JP3048325B2 - 有機ポリマー複合無機微粒子、その製造方法および成膜用組成物 - Google Patents

有機ポリマー複合無機微粒子、その製造方法および成膜用組成物

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JP3048325B2
JP3048325B2 JP8147826A JP14782696A JP3048325B2 JP 3048325 B2 JP3048325 B2 JP 3048325B2 JP 8147826 A JP8147826 A JP 8147826A JP 14782696 A JP14782696 A JP 14782696A JP 3048325 B2 JP3048325 B2 JP 3048325B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種塗料、成型材
料等への添加剤として有用な有機ポリマー複合無機微粒
子と、その製造方法と、各種塗料、表面処理剤、コーテ
ィング剤、接着剤、粘着剤、シーリング剤等として有用
な成膜用組成物とに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、各種塗料および成型材料等の添加
剤を製造するために、有機ポリマー等を使用して数々の
方法で無機微粒子の表面修飾がなされ、無機微粒子と有
機媒体間の親和性の向上が計られている。しかしなが
ら、このようにして得られた添加剤の分散性や安定性は
十分ではなく、また、その製造工程は煩雑であるため、
実用には至っていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、無機微
粒子の表面に有機ポリマーが固定されてなる特殊な複合
微粒子を開発しており(特開平7−178335号公
報)、この複合微粒子は分散性や安定性に優れていると
ともに、容易に製造することができる。これを塗料等に
添加して用いると、耐候性、耐汚染性、耐薬品性、密着
性、表面硬度等に優れる被膜物性が得られる。しかし、
複合微粒子はほぼ均一に被膜全体に分布してしまい、被
膜表面に選択的に密集することはないので、被膜表面の
物性を向上させるためには、複合微粒子を多く添加する
必要がある。
【0004】そこで、本発明が解決しようとする課題
は、各種塗料、成形材料等の添加剤として有用で、少量
の使用で被膜物性を特に高くすることができ、種々の有
機溶媒およびポリマーに対して分散安定性に優れ、有機
マトリックスに対して特に良好な親和性を有する有機ポ
リマー複合無機微粒子と、耐候性、耐汚染性、耐薬品
性、密着性、表面硬度等に優れる膜を形成することので
きる成膜用組成物とを提供することある。
【0005】本発明が解決しようとする別の課題は、上
記特性を有する有機ポリマー複合無機微粒子を簡便かつ
効率良く製造することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる有機ポリ
マー複合無機微粒子は、無機微粒子の表面に有機ポリマ
ーが固定されてなり、かつ、前記有機ポリマーが前記無
機微粒子の内部にも包含されている複合微粒子におい
、前記有機ポリマーが(メタ)アクリル系樹脂、(メ
タ)アクリル−スチレン系樹脂および(メタ)アクリル
−ポリエステル系樹脂から選ばれる有機ポリマーであ
り、かつ、前記有機ポリマーがパーフルオロアルキル基
および/またはシリコーン基を前記有機ポリマーに対し
0.01〜20重量%の割合で含むことを特徴とする
上記本発明にかかる有機ポリマー複合無機微粒子を製造
するための第1の方法は、有機ポリマー部分を有すると
ともに、この有機ポリマー1分子当たりに少なくとも1
個のポリシロキサン基が結合しており、かつ、前記ポリ
シロキサン基中に少なくとも1個のSi−OR1 基(R
1 は水素原子またはアルキル基、アシル基から選ばれ
る、置換されていても良い少なくとも一種の基であり、
1 が1分子中に複数ある場合、複数のR1 は互いに同
一であってもよく、異なってもよい。)を有し、パーフ
ルオロアルキル基および/またはシリコーン基を含む少
なくとも1種の有機ポリマー(P)を、(P)単独また
は加水分解可能な金属化合物(G)とともに加水分解・
縮合する工程を含む。
【0007】上記本発明にかかる有機ポリマー複合無機
微粒子を製造するための第2の方法は、有機ポリマー部
分を有するとともに、この有機ポリマー1分子当たりに
少なくとも1個のポリシロキサン基が結合しており、か
つ、前記ポリシロキサン基中に少なくとも1個のSi−
OR1 基(R1 は水素原子またはアルキル基、アシル基
から選ばれる、置換されていても良い少なくとも一種の
基であり、R1 が1分子中に複数ある場合、複数のR1
は互いに同一であってもよく、異なってもよい。)を有
し、パーフルオロアルキル基および/またはシリコーン
基を導入することができる官能基を含む少なくとも1種
の有機ポリマー(P)を、(P)単独または加水分解可
能な金属化合物(G)とともに加水分解・縮合する工程
と、前記官能基と反応する基を含有するとともにパーフ
ルオロアルキル基および/またはシリコーン基をも含有
する化合物と前記工程で得られる有機ポリマー(P)の
加水分解・縮合物とを反応させる工程とを含む。
【0008】本発明にかかる成膜用組成物は、本発明の
有機ポリマー複合無機微粒子を含む。
【0009】
【発明の実施の形態】有機ポリマー複合無機微粒子 本発明にかかる有機ポリマー複合無機微粒子は、無機微
粒子の表面に有機ポリマーが固定されてなり、かつ、前
記有機ポリマーが前記無機微粒子の内部にも包含されて
いる複合微粒子を、その基本構造とする。 このような基
本構造は、例えば、前記特開平7−178335号公報
に開示されている下記の加水分解・縮合反応により作ら
れる。 有機ポリマー部分を有するとともに、この有機ポ
リマー1分子当たりに少なくとも1個のポリシロキサン
基が結合しており、かつ、前記ポリシロキサン基中に少
なくとも1個のSi−OR 1 基(R 1 は水素原子または
アルキル基、アシル基から選ばれる、置換されていても
良い少なくとも一種の基であり、R 1 が1分子中に複数
ある場合、複数のR 1 は互いに同一であってもよく、異
なってもよい。)を有する有機ポリマー(P)を、
(P)単独または加水分解可能な金属化合物(G)とと
もにする反応。 本発明にかかる有機ポリマー複合無機微
粒子を構成する無機微粒子は、基本的には、金属元素
してのSiが主に酸素原子との結合を介して3次元のネ
ットワークを構成した含酸素金属化合物すなわちシリカ
微粒子であるが、前記加水分解・縮合反応において前記
金属化合物(G)が併用される場合は当該金属化合物
(G)に由来する各種の金属や基が無機微粒子内部に残
留したりする。 このような無機物からなる無機微粒子の
形状は、球状、針状、板状、鱗片状、破砕状等の任意の
粒子形状でよく、特に限定されない。 前記有機ポリマー
(P)に由来する有機ポリマーは、前記無機微粒子の表
面に化学結合により固定されているほか、その一部が前
記無機微粒子の内部に有機基として包含されてもいる。
前記有機ポリマーは、(メタ)アクリル系樹脂、(メ
タ)アクリル−スチレン系樹脂および(メタ)アクリル
−ポリエステル系樹脂から選ばれる有機ポリマーであ
り、かつ、パーフルオロアルキル基および/またはシリ
コーン基を必須の基として前記有機ポリマーに対し0.
01〜20重量%の割合で含む。これらパー フルオロア
ルキル基および/またはシリコーン基は、前記加水分解
・縮合反応する前から前記有機ポリマー(P)自体に含
有されていても良いし、前記加水分解・縮合反応の後で
前記有機ポリマー(P)に由来する有機ポリマーに化学
結合させても良い。
【0010】機ポリマー複合無機微粒子中の無機物の
含有率については、特に制限されるものではないが、有
機ポリマー複合無機微粒子を種々の樹脂中に添加した場
合、無機物の有する硬度、耐熱性などの特性を、より効
果的に発揮するには、有機ポリマー複合無機微粒子中の
無機物の含有率をできるだけ高めるのが有利であり、無
機物の含有率としては、有機ポリマー複合無機微粒子の
50〜99.5重量%が好ましい。
【0011】有機ポリマー複合無機微粒子を構成する有
機ポリマーは、有機ポリマー複合無機微粒子が各種塗料
や成形材料等に使用される場合、有機ポリマー複合無機
微粒子の分散性や、この微粒子と有機媒体との親和性の
向上に寄与し、また、有機ポリマー複合無機微粒子が成
膜用組成物に用いられる場合は、バインダーとして作用
するものである。
【0012】有機ポリマーは、上述のように、パーフル
オロアルキル基および/またはシリコーン基、すなわ
ち、パーフルオロアルキル基およびシリコーン基のうち
の少なくとも1種を前記有機ポリマーに対し0.01〜
20重量%の割合で含む。パーフルオロアルキル基の具
体例としては、特に限定はされないが、パーフルオロメ
チル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル
基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、
パーフルオロオクチル基、パーフルオロデシル基、パー
フルオロドデシル基、パーフルオロテトラデシル基等が
挙げられる。パーフルオロアルキル基は、1種のみでも
よく、2種以上が適宜組み合わされたものでもよい。中
でも、パーフルオロアルキル基が、パーフルオロメチル
基およびパーフルオロエチル基のうちの少なくとも1種
であると、有機ポリマーへの導入が容易であるため好ま
しい。なお、パーフルオロアルキル基中のフッ素原子の
一部が、本願発明の効果をそこなわない範囲で塩素原子
等の他の原子で置換されたものであってもよい。
【0013】シリコーン基の具体例としては、特に限定
はされないが、ジメチルシリコーン基、ジフェニルシリ
コーン基、メチルフェニルシリコーン基、ジエチルシリ
コーン基、メチルエチルシリコーン基等が挙げられる。
シリコーン基は、1種のみでもよく、2種以上が適宜組
み合わされたものでもよい。中でも、シリコーン基が、
ジメチルシリコーン基およびジフェニルシリコーン基の
うちの少なくとも1種であると、有機ポリマーへの導入
が容易であるため好ましい。
【0014】パーフルオロアルキル基およびシリコーン
基の分子量については、特に限定はされないが、たとえ
ば、50,000以下であると有機ポリマー中へ導入が
容易であるため好ましく、10,000以下であるとよ
り好ましい。有機ポリマーはパーフルオロアルキル基お
よび/またはシリコーン基を含み、これら基は化学結合
により有機ポリマーの主鎖と結びつけられている。有機
ポリマーの主鎖とこれら基との結合形態については、特
に限定はされないが、これらの基と有機ポリマーの主鎖
とが直接結合したものの他に、エステル基(−COO
−)またはエーテル基(−O−)等を間に介して結合し
た形態を取るものでもよい。
【0015】有機ポリマー中のパーフルオロアルキル基
および/またはシリコーン基の含有量については、特に
限定はされないが、たとえば、有機ポリマー複合無機微
粒子を塗料等の後述の成膜用組成物に用いる場合、有機
ポリマー複合無機微粒子が塗膜表面近傍に密集して存在
する効果を発揮して、他の被膜物性を低下させることな
く、耐候性、耐汚染性および表面強度等の被膜物性を向
上させるためには、パーフルオロアルキル基および/ま
たはシリコーン基が有機ポリマーに対して好ましくは
0.01〜20重量%、より好ましくは0.05〜10
重量%である。有機ポリマーの分子量、形状、組成等に
ついては、特に限定はなく、パーフルオロアルキル基お
よび/またはシリコーン基を有するものであれば、任意
の有機ポリマーを使用することができる。有機ポリマー
の形状については、直鎖状、分枝状、架橋構造等の任意
の形状のものを使用することができる。また、有機ポリ
マーを構成する樹脂の具体例としては、特に限定はされ
ないが、たとえば、(メタ)アクリル樹脂、ポリスチレ
ン、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレンやポリプロピレン等
のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルおよ
びこれらの共重合体や、アミノ基、エポキシ基、ヒドロ
キシル基、カルボキシル基等の官能基で一部変性した樹
脂等が挙げられる。中でも、有機ポリマーが、(メタ)
アクリル系樹脂、(メタ)アクリル−スチレン系樹脂、
(メタ)アクリル−ポリエステル系樹脂等の(メタ)ア
クリル単位を含む有機ポリマーを必須成分とし、かつ、
被膜形成能を有するようになっている有機ポリマー複合
無機微粒子は、後述する成膜用組成物に好適なものとし
て使用できる。
【0016】有機ポリマーについては、前述のように、
パーフルオロアルキル基および/またはシリコーン基を
有する任意の有機ポリマーを使用することができるが、
特に、有機鎖とポリシロキサン基から構成され、1分子
当たり少なくとも1個のポリシロキサン基が結合してお
り、かつ、前記ポリシロキサン基中に少なくとも1個の
Si−OR1 基を含有する構造を有する後述の有機ポリ
マー(P)に含有されるような有機鎖が好ましい。
【0017】有機ポリマー複合無機微粒子中の有機ポリ
マーの含有率については、特に制限されるものではない
が、有機ポリマー複合無機微粒子の0.5〜50重量%
が好ましい。有機ポリマー複合無機微粒子は、無機微粒
子の表面に有機ポリマーが固定されてなる複合微粒子で
あるが、ここに、固定とは、単なる接着および付着を意
味するものではなく、前記有機ポリマー複合無機微粒子
を任意の溶剤で洗った洗液中に前記有機ポリマーが検出
されないことを意味しており、これは有機ポリマーと無
機微粒子の間で化学結合が生成していることを強く示唆
している。
【0018】有機ポリマー複合無機微粒子は、微粒子内
に有機ポリマーを包含していてもよい。このことによ
り、有機ポリマー複合無機微粒子のコアである無機物に
適度な軟度および靱性を付与することができる。有機ポ
リマー複合無機微粒子中の有機ポリマーの有無は、たと
えば、この有機ポリマー複合無機微粒子を500〜70
0℃で加熱し、有機ポリマーを熱分解した後の微粒子の
比表面積の測定値と、微粒子の直径から算出される比表
面積の理論値とを比較することにより、確認することが
できる。すなわち、有機ポリマー複合無機微粒子内に有
機ポリマーを包含している場合は、加熱によって有機ポ
リマーが熱分解し、微粒子内に多数の細孔が生じるた
め、有機ポリマーを熱分解した後の微粒子の比表面積
が、微粒子の直径から算出される比表面積の理論値より
もかなり大きい値となる。
【0019】有機ポリマー複合無機微粒子の平均粒子径
は、特に限定はされないが、たとえば、有機ポリマー複
合無機微粒子の表面エネルギーが高くなり凝集等が起こ
りやすくなるのを防ぐためには、5nm以上が好まし
い。また、有機ポリマー複合無機微粒子を塗料等に使用
した場合、塗膜の透明性等の物性が低下しないために
は、200nm以下が好ましく、100nm以下がより
好ましい。
【0020】有機ポリマー複合無機微粒子の粒子径分布
の指標である粒子径変動係数は、特に限定はされない
が、たとえば、有機ポリマー複合無機微粒子をプラステ
ィックフィルム等の充填材等に使用した場合に、フィル
ム表面が平滑でなく凹凸が激しくなるのを防ぐために
は、50%以下が好ましく、30%以下がより好まし
い。有機ポリマー複合無機微粒子中には、少なくとも1
種以上のアルコキシ基が含まれていても良く、その含有
量については、特に制限はない。ここでいうアルコキシ
基は、微粒子骨格を形成する金属元素に結合したR4
基を示す。ここでR4 は置換されていてもよいアルキル
基であり、微粒子中のR4 O基は、同一であっても異な
っていてもよい。R4 の具体例としては、メチル基、エ
チル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル
基等が挙げられる。このようなアルコキシ基は、有機ポ
リマー複合無機微粒子を各種塗料・成形材料として使用
した場合に、有機媒体との親和性や、有機媒体中での分
散性を補足的に向上させる作用がある。このような作用
を発揮するためには、有機ポリマー複合無機微粒子中の
アルコキシ基が、有機ポリマー複合無機微粒子1g当た
り、0.01〜50mmolであることが好ましい。有機ポリマー複合無機微粒子の製造方法 本発明の有機ポリマー複合無機微粒子は、任意の方法で
製造することができる。本発明の有機ポリマー複合無機
微粒子の製造方法として、以下に詳述する製造方法Aを
適用すると、簡便で、効率よく有機ポリマー複合無機微
粒子を製造することができるため好ましい。
【0021】製造方法Aは、1分子当たりに少なくとも
1個のポリシロキサン基が結合しており、かつ、前記ポ
リシロキサン基中に少なくとも1個のSi−OR1
(R1は水素原子またはアルキル基、アシル基から選ば
れる、置換されていても良い少なくとも一種の基であ
り、R1 が1分子中に複数ある場合、複数のR1 は互い
に同一であってもよく、異なってもよい。)を有する少
なくとも1種の有機ポリマー(P)を、(P)単独また
は加水分解可能な金属化合物(G)とともに加水分解・
縮合する工程を含む方法である。
【0022】製造方法Aに用いる有機ポリマー(P)
は、単独で加水分解・縮合して有機ポリマー複合無機微
粒子を製造することができる。また、後述する金属化合
物(G)と有機ポリマー(P)をともに共加水分解・縮
合して有機ポリマー複合無機微粒子を製造することもで
きる。有機ポリマー(P)は、有機鎖とポリシロキサン
基とを含み、1分子当たり少なくとも1個のポリシロキ
サン基が結合しており、かつ、前記ポリシロキサン基中
に少なくとも1個のSi−OR1 基を含有する構造を有
する。
【0023】また、有機ポリマー(P)は、下記のお
よびのうちの少なくとも1つの基をさらに含んでい
る。 パーフルオロアルキル基および/またはシリコーン
基。 パーフルオロアルキル基および/またはシリコーン
基を導入することができる官能基。
【0024】上記の具体例としては、前述の有機ポリ
マー複合無機微粒子で説明した基を挙げられる。また、
上記の具体例としては、たとえば、水酸基、カルボキ
シル基、アミノ基、エポキシ基、メルカプト基、オキサ
ゾリン基、アルデヒド基等の官能基を挙げられる。有機
ポリマー(P)がを含まず、のみを含む場合には、
製造方法Aは後述するように、前記官能基を変換してパ
ーフルオロアルキル基および/またはシリコーン基を導
入する工程をさらに含む必要がある。一方、有機ポリマ
ー(P)がおよびの両方を含む場合には、製造方法
Aは、前記官能基を変換してパーフルオロアルキル基お
よび/またはシリコーン基を導入する工程をさらに含む
ものであってもよいが、必ずしも必要ではない。
【0025】有機ポリマー(P)において、有機鎖の構
造は特に限定されない。また、有機ポリマー(P)の入
手し易さ等の理由から、有機ポリマー(P)中のポリシ
ロキサン基と有機鎖は、Si−C結合、Si−O−C結
合等を介して化学結合するのが好ましく、特に、結合部
位が耐加水分解性に優れる点および結合部位での交換反
応等の好ましくない反応を受けにくいのが望ましいこと
等から、ポリシロキサン基と有機鎖は、Si−C結合を
介して化学結合するのがさらに好ましい。
【0026】有機ポリマー(P)の構造としては、後述
する有機溶剤および/または水に溶解するものであれば
特に制限されるものではなく、例えば、ポリシロキサン
基が有機鎖にグラフトしたポリマー、ポリシロキサン基
が有機鎖の片末端もしくは両末端に結合したポリマーま
たはポリシロキサン基をコアとして複数の直鎖状もしく
は分枝状の有機鎖(複数の有機鎖は同じであってもよ
く、異なってもよい)が結合したポリマー等が挙げられ
る。ここで有機鎖とは、有機ポリマー(P)において、
ポリシロキサン基以外の部分である。前記有機鎖中の主
鎖は、炭素を主体とするものであり、主鎖結合にあずか
る炭素原子が50〜100モル%を占め、残部をN、
O、S、Si、P等の元素からなるものが容易に得られ
るため好ましい。有機鎖を構成する樹脂の具体例として
は、例えば、(メタ)アクリル樹脂、ポリスチレン、ポ
リ酢酸ビニル、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリ
オレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポ
リエチレンテレフタレート等のポリエステルおよびこれ
らの共重合体や一部変性した樹脂等が挙げられる。中で
も、本発明の成膜用組成物における被膜形成能の観点か
らは、(メタ)アクリル単位を必須に含む樹脂が好まし
い。
【0027】Si−OR1 基中のR1 O基は加水分解お
よび/または縮合可能な官能基であって、有機ポリマー
(P)1分子当たり少なくとも1個あり、平均5個以上
あるのが好ましく、20個以上あるのがより好ましい。
1 O基の個数が多いほど、加水分解・縮合する反応点
が増加し、より強固な骨格を形成する微粒子が得られ
る。ここでR1 は水素原子またはアルキル基、アシル基
から選ばれる置換されていても良い少なくとも1種の基
である。アルキル基、アシル基についてはその炭素数は
特に限定されないが、R1 O基の加水分解速度が速いと
いう理由で、炭素数1〜5のアルキル基、アシル基が好
ましい。炭素数1〜5のアルキル基の具体例としては、
例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピ
ル基、ブチル基、第2級ブチル基、第3級ブチル基、ペ
ンチル基等のアルキル基が挙げられる。炭素数1〜5の
アシル基の具体例としては、アセチル基、プロピオニル
基等のアシル基が挙げられる。置換されているアルキル
基、アシル基としては、例えば、上記アルキル基、アシ
ル基の有する水素原子の1個または2個以上が、例え
ば、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;アセチ
ル基、プロピオニル基等のアシル基;塩素、臭素等のハ
ロゲン等で置換されてなる基が挙げられる。R1が1分
子中に複数ある場合、複数のR1 は互いに同一であって
もよく、異なってもよい。R1 は、R1 O基の加水分解
・縮合速度がさらに速くなるという理由から、水素原
子、メチル基、エチル基が好ましく、メチル基が最も好
ましい。
【0028】上記R1 O基がSi原子と結合したSi−
OR1 基を1個以上有するポリシロキサン基とは、2個
以上のSi原子がポリシロキサン結合(Si−O−Si
結合)により直鎖状または分枝状に連結してなる基であ
る。このポリシロキサン基の有するSi原子の個数は、
特に限定されるわけではないが、前述したR1 O基を多
く含有できる点で、ポリシロキサン基1個当たりの平均
で、4個以上が好ましく、11個以上がさらに好まし
い。このようなポリシロキサン基を具体的に例示する
と、例えば、ポリメチルメトキシシロキサン基、ポリエ
チルメトキシシロキサン基、ポリメチルエトキシシロキ
サン基、ポリエチルエトキシシロキサン基、ポリフェニ
ルメトキシシロキサン基、ポリフェニルエトキシシロキ
サン基等が挙げられる。
【0029】さらに、ポリシロキサン基中のすべてのS
i原子は、有機鎖との結合およびポリシロキサン結合
(Si−O−Si結合)の他はR1 O基とのみ結合して
いることが好ましい。このような場合、Si原子のイオ
ン性がより高まり、その結果R1 O基の加水分解・縮合
速度がより速くなると共に、有機ポリマー(P)中の反
応点が増加し、より強固な骨格を有する微粒子が得られ
る。このようなポリシロキサン基を具体的に例示する
と、例えば、ポリジメトキシシロキサン基、ポリジエト
キシシロキサン基、ポリジイソプロポキシシロキサン
基、ポリn−ブトキシシロキサン基等が挙げられる。
【0030】有機ポリマー(P)の分子量は、特に限定
されないが、たとえば、後述する有機溶剤に確実に溶解
するためには、数平均分子量が200,000以下であ
るのが好ましく、50,000以下であるのがさらに好
ましい。有機ポリマー(P)は従来公知の方法により製
造できる。前述したように、有機ポリマー(P)は、ポ
リシロキサン基と、前述のパーフルオロアルキル基お
よび/またはシリコーン基およびパーフルオロアルキ
ル基および/またはシリコーン基を導入することができ
る官能基のうちの少なくとも1種とを含んでいる。
【0031】ポリシロキサン基を有機ポリマー(P)に
導入する方法としては、たとえば、以下に示す(1)〜
(4)の方法が挙げられるが、これらの方法に限定され
るものではない。 (1)二重結合基やメルカプト基を有するようなシラン
カップリング剤の存在下、ラジカル重合性モノマーをラ
ジカル(共)重合した後、得られた(共)重合体と後述
するシラン化合物(H)および/またはその誘導体とを
共加水分解・縮合する方法。
【0032】(2)二重結合基やメルカプト基を有する
ようなシランカップリング剤と後述するシラン化合物
(H)および/またはその誘導体とを共加水分解・縮合
した後、得られた共加水分解・縮合物(以下重合性ポリ
シロキサンと略す)の存在下、ラジカル重合性モノマー
をラジカル(共)重合する方法。 (3)二重結合基、アミノ基、エポキシ基、メルカプト
基等の反応性基を有するようなシランカップリング剤
と、前記反応性基と反応するような基を有するポリマー
とを反応させた後、得られたポリマーと後述するシラン
化合物(H)および/またはその誘導体とを共加水分解
・縮合する方法。
【0033】(4)二重結合基、アミノ基、エポキシ
基、メルカプト基等の反応性基を有するようなシランカ
ップリング剤と後述するシラン化合物(H)および/ま
たはその誘導体とを共加水分解・縮合した後、得られた
前記反応性基を有するような共加水分解・縮合によって
得られたものと、前記反応性基と反応するような基を有
するポリマーとを反応させる方法。
【0034】上記の中でも、(2)の方法がより容易に
反応を行うことができるため好ましい。また、前述の
パーフルオロアルキル基および/またはシリコーン基、
および、パーフルオロアルキル基および/またはシリ
コーン基を導入することができる官能基から選ばれる少
なくとも1種の基を有機ポリマー(P)中へ導入する方
法としては、たとえば、前述の有機ポリマー(P)を重
合によって製造する際に、共重合成分として、前述した
パーフルオロアルキル基および/またはシリコーン
基、および、パーフルオロアルキル基および/または
シリコーン基を導入することができる官能基から選ばれ
る少なくとも1種の基を含有する重合性単量体を用いる
ことにより行えるが、この方法に限定されるものではな
い。
【0035】加水分解可能な金属化合物(G)は、加水
分解、さらに縮合することにより3次元的にネットワー
クを形成することができる。このような金属化合物
(G)を具体的に例示すると、例えば、金属ハロゲン化
物、硝酸金属塩、硫酸金属塩、金属アンモニウム塩、有
機金属化合物、アルコキシ金属化合物またはこれらの金
属化合物の誘導体等が挙げられる。前記金属化合物
(G)は、1種のみまたは2種以上を混合して使用する
ことができる。
【0036】金属化合物(G)としては、金属化合物
(G)を構成する金属元素が元素周期律表のIII 族、IV
族、V族の各元素からなる群から選ばれる少なくとも1
種の金属元素であるものが好ましい。中でも、金属化合
物(G)を構成する金属元素がSi、Al、Tiおよび
Zrからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素
によって構成される金属化合物がより好ましい。また、
前記金属化合物(G)の加水分解速度と有機ポリマー
(P)中のポリシロキサン基が有するR1 O基との加水
分解速度が同等であれば、共加水分解・縮合反応を制御
し易いため、金属化合物(G)を構成する金属元素とし
ては、Siが最も好ましい。
【0037】このような金属化合物(G)の具体例とし
ては、ホウ酸、ホウ酸アンモニウム、三臭化ホウ素、三
塩化ホウ素、二塩化メチルホウ素、ホウ酸トリメチル、
ホウ酸トリエチル、ホウ酸トリイソプロピル、ホウ酸ト
リブチル、メチルホウ酸、メチルホウ酸ジメチル、水酸
化アルミニウム、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウ
ム、硫酸アルミニウム、硫酸アルミニウムアンモニウ
ム、アルミニウムトリメトキシド、アルミニウムトリエ
トキシド、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミ
ニウムトリブトキシド、ジメチルアルミニウムメトキシ
ド、イソプロピルアルミニウムジクロライド、エチルエ
トキシアルミニウムクロライド、四塩化ケイ素、トリメ
チルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルト
リクロロシラン、ジメチルエトキシシラン、フェニルト
リヒドロキシシラン、トリメチルヒドロキシシラン、ジ
メチルジヒドロキシシラン、メチルトリアセトキシシラ
ン、ジメチルジアセトキシシラン、トリメチルアセトキ
シシラン、テトラアセトキシシラン、テトラメトキシシ
ラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシ
ラン、テトラブトキシシラン、トリメトキシシラン、ト
リエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ビニル
トリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラ
ン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−
(2−アミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシラ
ン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキ
シシラン、ジメトキシジメチルシラン、ジメトキシメチ
ルシラン、ジエトキシメチルシラン、ジエトキシ−3−
グリシドキシプロピルメチルシラン、3−クロロプロピ
ルジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチルフェニル
シラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキ
シシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメトキシジエ
トキシシラン、四塩化ゲルマニウム、メチルゲルマニウ
ムトリクロライド、ジメチルゲルマニウムジクロライ
ド、トリメチルゲルマニウムクロライド、メチルゲルマ
ニウムトリアセテート、ジメチルゲルマニウムジアセテ
ート、トリメチルゲルマニウムアセテート、ゲルマニウ
ムテトラメトキシド、ゲルマニウムテトラエトキシド、
メチルゲルマニウムトリエトキシド、ジメチルゲルマニ
ウムジメトキシド、トリメチルゲルマニウムメトキシ
ド、塩化第1錫、塩化第2錫、メチル錫トリクロライ
ド、ジメチル錫ジクロライド、トリメチル錫クロライ
ド、ジブチル錫ジアセテート、トリブチル錫ハイドライ
ド、トリメチル錫フォルメート、トリメチル錫アセテー
ト、トリエチル錫ヒドロキシド、ジメチル錫ジメトキシ
ド、トリメチル錫メトキシド、ジメチル錫ジエトキシ
ド、ジブチル錫ジブトキシド、亜リン酸、リン酸、三塩
化リン、オキシ塩化リン、五塩化リン、リン酸一アンモ
ニウム、リン酸二アンモニウム、リン酸三アンモニウ
ム、メチル亜リン酸ジクロライド、フェニル亜リン酸ジ
クロライド、ジメチル亜リン酸クロライド、メチルリン
酸ジクロライド、メチル亜リン酸、メチルリン酸、亜リ
ン酸トリメチル、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリイ
ソプロピル、亜リン酸トリブチル、亜リン酸トリフェニ
ル、メチル亜リン酸ジエチル、フェニル亜リン酸ジエチ
ル、ジメチル亜リン酸エチル、ジフェニル亜リン酸エチ
ル、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリ
フェニル、メチルリン酸ジメチル、エチルリン酸ジエチ
ル、ジメチルリン酸エチル、ジエチルリン酸メチル、四
塩化チタン、硫酸チタニル、メチルトリクロロチタン、
ジメチルジクロロチタン、テトラメトキシチタン、テト
ラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テト
ラブトキシチタン、テトラ(2−エチルヘキシロキシ)
チタン、ジエトキシジブトキシチタン、イソプロポキシ
チタントリオクタレート、ジイソプロポキシチタンジア
クリレート、トリブトキシチタンステアレート、四塩化
ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、ジルコニウム
アセテート、ジルコニウムラクテート、テトラメトキシ
ジルコニウム、テトラエトキシジルコニウム、テトライ
ソプロポキシジルコニウム、テトラブトキシジルコニウ
ム等が挙げられる。
【0038】また、金属化合物(G)として、上記金属
化合物の誘導体を使用することがてきる。金属化合物の
誘導体とは、例えば、ハロゲン、NO3 、SO4 、アル
コキシ基、アシロキシ基等の加水分解性基の一部をジカ
ルボン酸基、オキシカルボン酸基、β−ジケトン基、β
−ケトエステル基、β−ジエステル基、アルカノールア
ミン基等のキレート化合物を形成しうる基で置換した金
属化合物あるいは前記金属化合物および/または前記キ
レート置換金属化合物を部分的に加水分解および/また
は縮合して得られるオリゴマーおよびポリマー等であ
る。
【0039】上記のキレート置換化合物としては、例え
ば、ジイソプロポキシチタンジアセチルアセトネート、
オキシチタンジアセチルアセトネート、ジブトキシチタ
ンビストリエタノールアミネート、ジヒドロキシチタン
ジラクテート、ジルコニウムアセチルアセトネート、ア
セチルアセトンジルコニウムブトキシド、トリエタノー
ルアミンジルコニウムブトキシド、アルミニウムアセチ
ルアセトネート等が挙げられる。
【0040】中でも、金属化合物(G)が、下記の一般
式 (R2O)mMR3 n-m ─ (一般式中、但し、MはSi、Al、TiおよびZr
からなる群より選ばれる、少なくとも1種の金属元素、
2 は水素原子またはアルキル基、アシル基から選ばれ
る置換されていても良い少なくとも一種の基、R3 はア
ルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル
基から選ばれる、置換されていても良い少なくとも1種
の基、nは金属元素Mの価数、mは1〜nの整数、R2
および/またはR3 が1分子中に複数ある場合、複数の
2 および/またはR3 は互いに同一であってもよく、
異なってもよい。)で示される化合物およびその誘導体
から選ばれる少なくとも1種を用いるのが好ましい。
【0041】ここでR2 の具体例としては、アルキル基
としては、たとえば、メチル基、エチル基、プロピル
基、イソプロピル基、ブチル基、第2級ブチル基、第3
級ブチル基、ペンチル基等が挙げられる。また、アシル
基としては、アセチル基、プロピオニル基等が挙げられ
る。R2 は水素原子、メチル基、エチル基が好ましく、
メチル基が最も好ましい。これはR2 O基の加水分解・
縮合速度がさらに速くなるという理由による。
【0042】また、R3 の具体例としては、アルキル基
としては、たとえば、メチル基、エチル基、プロピル
基、イソプロピル基、ブチル基、第2級ブチル基、第3
級ブチル基、ペンチル等基が挙げられる。シクロアルキ
ル基としては、たとえば、シクロヘキシル基等が挙げら
れる。アリール基としては、たとえば、フェニル基、ト
リル基、キシリル基等が挙げられる。アラルキル基とし
ては、たとえば、ベンジル基等の基が挙げられる。また
置換されていても良いアルキル基、シクロアルキル基、
アリール基、アラルキル基とは、上記アルキル基、シク
ロアルキル基、アリール基、アラルキル基の有する水素
原子の1個または2個以上が、例えば、メトキシ基、エ
トキシ基等のアルコキシ基、アミノ基、ニトロ基、エポ
キシ基、ハロゲン等の官能基で置換された基を示す。
【0043】一般式で示される金属化合物(G)の具
体例としては、メチルトリアセトキシシラン、ジメチル
ジアセトキシシラン、トリメチルアセトキシシラン、テ
トラアセトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラ
エトキシシラン、テトライソプロキシシラン、テトラブ
トキシシラン、メチルトリメトキシシラン、フェニルト
リメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメ
トキシジメチルシラン、ジメトキシメチルフェニルシラ
ン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシ
ラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメトキシジエトキ
シシラン、アルミニウムトリメトキシド、アルミニウム
トリエトキシド、アルミニウムトリイソプロポキシド、
アルミニウムトリブトキシド、ジメチルアルミニウムメ
トキシド、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタ
ン、テトライソプロポキシチタン、テトラブトキシチタ
ン、テトラ(2−エチルヘキシロキシ)チタン、ジエキ
トシジブトキシチタン、イソプロキシチタントリオクタ
レート、ジイソプロポキシチタンジアクリレート、トリ
ブトキシチタンステアレート、ジルコニウムアセテー
ト、テトラメトキシジルコニウム、テトラエトキシジル
コニウム、テトライソプロポキシジルコニウム、テトラ
ブトキシジルコニウム等が挙げられる。また、一般式
で示される金属化合物(G)の誘導体の具体例として
は、ジイソプロポキシチタンジアセチルアセトネート、
オキシチタンジアセチルアセトネート、ジブトキシチタ
ンビストリエタノールアミネート、ジヒドロキシチタン
ジラクチート、ジルコニウムアセチルアセトネート、ア
セチルアセトンジルコニウムブトキシド、トリエタノー
ルアミンジルコニウムブトキシド、アルミニウムアセチ
ルアセトネート等が挙げられる。
【0044】さらに、工業的に入手し易く、製造装置お
よび最終製品の諸物性に悪影響を及ぼすハロゲン等を含
んでいない等の理由から、一般式においてMがSiで
あるシラン化合物(H)およびその誘導体から選ばれる
少なくとも1種を用いることがより好ましい。シラン化
合物(H)の具体例としては、メチルトリアセトキシシ
ラン、ジメチルジアセトキシシラン、トリメチルアセト
キシシラン、テトラアセトキシシラン、テトラメトキシ
シラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシ
シラン、テトラブトキシシラン、メチルトリメトキシシ
ラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエト
キシシラン、ジメトキシジメチルシラン、ジメトキシメ
チルフェニルシラン、トリメチルメトキシシラン、トリ
メチルエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジ
メトキシジエトキシシラン等が挙げられる。また、シラ
ン化合物(H)の誘導体の具体例としては、上記シラン
化合物(H)の加水分解・縮合物等が挙げられる。
【0045】シラン化合物(H)のうち、アルコキシシ
ラン化合物が原料として入手し易く特に好ましい。ま
た、シラン化合物(H)およびその誘導体が、Si(O
24 およびその誘導体であると、加水分解・縮合速
度が速く、より強固な骨格を形成した有機ポリマー複合
無機微粒子が得られる点で好ましい。製造方法Aでは、
有機ポリマー複合無機微粒子は、有機ポリマー(P)を
単独または上記金属化合物(G)とともに加水分解・縮
合して製造される。加水分解・縮合の方法は特に限定さ
れないが、反応を容易に行えるという理由から、溶液中
で行うのが好ましい。ここでいう溶液とは、後述する有
機溶剤および/または水を含有する溶液であり、その組
成は特に限定されるものではない。
【0046】前記有機溶剤の具体例としては、たとえ
ば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素
類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチ
ル、酢酸イソブチル、酢酸エチレングリコールモノメチ
ルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテ
ル、酢酸エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸
プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピ
レングリコールモノエチルエーテル、酢酸プロピレング
リコールモノブチルエーテル等のエステル類;アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の
ケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルエ
ーテル、ジ−n−ブチルエーテル等のエーテル類;メタ
ノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブ
タノール、エチレングリコール、エチレングリコールモ
ノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエー
テル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピ
レングリコール、プロピレングリコールモノメチルエー
テル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロ
ピレングリコールモノブチルエーテル等のアルコール
類;塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水
素類等が挙げられ、これら有機溶剤の少なくとも1種ま
たは2種以上を使用してもよい。中でも、水と溶解可能
なアルコール類、ケトン類、エーテル類を必須として用
いることが好ましい。
【0047】有機ポリマー(P)単独または有機ポリマ
ー(P)と金属化合物(G)の加水分解・縮合は無触媒
でも行うことができるが、酸性触媒または塩基性触媒の
1種または2種以上を用いることができる。酸性触媒の
具体例としては、たとえば、塩酸、硫酸、硝酸、燐酸等
の無機酸類;酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、p−トル
エンスルホン酸等の有機酸類;酸性イオン交換樹脂等が
挙げられる。また、塩基性触媒の具体例としては、たと
えば、アンモニア;トリエチルアミン、トリプロピルア
ミン等の有機アミン化合物;ナトリウムメトキシド、ナ
トリウムエトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエ
トキシド、カリウム−t−ブトキシド、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等のアルカリ金属化合物;塩基性イ
オン交換樹脂等が挙げられる。触媒の種類は、酸性触媒
よりも塩基性触媒を用いると、加水分解・縮合によって
得られる無機成分が、より強固な骨格を形成するため
に、好ましい。
【0048】加水分解・縮合の際の原料組成は、特に限
定されるものではないが、有機ポリマー(P)、金属化
合物(G)、有機溶剤、触媒および水等よりなる原料組
成物全量に対して、有機ポリマー(P)の量は、0.1
〜80重量%が好ましく、0.5〜30重量%がより好
ましい。金属化合物(G)の量は、0〜80重量%が好
ましく、0〜50重量%がより好ましい。有機溶剤の量
は、0〜99.9重量%が好ましく、20〜99重量%
がより好ましい。触媒の量は、0〜20重量%が好まし
く、0〜10重量%がより好ましい。
【0049】加水分解・縮合に用いる水の量は、有機ポ
リマー(P)単独または有機ポリマー(P)と金属化合
物(G)が、加水分解・縮合によって粒子化する量であ
れば、とくに限定されないが、加水分解・縮合をより十
分に行い、粒子の骨格をより強固にするには、使用する
水の量は多ければ多いほど良い。具体的には、加水分解
・縮合する加水分解性基に対する水のモル比が、0.1
以上であり、好ましくは0.5以上、より好ましくは1
以上の条件で加水分解・縮合を行うことにより有機ポリ
マー複合無機微粒子が得られる。
【0050】加水分解・縮合の操作方法は、特に限定さ
れるものではないが、具体例としては、たとえば、前記
有機ポリマー(P)またはその溶液を、また、金属化合
物(G)も用いる場合は、金属化合物(G)またはその
溶液を、水を含有する溶液に添加し、反応温度が0〜1
00℃で、好ましくは0〜70℃の範囲で、5分間〜1
00時間攪拌することによって行われる。この際、有機
ポリマー(P)またはその溶液、金属化合物(G)また
はその溶液を混合してあるいはそれぞれ別々に、一括、
分割、連続等の任意の添加方法で反応できる。また、添
加を逆にして、水を含有する溶液を、有機ポリマー
(P)またはその溶液や金属化合物(G)またはその溶
液中に添加しても良い。また、加水分解・縮合におい
て、前記の触媒の1種または2種以上を使用することが
できる。触媒の使用方法は、特に限定されるものではな
いが、あらかじめ水、有機溶剤、有機ポリマー(P)、
金属化合物(G)に混合して使用することができる。反
応終了後、加水分解・縮合によって生成した副生物およ
び触媒等を濾過や蒸留などで除去してもよく、得られた
有機ポリマー複合無機微粒子を反応混合物から単離する
方法は、常法によることができ、たとえば、溶媒の留
去、遠心分離、再沈、限外ろ過等により単離、精製する
ことができる。
【0051】加水分解・縮合の方法は、前記のように特
に制限されるものではないが、より狭い(シャープな)
粒子径分布を有する有機ポリマー複合無機微粒子を製造
できる点で以下の方法がより好ましい。すなわち、反応
容器中に下記原料液(A)および原料液(B)を、個別
にかつ同時に供給して加水分解・縮合を行うことによ
り、有機ポリマー複合無機微粒子がより好ましく製造さ
れる。
【0052】原料液(A): 有機ポリマー(P)また
は有機ポリマー(P)と加水分解可能な金属化合物
(G)とを含有する液 原料液(B): 水を必須成分とする液 また、反応容器中に原料液(A)および原料液(B)と
ともに、個別にかつ同時に、下記原料液(C)を供給す
るのも好ましい。
【0053】原料液(C): 加水分解可能な金属化合
物(G)を含有する液 また、原料液(A)中に少なくとも1種の加水分解可能
な金属化合物(G)を含有させておいて上記の加水分解
・縮合するのも好ましい。このような方法で加水分解・
縮合を行うと、加水分解・縮合に伴う有機ポリマー複合
無機微粒子の析出過程をより制御しやすくなって、より
シャープな粒子径分布を有する有機ポリマー複合無機微
粒子が得られる。
【0054】前記原料液(A)〜原料液(C)の、反応
容器中への個別の供給とは、各原料液が反応容器中に供
給される以前に、各原料液が混合することなく供給が行
われることである。また、原料液(A)〜原料液(C)
の、反応容器中への同時の供給とは、下記の式で定義さ
れる任意の時間tにおける原料液(A)および原料液
(C)の原料液(B)に対する供給比Xa 、Xc が、好
ましくは0.1〜10で、より好ましくは0.3〜3
で、特に好ましくは0.5〜2で供給されることであ
る。
【0055】Xa =(a/A)/(b/B) Xc =(c/C)/(b/B) (式中、Aは原料液(A)の全量、Bは原料液(B)の
全量、Cは原料液(C)の全量を示す。また、aは任意
の時間tにおいて、既に供給された原料液(A)の量、
bは任意の時間tにおいて、既に供給された原料液
(B)の量、cは任意の時間tにおいて、既に供給され
た原料液(C)の量を示す。) 有機ポリマー(P)が、前述のパーフルオロアルキル
基および/またはシリコーン基を導入することができる
官能基を含む場合は、製造方法Aは、この官能基と反応
する基と、パーフルオロアルキル基および/またはシリ
コーン基とを含有する化合物を、製造方法Aの加水分解
・縮合する工程で得られる有機ポリマー(P)の加水分
解・縮合物と反応させて、パーフルオロアルキル基およ
び/またはシリコーン基を導入する工程をさらに含むこ
とによって、得られる有機ポリマー複合無機微粒子にパ
ーフルオロアルキル基および/またはシリコーン基を導
入することができる。
【0056】前記官能基と反応する基は、官能基の種類
によって異なるが、その具体例としては、たとえば、官
能基が水酸基である場合には、オキサゾリン基、カルボ
キシル基およびエポキシ基;官能基がカルボキシル基で
ある場合には、オキサゾリン基、水酸基、エポキシ基お
よびメルカプト基;官能基がエポキシ基である場合に
は、オキサゾリン基、カルボキシル基、水酸基、アミノ
基およびメルカプト基;官能基がアミノ基である場合に
は、オキサゾリン基、エポキシ基およびビニル基;官能
基がビニル基である場合には、アミノ基;官能基がオキ
サゾリン基である場合には、エポキシ基、カルボキシル
基、水酸基、アミノ基およびメルカプト基;官能基がメ
ルカプト基である場合には、オキサゾリン基、エポキシ
基、カルボキシル基およびエポキシ基等が挙げられる。有機ポリマー複合無機微粒子分散体 有機ポリマー複合無機微粒子分散体は、本発明の有機ポ
リマー複合無機微粒子を含有するものである。また、有
機ポリマー複合無機微粒子分散体は、本発明の有機ポリ
マー複合無機微粒子の製造方法で得られた有機ポリマー
複合無機微粒子を含有するものでもよい。すなわち、有
機ポリマー複合無機微粒子分散体は、たとえば、本発明
の有機ポリマー複合無機微粒子を任意の溶液に分散させ
たもの、本発明の有機ポリマー複合無機微粒子の製造方
法で得られた反応混合物、前記反応混合物中の溶媒を加
熱下蒸留しながら他の溶媒に置換したもの、前記反応混
合物中の溶媒を留去、遠心分離、再沈、限外ろ過等によ
り有機ポリマー複合無機微粒子を単離した後、分散媒に
分散させたもの等であり、種々の分散媒に分散した分散
体である。
【0057】有機ポリマー複合無機微粒子分散体は、粗
大粒子、凝集物、沈澱がなく、長期間にわたって沈澱の
生成やゲル化が起こらない性質を有している。分散体中
の有機ポリマー複合無機微粒子の分散状態は、光散乱式
粒度分布測定等によって確認することができる。従来の
方法で得られる分散体と異なり、有機ポリマー複合無機
微粒子分散体は、分散体中の有機ポリマー複合無機微粒
子が凝集することなく、シャープな粒子径分布を維持し
た分散体である。
【0058】分散媒については、その組成等に特に制限
されないが、有機ポリマー複合無機微粒子中の有機鎖が
溶解する有機溶剤または水が好ましい。前記製造方法で
説明した有機溶剤の中でも、エステル類、アルコール
類、ケトン類、芳香族炭化水素類からなる群より選ばれ
る少なくとも1種の有機溶剤および/または水に有機ポ
リマー複合無機微粒子が分散した分散体は長期間保存安
定性が良く、さらに種々の有機媒体への分散安定性が良
好であるため、種々の用途に利用できる。
【0059】有機ポリマー複合無機微粒子分散体中の有
機ポリマー複合無機微粒子の濃度は、特に制限されない
が、好ましくは0.5〜70重量%であり、さらに好ま
しくは1〜50重量%である。有機ポリマー複合無機微
粒子分散体中の有機ポリマー複合無機微粒子の濃度が高
いと、分散体の粘度が高くなり、各種用途に使用しにく
くなる。成膜用組成物 本発明の成膜用組成物は有機ポリマー複合無機微粒子を
含む。成膜用組成物は上記で説明した有機ポリマー複合
無機微粒子の製造方法で得られた複合無機微粒子や、有
機ポリマー複合無機微粒子分散体を含むものであっても
よい。
【0060】成膜用組成物に含まれる有機ポリマー複合
無機微粒子を構成する有機ポリマーは、特に限定されな
いが、中でも被膜形成能を有している(メタ)アクリル
系樹脂、(メタ)アクリル−スチレン系樹脂、(メタ)
アクリル−ポリエステル系樹脂が好ましい。本発明の成
膜用組成物は、従来のものと比較して、本発明の有機ポ
リマー複合無機微粒子を必須に含有しているので、被膜
物性が従来品よりも向上する。たとえば、一般の塗料用
樹脂等に本発明の有機ポリマー複合無機微粒子を添加し
た成膜用組成物では、表面硬度、密着性、耐候性、耐薬
品性、耐熱性、耐摩耗性、耐汚染性等の被膜物性の良い
塗膜を与える。また、有機ポリマー複合無機微粒子の使
用量がより少ない場合でも、この複合無機微粒子が得ら
れる塗膜の表面近傍に密集するようになるため、特に、
表面硬度、耐候性、耐摩耗性および耐汚染性等の被膜物
性が高い。
【0061】本発明の有機ポリマー複合無機微粒子は、
無機微粒子表面に有機ポリマーが固定されてなる構造を
有しており、有機ポリマーがバインダーとして作用する
ことにより、後述する各種基材にそのまま単独で塗布し
ても被膜を形成することができ、前記有機ポリマー複合
無機微粒子を含有する成膜用組成物は、透明で光沢のあ
る良好な被膜を提供することができる。
【0062】成膜用組成物は、本発明の有機ポリマー複
合無機微粒子を必須成分として含有してなるものであれ
ば、その量および塗料用樹脂等の他の成分の有無等につ
いては特に限定されないが、成膜用組成物を塗布した後
の被膜において、有機ポリマーが架橋構造を有すれば、
耐溶剤性、耐熱性、表面硬度等の被膜物性がさらに向上
するので好ましい。
【0063】成膜用組成物を塗布した後、最終的に得ら
れる被膜において、有機ポリマーが架橋構造を有する成
膜用組成物として、たとえば、以下に示すものが挙げら
れる。 (1) 官能基(X)を有する有機ポリマー(P)を用
いて、上述した方法により得られる、官能基(X)を有
する有機ポリマー複合無機微粒子と、官能基(X)と反
応するような官能基(Y)を2個以上有する化合物また
は樹脂とを含む成膜用組成物。 (2) 官能基(X)を有する有機ポリマー(P)を用
いて、上述した方法により得られる、官能基(X)を有
する有機ポリマー複合無機微粒子と、官能基(X)と反
応するような官能基(Y)を有する有機ポリマー(P)
を用いて、上述した方法により得られる、官能基(Y)
を有する有機ポリマー複合無機微粒子とを含む成膜用組
成物。 (3) 官能基(X)を有する有機ポリマー(P)を用
いて、上述した方法により得られる、官能基(X)を有
する有機ポリマー複合無機微粒子と、官能基(X)と反
応するような官能基(Y)を2個以上有する化合物また
は樹脂と、官能基(X)と反応するような官能基(W)
を有する有機ポリマー(P)を用いて、上述した方法に
より得られる、官能基(W)を有する有機ポリマー複合
無機微粒子とを含む成膜用組成物。 (4) 上記(1)〜(3)において、さらに官能基
(X)を2個以上有する化合物および/または樹脂も含
有する成膜用組成物。
【0064】ここで、官能基(X)としては、たとえ
ば、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基、
メルカプト基、オキサゾリン基、アルデヒド基等が挙げ
られ、これら官能基(X)と反応する官能基(Y)、官
能基(W)としては、たとえば、イソシアネート基、エ
ポキシ基、水酸基、メルカプト基、アミノ基、不飽和
基、カルボキシル基等が挙げられる。
【0065】また、官能基(X)、官能基(Y)や官能
基(W)を有する有機ポリマー複合無機微粒子中の官能
基(X)や官能基(Y)、官能基(W)のそれぞれの個
数は特に限定されないが、少なすぎると架橋点数が減少
し、耐溶剤性、耐熱性、表面硬度などの被膜物性が低下
する傾向がある。中でも、官能基(X)として水酸基を
有する有機ポリマー複合無機微粒子と、水酸基と反応す
るような官能基(Y)を2個以上有する化合物および/
または樹脂として、多官能イソシアネート化合物、メラ
ミン化合物およびアミノプラスト樹脂からなる群の中か
ら選ばれた少なくとも1種の化合物(J)とを含有する
成膜用組成物は、保存安定性が良好であり、耐汚染性、
可とう性、耐候性、保存安定性等の良好な被膜物性の塗
膜を与えることができ、得られる被膜も光沢があるため
好ましい。有機ポリマー中にさらに水酸基を含有する本
発明の有機ポリマー複合無機微粒子と、多官能イソシア
ネート化合物、メラミン化合物およびアミノプラスト樹
脂からなる群の中から選ばれた少なくとも1種の化合物
(J)とを含有する成膜用組成物も、上記と同様に好ま
しい。
【0066】多官能イソシアネート化合物としては、脂
肪族、脂環族、芳香族およびその他の多官能イソシアネ
ート化合物やこれらの変性化合物を挙げることができ
る。多官能イソシアネート化合物の具体例としては、た
とえば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソ
シアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキ
サメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネ
ート、リジンジイソシアネート、2,2,4−トリメチ
ルヘキシルメタンジイソシアネート、メチルシクロヘキ
サンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソ
シアネートのビウレット体、イソシアヌレート体等の3
量体等;これらの多官能イソシアネート類とプロパンジ
オール、ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、
トリメチロールプロパン等の多価アルコールとの反応に
より生成される2個以上のイソシアネート基が残存する
化合物;これらの多官能イソシアネート化合物をエタノ
ール、ヘキサノール等のアルコール類、フェノール、ク
レゾール等のフェノール性水酸基を有する化合物、アセ
トオキシム、メチルエチルケトキシム等のオキシム類、
ε−カプロラクタム、γ−カプロラクタム等のラクタム
類等のブロック剤で封鎖したブロックド多官能イソシア
ネート化合物等を挙げることができる。これらの多官能
イソシアネート化合物は、1種または2種以上の混合物
を使用できる。中でも、好ましくない被膜の黄変色を防
止するために、芳香環に直接結合したイソシアネート基
を有しない無黄変性多官能イソシアネート化合物が好ま
しい。
【0067】メラミン化合物としては、たとえば、ジメ
チロールメラミン、トリメチロールメラミン、テトラメ
チロールメラミン、ペンタメチロールメラミン、ヘキサ
メチロールメラミン、イソブチルエーテル型メラミン、
n−ブチルエーテル型メラミン、ブチル化ベンゾグアナ
ミン等を挙げることができる。アミノプラスト樹脂の具
体例としては、アルキルエーテル化メラミン樹脂、尿素
樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等が挙げられ、これらのア
ミノプラスト樹脂は、1種または2種以上の混合物もし
くは共縮合物を使用できる。
【0068】ここで、アルキルエーテル化メラミン樹脂
とは、アミノトリアジンをメチロール化し、シクロヘキ
サノールまたは炭素数1〜6のアルカノールでアルキル
エーテル化して得られるものであり、ブチルエーテル化
メラミン樹脂、メチルエーテル化メラミン樹脂、メチル
ブチル混合メラミン樹脂が代表的なものである。また、
硬化を促進させるためのスルホン酸系触媒、たとえば、
パラトルエンスルホン酸およびそのアミン塩等を使用す
ることができる。
【0069】成膜用組成物が、1分子中に2個以上の水
酸基を含有するポリオール(Q)をさらに含むものであ
ると、得られる被膜の強度、可とう性、耐溶剤性等の被
膜物性が向上するので、さらに好ましい。1分子中に2
個以上の水酸基を含有してなるポリオール(Q)として
は、前述の有機溶剤に溶解するものであれば特に限定さ
れないが、有機ポリマー複合無機微粒子中の有機ポリマ
ーと相溶性を有するものであれば、被膜の光沢あるいは
透明性が向上するため好ましい。従って、有機ポリマー
と同じ組成であるものが最も好ましい。
【0070】ポリオール(Q)としては、たとえば、後
述の水酸基含有不飽和単量体を含む単量体成分を重合し
て得られるポリオール、水酸基過剰の条件で得られるポ
リエステルポリオール等を挙げることができる。これら
は1種または2種以上を使用してもよい。水酸基含有不
飽和単量体としては、(イ)たとえば、アクリル酸2−
ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピ
ル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸
2−ヒドロキシプロピル、アリルアルコール、ホモアリ
ルアルコール、ケイヒアルコール、クロトニルアルコー
ル等の水酸基含有不飽和単量体、(ロ)たとえば、エチ
レングリコール、エチレンオキサイド、プロピレングリ
コール、プロピレンオキサイド、ブチレングリコール、
ブチレンオキサイド、1,4−ビス(ヒドロキシメチ
ル)シクロヘキサン、フェニルグリシジルエーテル、グ
リシジルデカノエート、プラクセルFM−1(ダイセル
化学工業株式会社製)等の2価アルコールまたはエポキ
シ化合物と、たとえば、アクリル酸、メタクリル酸、マ
レイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸等の不飽
和カルボン酸との反応で得られる水酸基含有不飽和単量
体等を挙げることができる。これらの水酸基含有不飽和
単量体から選ばれる少なくとも1種以上を重合してポリ
オールを製造することができる。
【0071】また、アクリル酸エチル、アクリル酸n−
プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブ
チル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸エチル
ヘキシル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロ
ピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブ
チル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸エ
チルヘキシル、メタクリル酸グリシジル、スチレン、ビ
ニルトルエン、1−メチルスチレン、アクリル酸、メタ
クリル酸、アクリロニトリル、酢酸ビニル、プロピオン
酸ビニル、ステアリン酸ビニル、酢酸アリル、アジピン
酸ジアリル、イタコン酸ジアリル、マレイン酸ジエチ
ル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリルアミド、N
−メチロールアクリルアミド、N−ブトキシメチルアク
リルアミド、ジアセトンアクリルアミド、エチレン、プ
ロピレン、イソプレン等から選ばれる少なくとも1種以
上のエチレン性不飽和単量体と前記(イ)および(ロ)
から選ばれる水酸基含有不飽和単量体とを重合してポリ
オールを製造することもできる。
【0072】水酸基含有不飽和単量体を含む単量体成分
を重合して得られるポリオールの分子量は1,000〜
500,000であり、好ましくは、5,000〜10
0,000である。また、その水酸基価は5〜300で
あり、好ましくは10〜200である。水酸基過剰の条
件で得られるポリエステルポリオールは、たとえば、エ
チレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタン
ジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタン
ジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレング
リコール、デカメチレングリコール、2,2,4−トリ
メチル−1,3−ペンタンジオール、トリメチロールプ
ロパン、ヘキサントリオール、グリセリン、ペンタエリ
スリトール、シクロヘキサンジオール、水添ビスフェノ
ールA、ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ハ
イドロキノンビス(ヒドロキシエチルエーテル)、トリ
ス(ヒドロキシエチル)イソシヌレート、キシリレング
リコール等の多価アルコールと、たとえば、マレイン
酸、フマル酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、ア
ゼライン酸、トリメット酸、テレフタル酸、フタル酸、
イソフタル酸等の多塩基酸とを、前記多価アルコール中
の水酸基数が前記多塩基酸のカルボキシル基数よりも多
い条件で反応させて製造することができる。
【0073】水酸基過剰の条件で得られるポリエステル
ポリオールの分子量は500〜300,000であり、
好ましくは、2,000〜100,000である。ま
た、その水酸基価は5〜300であり、好ましくは10
〜200である。ポリオール(Q)の成膜用組成物中の
添加量は、任意の量を添加することができるが、成膜用
組成物中のポリオール(Q)/有機ポリマー複合無機微
粒子の重量比は、0/100〜99/1であり、好まし
くは30/70〜95/5である。ポリオール(Q)の
割合が30%以上では、被膜の可とう性が高く、有機ポ
リマー複合無機微粒子の割合が5%以上では、被膜の表
面硬度、耐汚染性に優れる。
【0074】ポリオール(Q)としては、前記ポリエス
テルポリオールが好ましく使用される。また、前記水酸
基含有不飽和単量体を含む単量体成分を重合して得ら
れ、かつ、(メタ)アクリル単位等を有するポリオール
であるアクリルポリオールも好ましく使用される。ポリ
オール(Q)は、用途に応じて、ポリエステルポリオー
ルとアクリルポリオールのいずれか一方を使用してもよ
く、両方を使用してもよい。
【0075】ポリオール(Q)中の水酸基の個数は、1
分子当たり2個以上であれば特に限定されないが、固形
分中の水酸基価が10以下であると架橋点数が減少し、
耐溶剤性、耐水性、耐熱性、表面硬度等の被膜物性が低
下する傾向がある。本発明の成膜用組成物は、有機ポリ
マー複合無機微粒子を種々の有機溶剤および/または水
に分散したものであってもよく、使用する分散媒の種類
および組成等に特に制限はないが、有機ポリマー複合無
機微粒子中の有機鎖が溶解する有機溶剤および/または
水が好ましい。このような有機溶剤としては、たとえ
ば、製造方法Aで使用される前述の有機溶剤を挙げるこ
とができる。有機溶剤および/または水の使用量は、特
に制限はなく、適宜量使用することができる。また、種
々の塗料用樹脂等の他成分を混合したものであってもよ
い。
【0076】また、成膜用組成物中には、1種以上の添
加剤を混合してもよい。成膜用組成物に使用する添加剤
としては、特に制限はなく、たとえば、塗料用に一般に
使用される各種レベリング剤、顔料分散剤、紫外線吸収
剤、抗酸化剤、粘性改質剤、耐光安定剤、金属不活性化
剤、過酸化物分解剤、充填剤、補強剤、可塑剤、潤滑
剤、防食剤、防錆剤、乳化剤、鋳型脱色剤、カーボンブ
ラック、蛍光性増白剤、有機防炎剤、無機防炎剤、滴下
防止剤、溶融流改質剤、静電防止剤を挙げることができ
る。上記の適当な添加剤は、カナダ国特許第1,19
0,038号明細書に例示されている。
【0077】成膜用組成物に対して必要に応じて顔料を
添加することができ、添加する顔料の種類に制限はな
く、たとえば、黄鉛、モリブデートオレンジ、紺青、カ
ドミウム系顔料、チタン白、複合酸化物顔料、透明酸化
鉄等の無機顔料、環式高級顔料、溶性アゾ顔料、銅フタ
ロシアニン顔料、染付顔料、顔料中間体等の有機顔料を
例示することができる。
【0078】成膜用組成物が、多官能イソシアネート化
合物、メラミン化合物およびアミノプラスト樹脂からな
る群の中から選ばれた少なくとも1種の化合物(J)を
含有する場合は、架橋反応を促進させるために硬化触媒
をさらに使用するのが好ましい。前記硬化触媒として
は、酸性または塩基性の硬化触媒を使用できる。酸性硬
化触媒の具体例としては、トルエンスルホン酸、メタン
スルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸等の有機スル
ホン酸を挙げることができる。また、塩基性硬化触媒の
具体例としては、トリエチルアミン、メチルイミダゾー
ル、アクリジン、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム
ステアレート等のアミン系触媒;ジブチル錫ジラウレー
ト、ジブチル錫ジアセテート、スタナスオクトエート等
の有機錫化合物を挙げることができる。これら硬化触媒
の少なくとも1種または2種以上を使用してもよく、必
要に応じて助触媒を併用してもよい。
【0079】成膜用組成物は、例えばアルミニウム、ス
テンレス、トタン、ブリキ、鋼板、コンクリート、モル
タル、スレート、ガラス等の無機素材あるいはポリカー
ボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテ
レフタレート、紙等の有機素材の基板またはフィルム上
に被膜を形成することができる。また、浸漬、吹き付
け、刷毛塗り、ロールコート、スピンコート、バーコー
ト等の常法によって塗布することができる。
【0080】成膜用組成物より得られる被膜は、必要に
応じて、焼き付け乾燥が行われる。たとえば、室温〜3
00℃の範囲の温度で0.2分間以上加熱することによ
り被膜を形成するものであり、この被膜は透明で光沢の
ある優れた塗膜である。本発明の成膜用組成物は、前述
の耐溶剤性、耐汚染性、可とう性、耐候性、耐熱性、保
存安定性等の良好な被膜物性を利用して、自動車、船
舶、車両、建材、電化製品、産業機械、飲料缶、建築
物、構造物等の金属材料、無機材料、プラスチックなど
有機材料等の各種基材の表面に塗布することができ、各
種基材の表面保護や美粧等に有用な被膜を形成する。作用 本発明の有機ポリマー複合無機微粒子は、無機微粒子に
有機ポリマーが固定されており、任意の溶剤で有機ポリ
マー複合無機微粒子を洗った洗液中では、有機ポリマー
は検出されなくなる。また、有機ポリマー複合無機微粒
子は、無機微粒子の表面に有機ポリマーが固定されてい
ることにより、有機マトリックスに対して、良好な親和
性を有するようになる。
【0081】また、従来の無機微粒子の表面処理では、
乾燥工程が必須であるために、乾燥時に無機微粒子の凝
集、架橋が起こり、無機微粒子の粒径が大きくなり、そ
の粒子径分布も広がってしまうのに対して、本発明の有
機ポリマー複合無機微粒子の製造方法では、均一に反応
を行うことができ、複合無機微粒子の生成速度に大きな
ばらつきが生じないために、その粒子径分布も狭くな
る。
【0082】従来の無機微粒子のカップリング剤等によ
る表面処理は、カップリング剤の分子1個当たりの無機
微粒子と反応しうる反応基の個数は、非常に少なく、代
表的なカップリング剤であるシランカップリング剤で
も、通常は1分子あたり最大3個の前記反応基しか有し
ない。それに対して、本発明で使用される有機ポリマー
(P)のポリシロキサン基中のすべてのSi原子が、有
機鎖と結合し、かつ、ポリシロキサン結合している以外
は、アルコキシ基等とのみ結合している場合、前記反応
基の個数は、従来のものと比較して多い。有機ポリマー
複合無機微粒子の製造過程で、このような有機ポリマー
では、溶液中で反応させても、前記反応基の個数が多い
ために、ほぼ定量的に反応し、これによって、煩雑な乾
燥工程は必要なくなり、また、有機ポリマーを有効に使
用できるようになる。
【0083】有機ポリマー複合無機微粒子は、それを構
成する有機ポリマー中にパーフルオロアルキル基および
/またはシリコーン基を含むため、たとえば、一般の塗
料用樹脂等に添加した場合、塗膜表面近傍に密集して一
列に並ぶので、より少ない添加量で、耐候性、耐汚染
性、耐摩耗性および表面硬度等の被膜物性を向上させ
る。
【0084】本発明の成膜用組成物は、該組成物中に含
まれる有機ポリマー複合無機微粒子が、5〜200nm
の微小な平均粒子径を有し、その粒子径の変動係数が5
0%以下で粒子径分布が狭い場合、透明で、かつ、光沢
ある塗膜を形成することができる。また、無機微粒子の
表面に有機ポリマーが固定されていることにより、成膜
用組成物中に含まれる塗料用の樹脂等の有機マトリック
スに対して良好な親和性を有し、有機ポリマーがバイン
ダーとして作用できるため、各種基材にそのまま塗布し
ても、得られる被膜は白濁およびクラックが生じたりす
ることはなく、耐候性に優れるようになる。
【0085】成膜用組成物は、従来の成膜用組成物と比
較して、本発明の有機ポリマー複合無機微粒子を必須に
含有しているので、被膜物性が従来品よりも向上する。
たとえば、一般の塗料用樹脂等に本発明の有機ポリマー
複合無機微粒子を添加した成膜用組成物は、表面硬度、
密着性、耐候性、耐薬品性、耐熱性、耐摩耗性、耐汚染
性等の被膜物性の良い塗膜を与える。この成膜用組成物
に添加された前記有機ポリマー複合無機微粒子は、それ
を構成する有機ポリマー中にパーフルオロアルキル基お
よび/またはシリコーン基を含むため、塗膜表面近傍に
密集して一列に並ぶので、より少ない添加量で、耐候
性、耐汚染性、耐摩耗性および表面硬度等の被膜物性を
向上させる。
【0086】
【実施例】以下に、この発明の具体的な実施例を比較例
と併せて示すが、本発明は下記実施例に限定されるもの
ではない。例中、特に断らない限り、%は重量%、部は
重量部を示す。下記実施例で使用する重合性ポリシロキ
サン、および有機ポリマー(P)を下記製造例1〜10
により合成した。
【0087】−製造例1− (重合性ポリシロキサン(S−1)の合成)攪拌機、温
度計および冷却管を備えた300mlの四つ口フラスコ
にテトラメトキシシラン144.5部、γ−メタクリロ
キシプロピルトリメトキシシラン23.6部、水19
部、メタノール30.0部、アンバーリスト15(ロー
ム・アンド・ハース・ジャパン社製の陽イオン交換樹
脂)5.0部を入れ、65℃で2時間攪拌し、反応させ
た。反応混合物を室温まで冷却した後、冷却管に代えて
蒸留塔、これに接続させた冷却管および流出口を設け、
常圧下に80℃まで2時間かけて昇温し、メタノールが
流出しなくなるまで同温度で保持した。さらに、200
mmHgの圧力で90℃の温度で、メタノールが流出しなく
なるまで同温度で保持し、反応をさらに進行させた。再
び、室温まで冷却した後、アンバーリスト15を濾別
し、数平均分子量が1800の重合性ポリシロキサン
(S−1)を得た。
【0088】−製造例2− (有機ポリマー(P−1)の合成)攪拌機、滴下口、温
度計、冷却管およびN2 ガス導入口を備えた1リットル
のフラスコに、有機溶剤としてトルエン200部を入
れ、N2 ガスを導入し、攪拌しながらフラスコ内温を1
10℃まで加熱した。ついで製造例1で得られた重合性
ポリシロキサン(S−1)20部、シクロヘキシルメタ
クリレート80部、2−エチルヘキシルアクリレート1
0部、スチレン54部、ブチルアクリレート10部、2
−ヒドロキシエチルメタクリレート20部、メタクリロ
キシ片末端ポリジメチルシロキサン6部、2,2’−ア
ゾビスイソブチロニトリル6部を混合した溶液を滴下口
より2時間かけて滴下した。滴下後も同温度で1時間攪
拌続けた後、1,1’−ビス(t−ブチルパーオキシ)
−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.4部を3
0分おきに2回添加し、さらに2時間加熱して共重合を
行い、数平均分子量が12,000の有機ポリマー(P
−1)がトルエンに溶解した溶液を得た。得られた有機
ポリマー(P−1)の数平均分子量および固形分を表2
に示す。
【0089】−製造例3〜10− (有機ポリマー(P−2〜P−9)の合成)表1に示し
た組成に変更する以外は製造例2と同様にして、有機ポ
リマー(P−2〜P−9)がトルエンに溶解した溶液を
得た。得られた有機ポリマー(P−2〜P−9)の数平
均分子量および固形分を表2に示す。
【0090】
【表1】 S−1 : 製造例1で得られた重合性ポリシロキ
サン AIBN : 2,2’−アゾビスイソブチロニトリ
ル BPTC : 1,1’−ビス(t−ブチルパーオキ
シ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン CHMA : シクロヘキシルメタクリレート 2−EHA : 2−エチルヘキシルアクリレート St : スチレン MMA : メチルメタクリレート BA : ブチルアクリレート HEMA : 2−ヒドロキシエチルメタクリレート MAA : メタクリル酸 AEMA : アミノエチルメタクリレート GMA : グリシジルメタクリレート PDMSMA: メタクリロキシ片末端ポリジメチルシ
ロキサン PFMMA : パーフルオロメチルメタクリレート なお、製造例1〜10で得られた重合性ポリシロキサン
および有機ポリマー(P)の数平均分子量は、下記の方
法により分析した。 〔数平均分子量〕重合性ポリシロキサンおよび有機ポリ
マー(P)についてゲルパーミエーションクロマトグラ
フィー(GPC)法により、ポリスチレン換算の数平均
分子量を下記条件において測定した。
【0091】(試料の調整)テトラヒドロフランを溶媒
として使用し、重合性ポリシロキサン、または有機ポリ
マー(P)0.05部を1部のテトラヒドロフランに溶
解して試料とした。 (装置)東ソー株式会社製の高速GPC装置HLC−8
020を用いた。
【0092】(カラム)東ソー株式会社製のG3000
H、G2000HおよびGMHXLを用いた。 (標準ポリスチレン)東ソー株式会社製のTSK標準ポ
リスチレンを用いた。 (測定条件)測定温度35℃、流量1ml/分で測定し
た。
【0093】
【表2】 −実施例A1− (有機ポリマー複合無機微粒子分散体(Z−1)の合
成)攪拌機、2つの滴下口(滴下口イおよび滴下口
ロ)、温度計を備えた500mlの四つ口フラスコに、
酢酸ブチル200部、メタノール50部を入れておき、
内温を20℃に調整した。ついでフラスコ内を攪拌しな
がら、製造例2で得た有機ポリマー(P−1)のトルエ
ン溶液12部、テトラメトキシシラン30部、酢酸ブチ
ル20部の混合液(溶液A)を滴下口イから、25%ア
ンモニア水20部、メタノール20部の混合液(溶液
B)を滴下口ロから、1時間かけて滴下した。滴下後、
同温度で2時間攪拌を続けた。その後、110mmHgの圧
力下、フラスコ内温を100℃まで昇温し、アンモニ
ア、メタノール、トルエン、酢酸ブチルを固形分濃度が
30%となるまで留去することにより、有機ポリマー複
合無機微粒子が酢酸ブチルに分散した分散体(Z−1)
を得た。得られた有機ポリマー複合無機微粒子の平均粒
子径および変動係数、有機ポリマー複合無機微粒子中の
アルコキシ基含有量、経時安定性を表3に示す。
【0094】−実施例A2〜A5− (有機ポリマー複合無機微粒子分散体(Z−2〜Z−
5)の合成)実施例A1において、有機ポリマー(P−
1)に代えて、製造例3〜6で得られた有機ポリマー
(P−2〜P−5)を用いること以外は実施例A1と同
様にして、有機ポリマー複合無機微粒子が酢酸ブチルに
分散した分散体(Z−2〜Z−5)を得た。得られた有
機ポリマー複合無機微粒子の平均粒子径および変動係
数、有機ポリマー複合無機微粒子中のアルコキシ基含有
量、経時安定性を表3に示す。
【0095】−実施例A6− (有機ポリマー複合無機微粒子分散体(Z−6)の合
成)攪拌機、2つの滴下口(滴下口イおよび滴下口
ロ)、温度計を備えた500mlの四つ口フラスコに、
酢酸ブチル200部、メタノール50部を入れておき、
内温を20℃に調整した。ついでフラスコ内を攪拌しな
がら、製造例7で得た有機ポリマー(P−6)のトルエ
ン溶液20部、テトラメトキシシラン30部、酢酸ブチ
ル20部の混合液(溶液A)を滴下口イから、25%ア
ンモニア水20部、メタノール20部の混合液(溶液
B)を滴下口ロから、1時間かけて滴下した。滴下後、
同温度で2時間攪拌を続けた。その後、110mmHgの圧
力下、フラスコ内温を100℃まで昇温し、アンモニ
ア、メタノール、トルエン、酢酸ブチルを固形分濃度が
30%となるまで留去した。その後、エポキシ片末端ポ
リジメチルシロキサン0.2部を添加した後、常圧下1
00℃で1時間攪拌することにより、有機ポリマー複合
無機微粒子が酢酸ブチルに分散した分散体(Z−6)を
得た。得られた有機ポリマー複合無機微粒子の平均粒子
径および変動係数、有機ポリマー複合無機微粒子中のア
ルコキシ基含有量、経時安定性を表3に示す。
【0096】−実施例A7− (有機ポリマー複合無機微粒子分散体(Z−7)の合
成)攪拌機、2つの滴下口(滴下口イおよび滴下口
ロ)、温度計を備えた500mlの四つ口フラスコに、
酢酸ブチル200部、メタノール50部を入れておき、
内温を20℃に調整した。ついでフラスコ内を攪拌しな
がら、製造例9で得た有機ポリマー(P−8)のトルエ
ン溶液20部、テトラメトキシシラン30部、酢酸ブチ
ル20部の混合液(溶液A)を滴下口イから、25%ア
ンモニア水20部、メタノール20部の混合液(溶液
B)を滴下口ロから、1時間かけて滴下した。滴下後、
同温度で2時間攪拌を続けた。その後、110mmHgの圧
力下、フラスコ内温を100℃まで昇温し、アンモニ
ア、メタノール、トルエン、酢酸ブチルを固形分濃度が
30%となるまで留去した。その後、エポキシ片末端ポ
リジメチルシロキサン0.2部を添加した後、常圧下1
00℃で1時間攪拌することにより、有機ポリマー複合
無機微粒子が酢酸ブチルに分散した分散体(Z−7)を
得た。得られた有機ポリマー複合無機微粒子の平均粒子
径および変動係数、有機ポリマー複合無機微粒子中のア
ルコキシ基含有量、経時安定性を表3に示す。
【0097】−実施例A8− (有機ポリマー複合無機微粒子分散体(Z−8)の合
成)攪拌機、2つの滴下口(滴下口イおよび滴下口
ロ)、温度計を備えた500mlの四つ口フラスコに、
酢酸ブチル200部、メタノール50部を入れておき、
内温を20℃に調整した。ついでフラスコ内を攪拌しな
がら、製造例9で得た有機ポリマー(P−8)のトルエ
ン溶液20部、テトラメトキシシラン30部、酢酸ブチ
ル20部の混合液(溶液A)を滴下口イから、25%ア
ンモニア水20部、メタノール20部の混合液(溶液
B)を滴下口ロから、1時間かけて滴下した。滴下後、
同温度で2時間攪拌を続けた。その後、110mmHgの圧
力下、フラスコ内温を100℃まで昇温し、アンモニ
ア、メタノール、トルエン、酢酸ブチルを固形分濃度が
30%となるまで留去した。その後、ビニル片末端ポリ
ジメチルシロキサン0.2部を添加した後、常圧下10
0℃で1時間攪拌することにより、有機ポリマー複合無
機微粒子が酢酸ブチルに分散した分散体(Z−8)を得
た。得られた有機ポリマー複合無機微粒子の平均粒子径
および変動係数、有機ポリマー複合無機微粒子中のアル
コキシ基含有量、経時安定性を表3に示す。
【0098】−実施例A9− (有機ポリマー複合無機微粒子分散体(Z−9)の合
成)攪拌機、温度計、冷却管を備えた500mlの四つ
口フラスコに、製造例10で得られた有機ポリマー(P
−9)のトルエン溶液300重量部、パーフルオロデカ
ン酸15重量部を入れ、2時間還流して有機ポリマー
(P−9’)のトルエン溶液を得た。
【0099】ついで、攪拌機、2つの滴下口(滴下口イ
および滴下口ロ)、温度計を備えた500mlの四つ口
フラスコに、酢酸ブチル200部、メタノール50部を
入れておき、内温を20℃に調整した。ついでフラスコ
内を攪拌しながら、上記で得た有機ポリマー(P−
9’)のトルエン溶液20部、テトラメトキシシラン3
0部、酢酸ブチル20部の混合液(溶液A)を滴下口イ
から、25%アンモニア水20部、メタノール20部の
混合液(溶液B)を滴下口ロから、1時間かけて滴下し
た。滴下後、同温度で2時間攪拌を続けた。その後、1
10mmHgの圧力下、フラスコ内温を100℃まで昇温
し、アンモニア、メタノール、トルエン、酢酸ブチルを
固形分濃度が30%となるまで留去した。その後、エポ
キシ片末端ポリジメチルシロキサン0.2部を添加した
後、常圧下100℃で1時間攪拌することにより、有機
ポリマー複合無機微粒子が酢酸ブチルに分散した分散体
(Z−9)を得た。得られた有機ポリマー複合無機微粒
子の平均粒子径および変動係数、有機ポリマー複合無機
微粒子中のアルコキシ基含有量、経時安定性を表3に示
す。
【0100】−比較例A1− (比較用有機ポリマー複合無機微粒子分散体(Z’−
1)の合成)実施例A1において、有機ポリマー(P−
1)に代えて、製造例8で得られた有機ポリマー(P−
7)を用いること以外は実施例A1と同様にして、有機
ポリマー複合無機微粒子が酢酸ブチルに分散した比較用
分散体(Z’−1)を得た。得られた有機ポリマー複合
無機微粒子の平均粒子径および変動係数、有機ポリマー
複合無機微粒子中のアルコキシ基含有量、経時安定性を
表3に示す。上記実施例A1〜A9で得られた有機ポリ
マー複合無機微粒子分散体(Z−1〜Z−9)、上記比
較例A1で得られた比較用有機ポリマー複合無機微粒子
分散体(Z’−1)、および、各分散体を遠心分離機に
かけた際に得られた上ずみ液をGPCで分析したが、有
機ポリマーは検出されなかった。また、上記有機ポリマ
ー複合無機微粒子分散体(Z−1〜Z−9)および
(Z’−1)の遠心分離後の沈降物である各有機ポリマ
ー複合無機微粒子をTHFまたは水で洗浄し、その洗液
をGPCで分析したが、有機ポリマーは検出されなかっ
た。以上の結果は、有機ポリマーが無機微粒子に単に付
着しているのではなく、強固に固定されていることを示
している。
【0101】上記の各実施例および比較例A1で得られ
た有機ポリマー複合無機微粒子分散体について、有機ポ
リマー複合無機微粒子の平均粒子径および変動係数、有
機ポリマー複合無機微粒子中のアルコキシ基含有量、経
時安定性を下記の方法により分析、評価した。 〔平均粒子径および変動係数〕動的光散乱測定法で、下
記の装置を用いて、23℃で測定した。測定した平均粒
子径は、体積平均粒子径である。
【0102】(装置)サブミクロン粒子径アナライザー
(野崎産業株式会社製、NICOMP MODEL 3
70) (測定試料)有機ポリマー複合無機微粒子濃度が0.1
〜2.0重量%のテトラヒドロフランに分散させた有機
ポリマー複合無機微粒子分散体(有機ポリマー複合無機
微粒子中の有機ポリマーが、テトラヒドロフランに溶け
ない場合は、有機ポリマーが溶解する溶媒に分散させた
分散体)。
【0103】(変動係数)変動係数は、下式で求められ
る。 〔有機ポリマー複合無機微粒子中のアルコキシ基含有
量〕有機ポリマー複合無機微粒子分散体を、100mm
Hgの圧力下、130℃で24時間乾燥したもの5部
を、アセトン50部、2N−NaOH水溶液50部の混
合物に分散させ、室温で24時間攪拌した。その後、ガ
スクロマトグラフ装置で液中のアルコールを定量し、有
機ポリマー複合無機微粒子のアルコキシ基含有量を算出
した。
【0104】〔経時安定性〕得られた分散体をガードナ
ー粘度チューブ中に密閉し、50℃で保存した。1ヶ月
後、粒子の凝集、沈降や粘度の上昇が認められないもの
を○とした。
【0105】
【表3】 −実施例A10− 攪拌機、温度計、冷却器、滴下ロートおよび窒素ガス導
入管の付いた1リットルの四つ口フラスコに酢酸ブチル
400部を仕込み、110℃まで昇温した。そこへ窒素
ガスを吹き込みながら、有機ポリマー複合無機微粒子分
散体(Z−1)100部、2−イソプロペニル−2−オ
キサゾリン10部、スチレン90部、t−ブチルメタク
リレート60部、2−エチルヘキシルアクリレート10
部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート60部および
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル4部からなる混
合物を4時間に渡って滴下ロートより滴下し、さらに9
5℃で3時間保持した後、室温まで冷却することによ
り、有機ポリマー複合無機微粒子が樹脂中に分散した樹
脂溶液(Z−10)を得た。この樹脂溶液の固形分濃度
と粘度を表4に示す。
【0106】−実施例A11− 攪拌機、温度計、冷却器、滴下ロートおよび窒素ガス導
入管の付いた1リットルの四つ口フラスコに酢酸ブチル
400部および有機ポリマー複合無機微粒子分散体(Z
−1)100部を仕込み、100℃まで昇温した。そこ
へ窒素ガスを吹き込みながら、シクロヘキシルメタクリ
レート70部、スチレン70部、t−ブチルメタクリレ
ート20部、2−エチルヘキシルアクリレート10部、
2−ヒドロキシエチルメタクリレート60部および2,
2’−アゾビスイソブチロニトリル4部からなる混合物
を4時間に渡って滴下ロートより滴下し、さらに95℃
で3時間保持した後、室温まで冷却することにより、有
機ポリマー複合無機微粒子が樹脂中に分散した樹脂溶液
(Z−11)を得た。この樹脂溶液の固形分濃度と粘度
を表4に示す。
【0107】−実施例A12〜A13− 実施例A11において、有機ポリマー複合無機微粒子分
散体(Z−1)の使用量と、重合性単量体の組成(種類
と使用量)を表4に示した通りとする他は実施例A11
と同様の操作を繰り返すことにより、有機ポリマー複合
無機微粒子が樹脂中に分散した樹脂溶液(Z−12)〜
(Z−13)を得た。これらの樹脂溶液の固形分濃度と
粘度を表4に示す。
【0108】−比較例A2− 実施例A11において、有機ポリマー複合無機微粒子分
散体(Z−1)を全く用いないとともに、重合性単量体
の組成(種類と使用量)を表4に示した通りとする他は
実施例A11と同様の操作を繰り返すことにより、比較
用樹脂溶液(Z’−2)を得た。これらの樹脂溶液の固
形分濃度と粘度を表4に示す。
【0109】
【表4】 −比較例B1− 表5に示した樹脂組成で有機ポリマー複合無機微粒子分
散体と樹脂を混合して、樹脂混合物を得た。この樹脂混
合物を密閉容器中、50℃で1ヵ月間保存して外観およ
び貯蔵安定性を調べた結果を表5に示した。樹脂混合物
に酸化チタン(タイペークCR−95、石原産業(株)
製)を不揮発分顔料濃度が40重量%となるように配合
し、サンドミルでよく分散した。得られた分散液(以
下、I−1液という。)に対して、多官能イソシアネー
ト(スミジュールN−3200、住友バイエルウレタン
(株)製)を、I−1液中のヒドロキシル基と多官能イ
ソシアネート中のイソシアネート基との当量比が1:
1.1となる量だけ秤量して、II−1液とした。このI
−1液とII−1液を混合して塗料組成物を得た。得られ
た塗料組成物をポリエチレンフィルム上に膜厚30μで
塗装し、室温で1時間放置後、80℃で2時間強制乾燥
した。図2は塗膜の断面のうち塗膜の空気界面の部分を
撮影した透過型電子顕微鏡(TEM)写真である。図2
から、この比較例の微粒子は塗膜断面全体にほぼ均一に
広がって存在しており、空気との界面に密集しているも
のではないことが確認される。
【0110】I−1液とII−1液を混合して得られた上
記塗料組成物を0.8mm軟鋼板上に膜厚30μで塗装
し、室温で1時間放置後、80℃で2時間強制乾燥して
各種性能試験用の試験片を作製した。塗膜の性能を後述
の性能試験方法により評価した。評価結果をまとめて表
5に示す。 −実施例B1− 表5に示した樹脂組成で有機ポリマー複合無機微粒子分
散体と樹脂を混合して、樹脂混合物を得た。この樹脂混
合物を密閉容器中、50℃で1ヵ月間保存して外観およ
び貯蔵安定性を調べた結果を表5に示した。樹脂混合物
に酸化チタン(タイペークCR−95、石原産業(株)
製)を不揮発分顔料濃度が40重量%となるように配合
し、サンドミルでよく分散した。得られた分散液(以
下、I−1液という。)に対して、多官能イソシアネー
ト(スミジュールN−3200、住友バイエルウレタン
(株)製)を、I−1液中のヒドロキシル基と多官能イ
ソシアネート中のイソシアネート基との当量比が1:
1.1となる量だけ秤量して、II−1液とした。このI
−1液とII−1液を混合して塗料組成物を得た。得られ
た塗料組成物をポリエチレンフィルム上に膜厚30μで
塗装し、室温で1時間放置後、80℃で2時間強制乾燥
した。図1は塗膜の断面のうち塗膜の空気界面の部分を
撮影した透過型電子顕微鏡(TEM)写真である。図1
から、有機ポリマー複合無機微粒子が塗膜表面に集中し
て存在していることが確認される。また、本実施例で添
加した無機微粒子の量は、比較例B1での量の4分の1
にすぎないのにもかかわらず、図1および図2を比較し
て目視で評価すると、塗膜表面の無機微粒子の量はほぼ
同等の量となっていることがわかる。
【0111】I−1液とII−1液を混合して得られた上
記塗料組成物を0.8mm軟鋼板上に膜厚30μで塗装
し、室温で1時間放置後、80℃で2時間強制乾燥して
各種性能試験用の試験片を作製した。塗膜の性能を後述
の性能試験方法により評価した。評価結果をまとめて表
5に示す。 −実施例B2〜B8および比較例B2〜B3− 表5に示した樹脂組成で有機ポリマー複合無機微粒子分
散体と樹脂を混合して、樹脂混合物を得た。これらの樹
脂混合物を密閉容器中、50℃で1ヵ月間保存して外観
および貯蔵安定性を調べた結果を表5に示した。樹脂混
合物に酸化チタン(タイペークCR−95、石原産業
(株)製)を不揮発分顔料濃度が40重量%となるよう
に配合し、サンドミルでよく分散した。得られた分散液
(以下、I−1液という。)のそれぞれに対して、多官
能イソシアネート(スミジュールN−3200、住友バ
イエルウレタン(株)製)を、I−1液中のヒドロキシ
ル基と多官能イソシアネート中のイソシアネート基との
当量比が1:1.1となる量だけ秤量して、II−1液と
した。このI−1液とII−1液を混合して塗料組成物を
得た。この塗料組成物を0.8mm軟鋼板上に膜厚30
μで塗装し、室温で1時間放置後、80℃で2時間強制
乾燥して各種性能試験用の試験片を作製した。塗膜の性
能を後述の性能試験方法により評価した。評価結果をま
とめて表5に示す。
【0112】−実施例B9〜B15および比較例B4〜
B7− 表6に示した樹脂組成で有機ポリマー複合無機微粒子分
散体と樹脂を混合して、樹脂混合物を得た。これらの樹
脂混合物を密閉容器中、50℃で1ヵ月間保存して外観
および貯蔵安定性を調べた結果を表5に示した。樹脂混
合物に酸化チタン(タイペークCR−95、石原産業
(株)製)を不揮発分顔料濃度が50重量%となるよう
に配合し、サンドミルでよく分散した。得られた分散液
(以下、I−2液という。)に対して、多官能イソシア
ネート(デスモジュールBL−3175、住友バイエル
ウレタン(株)製)を、I−2液中のヒドロキシル基と
多官能イソシアネート中のイソシアネート基との当量比
が1:1.1となる量だけ秤量し、さらに、硬化触媒と
してジブチル錫ジラウレートを樹脂に対して1000P
PM秤量して、II−2液とした。このI−2液とII−2
液を混合して塗料組成物を得た。この塗料組成物を0.
3mm軟鋼板上に膜厚15μで塗装し、室温で1時間放
置後、240℃で1分間強制乾燥して各種性能試験用の
試験片を作製した。塗膜の性能を後述の性能試験方法に
より評価した。評価結果をまとめて表6に示す。塗膜の性能試験方法 :上記各実施例および比較例で得ら
れた樹脂混合物について、50℃で1ヵ月間保存後の外
観および貯蔵安定性を下記の方法で評価した。また、塗
膜の乾燥性、耐溶剤性、鉛筆硬度、耐汚染性、耐候性、
密着性、折り曲げ性を下記の方法により分析、評価し
た。
【0113】〔外観〕目視で塗膜の状態(凝集物の有
無、表面の凹凸、光沢)を評価した。 ◎:優 ○:良 △:可
×:不可 〔貯蔵安定性〕50℃で1ヵ月間保存後の貯蔵における
安定性をみた。
【0114】◎:安定 ○:少し増粘 △:増
粘 ×:多量の凝縮物あり 〔乾燥性〕強制乾燥後の指触で評価した。 ◎:変化なし ○:少し跡がつく ×:強く跡がつ
く 〔耐溶剤性〕メチルエチルケトンをしみこませた脱脂綿
で50回ラビングをした後の表面状態。
【0115】◎:変化なし ○:艶引け
×:塗膜が溶解消失する 〔鉛筆硬度〕JIS K5400 6.14の鉛筆引っかき
試験を行い、スリ傷による評価を行った。 〔耐汚染性A〕塗膜に0.05%カーボン水溶液を刷毛
で30回塗布し、80℃で1時間強制乾燥した後、水洗
しながら刷毛で30回洗浄した時の塗膜への汚れの付着
の程度をみた。
【0116】◎:付着なし ○:殆ど付着なし △:や
や付着あり ×:付着あり 〔耐汚染性B〕塗膜を大阪府吹田市において、南向き3
0°で暴露に1年間さらした後、塗膜の汚れ具合を見
た。 ◎:色差5以内 ○:色差5〜10 △:色差10
以上 〔耐汚染性C〕20℃の室温において、マジックインキ
赤(油性インキ)で塗面に線を引き、1時間後、n−ブ
タノールをしみ込ませたガーゼで拭き取った。次いで、
拭き取った後のマジックインキ赤の跡の外観を目視で評
価した。
【0117】○:跡なし △:若干の跡が認められる
×:完全に跡が認められる 〔耐候性〕サンシャインウェザーメーターで3000時
間後の塗膜状態を調べた。 ◎:優秀 ○:良好 △:普通
×:不良 〔密着性〕JIS K5400 6.15の碁盤目試験を行
った。
【0118】◎:はがれなし ○:切り
傷の交点にわずかなはがれあり △:はがれ面積5〜35% ×:はがれ面積35%
以上 〔折り曲げ性〕JIS K5400 6.16に規定する屈
曲試験機により塗膜のわれ、はがれを調べた。(心棒の
直径2mm) ◎:優秀 ○:良好 △:普通
×:不良
【0119】
【表5】
【0120】
【表6】 アロタン 2060 :(株)日本触媒製アクリル樹脂、不揮
発分濃度:60.0%、水酸基価(ワニス中):48.0ユータ゛フ゛ル S-2817:(株)日本触媒製アクリル樹脂、不揮
発分濃度:60.0%、水酸基価(ワニス中):48.0
【0121】
【発明の効果】本発明の有機ポリマー複合無機微粒子
は、無機微粒子の表面に有機ポリマーが固定されてなる
複合微粒子であって、前記有機ポリマーはパーフルオロ
アルキル基および/またはシリコーン基を含むため、各
種塗料、成形材料等の添加剤として有用で、少量の使用
で被膜物性を特に高くすることができ、種々の有機溶媒
およびポリマーに対して分散安定性に優れ、有機マトリ
ックスに対して特に良好な親和性を有することができ
る。
【0122】有機ポリマー複合無機微粒子は、無機微粒
子の表面に有機ポリマーが固定されているため、たとえ
ば、塗料用樹脂等に添加して成膜用組成物として用いた
場合、塗料用の樹脂等の有機マトリクスに対して、良好
な親和性を有しており、各種基材に塗布して得られる被
膜は、光沢ある好ましい外観であり、また、クラックを
生じることはなく、優れた密着性および耐候性を有する
ことができる。特に、有機ポリマー中にパーフルオロア
ルキル基および/またはシリコーン基を含むため、たと
えば、塗料用樹脂等に添加して成膜用組成物として用い
た場合、有機ポリマー複合無機微粒子が塗膜表面近傍に
密集して存在するので、より少ない添加量で、耐候性、
耐汚染性、耐摩耗性および表面硬度等の被膜物性を顕著
に向上させることができる。
【0123】本発明の有機ポリマー複合無機微粒子の製
造方法は、上記に示す物性を有する有機ポリマー複合無
機微粒子を簡便かつ効率良く製造することができる。本
発明の成膜用組成物は、従来のものと比較して、本発明
の有機ポリマー複合無機微粒子を必須に含有しているの
で、被膜物性が従来品より向上する。たとえば、一般の
塗料用樹脂等に本発明の有機ポリマー複合無機微粒子を
添加した成膜用組成物は、表面硬度、密着性、耐候性、
耐薬品性、耐熱性、耐摩耗性、耐汚染性等の被膜物性の
良い塗膜を与える。また、有機ポリマー複合無機微粒子
を構成する有機ポリマー中にパーフルオロアルキル基お
よび/またはシリコーン基を含むため、該微粒子が塗膜
表面近傍に密集して存在するので、本発明の成膜用組成
物は、有機ポリマー複合無機微粒子の添加量が少なくて
も、耐候性、耐汚染性、耐摩耗性および表面硬度等の被
膜物性が顕著に向上した塗膜を形成することができる。
【0124】成膜用組成物を塗布した後の被膜におい
て、有機ポリマーが架橋構造を有すると、耐溶剤性、耐
熱性、表面硬度等の被膜物性がさらに向上する。成膜用
組成物に含まれる有機ポリマー複合無機微粒子を構成す
る有機ポリマーが水酸基をさらに含有し、成膜用組成物
が、多官能イソシアネート化合物、メラミン化合物およ
びアミノプラスト樹脂からなる群の中から選ばれた少な
くとも1種の化合物(J)をさらに含有すると、架橋構
造が形成され、耐溶剤性、耐汚染性、可とう性、耐候
性、耐熱性、保存安定性等の良好な被膜物性を有するよ
うになる。また、成膜用組成物が、ポリオール(Q)を
さらに含むと、より一層強固な架橋構造となるために、
前記の被膜物性がより向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例B1の塗膜の空気界面の部分の断面を撮
影した透過型電子顕微鏡写真である。
【図2】比較例B1の塗膜の空気界面の部分の断面を撮
影した透過型電子顕微鏡写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C09C 3/12 C09C 3/12 (72)発明者 吉田 雅也 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会 社日本触媒 内 (56)参考文献 特開 昭59−74165(JP,A) 特開 平3−223333(JP,A) 特開 昭61−83690(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09C 1/00 - 3/12

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無機微粒子の表面に有機ポリマーが固定さ
    れてなり、かつ、前記有機ポリマーが前記無機微粒子の
    内部にも包含されている複合微粒子において、前記有機
    ポリマーが(メタ)アクリル系樹脂、(メタ)アクリル
    −スチレン系樹脂および(メタ)アクリル−ポリエステ
    ル系樹脂から選ばれる有機ポリマーであり、かつ、 前記有機ポリマー がパーフルオロアルキル基および/ま
    たはシリコーン基を前記有機ポリマーに対し0.01〜
    20重量%の割合で含むことを特徴とする、有機ポリマ
    ー複合無機微粒子。
  2. 【請求項2】有機ポリマー部分を有するとともに、この
    有機ポリマー1分子当たりに少なくとも1個のポリシロ
    キサン基が結合しており、かつ、前記ポリシロキサン基
    中に少なくとも1個のSi−OR1 基(R1 は水素原子
    またはアルキル基、アシル基から選ばれる、置換されて
    いても良い少なくとも一種の基であり、R1 が1分子中
    に複数ある場合、複数のR1 は互いに同一であってもよ
    く、異なってもよい。)を有し、パーフルオロアルキル
    基および/またはシリコーン基を含む少なくとも1種の
    有機ポリマー(P)を、(P)単独または加水分解可能
    な金属化合物(G)とともに加水分解・縮合する工程を
    含む有機ポリマー複合無機微粒子の製造方法。
  3. 【請求項3】有機ポリマー部分を有するとともに、この
    有機ポリマー1分子当たりに少なくとも1個のポリシロ
    キサン基が結合しており、かつ、前記ポリシロキサン基
    中に少なくとも1個のSi−OR1 基(R1 は水素原子
    またはアルキル基、アシル基から選ばれる、置換されて
    いても良い少なくとも一種の基であり、R1 が1分子中
    に複数ある場合、複数のR1 は互いに同一であってもよ
    く、異なってもよい。)を有し、パーフルオロアルキル
    基および/またはシリコーン基を導入することができる
    官能基を含む少なくとも1種の有機ポリマー(P)を、
    (P)単独または加水分解可能な金属化合物(G)とと
    もに加水分解・縮合する工程と、 前記官能基と反応する基を含有するとともにパーフルオ
    ロアルキル基および/またはシリコーン基をも含有する
    化合物と前記工程で得られる有機ポリマー(P)の加水
    分解・縮合物とを反応させる工程と、 を含む有機ポリマー複合無機微粒子の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の有機ポリマー複合無機微
    粒子を含む成膜用組成物。
  5. 【請求項5】多官能イソシアネート化合物、メラミン化
    合物およびアミノプラスト樹脂からなる群の中から選ば
    れた少なくとも1種の化合物をさらに含み、前記有機ポ
    リマーは水酸基をさらに含む請求項4に記載の成膜用組
    成物。
  6. 【請求項6】1分子中に2個以上の水酸基を含有するポ
    リオールをさらに含む請求項4または5に記載の成膜用
    組成物。
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