JP2001064439A - 有機ポリマー複合無機微粒子とその製造方法、および、その分散体と組成物 - Google Patents

有機ポリマー複合無機微粒子とその製造方法、および、その分散体と組成物

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JP2001064439A
JP2001064439A JP24038899A JP24038899A JP2001064439A JP 2001064439 A JP2001064439 A JP 2001064439A JP 24038899 A JP24038899 A JP 24038899A JP 24038899 A JP24038899 A JP 24038899A JP 2001064439 A JP2001064439 A JP 2001064439A
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Ichiro Namura
一郎 名村
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安定な原料を使用し、製造工程数が少なく、
製造方法も簡便な、新規な有機ポリマー複合無機微粒子
の製造方法と、塗料等の用途に優れた性能を有する新規
な有機ポリマー複合無機微粒子、および、その分散体と
組成物を提供する。 【解決手段】 本発明に係る有機ポリマー複合無機微粒
子は、無機微粒子の表面に有機ポリマー鎖が化学結合し
てなり、前記化学結合は、無機微粒子を構成する金属原
子と、有機ポリマー鎖中の炭素原子とが、酸素原子を介
して結合してなる。また、本発明に係る有機ポリマー複
合無機微粒子の製造方法は、無機微粒子の表面に有機ポ
リマー鎖が化学結合してなる有機ポリマー複合無機微粒
子の製造方法であって、縮合性金属化合物を、水酸基含
有有機ポリマーの存在下で縮合することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種塗料、コーテ
ィング剤、成形材料等への添加剤などの用途に有用な有
機ポリマー複合無機微粒子、その製造方法、および、そ
の分散体と組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より種々の無機微粒子が、強度、難
燃性、隠蔽性、耐熱性、表面硬度、防錆性等の特性付与
を目的とする各種塗料および成型材料等の添加剤とし
て、実用に供せられている。しかしながら、その性能は
十分ではなく、この問題点を解決するために、種々の方
法で有機ポリマー等を使用した無機微粒子の表面修飾が
なされ、無機微粒子と有機媒体間の親和性の向上が計ら
れている。
【0003】たとえば、特開平3−271114号公報
には、粒子径が5〜300nmのシリカ微粒子をシリル
エーテル化ポリマーで処理した微粒子が記載されてい
る。また、坪川らは、気相法で得られた粒子径が数十n
mのシリカ微粒子表面へ重合性官能基や重合開始基を導
入後、シリカ微粒子をラジカル重合またはシリル基含有
ポリマーカップリング剤による表面処理によって、有機
ポリマーがグラフトしたシリカ微粒子を得る実験を報告
している(「表面」第28巻,第4号,第286〜29
8頁,1990年)。
【0004】さらに、特開平5−115772号公報に
は、気相法で得られた粒子径が数十nmのシリカ微粒子
表面に重合性官能基を導入後、乳化重合を行い、シリカ
表面にポリマーがグラフトした100nm以下の平均粒
子径を有する微粒子が記載されている。一方、特開平4
−180921号公報には、粒子径が10〜5000n
mのコロイダルシリカ表面をあらかじめカップリング剤
で処理した後、酸基含有ポリマーで表面処理して、ポリ
マーで表面修飾されたシリカ微粒子を得る方法が記載さ
れている。また、吉永らは、単分散シリカ微粒子をアル
コキシシリル基含有ポリマーで処理して、有機ポリマー
で表面修飾されたシリカ微粒子の例を報告している
(「繊維学会誌」第49巻,第3号,第130〜136
頁,1993年)。
【0005】また、種々の方法で有機ポリマー等で表面
修飾された無機微粒子を成膜用組成物として応用し、成
膜用組成物中の塗料用樹脂等の有機媒体と無機微粒子間
の親和性の向上が計られている。たとえば、無機微粒子
をあらかじめカップリング剤で表面処理した後、酸基含
有ポリマーまたはアルコキシシリル基含有ポリマーで表
面処理した無機微粒子を含有する成膜組成物がある。ま
た、特開平4−173882号公報には、アクリルポリ
オール樹脂、2個以上の官能基を有するイソシアネート
化合物等の結合剤、無機質のオルガノゾル、溶剤を含む
アクリル樹脂系塗料用組成物が挙げられ、この組成物を
使用すると耐候性が改善されると記載されている。さら
に、特開平7−178335号公報には、特定の縮合性
金属化合物と、ポリシロキサン基を有する特定の有機ポ
リマーとを用いて縮合反応することにより、塗料用途等
に好適な有機ポリマー複合無機微粒子と、耐候性や耐汚
染性などに優れたその成膜組成物を開示している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
有機ポリマー複合無機微粒子の製造においては、一般に
多段階の工程からなり、操作が煩雑である。例えば、従
来の水系有機ポリマー複合シリカゾルの典型的な製造工
程は、まず、重合性のシロキサンモノマーを合成し、続
いて、当該重合性シロキサンモノマーを必要に応じて他
の親水性モノマー群と共存下で重合を行うことで縮合反
応点を有する有機ポリマーを合成し、さらに、当該有機
ポリマーと縮合性金属化合物との縮合反応を行うとい
う、3段階の工程が必要であった。また、この方法で用
いる縮合反応点を有する有機ポリマーは安定性に欠ける
ために、取扱いが容易ではなかった。
【0007】そこで、本発明の課題は、安定な原料を使
用し、製造工程数が少なく、製造方法も簡便な、新規な
有機ポリマー複合無機微粒子の製造方法と、塗料等の用
途に優れた性能を有する新規な有機ポリマー複合無機微
粒子、および、その分散体と組成物を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決すべく鋭意検討を行った。その結果、有機ポリマーと
無機微粒子との結合形態が従来とは異なる、新規な有機
ポリマー複合無機微粒子を着想した。そして、この新規
な有機ポリマー複合無機微粒子は、従来の有機ポリマー
複合無機微粒子の製造方法にくらべて非常に簡便な方法
で製造でき、しかも、用いる原料が安定であるという利
点を有することが分かった。すなわち、従来複数工程を
経て合成していた縮合反応点を有する有機ポリマーの代
わりに、水酸基を有する比較的安定な有機ポリマーを使
用し、縮合性金属化合物との共存下での反応により、極
めて少ない工程で前記の新規有機ポリマー複合無機微粒
子が得られることを見いだした。加えて、この新規な有
機ポリマー複合無機微粒子は、従来の有機ポリマー複合
無機微粒子とは有機ポリマーの結合形態が異なるもの
の、塗料用途等としての性能的には従来と同等もしくは
それ以上の効果を発揮することも分かった。
【0009】従って、本発明に係る有機ポリマー複合無
機微粒子は、無機微粒子の表面に有機ポリマー鎖が化学
結合してなる有機ポリマー複合無機微粒子において、前
記化学結合は、無機微粒子を構成する金属原子と、有機
ポリマー鎖中の炭素原子とが、酸素原子を介して結合し
てなることを特徴とする。また、本発明に係る有機ポリ
マー複合無機微粒子分散体は、本発明の有機ポリマー複
合無機微粒子が分散液に分散してなり、本発明に係るコ
ーティング組成物は、本発明の有機ポリマー複合無機微
粒子を含有してなることを特徴とする。
【0010】さらに、本発明に係る有機ポリマー複合無
機微粒子の製造方法は、無機微粒子の表面に有機ポリマ
ー鎖が化学結合してなる有機ポリマー複合無機微粒子の
製造方法であって、縮合性金属化合物を、水酸基含有有
機ポリマーの存在下で縮合することを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。 (有機ポリマー複合無機微粒子)本発明の有機ポリマー
複合無機微粒子を構成する無機微粒子は、任意の元素で
構成される無機物の微粒子であれば、特に制限はなく、
無機物として好ましく用いられるのは、無機酸化物であ
る。前記無機酸化物は、金属原子が主に酸素原子との結
合を介して3次元のネットワークを構成した種々の含酸
素金属化合物と定義される。前記無機酸化物を構成する
金属原子としては、たとえば、元素周期律表II〜VI族か
ら選ばれる原子が好ましく、元素周期律表 III〜V族か
ら選ばれる原子がさらに好ましい。その中でも、Si、
Al、Ti、Zrから選ばれる原子が特に好ましく、前
記無機酸化物を構成する金属原子がケイ素であるシリカ
微粒子が、無機微粒子として最も好ましい。また、前記
無機酸化物中に、有機基、水酸基を含有したり、あるい
は後述する原料となる縮合性金属化合物に由来する各種
の基が残留したり、有機ポリマーの一部分を包含してい
てもよい。前記有機基は、炭素数20以下の置換されて
いてもよいアルキル基、シクロアルキル基、アリール
基、アラルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1
種である。前記無機酸化物は、1種のみまたは2種以上
である。
【0012】このような無機物からなる無機微粒子の形
状は、球状、針状、板状、鱗片状、破砕状等の任意の粒
子形状でよく、特に限定されない。本発明における有機
ポリマー複合無機微粒子の表面に化学結合してなる有機
ポリマー鎖は、各種塗料や成形材料等に使用される場
合、前記微粒子の分散性や、前記微粒子と有機媒体との
親和性の向上に寄与し、また、成膜用組成物として用い
られる場合は、バインダーとして作用するものである。
【0013】本発明の有機ポリマー複合無機微粒子は、
無機微粒子の表面に有機ポリマー鎖が化学結合してな
り、その化学結合は、無機微粒子を構成する金属原子
と、有機ポリマー鎖中の炭素原子とが、酸素原子を介し
て結合してなることを特徴とする。すなわち、前述の無
機微粒子を構成する金属原子(好ましくは、Si、A
l、Ti、Zrであり、特に好ましくはSi)と、無機
微粒子表面に存在する有機ポリマー鎖骨格を構成する炭
素原子とが、それらの間に酸素原子を介して結合してい
る形態をいう。例えば、無機微粒子を構成する金属原子
がSiの場合には、Si−O−Cという結合形態が存在
することを意味する。
【0014】以下、便宜上、本発明の有機ポリマー複合
無機微粒子の微粒子表面に結合した有機ポリマーを「有
機ポリマー鎖」と称する。前記有機ポリマー鎖部分の分
子量、形状、組成、官能基の有無等については、特に限
定はない。有機ポリマー鎖部分の形状については、直鎖
状、分枝状、架橋構造等の任意の形状のものを使用する
ことができる。また、有機ポリマー鎖の構造の具体例と
しては、たとえば、(メタ)アクリル樹脂、ポリスチレ
ン、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレンやポリプロピレン等
のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルおよ
びこれらの共重合体やアミノ基、エポキシ基、ヒドロキ
シル基、カルボキシル基等の官能基で一部変性した樹脂
等が有する構造が挙げられる。中でも、有機ポリマー鎖
が、(メタ)アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール系
樹脂、エーテルグリコール系樹脂が有する構造単位を含
むことが好ましい。
【0015】有機ポリマー複合無機微粒子は、微粒子内
に有機ポリマーを包含していてもよい。このことによ
り、有機ポリマー複合無機微粒子のコアである無機物に
適度な軟度および靱性を付与することができる。有機ポ
リマー複合無機微粒子中の有機ポリマーの有無は、たと
えば、この有機ポリマー複合無機微粒子を500〜70
0℃で加熱し、有機ポリマーを熱分解した後の微粒子の
比表面積の測定値と、微粒子の直径から算出される比表
面積の理論値とを比較することにより、確認することが
できる。すなわち、有機ポリマー複合無機微粒子内に有
機ポリマーを包含している場合は、加熱によって有機ポ
リマーが熱分解し、微粒子内に多数の細孔が生じるた
め、有機ポリマーを熱分解した後の微粒子の比表面積
が、微粒子の直径から算出される比表面積の理論値より
もかなり大きい値となる。
【0016】本発明の有機ポリマー複合無機微粒子の平
均粒子径は、好ましくは5〜200nmであり、より好
ましくは5〜100nmである。有機ポリマー複合無機
微粒子の平均粒子径が5nm未満では、有機ポリマー複
合無機微粒子の表面エネルギーが高くなるため、凝集等
が起こりやすくなる。また、有機ポリマー複合無機微粒
子の平均粒子径が200nmを超えると、塗料等に使用
した場合、塗膜の透明性等の物性が低下する。
【0017】本発明の有機ポリマー複合無機微粒子の粒
子径の変動係数は、好ましくは50%以下であり、30
%以下がより好ましい。有機ポリマー複合無機微粒子の
粒子径分布が広いと、すなわち、粒子径の変動係数が5
0%を超えると、プラスティックフィルム等の充填材等
に使用した場合に、フィルム表面が平滑ではなく、凹凸
が激しく好ましくない。
【0018】本発明の有機ポリマー複合無機微粒子中の
アルコキシ基の含有量は、好ましくは、有機ポリマー複
合無機微粒子1g当たり、0.01〜50mmolであ
り、より好ましくは0.01〜10mmol、さらに好
ましくは0.01〜1mmol、最も好ましくは0.0
1〜0.5mmolである。ここでいうアルコキシ基
は、微粒子骨格を形成する金属元素に結合したR3 O基
を示す。ここでR3 は置換されていてもよいアルキル基
であり、微粒子中のR3 O基は、同一であっても異なっ
ていてもよい。R3 の具体例としては、メチル、エチ
ル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル等が挙げ
られる。
【0019】上記のようなアルコキシ基は、有機ポリマ
ー複合無機微粒子を各種塗料・成形材料として使用した
場合に、有機媒体との親和性や、有機媒体中での分散性
を補足的に向上させる作用がある。本発明の有機ポリマ
ー複合無機微粒子中の無機物の含有率については、特に
制限されるものではないが、前記微粒子を種々の樹脂中
に添加した場合、無機物の有する硬度、耐熱性などの特
性を、より効果的に発揮するには、前記微粒子中の無機
物の含有率をできるだけ高めるのが有利であり、無機物
の含有率としては、有機ポリマー複合無機微粒子の50
〜99.5重量%が好ましい。
【0020】本発明の有機ポリマー複合無機微粒子中の
有機ポリマーの含有率については、特に制限されるもの
ではないが、有機ポリマー複合無機微粒子の0.5〜5
0重量%が好ましい。 (有機ポリマー複合無機微粒子の製造方法)本発明の有
機ポリマー複合無機微粒子を製造する方法について、以
下に説明する。
【0021】本発明の有機ポリマー複合無機微粒子の製
造方法は、無機微粒子の表面に有機ポリマー鎖が化学結
合してなる有機ポリマー複合無機微粒子の製造方法であ
って、縮合性金属化合物を、水酸基含有有機ポリマーの
存在下で縮合することを特徴とする。ここで、本発明に
いう「縮合」とは、必要に応じて加水分解反応を伴う縮
合反応をいう。
【0022】本発明で用いる水酸基含有有機ポリマーと
は、水酸基を少なくとも1個有する有機ポリマーであれ
ば特に限定されないが、例えば、ヒドロキシアルキル
(メタ)アクリレート重合体やヒドロキシアルキル(メ
タ)アクリレート/スチレン共重合体などの(メタ)ア
クリル系樹脂;クラレ(株)社製のクラレポバールPV
A−CST、PVA−217、PVA−117等のメー
カー各社から製品化されているポリビニルアルコール系
樹脂;ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン等の
エーテルグリコール重合体や、花王(株)社製のエマル
ゲン(ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキ
シエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオ
レイルエーテル、ポリオキシエチレン高級アルコールエ
ーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルな
ど)やレオドール(ポリオキシエチレンソルビタンモノ
ラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステア
レート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート
など)等の非イオン性界面活性剤として知られているエ
ーテルグリコール重合体の変性物などのエーテルグリコ
ール系樹脂などが挙げられ、中でも特に、水酸基を含有
する(メタ)アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール系
樹脂、エーテルグリコール系樹脂が好ましい。
【0023】本発明で用いる水酸基含有有機ポリマーの
分子量は特に限定されないが、数平均分子量が200,
000以下であるのが好ましく、50,000以下であ
るのがさらに好ましい。分子量が高いと後述する有機溶
剤に溶解しにくくなる場合があり好ましくない。本発明
の製造方法で用いる縮合性金属化合物は、加水分解・縮
合することにより3次元的にネットワークを形成するこ
とができる。この縮合性金属化合物は、1種のみまたは
2種以上を混合して使用することができる。
【0024】縮合性金属化合物としては、縮合性金属化
合物を構成する金属原子が元素周期律表のIII 族、IV
族、V族の各元素からなる群から選ばれる少なくとも1
種の金属原子であるものが好ましい。中でも、縮合性金
属化合物を構成する金属原子がSi、Al、Tiおよび
Zrからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属原子
によって構成される金属化合物がより好ましい。また、
縮合反応を制御し易いため、縮合性金属化合物を構成す
る金属原子としては、Siが最も好ましい。
【0025】このような縮合性金属化合物の具体例とし
ては、ホウ酸、ホウ酸アンモニウム、三臭化ホウ素、三
塩化ホウ素、二塩化メチルホウ素、ホウ酸トリメチル、
ホウ酸トリエチル、ホウ酸トリイソプロピル、ホウ酸ト
リブチル、メチルホウ酸、メチルホウ酸ジメチル、水酸
化アルミニウム、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウ
ム、硫酸アルミニウム、硫酸アルミニウムアンモニウ
ム、アルミニウムトリメトキシド、アルミニウムトリエ
トキシド、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミ
ニウムトリブトキシド、ジメチルアルミニウムメトキシ
ド、イソプロピルアルミニウムジクロライド、エチルエ
トキシアルミニウムクロライド、四塩化ケイ素、トリメ
チルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルト
リクロロシラン、ジメチルエトキシシラン、フェニルト
リヒドロキシシラン、トリメチルヒドロキシシラン、ジ
メチルジヒドロキシシラン、メチルトリアセトキシシラ
ン、ジメチルジアセトキシシラン、トリメチルアセトキ
シシラン、テトラアセトキシシラン、テトラメトキシシ
ラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシ
ラン、テトラブトキシシラン、トリメトキシシラン、ト
リエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ビニル
トリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラ
ン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−
(2−アミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシラ
ン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキ
シシラン、ジメトキシジメチルシラン、ジメトキシメチ
ルシラン、ジエトキシメチルシラン、ジエトキシ−3−
グリシドキシプロピルメチルシラン、3−クロロプロピ
ルジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチルフェニル
シラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキ
シシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメトキシジエ
トキシシラン、ゲルマニウムテトラメトキシド、ゲルマ
ニウムテトラエトキシド、メチルゲルマニウムトリエト
キシド、ジメチルゲルマニウムジメトキシド、トリメチ
ルゲルマニウムメトキシド、トリエチル錫ヒドロキシ
ド、ジメチル錫ジメトキシド、トリメチル錫メトキシ
ド、ジメチル錫ジエトキシド、ジブチル錫ジブトキシ
ド、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テ
トライソプロポキシチタン、テトラブトキシチタン、テ
トラ(2−エチルヘキシロキシ)チタン、ジエトキシジ
ブトキシチタン、イソプロポキシチタントリオクタレー
ト、ジイソプロポキシチタンジアクリレート、トリブト
キシチタンステアレート、テトラメトキシジルコニウ
ム、テトラエトキシジルコニウム、テトライソプロポキ
シジルコニウム、テトラブトキシジルコニウム等が挙げ
られる。
【0026】また、縮合性金属化合物として、上記化合
物の誘導体を使用することがてきる。金属化合物の誘導
体とは、例えば、ハロゲン、NO3 、SO4 、アルコキ
シ基、アシロキシ基等の加水分解性基の一部をジカルボ
ン酸基、オキシカルボン酸基、β−ジケトン基、β−ケ
トエステル基、β−ジエステル基、アルカノールアミン
基等のキレート化合物を形成しうる基で置換した金属化
合物あるいは前記金属化合物および/または前記キレー
ト置換金属化合物を部分的に加水分解および/または縮
合して得られるオリゴマーおよびポリマー等である。
【0027】上記のキレート置換化合物としては、例え
ば、ジイソプロポキシチタンジアセチルアセトネート、
オキシチタンジアセチルアセトネート、ジブトキシチタ
ンビストリエタノールアミネート、ジヒドロキシチタン
ジラクテート、ジルコニウムアセチルアセトネート、ア
セチルアセトンジルコニウムブトキシド、トリエタノー
ルアミンジルコニウムブトキシド、アルミニウムアセチ
ルアセトネート等が挙げられる。
【0028】本発明で用いる縮合性金属化合物は、下記
の一般式(1)で示される化合物およびその誘導体から
選ばれる少なくとも1種を用いるのが好ましい。 (R1 O)m MR2 n-m (1) (一般式(1)中、MはSi、Al、TiおよびZrか
ら選ばれる少なくとも1種の金属原子、R1 は水素原子
またはアルキル基、アシル基から選ばれる、置換されて
いても良い少なくとも一種の基であり、R2 はアルキル
基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基から
選ばれる、置換されていても良い少なくとも1種の基、
nは金属元素Mの価数、mは1〜nの整数、R1 および
/またはR 2 が1分子中に複数ある場合、複数のR1
よび/またはR2 は互いに同一であってもよく、異なっ
ていてもよい。) ここでR1 の具体例としては、アルキル基としては、た
とえば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピ
ル基、ブチル基、第2級ブチル基、第3級ブチル基、ペ
ンチル基等が挙げられる。また、アシル基としては、ア
セチル基、プロピオニル基等が挙げられる。R1 は水素
原子、メチル基、エチル基が好ましく、メチル基が最も
好ましい。これはR1 O基の加水分解・縮合速度がさら
に速くなるという理由による。
【0029】また、R2 の具体例としては、アルキル基
としては、たとえば、メチル基、エチル基、プロピル
基、イソプロピル基、ブチル基、第2級ブチル基、第3
級ブチル基、ペンチル等基が挙げられる。シクロアルキ
ル基としては、たとえば、シクロヘキシル基等が挙げら
れる。アリール基としては、たとえば、フェニル基、ト
リル基、キシリル基等が挙げられる。アラルキル基とし
ては、たとえば、ベンジル基等の基が挙げられる。また
置換されていても良いアルキル基、シクロアルキル基、
アリール基、アラルキル基とは、上記アルキル基、シク
ロアルキル基、アリール基、アラルキル基の有する水素
原子の1個または2個以上が、例えば、メトキシ基、エ
トキシ基等のアルコキシ基、アミノ基、ニトロ基、エポ
キシ基、ハロゲン等の官能基で置換された基を示す。
【0030】一般式(1)で示される縮合性金属化合物
の具体例としては、メチルトリアセトキシシラン、ジメ
チルジアセトキシシラン、トリメチルアセトキシシラ
ン、テトラアセトキシシラン、テトラメトキシシラン、
テトラエトキシシラン、テトライソプロキシシラン、テ
トラブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、フェ
ニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラ
ン、ジメトキシジメチルシラン、ジメトキシメチルフェ
ニルシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエ
トキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメトキシ
ジエトキシシラン、アルミニウムトリメトキシド、アル
ミニウムトリエトキシド、アルミニウムトリイソプロポ
キシド、アルミニウムトリブトキシド、ジメチルアルミ
ニウムメトキシド、テトラメトキシチタン、テトラエト
キシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラブト
キシチタン、テトラ(2−エチルヘキシロキシ)チタ
ン、ジエキトシジブトキシチタン、イソプロポキシチタ
ントリオクタレート、ジイソプロポキシチタンジアクリ
レート、トリブトキシチタンステアレート、ジルコニウ
ムアセテート、テトラメトキシジルコニウム、テトラエ
トキシジルコニウム、テトライソプロポキシジルコニウ
ム、テトラブトキシジルコニウム等が挙げられる。ま
た、一般式(1)で示される縮合性金属化合物の誘導体
の具体例としては、ジイソプロポキシチタンジアセチル
アセトネート、オキシチタンジアセチルアセトネート、
ジブトキシチタンビストリエタノールアミネート、ジヒ
ドロキシチタンジラクチート、ジルコニウムアセチルア
セトネート、アセチルアセトンジルコニウムブトキシ
ド、トリエタノールアミンジルコニウムブトキシド、ア
ルミニウムアセチルアセトネート等が挙げられる。
【0031】さらに、工業的に入手し易く、製造装置お
よび最終製品の諸物性に悪影響を及ぼすハロゲン等を含
んでいない等の理由から、一般式(1)においてMがS
iであるシラン化合物およびその誘導体から選ばれる少
なくとも1種を用いることがより好ましい。シラン化合
物の具体例としては、メチルトリアセトキシシラン、ジ
メチルジアセトキシシラン、トリメチルアセトキシシラ
ン、テトラアセトキシシラン、テトラメトキシシラン、
テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、
テトラブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、フ
ェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラ
ン、ジメトキシジメチルシラン、ジメトキシメチルフェ
ニルシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエ
トキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメトキシ
ジエトキシシラン等が挙げられる。また、シラン化合物
の誘導体の具体例としては、上記シラン化合物の加水分
解・縮合物等が挙げられる。
【0032】シラン化合物のうち、アルコキシシラン化
合物が原料として入手し易く特に好ましい。また、シラ
ン化合物およびその誘導体が、Si(OR1 4 および
その誘導体であると、加水分解・縮合速度が速く、より
強固な骨格を形成した有機ポリマー複合無機微粒子が得
られる点で好ましい。本発明における有機ポリマー複合
無機微粒子は、前記の水酸基含有有機ポリマーの共存下
で、前記の縮合性金属化合物を縮合して製造される。縮
合の方法は特に限定されないが、反応を容易に行えると
いう理由から、溶液中で行うのが好ましい。ここでいう
溶液とは、後述する有機溶剤および/または水を含有す
る溶液であり、前記溶液の組成は特に限定されるもので
はない。
【0033】前記有機溶剤の具体例としては、たとえ
ば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素
類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチ
ル、酢酸イソブチル、酢酸エチレングリコールモノメチ
ルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテ
ル、酢酸エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸
プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピ
レングリコールモノエチルエーテル、酢酸プロピレング
リコールモノブチルエーテル等のエステル類;アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の
ケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルエ
ーテル、ジ−n−ブチルエーテル等のエーテル類;メタ
ノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブ
タノール、エチレングリコール、エチレングリコールモ
ノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエー
テル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピ
レングリコール、プロピレングリコールモノメチルエー
テル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロ
ピレングリコールモノブチルエーテル等のアルコール
類;塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水
素類等が挙げられ、これら有機溶剤の少なくとも1種ま
たは2種以上を使用してもよい。中でも、アルコール
類、ケトン類、エステル類、エーテル類の中の少なくと
も1種または2種以上を必須として用いることが好まし
い。
【0034】水酸基含有有機ポリマー存在下での縮合性
金属化合物の縮合は無触媒でも行うことができるが、酸
性触媒または塩基性触媒の1種または2種以上を用いる
ことができる。酸性触媒の具体例としては、たとえば、
塩酸、硫酸、硝酸、燐酸等の無機酸類;酢酸、プロピオ
ン酸、シュウ酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸
類;酸性イオン交換樹脂等が挙げられる。また、塩基性
触媒の具体例としては、たとえば、アンモニア;トリエ
チルアミン、トリプロピルアミン等の有機アミン化合
物;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カ
リウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウム−t
−ブトキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の
アルカリ金属化合物;塩基性イオン交換樹脂等が挙げら
れる。触媒の種類は、酸性触媒よりも塩基性触媒を用い
ると、加水分解・縮合によって得られる無機成分が、よ
り強固な骨格を形成するために、好ましい。
【0035】加水分解・縮合の際の原料組成は、特に限
定されるものではないが、水酸基含有有機ポリマー、縮
合性金属化合物、有機溶剤、触媒および水等よりなる原
料組成物全量に対して、水酸基含有有機ポリマーの量
は、0.1〜80重量%が好ましく、0.5〜30重量
%がより好ましい。縮合性金属化合物の量は、0〜80
重量%が好ましく、0〜50重量%がより好ましい。有
機溶剤の量は、0〜99.9重量%が好ましく、20〜
99重量%がより好ましい。触媒の量は、0〜20重量
%が好ましく、0〜10重量%がより好ましい。
【0036】加水分解・縮合に用いる水の量は、水酸基
含有有機ポリマーの共存下で、縮合性金属化合物が、縮
合によって粒子化する量であれば、とくに限定されない
が、加水分解・縮合をより十分に行い、粒子の骨格をよ
り強固にするには、使用する水の量は多ければ多いほど
良い。具体的には、加水分解・縮合する加水分解性基に
対する水のモル比が、0.1以上であり、好ましくは
0.5以上、より好ましくは1以上の条件で加水分解・
縮合を行うことにより有機ポリマー複合無機微粒子が得
られる。
【0037】加水分解・縮合の操作方法は、特に限定さ
れるものではないが、具体例としては、たとえば、前記
水酸基含有有機ポリマーまたはその溶液を、また、前記
縮合性金属化合物またはその溶液を、水を含有する溶液
に添加し、反応温度が0〜100℃で、好ましくは0〜
70℃の範囲で、5分間〜100時間攪拌することによ
って行われる。この際、水酸基含有有機ポリマーまたは
その溶液、縮合性金属化合物またはその溶液を混合して
あるいはそれぞれ別々に、一括、分割、連続等の任意の
添加方法で反応できる。また、添加を逆にして、水を含
有する溶液を、水酸基含有有機ポリマーまたはその溶液
や縮合性金属化合物またはその溶液中に添加しても良
い。また、加水分解・縮合において、前記の触媒の1種
または2種以上を使用することができる。触媒の使用方
法は、特に限定されるものではないが、あらかじめ水、
有機溶剤、水酸基含有有機ポリマー、縮合性金属化合物
に混合して使用することができる。反応終了後、加水分
解・縮合によって生成した副生物および触媒等を濾過や
蒸留などで除去してもよく、得られた有機ポリマー複合
無機微粒子を反応混合物から単離する方法は、常法によ
ることができ、たとえば、溶媒の留去、遠心分離、再
沈、限外ろ過等により単離、精製することができる。
【0038】加水分解・縮合反応は、反応系のpHや、
原料の量、水の量、アルカリの種類、原料の種類、希釈
状態等の諸条件を変えることによって制御することがで
きる。加水分解・縮合反応が早く進みすぎると、分散し
ない程度の大粒径(0.5mm以上)のゲル物ができて
しまう。逆に加水分解・縮合反応が遅すぎると、条件を
変更したときに急に反応が進行してしまい、系全体がゲ
ル化してしまう。なお、適正なpH値は、好ましくは6
〜10、より好ましくは7〜9.5、さらに好ましくは
8〜9である。
【0039】なお、本発明の実施においては、上記水酸
基含有有機ポリマーの存在下で、上記縮合性金属化合物
の縮合を行うが、この際、従来の有機ポリマー複合無機
微粒子の製造に用いられていた重合性ポリシロキサンや
有機ポリマー(例えば、特開平7−178335号公
報、特開平11−80601号公報に開示の化合物)を
併用してもよい。
【0040】加水分解・縮合の方法は、前記のように特
に制限されるものではないが、より狭い(シャープな)
粒子径分布を有する有機ポリマー複合無機微粒子を製造
できる点で以下の方法がより好ましい。すなわち、反応
容器中に下記原料液(A)および原料液(B)を、個別
に供給して加水分解・縮合を行うことにより、有機ポリ
マー複合無機微粒子がより好ましく製造される。
【0041】原料液(A): 水酸基含有有機ポリマ
ー、または、水酸基含有有機ポリマーと縮合性金属化合
物とを含有する液 原料液(B): 水を必須成分とする液 また、反応容器中に原料液(A)および原料液(B)と
ともに、個別に、下記原料液(C)を供給するのも好ま
しい。
【0042】原料液(C): 縮合性金属化合物を含有
する液 また、原料液(A)中に少なくとも1種の縮合性金属化
合物を含有させておいて上記の加水分解・縮合するのも
好ましい。このような方法で加水分解・縮合を行うと、
加水分解・縮合に伴う有機ポリマー複合無機微粒子の析
出過程をより制御しやすくなって、よりシャープな粒子
径分布を有する有機ポリマー複合無機微粒子が得られ
る。
【0043】前記原料液(A)〜原料液(C)の、反応
容器中への個別の供給とは、各原料液が反応容器中に供
給される以前に、各原料液が混合することなく供給が行
われることである。本発明の有機ポリマー複合無機微粒
子の製造方法は、上述のように、縮合性金属化合物を、
水酸基含有有機ポリマーの存在下で縮合することを特徴
とする製造方法であり、無機微粒子の表面に有機ポリマ
ー鎖が化学結合してなる有機ポリマー複合無機微粒子の
製造方法である。以下、水酸基含有有機ポリマーを共存
させることによる本発明の特徴について説明する。
【0044】本発明で用いる水酸基含有有機ポリマー
は、少なくとも1つの水酸基を有しているので、縮合性
金属化合物と共存状態においては、当該縮合性金属化合
物の縮合性OR1 基(変性によって生成したものでもよ
い)の少なくとも1つと有機ポリマーの水酸基の少なく
とも1つとが反応することにより、脱アルコール反応が
起こり、有機ポリマー鎖中の炭素原子と縮合性金属化合
物の金属原子とが酸素原子を介して結合するものと考え
られる。そして、当該有機ポリマー鎖が結合した縮合性
金属化合物が、前記結合生成に関与しなかった縮合性基
を用いて縮合することにより、本発明の有機ポリマー複
合無機微粒子が速やかに得られるものと考えられる。 (有機ポリマー複合無機微粒子分散体)本発明における
有機ポリマー複合無機微粒子分散体は、上記の本発明の
有機ポリマー複合無機微粒子が分散液に分散してなるも
のである。すなわち、本発明における有機ポリマー複合
無機微粒子分散体は、たとえば、上記の本発明の有機ポ
リマー複合無機微粒子を任意の溶液に分散させたもの、
本発明の有機ポリマー複合無機微粒子の製造方法で得ら
れた反応混合物、前記反応混合物中の溶媒を加熱下蒸留
しながら他の溶媒に置換したもの、前記反応混合物中の
溶媒を留去、遠心分離、再沈、限外ろ過等により有機ポ
リマー複合無機微粒子を単離した後、分散媒に分散させ
たもの等であり、種々の分散媒に分散した分散体であ
る。
【0045】本発明における有機ポリマー複合無機微粒
子分散体は、粗大粒子、凝集物、沈澱がなく、長期間に
わたって沈澱の生成やゲル化が起こらない性質を有して
いる。分散体中の有機ポリマー複合無機酸化物微粒子の
分散状態は、光散乱式粒度分布測定等によって確認する
ことができる。従来の方法で得られる分散体と異なり、
本発明の有機ポリマー複合無機微粒子分散体は、分散体
中の有機ポリマー複合無機微粒子が凝集することなく、
シャープな粒子径分布を維持した分散体である。
【0046】本発明の有機ポリマー複合無機微粒子分散
体の分散媒については、その組成等に特に制限されない
が、有機ポリマー複合無機微粒子中の有機鎖が溶解する
有機溶剤または水が好ましい。前記製造方法で説明した
有機溶剤の中でも、エステル類、アルコール類、ケトン
類、芳香族炭化水素類からなる群より選ばれる少なくと
も1種の有機溶剤および/または水に有機ポリマー複合
無機微粒子が分散した分散体は長期間保存安定性が良
く、さらに種々の有機媒体への分散安定性が良好である
ため、種々の用途に利用できる。
【0047】本発明の有機ポリマー複合無機微粒子分散
体中の有機ポリマー複合無機微粒子の濃度は、特に制限
されないが、好ましくは0.5〜70重量%であり、さ
らに好ましくは1〜50重量%である。有機ポリマー複
合無機微粒子分散体中の有機ポリマー複合無機微粒子の
濃度が高いと、分散体の粘度が高くなり、各種用途に使
用しにくくなる。 (コーティング組成物)次に本発明にかかるコーティン
グ用組成物は、本発明の有機ポリマー複合無機微粒子を
含有するものである。
【0048】本発明のコーティング用組成物は、従来の
コーティング用組成物と比較して、有機ポリマー複合無
機微粒子を必須に含有しているので、被膜物性が従来品
よりも向上する。たとえば、一般の塗料用樹脂等に本発
明の有機ポリマー複合無機微粒子を添加したコーティン
グ用組成物は、表面硬度、耐熱性、耐摩耗性、耐汚染性
等の被膜物性の良い塗膜を与える。
【0049】本発明で得られる有機ポリマー複合無機微
粒子は、無機微粒子表面に有機ポリマー鎖が結合されて
なる構造を有しており、有機ポリマーがバインダーとし
て作用することにより、後述する各種基材にそのまま単
独で塗布しても被膜を形成することができ、前記有機ポ
リマー複合無機微粒子を含有するコーティング用組成物
は、透明で光沢のある良好な被膜を提供することができ
る。
【0050】本発明のコーティング用組成物は、有機ポ
リマー複合無機微粒子を必須成分として含有してなるも
のであれば、その量および塗料用樹脂等の他の成分の有
無等については特に限定されないが、コーティング用組
成物を塗布した後の被膜において、有機ポリマーが架橋
構造を有すれば、耐溶剤性、耐熱性、表面硬度等の被膜
物性が向上するので好ましい。
【0051】コーティング用組成物を塗布した後、最終
的に得られる被膜において、有機ポリマーが架橋構造を
有するコーティング用組成物としては、たとえば、以下
に示すものが挙げられる。 (1) 官能基(X)を有する有機ポリマーを用いて、
上述した方法により得られる官能基(X)を有する有機
ポリマー複合無機微粒子と、官能基(X)と反応するよ
うな官能基(Y)を2個以上有する化合物または樹脂か
らなるコーティング用組成物。 (2) 官能基(X)を有する有機ポリマーを用いて、
上述した方法により得られる官能基(X)を有する有機
ポリマー複合無機微粒子と、官能基(X)と反応するよ
うな官能基(Y)を有する有機ポリマーを用いて、上述
した方法により得られる官能基(Y)を有する有機ポリ
マー複合無機微粒子からなるコーティング用組成物。 (3) 官能基(X)を有する有機ポリマーを用いて、
上述した方法により得られる官能基(X)を有する有機
ポリマー複合無機微粒子と、官能基(X)と反応するよ
うな官能基(Y)を2個以上有する化合物または樹脂
と、官能基(X)と反応するような官能基(W)を有す
る有機ポリマーを用いて、上述した方法により得られる
官能基(W)を有する有機ポリマー複合無機微粒子から
なるコーティング用組成物。 (4) 上記(1)〜(3)において、さらに官能基
(X)を2個以上有する化合物および/または樹脂も含
有するコーティング用組成物。
【0052】ここで官能基(X)としては、たとえば、
水酸基、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基、メル
カプト基、オキサゾリン基、アルデヒド基等が挙げら
れ、これら官能基(X)と反応する官能基(Y)、官能
基(W)としては、たとえば、イソシアネート基、エポ
キシ基、水酸基、メルカプト基、アミノ基、不飽和基、
カルボキシル基等が挙げられる。
【0053】また、官能基(X)、官能基(Y)や官能
基(W)を有する有機ポリマー複合無機微粒子中の官能
基(X)や官能基(Y)、官能基(W)のそれぞれの個
数は特に限定されないが、少なすぎると架橋点数が減少
し、耐溶剤性、耐熱性、表面硬度などの被膜物性が低下
する傾向がある。中でも、官能基(X)として水酸基を
有する有機ポリマー複合無機微粒子と、水酸基と反応す
るような官能基(Y)を2個以上有する化合物および/
または樹脂として、多官能イソシアネート化合物、メラ
ミン化合物およびアミノプラスト樹脂から選ばれる少な
くとも1種の化合物(J)を含有するコーティング用組
成物は、保存安定性が良好であり、耐汚染性、可とう
性、耐候性、保存安定性等の良好な被膜物性の塗膜を与
えることができ、得られる被膜も光沢があるため好まし
い。有機ポリマー中に水酸基を含有する有機ポリマー複
合無機微粒子と、多官能イソシアネート化合物、メラミ
ン化合物およびアミノプラスト樹脂から選ばれる少なく
とも1種の化合物(J)を含有するコーティング用組成
物も、上記と同様に、好ましい。 前記多官能イソシア
ネート化合物としては、脂肪族、脂環族、芳香族および
その他の多官能イソシアネート化合物やこれらの変性化
合物を挙げることができる。多官能イソシアネート化合
物の具体例としては、たとえば、トリレンジイソシアネ
ート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン
ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、
イソホロンジイソシアネート、リジンジイソシアネー
ト、2,2,4−トリメチルヘキシルメタンジイソシア
ネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、1,
6−ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット体、
イソシアヌレート体等の3量体等;これらの多官能イソ
シアネート類とプロパンジオール、ヘキサンジオール、
ポリエチレングリコール、トリメチロールプロパン等の
多価アルコールとの反応により生成される2個以上のイ
ソシアネート基が残存する化合物;これらの多官能イソ
シアネート化合物をエタノール、ヘキサノール等のアル
コール類、フェノール、クレゾール等のフェノール性水
酸基を有する化合物、アセトオキシム、メチルエチルケ
トキシム等のオキシム類、ε−カプロラクタム、γ−カ
プロラクタム等のラクタム類等のブロック剤で封鎖した
ブロックド多官能イソシアネート化合物等を挙げること
ができる。これらの多官能イソシアネート化合物は、1
種または2種以上の混合物を使用できる。中でも、好ま
しくない被膜の黄変色を防止するために、芳香環に直接
結合したイソシアネート基を有しない無黄変性多官能イ
ソシアネート化合物が好ましい。
【0054】前記メラミン化合物としては、たとえば、
ジメチロールメラミン、トリメチロールメラミン、テト
ラメチロールメラミン、ペンタメチロールメラミン、ヘ
キサメチロールメラミン、イソブチルエーテル型メラミ
ン、n−ブチルエーテル型メラミン、ブチル化ベンゾグ
アナミン等を挙げることができる。前記アミノプラスト
樹脂の具体例としては、アルキルエーテル化メラミン樹
脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等が挙げられ、こ
れらのアミノプラスト樹脂は、1種または2種以上の混
合物もしくは共縮合物を使用できる。
【0055】ここで、アルキルエーテル化メラミン樹脂
とは、アミノトリアジンをメチロール化し、シクロヘキ
サノールまたは炭素数1〜6のアルカノールでアルキル
エーテル化して得られるものであり、ブチルエーテル化
メラミン樹脂、メチルエーテル化メラミン樹脂、メチル
ブチル混合メラミン樹脂が代表的なものである。また、
硬化を促進させるためのスルホン酸系触媒、たとえば、
パラトルエンスルホン酸およびそのアミン塩等を使用す
ることができる。
【0056】この発明のコーティング用組成物中に、1
分子中に2個以上の水酸基を含有するポリオール(Q)
を含むと、得られる被膜の強度、可とう性、耐溶剤性等
の被膜物性が向上するので、さらに好ましい。1分子中
に2個以上の水酸基を含有してなるポリオール(Q)と
しては、前述の有機溶剤に溶解するものであれば特に限
定されないが、有機ポリマー複合無機微粒子中の有機ポ
リマーと相溶性を有するものであれば、被膜の光沢ある
いは透明性が向上するため好ましい。従って、有機ポリ
マーと同じ組成であるものが最も好ましい。
【0057】ポリオール(Q)としては、たとえば、後
述の水酸基含有不飽和単量体を含む単量体成分を重合し
て得られるポリオール、水酸基過剰の条件で得られるポ
リエステルポリオール等を挙げることができる。これら
は1種または2種以上を使用してもよい。前記水酸基含
有不飽和単量体としては、(イ)たとえば、アクリル酸
2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロ
ピル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル
酸2−ヒドロキシプロピル、アリルアルコール、ホモア
リルアルコール、ケイヒアルコール、クロトニルアルコ
ール等の水酸基含有不飽和単量体、(ロ)たとえば、エ
チレングリコール、エチレンオキサイド、プロピレング
リコール、プロピレンオキサイド、ブチレングリコー
ル、ブチレンオキサイド、1,4−ビス(ヒドロキシメ
チル)シクロヘキサン、フェニルグリシジルエーテル、
グリシジルデカノエート、プラクセルFM−1(ダイセ
ル化学工業株式会社製)等の2価アルコールまたはエポ
キシ化合物と、たとえば、アクリル酸、メタクリル酸、
マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸等の不
飽和カルボン酸との反応で得られる水酸基含有不飽和単
量体等を挙げることができる。これらの水酸基含有不飽
和単量体から選ばれる少なくとも1種以上を重合してポ
リオールを製造することができる。
【0058】また、アクリル酸エチル、アクリル酸n−
プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブ
チル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸エチル
ヘキシル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロ
ピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブ
チル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸シ
クロヘキシル、メタクリル酸エチルヘキシル、メタクリ
ル酸グリシジル、スチレン、ビニルトルエン、1−メチ
ルスチレン、アクリル酸、メタクリル酸、アクリロニト
リル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ステアリン酸
ビニル、酢酸アリル、アジピン酸ジアリル、イタコン酸
ジアリル、マレイン酸ジエチル、塩化ビニル、塩化ビニ
リデン、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミ
ド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、ジアセトンア
クリルアミド、エチレン、プロピレン、イソプレン等か
ら選ばれる少なくとも1種以上のエチレン性不飽和単量
体と前記(イ)および(ロ)から選ばれる水酸基含有不
飽和単量体とを重合してポリオールを製造することもで
きる。
【0059】前記水酸基含有不飽和単量体を含む単量体
成分を重合して得られるポリオールの分子量は1,00
0〜500,000であり、好ましくは、5,000〜
100,000である。また、その水酸基価は5〜30
0であり、好ましくは10〜200である。水酸基過剰
の条件で得られるポリエステルポリオールは、たとえ
ば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−
ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペ
ンタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチ
レングリコール、デカメチレングリコール、2,2,4
−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、トリメチロ
ールプロパン、ヘキサントリオール、グリセリン、ペン
タエリスリトール、シクロヘキサンジオール、水添ビス
フェノールA、ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサ
ン、ハイドロキノンビス(ヒドロキシエチルエーテ
ル)、トリス(ヒドロキシエチル)イソシヌレート、キ
シリレングリコール等の多価アルコールと、たとえば、
マレイン酸、フマル酸、コハク酸、アジピン酸、セバチ
ン酸、アゼライン酸、トリメット酸、テレフタル酸、フ
タル酸、イソフタル酸等の多塩基酸とを、前記多価アル
コール中の水酸基数が前記多塩基酸のカルボキシル基数
よりも多い条件で反応させて製造することができる。
【0060】前記水酸基過剰の条件で得られるポリエス
テルポリオールの分子量は500〜300,000であ
り、好ましくは、2,000〜100,000である。
また、その水酸基価は5〜300であり、好ましくは1
0〜200である。ポリオール(Q)のコーティング用
組成物中の添加量は、任意の量を添加することができる
が、コーティング用組成物中のポリオール(Q)/有機
ポリマー複合無機微粒子の重量比は、0/100〜99
/1であり、好ましくは30/70〜95/5である。
ポリオール(Q)の割合が30%以上では、被膜の可と
う性が高く、有機ポリマー複合無機微粒子の割合が5%
以上では、被膜の表面硬度、耐汚染性に優れる。
【0061】ポリオール(Q)としては、前記ポリエス
テルポリオールが好ましく使用される。また、前記水酸
基含有不飽和単量体を含む単量体成分を重合して得ら
れ、かつ、(メタ)アクリル単位等を有するポリオール
であるアクリルポリオールも好ましく使用される。ポリ
オール(Q)は、用途に応じて、ポリエステルポリオー
ルとアクリルポリオールのいずれか一方を使用してもよ
く、両方を使用してもよい。
【0062】ポリオール(Q)中の水酸基の個数は、1
分子当たり2個以上であれば特に限定されないが、固形
分中の水酸基価が10以下であると架橋点数が減少し、
耐溶剤性、耐水性、耐熱性、表面硬度等の被膜物性が低
下する傾向がある。本発明のコーティング用組成物は、
有機ポリマー複合無機微粒子を種々の有機溶剤および/
または水に分散したものであってもよく、使用する分散
媒の種類および組成等に特に制限はないが、有機ポリマ
ー複合無機微粒子中の有機鎖が溶解する有機溶剤および
/または水が好ましい。このような有機溶剤としては、
たとえば、本発明のコーティング用組成物に含有する有
機ポリマー複合無機微粒子を製造する際に使用される前
述の有機溶剤を挙げることができる。有機溶剤および/
または水の使用量は、特に制限はなく、適宜量使用する
ことができる。また、種々の塗料用樹脂等の他成分を混
合したものであってもよい。
【0063】また、コーティング用組成物中には、1種
以上の添加剤を混合してもよい。コーティング用組成物
に使用する添加剤としては、特に制限はなく、たとえ
ば、塗料用に一般に使用される各種レベリング剤、顔料
分散剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、粘性改質剤、耐光安
定剤、金属不活性化剤、過酸化物分解剤、充填剤、補強
剤、可塑剤、潤滑剤、防食剤、防錆剤、乳化剤、鋳型脱
色剤、カーボンブラック、蛍光性増白剤、有機防炎剤、
無機防炎剤、滴下防止剤、溶融流改質剤、静電防止剤を
挙げることができる。上記の適当な添加剤は、カナダ国
特許第1,190,038号明細書に例示されている。
【0064】本発明のコーティング用組成物に対して顔
料を添加することができ、添加する顔料の種類に制限は
なく、たとえば、黄鉛、モリブデートオレンジ、紺青、
カドミウム系顔料、チタン白、複合酸化物顔料、透明酸
化鉄等の無機顔料、環式高級顔料、溶性アゾ顔料、銅フ
タロシアニン顔料、染付顔料、顔料中間体等の有機顔料
を例示することができる。
【0065】本発明のコーティング用組成物が、多官能
イソシアネート化合物、メラミン化合物およびアミノプ
ラスト樹脂から選ばれる少なくとも1種の化合物(J)
を含有する場合は、架橋反応を促進させるために硬化触
媒をさらに使用するのが好ましい。前記硬化触媒として
は、酸性または塩基性の硬化触媒を使用できる。酸性硬
化触媒の具体例としては、トルエンスルホン酸、メタン
スルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸等の有機スル
ホン酸を挙げることができる。また、塩基性硬化触媒の
具体例としては、トリエチルアミン、メチルイミダゾー
ル、アクリジン、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム
ステアレート等のアミン系触媒;ジブチル錫ジラウレー
ト、ジブチル錫ジアセテート、スタナスオクトエート等
の有機錫化合物を挙げることができる。これら硬化触媒
の少なくとも1種または2種以上を使用してもよく、必
要に応じて助触媒を併用してもよい。
【0066】本発明のコーティング用組成物は、例えば
アルミニウム、ステンレス、トタン、ブリキ、鋼板、コ
ンクリート、モルタル、スレート、ガラス等の無機素材
あるいはポリカーボネート、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリエチレンテレフタレート、紙等の有機素材の基
板またはフィルム上に被膜を形成することができる。ま
た、浸漬、吹き付け、刷毛塗り、ロールコート、スピン
コート、バーコート等の常法によって塗布することがで
きる。
【0067】本発明のコーティング用組成物より得られ
る被膜は、必要に応じて、焼き付け乾燥が行われる。た
とえば、室温〜300℃の範囲の温度で0.2分間以上
加熱することにより被膜を形成するものであり、この被
膜は透明で光沢のある優れた塗膜である。
【0068】
【実施例】以下に、この発明の具体的な実施例を示す
が、本発明は下記実施例に限定されるものではない。下
記実施例、比較例で使用する有機ポリマー(P1〜P
5、CP1)を下記製造例1〜6により製造した。ま
た、製造例で使用するシロキサンポリマー(S−1)は
下記参考例1により製造した。なお、製造例で得られた
有機ポリマーの数平均分子量は、下記の方法により分析
した。 〔数平均分子量〕ゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィー(GPC)法により、ポリスチレン換算の数平均分
子量を下記条件において測定した。
【0069】・試料の調整 テトラヒドロフランを溶媒として使用し、ポリマー0.
05gを1gのテトラヒドロフランに溶解して試料とし
た。溶解しないものは、架橋などによる分子量増大が考
えられるが、分子量測定不能とした。 ・装置 東ソー株式会社製の高速GPC装置HLC−8020を
用いた。
【0070】・カラム 東ソー株式会社製のG3000H、G2000Hおよび
GMHXLを用いた。 ・標準ポリスチレン 東ソー株式会社製のTSK標準ポリスチレンを用いた。 ・測定条件 測定温度35℃、流量1ml/分で測定した。 (参考例1:重合性ポリシロキサン(S−1)の合成)
攪拌機、温度計および冷却管を備えた300mlの四つ
口フラスコにテトラメトキシシラン150.0g、γ−
メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン23.3
g、水19.5g、メタノール30.0g、アンバーリ
スト15(ロームアンドハースジャパン社製の陽イオン
交換樹脂)、5.0gを入れ、65℃で2時間攪拌し、
反応させた。反応混合物を室温まで冷却した後、冷却管
に代えて蒸留塔、これに接続させた冷却管および流出口
を設け、200mmHgの圧力下、65℃の温度で、メ
タノールが流出しなくなるまで同温度で保持し、さらに
圧力を50mmHgまで減少させ、反応をさらに進行さ
せた。再び、室温まで冷却した後、アンバーリスト15
を濾別し、数平均分子量が1600の反応性ポリシロキ
サン(S−1)を得た。 (製造例1:有機ポリマーP1の合成)攪拌機、温度
計、冷却器、滴下ロート及び窒素ガス導入管の付いた四
つ口フラスコに重合用溶剤として酢酸ブチル100部を
仕込み、重合温度として還流温度(123〜128℃)
まで昇温した。そこへ窒素ガスを吹き込みながら、メタ
クリル酸0.5部、メチルメタクリレート50部、2−
エチルヘキシルアクリレート20部、ヒドロキシメチル
メタクリレート29.5部、及びアゾビスイソブチロニ
トリル1.0部からなる混合物のうち10%を一括添加
した後、残りの混合物を4時間に渡って滴下ロートより
滴下し、次いで後重合温度として90℃で1時間保持し
た後、30分間隔で3回アゾビスイソブチロニトリル
0.2部を加えて、更に90℃で2時間保持した後、室
温まで冷却して重合体(これをポリマーP1とする)の
溶液を得た。分子量を表1に示した。 (製造例2〜6:有機ポリマーP2〜P5、比較有機ポ
リマーCP1の合成)重合性単量体の組成及び条件を表
1に示した通りとする他は製造例1と同様の操作を繰り
返して有機ポリマーP2〜P5、比較有機ポリマーCP
1の溶液を得た。分子量を表1に示した。
【0071】
【表1】
【0072】(実施例1)攪拌機、温度計、2つの滴下
層A,Bからの滴下口、冷却管および流出口が接続した
蒸留塔を備えた500mlの四つ口フラスコに、酢酸ブ
チル180g、メタノール30g、25%アンモニア水
10gを入れておき、内温を45℃に調整した。ついで
有機ポリマー(P1)の酢酸ブチル溶液70g、テトラ
メトキシシラン40gの混合液を滴下層Aに仕込み、滴
下口から攪拌状態のフラスコ内に2時間かけて滴下し
た。滴下後、同温度で1時間攪拌を続け、有機ポリマー
複合シリカ微粒子分散体(Z1A)を得た。次に、攪拌
機、温度計、冷却管および流出口が接続した蒸留塔を備
えた500mlの四つ口フラスコに、得られた有機ポリ
マー複合シリカ微粒子分散体(Z1A)を200g入
れ、110mmHgの圧力下、フラスコ内温を100℃
まで昇温し、アンモニア,メタノール,酢酸ブチルを固
形分濃度が20%となるまで留去し、有機ポリマー複合
シリカ微粒子が酢酸ブチルに分散した分散体(Z1B)
を得た。各種条件を表2に示し、得られた分散体の有機
ポリマー複合シリカ微粒子濃度および経時安定性、有機
ポリマー複合シリカ微粒子中のシリカ含有量、アルコキ
シ基含有量、および有機ポリマー複合シリカ微粒子の平
均粒子径、変動係数を表3に示す。また、上記の各種物
性等の測定方法は以下の通りである。 〔有機ポリマー複合無機酸化物微粒子濃度〕有機ポリマ
ー複合無機酸化物微粒子分散体を100mmHgの圧力
下、130℃で24時間乾燥し、下記の式より求めた。 有機ポリマー複合無機酸化物微粒子濃度(wt%)=
(乾燥後の有機ポリマー複合無機酸化物微粒子の重量
(g)×100)÷(乾燥前の有機ポリマー複合無機酸
化物微粒子分散体の重量(g)) 〔経時安定性〕得られた分散体をガードナー粘度チュー
ブ中に密閉し、50℃で保存した。1ヶ月後、粒子の凝
集、沈降や粘度の上昇が認められないものを○とした。 〔有機ポリマー複合無機酸化物微粒子中の無機酸化物含
有量〕有機ポリマー複合無機酸化物微粒子分散体を10
0mmHgの圧力下、130℃で24時間乾燥したもの
について元素分析を行い、灰分を有機ポリマー複合無機
酸化物微粒子中の無機酸化物含有量とした。 〔有機ポリマー複合無機酸化物微粒子中のアルコキシ基
含有量〕有機ポリマー複合無機酸化物微粒子の分散体
を、100mmHgの圧力下、130℃で24時間乾燥
したもの5gを、アセトン50g、2N−NaOH水溶
液50gの混合物に分散させ、室温で24時間攪拌し
た。その後、ガスクロマトグラフ装置で液中のアルコー
ルを定量し、有機ポリマー複合無機酸化物微粒子のアル
コキシ基含有量を算出した。 〔平均粒子径,変動係数〕サブミクロン粒子径アナライ
ザー(野崎産業株式会社製、NICOMP MODEL
370)を用いて、23℃で測定した。以下に示す平
均粒子径は、体積平均粒子径である。
【0073】
【表2】
【0074】
【表3】
【0075】(実施例2〜4)表2に示した条件とする
以外は、実施例1と同様にして有機ポリマー複合シリカ
微粒子分散体(Z2B〜Z4B)を得た。得られた分散
体の有機ポリマー複合シリカ微粒子濃度および経時安定
性、有機ポリマー複合シリカ微粒子中のシリカ含有量、
アルコキシ基含有量、および有機ポリマー複合シリカ微
粒子の平均粒子径、変動係数を表3に示す。 (実施例5〜8)表2に示した条件とした上で、さらに
各滴下層からの滴下終了30分後に、表2に示した量の
後添加水を添加すること以外は、実施例1と同様にして
有機ポリマー複合シリカ微粒子分散体(Z5B〜Z8
B)を得た。得られた分散体の有機ポリマー複合シリカ
微粒子濃度および経時安定性、有機ポリマー複合シリカ
微粒子中のシリカ含有量、アルコキシ基含有量、および
有機ポリマー複合シリカ微粒子の平均粒子径、変動係数
を表3に示す。 (比較例1)攪拌機、温度計、2つの滴下層A,Bから
の滴下口、冷却管および流出口が接続した蒸留塔を備え
た500mlの四つ口フラスコに、酢酸エチル120
g、メタノール30g、25%アンモニア水10gを入
れておき、内温を45℃に調整した。ついで上記有機ポ
リマー(CP1)の溶液70g、テトラメトキシシラン
15gの混合液を滴下層Aに仕込み、滴下口から攪拌状
態のフラスコ内に2時間かけて滴下した。滴下途中から
大量の大粒子ゲル物が発生し、良好な有機ポリマー複合
シリカ微粒子分散体とならなかった。 (実施例9〜11、比較例2〜4)表4に示した樹脂組
成で微粒子分散体と樹脂を混合して樹脂混合物を得た。
該樹脂混合物を密閉容器中、40℃で1ヶ月間保存した
結果について表4に示した。該樹脂混合物に酸化チタン
(タイペークCR−95、石原産業(株)製)を用いて
不揮発分顔料濃度が45重量%となるように配合し、サ
ンドミルでよく分散し、樹脂と硬化剤(スミジュールN-
3200、住友バイエルウレタン(株)製)を樹脂中のヒド
ロキシル基に対してイソシアネート基の等量比が1:1
となる量だけ秤量し、シンナー(酢酸ブチル/酢酸エチ
ル/キシレン/トルエン=2/1/2/1)で岩田カッ
プで14秒となる程度に希釈し、0.8mm厚アルミニウ
ム板に25μにスプレー塗装した。出来上がった白板を
室温で20分放置した後、80度に調整した乾燥機内で
1時間硬化をさせて室温に戻し、各種性能試験用の試験
片を作成した。塗膜の性能を次に示す性能試験方法によ
り評価した。評価結果をまとめて表4に示した。
【0076】
【表4】
【0077】なお、各評価基準は以下の通りであった。 外観:目視で評価した ◎:優 ○:良 △:可 ×:不可 貯蔵安定性:40℃において30日間の貯蔵における安
定性をみた。 ◎:安定 ○:少し増粘 △:増粘 ×:多量の
凝集物あり 乾燥性:強制乾燥後の指触で評価した。
【0078】 ◎:変化なし ○:少し跡がつく ×:強く跡がつ
く 耐溶剤性:メチルエチルケトンをしみこませた脱脂綿で
50回ラビングをした後の表面状態 ◎:変化なし ○:艶引け ×:塗膜が溶解消失 耐候性:サンシャインウェザーメーターにより、300
0時間後の塗膜状態を調べた。
【0079】 ◎:優秀 ○:良好 △:普通 ×:不良 耐汚染性:大阪府吹田市で南(30度)に向けて曝露を
行い、JISZ8730に従って、初期の明度に対する
3ヶ月後の被膜の明度の差(△L*値)を、一体型分光
式色差計(日本電色工業社製)を用いて測定した。一般
に、△L*値が0に近いほど、被膜は汚れていないこと
を示す。塗膜汚染性を下記評価基準で評価した。
【0080】 ◎:△L*≦5 ○:5<△L*≦10 △:10<△L*≦15 ×:△L*>15 (実施例12〜13、比較例5〜6)下記の配合で混合
し、ホモディスパーで十分に顔料が分散するまで攪拌し
た。
【0081】 脱イオン水 64.6部 分散剤(花王社製、デモールEP) 2.0部 消泡剤(サンノプコ社製、ノプコ8034) 0.3部 酸化チタンCR−95(石原産業社製) 60.0部 上記組成物 146.7部 成膜助剤(チッソ社製、CS−12) 15.0部 合計 288.6部 さらに、クレーブス単粘度計KU−1(ブルックフィー
ルド社製)で測定した粘度が、80〜95(25℃)に
なるように、粘度調整剤(旭電化社製、アデカノールU
H−420)を用いて粘度を調整して、それぞれの白塗
料を調製した。得られた白塗料について、アルミニウム
板上に40μの膜厚でフィルムアプリケーターにより塗
装した。10分間室温セッティングの後、80℃のオー
ブンで20分間焼き付けた。さらに、7日間、室温乾燥
の後の塗膜の評価結果をまとめて表4に示した。
【0082】
【発明の効果】本発明によれば、安定な原料を使用し、
製造工程数が少なく、製造方法も簡便な、新規な有機ポ
リマー複合無機微粒子の製造方法と、塗料等の用途に優
れた性能を有する新規な有機ポリマー複合無機微粒子、
および、その分散体と組成物を提供できる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4G065 AA01 AA05 AB01X AB03X AB05Y AB09Y AB10Y AB12Y AB13Y AB28Y BB01 BB03 CA11 DA05 DA06 FA01 4J002 CP171 CQ031 DE026 FD206 GH00 HA06 HA08 4J037 AA08 AA17 AA21 AA24 CC12 CC13 CC14 CC15 CC16 CC24 CC25 DD05 DD23 EE03 EE12 EE28 EE43 FF15 4J038 DA132 DG262 EA011 HA166 HA436 KA03 KA08 KA15 NA01 NA03 NA11 NA14 NA15

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無機微粒子の表面に有機ポリマー鎖が化学
    結合してなる有機ポリマー複合無機微粒子において、前
    記化学結合は、無機微粒子を構成する金属原子と、有機
    ポリマー鎖中の炭素原子とが、酸素原子を介して結合し
    てなることを特徴とする、有機ポリマー複合無機微粒
    子。
  2. 【請求項2】前記化学結合が、縮合性金属化合物と水酸
    基含有有機ポリマーとの反応により生成した結合であ
    る、請求項1に記載の有機ポリマー複合無機微粒子。
  3. 【請求項3】前記無機微粒子を構成する金属原子がケイ
    素である、請求項1または2に記載の有機ポリマー複合
    無機微粒子
  4. 【請求項4】請求項1から3までのいずれかに記載の有
    機ポリマー複合無機微粒子が分散液に分散してなる、有
    機ポリマー複合無機微粒子分散体。
  5. 【請求項5】前記分散液が、エステル系、アルコール
    系、ケトン系、芳香族炭化水素系から選ばれる少なくと
    も1種の有機溶媒および/または水である、請求項4に
    記載の有機ポリマー複合無機微粒子分散体。
  6. 【請求項6】請求項1から3までのいずれかに記載の有
    機ポリマー複合無機微粒子を含有してなる、コーティン
    グ組成物。
  7. 【請求項7】無機微粒子の表面に有機ポリマー鎖が化学
    結合してなる有機ポリマー複合無機微粒子の製造方法で
    あって、縮合性金属化合物を、水酸基含有有機ポリマー
    の存在下で縮合することを特徴とする、有機ポリマー複
    合無機微粒子の製造方法。
  8. 【請求項8】前記縮合性金属化合物が、下記一般式
    (1)で示される化合物およびその誘導体から選ばれる
    少なくとも1種である、請求項7に記載の有機ポリマー
    複合無機微粒子の製造方法。 (R1 O)m MR2 n-m (1) (一般式(1)中、MはSi、Al、TiおよびZrか
    ら選ばれる少なくとも1種の金属原子、R1 は水素原子
    またはアルキル基、アシル基から選ばれる、置換されて
    いてもよい少なくとも1種の基であり、R2 はアルキル
    基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基から
    選ばれる、置換されていてもよい少なくとも1種の基、
    nは金属元素Mの価数、mは1〜nの整数、R1 および
    /またはR 2 が1分子中に複数ある場合、複数のR1
    よび/またはR2 は互いに同一であってもよく、異なっ
    ていてもよい。)
  9. 【請求項9】前記水酸基含有有機ポリマーが、(メタ)
    アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、およ
    び、エーテルグリコール系樹脂から選ばれる少なくとも
    1種である、請求項7または8に記載の有機ポリマー複
    合無機微粒子の製造方法。
  10. 【請求項10】前記無機微粒子を構成する金属原子がケ
    イ素である、請求項7から9までのいずれかに記載の有
    機ポリマー複合無機微粒子の製造方法。
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