JP4932999B2 - 印刷機のインキ装置 - Google Patents

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  • Inking, Control Or Cleaning Of Printing Machines (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、請求項1の前提項に記載された、薄膜インキ装置として構成され、複数のインキ領域に分割されたインキ配量装置とインキつぼローラとの間に嵌め込まれたインキつぼ薄片を有するインキつぼを備えている、印刷機のインキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ドイツ特許出願公開明細書第19914179号には、インキつぼ薄片がインキ配量装置の配量部材の支持柱によってインキつぼローラに押し付けられ、それによってインキつぼ薄片が大きな機械的負荷を受けるようなインキ装置が記載されている。このインキつぼ薄片は、大きな機械的負荷を受けるにもかかわらずインキつぼ薄片の長い耐久時間を確保するために、針金状体として形成された摩耗しにくい領域を有している。この摩耗しにくい領域の摩耗は小さいものの、このようなインキつぼ薄片の製造コストは比較的高価である。この複雑で高価なインキつぼ薄片に代えて、より簡単でより安価なインキつぼ薄片を、使い捨て品として利用できることが望ましい。インキつぼ内でインキつぼ薄片上にある残留インキを、次の印刷ジョブに使われる他の印刷インキに換えるあらゆる場合に、インキつぼ薄片を廃棄し、新しいインキつぼ薄片をインキつぼ内に嵌め込むことが有効である。しかし、これは、インキ交換がしばしば必要であることを考慮すると、安価なインキつぼ薄片を使用できる場合にのみ有効である。
【0003】
さらに、ドイツ特許発明明細書第3804204号には、領域ごとに調節可能な配量装置を備え、かつインキつぼ内に配置されたインキつぼローラを備えている薄膜インキ装置が記載されている。この薄膜インキ装置の欠点は、この薄膜インキ装置は、インキつぼに残った全ての残留インキを、へらや布を用いて時間のかかる作業によってインキつぼから取り除くという面倒な方法によってのみ清掃可能なことである。したがって、この薄膜インキ装置は、巻き取り紙印刷機においてインキ交換がめったにないためにインキつぼの清掃の間隔が非常に空いているような、前記した特許発明明細書に示された巻き取り紙印刷機にのみ適している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
同様に、インキつぼ薄片を有するインキつぼと、掻き取り縁を有する複数の舌状片に分割された、領域ごとのインキ配量のためのインキ出し調整板とを備える、ドイツ特許発明明細書第3203500号に記載された枚葉紙印刷機の呼び出しローラインキ装置は、他の従来技術を示している。各舌状片は、インキつぼローラの外套面に対して、各インキ領域でのインキ必要量に応じて開いた配量間隙に、また、インキが不要なインキ領域では統一的な基本位置、すなわち閉じたゼロ位置に調節可能である。基本位置に位置調節された各舌状片は、インキつぼ薄片を、張力をかけてインキつぼローラに押しつける。この張力は、インキつぼ薄片が嵌め込まれていない状態で、各掻き取り縁がインキつぼローラの外套面に対して正確に調節される組み立てにより生じ、薄片の強度の概ね50%に相当する。さらに、このインキつぼ薄片は平滑で硬い表面を有している。印刷運転中にインキつぼローラに接することによって起こるインキつぼ薄片の摩耗は、統一的基本位置とインキつぼ薄片の表面構造の調節によって場合によってはわずかに減らせるものの、この摩耗は前記した方法では十分には防げない。生じた摩耗は確かにインキつぼ薄片の弾性によってある程度補償されるが、その結果として生じる張力変化は配量の不正確さにつながる。これは、張力が弱まっている場合には、インキが、本来は閉じた状態に保たれるべきインキ領域内のインキの動圧に基づいて、インキつぼからインキつぼローラとインキつぼ薄片との間を通って送られるからである。
【0005】
したがって本発明の目的は、より簡単かつ安価なインキつぼ薄片を用いることができる、冒頭に述べたような種類のインキ装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記の目的は、請求項1の特徴を有するインキ装置によって達成される。
【0007】
本発明の印刷機のインキ装置は、インキつぼ薄片が、印刷時に、各インキ領域の内側で調節可能な配量間隙の範囲内でインキつぼローラに接触しない状態に保たれていることを特徴とする。
【0008】
本発明のインキ装置の顕著な利点は、本インキ装置は、配量安定性を損なうことなく、従来技術(ドイツ特許出願公開明細書第19914179号)によってのみ低減される摩耗をもはや全く生じることがない、簡単で安価なインキつぼ薄片を用いることができることである。1つの印刷ジョブの後、インキつぼ内にある残留インキの大部分が、インキつぼ薄片と共にインキつぼから取り除かれ得る。この後、次の印刷ジョブに使われるインキがインキつぼ内に充填される前に、非常に素早く実行可能なインキつぼの念入りな清掃を行い、汚れのない新しいインキつぼ薄片をインキつぼに嵌め込むだけでよい。
【0009】
本発明のインキ装置の他の利点は、枚葉紙印刷機に用いることに非常に適していることである。枚葉紙印刷機の場合、典型的な印刷ジョブは、通常、印刷量が少なく、その結果工程時間が短い。さらに、例えば、各印刷ジョブの際に他の特殊なインキまたは顧客のインキが用いられるために、印刷ジョブごとにインキ交換が必要になる場合が多い。そのため、枚葉紙印刷機のインキつぼを非常に頻繁に清掃しなければならず、この場合、この清掃は、枚葉紙印刷機に本発明のインキ装置を用いた場合には、そのインキつぼ薄片によって、高コストとなることなく迅速に実行可能である。
【0010】
本発明のインキ装置のさらに他の利点は、非常に優れた配量の安定性と配量の正確さにある。このインキ装置を薄膜インキ装置として構成することによって、インキつぼ薄片が、印刷時に、インキつぼローラとインキ配量装置との間の範囲内で、インキ装置の全インキ領域にわたって、インキつぼに付属するインキつぼローラに全く接触しない状態に保たれることが可能になる。したがって、印刷運転中には、インキつぼに付属するインキ配量装置のインキ領域を1つとして完全に閉じる必要がなく、この結果、インキが不要な各インキ領域内でも、各インキ領域の幅全体にわたって、インキつぼ薄片とインキつぼローラとの間に圧力がないごく小さな間隙が存在している。インキが不要なインキ領域では、インキがインキつぼローラによって、インキつぼから非常に小さい間隙を通って送られていくが、インキつぼローラに付属する薄膜ローラは、インキをインキつぼローラによって、インキが必要なインキ領域でのみ受け取り、インキが不要なインキ領域では受け取らない。インキが不要な各インキ領域における、ごく小さい間隙の大きさは、インキつぼローラが薄膜ローラとともに形成する薄膜間隙の大きさに概ね相当する。インキが必要な各インキ領域では、このごく小さい間隙をそれぞれのインキ必要量に応じて大きくすることによって、配量間隙が得られる。インキつぼローラによってインキつぼから送られるインキ薄膜の、配量間隙の大きさによって決定される厚さは、薄膜ローラがこのインキ薄膜の一部を受け取るような大きさである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0012】
図1には、枚葉紙印刷機として構成された印刷機1の部分図が示されている。これは、版胴2と、ゴムブランケット胴3と、被印刷体枚葉紙5を保持するくわえづめ列4を備える圧胴6とから構成された、印刷機1のオフセット印刷ユニットを示している。給湿を行う湿し装置7と、インキ盛りを行うインキ装置8が、版胴2に付属している。
【0013】
インキ装置8は、呼び出しローラのない薄膜インキ装置として構成されており、また、くさび状のインキつぼ9と、その端部に密接して配置されたインキつぼローラ10と、薄膜ローラ11と、軸方向に振動する横振りローラ12,13と、ゴムからなる柔らかい被覆を外周側に備えた、転写ローラとして機能するインキローラ14,15と、版胴2上を転がるインキ着けローラ16,17とから構成されている。薄膜ローラ11は、版胴2の外周面速度に相当する外周面速度で回転し、インキつぼローラ10は、薄膜ローラ11よりも実質的に遅い外周面速度で回転する。薄膜ローラ11の溝を有する外周面とインキつぼローラ10の平滑な外周面との間には、0.01〜0.10ミリメートル、好ましくは0.05ミリメートルよりも広く開いた薄膜間隙18が存在している。
【0014】
薄膜間隙18について述べたこの寸法は、大きいピッチで巻かれた複数の螺旋状の、薄膜ローラ11の外周面構造19(図3参照)の盛り上がった構造部(フランジ部)について測定するものとする。薄膜間隙18は、外周面構造19の窪んだ構造部(溝部)の領域では、前記した寸法よりもわずかに広くなる。この外周面構造19は、薄膜ローラ11を通してインキつぼローラ10の表面に領域ごとに異なる厚さに配量されるインキ薄膜を掻き取ることに関して有利である。
【0015】
インキつぼ9は、個々のインキ領域内で印刷幅を越えて領域ごとに異なる、インキつぼローラ10の表面にあるインキ薄膜のインキプロフィルを調節するために、インキ配量装置20と共に一体構造をなしている。インキ配量装置20は、インキつぼ9からのインキの流れを各インキ領域で制御する、インキ出し調節板に密接して並べて配置されている複数の舌片状の配量部材24,25(図3参照)から構成されている。各配量部材24,25は、ウォームギア21を介して個別に、電動サーボモータ23によってインキつぼローラ10に接近したり離れたりするように、このウォームギア21にリンク接続された調節用偏心輪22に位置調節可能に配置されている。各調節用偏心輪22は、この各調節用偏心輪22がどれだけ遠くまで揺動するかに応じて、各配量部材24,25の掻き取り縁の近くで配量部材24,25の下面に多少強く押し付けられ、この結果、配量部材24,25はインキつぼローラ10と共に多少大きい間隙を形成する。
【0016】
合成樹脂からなり弾性を有するインキつぼ薄片26が、各配量部材24,25の掻き取り縁とインキつぼローラ10との間で、前記した間隙を通って延びており、このインキつぼ薄片26は、インキつぼ9の内部で、配量部材24,25上でこれらに対し間隔を置いて配置された、インキつぼ9の底部27上に載っており、インキつぼ9の外部で、スポンジゴムからなる柔らかい押圧縁部28によってインキつぼローラ10に対して軽く押圧される。底部27は、印刷幅の方向に平坦に延びており、配量部材24,25および全インキ領域にわたって閉じられている。インキつぼ薄片26は、配量部材24,25上に直接載っていないので、配量部材24をその横にある他の配量部材25に対し位置調整する際に、インキつぼ薄片26の広い面積にわたって皺が寄ることが有効に防止される。
【0017】
各配量部材24,25とインキつぼローラ10との間の、インキつぼ薄片26の厚さを除く、前記した間隙の大きさが、インキつぼ9内でインキつぼ薄片26上に溜められたインキがインキつぼ9から流れ出るときに通る配量間隙29の大きさになる。領域ごとのインキ必要量に応じ、それに応じた配量部材24,25の位置調整によって多少広く開かれる、このような配量間隙29は、印刷運転時にインキつぼ薄片26とインキつぼローラ10との間の各インキ領域の範囲内にある。
【0018】
回転するインキつぼローラ10により場合によっては起こり得るインキつぼ薄片26の磨耗を防止することに関しては、印刷運転中に、インキ配量装置20全体のうちのどの配量間隙29におけるインキつぼ薄片26もインキつぼローラ10に接していない、つまり、インキ配量装置20の各配量間隙29が多かれ少なかれ開いていると有利である。
【0019】
印刷運転の終了後であってインキ装置8の洗浄前に、インキつぼローラ9から大部分のインキを取り除くために、インキ配量装置20の全ての配量部材24,25をインキつぼローラ10にて位置調整することができ、この結果、インキつぼ薄片26は全インキ領域で均等にインキつぼローラ10に押圧され、これによってこのインキつぼローラ10上にあるインキ薄膜はほぼ完全に掻き取られる。この場合、配量部材24,25は、これら配量部材24,25が、印刷運転中に、インキが不要なインキ領域に相応して調節されて占める位置を越えて、インキつぼローラ10に向かって位置調節される。洗浄前に、回転するインキつぼローラ10のインキ掻き取りの際に生じるインキつぼ薄片26の磨耗は、後続の印刷ジョブのためにインキつぼ9に新しいインキつぼ薄片26が嵌め込まれ、新しいインキつぼ薄片26の折り曲げられた後縁が、インキつぼローラ10に対向する、インキつぼ9の端部に配置されたフック状の保持装置に引掛けられるので、もはや障害とはならず、後続の印刷ジョブの際にインキ配量装置20の配量の精度に影響を与えることはない。インキの掻き取りの際に擦り減った古いインキつぼ薄片26は、その上に載った残留インキとともにインキつぼ9から取り外してその後で廃棄することができる。
【0020】
印刷運転中に、例えば配量部材25が、インキが不要なインキ領域に相応した位置調節を施される場合、インキつぼローラ10は、それにもかかわらずこのように位置調節された配量部材25によって幅が定められる配量間隙29に相応するインキ薄膜を、配量間隙29を通して送る。しかしながら、このインキ薄膜は、インキが不要なインキ領域の範囲内では、薄膜ローラ11によってインキつぼローラ10から受け取られることはない。それは、配量間隙29とこれによってインキつぼローラ10上に生じる縞状のインキ薄膜の厚さとが、それぞれ、薄膜ローラ8に付属する調節装置によって大きさを調節可能な薄膜間隙18よりも薄いからである。
【0021】
インキ配量装置20の各調節用偏心輪22は、インキつぼ9の中空でない本体30に直接形成され、角柱状の溝を有する軸受31と、各調節用偏心輪22の円弧状湾曲部34の中心点に対して偏心するようにずらして配置された回転軸33を有し、軸受31内に嵌め込まれた軸受ジャーナル32とを備えている。軸受ジャーナル32をこのように支持することによって、有利なことに、他の中間部品なしに本体30上に直接設けられているインキ配量装置20が非常に安定している。
【0022】
印刷運転中に薄膜間隙18内に生じる流体動力学的な力の、配量間隙29の大きさに及ぼす影響を最小限に抑えることについては、インキつぼローラ10の回転中心に関する、インキつぼローラ10の回転方向に配量用間隙29の後に続く、配量間隙29と薄膜間隙18との間の中心角α(図1参照)が70°〜100°であると有利であり、好ましくは約90°である。
【0023】
印刷運転中に、インキローラ15と共同して薄膜ローラ11によって形成される押圧間隙35内に生じる流体動力学的な力の、薄膜間隙18の大きさに及ぼす影響を最小限に抑えることについては、薄膜ローラ11の回転中心に関する、薄膜ローラ11の回転方向に薄膜間隙18の後に続く、薄膜間隙18と押圧間隙35との間の中心角βが70°〜110°であると有利であり、好ましくは約90°である。
【0024】
図3には、より見やすくために、インキつぼ9が、通常はインキつぼの内側に張られるインキつぼ薄片26がない状態、かつ底部27がない状態で示されており、この結果、配量部材24,25がよく見える。
【0025】
本体30とインキ配量装置20とから構成されたインキつぼ9は、そのメンテナンスのためにインキつぼローラ10から離れるように揺動させることができ、かつ印刷運転のためにインキつぼローラ10に対し再び近づくように揺動させることができるように、印刷機1の側部支持枠36に支持されている。インキつぼ9を、配量の精度に関して重要な、インキつぼローラ10に対するゼロ位置に揃えるために、支持枠36に差し込まれインキつぼローラ10の軸ジャーナル38を囲む軸受ブッシュ39上に支持された調節装置37が、インキつぼ9の各端部においてこのインキつぼ9に固定されている。調節装置37は、インキつぼ9にねじ止めされた植込みボルト40から構成されており、インキつぼ9に対して調節されるこの植込みボルト40の位置は、この植込みボルト40にねじ止めされた止めナット41によって固定されており、球状の正面部分を有するこの植込みボルト40は、支持枠36内に差し込まれて調節装置37のストッパを構成する軸受ブッシュ39の外側に取り付けられている。インキつぼ9を前記したように支持することによって、インキつぼ9とインキつぼローラ10の、負荷がかかる場合の実効曲げ長さを有利には短く保たれる。同じく図3から明らかなように、薄膜ローラ11に同軸かつ回転不能に接続された歯車42が歯車43とかみ合っており、薄膜ローラ11は歯車42を介して電動モータによって嵌合状態で回転駆動され、横振りローラ12は歯車43を介して電動モータによって嵌合状態で回転駆動される。歯車42,43を介して駆動可能に互いに連結されたローラ11と12の外周面の間には、インキが薄膜ローラ11から横振りローラ12に直接転写されることを不可能にする、大きな間隔が存在する。歯車43が同軸かつ回転不能に連結されたローラ12は、あらゆる用途において横振りローラである必要はない。
【0026】
インキ配量装置20によって、インキの無い環状線(外周の縞模様)がインキつぼローラ10上に生じることがなく、したがって全インキ領域にわたって領域ごとに異なるが途切れることないように厚さが調節された、インキつぼローラ10上に塗布されたインキ薄膜上では、掻き取ることによるインキの消費が減り、この結果、インキ装置8は、公知の枚葉紙印刷機の呼び出しローラインキ装置と比べて、横振りローラ12,13および付属する軸方向伝動機構を少なくすることができる。インキ装置8の、このように構造的に簡略化された構成によって、製造コストおよび材料コストが節約できる。
【0027】
このインキ装置8の他の利点は印刷運転中の発熱が僅かであることであり、この結果、印刷工程における印刷インキの流動学上の特性がより良好に管理され、インキつぼローラ10の冷却が不要になり、温度に基づく部品の変形がほとんど生じない。これは、配量間隙29を形成する配量部材25が、インキつぼローラ10に、インキつぼ薄片26を介して間接的に、または直接接しないことによって可能になる。したがって、配量間隙29内には、インキつぼから送られてくるインキのみに起因して、固体が別の固体上にあるときの摩擦よりも非常に小さい摩擦しか生じないので、インキ装置8の発熱をほんの僅かしかもたらさない、小型で、低出力の、インキつぼローラ10の回転駆動用の電動モータを、インキつぼローラ10に対して設けてもよい。
【0028】
最後に、インキ装置8の配量する量の調節範囲が、公知の呼び出しローラインキ装置の場合よりも大きいということは、言及するに値する。この配量する量の調節範囲の下限である最小インキ量は0であり、この配量する量の調節範囲の上限である最大インキ量は、1平方メートルあたり4グラムよりも多くてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】インキつぼとインキつぼローラと薄膜ローラとを含む薄膜インキ装置を有する印刷機を示す図である。
【図2】内部に嵌め込まれたインキつぼ薄片とインキつぼローラとを有するインキつぼの側面図である。
【図3】インキつぼ薄片が取り外されたインキつぼと、インキつぼローラと、薄膜ローラとを示す平面図である。
【符号の説明】
1 印刷機
2 版胴
3 ゴムブランケット胴
4 くわえづめ列
5 被印刷体枚葉紙
6 圧胴
7 湿し装置
8 インキ装置
9 インキつぼ
10 インキつぼローラ
11 薄膜ローラ
12,13 横振りローラ
14,15 インキローラ
16,17 インキ着けローラ
18 薄膜間隙
19 外周面構造
20 インキ配量装置
21 ウォームギア
22 調節用偏心輪
23 電動サーボモータ
24,25 配量部材
26 インキつぼ薄片
27 底部
28 押圧縁部
29 配量間隙
30 本体
31 軸受
32 軸受ジャーナル
33 回転軸
34 円弧状湾曲部
35 押圧間隙
36 支持枠
37 調節装置
38 軸ジャーナル
39 軸受ブッシュ
40 植込みボルト
41 止めナット
42,43 歯車
α,β 中心角

Claims (8)

  1. 薄膜インキ装置として構成され、複数のインキ領域に分割されたインキ配量装置(20)とインキつぼローラ(10)との間に嵌め込まれたインキつぼ薄片(26)を有するインキつぼ(9)を備えている、印刷機(1)のインキ装置(8)において、
    前記インキつぼ薄片(26)は、印刷時に、前記各インキ領域の内側で調節可能な配量間隙(29)の範囲内でインキつぼローラ(10)に接触しない状態に保たれており、
    前記インキつぼローラ(10)と、前記インキ装置(8)の薄膜ローラ(11)は一緒になって、印刷時に一定の薄膜間隙(18)を形成し、
    前記薄膜間隙(18)と、前記インキつぼ薄片(26)と前記インキつぼローラ(10)との間の前記配量間隙(29)とによって決まる、前記インキつぼローラ(10)の中心角(α)が70°〜110°であり、
    前記薄膜間隙(18)と、前記薄膜ローラ(11)とそれに接するインキローラ(15)との間の押圧間隙(35)とによって決まる、前記薄膜ローラ(11)の中心角(β)が70°〜110°である
    ことを特徴とするインキ装置。
  2. 前記インキつぼ薄片(26)は前記インキつぼ(9)の底部(27)上に置かれ、前記底部(27)は前記インキ配量装置(20)を覆っている、請求項1に記載のインキ装置。
  3. 前記インキ配量装置(20)は、調節装置(37)によって前記インキつぼローラ(10)の軸受ブッシュ(39)上に支持されている、請求項に記載のインキ装置。
  4. 前記調節装置(37)は、支持枠(36)から突出する、前記軸受ブッシュ(39)の一部に接している、請求項に記載のインキ装置。
  5. 前記調節装置(37)は、植込みボルト(40)と止めナット(41)とから構成されている、請求項に記載のインキ装置。
  6. 前記インキ領域は、その幅が前記インキ配量装置(20)の配量部材(24,25)によって決められている、請求項1に記載のインキ装置。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載のインキ装置を有する、特に枚葉紙印刷機である印刷機。
  8. 請求項1〜のいずれか1項に記載のインキ装置を枚葉紙印刷機において使用する使用方法。
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