JP3070205B2 - コーティング用組成物 - Google Patents

コーティング用組成物

Info

Publication number
JP3070205B2
JP3070205B2 JP3329833A JP32983391A JP3070205B2 JP 3070205 B2 JP3070205 B2 JP 3070205B2 JP 3329833 A JP3329833 A JP 3329833A JP 32983391 A JP32983391 A JP 32983391A JP 3070205 B2 JP3070205 B2 JP 3070205B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
parts
meth
composition
acrylate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP3329833A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05140502A (ja
Inventor
克宏 中村
稔 加藤
晃男 平春
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSR Corp
Original Assignee
JSR Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JSR Corp filed Critical JSR Corp
Priority to JP3329833A priority Critical patent/JP3070205B2/ja
Publication of JPH05140502A publication Critical patent/JPH05140502A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3070205B2 publication Critical patent/JP3070205B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Silicon Polymers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属、プラスチック、
木材、セラミックスなどのコーティング剤に利用でき、
特に好ましくは缶、アルミサッシ、プレコートメタルな
どの金属コーティングに好適に使用できる貯蔵安定性、
耐熱水性、屈曲性、密着性、滑性、撥水性、耐汚染性、
耐候性に非常に優れたコーティング用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コーティング剤中にポリシロキサ
ンを混入させることにより塗膜の滑性や撥水性を向上さ
せた溶剤系もしくは有機溶剤含有水系組成物が提案され
ている(例えば、特開昭62−232468号公報、同
63−162772号公報など)。しかしながら、溶剤
による公害、安全衛生、省資源などの面から、溶剤を含
まないか、あるいは溶剤を極力少なく用いる水系への移
行が望まれており、前記の提案では溶剤の減量が充分に
は行えず、従って危険物の貯蔵上、あるいは塗装作業時
の安全衛生上の問題が残されている。また、水系では、
ポリシロキサン、ポリマーおよび水との相溶バランスが
悪いために、重合安定性、貯蔵安定性に問題があり、さ
らにポリシロキサンの分散性が悪いために、充分な耐熱
水性、屈曲性を有する塗膜が得られない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来の
技術的課題を背景になされたもので、貯蔵性、安全衛生
上問題がなく、密着性、耐熱水性、屈曲性、滑性、撥水
性、耐汚染性、耐候性などの塗膜物性に優れたコーティ
ング用組成物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、(a)アルキ
ル(メタ)アクリレート10〜95重量%および(b)
前記(a)成分と共重合可能なヒドロキシアルキル(メ
タ)アクリレートを必須成分とするエチレン性不飽和単
量体90〜5重量%〔ただし、(a)+(b)=100
重量%〕を含むモノマー成分(I)を乳化重合して得ら
れる共重合体に、オルガノシラン(II) を前記(I)成
分100重量部あたり0.1〜500重量部吸収させた
のち、該オルガノシランの縮合反応を進行させることに
より、ポリシロキサンを複合化させたポリシロキサン複
合粒子(III)100重量部に対し、架橋剤(IV) 0.1
〜100重量部を含有することを特徴とするコーティン
グ用組成物を提供するものである。
【0005】本発明のコーティング用組成物は、前記
(a)〜(b)成分を含むモノマー成分(I)を乳化重
合して得られる共重合体に、オルガノシラン(II)を吸
収、縮合反応させたのち、架橋剤(IV) を添加するか、
あるいは前記(a)〜(b)成分を含むモノマー成分
(I)および架橋剤(IV) を特定割合で乳化重合して得
られる共重合体に、オルガノシラン(II)を吸収、縮合
反応させることによって得られるものである。
【0006】本発明において、モノマー成分(I)に使
用される(a)アルキル(メタ)アクリレートとして
は、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アク
リレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル
(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレー
ト、t−ブチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)
アクリレート、i−アミル(メタ)アクリレート、ヘキ
シル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メ
タ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート
などが挙げられ、好ましくはアルキル基の炭素数が1〜
8のもの、さらに好ましくはメチルメタクリレート、エ
チル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレー
トである。この(a)成分の含有量は、モノマー成分
(I)中に10〜95重量%、好ましくは30〜85重
量%、さらに好ましくは40〜80重量%であり、10
重量%未満では屈曲性に劣り、一方95重量%を超える
と系の安定性が劣り、また耐熱水性が劣るものとなる。
【0007】また、(b)前記(a)成分と共重合可能
なエチレン性不飽和単量体としては、ヒドロキシメチル
(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシア
ミル(メタ)アクリレート、ヒドロキシヘキシル(メ
タ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)ア
クリレートを必須成分とし、そのほか、スチレン、α−
メチルスチレン、4−メチルスチレン、2−メチルスチ
レン、3−メチルスチレン、4−メトキシスチレン、2
−ヒドロキシメチルスチレン、4−エチルスチレン、4
−エトキシスチレン、3,4−ジメチルスチレン、2−
クロロスチレン、3−クロロスチレン、4−クロロ−3
−メチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、2,4−
ジクロロスチレン、2,6−ジクロロスチレン、1−ビ
ニルナフタレン、ジビニルベンゼンなどの芳香族ビニル
化合物;(メタ)アクリル酸、フマル酸、イタコン酸、
モノアルキルイタコネート、マレイン酸、クロトン酸、
2−メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸
などのα,β−不飽和カルボン酸;アリルグリシジルエ
ーテル、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリ
シジル(メタ)アクリレートなどのエポキシ化合物;ジ
ビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プ
ロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオール
ジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)
アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)ア
クリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アク
リレートなどの多官能性単量体;(メタ)アクリルアミ
ド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メト
キシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチ
ル(メタ)アクリルアミド、N,N′−メチレンビスア
クリルアミド、タイアセトンアクリルアミド、マレイン
酸アミド、マレイミドなどの酸アミド化合物;塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン、脂肪酸ビニルエステルなどのビニ
ル化合物;トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、
ペンタデカフルオロオクチル(メタ)アクリレートなど
のフッ素原子含有単量体;γ−メタクリロイルプロパン
トリメトキシシラン、チッソ(株)製のサイラプレーン
FM0711などの反応性シリコーンなどのシリコーン
化合物などが挙げられ、これらは1種単独であるいは2
種以上併用することができる。 (b)成分の好ましいものとしては、必須成分としての
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとして、ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピ
ル(メタ)アクリレートのほか、スチレン、グリシジル
(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−
メチロール(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル
酸などが挙げられる。
【0008】この(b)成分の含有量は、モノマー成分
(I)中に90〜5重量%、好ましくは70〜15重量
%、さらに好ましくは60〜20重量%である。(b)
成分が90重量%を超えると耐熱水性の悪化あるいは乳
化重合時に凝固物の発生量が増加し好ましくなく、一方
5重量%未満ではエマルジョンの重合安定性が低下し、
また密着性が劣るものとなる。
【0009】本発明における乳化重合は、通常の乳化重
合条件下で行うことができる。例えば、水性媒体中にモ
ノマー成分(I)、必要に応じて使用される架橋剤(I
V) 、乳化剤、重合開始剤、連鎖移動剤、キレート化
剤、pH調整剤などを添加し、温度30〜100℃で1
〜30時間程度重合反応を行う。ここで、必要に応じて
使用される乳化剤としては、陰イオン性、非イオン性、
または陰イオン−非イオン性の組み合わせが用いられ、
場合によっては両性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤
も用いることができる。
【0010】陰イオン性乳化剤としては、例えば高級ア
ルコール硫酸エステルナトリウム塩、アルキルベンゼン
スルホン酸ナトリウム塩、コハク酸ジアルキルエステル
スルホン酸ナトリウム塩、アルキルジフェニルエーテル
ジスルホン酸ナトリウムなどが挙げられる。これらのう
ち、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル
サルフェートナトリウム塩、ポリオキシエチレンアルキ
ル(またはアルキルフェニル)エーテルの硫酸塩などが
好ましく使用される。非イオン性乳化剤としては、例え
ばポリオキシエチレンアルキルアリルエーテルなどを挙
げることができる。一般的には、非イオン性乳化剤とし
ては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポ
リオキシエチレンオクチルフェニルエーテルなどが使用
される。
【0011】両性乳化剤としては、ラウリルベタインが
適当である。陽イオン界面活性剤としては、アルキルピ
リジニルクロライド、アルキルアンモニウムクロライド
などが使用できる。さらに、前記モノマー成分(I)を
構成する単量体と共重合可能な、いわゆる反応性乳化
剤、例えばスチレンスルホン酸ナトリウム、アリルアル
キルスルホン酸ナトリウムなども、乳化剤として使用し
てよい。乳化剤の使用量は、通常、モノマー成分(I)
100重量部あたり、0〜5重量部であるが、耐熱水性
の点で、ソープフリー系、反応性乳化剤の使用系が好ま
しい。
【0012】重合開始剤としては、例えば水溶性の過硫
酸塩、過酸化水素などが使用可能であり、場合によって
は還元剤と組み合わせて使用することができる。還元剤
としては、例えばピロ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素
ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、L−アスコルビン酸
およびその塩、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシ
レートなどを挙げることができる。また、油溶性の重合
開始剤、例えば2,2′−アゾビスイソブチロニトリ
ル、2,2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメ
チルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス−2,4−
ジメチルバレロニトリル、1,1′−アゾビス−シクロ
ヘキサン−1−カルボニトリル、過酸化ベンゾイル、過
酸化ジブチル、クメンヒドロ過酸化物などを単量体ある
いは溶媒に溶解して使用することができる。好ましい油
溶性重合開始剤としては、キュメンハイドロパーオキサ
イド、イソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、
パラメンタンハイドロパーオキサイド、アゾビスイソブ
チロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチル
ハイドロパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキ
サノールパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ(2−
エチルヘキサノエート)などを挙げることができる。こ
れらの重合開始剤の使用量は、モノマー成分(I)10
0重量部あたり、0.1〜3重量部程度である。
【0013】連鎖移動剤としては、ハロゲン化炭化水素
(例えば、クロロホルム、ブロモホルム)、メルカプタ
ン類(例えば、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシ
ルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン)、キサン
トゲン類(例えば、ジメチルキサントゲンジサルファイ
ド、ジイソプロピルキサントゲンジサルファイド)、テ
ルペン類(例えば、ジペンテン、ターピノーレン)、α
−メチルスチレンダイマー〔2,4−ジフェニル−4−
メチル−1−ペンテン(a1 )、2−4−ジフェニル−
4−メチル−ペンテン(a2 )、および1−1−3−ト
リメチル−3−フェニルインダン(a3 )の少なくとも
1種からなり、好ましくは(a1 )/(a2 )および/
または(a3 )(重量比)=40〜100/0〜6
0〕、不飽和環状炭化水素化合物(例えば、9,10−
ジヒドロアントラセン、1,4−ジヒドロナフタレン、
インデン、1,4−シクロヘキサジエン)、不飽和ヘテ
ロ環状化合物(例えば、キサンテン、2,5−ジヒドロ
フラン)などを挙げることができる。連鎖移動剤の使用
量は、モノマー成分(I)100重量部あたり、0〜5
重量部程度である。
【0014】キレート化剤としては、例えばグリシン、
アラニン、エチレンジアミン四酢酸などを、またpH調
整剤としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、
炭酸水素ナトリウム、アンモニアなどを挙げることがで
きる。キレート化剤およびpH調整剤の使用量は、それ
ぞれ、モノマー成分(I)100重量部あたり、0〜
0.1重量部、および0〜3重量部程度である。
【0015】なお、乳化重合の際に必要に応じて使用さ
れる溶剤としては、作業性、防災安全性、環境安全性お
よび製造安全性を損なわない範囲内で、少量のメチルエ
チルケトン、アセトン、トリクロロトリフルオロエタ
ン、メチルイソブチルケトン、ジメチルスルホキサイ
ド、トルエン、ジブチルフタレート、メチルピロリド
ン、酢酸エチル、アルコール類、セロソルブ類、カルビ
ノール類などが用いられる。この溶剤の使用量は、モノ
マー成分(I)100重量部あたり、0〜10重量部程
度である。
【0016】本発明における乳化重合は、公知の方法、
例えばモノマー成分(I)全量を反応系に一括して仕込
む方法、モノマー成分(I)の一部を仕込んで反応させ
たのち、残りのモノマー成分(I)を連続または分割し
て仕込む方法、モノマー成分(I)を連続して仕込む方
法などによって行うことができる。なお、前記反応工程
で架橋剤(IV) を用いる場合には、前記の種々の方法で
添加するモノマー成分(I)と同様の方法で添加する方
法、種々の方法で添加するモノマー成分(I)に溶解し
て添加する方法、あるいはこれらの添加方法の少なくと
も2方法を組み合わせた方法による添加方法が挙げられ
る。
【0017】なお、このようにして得られる共重合体組
成物中の共重合体のガラス転移温度(Tg)は、−40
〜90℃、好ましくは−20〜90℃、さらに好ましく
は40〜90℃、特に好ましくは50〜75℃であり、
−40℃未満では硬度が劣り、一方90℃を超えると屈
曲性が劣るものとなる。また、得られる前記共重合体組
成物全体(共重合体組成物の全固形分に相当する。以下
同じ)のトルエン不溶分は、98重量%以下、好ましく
は40〜98重量%、さらに好ましくは60〜95重量
%、特に好ましくは70〜95重量%であり、98重量
%を超える場合には、耐熱水性が劣るものとなる。さら
に、得られる組成物全体の酸価は、好ましくは2〜6
0、さらに好ましくは5〜50、特に好ましくは5〜4
0であり、2未満では密着性に劣る場合があり、一方6
0を超える場合には耐熱水性が充分でない場合がある。
さらに、前記モノマー成分(I)を共重合して得られる
共重合体全体の重量平均分子量は、好ましくは20万以
上、さらに好ましくは30万以上、特に好ましくは40
万以上であり、20万未満では耐熱水性が充分でない場
合がある。
【0018】このようにして得られる共重合体をシード
として吸収させるオルガノシラン(II) は、一般式Rn
Si(OR′)4-n (式中、Rは炭素数1〜8の有機
基、R′は炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜
4のアシル基、nは0〜3の整数を示す)で表されるア
ルコキシシラン、またはRm SiO(4-m)/2 (式中、R
は前記に同じ、mは0〜3の数を示す)で表される環状
シロキサンなどが挙げられる。式中、Rは、炭素数1〜
8の有機基であり、例えばメチル基、エチル基、n−プ
ロピル基、i−プロピル基などのアルキル基、そのほか
γ−クロロプロピル基、γ−クロロプロピル基、ビニル
基、3,3,3−トリフロロプロピル基、γ−グリシド
キシプロピル基、γ−メタクリルオキシプロピル基、γ
−メルカプトプロピル基、フェニル基、3,4−エポキ
シシクロヘキシルエチル基、γ−アミノプロピル基など
が挙げられる。また、式中、R′は、炭素数1〜5のア
ルキル基もしくは炭素数1〜4のアシル基であり、例え
ばメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル
基、sec−ブチル基、t−ブチル基、アセチル基など
が挙げられる。
【0019】式中のRまたはR′の炭素数が大きくなる
と、水溶性が低下し、シードとしての前記共重合体に対
するオルガノシランの吸収率が低下し好ましくない。こ
れらのオルガノシランの具体例としては、テトラメトキ
シシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシ
ラン、テトラブトキシシラン、メチルトリメトキシシラ
ン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシ
ラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメ
トキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、i−
プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキ
シシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ
−クロロプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメト
キシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3,3,3−
トリフロロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−
トリフロロプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピ
ルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメ
トキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシ
ラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエト
キシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、
3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシ
ラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリエト
キシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエ
トキシシラン、ジエチルジメトキシシランなどを挙げる
ことができ、好ましくはテトラメトキシシラン、テトラ
エトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルト
リエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチ
ルジエトキシシランである。また、環状シロキサンとし
ては、ヘキサフェニルシクロトリシロキサン、オクタフ
ェニルシクロテトラシロキサン、テトラビニルテトラメ
チルシクロテトラシロキサン、ヘキサメチルシクロトリ
シロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ペ
ンタメチルシクロテトラシロキサン、ヘキサメチルシク
ロテトラシロキサン、テトラメチルシクロテトラシロキ
サン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチ
ルシクロヘキサシロキサン、トリメチルトリフェニルシ
クロトリシロキサンなどの環状化合物のほかに、直鎖状
あるいは分岐状のオルガノシロキサンを挙げることがで
きる。これらのオルガノシロキサンは、1種単独または
2種以上を併用することができ、他の例えばチタン、ア
ルミニウムなどの金属アルコキシドと併用することもで
きる。また、必要に応じて公知のシランカップリング剤
を併用することもできる。さらに、これらのオルガノシ
ランは、必要に応じて有機溶媒に溶解して使用すること
もできる。
【0020】本発明において、シードとなる前記共重合
体に吸収させるオルガノシラン(II) の使用量は、該共
重合体中の(I)成分100重量部あたり、0.1〜5
00重量部、好ましくは0.5〜250重量部、さらに
好ましくは1.0〜100重量部であり、0.1重量部
未満では密着性、撥水性、耐候性、耐汚染性、滑性に乏
しく、一方500重量部を超えると屈曲性、貯蔵安定性
が劣るものとなる。本発明において、前記共重合体中に
オルガノシランを吸収させる方法としては、該共重合体
が分散された前記共重合体組成物中にオルガノシランを
添加し、よく攪拌することにより容易に達成される。シ
ードとなる前記共重合体にオルガノシランを効率よく吸
収させるために、必要に応じて水に対する溶解度が10
-3重量%以下の溶媒を、あらかじめ該共重合体中に吸収
させておくことも可能である。
【0021】また、オルガノシランの吸収が充分でない
状態で反応が進むのを避けるために、共重合体組成物は
pH4〜10、好ましくはpH5〜9、さらに好ましく
はpH6〜8に調整し、温度は90℃以下、好ましくは
70℃以下、さらに好ましくは50℃以下、特に好まし
くは30℃以下の条件で、オルガノシランを添加、吸収
させることが望ましい。共重合体中に吸収されたオルガ
ノシランの縮合反応は、反応温度および水素イオン濃度
を変えることにより容易に制御され、ポリシロキサンの
重合度を調整することができる。オルガノシランの縮合
反応は、温度30℃以上、好ましくは50℃以上、さら
に好ましくは70℃以上で行うことができる。
【0022】このようにして得られるポリシロキサン複
合粒子(III)の平均粒径は、通常、0.03〜0.5μ
m、好ましくは0.05〜0.3μm、さらに好ましく
は0.05〜0.2μm程度であり、0.03μm未満
では組成物の粘度が上昇し、低固形分の組成物しか得ら
れず、使用条件により機械的シェアが過酷な場合におい
ては、凝固物を発生して好ましくなく、一方0.5μm
を超えると組成物の貯蔵安定性が劣り好ましくない。こ
の平均粒径の調整は、乳化剤量、オルガノシランの吸収
量などを適宜選択することによって行われる。
【0023】本発明のコーティング用組成物は、以上の
ようなポリシロキサン複合粒子(III)に、架橋剤(IV)
を含む組成物である。ここで、架橋剤(IV) としては、
アミノ樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アルキド
樹脂、不飽和ポリエステルなどの熱硬化性樹脂、イソシ
アネート化合物、ブロックイソシアネート化合物、多価
アルコール、アジリジン化合物などの有機系架橋剤、金
属または金属化合物などの無機系架橋剤などを挙げるこ
とができる。これらの架橋剤は、通常、0〜280℃の
硬化温度で使用することがえきるが、アミノ樹脂、フェ
ノール樹脂、ブロックイソシアネート化合物などは、1
00℃以上の硬化温度で使用することが好ましい。
【0024】前記アミノ樹脂としては、ヘキサメトキシ
メチル化メラミン樹脂などの完全アルキル型メチル化メ
ラミン樹脂、部分アルキル化メチル化メラミン樹脂、ベ
ンゾグアナミン樹脂、アルキルエーテル化尿素樹脂など
が挙げられる。前記イソシアネートおよびブロックイソ
シアネートとしては、トリレンジイソシアネートならび
にその水素添加物およびアダクト、ジフェニルメタンジ
イソシアネートおよびその水素添加物、トリフェニルメ
タントリイソシアネートおよびその水素添加物、ヘキサ
メチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネー
トおよびその水素添加物、イソホロンジイソシアネー
ト、ジアニシジンジイソシアネート、トリジンジイソシ
アネート、イソシアネート基をブロック化したブロック
化ポリイソシアネートならびにこれらの任意の混合物な
どが挙げられる。
【0025】前記フェノール樹脂としては、ジメチロー
ル樹脂、ポリメチロールフェノール樹脂、フェノールホ
ルムアミド樹脂、メチロールフェノールホルムアミド樹
脂、ジメチロールフェノールホルムアミド樹脂などが挙
げられる。エポキシ樹脂としては、エチレングリコール
・ジグリシジルエーテル、ヘキサンジオール・ジグリシ
ジルエーテル、ネオペンチルグリコール・ジグリシジル
エーテル、グリセリン・ジグリシジルエーテル、グリセ
リン・ポリグリシジルエーテル、ジグリセリン・ポリグ
リシジルエーテル、ソルビトール・ポリグリシジルエー
テル、水添ビスフェノールA・ジグリシジルエーテルま
たはビスフェノールA・ジグリシジルエーテルなどの多
価アルコールのポリグリシジルエーテル、あるいはp−
オキシ安息香酸のグリシジルエーテル、フタル酸ジグリ
シジルエステルまたはヘキサヒドロフタル酸・ジグリシ
ジルエステル、さらにはヒダントイン環含有エポキシ樹
脂、そして側鎖にエポキシ基を有するビニル系重合体な
どが挙げられる。
【0026】前記金属化合物としては、亜鉛、ジルコニ
ウム、マグネシウム、銅、鉄、コバルト、ニッケル、ア
ルミニウム、カドミウム、チタニウムなどの金属の酸化
物、もしくは塩類を、炭酸、酢酸、ギ酸、グルタル酸、
安息香酸、シュウ酸などの酸に溶解させるか、あるいは
これらの酸と多価金属化合物の水溶液をアンモニア、ア
ミンなどによりpHを7〜11に調整することによって
得られるものであり、また金属イオンの形になったもの
をも含めることができる。この多価金属化合物は、炭酸
亜鉛アンモニウム、炭酸アンモニウムジルコネート、亜
鉛、ジルコニウムの酸化物または塩である。前記アミン
で錯体形成可能なものは、モルホリン、モノエタノール
アミン、エチレンジアミン、ジエチルアミノエタノール
などである。そのほか、一般的な錯化剤、例えばエチレ
ンジアミン四酢酸などのコンプレキサン、グリシン、ア
ラニンなども使用できる。
【0027】前記アジリジン化合物としては、トリス−
2,4,6−(1−アジリジニル)−1,3,5−トリ
アジン、トリス〔1−(2−メチル)アジリジニル〕ホ
スフィンオキシド、ヘキサ〔1−(2−メチル)−アジ
リジニル〕トリホスファトリアジンなどが挙げられる。
【0028】架橋剤(IV) の使用量は、ポリシロキサン
複合粒子(III)100重量部に対して、0.1〜100
重量部、好ましくは20〜70重量部、さらに好ましく
は15〜50重量部であり、0.1重量部未満では硬
度、耐熱水性が劣り、一方100重量部を超えると屈曲
性が劣る場合がある。なお、架橋剤(IV) は、前記ポリ
シロキサン複合粒子の製造工程で添加してもよく、また
ポリシロキサン複合粒子の製造後に添加してもよく、さ
らにポリシロキサン複合粒子の重合工程で添加し、残り
を製造後に添加してもよいが、凝固物の発生を抑え、重
合安定性を保つためにも、架橋剤(IV) は、ポリシロキ
サン複合粒子の製造工程で添加しないことが好ましい。
【0029】本発明の組成物には、目的に応じて下記の
添加剤を添加することができる。この添加剤の添加量
は、コーティング用組成物を構成するモノマー成分
(I)100重量部に対して、50重量部以下、好まし
くは40重量部以下である。この添加剤としては、まず
造膜性、濡れ性を向上させるために、メチルアルコー
ル、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルア
ルコール、アミルアルコール、ヘキシルアルコールなど
のアルコール類、メチルセロソルブ、エチルセロソル
ブ、プロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ヘキシル
セロソルブ、メチルカルビトール、エチルカルビトー
ル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブア
セテート、トリブトキシメチルフォスフェートなどの有
機溶剤を使用することができる。この有機溶剤の使用量
は、全組成物中に0〜20重量%、好ましくは0〜10
重量%、さらに好ましくは0〜5重量%である。
【0030】また、前記添加剤以外の添加剤としては、
水性樹脂として一般的に用いられる水溶性ポリエステル
樹脂、水溶性あるいは水分散性エポキシ樹脂、水溶性あ
るいは水分散性アクリル樹脂、スチレン−マレイン酸樹
脂などのカルボキシル化芳香族ビニル樹脂、ウレタン樹
脂などのほか、さらに潤滑剤、消泡剤、湿潤剤、レベリ
ング剤、顔料などを用いることができる。なお、本発明
のコーティング用組成物の固形分濃度は、通常、10〜
60重量%である。本発明のコーティング用組成物は、
耐熱水性、屈曲性、硬度、耐熱性、耐汚染性、基体への
密着性などに優れた被膜を形成することから、金属、プ
ラスチック、木材、セラミックスなどのコーティング剤
に利用できる。
【0031】
【実施例】以下、実施例を挙げ、本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、これ
らの実施例に限定されるものではない。なお、実施例
中、割合を示す部および%は、重量基準によるものであ
る。また、実施例における諸物性の測定は、次の方法に
拠った。
【0032】転化率 重量法により、オルガノシランの転化率を測定した。耐熱水性 試験片を水中に一部分浸漬するようにオートクレーブの
中に入れ、125℃で30分間の条件で加熱(以下「熱
水処理」という)したのち、取り出して外観と密着性を
測定した。試験片が白化せずかつ外観良好なものを◎、
白化せずかつ外観が普通のものを○、若干白化するもの
を△、白化するものを×と評価した。屈曲性 直径3mmの芯棒を用いて、試験片を180°折り曲
げ、ひびの発生を目視にて評価した。
【0033】鉛筆硬度 JIS K5401に準じて、鉛筆引っ掻き試験機を用
いて測定した。硬度B以下のものは、本発明の目的を達
成していないものと判断した。密着性 JIS K5401に準じて、1mm角100個の碁盤
目試験を行い、セロテープにより剥離状態を確認し、1
00個中の接着数により表示した。滑性 熱水処理前後の試験片の動摩擦係数(μ)を荷重1k
g、引張速度250cm/分の条件で測定した。動摩擦
係数(μ)が0.3以上のものは、本発明の目的を達成
していないものと判断した。
【0034】接触角(撥水性) エルマ光学(株)製の接触角測定装置を使用し、水と熱
水処理前後の接触角を測定した。接触角が60°未満の
ものは、本発明の目的を達成していないものと判断し
た。耐候性、耐汚染性 サンシャインウエザーメーター〔スガ試験機(株)製、
WEL−SUN HC型〕(63℃)を用い、1,00
0時間暴露後の光沢保持率、汚染性を調査した。光沢
は、JIS K5400に基づき、60°鏡面光沢度を
測定した。汚染性は、外観を目視しで判定し、外観良好
なものを◎、外観が普通なものを○、若干の汚れが見ら
れるものを△、汚れが目立つものを×と評価した。貯蔵安定性 組成物の3ケ月貯蔵後の状態を確認した。
【0035】実施例1 攪拌機、温度計および単量体添加ポンプを備えたステン
レス製オートクレーブに、加熱器およびチッ素ガス導入
装置を取付け、このオートクレーブに水120部、アル
キルベンゼンスルホン酸ナトリウム1部、過硫酸ナトリ
ウム0.3部を仕込み、気相部を15分間、チッ素ガス
で置換し、75℃に昇温した。その後、別容器からメタ
クリル酸n−ブチル9部、メタクリル酸メチル25部、
メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル15部、スチレン
40部およびアクリル酸エチル10部を混合したもの
を、所要時間3時間かけて連続的に添加した。添加終了
後、さらに85〜95℃で2時間熟成したのち、25℃
まで冷却し、ジメチルエタノールアミンでpH8に調整
した。
【0036】次に、メチルトリエトキシシラン10部を
入れ、約1時間にわたり強く攪拌してシードとなる共重
合体に吸収させ、さらに70℃に昇温し、3時間縮合反
応させた。その後冷却し、固形分濃度を水で45%に調
整し、次いで200メッシュ金網でろ過した。得られた
水性共重合組成物全体の平均粒径は、0.14μmであ
った。なお、平均粒径は、コールター社製、ナノサイザ
ーを用いて測定した。また、得られた共重合組成物全体
の酸価は15であり、オルガノシランの転化率は99%
であった。水性共重合体組成物の結果を表1に示す。な
お、この共重合体組成物100部(固形分換算)を攪拌
しつつ、ブチルセロソルブの50%水溶液を20部添加
し、さらに可塑剤〔チッソ(株)製、テキサノールCS
−12〕4部添加したのち、1時間以上攪拌した。得ら
れた分散体を、#50のブリキ板に膜厚が約5μmにな
るようにバーコータを用いて塗工し、210℃で10分
間、170℃で10分間焼き付けして試験片とし、耐熱
水性を測定したところ、白化は認められなかった。
【0037】一方、得られた共重合体組成物100部
(固形分換算)を攪拌しつつ、メラミン樹脂組成物〔三
井サイアナミッド社製、サイメル303を20部、藤井
義通商(株)2625Aのアンモニア塩0.2部および
水8部〕を徐々に加えたのち、ブチルセロソルブの50
%水溶液を20部添加し、1時間以上攪拌して水性組成
物組成物を得た。得られた組成物は、固形分濃度44.
5%、溶剤含有量は3.7%であった。この組成物組成
物を、#50のブリキ板に、膜厚約5μmになるように
バーコータを用いて塗工し、210℃で10分間焼きつ
けて試験片とし、塗膜の物性、すなわち耐熱水性、屈曲
性、鉛筆硬度、密着性、撥水性、滑性を評価した。結果
を表1に示す。
【0038】さらに、前記水性分散体組成物100部
(固形分換算)に、ルチル型チタンホワイト水組成物
〔大日本インキ化学工業(株)製、デスパースホワイト
SD−7021、不揮発分70%〕を130部添加し、
ボールミル中で24時間混合して顔料含有水性組成物組
成物を得た。この組成物を、#50のブリキ板に膜厚約
5μmになるようにバーコータを用いて塗工し、210
℃で10分間焼きつけて試験片とし、塗膜の密着性、耐
候性、耐汚染性を評価した。結果を表1に示す。
【0039】実施例2 実施例1において、単量体、オルガノシランの種類と仕
込み量を表1に示すように変更した以外は、実施例1と
同様にして水性共重合体組成物を得た。次いで、この組
成物を用いて、ブチルセロソルブを用いない以外は、実
施例1と同様にして組成物組成物と試験片を得た。結果
を表1に示す。
【0040】実施例3 実施例1において、単量体、オルガノシランの種類と仕
込み量を表1に示すように変更した以外は、実施例1と
同様にして水性共重合体組成物とその組成物および試験
片を得た。結果を表1に示す。
【0041】実施例4 実施例1の水性共重合体組成物組成物に用いたメラミン
樹脂(三井サイアナミッド社製、サイメル303)を、
水性共重合体組成物の重合工程で用いた。該メラミン樹
脂の重合工程での添加方法は、3時間かけて連続的に添
加するモノマー成分に溶解し、モノマー成分と一緒に添
加した。結果を表1に示す。
【0042】実施例5〜7 実施例1〜3のそれぞれのアミノ樹脂含有水性共重合体
組成物組成物に、5%の炭酸アンモニウムジルコネート
水溶液〔第一希元素(株)製〕を10部添加した以外
は、実施例1〜3と同様にして組成物組成物を得た。結
果を表1に示す。
【0043】実施例8 実施例1において、メラミン樹脂組成物の代わりに、エ
チレングリコール・ジグリシジルエーテル2部を使用
し、焼き付け温度を70℃で48時間に変更した以外
は、実施例1と同様にして水性共重合体組成物とその組
成物および試験片を得た。結果を表1に示す。
【0044】実施例9 実施例1において、アルコキシシランの代わりに、表1
に示す環状シロキサンを用いた以外は、実施例1と同様
にしてコーティング用組成物を得た。結果を表1に示
す。
【0045】比較例1〜2 実施例3において、単量体の種類と仕込み量を表2に示
すように変更した以外は、実施例3と同様にして水性共
重合体組成物とその組成物および試験片を得た。結果を
表2に示す。表2の結果から、(a)アルキル(メタ)
アクリレートの量が10部未満では屈曲性が劣り、一方
95部を超えると耐熱水性が劣ることが分かる。
【0046】比較例3〜4 実施例1において、オルガノシランの仕込み量を表2に
示すように変更した以外は、実施例1と同様にして水性
共重合体組成物とその組成物および試験片を得た。結果
を表2に示す。表2の結果から、オルガノシランの量が
0.1部未満では滑性、撥水性、耐候性、耐汚染性が劣
り、一方500部を超えると屈曲性、貯蔵安定性が劣る
ことが分かる。
【0047】比較例5〜6 実施例1において、架橋剤の仕込量を、比較例5におい
ては0.05部、比較例6においては110部に変更し
た以外は、実施例1と同様にして水性共重合体組成物と
その組成物および試験片を得た。結果を表2に示す。表
2から、架橋剤の添加量がポリシロキサン複合粒子10
0部あたり0.1部未満では硬度、耐熱水性に劣り、一
方100部を超えると屈曲性に劣ることが分かる。
【0048】比較例7 メチルトリメトキシシラン100部、濃度10%のドデ
シルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.3部(固形分換
算)を蒸留水によって希釈して200部とし、これを還
流冷却器、攪拌機を備えた反応容器に入れ、よく攪拌混
合した。その後、反応容器を70℃に昇温し、3時間反
応させた。転化率が99%で透明なポリシロキサンの水
性組成物を得た。さらに、実施例1において、共重合体
にオルガノシランを吸収させて縮合反応させる代わり
に、前記のポリシロキサン水性組成物10部(固形分換
算)を混合した以外は、実施例1と同様にしてコーティ
ング用組成物および試験片を得た。結果を表2に示す。
表2から、ポリシロキサンとの単なる混合では、屈曲
性、貯蔵安定性に劣ることが分かる。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
【発明の効果】本発明のコーティング用組成物は、従来
の溶剤タイプ、溶剤含有水性タイプのコーティング剤本
来の優れた耐熱水性、密着性、貯蔵安定性などの特性を
損なうことなく、硬度、屈曲性、滑性、撥水性、耐候
性、耐汚染性などの特性に優れており、また有機溶剤含
有量を著しく低減できるため、金属、プラスチック、木
セラミックスなどのコーティング剤に利用すること
ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−337376(JP,A) 特開 平1−115966(JP,A) 特開 平5−170909(JP,A) 特開 平5−269432(JP,A) 特開 平9−328649(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 133/10 C09D 183/04 C08G 77/442 C08L 83/04 CA(STN) CAOLD(STN) REGISTRY(STN) WPIDS(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)アルキル(メタ)アクリレート1
    0〜95重量%および(b)前記(a)成分と共重合可
    能なヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを必須成
    分とするエチレン性不飽和単量体90〜5重量%〔ただ
    し、(a)+(b)=100重量%〕を含むモノマー成
    分(I)を乳化重合して得られる共重合体に、オルガノ
    シラン(II) を前記(I)成分100重量部あたり0.
    1〜500重量部吸収させたのち、該オルガノシランの
    縮合反応を進行させることにより、ポリシロキサンを複
    合化させたポリシロキサン複合粒子(III)100重量部
    に対し、架橋剤(IV) 0.1〜100重量部を含有する
    ことを特徴とするコーティング用組成物。
JP3329833A 1991-11-19 1991-11-19 コーティング用組成物 Expired - Lifetime JP3070205B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3329833A JP3070205B2 (ja) 1991-11-19 1991-11-19 コーティング用組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3329833A JP3070205B2 (ja) 1991-11-19 1991-11-19 コーティング用組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05140502A JPH05140502A (ja) 1993-06-08
JP3070205B2 true JP3070205B2 (ja) 2000-07-31

Family

ID=18225742

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3329833A Expired - Lifetime JP3070205B2 (ja) 1991-11-19 1991-11-19 コーティング用組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3070205B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003055459A (ja) * 2001-08-14 2003-02-26 Jsr Corp 複合粒子、その分散体、分散体の製造方法、およびコーティング材
JP4517229B2 (ja) * 2004-08-03 2010-08-04 ナガセケムテックス株式会社 シルセスキオキサン含有化合物及びその製造方法
JP5069462B2 (ja) * 2006-12-25 2012-11-07 パナソニック株式会社 撥水・撥油性樹脂組成物及び塗装品

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05140502A (ja) 1993-06-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5973068A (en) Silicone resin-containing emulsion composition, method for making same, and article having a cured film of same
JP3298891B2 (ja) 塗料組成物、塗料組成物の製造方法及び無機酸化物ゾルの分散体の製造方法
US20030073779A1 (en) Aqueous dispersion and coated product
JPH11508641A (ja) 水性塗料調剤中の処方成分としてのオルガノポリマー鞘を有する前架橋されたシリコーンエラストマー粒子
JP2006306994A (ja) 水性塗料組成物及び該水性塗料組成物の塗装方法
JPH09302257A (ja) 有機ポリマー複合無機微粒子、その製造方法および成膜用組成物
JP3186278B2 (ja) ポリシラン複合重合体エマルジョンの製造方法
JPH09188847A (ja) コーティング用水系分散体
AU2015252211B2 (en) Process for making acrylic powder coating resin systems
JP3070205B2 (ja) コーティング用組成物
JP3593772B2 (ja) 架橋型重合体分散液
JP3239523B2 (ja) ポリシロキサン複合重合体ラテックス
JP5415339B2 (ja) 架橋性水性樹脂組成物
JP4771029B2 (ja) ポリオルガノシロキサン/有機ポリマー複合粒子の水系分散体およびその製造方法
JP3448353B2 (ja) 塗料用樹脂組成物およびその製造方法
JPH06299093A (ja) 防錆塗料用水分散液の製造方法
JP3479563B2 (ja) 塗料用樹脂組成物およびその製造方法
JPH09291186A (ja) 水系分散体
JPH03281679A (ja) コーティング用分散液およびその組成物
JP2000264971A (ja) 複合粒子、その分散体、分散体の製造方法、およびコーテイング材
JP3387633B2 (ja) 塗料用エマルジョンの製造方法
JP3473878B2 (ja) 水系塗料用組成物
JPH0931396A (ja) コーティング用水分散体
JPH08151550A (ja) 壁紙用コーティング剤
JPH10316932A (ja) 塗料配合物

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20000425

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090526

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090526

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090526

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100526

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100526

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110526

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110526

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120526

Year of fee payment: 12

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120526

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120526

Year of fee payment: 12