JP4925185B2 - ノイズフィルタアレイ - Google Patents

ノイズフィルタアレイ

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Description

本願発明は、回路基板上に形成された信号配線を流れるノイズを有効に除去するためのノイズフィルタアレイに関する。
例えば、携帯電話の通信方式によっては、一台の携帯電話で複数の通信帯域を使用するものがある。そして、各通信帯域での受信感度劣化を防止するためには、各々の周波数帯域でノイズを有効に除去することが必要となる。
このようなノイズ除去のために使用されるノイズフィルタとして、従来よりチョークコイルやフェライトビーズ、ラダー型のLCフィルタなどが知られている。
ここで、上記のチョークコイルをノイズフィルタとして使用する場合には、チョークコイルを各信号配線に単に実装するだけでノイズを除去することができるためノイズ対策が容易であるが、チョークコイルは、ノイズを除去することができる帯域が比較的狭く、特定周波数のノイズしか有効に除去することができず、複数の周波数帯域のノイズを同時に除去することが難しいという問題点がある。
また、フェライトビーズを用いる場合には、チョークコイルの場合と同様に、フェライトビーズを各信号配線に単に実装するだけでノイズを除去することができるためノイズ対策は容易であるが、フェライトビーズは、低周波域でもノイズを除去するため、必要な信号を減衰させるなど、信号波形に及ぼす影響が大きく、また、高減衰が得られないため十分なノイズの除去効果を得ることができない場合がある。
また、上述のラダー型のLCフィルタは、T型、π型、L型などの各種のものがあるが、これらのいずれにおいてもインダクタンスとキャパシタンスとを適宜設定することにより、広帯域のノイズ除去特性が得られるものの、コンデンサに連なる外部電極を接地する必要があるため、ラダー型のLCフィルタが実装される回路基板には、接地用電極パターンを形成することが不可欠となる。このため、回路基板の配線の自由度が制限されるという問題点がある。
さらに、高密度実装を行う回路基板においては、複数の信号配線が形成されるが、部品レイアウトによってはこれらの信号配線とともに十分な線幅の接地用電極パターンを形成することが困難な場合があり、その結果、接地用電極パターンに寄生するインダクタンスの影響によりラダー型のLCフィルタの周波数特性が変化してノイズを十分に除去できなくなるという不具合がある。
一方、従来技術では、誘電体内に複数のコイル導体を螺旋状に積層してコイルを形成し、このコイルのインダクタンスとコイル導体間の浮遊容量とにより一つのトラップ回路を形成してなるフィルタ素子を備えるとともに、当該素子の両側に、磁性体内に複数のコイル導体を螺旋状に積層してコイルを形成し、このコイルのインダクタンスとコイル導体間の浮遊容量とにより一つのトラップ回路を形成してなるフィルタ素子を配置し、これらのフィルタ素子どうしを一体形成してノイズフィルタを構成したものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このノイズフィルタによれば、各フィルタ素子を構成するトラップ回路の共振周波数を複数の通信帯域に対応してそれぞれ設定することにより、各通信帯域におけるノイズを除去することが可能になる。
しかしながら、この特許文献1に記載されているノイズフィルタにおいては、高域側のみならず低域側の共振周波数もコイル導体間に生じる浮遊容量に依存しているため、各周波数帯域ごとに適切かつ十分なノイズ除去を行うこと必ずしも容易ではない。
すなわち、LC並列共振回路において、共振周波数はLC積の値に依存し、LC積が大きいほど共振周波数は小さくなる。ここで、高域側の共振周波数の設定は、LC積が小さくてもよいので、浮遊容量を調整することで容易に実現することが可能であるが、低域側の共振周波数の設定は、LC積をある程度大きくすることが必要になる。この場合、インダクタンスLの値を大きく設定し過ぎると信号波形が歪むなどの問題を生じるので、インダクタンスLの値を大きく設定するとしてもその値には自ずと制限がある。したがって、インダクタンスLの不足分を補うために、コイル導体の層間距離を短くしたり、あるいは絶縁材料を変更したりすることにより比較的大きな浮遊容量が得られるようにする必要がある。
しかしながら、上述のようにコイル導体の層間距離を短くすると、特性や信頼性が低下する。また、絶縁材料を変更する場合には、材料特性によってデラミネーションが発生したり、使用することが必要なシートの種類が増加したりするなど、製造工数が増加するという問題点がある。特に、この特許文献1の場合、誘電体と磁性体とを同時に焼成して一体化する必要があるため、製造工程で割れや剥がれなどが発生しやすく、強度面の信頼性が低いばかりでなく、最適製造条件を高い精度で設定管理する必要があるため、コストの増大を招くという問題点がある。
さらに従来技術では、単一の誘電体内に複数のコイル導体を螺旋状に積層してなるコイルを複数同時に形成して複数のトラップ回路を構成したものも提案されている。
しかしながら、この構成のノイズフィルタの場合も上記の特許文献1の場合と同様に、各トラップ回路を複数の通信帯域に対応して所望の共振周波数に設定することが困難であり、しかも、コイルどうしが互いに磁気結合しやすく、複数のトラップ回路が形成できない場合や、各トラップ回路の共振周波数において高減衰を得ることができない場合があり、周波数帯域ごとに適切かつ十分なノイズ除去を行うことができないという問題点がある。
特開平5−267059号公報
本願発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、複数の周波数帯域において共振周波数を容易かつ確実に設定するとともに、複数の周波数帯域ごとにノイズを効率よく除去することが可能で、コイルどうしの磁気結合を確実に防止して各共振周波数において高減衰を得ることが可能なノイズフィルタを用いたノイズフィルタアレイを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本願発明(請求項1)のノイズフィルタアレイは、
回路基板上に形成された信号配線を流れるノイズを除去するためのノイズフィルタを有し、このノイズフィルタの複数個が前記各信号配線に個別に対応するようにアレイ状に配置されて一体化されているものであって、
前記各ノイズフィルタは、絶縁体の外部に前記信号配線に接続される一対の外部電極が形成される一方、前記絶縁体の内部には複数のコイルが直列接続されてその両端が外部電極にそれぞれ電気的に接続され、かつ、前記複数のコイルのうちの少なくとも一つのコイルにはコンデンサが並列に接続されており、
前記各コイルは、前記絶縁体を介して複数積層されたコイル導体をビアホールを介して螺旋状に接続することにより構成され、かつ、各コイルの共振点は互いに異なるように設定されており、また、前記コンデンサは、前後のコイル間にあって両コイルに電気的に共通接続されたシールド電極と前記両外部電極のうちの少なくとも一方側の外部電極に一端が電気的に接続されたキャパシタンス形成電極の他端とが前記絶縁体を介して対向配置されることにより構成され、さらに、前記キャパシタンス形成電極の前記外部電極接続側の端部は前記各コイルの外部電極接続側の端部と当該外部電極を介して互いに電気的に接続されることにより、各共振周波数が互いに異なる複数のLC並列共振回路が構成されており、
かつ、前記各信号配線ごとに設けられている前記各コイルどうしの接続点が、ノイズ還流用コンデンサを介して非接地の状態で共通に接続されていること
を特徴としている。
また、本願発明(請求項2)のノイズフィルタアレイは、
回路基板上に形成された信号配線を流れるノイズを除去するためのノイズフィルタを有し、このノイズフィルタの複数個が前記各信号配線に個別に対応するようにアレイ状に配置されて一体化されているものであって、
前記各ノイズフィルタは、絶縁体の外部には前記信号配線に接続される一対の外部電極が形成される一方、前記絶縁体の内部には複数のコイルが直列接続されてその両端が外部電極にそれぞれ電気的に接続され、かつ、前記複数のコイルのうちの少なくとも一つのコイルにはコンデンサが並列に接続されており、前記各コイルは、前記絶縁体を介して複数積層されたコイル導体をビアホールを介して螺旋状に接続することにより構成され、かつ、各コイルの共振点は互いに異なるように設定されており、また、前記コンデンサは、前記コイル導体と前記両外部電極のうちの少なくとも一方側の外部電極に一端が電気的に接続されたキャパシタンス形成電極の他端とが前記絶縁体を介して対向配置されることにより構成され、さらに、前記キャパシタンス形成電極の前記外部電極接続側の端部は前記各コイルの外部電極接続側の端部と当該外部電極を介して互いに電気的に接続されることにより、各共振周波数が互いに異なる複数のLC並列共振回路が構成されており、
かつ、前記各信号配線ごとに設けられている前記各コイルどうしの接続点が、ノイズ還流用コンデンサを介して非接地の状態で共通に接続されていること
を特徴としている。
また、請求項3のノイズフィルタアレイは、請求項2記載の発明の構成において、前後のコイル間にはコイル軸方向に直交してシールド電極が配設されていることを特徴としている。
また、請求項4のノイズフィルタアレイは、請求項1、3のいずれかに記載の発明の構成において、前記シールド電極が、少なくとも前後の各コイルの口径の面積の1/2以上を覆う面積を有するように設定されていることを特徴としている。
また、請求項のノイズフィルタアレイは、請求項1〜3のいずれかに記載の発明の構成において、前記コイルと、このコイルに対して並列接続された前記コンデンサと、前記コイル形成に伴って生じる浮遊コンデンサとにより低域側のLC並列共振回路が構成され、また、コイルと、このコイル形成に伴って生じる浮遊コンデンサとで高域側のLC並列共振回路が構成されていることを特徴としている。
本発明のノイズフィルタアレイによれば、上述のように構成されたノイズフィルタを複数個、回路基板上に形成された複数の信号配線に個別に対応するように、アレイ状に配置して一体化しているので、一つの部品(ノイズフィルタアレイ)により、複数の信号配線のノイズをそれぞれ除去することができる。したがって、各信号配線ごとにノイズフィルタを個別に設ける必要がなく、従来に比べて部品点数を削減することが可能になるとともに、部品実装の効率化、回路基板上の実装面積の削減を図ることが可能になる。
また、本願発明のノイズフィルタアレイにおいては、各信号配線ごとに設けられている各コイルどうしの接続点が、ノイズ還流用コンデンサを介して非接地の状態で共通に接続されているので、ノイズ還流用コンデンサがない場合よりも高減衰が得られ、かつ、急峻なカットオフ特性をもつため、信号波形に及ぼす影響を小さく抑えることが可能になる。しかも、回路基板には接地用電極パターンを形成する必要がないため、回路基板の配線の自由度を向上させることが可能になるとともに、回路基板の内部に広面積の接地用電極パターンを不要にすることが可能になる。そのため、回路基板のコストダウンを図ることが可能になる。
なお、複数の信号配線どうしを容量結合させると、クロストークなどの問題が生じることが知られており、また、一般的に、信号周波数は数十MHz以下であり、ノイズ周波数はGHz帯であることが知られている。したがって、本願発明においては、信号周波数にクロストークの影響が出ないように、ノイズ還流用コンデンサの値を設定すること(特に小容量で形成すること)が重要であり、ノイズ還流用コンデンサの値を適切な値に設定することにより、他の信号配線にノイズ電流のみを還流させることが可能になる。
なお、ノイズフィルタアレイを構成するノイズフィルタは、絶縁体内に複数のLC並列共振回路が信号配線に対して順次直列に接続された状態で形成されることになるので、各LC並列共振回路の共振周波数が互いに異なるように設定することにより、複数の周波数帯域ごとにノイズを有効に除去することが可能になる。
また、コイルを積層型コイルとし、かつ、コンデンサを、前後のコイル間にあって両コイルに電気的に共通接続されたシールド電極と、両外部電極のうちの一方側の外部電極に電気的に接続されたキャパシタンス形成電極とを絶縁体を介して対向配置することにより構成し、さらに、キャパシタンス形成電極の外部電極接続側の端部は各コイルの外部電極接続側の端部と当該外部電極を介して互いに電気的に接続された構成としているので、前後のコイル間にシールド電極を介在させることができる。そして、これにより、比較的簡単な構成で、LC並列共振回路を構成するためのコイルとコンデンサとを形成することができるとともに、各コイル相互間が磁気結合しないようにすることができるので、コンデンサの容量を調整したり、コイル導体の巻数を変えたり、コイル導体間の距離を変えたりすることにより容易に所望の共振周波数を設定することができる。
また、コイルを積層型コイルとし、かつ、コンデンサを、コイル導体と、両外部電極のうちの一方側の外部電極に電気的に接続されたキャパシタンス形成電極とを絶縁体を介して対向配置することにより構成した場合にも、比較的簡単な構成で、複数のLC並列共振回路を形成することができるとともに、キャパシタンス形成電極の外部電極接続側の端部は各コイルの外部電極接続側の端部と当該外部電極を介して互いに電気的に接続されているので、前後のコイル間にシールド電極を介在させることができ、これにより、コンデンサの容量を調整したり、コイル導体の巻数を変えたり、コイル導体間の距離を変えたりすることにより容易に所望の共振周波数を設定することができる。したがって、各周波数帯域ごとにノイズを有効に除去することが可能になる。
本願発明が関連する発明の実施例(実施例1)にかかるノイズフィルタアレイを回路基板に実装した状態を示す平面図である。 図1のA−A線に沿う断面図である。 実施例1にかかるノイズフィルタアレイの等価回路図である。 実施例1にかかるノイズフィルタアレイの製造方法を示す分解斜視図である。 実施例1にかかるノイズフィルタアレイにおける挿入損失の周波数依存特性を示す特性図である。 本願発明が関連する発明の実施例(実施例2)にかかるノイズフィルタアレイの構成を示す断面図である。 本願発明が関連する発明の実施例(実施例3)にかかるノイズフィルタアレイの構成を示す断面図である。 本願発明の実施例(実施例4)にかかるノイズフィルタアレイの構成を示す断面図である。 本願発明の実施例(実施例4)にかかるノイズフィルタアレイの等価回路図である。 本願発明の実施例(実施例4)にかかるノイズフィルタアレイの製造方法を示す分解斜視図である。 本願発明の実施例(実施例4)にかかるノイズフィルタアレイの変形例を示す等価回路図である。 本願発明の実施例(実施例4)にかかるノイズフィルタアレイの評価実験を行う場合の結線状態を示す等価回路である。 本願発明の実施例(実施例4)にかかるノイズフィルタアレイにおける挿入損失の周波数依存特性を実施例1の場合と比較して示す特性図である。 本願発明の実施例(実施例4)にかかるノイズフィルタアレイにおいて、ノイズ還流用コンデンサのキャパシタンスを変化させた場合の挿入損失の周波数依存特性を示す特性図である。 本願発明の実施例(実施例4)にかかるノイズフィルタアレイにおいて、図9に示す構成の場合と図11に示す構成の場合とでそれぞれ挿入損失の周波数依存特性を測定した結果を示す特性図である。 本願発明が関連する発明の実施例(実施例5)にかかるノイズフィルタアレイの構成を示す断面図である。 実施例5にかかるノイズフィルタアレイの等価回路図である。 実施例5にかかるノイズフィルタアレイの製造方法を示す分解斜視図である。 本願発明が関連する発明の実施例(実施例6)にかかるノイズフィルタアレイの構成を示す断面図である。 本願発明が関連する発明の実施例(実施例7)にかかるノイズフィルタアレイの構成を示す断面図である。
1 回路基板
2 信号配線
2a,2b 電極パターン
3 ノイズフィルタ
4,4b 絶縁体
4a 絶縁体層
6,7 外部電極
8 前段のLC並列共振回路
9 後段のLC並列共振回路
11 入力側コイル
12 入力側コンデンサ
12a 浮遊コンデンサ
12b 入力側コンデンサ
13 出力側コイル
14 出力側コンデンサ
14a 浮遊コンデンサ
16,18 コイル導体
17,19,20 ビアホール
23 シールド電極
24,25 キャパシタンス形成電極
31,32 コイル形成用の絶縁性シート
33,34,35 コンデンサ形成用の絶縁性シート
36 ノイズ還流用電極
37 終端抵抗
38 ノイズ還流用コンデンサ
以下、本願発明の実施例を示して、その特徴とするところをさらに詳しく説明する。
図1は本願発明が関連する発明の実施例(実施例1)にかかるノイズフィルタアレイを回路基板に実装した状態を示す平面図、図2は図1のA−A線に沿う断面図、図3はこのノイズフィルタアレイの等価回路図、図4はこのノイズフィルタアレイの製造方法を示す分解斜視図である。
このノイズフィルタアレイは、図1〜3に示すように、回路基板1上に形成された複数(4本)の信号配線2を流れるノイズを除去するためのもので、各々の信号配線2に対応して4つのノイズフィルタ3が一体化されて構成されている。
すなわち、このノイズフィルタアレイは、セラミックグリーンシートなどの絶縁性シートを積層し、一体焼成することにより形成された直方体状の絶縁体4を備えている。そして、この絶縁体4の両端側(左右外側部)には、各信号配線2に個別に対応してそれぞれ信号入出力用の外部電極6,7が形成されており、各外部電極6,7が、各信号配線2を構成する左右の電極パターン2a,2bにハンダなどにより電気的に接続されている。
また、絶縁体4内には、各々の信号配線2に対応して、前後に2段のLC並列共振回路8,9が縦列接続された状態で形成されている。そして、この2段のLC並列共振回路8,9により、各信号配線2に対するノイズフィルタ3が構成されている。
なお、後述するように、各LC並列共振回路8,9は、複数の周波数帯域でそれぞれノイズを有効に除去することができるように、各々の共振周波数が互いに異なるように設定されている。
ここに、前段のLC並列共振回路8は、入力側コイル11とこれに並列接続された入力側コンデンサ12とを備えており、後段のLC並列共振回路9は、出力側コイル13とこれに並列接続された出力側コンデンサ14とを備えている。以下、上記の上側の入力側コイル11と、下側の出力側コイル13を「前後のコイル11,13」ともいう。なお、この前後のコイル11,13は、請求項1,3,4および5における「前後のコイル」に相当するものである。
入力側コイル11は、絶縁体4内において複数積層されたコイル導体16をビアホール17を介して順次接続することにより螺旋状のコイルとされている。同様に、出力側コイル13は、絶縁体4内において複数積層されたコイル導体18をビアホール19を介して順次接続することにより螺旋状のコイルとされている。なお、このノイズフィルタアレイでは、各LC並列共振回路8,9の共振点が互いに異なるように、入力側コイル11と出力側コイル13の巻数を異ならせている。
そして、入力側コイル11と出力側コイル13の各一端側は、ビアホール20を介して互いに直列に接続される一方、入力側コイル11と出力側コイル13の他端側はそれぞれ入力側と出力側の各外部電極6,7に接続されている。
また、前後のコイル(入力側コイル11と出力側コイル13)の間にはコイル軸方向に直交するようにシールド電極23が配置されているとともに、このシールド電極23に絶縁体4を介して、上下2つのキャパシタンス形成電極24,25が対向して形成されており、シールド電極23と上側のキャパシタンス形成電極24とにより入力側コンデンサ12が構成され、また、シールド電極23と下側のキャパシタンス形成電極25とにより出力側コンデンサ14が構成されている。
そして、上記のシールド電極23は、上側の入力側コイル11と、下側の出力側コイル13の間を直列接続するビアホール20に電気的に接続されているとともに、絶縁体4内に埋設された状態で、外部接続されないように構成されている。しかも、このシールド電極23は、前後のコイル11,13の口径を覆う大きさの面積を有するように構成されている。
すなわち、シールド電極23は、各コンデンサ12,14のキャパシタンス形成用の一方側の電極としての機能を果たすとともに、前後のコイル11,13相互間が磁気結合しないように電磁シールドする機能を果たすことができるように構成されている。
なお、前後のコイル11,13どうしの磁気結合を防止する上で、シールド電極23の面積は少なくとも前後の各コイル11,13の口径の面積の1/2以上を覆う面積を有するように設定することが好ましい。
また、各キャパシタンス形成電極24,25は、その各一端部が絶縁体4の外側部にそれぞれ引き出されて各外部電極6,7に電気的に接続されている。そして、シールド電極23とこれに対向配置された上下の各キャパシタンス形成電極24,25との対向面積や対向間距離を予め調整して、入力側コンデンサ12と出力側コンデンサ14のキャパシタンスを変化させることにより、除去したい周波数のノイズを十分に除去することができるように、各LC並列共振回路8,9の共振点を調整する。なお、各コイル11,13自体のインダクタンスを調整することにより共振点を調整することも可能である。
次に、このノイズフィルタアレイの製造方法について説明する。
このノイズフィルタアレイを製作するには、例えば、図4に示すように、入力側コイル形成用の絶縁性シート31、出力側コイル形成用の絶縁性シート32、コンデンサ形成用の絶縁性シート33,34,35、およびこれらの各絶縁性シート31,32,33〜35の間に必要に応じて介在させる相互間接続用の絶縁性シート(図示せず)をそれぞれ所定枚数分だけ準備する。なお、これらの各絶縁性シートとしては、誘電体であるセラミックグリーンシートなどが使用される。
そして、コイル形成用の各絶縁性シート31,32には、4つの信号配線2に対応させてそれぞれ各コイル11,13を形成するために、4つのコイル導体16,18がそれぞれ形成されている。また、各コイル導体16,18は、絶縁性シート31,32の積層方向に対して螺旋状になるように絶縁性シート31,32ごとに形状を変えて形成されている。また、各コイル導体16,18は、信号の流れる方向に対して同じ巻回方向とされている。
一方、コンデンサ形成用の絶縁性シート33,34,35のうち、上下の絶縁性シート33,35には、キャパシタンス形成電極24,25がそれぞれ形成され、その中間の絶縁性シート34にはシールド電極23が形成されている。そして、シールド電極23およびキャパシタンス形成電極24,25は、4つの信号配線2にそれぞれ対応させるため4つ並列に形成されている。さらに、これらの絶縁性シート31〜35のうち、所定の絶縁性シートには上下のシート間を電気的に接続することができるようにビアホール20などが形成されている
なお、上記のコイル導体16,18やシールド電極23、キャパシタンス形成電極24,25には、例えばAg−Pd、Agなどの材料が使用される。
そして、出力側コイル形成用の絶縁性シート32、コンデンサ形成用の絶縁性シート33〜35、および入力側コイル形成用の絶縁性シート31を所定枚数分積層し、さらに、必要に応じて各絶縁性シート31〜35の間に相互間接続用の絶縁性シート(図示せず)を介在させた後、これらの各絶縁性シートの積層体を一体焼成する。その後、得られた絶縁体4の両端部(左右の外側部)に、各信号配線2に対応して外部電極6,7を形成する。
これにより、図2に示すような構成、および図3に示すような等価回路を有するノイズフィルタアレイが得られる。なお、このノイズフィルタアレイにおいては、各コイル導体16,18が、ビアホール17,19,20を介して順次接続され、螺旋状の入力側コイル11と出力側コイル13が形成され、かつ、各コイル11,13は、その一端側が外部電極6,7に接続され、他端側はビアホール20を介して互いに直列接続されるとともに、シールド電極23にも共通に接続されている。また、シールド電極23には絶縁体4(絶縁体層4a)を介してキャパシタンス形成電極24,25が対向し、かつ、各キャパシタンス形成電極24,25のそれぞれの一端が外部電極6,7に接続されることにより、入力側コンデンサ12および出力側コンデンサ14が形成されており、これによって入力側コンデンサ12および出力側コンデンサ14が、それぞれ入力側コイル11および出力側コイル13に対して並列に接続された構成が実現されている。
このノイズフィルタアレイを使用する場合に、複数の周波数帯域においてそれぞれノイズを有効に除去することができるように、前後のLC並列共振回路8,9の共振点を、各周波数帯域に含まれるノイズを除去したい共振周波数に予め設定しておくことにより、例えば携帯電話のノイズ対策として必要な、800MHz付近と、2GHz付近の2つの通信帯域におけるノイズを有効に除去することができる。
しかも、入力側コイル11と出力側コイル13の間にシールド電極23が介在しているので、前後のコイル11,13どうしの磁気結合が確実に遮断される。したがって、各々のLC並列共振回路8,9の共振周波数が変動することはなく、複数の周波数帯でそれぞれトラップの減衰量を大きくすることができる。例えば、高周波側の共振周波数について20dB以上の高い減衰を確保することができる。
さらに、このノイズフィルタアレイは、一つの部品内に複数のノイズフィルタ3が一体的に形成されており、各信号配線2のノイズをともに除去することができるため、信号配線2ごとに個別にノイズフィルタを設ける必要がなく、部品点数を削減することができる。さらに、複数のLC並列共振回路8,9が単一の絶縁体4内に形成されるため、その製造に際して割れや剥がれなどが発生するおそれが少なく、構造欠陥のない、信頼性の高いノイズフィルタアレイを提供することができる。
上記のノイズフィルタアレイについて、そのフィルタ特性を調べるために、以下の評価実験を行った。
[評価実験]
ノイズフィルタアレイを構成する一つのノイズフィルタ3について、その挿入損失(IL)の周波数依存特性(以下、IL特性という)を調べた。なお、ここでは、前段のLC並列共振回路8の入力側コイル11のインダクタンスL1は25nH、入力側コンデンサ12のキャパシタンスC1は1.2pF、後段のLC並列共振回路9の出力側コイル13のインダクタンスL2は18nH、出力側コンデンサ14のキャパシタンスC2は0.4pFに設定した。その結果を図5に示す。
図5に示すように、ノイズフィルタ3は、携帯電話のノイズ対策として必要な、800MHz付近と、2GHz付近の2つの通信帯域において共振周波数をもち、各々の通信帯域に含まれるノイズを有効に除去することができるものであることが確認された。
図6は本願発明が関連する発明の実施例(実施例2)にかかるノイズフィルタアレイの断面図である。なお、図6において、図1〜4と同一符号を付した部分は、上述の本願発明が関連する発明の実施例(実施例1)のノイズフィルタアレイと同一または相当する部分を示している。
このノイズフィルタアレイは、図3に示した等価回路と同じ等価回路を有している。
ただし、このノイズフィルタアレイでは、入力側コンデンサ12と出力側コンデンサ14は、入力側コイル11と出力側コイル13を形成する各コイル導体16,18の一部に対して絶縁体4(絶縁体層4a)を介してキャパシタンス形成電極24,25をそれぞれ対向配置することにより構成されている。
すなわち、入力側コイル11を形成するコイル導体16の出力側の一部に対して絶縁体4(絶縁体層4a)を介してキャパシタンス形成電極24を対向配置することにより入力側コンデンサ12が構成され、また、出力側コイル13を形成するコイル導体18の入力側の一部に対して絶縁体4(絶縁体層4a)を介してキャパシタンス形成電極25を対向配置することにより出力側コンデンサ14が構成されている。そして、各キャパシタンス形成電極24,25の一端は絶縁体4の両外側部にそれぞれ引き出され、外部電極6,7に電気的に接続されている。これにより、入力側コイル11と出力側コイル13に対して、入力側コンデンサ12と出力側コンデンサ14が並列接続された2つのLC並列共振回路8,9が構成されている。
そして、このノイズフィルタアレイにおいては、各コイル導体16,18に対してキャパシタンス形成電極24,25の対向面積や対向間距離などを調整して、入力側コンデンサ12と出力側コンデンサ14のキャパシタンスを変化させることにより、ノイズを除去したい共振周波数に各LC並列共振回路8,9の共振点を調整することが行われる。なお、入力側コイル11と出力側コイル13のインダクタンスを調整することによっても共振点を調整することが可能である。
また、上述の本願発明が関連する発明の実施例(実施例1)の場合と同様に、上側の入力側コイル11と下側の出力側コイル13の間にシールド電極23が設けられており、上側の入力側コイル11と下側の出力側コイル13の間を直列接続するビアホール20に電気的に接続されている。
このように上側の入力側コイル11と下側の出力側コイル13(上下のコイル11,13)間にシールド電極23を設けた場合には、部品サイズが小さく、コイル11,13間が比較的近接している場合にも、上下のコイル11,13相互間の磁気結合が防止されるため、高い減衰を確保することが可能になる。しかし、部品サイズによっては上下のコイル11,13間の距離を十分に確保することが可能な場合があり、そのような場合には、上下のコイル11,13間の磁気結合が極めて小さくなるためシールド電極23を省略することも可能である。
また、シールド電極23は、上下のコイル11,13間を直列接続するビアホール20と電気的に接続されているが、上下のコイル11,13の磁気結合を防止する上では、シールド電極23はビアホール20から電気的に分離された状態であってもよい。
その他の構成、および作用効果は、上述の本願発明が関連する発明の実施例(実施例1)の場合と同様であることから、ここでは重複を避けるため、詳しい説明は省略する。
図7は本願発明が関連する発明の実施例(実施例3)にかかるノイズフィルタアレイの断面図である。なお、図7において、図1〜4と同一符号を付した部分は、上述の本願発明が関連する発明の実施例(実施例1)のノイズフィルタアレイと同一または相当する部分を示している。
このノイズフィルタアレイは、図3に示した等価回路と同じ等価回路を有している。
ただし、このノイズフィルタアレイでは、入力側コンデンサ12と出力側コンデンサ14は、各信号配線2に対応して絶縁体4の両端側(左右外側部)にそれぞれ形成された信号入出力用の各外部電極6,7と、前後のコイル11,13間にあってコイル軸方向に直交し、かつ、前後のコイル11,13にビアホール20により電気的に共通接続されたシールド電極23とから構成されている。
すなわち、入力側の外部電極6とこれに絶縁体4(4b)を介して対向するシールド電極23とにより入力側コンデンサ12が構成され、また、出力側の外部電極7とこれに絶縁体4(4b)を介して対向するシールド電極23とにより出力側コンデンサ14が構成されている。これにより、各コイル11,13に対してコンデンサ12,14が並列接続され、各LC並列共振回路8,9が構成されている。
そして、このノイズフィルタアレイにおいては、各外部電極6,7とシールド電極23との対向間距離などを調整して、入力側コンデンサ12と出力側コンデンサ14のキャパシタンスを変化させることにより、ノイズを除去したい共振周波数に各LC並列共振回路8,9の共振点を調整することが行われる。なお、入力側コイル11と出力側コイル13のインダクタンスを調整することによっても共振点を調整することが可能である。
その他の構成、および作用効果は、上述の本願発明が関連する発明の実施例(実施例1)の場合と同様であることから、ここでは重複を避けるため、詳しい説明は省略する。
図8は本願発明の実施例(実施例4)にかかるノイズフィルタアレイの断面図、図9はその等価回路図、図10はその製造方法を示す分解斜視図である。
なお、図8〜10において、図1〜4と同一符号を付した部分は、上述の本願発明が関連する発明の実施例(実施例1)のノイズフィルタアレイと同一または相当する部分を示している。
この本願発明の実施例(実施例4)におけるノイズフィルタアレイは、図1〜4に示した上述の本願発明が関連する発明の実施例(実施例1)の構成を備えているとともに、さらに、各信号配線2ごとに設けられているノイズフィルタ3を構成する、前後のLC並列共振回路8,9の各コイル11,13どうしの接続点が、ノイズ還流用コンデンサ38を介して非接地の状態で共通に接続された構成を備えている。
すなわち、このノイズフィルタアレイは、絶縁体4内に設けられているシールド電極23に対向してキャパシタンス形成電極24,25が対向配置されることにより入力側コンデンサ12と出力側コンデンサ14が形成されているとともに、さらにシールド電極23に対向して上下にそれぞれノイズ還流用電極36が絶縁体4(絶縁体層4a)を介して配置されており、シールド電極23とノイズ還流用電極36とによりノイズ還流用コンデンサ38が形成されている。
そして、この本願発明の実施例(実施例4)のノイズフィルタアレイにおいては、シールド電極23およびキャパシタンス形成電極24,25は、各信号配線2ごとに当該信号配線2に沿って形成されているが、上下の各ノイズ還流用電極36は、各信号配線2と直交する方向(図8の紙面に垂直な方向)に沿って各電極23,24,25を横切るように連続して形成されている。しかも、このノイズ還流用電極36は、絶縁体4内に埋設されていて外部接続されないように構成されている。すなわち、このノイズ還流用電極36は、ノイズ還流用コンデンサ38の一方のキャパシタンス形成用の電極として機能するとともに、ノイズ還流用コンデンサ38の相互間を非接地の状態で共通に接続する電極としても機能するように構成されている。
次に、この本願発明の実施例(実施例4)におけるノイズフィルタアレイの製造方法を、図10を参照して説明する。
このノイズフィルタアレイの製造方法は、基本的には上述の本願発明が関連する発明の実施例(実施例1)の場合と同様であるが、4つの信号配線2ごとに前後のLC並列共振回路8,9を形成する際に、同時にノイズ還流用コンデンサ38を形成する必要があるため、各キャパシタンス形成電極24,25が形成されている絶縁性シート33,35には、ノイズ還流用電極36も同時に形成する。なお、ここでは、各ノイズ還流用電極36は、キャパシタンス形成電極24,25をそれぞれ横切る方向(絶縁性シート33,35の長手方向に沿う方向)に延設されている。
そして、出力側コイル形成用の絶縁性シート32、コンデンサ形成用の絶縁性シート33〜35、および入力側コイル形成用の絶縁性シート31を所定枚数分積層し、さらに、必要に応じて各絶縁性シート31〜35の間に相互間接続用の絶縁性シート(図示せず)を介在させた後、これらの各絶縁性シートの積層体を一体焼成する。その後、得られた絶縁体4の両端部(左右の外側部)に、各信号配線2に対応する信号入出力用の外部電極6,7を形成する。
これにより、図8に示すように、各信号配線2ごとに絶縁体4内に前後2段のLC並列共振回路8,9が形成され、LC並列共振回路8,9の各コイル11,13どうしの接続点が、ノイズ還流用コンデンサ38を介して非接地の状態で共通に接続された構成を有し、かつ、図9に示すような等価回路を有する本願発明の実施例(実施例4)のノイズフィルタアレイが得られる。
この構成のノイズフィルタアレイにおいては、一つの信号配線2に流れるノイズ電流は、各信号配線2のLC並列共振回路8,9の損失によってノイズが低減され、さらにノイズ還流用コンデンサ38を介して他の信号配線2に分散されるように還流される。したがって、このノイズフィルタアレイを使用するときには、上述の本願発明が関連する発明の実施例(実施例1)に比べて各周波数帯域においてノイズを一層有効に除去することができる。また、急峻なカットオフ特性をもつため、信号波形に及ぼす影響を小さく抑えることができる。
しかも、従来では必要とされた接地用電極パターンが不要になるため、回路基板1(図1)の配線の自由度を向上させることが可能になり、簡単な構成の回路基板1を使用することが可能になるため、回路基板1のコストダウンを図ることが可能になる。
その他の構成、および作用効果は、上述の本願発明が関連する発明の実施例(実施例1)の場合と同様であることから、ここでは重複を避けるため、詳しい説明は省略する。
上記の本願発明の実施例(実施例4)のノイズフィルタアレイについて、そのフィルタ特性を調べるために、以下の評価実験を行った。
[評価実験1]
本願発明の実施例(実施例4)の構成を備えたノイズフィルタアレイについてIL特性を調べた。ここでは、クロストークの影響によりIL特性に差が生じることを防止するため、図12の等価回路で示すように、4つのノイズフィルタ3のうち、3つのノイズフィルタについて、その左右端に50Ωの終端抵抗37を接続して測定を行った。その際、特性を比較するために、本願発明が関連する発明の実施例(実施例1)の構成のように各ノイズ還流用コンデンサ38を設けないものについてもIL特性を調べた。なお、ここでは前段のLC並列共振回路8の入力側コイル11のインダクタンスは20nH、入力側コンデンサ12のキャパシタンスは1.7pFに、また、後段のLC並列共振回路9の出力側コイル13のインダクタンスは13nH、出力側コンデンサ14のキャパシタンスは0.4pFに統一して測定を行った。その結果を図13に示す。
図13に示すように、ノイズ還流用コンデンサ38を設けた場合には、ノイズ還流用コンデンサ38を設けないものに比べて、携帯電話のノイズ対策として必要な、800MHz付近と、2GHz付近の2つの通信帯域、および両帯域の間において大きな信号減衰量が得られており、各々の通信帯域に含まれるノイズを有効に除去できることが確認された。
[評価実験2]
本願発明の実施例(実施例4)の構成を備えたノイズフィルタアレイにおいて、ノイズ還流用コンデンサ38のキャパシタンスの影響を調べるために、ノイズ還流用コンデンサ38のキャパシタンスを0pF〜15pFの範囲内で変化させた場合におけるIL特性を測定した。なお、この場合も図12の等価回路に示す構成となるように結線して測定を行った。その結果を図14に示す。
図14に示すように、ノイズ還流用コンデンサ38のキャパシタンスが大きくなる程、大きな信号減衰量が得られることが確認された。ただし、キャパシタンスが大きくなりすぎると、信号周波数帯域でクロストークが発生して信号波形への影響が大きくなるので、ノイズ還流用コンデンサ38のキャパシタンスは4pF〜10pF程度とすることが適切であると考えられる。
[評価実験3]
前後のLC並列共振回路8,9の、各コイル11,13どうしの接続点を、ノイズ還流用コンデンサ38を介して非接地の状態で共通に接続した場合(図9)と、後段のLC並列共振回路9の出力側にノイズ還流用コンデンサ38を非接地の状態で共通に接続した場合(図11)について、それぞれIL特性を測定した。この場合の測定条件は、評価実験1の場合と同じとした。その結果を図15に示す。なお、図15には、ノイズ還流用コンデンサ38を設けない場合のIL特性も併せて示している。
図15に示すように、図9に示す構成と、図11に示す構成のいずれの場合においても、携帯電話のノイズ対策として必要な、800MHz付近と、2GHz付近の2つの通信帯域において、ノイズ還流用コンデンサ38を設けない場合に比べて大きな信号減衰量が得られており、各々の通信帯域に含まれるノイズを有効に除去することができることが確認された。
ところで、上記の実施例1〜4においては、各コイル11,13に対して個別にコンデンサ12,14を並列に接続して共振周波数が互いに異なる複数のLC並列共振回路8,9を構成しているので、コイル11,13のインダクタンスとコンデンサ12,14のキャパシタンスの調整が容易で、各々のLC並列共振回路8,9の共振周波数をノイズ除去に必要な所望の周波数に確実に設定、制御することができる。このため、各周波数帯域ごとに十分なノイズ除去を行うことができる。
一方、以下に説明する本願発明が関連する発明の実施例(実施例5〜7)の構成によっても所要の目的を達成することが可能である。
すなわち、前述したように、LC並列共振回路において、共振周波数はLC積の値に依存し、LC積が大きいほど共振周波数は小さくなって低域側になる。また、同じLC積の値の場合にはインダクタンスLが大きいほど減衰量は大きくなり、キャパシタンスCの割合が大きいほど減衰帯域が狭くなる。ここで、高域側の共振周波数の設定は、LC積が小さくてもよいので、浮遊キャパシタンスを調整することで容易に実現することが可能である。しかも、浮遊キャパシタンスが小さくて済むので減衰帯域を広くとることができる。一方、低域側の共振周波数の設定は、LC積をある程度大きくしなければならない。この場合、インダクタンスLの値を大きく設定し過ぎると信号波形が歪むなどの問題を生じるので、インダクタンスLの値を大きくするには自ずと限界がある。また、インダクタンスLの制限をカバーするために、浮遊キャパシタンスを大きく設定しようとしてコイル導体の層間距離を縮めたり、絶縁材料を変更すると、特性が劣化して信頼性を損なったり、製造上の工数が増えてコストアップを招いたりするというような問題点を生じる。
そこで、以下の本願発明が関連する発明の実施例(実施例5〜7)においては、低域側のノイズに対しては、コイルとこれに並列接続されたコンデンサとの組み合わせによってある程度大きなLC積が得られるLC並列共振回路を構成し、また、高域側のノイズに対しては、コイルと、このコイル形成用のコイル導体(コイル導体層)間で生じる浮遊コンデンサとにより所要のLC積を有するLC並列共振回路を構成することによって、上述の実施例1〜4よりも簡単な構成で、各周波数帯域ごとに所要のノイズ除去作用を確保できるようにしている。以下、本願発明が関連する発明の実施例(実施例5〜7)示して、その内容について説明する。
図16は、本願発明が関連する発明の実施例(実施例5)にかかるノイズフィルタアレイの構成を示す断面図、図17は実施例5にかかるノイズフィルタアレイの等価回路図、図18は実施例5にかかるノイズフィルタアレイの製造方法を示す分解斜視図である。なお、図16〜18において、図1〜4と同一符号を付した部分は、本願発明が関連する発明の実施例(実施例1)のノイズフィルタアレイと同一または相当する部分を示している。
このノイズフィルタアレイにおいて、入力側コンデンサ12bは、シールド電極23の一部に対して絶縁体4(絶縁体層4a)を介してキャパシタンス形成電極24を対向配置することにより構成されている。
すなわち、前後のコイル11,13の間においてコイル軸方向に直交するように配置されたシールド電極23の一部に対して絶縁体4(絶縁体層4a)を介してキャパシタンス形成電極24を対向配置することにより入力側コンデンサ12bが構成されている。そして、キャパシタンス形成電極24の一端は絶縁体4の一端側(左外側部)に引き出されて外部電極6に電気的に接続されている。これにより、入力側コイル11に対して、このコイル11の形成に伴ってコイル導体(コイル導体層)16間で必然的に発生する浮遊コンデンサ12a(図17)と、キャパシタンス形成電極24により発生する入力側コンデンサ12bとがともに並列接続されることにより、低域側のLC並列共振回路8が構成されている。また、出力側コイル13と、このコイル13の形成に伴ってコイル導体(コイル導体層)18間で必然的に発生する浮遊コンデンサ14a(図17)とで高域側のLC並列共振回路9が構成されている。
そして、このノイズフィルタアレイにおいては、各コイル導体16に対してキャパシタンス形成電極24の対向面積や対向間距離などを調整して、入力側コンデンサ12bのキャパシタンスを変化させることにより、ノイズを除去したい共振周波数に低域側のLC並列共振回路8の共振点を調整することが行われる。なお、入力側コイル11と出力側コイル13のインダクタンスを調整したり、浮遊コンデンサ12a,14aのキャパシタンスを調整したりすることによっても各LC並列共振回路8,9の共振点を調整することが可能である。
また、上側の入力側コイル11と下側の出力側コイル13の間にシールド電極23が設けられており、上側の入力側コイル11と下側の出力側コイル13の間を直列接続するビアホール20に電気的に接続されている。
このように、各ノイズフィルタ3は、前段側のLC並列共振回路8が、入力側コイル11、浮遊コンデンサ12a、および入力側コンデンサ12bの組み合わせによって所要のLC積を有するように構成されているので、低域側のノイズを有効に除去することができる。すなわち、入力側コイル11と入力側コンデンサ12bとでLC積をある程度大きく設定することができるため、インダクタンスLの値を大きく設定し過ぎて信号波形が歪んだり、浮遊キャパシタンスを大きく設定するために特性劣化や製造上の工数が増えてコストの増大を招いたりするという問題が発生することを回避しつつ、低域側のノイズを確実に除去することができる。
また、後段側のLC並列共振回路9は、コイル13と、このコイル13の形成に伴って必然的に発生する浮遊コンデンサ14aとにより構成されているので、高域側のノイズを有効に除去することができる。すなわち、高域側の共振周波数の設定は、LC積が小さくてもよいので、浮遊コンデンサ14aのキャパシタンスを調整することで容易に実現することが可能である。しかも、浮遊キャパシタンスの割合は小さくてもよいため、高域側のノイズの減衰帯域を狭めることがなく、好都合である。例えば、携帯電話の通信帯域は、低域側が875〜885MHz、高域側が2110〜2170MHzで、高周波の方の通信帯域が広くなっており、この実施例5の構成によれば、高域側のノイズを有効に除去することができる。
したがって、この実施例5では、各ノイズフィルタ3が実施例1〜4よりも簡単な構成であるにもかかわらず、各周波数帯域ごとに所要のノイズ除去作用を確保することができる。
その他の構成、および作用効果は、本願発明が関連する発明の実施例(実施例1)の場合と同様であることから、ここでは重複を避けるため、詳しい説明は省略する。
次に、この本願発明が関連する発明の実施例(実施例5)のノイズフィルタアレイの製造方法について説明する。なお、この製造方法は実施例1の場合と基本的に同じであるため、簡単にその内容について説明する。
例えば、図18に示すように、入力側コイル形成用の絶縁性シート31、出力側コイル形成用の絶縁性シート32、コンデンサ形成用の絶縁性シート33,34、およびこれらの各絶縁性シート31,32,33,34の間に必要に応じて介在させる相互間接続用の絶縁性シート(図示せず)をそれぞれ所定枚数分だけ準備する。
この場合、コイル形成用の各絶縁性シート31,32には、4つの信号配線2に対応させてそれぞれ各コイル11,13を形成するために、4つのコイル導体16,18がそれぞれ形成されている。また、コンデンサ形成用の絶縁性シート33,34のうち、上側の絶縁性シート33には、キャパシタンス形成電極24が形成され、下側の絶縁性シート34にはシールド電極23が形成されている。そして、シールド電極23およびキャパシタンス形成電極24は、4つの信号配線2にそれぞれ対応させるため4つ並列に形成されている。さらに、これらの絶縁性シート31〜34のうち、所定の絶縁性シートには上下のシート間を電気的に接続することができるようにビアホール20などが形成されている
そして、出力側コイル形成用の絶縁性シート32、コンデンサ形成用の絶縁性シート33,34、および入力側コイル形成用の絶縁性シート31を所定枚数分積層し、さらに、必要に応じて各絶縁性シート31〜34の間に相互間接続用の絶縁性シート(図示せず)を介在させた後、これらの各絶縁性シートの積層体を一体焼成する。
その後、得られた絶縁体4の両端部(左右の外側部)に、各信号配線2に対応して外部電極6,7を形成する。これにより、図16に示すような構成、および図17に示すような等価回路を有するノイズフィルタアレイが得られる。
図19は本願発明が関連する発明の実施例(実施例6)にかかるノイズフィルタアレイの断面図である。なお、図19において、図1〜4と同一符号を付した部分は、本願発明が関連する発明の実施例(実施例1)のノイズフィルタアレイと同一または相当する部分を示している。
このノイズフィルタアレイは、図17に示した等価回路と同じ等価回路を有している。
ただし、この実施例6のノイズフィルタアレイでは、入力側コンデンサ12bは、入力側コイル11を形成するコイル導体16の一部に対して絶縁体4(絶縁体層4a)を介してキャパシタンス形成電極24を対向配置することにより構成されている。
すなわち、入力側コイル11を形成するコイル導体16の出力側の一部に対して絶縁体4(絶縁体層4a)を介してキャパシタンス形成電極24を対向配置することにより入力側コンデンサ12bが構成されている。そして、キャパシタンス形成電極24の一端は絶縁体4の一端側(左外側部)に引き出されて外部電極6に電気的に接続されている。
このように、入力側コイル11に対して、このコイル11の形成に伴ってコイル導体(コイル導体層)16間で必然的に発生する浮遊コンデンサ12a(図17参照)と、キャパシタンス形成電極24により発生する入力側コンデンサ12bとがともに並列接続されることにより、低域側のLC並列共振回路8が構成されている。また、出力側コイル13と、このコイル13の形成に伴ってコイル導体(コイル導体層)18間で必然的に発生する浮遊コンデンサ14a(図17参照)とにより高域側のLC並列共振回路9が構成されている。
そして、このノイズフィルタアレイにおいては、各コイル導体16に対してキャパシタンス形成電極24の対向面積や対向間距離などを調整して、入力側コンデンサ12bのキャパシタンスを変化させることにより、ノイズを除去したい低域側の共振周波数にLC並列共振回路8の共振点を調整することが行われる。なお、入力側コイル11と出力側コイル13のインダクタンスを調整したり、浮遊コンデンサ12a,14aのキャパシタンスを調整したりすることによっても、各LC並列共振回路8,9の共振点を調整することが可能である。
また、この実施例6では、本願発明が関連する発明の実施例(実施例5)の場合と同様に、上側の入力側コイル11と下側の出力側コイル13の間にシールド電極23が設けられており、上側の入力側コイル11と下側の出力側コイル13の間を直列接続するビアホール20に電気的に接続されている。
その他の構成、および作用効果は、実施例5の場合と同様であることから、ここでは重複を避けるため、詳しい説明は省略する。
図20は本願発明が関連する発明の実施例(実施例7)にかかるノイズフィルタアレイの断面図である。なお、図20において、図1〜4と同一符号を付した部分は、本願発明が関連する発明の実施例(実施例1)のノイズフィルタアレイと同一または相当する部分を示している。
このノイズフィルタアレイは、図17に示した等価回路と同じ等価回路を有している。
ただし、このノイズフィルタアレイでは、入力側コンデンサ12bは、各信号配線2に対応して絶縁体4の一端側(左外側部)に形成された信号入出力用の外部電極6と、前後のコイル11,13間にあってコイル軸方向に直交し、かつ、コイル11,13にビアホール20を介して電気的に共通接続されたシールド電極23とから構成されている。
すなわち、入力側の外部電極6とこれに絶縁体4(4b)を介して対向するシールド電極23とにより入力側コンデンサ12bが構成されている。これにより、入力側コイル11に対して、このコイル11の形成に伴ってコイル導体(コイル導体層)16層間で必然的に発生する浮遊コンデンサ12a(図17参照)と、シールド電極23により発生する入力側コンデンサ12bとが並列接続されて低域側のLC並列共振回路8が構成されている。また、出力側コイル13と、このコイル13の形成に伴ってコイル導体(コイル導体層)18間で必然的に発生する浮遊コンデンサ14a(図17参照)とで高域側のLC並列共振回路9が構成されている。
そして、このノイズフィルタアレイにおいては、各外部電極6とシールド電極23との対向間距離などを調整して、入力側コンデンサ12bのキャパシタンスを変化させることにより、ノイズを除去したい低域側の共振周波数にLC並列共振回路8の共振点を調整することが行われる。なお、入力側コイル11と出力側コイル13のインダクタンスを調整したり、浮遊コンデンサ12a,14aのキャパシタンスを調整したりすることによっても、各LC並列共振回路8,9の共振点を調整することが可能である。
その他の構成、および作用効果は、実施例5の場合と同様であることから、ここでは重複を避けるため、詳しい説明は省略する。
なお、上記の各実施例では、各々の各信号配線2に対して前後2段にわたってLC並列共振回路8,9を設けた場合について説明したが、本願発明はこれに限らず、各信号配線2に対して3段以上にわたってLC並列共振回路を縦列接続した構成とすることも可能である。その場合、各LC並列共振回路ごとに、適切な共振周波数となるようにインダクタンスLとキャパシタンスCとを適宜設定することにより、さらに広帯域のノイズ除去特性を得ることが可能になる。
また、上記の各実施例では、回路基板1上に形成された4本の信号配線2に対応して4つのノイズフィルタ3を組み合わせて一体化したノイズフィルタアレイについて説明したが、各ノイズフィルタ3の数に特に制約はなく、単一のノイズフィルタ3を備えた構成の場合でも本願発明を適用することが可能である。また、実施例4でも、4本の信号配線2に対応して4つのノイズフィルタ3を組み合わせて一体化したノイズフィルタアレイについて説明したが、この場合も信号配線2の数や、ノイズフィルタ3の数に特別の制約はない。
本願発明は、さらにその他の点においても上記実施例に限定されるものではなく、発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
本願発明によれば、複数の周波数帯域において共振周波数を容易かつ確実に設定するとともに、複数の周波数帯域ごとにノイズを効率よく除去することが可能で、コイルどうしの磁気結合を確実に防止して各共振周波数において高減衰を得ることが可能なノイズフィルタを用いたノイズフィルタアレイを提供することが可能になる。
そして、本願発明のノイズフィルタアレイは、携帯電話のノイズ除去などの用途に好適に用いることが可能であり、さらに他の用途(例えば他の高周波回路のノイズ除去などの用途)にも広く利用することが可能である。

Claims (5)

  1. 回路基板上に形成された信号配線を流れるノイズを除去するためのノイズフィルタを有し、このノイズフィルタの複数個が前記各信号配線に個別に対応するようにアレイ状に配置されて一体化されているものであって、
    前記各ノイズフィルタは、絶縁体の外部に前記信号配線に接続される一対の外部電極が形成される一方、前記絶縁体の内部には複数のコイルが直列接続されてその両端が外部電極にそれぞれ電気的に接続され、かつ、前記複数のコイルのうちの少なくとも一つのコイルにはコンデンサが並列に接続されており、
    前記各コイルは、前記絶縁体を介して複数積層されたコイル導体をビアホールを介して螺旋状に接続することにより構成され、かつ、各コイルの共振点は互いに異なるように設定されており、また、前記コンデンサは、前後のコイル間にあって両コイルに電気的に共通接続されたシールド電極と前記両外部電極のうちの少なくとも一方側の外部電極に一端が電気的に接続されたキャパシタンス形成電極の他端とが前記絶縁体を介して対向配置されることにより構成され、さらに、前記キャパシタンス形成電極の前記外部電極接続側の端部は前記各コイルの外部電極接続側の端部と当該外部電極を介して互いに電気的に接続されることにより、各共振周波数が互いに異なる複数のLC並列共振回路が構成されており、
    かつ、前記各信号配線ごとに設けられている前記各コイルどうしの接続点が、ノイズ還流用コンデンサを介して非接地の状態で共通に接続されていること
    を特徴とするノイズフィルタアレイ
  2. 回路基板上に形成された信号配線を流れるノイズを除去するためのノイズフィルタを有し、このノイズフィルタの複数個が前記各信号配線に個別に対応するようにアレイ状に配置されて一体化されているものであって、
    前記各ノイズフィルタは、絶縁体の外部には前記信号配線に接続される一対の外部電極が形成される一方、前記絶縁体の内部には複数のコイルが直列接続されてその両端が外部電極にそれぞれ電気的に接続され、かつ、前記複数のコイルのうちの少なくとも一つのコイルにはコンデンサが並列に接続されており、前記各コイルは、前記絶縁体を介して複数積層されたコイル導体をビアホールを介して螺旋状に接続することにより構成され、かつ、各コイルの共振点は互いに異なるように設定されており、また、前記コンデンサは、前記コイル導体と前記両外部電極のうちの少なくとも一方側の外部電極に一端が電気的に接続されたキャパシタンス形成電極の他端とが前記絶縁体を介して対向配置されることにより構成され、さらに、前記キャパシタンス形成電極の前記外部電極接続側の端部は前記各コイルの外部電極接続側の端部と当該外部電極を介して互いに電気的に接続されることにより、各共振周波数が互いに異なる複数のLC並列共振回路が構成されており、
    かつ、前記各信号配線ごとに設けられている前記各コイルどうしの接続点が、ノイズ還流用コンデンサを介して非接地の状態で共通に接続されていること
    を特徴とするノイズフィルタアレイ
  3. 前後のコイル間にはコイル軸方向に直交してシールド電極が配設されていることを特徴とする請求項2記載のノイズフィルタアレイ
  4. 前記シールド電極は、少なくとも前後の各コイルの口径の面積の1/2以上を覆う面積を有するように設定されていることを特徴とする請求項1または3記載のノイズフィルタアレイ
  5. 前記コイルと、このコイルに対して並列接続された前記コンデンサと、前記コイル形成に伴って生じる浮遊コンデンサとにより低域側のLC並列共振回路が構成され、また、前記コイルとこのコイル形成に伴って生じる浮遊コンデンサとで高域側のLC並列共振回路が構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のノイズフィルタアレイ
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