JP4927482B2 - ミシン - Google Patents

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Description

本発明は、送り量を任意に制御可能なミシンに関する。
ミシンによるボタンホール縫いにおいては、ボタンの大きさに応じて縫い長さを変えることが必要であり、ボタンの大きさに応じて縫い長さを変えるボタンホール縫い装置が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
図15に示すように、ボタンホール縫い装置100は、ミシンの押さえ棒の下端に装着された押さえ体101を備えている。この押さえ体101には、押さえ枠102が布送り方向に沿ってスライド移動自在となるように設けられている。押さえ枠102の矢印A方向の端部上面に固定された中空のストッパ102aの内部にはうず巻きばね103が設けられている。このうず巻きばね103の弾性力によって押さえ体101とストッパ102aとが当接した状態でボタンホール縫いの開始位置となるように常時付勢されている。
また、押さえ枠102の矢印B方向の端部にはボタン挟持装置104が設けられ、ボタンBを挟持することが可能である。ボタン挟持装置104には、挟持されるボタンの大きさに応じて布送り方向に沿ってスライド移動自在に構成された保持部104aが備えられている。
押さえ体101には、押さえ枠102の外側において布送り方向に沿って延びるポテンショメータ105が設けられ、保持部104aには、ポテンショメータ105に当接する検出部106が設けられている。ここで、ポテンショメータ105には可変抵抗器が設けられており、図16に示すように、押さえ枠102が移動して検出部106とポテンショメータ105とが接触する位置が変化することにより、抵抗値が変化するようになっており、このように変化する抵抗にかかる電圧値に基づいて押さえ枠102の変位量(すなわち、縫い長さ)を知ることができる。
ボタンホール縫いを開始すると、開始時のポテンショメータ105にかかる電圧値は、制御装置のメモリに記憶される。制御装置は、ミシンモータ、針振りモータを駆動させてバータックの縫製を行い、さらに針振り量を変更するとともに布送りモータを駆動させてボタンホールの左側の縫製を行う。縫製中においては、制御装置は、ポテンショメータの抵抗値が0であるか否かを判断し、抵抗値が0になったと判断すると、制御装置は、ミシンモータ、針振りモータを駆動させてバータックの縫製を行い、さらに針振り量を変更するとともに布送りモータを駆動させてボタンホールの右側の縫製を行う。そして、制御装置は、ポテンショメータ105の抵抗値が0であるか否かを判断し、抵抗値が0になったと判断すると、制御装置は、縫製を終了させる。
また、他のボタンホール縫い装置120としては、図17に示すように、ミシンの押さえ棒の下端に装着された押さえ体121と、この押さえ体121に対して布送り方向にスライド移動可能な押さえ枠122と、押さえ枠122上においてが布送り方向に沿って移動可能に装備されたラック123と、当該ラック123を移動調節するためのつまみ124と、押さえ体121側に支持されると共にラック123と噛合するピニオン125歯車を備える回転式のポテンショメータ126とを備えている(例えば、特許文献2参照)。
かかるボタンホール縫い装置120では、布送りが行われると、押さえ体121に対して押さえ枠122が布と共に布送り方向にスライド移動を行い、これに伴ってラック123に噛合するピニオン125が回転し、その回転量から押さえ枠122の移動量をポテンショメータ126で検出していた。
また、ポテンショメータ126を通じてラック123に設けられたつまみ124が布送り方向における所定の検出位置に到達したことを検出可能であり、縫い開始前に予めつまみ124が所定の検出位置から縫いの目標距離だけ離しておくことにより、つまみ124が検出位置に到達したことで目標距離の縫いが行われたことを検出していた。
これらの機能により、ボタンホール縫い装置120では、ボタン穴かがり縫いにおいて、つまみ124の検出によりボタンホールの幅である目標距離の縫いが行われるように監視すると共に一針毎の布送り量の誤差をポテンショメータ126で検出し、これに基づいて一針毎の布送り量を補正する縫製を行っていた。つまり、このボタンホール縫い装置120では、ポテンショメータ126が、ボタンホールの幅である目標距離の検出と、一針毎の送り誤差の検出の双方に利用されていた。
特許第3151923号公報 特開昭56−15784号公報
しかしながら、特許文献1のボタンホール縫い装置100では、複数の運針からなる一連の縫製(例えばバータックの片道分)の目標位置への到達のみをポテンショメータで監視するので、途中で布地の段部等により円滑な布送りが妨げられて設定よりもピッチが縮小されても認識されず、ピッチのばらつきや送りつまりが発生するという問題があった。さらに、鳩目穴かがり縫いでは、円弧形状区間については予め用意されたX−Yの位置座標データに従い運針が行われるので、ポテンショメータによる監視が行われないことから同様にしてピッチのばらつきや送りつまりが発生するという問題があった。
また、特許文献2のボタンホール縫い装置120では、一針毎の送り誤差を求めて次の運針の送り補正を行うため、段差等の送りの障害の発生による一針ごとのピッチの誤差を解消するように補正することは可能となるが、一針前の誤差が次の運針ですぐに補正されるため、たまたま一針だけ誤差を生じた場合やポテンショメータの検出にノイズを生じた場合などにその影響が次の運針の送りに大きく現れて、結果的に誤差が大きく生じて安定して縫製が行われない場合があった。
そこで、本発明は、ピッチのばらつきを抑え、より正確に且つ安定した縫い目を形成することを目的とする。
請求項1記載の発明は、ミシンの押さえ棒の下端に着脱可能に装着される押さえ体と、この押さえ体により被縫製物の布送り方向に沿って移動自在に支持されると共に前記被縫製物の保持を行う押さえ枠と、前記押さえ体に対する前記押さえ枠の布送り方向に沿った位置又は送り量を検出する送り検出手段と、を備えたボタンホール縫い装置を前記ミシンの押さえ棒に装備して、前記被縫製物と前記押さえ枠とを毎針ごとに布送り方向に沿って送る送り歯と当該送り歯による布送り量の調整を行う送りモータとを備えるミシンの送り機構と、毎針ごとに目標位置又は目標送り量と前記送り検出手段により求められた検出位置又は検出送り量との誤差を求めて記憶する記憶部と、毎針ごとに直前までの蓄積された複数針分の誤差に対して直近のものほど重み付けをして求めた平均値から補正値を定め、当該補正値により布送り量を補正して前記送りモータを駆動する制御を行う送り制御装置とを備える、という構成を採っている。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明と同様の構成を備えると共に、前記送り制御装置は、前記補正値を正送り方向と逆送り方向とで別々に求め、毎針ごとにその送りが正送り方向である場合には前記正送り方向の補正値に基づいて前記送りモータの制御を行い、その送りが逆送り方向である場合には前記逆送り方向の補正値に基づいて前記送りモータの制御を行う、という構成を採っている。
請求項2記載の発明は、ミシンの押さえ棒の下端に着脱可能に装着される押さえ体と、この押さえ体により被縫製物の布送り方向に沿って移動自在に支持されると共に前記被縫製物の保持を行う押さえ枠と、前記押さえ体に対する前記押さえ枠の布送り方向に沿った位置又は送り量を検出する送り検出手段と、を備えたボタンホール縫い装置を前記ミシンの押さえ棒に装備して、前記被縫製物と前記押さえ枠とを毎針ごとに布送り方向に沿って送る送り歯と当該送り歯による布送り量の調整を行う送りモータとを備えるミシンの送り機構と、毎針ごとに目標位置又は目標送り量と前記送り検出手段により求められた検出位置又は検出送り量との誤差を求めて記憶する記憶部と、毎針ごとに直前までの蓄積された複数針分の誤差から補正値を定め、当該補正値により布送り量を補正して前記送りモータを駆動する制御を行う送り制御装置と、針振りモータにより布送り方向に直交する方向に針振りを行う針振り機構を備え、一定のピッチで線状の縫い目を形成する下縫いと交互に振れる縫い目を形成するジグザグ縫いとの組み合わせからなる縫製データに従って縫製が行われるミシンであって、前記送り検出手段の検出に基づいて前記下縫いからジグザグ縫いへの切り替え目標位置まで1ピッチ分以下か否かを判定し、1ピッチ分以下である場合には前記切り替え目標位置への到達を待たずに前記ジグザグ縫いに切り替えるように前記針振りモータ及び送りモータを制御する切り替え制御部を備える、という構成を採っている。
請求項4記載の発明は、請求項1,2又は3記載の発明と同様の構成を備えると共に、前記押さえ枠に固定装備された固定部及び移動可能に装備された移動部によりボタン外周を挟持するボタン挟持装置と、前記移動部の移動量を検出するボタン径検出装置とを備える、という構成を採っている。
請求項5記載の発明は、請求項1,2又は3記載の発明と同様の構成を備えると共に、前記押さえ枠に固定装備された固定部及び移動可能に装備された移動部によりボタン外周を挟持するボタン挟持装置と、前記押さえ体に固定装備された前記移動部の移動量を検出するボタン径検出装置と、を備え、前記ボタン径検出装置の検出を行う素子が前記押さえ体に装備されているという構成を採っている。
請求項1記載の発明は、縫製時に、一針ごとに目標位置又は目標送り量に基づいて送り歯の動作により押さえ枠と被縫製物との送りが行われ、その際の実際の位置又は送り量が送り検出手段により検出される。そして、送り制御装置により検出位置又は検出送り量と目標位置又は目標送り量との誤差が求められて蓄積的に記憶される。そして、予め定められた複数針分の誤差が蓄積されると、これらにより補正値が算出され、当該補正値により布送り量が補正され、送りモータの制御に反映される。そして、これ以降、毎回の送りに際し、直前の複数針分の誤差から補正値が求められ、布送り量を補正して送りが行われる。
また、縫い制御には、所定の縫いパターンの運針を行うために一針ごとに目標位置又は目標送り量が定められている場合と、連続的に一定の目標送り量で布送りを行う場合とがあるが、上述した送り量の補正制御はいずれに適用しても良い。
また、補正値は、布送り量に対して加減算する修正値でも良いし、布送り量に対して乗算する修正比率でも良い。いずれの場合でも、複数針の誤差値又は誤差比率の平均値でも良いし、直近のものほど重み付けをして平均値を求めても良い。
上記構成により、請求項1記載の発明では、毎針ごとに手前複数針分の検出位置又は検出送り量から補正値を求めて布送り量の修正を図るので、一針一針について布送り量の補正が行われ、バラツキの発生を抑えて縫い品質を向上することが可能となる。
さらに、直前の一針分の運針での誤差のみから送り量の補正を図る場合に比べて、誤差が過敏に反映されてしまう補正を回避でき、例えば、直前の運針でたまたま送りに外乱を生じて誤差が大きくなった場合や検出時のノイズによる誤差等の影響を低減することができ、安定した縫製を行うことが可能となる。
請求項3記載の発明では、送り制御装置が検出布送り量を正方向と逆方向とで区別して別々に補正値を算出し、目標位置が正方向への送りならば正方向の補正値を採用して送り量の補正を行い、逆方向への送りならば逆方向の補正値を採用して補正を行う。
これにより、請求項3記載の発明では次の効果を具備する。即ち、送り歯への動力伝達を行う機構構成を原因として、或いは、押さえ枠が一方に付勢されている場合等、種々の原因により、送り正方向と逆方向とで均一に誤差を生じないことが多い。そのような場合でも、請求項3記載の発明では、正方向と逆方向とで別個の補正値を求めるので、正方向の誤差も逆方向の誤差もそれぞれ解消することができ、一針一針について精度良く送りを行うことができ、さらには縫いピッチのバラツキを抑え、縫い品質のさらなる向上を図ることが可能となる。
請求項2記載の発明は、縫製時において、線状の縫いが目標位置まで残り1ピッチ分以下となった場合に線状の縫いを終了してジグザグ縫いに移行する。このため、目標位置よりも縫い目が飛び出すことを回避することができる。従って、例えば線状の縫いを下縫いとして利用し、その上からジグザグ縫いを重ねて行うような場合において、ジグザグ縫いの範囲から下縫いがはみ出してしまうことを防止でき、縫い品質の向上を図ることが可能となる。
請求項4及び請求項5記載の発明では、ボタン挟持装置にボタンを挟持すると固定部に対して移動部がボタンの外径に応じて移動することから、移動部の移動量を検出することでボタンの外径を求めることができる。
従って、ミシンはボタン外径を取得することができ、ボタン径を縫いに反映することが可能となる。例えば、ボタン穴かがり縫いを行う場合に、その縫い長さを決定するために検出ボタン径を利用することが可能となる。
(ミシンの全体構成)
以下、図面を参照して、ミシンの最良の形態について詳細に説明する。なお、本実施形態では、ミシンとして、ボタンホール縫いが可能なミシンを例に挙げて説明する。
ミシン10は、図1乃至図4に示すように、ミシンモータ44を駆動源として縫い針の上下動並びに布送り方向に対して直交する方向に針振りを行う図示しない針上下動機構と、布送り方向に移動して前記被縫製物と押さえ枠とを布送り方向に送る送り歯(図示略)とこの送り歯による布送り量の調整を行う送りモータとしての送りステップモータ48とを備える送り機構と、被縫製物である布地を保持して送り機構との協働により布地を送り方向に沿って正逆に搬送するボタンホール縫い装置2と、上記各構成の動作制御を行う制御装置3とを備えている。
(針上下動機構)
上記針上下動機構は、図示はしないが、ミシンモータ44と、ミシンモータ44により回転駆動される上軸と、上軸の回転駆動力を上下動の往復駆動力に変換して縫い針を保持する針棒に付与するカム又はクランクを用いた動力伝達機構と、針棒を上下動可能に保持する保持枠と、保持枠を介して針棒を針振り方向に移動させる針振りモータとしての針振りステップモータ46とを備えている。これらの構成は、針上下動及び針振りを行うミシンにおいて周知の構成を使用しているので詳細な説明は省略する。
なお、この針振り上下動機構は、布送り方向に直交する方向であって針板の上面に平行な方向に針振りを行うものとする。
(送り機構)
送り機構は、図示はしないが、ミシンモータ44より回転駆動される下軸と、カム又はクランクを利用して下軸から布送り方向及び上下方向の往復の回動力を送り歯に付与する周知の伝達機構とを備えている。この伝達機構は、例えば、周知構造である四節リンク機構や往復動作方向を可変とする角駒などの移動体を用いて布送り方向の往復動作量及び位相を変更調節可能であり、当該変更調節の動作は送りモータとしての送りステップモータ48を駆動源として行われる。
(ボタンホール縫い装置)
図1に示すように、ミシンフレーム(図示略)のアーム部先端下部には、バネにより下方に押圧された押さえ棒1が上下動可能に支持されており、当該押さえ棒1の下端には、押さえホルダ1aが設けられ、この押さえホルダ1aには、被縫製物たる布を押さえるボタンホール縫い装置2が設けられている。
ボタンホール縫い装置2は、その下面が布の載置される針板の上面に対向するように配置されている。
図2に示すように、ボタンホール縫い装置2は、押さえ棒1の下端に設けられた押さえホルダ1aに取り付けられた押さえ体21と、押さえ体21に摺動自在に保持され、布を上方から押さえるとともに縫製動作中に布の布送りに伴って移動しながら布を押さえる押さえ枠22と、押さえ枠22の上面に設けられたボタン挟持装置23と、ボタンホール縫いにおける縫製開始位置からの変位量を随時検出する送り検出手段としての位置検出装置24と、ボタン挟持装置23により挟持されたボタンの径を検出する検出手段としてのボタン径検出装置25とを備えている。
(押さえ体)
図2に示すように、押さえ体21の上面には、押さえ棒1の下端に設けられた押さえホルダ1aが押さえ体21を把持して連結するための連結棒21aが設けられており、押さえホルダ1aには連結棒21aを手動操作により把持と解除が切り替え可能な把持手段が設けられている。従って、押さえホルダ1aによる連結棒21aの把持及び解放により押さえ体21を押さえ棒1に着脱自在とすることができる。
押さえ体21は、押さえ枠22の一端に設けられたうず巻きばね22aに連結されており、押さえ枠22に外部から力を与えて移動させない限り、押さえ体21は、押さえ枠22の一端に設けられたストッパ22sに当接するように付勢されている。なお、うず巻きばね22aが押さえ体21をストッパ22s側に引き寄せる方向を布送りにおける正送り方向Fとし(図5,図6参照)、うず巻きばね22aに抗して押さえ体21をストッパ22sから引き離す方向を布送りにおける逆送り方向とする。
(押さえ枠)
図2に示すように、押さえ枠22は、長手方向が布送り方向に沿うような略長方形状の板材から形成され、押さえ体21に対して摺動するために押さえ体21を嵌め込むガイド22bがその長手方向に沿って形成されている。押さえ枠22の一端に設けられたストッパ22sの内部には、押さえ枠22のストッパ22sを押さえ体21に向けて付勢するうず巻きばね22aが設けられている。このうず巻きばね22aにより、縫製開始前の押さえ枠22に設けられたストッパ22sは押さえ体21に当接した状態とされている。
(位置検出装置)
図2に示すように、位置検出装置24は、いわゆるスライドボリュームで構成され、押さえ枠22に固定され、押さえ枠22の布送り方向に沿った移動に伴って移動し、布送り方向に沿って形成された被摺動部材としての可変抵抗器24aと、押さえ体21に連結され、可変抵抗器24aに対して布送り方向に沿って相対的に摺動する摺動部材としてのボリュームレバー24bとを有している。
可変抵抗器24aは、押さえ枠22の外側に当該押さえ枠22の長手方向に沿ってほぼ平行、言い換えると布送り方向に沿って設けられている。可変抵抗器24aの布送り方向への移動により可変抵抗器24a上をボリュームレバー24bが布送り方向に沿って相対的にスライド移動可能となっており、可変抵抗器24a上のボリュームレバー24bの位置により可変抵抗器24aの抵抗値が変化する。ボリュームレバー24bには、連結レバー24cにより押さえ体21と連結されている。すなわち、押さえ体21は押さえ棒1に固定されていることから、押さえ枠22が布送り方向に沿って移動することにより、ボリュームレバー24bは可変抵抗器24aに対して相対的に移動することとなり、押さえ枠22の送り量に応じて抵抗値が変化し、検出される電圧値が変化する。押さえ枠22は縫いの送り動作に応じて移動を行うことから、これを利用することで、検出される電圧値の大きさで押さえ枠22の布送り方向における位置、言い換えると、ボタンホール縫いを行った縫い長さを計測することができる。
なお、可変抵抗器24aにはリード線24dが接続されており、可変抵抗器24aにかかる電圧値を制御装置3(後述する)で検出することができるようになっている。また、制御装置3は、押さえ枠22が押さえ体21に対して縫製開始位置にある状態、すなわち、押さえ枠22の一端と押さえ体21とが当接している状態からの押さえ枠22の布送り方向における位置を随時検出することができるようになっている。
(ボタン挟持装置)
図2に示すように、ボタン挟持装置23は、押さえ枠22の他端に固定され、ボタンBの外周の一部を保持する固定部23bと、この固定部23bに対向配置されるとともに押さえ枠22に移動調節可能に設けられ、固定部23bとでボタンを挟持する移動部としての摺動部23aと、を備えている。固定部23b及び摺動部23aはボタンBの任意の直径の両端部を挟持するようになっている。そして、摺動部23aは、押さえ枠22に対して移動調節可能となっているが、外力を加えない限り一定の位置でとどまるように構成され、ボタンの大きさに合わせて摺動部23aを移動させることにより、ボタンを安定した状態で挟持することができるように構成されている。
(ボタン径検出装置)
図2に示すように、ボタン径検出装置25は、ボタン挟持装置23の摺動部23aに固定装備されたラック歯25aと、ラック歯25aに噛合するピニオン歯車25bと、押さえ枠22に支持されている回転式のポテンショメータ25cと、ポテンショメータ25cの出力信号を制御装置3に出力するリード線25dとを備えている。
上記ピニオン歯車25bは、ポテンショメータ25cの回転量検出軸に装備されており、摺動部23aが移動すると、ラック歯25a、ピニオン歯車25bを介してポテンショメータ25cの回転量検出軸が回転し、摺動部23aの移動量に応じた検出信号を制御装置3に出力することが可能となっている。
なお、可変抵抗器24aに接続されたリード線24dと検出部25aに接続されたリード線25dは一つに束ねられ、その先端には制御装置に着脱自在とされたコネクタ26が設けられている。
(制御装置)
ミシン本体には、後述するミシンモータ44、針振りステップモータ46、送りステップモータ48の駆動を所定の縫製プログラムに従って制御する制御装置3が設けられている。
図4に示すように、制御装置3は、縫製プログラムを実行するCPU31、縫製される縫製模様(鳩目縫い等)に関する縫製プログラムや縫製データ等を記憶する記憶部としてのメモリ32を備えている。
制御装置3には、縫製模様を選択する模様選択スイッチ41、縫製の開始及び停止の入力を行うスタートストップスイッチ42が接続されている。また、制御装置3には、縫いにおける送りピッチと針振り幅とをそれぞれ入力するための設定ボリューム49がA/D変換器49aを介して接続されている。これらのスイッチ及びボリュームは、ミシン本体表面に設けられている。
制御装置3には、ミシンモータ駆動回路43が接続され、このミシンモータ駆動回路43にミシンモータ44が接続されている。
制御装置3には、ミシンモータ44に回転駆動される上軸の軸角度を検出するエンコーダ50が接続されている。
制御装置3には、針振りステップモータ駆動回路45が接続され、この針振りステップモータ駆動回路45に針振りステップモータ46が接続されている。
制御装置3には、送りステップモータ駆動回路47が接続され、この送りステップモータ駆動回路47に送りステップモータ48が接続されている。
制御装置3には、A/D変換器25eを介してポテンショメータ25cが接続され、ポテンショメータ25cの検出出力が制御装置3に入力される。
制御装置3には、A/D変換器24fを介して位置検出装置24が接続され、検出された可変抵抗器24aにかかる電圧が検出出力として制御装置3に入力される。
(ボタンホール縫い)
次に、ボタンホール縫いについて説明する。ここでは、縫製模様として鳩目穴かがり縫いを例に挙げて説明する。図5は鳩目穴かがり縫いの縫い区間の構成を示す説明図、図6は鳩目穴かがり縫いの縫い工程を示す説明図である。なお、図5及び図6において矢印Fは布送りの逆送り方向を示している。
鳩目穴かがり縫いは、図5及び図6に示すように、縫い開始位置をP0として、下縫い区間U1、環状部区間K1、左の側縫い区間K2、下縫い区間U2、下縫い区間U3、右の側縫い区間K3、かん止め縫い区間K4の順番で縫いが実行される。
下縫い区間U1,U2,U3では、連続する針落ち位置が線状の軌跡を描くように縫いが行われる縫いであり、かかる下縫い区間U1は後述する環状部区間K1と同様に、下縫い区間U1は縫い開始位置P0から環状部区間K1の第一針位置まで布地を移動させるための円弧状の縫いである。一針一針について順番に布送り方向における位置と針振り量とが全て予め定められているパターンデータに従って縫いが行われ、径の異なる複数のパターンデータがメモリ32内に用意されている。そして、ボタンホール長Lに応じて適切な径の環状部区間K1のパターンデータが選択されると、これに対応する下縫い区間U1のパターンデータが同時に選択されるようになっている。
また、下縫い区間U2は左の側縫い区間K2の最終針位置から下縫い区間U3の第一針位置まで横方向に直線状に縫いを行う区間であり、その縫い長さは後述するかん止め縫い区間K4の針振り長さに対応しており、当該針振り長さの算出時に同時に算出される。
下縫い区間U3は下縫い区間U2の最終針位置から右の側縫い区間K3の第一針位置まで布送り正方向に向かって直線状に縫いを行う区間であり、その縫い長さは後述する側縫い区間K2,K3の縫い長さと等しことから、当該側縫い区間K2,K3の縫い長さの算出時に同時に算出される。
上記各下縫い区間U1,U2,U3は、その上からそれぞれ環状部区間K1とかん止め縫い区間K4と右の側縫い区間K3の縫いが行われて縫い目が表面から隠れるようになっている。
左の側縫い区間K2及び右の側縫い区間K3は、逆送り方向Fに向かって針振りを行いながらジグザグ縫いを行う区間であり、各針ごとに一定のピッチで逆方向に布送りを行いつつ各針ごとに一定の針振り幅で交互に針振り方向を切り替えて縫いが行われる。かかるピッチと針振り幅は、前述した設定スイッチ49により予め数値入力により設定される。また、左の側縫い区間K2及び右の側縫い区間K3の縫い長さL1は、ボタン径検出装置25により検出されたボタン径に基づいて定められるボタンホール長Lに応じて設定される。
なお、左の側縫い区間K2及び右の側縫い区間K3は、いずれも逆送り方向Fに向かって布送りが行われるが、これは、左右で互いに逆方向に縫いを行うとそれぞれのピッチに差異を生じるおそれがあるためこれを解消するための措置である。また、前述した下縫い区間U3は、左の側縫い区間K2の縫いの完了の後に右の側縫い区間K3を同じ逆送り方向Fに沿って縫いを行うために行われる措置である。
環状部区間K1は、環状(厳密には円弧状)の軌跡に沿ってジグザグ縫いが行われる場合と同様の針落ち位置をたどるように縫いが行われる区間である。ミシン10の構成では、針振りを行う縫い針に対して布地を円弧の軌跡で送ることも針振りを行う縫い針を旋回させることも困難であるため、それと実質上同じ針落ち位置に針落ちが行われるように、一針一針について順番に布送り方向における位置と針振り量とが全て予め定められているパターンデータに従って針振り及び布送りの制御が実行される。図7は、環状部区間Kの一部の拡大図である。
パターンデータは、かかる図7における各針落ち位置PK1,PK2,PK3,…について、PK1からPK2に移動するための針振り量と布送り量、PK2からPK3に移動するための針振り量と布送り量、PK3からPK4に移動するための針振り量と布送り量、…が環状部区間K1における全ての針落ち位置について定められている。
また、環状部区間K1の径の異なる複数のパターンデータがメモリ32内に用意されている。そして、ボタン径検出装置25により検出されたボタン径から定まるボタンホール長Lに応じてCPU31が適切な径の環状部区間K1のパターンデータを適宜選択するようになっている。
ボタンホール長Lは、検出されたボタン径に対して所定長さ加算した値が採用される(例えば、ボタン直径に対して2[mm]加算する)。そして、パターンデータには環状部区間K1の内径L2の値も設定されており、環状部区間K1のパターンデータの選択が行われると、当該データに含まれる内径L2から前述した左の側縫い区間K2及び右の側縫い区間K3の縫い長さL1がL−L2により算出される。
かん止め縫い区間K4では、左右の側縫い区間K2,K3の縫いが完了するとこれらの終端部において両側縫い区間K2,K3をまたがるように複数回の針振りにより縫いが行われる。かん止めはボタン穴の端部の強化を図るためのものである。その針振り幅は側縫い区間K2,K3の針振り幅が設定入力されるとその2倍強とする演算によりCPU31で算出される。
(フィードバック制御)
縫製時において、縫製開始から第二針目以降については位置検出装置24により布送り方向における位置が検出される(第一針目は原点位置P0であるため針振り及び布送りは行われない)。
かかる縫製時において、CPU31は、メモリ32内に記憶されている送りフィードバック制御プログラムの処理に従って、送り制御部としての制御を実行する。
即ち、CPU31は、毎針ごとに定められた布送り方向における目標位置か目標送り量を求め、位置検出装置24により求められた検出位置に基づく実際の送り量との誤差を求め、毎針ごとに、直前の5針分の誤差から補正値を求め、当該補正値により目標位置に対する布送り量を補正して前記送りモータを駆動する制御を行う。
より具体的に説明すると、CPU31は、毎針ごとに位置検出装置24により布送り方向における押さえ枠22の位置xが検出されると前回の押さえ枠位置xi−1との差から押さえ枠22の実際の送り量を算出する。そして、今回の目標位置への目標送り量と比較して誤差Aを算出し、さらに当該誤差量Aを目標送り量で除算し誤差比率αを算出し、これを順次メモリ32記憶する(i=1,2,3,…)。
そして、5針分の誤差比率α〜αが蓄積されるとこれを平均化して平均誤差比率αaveを求め、次の目標位置までの送り量に平均誤差比率αavを乗算して補正し、当該乗算値となるように送り量を制御する。これ以降、新たな誤差比率αが求まるたびにα〜αについて平均誤差比率αaveを求め、順次送り量の補正が行われる。
(ボタンホール縫いにおける動作制御)
次に、ボタンホール縫いにおける動作制御について、図6及び図8に基づいて説明する。図8は鳩目穴のボタンホール縫いにおける制御フローチャートである。かかるボタンホール縫いでは、予め、ボタン挟持装置23の固定部23bと摺動部23aとの間にボタンホールに通すボタンBを挟持させた状態としておくことを前提とする。
まず、CPU31は、縫製模様として鳩目縫いが選択されたか否かを判断する(ステップS1)。
CPU31は、鳩目縫いが選択されたと判断した場合(ステップS1:YES)、コネクタ26がミシン本体の所定の箇所に差し込まれたか否かを判断する(ステップS2)。
CPU31は、コネクタ26がミシン本体に差し込まれたと判断した場合(ステップS2:YES)、ボリュームレバー24bが可変抵抗器24aの原点位置(図2に示す位置)又はその近傍にあるか否か、すなわち、押さえ枠22のストッパ22sと押さえ体21とが当接している状態かその近傍にあるか否かを判断する(ステップS3)。
CPU31は、ボリュームレバー24bが可変抵抗器24aの原点位置又はその近傍に位置していると判断した場合(ステップS3:YES)、スタートストップスイッチ42が押されたか否かを判断する(ステップS4)。
さらに、CPU31は、スタートストップスイッチ42が押されたと判断すると(ステップS4:YES)、位置検出装置24の出力から初期位置(原点位置又はその近傍位置)をメモリ32に記憶する(ステップS5)。
また、CPU31は、ボタン径検出装置25のポテンショメータ25cの出力からボタンの外径を読み取り、メモリ32に記憶する(ステップS6)。そして、ボタン外径が検出されると、所定長さを加算してボタンホール長Lを算出し、メモリ32に記憶する(ステップS7)。
次いで、CPU31は、設定ボリューム49の出力から側縫い区間S2,S3における送りピッチと針振り幅の入力設定値を読み取り、メモリ32に記憶する(ステップS8)。
さらに、CPU31は、算出したボタンホール長Lから環状部区間K1のパターンデータを選択し、側縫い区間K2,K3の縫い長さL1を算出し、かん止め区間K4の縫い位置及び幅を算出し、これらにより鳩目穴のボタンホール縫いにおける全ての針落ち位置における針振り幅と送り位置とを算出する(ステップS9)。
次いで、CPU31は、ミシンモータ44の駆動を開始して縫い開始位置P0に第一針の針落ちを行い、送りステップモータ48を逆送り方向に切り替えて下縫い区間U1の縫いを開始する(図6(A):ステップS10)。そして、この第一針目から、布送りのフィードバック制御が実行されるが(ステップS11)、その詳細は後述する。
次いで、CPU31は、布地が環状部区間K1の第一針である鳩目下位置P1に到達したか位置検出装置に24により判定し(ステップS12)、到達した場合には、環状部区間K1のパターンデータに従いジグザグ縫い(ZZ縫い)を実行する。このとき、パターンデータにより一針ごとに定められた針振り量で針振りステップモータ46が駆動されると共に一針ごとに定められた正送り量又は逆送り量となるように送りステップモータ48が駆動される(図6(B):ステップS13)。
環状部区間K1のパターンデータに定められた全ての運針が完了すると、CPU31は、左の側縫い区間K2におけるジグザグ縫い(ZZ縫い)を実行する。このとき、設定ボリューム49により入力され針振り量に基づいて針振りステップモータ46が駆動されると共に設定ボリューム49により入力されたピッチに基づいて逆送りで送りステップモータ48が駆動される(図6(B):ステップS14)。
そして、位置検出装置24によりかん止め位置(側縫い区間K2の縫い開始位置から縫い長さL1の位置、又は原点P0からボタンホール長Lの位置)が検出されると(ステップS15)、下縫い区間U2の縫いが行われる。かかる区間U2では、布送り量を0にして、一針ごとに針振り位置だけが所定の縫い幅で変化するように針振りステップモータ46の動作制御が行われる(図6(C):ステップS16)。
次いで、下縫い区間U3の縫いが行われる。かかる区間U3では、針振り量を0にして、一針ごとに布送りだけが所定のピッチで行われるように送りステップモータ48の動作制御が行われる(ステップS17)。
下縫い区間U3の縫いは布送り正方向に向かって鳩目下位置P1(原点から環状部区間K1の内径L2までの位置)まで行われる。そして、CPU41は、鳩目下位置P1まで数ピッチ(ピッチ数は予め適宜設定する)手前の位置まで縫いが到達したか判定する(ステップS18)。そして、縫いが鳩目下位置P1の手前数ピッチに到達すると、送りピッチの大きさを所定比率(比率は予め適宜設定する)で縮小するように送りステップモータ48を制御する(ステップS19)。
さらに、CPU41は、鳩目下位置P1まで1ピッチ(所定比率で縮小されたピッチ)以下の位置まで縫いが到達したか判定する(ステップS20)。そして、縫いが鳩目下位置P1の手前1ピッチ以下に到達すると、CPU31は、右の側縫い区間K3におけるジグザグ縫い(ZZ縫い)に移行する(図6(D):ステップS21)。
即ち、CPU41は、ステップS21の処理を実行することにより、「送り検出手段(位置検出装置24)の検出に基づいて下縫い(下縫い区間U3)からジグザグ縫い(右側縫い区間K3)への切り替え目標位置(鳩目下位置P1)まで1ピッチ以下か否かを判定し、1ピッチ以下の場合には切り替え目標位置(鳩目下位置P1)への到達を待たずにジグザグ縫い(下縫い区間U3)に切り替えるように針振りモータ(針振りステップモータ46)及び送りモータ(送りステップモータ48)を制御する切り替え制御部」(請求項4記載の発明)としての制御を実行することとなる。
ステップS21では、右の側縫い区間K3におけるジグザグ縫い(ZZ縫い)を実行するために、左の側縫いと同様に、設定ボリューム49により入力され針振り量及びピッチに基づいて針振りステップモータ46及び送りステップモータ48が駆動される。
そして、位置検出装置24によりかん止め位置(側縫い区間K3の縫い開始位置から縫い長さL1の位置、又は原点P0からボタンホール長Lの位置)が検出されると(ステップS22)、かん止め縫い区間K4の縫いが行われる。かかる区間K4では、布送り量を所定の微少ピッチとして、所定の針振り量で一針ごとに左右交互に針振りを行うように送りステップモータ48と針振りステップモータ46の動作制御が行われる(ステップS23)。
そして、所定針数でかん止め縫いが行われると、止め縫いが行われ、全てのモータ44,46,48が停止され、鳩目穴のボタンホール縫いが終了する(ステップS24)。
次に、運針時に実行される布送りのフィードバック制御について、図9に基づいて説明する。図9はフィードバック制御のフローチャートである。
前述したボタンホール縫いの動作制御において下縫い区間U1の第一針目の針落ちが原点P0で開始され(ステップS41)、エンコーダ50が上軸角度110°を検出すると(ステップS42)、位置検出装置24により押さえ枠22の布送り方向における位置検出が行われる(ステップS43)。位置検出装置24の出力はA/D変換器24fによりデジタル信号に変換されて制御装置3に入力される(ステップS44)。
次いで、第二針目の針落ち位置の布送り方向における目標位置と現在位置(ステップS43での検出位置)との差から次の目標送り量を算出する(ステップS45)。そして、この目標送り量にメモリ32内に予め登録されている補正値としての初期設定補正係数(例えば1.0)を乗じて第二針目の送り量を算出する(ステップS46)。
そして、送り機構が算出送り量で送りを行うように、送りステップモータ48を所定の指示位置に駆動させるように動作制御を実行する(ステップS47)。
送りステップモータ48の駆動後、送り歯が針板上面に到達し、押さえ枠22が布地と共に送られる(ステップS48)。
次いで、縫い針の下降により縫い針が布地に到達する(ステップS49)。そして、エンコーダ50が上軸角度110°を検出すると(ステップS50)、位置検出装置24により押さえ枠22の布送り方向における位置検出が行われる(ステップS51)。位置検出装置24の出力はA/D変換器24fによりデジタル信号に変換されて制御装置3に入力される(ステップS52)。
次いで、前回の針落ちでの押さえ枠の検出位置とステップS51での今回の検出位置との差から実際の送り量を算出する(ステップS53)。
さらに、上記実際の送り量を目標送り量で除算することで誤差比率αを算出する(ステップS54)。この誤差比率はメモリ32に記憶される。
そして、CPU31は、この誤差比率αとそれ以前の誤差比率αi−1,αi−2,αi−3,αi−4(縫製開始から第六針目までは5つの誤差比率が蓄積されないことからまだ蓄積されていない誤差比率についてはデフォルト値(例えば1.0)が採用される)とを平均化して平均誤差比率αaveを算出する(ステップS55)。
なお、CPU31は、誤差比率αを最新の針落ちから5針分までメモリ32に蓄積し、新しく誤差比率が取得されると、古いデータから順番に消去する。
また、ここでは5針分の誤差比率の平均化を図っているが誤差比率αのサンプル数は2以上であれば適宜増減させても良い。また、誤差比率αのサンプル数が5に満たないときには、デフォルト値で穴埋めする代わりに蓄積されている誤差比率のみを採用しても良い。
次いで、次の針落ち位置の布送り方向における目標位置と現在位置(ステップS51での検出位置)との差から次の目標送り量を算出する(ステップS56)。そして、この目標送り量に補正値としての平均誤差比率αaveを乗じて次回の運針の送り量を算出する(ステップS57)。
そして、送り機構が算出送り量で送りを行うように、送りステップモータ48を所定の指示位置に駆動させるように動作制御を実行する(ステップS58)。
その後、ステップS48に処理を戻し、これ以降、鳩目穴のボタンホール縫いにおける全ての運針が終了するまで、ステップS48〜S58の処理を繰り返す。
(ミシンの効果)
ミシン10では、毎針ごとに手前5針分の布送り方向における位置検出を行い、各針での誤差量から平均誤差比率αaveを求めて布送り量の補正を図るので、一針一針について布送り量の補正が行われ、バラツキの発生を抑えて縫い品質を向上することが可能となる。
さらに、直前の一針分の運針での誤差のみから送り量の補正を図る場合に比べて、誤差が過敏に反映されてしまう補正を回避でき、例えば、直前の運針でたまたま送りに外乱を生じて誤差が大きくなった場合や検出時のノイズによる誤差等の影響を低減することができ、安定した縫製を行うことが可能となる。
また、ミシン10では、複数針の検出から誤差を蓄積し、補正値(平均誤差比率αave)を求めることから、必要針数の運針が行われるまではデフォルト値が代用され、補正の的確性が劣る状態にあるが、図5に示したように、鳩目穴かがり縫いを下縫い区間から開始する。このため、仮に、送りの不安定、ピッチの不均一を生じた場合でも上からジグザグ縫いが行われて隠れてしまうことから縫い品質は低下しない。
さらに、上記ミシン10では、下縫い区間U3の縫いにおいて、目標位置となる鳩目下位置P1まで残り1ピッチ分以下となった場合に下縫いを終了して右の側縫い区間K3の縫いに移行する制御が行われることから、鳩目下位置P1よりも縫い目が飛び出すことを回避することができ、ジグザグ縫いの範囲から下縫いがはみ出してしまうことを防止でき、縫い品質の向上を図ることが可能となる。
また、ボタン挟持装置23にボタンBを挟持すると固定部23bに対して摺動部23aがボタンBの外径に応じて移動することから、摺動部23aの移動量を検出することでボタンBの外径を求めることができる。また、かかる検出ボタン径を縫い制御に用いることができ、ボタン径の入力作業の煩雑性を解消し、ミシンの作業性を向上させることが可能となる。
(フィードバック制御の他の例)
本実施形態では、縫いの区間にかかわらず、連続して布送り量の補正を実行していたが、例えば、ボタンホール縫いのように、縫いの各区間ごとにほぼ布送り方向が一定であり、区間が切り替わると布送り方向も正逆変化するような縫いを行う場合には、補正値算出のための送り誤差の蓄積は区間ごとに区別して行っても良い。つまり、制御装置3は、一つの区間の縫いが終わると、その区間での補正値は次の区間では参照せず、新たに最初から誤差の算出を行うように処理を行っても良い。例えば、布送りの正方向と逆方向とでは誤差の傾向が異なる場合であって、区間の切り替わりに伴って布送り方向の変動を生じた場合に、逆の布送り方向の補正値を参照して補正を行うことを回避でき、誤差の補正をより的確に行うことができ、縫い品質の向上を図ることが可能となる。
また、上記と同様の理由により、制御装置3は、補正値を布送り正方向と逆方向と別々に求め、正方向の布送りを行う際には正方向の補正値により補正を行い、逆方向の布送りを行う際には逆方向の補正値により補正を行うように処理を行っても良い。
つまり、制御装置3のCPU31は、処理プログラムに従って、図10に示すフィードバック制御を実行する。なお、図10に示すフィードバック制御は図9に示したフィードバック制御と処理を共通するところが多くあるので共通する処理については同じステップ番号を付して説明を省略する。
CPU31は、第二針以降の運針において、ステップS54の処理により誤差比率αを算出すると、今回の針落ち位置への布送りが正方向で行われたか逆方向で行われたかを判定する(ステップS541)。かかる判定は、目標送り量から行っても良いし、ステップS53の検出送り量から行っても良い。
そして、今回の針落ち位置への布送りが正方向で行われたと判定した場合には(ステップS541:YES)、この誤差比率αとそれ以前の誤差比率αi−1,αi−2,αi−3,αi−4とを平均化して正方向における平均誤差比率αFaveを算出する(ステップS551)。
また、今回の針落ち位置への布送りが逆方向で行われたと判定した場合には(ステップS541:NO)、この誤差比率αとそれ以前の誤差比率αi−1,αi−2,αi−3,αi−4とを平均化して正方向における平均誤差比率αBaveを算出する(ステップS552)。
なお、CPU31は、誤差比率αを正方向と逆方向とについて区別して5針分ずつメモリに蓄積する。
次いで、次の針落ち位置の布送り方向における目標位置と現在位置との差から次の目標送り量を算出し(ステップS56)、次の布送りが正方向で行われるか逆方向で行われるかを判定する(ステップS561)。
そして、次回の布送りが正方向で行われると判定した場合には(ステップS561:YES)、目標送り量に補正値としての平均誤差比率αFaveを乗じて次回の運針の送り量を算出する(ステップS571)。
また、次回の布送りが正方向で行われると判定した場合には(ステップS561:NO)、目標送り量に補正値としての平均誤差比率αBaveを乗じて次回の運針の送り量を算出する(ステップS572)。
そして、送り機構が算出送り量で送りを行うように、送りステップモータ48を所定の指示位置に駆動させるように動作制御を実行する(ステップS58)。
その後、ステップS48に処理を戻し、毎針ごとに、送り方向の正逆でそれぞれ固有の補正値を用いて補正を行いつつ運針を実行する。
これにより、布送りの正方向と逆方向とで誤差の傾向が異なる場合に、一針ごとに誤差の補正をより的確に行い、さらなる縫い品質の向上を図ることが可能となる。
(位置検出装置の他の例)
位置検出装置24はスライドボリュームを使用して押さえ枠22の位置検出を行っているがかかる構成に限定されるものではない。例えば、図11に示す位置検出装置24Aのように、押さえ体21に固定装備されたラック歯24Aaと、ラック歯24Aaに噛合するピニオン歯車24Abと、押さえ枠22に支持されている回転式のポテンショメータ24Acと、ポテンショメータ24Acの出力信号を制御装置3に出力するリード線24Adとを備える構成としても良い。
上記ピニオン歯車24Abは、ポテンショメータ24Acの回転量検出軸に装備されており、押さえ枠22が移動すると、ラック歯24Aa、ピニオン歯車24Abを介してポテンショメータ24Acの回転量検出軸が回転し、押さえ枠22の移動量に応じた検出信号を制御装置3に出力することが可能となっている。
また、ボタン径検出装置25のポテンショメータに替えて、位置検出装置24と同様の構造によりスライドボリュームを用いても良い。
さらに、図12に示す位置検出装置24Bのように、押さえ枠22に固定装備されたラック歯24Baと、ラック歯24Baに噛合するピニオン歯車24Bbと、押さえ体21に支持されている回転式のポテンショメータ24Bcと、ポテンショメータ24Bcの出力信号を制御装置3に出力するリード線24Bdとを備える構成としても良い。
押さえ枠22の移動量に応じた検出信号を制御装置3に出力する点は各位置検出装置24,24Aと同様である。
また、ボタン径検出装置25Bについては、ボタン挟持装置23の摺動部23aに固定装備されたラック歯25Baと、ラック歯25Baに噛合するピニオン歯車25Bbと、押さえ体21に支持されている回転式のポテンショメータ25Bcと、ポテンショメータ25Bcの出力信号を制御装置3に出力するリード線25Bdとを備える構成としても良い。
上記ピニオン歯車24Bbは、ポテンショメータ24Bcの回転量検出軸に装備されており、押さえ枠22が移動すると、ラック歯24Ba、ピニオン歯車24Bbを介してポテンショメータ24Bcの回転量検出軸が回転し、押さえ枠22の移動量に応じた検出信号を制御装置3に出力することが可能となっている。
また、上記ピニオン歯車25Bbは、ポテンショメータ25Bcの回転量検出軸に装備されており、摺動部23aが移動すると、ラック歯25Ba、ピニオン歯車25Bbを介してポテンショメータ25Bcの回転量検出軸が回転し、ボタンの外径に応じた検出信号を制御装置3に出力することが可能となっている。
(縫いの他の例)
上述したミシン10の鳩目穴かがり縫いの縫い工程については、上記に限定されるものではない。例えば、図13(A)〜図13(D)に示すように、かん止め側の端部から縫いを開始するようにしても良い。かかる場合、下縫い区間U1に替えて、縫い開始位置から布送り逆方向に向かってまっすぐ線状の縫いを行う下縫い区間U11と、環状部区間K1と同じ範囲を環状区間K1の第一針位置まで布地を移動させるための円弧状の縫いを行う下縫い区間U12が設けられる。
下縫い区間U11は下縫い区間U3と同様にしてその縫い長さが求められる。また、下縫い区間U12は一針一針について順番に布送り方向における位置と針振り量とが全て予め定められているパターンデータに従って縫いが行われ、径の異なる複数のパターンデータがメモリ32内に用意されている。そして、ボタンホール長Lに応じて適切な径の環状部区間K1のパターンデータが選択されると、これに対応する下縫い区間U12のパターンデータが同時に選択されるようになっている。
これ以外の区間については図6に示す縫いの工程と同じである。
また、図14(A)〜図14(E)に示すように、縫い開始位置P0から縫いを開始し、下縫い区間U1に替えて、下縫い区間U1とは逆方向に円弧状の縫いを行う下縫い区間U13と、環状部区間K1と同じ範囲を環状区間K1の第一針位置まで布地を移動させるための円弧状の縫いを行う下縫い区間U14とを設けても良い。
下縫い区間U13,14は、いずれも、一針一針について順番に布送り方向における位置と針振り量とが全て予め定められているパターンデータに従って縫いが行われ、径の異なる複数のパターンデータがメモリ32内に用意されている。そして、ボタンホール長Lに応じて適切な径の環状部区間K1のパターンデータが選択されると、これに対応する下縫い区間U13,14のパターンデータがそれぞれ同時に選択されるようになっている。
これ以外の区間については図6に示す縫いの工程と同じである。
これらの工程で鳩目穴かがり縫いを行う場合、ジグザグ縫いに先行して行われる下縫いの針数を図6の場合よりも多く確保できるので、ジグザグ縫いが開始されるまでに誤差の検出を十分に行うことが可能となる。
また、鳩目穴かがり縫いに限らず、通常のボタンホール縫いを行っても良い。図15は通常のボタンホール縫いの工程を示す説明図である。
かかるボタンホール縫いは、図15(A)〜図15(E)に示すように、縫い開始位置をP0として、左の側縫い区間K21、下縫い区間U21、下縫い区間U22,かん止め縫い区間K22,右の側縫い区間K23、かん止め縫い区間K24の順番で縫いが実行される。
左の側縫い区間K21及び右の側縫い区間K23は、逆送り方向Fに向かって針振りを行いながらジグザグ縫いを行う区間であり、各針ごとに一定のピッチで正方向に布送りを行いつつ各針ごとに一定の針振り幅で交互に針振り方向を切り替えて縫いが行われる。かかるピッチと針振り幅は、前述した設定スイッチ49により予め数値入力により設定される。また、左の側縫い区間K2及び右の側縫い区間K3の縫い長さL1は、ボタン径検出装置25により検出されたボタン径に基づいて定められるボタンホール長Lに応じて設定される(例えばL+2mm)。
下縫い区間U21は左の側縫い区間K21の最終針位置から下縫い区間U22の第一針位置まで横方向に直線状に縫いを行う区間であり、その縫い長さは後述するかん止め縫い区間K22,K24の針振り長さに対応しており、当該針振り長さの算出時に同時に算出される。
下縫い区間U22は下縫い区間U21の最終針位置から縫い開始位置P0と同じ布送り位置まで布送り正方向に向かって直線状に縫いを行う区間であり、その縫い長さは側縫い区間K21,K23の縫い長さと等しことから、当該側縫い区間K21,K23の縫い長さの算出時に同時に算出される。
かん止め縫い区間K22,K24では、左右の側縫い区間K21,K23の両端部において両側縫い区間K21,K23をまたがるように複数回の針振りにより縫いが行われる。その針振り幅は側縫い区間K21,K23の針振り幅が設定入力されるとその2倍強とする演算によりCPU31で算出される。
かかる通常のボタンホール縫いにも、送り量の補正を行うフィードバック制御が実行される。
(その他)
なお、本実施形態では、下縫い区間U3から右の側縫い区間K3への切り替え目標位置についてのみ、目標位置までの距離が残り1ピッチ分以下である場合にジグザグ縫いに切り替える切り替え制御部としての制御を実行しているが、他の区間切り替え時にも同様にして切り替え制御を実行しても良い。
また、上記ミシン10では専らボタン穴かがり縫いの縫製を例示したが、本発明の補正制御は、押さえ棒の下端に設けられた押さえ体と、押さえ体により布送り方向に沿って移動自在に支持されると共に布地の保持を行う押さえ枠とを備えるミシンであれば、いかなる縫製を行うミシンにも適用可能であり、ボタン穴かがりミシンに限定されるものではない。
押さえ棒に取り付けられたボタンホール縫い装置の概略側面図である。 ボタンホール縫い装置の概略平面図である。 ボタンホール縫い装置の使用時における概略平面図である。 ミシンの構成を示すブロック図である。 鳩目穴かがり縫いの縫い区間の構成を示す説明図である。 鳩目穴かがり縫いの縫い工程を示す説明図であり、図6(A)〜図6(E)の順番で縫いが行われる。 鳩目穴かがり縫いの環状部区間の拡大説明図である。 鳩目縫いの全体的な処理を示すフローチャートである。 鳩目縫いの送りフィードバック制御を示すフローチャートである。 鳩目縫いの送りフィードバック制御の他の例を示すフローチャートである。 他の位置検出装置を備えるボタンホール縫い装置の概略平面図である。 他の位置検出装置及びボタン挟持装置を備えるボタンホール縫い装置の概略平面図である。 鳩目穴かがり縫いの他の縫い工程を示す説明図であり、図13(A)〜図13(D)の順番で縫いが行われる。 鳩目穴かがり縫いのさらに他の縫い工程を示す説明図であり、図14(A)〜図14(E)の順番で縫いが行われる。 通常のボタンホールの縫い工程を示す説明図であり、図15(A)〜図15(E)の順番で縫いが行われる。 従来のボタンホール縫い装置の概略平面図である。 他の従来のボタンホール縫い装置の概略斜視図である。
符号の説明
1 押さえ棒
2 ボタンホール縫い装置
3 制御装置(送り制御部、切り替え制御部)
10 ミシン
21 押さえ体
22 押さえ枠
23 ボタン挟持装置
23a 摺動部(移動部)
23b 固定部
24 位置検出装置(送り検出手段)
24a 可変抵抗器(被摺動部材)
24b ボリュームレバー(摺動部材)
25 ボタン径検出装置
25c ポテンショメータ
31 CPU
32 メモリ(記憶部)
44 ミシンモータ
46 針振りステップモータ(針振りモータ)
48 送りステップモータ(送りモータ)

Claims (5)

  1. ミシンの押さえ棒の下端に着脱可能に装着される押さえ体と、この押さえ体により被縫製物の布送り方向に沿って移動自在に支持されると共に前記被縫製物の保持を行う押さえ枠と、前記押さえ体に対する前記押さえ枠の布送り方向に沿った位置又は送り量を検出する送り検出手段と、を備えたボタンホール縫い装置を前記ミシンの押さえ棒に装備して、
    前記被縫製物と前記押さえ枠とを毎針ごとに布送り方向に沿って送る送り歯と当該送り歯による布送り量の調整を行う送りモータとを備えるミシンの送り機構と、
    毎針ごとに目標位置又は目標送り量と前記送り検出手段により求められた検出位置又は検出送り量との誤差を求めて記憶する記憶部と、
    毎針ごとに直前までの蓄積された複数針分の誤差に対して直近のものほど重み付けをして求めた平均値から補正値を定め、当該補正値により布送り量を補正して前記送りモータを駆動する制御を行う送り制御装置とを備えることを特徴とするミシン。
  2. ミシンの押さえ棒の下端に着脱可能に装着される押さえ体と、この押さえ体により被縫製物の布送り方向に沿って移動自在に支持されると共に前記被縫製物の保持を行う押さえ枠と、前記押さえ体に対する前記押さえ枠の布送り方向に沿った位置又は送り量を検出する送り検出手段と、を備えたボタンホール縫い装置を前記ミシンの押さえ棒に装備して、
    前記被縫製物と前記押さえ枠とを毎針ごとに布送り方向に沿って送る送り歯と当該送り歯による布送り量の調整を行う送りモータとを備えるミシンの送り機構と、
    毎針ごとに目標位置又は目標送り量と前記送り検出手段により求められた検出位置又は検出送り量との誤差を求めて記憶する記憶部と、
    毎針ごとに直前までの蓄積された複数針分の誤差から補正値を定め、当該補正値により布送り量を補正して前記送りモータを駆動する制御を行う送り制御装置と、
    針振りモータにより布送り方向に直交する方向に針振りを行う針振り機構を備え、
    一定のピッチで線状の縫い目を形成する下縫いと交互に振れる縫い目を形成するジグザグ縫いとの組み合わせからなる縫製データに従って縫製が行われるミシンであって、
    前記送り検出手段の検出に基づいて前記下縫いからジグザグ縫いへの切り替え目標位置まで1ピッチ分以下か否かを判定し、1ピッチ分以下である場合には前記切り替え目標位置への到達を待たずに前記ジグザグ縫いに切り替えるように前記針振りモータ及び送りモータを制御する切り替え制御部を備えることを特徴とするミシン
  3. 前記送り制御装置は、前記補正値を正送り方向と逆送り方向とで別々に求め、毎針ごとにその送りが正送り方向である場合には前記正送り方向の補正値に基づいて前記送りモータの制御を行い、その送りが逆送り方向である場合には前記逆送り方向の補正値に基づいて前記送りモータの制御を行うことを特徴とする請求項1又は2記載のミシン。
  4. 前記押さえ枠に固定装備された固定部及び移動可能に装備された移動部によりボタン外周を挟持するボタン挟持装置と、
    前記移動部の移動量を検出するボタン径検出装置とを備えることを特徴とする請求項1,2又は3記載のミシン。
  5. 前記押さえ枠に固定装備された固定部及び移動可能に装備された移動部によりボタン外周を挟持するボタン挟持装置と、
    前記移動部の移動量を検出するボタン径検出装置と、を備え
    前記ボタン径検出装置の検出を行う素子が前記押さえ体に装備されていることを特徴とする請求項1,2又は3記載のミシン。
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