JP4933751B2 - 有機エレクトロルミネッセンス素子封止剤、及び、有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents
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Description
しかしながら、有機EL素子は、一般的に寿命が短いという問題点があった。このような原因の1つとしては、有機EL素子が、湿気等の水分や、熱、光等によって劣化されやすい点が挙げられる。特に、有機EL素子は水分に敏感であり、水分によって急激に劣化することから、外気との接触を避けるため、有機EL素子を封止することが必要となる。
以下に本発明を詳述する。
上記光カチオン重合性化合物としては、分子内に少なくとも1個の光カチオン重合性官能基を有する化合物であれば特に限定されず、例えば、分子内に少なくとも1個のエポキシ基、オキセタニル基、水酸基、ビニルエーテル基、エピスルフィド基、エチレンイミン基等の光カチオン重合性官能基を有する化合物等が挙げられる。なかでも、光カチオン重合性が高く、少ない光量でも効率的に光硬化が進行することから、分子内に少なくとも1個のエポキシ基を有する化合物(以下、エポキシ系化合物ともいう)が好適に用いられる。これらの光カチオン重合性化合物の性状(分子量)としては、特に限定されず、モノマー、オリゴマー、ポリマーのいずれであっても良い。また、上記光カチオン重合性化合物は、単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
本明細書において、スルホニウム・ボレート塩とは、カチオン部分にスルホニウム骨格を有し、かつ、アニオン部分にボレート骨格を有する化合物のことをいう。
このようなカチオン部分を有する光カチオン重合開始剤を用いることにより、本発明の光硬化性樹脂組成物は、着色することなく長波長の光により硬化反応を開始することができるとともに硬化性に優れ、また、硬化物は透湿度が低くかつ透明性の高いものとなる。
このように、中心アニオンがホウ素であるものをアニオン部分に用いることにより、光カチオン重合開始剤の酸強度が強くなるため、該光カチオン重合開始剤を用いた光硬化性樹脂組成物の硬化性が向上し、高いガラス転移温度を有する硬化物を得ることができる。このような光硬化性樹脂組成物を封止用の接着剤として用いれば、硬化物、即ち封止部分の透湿性(透湿度)が低下するため、得られる有機EL素子の寿命を長くすることができ、信頼性を高めることができる。
上記硬化制御剤は、上記光カチオン重合性化合物の光カチオン重合反応を阻害する機能を有することから、光硬化性樹脂組成物中に適当量の硬化制御剤を含有させることにより、光硬化性樹脂組成物は優れた光硬化性を有するものとなって、光照射後の貼り合わせ可能時間等の使用可能時間及び硬化時間を任意に制御することができ、光硬化性樹脂組成物の作業性を大幅に向上させることができる。
なお、上記ガラス転移温度は、上記エポキシ転化率の測定の場合と同様にして作製した測定用塗膜を所定の大きさに裁断したものについて、昇温速度10℃/分で動的粘弾性測定を行って、tanδのピーク値を求めることにより測定することができる。
なお、上記全光線透過率は、例えば、東京電色社製の商品名「COLOR ANALYZER TC−1800M」等の分光計用いて光の透過率を測定することができる。
図1は、本発明の表示素子用接着剤を用いて、本発明の表示素子の製造方法により封止したEL素子の一例を模式的に示す断面図である。図2は、本発明の表示素子用接着剤を用いて、本発明の表示素子の製造方法により封止したEL素子の他の例を模式的に示す断面図である。図3は、本発明の表示素子用接着剤を用いて、本発明の表示素子の製造方法により封止したEL素子のさらに他の例を模式的に示す断面図である。
更に、このような光硬化性樹脂組成物、表示素子用接着剤や表示素子の製造方法を用いることにより、信頼性の高いエレクトロルミネッセンス素子を得ることができる。
(1)スルホニウム・ボレート塩からなる光カチオン重合開始剤の作製
250mlの丸底フラスコにジフェニルスルフィド37.2g(0.2mol)を入れ、密閉し、9.5gの塩素を導入し、攪拌しながら加熱した。この混合物に塩化アルミニウム27g(0.2mol)を入れた。混合物が色濃くなるまで反応した後、500gの氷に注いだ。200mlの熱水で2回洗浄した後、70.2g(0.1mol)のテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのナトリウム塩を加え加熱しながら1時間攪拌した。橙色の油状物を水洗し、5%の水を含む95%エタノールで再結晶して、スルホニウム・ボレート塩(カチオン部分:式(2−1)、R11、R12、R12、R13=H)からなる光カチオン重合開始剤を得た。
得られた光カチオン重合開始剤3重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピコート828、JER社製)100重量部、シランカップリング剤(KBM403、信越化学社製)1重量部、及び、ポリエチレングリコール(分子量1000)10重量部を配合し、加熱脱泡を行い光硬化性樹脂組成物を得た。
(1)(メチルフェニル)フェニルスルフィドの合成
86%KOH19.6g(0.35mol)と、12.4g(0.3mol)のメチルチオフェノールと、120モルのジメチルアセトアミドとを250mlの丸底フラスコに入れ、150℃に加熱し水を蒸発させ、6.5mlの水を回収した後、ブロモベンゼン(0.3mol)を加え、6時間還流した。冷却後300mlの水を加えて、洗浄し、油状のメチルフェニルフェニルスルフィドを得た。
250mlの丸底フラスコに上記(1)で得られた(メチルフェニル)フェニルスルフィド40g(0.2mol)を入れ、密閉し、9.5gの塩素を導入し、攪拌しながら加熱した。この混合物に塩化アルミニウム27g(0.2mol)を入れた。混合物撹拌後18.6g(0.1mol)のジフェニルスルフィドを加え、混合物を3時間反応し、500gの氷に注いだ。200mlの熱水で2回洗浄した後、70.2g(0.1mol)のテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのナトリウム塩を加え加熱しながら1時間攪拌した。橙色の油状物を水洗し、95%エタノールで再結晶して、スルホニウム・ボレート塩(カチオン部分:式(2−1)、R11、R12=H、R12、R13=CH3)からなる光カチオン重合開始剤を得た。
得られた光カチオン重合開始剤を用い、ポリエチレングリコール(分子量1000)10重量部の代わりにクラウンエーテルを1重量部用いたこと以外は実施例1と同様の操作を行うことにより、光硬化性樹脂組成物を得た。
(1)(t−ブチルフェニル)フェニルスルフィドの合成
実施例2(1)のメチルチオフェノール(0.3mol)の代わりに、t−ブチルベンゼンチオール(0.3mol)を用いることにより、(t−ブチルフェニル)フェニルスルフィドを得た。
得られた(t−ブチルフェニル)フェニルスルフィドを用いた以外は、実施例2と同様にして、スルホニウム・ボレート塩(カチオン部分:式(2−1)、R11、R12=H、R12、R13=C(CH3)3)からなる光カチオン重合開始剤を得た。得られた光カチオン重合開始剤を用いたこと以外は実施例1と同様にして、光硬化性樹脂組成物を得た。
(1)(メトキシフェニル)フェニルスルフィドの合成
実施例2(1)のメチルチオフェノール(0.3mol)の代わりに、t−メトキシベンゼンチオール(0.3mol)を用いることにより、(メトキシフェニル)フェニルスルフィドを得た。
得られた(メトキシフェニル)フェニルスルフィドを用いた以外は、実施例2と同様にして、スルホニウム・ボレート塩(カチオン部分:式(2−1)、R11、R12=H、R12、R13=OCH3)からなる光カチオン重合開始剤を得た。得られた光カチオン重合開始剤を用いたこと以外は実施例1と同様にして、光硬化性樹脂組成物を得た。
(1)(エトキシフェニル)フェニルスルフィド
実施例2(1)のメチルチオフェノール(0.3mol)の代わりに、t−エトキシベンゼンチオール(0.3mol)を用いることにより、(エトキシフェニル)フェニルスルフィドを得た。
得られた(エトキシフェニル)フェニルスルフィドを用いた以外は、実施例2と同様にして、スルホニウム・ボレート塩(カチオン部分:式(2−1)、R11、R12=H、R12、R13=OCH2CH3)からなる光カチオン重合開始剤を得た。得られた光カチオン重合開始剤を用いたこと以外は実施例1と同様にして、光硬化性樹脂組成物を得た。
(1)ビス(メチルフェニル)スルフィドの合成
KOH19.6g(0.35mol)と37.2g(0.3mol)のメチルチオフェノールと120モルのジメチルアセトアミドを250mlの丸底フラスコに入れ、150℃に加熱し水を蒸発させ、6.5mlの水を回収した後、p−ブロモトルエン(0.3mol)を加え、6時間還流した。冷却後300mlの水を加えて、洗浄し、ビス(メチルフェニル)スルフィドを得た。
250mlの丸底フラスコに得られたビス(メチルフェニル)スルフィド42.8g(0.2mol)を入れ、密閉し、9.5gの塩素を導入し、攪拌しながら加熱した。この混合物に塩化アルミニウム27g(0.2mol)を入れた。混合物撹拌後18.6g(0.1mol)のジフェニルスルフィドを加え、3時間反応し、500gの氷に注いだ。200mlの熱水で2回洗浄した後、70.2g(0.1mol)のテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのナトリウム塩を加え加熱しながら1時間攪拌した。油状物を水洗し、水5%を含む95%エタノールで再結晶して、スルホニウム・ボレート塩(カチオン部分:式(2−1)、R11、R12=CH3、R12、R13=CH3)からなる光カチオン重合開始剤を得た。得られた光カチオン重合開始剤を用いたこと以外は実施例1と同様にして、光硬化性樹脂組成物を得た。
(1)メチルフェニル(t−ブチルフェニル)スルフィドの合成
実施例6(1)のp−ブロモトルエン(0.3mol)の代わりに、p−ブロモt−ブチルベンゼン(0.3mol)を用い、メチルフェニル(t−ブチルフェニル)スルフィドを得た。
得られたメチルフェニル(t−ブチルフェニル)スルフィドを用いた以外は実施例6(2)と同様にしてスルホニウム・ボレート塩(カチオン部分:式(2−1)、R11、R12=CH3、R12、R13=C(CH3)3)からなる光カチオン重合開始剤を得た。得られた光カチオン重合開始剤を用いたこと以外は実施例1と同様にして、光硬化性樹脂組成物を得た。
(1)(メチルフェニル)メトキシフェニルスルフィドの合成
実施例6(1)のp−ブロモトルエン(0.3mol)の代わりに、p−ブロモメトキシベンゼン(0.3mol)を用い、(メチルフェニル)メトキシフェニルスルフィドを得た。
得られた(メチルフェニル)メトキシフェニルスルフィドを用いた以外は実施例6(2)と同様にしてスルホニウム・ボレート塩(カチオン部分:式(2−1)、R11、R12=CH3、R12、R13=OCH3)からなる光カチオン重合開始剤を得た。得られた光カチオン重合開始剤を用いたこと以外は実施例1と同様にして、光硬化性樹脂組成物を得た。
(1)(エチルフェニル)エトキシフェニルスルフィドの合成
実施例6(1)のp−ブロモトルエン(0.3mol)の代わりに、p−ブロモエトキシベンゼン(0.3mol)を用い、(エチルフェニル)エトキシフェニルスルフィドを得た。
得られた(エチルフェニル)エトキシフェニルスルフィドを用いた以外は実施例6(2)と同様にしてスルホニウム・ボレート塩(カチオン部分:式(2−1)、R11、R12=CH2CH3、R12、R13=OCH2CH3)からなる光カチオン重合開始剤を得た。得られた光カチオン重合開始剤を用いたこと以外は実施例1と同様にして、光硬化性樹脂組成物を得た。
(1)ビス(t−ブチルフェニル)スルフィドの合成
実施例2(1)のメチルチオフェノール(0.3mol)の代わりに、t−ブチルベンゼンチオール(0.3mol)を用い、実施例2(1)のブロモベンゼン(0.3mol)の代わりにp−ブロモ−t−ブチルベンゼン(0.3mol)を用いて、ビス(t−ブチルフェニル)スルフィドを得た。
得られたビス(t−ブチルフェニル)スルフィドを用いた以外は実施例2と同様にして、スルホニウム・ボレート塩(カチオン部分:式(2−1)、R11、R12=C(CH3)3、R12、R13=C(CH3)3からなる光カチオン重合開始剤を得た。得られた光カチオン重合開始剤を用いたこと以外は実施例1と同様にして、光硬化性樹脂組成物を得た。
(1)ビス(メトキシフェニル)スルフィドの合成
実施例3(1)のメチルチオフェノール(0.3mol)の代わりにメトキシチオフェノール(0.3mol)を用い、実施例3(1)のブロモベンゼン(0.3mol)の代わりにp−ブロモメトキシベンゼン(0.3mol)を用いて、ビス(メトキシフェニル)スルフィドを得た。
得られたビス(メトキシフェニル)スルフィドを用いた以外は、実施例2と同様にしてスルホニウム・ボレート塩(カチオン部分:式(2−1)、R11、R12=OCH3、R12、R13=OCH3)からなる光カチオン重合開始剤を得た。得られた光カチオン重合開始剤を用いたこと以外は実施例1と同様にして、光硬化性樹脂組成物を得た。
(1)ビス(エトキシフェニル)スルフィドの合成
実施例2(1)のメチルチオフェノール(0.3mol)の代わりにエトキシチオフェノール(0.3mol)を用い、実施例2(1)のブロモベンゼン(0.3mol)の代わりにp−ブロモエトキシベンゼン(0.3mol)を用いて、ビス(エトキシフェニル)スルフィドを得た。
得られたビス(エトキシフェニル)スルフィドを用いた以外は、実施例11と同様にしてスルホニウム・ボレート塩(カチオン部分:式(2−1)、R11、R12=OCH2CH3、R12、R13=OCH2CH3)からなる光カチオン重合開始剤を得た。得られた光カチオン重合開始剤を用いたこと以外は実施例1と同様にして、光硬化性樹脂組成物を得た。
(1)ビス(ニトロフェニル)スルフィドの合成
実施例2(1)のメチルチオフェノール(0.3mol)の代わりにニトロチオフェノール51g(0.3mol)を用い、実施例2(1)のブロモベンゼン(0.3mol)の代わりにp−ブロモニトロベンゼン(0.3mol)を用いて、ビス(ニトロフェニル)スルフィドを得た。
得られたビス(ニトロフェニル)スルフィドを用い以外は実施例3と同様にしてスルホニウム・ボレート塩(カチオン部分:式(2−1)、R11、R12=NO3、R12、R13=NO3)からなる光カチオン重合開始剤を得た。得られた光カチオン重合開始剤を用いたこと以外は実施例1と同様にして、光硬化性樹脂組成物を得た。
250mlの丸底フラスコにジフェニルスルフィド18.6g(0.1mol)を入れ、密閉し、9.5gの塩素を導入し、攪拌しながら加熱した。この混合物に塩化アルミニウム13.5g(0.1mol)を投入した。混合物を撹拌後、実施例3(1)で得た(メチルフェニル)フェニルスルフィド20g(0.1mol)を加え、混合物を3時間反応し、500gの氷に注いだ。200mlの熱水で2回洗浄した後、70.2g(0.1mol)のテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのナトリウム塩を加え加熱しながら1時間攪拌した。生成物を水洗し、水5%を含む95%エタノールで再結晶してスルホニウム・ボレート塩(カチオン部分:式(3−1)、R15=CH3、R16、R17=H)からなる光カチオン重合開始剤を得た。得られた光カチオン重合開始剤を用いたこと以外は実施例1と同様にして、光硬化性樹脂組成物を得た。
実施例14において、(メチルフェニル)フェニルスルフィド20g(0.1mol)の代わりに、実施例3(1)で合成した(t−ブチルフェニル)フェニルスルフィド(0.1mol)を用いた以外は実施例14と同様にしてスルホニウム・ボレート塩(カチオン部分:式(3−1)、R15=−C(CH3)3、R16、R17=H)からなる光カチオン重合開始剤を得た。得られた光カチオン重合開始剤を用いたこと以外は実施例1と同様にして、光硬化性樹脂組成物を得た。
実施例14において、(メチルフェニル)フェニルスルフィド20g(0.1mol)の代わりに実施例4(1)で合成した(メトキシフェニル)フェニルスルフィドを用いた以外は実施例14と同様にして、スルホニウム・ボレート塩(カチオン部分:式(3−1)、R15=OCH3、R16、R17=H)からなる光カチオン重合開始剤を得た。得られた光カチオン重合開始剤を用いたこと以外は実施例1と同様にして、光硬化性樹脂組成物を得た。
実施例14において(メチルフェニル)フェニルスルフィド20g(0.1mol)の代わりに実施例5で合成した(エトキシフェニル)フェニルスルフィドを用いた以外は実施例14と同様にしてスルホニウム・ボレート塩(カチオン部分:式(3−1)、R15=OCH2CH3、R16、R17=H)からなる光カチオン重合開始剤を得た。得られた光カチオン重合開始剤を用いたこと以外は実施例1と同様にして、光硬化性樹脂組成物を得た。
250mlの丸底フラスコに実施例6(1)で得たビス(メチルフェニル)スルフィド23g(0.1mol)を入れ、密閉し、9.5gの塩素を導入し、攪拌しながら加熱した。この混合物に塩化アルミニウム13.5g(0.1mol)を入れた。混合物を撹拌後、ジフェニルスルフィド18.6g(0.1mol)を加え、混合物を3時間反応し、500gの氷に注いだ。200mlの熱水で2回洗浄した後、70.2g(0.1mol)のテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのナトリウム塩を加え加熱しながら1時間攪拌した。橙色の油状物を水洗し、95%エタノールで再結晶してスルホニウム・ボレート塩(カチオン部分:式(3−1)、R15=H、R16、R17=CH3)からなる光カチオン重合開始剤を得た。得られた光カチオン重合開始剤を用いたこと以外は実施例1と同様にして、光硬化性樹脂組成物を得た。
実施例18において用いたビス(メチルフェニル)スルフィド(0.1mol)の代わりに、実施例11(1)で得られたビス(メトキシフェニル)スルフィドを用いた以外は実施例18と同様にしてスルホニウム・ボレート塩(カチオン部分:式(3−1)、R15=H、R16、R17=OCH3)からなる光カチオン重合開始剤を得た。得られた光カチオン重合開始剤を用いたこと以外は実施例1と同様にして、光硬化性樹脂組成物を得た。
実施例18において用いたビス(メチルフェニル)スルフィド(0.1mol)の代わりに実施例12で得られたビス(エトキシフェニル)スルフィドを用いた以外は実施例18と同様にしてスルホニウム・ボレート塩(カチオン部分:式(3−1)、R15=H、R16、R17=OCH2CH3)からなる光カチオン重合開始剤を得た。得られた光カチオン重合開始剤を用いたこと以外は実施例1と同様にして、光硬化性樹脂組成物を得た。
実施例18において用いたジフェニルスルフィド18.6g(0.1mol)の代わりに実施例2(1)で合成した(メチルフェニル)フェニルスルフィド(0.1mol)を用いた以外は実施例15と同様にしてスルホニウム・ボレート塩(カチオン部分:式(3−1)、R15=CH3、R16、R17=CH3)からなる光カチオン重合開始剤を得た。得られた光カチオン重合開始剤を用いたこと以外は実施例1と同様にして、光硬化性樹脂組成物を得た。
実施例18において用いたビス(メチルフェニル)スルフィド(0.1mol)の代わりにビス(t−ブチルフェニル)スルフィド(0.1mol)を用い、実施例18において用いたジフェニルスルフィド18.6g(0.1mol)の代わりに実施例2(1)で合成した(メチルフェニル)フェニルスルフィド(0.1mol)を用いた以外は実施例18と同様にしてスルホニウム・ボレート塩(カチオン部分:式(3−1)、R15=CH3、R16、R17=C(CH3)3)からなる光カチオン重合開始剤を得た。得られた光カチオン重合開始剤を用いたこと以外は実施例1と同様にして、光硬化性樹脂組成物を得た。
実施例18において用いたビス(メチルフェニル)スルフィド(0.1mol)の代わりに実施例11(1)で得たビス(メトキシフェニル)スルフィド(0.1mol)を使用し、実施例18のジフェニルスルフィド18.6g(0.1mol)の代わりに実施例2(1)で合成した(メチルフェニル)フェニルスルフィド(0.1mol)を用いた以外は実施例18と同様にしてスルホニウム・ボレート塩(カチオン部分:式(3−1)、R15=CH3、R16、R17=OCH3)からなる光カチオン重合開始剤を得た。得られた光カチオン重合開始剤を用いたこと以外は実施例1と同様にして、光硬化性樹脂組成物を得た。
実施例23において用いたビス(メチルフェニル)スルフィドの代わりに実施例12で合成した(エチルフェニルフェニルスルフィド)を用いた以外は実施例23と同様にしてスルホニウム・ボレート塩(カチオン部分:式(3−1)、R15=CH3、R16、R17=OCH2CH3)からなる光カチオン重合開始剤を得た。得られた光カチオン重合開始剤を用いたこと以外は実施例1と同様にして、光硬化性樹脂組成物を得た。
実施例18において用いたジフェニルスルフィド18.6g(0.1mol)の代わりに実施例4(1)で合成した(メトキシフェニル)フェニルスルフィド(0.1mol)を使用した以外は実施例14と同様にしてスルホニウム・ボレート塩(カチオン部分:式(3−1)、R15=OCH3、R16、R17=CH3)からなる光カチオン重合開始剤を得た。得られた光カチオン重合開始剤を用いたこと以外は実施例1と同様にして、光硬化性樹脂組成物を得た。
実施例25で用いた(メトキシフェニル)フェニルスルフィドの代わりに実施例5で合成した(エトキシフェニル)フェニルスルフィドを用いた以外は実施例23と同様にしてスルホニウム・ボレート塩(カチオン部分:式(3−1)、R15=OCH2CH3、R16、R17=CH3)からなる光カチオン重合開始剤を得た。得られた光カチオン重合開始剤を用いたこと以外は実施例1と同様にして、光硬化性樹脂組成物を得た。
(1)(ニトロフェニル)フェニルスルフィドの合成
KOH19.6g(0.35mol)と51g(0.3mol)のニトロチオフェノールと120モルのジメチルアセトアミドを250mlの丸底フラスコに入れ、150℃に加熱し水を蒸発させ、6.5mlの水を回収した後、ブロモベンゼン(0.3mol)を加え、6時間還流した。冷却後300mlの水を加えて、洗浄し、(ニトロフェニル)フェニルスルフィドを得た。
(メチルフェニル)フェニルスルフィド20g(0.1mol)の代わりに、得られた(ニトロフェニル)フェニルスルフィド(0.1mol)を用いた以外は実施例14と同様にしてスルホニウム・ボレート塩(カチオン部分:式(3−1)、R15=NO3、R16、R17=H)からなる光カチオン重合開始剤を得た。得られた光カチオン重合開始剤を用いたこと以外は実施例1と同様にして、光硬化性樹脂組成物を得た。
実施例18において用いたビス(メチルフェニル)スルフィドの代わりに、実施例13(1)において用いたビス(ニトロフェニル)スルフィドを用いた以外は、実施例18と同様にしてスルホニウム・ボレート塩(カチオン部分:式(3−1)、R15=H、R16、R17=NO3)からなる光カチオン重合開始剤を得た。得られた光カチオン重合開始剤を用いたこと以外は実施例1と同様にして、光硬化性樹脂組成物を得た。
(1)スルホニウム・ボレート塩からなる光カチオン重合開始剤及び光硬化性樹脂組成物の作製
250mlの丸底フラスコにジフェニルスルフィド37.2g(0.2mol)を入れ、密閉し、9.5gの塩素を導入し、攪拌しながら加熱した。この混合物に塩化アルミニウム13.5g(0.1mol)を入れた。混合物が色濃くなるまで反応した後、500gの氷に注いだ。200mlの熱水で2回洗浄した後、70.2g(0.1mol)のテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートのナトリウム塩を加え加熱しながら1時間攪拌した。橙色の油状物を水洗し、5%の水を含む95%エタノールで再結晶して、スルホニウム・ボレート塩(カチオン部分:式(3−1)、R15、R16、R17=H)からなる光カチオン重合開始剤を得た。得られた光カチオン重合開始剤を用いたこと以外は実施例1と同様にして、光硬化性樹脂組成物を得た。
ポリエチレングリコールを配合しなかったこと以外は実施例1と同様にして、光硬化性樹脂組成物を得た。
ポリエチレングリコールを配合しなかったこと以外は実施例6と同様にして、光硬化性樹脂組成物を得た。
ポリエチレングリコールを配合しなかったこと以外は実施例13と同様にして、光硬化性樹脂組成物を得た。
ポリエチレングリコールを配合しなかったこと以外は実施例21と同様にして、光硬化性樹脂組成物を得た。
ポリエチレングリコールを配合しなかったこと以外は実施例27と同様にして、光硬化性樹脂組成物を得た。
ポリエチレングリコールを配合しなかったこと以外は実施例29と同様にして、光硬化性樹脂組成物を得た。
スルホニウム・ボレート塩からなる光重合開始剤を用いる代わりに、スルホニウムアンチモン塩の50%プロピレンカーボネート溶液(SP170、旭電化社製)5重量部を用いた以外は実施例1と同様にして光硬化性樹脂組成物を得た。
スルホニウム・ボレート塩からなる光重合開始剤を用いる代わりに、ヨードニウムボレート塩(RP2074、ローディア社製)3重量部を用いた以外は実施例1と同様にして、光硬化性樹脂組成物を得た。
スルホニウム・ボレート塩からなる光重合開始剤を用いる代わりに、スルホニウムアンチモン塩の50%プロピレンカーボネート溶液(SP170、旭電化社製)5重量部を用いたこと以外は実施例30と同様にして光硬化性樹脂組成物を得た。
スルホニウム・ボレート塩からなる光重合開始剤を用いる代わりに、ヨードニウムボレート塩(RP2074、ローディア社製)3重量部を用いたこと以外は実施例30と同様にして光硬化性樹脂組成物を得た。
実施例1〜35及び比較例1〜4で得られた光硬化性樹脂組成物について以下の評価を行った。なお、結果を表1〜4に示した。
実施例1〜29及び比較例1、2で得られた光硬化性樹脂組成物をべーカー式アプリケーターを用いて、離型処理ポリエステルフィルム上に厚みが100μmとなるように塗布した後、塗布面側から、超高圧水銀灯を用いて、40mWの強度で50秒間光を照射後、他の離型処理ポリエステルフィルムを貼り合わせた。その後、常温で1時間放置した後に、80℃で30分間加熱養生して、ポリエステルフィルムを剥離後、エポキシ転化率測定用の試料を作製した。なお、実施例30〜35及び比較例3、4で得られた光硬化性樹脂組成物については、他の離型処理ポリエステルフィルムを先に貼り合わせた後、超高圧水銀灯にて光を照射する以外は、上記と同様にしてエポキシ転化率測定用試料を作成した。
得られた試料を用い、エポキシ基の転化率(%)を下記式(1)より求めた。
転化率(%)=(Z0−Z1)/Z0×100 (1)
なお、Z0(mol/g)は、光照射前の光硬化性樹脂組成物中のエポキシ基含有量であり、Z1(mol/g)は、光照射後の所定時間経過したときの光硬化性樹脂組成物中のエポキシ基含有量である。
また、上記光硬化性樹脂組成物中のエポキシ基含有量は、所定量の組成物硬化物に対して、塩化水素ジオキサン溶液、エタノール1対1の割合で加え、室温で5時間程度攪拌した後、未反応の塩化水素を水酸化カリウムで逆滴定を行い求めた。なお、エポキシ基含有量(Zmol/g)は、下記式(2)より求めた。
Z(mol/g)=(S2−S1)×C×f/(Ws×1000) (2)
S1(mL):本試験に要した水酸化カリウムのエタノール溶液の滴定量
S2(mL):空試験に要した水酸化カリウムのエタノール溶液の滴定量
C(mol/L):滴定に用いた水酸化カリウムのエタノール溶液の濃度
f:滴定に用いた水酸化カリウムのエタノール溶液のファクター
Ws(g):フィルム試料の重量
なお、滴定試料がカルボキシル基等の酸を有するときは、予め酸の濃度を求めておき、その値をZから減じた値が、エポキシ基含有量となる。
実施例1〜29及び比較例1、2で得られた光硬化性樹脂組成物を、べーカー式アプリケーターを用いて、ガラス板(0.7mm厚)上に厚みが100μmとなるように塗布した後、塗布面側から、超高圧水銀灯を用いて、40mWの強度で50秒間光を照射後、他のガラス板を貼り合わせた。その後、常温で1時間放置した後に、80℃で30分間加熱養生して光線透過率測定用試料を作成した。なお、実施例30〜35及び比較例3、4で得られた光硬化性樹脂組成物については、他のガラス板を先に貼り合わせた後、超高圧水銀灯にて光を照射する以外は、上記と同様にして光線透過率測定用試料を作成した。
得られた光線透過率用試料について、COLOR ANALYZER TC−1800M(東京電色社製)を用いて、波長領域380〜780nmにわたって光線透過率を測定し、光線透過率の最も低い値を最低光線透過率とした。
光線透過率試験で得られた光線透過率用試料を110℃50時間加熱した後、COLOR ANALYZER TC−1800M(東京電色社製)を用いて、波長領域380〜780nmにわたって光線透過率を測定し、光線透過率の最も低い値を最低光線透過率とした。
エポキシ転化率測定用の試料を用いて、動的年弾性測定(DMA)を行いtanδのピークの位置の温度をガラス転移温度とした。
エポキシ転化率測定用の試料を所定の大きさ(6mmφ)に切断し、塩化カルシウムが入れられたJIS Z 0208に規定されたカップの上に設置し周辺をロウで密閉した。このカップを、85℃、85%RHにて24時間放置した後の重量変化を求めて透湿度を算出した。
(光後硬化による表示素子の作製)
実施例1、6、13、21、28,29及び比較例1、2で得られた光硬化性樹脂組成物を用いて、下記の方法により有機EL素子の作製を行った。
ガラス基板(25mm×25mm×0.7mm)にアルミニウム電極を100nmの厚さで成膜し、透明支持基板とした。この透明支持基板を真空蒸着装置の基板フォルダに固定し、第1の素焼き坩堝にα−NPDを200mg、第2の素焼き坩堝にAlq3を200mg、またタングステン製抵抗加熱ボートにフッ化リチウム200mgをそれぞれ入れ、真空チャンバー内を、1×10−4Paまで減圧した。その後、フッ化リチウムを0.2Å/sの蒸着速度で膜厚5Åで成膜し、次いで、Alq3を15Å/sの速度で蒸着し、300Åの発光層を成膜した。次いで、α−NPDを蒸着速度15Å/sで基板に堆積させ、膜厚600Åの正孔輸送層を成膜した。その後、酸化インジウムスズ(ITO)のターゲットを備えたスパッタリング装置に透明支持基板を移し、真空槽を2×10−4Paまで減圧した後、アルゴンガスを0.4Paとなるよう導入した。ITOを20Å/sの速度で1000Å成膜し、透明電極を設けた。更に、透明支持基板を酸化珪素のターゲットを備えたスパッタリング装置に移し、真空槽を2×10−4Paまで減圧した後、アルゴンガスを0.4Paとなるよう導入した。酸化珪素を20Å/sの速度で1000Å成膜し、素子の保護層を設けた。窒素により蒸着器内を常圧に戻し透明支持基盤を取り出して透明支持基盤上に作製したトップエミッション型有機EL素子基板を得た。
実施例1、6、13、21、28,29及び比較例1、2で得られた光硬化性樹脂組成物をガラス板に塗工装置を用いて20μmの厚さで全面に塗布し、高圧水銀灯を用いて波長365nmの紫外線を照射量が2000mJ/cm2となるように照射した。この基板を真空中で、上記(1)で作製した有機EL素子基板と貼合後、80℃で30分間加熱養生して封止することにより有機EL素子を作製した。
実施例30〜35で得られた光硬化性樹脂組成物を用いて、下記の方法により有機EL素子の作製を行った。
実施例36〜47及び比較例5、6で得られた有機EL素子の初期輝度、及び、得られた有機EL素子を温度60℃、湿度90%の条件下に100時間暴露した後、電圧を印加した場合のEL素子の輝度(暴露試験後輝度)を輝度計(トプコン社製、BM−9)にて測定した。なお、輝度は5Vの電圧を素子に印加したときの発光状態により評価した。結果を表5に示した。
また、表5に示すように、実施例36〜47で得られた有機EL素子は、暴露試験後も輝度の低下が少なく、信頼性の高いものであることが分かる。
Claims (5)
- 有機エレクトロルミネッセンス素子を封止するための有機エレクトロルミネッセンス素子封止剤であって、
光カチオン重合性化合物100重量部に対して光カチオン重合開始剤を0.1〜10重量部含有するものであり、
前記光カチオン重合性化合物は、ビスフェノール型エポキシ樹脂であり、
前記光カチオン重合開始剤は、下記一般式(2−1)で表されるカチオン部分又は下記一般式(3−1)で表されるカチオン部分と、下記式(4−1)で表されるアニオン部分とからなるスルホニウム・ボレート塩である
ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子封止剤。
- ビスフェノール型エポキシ樹脂は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子封止剤。
- 光カチオン重合性化合物100重量部に対して、硬化制御剤としてポリアルキレンオキサイド又はクラウンエーテルを1〜30重量部含有することを特徴とする請求項1又は2記載の有機エレクトロルミネッセンス素子封止剤。
- 基板の全面に塗布するものであることを特徴とする請求項1、2又は3記載の有機エレクトロルミネッセンス素子封止剤。
- 請求項1、2、3又は4記載の有機エレクトロルミネッセンス素子封止剤で封止されたことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
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