JP4936121B2 - 分岐ホスホン酸塩 - Google Patents

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Description

本出願は、2003年2月24日に出願された米国特許出願第10/374,829号明細書に対して優先権を主張した一部継続出願であり、その内容は本明細書にこの参照により完全に組み込まれる。
ポリホスホン酸塩は優れた耐火性を示すことで知られており、直鎖ポリホスホン酸塩は(例えば米国特許第2,682,522号公報参照)金属触媒(例えばナトリウムフェノラート)を用いてホスホン酸ジアリールエステルとビスフェノールとを高温で融解濃縮することによって生成されることが知られている。このアプローチでは、乏しい強靭性を示す低分子量ポリホスホン酸塩を形成した。
このため、強靭性を改善するために、エステル交換工程による分岐ポリホスホン酸を形成する合成アプローチが開発された(例えば米国特許第4.331,614号公報参照)。このアプローチでは、ホスホン酸ジアリールエステル、ビスフェノール、分岐試薬(トリあるいはテトラフェノール、またはホスホン酸エステル)、および関連触媒(例えばナトリウムフェノラート)のエステル交換反応が関与し、融解中、通常オートクレーブ中で実施した。様々な特許では、ポリホスホン酸塩において分岐試薬を利用することが検討されてきた(例えば米国特許第2,716,101号公報、第3,326,852号公報、第4,328,174号公報、第4,331,614号公報、第4,374,971号公報、第4,415,719号公報、第5,216,113号公報、第5,334,692号公報、および第4,374,971号公報など参照)。これらのアプローチは、分岐ポリホスホン酸塩を形成するが、その費用と特性は一般的に市場で受け入れられるものとして十分ではなかった。例えば分岐ポリホスホン酸塩において(例えば米国特許第4,331,614号公報参照)、1モルあたり200,000gもの数平均分子量は、2.5以下の高分子分散度を有し1モルあたり11,000gであることを最低限の要件として要求されている。このため、これらのポリホスホン酸塩は高い溶解粘度を示した。このアプローチは、改善された強靭性を示す高分子量のポリホスホン酸塩を形成することにおいては成功したが、加工性は犠牲になった。この工程の他の不都合な点は、高純度モノマー、好ましくは99.7%以上を必要とし、これはこの工程を費用がかかるものにする。直鎖および分岐の両方のポリホスホン酸塩の他の欠点は、加水分解安定性に欠けていること、かなり濁っていること、およびビスフェノールAのような安価な高容量ビスフェノールの場合にTによって測定される熱安定性が限られており十分でないことであった。
要約すると、エステル交換工程によって生成された直鎖ポリホスホン酸塩は、優れた難燃性と良いメルトフロー(例えば優れた加工性など)を示したが、低分子量のため脆かった。エステル交換工程によって生成された分枝ポリホスホン酸塩は、優れた難燃性と強い強靭性を示したが、高分子量であり多分散性が低いため、容易に融解加工できるものではなかった。ビスフェノールAのような安価な高容量ビスフェノールから作られるポリホスホン酸塩に対しては、ポリホスホン酸塩は、熱安定性と加水分解安定性が乏しかった。
第4級ホスホニウム触媒と水溶性フェノールに基づく第4級ホスホニウム触媒の混合物は、ポリカーボネートの合成に使用されてきたと報告されていた(例えば米国特許第3,442,854号公報、および第6,291,630B1号公報参照)。しかしながら、これらの触媒は、ポリホスホン酸塩の合成に適用されておらず、これらの物質に対する既知または適した他のどの触媒よりより良く作用することは明らかではない。
望ましい難燃性特性を考慮すると、強靭で、融解加工が容易で、改善された熱と加水分解安定性を示す、分枝ポリホスホン酸塩の必要性がある。このような特性の組み合わせは、過去の合成アプローチや組成物による費用効率の良い方法では達成されてこなかった。本発明の実施形態は、ビスフェノールAのような安価な高容量ビスフェノールと低コストで容易に入手可能な他の試薬とから、分枝ポリホスホン酸塩を製造する組成物および工程を対象にしている。本発明のポリホスホン酸塩は、融解加工が容易であり、強靭かつ透明で、改善された熱安定性を有しており、さらに増強された加水分解安定性を有するように製造され得る。
本発明の実施形態は、容易に成型できるポリホスホン酸塩の製造方法であり、容器中除去可能な重合触媒、好ましくはホスホニウム触媒を、ポリホスホン酸塩を形成する比の量でホスホン酸ジアリールエステルとビスフェノールと共に加熱する工程を含む。加熱は、この反応と加熱によって発生した芳香族水酸化物を取り除くために、前記容器中、減圧下で実施される。前記ホスホン酸ジアリールエステルおよびビスフェノールの量は、ポリホスホン酸塩を形成するための化学量論的な比であっても非化学量論的な比であってもよい。少なくとも前記重合触媒の一部は、加熱と減圧により容器から除去されるが、蒸発、昇華、または熱分解される触媒を含んでもよいがこれに限らない。前記ホスホン酸ジアリールエステル、および例えばビスフェノールAまたはビスフェノールAと他のビスフェノールの混合物(この混合物中のビスフェノールAの量は100%未満からおよそ0.5%未満の範囲である)のような芳香族水酸化物は、前記触媒の存在下で加熱されると、好ましくは少なくとも100℃のTと、3.2もしくはそれ以上、好ましくはおよそ2.5もしくはそれ以上、より好ましくは2.3もしくはそれ以上の多分散性と、少なくとも1モルあたり10,000gのMと、塩化メチレン中0.5パーセント溶液で測定した場合1.1より大きい相対粘度とを1もしくはそれ以上、好ましくはそれらの組み合わせを有する、容易に成形可能で透明なポリホスホン酸塩を形成する。多分散性とMは、本発明の高分子の優れた加工性と強靭性に関連する因子である。前記ホスホン酸ジアリールエステル、ビスフェノール、および重合触媒は一緒に加えてもよいし、もしくはエステル交換反応の結果の任意の順番で加えられてもよい。
分岐試薬は、重合反応において使用されてもよく、さらにビスフェノールと共に前記重合触媒の作用によって、および/またはトリあるいはテトラヒドロキシ芳香族化合物、またはトリアリールホスホン酸エステルを添加することによって発生される分岐試薬を含んでもよい。前記分岐ポリホスホン酸塩は、ジヒドロキシ、トリヒドロキシ、テトラヒドロキシ、およびこれら芳香族水酸化物の組み合わせを含む芳香族水酸化物と共に、ホスホン酸ジアリール、ホスホン酸トリアリール、およびこれらの組み合わせの触媒重合により製造されてもよい。重合触媒の一部は加熱の間に除去されてもよい。前記触媒は、加熱工程の間に、一部または全てが取り除かれ得る蒸気圧を有していることが好ましい。前記加熱は、発生した揮発性芳香族水酸化物が実質的に全ての反応容器から除去されたときに停止されても良い。
本発明の別の実施形態は、ポリホスホン酸塩の製造方法であり、加水分解的に安定な分岐ポリホスホン酸塩を形成するために、減圧下容器中でポリホスホン酸と除去可能な重合触媒を加熱する工程を含む。前記減圧は、揮発性触媒の一部はもちろん、前記加熱により発生した重縮合のモノマー残渣と副生成物を容器から除去するために使用される。前記除去可能な重合触媒と共に加熱されるポリホスホン酸塩は、塩化メチレン中0.5パーセント溶液で測定した場合、1.05より大きい相対粘度を有し、透明であって、または少なくとも90℃のTを有することが好ましい。
本発明の実施形態は、ポリホスホン酸塩を形成するために、容器中減圧下で除去可能なホスホニウム触媒と共に、ホスホン酸ジアリールエステル、ビスフェノールAモノマーまたはビスフェノールAと他のビスフェノールの混合物の一定量を加熱することによって製造された、少なくとも100℃のTを有することで特徴付けられる分岐ポリホスホン酸塩を含む組成物である。前記減圧は、例えば過剰な試薬、ホスホニウム触媒、および前記加熱によって発生する反応生成物のような揮発性物質の除去に役立つ。形成される前記ポリホスホン酸塩は、塩化メチレン中0.5パーセント溶液で測定した場合1.1より大きい相対粘度と、少なくとも1モルあたり10,000gのMとを有した、容易に成型可能な熱可塑性物質であり、透明に製造されることができ、3.2もしくはそれ以上、好ましくはおよそ2.5もしくはそれ以上、より好ましくは2.3もしくはそれ以上の多分散性を有するものである。前記ポリホスホン酸塩は、ホスホン酸ジアリール、リン酸トリアリールエステル、およびジヒドロキシ、トリヒドロキシ、テトラヒドロキシ、およびそれらの芳香族水酸化物の組み合わせを含む芳香族水酸化物の組み合わせの触媒重合によって製造されてもよい。前記ホスホン酸ジアリールエステル、ビスフェノール、他の試薬、および重合触媒は、一緒に添加しても良いし、またはエステル交換反応の結果の任意の順序で添加してもよい。好ましい実施形態において前記ポリホスホン酸塩は、少なくともメチル−ホスホン酸ジフェニルエステル、2,2−ビス(4−ジヒドロキシフェニル)プロパン、およびテトラフェニルホスホニウムフェノラート触媒の容器中での反応と、減圧下での加熱によって調整される。
本発明の別の実施形態は、加水分解的に安定な分枝ポリホスホン酸塩の組成物であり、100℃より大きいTを有することを特徴とし、加熱により発生した芳香族水酸化物を除去するために容器中減圧下で分枝ポリホスホン酸塩と除去可能な重合触媒の一定量を加熱することにより製造される。好ましい前記ポリホスホン酸塩は、ビスフェノールAまたはビスフェノールAと他のビスフェノール(この混合物中ビスフェノールAの量が100%未満〜0.5%未満の範囲である)、ホスホン酸ジアリールエステル、およびホスホニウム触媒から製造される。前記加水分解的に安定なポリホスホン酸塩は、以下の特徴、すなわち、透明、3.2もしくはそれ以上、好ましくはおよそ2.5もしくはそれ以上、より好ましくは2.3もしくはそれ以上の多分散性、1モルあたり15,000gより大きいM、容易に成型できる熱可塑性物質であること、および塩化メチレン中0.5パーセント溶液で測定した場合1.15より大きい相対粘度を有していること、の特徴を少なくとも1つ、好ましくは全ての特徴を有するように製造され得る。好ましい加水分解的に安定な分枝ポリホスホン酸塩は、100ml容積の塩化メチレン中に加水分解的に安定なポリホスホン酸塩0.5グラム未満が溶解するものである。前記加水分解的に安定なポリホスホン酸塩は、沸騰水中6時間加熱した場合、分解生成物の形成が5%未満であること、5%未満の透明性の低下、または強度損失が5%未満であることで特徴付けられる。前記ポリホスホン酸塩と重合触媒は、一緒に添加されても良いし、または加水分解的に安定なポリホスホン酸物質をもたらす順序に加えられてもよい。前記組成物は、沸騰水中6時間加熱した場合、分解生成物の形成が5%未満であること、および強靭性の損失がないことで特徴付けられてもよい。前記ポリホスホン酸塩の組成物は、少なくともテトラフェニルホスホニウムフェノラート触媒、メチルホスホン酸ジフェニルエステル、および2,2−ビス(4−ジヒドロキシフェニル)プロパンの反応によって製造されることが好ましい。
本発明の別の実施形態は、特定のホスホニウム触媒と、ビスフェノールに対して化学量論比または非化学量論比のホスホン酸ジアリールエステルとが、広範囲な分子量分布を有する分枝ポリホスホン酸塩を提供する工程であり、つまり言い換えると高分子の強靭性、加工特性、およびガラス転移温度(Tg)を制御する工程である。この工程は、強靭性と加工性の優れた組み合わせ、さらにこれまでに報告されたポリホスホン酸塩と比べると驚くほど高いTを有する分岐ポリホスホン酸塩を提供することができる。選択的に、第二の加熱工程は、加工性を維持しながら加水分解安定性と濁度(例えば改善された透明性)の改善を提供する工程において使用され得る。これらのポリホスホン酸塩を形成する前記方法は、ホスホン酸ジアリールエステル、ビスフェノール、およびテトラフェニルホスホニウム触媒を反応容器中、加熱によって発生したフェノールを除去するために減圧下で加熱する工程を含み、成型可能なポリホスホン酸塩を形成する。前記ホスホン酸ジアリールエステルは、ビスフェノールの化学量論当量または非当量で存在する。前記ポリホスホン酸塩が形成される容器は、1もしくはそれ以上のホスホン酸ジアリールエステル、ビスフェノール、および添加されるかもしくはその場で発生させる分枝試薬を含んでも良い。好ましくは前記ホスホン酸ジアリールエステルの反応基のモル数は、ビスフェノールの反応基のおよそ±20%以内である。前記方法において、前記テトラフェニルホスホニウム触媒は、テトラフェニルホスホニウムフェノラートを含み、前記分枝試薬は、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンを含み、前記ホスホン酸ジアリールエステルは、メチル−ホスホン酸ジフェニルエステルを含み、さらに前記ビスフェノールは、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンまたはビスフェノールA、および4,4’−ジヒドロキシビフェニル、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−5−メチルシクロヘキサン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、および4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィドのいずれか、またはそれらの組み合わせを含む。
本発明の別の実施形態は、分枝ポリホスホン酸塩の製造方法であり、加水分解的に安定な分枝ポリホスホン酸塩を形成するために、容器中、分枝ポリホスホン酸塩とテトラフェニルホスホニウム触媒とを減圧下で加熱する工程と、例えば前記触媒とポリホスホン酸塩を一緒に加熱することにより発生する芳香族水酸化物などの物質を除去する工程とを含む。加熱は、前記ポリホスホン酸塩から前記テトラフェニルホスホニウム触媒を除去するために使用されてもよい。
本発明の別の実施形態は、成型可能であって好ましくは透明なポリホスホン酸塩を形成するために、加熱によって発生した物質を除去するために減圧下で加熱された反応容器中、ホスホン酸ジアリールエステル、ビスフェノール、およびテトラフェニルホスホニウム触媒を加熱することによって形成する分枝ポリホスホン酸塩である。前記減圧は、フェノール、過剰な試薬、テトラフェニルホスホニウム触媒、またはそれらの組み合わせを前記反応容器から除去するために使用されても良い。前記容器中のホスホン酸ジアリールエステルは、ビスフェノールの量に対して化学量論当量であっても非化学量論当量であってもよい。前記容器は、ホスホン酸ジアリールエステル、リン酸トリアリールエステル、ビスフェノール、トリヒドロキシおよびテトラヒドロキシ芳香族化合物またはそれらの組み合わせをそれぞれ1もしくはそれ以上含んでもよい。調整される前記ポリホスホン酸塩は以下の特徴、すなわち、23℃にて塩化メチレン中0.5パーセント溶液で測定した場合に1.1より大きい相対粘度、3.2もしくはそれ以上、好ましくはおよそ2.5もしくはそれ以上、より好ましくは2.3もしくはそれ以上の多分散性、1モルあたり10,000gより大きいM、およびビスフェノールAもしくはビスフェノールAと他のビスフェノールの組み合わせによるビスフェノールとホスホニウム触媒からポリホスホン酸塩が製造される場合に示差走査熱量計によって測定される少なくとも100℃のT、の特徴を1もしくはそれ以上、好ましくは全て含む。
本発明の別の実施形態は、加水分解的に安定な分枝ポリホスホン酸塩を形成するために減圧下加熱され、例えばフェノール、オリゴマーのフェノールおよび触媒など加熱することによって発生する物質を除去する反応容器中のポリホスホン酸塩とテトラフェニルホスホニウム触媒とを含む。好ましくは形成される前記ポリホスホン酸塩は成型でき、より好ましくは前記加水分解的に安定なポリホスホン酸塩の0.5g未満が塩化メチレン100mlの中に溶解することで特徴付けられる。前記加水分解的に安定なポリホスホン酸塩は、ビスフェノールAもしくはビスフェノールAと他のビスフェノールの混合物(混合物中のビスフェノールAの量が100%未満からおよそ0.5%未満の範囲である)、およびテトラフェニルホスホニウム触媒から調整されたポリホスホン酸塩から製造される場合、以下の特徴の1もしくはそれ以上、好ましくはすべてを含む。前記加水分解的に安定なポリホスホン酸塩は、透明であり、少なくとも100℃のT(前記ポリホスホン酸塩がビスフェノールAもしくはビスフェノールAと他のビスフェノールから誘導される構造単位を含む場合)、3.2もしくはそれ以上、好ましくはおよそ2.5もしくはそれ以上、より好ましくは2.3もしくはそれ以上の多分散性、1モルあたり15,000gより大きいM、さらに1.15もしくはそれ以上のηrelを有している。好ましくは前記ポリホスホン酸塩の加水分解的安定性は、沸騰水中6時間加熱した場合、分解生成物の形成が5%未満であること、5%未満の透明性の低下、もしくは強度損失が5%未満であることで特徴付けられる。
本発明の別の実施形態は、少なくとも1つのポリホスホン酸塩と、少なくとも1つの他の高分子とを含む高分子組成物であり、好ましくは混和性の熱可塑性高分子である。前記ポリホスホン酸塩は、ポリホスホン酸塩を形成するために、反応容器中減圧下で、ホスホン酸ジアリールエステル、ビスフェノール、およびホスホニウム触媒を加熱し、前記加熱によって発生する物質を前記容器から除去することによって形成されても良い。前記ホスホン酸ジアリールエステルは、ビスフェノールに対して化学量論当量であっても非当量であってもよい。前記容器は、ホスホン酸ジアリールエステル、ビスフェノール、およびトリアリールエステル、トリおよびテトラヒドロキシ化合物をそれぞれ1もしくはそれ以上含んでいても良い。好ましくは、前記ポリホスホン酸塩は成型可能であり、以下の特徴、すなわち例えば透明であり、少なくとも100℃のTgを有しており(前記ポリホスホン酸塩が、ビスフェノールAもしくはビスフェノールAと他のビスフェノールAの混合物(混合物中ビスフェノールAの量が100%未満からおよそ5%未満の範囲である)とホスホニウム触媒からから調整される場合)、3.2もしくはそれ以上、好ましくはおよそ2.5もしくはそれ以上、より好ましくは2.3もしくはそれ以上の多分散性であり、1モルあたりおよそ10,000gもしくはそれ以上より大きいM、もしくは少なくとも1.1のηrelなどの特徴を1つもしくはそれ以上、好ましくは全て含ませることができる。
前記熱可塑性高分子は、ポリカーボネート、ポリアクリル酸塩、ポリアクリロニトリル、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリエポキシ、ポリ(アクリロニトリルブタジエンスチレン)、ポリイミド、ポリアリール酸塩、ポリ(アリーレンエーテル)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリ(ビニルエステル)、ポリ塩化ビニル、ビスマレイミドポリマー、ポリ無水物、液体結晶性高分子、ポリエーテル、ポリフェニレンオキシド、セルロースポリマー、加水分解的に安定なポリホスホン酸塩、もしくはそれらの組み合わせを含むがそれらに限らない。好ましい実施形態は、実質的にポリカーボネート、もしくはポリスチレンとポリフェニレンオキシド、もしくはポリカーボネートとポリ(アクリロニトリルブタジエンスチレン)である混和性の熱可塑性高分子を含む。前記組成物は、少なくとも27の限界酸素指数を示すのが好ましい。
本発明の別の実施形態は、少なくとも1つの加水分解的に安定なポリホスホン酸塩と、少なくとも1つの他の高分子、好ましくは混和性の熱可塑性高分子を含む高分子組成物である。前記加水分解的に安定なポリホスホン酸塩は、加水分解的に安定なポリホスホン酸塩を形成するために、減圧下で加熱され、前記加熱により発生する物質を除去する、反応容器中のポリホスホン酸塩とホスホニウム触媒から形成される。前記加水分解的に安定なポリホスホン酸塩は成型可能であり、好ましくは以下の特性、すなわち、透明、少なくとも100℃のT(加水分解的に安定なポリホスホン酸塩が、ビスフェノールA若しくはビスフェノールAと他のビスフェノールの混合物(混合物中のビスフェノールの量が100%未満〜およそ0.5%未満の範囲である)、およびホスホニウム触媒から調整されるポリホスホン酸塩から製造される場合)、3.2若しくはそれ以上、好ましくはおよそ2.5若しくはそれ以上、より好ましくは2.3若しくはそれ以上の多分散性、1モルあたりおよそ15,000gのM、若しくは少なくとも1.15のηrel、を含む特性の1若しくはそれ以上を有するように製造される。前記混和性熱可塑性高分子は、ポリカーボネート、ポリアクリル酸塩、ポリアクリロニトリル、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリエポキシ、ポリ(アクリロニトリルブタジエンスチレン)、ポリイミド、ポリアリール酸塩、ポリ(アリーレンエーテル)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリ(ビニルエステル)、ポリ塩化ビニル、ビスマレイミドポリマー、ポリ無水物、液体結晶性高分子、ポリエーテル、ポリフェニレンオキシド、セルロースポリマー、少なくとも100℃のTを有するポリホスホン酸塩、もしくはそれらの組み合わせを含むがそれらに限らない。好ましい実施形態は、実質的にポリカーボネート、もしくはポリスチレンとポリフェニレンオキシド、もしくはポリカーボネートとポリ(アクリロニトリルブタジエンスチレン)である混和性の熱可塑性高分子を含む。前記組成物は少なくとも27の限界酸素指数を示すのが好ましい。
本発明の別の実施形態は、分枝ポリホスホン酸塩、加水分解的に安定なポリホスホン酸塩から、またはこれらの分岐ポリホスホン酸塩を含む高分子組成物から製造される製造品を含む。本発明の前記分岐ポリホスホン酸塩と高分子組成物は、プラスチック、金属、セラミック、または木材製品の被覆剤として使用されてもよいし、または独立フィルム、繊維、発砲体、成型品、および繊維補強複合体を加工するために使用されてもよい。
本発明の別の実施形態は、ナトリウムフェノラート、ビスフェノールA、および低級アルキルホスホン酸ジアリールエステルによる類似の反応から形成されるポリホスホン酸塩と比較して、高い多分散性と高いTを有するポリホスホン酸塩を形成するために、ビスフェノールAと低級アルキルホスホン酸ジアリールエステルの反応を触媒するための触媒の使用方法である。本発明で使用される好ましい触媒は、同様または類似の触媒で調整したポリホスホン酸塩と加熱した場合、出発物質のポリホスホン酸塩の加水分解安定性の増加をさらにもたらすものであり、好ましくは0.5g未満の前記加水分解的に安定なポリホスホン酸塩が塩化メチレン100ml容積に溶解することで特徴付けられる加水分解的に安定なポリホスホン酸塩を形成するものである。
本発明は優れた強靭性と加工性の組み合わせを有したポリホスホン酸塩を有利に提供する。理論にとらわれずに、この特性の組み合わせは、3.2もしくはそれ以上、好ましくはおよそ2.5もしくはそれ以上、より好ましくは2.3もしくはそれ以上であり得る高分子の高い多分散性に一部起因しており、それは高低両方の分子量の分岐ポリホスホン酸塩の存在を示している。高分子量のポリホスホン酸塩は、より優れた高分子強靭性を提供し、低分子量のポリホスホン酸塩は、改善された高分子加工性を提供する。理論にとらわれずに、前記ポリホスホン酸塩の高い多分散性は、ビスフェノールの副反応を最小限に抑える触媒と、およそ±20%の化学量論または非化学量論の比でのビスフェノールAのようなビスフェノールおよびホスホン酸ジアリールエステルとの反応に一部起因している可能性がある。本発明の前記ポリホスホン酸塩が低濁度であるのは、ビスフェノールAのようなビスフェノールと触媒との副反応の減少と、長時間の蒸留によって低いレベルの副反応副生成物を除去することに起因している可能性がある。
およそ±20%の化学量論または非化学量論の比でのビスフェノールAとホスホン酸ジアリールエステルがこの触媒と共に重合される場合、得られる分岐ポリホスホン酸塩のガラス転移温度、すなわちTは、ナトリウムフェノラート触媒と共にビスフェノールAとホスホン酸ジアリールエステルから調整されるポリホスホン酸塩のTよりすくなくとも10℃高い。
およそ±20%の化学量論または非化学量論の比でのビスフェノールAのようなビスフェノールとホスホン酸ジアリールエステルとから形成されるポリホスホン酸塩の改善されたTと多分散性に加えて、本発明の触媒の更なる利点は、これらのポリホスホン酸塩の加水分解的な安定性をさらに増強するために使用されることである。前記触媒は、前記ポリホスホン酸のさらなる分岐と鎖の伸長を促進するために使用され、例外的な加水分解安定性を示し、塩化メチレンに溶解しないがまだ成形および加工可能である高い分子量の物質を形成する。理論にとらわれずに、前記ポリホスホン酸塩の融解における触媒の蒸発または分解による部分的な損失は、最終ポリホスホン酸塩における触媒量を減少し、それによりその加水分解安定性を改善する。
一方、ホスホニウム触媒と、非化学量論または化学量論比でのホスホン酸ジアリールエステルとビスフェノールAのようなビスフェノールとの反応は、3.2もしくはそれ以上、好ましくはおよそ2.5もしくはそれ以上、さらに好ましくは2.3もしくはそれ以上の多分散性と、10,000もしくはそれ以上のMと、ナトリウムフェノラート触媒で重合された同じモノマーより少なくとも10℃高いTとを有するポリホスホン酸塩を形成することができるが、本発明は、特定の触媒、ビスフェノール、またはホスホン酸ジアリールエステルのいずれも限定されない。例えば、ビスフェノールAは、他のビスフェノールAと組み合わされてもよく、前記混合物中のビスフェノールAの量は、100%未満からおよそ0.5%未満の範囲であってよく、ホスホン酸ジアリールエステルと触媒とを混合させ、ポリホスホン酸塩を提供する。
本発明の前記方法は、純度のより低い(例えばより安価な)モノマーと、例えばビスフェノールAのようなより安価なヒドロキシフェノールの使用を有利に可能にする。これは、単独でまたは他の工業物質と共にこのようなポリホスホン酸塩から様々な製品と建築物を製造することを経済的に実行可能で費用効率のよいものにし、これはこのようなポリホスホン酸塩の独特な難燃性の特性をうまく利用したものである。
本発明物質の組成物の改善された加水分解安定性は、成型操作中、もしくは例えば自動車、海、または航空機など高温で吸湿性の環境で使用されるこのようなポリホスホン酸から製造される製品の場合に利点がある。工業規模で成功する成型樹脂を形成するために、高分子は物理的特性において著しい分解がなく、容易に成型することができるべきである。
光学的用途または製品が透明でなければならない用途において、透明度は重要である。本発明のポリホスホン酸塩は、高い耐衝撃性と光学的透明度を示すように調整することができ、それらの透明性の結果として、レンズ、シールド、窓などに使用されることができる。
有利なことに、本発明の前記ポリホスホン酸塩は、高いガラス転移温度を有しており、加熱した場合の軟化に対してより耐性があり、このような条件下でより良い強靭性を提供する。特定の成型操作において、高い融解強度を有する分枝ポリホスホン酸塩の使用は望ましい。例えば、ポリホスホン酸塩から生成されるボトルのブロー成型、およびシートの押し出しは、高い融解強度を有したポリホスホン酸塩を必要とする。さらに分枝ポリホスホン酸塩の樹脂は、固形シート、多層シート、波状シートの形状の生成物またはその他の構造物質のための押し出し工程において使用され得る。
本組成物と方法を記載する前に、この発明は記載された特定の分子、組成物、方法論、または手順に限らず、それらは変化し得ることが理解される。説明中で使用される専門用語は、特定の見解または実施形態の記載を目的としているだけであり、さらに添付された請求項によって限定される本発明の範囲を限定することを意図するものではないことが理解される。
本明細書および添付の請求項で使用される単数形は、文脈が明らかに他のことを示していない限り、複数の引例も含むことを意味しなければならない。もし他に定義されていない場合、本明細書で用いられる全ての技術的および科学的用語は、本分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有している。本明細書で記載されたものと類似または同等の方法と物質はいずれも、本発明の実施形態の実践または試験に使用されることができるが、好ましい方法、装置、および物質がこれから記載される。本明細書で述べられるすべての公開文献は、この参照により組み込まれる。本明細書はいずれも、本発明が先行発明の効力によるそのような開示を予期する権利がないことの承認として解釈されるものではない。
本発明は、3.2もしくはそれ以上、好ましくはおよそ2.5もしくはそれ以上、さらにより好ましくは2.3もしくはそれ以上の多分散性と、1モルあたり10,000gより大きいMと、少なくとも10℃高いT(ビスフェノールAまたは他のビスフェノールAとの組み合わせにおける他のビスフェノールA、およびメチルホスホン酸ジアリールエステルによって製造されるポリホスホン酸塩に基づく場合)と、ビスフェノールAおよびナトリウムフェノラート触媒を用いて調整される類似のポリホスホン酸塩と比較して低い濁度とによって、改善された加工性と強靭性を含む特性の有利な組み合わせを有している難燃性の分枝ポリホスホン酸塩を調整するための組成物と方法に関連する。本発明の前記ポリホスホン酸塩は、重合触媒の存在下、ホスホン酸ジアリールエステル、ビスフェノール(ビスフェノールAまたは他のビスフェノールとの組み合わせにおけるビスフェノールA)、選択的に加えられる分枝試薬によって製造される。このような方法で調整される前記加水分解的に安定なポリホスホン酸塩は、重合触媒、好ましくはホスホニウム触媒を添加して加熱する更なる反応により調整されてもよい。
本明細書で使用される「難燃剤」、「難燃性」、「耐火性」、または「耐炎性」という用語は、高分子が少なくとも27の限界酸素指数(LOI)を示すことを意味する。
融解重合の前記反応条件は特に限られておらず、幅広い操作条件で実施されてもよい。従って、「融解重合条件」という用語は、重合触媒、好ましくはホスホニウム触媒による、ホスホン酸ジアリールエステルとジヒドロキシ芳香族化合物との間の反応に影響を及ぼすのに必要な条件を意味する。前記ホスホン酸ジアリールエステルと、選択的にホスホン酸トリアリールエステルは、水蒸気と酸素のない雰囲気下であって減圧および/または窒素またはアルゴンなどの不活性ガスの噴霧を含むがそれに限らない雰囲気下、トリヒドロキシまたはテトラヒドロキシ化合物と混合される芳香族ジヒドロキシ化合物と反応させる。前記反応容器の温度は、およそ100℃〜350℃の範囲であってもよく、より好ましくは200℃〜310℃の範囲である。
前記反応は減圧下で融解中、高温で実施するのが好ましい。前記反応温度と圧力は、反応過程の間、段階的に調節させることができる。前記温度は反応中、制限のない範囲内で変化させても良い。一方、例えばフェノールのような揮発性の芳香族水酸化物は、高温で、好ましくは不活性ガスをパージすることを含んでも良い減圧下で、蒸発除去され、前記反応は、発生する反応生成物の減少または停止によって示される必要な縮合の達成度まで継続される。前記反応容器の圧力は、揮発性の反応生成物、過剰な試薬、および重合触媒、好ましくは除去可能なホスホニウム触媒を容器から除去するのに役立つように選択される。制限なく前記圧力は、この効果を達成するために選択されてもよく、大気圧以上でも大気圧以下の範囲であってもよい。好ましくは前記反応工程の間のいずれの時でも、前記容器圧力は、およそ760mmHgからおよそ0.3mmHgまたはそれ以下の範囲の圧力を含む。前記反応時間は温度、濃度、容器からの反応物質の除去、および/または更なる加熱と触媒の添加などを含む多くの因子によって決まるがこれらに限定されない。一般的に、ある量の過剰な試薬と揮発性反応生成物が反応容器から除去され、出入りの多い(intended)使用するために望ましい透明度、T、M、相対粘度、および多分散性を有するポリホスホン酸塩、または加水分解的に安定なポリホスホン酸塩を提供する場合に、前記反応は完結される。好ましくは前記試薬は、およそ15時間未満の間加熱される。
前記融解重合は、当業者に知られているように他の重合触媒と共に1若しくはそれ以上の段階で達成されてもよい。前記重合触媒と任意の共触媒は、同じ段階または異なる段階で共に添加されても良い。前記重合触媒は、1若しくはそれ以上の工程段階が組み合わされて1つの工程段階を形成する場合、連続的または半連続的方法で前記容器に添加されても良い。本発明のポリホスホン酸塩を形成するための前記融解重合は、1バッチまたは連続的な流れ工程であってもよい。
一実施形態において、前記工程は、2段階工程で実施される。第一段階において、重合触媒、好ましくはホスホニウム触媒と、ジヒドロキシ芳香族化合物、好ましくはビスフェノールAまたはビスフェノールAと他のビスフェノールの混合物と、1若しくはそれ以上のジアリールホスホン酸塩とは、減圧下で容器中一緒に加熱される。前記第一段階は、ポリホスホン酸塩を形成するに十分な温度で実施され、蒸留または昇華によって例えば芳香族水酸化物、溶媒、過剰な試薬、重合触媒またはそれらの組み合わせなど揮発性反応生成物を除去する。揮発性物質を選択的に除去し、モノマーの除去を防ぐために、冷却器(コンデンサ)の使用は有益である。前記第一段階で形成されるポリホスホン酸塩は冷却され、さらに第二段階で減圧下加熱、または重合触媒、好ましくは揮発性ホスホニウム触媒の1もしくはそれ以上の添加物が存在する下で、減圧下で加熱されてもよい。好ましい場合、前記触媒は、1バッチ、半バッチ、またはほとんど継続的な方法で容器に加えられてもよい。前記触媒は、第一段階で全量加えられてもよく、または全量が必要な範囲内になるように、第一、第二、およびその後の段階においてバッチ中に加えられてもよい。加熱は、揮発性反応副生成物を除去するために継続され、触媒の一部好ましくは全てを融解物から除去し、加水分解的に安定な物質を形成する。好ましくは形成される加水分解的に安定な物質の0.5グラム未満が、室温またはおよそ23℃で100ミリリットルの塩化メチレンに溶解される。
重縮合工程の第一、第二、または任意のその後の段階において、反応開始と比べると反応系が減圧されている間、反応温度は上昇することが好ましく、それにより重合触媒、存在すれば芳香族水酸化物、ホスホン酸ジアリールエステル、およびホスホン酸トリアリールエステルと容器中で形成される任意のポリオリゴマーホスホン酸塩との間の反応をもたらす。融解重合が異なる温度で実施される場合、重合触媒は加熱中いつでも加えられてもよく、しかしながら重合触媒は加熱サイクルにおける低い温度の時に容器に加えられることが好ましい。高い蒸気圧を有する重合触媒は、反応物質との接触時間を最大にするために、低温および/または高い容器圧力で融解物質に添加することができる。前記触媒は、前記温度がおよそ200℃より高くなる前に反応容器に加えられることが好ましい。
前記反応は、一バッチ、半バッチ、または連続的な工程として実施され得る。本発明で用いられる反応装置の物質と構造は、反応装置が、撹拌、加熱、減圧する通常の能力、および試薬、溶媒、除去可能な触媒、または反応副生成物を添加および除去するためのポートを有している限り特に限定されない。前記反応装置は、例えば、温度調節冷却器もしくは冷却棒(cold finger)などを備えていることが好ましく、これは芳香族水酸化物、またはこれに限定されないが、化学式(XI)の化合物、すなわち、
Figure 0004936121
式中、(R10は個別に水素、低級アルキル、またはイソプロペンチルであり、vは1〜5の整数である化合物、のようなフェノール誘導体化合物の副生成物を選択的に除去するためのものである。これらの化合物は、重合反応過程の間に副生成物として発生し、これらの化合物のうち幾つかはオリゴマーの形態で存在してもよい。前記反応装置は、反応の後段階で反応系の粘度が高くなった時に、比較的高い粘度状態で撹拌する能力があることが好ましい。
正確な化学量論比とは異なる化学量論的に過剰または不均衡(例えばジ、トリ、テトラ芳香族フェノールの反応基に対するホスホン酸の反応基のモル比など)であってもよい。好ましくは、ポリホスホン酸塩を形成するために使用されるアリールホスホン酸塩の反応基の当量数に対する、ポリホスホン酸塩を形成するために使用される芳香族水酸化物(ジ、トリ、テトラ芳香族または組み合わせ)の反応性水酸基の当量数またはモル数は、およそ±20%以内であり、およそ±15%以内であってもよく、お互いにおよそ±10%以内であってもよく、およそ±5%以内またはそれ以下であってもよい。当業者であれば、化学量論もしくは非化学量論比のこれらの試薬と共に、1.1より大きい相対粘度、3.2またはそれ以上、好ましくはおよそ2.5もしくはそれ以上、より好ましくは2.3もしくはそれ以上の多分散性、1モルあたりおよそ10,000gより大きいM、光学透明度、少なくとも100℃のガラス転移温度を有すること(ポリホスホン酸塩がビスフェノールまたはビスフェノールAと他のフェノールの混合物、およびホスホニウム触媒から製造される場合)の少なくとも1つもしくはすべてを有することで特徴付けられる本発明のポリホスホン酸塩を製造することができるであろう。例えば、メチルジフェノキシホスフィンオキシドの反応基の当量数に対するビスフェノールAの反応性水酸基の化学量論的な当量数またはモル数が、およそ±20%以内で過剰または不足することは、本発明の実施形態の実践において使用されてもよい。この化学量論的な不均衡は、前記ホスホン酸ジアリールエステルあるいは前記ビスフェノールどちらかのおよそ±15モル%過剰の範囲内であってもよい。この化学量論的に不均衡な比は、前記ホスホン酸ジアリールエステルあるいは前記ビスフェノールどちらかのおよそ10モル%以内であってもよい。そのように、かなりモル濃度が過剰なモノマーが望ましい特性の組み合わせを持ったポリホスホン酸塩を導くことは驚くべきことである。
使用されるアリールホスホン酸エステルに対する芳香族水酸化物の量は、ポリホスホン酸塩の特性に影響を与えるために使用されてもよい。説明するように、過剰のビスフェノールを用いた実施例5の最初の2つのサンプルであるメチルジフェノキシホスフィンオキシド、および2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)から調整される分枝ポリホスホン酸塩は、少なくとも105℃のTを示す。これらの実施例は、およそ3より大きい高分子分散性と共に、1モルあたりおよそ12,000〜およそ14,000gの範囲である平均分子量(M)を示す。比較して、米国特許第4,331,614号公報で開示されているような、触媒としてナトリウムフェノラートを用いて同じもモノマーから調整される分枝ポリホスホン酸塩は、わずか90℃のT(本開示の比較実施例3において90.6℃)、1モルあたり21,400gのM、および2未満の多分散性を示す。
本発明の方法と組成物は、3.2もしくはそれ以上、好ましくは2.5もしくはそれ以上、より好ましくは2.3もしくはそれ以上の多分散性を有する広範囲な分子量分布、およそ10,000より大きいM、少なくとも100℃のT(ポリホスホン酸塩がビスフェノールAもしくはビスフェノールAと他のビスフェノールの混合物、およびホスホニウム触媒から調整される場合)、少なくとも1.1の相対粘度、透明性、および選択的に加水分解安定性の少なくとも1つ、好ましくは全てを示すことによって特徴付けられてもよいポリホスホン酸塩を形成する。一方、好ましくは分枝ポリホスホン酸として記載されているが、本発明の方法と組成物は、この記載によって限定されず、ポリホスホン酸は、直鎖、環状、または部分的にオリゴマーが交差結合されたホスホン酸塩を有していてもよく、前記特性である3.2もしくはそれ以上、好ましくは2.5もしくはそれ以上、およびより好ましくは2.3もしくはそれ以上の多分散性を有する広範囲な分子量分布、およそ10,000より大きいM、少なくとも100℃のT(加水分解的に安定なポリホスホン酸塩またはポリホスホン酸塩がビスフェノールAもしくはビスフェノールAと他のビスフェノールA、およびホスホニウム触媒によって調整される場合)、少なくとも1.1の相対粘度、透明性、および加水分解安定性は形成される。広範囲な分子量分布と相対的に高いMのために、本発明の前記分枝ポリホスホン酸塩は、低い多分散性をもたらすほかの合成方法によっては実現されることのない高いTと、強靭性と、加工性との優れた組み合わせを示す。ホスホニウム触媒を併用していずれかのモノマーを過剰モル濃度使用することがそのような結果を生み出すことは予期されていないことであった。
ポリホスホニウム塩または加水分解的に安定なポリホスホニウム塩を形成するための重縮合反応の完了時に、形成される前記ポリホスホン酸塩融解物は、高分子を顆粒、または例えばフィルム、繊維、シート、または剛毛などのような成型構造に直接的に加工するための既知の方法によって変換される。従って得られるポリホスホン酸塩は、前記融解物中で、例えば押し出し機、注入成型機械などの標準的な加工機械において、荷重下で極端な耐炎性と高い熱安定性によって特徴付けられる生成物に加工される。本発明によるポリホスホン酸塩の他の有益な特性は、例えば極端な強靭性とそれらの伸張強度のようなそれらの極端な機械特性である。
製造品は、本発明の熱可塑性ポリホスホン酸塩から作られる。そのような製品は、高温、高い湿度環境、またはリスクを減らすことが必要であったり、延焼が重要である環境において有利である。本発明の前記分枝ポリホスホン酸塩、複合体、または他の熱可塑剤との混合物は、例えば繊維、フィルム、被覆剤、成型品、発砲体、繊維質を強化した物品、または本発明のポリホスホン酸塩のそれらの組み合わせなどを含む様々な物質に形作られるがそれらに限られない。これらの物質は、例えばテント、および野外の携帯型構造物、制服、受像管の代わりをする家庭用品、トースター、アイロン、若しくは自動車、航空機、または海上車両に使用される成分などの製品に成型されてもよいがこれらに限られない。
ポリホスホン酸塩の特徴は、特定の最終的用途の物質的または物理的な必要に対応するように変化されてもよい。例えば、比較的少量のポリホスホン酸塩が使用されるが、加水分解的に安定であり耐炎性であることが非常に望ましい船外モーターのためのハウジング(housing)などの用途において、重合触媒、好ましくはホスホニウム触媒を添加し、長い加熱時間を伴った第二の加熱段階を用いた本発明の方法によってポリホスホン酸塩組成物を製造することが好ましいであろう。この処理によって形成される前記ポリホスホン酸塩は、加水分解的に安定であり、好ましくは0.5%の塩化メチレン溶液に不溶であり、さらに好ましくは部分的または全ての触媒がこの処置によりポリホスホン酸塩から除去される。比較的低いメルトフローインデックス(すなわち高粘度)を有する前記加水分解的に安定なポリホスホン酸塩は、押し出し操作によってハウジングに形成され得る。入り組んだ形のものに対しては、成型のために十分な加水分解安定性であることは必要とされる全てであってもよく、低粘性物質が複雑な形と小さい開口部を有した成型空洞を完全に満たすことを容易に可能にするために、触媒と共に短い第二段階の加熱工程を伴ったポリホスホン酸塩は、高いメルトフローインデックス(すなわち低粘度)を生じることがよりよいかもしれない。
本発明の工程によって得られた熱可塑性芳香族ポリホスホン酸塩は、220℃〜350℃で試験検体に押し出されてもよい。本発明の様々なポリホスホン酸塩の検体の機械特性は、ASTMD256に従った衝撃力の測定と、ASTMD256に従った切り欠き衝撃力の測定との両方によって、衝撃試験され得る。試験刻板の硬度は、DIN53456に従ったボールの押し込み硬度HKによって測定されてもよい。機械弾性特性は、例えばDIN53457に従った屈曲におけるE係数を測定すること、DIN53457に従った張力におけるE係数を測定することなどによるひずみ変形(strain‐deformation)試験によって試験されてもよい。荷重下の熱安定性は、DIN53460またはISO/R75に従ったビカー(Vicat)軟化点(VSP)を測定することにより試験されてもよい。切り取り切片(coupons)の透明性は、UV−VIS吸収分光法を用いて、または目視検査によって比較されてもよい。
本発明の合成方法を経て生成される分枝ポリホスホン酸塩は、炎から取り除かれた場合直ぐに燃焼を停止するという点で自己消火性である。これらの分枝ポリホスホン酸塩を炎の中で融解することにより生成される滴はいずれも、瞬時に燃焼が停止し、どのような周囲物質にも火を広げない。さらに、これらの分枝ポリホスホン酸塩は、炎が使用される場合、目に見える煙を少しも上げない。物質のLOIは、一旦発火すると燃焼する能力を示す。LOIのための試験は、American Society for Test Method(ASTM)によって説明される手順に従って行われる。ASTMD2863の試験は、燃焼または「燃焼しやすい」物質の能力について定量的情報を提供する。重合体物質が少なくとも27のLOIを有しているならば、一般的に非常に高い熱の使用下においてのみ燃焼する。耐火性は、ASTMD2863−70に従って酸素指数を測定すること、およびUL試験(Subject94)に従って燃焼後の時間を測定することの両方によって試験されてもよい。
この試験において試験される物質は、10個の試験検体を用いて得られる結果に基づいて、UL−94 V−O、UL−94 V−I、およびUL−94 V−IIの分類が与えられる。簡潔には、これら各UL−94−V分類の基準は、以下の通りである。
UL−94 V−Oにおいて、点火の炎を除去した後の平均燃焼および/または燃焼時間は5秒を越えてはならなく、前記試験検体のいずれも脱脂綿を点火する滴を放出してはならない。
UL−94 V−Iにおいて、点火の炎を除去した後の平均燃焼および/または燃焼時間は25秒を超えてはならなく、前記試験検体のいずれも脱脂綿を点火する滴を放出してはならない。
UL−94 V−IIにおいて、点火の炎を除去した後の平均燃焼および/または燃焼時間は25秒を超えてはならなく、前記試験検体は脱脂綿を点火する燃焼小片を放出する。
ビスフェノールAを用いる場合、分枝試薬は必要とされない。理論に制約されるという希望なしに、ビスフェノールAの一部は、続いて分岐試薬として機能する(例えばin−situ(原位置で)で分岐試薬を形成する)複数の水酸基を含む化合物とオリゴマーを生成する1もしくはそれ以上の反応を受けることができると信じられている。ビスフェノールAと他の類似ビスフェノールは、これらの反応を受けて共重合条件下、in situで分枝種を形成するため、開裂可能なビスフェノール(splitable bisphenol)と称される。
過剰のホスホン酸ジアリールエステルを使用する実施例において、メチルジフェノキシホスフィンオキシドとビスフェノールAから調整されるポリホスホン酸塩は、少なくとも100℃のTを示す。これらの実施例において調整されるポリホスホン酸塩は、ほとんど無色であり、低い濁度提示を有しており、およびおよそ3より大きい高分子分散度と共に1モルあたり12,000〜35,000gの範囲のMを有している。
本発明において用いられた重合触媒は、ホスホン酸ジアリールエステルおよび/またはリン酸トリアリールエステル、および例えばこれに限らないがビスフェノールAまたはビスフェノールAと他のビスフェノールの組み合わせのような芳香族水酸化物との間の縮合重合反応を促進する。前記重合触媒は、触媒の混合物を含んでもよく、それらによって作られたポリホスホン酸塩が、ビスフェノールAもしくはビスフェノールAと他のビスフェノールAと重合触媒から調整される加水分解的に安定なポリホスホン酸塩またはポリホスホン酸である場合、3.2もしくはそれ以上、好ましくはおよそ2.5もしくはそれ以上、およびより好ましくは2.3もしくはそれ以上の多分散性、およそ10,000より大きいM、少なくとも100℃のTと共に、広範囲な分子量分布を有するように任意に選択された共触媒を含んでもよい。これらの重合触媒はNaOHより低いアルカリ性であり、好ましくはアルカリ族、アルカリ土類、または他の金属カチオンを含んでいない。前記触媒は、好ましくは重縮合反応の間の加熱によって除去可能である。触媒の一部または全てが前記反応融解物から除去されることは、加熱サイクル、時間、容器圧力、および触媒の蒸気圧によって制御されるであろう。前記融解物からの触媒は、蒸発、昇華、または熱分解によって除去され得る。本発明の工程において有用な重合触媒は、化学式(XII)によって説明され、
Figure 0004936121
式中、(XV)は窒素、リン、または砒素原子であってもよく、好ましくはリンである。前記対イオン「A」はフェノラート、アセテート、ボロハイドライド、ハロゲン、水酸化、プロピオン酸塩、ギ酸塩、ブチル酸塩のアニオンであってもよいがこれらに限らず、Ra〜dは個別にフェニル、三級ブチル、メチル、エチル、プロピル、ブチル、または触媒が重合触媒として働き本発明のポリホスホン酸塩を形成するように提供される他の基であってもよく、好ましくはビスフェノールAモノマーを含むものである。前記アニオンはフェノラートもしくはアセテートであるのが好ましい。前記重合触媒は、その触媒作用と蒸気圧に基づいて選択されてもよい。前記反応融解物からできるだけ多くの触媒が除去されることが望ましい場合、低い蒸気圧を有する触媒が選択され得る。
構造(XII)を有する前記触媒は、前記ポリホスホン酸塩のために使用されるジヒドロキシ芳香族の1モルに対して、およそ0.00004モル〜およそ0.0012モルに相当する量が使用される。前記触媒の量は、反応速度と分子量を制御するために使用されてもよい。前記重合触媒は、本発明の方法に従って様々な形態で添加されてもよい。前記触媒は、例えば粉末などの固体として添加されてもよく、溶媒中または融解物として溶解されてもよい。ポリホスホン酸塩の分子量の増加が望ましい触媒量である場合、低蒸気圧の触媒、または低圧力の容器は、分子量を増加させるために使用されてもよい。本発明の工程によって作られるポリホスホン酸塩の分子量は、1モルあたりおよそ10,000〜およそ35,000gの範囲であり得る。
本発明の様々な実施形態において、ホスホニウム重合触媒が好ましい。さらに好ましくは、前記ホスホニウム触媒は、テトラフェニルホスホニウム触媒もしくはその誘導体と関連アニオンである。好ましいアニオンの実施例は、テトラアリールボロハイドライド、ハロゲン化物、および置換または無置換フェノラート基(たとえばFisher Scientific、Pittsburgh,PA、Fisher Scientific、およびSigma−Aldrichなどから市販されている)を含む。ここでの使用のための最も好ましい触媒は、テトラフェニルホスホニウムフェノラートである。使用されるホスホニウム触媒のモル量は(ビスフェノールのモル量と関連して)、ビスフェノール1モルに対しておよそ0.00004モル〜およそ0.0012モル量である。
本発明のポリホスホン酸塩を作るために使用されるホスホン酸ジアリールエステルもしくはそれらの混合物は、化学式(XIII)を含み、
Figure 0004936121
式中、各(Rと各(R10は個別に、水素、C〜Cの低級アルキルであり、Uとvは個別にu=1〜5、およびv=1〜5の整数であり、RはC〜Cの低級アルキルであり得る。好ましい実施形態において前記ホスホン酸ジアリールエステルは、Rがメチルラジカルであるメチル−ホスホン酸ジフェニルエステルもしくはメチルジフェノキシホスフィンオキシドを含む。
リン酸トリアリールエステルは重合反応において使用されてもよく、以下の式(XIV)に相当し、
Figure 0004936121
式中、各(R、(R、および(Rは個別に、水素、C〜Cの低級アルキルであり、p、q、およびrは個別に1〜5の範囲の整数である。好ましいリン酸トリアリールエステルはリン酸トリフェニルエステルである。
様々な芳香族ジヒドロキシ化合物は、単独または本発明における別のものと組み合わせて使用されてもよく、より加水分解的に安定であり、同じ芳香族ジヒドロキシ化合物で作られるポリホスホン酸塩より高いTを有し、1つのビスフェノールがBPA、ホスホン酸ジアリールエステル、およびナトリウムフェノラート触媒である場合、およそ2.3以上の多分散性を有するポリホスホン酸塩を形成する。これらの芳香族ジヒドロキシ化合物は、構造式(XV)で表され、
Figure 0004936121
式中、各(Rおよび(Rは個別に、水素、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C〜C20のアルキル基、C〜C20のシクロアルキル基、またはC〜C20のアリールを含む基であり、mおよびnは個別に1〜4の整数であり、Qは非開裂ビスフェノールのためには結合、酸素原子、硫黄原子、SO基であってもよく、開裂ビスフェノールのためにQは以下の基であり、
Figure 0004936121
式中、RおよびRは個別に、水素原子、C〜Cの低級アルキル基、アリール、および置換アリールである。RおよびRは結合して、C〜C20のアルキル基、アリール基、またはそれらの組み合わせたものよって1もしくはそれ以上選択的に置換されているC〜C20の環状脂肪族環を形成していてもよい。
好ましくは本発明の前記方法と組成物で使用されるビスフェノールは、ビスフェノールAを含む。ビスフェノールAが、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン、4−4’−ジヒドロキシジフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、9,9−ジヒドロキシ−ジフェニルフルオレン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3-ジメチル−5−メチルシクロヘキサン(TMC)化学式(XVI)のような他のビスフェノールとの組み合わせである場合、ビスフェノールAの量は100%未満〜およそ0.5%未満の範囲であってもよい。これらのビスフェノールは、例えばSigma−Aldrich Co.、Milwaukee,WI、Biddle Sawyer Corp.、New York,NY、およびReichold Chemicals,Inc.、Research Triangle Park,NCで市販されているか、または文献の方法を用いて調整されてもよい。
Figure 0004936121
少なくとも100℃のTを有し、さらに加水分解的に安定なポリホスホン酸塩を形成するポリホスホン酸塩を調整するために、好ましいトリヒドロキシおよびテトラヒドロキシ化合物は、フロログルシノール、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−2−ヘプテン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプタン、1,3,5−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ベンゼン、1,1,1−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−エタン、トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−フェニルメタン、2,2、−ビス−[4,4−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキシル]−プロパン、2,4−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)イソプロピルフェノール、2,6−ビス−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(2,4−ジヒドロキシフェノール)−プロパン、テトラ−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、テトラ−[4−(4−ヒドロキシフェニルイソプロピル)フェノキシ]−メタン、および1,4−ビス−(4,4"−ジヒドロキシトリフェニルメチル)−ベンゼン、またはそれらの混合物を含んでもよいがそれらに限らない。
さらなる分岐試薬が使用されるポリホスホン酸塩の調整において、例えば、芳香族水酸化物がビスフェノールAのように開裂して、in situで水酸化化合物を形成できない場合、前記分岐試薬は、ヒドロキシルまたはリンエステルであり得る少なくとも2つ以上の官能基を含んでいる。実施例は、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、トリフェニルリン酸塩、イソプロペンチルフェノールオリゴマー、およびその他のものを含む。好ましい分岐試薬は、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン(DuPont、Wilmington,DEの製品であり、Electronic Polymers、Dallas,TXから市販されている)である。使用される前記分岐試薬のモル量は(ビスフェノール1モルに対して)、およそ0.0005モル〜およそ0.030モルであり、好ましくはビスフェノール1モルに対しておよそ0.0010モル〜およそ0.020モルの範囲である。
本発明のポリホスホン酸塩を作るための低級純粋モノマーの使用能力は、更なる精製工程の必要性を軽減するため、大きな有利性があり、費用削減に貢献する。本発明の以下の方法によって、2.3より大きい多分散性により改善された加工性と組み合わせて、際立った耐炎性、改善された熱安定性、改善された強靭性を有する分岐ポリホスホン酸塩が得られる。さらに、前記反応後の第二の加熱工程は、改善された加水分解安定性と非常に澄んだ濁度のないポリホスホン酸塩を与える。本明細書で使用される「改善された熱安定性」という用語は、本発明の分岐ポリホスホン酸塩のガラス転移温度が、以前に報告された他の分岐ポリホスホン酸塩と比べると増加していることを意味している。例えば、米国特許第4,331,164号公報(コラム10)、およびDie Angewandte Makromolekulare Chemie[(Vol.132,8(1985))に記載されたビスフェノールAに基づく分岐ポリホスホン酸塩は、90℃のTを有しているのに対して、ビスフェノールA、メチルジフェノキシ−ホスフィンオキシド、およびホスホニウム触媒を用いた本発明の分岐ポリホスホン酸塩は、少なくとも107℃のTを示す。両方のサンプルは類似の相対溶液粘度を有している。このようなTの顕著な増加は、高温でより良い保持特性であることを意味する。
加水分解安定性は、調整されたポリホスホン酸塩のサンプルを沸騰水中で数時間浸し、分解物の量を測定することで測定されてもよい。加水分解的に安定なポリホスホン酸塩は、ビスフェノールAまたはビスフェノールAとその他のビスフェノールの混合物とホスホニウム触媒とで調整されたポリホスホン酸塩から作られる。この加水分解的に安定なポリホスホン酸塩は、3.2もしくはそれ以上、好ましくはおよそ2.5もしくはそれ以上、より好ましくは2.3もしくはそれ以上の多分散性、1モルあたりおよそ15,000gより大きいM、または少なくとも1.15のηrelを有することができる。本発明の目的のために、加水分解的に安定な物質は強度および/または質量の変化において、20%未満、好ましくは5%未満の低下を示す。前記加水分解安定性は、ガス、または水で飽和したガスを含んだ水蒸気を用いる熱重量測定分析によって測定されてもよい。好ましくは5%未満の質量変化が観察される。前記加水分解安定性は、米国特許第4,594,404号公報で開示されているように、ポリホスホン酸塩の切り取り切片(coupons)で測定され、沸騰水中で様々な時間浸し、処置した切り取り切片の粘度を処置していないものと比較する。
本発明のポリホスホン酸塩は、混合物を形成するために混和性の熱可塑剤と共に混合してもよい。この高分子組成物は、商品または工学技術プラスチックであってもよい少なくとも1つの他の混和性高分子と共に、本発明の分岐ポリホスホン酸塩を少なくとも1つ含んでいてもよい。この高分子組成物は、混合(blending)、混和(mixing)、または構成高分子の複合を経て形成されてもよい。本発明のポリホスホン酸塩の構造と特徴のために、得られる高分子組成物は、異例な耐火性(例えば高いLOI)を示し、ポリカーボネートと混合した場合、異例な熱安定性(実施例4で説明したような最小T低下)、および加工特性(例えばポリカーボネートと混合した場合の融解粘度の低下)、および低い呈色を示す。本明細書で用いられる「高分子組成物」という用語は、少なくとも1つの本発明の分枝ポリホスホン酸塩と、少なくとも1つのほかの高分子とを含む。他の高分子の実施例は、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン(高衝撃力ポリスチレンを含む)、ポリウレタン、ポリエポキシ、ポリ(アクリロニトリルブタジエンスチレン)、ポリイミド、ポリアリレート、ポリ(アリレンエーテル)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリ(ビニルエステル)、ポリ塩化ビニル、ビスマレイミドポリマー、ポリ無水物、液体結晶ポリマー、セルロースポリマー、またはそれらのいずれかの組み合わせを含むがこれに限定されない(例えばGE Plastics,Pittsfield,MA、Rohm&Haas Co.,Philadelphia,PA、Bayer Corp.−Polymers、Akron,OH、Reichold、DuPont、Huntsman LLC,West Deptford,NJ、BASF Corp.,Mount Olive,NJ、Dow Chemical Co.,Midland,MI、GE Plastics、DuPont、Bayer、Dupont、ExxonMobil Chemical Corp.,Houston,TX、ExxonMobil.、Mobay Chemical Corp.,Kansas City,KS、Goodyear Chemical,Akron,OH、BASF Corp.、3M Corp.,St.Paul,MN、Solutia,Inc.,St.Louis,MO、DuPont、およびEastman Chemical Co.,Kingsport,TNなどからそれぞれ市販されている)。前記高分子組成物は、混合、混和、または構成混和性高分子の複合を経て形成されてもよい。前記本発明の分枝ポリホスホン酸塩は、得られる高分子組成物に対して予想以上に高い難燃性特性と著しくよい加工性を示し、表3に示したようにそれらの熱安定性、強靭性、および色調にごくわずかな影響を伴う。
本発明の分枝ポリホスホン酸塩または高分子組成物は、例えばガラス、金属、炭素に基づくもの、またはセラミック繊維、賦形剤、界面活性剤、有機結合剤、高分子結合剤、架橋材、カップリング剤、抗液だれ剤(anti−dripping agent)、着色剤、インク、色素、またはこれらのいずれかの組み合わせなどその他の成分を含んでもよいことが予期されるが、これに限定されない。
本発明の分岐ポリホスホン酸塩と高分子組成物は、プラスチック、金属、セラミック、または木材生産物の被覆剤として使用され得るか、または例えば独立フィルム、繊維、発泡体、成型品、および繊維強化複合体などのような織物製品に使用され得る。これらの製品は耐火性を必要とする用途に適切である可能性がある。
本発明の分岐ポリホスホン酸塩とそれらを含む組成物は、際立った耐火性と熱安定性(例えばT)とのより有益な組み合わせ、少なくともおよそ2.5、好ましくは少なくともおよそ2.3のポリホスホン酸塩の多分散性からの加工性を組み合わせた強靭性、他の分岐ポリホスホン酸塩と比較して加水分解安定性と低い濁度を示す。そのような改良点は、際立った難燃性、高温性能、および低濁度を必要とする自動車と電子工学分野の用途において、これらの物質を役立つものとする。これらの分岐ポリホスホン酸塩の合成法は、最先端技術の方法と比べて、純粋な出発物質を必要としないので、生産コストを低減させる。
本発明の様々な観点は以下の限定しない実施例を参照して説明される。
この実施例は、分岐ポリホスホン酸塩の合成、またはホスホニウム触媒、ジおよびトリヒドロキシ芳香族化合物、およびジアリールホスホン酸エステルを用いた本発明を説明している。形成されるポリホスホン酸塩は25℃で1.18の相対粘度を示した。この固体はDSCでおよそ104.5℃のTを示した。
Figure 0004936121
250mlの三つ口丸底フラスコに、機械攪拌機、中空ガラスシリンダーで充填した蒸留カラム(10cm)、濃縮機、および制御バルブを有する真空アダプターを装備し、このフラスコは、窒素で0.5時間流した。メチレンジフェノキシ−ホスフィンオキシド(38.66g)(この化合物の正確な量は実際には(37.07g、0.1493モル)であるが、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって95.9%純粋であると測定された)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)(33.28g、0.1458モル)、テトラフェニルホスホニウムフェノラート(0.012g、2.77×10−5モル、ビスフェノール1モルに対して0.00019モル)、および1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン(0.459g、0.0015モル、ビスフェノール1モルに対して0.0103モル)を前記フラスコの中に入れ、前記フラスコは、窒素で再び流した。(これはビスフェノールのモル量に対して2.4%過剰なモル数のメチルジフェノキシホスフィンオキシドである。)前記蒸留カラムは加熱テープで包み加熱した。前記反応容器はオイルバスに置き、フラスコ内の固体が融解するまで246℃に加熱した。以下の表1に示したように、前記反応混合物はさらに加熱し、反応期間中、様々な時間で真空度を調節した。
Figure 0004936121
この反応過程中、31.4gの蒸留物が収集された。前記反応の終結において、高分子融解物の粘性が上昇した。冷却に際しては、粘り気のある淡黄色融解物が固化し始めた。それが固化すると前記固形物は硬くなり、フラスコの内壁のガラスからはがれた。さらに室温まで冷却した後、フラスコは前記固形物を単離するために破壊した。前記固形高分子はハンマーでひびを入れたり破壊したりできなかった。それは非常に硬かったので、攪拌シャフトからのこぎりで取り除かなけれならなかった。塩化メチレン中、前記高分子の0.5%溶液は、25℃で1.18の相対粘度を示した。前記固体は、示差走査熱量測定(DSC、TA Instruments Inc.、Model2010)によっておよそ104.5℃のTを示した。不溶物質の形跡はなく、交差結合の形成は示さなかった。フィルムは一般的な鋳造方法に従って、塩化メチレン/高分子溶液から板ガラスに鋳造され、続いて熱的に処理されて溶媒が除去された。前記フィルムは、透明で無色であった。前記反応温度は、およそ3.5時間以上わずかに300℃より高く保持されたことに注目すべきである。この期間、融解粘度の減少は観察されず、さらに交差結合された高分子が形成された事後の兆候はなかった。
プラークは圧縮成型によってこの高分子から加工された。このプラークは、プロパン点火棒の炎の中に直接プラークを置くことによって、燃焼試験にさらされた。前記プラークは最初は柔らかかったが、その後その熱可塑剤の性質によって融解した。前記プラークから滴下した融解プラスチックの滴は、直火から出てくると直ぐに自己消火した。さらに、前記滴は周りの物質のいずれにも火を広げたり伝播させたりしなかった。前記プラークもまた炎の除去後直ぐに燃焼を停止した。この試験期間中、前記プラークが炎の中にある間と炎が除去された後、前記プラークが黒い煙を引き起こすことはなかった。この試験は、このポリホスホン酸塩の際立った難燃性を示し、さらに最も重要なのは、その性能が自己消化性であるということである。これらの特性は不燃性を必要とする用途に重要である。
この実施例は、分枝ポリホスホン酸塩の合成、またはホスホニウム触媒、ジおよびトリヒドロキシ芳香族化合物、およびジアリールホスホン酸エステルを用いた本発明を示す。形成されるポリホスホン酸塩は25℃で1.19の相対粘度を示し、前記固体はDSCによりおよそ105.6℃のTを示す。
Figure 0004936121
250mlの三つ口丸底フラスコに、機械攪拌機、中空ガラスシリンダーで充填した蒸留カラム(10cm)、濃縮機、および制御バルブを有した真空アダプターを装備し、このフラスコは、窒素で0.5時間流した。メチルジフェノキシホスフィンオキシド(38.66g)(この化合物の正確な量は実際には(37.07g、0.1493モル)であるが、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって95.9%純粋であると測定された)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)(33.28g、0.1457モル)、テトラフェニルホスホニウムフェノラート(0.012g、2.77×10−5モル、ビスフェノール1モルに対し0.00019モル)、および1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン(0.459g、0.0015モル、ビスフェノール1モルに対し0.0103モル)をフラスコに入れ、前記フラスコに再び窒素を流した。(これはビスフェノールモル量に対し、メチルジフェノキシホスフィンオキシドが2.4モル%過剰である。)この蒸留カラムは加熱テープで包み加熱した。前記反応容器はオイルバスに置き、フラスコ内の固体が融解するまで246℃に加熱した。前記反応混合物はさらに加熱し、真空度は以下の表2に示したように反応期間中様々な時間において調節した。
Figure 0004936121
この反応過程中、34.4gの蒸留物が収集された。反応終結時において高分子融解物の粘度の増加があった。冷却時においては粘り気のある淡黄色の融解物が固化し始めた。それが固化すると前記固形物は硬くなり、フラスコの内壁のガラスからはがれた。さらに室温まで冷却した後、フラスコは前記固形物を単離するために破壊した。前記固形高分子は、ハンマーでひびを入れたり破壊したりできなかった。前記固形物は非常に硬かったので、攪拌シャフトからのこぎりで取り除かなければならなかった。塩化メチレン中0.5%の高分子溶液は、25℃で1.19の相対粘度を示した。前記固体はDSCによっておよそ105.6℃のTを示した。いずれの不溶物質の形跡はなく、交差結合された高分子の形成は示さなかった。フィルムは、塩化メチレン/高分子溶液から板ガラスに鋳造され、続いて熱的に処理されて溶媒が除去された。前記フィルムは、透明で無色であった。前記反応温度は、およそ3.5時間以上わずかに300℃より高く保持されたことに注目すべきである。この期間、融解粘度の減少は観察されず、さらに交差結合された高分子が形成された事後の兆候はなかった。
プラークは、この高分子から圧縮成型された。前記プラークは、プロパン点火棒の炎の中に直接プラークを置くことによって、燃焼試験にさらされた。プラークは最初は柔らかかったが、その後その熱可塑性の性質によって融解した。前記プラークから滴下した融解プラスチックの滴は直接炎から出てくると直ぐに自己消火した。さらに、前記滴は周りの物質いずれにも火を広げたり伝播させたりしなかった。前記プラークもまた炎の除去後直ぐに燃焼を停止した。この試験期間中、前記プラークが炎の中にある間と炎が除去された後、前記プラークから黒い煙を起こさせることはなかった。この試験は、このポリホスホン酸塩の際立った難燃性を示し、さらに最も重要なのはその性能が自己消化性であるということである。これらの特性は不燃性を必要とする用途に重要である。
この実施例は、アルカリフェノラート触媒とビスフェノールAを用いたポリホスホン酸塩の調整を説明する。形成されるポリホスホン酸塩は、23℃で1.09の相対粘度を示し、前記固体は、DSCによっておよそ90.6℃のTを示す。
Figure 0004936121
分岐ポリホスホン酸塩は、本発明の分岐ポリホスホン酸塩を比較するために、米国特許第4,331,614号公報、および第4,415719号公報に含まれる情報に従って調整した。ホスホン酸ジエステル(37.07g、0.1493モル)に対して、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、(33.28g、0.1457モル)の過剰モル濃度は2.4モル%であった。使用したナトリウムフェノラートの量(0.006g、5.16×10−5モル)は、1モルのビスフェノールに対して3.54×10−4モルであり、(0.459g、1.5×10−3モル)の1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン(すなわち分岐試薬)を使用した。前記反応は、実施例1および2で記載したものと類似の条件下で実施し、比較的粘度のある融解物が得られた。前記高分子は単離され、ある程度の強靭性を示したが、実施例1および2で記載した高分子のような強さではなかった。塩化メチレン中0.5%の前記高分子の溶液は、23℃でおよそ1.09の相対粘度を示した。フィルムは塩化メチレン溶液から鋳造され、およそ90.6℃のT、低い強靭性、黄色を示した。
この実施例は、本発明に従った分岐ポリホスホン酸塩とポリカーボネートとの混合により形成される高分子複合体の調整、およびその特性の評価を説明する。
実施例1の分岐ポリホスホン酸塩と、市販のポリカーボネートであるBayer(商標)2858は、同時回転型25mm混和成分と共にBrabender(商標)混合機で融解混合した。前記サンプルは、230℃で5分間、20rpmで融解混合した。前記融解混合物は、その後混合ヘッドから取り除き、開放鋳型(10cm×10cm)に置き、220℃で15分間加熱した。その後前記鋳型を閉じ、20バールの圧力をかけて15分間維持した。前記鋳型を空気冷却し、成型されたプラーク(10cm×10cm×0.3cm)を取り除いた。前記プラークの限界酸素指数(LOI)は、ASTMD2863に従って測定した。この高分子組成物に関連したデータは表3に表した。
Figure 0004936121
前記結果は、市販のポリカーボネートに対して、重量で10〜20%の本発明の分岐ポリホスホン酸塩を添加すると、LOIに顕著な改善を与えることを示している。さらに前記ポリホスホン酸塩は、得られる高分子組成物の混合物のTを顕著に低減しない。これは使用温度を下げないという理由で非常に有利である。この挙動は予期されることではなく、なぜなら一般規則として、ポリカーボネートにおけるTの混合効果は、重量で10%および20%でポリホスホン酸塩を添加した場合、得られる混合高分子組成物はそれぞれ142℃と138℃を示すべきであるからである。
この実施例は、加水分解的に安定なポリホスホン酸塩の合成を説明する。本発明に従った一連の分岐ポリホスホン酸塩は、実施例1および2で記載した設備と条件を用いて異なる化学量論量で調整した。各バッチの詳細な情報は以下の表4に載せた。
Figure 0004936121
各実行(run)の反応条件は表5にまとめた。以下のパラメーターに加えて、これらの実施例は「反応後(post reaction)」の工程に供した。この工程は更に305℃における加熱を含むが、より短い蒸留経路を伴って、添加した揮発性物質の除去と選択的に触媒の新たな量を添加することを可能にした。この工程は、加工性を維持している間、加水分解安定性と濁度(例えば透明性の改善)の改善された組み合わせを提供することが見出された。実施例5に記載した前記反応は、以下の一般的な方法に従って実施した。
化学物質を反応装置の中に入れた(化学物質の化学量論量は表4に記載した)。オイルバスの温度制御装置を作動させ、前記オイルバスを250℃に加熱し、蒸留カラムの温度制御装置を作動させ、前記カラムを130℃に加熱した。氷を捕集トラップに置き、液体窒素を第二トラップに置いた。前記オイル温度が250℃に達した時、真空調節装置を200mmHgに調節し、真空ポンプを作動させ、真空バルブを開けた。前記反応は表5のパラメーターに従って実施した。前記オイルバスを除去し、真空バルブを閉じ、真空ポンプを停止させた。前記反応混合物は16時間冷却させた。真空バルブは開けておいた。
第二段階または反応後、最初の反応工程の250mlフラスコの右側の口に直接75°角度の蒸留アダプターを再設置し、捕集/トラップの役目を果たす新しい二口100mlフラスコを接続した。選択的に新たな触媒を添加した後(表4の実施例FX155−1Aを参照)、真空調節装置を0にセットし(最大真空)、真空ポンプを作動させ、真空バルブを開けた。前記250mlフラスコの右側の口から蒸留アダプターの上端角度まで加熱テープを取り付けた。オイルバスの温度制御装置は305℃に設定した。テープが巻かれた蒸留アダプターの温度制御装置は150℃に設定した。前記反応は305℃で5〜6時間、新しい触媒を用いた場合はそれより短い時間加熱した。1時間加熱後、テープが巻かれている蒸留アダプターの制御装置の温度は180℃に設定した。
Figure 0004936121
この実施例は、実施例3のポリホスホン酸塩の調整と比較して、本発明のポリホスホン酸塩の加水分解安定性を説明する。
実施例3で記載したように、調整されたポリホスホン酸塩の成型サンプル(およそ2cm×2cm×厚さ1cm)、図1(A)(触媒としてナトリウムフェノラートを使用して調整した最新技術の比較サンプル)、および実施例5(表4のFX−155−1A)を蒸留水中にいれ、100℃で6時間加熱した。水に暴露する前に、前記サンプルは透明で単一の断片であった。暴露後、実施例3のポリホスホン酸塩の成型品は壊れて、図1(B)に示したように霜降りたような白色(frosty white)で不透明の、おそらく揮発性物質の生成のために発泡したように見える不透明な表面のいくつもの小さな断片になった。この小さな断片は壊れやすく、手で触れると容易に壊れた。実施例5のポリホスホン酸塩成型品は、図1(C)に示したように、1つの断片のままで、白くならず(1つの角の非常に小さな部分を除いては)、目に見える透明性においては減少しなかった。さらに、目に見える発泡の兆候はなかった。この実施例は、本発明のポリホスホン酸塩の加水分解安定性が以前に報告されたポリホスホン酸塩と比べて改善されたことを明らかにした。
この実施例は、本発明の方法から得られる様々な多分散性を有する本発明のポリホスホン酸塩の組成物を説明する。
Figure 0004936121
本発明は、一部の好ましい実施形態に関してかなり詳細に記載されているが、その他の
見解も可能である。従って、添付した請求項の要旨と範囲は、この明細書の中に含まれる記載と好ましい見解に限定されるべきではない。
本発明の実施形態の一部、他の観点、特徴、利益、利点は、以下の記載、添付された請求項、および添付された図に関して明らかになるだろう。
図1は、(A)実施例3のナトリウムフェノラート重合触媒を用いて調整されたポリホスホン酸塩のサンプル、(B)沸騰水中処置後、実施例3のナトリウムフェノラート重合触媒を用いて調整したポリホスホニウム塩のサンプル、(C)沸騰水中同様の処置後、本発明の実施例5のポリホスホニウム塩のサンプル。

Claims (47)

  1. 成型可能な分枝ポリホスホン酸塩を製造する方法であって、
    ポリホスホン酸塩を形成する比の量のホスホン酸ジアリールエステルとビスフェノールの一定量と、ホスホニウム触媒とを容器中で加熱する工程を有し、
    前記加熱する工程は、減圧下で行われるものである、方法。
  2. 請求項1の方法において、前記容器は、分枝試薬を含むものである、方法
  3. 請求項1の方法において、前記ビスフェノールは、in situ(原位置)で分枝試薬の形態のものである、方法
  4. 請求項1の方法において、前記ホスホニウム触媒の少なくとも一部は、前記加熱工程の間に除去されるものである、方法
  5. 請求項1の方法において、前記ホスホン酸ジアリールエステルとビスフェノールの一定量は、非化学量論比におけるものである、方法
  6. 請求項1の方法において、前記ビスフェノールは、ビスフェノールA、またはビスフェノールAと化学式(XV)のビスフェノールの混合物であって、前記混合物中のビスフェノールAの量は100%未満であり、
    前記化学式(XV)のビスフェノールは、
    Figure 0004936121
    式中、(Rおよび(Rは、それぞれ個別に水素、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C〜C20のアルキル基、C〜C20のシクロアルキル基、またはC〜C20のアリールを含む基であって、mとnは、個別に1〜4の整数であって、Qはビスフェノールが開裂され得ることがないために、結合、酸素原子、硫黄原子、またはSO基であってもよく、開裂可能なビスフェノールのためには、Qは、
    Figure 0004936121
    式中、RおよびRは個別に水素原子、C〜Cの低級アルキル基、アリール、および置換アリールであり、RとRは、1またはそれ以上のC〜C20のアルキル基、アリール基、またはそれらの組み合わせによって任意に置換されたC〜C20の脂環式の環を形成するように組み合わされるものである、方法
  7. 請求項1の方法において、前記加熱工程は、実質的に発生した全ての芳香族水酸化物が前記反応容器から除去されたときに停止されるものである、方法
  8. 加水分解的に安定なポリホスホン酸塩を製造する方法であって、
    容器中でポリホスホン酸塩と除去可能なホスホニウム触媒を加熱し、減圧下で加水分解的に安定なポリホスホン酸塩を形成する工程を含む前記方法。
  9. 請求項8の方法において、加水分解的に安定なポリホスホン酸塩の0.5g未満は、およそ23℃で塩化メチレン100ml容積に溶解するものである、方法
  10. 請求項8の方法において、前記ポリホスホン酸塩は、およそ2.3より大きい多分散性を有するものである、方法
  11. 請求項8の方法において、前記ポリホスホン酸塩は、その構造中にビスフェノールAからのモノマー誘導単位を含むものである、方法
  12. 請求項8の方法において、前記ポリホスホン酸塩は、ホススホニウム触媒を用いて形成されるものである、方法
  13. 請求項8の方法において、前記ホスホニウム触媒の少なくとも一部は、前記加熱工程によって除去されるものである、方法
  14. 組成物であって、
    少なくとも100℃のTを有することで特徴付けられ、容器中減圧下で、ポリホスホン酸塩の一定量と除去可能なホスホニウム触媒とを加熱する工程によって製造された、加水分解的に安定なポリホスホン酸塩を有するものである、組成物。
  15. 請求項14の組成物において、前記加水分解的に安定なポリホスホン酸塩の0.5g未満は、およそ23℃で塩化メチレン100ミリリットル中に溶解するものである、組成物
  16. 請求項14の組成物であって、沸騰水中で6時間加熱した場合に5%未満の分解生成物を形成するものである、組成物。
  17. 請求項14の組成物において、前記加水分解的に安定なポリホスホン酸塩は、透明である、組成物
  18. 請求項14の組成物において、前記ホスホン酸ジアリールエステルは、メチル−ホスホン酸ジフェニルエステルを含むものである、組成物
  19. 請求項14の組成物において、前記ポリホスホン酸塩は、ビスフェノールAから誘導された繰り返し単位を含むものである、組成物
  20. ポリホスホン酸塩を形成するための方法であって、
    ホスホン酸ジアリールエステルと、ビスフェノールAまたは、混合物中のビスフェノールAが100%未満であるビスフェノールAと他のビスフェノールの混合物と、テトラフェニルホスホニウム触媒とを反応容器中で加熱する工程と、
    前記加熱によって発生したフェノールを除去し、成型可能なポリホスホン酸塩を形成する工程とを有し、
    前記ホスホン酸ジアリールエステルは、前記ビスフェノールの化学量論当量または過剰量である、方法。
  21. 請求項20の方法において、前記容器は、分枝試薬を含むものである、方法
  22. 請求項20の方法において、前記ホスホン酸ジアリールエステルの反応基のモル数は、前記ビスフェノールの反応基のモル数のおよそ±20%以内である、方法
  23. 請求項20の方法において、前記ホスホニウム触媒は、テトラフェニルホスホニウムフェノラートである、方法
  24. 請求項20の方法において、前記分枝試薬は、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンを含むものである、方法
  25. 請求項20の方法において、ポリホスホン酸を製造するために使用した前記ホスホン酸ジアリールエステルまたはそれらの混合物は、化学式(XIII)のものを含み、
    Figure 0004936121
    式中、(Rおよび(R10は、それぞれ個別に水素、C〜Cの低級アルキルであって、uおよびvは、個別に1〜5の整数であって、RはC〜Cの低級アルカリである、方法
  26. 請求項20の方法において、前記ホスホン酸ジアリールエステルは、メチル−ホスホン酸ジフェニルエステルを含むものである、方法
  27. リン酸トリアリールエステルをさらに含む請求項20の方法。
  28. 請求項20の方法において、前記ビスフェノールは、ビスフェノールAまたはビスフェノールAの混合物であり、前記混合物中のビスフェノールAの量は、100%未満であって、さらに化学式(XV)のビスフェノールは、
    Figure 0004936121
    式中、(Rおよび(Rは、それぞれ個別に水素、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C〜C20のアルキル基、C〜C20のシクロアルキル基、またはC〜C20のアリールを含む基であって、mおよびnは、個別に1〜4の整数であって、Qはビスフェノールが開裂され得ることがないために、結合、酸素原子、硫黄原子、またはSO基であってもよく、さらに開裂され得るビスフェノールのために、Qは、
    Figure 0004936121
    式中、RおよびRは個別に水素原子、C〜Cの低級アルキル基、アリール、および置換アリールであり、RとRは、1またはそれ以上のC〜C20のアルキル基、アリール基、またはそれらの組み合わせによって任意に置換されたC〜C20の脂環式の環を形成するように組み合わされるものである、方法
  29. 請求項20の方法において、他のビスフェノールは、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン、4,4'−ジヒドロキシジフェニル、4,4'−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、9,9−ジヒドロキシ−ジフェニルフルオレン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−5−メチルシクロヘキサン、またはそれらの組み合わせを含むものである、方法
  30. ポリホスホン酸塩を製造する方法であって、
    容器中でポリホスホン酸塩とテトラフェニルホスホニウム触媒とを加熱し、加水分解的に安定なポリホスホン酸塩を形成する工程を有する、方法。
  31. 23℃で塩化メチレン中0.5パーセント溶液で測定した場合、少なくとも1.1の相対粘度、2.3もしくはそれ以上の高分子多分散性、および少なくとも100℃のT を有するものであるポリホスホン酸であって、
    ポリホスホン酸を形成するために減圧下で加熱され、前記加熱によって発生した物質を加熱する反応容器中の、ホスホン酸ジアリールエステルと、ビスフェノールA、または混合物中のビスフェノールAの量が100%未満であるビスフェノールAと他のビスフェノールの混合物と、テトラフェニルホスホニウム触媒とを有するものであり、
    前記ホスホン酸ジアリールエステルは、前記ビスフェノールの化学量論当量または過剰量である、ポリホスホン酸塩。
  32. 請求項31のポリホスホン酸塩において、前記他のビスフェノールは、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン、4,4'−ジヒドロキシジフェニル、4,4'−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、9,9−ジヒドロキシ−ジフェニルフルオレン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−5−メチルシクロヘキサン、またはそれらの組み合わせを含むものである、ポリホスホン酸塩
  33. 請求項31のポリホスホン酸塩において、ポリホスホン酸を製造するために使用した前記ホスホン酸ジアリールエステルまたはそれらの混合物は、化学式(XIII)のものを含み、
    Figure 0004936121
    式中、(Rおよび(R10は、それぞれ個別に水素、C〜Cの低級アルカリであって、uおよびvは1〜5の整数であって、RはC〜Cの低級アルカリである、ポリホスホン酸塩
  34. 組成物であって、
    減圧下で加熱され、それによって加水分解的に安定なポリホスホン酸塩を形成する、反応容器中のポリホスホン酸塩とテトラフェニルホスホニウム触媒とを有するものである、組成物。
  35. 請求項34の組成物において、前記ポリホスホン酸塩は、沸騰水中で6時間加熱した場合、5%未満の分解生成物を形成するものである、組成物
  36. 高分子組成物であって、
    ポリホスホン酸塩を形成するために減圧下で加熱され、反応容器中のホスホン酸ジアリールエステルと、ビスフェノールと、ホスホニウム触媒とから形成される少なくとも1つのポリホスホン酸塩であって、前記ホスホン酸ジアリールエステルが、前記ビスフェノールの化学論当量または過剰量である、ポリホスホン酸塩と、
    少なくともひとつの他の高分子とを有する、高分子組成物。
  37. 請求項36の高分子組成物において、前記他の高分子は、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリエポキシ、ポリ(アクリロニトリルブタジエンスチレン)、ポリイミド、ポリアリレート、ポリ(アリレンエーテル)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリ(ビニルエステル)、ポリ塩化ビニル、ビスマレイミドポリマー、ポリ無水物、液体結晶ポリマー、ポリエーテル、ポリフェニレンオキシド、セルロースポリマー、請求項35のポリホスホン酸塩、またはそれらの組み合わせである、組成物
  38. 請求項36の高分子組成物において、前記高分子は、ポリカーボネートを含むものである、組成物
  39. 請求項36の高分子組成物において、前記高分子は、ポリスチレンおよびポリフェニレンオキシドを含むものである、組成物
  40. 請求項36の高分子組成物において、前記他の高分子は、ポリカーボネートおよびポリ(アクリロニトリルブタジエンスチレン)を含むものである、組成物
  41. 請求項36の高分子組成物において、前記高分子組成物は、少なくとも27の限界酸素指数を示すものである、組成物
  42. 高分子組成物であって、
    加水分解的に安定なポリホスホン酸塩を形成するために減圧下で加熱された容器中の、ポリホスホン酸塩、およびホスホニウム触媒から形成される少なくともひとつのポリホスホン酸塩と、
    少なくとも1つの他の高分子とを有するものである、高分子組成物、組成物
  43. 請求項42の高分子組成物において、前記他の高分子は、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリエポキシ、ポリ(アクリロニトリルブタジエンスチレン)、ポリイミド、ポリアリレート、ポリ(アリレンエーテル)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリ(ビニルエステル)、ポリ塩化ビニル、ビスマレイミドポリマー、ポリ無水物、液体結晶ポリマー、ポリエーテル、ポリフェニレンオキシド、セルロースポリマー、請求項31の前記ポリホスホン酸塩、またはそれらの組み合わせである、組成物
  44. 請求項42の高分子組成物において、前記高分子は、ポリカーボネートを含むものである、組成物
  45. 請求項42の高分子組成物において、前記ポリマーは、ポリスチレンおよびポリフェニレンオキシドを含むものである、組成物
  46. 請求項42の高分子組成物において、前記他の高分子は、ポリカーボネートおよびポリ(アクリロニトリルブタジエンスチレン)を含むものである、組成物
  47. 請求項42の高分子組成物において、前記高分子組成物は、少なくとも27の限界酸素指数を示すものである、組成物
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