図1は、本発明の実施の第1形態である固体材料処理装置20の構成を示す断面図である。固体材料処理装置20は、たとえばシリコンなどの半導体の結晶体を製造する装置である。本実施の形態では、固体材料処理装置20は、シリコン単結晶体を製造する。固体材料処理装置20は、固体材料供給装置1と、材料準備チャンバ10と、準備チャンババルブ11と、材料処理チャンバ13と、処理装置バルブ15と、プルチャンバ14とを含んで構成される。
固体材料供給装置1は、詳細は後述するが、材料貯蔵容器5内に貯蔵する固体材料を材料投入バルブ2が有する投入バルブ開口部3aに向けて排出するとともに、固体材料が投入バルブ開口部3aから投入バルブ筐体3内に飛散して進入するのを防止して、材料処理チャンバ13内に固体材料を供給する装置である。本実施の形態では、固体材料は、シリコン単結晶体を製造するための原料となるシリコン固体材料21である。シリコン固体材料21の形状は、その1つの塊において、粒状、粉状、礫状などの任意の形状である。
材料準備チャンバ10は、固体材料処理装置20の周辺とは異なる不活性ガスが充填できるように構成され、固体材料供給装置1から排出されるシリコン固体材料21を、固体材料処理装置20の周辺に存在する外部気体に接触しない状態で収容する。本実施の形態では、前記不活性ガスはアルゴンガスであり、固体材料処理装置20の周辺には外部気体として空気が存在する。材料準備チャンバ10には、準備チャンバ気体供給口10aと、準備チャンバ気体排気口10bとが形成される。準備チャンバ気体供給口10aは、アルゴンガスが気体供給手段(不図示)によって材料準備チャンバ10内に供給される開口であり、材料準備チャンバ10の上壁面に形成される。本実施の形態では、アルゴンガスを供給するときのガス流量は、たとえば100L/minに設定する。準備チャンバ気体排気口10bは、材料準備チャンバ10内に存在する気体が材料準備チャンバ10外に排気される開口であり、排気手段(不図示)が接続され、材料準備チャンバ10の下壁面に形成される。材料準備チャンバ10は、固体材料供給装置1が有する材料投入バルブ2に形成される投入バルブ開口部3aから鉛直方向下方に配置され、投入バルブ開口部3aを介して固体材料供給装置1と接続される。
また材料準備チャンバ10の内部には、材料収容手段12が配置される。材料収容手段12は、材料収容容器12aとロッド12bとを含んで構成される。材料収容容器12aは、固体材料供給装置1から排出されるシリコン固体材料21を収容する凹所が形成される。材料収容容器12aは、たとえばステンレスなどの金属、グラファイトなどによって形成することができるが、その内壁面は、シリコン固体材料21の硬さよりも高い硬さをもつ材料によって被覆することが好ましい。前記材料としては、炭化珪素、窒化珪素などのセラミックス材料を挙げることができる。本実施の形態では、材料収容容器12aは、ステンレス(SUS304)から成る材料で形成され、その内壁面は、炭化珪素から成る材料で被覆される。ロッド12bは、材料収容容器12aの側面に固定される棒状部材である。材料収容手段12は、ロッド12bを介して材料収容容器12aを、水平方向に直線移動させ、水平方向に延びる回転軸線まわりに回転させることができるように構成される。材料収容手段12は、材料投入バルブ2に形成される投入バルブ開口部3aから鉛直方向下方に配置される。
準備チャンババルブ11は、材料準備チャンバ10と材料処理チャンバ13とを仕切る開閉可能なバルブである。準備チャンババルブ11は、筐体状に形成される準備バルブ筐体11aと、準備バルブ弁体11cとを含んで構成される。準備バルブ筐体11aには、準備バルブ開口部11bが形成される。準備バルブ開口部11bは、固体材料供給装置1から排出されて、材料準備チャンバ10内で収容されるシリコン固体材料21を、材料準備チャンバ10から材料処理チャンバ13に向けて排出するときの開口である。準備バルブ弁体11cは、板状に形成され、準備バルブ開口部11bを閉鎖または開放する。準備チャンババルブ11は、材料準備チャンバ10の側壁面に接して配置され、材料処理チャンバ13に形成されるチャンバ材料投入口13aを介して材料処理チャンバ13と接続される。
材料処理チャンバ13は、筐体状に形成される。材料処理チャンバ13内では、固体材料供給装置1から供給されるシリコン固体材料21を用いてシリコン単結晶体を成長させる。材料処理チャンバ13には、チャンバ材料投入口13aと、結晶引上げ口13bと、処理装置気体排気口13cとが形成される。チャンバ材料投入口13aは、固体材料供給装置1から排出されるシリコン固体材料21が材料処理チャンバ13内に投入される開口であり、材料処理チャンバ13の側壁面に形成される。結晶引上げ口13bは、材料処理チャンバ13内で成長させるシリコン単結晶体を引上げる開口であり、材料処理チャンバ13の上壁面に形成される。処理装置気体排気口13cは、材料処理チャンバ13内に存在する気体が材料処理チャンバ13外に排気される開口であり、排気手段(不図示)が接続され、材料処理チャンバ13の下壁面に形成される。
また材料処理チャンバ13の内部には、坩堝16と、加熱手段18とが配置される。坩堝16は、グラファイトから成る外坩堝16aと、石英から成る内坩堝16bとを含んで構成され、固体材料供給装置1から排出されるシリコン固体材料21およびシリコン固体材料21が融解されたシリコン融液22を貯留する部材である。外坩堝16aおよび内坩堝16bは、円筒状に形成され、上面から鉛直方向下方に向けて円柱状の凹所が形成される。外坩堝16aは、内坩堝16bを覆うように配置され、外坩堝16aの内壁面と内坩堝16bの外壁面とは接している。坩堝16は、結晶引上げ口13bから鉛直方向下方に配置される。また外坩堝16aの下壁面には、外坩堝16aの下壁面から鉛直方向下方に延びる坩堝回転軸17が固定される。加熱手段18は、坩堝16を加熱する手段である。加熱手段18は、坩堝16の周囲を囲むように設けられる。加熱手段18は、たとえば誘導加熱手段によって実現される。この場合、坩堝16の周囲を囲むように設けられた誘導加熱コイルに電流を流すことによって、坩堝16を加熱することができる。
処理装置バルブ15は、材料処理チャンバ13とプルチャンバ14とを仕切る開閉可能なバルブである。処理装置バルブ15は、筐体状に形成される処理バルブ筐体15aと、処理バルブ弁体15cとを含んで構成される。処理バルブ筐体15aには、処理バルブ開口部15bが形成される。処理バルブ開口部15bは、材料処理チャンバ13内で成長させたシリコン単結晶体が結晶引上げ口13bを介して通過する開口である。処理バルブ弁体15cは、板状に形成され、処理バルブ開口部15bを閉鎖または開放する。処理装置バルブ15は、材料処理チャンバ13に形成される結晶引上げ口13bから鉛直方向上方に配置され、結晶引上げ口13bを介して材料処理チャンバ13と接続される。
プルチャンバ14は、筐体状に形成され、材料処理チャンバ13内で成長させたシリコン単結晶体を収容する。プルチャンバ14には、処理装置気体供給口14aが形成される。処理装置気体供給口14aは、アルゴンガスが気体供給手段(不図示)によってプルチャンバ14内に供給される開口であり、プルチャンバ14の側壁面に形成される。本実施の形態では、アルゴンガスを供給するときのガス流量は、たとえば100L/minに設定する。処理装置気体供給口14aから供給されるアルゴンガスは、結晶引上げ口13bを介して材料処理チャンバ13内に流入し、材料処理チャンバ13に形成される処理装置気体排気口13cから材料処理チャンバ13外に排気される。プルチャンバ14は、処理装置バルブ15に形成される処理バルブ開口部15bから鉛直方向上方に配置され、処理バルブ開口部15bを介して処理装置バルブ15と接続される。
またプルチャンバ14の鉛直方向上方には、結晶引上げ手段19が配置され、プルチャンバ14の内部には、結晶引上げ手段19によって回転、昇降するワイヤケーブル19aが配置される。結晶引上げ手段19は、ワイヤケーブル19aを介してシリコン単結晶体を引上げて成長させる。
図2は、固体材料処理装置20が有する固体材料供給装置1の構成を示す断面図である。固体材料供給装置1は、材料貯蔵容器5と、材料投入バルブ2とを含んで構成される。材料貯蔵容器5は、詳細は後述するが、筒状部材6に形成される容器材料投入口6aから投入されるシリコン固体材料21を貯蔵する。また筒状部材6内に貯蔵されるシリコン固体材料21は、筒状部材6に形成される容器材料排出口6bから材料貯蔵容器5外に排出される。材料貯蔵容器5は、材料投入バルブ2に形成される投入バルブ開口部3aから鉛直方向上方に配置される。
材料投入バルブ2は、開閉可能なバルブである。材料投入バルブ2は、筐体状に形成される投入バルブ筐体3と、投入バルブ弁体4とを含んで構成される。投入バルブ筐体3には、投入バルブ開口部3aと投入バルブ当接面3bとが形成される。投入バルブ開口部3aは、材料貯蔵容器5が有する容器材料排出口6bから排出されるシリコン固体材料21が通過する開口である。投入バルブ当接面3bは、投入バルブ筐体3の内壁面に形成され、投入バルブ弁体4が投入バルブ開口部3aを閉鎖するときに当接する面である。本実施の形態では、投入バルブ当接面3bは、鉛直方向下方に向いている。つまり投入バルブ当接面3bは、容器材料排出口6bから排出されるシリコン固体材料21が投入バルブ開口部3aに向けて投入される投入方向に対して同一方向に向いている。
そのためシリコン固体材料21が投入バルブ開口部3aに向けて投入されるとき、シリコン固体材料21が投入バルブ当接面3bに接触するのを防止することができる。したがって投入バルブ当接面3bに傷がつくのを防止することができ、投入バルブ弁体4が投入バルブ開口部3aを閉鎖するときの気密性を維持することができる。
投入バルブ弁体4は、板状に形成され、投入バルブ開口部3aを閉鎖または開放する。投入バルブ弁体4の投入バルブ当接面3bと当接する面には、シール部材4aが配置される。材料投入バルブ2は、投入バルブ弁体4が投入バルブ当接面3bに当接または離反することにより、投入バルブ開口部3aを閉鎖または開放するように構成される。材料投入バルブ2は、投入バルブ開口部3aを介して材料準備チャンバ10と接続される。
図3は、固体材料供給装置1が有する材料貯蔵容器5の構成を示す斜視図である。図3(a)に示すように、材料貯蔵容器5は、筒状に形成される筒状部材6と、2つの開閉部材7,8を含んで構成される。筒状部材6には、シリコン固体材料21が投入される開口である容器材料投入口6aと、シリコン固体材料21が排出される開口である容器材料排出口6bとが形成される。
2つの開閉部材7,8は、矩形板状に形成され、容器材料排出口6bを閉鎖または開放する。第1開閉部材7の厚み方向一方の面は、容器材料排出口6bを閉鎖するときに容器材料排出口6bに当接する第1部材当接面7aとなる。第1部材当接面7aにおいて、第1開閉部材7の4つの縁辺のうち1つとなる縁辺に隣接して第1回転軸7cが形成される。また第1部材当接面7aにおいて、第1開閉部材7の第1回転軸7cが形成される縁辺の伸延方向両側に位置する2つの縁辺に隣接して、第1部材当接面7aに対して垂直になるように、それぞれ扇形板状の第1突出部材7bが形成される。第1開閉部材7は、第1回転軸7cが筒状部材6の近傍にくるように配置される。第1回転軸7cと筒状部材6との間隔は、装置サイズや取扱う固体材料の大きさを考慮して設定される。本実施の形態では、第1回転軸7cと筒状部材6との間隔は、1mm〜10mmの範囲で設定される。第1開閉部材7は、第1回転軸7cまわりに回転することで、容器材料排出口6bを閉鎖または開放するように構成される。
第2開閉部材8は、第1開閉部材7の第1部材当接面7aよりも大きい外形となる第2部材対向面8aを有する。第2部材対向面8aは、容器材料排出口6bを閉鎖するときに容器材料排出口6bに当接する第1開閉部材7に対向する。第2部材対向面8aにおいて、第2開閉部材8の4つの縁辺のうち1つとなる縁辺に隣接して第2回転軸8cが形成される。また第2部材対向面8aにおいて、第2開閉部材8の第2回転軸8cが形成される縁辺の伸延方向両側に位置する2つの縁辺に隣接して、第2部材対向面8aに対して垂直になるように、それぞれ扇形板状の第2突出部材8bが形成される。第2開閉部材8は、第2回転軸8cが筒状部材6の近傍にくるように配置される。第2回転軸8cと筒状部材6との間隔は、装置サイズや取扱う固体材料の大きさを考慮して設定される。本実施の形態では、第2回転軸8cと筒状部材6との間隔は、1mm〜10mmの範囲で設定される。また第2開閉部材8は、第2回転軸8cが筒状部材6を介して第1回転軸7cに対向するように配置される。第2開閉部材8は、第2回転軸8cまわりに回転することで、容器材料排出口6bを閉鎖または開放するように構成される。
開閉部材7,8および突出部材7b,8bは、たとえばステンレスなどの金属、グラファイトなどによって形成することができるが、第1部材当接面7a、第2部材対向面8aおよび突出部材7b,8bの内側に向く面は、シリコン固体材料21の硬さよりも高い硬さをもつ材料によって被覆することが好ましい。前記材料としては、炭化珪素、窒化珪素などのセラミックス材料を挙げることができる。本実施の形態では、開閉部材7,8および突出部材7b,8bは、ステンレス(SUS304)から成る材料で形成され、第1部材当接面7a、第2部材対向面8aおよび突出部材7b,8bの内側に向く面は、炭化珪素から成る材料で被覆される。
そのためシリコン固体材料21が接触することによって第1部材当接面7aおよび第2部材対向面8aに傷がつくのを防止することができる。したがって傷に由来する異物の発生を抑制することができ、材料貯蔵容器5から異物が排出されるのを防止することができる。
2つの開閉部材7,8が容器材料排出口6bを開放するとき、図3(b)に示すように、まず第2開閉部材8が第2回転軸8cまわりに鉛直方向下方に向けて回転する。そのあと図3(c)に示すように、第1開閉部材7が第1回転軸7cまわりに鉛直方向下方に向けて回転して、容器材料排出口6bを開放する。このとき容器材料排出口6bの周囲は、第1開閉部材7、第1突出部材7b、第2開閉部材8および第2突出部材8bによって、囲まれる。
図4は、固体材料供給装置1から固体材料が排出される様子を示す断面図である。固体材料供給装置1からシリコン固体材料21を排出するとき、開閉部材7,8は、回転軸7c,8cまわりに回転して、材料貯蔵容器5に形成される容器材料排出口6bを開放するとともに、材料投入バルブ2が有する投入バルブ筐体3に形成される投入バルブ開口部3aに挿通する。このとき突出部材7b,8bも投入バルブ開口部3aに挿通する。材料貯蔵容器5内に貯蔵されるシリコン固体材料21は、容器材料排出口6bが開放されることによって、容器材料排出口6bから鉛直方向下方に落下して排出されるとともに、投入バルブ開口部3aに挿通する開閉部材7,8および突出部材7b,8bに案内されて投入バルブ開口部3aを通過する。投入バルブ開口部3aを通過したシリコン固体材料21は、材料準備チャンバ10内に配置される材料収容手段12に向けて落下して、材料収容容器12a内に収容される。
そのため容器材料排出口6bを開放してシリコン固体材料21を材料貯蔵容器5から排出する排出動作と、開閉部材7,8を投入バルブ開口部3aに挿通させる挿通動作とを同時に行うことができるので、それぞれ別々の駆動源で排出動作と挿通動作とを行う場合に比べて、設備コストを低減することができるとともに、駆動制御を簡単化することができる。また材料貯蔵容器5に貯蔵されるシリコン固体材料21は、容器材料排出口6bから排出されるとともに、投入バルブ開口部3aに挿通する開閉部材7,8に案内されて投入バルブ開口部3aを通過するので、シリコン固体材料21が投入バルブ開口部3aから投入バルブ筐体3内に飛散して進入するのを防止することができる。
また2つの開閉部材7,8が容器材料排出口6bを開放するとともに投入バルブ開口部3aに挿通するので、シリコン固体材料21が投入バルブ開口部3aから投入バルブ筐体3内に飛散して進入する確率を低減することができる。
また開閉部材7,8が容器材料排出口6bを開放するとともに投入バルブ開口部3aに挿通するとき、開閉部材7,8に設けられる突出部材7b,8bも投入バルブ開口部3aに挿通する。そのためシリコン固体材料21が投入バルブ開口部3aから投入バルブ筐体3内に飛散して進入する確率を低減することができる。
また開閉部材7,8には回転軸7c,8cが形成されるので、開閉部材7,8は、回転軸まわりに回転することによって、容器材料排出口6bを開放するとともに投入バルブ開口部3aに挿通することができる。また回転軸7c,8cは、容器材料排出口6bが形成される筒状部材6の近傍に配置される。そのため開閉部材7,8が回転することによって、シリコン固体材料21が容器材料排出口6bから排出されるとともに、投入バルブ開口部3aに挿通する開閉部材7,8に案内されて投入バルブ開口部3aを通過するとき、シリコン固体材料21が開閉部材7,8に囲まれる領域外に飛散して容器材料排出口6bから排出されるのを防止することができる。
図5は、固体材料処理装置20における固体材料供給方法を示すフローチャートである。まずステップs0では、開閉部材7,8を材料貯蔵容器5に形成される容器材料排出口6bを閉鎖する閉鎖位置に位置させる。また材料投入バルブ2および準備チャンババルブ11を閉鎖させた状態で処理装置バルブ15を開放させて、排気手段によって材料処理チャンバ13およびプルチャンバ14内に存在する気体を、処理装置気体排気口13cを介して排気する。そのあとアルゴンガスを気体供給手段によって処理装置気体供給口14aから供給する。このようにして材料処理チャンバ13およびプルチャンバ14内にアルゴンガスを充填させてステップs1に進み、シリコン固体材料21を材料処理チャンバ13内に配置される坩堝16に供給する作業を開始する。
ステップs1では、シリコン固体材料21を材料貯蔵容器5に形成される容器材料投入口6aに向けて投入して、シリコン固体材料21を材料貯蔵容器5内に貯蔵する。次にステップs2では、材料投入バルブ2を開放させる。このとき材料投入バルブ2に形成される投入バルブ開口部3aから鉛直方向下方の材料準備チャンバ10内に材料収容容器12aが配置されている。
次にステップs3では、開閉部材7,8を回転軸7c,8cまわりに回転させる。このとき開閉部材7,8は、容器材料排出口6bを開放するとともに、投入バルブ開口部3aに挿通する。また開閉部材7,8に設けられる突出部材7b,8bも投入バルブ開口部3aに挿通する。材料貯蔵容器5内に貯蔵されるシリコン固体材料21は、容器材料排出口6bが開放されることによって、容器材料排出口6bから鉛直方向下方に落下して排出されるとともに、投入バルブ開口部3aに挿通する開閉部材7,8および突出部材7b,8bに案内されて投入バルブ開口部3aを通過する。投入バルブ開口部3aを通過したシリコン固体材料21は、材料準備チャンバ10内に配置される材料収容手段12に向けて落下して、材料収容容器12a内に収容される。
次にステップs4では、開閉部材7,8を回転軸7c,8cまわりに回転させて、容器材料排出口6bを閉鎖する。次にステップs5では、シリコン固体材料21が材料収容容器12a内に収容された状態で、材料投入バルブ2を閉鎖させる。このようにして材料準備チャンバ10を密閉してステップs6に進む。ステップs6では、排気手段によって材料準備チャンバ10内に存在する気体を、準備チャンバ気体排気口10bを介して排気する。次にステップs7では、アルゴンガスを気体供給手段によって準備チャンバ気体供給口10aから供給する。このようにして材料準備チャンバ10内にアルゴンガスを充填させてステップs8に進む。ステップs8では、準備チャンババルブ11を開放させる。
次にステップs9では、ロッド12bを介して材料収容容器12aを水平方向に直線移動させてチャンバ材料投入口13aを通過させ、材料収容容器12aを坩堝16の鉛直方向上方に移動させる。次にステップs10では、ロッド12bを介して材料収容容器12aを水平方向に延びる回転軸線まわりに回転させる。これによって材料収容容器12a内に収容されたシリコン固体材料21が、鉛直方向下方に落下して、坩堝16内に供給される。次にステップs11では、シリコン固体材料21が坩堝16内に供給されると、ロッド12bを介して材料収容容器12aを水平方向に直線移動させて、材料収容容器12aを材料準備チャンバ10内に戻す。次にステップs12では、準備チャンババルブ11を閉鎖させる。
次にステップs13では、終了するか否かを判断し、予め定められる終了条件を満足すると、ステップs14に進み、作業を終了する。終了条件は、固体材料供給装置1によって材料処理チャンバ13内に供給されたシリコン固体材料21を用いて、シリコン単結晶体を成長させ、シリコン単結晶体の製造が完了すると終了条件を満足する。シリコン単結晶体を成長させるとき、まず坩堝16内に投入されたシリコン固体材料21を融解して、シリコン融液22を坩堝16内に貯留する。このとき坩堝16は、加熱手段18によって加熱されている。
そのあと坩堝回転軸17まわりに坩堝16を回転させた状態で、坩堝16内に貯留されたシリコン融液22に、ワイヤケーブル19aの先端に固定される種結晶を浸し、結晶引上げ手段19によって徐々に種結晶を引上げることによって結晶を成長させる。このとき坩堝16から引上げられるシリコン単結晶体の成長容量に応じて、固体材料供給装置1によって、シリコン固体材料21を坩堝16に随時供給する。このようにしてシリコン単結晶体の引上げ作業が完了すると、処理装置バルブ15を閉鎖させて、シリコン単結晶体をプルチャンバ14内に収容し、シリコン単結晶体の製造が完了する。またステップs13において、終了条件を満足しない場合には、ステップs1に戻り、固体材料供給作業を繰返す。
以上のように本実施形態の固体材料処理装置20によれば、シリコン固体材料21をチャンバ材料投入口13aを介して材料処理チャンバ13内に供給するとき、容器材料排出口6bを開放してシリコン固体材料21を材料貯蔵容器5から排出する排出動作と、開閉部材7,8を投入バルブ開口部3aに挿通させる挿通動作とを同時に行うことができる固体材料供給装置1を含むので、それぞれ別々の駆動源で排出動作と挿通動作とを行う場合に比べて、設備コストを低減することができるとともに、駆動制御を簡単化することができる。
図6は、本発明の実施の第2形態である固体材料処理装置50の構成を示す断面図である。固体材料処理装置50は、固体材料供給装置31と、材料準備チャンバ40と、材料処理チャンバ13と、処理装置バルブ15と、プルチャンバ14とを含んで構成される。材料処理チャンバ13、処理装置バルブ15およびプルチャンバ14は、前述した実施の第1形態である固体材料処理装置20と同様に構成される。固体材料処理装置50において、固体材料処理装置20とは異なる、固体材料供給装置31および材料準備チャンバ40についてのみ以下に記載する。
固体材料供給装置31は、詳細は後述するが、材料貯蔵容器35内に貯蔵する固体材料を材料投入バルブ32が有する投入バルブ開口部33aに向けて排出するとともに、固体材料が投入バルブ開口部33aから投入バルブ筐体33内に飛散して進入するのを防止する。さらに固体材料供給装置31は、投入バルブ開口部33aを通過した固体材料がシュータ41内を滑り落ちて材料処理チャンバ13内に供給されるように構成される。固体材料供給装置31は、シュータ41が投入バルブ開口部33aから材料処理チャンバ13に形成されるチャンバ材料投入口13aに向けて下降勾配の傾斜面となるように配置される。またシュータ41がチャンバ材料投入口13aに挿通して、シュータ41の下端部が材料処理チャンバ13内に配置される坩堝16の鉛直方向上方となるように配置される。またシュータ41は、チャンバ材料投入口13aを介して材料処理チャンバ13と接続される。
材料準備チャンバ40は、不活性ガスであるアルゴンガスが充填できるように構成される。材料準備チャンバ40には、準備チャンバ気体供給口40aと、準備チャンバ気体排気口40bと、準備チャンバ蓋40cとが形成される。準備チャンバ気体供給口40aは、アルゴンガスが気体供給手段(不図示)によって材料準備チャンバ40内に供給される開口であり、材料準備チャンバ40の側壁面に形成される。本実施の形態では、アルゴンガスを供給するときのガス流量は、たとえば100L/minに設定する。準備チャンバ気体排気口40bは、材料準備チャンバ40内に存在する気体が材料準備チャンバ40外に排気される開口であり、排気手段(不図示)が接続され、材料準備チャンバ40の側壁面に形成される。準備チャンバ蓋40cは、開閉可能に形成され、材料準備チャンバ40の上壁面となる。材料準備チャンバ40は、投入バルブ開口部33aを介して材料投入バルブ32と接続される。
図7は、固体材料処理装置50が有する固体材料供給装置31の構成を示す断面図である。固体材料供給装置31は、材料貯蔵容器35と、材料投入バルブ32と、シュータ41とを含んで構成される。材料貯蔵容器35は、詳細は後述するが、筒状部材36に形成される容器材料投入口36aから投入されるシリコン固体材料21を貯蔵する。また筒状部材36内に貯蔵されるシリコン固体材料21は、筒状部材36に形成される容器材料排出口36bから材料貯蔵容器35外に排出される。材料貯蔵容器35は、容器材料排出口36bが材料投入バルブ32に形成される投入バルブ開口部33aに対向するように、材料準備チャンバ40内に配置される。
材料投入バルブ32は、開閉可能なバルブである。本実施の形態では、材料投入バルブ32は、材料準備チャンバ40と材料処理チャンバ13とを仕切るバルブである準備チャンババルブを兼ねる。材料投入バルブ32は、筐体状に形成される投入バルブ筐体33と、投入バルブ弁体34とを含んで構成される。投入バルブ筐体33には、投入バルブ開口部33aと投入バルブ当接面33bとが形成される。投入バルブ開口部33aは、材料貯蔵容器35が有する容器材料排出口36bから排出されるシリコン固体材料21が通過する開口である。投入バルブ当接面33bは、投入バルブ筐体33の内壁面に形成され、投入バルブ弁体34が投入バルブ開口部33aを閉鎖するときに当接する面である。本実施の形態では、投入バルブ当接面33bは、容器材料排出口36bから排出されるシリコン固体材料21が投入バルブ開口部33aに向けて投入される投入方向に対して同一方向に向いている。
投入バルブ弁体34は、板状に形成され、投入バルブ開口部33aを閉鎖または開放する。投入バルブ弁体34の投入バルブ当接面33bと当接する面には、シール部材34aが配置される。材料投入バルブ32は、投入バルブ弁体34が投入バルブ当接面33bに当接または離反することにより、投入バルブ開口部33aを閉鎖または開放するように構成される。
シュータ41は、前述したように、投入バルブ開口部33aから材料処理チャンバ13に形成されるチャンバ材料投入口13aに向けて下降勾配の傾斜面となり、材料貯蔵容器35から排出されるシリコン固体材料21をチャンバ材料投入口13aに導く。シュータ41は筒状に形成され、シュータ41が形成する傾斜面に対して投入バルブ開口部33aが垂直となり、投入バルブ開口部33aを囲むように投入バルブ筐体33に接続される。
シュータ41は、たとえばステンレスなどの金属、グラファイトなどによって形成することができるが、その内壁面は、シリコン固体材料21の硬さよりも高い硬さをもつ材料によって被覆することが好ましい。前記材料としては、炭化珪素、窒化珪素などのセラミックス材料を挙げることができる。本実施の形態では、シュータ41は、ステンレス(SUS304)から成る材料で形成され、その内壁面は、炭化珪素から成る材料で被覆される。
図8は、固体材料供給装置31が有する材料貯蔵容器35の構成を示す斜視図である。図8(a)に示すように、材料貯蔵容器35は、筒状に形成される筒状部材36と、第1開閉部材37とを含んで構成される。筒状部材36には、シリコン固体材料21が投入される開口である容器材料投入口36aと、シリコン固体材料21が排出される開口である容器材料排出口36bとが形成される。
第1開閉部材37は、矩形板状に形成され、容器材料排出口36bを閉鎖または開放する。第1開閉部材37の厚み方向一方の面は、容器材料排出口36bを閉鎖するときに容器材料排出口36bに当接する第1部材当接面37aとなる。第1部材当接面37aにおいて、第1開閉部材37の4つの縁辺のうち1つとなる縁辺に隣接して第1回転軸37cが形成される。また第1部材当接面37aにおいて、第1開閉部材37の第1回転軸37cが形成される縁辺の伸延方向両側に位置する2つの縁辺に隣接して、第1部材当接面37aに対して垂直になるように、それぞれ扇形板状の第1突出部材37bが形成される。第1開閉部材37は、第1回転軸37cが筒状部材36の近傍にくるように配置される。第1回転軸37cと筒状部材36との間隔は、装置サイズや取扱う固体材料の大きさを考慮して設定される。本実施の形態では、第1回転軸37cと筒状部材36との間隔は、1mm〜10mmの範囲で設定される。第1開閉部材37は、第1回転軸37cまわりに回転することで、容器材料排出口36bを閉鎖または開放するように構成される。
第1開閉部材37および第1突出部材37bは、たとえばステンレスなどの金属、グラファイトなどによって形成することができるが、第1部材当接面37aおよび突出部材37bの内側に向く面は、シリコン固体材料21の硬さよりも高い硬さをもつ材料によって被覆することが好ましい。前記材料としては、炭化珪素、窒化珪素などのセラミックス材料を挙げることができる。本実施の形態では、第1開閉部材37および第1突出部材37bは、ステンレス(SUS304)から成る材料で形成され、第1部材当接面37aおよび第1突出部材37bの内側に向く面は、炭化珪素から成る材料で被覆される。第1開閉部材37が容器材料排出口36bを開放するとき、図8(b)に示すように、第1開閉部材37が第1回転軸37cまわりに回転して、容器材料排出口36bを開放する。
図9は、固体材料供給装置31から固体材料が排出される様子を示す断面図である。固体材料供給装置31からシリコン固体材料21を排出するとき、第1開閉部材37は、第1回転軸37cまわりに回転して、材料貯蔵容器35に形成される容器材料排出口36bを開放するとともに、材料投入バルブ32が有する投入バルブ筐体33に形成される投入バルブ開口部33aに挿通して、シュータ41の内壁面に接触する。このとき第1突出部材37bも投入バルブ開口部33aに挿通する。
材料貯蔵容器35内に貯蔵されるシリコン固体材料21は、容器材料排出口36bが開放されることによって、容器材料排出口36bから排出されるとともに、第1開閉部材37の第1部材当接面37aに落下し、投入バルブ開口部33aに挿通する第1開閉部材37および第1突出部材37bに案内されて、第1部材当接面37a上を滑り落ちて、投入バルブ開口部33aを通過する。投入バルブ開口部33aを通過したシリコン固体材料21は、シュータ41内を滑り落ちて、材料処理チャンバ13内に配置される坩堝16に向けて落下する。
容器材料排出口36bから排出されるシリコン固体材料21は、第1部材当接面37aに落下して、第1部材当接面37a上を滑り落ちるので、第1部材当接面37aをシリコン固体材料21の硬さよりも高い硬さをもつ炭化珪素で被覆する効果が発揮される。
またシリコン固体材料21は、第1部材当接面37a上を滑り落ちて、投入バルブ開口部33aを通過するので、シリコン固体材料21が筒状部材36から見て、開放位置にある第1開閉部材37に対して垂直となる方向には飛散しない。そのためシリコン固体材料21が投入バルブ開口部33aから投入バルブ筐体33内に飛散して進入するのを防止するために必要な、投入バルブ開口部33aに挿通する開閉部材を1枚とすることができる。したがって複数の開閉部材を設ける場合に比べて、材料コストを低減することができるとともに、駆動制御を簡単化することができる。
また固体材料処理装置50では、材料投入バルブ32が材料準備チャンバ40と材料処理チャンバ13とを仕切るバルブである準備チャンババルブを兼ねる。また容器材料排出口36bから排出されるシリコン固体材料21は、シュータ41内を滑り落ちて、材料処理チャンバ13内に配置される坩堝16に供給されるので、前述した固体材料処理装置20が有する材料収容手段12を必要としない。そのため設備コストをさらに低減することができる。
図10は、固体材料処理装置50における固体材料供給方法を示すフローチャートである。まずステップa0では、第1開閉部材37を材料貯蔵容器35に形成される容器材料排出口36bを閉鎖する閉鎖位置に位置させる。また材料投入バルブ32を閉鎖させた状態で処理装置バルブ15を開放させて、排気手段によって材料処理チャンバ13およびプルチャンバ14内に存在する気体を、処理装置気体排気口13cを介して排気する。そのあとアルゴンガスを気体供給手段によって処理装置気体供給口14aから供給する。このようにして材料処理チャンバ13およびプルチャンバ14内にアルゴンガスを充填させてステップa1に進み、シリコン固体材料21を材料処理チャンバ13内に配置される坩堝16に供給する作業を開始する。
ステップa1では、まず材料準備チャンバ40が有する準備チャンバ蓋40cを開放させる。次にシリコン固体材料21を材料準備チャンバ40内に配置される材料貯蔵容器35が有する容器材料投入口36aに向けて投入して、シリコン固体材料21を材料貯蔵容器35内に貯蔵する。次にステップa2では、準備チャンバ蓋40cを閉鎖させて、材料準備チャンバ40を密閉してステップa3に進む。ステップa3では、排気手段によって材料準備チャンバ40内に存在する気体を、準備チャンバ気体排気口40bを介して排気する。次にステップa4では、アルゴンガスを気体供給手段によって準備チャンバ気体供給口40aから供給する。このようにして材料準備チャンバ40内にアルゴンガスを充填させてステップa5に進む。ステップa5では、材料投入バルブ32を開放させる。
次にステップa6では、第1開閉部材37を第1回転軸37cまわりに回転させる。このとき第1開閉部材37は、容器材料排出口36bを開放するとともに、投入バルブ開口部33aに挿通して、シュータ41の内壁面に接触する。また第1開閉部材37に設けられる第1突出部材37bも投入バルブ開口部33aに挿通する。材料貯蔵容器35内に貯蔵されるシリコン固体材料21は、容器材料排出口36bが開放されることによって、容器材料排出口36bから排出されるとともに、投入バルブ開口部33aに挿通する第1開閉部材37および第1突出部材37bに案内されて、第1開閉部材37の第1部材当接面37a上を滑り落ちて、投入バルブ開口部33aを通過する。投入バルブ開口部33aを通過したシリコン固体材料21は、シュータ41内を滑り落ちて、材料処理チャンバ13内に配置される坩堝16に向けて落下する。このようにしてシリコン固体材料21が坩堝16内に供給されてステップa7に進む。ステップa7では、第1開閉部材37を第1回転軸37cまわりに回転させて、容器材料排出口36bを閉鎖する。次にステップa8では、材料投入バルブ32を閉鎖させる。
次にステップa9では、終了するか否かを判断し、予め定められる終了条件を満足すると、ステップa10に進み、作業を終了する。終了条件は、固体材料供給装置31によって材料処理チャンバ13内に供給されたシリコン固体材料21を用いて、シリコン単結晶体を成長させ、シリコン単結晶体の製造が完了すると終了条件を満足する。シリコン単結晶体を成長させるとき、まず坩堝16内に投入されたシリコン固体材料21を融解して、シリコン融液22を坩堝16内に貯留する。このとき坩堝16は、加熱手段18によって加熱されている。
そのあと坩堝回転軸17まわりに坩堝16を回転させた状態で、坩堝16内に貯留されたシリコン融液22に、ワイヤケーブル19aの先端に固定される種結晶を浸し、結晶引上げ手段19によって徐々に種結晶を引上げることによって結晶を成長させる。このとき坩堝16から引上げられるシリコン単結晶体の成長容量に応じて、固体材料供給装置1によって、シリコン固体材料21を坩堝16に随時供給する。このようにしてシリコン単結晶体の引上げ作業が完了すると、処理装置バルブ15を閉鎖させて、シリコン単結晶体をプルチャンバ14内に収容し、シリコン単結晶体の製造が完了する。またステップa9において、終了条件を満足しない場合には、ステップa1に戻り、固体材料供給作業を繰返す。
以上のように本実施形態の固体材料処理装置50によれば、シリコン固体材料21をチャンバ材料投入口13aを介して材料処理チャンバ13内に供給するとき、容器材料排出口36bを開放してシリコン固体材料21を材料貯蔵容器35から排出する排出動作と、第1開閉部材37を投入バルブ開口部33aに挿通させる挿通動作とを同時に行うことができる固体材料供給装置31を含むので、それぞれ別々の駆動源で排出動作と挿通動作とを行う場合に比べて、設備コストを低減することができるとともに、駆動制御を簡単化することができる。
以上のような本実施の形態は、発明の例示に過ぎず、発明の範囲内において構成を変更することができる。たとえば固体材料供給装置1,31によって供給された固体材料を用いて、材料処理チャンバ13,43内でシリコン単結晶体を製造する例を示した。しかしながら本発明は、これに限定するものではなく、チャンバ13,43内で製造する結晶として、シリコン多結晶などを挙げることができる。またシリコンから成る結晶以外に、ゲルマニウムなどの元素半導体、ガリウム砒素などの化合物半導体を材料とする結晶が挙げられる。
またチャンバ13,43内で実施するプロセスは、坩堝16,46内に貯留した融液から結晶体を製造するプロセスに限定するものではなく、半導体材料または金属材料の融液から半導体材料または金属材料を析出体として析出させるプロセスなどに適用してもよい。また半導体材料は、たとえば光電変換素子として利用することができる。光電変換素子としては、電気エネルギを光に変換する発光ダイオードや半導体レーザなどを挙げることができ、光を電気エネルギに変換するフォトダイオードなどを挙げることができる。