JP5363540B2 - 複合粒子の製造方法 - Google Patents

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本発明は、複合粒子、具体的には無機粉体の表面にシリコーンエラストマーを付着してなる複合粒子の製造方法に関するものである。
ファンデーション等のメークアップ化粧料は、肌のシワ、毛穴、キメの荒さ等の形態トラブルや、肌のシミ、ソバカス等の色調トラブルを隠し、肌をなめらかに、美しく見せるためのものであり、近年では人工的でない自然な仕上り感(素肌感)が重視されている。また、化粧料の自然な仕上り感は、不自然な光沢(つや)がなく、化粧膜のつきの均一性に優れ、高い透明性を有する場合に評される。
従来、前記のメークアップ化粧料の効果を踏襲させつつも、自然な仕上がり感を得るため、多くの新素材や新技術の提案がなされている。
特に、本発明者は、シリコーンレジンをバインダーとして、任意の核粉体表面に光拡散性を有するシリコーンエラストマーを付着してなる複合粒子を提案しており(特許文献1参照)、これを配合した化粧料は、肌の形態トラブル改善効果を視覚的に発現でき、シリコーンエラストマー特有のさらさらとして、柔らかく、しっとりした使用感を有し、のび、柔らかさ、つき、混ざり具合が良好で、肌の形態補正効果を付与することができる。
この複合粒子は、核粉体及びシリコーンエラストマーが分散された混合水分散液に、酸性物質又はアルカリ性物質と、アルコキシシラン、シラノール基含有シラン及びこれらの部分縮合物から選ばれる化合物とを添加し、この化合物を加水分解・縮合反応させることによって製造することができる。しかしながら、核粉体が無機粉体の場合、その種類によっては、シリコーンエラストマー粒子が付着しなかったり、付着が不均一になる問題があった。
特開2011−1332号公報
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、無機粉体の種類によらず、無機粉体表面にシリコーンエラストマーを均一に付着させることのできる、複合粒子の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、複合粒子の製造方法であって、少なくとも、無機粉体及びシリコーンエラストマーが分散された混合水分散液と、カチオン性水溶性高分子と、アルカリ性物質とを配合した混合液に、アルコキシシラン、シラノール基含有シラン、及びこれらの部分縮合物から選ばれる化合物を添加して加水分解・縮合反応させることにより、シリコーンレジンをバインダーとして前記無機粉体の表面に前記シリコーンエラストマーを付着してなる複合粒子を製造することを特徴とする複合粒子の製造方法を提供する。
このような製造方法を用いれば、無機粉体の種類によらず、無機粉体表面にシリコーンエラストマーが均一に付着してなる複合粒子を製造することができる。
また、前記カチオン性水溶性高分子として、高分子骨格がビニル重合、付加重合、及び縮合のいずれかにより合成された合成系のものであって、かつアニオン性基及び両性基を含まないものを用いることが好ましい。
このようなカチオン性水溶性高分子を用いれば、該高分子が無機粉体へのシリコーンエラストマーの吸着を助けることにより、シリコーンエラストマーが凝集することなく、また無機粉体表面に均一にシリコーンエラストマーを付着することができる。
また、前記カチオン性水溶性高分子として、非イオン性基を持つモノマーを使用しないで合成されたものを用いることが好ましい。
非イオン性基を持つモノマーを使用しないで合成されたカチオン性水溶性高分子は、無機粉体表面に付着するシリコーンエラストマーをより均一なものとすることができる。
また、前記カチオン性水溶性高分子として、ジメチルジアリルアンモニウムクロライドの重合体を用いることが好ましい。
ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合体は、無機粉体表面に付着するシリコーンエラストマーをより均一なものとすることができる。
また、前記混合水分散液に対するカチオン性水溶性高分子の配合量を、前記混合水分散液中の水100質量部に対し、0.0001〜1質量部とすることが好ましい。
このような配合量であれば、無機粉体表面に付着するシリコーンエラストマーをより均一なものとすることができ、付着状態もより良好となる。
以上説明したように、本発明によれば、無機粉体の種類によらず、無機粉体表面にシリコーンエラストマーを均一に付着してなる複合粒子を得ることができ、このような複合粒子は、化粧料に配合することにより、良好なのび、柔らかさ、つき、混ざり具合、優れた肌の形態補正効果を付与できることが期待される。
実施例1で得られた複合粒子の電子顕微鏡写真である。 比較例1で得られた複合粒子の電子顕微鏡写真である。
以下、本発明につきさらに詳しく説明する。
上述のように、従来の複合粒子の製造方法では、核粉体が無機粉体の場合、その種類によっては、シリコーンエラストマー粒子が付着しなかったり、付着が不均一になる問題があった。
本発明者は、前記問題を解決するため鋭意検討した結果、無機粉体及びシリコーンエラストマーが分散された混合水分散液に、アルカリ性物質と、アルコキシシラン、シラノール基含有シラン及びこれらの部分縮合物から選ばれる化合物とを添加し、この化合物を加水分解・縮合反応させて複合粒子を製造する方法において、上記の混合水分散液に、カチオン性水溶性高分子を添加することによって、無機粉体の種類によらず、シリコーンレジンをバインダーとして、無機粉体表面にシリコーンエラストマーを均一に付着してなる複合粒子が得られることを知見し、本発明をなすに至ったものである。
即ち、本発明の複合粒子の製造方法は、少なくとも、無機粉体及びシリコーンエラストマーが分散された混合水分散液と、カチオン性水溶性高分子と、アルカリ性物質とを配合した混合液に、アルコキシシラン、シラノール基含有シラン、及びこれらの部分縮合物から選ばれる化合物を添加して加水分解・縮合反応させることにより、シリコーンレジンをバインダーとして前記無機粉体の表面に前記シリコーンエラストマーを付着してなる複合粒子を製造することを特徴とするものである。
本発明で使用する無機粉体は、化粧料に実質的に使用可能な粉体及び全範囲の粒子径のものが適用できる。また、その幾何学的態様が、通常化粧料に用いられるものであれば、球状、多面体状、紡錘状、針状、板状等いずれの形状でもよく、また、無孔質、多孔質のいずれでもよい。
平均粒径は0.5〜50μmの範囲が好ましく、より好ましくは1〜30μmである。粒径が0.5μmより小さいとさらさら感、なめらかさ等の使用感や伸展性付与の効果が低下する場合があり、50μmより大きいと、ざらつき感が出る場合がある。なお、平均粒径は、各形状に合わせ、顕微鏡法、光散乱法、レーザー回折法、液相沈降法、電気抵抗法等から適宜選択して測定する。
無機粉体としては、酸化チタン、雲母チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、劈開タルク、マイカ、カオリン、セリサイト、白雲母、合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、ケイ酸、二酸化ケイ素、含水二酸化ケイ素、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、ヒドロキシアパタイト、バーミキュライト、ハイジライト、ベントナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、ゼオライト、セラミックス、第二リン酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、チッ化ホウ素、ガラス等の粒子が挙げられる。
さらに、無機系の顔料が挙げられ、具体例としては、酸化鉄、水酸化鉄、チタン酸鉄等の無機赤色系顔料、γ−酸化鉄等の無機褐色系顔料;黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料;黒酸化鉄、カーボンブラック等の無機黒色系顔料;マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等の無機紫色系顔料、水酸化クロム、酸化クロム、酸化コバルト、チタン酸コバルト等の無機緑色系顔料;紺青、群青等の無機青色系顔料;タール系色素をレーキ化したもの、天然色素をレーキ化したもの等の有色顔料;酸化チタン被覆雲母、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、魚鱗箔、酸化チタン被覆着色雲母等のパール顔料;アルミニウムパウダー、カッパーパウダー、ステンレスパウダー等の金属粉末顔料が挙げられる。
前記無機粉体が金属石鹸、シラン、シリコーン、シリコーン樹脂、フッ素化合物、アミノ酸、酸化鉄、酸化チタン、酸化鉄酸化チタン又は水酸化アルミニウムにより、表面処理されていてもよい。
本発明で使用するシリコーンエラストマーは、例えば、後述する硬化性液状シリコーン組成物を乳化する方法等によって製造されるが、それゆえ形状は球状である場合が多い。反応条件によっては、略球状であっても部分的凝集粒子であっても効果を大きく損なうことはない。また、粒径は、シリコーンエラストマーの使用感を効果的に発現させる上では、シリコーンエラストマーを付着させる上述の無機粉体より小さいことが好ましい。無機粉体より大きいと、粉体のさらさら感、なめらかさ等の使用感、伸展性、付着性等の特性が発現しなくなる場合がある。粒径の小さい方は、特に制限はなく、例えば硬化性液状シリコーンを乳化する方法によって製造される場合には、その方法により得られる最小粒径が下限となる。
シリコーンエラストマーは、下記式(1)
−(R SiO2/2− (1)
で示される線状オルガノシロキサンブロックを有するゴム弾性体である。
式中のRは、置換又は非置換の炭素数1〜30の1価炭化水素基であり、nは、5〜5,000の正数である。
としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、ヘニコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラシル基、トリアコチル基等のアルキル基;シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基、β−フェニルプロピル基等のアラルキル基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;及びこれらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部をハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等の原子及び/又はアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、エポキシ基、グリシドキシ基、アミノ基、メルカプト基、カルボキシル基等の置換基で置換した炭化水素基等が挙げられる。
シリコーンエラストマーのゴム硬度は、柔らかい方はJIS K 6253に規定されているタイプEデュロメータによる測定で10以上、硬い方はタイプAデュロメータによる測定で、90以下が好ましい。より好ましくはタイプEデュロメータで20以上、タイプAデュロメータで80以下の範囲である。タイプEデュロメータで10未満では、凝集性が高くなり、さらさら感、なめらかさ等の使用感、伸展性が乏しくなる場合がある。また、タイプAデュロメータで90を超えると柔らかな感触が乏しくなる場合がある。
さらさら感、なめらかさ等の使用感、伸展性を大きく低下させることがなければ、シリコーンエラストマーはべたつきのあるものでもよい。該シリコーンエラストマーは、その粒子中に、シリコーンオイル、オルガノシラン、シリコーンレジン、無機粒子、有機粒子、炭化水素系の液体油等、化粧品に許容される成分を含有していてもよい。
シリコーンエラストマーは、硬化性液状シリコーン組成物から得られるものである。
その硬化反応は、メトキシシリル基(≡SiOCH)とヒドロキシシリル基(≡SiOH)、ヒドロシリル基(≡SiH)とヒドロキシシリル基(≡SiOH)等との縮合反応、メルカプトプロピルシリル基(≡Si−CSH)とビニルシリル基(≡SiCH=CH)とのラジカル反応、ビニルシリル基(≡SiCH=CH)とヒドロシリル基(≡SiH)との付加反応によるもの等が例示されるが、反応性の点から、縮合反応又は付加反応によるものとすることが好ましい。
例えば、付加反応による硬化でシリコーンエラストマーとする場合、下記平均組成式(2)
SiO(4−a−b)/2 (2)
で示される一分子中に1価オレフィン性不飽和基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンと、下記平均組成式(3)
SiO(4−c−d)/2 (3)
で示される一分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも3個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンが、1価オレフィン性不飽和基1個に対しヒドロシリル基が0.5〜2個となるような比率で配合された硬化性液状シリコーン組成物を白金系触媒の存在下において付加重合させればよい。
ここで、上記平均組成式(2)中、Rは脂肪族不飽和基を除く、置換又は非置換の炭素数1〜30の1価炭化水素基であり、Rは炭素数2〜6の1価オレフィン性不飽和基である。a、bは、0≦a<3、0<b≦3、0.1≦a+b≦3で示される正数であり、好ましくは0≦a≦2.295、0.005≦b≦2.3、0.5≦a+b≦2.3である。
上記平均組成式(3)中、Rは脂肪族不飽和基を除く、置換又は非置換の炭素数1〜30の1価の炭化水素基である。c、dは0≦c<3、0<d≦3、0.1≦c+d≦3で示される正数であり、好ましくは0≦c≦2.295、0.005≦d≦2.3、0.5≦c+d≦2.3である。
としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、ヘニコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラシル基、トリアコチル基等のアルキル基;シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基、β−フェニルプロピル基等のアラルキル基;及びこれらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部をハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等の原子及び/又はアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、エポキシ基、グリシドキシ基、カルボキシル基等の置換基で置換した炭化水素基等が挙げられる。Rは、80モル%以上、好ましくは90モル%以上が、アルキル基、アリール基、アラルキル基、シクロアルキル基等の反応性のない基であることが好ましい。
としては、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等が挙げられるが、工業的にはビニル基であることが好ましい。Rとしては、Rと同じものが例示される。
前記オレフィン性不飽和基を有するオルガノポリシロキサン及びオルガノハイドロジェンポリシロキサンの25℃における動粘度は、後記の製造で、粒径の小さな粒子を効率よく得ることができるため、1,000,000mm/s以下が好ましく、より好ましくは500,000mm/s以下である。
尚、この動粘度は毛管粘度計による測定値である。
また、オレフィン性不飽和基を有するオルガノポリシロキサン及びオルガノハイドロジェンポリシロキサンの構造としては、直鎖状、環状、分岐状いずれであってもよい。
白金系触媒は、例えば、白金(白金黒を含む)、ロジウム、パラジウム等の白金族金属単体;HPtCl・kHO、HPtCl・kHO、NaHPtCl・kHO、KHPtCl・kHO、NaPtCl・kHO、KPtCl・kHO、PtCl・kHO、PtCl、NaHPtCl・kHO(但し、式中、kは0〜6の整数であり、好ましくは0又は6である)等の塩化白金、塩化白金酸及び塩化白金酸塩;アルコール変性塩化白金酸(米国特許第3,220,972号明細書参照);塩化白金酸とオレフィンとのコンプレックス(米国特許第3,159,601号明細書、同第3,159,662号明細書、同第3,775,452号明細書参照);白金黒、パラジウム等の白金族金属をアルミナ、シリカ、カーボン等の担体に担持させたもの;ロジウム−オレフィンコンプレックス;クロロトリス(トリフェニルフォスフィン)ロジウム(ウィルキンソン触媒);塩化白金、塩化白金酸又は塩化白金酸塩とビニル基含有シロキサン、特にビニル基含有シロキサンとのコンプレックス等が挙げられる。
また例えば、縮合反応による硬化でシリコーンエラストマーとする場合、一分子中にケイ素原子に結合したヒドロキシル基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンと、一分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも3個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンとからなる液状シリコーン組成物を縮合触媒の存在下において縮合重合させればよい。
本発明においては、シリコーンエラストマーを分散液として用いることが好ましい。
シリコーンエラストマーの分散液の調製方法には特に限定はなく、公知のシリコーンエラストマーの分散液を調製する方法が用いられる。例えば、硬化性液状シリコーン組成物を、界面活性剤を用いて水中に乳化した後、硬化反応させることによって製造することができる。例えば、付加反応による硬化でシリコーンエラストマーとする場合、前記したオレフィン性不飽和基を有するオルガノポリシロキサンとオルガノハイドロジェンポリシロキサンとからなる硬化性液状シリコーン組成物に、界面活性剤と水を添加し乳化を行い、エマルジョンとした後に白金系触媒を添加して付加重合させる方法が挙げられる。
また、別の方法として、乳化重合で製造した硬化性液状シリコーン組成物を使用する方法が挙げられる。例えば、縮合反応による硬化でシリコーンエラストマーとする場合、一般式[R SiO](Rは置換又は非置換の炭素数1〜30の1価炭化水素基、mは3〜7の数)で示されるシクロポリシロキサンに、界面活性剤と水を添加して乳化を行い、次いで酸を添加して重合反応させた後、アルカリを添加して中和し、直鎖状の分子の両末端にケイ素原子に結合したヒドロキシル基を含有したオルガノポリシロキサンのエマルジョンを製造する。これにオルガノトリアルコキシシラン及び縮合触媒を添加して縮合重合させる方法が挙げられる。
前記硬化性液状シリコーン組成物の乳化に用いられる界面活性剤は特に限定されず、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンフィトスタノールエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアルカノールアミド、ショ糖脂肪酸エステル、メチルグルコシド脂肪酸エステル、アルキルポリグリコシド、直鎖又は分岐状ポリオキシエチレン変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシエチレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリグリセリン変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリグリセリン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン等の非イオン性界面活性剤;アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、脂肪酸アルキロールアミドの硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸エステル塩、アルキルナフタレンスルホン酸、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、N−アシルタウリン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、モノアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホコハク酸塩、脂肪酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、N−アシルアミノ酸塩、モノアルキルリン酸エステル塩、ジアルキルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩等のアニオン性界面活性剤;アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルジメチルアンモニウム塩、ジポリオキシエチレンアルキルメチルアンモニウム塩、トリポリオキシエチレンアルキルアンモニウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、アルキルピリジウム塩、モノアルキルアミン塩、ジアルキルアミン塩、トリアルキルアミン塩、モノアルキルアミドアミン塩等のカチオン性界面活性剤;アルキルジメチルアミンオキシド、アルキルジメチルカルボキシベタイン、アルキルアミドプロピルジメチルカルボキシベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン、アルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等の両イオン性界面活性剤が挙げられる。
これらの界面活性剤は、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。好ましくは、非イオン性界面活性剤から選択する。界面活性剤の使用量は、硬化性液状シリコーン組成物100質量部に対し、0.1〜50質量部の範囲が好ましい。
乳化を行う際には、一般的な乳化分散機を用いればよく、その例としては、ホモディスパー等の高速回転遠心放射型攪拌機;ホモミキサー等の高速回転剪断型攪拌機;ホモジナイザー等の高圧噴射式乳化分散機;コロイドミル;超音波乳化機等が挙げられる。
得られたシリコーンエラストマーの分散液は、固液分離させることなく、そのまま使用するのが好ましい。
無機粉体及びシリコーンエラストマーが分散された混合水分散液は、例えば、無機粉体、シリコーンエラストマーの分散液、必要に応じて水を混合することにより得ることができる。
無機粉体は、配合される水100質量部に対して、3〜150質量部が好ましく、5〜50質量部がより好ましい。3質量部未満では製造効率が悪くなる場合があり、150質量部を超えると混合水分散液の動粘度が高くなるため、無機粉体にシリコーンエラストマーを付着させにくくなる場合がある。無機粉体は、予め分散液として調製されたものを用いてもよい。
シリコーンエラストマーの量は、化粧料への添加効果を発現する場合においては、特に限定はないが、より顕著なソフトフォーカス効果、さらさら感、なめらかさ、伸延性、しっとり感、やわらかさ等、良好な使用感を所望する場合には、無機粉体100質量部に対して、0.5質量部以上が好ましく、より好ましくは1質量部以上であり、さらに好ましくは2質量部以上である。シリコーンエラストマーが多くなると、凝集性が高くなり、さらさら感、なめらかさ等の使用感、伸展性が乏しくなる場合があるので、無機粉体100質量部に対して、100質量部以下が好ましく、より好ましくは70質量部以下、さらに好ましくは50質量部以下である。
本発明では、無機粉体及びシリコーンエラストマーが分散された混合水分散液に、カチオン性水溶性高分子を配合する。
ここで、カチオン性水溶性高分子とは、分子内にカチオン性基を有する水溶性の高分子であり、カチオン性基は、具体的には第四級アンモニウム塩又はアミノ基である。本発明で使用するカチオン性水溶性高分子は、特に限定されないが、高分子骨格をビニル重合、付加重合、縮合等で合成される合成系のものが好ましい。また、アニオン性基及び両性基を含まないものが好ましい。平均分子量は、5,000〜1,000万、好ましくは、1万〜100万である。
カチオン性水溶性高分子としては、例えば、ジメチルジアリルアンモニウムクロライドの重合体、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド/アクリルアミドの共重合体、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド/ビニルイミダゾリン/ビニルピロリドンの共重合体、ビニルイミダゾリンの重合体、メチルビニルイミダゾリウムクロライドの重合体、メチルビニルイミダゾリウムクロライド/ビニルピロリドンの共重合体、メチルビニルイミダゾリウムメチルサルフェート/ビニルピロリドン/ビニルカプロラクタムの共重合体、メチルビニルイミダゾリウムクロライド/ビニルイミダゾリン/ビニルピロリドン/メタクリル酸アミドの共重合体、アクリル酸エチルトリメチルアンモニウムクロライドの重合体、アクリル酸エチルトリメチルアンモニウムクロライド/ビニルピロリドンの共重合体、アクリル酸エチルトリメチルアンモニウムクロライド/アクリルアミドの共重合体、メタクリル酸エチルトリメチルアンモニウムクロライドの重合体、メタクリル酸エチルトリメチルアンモニウムメチルサルフェート/アクリルアミドの共重合体、メタクリル酸エチルトリメチルアンモニウムクロライド/メタクリル酸メチルの共重合体、メタクリル酸エチルトリメチルアンモニウムサルフェート/ジメチルアクリルアミド/ジメタクリル酸ポリエチレングリコールの共重合体、メタクリル酸エチルトリメチルアンモニウムクロライド/アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド/ジメチルアクリルアミドの共重合体、メタクリル酸エチルトリメチルアンモニウムクロライド/アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド/ジメチルアクリルアミド/メタクリル酸ヒドロキシエチルの共重合体、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライドの重合体、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド/アクリルアミドの共重合体、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド/ジメチルアクリルアミド/メタクリル酸ヒドロキシエチルの共重合体、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライドの重合体、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド/ビニルピロリドンの共重合体、エチレンイミンの重合体、エチレンイミンの重合体の4級化物、アリルアミン塩酸塩の重合体、ポリリジン等が挙げられる。これらは、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、非イオン性基を持つモノマーを使用しないものが好ましく、例えば、ジメチルジアリルアンモニウムクロライドの重合体、ビニルイミダゾリンの重合体、メチルビニルイミダゾリウムクロライドの重合体、アクリル酸エチルトリメチルアンモニウムクロライドの重合体、メタクリル酸エチルトリメチルアンモニウムクロライドの重合体、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライドの重合体、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライドの重合体、エチレンイミンの重合体、エチレンイミンの重合体の4級化物、アリルアミン塩酸塩の重合体、ポリリジン等から選択される。
特に好ましくは、ジメチルジアリルアンモニウムクロライドの重合体である。
カチオン性水溶性高分子は、無機粉体及びシリコーンエラストマーが分散された混合水分散液にそのまま配合してもよいし、水溶液にして配合してもよい。また、配合順序は特に限定されず、先にカチオン性水溶性高分子を水に配合、溶解させておいてから、無機粉体及びシリコーンエラストマー混合水分散液を添加してもよい。
配合するカチオン性水溶性高分子の量は、混合水分散液中の水100質量部に対し、0.0001〜1質量部が好ましい。0.0001質量部〜1質量部の配合量であれば、無機粉体表面に付着するシリコーンエラストマーをより均一なものとすることができ、付着状態もより良好となる。より好ましくは、0.001〜0.1質量部の範囲である。
本発明の複合粒子の製造方法では、さらにアルカリ性物質を用いる。
アルカリ性物質は、アルコキシシラン、シラノール基含有シラン、これらの部分縮合物の加水分解・縮合反応のための触媒である。
アルカリ性物質は、無機粉体及びシリコーンエラストマーが分散され、カチオン性水溶性高分子が溶解された水に添加することが好ましいが、配合順序は特に限定されず、先にアルカリ性物質を水に溶解させてからその他の成分を配合してもよいし、他の成分の一部を仕込んでからアルカリ性物質を添加し、残りの成分を逐次添加してももちろんよい。
アルカリ性物質の配合量は、少なくとも該アルカリ性物質と、無機粉体及びシリコーンエラストマーが分散された混合水分散液との混合液のpHが、好ましくは10.0〜13.0、より好ましくは10.5〜12.5の範囲となる量である。該pHが10.0〜13.0となる量のアルカリ性物質を添加すると、後述のアルコキシシラン、シラノール基含有シラン及びこれらの部分縮合物から選ばれる化合物の加水分解・縮合反応が十分なものとなる。
アルカリ性物質は特に限定されず、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物;水酸化カルシウム、水酸化バリウム等のアルカリ土類金属水酸化物;炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩;アンモニア;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等のテトラアルキルアンモニウムヒドロキシド;又はモノメチルアミン、モノエチルアミン、モノプロピルアミン、モノブチルアミン、モノペンチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン等のアミン類等を使用することができる。
中でも、揮発させることにより、得られるシリコーン微粒子の粉末から容易に除去できることから、アンモニアが最も適している。アンモニアとしては、市販されているアンモニア水溶液を用いることができる。
本発明では、無機粉体及びシリコーンエラストマーが分散された混合水分散液と、カチオン性水溶性高分子と、アルカリ性物質とを配合した混合液に、さらにアルコキシシラン、シラノール基含有シラン及びこれらの部分縮合物から選ばれる化合物を添加する。
アルコキシシラン、シラノール基含有シラン、これらの部分縮合物は、前述のアルカリ性物質の触媒作用により加水分解・縮合反応し、レジン状シリコーンとなる。
本発明で使用するアルコキシシランは、一般式RSi(OR、R Si(OR、R SiOR及びSi(ORで示される。式中のRは、それぞれ独立に、炭素数1〜20の一価有機基であり、Rとしては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基等のアルキル基;シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基、β−フェニルプロピル基等のアラルキル基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;及びこれらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部をハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等の原子及び/又はアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、エポキシ基、グリシドキシ基、アミノ基、メルカプト基、カルボキシル基等の置換基で置換した炭化水素基等が挙げられる。後記の方法によって、アルコキシシラン、シラノール基含有シラン、及びこれらの部分縮合物から選ばれる化合物の加水分解・縮合反応によりレジン状シリコーンを製造するが、その縮合反応性の点から、Rは50モル%以上がメチル基であることが好ましく、より好ましくは70モル%以上である。Rは、非置換の炭素数1〜6の1価炭化水素基であり、Rとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基が挙げられるが、反応性の点からメチル基であることが好ましい。
アルコキシシランRSi(OR、R Si(OR、R SiOR、Si(ORは、それぞれ、レジン状シリコーンの構造単位〔RSiO3/2〕、〔R SiO2/2〕、〔R SiO1/2〕、〔SiO4/2〕の単位源となる。加水分解・縮合反応によりシリコーンレジンを製造するが、一部縮合反応せずにシラノール基が残存するため、正確には、下記シラノール基を含有する構造単位から選択されるものも含む共重合体である。
Figure 0005363540
〔RSiO3/2〕又は〔SiO4/2〕単位を含む構造体でないと、レジン状の固体物となり得ない。少なくとも〔RSiO3/2〕又は〔SiO4/2〕単位を含み、常温でレジン状の固体物で、かつ後記に示すような化粧料に用いられる油剤に不溶であるならば、前記構造単位の比率、重合度、及び硬度は特に限定されない。ただし、融点が低いと、気温の高い雰囲気での保管時、また乾燥工程において、複合粒子同士が融着するので、融点は50℃以上であることが好ましく、より好ましくは80℃以上である。
〔SiO4/2〕単位が多いと滑り性が低下することから、〔RSiO3/2〕、〔R SiO2/2〕及び〔R SiO1/2〕単位から選ばれ、〔RSiO3/2〕単位を含む1種又は2種以上の構造単位からなる重合体が好ましく、さらに50モル%以上が〔RSiO3/2〕単位である構造が好ましく、より好ましくは70モル%以上である。
よって、RSi(OR、R Si(OR、R SiOR、Si(ORの配合比は、所望とするレジン状シリコーンの構造になるように決定すればよい。すなわち、モル比で、所望とする構造単位
〔RSiO3/2〕:〔R SiO2/2〕:〔R SiO1/2〕:〔SiO4/2
=RSi(OR:R Si(OR:R SiOR:Si(OR
とすればよい。
シラノール基含有シランは、前記アルコキシシランの一般式のRが、水素である化合物である。アルコキシシラン、シラノール基含有シラン、これらの縮合物から、所望とする構造単位となるように、適宜選択すればよい。
無機粉体、シリコーンエラストマー、カチオン性水溶性高分子、及びアルカリ性物質を含む混合水を攪拌しながら、アルコキシシラン、シラノール基含有シラン及びこれらの部分縮合物から選ばれる化合物を添加し、加水分解・縮合反応させる。アルコキシシラン、シラノール基含有シラン及びこれらの部分縮合物から選ばれる化合物は、徐々に滴下して添加してもよく、水に溶解させた形態又は水に分散させた形態で添加してもよく、アルコール等の水溶性有機溶剤を配合したものを添加してもよい。
攪拌は、強い攪拌とすると無機粒子同士の凝集が起こることから、パドル翼、プロペラ翼、後退翼、錨型翼等を用いる緩い攪拌とすることがよいが、無機粉体、アルコキシシラン、シラノール基含有シラン及びこれらの部分縮合物から選ばれる化合物が、混合液中に分散される攪拌強度は必要とされる。
アルコキシシラン、シラノール基含有シラン及びこれらの部分縮合物から選ばれる化合物を、混合液に添加する時の温度は、0〜60℃であることが好ましく、より好ましくは0〜39℃である。この温度が、0℃より低いと混合液が凝固するおそれがあり、60℃より高くすると得られた粒子が凝集を起こすおそれがある。
加水分解・縮合反応により、レジン状シリコーンが、無機粉体の表面及び/又はシリコーンエラストマーの表面上に形成され、それと共に無機粉体と、シリコーンエラストマーの付着が起こり、無機粉体表面に、レジン状シリコーンをバインダーとして、シリコーンエラストマーを付着させた複合粒子が形成される。
アルコキシシラン、シラノール基含有シラン及びこれらの部分縮合物から選ばれる化合物の量に特に限定はないが、無機粉体の表面にシリコーンエラストマーを均一に付着させるために、また無機粉体に対するシリコーンエラストマーの固着性を高める点から、シリコーンエラストマー100質量部に対して、10質量部以上が好ましく、より好ましくは20質量部以上であり、さらに好ましくは30質量部以上である。また、シリコーンレジンが多くなると、シリコーンエラストマーの柔らかな感触が発現しなくなる場合があるので、シリコーンエラストマー100質量部に対して、500質量部以下が好ましく、より好ましくは300質量部以下、さらに好ましくは200質量部以下である。
無機粉体表面にシリコーンエラストマーを均一に付着させる目的で、混合液にアルコール等の水溶性有機溶剤を配合してもよい。シリル化剤により表面処理した粒子とする場合には、仕上がった複合粒子に処理してもよいが、前記のアルコキシシラン、シラノール基含有シラン及びこれらの部分縮合物から選ばれる化合物を混合液に添加した後に、シリル化剤を添加して処理してもよい。シリル化剤としては、例えば、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルシラノール基含有シラン、ヘキサメチルジシラザン等が挙げられる。
アルコキシシラン、シラノール基含有シラン及びこれらの部分縮合物から選ばれる化合物を添加終了後、加水分解・縮合反応が終了するまで、しばらく攪拌を続けておくことが好ましい。反応を促進させるために40〜100℃で加熱してもよいし、アルカリ性物質を追加してもよい。その後必要であれば酸性物質を投入して中和してもよい。
加水分解・縮合反応後、水分を除去する。水分の除去は、例えば、反応後の混合液を常圧下又は減圧下に加熱することにより行うことができ、具体的には、混合液を加熱下で静置して水分を除去する方法、混合液を加熱下で攪拌流動させながら水分を除去する方法、スプレードライヤーのように熱風気流中に混合液を噴霧、分散させる方法、流動熱媒体を利用する方法等が挙げられる。なお、この操作の前処理として、加熱脱水、加圧ろ過等の濾過分離、遠心分離、デカンテーション等の方法で混合液を濃縮してもよいし、必要ならば混合液を水やアルコール等で洗浄してもよい。
反応後の混合液から水分を除去することにより得られた粉体が凝集している場合には、ジェットミル、ボールミル、ハンマーミル等の粉砕機で解砕又は分級するとよい。
シリコーンレジンは、無機粉体表面及び/又はシリコーンエラストマー表面に部分的に又は全面に付着していてもよい。
本発明によって得られる複合粒子は、シリコーンレジンをバインダーとして、無機粉体の表面にシリコーンエラストマーを付着してなる粒子であるが、撥水性の付与、向上や、油剤への分散性の向上のために、粒子表面をシリル化剤、シリコーンオイル、ワックス類、パラフィン類、有機フッ素化合物、界面活性剤等で処理してもよい。
無機粉体の表面にシリコーンエラストマーを付着した状態は、電子顕微鏡で確認することができる。
以下、製造例、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、例中、動粘度は25℃において毛管粘度計を用いて測定した値であり、濃度及び含有率を表す「%」は「質量%」を示す。
[製造例]
(シリコーンエラストマーの水分散液の製造)
下記式(4)で示される、動粘度が4,900mm/sのメチルビニルポリシロキサン400gと、下記式(5)で示される、動粘度が30mm/sのメチルハイドロジェンポリシロキサン7g(ビニル基1個に対しヒドロシリル基が1.1個となる配合量)を容量1リットルのガラスビーカーに仕込み、ホモミキサーを用いて混合溶解させた。その後、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(商品名:エマルゲン109P、花王(株)製)33gと水35gを加え、さらにホモミキサーを用いて攪拌したところ、攪拌できない状態にまで増粘した。増粘物を、ホモディスパーを用いて、15分間混練りした。次いで水523gを加え、ホモミキサーを用いて混合したところ、均一な白色エマルジョンが得られた。このエマルジョンを錨型攪拌翼による攪拌装置の付いた容量1リットルのガラスフラスコに移し、15〜20℃に温度調整した後、攪拌下に塩化白金酸−オレフィン錯体のトルエン溶液(白金含有量0.5%)0.6g、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(商品名:エマルゲン109P、花王(株)製)1.2gの混合溶解物を添加し、同温度で24時間攪拌し、シリコーンエラストマーの水分散液を得た。
Figure 0005363540
得られたシリコーンエラストマーの体積平均粒径を、「レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置LA−920」((株)堀場製作所製)を用いて測定したところ、280nmであった。上記式(4)で示される、動粘度が4,900mm/sのメチルビニルポリシロキサン、上記式(5)で示される、動粘度が30mm/sのメチルハイドロジェンポリシロキサン、及び塩化白金酸−オレフィン錯体のトルエン溶液(白金含有量0.5%)を前記の配合割合で混合し、厚みが10mmになるようアルミシャーレに流し込み、25℃で6時間放置後、さらに50℃の恒温槽内で1時間加熱した。得られた硬化物は、べたつきのないゴム弾性体であり、硬度を、デュロメータA硬度計で測定したところ、20であった。
[実施例1]
錨型攪拌翼による攪拌装置の付いた容量3リットルのガラスフラスコに、タルク粒子(商品名:JA−69R、浅田製粉(株)製、形状=板状、平均粒径=10μm)120gと、上記製造例で得たシリコーンエラストマー水分散液 41g(タルク粒子100質量部に対し、シリコーンエラストマーが14質量部となる量)と、水1,280gとを混合した混合水分散液に、40%ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合体水溶液(商品名:MEポリマーH40W、東邦化学工業(株)製、平均分子量=24万、)0.33g(水100質量部に対し0.01質量部となる量)、及び28%アンモニア水30gを仕込んだ。このときの液のpHは、11.5であった。5〜10℃に温度調整した後、メチルトリメトキシシラン29g(シリコーンエラストマー100質量部に対し、加水分解・縮合反応後のシリコーンレジンが85質量部となる量)を20分かけて滴下し、この間の液温を5〜10℃に保ち、さらに1時間攪拌を行った。次いで、55〜60℃まで加熱し、その温度を保ったまま1時間攪拌を行い、メチルトリメトキシシランの加水分解・縮合反応を完結させた。得られた懸濁液を、加圧ろ過器を用いて脱水した。脱水物を錨型攪拌翼による攪拌装置の付いた容量3リットルのガラスフラスコに移し、水1,000gを添加し、30分間攪拌を行った後、加圧ろ過器を用いて脱水した。再度、脱水物をガラスフラスコに移し、110℃のオイルバスにフラスコを浸し、攪拌しながら乾燥を行い、流動性のある粒子を得た。
得られた粒子を電子顕微鏡で観察したところ、板状の粒子表面に約300nmの球状粒子が均一に付着しており、タルク粒子表面にシリコーンエラストマーを付着してなる複合粒子となっていることが確認された(図1)。また、レジン状シリコーンがバインダーとなり、タルク粒子にシリコーンエラストマーを付着させていることが分かった。すなわち、タルク粒子表面にシリコーンエラストマーを付着させるバインダーがなければ、タルク粒子表面にシリコーンエラストマーが付着していたとしても、前記水洗浄や乾燥の操作で、シリコーンエラストマーはタルク粒子表面から脱落すると考えられる。シリコーンエラストマーが脱落すると、シリコーンエラストマーは凝集性が高いため、粒子同士の凝集が起こると考えられるが、電子顕微鏡でそのような形状の粒子は観察されなかった。
さらに、100mLガラス瓶に臭化ナトリウム20g、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(商品名:エマルゲン109P、花王((株)製)0.5g、水80g及び複合粒子5gを量りとり、30分振とうした後、24時間静置し、粒子の浮き沈みを観察した。シリコーンエラストマーがタルク粒子表面から脱落すると、シリコーンエラストマーは比重が臭化ナトリウム水より小さいため浮いてくるが、全量、沈降していた。この結果も、シリコーンレジンがバインダーとなり、タルク粒子にシリコーンエラストマーを付着させていることを示唆するものである。
[実施例2]
実施例1の40%ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合体水溶液(商品名:MEポリマーH40W、東邦化学工業(株)製、平均分子量=24万、)0.33g(水100質量部に対し0.01質量部となる量)を42%ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合体水溶液(商品名:マーコート100、ナルコジャパン(株)製、平均分子量=15万、)0.32g(水100質量部に対し0.01質量部となる量)とした他は、実施例1と同様にして流動性のある粒子を得た。
得られた粒子を電子顕微鏡で観察したところ、板状の粒子表面に約300nmの球状粒子が均一に付着しており、タルク粒子表面にシリコーンエラストマーを付着してなる複合粒子となっていることが確認された。また、レジン状シリコーンがバインダーとなり、タルク粒子にシリコーンエラストマーを付着させていることが分かった。
さらに、100mLガラス瓶に臭化ナトリウム20g、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(商品名:エマルゲン109P、花王((株)製)0.5g、水80g及び複合粒子5gを量りとり、30分振とうした後、24時間静置し、粒子の浮き沈みを観察した。シリコーンエラストマーがタルク粒子表面から脱落すると、シリコーンエラストマーは比重が臭化ナトリウム水より小さいため浮いてくるが、全量、沈降していた。この結果から、シリコーンレジンがバインダーとなり、タルク粒子にシリコーンエラストマーを付着させていることを示唆するものである。
[実施例3]
錨型攪拌翼による攪拌装置の付いた容量3リットルのガラスフラスコに、マイカ粒子(商品名:Y−2300X、ヤマグチマイカ(株)製、形状=板状、平均粒径=19μm)120gと、上記製造例で得たシリコーンエラストマー水分散液39g(マイカ粒子100質量部に対し、シリコーンエラストマーが13質量部となる量)と、水1,284gとを混合した混合水分散液に、40%ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合体水溶液(商品名:MEポリマーH40W、東邦化学工業(株)製、平均分子量=24万、)0.33g(水100質量部に対し0.01質量部となる量)、及び28%アンモニア水30gを仕込んだ。このときの液のpHは、11.4であった。5〜10℃に温度調整した後、メチルトリメトキシシラン27g(シリコーンエラストマー100質量部に対し、加水分解・縮合反応後のシリコーンレジンが85質量部となる量)を20分かけて滴下し、この間の液温を5〜10℃に保ち、さらに1時間攪拌を行った。次いで、55〜60℃まで加熱し、その温度を保ったまま1時間攪拌を行い、メチルトリメトキシシランの加水分解・縮合反応を完結させた。得られた懸濁液を、加圧ろ過器を用いて脱水した。脱水物を錨型攪拌翼による攪拌装置の付いた容量3リットルのガラスフラスコに移し、水1,000gを添加し、30分間攪拌を行った後、加圧ろ過器を用いて脱水した。再度、脱水物をガラスフラスコに移し、110℃のオイルバスにフラスコを浸し、攪拌しながら乾燥を行い、流動性のある粒子を得た。
得られた粒子を電子顕微鏡で観察したところ、板状の粒子表面に約300nmの球状粒子が均一に付着しており、マイカ粒子表面にシリコーンエラストマーを付着してなる複合粒子となっていることが確認された。また、シリコーンレジンがバインダーとなり、マイカ粒子にシリコーンエラストマーを付着させていることが分かった。
さらに、100mLガラス瓶に臭化ナトリウム20g、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(商品名:エマルゲン109P、花王((株)製)0.5g、水80g及び複合粒子5gを量りとり、30分振とうした後、24時間静置し、粒子の浮き沈みを観察した。シリコーンエラストマーがマイカ粒子表面から脱落すると、シリコーンエラストマーは比重が臭化ナトリウム水より小さいため浮いてくるが、全量、沈降していた。この結果から、シリコーンレジンがバインダーとなり、マイカ粒子にシリコーンエラストマーを付着させていることを示唆するものである。
[実施例4]
錨型攪拌翼による攪拌装置の付いた容量3リットルのガラスフラスコに、セリサイト粒子(商品名:三信マイカFSE、(株)三信鉱工製、形状=板状、平均粒径=10μm)120gと、上記製造例で得たシリコーンエラストマー水分散液41g(セリサイト100質量部に対し、シリコーンエラストマーが14質量部となる量)と、水1,281gとを混合した混合水分散液に、40%ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合体水溶液(商品名:MEポリマーH40W、東邦化学工業(株)製、平均分子量=24万、)0.33g(水100質量部に対し0.01質量部となる量)、及び28%アンモニア水30gを仕込んだ。このときの液のpHは、11.4であった。5〜10℃に温度調整した後、メチルトリメトキシシラン28g(シリコーンエラストマー100質量部に対し、加水分解・縮合反応後のシリコーンレジンが85質量部となる量)を20分かけて滴下し、この間の液温を5〜10℃に保ち、さらに1時間攪拌を行った。次いで、55〜60℃まで加熱し、その温度を保ったまま1時間攪拌を行い、メチルトリメトキシシランの加水分解・縮合反応を完結させた。得られた懸濁液を、加圧ろ過器を用いて脱水した。脱水物を錨型攪拌翼による攪拌装置の付いた容量3リットルのガラスフラスコに移し、水1,000gを添加し、30分間攪拌を行った後、加圧ろ過器を用いて脱水した。再度、脱水物をガラスフラスコに移し、110℃のオイルバスにフラスコを浸し、攪拌しながら乾燥を行い、流動性のある粒子を得た。
得られた粒子を電子顕微鏡で観察したところ、板状の粒子表面に約200nmの球状粒子が付着しており、セリサイト表面にシリコーンエラストマーを付着してなる複合粒子となっていることが確認された。また、シリコーンレジンがバインダーとなり、セリサイトにシリコーンエラストマーを付着させていることが分かった。
さらに、100mLガラス瓶に臭化ナトリウム20g、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(商品名:エマルゲン109P、花王((株)製)0.5g、水80g及び複合粒子5gを量りとり、30分振とうした後、24時間静置し、粒子の浮き沈みを観察した。シリコーンエラストマーがセリサイト粒子表面から脱落すると、シリコーンエラストマーは比重が臭化ナトリウム水より小さいため浮いてくるが、全量、沈降していた。この結果から、シリコーンレジンがバインダーとなり、セリサイト粒子にシリコーンエラストマーを付着させていることを示唆するものである。
[比較例1]
実施例1の40%ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合体水溶液(商品名:MEポリマーH40W、東邦化学工業(株)製、平均分子量=24万、)0.33g(水100質量部に対し0.01質量部となる量)を添加しなかった他は、実施例1と同様にして流動性のある粒子を得た。
得られた粒子を電子顕微鏡で観察したところ、板状の粒子表面への球状粒子が付着はあるが少なく、球状粒子の凝集体がみられ、所望の付着状態にはなっていなかった(図2)。
[比較例2]
実施例1の40%ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合体水溶液(商品名:MEポリマーH40W、東邦化学工業(株)製、平均分子量=24万、)0.33g(水100質量部に対し0.01質量部となる量)をポリアクリル酸ナトリウム(アニオン性水溶性高分子、商品名:アクアリックIH、(株)日本触媒製)0.13gとした他は、実施例1と同様にして流動性のある粒子を得た。
得られた粒子を電子顕微鏡で観察したところ、板状の粒子表面への球状粒子が付着はあるが少なく、球状粒子の凝集体がみられ、所望の付着状態にはなっていなかった。
[比較例3]
実施例1の40%ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合体水溶液(商品名:MEポリマーH40W、東邦化学工業(株)製、平均分子量=24万、)0.33g(水100質量部に対し0.01質量部となる量)を30%ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド水溶液(商品名:カチオンBB、日本油脂(株)製)0.44g(水100質量部に対し0.01質量部となる量)とした他は、実施例1と同様にして流動性のある粒子を得た。
得られた粒子を電子顕微鏡で観察したところ、比較例1と同様に、板状の粒子表面への球状粒子が付着はあるが少なく、球状粒子の凝集体がみられ、所望の付着状態にはなっていなかった。
[比較例4]
実施例1の40%ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合体水溶液(商品名:MEポリマーH40W、東邦化学工業(株)製、平均分子量=24万、)0.33g(水100質量部に対し0.01質量部となる量)を30%ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド水溶液(商品名:カチオンBB、日本油脂(株)製)4.4g(水100質量部に対し0.1質量部となる量)とした他は、実施例1と同様にして流動性のある粒子を得た。
得られた粒子を電子顕微鏡で観察したところ、板状の粒子表面への球状粒子が付着はあるが、およそ半分の粒子は凝集した状態で付着しており、所望の付着状態にはなっていなかった。
[比較例5]
実施例1の40%ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合体水溶液(商品名:MEポリマーH40W、東邦化学工業(株)製、平均分子量=24万、)0.33g(水100質量部に対し0.01質量部となる量)をラウリル硫酸ナトリウム(商品名:ニッコールSLS、日光ケミカルズ(株)製)0.13g(水100質量部に対し0.01質量部となる量)とした他は、実施例1と同様にして流動性のある粒子を得た。
得られた粒子を電子顕微鏡で観察したところ、比較例1と同様に、板状の粒子表面への球状粒子が付着はあるが少なく、球状粒子の凝集体がみられ、所望の付着状態にはなっていなかった。
[比較例6]
実施例1の40%ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合体水溶液(商品名:MEポリマーH40W、東邦化学工業(株)製、平均分子量=24万、)0.33g(水100質量部に対し0.01質量部となる量)をラウリル硫酸ナトリウム(商品名:ニッコールSLS、日光ケミカルズ(株)製)1.3g(水100質量部に対し0.1質量部となる量)とした他は、実施例1と同様にして流動性のある粒子を得た。
得られた粒子を電子顕微鏡で観察したところ、球状粒子の凝集体がみられ、板状の粒子表面への球状粒子の付着はまったくみられなかった。
[比較例7]
実施例3の40%ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合体水溶液(商品名:MEポリマーH40W、東邦化学工業(株)製、平均分子量=24万、)0.33g(水100質量部に対し0.01質量部となる量)を添加しなかった他は、実施例3と同様にして流動性のある粒子を得た。
得られた粒子を電子顕微鏡で観察したところ、板状の粒子表面への球状粒子が付着はあるが少なく、球状粒子の凝集体がみられ、所望の付着状態にはなっていなかった。
[比較例8]
実施例4の40%ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合体水溶液(商品名:MEポリマーH40W、東邦化学工業(株)製、平均分子量=24万、)0.33g(水100質量部に対し0.01質量部となる量)を添加しなかった他は、実施例4と同様にして流動性のある粒子を得た。
得られた粒子を電子顕微鏡で観察したところ、板状の粒子表面への球状粒子が付着はあるが、付着が多い粒子と付着が少ない粒子があり付着は不均一であり、所望の付着状態にはなっていなかった。
尚、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。

Claims (5)

  1. 複合粒子の製造方法であって、少なくとも、無機粉体及びシリコーンエラストマーが分散された混合水分散液と、カチオン性水溶性高分子と、アルカリ性物質とを配合した混合液に、アルコキシシラン、シラノール基含有シラン、及びこれらの部分縮合物から選ばれる化合物を添加して加水分解・縮合反応させることにより、シリコーンレジンをバインダーとして前記無機粉体の表面に前記シリコーンエラストマーを付着してなる複合粒子を製造することを特徴とする複合粒子の製造方法。
  2. 前記カチオン性水溶性高分子として、高分子骨格がビニル重合、付加重合、及び縮合のいずれかにより合成された合成系のものであって、かつアニオン性基及び両性基を含まないものを用いることを特徴とする請求項1に記載の複合粒子の製造方法。
  3. 前記カチオン性水溶性高分子として、非イオン性基を持つモノマーを使用しないで合成されたものを用いることを特徴とする請求項2に記載の複合粒子の製造方法。
  4. 前記カチオン性水溶性高分子として、ジメチルジアリルアンモニウムクロライドの重合体を用いることを特徴とする請求項3に記載の複合粒子の製造方法。
  5. 前記混合水分散液に対するカチオン性水溶性高分子の配合量を、前記混合水分散液中の水100質量部に対し、0.0001〜1質量部とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合粒子の製造方法。
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