JP4931717B2 - リソグラフィー用ペリクルの製造方法 - Google Patents
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Description
この場合、ゴミは露光原版の表面には直接付着せず、ペリクル膜上に付着するため、リソグラフィー時に焦点を露光原版のパターン上に合わせておけば、ペリクル上のゴミは転写に無関係となる利点がある。
ペリクルフレームは、従来一般には、アルミニウム合金で出来ている。半導体リソグラフィー用のペリクルフレームでは、幅が150mm程度、長さが110〜130mm程度であり、中央部が抜けた形状になっている。一般にはアルミニウム合金の板からペリクルフレーム形状に切り出したり、フレーム形状にアルミニウム合金材を押し出し成型することでフレームを製作している。
しかし、ペリクルフレームは、幅が2mm程度と細い枠状のため、変形し易く、平坦なフレームを作るのは必ずしも容易ではない。その為、ペリクルフレームでマスク並の平坦度を達成するのは困難である。
通常は、ペリクル貼り付けの過程で、ペリクルへの加圧により粘着剤層の凸の部分からマスクに接触し、最後に凹の部分が接触し、ペリクル全周に渡ってエアパスの無い貼り付けが完成する。しかしこの場合に、最初に接触する粘着剤が凸の部分は、貼り付けによりより多くの変形を受けることになり、従って、その部分の変形応力は凹部分のそれよりも大きくなり、面内に応力のバラツキが生じることになる。その結果として、ペリクルの貼り付けにより、マスクが変形する。
請求項2に記載のリソグラフィー用ペリクルの製造方法は、ペリクルをマスクに貼り付ける為のマスク粘着剤をペリクルフレームの一方の端面に塗布後、少なくとも室温で1時間放置した後、平坦度が3μm以下の石英ガラス基板上に載置して、マスク粘着剤塗布面を石英ガラス基板に接触させ、マスク粘着剤を加熱硬化させた後、石英ガラス基板を加熱してペリクルフレームを剥離し、マスク粘着剤面の平坦度を15μm以下とした後、ペリクルフレームの他方の端面に接着剤を塗布し、加熱硬化させた後、ペリクル膜を貼り付けることを特徴とする。
また、粘着剤に凹凸がある場合、場所によって変形量が変わるので、マスクの変形がより大きくなると考えられる。
平坦な面を形成するには、液状の粘着剤をペリクルフレームの端面に塗布した後、粘着剤を平坦な面に接触させ、その状態で粘着剤を硬化させることにより、粘着剤層に平坦な面を形成することができる。
しかし、粘着剤の硬化反応では、一般に、体積収縮が起こるので、粘着剤の平坦部形成時の接触面の平坦度をそのまま粘着剤面に転写するのは困難である。その為、実際には、粘着剤を接触面から外すと、幾らか平坦度の悪化は発生する。しかし、粘着剤のヤング率はフレームのそれと比較して非常に小さいので、ある程度、実際には15μm以下の平坦度であれば、ペリクルの貼り付けによるマスク平坦度の変化を抑制することができる。
[実施例1]
アルミニウム合金製のペリクルフレーム(外形サイズ149mm×113mm×4.5mm、肉厚2mm。粘着剤側の平坦度は15μm)を純水で洗浄後、その端面に信越化学工業株式会社製のシリコーン粘着剤(製品名:X−40−3122A)を塗布し、1時間室温で放置した。平坦度が3μmの石英ガラス基板板上にセパレータを置いた上に、粘着剤を塗布したペリクルフレームを置いた。この時、粘着剤をセパレータに接触させ、粘着剤に平坦な面を形成させた。その後、ガラス基板上のペリクルフレームを60℃のオーブンに入れ粘着剤を硬化させた。粘着剤硬化後、セパレータを剥離した。
その後、上記ペリクルフレームよりも大きなアルミニウム枠に取ったペリクル膜に上記ペリクルフレームの接着剤側を貼り付け、ペリクルフレームよりも外側の部分を除去し、ペリクルを完成させた。
このペリクルを、平坦度が0.25μmのマスクに貼り付けたところ、マスクの平坦度は0.30μmに変化した。変化量は0.05μmであり、十分に小さな値に抑制することができた。
なお、後述する実施例および比較例も含めて、測定された粘着剤表面の平坦度とペリクル貼り付け前後のマスクの平坦度の変化量の結果を、併せて表1に示す。
アルミニウム合金製のペリクルフレーム(外形サイズ149mm×113mm×4.5mm、肉厚2mm。粘着剤側の平坦度は15μm)を純水で洗浄後、その端面に信越化学工業株式会社製のシリコーン粘着剤(製品名:X−40−3122A)を塗布し1時間室温で放置した。平坦度が3μmの石英ガラス基板板上に粘着剤を塗布したペリクルフレームを置いた。この時、粘着剤を基板に接触させ、粘着剤に平坦な面を形成させた。その後、ガラス基板上のペリクルフレームを60℃のオーブンに入れ、粘着剤を硬化させた。粘着剤硬化後、基板を150℃に加熱した状態でペリクルフレームをゆっくりと引き上げ、ペリクルを基板より剥離した。
その後、上記ペリクルフレームよりも大きなアルミニウム枠に取ったペリクル膜に上記ペリクルフレームの接着剤側を貼り付け、ペリクルフレームよりも外側の部分を除去し、ペリクルを完成させた。
このペリクルを平坦度が0.25μmのマスクに貼り付けたところ、マスクの平坦度は0.28μmに変化した。変化量は0.03μmであり、十分に小さな値に抑制することができた。
アルミニウム合金製のペリクルフレーム(外形サイズ149mm×113mm×4.5mm、肉厚2mm。粘着剤側の平坦度は30μm)を純水で洗浄後、その端面に信越化学工業株式会社製のシリコーン粘着剤(製品名:X−40−3122A)を塗布し、1時間室温で放置した。
平坦度が3μmの石英ガラス基板板上に、粘着剤を塗布したペリクルフレームを置いた。この時、粘着剤を基板に接触させ、粘着剤に平坦な面を形成させた。
その後、フレームの反対面に旭硝子(株)製の接着剤(商品名:サイトップCTX−A)を塗布した。その後、130℃でペリクルフレームの加熱を行い、接着剤を硬化させた。
その後、上記ペリクルフレームよりも大きなアルミニウム枠に取ったペリクル膜に上記ペリクルフレームの接着剤側を貼り付け、ペリクルフレームよりも外側の部分を除去し、ペリクルを完成させた。
このペリクルを、平坦度が0.25μmのマスクに貼り付けたところ、マスクの平坦度は0.28μmに変化した。フレームの平坦度が実施例2の場合よりも悪いにも関わらず、変化量は0.03μmと同等であり、十分に小さな値に抑制することができた。
アルミニウム合金製のペリクルフレーム(外形サイズ149mm×113mm ×4.5mm、肉厚2mm。粘着剤側の平坦度は15μm)を純水で洗浄後、その端面に信越化学工業株式会社製のシリコーン粘着剤(製品名:X-40-3122A)を塗布し、1時間室温で放置した。平坦度が0.5μmの石英ガラス基板板上に粘着剤を塗布したペリクルフレームを置いた。この時、粘着剤を基板に接触させ、粘着剤に平坦な面を形成させた。その後、ガラス基板上のペリクルフレームを60℃のオーブンに入れ、粘着剤を硬化させた。粘着剤硬化後、基板を150℃に加熱した状態でペリクルフレームをゆっくりと引き上げ、ペリクルを基板より剥離した。
その後、上記ペリクルフレームよりも大きなアルミニウム枠に取ったペリクル膜に上記ペリクルフレームの接着剤側を貼り付け、ペリクルフレームよりも外側の部分を除去し、ペリクルを完成させた。
このペリクルの粘着剤は平坦な面を持っていた。また、このペリクルの平坦度を測定したところ、膜接着剤側の平坦度は15μm、粘着剤表面の平坦度は1μmであった。
このペリクルを平坦度が0.25μmのマスクに貼り付けたところ、マスクの平坦度は0.25μmのままで変化しなかった。
アルミニウム合金製のペリクルフレーム(外形サイズ149mm×113mm ×4.5mm、肉厚2mm。粘着剤側の平坦度は15μm)を純水で洗浄後、その端面に信越化学工業株式会社製のシリコーン粘着剤(製品名:X−40−3122A)を塗布し、1時間室温で放置した。その後、60℃のオーブンに入れ粘着剤を硬化させ、その後セパレータを剥離した。
その後、フレームの反対面に旭硝子(株)製の接着剤(商品名:サイトップCTX−A)を塗布した。その後、130℃でペリクルフレームの加熱を行い、接着剤を硬化させた。
その後、上記ペリクルフレームよりも大きなアルミニウム枠に取ったペリクル膜に上記ペリクルフレームの接着剤側を貼り付け、ペリクルフレームよりも外側の部分を除去し、ペリクルを完成させた。
このペリクルの粘着剤は平坦な面を持たなかった。また、このペリクルの平坦度を測定したところ、膜接着剤側の平坦度は15μmであった。粘着剤表面は平坦な部分が無いため、平坦度の測定は不可能であった。
このペリクルを平坦性が0.25μmのマスクに貼り付けたところ、マスクの平坦性は0.45μmまで悪化した。
Claims (2)
- 半導体リソグラフィーに使用されるペリクルの製造方法であって、ペリクルをマスクに貼り付ける為のマスク粘着剤をペリクルフレームの一方の端面に塗布後、少なくとも室温で1時間放置した後、平坦度が3μm以下の石英ガラス基板上に載置されたセパレータ上に、マスク粘着剤塗布面がセパレータに接触するようにペリクルフレームを載置し、マスク粘着剤を加熱硬化させた後セパレータを剥離して、マスク粘着剤面の平坦度を15μm以下とした後、ペリクルフレームの他方の端面に接着剤を塗布し、加熱硬化させた後、ペリクル膜を貼り付けることを特徴とするリソグラフィー用ペリクルの製造方法。
- 半導体リソグラフィーに使用されるペリクルの製造方法であって、ペリクルをマスクに貼り付ける為のマスク粘着剤をペリクルフレームの一方の端面に塗布後、少なくとも室温で1時間放置した後、平坦度が3μm以下の石英ガラス基板上に載置して、マスク粘着剤塗布面を石英ガラス基板に接触させ、マスク粘着剤を加熱硬化させた後、石英ガラス基板を加熱してペリクルフレームを剥離し、マスク粘着剤面の平坦度を15μm以下とした後、ペリクルフレームの他方の端面に接着剤を塗布し、加熱硬化させた後、ペリクル膜を貼り付けることを特徴とするリソグラフィー用ペリクルの製造方法。
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