌器、加熱および冷却用ジャケットを設け
た2のガラス容器に水425gとドデシルベンゼンスル
ホン酸1.25gを入れて20℃に加温した。
この液を200rpmで攪拌しながら、これにメチルトリメト
キシシラン93gとメタクリロキシプロピルトリメトキシ
ラン7gとの混合液を滴下し、20℃に保ちながら2時間
攪拌し、さらに80℃に加熱して3時間攪拌したのち室温
まで冷却し、炭酸ナトリウム0.25gを添加して中和し
た。
生成した懸濁液にアルキルトリメチルアンモニウムクロ
ライド1.20gを添加して分散物を凝集させ、ろ過分離し
てケーキ状物を得、これを乾燥器を用いて含水率が20%
以下になるまで110℃で乾燥し、生成した粉末をジエッ
トミルで解砕してポリメチル(メタクリロキシプロピ
ル)シルセスキオキサンの白色粉末を作り、これを電子
顕微鏡で観察したところ、このものは各粒子が夫々独立
した1〜6μmの球状の微粉末であり、このものの平均
粒径をコールターN4型装置(コールター・エレクトリ
ック社製商品名)で測定したところ、これは4μmであ
り、このアクリル価は0.033モル/100gであった。
実施例2 実施例1におけるメチルトリメトキシシラン93gとメタ
クリロキシプロピルトリメトキシシラン7gを、メチル
トリメトキシシラン93gとメルカプトプロピルトリメト
キシシラン7gとしたほかは実施例1と同様に処理した
ところ、ポリメチル(メルカプトプロピル)シルセスキ
オキサンの白色粉末が得られ、このものは球形で平均粒
径が3μmであり、メルカプト価は0.042をモル/100g
であった。
実施例3 実施例1で使用したガラス容器に水425gとラウリルサ
ルフェート2.5gを入れて20℃に加温した。
この液を200rpmで攪拌しながら、これにメチルトリメト
キシシランの部分加水分解縮合物50gを添加し、20℃に
保ちながら2時間攪拌し、ついでメチルトリメトキシシ
ラン6.5gとメタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン1.5gとの混合物を添加し、20℃に保ちながら2時間
攪拌した後、80℃に加熱して3時間攪拌し、室温で冷却
してから炭酸ナトリウム0.5gを添加して中和した。
つぎにここに生成した懸濁液を遠心分離器で処理してシ
ルセスキオキサンをケーキ状に分離し、乾燥器を用いて
110℃で含水率が20%以下になるまで乾燥してから、こ
の粉末をジエットミルで解砕したところ、ポリメチル
(メタクリロキシプロピル)シルセスキオキサンの白色
粉末が得られたが、このものは球形で平均粒径が0.5μ
mのものであり、このアクリル価は0.012モル/100gで
あった。
実施例4 実施例3におけるメチルトリメトキシシラン6.5gとメ
タクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.5gとの混
合物をメチルトリメトキシシラン6.5gとメルカプトプ
ロピルトリメトキシシラン1.5gとの混合物としたほか
は実施例3と同様に処理したところ、ポリメチル(メル
カプトプロピル)シルセスキオキサンの白色粉末が得ら
れ、このものは球形で平均粒径が0.5μmであり、この
メルカプト価は0.015モル/100gであった。
実施例5 実施例3におけるメチルトリメトキシシランの部分加水
分解縮合物50gの代わりにメチルトリメトキシシラン68
g、水18gおよび酢酸0.7gを均一に溶解したメチルト
リメトキシシランの酸性水溶液86.7gとし、さらにメチ
ルトリメトキシシラン6.5gとメタクリロキシプロピル
トリメトキシシラン1.5gとの混合物をメチルトリメト
キシシラン13gとメルカプトプロピルトリメトキシシラ
ン3gの混合物としたほかは実施例3と同様に処理した
ところ、ポリメチル(メルカプトプロピル)シルセスキ
オキサンの白色粉末が得られたが、このものは球形で平
均粒径が0.9μmであり、メルカプト価は0.020モル/10
0gであった。
実施例6 プロペラ型攪拌器、加熱および冷却用ジヤケットを設け
た6のガラス容器に水320gとラウリルサルフェート
2.0gを入れ、20℃に加温した。
ついでこれを200rpmで攪拌しながら、これにメチルトリ
メトキシシランの部分加水分解縮合物140gを60g、40
g、40gに分けて2時間おきに添加し、全量添加終了さ
らに2時間攪拌してから、ここにメチルトリメトキシシ
ラン5.2gとメタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン1.2gとの混合物を添加し、20℃で2時間攪拌をし、
その後80℃に昇温して3時間攪拌してから室温まで冷却
し、炭酸ナトリウム0.4gを添加して中和した。
つぎにこのよにして生成した懸濁液を遠心分離器で脱水
したのちイソプロピルアルコールで洗浄してケーキ状物
を取り、これを110℃に保持した乾燥器で乾燥して含水
率20%以下のものとし、生成した粉末をジエットミルで
解砕したところ、ポリメチル(メタクリロキシプロピ
ル)シルセスキオキサンの白色粉末が得られ、このもの
は球形で平均粒径が1.0μmであり、アクリル価は0.003
モル/100gのものであった。
比較例1 実施例1で使用した2のガラス容器に水425gとドデ
シルベンゼンスルホン酸5.4gを入れ60℃に加熱した。
ついでこれを200rpmで攪拌しながら、これにメチルトリ
メトキシシラン100gを60g/時の速度で連続的に徐々
に添加し、シランの添加完了後も60℃に保っって24時間
攪拌を続けたのち室温まで冷却し、炭酸ナトリウム1.0
gを添加して中和した。
つぎに生成した懸濁液中に分散しているシルセスキオキ
サン微粒子を分離したところ、このものは形状が不定形
であり、分離の際の脱水率がわるく、得られた粉末も各
々が独立しておらず、凝集した状態であった。
比較例2 比較例1におけるドデシルベンゼンスルホン酸5.4gの
代わりにラウリルサルフェート8g、メチルトリメトキ
シシラン100gの代わりにメチルトリメトキシシラン50
gとメチルトリメトキシシランの部分加水分解縮合物50
gとの混合物100gとし、この混合物100gを連続的に4
時間かけて滴下するということのほかは比較例1と同様
に処理したところ、懸濁液中に分散しているシルセスキ
オキサン微粒子は分離の際の脱水率がわるく、得られた
粒子は形状が不定形で平均粒径も0.05μmで、これらは
各々独立しておらず、凝集した状態であった。
(発明の効果) 本発明はアクリロキシ基、メルカプト基含有シルセスキ
オキサン球状微粒子の製造方法に関するものであり、こ
れは前記したようにメチルトリアルコキシシランとアク
リロキシ基、メルカプト基含有オルガノトリアルコキシ
シランとをアニオン系界面活性剤水溶液中に加水分解
し、中和、乾燥するものであるが、これによればアクリ
ロキシ基、メルカプト基を破壊せずにこれらを加水分解
することができるので、これらの官能基を仕込み量で設
定した量で含有するシルセスキオキサン球状微粒子を得
ることができ、このものは0.1〜2.0μmという粒径で、
しかも凝集のない一次粒子として得ることができるの
で、すぐれた潤滑性、撥水性、離型性を示すアクリロキ
シ基、メルカプト基含有シルセスキオキサン球状微粒子
を容易に得ることができるという有利性が与えられる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均式CH3Si(OR1)3(ここにR1は炭素数1
    〜4のアルキル基)で示されるメチルトリアルコキシシ
    ランまたはその部分加水分解縮合物と、平均式R2Si(O
    R1)3(ここにR2はアクリロキシ基、メルカプト基から選
    択される基)で示されるオルガノアルコキシシランまた
    はその混合物あるいはその部分加水分解縮合物とを、ア
    ニオン系界面活性剤水溶液中で加水分解し、中和、乾燥
    してなることを特徴とする一般式(CH3SiO3/2)m(R2SiO
    3/2)n(ここにR2は前記に同じ、m、nは正の数で、n
    /m+n=0.001〜1.0となる値)で示されるアクリロキ
    シ基、メルカプト基含有シルセスキオキサン球状微粉末
    の製造方法。
JP6906190A 1990-03-19 1990-03-19 アクリロキシ基、メルカプト基含有シルセスキオキサン球状微粉末の製造方法 Expired - Lifetime JPH0623254B2 (ja)

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