JP4344944B2 - 化粧品用顔料又は化粧品用体質顔料の製造法 - Google Patents

化粧品用顔料又は化粧品用体質顔料の製造法 Download PDF

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Description

本発明は、安全かつ効率よく、化粧品用の顔料或いは体質顔料を有機ケイ素化合物で表面処理することからなる化粧品用顔料又は体質顔料の製造法に関する。
化粧品に使用される顔料或いは体質顔料は、滑らかさ、付着性、展色性、撥水性などを付与する目的で、有機ケイ素化合物で表面処理される。メチルハイドロジェンポリシロキサンで表面処理された顔料又は体質顔料は、撥水性が高いので、化粧崩れの防止用途で広く使用されている。更に、顔料表面の滑り性を高める目的で、片末端にアルコキシシリル基やアミノ基(シラザン基)を含有するジメチルポリシロキサンで表面処理する方法も提案されている(特開平7−196946号公報:特許文献1)。
これらのシリコーン化合物を顔料又は体質顔料に均一に塗布するには、炭化水素系溶剤、エーテル系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤等の有機溶剤やハロゲン系溶剤で1〜50質量%に希釈して、混合、或いは噴霧することによる表面処理が一般的である。しかしながら、有機溶剤で希釈した原料は、上記オルガノポリシロキサンの官能基が顔料或いは体質顔料と反応する際に熱を必要とするため、火災や爆発の危険性があり、また作業環境上も好ましくない。ハロゲン系溶剤は、火災の危険性はないものの、オゾン層破壊や中毒といった問題があり、使用できないのが現状である。
特開平7−196946号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、皮膚への付着性に優れ、凝集がなく、滑らかで感触の良好な化粧品用の着色顔料或いは体質顔料を安全に製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、1分子中にケイ素−水素結合を少なくとも3個含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを塩基性の不純物含有率が5ppm以下のノニオン系界面活性剤で乳化してなる乳化液、又は末端が加水分解性官能基含有シリル基で封鎖されているジオルガノポリシロキサンをノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤及び両性界面活性剤から選ばれる1種類以上の活性剤で乳化してなる乳化液が、有機溶剤を一切必要とせず、水で任意に希釈することができ、この乳化液を用いて顔料又は体質顔料を表面処理する場合、従来の表面処理設備で簡単に処理できることを知見した。
更に、これらの乳化液と、顔料又は体質顔料を混合し、この混合物を加熱、乾燥、解砕させることにより、皮膚への付着性に優れ、凝集がなく、滑らかで感触の良好な化粧品用の着色顔料或いは体質顔料を安全に製造できることを見出し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、下記の化粧品用顔料又は化粧品用体質顔料の製造法を提供する。
〔1〕1分子中にケイ素−水素結合を少なくとも3個含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、防腐剤、抗菌剤、pH調整剤、キレート剤、塩類、紫外線吸収剤から選ばれ、オルガノハイドロジェンポリシロキサン100質量部に対し0〜10質量部の割合の添加剤とからなる成分を、塩基性の不純物含有率が5ppm以下のノニオン系界面活性剤で乳化してなる乳化液に、顔料又は体質顔料を混合し、この混合物を加熱、乾燥、解砕させることを特徴とする化粧品用顔料又は化粧品用体質顔料の製造法。
〔2〕下記一般式(2):
Figure 0004344944
(式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基、又はフェニル基であり、R 2 は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、pは10〜100の整数、xは0〜2の整数である。)
で示される末端が加水分解性官能基含有シリル基で封鎖されているジオルガノポリシロキサンをノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤及び両性界面活性剤から選ばれる1種類以上の活性剤で乳化してなる乳化液に、顔料又は体質顔料を混合し、この混合物を加熱、乾燥、解砕させることを特徴とする化粧品用顔料又は化粧品用体質顔料の製造法。
本発明によれば、安全かつ効率的に表面処理でき、皮膚への付着性が高く、滑らかで感触のよい、撥水性に優れた化粧品用顔料又は化粧品用体質顔料を提供することができる。また、本発明の方法により着色顔料の表面処理を行えば、非常に高い色調を有する顔料を得ることも可能である。更に、本発明で使用するエマルジョンは、保存安定性に優れるため、官能基量が経時で変化しないので安定した特性を確保することができる。
本発明の第1の化粧品用顔料又は化粧品用体質顔料の製造法としては、1分子中にケイ素−水素結合を少なくとも3個含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを、塩基性の不純物含有率が5ppm以下のノニオン系界面活性剤で乳化してなる乳化液に、顔料又は体質顔料を混合し、この混合物を加熱、乾燥、解砕させることを特徴とするものである。
また、本発明の第2の化粧品用顔料又は化粧品用体質顔料の製造法としては、末端が加水分解性官能基含有シリル基で封鎖されているジオルガノポリシロキサンをノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤及び両性界面活性剤から選ばれる1種類以上の活性剤で乳化してなる乳化液に、顔料又は体質顔料を混合し、この混合物を加熱、乾燥、解砕させることを特徴とするものである。
本発明の第1の化粧品用顔料又は化粧品用体質顔料の製造法に用いられる乳化液について説明すると、本発明に使用されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、1分子中にケイ素−水素結合(即ち、Si−H基)を少なくとも3個、好ましくは3〜100個、より好ましくは5〜70個含有するものであれば特に限定されず、鎖状のもの、分岐状のもの、樹脂状のものを用いることができる。使用されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、下記一般式(1)で示されるものが好適である。
Figure 0004344944
(式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基、又はフェニル基であり、R1は水素原子又はRであり、mは0〜100の整数、nは1〜100の整数である。但し、R1がRの時、nは3〜100の整数である。)
ここで、上記式中のRとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基等が例示され、特に工業的にはメチル基或いはフェニル基が好ましく、顔料の滑り性や撥水性面からはケイ素原子に結合する全有機基中、80モル%以上がメチル基であることがより好ましい。
mは0〜100の整数、好ましくは0〜50の整数である。また、nは1〜100の整数であるが、本発明のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、1分子中にケイ素−水素結合を少なくとも3個有するものであり、R1がRである場合、nは3〜100の整数である。顔料との反応性や塗布後の撥水性を高くする上では、nは10〜100が好ましい。mやnの値が100を超えると、シロキサン鎖が長くなって顔料との反応性に乏しくなるおそれがある。また、nが100を超えると、未反応のSi−H結合が顔料表面上に残ることがあり、化粧料に配合した後などにおいて脱水素するおそれがある。
上記一般式で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンとして、具体的には、
Me3SiO(MeHSiO)20SiMe3
Me3SiO(MeHSiO)40SiMe3
Me3SiO(MeHSiO)100SiMe3
Me3SiO(Me2SiO)20(MeHSiO)10SiMe3
Me3SiO(Me2SiO)20(MeHSiO)20SiMe3
HMe2SiO(Me2SiO)20(MeHSiO)10SiMe2H、
HMe2SiO(Me2SiO)20(MeHSiO)20SiMe2H、
HMe2SiO(Me2SiO)40(MeHSiO)20SiMe2
(Meはメチル基を示す)
等が挙げられる。
上記オルガノハイドロジェンポリシロキサンを乳化させるための界面活性剤としては、塩基性の不純物含有率が5ppm以下、特に4ppm以下のノニオン系界面活性剤を用いる。ここで、塩基性の不純物含有量が5ppmを超えると、乳化後、経時で脱水素して有効なSi−H結合が減少したり、乳化液保存容器の破裂などが起きたりする。なお、アニオン系界面活性剤は、一般にアルカリ金属イオン或いは塩基性イオンを含んでいるので、上記オルガノハイドロジェンポリシロキサンの乳化には不適である。
即ち、メチルハイドロジェンポリシロキサン中のSi−H結合は、脱水素しやすいため、微量の塩基性物質存在下で水分があると危険であり、取り扱いには十分注意が必要である。例えば、オルガノハイドロジェンポリシロキサンを塩基性物質やアルカリ金属イオンが含まれる乳化剤を用いて乳化すると、乳化液が脱水素で発泡するという不具合もあるが、塩基性の不純物含有率が5ppm以下であれば、かかる不都合は生じない。
このようなノニオン系界面活性剤として、具体的には、塩基性不純物が5ppm以下の
1021O−(C24O)n−H、C1225O−(C24O)n−H、
1327O−(C24O)n−H、C1633O−(C24O)n−H、
1837O−(C24O)n−H、C817−C64−O−(C24O)n−H、
919−C64−O−(C24O)n−H(但し、nは4〜50の整数)等のポリオキシエチレンアルキルエーテルやポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン含有ポリシロキサン、多価アルコール脂肪酸エステル、エトキシ化多価アルコール脂肪酸エステル、エトキシ化脂肪酸、エトキシ化脂肪酸アミド、ソルビトール、ソルビタン脂肪酸エステル、エトキシ化ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられ、そのHLBは5〜20の範囲内にあることが好ましく、特に10〜16の範囲内であることが好ましい。
ここで、塩基性の不純物含有量の測定方法としては、電位差滴定法により全アルカリ金属イオン量を測定する方法を挙げることができる。
なお、塩基性の不純物が5ppmより高い場合は、吸着処理、イオン捕獲剤などで精製処理することにより用いることができる。
ノニオン系界面活性剤の配合量は、上記オルガノハイドロジェンポリシロキサン100質量部に対し、5〜100質量部が好ましく、10〜50質量部がより好ましい。5質量部未満では乳化が困難になる、乳化した際の乳化物の安定性が低下してしまう場合があり、100質量部を超えると乳化物の性能を阻害する、処理後の顔料或いは体質顔料の撥水性が低下する場合がある。
本発明においては、顔料又は体質顔料を処理する乳化液中に、本発明の目的を損なわない範囲で防腐剤、抗菌剤、pH調整剤、キレート剤、塩類、紫外線吸収剤等の添加剤を適宜配合することができる。この場合、添加剤の配合量としては、オルガノハイドロジェンポリシロキサン100質量部に対して0〜10質量部とすることが好ましい。
顔料又は体質顔料を処理する第1の乳化液の調製方法としては、オルガノハイドロジェンポリシロキサン、ノニオン系界面活性剤、及び必要によりその他の添加剤の所定量を混合後、水を添加し、ホモミキサー等を用いて乳化することにより得ることができる。更には、高圧ホモジナイザー処理することによって安定なエマルジョンが得られる。
この場合、乳化に使用し得る水の添加量としては、オルガノハイドロジェンポリシロキサン100質量部に対して50〜1,000質量部であり、100〜500質量部であることが好ましい。また、得られた乳化液中の不揮発分濃度は、20〜70質量%程度であることが好ましい。顔料や体質顔料を処理する際には、ここで調製された乳化液をそのまま、或いは水で任意の濃度に希釈して使用される。この場合、より好ましい不揮発分濃度としては1〜30質量%である。
なお、得られたエマルジョンの平均粒径は、50〜1,000nm、特に100〜800nmであることが好ましい。なお、本発明において、平均粒径はコールター社製、粒度分布測定装置N4plusにより測定することができる。
次に、本発明の第2の化粧品用顔料又は化粧品用体質顔料の製造法に用いられる乳化液について説明する。
本発明に用いられるジオルガノポリシロキサンは、末端が加水分解性官能基含有シリル基で封鎖されているジオルガノポリシロキサンであり、末端がアルコキシシリル基、シラノール基、アミノシリル基等の加水分解性官能基で封鎖されているものであれば特に限定されないが、下記一般式(2)で示される加水分解性官能基含有シリル基で片末端のみが封鎖されているものが好ましい。
Figure 0004344944
(式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基、又はフェニル基であり、R2は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、pは10〜100の整数、xは0〜2の整数である。)
ここで、上記式中のRとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基等が例示され、特に工業的にはメチル基或いはフェニル基が好ましく、顔料の滑り性や撥水性面からはケイ素原子に結合する全有機基中、80モル%以上がメチル基であることがより好ましい。R2は水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基等が例示される。
pは10〜100の整数、好ましくは10〜80の整数である。pが10未満では滑り性や撥水性が期待できないし、100を超えると顔料との反応性や配向性が悪くなるおそれがある。xは0〜2の整数であるが、反応性面から0又は1が好ましい。
更に、上記のジオルガノポリシロキサンの分子量分布は、狭いものが特に特性的に優れ、重量平均分子量(Mw.)と数平均分子量(Mn.)との比(Mw./Mn.)、即ち分散度が1.0〜1.3、特に1.00〜1.25のものが好適に使用される。この範囲のジオルガノポリシロキサンを用いることにより、顔料表面での配向吸着性が高まる。
上記一般式で示されるジオルガノポリシロキサンとして、具体的には、
HOMe2SiO(Me2SiO)24SiMe2OH、
HOMe2SiO(Me2SiO)60SiMe2OH、
Me3SiO(Me2SiO)24SiMe2OH、
Me3SiO(Me2SiO)60SiMe2OH、
BuMe2SiO(Me2SiO)24SiMe2OH、
BuMe2SiO(Me2SiO)60SiMe2OH、
Me3SiO(Me2SiO)24Si(OMe)3
Me3SiO(Me2SiO)24Si(OEt)3
Me3SiO(Me2SiO)60Si(OMe)3
Me3SiO(Me2SiO)60Si(OEt)3
BuMe2SiO(Me2SiO)24Si(OMe)3
BuMe2SiO(Me2SiO)24Si(OEt)3
BuMe2SiO(Me2SiO)60Si(OMe)3
BuMe2SiO(Me2SiO)60Si(OEt)3
Me3SiO(Me2SiO)24SiMe(OMe)2
Me3SiO(Me2SiO)24SiMe(OEt)2
Me3SiO(Me2SiO)60SiMe(OMe)2
Me3SiO(Me2SiO)60SiMe(OEt)2
BuMe2SiO(Me2SiO)24SiMe(OMe)2
BuMe2SiO(Me2SiO)24SiMe(OEt)2
BuMe2SiO(Me2SiO)60SiMe(OMe)2
BuMe2SiO(Me2SiO)60SiMe(OEt)2
(Meはメチル基、Buはブチル基、Etはエチル基を示す)
等が例示される。
上記ジオルガノポリシロキサンを乳化させるための界面活性剤としては、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、或いは両性界面活性剤であれば特に限定されない。これらのうち、1種類又は2種類以上の界面活性剤を組み合わせて用いることができる。
ノニオン系界面活性剤の具体例としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン含有ジメチルポリシロキサン、多価アルコール脂肪酸エステル、エトキシ化多価アルコール脂肪酸エステル、エトキシ化脂肪酸、エトキシ化脂肪酸アミド、ソルビトール、ソルビタン脂肪酸エステル、エトキシ化ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられ、そのHLBは5〜20の範囲内にあることが好ましく、特に10〜16の範囲内であることが好ましい。また、アニオン系界面活性剤の具体例としては、例えば、高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、高級アルコールリン酸エステル塩、エトキシ化高級アルコール硫酸エステル塩、エトキシ化アルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、エトキシ化高級アルコールリン酸塩等が挙げられ、カチオン系界面活性剤の具体例としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、アルキルアミン塩酸塩、ココナットアミンアセテート、アルキルアミンアセテート、アルキルベンゼンジメチルアンモニウムクロライド等が挙げられる。両性界面活性剤の具体例としては、例えば、N−アシルアミドプロピル−N,N−ジメチルアンモニオベタイン類、N−アシルアミドプロピル−N,N′−ジメチル−N′−β−ヒドロキシプロピルアンモニオベタイン類等が例示される。
界面活性剤の使用量は、上記ジオルガノポリシロキサン100質量部に対し、5〜100質量部が好ましく、より好ましくは10〜50質量部である。5質量部未満では乳化が困難になる、乳化した際の乳化物の安定性が低下してしまう場合があり、100質量部を超えると乳化物の性能を阻害する、処理後の顔料或いは体質顔料の撥水性が低下する場合がある。
本発明においては、顔料又は体質顔料を処理する乳化液中に、本発明の目的を損なわない範囲で防腐剤、抗菌剤、pH調整剤、キレート剤、塩類、紫外線吸収剤等の添加剤を適宜配合することができる。この場合、添加剤の配合量としては、ジオルガノポリシロキサン100質量部に対して0〜10質量部とすることが好ましい。
顔料又は体質顔料を処理する第2の乳化液の調製方法としては、ジオルガノポリシロキサン、界面活性剤、及び必要によりその他の添加剤の所定量を混合後、水を添加し、ホモミキサー等を用いて乳化することにより得ることができる。更には、高圧ホモジナイザー処理することによって安定なエマルジョンが得られる。
この場合、乳化に使用し得る水の添加量としては、ジオルガノポリシロキサン100質量部に対して50〜1,000質量部であり、100〜800質量部であることが好ましい。また、得られた乳化液中の不揮発分濃度は、20〜70質量%程度であることが好ましい。顔料や体質顔料を処理する際には、ここで調製された乳化液をそのまま、或いは水で任意の濃度に希釈して使用される。この場合、より好ましい不揮発分濃度としては1〜30質量%である。
なお、得られたエマルジョンの平均粒径は、50〜1,000nm、特に100〜800nmであることが好ましい。なお、本発明において、平均粒径はコールター社製、粒度分布測定装置N4plusにより測定することができる。
このようにして得られた第1及び第2の乳化液は、いずれも保存安定性に優れ、官能基量が経時で変化しないので、安定した特性を確保することができる。
上記で得られた第1又は第2の乳化液にて処理される顔料又は体質顔料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、黄色酸化鉄、黒色酸化鉄、ベンガラ、群青、紺青、酸化クロム、水酸化クロム、オキシ塩化ビスマス、有機色素、天然色素、シリカ、タルク、雲母、カオリン、クレー、炭酸アンモニウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム等が例示される。
これら顔料又は体質顔料の平均粒子径としては、0.1〜10μmの微粒子が好ましい。なお、この平均粒子径は、コールター社製の粒径分析装置:マルチサイザーII或いはシーラス社製の粒径分析装置:シーラスレーザーにより測定した値である。
上記第1及び第2の乳化液による顔料又は体質顔料の表面処理方法としては、これらの顔料又は体質顔料と上記で得られた乳化液とを通常のミキシング装置を用い、25〜50℃で混合し、その後60〜150℃で乾燥して、水を溜去することにより、該オルガノポリシロキサンを硬化させる。更に、別法として、これらの顔料或いは体質顔料に上記で得られた乳化液を噴霧し、60〜150℃で乾燥することにより、硬化させることも可能である。次いで、部分的に凝集している粒子を機械的に解砕することにより、化粧品用の顔料又は化粧品用の体質顔料が製造される。
ここで、顔料又は体質顔料に対する乳化液量は、顔料又は体質顔料100質量部に対して乳化液の不揮発分を0.1〜20質量部、特に0.2〜10質量部とすることが好ましい。0.1質量部未満では滑り性や感触の向上が認められない場合があり、20質量部を超える量では凝集が大きく、解砕しにくくなる、べたつきが残る場合がある。
得られたシリコーン処理顔料又はシリコーン処理体質顔料の平均粒子径は、0.1〜10μmであることが好ましい。この場合の平均粒径もまた、コールター社製マルチサイザー或いはシーラス社製シーラスレーザーにより測定した値とすることができる。
ここで、シリコーン処理された顔料又は体質顔料は、パウダーファンデーション、リキッドファンデーション、ルージュ、アイシャドーなどに応用することができる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において%は質量%を示し、Meはメチル基を示す。
[実施例1]
平均組成式がMe3SiO(MeHSiO)40SiMe3で示されるメチルハイドロジェンポリシロキサン30質量部と、ニューコール1310(日本乳化剤株式会社製ノニオン系乳化剤、HLB13.7)を活性炭処理してなる乳化剤(電位差滴定法による全アルカリ金属イオン量3.0ppm)5質量部と、酢酸0.01質量部とをホモミキサー付き混合装置に仕込み、水65質量部を添加後、均一に乳化分散し、更にホモジナイザーで30MPaの圧力で2回処理して、メチルハイドロジェンポリシロキサンの乳化物を得た。なお、この乳化物の105℃、3時間後の不揮発分は34%で、Coulter社製粒径測定器N4 plusによる平均粒径は330nmであった。
この乳化物10質量部と、水100質量部の混合物に、浅田製粉株式会社製タルク(商品名:JA−13R、平均粒径6.0μm)100質量部を加え、ニーダーで50℃、1時間混合し、続けて150℃、1時間加熱乾燥した。サラサラ状になった粉体を冷却後、粉砕機で解砕し、コールター社製マルチサイザーII測定装置により、初期の粒径になっていることを確認した。この処理粉体は、撥水性が非常に高く、感触も未処理品に比べ、非常に滑らかであった。
[実施例2]
分散度(Mw./Mn.)1.10で平均組成式がMe3SiO(Me2SiO)24Si(OC253で示されるジメチルポリシロキサン30質量部と、エマルゲン109P(花王株式会社製ノニオン乳化剤、HLB=13.6)5質量部とをホモミキサー付き混合装置に仕込み、水65質量部を添加後、均一に乳化分散し、更にホモジナイザーで30MPaの圧力で2回処理して、片末端反応性ジメチルポリシロキサンの乳化物を得た。なお、この乳化物の105℃、3時間後の不揮発分は34%で、Coulter社製粒径測定器N4 plusによる平均粒径は250nmであった。
この乳化物10質量部と、水100質量部の混合物に、浅田製粉株式会社製タルク(商品名:JA−13R、平均粒径6.0μm)100質量部を加え、ニーダーで50℃、1時間混合し、続けて120℃、1時間加熱乾燥した。サラサラ状になった粉体を冷却後、粉砕機で解砕し、コールター社製マルチサイザーII測定装置により、初期の粒径になっていることを確認した。この処理粉体は撥水性が非常に高く、感触も未処理品に比べ、非常に滑らかであった。

Claims (4)

  1. 1分子中にケイ素−水素結合を少なくとも3個含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、防腐剤、抗菌剤、pH調整剤、キレート剤、塩類、紫外線吸収剤から選ばれ、オルガノハイドロジェンポリシロキサン100質量部に対し0〜10質量部の割合の添加剤とからなる成分を、塩基性の不純物含有率が5ppm以下のノニオン系界面活性剤で乳化してなる乳化液に、顔料又は体質顔料を混合し、この混合物を加熱、乾燥、解砕させることを特徴とする化粧品用顔料又は化粧品用体質顔料の製造法。
  2. オルガノハイドロジェンポリシロキサンが、下記一般式(1):
    Figure 0004344944
    (式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基、又はフェニル基であり、R1は水素原子又はRであり、mは0〜100の整数、nは1〜100の整数である。但し、R1がRの時、nは3〜100の整数である。)
    で示されるものである請求項1記載の化粧品用顔料又は化粧品用体質顔料の製造法。
  3. 下記一般式(2):
    Figure 0004344944
    (式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基、又はフェニル基であり、R 2 は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、pは10〜100の整数、xは0〜2の整数である。)
    で示される末端が加水分解性官能基含有シリル基で封鎖されているジオルガノポリシロキサンをノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤及び両性界面活性剤から選ばれる1種類以上の活性剤で乳化してなる乳化液に、顔料又は体質顔料を混合し、この混合物を加熱、乾燥、解砕させることを特徴とする化粧品用顔料又は化粧品用体質顔料の製造法。
  4. 顔料又は体質顔料が、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、黄色酸化鉄、黒色酸化鉄、ベンガラ、群青、紺青、酸化クロム、水酸化クロム、オキシ塩化ビスマス、有機色素、天然色素、シリカ、タルク、雲母、カオリン、クレー、炭酸アンモニウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム又はケイ酸マグネシウムである請求項1乃至のいずれか1項記載の化粧品用顔料又は化粧品用体質顔料の製造法。
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