JP2011088996A - 光硬化型塗料組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】種々の基材に対して、特にプラスチック基材に対して、硬化膜が耐磨耗性、耐擦傷性及び密着性に優れる光硬化型塗料組成物の提供。
【解決手段】下記(A)成分、下記(B)成分、光重合開始剤(C)及び有機溶剤(D)を特定割合で含有する光硬化型塗料組成物。
(A)成分:脂肪族多価アルコールから誘導される(メタ)アクリロイル基を2個以上有し水酸基を1個以上有する(メタ)アクリレートとポリイソシアネートとの付加反応物(a1)及び脂肪族多価アルコールから誘導される(メタ)アクリロイル基を3個以上有し、水酸基を有さない(メタ)アクリレート(a2)から構成される(メタ)アクリレート混合物。
(B)成分:特定構造の(メタ)アクリロイル基含有ケイ素化合物と特定構造のケイ素化合物とを、特定の割合でアルカリ性条件下で加水分解共重縮合させて得られる有機ケイ素化合物。
【選択図】なし

Description

本発明は、光硬化型塗料組成物に関し、光硬化型組成物及び塗料の技術分野に属する。
従来、木材、金属、コンクリート及びプラスチック等の種々の基材に対しては、基材表面を保護したり、美観や意匠性を付与する目的で、塗料組成物を使用して塗装がされることが多い。
特に、プラスチック基材は、軽量であり、耐衝撃性及び易成形性等に優れているが、表面が傷つきやすく硬度が低いため、そのまま使用すると外観を著しく損なうという欠点がある。このため、プラスチック基材の表面を塗料組成物で塗装し、いわゆるハードコート処理して、耐磨耗性及び耐擦傷性等を付与することが多い。
従来の塗料組成物は、樹脂を溶剤に溶解させた塗料組成物を使用し、基材に塗装した後乾燥して樹脂被膜を形成させるものであったが、生産性を改善する等の目的で、光硬化型組成物や熱硬化型組成物も検討されるようになってきている。
プラスチック基材のハードコートにおいては、紫外線硬化型のアクリル系ハードコート剤、熱硬化型のシリコン系ハードコート剤が提案されている。
熱硬化型のシリコン系ハードコート剤は耐磨耗性及び耐擦傷性に優れるが、硬化時間が長く生産性に劣ることと硬化時に高温を必要とするため基材の変形等の問題がある。これに対して、紫外線硬化型のアクリル系ハードコート剤は、耐磨耗性及び耐擦傷性が劣るものの硬化時間が短く生産性に優れている。
紫外線硬化型アクリル系ハードコート剤は、熱硬化型組成物に対して生産性及び省エネルギーの観点で優れており、この特長を生かすため、不十分な性能であった硬化膜の耐磨耗性及び耐擦傷性を向上させる検討が行われている。
例えば、組成物に、コロイダルシリカを配合したり、(メタ)アクリロイルオキシ基を有するシラン化合物を配合する方法が知られている。
具体的には、コロイダルシリカ、(メタ)アクリロイルオキシ基を有するアルコキシシラン及びアクリレートを含む紫外線硬化型塗料組成物(特許文献1)、イソシアネート含有アルコキシシランと分子内に水酸基と3個以上のアクリロイル基を有する多官能アクリレートとの反応物、3個以上のアクリロイル基を有する多官能アクリレート及びコロイダルシリカを含む紫外線硬化型塗料組成物(特許文献2)が知られている。
しかしながら、これら塗料組成物は、従来の紫外線硬化型塗料組成物と比較して硬化膜の耐磨耗性及び耐擦傷性に優れるものの、耐磨耗性及び耐擦傷性の両方を同時に満足できなかったり、実用上満足な性能を有していなかったりするものであった。又、使用する基材によっては密着性が不十分となることがあった。
特公表昭57−500984号公報(特許請求の範囲) 特許3164407号公報(特許請求の範囲)
本発明者らは、種々の基材に対して、特にプラスチック基材に対して、硬化膜が耐磨耗性、耐擦傷性及び密着性に優れる光硬化型塗料組成物を見出すため鋭意検討を行ったのである。
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意検討した結果、水酸基を1個以上有する特定の(メタ)アクリレートとイソシアネートを反応させたウレタンアダクト化合物、特定の多官能(メタ)アクリレート、特定の製造方法で得られた(メタ)アクリロイル基を有するシラン化合物を含む組成物が、耐磨耗性、耐擦傷性及び密着性に優れた性能を発揮することを見出し、本発明を完成するに至った。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の組成物によれば、種々の基材に対して、特にプラスチック基材に対して、硬化膜が耐磨耗性、耐擦傷性及び密着性に優れたものとなる。
本発明は、後記(A)成分及び後記(B)成分の合計100重量部に対して、
(A)成分を97〜40重量部、
(B)成分を3〜60重量部、
光重合開始剤(C)を0.1〜10重量部及び
有機溶剤(D)を10〜1000重量部
含有する光硬化型塗料組成物に関する。
以下、それぞれの成分及び組成物の詳細について説明する。
尚、本明細書においては、アクリロイル基又はメタクリロイル基を(メタ)アクリロイル基と表し、又、アクリレート又はメタクリレートを(メタ)アクリレートと表す。
1.(A)成分
本発明の(A)成分は、3価以上の脂肪族多価アルコールから誘導される(メタ)アクリレートであって、(メタ)アクリロイル基を2個以上有し、水酸基を1個以上有する(メタ)アクリレートとポリイソシアネートとの付加反応で得られるウレタンアダクト化合物(a1)(以下、「(a1)成分」という)及び
3価以上の脂肪族多価アルコールから誘導される(メタ)アクリレートであって、(メタ)アクリロイル基を3個以上有し、水酸基を有さない(メタ)アクリレート(a2)(以下、「(a2)成分」という)から構成される(メタ)アクリレート混合物である。
(a1)成分の原料化合物は、3価以上の脂肪族多価アルコールから誘導される(メタ)アクリレートであって、(メタ)アクリロイル基を2個以上有し、水酸基を1個以上有する(メタ)アクリレート(以下、水酸基含有多官能(メタ)アクリレート」という)である。
水酸基含有多官能(メタ)アクリレートの原料化合物である3価以上の脂肪族多価アルコールとしては、種々の化合物が使用でき、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン及びジペンタエリスリトール等が挙げられる。
水酸基含有多官能(メタ)アクリレートとしては、種々の化合物が使用でき、具体的には、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのジ又はトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンのジ又はトリ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールのジ、トリ、テトラ又はペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの中でも、硬化膜が耐磨耗性と耐擦傷性に優れる点で、3個以上の(メタ)アクリロイル基を有し、水酸基を1個有する化合物が好ましく、具体的には、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(a1)成分のもう一方の合成原料である、ポリイソシアネートとしては、種々の化合物が使用可能である。
好ましいポリイソシアネートの例としては、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート及びこれらのヌレート型三量体等が挙げられる。
(a1)成分は、水酸基含有多官能(メタ)アクリレートとポリイソシアネートとの付加反応により合成される。この付加反応は無触媒でも可能であるが、反応を効率的に進めるために、ジブチルスズジラウレート等の錫系触媒や、トリエチルアミン等のアミン系触媒等を添加しても良い。
(a2)成分は、3価以上の脂肪族多価アルコールから誘導される(メタ)アクリレートである。
(a2)成分の原料化合物である3価以上の脂肪族多価アルコールとしては、前記で挙げたものと同様のものが使用できる。
(a2)成分の具体例としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの中でも、硬化膜が耐磨耗性と耐擦傷性に優れる点で、4個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物が好ましく、具体的には、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
本発明の(A)成分は、(a1)成分と(a2)成分の混合物である。
(a1)成分と(a2)成分の割合は目的に応じて適宜設定すれば良いが、(a1):(a2)=10:90〜75:25の重量比で含む混合物が好ましく、より好ましくは(a1):(a2)=30:70〜70:30の重量比で含む混合物である。
(a1)と(a2)の重量比をこの範囲とすることで、硬化膜が耐磨耗性と耐擦傷性に優れた組成物を得ることができる。
本発明の組成物における(A)成分の含有割合は、(A)成分及び(B)成分の合計100重量部に対して、97〜40重量部であり、より好ましくは80〜50重量部である。
(A)成分の含有割合を97〜40重量部とすることで、硬化膜が耐磨耗性と耐擦傷性に優れた組成物とすることができる。
2.(B)成分
本発明の(B)成分は、下記一般式(1)で表される(メタ)アクリロイル基含有ケイ素化合物(b1)(以下、「化合物(b1)」という)と下記一般式(2)で表されるケイ素化合物(b2)(以下、「化合物(b2)」という)とを、化合物(b1)1モルに対して、化合物(b2)0.3〜1.8モルの割合で、アルカリ性条件下で加水分解共重縮合させて得られる有機ケイ素化合物である。
Figure 2011088996
(一般式(1)において、R1は炭素数1〜6のアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基又は炭素数6〜10のアリール基を有する有機基であり、R2は炭素数1〜6の2価の飽和炭化水素基であり、R3は水素原子又はメチル基であり、Xは加水分解性基であり、Xは同一であっても異なっていても良く、nは0又は1である。)
SiY4 (2)
(一般式(2)において、Yはシロキサン結合生成基であり、Yは同一であっても異なっていても良い。)
一般式(1)において、R1は炭素数1〜6のアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基又は炭素数6〜10のアリール基を有する有機基である。
これらの中でも、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、得られる組成物の硬化膜が耐磨耗性に優れる点で、メチル基がより好ましい。
2は炭素数1〜6の2価の飽和炭化水素基であり、アルキレン基が好ましい。アルキレン基としては、得られる組成物の硬化膜が耐磨耗性に優れるものとなり、原料コストの点から、トリメチレン基がより好ましい。R3は水素原子又はメチル基である。
Xは加水分解性基であり、Xは同一であっても異なっていても良い。加水分解性基としては、加水分解性を有する基であれば種々の基が可能である。具体的には、水素原子、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基及びアリールアルコキシ基が挙げられる。これらの中でもアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜6のアルコキシ基がより好ましい。アルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基及びヘキシルオキシ基等が挙げられる。
又、nは0又は1であり、得られる組成物の硬化膜が耐磨耗性に優れる点で、好ましくは0である。
一般式(1)において、好ましい化合物であるnが0でXがアルコキシ基である化合物の具体例としては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン及び3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルエチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
一般式(2)において、Yはシロキサン結合生成基であり、1分子中のシロキサン結合生成基は同一であっても異なっていても良い。
シロキサン結合生成基としては、アルコキシ基が好ましい。アルコキシ基の好ましい例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基及びsec−ブトキシ基等の炭素数1〜4のアルコキシ基が挙げられる。
化合物(b2)の好ましい具体例は、テトラ−n−プロポキシシラン、トリメトキシ−n−プロポキシシラン、ジメトキシジ−n−プロポキシシラン、メトキシトリ−n−プロポキシシラン等のn−プロポキシ基を有するアルコキシシラン化合物である。
n−プロポキシ基含有アルコキシシラン化合物は、1種の化合物でも、n−プロポキシ基を有し、他のアルコキシ基を有する化合物の混合物でも良い。
n−プロポキシ基含有アルコキシシラン化合物の混合物は、複数種の成分を混合して使用することもできるが、アルコール交換によって製造したものをそのまま使用することもできる。例えば、上記一般式(2)で表されるケイ素化合物であり、且つn−プロポキシ基を有さない化合物(例えば、テトラメトキシシラン)を、1−プロパノール中でアルコール交換反応させることにより得ることができる。又、この反応により得られた反応生成物をそのまま用いることもできる。
(B)成分は、化合物(b1)と化合物(b2)とを、化合物(b1)1モルに対して、化合物(b2)0.3〜1.8モルの割合で、アルカリ性条件下で加水分解共重縮合させ(以下、「第1工程」という)得られるものである。
化合物(b1)と化合物(b2)との反応割合は、化合物(b1)1モルに対して、化合物(b2)0.3〜1.8モルであり、好ましくは化合物(b2)が0.8〜1.8モルの割合で、より好ましくは化合物(b2)が1〜1.8モルである。この割合で反応させることにより、反応中及び反応後のゲル化を生じることなく、(B)成分を効率よく製造することができる。
上記第1工程はアルカリ性条件下での反応であり、これにより反応後のゲル化を防止することができ、高収率で(B)成分を製造することができる。
具体的には、反応液のpHが7を超える値であり、好ましくpHが8以上であり、更に好ましくはpHが9以上である。尚、上限は、通常、pH13である。反応系を上記pHとすることにより、保存安定性に優れた(B)成分を高い収率で製造することができる。
酸性条件下(pH7未満)で加水分解共重縮合させて得られる有機ケイ素化合物は、保存安定性に劣るものとなり、反応条件等によっては保存中にゲル化することもある。
又、中性条件下(pH7付近)では、加水分解共重縮合反応が進行し難く、有機ケイ素化合物を収率よく得ることができない。
上記(B)成分の製造方法により、化合物(b1)及び化合物(b2)の縮合率は、92%以上とすることができ、より好ましくは95%以上、更に好ましくは98%以上である。シロキサン結合生成基(加水分解性基を含む)は実質的に全てが縮合されていることが最も好ましいが、縮合率の上限は、通常、99.9%である。
(B)成分の製造において、反応系、(B)成分を含む反応液、中和液、有機系液及び有機溶液の少なくとも1つに対して、(メタ)アクリロイル基の重合を禁止する重合禁止剤を添加することもできる。
公知の方法では、酸性条件での製造方法等有機ケイ素化合物を製造する方法が知られているが、原料化合物の化合物(b1)と化合物(b2)の両者を均一に反応させることは難しく、ゲルが生じ易いものであった。このため、トリメチルアルコキシシランやヘキサメチルジシロキサン等の、シロキサン結合生成基を1つのみ有するケイ素化合物(以下、「Mモノマー」という)を末端封止剤として作用させることでゲル化を回避する方法が知られている。
しかしながら、所定量以上のMモノマーを併用することで、ゲル化は回避できても、得られる有機ケイ素化合物の無機的性質は低下する傾向にある。
一方、前記製造方法によれば、化合物(b1)と化合物(b2)をゲル化させずに共重縮合させることができ、その上、得られる硬化物の無機的性質を低下することがないという効果を奏する。
(B)成分は、前記第1工程を必須として製造されるものであるが、必要に応じて更に以下の工程を含むことができる。
(第2工程)第1工程で得られた反応液を、酸により中和する工程。
(第3工程)第2工程で得られた中和液から揮発性成分を除去する工程。
(第4工程)第3工程で得られた濃縮物と、洗浄用有機溶剤とを、混合及び接触させて、少なくとも有機ケイ素化合物(B)を洗浄用有機溶剤に溶解する工程。
(第5工程)第4工程で得られた有機系液を水により洗浄した後、有機ケイ素化合物(B)を含む有機溶液を得る工程。
(第6工程)第5工程で得られた有機溶液から揮発性成分を除去する工程。
(B)成分の製造方法としては、第1工程、第2工程及び第5工程を含むことが好ましい。
本発明の組成物における(B)成分の含有割合は、(A)成分及び(B)成分の合計100重量部に対して、3〜70重量部であり、より好ましくは20〜55重量部である。
(B)成分の含有割合を5〜70重量部とすることで、硬化膜が耐磨耗性と耐擦傷性に優れた組成物とすることができる。
3.光重合開始剤(C)
本発明の(C)成分は、光重合開始剤であり、種々の化合物を使用することができる。
光重合開始剤の具体例としては、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、オリゴ{2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕プロパノン}及び2−ヒドロキシ−1−{4−〔4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル〕フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン等のアセトフェノン系化合物;ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン及び4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルスルファイド等のベンゾフェノン系化合物;メチルベンゾイルフォルメート、オキシフェニル酢酸の2−(2−オキソ−2−フェニルアセトキシエトキシ)エチルエステル及びオキシフェニル酢酸の2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルエステル等のα−ケトエステル系化合物;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド等のフォスフィンオキサイド系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル及びベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン系化合物;チタノセン系化合物;1−〔4−(4−ベンゾイルフェニルスルファニル)フェニル〕−2−メチル−2−(4−メチルフェニルスルフィニル)プロパン−1−オン等のアセトフェノン/ベンゾフェノンハイブリッド系光開始剤;2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−〔4−(フェニルチオ)〕−1,2−オクタンジオン等のオキシムエステル系光重合開始剤;並びにカンファーキノン等が挙げられる。
本発明の組成物における(C)成分の含有割合は、(A)成分及び(B)成分の合計を100重量部に対して、0.1〜10重量部であり、より好ましくは0.5〜7重量部、特に好ましくは1〜5重量部である。
(C)成分の含有割合を0.1〜10重量部とすることで、組成物が硬化性に優れるものとなり、組成物の硬化膜が耐磨耗性及び耐擦傷性に優れたものとなる。
4.有機溶剤(D)
本発明の(D)成分は溶剤であり、種々の化合物を使用することができる。
(D)成分としては、(A)成分、(B)成分及び(C)成分を溶解するものが好ましい。
好ましい溶剤の具体例としては、エタノール及びイソプロパノール等のアルコール;エチレングリコールモノメチルエーテル及びプロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルキレングリコールモノエーテル;ダイアセトンアルコール等のアセトンアルコール;トルエン及びキシレン等の芳香族化合物;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル;アセトン、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトン等のケトン;ジブチルエーテル等のエーテル;並びにN−メチルピロリドン等が挙げられる。
本発明の組成物における(D)成分の含有割合は、(A)成分及び(B)成分の合計100重量部に対して、10〜1000重量部であり、より好ましくは50〜500重量部、さらに好ましくは50〜300重量部である。
(D)成分の含有割合を10〜1000重量部とすることで、公知の塗布方法(バーコート、ロールコート、スピンコート、ディップコート、グラビアコート、フローコート、スプレーコート等)に対応した塗料組成物とすることができる。
5.光硬化型塗料組成物
本発明の組成物は、前記(A)〜(D)成分を必須とする光硬化型塗料組成物に関する。
組成物の製造方法としては、常法に従えば良く、前記必須成分及び必要に応じてその他成分を、攪拌・混合して製造することができる
本発明の組成物は、前記(A)〜(D)成分を必須とするものであるが、目的に応じて、顔料、染料、表面調整剤、紫外線吸収剤、ラジカル重合性不飽和基を有する化合物及びポリマー等の種々の成分を配合することができる。
本発明の組成物には、塗布時のレベリング性を高める目的や、硬化塗膜の防汚性や滑り性を高める目的等のため、各種表面調整剤を添加しても良い。表面調整剤としては、シリコーン系表面調整剤や、フッ素系表面調整剤が好適である。具体例としては、シリコーン鎖とポリアルキレンオキサイド鎖を有するシリコーン系ポリマー、パーフルオロアルキル基とポリアルキレンオキサイド鎖を有するフッ素系ポリマー、及びパーフルオロアルキルエーテル鎖とポリアルキレンオキサイド鎖を有するフッ素系ポリマーが挙げられる。
表面調整剤の好ましい配合量は、(A)及び(B)成分の合計100重量部に対して0.01〜3重量部であり、より好ましくは0.02〜0.5重量部とすることで、塗膜の表面平滑性を高め、塗布時の気泡を抑制することができる。
本発明の組成物には、1分子中に1個以上のラジカル重合性不飽和基を有する、(A)成分及び(B)成分以外の化合物を配合しても良い。
1分子中に1個のラジカル重合性不飽和基を有する化合物(以下、「不飽和化合物」という)は、プラスチック基材への密着性を高めるために配合することができる。
不飽和化合物におけるラジカル重合性不飽和基としては、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
不飽和化合物の配合割合としては、耐磨耗性が悪化するのを防ぐ観点から、(A)成分、(B)成分及び不飽和化合物の合計100重量部に対して、20重量部以下とすることが好ましい。
不飽和化合物において、1分子中に1個のラジカル重合性不飽和基を有する化合物の具体例としては、(メタ)アクリル酸、アクリル酸のマイケル付加型のダイマー、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェノールのアルキレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート、アルキルフェノールのアルキレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、パラクミルフェノールのアルキレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート、オルトフェニルフェノール(メタ)アクリレート、オルトフェニルフェノールのアルキレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカンメチロール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、N−(2−(メタ)アクリロキシエチル)ヘキサヒドロフタルイミド、N−(2−(メタ)アクリロキシエチル)テトラヒドロフタルイミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリロイルモルフォリン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム等が挙げられる。
不飽和化合物において、1分子中に2個以上のラジカル重合性不飽和基を有する化合物(以下、「多官能不飽和化合物」という)は、密着性や耐磨耗性、耐擦傷性を改善させる目的等で配合しても良い。
多官能不飽和化合物におけるラジカル重合性不飽和基の数は、耐磨耗性、耐擦傷性を低下させないためには1分子中に2個以上であることが好ましく、3〜20個であることがより好ましい。
多官能不飽和化合物としては、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物が好ましく、具体例としては、以下の化合物が挙げられる。
ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFのアルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールZのアルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールSのアルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、チオビスフェノールのアルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールZのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールSのジ(メタ)アクリレート、チオビスフェノールのジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、グリセリンのアルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、ダイマー酸ジオールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメチロールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのアルキレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのトリ及びテトラアクリレート、ペンタエリスリトールのアルキレンオキサイド付加物のトリ及びテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ及びペンタアクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、末端に(メタ)アクリロイル基を有するシリコーン樹脂等が挙げられる。
ポリエステル(メタ)アクリレートとしては、ポリエステルポリオールと(メタ)アクリル酸との脱水縮合物が挙げられる。ポリエステルポリオールとしては、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、シクロヘキサンジメチロール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、及びトリメチロールプロパン等の低分子量ポリオール、並びにこれらのアルキレンオキシド付加物等のポリオールと、アジピン酸、コハク酸、フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸及びテレフタル酸等の二塩基酸又はその無水物等の酸成分とからの反応物等が挙げられる。又、各種デンドリマー型ポリオールと(メタ)アクリル酸との脱水縮合物が挙げられる。
エポキシ(メタ)アクリレートとしては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の(メタ)アクリル酸付加物、水素添加ビスフェノールA型エポキシ樹脂の(メタ)アクリル酸付加物、フェノール又はクレゾールノボラック型エポキシ樹脂の(メタ)アクリル酸付加物、ビフェニル型エポキシ樹脂の(メタ)アクリル酸付加物、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルのジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸付加物、ポリブタジエンのジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸付加物、ポリブタジエン内部エポキシ化物の(メタ)アクリル酸付加物、エポキシ基を有するシリコーン樹脂の(メタ)アクリル酸付加物、リモネンジオキサイドの(メタ)アクリル酸付加物、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートの(メタ)アクリル酸付加物等が挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートとしては、有機ポリイソシアネートとヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートを付加反応させた化合物や、有機ポリイソシアネートとポリオールとヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートを付加反応させた化合物が挙げられる。
ここで、ポリオールとしては、低分子量ポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール等が挙げられる。
低分子量ポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメチロール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、及びグリセリン等が挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、ポリプロピレングリコールやポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、これら低分子量ポリオール及び/又はポリエーテルポリオールと、アジピン酸、コハク酸、フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸及びテレフタル酸等の二塩基酸又はその無水物等の酸成分との反応物が挙げられる。
有機ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、及びイソホロンジイソシアネート等が挙げられる。
ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートのヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート等が挙げられる。
本発明の組成物には、透明性を維持しながら硬化時のソリを低減させる目的等で、有機ポリマーを配合することもできる。好適なポリマーとしては、(メタ)アクリル系ポリマーが挙げられ、好適な構成モノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、グリシジル(メタ)アクリレート、N−(2−(メタ)アクリロキシエチル)テトラヒドロフタルイミド等が挙げられる。(メタ)アクリル酸を共重合したポリマーの場合、グリシジル(メタ)アクリレートを付加させて(メタ)アクリロイル基をポリマー鎖に導入しても良い。
7.塗装方法
本発明の組成物が適用できる基材としては、種々の材料に適用でき、木材、金属、無機材料及びプラスチック等が挙げられる。
無機材料としては、モルタル、コンクリート及びガラス等が挙げられる。
プラスチックの具体例としては、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂及びポリウレタン樹脂等が挙げられる。
本発明の組成物の塗装方法としては、常法に従えば良い。
具体的には、組成物を基材に塗布した後乾燥し、紫外線等の光を照射する方法等が挙げられる。
本発明の組成物の基材への塗布方法としては、常法に従えば良く、バーコート、ロールコート、スピンコート、ディップコート、グラビアコート、フローコート及びスプレーコート等が挙げられる。
基材に対する組成物の塗装方法及び乾燥後の膜厚は、目的に応じて適宜設定すれば良い。
乾燥温度は、適用する基材が変形等の問題を生じない温度以下であれば特に限定されるものではない。
本発明の組成物を硬化させるための光としては、紫外線及び可視光線が挙げられるが、紫外線が特に好ましい。
紫外線照射装置としては、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、UV無電極ランプ、LED等が挙げられる。
照射エネルギーは、活性エネルギー線の種類や配合組成に応じて適宜設定すべきものであるが、一例として高圧水銀ランプを使用する場合を挙げると、UV−A領域の照射エネルギーで100〜5,000mJ/cm2が好ましく、200〜1,000mJ/cm2がより好ましい。
本発明の組成物の硬化膜は、耐磨耗性及び耐擦傷性に優れるものであり、本発明の組成物の硬化膜を有する材料は、この特性を生かして種々の用途に使用することができる。
例えば、表示板用前面板、建材用途、照明器具、携帯電話のディスプレイや筐体、家電製品の筐体、眼鏡等の各種レンズが挙げられる。
表示板用前面板の具体例としては、電光掲示板、ディスプレイ、看板、広告及び標識等が挙げられる。
基材として木材使用した例としては、階段、床及び家具等の木工製品が挙げられる。基材として金属を使用した例としては、台所用キッチンパネル及びステンレスシンク等の金属製品等が挙げられる。
以下に、実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明する。尚、本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。
又、以下において「部」とは重量部を意味し、「%」とは重量%を意味する。
○製造例1〔(A)成分の製造(HDI−M305)〕
攪拌装置及び空気の吹き込み管を備えた0.5Lセパラブルフラスコに、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETri)とペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETet)の混合物(東亞合成(株)製アロニックスM−305。以下、「M−305」という。〕159.2g(PETri0.3モルとPETet0.2モル含有)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(以下、「BHT」という)0.092g、ジブチルスズジラウレート(以下、「DBTL」という)0.055gを仕込み、液温を70〜75℃で攪拌しながら、ヘキサメチレンジイソシアネート(以下、「HDI」という)25.2g(0.15モル)を滴下した。
滴下終了後、80℃で3時間攪拌し、反応生成物のIR(赤外吸収)分析でイソシアネート基が消失していることを確認して反応を終了した。以下、この反応生成物をHDI−M305と呼ぶ。
HDI−M305は、PETriとHDIのウレタンアダクト化合物(a1)とPETet(a2)を含み、(a1)と(a2)の重量比が(a1):(a2)=6:4で含有する混合物である。
○製造例2〔(A)成分の製造(IPDI−M451)〕
製造例1と同様のフラスコに、PETriとPETetの混合物〔東亞合成(株)製アロニックスM−451。以下、「M−451」という。〕の248.1g(PETriを0.3モルとPETet0.45モル含有)、BHTの0.141g、DBTLの0.084gを仕込み、液温を70〜75℃で攪拌しながら、イソホロンジイソシアネート(以下、「IPDI」という)33.3g(0.15モル)を滴下した。
滴下終了後、80℃で3時間攪拌し、反応生成物のIR(赤外吸収)分析でイソシアネート基が消失していることを確認して反応を終了した。以下、この反応生成物をIPDI−M451と呼ぶ。
IPDI−M451は、PETriとIPDIのウレタンアダクト化合物(a1)とPETet(a2)を含み、(a1)と(a2)の重量比が(a1):(a2)=4:6で含有する混合物である。
○製造例3〔(B)成分の製造(Mac−TQ)〕
攪拌機及び温度計を備えた反応器に、アルコール交換反応用の1−プロパノール150gとテトラメトキシシラン(以下、「TMOS」という)36.53g(0.24モル)とを仕込んだ後、これらを撹拌しながら、25質量%水酸化テトラメチルアンモニウムメタノール溶液4.37g(メタノール0.1モル、水酸化テトラメチルアンモニウム12ミリモル)を徐々に加えて、温度25℃、pH9で6時間反応させた。その後、内温を60℃にして攪拌しながら更に1時間反応させた。ここで、反応液をガスクロマトグラフ分析(TCD検出器)したところ、TMOSのメトキシ基がn−プロポキシ基に置換された化合物(1置換体から4置換体)及び未反応のTMOSが検出された。TMOSは痕跡量しか検出されなかった。これらのうちのn−プロポキシ基含有化合物の割合は、合計でほぼ100%であった。ガスクロマトグラムにおける生成物のピーク面積に基づいて、1−プロパノールの置換数(n−プロポキシ基含有化合物1分子あたりのn−プロポキシ基の数の平均)を求めたところ、2.7であった。
次に、上記反応液に、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン59.62g(0.24モル)を加え、さらに水30.2gを加えた。そして、25%水酸化テトラメチルアンモニウムメタノール溶液7.88g(メタノール0.18モル、水酸化テトラメチルアンモニウム21.6ミリモル)を加えて、撹拌しながら、温度25℃、pH9で24時間反応させた。その後、10質量%硝酸水溶液22.2g(35.3ミリモル)加えて中和した。次いで、この中和液を、ジイソプロピルエーテル120g及び水180gの混合液の中に加えて抽出を行った。このジイソプロピルエーテル層を水洗することで塩類や過剰の酸を除去し、その後、重合禁止剤としてN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミシアルミニウム塩〔商品名「Q−1301」、和光純薬工業(株)製。〕を11.5mg加えた。得られたジイソプロピルエーテル溶液から、減圧下で有機溶剤を留去し、無色透明な固体の有機ケイ素化合物(B1)を得た。その収量は57.72gであった。以後、こうして得られる収量を「単離収量」と呼ぶ。
有機ケイ素化合物(B1)を1H−NMR分析し、得られた有機ケイ素化合物(B1)は、化合物(b1)及び化合物(b2)が化学量論的に反応して得られた共重縮合物であることが確認された。
有機ケイ素化合物(B1)の1H−NMRチャートから算出したアルコキシ基(ケイ素原子に結合したn−プロポキシ基)の含有割合は、仕込み原料に含まれていたアルコキシ基の全体に対して2.5%に相当する量であった。
又、Mnは9,600であった。
以下、この反応生成物をMac−TQと呼ぶ。
(実施例1〜実施例4)
表1に示す成分を常法に従い攪拌・混合し、光硬化型塗料組成物を製造した。
尚、表1の数値は、重量部数を表す。又、表中の略称は、以下の化合物を表す。
○略称
(C)成分
・Irg−184:チバ・ジャパン(株)製光ラジカル重合開始剤、商品名イルガキュア184;1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン。
(D)成分
・PGM:プロピレングリコールモノメチルエーテル。
Figure 2011088996
(比較例1〜比較例5)
表2に示す成分を常法に従い攪拌・混合し、光硬化型塗料組成物を製造した。
尚、表2の数値は、重量部数を表す。又、表中の略称は、以下の化合物を表す。
○略称
(B)'成分
・PGM−ST:日産化学工業(株)製PGM−ST、プロピレングリコールモノメチルエーテル分散コロイダルシリカ(シリカ濃度30%)。
Figure 2011088996
表1及び表2に示す組成物を、10cm四方のポリメチルメタクリレート樹脂板に、乾燥後の塗膜厚さが約10μmとなるようにバーコータで塗布し、70℃の熱風乾燥機で10分間乾燥した後、すぐに紫外線照射を行って硬化膜を作成した。
紫外線照射は、アイグラフィックス(株)製紫外線照射機(高圧水銀ランプ)を使用し、ランプ高さを24cm、コンベア速度8.8m/分で3パス照射した。1パス当りの照射エネルギーは、EIT社製のUV POWER PUCKのUV−A領域で、200mJ/cm2であった(合計600mJ/cm2)。又、ピーク照度はUV−A領域で220mW/cm2であった。
得られた硬化膜について、耐磨耗性、耐擦傷性、密着性及び透明性を、以下に示す方法で評価した。それらの評価結果を表4に示す。
○耐磨耗性
耐磨耗性は、テーバー式磨耗試験機を使用し、テーバー磨耗試験前後のヘイズの差ΔH(%)を測定して評価した。ここで、磨耗輪はCS−10F、荷重は各500g、回転数は300回とした。ΔH(%)が小さいものほど耐磨耗性良好と評価した。
○耐擦傷性
耐擦傷性は、日本スチールウール(株)製ボンスター#0000に500g荷重をかけ50往復擦ったときのキズの本数に基づき下記表3の基準で判定した。評価B以上を耐擦傷性良好とした。
Figure 2011088996
○密着性
硬化塗膜にカッターナイフで縦横各11本の1mm間隔の切り込みを入れて100枡の碁盤目を形成し、この碁盤目上にニチバン(株)製#405のセロハンテープを貼り付け、JIS K5400に準じてセロハンテープを剥離した。セロハンテープ剥離後の残存膜の割合(%)が100%のものを密着性良好と評価した。
○透明性
硬化膜のヘイズ(%)はJIS K7136に準拠、全光線透過率(%)はJIS K7361に準拠して濁度計NDH−2000(日本電色工業製)を用いて測定し、ヘイズ<1、全光線透過率>90を透明性良好とした。
Figure 2011088996
実施例1〜同4の組成物は、密着性、耐磨耗性、耐擦傷性及び透明性のいずれにも優れるものであった。
これに対して、(A)成分及び(B)成分を含むが、(A)成分を本発明の下限40%に満たない10%で含み、(B)成分の上限60%を超過する90%で含む比較例1の組成物は、透明性は問題ないものの、密着性、耐磨耗性及び耐擦傷性が不十分なものとなった。コロイダルシリカを含有するが(B)成分を含まない比較例2の組成物は、密着性及び耐磨耗性は問題ないものの、耐擦傷性及び透明性が不十分なものとなった。(A)成分を含まない比較例3の組成物は、耐擦傷性及び透明性は問題ないものの、密着性がやや不十分なものとなり、耐磨耗性が不十分なものとなった。(B)成分を含まない比較例4及び同5の組成物は、密着性、耐擦傷性及び透明性は問題ないものの、耐磨耗性が不十分なものとなった。
本発明の光硬化型塗料組成物は、木材、金属、無機材料及びプラスチック等の種々の基材の塗装に好適に使用することができる。

Claims (4)

  1. 下記(A)成分及び下記(B)成分の合計100重量部に対して、
    (A)成分を97〜40重量部、
    (B)成分を3〜60重量部、
    光重合開始剤(C)を0.1〜10重量部及び
    有機溶剤(D)を10〜1000重量部
    含有する光硬化型塗料組成物。
    (A)成分:3価以上の脂肪族多価アルコールから誘導される(メタ)アクリレートであって、(メタ)アクリロイル基を2個以上有し、水酸基を1個以上有する(メタ)アクリレートとポリイソシアネートとの付加反応で得られるウレタンアダクト化合物(a1)及び3価以上の脂肪族多価アルコールから誘導される(メタ)アクリレートであって、(メタ)アクリロイル基を3個以上有し、水酸基を有さない(メタ)アクリレート(a2)から構成される(メタ)アクリレート混合物。
    (B)成分:下記一般式(1)で表される(メタ)アクリロイル基含有ケイ素化合物(b1)と、下記一般式(2)で表されるケイ素化合物(b2)とを、上記ケイ素化合物(b1)1モルに対して、上記ケイ素化合物(b2)0.3〜1.8モルの割合で、アルカリ性条件下で加水分解共重縮合させて得られる有機ケイ素化合物。
    Figure 2011088996
    (一般式(1)において、R1は炭素数1〜6のアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基又は炭素数6〜10のアリール基を有する有機基であり、R2は炭素数1〜6の2価の飽和炭化水素基であり、R3は水素原子又はメチル基であり、Xは加水分解性基であり、Xは同一であっても異なっていても良く、nは0又は1である。)
    SiY4 (2)
    (一般式(2)において、Yはシロキサン結合生成基であり、Yは同一であっても異なっていても良い。)
  2. 前記(A)成分において、化合物(a1)と化合物(a2)の重量比が10:90〜75:25である請求項1に記載の光硬化型塗料組成物。
  3. 前記(A)成分及び(B)成分を、重量比が(A):(B)=97:3〜40:60の割合で含むである請求項1又は請求項2に記載の光硬化型塗料組成物。
  4. 前記(B)成分において、化合物(b1)は、一般式(1)におけるXがアルコキシ基でnが0である化合物であり、
    化合物(b2)は、一般式(2)におけるYがアルコキシ基である請求項1〜請求項3のいずれかに記載の光硬化型塗料組成物。
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