JP2007161762A - コーティング組成物とハードコート膜及びハードコート膜付き基材並びにハードコート膜の製造方法 - Google Patents

コーティング組成物とハードコート膜及びハードコート膜付き基材並びにハードコート膜の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高硬度、低収縮率、耐光性、密着性に優れ、さらには、成膜工程の簡単化、及び製造コストの低減が可能なコーティング組成物とハードコート膜及びハードコート膜付き基材並びにハードコート膜の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明のコーティング組成物は、ラジカル重合性化合物と、シラノール基含有シロキサン化合物とを含有してなることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、コーティング組成物とハードコート膜及びハードコート膜付き基材並びにハードコート膜の製造方法に関し、更に詳しくは、プラズマディスプレイパネル(PDP)、液晶ディスプレイ(LCD)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(EL)、プロジェクション(PJTV)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)等の各種表示装置、眼鏡用レンズ、カメラ用レンズ等の光学部品等のプラスチック系基材の表面を保護するためのコーティング組成物、及びこのコーティング組成物を用いて形成されたハードコート膜及びハードコート膜付き基材、並びにハードコート膜の製造方法に関するものである。
従来、PDP、LCD、EL、PJTV、FED等の各種表示装置、あるいは眼鏡用レンズ、カメラ用レンズ等の光学部品においては、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、トリアセチルセルロース(TAC)を始めとするプラスチック基材が広範に用いられている。
ところで、これらのプラスチック基材は、強度面でガラスに大きく劣っているために、容易に傷が入ってしまうという欠点を有しているので、これらプラスチック基材の表面に、透明樹脂をコーティングして保護する、いわゆるハードコート膜を施すことが通常行われている。このハードコート膜の材料としては、紫外線(UV)照射により硬化する紫外線硬化性樹脂を用いるのが一般的である。
この紫外線硬化性樹脂は、硬化が数秒で完了するので生産性が高く、また、この紫外線硬化性樹脂により得られたハードコート膜は化学的にも安定である。
しかしながら、この紫外線硬化性樹脂は、プラスチックフィルム等の透明基材上に塗布・硬化する際に、不飽和重合基が結合することにより体積収縮が生じ、得られたハードコート膜に反りが生じるという欠点がある。一般に、硬度と反りとの間には負の相関関係があり、硬度を向上させようとした場合、反りが大きくなり、実用上不都合が生じてしまうという欠点がある。また、紫外線硬化性樹脂は有機物であるから、得られたハードコート膜の硬度には限界がある。
そこで、硬度や収縮率の異なる複数の層を積層させることにより、硬度と平坦性を両立させたハードコート膜(例えば、特許文献1)、あるいは、紫外線硬化性樹脂に無機系の微粒子を添加したハードコート膜(例えば、特許文献2、3)等が提案されている。
特開2000−12781号公報 特開2005−42024号公報 特開2005−139301号公報
ところで、上述した従来の積層構造のハードコート膜では、硬度や収縮率の異なる複数の層を積層させているので、これらの層を密着させることは容易ではなく、したがって、耐光性が低下し、密着性が低下する虞があるという問題点があった。
また、硬度や収縮率の異なる複数の層を積層させることから、必然的に成膜工程における工程数が増加し、また、製造歩留まりも低下し、したがって、製造コストが上昇せざるを得ないという問題点があった。
また、従来の無機系の微粒子を添加したハードコート膜では、紫外線硬化性樹脂に無機系の微粒子を添加しているために、製造工程にては微粒子の分散性を良好に維持する必要があるが、この製造工程で無機微粒子の分散安定性が維持されなかった場合、コーティング時に膜に異物が発生する要因となる。したがって、ハードコート膜の材料をコーティングする際に、厳密なハンドリング及び塗工技術が求められ、成膜工程を簡単化することが難しいという問題点があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、高硬度、低収縮率、耐光性、密着性に優れ、さらには、成膜工程の簡単化、及び製造コストの低減が可能なコーティング組成物とハードコート膜及びハードコート膜付き基材並びにハードコート膜の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、鋭意検討を行った結果、ハードコート膜形成用のコーティング組成物として、ラジカル重合性化合物と、シラノール基含有シロキサン化合物とを含むこととすれば、コーティング組成物を加熱及び電磁波により硬化させる過程で、体積減少が小さいにもかかわらず硬度が増加し、したがって、得られる膜がより高硬度、より低収縮率となることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のコーティング組成物は、ラジカル重合性化合物と、シラノール基含有シロキサン化合物とを含有してなることを特徴とする。
前記シラノール基含有シロキサン化合物は、前記ラジカル重合性化合物に対して15重量%以上かつ40重量%以下含有してなることが好ましい。
前記シラノール基含有シロキサン化合物は、ラジカル重合性不飽和基を有することが好ましい。
前記シラノール基含有シロキサン化合物は、分子量が5000以下であることが好ましい。
前記シラノール基含有シロキサン化合物は、アルコキシシランとラジカル重合性不飽和基含有アルコキシシランとの共重合物を含有してなることが好ましい。
前記ラジカル重合性化合物は、重合性不飽和基を3個以上有しかつ分子量が1500以下の有機化合物を含有してなることが好ましい。
前記有機化合物は、紫外線硬化性樹脂であることが好ましい。
本発明のハードコート膜は、本発明のコーティング組成物を塗布・硬化してなることを特徴とする。
膜厚は7μm以上かつ22μm以下であることが好ましい。
本発明のハードコート膜付き基材は、透明基材上に、本発明のハードコート膜を設けてなることを特徴とする。
本発明のハードコート膜の製造方法は、透明基材上に、本発明のコーティング組成物を塗布し、次いで、加熱による硬化、電磁波による硬化を順次行うことを特徴とする。
前記加熱は、50℃以上の温度範囲にて行うことが好ましい。
前記電磁波は、波長が200nm以上かつ420nm以下の紫外線であることが好ましい。
前記紫外線の波長365nmにおける総照射エネルギー量は、100mJ/cm以上であることが好ましい。
本発明のコーティング組成物によれば、ラジカル重合性化合物と、シラノール基含有シロキサン化合物とを含有したので、無機微粒子の添加が不必要となり、保存安定性に優れたものとなる。また、無機−有機結合を利用することにより、有機結合のみのコーティング組成物と比較して、加熱及び電磁波による硬化時における体積減少を抑制するとともに、硬度を増大させることができる。
また、このコーティング組成物を塗布・乾燥する際においては、微粒子凝集物に起因する異物の発生を考慮する必要が無く、塗工安定性に優れたものとなる。
本発明のハードコート膜によれば、本発明のコーティング組成物を塗布・硬化したので、加熱及び電磁波による硬化時における体積減少を抑制し、硬度を増大させることができる。したがって、ハードコート膜を高硬度化、低収縮率化することができる。
本発明のハードコート膜付き基材によれば、透明基材上に、本発明のハードコート膜を設けたので、ハードコート膜の加熱及び電磁波による硬化時における体積減少を抑制し、硬度を増大させることができる。したがって、透明基材上のハードコート膜を、高硬度化、低収縮率化することができる。
本発明のハードコート膜の製造方法によれば、透明基材上に、本発明のコーティング組成物を塗布し、次いで、加熱による硬化、電磁波による硬化を順次行うので、高硬度、低収縮率のハードコート膜を容易に製造することができる。
また、このコーティング組成物を透明基材上に一度塗布するのみでよいので、従来の積層構造のハードコート膜の製造方法と比較して、塗工の工程数を削減することができ、生産性及び歩留まりを高めることができ、製造コストの削減を図ることができる。
本発明のコーティング組成物とハードコート膜及びハードコート膜付き基材並びにハードコート膜の製造方法を実施するための最良の形態について説明する。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
「コーティング組成物」
本発明のコーティング組成物は、ラジカル重合性化合物と、シラノール基含有シロキサン化合物と、有機溶媒とを含有したものである。
このシラノール基含有シロキサン化合物は、ラジカル重合性化合物に対して15重量%以上かつ40重量%以下含有していることが好ましく、より好ましくは25重量%以上かつ35重量%以下である。
このシラノール基含有シロキサン化合物を、ラジカル重合性化合物に対して15重量%以上かつ40重量%以下含有することにより、得られたハードコート膜の硬度を従来以上に高くすることができる。
ここで、シラノール基含有シロキサン化合物が15重量%未満では、シラノール基含有シロキサン化合物による膜収縮抑制の効果を発現させることができず、したがって低収縮率化を図ることができないからであり、一方、40重量%を越えると、シラノール基含有シロキサン化合物が多すぎるために硬度が低下してしまうからである。
このシラノール基含有シロキサン化合物は、予め、その分子内にラジカル重合性不飽和基を付与しておく必要がある。このラジカル重合性不飽和基を含まない場合、上記のラジカル重合性化合物との相溶性、及び成膜した際に膜中における均一な有機−無機結合が阻害され、膜の白化、硬度低下、密着性悪化が生じる虞がある。
このシラノール基含有シロキサン化合物は、分子量が5000以下、好ましくは3000以下とすることにより、より均一で安定的なコーティング組成物を得ることができる。ここで、分子量が5000を越える場合には、シラノール基含有シロキサン化合物自体がゲル化し易くなり、ラジカル重合性化合物との相溶性も悪化するため、安定的なコーティング組成物を得ることができない。
ここでは、シラノール基含有シロキサン化合物の分子量として、ゲルパーミッションクロマトグラフィー(GPC)にて測定したポリスチレン換算値を用いた。
このシラノール基含有シロキサン化合物は、アルコキシシランとラジカル重合性不飽和基含有アルコキシシランとの共重合物を含有していることが好ましい。
ここで、アルコキシシランとしては、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
また、ラジカル重合性不飽和基含有アルコキシシランとしては、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
このアルコキシシラン及びラジカル重合性不飽和基含有アルコキシシランを混合、加熱し、重縮合を進行させることにより、共重合物を得ることができる。
上記のラジカル重合性化合物は、重合性不飽和基を3個以上有しかつ分子量が1500以下の有機化合物を含有している。
この有機化合物としては、例えば、紫外線(UV)硬化性樹脂が挙げられる。
この紫外線硬化性樹脂の分子量は1500以下が好ましく、より好ましくは1000以下である。紫外線硬化性樹脂の分子量が1500以上の場合には、塗布時に、この紫外線硬化性樹脂とシラノール基含有シロキサン化合物が十分均一に混合せず、硬度の低下や密着性の悪化が生じる。
また、この紫外線硬化性樹脂の重合性不飽和基は、3個以上が好ましく、より好ましくは4個以上である。重合性不飽和基が3個未満である場合、紫外線照射による硬化が十分に進行しないばかりか、シラノール基含有シロキサン化合物に含まれるラジカル重合性不飽和基との結合も不十分なものとなり、十分な硬度が得られないからである。
この紫外線硬化性樹脂としては、具体的には、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、プロポキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジメチロールプロパンテトラアクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート等が挙げられる。
有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、n−ブタノール、2−ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、β−オキシエチルメチルエーテル(メチルセロソルブ)、β−オキシエチルエーテル(エチルセロソルブ)、ブチル−β−オキシエチルエーテル(ブチルセロソルブ)、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールのモノエーテル類(セロソルブ類)、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のエステル類等が好適に用いられる。
これらの有機溶媒は、単独で用いてもよく、複数種を混合して用いてもよい。
このコーティング組成物は、例えば、アルコキシシランとラジカル重合性不飽和基含有アルコキシシランを混合、加熱し、重縮合を進行させて共重合物とし、次いで、この共重合物を、紫外線硬化性樹脂及び光重合開始剤と共に有機溶媒中に投入して混合することにより、得ることができる。
「ハードコート膜、ハードコート膜付き基材及びハードコート膜の製造方法」
本発明のハードコート膜は、上記のコーティング組成物を塗布・硬化したものであり、このハードコート膜を透明基材上に形成することで、本発明のハードコート膜付き基材を得ることができる。
このハードコート膜付き基材は、下記の方法により作製することができる。
まず、透明基材として、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリメタクリルスチレン(MS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA:アクリル)、ポリカーボネート(PC)等の基板、フィルム、あるいはシート等を用意する。
次いで、この透明基材上に上記のコーティング組成物を塗布する。
透明基材を、予めクリーニングローラー等を用いて清浄化しておき、この透明基材上に、バーコート法、スピンコート法、ディップ法、グラビアコート法、スプレーコート法、インクジェット法、ロールコート法、スクリーン印刷法、ナイフコータ法、リバースロールコータ法、キスコータ法などの塗布方法により、上記のコーティング組成物を塗布する。
次いで、このコーティング組成物を、例えば、熱風乾燥器、加熱炉等を用いて加熱し、塗膜を形成する。
この場合の加熱温度は、コーティング組成物に含まれている有機溶媒を蒸発させるとともに、シラノール基含有シロキサン化合物を一部重縮合させる必要があることから、50℃以上であることが好ましく、より好ましくは80℃以上である。加熱温度が50℃未満では、有機溶媒の蒸発及びシラノール基含有シロキサン化合物の重縮合が十分に進行せず、したがって、十分な硬度を得られないばかりか、紫外線硬化性樹脂の収縮を抑制することができないからである。
次いで、この塗膜に紫外線(UV)照射を施してコーティング組成物中の紫外線硬化性樹脂を硬化させ、ハードコート膜付き基材を得る。
照射する紫外線(UV)の波長は、200nm以上かつ420nm以下が好ましく、より好ましくは300nm以上かつ380nm以下である。
また、照射する紫外線(UV)の総照射エネルギー量は、100mJ/cm以上が好ましく、より好ましくは150mJ/cmである。その理由は、総照射エネルギー量が100mJ/cm未満であると、紫外線硬化性樹脂を十分に硬化させることができず、必要な硬度を得ることができないからである。
このハードコート膜は、基本的に単層構造とし、特性を十分発揮させるためには膜厚を7μm以上かつ22μm以下に調整することが好ましい。膜厚が7μm未満であると、薄く過ぎて十分な硬度を得ることができず、また、22μmより厚いと、膜の収縮による基材の反りが大きくなり、透明基材に透明フィルムを用いたとき等、ハンドリングに問題が生じるからである。
また、このハードコート膜にハードコート性以外の機能を付与するために、このハードコート膜上にさらに1層以上の膜を設けても良い。例えば、導電性を付与するための導電膜を形成したり、あるいは、このハードコート膜の屈折率より低い屈折率を有する低屈折率膜を形成し、反射防止機能を付与する等である。
このように、このハードコート膜上に、さらに1層以上の膜を設ければ、従来難しいとされていた導電膜、反射防止膜等の高機能膜の高硬度化も可能である。これらの場合においても、このハードコート膜自体の性能に影響は無い。
以下、実施例1〜9及び比較例1〜11により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
「実施例1」
テトラエトキシシラン(TEOS)40重量部、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン20重量部、及びメタノール8重量部を、ビーカーで氷冷攪拌し、さらに、1規定硝酸2重量部を水30重量部にて希釈した希硝酸を滴下した。
滴下終了後、ウォーターバスを用いて60℃にて1時間攪拌を行うことにより、ラジカル重合性不飽和基含有シリケートを重縮合させ、ラジカル重合性不飽和基含有シリケートの加水分解物(固形分30%)を得た。
このラジカル重合性不飽和基含有シリケートの加水分解物の分子量を、下記の条件にてGPC測定した。なお、このGPC測定で得られる分子量はポリスチレンサイズに換算した値である。
カラム :「GPC」KF−802.5(Shodex社製)
流出液 :テトラヒドロロフラン
流出速度:1ml/分
流出温度:35℃
以上の測定条件にて測定した数平均分子量は2000であった。
次いで、このラジカル重合性不飽和基含有シリケートの加水分解物23重量部、UV硬化性樹脂としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA:日本化薬社製)28重量部、イルガキュア キュア184 3重量部を、メチルエチルケトン(MEK)31重量部とジアセトンアルコール(DAA)15重量部との混合溶液に混合、攪拌することにより、実施例1のコーティング組成物を得た。
次いで、厚みが80μmのTACフィルムの一面に、バーコート法により上記のコーティング組成物を塗布し、80℃にて3分間乾燥させて塗膜とした後、この塗膜に波長365nm、総照射エネルギー量300mJ/cmの紫外線を照射して硬化させ、厚み15μmの透明なハードコート膜とし、実施例1のハードコート膜付き基材を作製した。
「実施例2」
実施例1のラジカル重合性不飽和基含有シリケートの重縮合条件を80℃にて3時間とした以外は、実施例1と同様にして実施例2のコーティング組成物を作製し、その後、実施例1と同様にして実施例2のハードコート膜付き基材を作製した。
「実施例3」
実施例1のラジカル重合性不飽和基含有シリケートの加水分解物を14重量部、メチルエチルケトン(MEK)を40重量部とした以外は、実施例1と同様にして実施例3のコーティング組成物を作製し、その後、実施例1と同様にして実施例3のハードコート膜付き基材を作製した。
「実施例4」
実施例1のラジカル重合性不飽和基含有シリケートの加水分解物を32.7重量部、メチルエチルケトン(MEK)を21.3重量部とした以外は、実施例1と同様にして実施例4のコーティング組成物を作製し、その後、実施例1と同様にして実施例4のハードコート膜付き基材を作製した。
「実施例5」
ハードコート膜の厚みを10μmとした以外は、実施例1と同様にして実施例5のハードコート膜付き基材を作製した。
「実施例6」
ハードコート膜の厚みを20μmとした以外は、実施例1と同様にして実施例6のハードコート膜付き基材を作製した。
「実施例7」
コーティング組成物中のUV硬化性樹脂をジペンタエリスリトールテトラアクリレートPET30(日本化薬社製)とした以外は、実施例1と同様にして実施例7のハードコート膜付き基材を作製した。
「実施例8」
紫外線の総照射エネルギー量を150mJ/cmとした以外は、実施例1と同様にして実施例8のハードコート膜付き基材を作製した。
「実施例9」
コーティング組成物の乾燥条件を60℃にて3分間とした以外は、実施例1と同様にして実施例9のハードコート膜付き基材を作製した。
「比較例1」
実施例1のラジカル重合性不飽和基含有シリケートの重縮合条件を80℃にて7時間とした以外は、実施例1と同様にして比較例1のコーティング組成物を作製し、その後、実施例1と同様にして比較例1のハードコート膜付き基材を作製した。
「比較例2」
実施例1のラジカル重合性不飽和基含有シリケートの加水分解物を9.3重量部、メチルエチルケトン(MEK)を44.7重量部とした以外は、実施例1と同様にして比較例2のコーティング組成物を作製し、その後、実施例1と同様にして比較例2のハードコート膜付き基材を作製した。
「比較例3」
実施例1のラジカル重合性不飽和基含有シリケートの加水分解物を42重量部、メチルエチルケトン(MEK)を12重量部とした以外は、実施例1と同様にして比較例3のコーティング組成物を作製し、その後、実施例1と同様にして比較例3のハードコート膜付き基材を作製した。
「比較例4」
テトラメトキシシラン(TMOS)76重量部、及びメタノール4重量部を、ビーカーで氷冷攪拌し、さらに、1規定硝酸2重量部を水18重量部にて希釈した希硝酸を滴下した。
滴下終了後、ウォーターバスを用いて60℃にて1時間攪拌を行うことにより、シリケート重合体の加水分解物(固形分30%)を得た。
このシリケート重合体の加水分解物の分子量を、実施例1と同様の測定条件にてGPC測定した。
このGPC測定にて測定した数平均分子量は1200であった。
次いで、実施例1のラジカル重合性不飽和基含有シリケートの加水分解物を上記のシリケート重合体の加水分解物とした以外は、実施例1と同様にして比較例4のコーティング組成物を作製し、その後、実施例1と同様にして比較例4のハードコート膜付き基材を作製した。
「比較例5」
コーティング組成物中のUV硬化性樹脂を分子量約2000、官能基数10のウレタンアクリレートオリゴマーとした以外は、実施例1と同様にして比較例5のコーティング組成物を作製し、その後、実施例1と同様にして比較例5のハードコート膜付き基材を作製した。
「比較例6」
コーティング組成物中のUV硬化性樹脂を分子量約300、官能基数2のアクリレートモノマーとした以外は、実施例1と同様にして比較例6のコーティング組成物を作製し、その後、実施例1と同様にして比較例6のハードコート膜付き基材を作製した。
「比較例7」
ハードコート膜の厚みを6μmとした以外は、実施例1と同様にして比較例7のハードコート膜付き基材を作製した。
「比較例8」
ハードコート膜の厚みを24μmとした以外は、実施例1と同様にして比較例8のハードコート膜付き基材を作製した。
「比較例9」
紫外線の総照射エネルギー量を80mJ/cmとした以外は、実施例1と同様にして比較例9のハードコート膜付き基材を作製した。
「比較例10」
コーティング組成物の乾燥条件を40℃にて3分間とした以外は、実施例1と同様にして比較例10のハードコート膜付き基材を作製した。
「比較例11」
比較例8と同様にしてハードコート膜を形成した後、このハードコート膜上にさらに、同一条件にてハードコート膜を形成し、2層構造の比較例11のハードコート膜付き基材を作製した。
「評価」
以上により得られた実施例1〜9及び比較例1〜11それぞれのハードコート膜付き基材の全光線透過率、ヘイズ、鉛筆硬度、耐スチールウール試験、密着性、膜の反りの各評価項目について、次の方法または装置を用いて評価した。
(1)全光線透過率
日本工業規格JIS K 7105「プラスチックの光学的特性試験方法」に準拠して、ハードコート膜付き基材の全光線透過率を測定した。
(2)ヘイズ(曇価)
日本工業規格JIS K 7105「プラスチックの光学的特性試験方法」に準拠して、ハードコート膜付き基材のヘイズ値を測定した。
(3)鉛筆硬度
日本工業規格JIS K 7105「プラスチックの光学的特性試験方法」に準拠して、ハードコート膜付き基材の鉛筆硬度を測定した。ただし、負荷荷重は500gとした。
(4)スチールウール強度
#0000のスチールウールに250g/cmの荷重を付加しつつ、ハードコート膜の表面上を50回往復させ、その後、ハードコート膜の表面に発生した傷の本数を測定した。評価は、傷が無いものを「A」、傷の本数が1〜10本を「B」、11〜20本を「C」、21〜30本を「D」、30本以上を「E」の5段階とした。
(5)密着性
日本工業規格JIS K 7105「プラスチックの光学的特性試験方法」に準拠し、ハードコート膜の表面に1mm間隔で縦横に各11本の切れ目を入れて100個の升目を作製し、このハードコート膜の表面に接着用テープを密着させた後、一気に剥離させ、ハードコート膜が残存している升目を数えた。
(6)膜の反り
10cm×10cmの大きさに切り出したハードコート膜付き基材を水平な台上に載置し、浮き上がった四隅それぞれの台からの高さを測定し、これらの測定値の平均値を膜の反りの値とした。
実施例1〜9及び比較例1〜11それぞれのハードコート膜付き基材の材料組成を表1及び表2に、製造条件及び評価結果を表3及び表4に、それぞれ示す。
Figure 2007161762
Figure 2007161762
Figure 2007161762
Figure 2007161762
以上の評価結果によれば、実施例1〜9のハードコート膜付き基材は、比較例1〜11のハードコート膜付き基材と比べて、全光線透過率は差が無いものの、ヘイズ、鉛筆硬度、耐スチールウール試験、密着性、膜の反り共に優れていることが分かった。
本発明は、ラジカル重合性化合物と、シラノール基含有シロキサン化合物とを含有したコーティング組成物を用いることにより、より高硬度、かつ低収縮率のハードコート膜を得ることができるものであるから、PDP、LCD、EL、PJTV、FED等の各種表示装置、あるいは眼鏡用レンズ、カメラ用レンズ等の光学部品はもちろんのこと、それ以外の分野にても、その効果は大である。

Claims (14)

  1. ラジカル重合性化合物と、シラノール基含有シロキサン化合物とを含有してなることを特徴とするコーティング組成物。
  2. 前記シラノール基含有シロキサン化合物は、前記ラジカル重合性化合物に対して15重量%以上かつ40重量%以下含有してなることを特徴とする請求項1記載のコーティング組成物。
  3. 前記シラノール基含有シロキサン化合物は、ラジカル重合性不飽和基を有することを特徴とする請求項1または2記載のコーティング組成物。
  4. 前記シラノール基含有シロキサン化合物は、分子量が5000以下であることを特徴とする請求項1、2または3記載のコーティング組成物。
  5. 前記シラノール基含有シロキサン化合物は、アルコキシシランとラジカル重合性不飽和基含有アルコキシシランとの共重合物を含有してなることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項記載のコーティング組成物。
  6. 前記ラジカル重合性化合物は、重合性不飽和基を3個以上有しかつ分子量が1500以下の有機化合物を含有してなることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項記載のコーティング組成物。
  7. 前記有機化合物は、紫外線硬化性樹脂であることを特徴とする請求項6記載のコーティング組成物。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項記載のコーティング組成物を塗布・硬化してなることを特徴とするハードコート膜。
  9. 膜厚が7μm以上かつ22μm以下であることを特徴とする請求項8記載のハードコート膜。
  10. 透明基材上に、請求項8または9記載のハードコート膜を設けてなることを特徴とするハードコート膜付き基材。
  11. 透明基材上に、請求項1ないし7のいずれか1項記載のコーティング組成物を塗布し、次いで、加熱による硬化、電磁波による硬化を順次行うことを特徴とするハードコート膜の製造方法。
  12. 前記加熱は、50℃以上の温度範囲にて行うことを特徴とする請求項11記載のハードコート膜の製造方法。
  13. 前記電磁波は、波長が200nm以上かつ420nm以下の紫外線であることを特徴とする請求項12記載のハードコート膜の製造方法。
  14. 前記紫外線の波長365nmにおける総照射エネルギー量は、100mJ/cm以上であることを特徴とする請求項13記載のハードコート膜の製造方法。
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