JP2009025560A - リソグラフィー用ペリクル - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、マスクにペリクルを貼り付けても、マスクに歪みが生じないようにすることを課題とする。
【解決手段】 本発明のリソグラフィー用ペリクルは、ペリクルをマスクに貼り付ける為のマスク粘着剤が平坦な面を有し、かつその面の平坦度が15μm以下であることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、リソグラフィー用ペリクル、特にはLSI、超LSIなどの半導体装置を製造する際のゴミよけとして使用されるリソグラフィー用ペリクル、特には高解像度を必要とする露光において使用される200nm以下の紫外光露光に使用されるリソグラフィー用ペリクルに関する。
従来、LSI、超LSIなどの半導体デバイスあるいは液晶表示板などの製造においては、半導体ウエハあるいは液晶用原板に光を照射してパターニングをするわけであるが、この場合に用いる露光原版にゴミが付着していると、このゴミが光を吸収したり、光を反射してしまうため、転写したパターニングが変形したり、エッジががさついたりしてしまい、寸法、品質、外観などがそこなわれ、半導体装置や液晶表示板などの性能や製造歩留まりの低下を来すという問題があった。
このため、これらの作業は、通常、クリーンルームで行われるが、このクリーンルーム内でも露光原版を常に正常に保つことが難しいので、露光原版の表面にゴミよけの為の、露光用の光を良く通過させるペリクルを貼着する方法が行われている。
この場合、ゴミは露光原版の表面には直接付着せず、ペリクル膜上に付着するため、リソグラフィー時に焦点を露光原版のパターン上に合わせておけば、ペリクル上のゴミは転写に無関係となる利点がある。
ペリクルは、光を良く通過させるニトロセルロース、酢酸セルロースなどからなる透明なペリクル膜を、アルミニウム、ステンレス、ポリエチレン等からなるペリクル枠の上部にペリクル膜の良溶媒を塗布し、風乾して接着する(特許文献1参照)か、アクリル樹脂やエポキシ樹脂などの接着剤で接着し(特許文献2、特許文献3、特許文献4参照)、ペリクル枠の下部にはポリブテン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂等からなる粘着層及び粘着層を保護する離型層(セパレータ)を接着して構成されている。
近年、リソグラフィーの解像度は次第に高くなってきており、その解像度を実現するために徐々に波長の短い光が光源として用いられるようになってきている。具体的には、紫外光[g線(436nm)、I線(365nm)、KrFエキシマレーザー(248nm)]と移行しており、近年ではArFエキシマレーザー(193nm)が使用され始めた。
特開昭58−219023号公報 米国特許第4861402号明細書 特公昭63−27707号公報 特開平7−168345号公報
半導体用露光装置では、マスクに描かれたパターンを短波長の光によってシリコンウエハに焼き付けるわけであるが、マスクおよびシリコンウエハに凹凸があると露光時に焦点ズレが発生し、ウエハに焼き付けられるパターンに問題が発生する。微細化が進むとマスク、およびシリコンウエハに要求される平坦性はますます厳しくなっている。例えば、マスクに要求される平坦性も、パターン面で平坦度2μmの要求から徐々に厳しくなっており、65nmノード以降では0.5μm、0.25μmという要求が出て来ている。
ペリクルは、マスクが完成した後でパターンのゴミよけの為マスクに貼り付けられるが、ペリクルをマスクに貼り付けるとマスクの平坦度が変化することがある。このことは、一般的には、ペリクルフレームの凹凸がマスクの平坦性に影響を与えている、と考えられる。また、この、ペリクルの貼り付けによる平坦度の変化により、マスク上に描かれた回路パターンが変形してしまうという問題も発生することにもなる。これは、マスクの平坦性の変化により、マスク上のパターンの相対的な位置が変化する為、と考えられる。
ペリクルは、ペリクルフレームの片側に設けるマスク粘着剤を介してマスクに貼り付けられるが、ペリクルをマスクに貼り付ける場合は、通常、ペリクルを20〜30kg程度の力でマスクに圧着する。
ペリクルフレームは、従来一般には、アルミニウム合金で出来ている。半導体リソグラフィー用のペリクルフレームでは、幅が150mm程度、長さが110〜130mm程度であり、中央部が抜けた形状になっている。一般にはアルミニウム合金の板からペリクルフレーム形状に切り出したり、フレーム形状にアルミニウム合金材を押し出し成型することでフレームを製作している。
一般に、マスクの平坦性は、TIR値で数μm以下、最先端のマスクでは1μm以下、であるが、ペリクルフレームの平坦性は、一般的に数十μm程度とマスクのそれと比較して、大きい。その為、ペリクルがマスクに貼り付けられると、フレームの凹凸でマスクの平坦度が変化することがある。ここでペリクルフレームの平坦度をマスクの平坦度並に高くすれば、マスクの平坦性変化を減少させることが可能になると考えられる。
しかし、ペリクルフレームは、幅が2mm程度と細い枠状のため、変形し易く、平坦なフレームを作るのは必ずしも容易ではない。その為、ペリクルフレームでマスク並の平坦度を達成するのは困難である。
また、平坦度が非常に高いペリクルフレームを使用した場合でも、粘着剤層の表面の平坦度が悪い場合には、粘着剤の平坦度がマスク平坦度変化に影響を与える。
通常は、ペリクル貼り付けの過程で、ペリクルへの加圧により粘着剤層の凸の部分からマスクに接触し、最後に凹の部分が接触し、ペリクル全周に渡ってエアパスの無い貼り付けが完成する。しかしこの場合に、最初に接触する粘着剤が凸の部分は、貼り付けによりより多くの変形を受けることになり、従って、その部分の変形応力は凹部分のそれよりも大きくなり、面内に応力のバラツキが生じることになる。その結果として、ペリクルの貼り付けにより、マスクが変形する。
本発明は、前述のような事情に鑑みて、マスクにペリクルを貼り付けても、マスクに歪みが生じないようにすることを課題とする。
上記の不具合を解消するために、本発明者は、この粘着剤層に平坦な面を形成し、かつ、その面の平坦度を15μm以下にすることにより、ペリクルをマスクに貼り付けてもマスクの変形を最小限に抑制できることを見出した。すなわち、本発明のリソグラフィー用ペリクルは、ペリクルをマスクに貼り付ける為のマスク粘着剤が平坦な面を有し、かつその面の平坦度が15μm以下であることを特徴とする。
本発明によれば、ペリクル枠の平坦度に格別考慮を払うことなく、リソグラフィーに際してペリクルをマスクに貼り付けても、マスクの変形を最小限に抑制できる。
一般的に、ペリクルの粘着剤は、液状の粘着剤をペリクルフレームの端面に塗布し、その後、熱処理もしくはUV処理等をすることにより、液状粘着剤を硬化させ、粘着剤層に仕上げる。ここで、粘着剤塗布後直ぐに硬化処理を行うと、粘着剤層は、粘着剤吐出口から出て塗布されたときの形状から変化し難く、平坦な面に移行する部分は少なく、多くはアーチ状になり、また、変形の時間が与えられた場合であっても、フレームに沿って塗布される粘着剤の平坦度は、フレームのそれと近いものになるはずである。
この、粘着剤がアーチ状をなしたままペリクルをマスクに貼り付ける場合、粘着剤が徐々に変形しマスクに貼り付くことになる。この時、粘着剤には変形応力が発生し、これが、マスクを変形させることになる。
また、粘着剤に凹凸がある場合、場所によって変形量が変わるので、マスクの変形がより大きくなると考えられる。
一方、粘着剤が十分に平坦な面を持つ場合は、その平坦な面がマスクに接触することでペリクルのマスクへの貼り付けがなされるので、貼付時の粘着剤の変形が発生しない。その結果、マスクの変形も発生しないことになる。
平坦な面を形成するには、液状の粘着剤をペリクルフレームの端面に塗布した後、粘着剤を平坦な面に接触させ、その状態で粘着剤を硬化させることにより、粘着剤層に平坦な面を形成することができる。
貼付け時に粘着剤の変形を発生させない為には、粘着剤表面の平坦度が基板の平坦度と同程度である必要がある。粘着剤表面の平坦度は、基本的に、形成時の接触面の平坦度に左右される。従って、粘着剤を接触させる平坦な面に、マスク表面と同等の平坦度を有するものを使用すれば、粘着剤の平坦度もマスクの平坦度と同等程度になるはずである。
従って、理想的には、粘着剤が平坦部を有し、かつその平坦度がマスク並であれば、ペリクルをマスクに貼り付けても粘着剤の変形は発生せず、マスクの変形も発生しないことになる。また、この平坦面形成時に粘着剤がフレームの凹凸を吸収することになる、つまりフレームの平坦度に関係無く、粘着剤表面の平坦度が制御できるので、平坦な粘着剤表面を持つペリクルの場合、フレーム凹凸の影響を最小限に抑えることが出来る、ということになる。
従って、ペリクルのマスク粘着剤表面の平坦度は出来るだけ高く、好ましくはペリクルが貼り付けられるマスクの平坦度と同等、例えば1μm以下、であれば、特にはマスク歪みが発生しない。当然、粘着剤表面の平坦度がマスクのそれよりも良好ならばなお良い。
しかし、粘着剤の硬化反応では、一般に、体積収縮が起こるので、粘着剤の平坦部形成時の接触面の平坦度をそのまま粘着剤面に転写するのは困難である。その為、実際には、粘着剤を接触面から外すと、幾らか平坦度の悪化は発生する。しかし、粘着剤のヤング率はフレームのそれと比較して非常に小さいので、ある程度、実際には15μm以下の平坦度であれば、ペリクルの貼り付けによるマスク平坦度の変化を抑制することができる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
[実施例1]
アルミニウム合金製のペリクルフレーム(外形サイズ149mm×113mm×4.5mm、肉厚2mm。粘着剤側の平坦度は15μm)を純水で洗浄後、その端面に信越化学工業株式会社製のシリコーン粘着剤(製品名:X−40−3122A)を塗布し、1時間室温で放置した。平坦度が3μmの石英ガラス板上にセパレータを置いた上に、粘着剤を塗布したペリクルフレームを置いた。この時、粘着剤をセパレータに接触させ、粘着剤に平坦な面を形成させた。その後、ガラス基板上のペリクルフレームを60℃のオーブンに入れ粘着剤を硬化させた。粘着剤硬化後、セパレータを剥離した。
その後、フレームの反対面に旭硝子(株)製の接着剤(商品名:サイトップCTX−A)を塗布した。その後、130℃でペリクルフレームの加熱を行い、接着剤を硬化させた。
その後、上記ペリクルフレームよりも大きなアルミニウム枠に取ったペリクル膜に上記ペリクルフレームの接着剤側を貼り付け、ペリクルフレームよりも外側の部分を除去し、ペリクルを完成させた。
このペリクルの粘着剤は、平坦な面を持っていた。また、このペリクルの平坦度をXYステージを有するレーザー変位計にて測定した。膜接着剤側の平坦度は15μm、粘着剤表面の平坦度も15μmであった。
このペリクルを、平坦度が0.25μmのマスクに貼り付けたところ、マスクの平坦度は0.30μmに変化した。変化量は0.05μmであり、十分に小さな値に抑制することができた。
なお、後述する実施例および比較例も含めて、測定された粘着剤表面の平坦度とペリクル貼り付け前後のマスクの平坦度の変化量の結果を、併せて表1に示す。
[実施例2]
アルミニウム合金製のペリクルフレーム(外形サイズ149mm×113mm×4.5mm、肉厚2mm。粘着剤側の平坦度は15μm)を純水で洗浄後、その端面に信越化学工業株式会社製のシリコーン粘着剤(製品名:X−40−3122A)を塗布し1時間室温で放置した。平坦度が3μmの石英ガラス板上に粘着剤を塗布したペリクルフレームを置いた。この時、粘着剤を基板に接触させ、粘着剤に平坦な面を形成させた。その後、ガラス基板上のペリクルフレームを60℃のオーブンに入れ、粘着剤を硬化させた。粘着剤硬化後、基板を150℃に加熱した状態でペリクルフレームをゆっくりと引き上げ、ペリクルを基板より剥離した。
その後フレームの反対面に旭硝子(株)製の接着剤(商品名:サイトップCTX−A)を塗布した。その後130℃でペリクルフレームの加熱を行い接着剤を硬化させた。
その後、上記ペリクルフレームよりも大きなアルミニウム枠に取ったペリクル膜に上記ペリクルフレームの接着剤側を貼り付け、ペリクルフレームよりも外側の部分を除去し、ペリクルを完成させた。
このペリクルの粘着剤は平坦な面を持っていた。また、このペリクルの平坦度を測定したところ、膜接着剤側の平坦度は15μm、粘着剤表面の平坦度は5μmであった。
このペリクルを平坦度が0.25μmのマスクに貼り付けたところ、マスクの平坦度は0.28μmに変化した。変化量は0.03μmであり、十分に小さな値に抑制することができた。
[実施例3]
アルミニウム合金製のペリクルフレーム(外形サイズ149mm×113mm×4.5mm、肉厚2mm。粘着剤側の平坦度は30μm)を純水で洗浄後、その端面に信越化学工業株式会社製のシリコーン粘着剤(製品名:X−40−3122A)を塗布し、1時間室温で放置した。
平坦度が3μmの石英ガラス板上に、粘着剤を塗布したペリクルフレームを置いた。この時、粘着剤を基板に接触させ、粘着剤に平坦な面を形成させた。
その後、ガラス基板上のペリクルフレームを60℃のオーブンに入れ、粘着剤を硬化させた。粘着剤硬化後、基板を150℃に加熱した状態でペリクルフレームをゆっくりと引き上げ、ペリクルを基板より剥離した。
その後、フレームの反対面に旭硝子(株)製の接着剤(商品名:サイトップCTX−A)を塗布した。その後、130℃でペリクルフレームの加熱を行い、接着剤を硬化させた。
その後、上記ペリクルフレームよりも大きなアルミニウム枠に取ったペリクル膜に上記ペリクルフレームの接着剤側を貼り付け、ペリクルフレームよりも外側の部分を除去し、ペリクルを完成させた。
このペリクルの粘着剤は平坦な面を持っていた。また、このペリクルの平坦度を測定したところ、膜接着剤側の平坦度は30μm、粘着剤表面の平坦度は5μmであった。
このペリクルを、平坦度が0.25μmのマスクに貼り付けたところ、マスクの平坦度は0.28μmに変化した。フレームの平坦度が実施例2の場合よりも悪いにも関わらず、変化量は0.03μmと同等であり、十分に小さな値に抑制することができた。
[実施例4]
アルミニウム合金製のペリクルフレーム(外形サイズ149mm×113mm ×4.5mm、肉厚2mm。粘着剤側の平坦度は15μm)を純水で洗浄後、その端面に信越化学工業株式会社製のシリコーン粘着剤(製品名:X-40-3122A)を塗布し、1時間室温で放置した。平坦度が0.5μmの石英ガラス板上に粘着剤を塗布したペリクルフレームを置いた。この時、粘着剤を基板に接触させ、粘着剤に平坦な面を形成させた。その後、ガラス基板上のペリクルフレームを60℃のオーブンに入れ、粘着剤を硬化させた。粘着剤硬化後、基板を150℃に加熱した状態でペリクルフレームをゆっくりと引き上げ、ペリクルを基板より剥離した。
その後、フレームの反対面に旭硝子(株)製の接着剤(商品名:サイトップCTX−A)を塗布した。その後、130℃でペリクルフレームの加熱を行い、接着剤を硬化させた。
その後、上記ペリクルフレームよりも大きなアルミニウム枠に取ったペリクル膜に上記ペリクルフレームの接着剤側を貼り付け、ペリクルフレームよりも外側の部分を除去し、ペリクルを完成させた。
このペリクルの粘着剤は平坦な面を持っていた。また、このペリクルの平坦度を測定したところ、膜接着剤側の平坦度は15μm、粘着剤表面の平坦度は1μmであった。
このペリクルを平坦度が0.25μmのマスクに貼り付けたところ、マスクの平坦度は0.25μmのままで変化しなかった。
[比較例1]
アルミニウム合金製のペリクルフレーム(外形サイズ149mm×113mm ×4.5mm、肉厚2mm。粘着剤側の平坦度は15μm)を純水で洗浄後、その端面に信越化学工業株式会社製のシリコーン粘着剤(製品名:X−40−3122A)を塗布し、1時間室温で放置した。その後、60℃のオーブンに入れ粘着剤を硬化させ、その後セパレータを剥離した。
その後、フレームの反対面に旭硝子(株)製の接着剤(商品名:サイトップCTX−A)を塗布した。その後、130℃でペリクルフレームの加熱を行い、接着剤を硬化させた。
その後、上記ペリクルフレームよりも大きなアルミニウム枠に取ったペリクル膜に上記ペリクルフレームの接着剤側を貼り付け、ペリクルフレームよりも外側の部分を除去し、ペリクルを完成させた。
このペリクルの粘着剤は平坦な面を持たなかった。また、このペリクルの平坦度を測定したところ、膜接着剤側の平坦度は15μmであった。粘着剤表面は平坦な部分が無いため、平坦度の測定は不可能であった。
このペリクルを平坦性が0.25μmのマスクに貼り付けたところ、マスクの平坦性は0.45μmまで悪化した。
Figure 2009025560
ペリクルフレームに設ける粘着剤層の平坦度を向上させることで、ペリクル貼り付け時のマスクの変形を減らすことができる優れたペリクルフレームを提供することできるので、半導体リソグラフィーを利用する分野において、その産業上の利用価値は極めて高い。

Claims (1)

  1. 半導体リソグラフィーに使用されるペリクルにおいて、ペリクルをマスクに貼り付ける為のマスク粘着剤が平坦な面を有し、かつその面の平坦度が15μm以下であることを特徴とするリソグラフィー用ペリクル。
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