JP6086275B2 - 被処理物投入装置 - Google Patents

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Description

本発明は、被処理物を気密状態で処理する処理装置の内部に、被処理物を外部から気密状態で投入するために用いられる被処理物投入装置に関するものである。
被処理物を気密状態で処理する処理装置が知られている。例えば、被処理物であるシリコン材料を処理装置の内部に設けられた炉体に投入して溶融し、溶融したシリコン材料を固体化させる処理を行うことによって、半導体基板の材料である単結晶シリコンを製造する処理装置が知られている。この単結晶シリコンの製造工程中、処理装置の内部は、外気とは異なる特殊な雰囲気中に置かれている。例えば、この処理装置の内部は、不活性ガス雰囲気や真空雰囲気とされている。
そして、前記処理装置の内部に、被処理物を外部から投入するための被処理物投入装置もまた知られている(例えば特許文献1)。
特許文献1に記載された被処理物投入装置(当該文献では「装入材供給装置」)は、ホッパーと、トラフと、振動部と、装入材投入室と、シュータとを備えたものである。ホッパーと、トラフと、振動部とは投入台車上に設けられて装入材投入室内に配置されており、この投入台車ごと、装入材投入室から引き出すことができる。装入材投入室は、内部が真空雰囲気とされている。
ホッパーには、被処理物(同「装入材」)が一時的に収容される。そして、トラフ及び振動部は、装入材を搬送するため、ホッパーの下方に設けられている。そして、シュータの一部が処理装置(同「真空槽」)の内部に挿入され、真空槽の内部と連通している。真空槽の内部には炉体が設けられている。装入材投入室と真空槽とは共に外気から密閉できるものとされており、各々の内部は気密状態とされる(具体的には、各々の内部は真空雰囲気におかれる)。つまり、装入材供給装置と真空槽の各々の内部は同じ真空雰囲気となる。これにより、装入材をホッパーからシュータを介して真空槽内の炉体へと気密状態で投入することができる。
特開2003−21470号公報
特許文献1に記載された被処理物投入装置では、ホッパーに収容された装入材が無くなる等してホッパーに装入材を補充しなければならなくなった場合、まず、装入材投入室に設けられた真空扉が開放される。そして、投入台車が装入材投入室から引き出され、その後、ホッパーに装入材が補充される。
しかしながら、この被処理物投入装置は、シュータを介して処理装置の内部と連通している。このため、処理装置の処理中において、被処理物を補充しようとすれば、被処理物投入装置の外気への開放(真空扉の開放)に伴い、処理装置の内部までが外気に開放されてしまう。このことから、処理装置の内部で保たれていた気密状態が崩されてしまう。よって、被処理物の補充は処理中にはできず、処理後に行う必要がある。このため、アイドルタイム(稼動停止時間)が増えるという問題があった。
そこで、本発明は、前記従来の被処理物投入装置が有している問題に鑑みてなされた。つまり、本発明は、処理装置の内部の特殊な雰囲気を崩すことなく、被処理物の被処理物投入装置への補充を行うことができる被処理物投入装置を提供することを課題とする。
本発明は、被処理物を気密状態で処理する処理装置の内部に、処理対象の被処理物を当該処理装置の外部から気密状態で投入するために用いられる被処理物投入装置であって前記処理装置は、前記被処理物を溶解する溶解るつぼと、当該処理装置に投入された被処理物を前記溶解るつぼへと導く案内通路部と、当該処理装置の外部に対して気密に遮断できるように開閉可能な閉鎖部とを備え、前記被処理物投入装置は、開閉可能な収容口を介して前記被処理物を気密状態で一時的に収容可能な被処理物収容部と、搬送部と、を備え、前記搬送部は、前記被処理物収容部から供給された前記被処理物を気密状態で前記処理装置に、当該処理装置の側方から投入するよう搬送する搬送通路部を有し、前記搬送通路部の少なくとも先端が、前記処理装置における前記閉鎖部が開放された状態で前記閉鎖部よりも前記処理装置側に位置する状態と、前記閉鎖部よりも前記被処理物収容部側に位置する状態とに切り替え可能とされ、前記搬送通路部の先端が前記処理装置側に位置する状態にて前記搬送部により搬送された被処理物は、前記処理装置において前記案内通路部を通って前記溶解るつぼへ送られ、前記搬送部は、前記搬送通路部の先端が前記処理装置側に位置する場合に、前記被処理物を前記処理装置の内部に投入可能であり、前記閉鎖部は、前記搬送通路部の先端が前記被処理物収容部側に位置する場合に閉鎖可能である被処理物投入装置である。
前記構成によると、搬送通路部の先端が被処理物収容部側に位置する場合に閉鎖部を閉鎖可能である。このため、処理装置内部の特殊な雰囲気を崩すことなく、被処理物収容部の収容口を開放して被処理物を補充できる。
更に、前記構成によると、案内通路部を備えるため、被処理物を確実に溶解るつぼへと導くことができる。
更に、本発明は、前記被処理物投入装置は、内部を気密状態とできる気密室部を備え、前記気密室部の内部には、前記被処理物収容部及び搬送部が配置されたものとすることが好ましい。
前記構成によると、気密室部内に前記被処理物収容部及び搬送部が配置されている。このため、気密室部を前進及び後退させることで、搬送通路部の先端を前進及び後退できる。
更に、本発明において、前記気密室部は、前記閉鎖部の後方に、前記搬送通路部の少なくとも先端が前記処理装置側の位置と前記被処理物収容部側の位置との間で移動するに伴い、前記移動の方向と同方向に伸縮する伸縮部を備えたものとすることが好ましい。
前記構成によると、気密室が伸縮部を備えている。このため、気密室の移動に伴う変位をこの伸縮部で吸収でき、閉鎖部よりも前方を固定したままで気密室部を前進及び後退できる。
また、本発明は、前記閉鎖部と前記気密室部との間に、両者を分離及び結合できるジョイント部を備え、前記気密室部は、前記ジョイント部が分離及び結合される際、水平方向に移動するものとすることが好ましい。
前記構成によると、ジョイント部を備えたことから、気密室部を閉鎖部から分離した上で移動させ、被処理物の補充作業を行いやすい。また、気密室部は水平方向に移動することから、ジョイント部の結合時に上下方向の位置調整が不要であり、結合作業が容易である。
本発明によれば、処理装置の内部の特殊な雰囲気を崩すことなく、被処理物収容部の収容口を開放できる。よって、処理装置の内部の特殊な雰囲気を崩すことなく、被処理物の被処理物投入装置への補充を連続して行うことができ、これによってアイドルタイム(稼動停止時間)を少なくして生産性を向上することができる。
処理装置と被処理物投入装置とを示す概要図である。 ジョイント部を設けた場合の、処理装置と被処理物投入装置とを示す概要図である。 ジョイント部の構造の一例を示す、縦断面視の概要図である。
本発明につき、一実施形態を取り上げて、図面とともに以下説明を行う。下記における方向の説明につき、「上下」とは、図1に示された上下方向を基準とする。また、「前後」とは、処理装置F1に近い側を前方、遠い側(あるいはホッパー11に近い側)を後方とする。また、「上流・下流」とは、被処理物Sの通過方向(流れ方向)を基準とする。
−処理装置−
まず、本実施形態に係る被処理物投入装置を設ける対象である処理装置F1について述べておく。この処理装置F1は、図1に示すように、内部を気密状態とでき、この内部に設けられた溶融るつぼF11にて被処理物Sを処理(溶融)できるように構成されている。被処理物Sは、側方から処理装置F1の内部に投入され、案内通路部2を通って溶融るつぼF11へと送られる。本実施形態の処理装置F1は、半導体基板の材料である単結晶シリコンを製造するために用いられる。溶融るつぼF11には、被処理物Sとして塊状である多結晶シリコン(シリコンナゲット)が入れられ、加熱されることにより溶融される。処理装置F1は、案内通路部2と開閉バルブ3とを備える。これらについては後述する。
ここで、本実施形態の単結晶シリコンの製造方法について簡単に説明しておく。まず、不活性ガス雰囲気中にて溶融るつぼF11に投入されたシリコンナゲットが約1800℃に加熱されて溶融される。この溶融状態とされたシリコン(以下、「溶湯」と記す)S1に、種となる単結晶シリコンが漬けられ、その後、この種となる単結晶シリコンが回転しつつゆっくりと持ち上げられることにより、結晶が成長していく。そして、最終的には略円柱状の固体である単結晶シリコン(インゴット)が形成される。つまり、処理装置F1は、溶湯S1から単結晶シリコンを引き上げるために用いられる(なお、引き上げのための機構は図示していない)。
本実施形態における不活性ガス雰囲気とは、具体的には、処理装置F1の内部空間が一度真空とされ、その後、この内部空間がアルゴンや窒素などの不活性ガスで満たされた雰囲気を指す。そのため、脱気ポンプ(真空ポンプ)及び不活性ガス供給管が処理装置F1に設けられている(図示していない)。なお、下記供給ユニット1の内部についても、下記の閉鎖部(開閉バルブ)3が閉じられていない場合においては、処理装置F1内と同じ不活性ガス雰囲気に置かれる。
ここで、被処理物Sの種類によっては処理装置F1の内部が真空雰囲気とされても良い。特に、溶湯S1から不純物を除去したい場合には、処理装置F1の内部が真空雰囲気とされる場合がある。ただ、このように真空雰囲気とされた場合では、被処理物Sの一部が処理装置F1の内部で蒸発してしまう。本実施形態ではそれが不都合であるため、不活性ガスの圧力によってシリコンの蒸発を抑えるために、不活性ガスが処理装置F1の内部に導入されている。なお、処理装置F1の内部に導入される不活性ガスの圧力は、被処理物Sの種類に対して最適なものとされる。
また、本実施形態では被処理物Sを構成する物質がシリコンであるが、本発明の対象となる被処理物Sはこれに限定されるものではない。シリコン以外の合金等の金属や樹脂などの種々の物質を被処理物Sとすることができる。
また、本実施形態における「処理」とは、シリコンナゲットの加熱による溶融、及び、溶湯S1からの引き上げによる単結晶シリコン(インゴット)の形成までの一連の操作を含んでいる。ただし、本発明における「処理」とは、本実施形態よりも広い概念であって、気密状態で被処理物Sに種々の物理変化あるいは化学変化を加えるための操作全般を指している。
−被処理物投入装置−
被処理物投入装置は、図1に示すように、前記処理装置F1の内部に当該処理装置F1の外部から被処理物Sを気密状態で投入できるように構成されている。この被処理物Sの投入については、最初の投入(溶融るつぼF11が空の状態からの投入)、及び、追加投入(溶融るつぼF11に既に被処理物Sが入っている状態からの投入)のいずれの投入も可能である。
この被処理物投入装置は、被処理物収容部としてのホッパー11、搬送部12、気密室部13を備える。以下では、前記構成の集合を供給ユニット1として説明する。そして、この被処理物投入装置は、前記構成の他、案内通路部2と閉鎖部としての開閉バルブ3とを備える。また、図2に示したように、前記構成の他にジョイント部5を備えても良い。
−気密室部−
まず、気密室部13について説明する。気密室部13は、外部に対して気密状態とできるように構成され、この気密室部13内にホッパー11及び搬送部12が配置されている。この気密室部13は、主に、タンク本体131、タンク蓋132、伸縮部としてのベローズ133を備えている。タンク本体131はステンレス合金製で略円筒形状に形成されている。このタンク本体131の上端は開口されていて、この開口部分に、ステンレス合金製で円板状のタンク蓋132が取り付けられることで、当該開口部分を気密に閉鎖できる。タンク本体131は、下部に車輪134を備えている。この車輪134は、前後及び水平方向に配置された支持レール4に沿って移動できる。これにより、タンク本体131を前後及び水平方向に移動できる。なお、図2に示すようにジョイント部5を設けた場合には、水平方向の移動でジョイント部5を結合でき、ジョイント部5の結合時には上下方向の位置調整が不要であるため、容易に結合作業を行える。
タンク本体131は側方開口部131aを有している。この側方開口部131aを貫通するように、タンク本体131から搬送部12におけるトラフ122の前方部分が突出している。この側方開口部131aには、ベローズ133の後方端部が気密に固定されている。ベローズ133の前方端部は開閉バルブ3(開閉バルブ3の後方にジョイント部5が存在する場合はジョイント部5)に気密に固定されている。一方、このベローズ133は前後方向に伸縮自在であり、前記のようにタンク本体131を前後方向に移動させた場合、この移動に伴って伸縮する。なお、この伸縮によってもベローズ133の前方端部の位置は一定である。
このように気密室部13が構成されたことにより、被処理物投入装置が処理装置F1に設けられた場合において、この気密室部13は、被処理物投入装置及び処理装置F1の外気に対する気密状態を保持できる。
−ホッパー−
ホッパー11は、被処理物Sが搬送されるまでの間、被処理物Sを一時的に収容しておくことのできる部位であって、開閉可能な収容口111を備えている。このホッパー11は、前記タンク本体131内に平板状の石英ガラスが組み合わせられて設けられている。このホッパー11は、下端が開放されており、この開放部分から被処理物Sが自然落下し、搬送部12に被処理物Sが取り出されるようになっている。収容口111は、被処理物Sがホッパー11内に収容される際に用いられる。この収容口111は、タンク蓋132をタンク本体131に取り付けることで閉鎖され、タンク蓋132をタンク本体131から外すことで開放される。
なお、前記石英ガラスは、被処理物Sの搬送経路のうちで被処理物Sが触れる部分に設けられている。これにより、磨耗による金属粉などの不純物が被処理物Sに混入する可能性を極力抑えることができ、純度の高い単結晶シリコンを製造することができる。
−搬送部−
搬送部12は、前記ホッパー11から取り出された被処理物Sを、案内通路部2へと気密状態で搬送させるための部位である。本実施形態では、この搬送部12として、電磁振動フィーダが用いられる。この搬送部12は、ホッパー11の下方に設けられている。
搬送部12は、駆動部121と搬送通路部としてのトラフ122とを備えている。駆動部121は図示のようにばね支持されており、駆動部121によりトラフ122を振動させて、トラフ122に載せられた被処理物Sを下流側へと搬送させることができる。トラフ122は、上部及び下流端が開放している樋状の部位であり、本実施形態では、内面に石英ガラスが内張りされている。このトラフ122は、ホッパー11の直下から前方かつ水平方向に延びるように設けられている。これにより、ホッパー11の下端から自然落下した被処理物Sは、トラフ122に載って下流側に搬送されていく。そして、トラフ122の下流端122aまで来た被処理物Sは、案内通路部2の上流端21へと落下する。
本実施形態においては、搬送部12として電磁振動フィーダを用いたことにより、処理装置F1に被処理物Sを連続して定量的に投入することが可能とされている。よって、溶融るつぼF11に被処理物Sを少量ずつ連続的に投入することができ、処理の効率化、高精度化を図ることができる。もちろん、微量の被処理物Sの投入も可能である。また、従来は被処理物を一気に溶融るつぼに投入していた場合があり、その場合、溶湯の跳ねや投入時の衝撃による溶融るつぼの破損などが発生する懸念があったが、前記のように電磁振動フィーダを用いたことにより、このような懸念を払拭できる。また、被処理物Sの微量投入が可能であることから、処理装置F1の稼動中に被処理物Sを溶融るつぼF11へ投入する場合であっても、溶湯S1の急激な温度低下を抑えることができ、品質管理上有利である。
前記のように、タンク本体131は前後方向に移動できる。このため、タンク本体131が移動すると、タンク本体131内に設けられた搬送部12も前後方向に移動する。この搬送部12の移動は、開放状態とされた開閉バルブ3を位置の基準として、トラフ122の先端122aが前方側(処理装置F1側)に位置する状態と後方側(ホッパー11側)に位置する状態とに切り替え可能とされている。トラフ122の先端122aが開閉バルブ3よりも前方側に位置する場合には、図1に破線で示すように、開放状態とされた開閉バルブ3をトラフ122が貫通し、当該先端122aが案内通路部2の上流端21の上方に位置する。これにより、トラフ122を搬送されてきた被処理物Sを案内通路部2に送ることができる。つまり、このように前方側に位置する搬送部12は、処理装置F1に被処理物Sを投入可能である。一方、トラフ122の先端122aが開閉バルブ3よりも後方側に位置する場合には、図1に実線で示すように、トラフ122の先端122aが開閉バルブ3の後方に位置する。これにより、開閉バルブ3を閉鎖できる。
−案内通路部−
ここで、処理装置F1に属する案内通路部2についてここで説明しておく。案内通路部2は、下斜め前方へ傾斜するように配置された、石英ガラス製の直線状パイプであり、処理装置F1の内部に固定されている。この案内通路部2は、処理装置F1の内部において、前記トラフ122の先端122aが開閉バルブ3よりも前方側に位置する状態とされた搬送部12により搬送された被処理物Sが通過する部位である。この案内通路部2の上流端21は、前記状態とされた搬送部12の先端から被処理物Sを受けることができる位置にある。そして、この案内通路部2における下流端22は、溶融るつぼF11の上方に位置する。これにより、被処理物Sを重力により自然落下させて溶融るつぼF11に投入できる。
案内通路部2の上流端21については、先端に向かうにつれ内径寸法が拡大するラッパ状に形成されていても良い。このように上流端21がラッパ状の場合、搬送部12の下流端122aから落下する被処理物Sをこの上流端21で漏れなく受けることができる。一方、案内通路部2の下流端22は、本実施形態では、垂直面に沿ってカットされた形状とされているが、水平面に沿ってカットされた形状等、種々の形状とできる。
本実施形態では、被処理物Sは処理装置F1の側方から投入されるように構成されている。これにより、処理装置F1の上方から投入されるように構成されたものに比べると、案内通路部2の上流端21と下流端22との間の距離を短縮することが可能である。つまり、案内通路部2の長さを短縮できる。このため、落差を小さくでき、被処理物Sを溶融るつぼF11に投入した際の溶湯S1の跳ね上がりを小さくできる。よって、処理装置F1の内部が汚れることを抑制できる。
−開閉バルブ−
また、処理装置F1に属する開閉バルブ3についてここで説明しておく。開閉バルブ3は、供給ユニット1と処理装置F1との間を気密に遮断できる部位である。本実施形態の開閉バルブ3は、図1に示すように、処理装置F1の外側に設けられたゲートバルブである。この開閉バルブ3を閉鎖することで、処理装置F1を気密状態とできる。開閉バルブ3に用いるバルブの種類としては、本実施形態のゲートバルブ以外に、例えばグローブバルブ、ボールバルブ、バタフライバルブなどの種々のバルブが使用できる。
このように開閉バルブ3を設けることにより、開閉バルブ3を閉鎖すれば、処理装置F1の内部の不活性ガス雰囲気を保ったままで、ホッパー11を外気に開放することが可能となる。そのため、溶融るつぼF11における被処理物Sの溶融を続けたまま、タンク蓋132を開けてホッパー11に被処理物Sを補充することが可能となる。そして、ホッパー11への被処理物Sの補充後、開閉バルブ3を開放し、タンク本体131と共に搬送部12を前進させることによって、ホッパー11に新たに補充された被処理物Sを溶融るつぼF11内に投入することができる。なお、ホッパー11に新たに補充された被処理物Sを溶融るつぼF11内に投入する場合には、開閉バルブ3を開放する前に、供給ユニット1内を不活性ガス雰囲気としておく必要がある。
従来、ホッパーに収容された被処理物が無くなってしまった場合、溶融るつぼを一度冷却した上で、不活性ガス雰囲気を解除し、ホッパーに被処理物を補充し、再び不活性ガス雰囲気としてから溶融るつぼを再加熱する必要があった。このため、時間のロス、より具体的にはアイドルタイム(稼動停止時間)が多く、品質管理上も望ましくなかった。これに対して本実施形態では、開閉バルブ3を設けることにより、処理装置F1の内部の不活性ガス雰囲気を崩すことなく、被処理物Sの被処理物投入装置F1への補充を行うことができ、これによってアイドルタイムを少なくして生産性を向上することができる。
−ジョイント部−
図2に示すように、被処理物投入装置にジョイント部5を設けることもできる。図示した例では、ベローズ133と開閉バルブ3との間にジョイント部5が設けられている。このようにジョイント部5を設けた場合には、ジョイント部5を挟んだ一方側の部位と他方側の部位とを分離及び結合可能である。この例では、供給ユニット1と開閉バルブ3とを分離可能である。このため、例えば支持レール4を上下方向に移動可能な架台上に設けること等により、供給ユニット1を処理装置F1から取り外して都合の良い位置に移動させることで、被処理物Sの補充作業を行いやすくできる。また、ジョイント部5を設けた場合には、1台の供給ユニット1で複数の処理装置F1…F1に被処理物Sを供給することもできる。
ジョイント部5の構造の一例を図3に示す。このジョイント部5は、開閉バルブ3側に位置する前方部材51と、ベローズ133側に位置するもので、当該前方部材51に接合できる後方部材52とを備えている。各部材51,52は略円板状で、前後方向に対向して設けられる。各々の径方向中央には貫通穴部511,521が設けられ、この貫通穴部511,521の空間にトラフ122が通される。また、前方部材51の後方側端部には、内面がテーパ面とされた誘導部512が設けられている。一方、後方部材52の前方側端部には、外面がテーパ面とされた被誘導部522が設けられている。この誘導部512と被誘導部522とは、前方部材51と後方部材52とが接合されようとする際に、被誘導部522が誘導部512に誘導されることによって接合状態となるように構成されている。このように被誘導部522が誘導部512に誘導されることで、ジョイント部5の接合作業を容易にできる。
最後に、本実施形態に係る被処理物投入装置を用いて被処理物Sを補充する手順について簡単にまとめておく。処理装置F1にて被処理物Sを処理中に、溶融るつぼF11の被処理物Sが少なくなってきた場合、搬送部12の操作によって、ホッパー11に収容されていた被処理物Sがトラフ122と案内通路部2とを通って搬送され、溶融るつぼF11に投入される。この状態では、開閉バルブ3が開放されている。
ホッパー11の被処理物Sが無くなった場合、まず、作業者は、開閉バルブ3を閉鎖する。そして作業者は、タンク蓋132をタンク本体131から外すことにより、収容口111を開放する。その後、ホッパー11に被処理物Sを補充する。この際、開閉バルブ3が閉鎖されているため、処理装置F1内部の不活性ガス雰囲気は維持されている。なお、収容口111の開放に先立ち、作業者は、供給ユニット1に設けられたコック(図示しない)を開放することにより、当該供給ユニット1内に外気を導入して不活性ガス雰囲気を解除しておく。
作業者は、前記のように被処理物Sを補充した後、開閉バルブ3を開放し、タンク本体131を前方に移動させ、トラフ122の先端122aを案内通路部2の上流端21の上方に位置させる。これにより、被処理物Sを溶融るつぼF11に投入可能な状態とする。なお、開閉バルブ3を開放するに先立ち、作業者は、処理装置F1の内部空間を一度真空とした上で、不活性ガスを導入することにより、供給ユニット1内を不活性ガス雰囲気とする。
以上、本発明につき一実施形態を取り上げて説明してきたが、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、ホッパー11及び搬送部12は、気密室部13内に配置された形態に限られるものではなく、外部に対して気密状態とできるように構成された各々が、気密に連結された形態であっても良い。
また、搬送部12のみが前後方向に移動する形態であっても良い。更には、トラフ122が伸縮可能に構成され、先端122aのみが前後方向に移動する形態であっても良い。
また、搬送部12について、例えば斜め下方等に向かう部位を備えたものとし、重力による自然落下によって被処理物Sを搬送する形態であっても良い。
また、搬送部12として、本実施形態のような電磁振動フィーダに限らず、例えば、ベルトコンベアやローラコンベアのように、被処理物Sに外力を与えることで、一方側から他方側へと被処理物Sを搬送させることのできる機能を有するものであれば、種々の搬送機構を用いることができる。なお、このような搬送機構を用いる場合においても、被処理物Sの搬送方向を水平方向以外(斜め下方等)としても良い。
また、案内通路部2が処理装置F1に対して移動可能とされていても良い。例えば、下流端22の位置を変更できるようにしておくことで、溶湯S1から引き上げられる単結晶シリコンに干渉しないようにできる。
1 供給ユニット
11 被処理物収容部、ホッパー
111 収容口
12 搬送部
122 搬送通路部
122a 搬送通路部の先端、トラフの下流端
13 気密室部
133 伸縮部、ベローズ
2 案内通路部
3 閉鎖部、開閉バルブ
5 ジョイント部
F1 処理装置
F11 溶解るつぼ
S 被処理物、シリコンナゲット

Claims (4)

  1. 被処理物を気密状態で処理する処理装置の内部に、処理対象の被処理物を当該処理装置の外部から気密状態で投入するために用いられる被処理物投入装置であって
    前記処理装置は、前記被処理物を溶解する溶解るつぼと、当該処理装置に投入された被処理物を前記溶解るつぼへと導く案内通路部と、当該処理装置の外部に対して気密に遮断できるように開閉可能な閉鎖部とを備え、
    前記被処理物投入装置は、開閉可能な収容口を介して前記被処理物を気密状態で一時的に収容可能な被処理物収容部と、搬送部と、を備え、
    前記搬送部は、前記被処理物収容部から供給された前記被処理物を気密状態で前記処理装置に、当該処理装置の側方から投入するよう搬送する搬送通路部を有し、前記搬送通路部の少なくとも先端が、前記処理装置における前記閉鎖部が開放された状態で前記閉鎖部よりも前記処理装置側に位置する状態と、前記閉鎖部よりも前記被処理物収容部側に位置する状態とに切り替え可能とされ、
    前記搬送通路部の先端が前記処理装置側に位置する状態にて前記搬送部により搬送された被処理物は、前記処理装置において前記案内通路部を通って前記溶解るつぼへ送られ、
    前記搬送部は、前記搬送通路部の先端が前記処理装置側に位置する場合に、前記被処理物を前記処理装置の内部に投入可能であり、
    前記閉鎖部は、前記搬送通路部の先端が前記被処理物収容部側に位置する場合に閉鎖可能である被処理物投入装置。
  2. 前記被処理物投入装置は、内部を気密状態とできる気密室部を備え、
    前記気密室部の内部には、前記被処理物収容部及び搬送部が配置された請求項1に記載の被処理物投入装置。
  3. 前記気密室部は、前記閉鎖部よりも前記被処理物収容部寄りに、前記搬送通路部の少なくとも先端が前記処理装置側の位置と前記被処理物収容部側の位置との間で移動するに伴い、前記移動の方向と同方向に伸縮する伸縮部を備えた請求項2に記載の被処理物投入装置。
  4. 記閉鎖部と前記気密室部との間に、両者を分離及び結合できるジョイント部を備え、
    前記気密室部は、前記ジョイント部が分離及び結合される際、水平方向に移動する請求項2または3に記載の被処理物投入装置。
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