JP4925153B2 - 印刷済みフィルム貼着缶体の製造方法 - Google Patents

印刷済みフィルム貼着缶体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4925153B2
JP4925153B2 JP2001243304A JP2001243304A JP4925153B2 JP 4925153 B2 JP4925153 B2 JP 4925153B2 JP 2001243304 A JP2001243304 A JP 2001243304A JP 2001243304 A JP2001243304 A JP 2001243304A JP 4925153 B2 JP4925153 B2 JP 4925153B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
printed
resin
resin film
adhesive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2001243304A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003054569A (ja
Inventor
健一 植松
真弘 山口
真一 鈴木
剛 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daiwa Can Co Ltd
Original Assignee
Daiwa Can Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daiwa Can Co Ltd filed Critical Daiwa Can Co Ltd
Priority to JP2001243304A priority Critical patent/JP4925153B2/ja
Publication of JP2003054569A publication Critical patent/JP2003054569A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4925153B2 publication Critical patent/JP4925153B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Details Of Rigid Or Semi-Rigid Containers (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、缶体の胴部外面に印刷済み樹脂フィルムが貼着されている印刷済みフィルム貼着缶体に関し、特に、オーバーコート層や接着剤層が形成された印刷済み樹脂フィルムを両端部分が重なるように缶体の胴部外面に貼着している印刷済みフィルム貼着缶体製造するための方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
側面継目部を有する溶接缶胴や接着缶胴等のスリーピース缶用の缶体では、素材の金属板が平板の状態の時に、直接に多色オフセット印刷を施したりすることで、多色インキによる美麗で豪華な印刷デザインを付与することは可能であるが、ツーピース缶用の缶体である絞りしごき缶や深絞り缶のような側面継目部を有さないシームレス缶体では、平板に印刷を施してから絞り成形やしごき成形をすると胴部の印刷図柄が大きく歪んでしまうため、製缶後に円筒状の胴部の外面に印刷を施す必要があって、缶体に直接印刷する場合には、ドライオフセット印刷方法による単調な装飾印刷となってしまう。
【0003】
これに対して、グラデーションが表現し易いグラビア印刷方法による美麗な多色印刷をポリエステル樹脂フィルム等の熱可塑性樹脂フィルムに予め施しておき、この印刷済み樹脂フィルムを一缶分の大きさのシートに切断して、円筒状の胴部外面に接着剤層を介して熱接着により貼着することで、円筒状に成形された後の胴部の外面に対して美麗で豪華な印刷デザインを付与するということが従来から提案され(例えば、特開平4−57747号,特開平9−295639号,特開平10−683号,特開平11−147515号等参照)、既に本出願人によっても商品化されている。
【0004】
そのような印刷済みフィルム貼着缶体に使用される印刷済み樹脂フィルムについては、基材となる熱可塑性樹脂フィルムに対して、単に印刷が施されているだけでなく、缶体と接着させるための接着剤層が最内層として形成されていると共に、滑剤を含有する透明な硬化型樹脂系塗膜によるオーバーコート層が最外層として形成されている。このオーバーコート層(トップコート層)については、製缶工程での加工具との摩擦を低減し、また、製缶工程や缶詰製造工程で、搬送時の滑り性を良好にして、缶胴外面の疵付きを防止すると共に、製造能率の低下を防止し、更には、缶詰製造工程での加熱殺菌時に、缶体に貼着された印刷済み樹脂フィルムが熱収縮するのを防止すると共に、印刷済み樹脂フィルムの表面にオリゴマーが析出して印刷効果を減殺するのを防止することを目的として形成されるものである。
【0005】
なお、例えば、特開平4−57747号公報中には、基材となる熱可塑性樹脂フィルムの一方の面(缶体との接着面)の側に印刷インキ層と接着剤層とが形成されている場合にはオーバーコート層を省略できる旨の記述があるが、本発明者等の多くの実験からの知見では、上記のような目的のためにオーバーコート層は必須のものであると考えられる。
【0006】
そのような印刷済み樹脂フィルムのオーバーコート層について、例えば、特開平9−295639号公報には、印刷済み樹脂フィルムの長尺フィルムを、有底筒状の金属製缶体に対して、その横幅が缶胴の周長よりもやや長くなるように、一缶分毎の大きさのフィルムシートに切断してから供給し、加熱された缶体の胴部外面に対して、供給されたフィルムシートを、順次巻き付けながらシートの両端部分同士を重ねるように接着剤層を介して熱貼着してから、このフィルム貼着済み缶体に対してネックイン加工等の変形加工を施すようにしたフィルム貼着缶体の製造方法において、フィルムシートの重ね合わせ部に相当する部分については予め長尺フィルムに部分的にオーバーコート層を施さないようにするということが開示されている。
【0007】
すなわち、フィルムシートの重ね合わせ部となる部分にオーバーコート層を形成しないのは、オーバーコート層には缶体の滑り性を良くするためのワックスやシリコン等の滑剤(滑性剤)が混入されているので、オーバーコート層の上に接着剤層を重ね合わせた状態では所定の接着強度が得られないためである。なお、印刷済みフィルム貼着缶体におけるフィルム重合部分の接着強度については、印刷済みフィルム貼着缶体でも、通常の印刷缶体と同様に、開口端部を小径の缶蓋で巻き締め密封可能なように、その開口端部に1段以上のネックイン加工を施していることから、そのようなネックイン加工の際にもフィルム重合部分が剥離しないような接着強度が必要である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような印刷済みフィルム貼着缶体については、その印刷仕上がりが美麗でしかもデザイナーの意図がうまく表現できるため、缶詰製造メーカーに好評で年々生産数量が増加しているものの、従来の缶胴表面に直接印刷したものと比較すると、フィルムと接着剤が余分に必要となり、フィルムを貼着する工程が増えることで、どうしても製缶コストが高くなる。そこで、製缶コストの低減が強く求められているが、フィルムや接着剤を省略することはできず、また、フィルム貼着工程を削除することも不可能であることから、印刷済み樹脂フィルム自体の生産効率を向上させると共に、印刷済み樹脂フィルムの缶体への貼着スピードを速くしてフィルム貼着缶体の生産効率を向上させることで、製缶コストを削減することが必要となる。
【0009】
しかしながら、既に述べたように、印刷済み樹脂フィルムを缶体に貼着したときのフィルム同士の重合部分の接着強度の問題から、印刷済み樹脂フィルムの長尺フィルムに対し、オーバーコートとなる樹脂塗料をフィルムの表面全面に塗布できない(フィルム同士の重合部分には樹脂塗料を塗布しないようにする)ことに起因して、印刷を施す際には、オーバーコート層と印刷インキ層との位置合わせをしながら連続印刷をする(具体的には、予め印刷しておいた非塗装部分を示すマークをセンサーで検知し、オーバーコート非塗装部分が印刷図柄の境界部分となるようにフィルムのテンションを調整しながらフィルムに印刷をする)ことが必要となっており、そのために、印刷済み樹脂フィルムの製造スピードをあまり上げることができない。また、印刷を施す際にオーバーコート非塗装部分を示すマークを検知して該非塗装部分が印刷図柄の境界部分となるように位置合わせをするために、フィルムに印刷ロスの発生する確率が高くなって(印刷ロスは印刷開始直後に特に多く発生する)、それもコストアップの原因となっている。
【0010】
さらに、印刷済み樹脂フィルムを缶胴外面に貼着する直前に、長尺のフィルムを、その横幅が缶胴の周長よりもやや長くなるように、一缶分毎の大きさのフィルムシートに切断する際に、オーバーコート非塗装部分の略中央で印刷済み樹脂フィルムを切断する必要があり、この切断工程で大きな切断位置の誤差が発生すればフィルムシートが不良品となってしまう(缶体に貼着した際にフィルム同士の重合部分が接着強度不足となっとしまう)ことから、長尺フィルムを切断する際の切断スピードも高くすることができない。
【0011】
なお、上記のような問題は、基材となる樹脂フィルムの一方の面にオーバーコート層を形成し、他方の面に印刷インキ層と接着剤層を形成した印刷済み樹脂フィルムの場合だけでなく、基材となる樹脂フィルムの一方の面に印刷インキ層とオーバーコート層を形成し、他方の面に接着剤層を形成した印刷済み樹脂フィルムの場合も同様であって、そのような印刷済み樹脂フィルムでは、フィルム同士の重合部分には印刷インキ層もオーバーコート層も形成しないようにする必要があり、印刷の後でオーバーコートを塗装する際に、非印刷部分と非塗装部分との位置合わせをする必要があることから、印刷済み樹脂フィルムの製造や切断のスピードをあまり上げられず、また、印刷済み樹脂フィルムには、印刷ロスの代わりにオーバーコートロス(不適当な箇所にオーバーコートを塗装してしまう)の発生する確率が高くなる(オーバーコートロスは印刷開始直後に特に多く発生する)。
【0012】
本発明は、上記のような問題の解消を課題とするものであり、具体的には、印刷済みフィルム貼着缶体について、オーバーコート層による滑り性を充分に保証し、且つ、印刷済み樹脂フィルム同士の重合部分での接着強度を充分に保証した上で、印刷ロスやオーバーコートロスによる不良品を発生させることなく、印刷済み樹脂フィルムの製造スピードや貼着スピードを上げることができるようにすることを課題とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記のような課題を解決するために、上記の請求項1に記載したように、缶体の胴部外面に印刷済みの樹脂フィルムが接着剤層を介して貼着された後、缶体の胴部の開口端付近にネックイン加工が施されることで、ネックイン加工により縮径された開口端部の縮径率が、缶体の胴部の最大外径部の9.1%以上となっている印刷済みフィルム貼着缶体を製造するための方法において、
熱硬化性樹脂100重量部に対して1.0重量部のシリコンと0.5〜1.8重量部のワックスを添加した熱硬化型樹脂系塗膜が、表面の動摩擦係数が0.100〜0.185で不完全に硬化させた状態のオーバーコート層として最外層に全面的に形成され、且つ、熱硬化型樹脂系接着剤による接着剤層が最内層として全面的に形成されている長尺の印刷済み樹脂フィルムを使用して、
この長尺のフィルムから一缶分の長さに切断された印刷済み樹脂フィルムを、予備加熱された缶体の胴部外面に押圧ロールにより押圧しながら徐々に巻き付けて、缶体の胴部外面を一周して前端部分のオーバーコート層の上に後端部分の接着剤層が重なるように貼着することで、印刷済み樹脂フィルム同士の重合部分の接着強度(ピール強度)が4〜80gの範囲内となるようにしてから、
その後、印刷済み樹脂フィルムが貼着された缶体を貼着された缶体を100〜240℃の温度に加熱処理して、オーバーコート層の熱硬化型樹脂系塗膜と接着剤層の熱硬化型樹脂系接着剤とを略完全に熱硬化させることで、印刷済み樹脂フィルムが貼着された缶体の胴部外面の動摩擦係数が0.048〜0.090の範囲内となり、且つ、印刷済み樹脂フィルム同士の重合部分の接着強度(ピール強度)が200g以上となるようにしたことを特徴とするものである。
【0014】
上記のような製造方法によって製造された印刷済みフィルム貼着缶体では、前端部分のオーバーコート層の上に後端部分の接着剤層が重なるように印刷済み樹脂フィルムが缶体に貼着されているにもかかわらず、このフィルム同士の重合部分の接着強度(ピール強度)が200g以上となっていることから開口端部の縮径率が胴部の最大外径部の9.1%以上となるようなネックイン加工が施された印刷済みフィルム貼着缶体であっても、フィルム同士の重合部分で剥離が起きることはなく、しかも、印刷済み樹脂フィルムが貼着された缶体の胴部外面の動摩擦係数が0.048〜0.090の範囲内となっていることで、オーバーコート層による缶体の滑り性が充分に保証されたものとなっている。
【0015】
なお、接着強度(ピール強度)については、予め予備加熱したアルミニウム合金板製の缶胴の上に、印刷済み樹脂フィルムを押圧ロールにより押し付けながら、印刷済み樹脂フィルムの前端部分のオーバーコート層(硬化型樹脂系塗膜)の上に、印刷済み樹脂フィルムの後端部分の接着剤層(硬化型樹脂系接着剤)を重ね合わせて接合した後、接合部分に、幅2.5mmの間隔で切り込みを入れ、上側の印刷済み樹脂フィルムを、ピール値測定装置(例えば、東洋精機〔株〕のSTROGRAPH V10−C)を使用して、100mm/分の引張り速度で長さ3cm引っ張って剥離するに要した力(g)を示すものである。
【0016】
また、上記のような印刷済みフィルム貼着缶体の製造方法によれば、貼着する前の印刷済み樹脂フィルムで、オーバーコート層の熱硬化型樹脂系塗膜に含有させる滑剤の量を比較的少なくして、不完全硬化状態のオーバーコート層の表面の動摩擦係数が0.100〜0.185となるようにすると共に、予備加熱された缶体に印刷済み樹脂フィルムを貼着したときのフィルム同士の重合部分の接着強度(ピール強度)を4〜80gの範囲内としていることで、缶体の搬送時に接触する装置部品や缶体内面へのスプレー塗装時に接触する缶体回転保持手段との接触では剥離しない程度の接着強度が確保され、同時に、それら装置部品等との接触では疵が付かない程度の滑り性と硬さが確保されている。
【0017】
そして、その後の加熱処理により、印刷済み樹脂フィルムが貼着された缶体を100〜240℃の温度に加熱して、オーバーコート層の熱硬化型樹脂系塗膜と接着剤層の熱硬化型樹脂系接着剤とを略完全に熱硬化させていることで、熱硬化型樹脂系接着剤による接着剤層は、缶体の胴部外面と強力に接合すると共に、オーバーコート層の熱硬化型樹脂系塗膜とは接着強度(ピール強度)が200g以上となるように強力に接合することとなり、その結果、得られた印刷済みフィルム貼着缶体では、3段以上の多段のネックイン加工とフランジ加工が施されても、また、缶詰製造時のレトルト加熱殺菌処理を受けても、印刷済み樹脂フィルム同士の重合部分でフィルム剥離が起きるようなことは殆どない。
【0018】
また、100〜240℃の温度に加熱する後加熱処理によってオーバーコート層の熱硬化型樹脂系塗膜が略完全に硬化する時に、該塗膜中に含有されている滑剤が塗膜の表面付近に浮き出してくることから、缶胴の表面(オーバーコート層の表面)の動摩擦係数は元の印刷済み樹脂フィルムの時よりも低下して、動摩擦係数は0.048〜0.090の範囲内となり、滑り性が良好になるため、ネックイン加工工具等との摩擦抵抗が小さくなり、缶体搬送時の滑り性も良好で缶胴外面に擦り疵が付くことは殆どなく、缶詰製造時の缶の滑り性も良好で缶胴外面に疵が付くことは殆どない。
【0019】
なお、滑剤含有の硬化型樹脂系塗膜によるオーバーコート層と硬化型樹脂系接着剤による接着剤層との接着強度を高くするためには、先ず、滑剤の含有量を従来よりも低減化することが必要であり、次に、缶体に貼着する前の印刷済み樹脂フィルムで、従来は略完全硬化(ゲル分率で約85〜90%)させていたオーバーコート層の硬化型樹脂系塗膜を、基本的に熱硬化型樹脂成分を多くすると共に、硬化の程度をメチルエチルケトンで溶解して測定したゲル分率で10〜60%の範囲内(好ましくは20〜40%程度)にしておく。また、オーバーコート層の硬化型樹脂と接着剤層の硬化型樹脂の樹脂成分を同一又は類似の樹脂としたり、両層の樹脂成分同士を熱反応性の高いものとしておくことが好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の印刷済みフィルム貼着缶体製造方法の実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、図1は、印刷済みフィルム貼着缶体の(A)ネック・フランジ加工前と(B)ネック・フランジ加工後のそれぞれの状態の外観を示し、図2は、(A)貼着前の印刷済み樹脂フィルムと(B)印刷済みフィルム貼着缶体の胴部における印刷済み樹脂フィルム同士の重合部分の断面積層構造を示すものである。なお、図面に示されている各部分の寸法については実際のものと関係なく単に模式的に示したものである。
【0021】
本実施形態の方法により製造される印刷済みフィルム貼着缶体は、アルミニウム合金板から絞り加工としごき加工により胴部と底部が一体成形され、内外面に周知のジルコニウム系化成処理が施されたDI缶によるものであり、図1(A)に示すように、缶体(金属缶本体)10の円筒状胴部2の外面に印刷済み樹脂フィルム20が貼着された状態から、ネック・フランジ加工(ネックイン加工とフランジ加工)が施されることで、図1(B)に示すように、円筒状の胴部2の上端付近がネック部4に縮径化されると共に、ネック部4の上端にフランジ部5が形成されるものであって、ネック・フランジ加工が施された後の印刷済みフィルム貼着缶体1の上端開口部は、図示していないが、内容物の充填後に缶蓋(イージーオープンエンド)がフランジ部5に巻締め固着されることで密閉されることとなる。
【0022】
印刷済みフィルム貼着缶体1の胴部2に貼着されている印刷済み樹脂フィルム20については、図2(A)に示すように、基材である熱可塑性樹脂フィルム22に対して、その一方の面にオーバーコート層21を形成し、その反対側の面に印刷インキ層23と接着剤層24を形成したものであり、この印刷済み樹脂フィルム20は、缶体の胴部外面を一周してから、図2(B)に示すように、前端部分のオーバーコート層21の上に後端部分の接着剤層24が重なるように、接着剤層24を介して熱接着で缶体10の胴部外面に貼着されるものであって、印刷済み樹脂フィルム20が胴部外面に貼着された缶体10の内面には、熱硬化型樹脂系塗料による保護塗膜30が形成されている。
【0023】
なお、印刷済み樹脂フィルム20の積層構造については、上記のように一方の面にオーバーコート層21を形成し、他方の面に印刷インキ層23と接着剤層24を形成したようなものに限らず、基材である熱可塑性樹脂フィルム22に対して、その一方の面にオーバーコート層21と印刷インキ層23を形成し、その反対側の面に接着剤層24を形成して、印刷インキ層23の上をオーバーコート層21で覆うようにしても良い。
【0024】
印刷済み樹脂フィルム20の基材となる熱可塑性樹脂フィルム22については、特に限定されるものではないが、ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート,エチレンテレフタレートイソフタレート共重合体,ポリブチレンテレフタレートイソフタレート共重合体等のポリエステル樹脂、ポリプロピレン,エチレンプロピレン共重合体等のポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂等のフィルムが好適に使用でき、特に、印刷適性、透明性、強度、耐熱性等の観点から二軸延伸ポリエステル樹脂フィルムが好ましい。
【0025】
印刷済み樹脂フィルム20の最外層となるオーバーコート層21を形成するための塗料については、主成分である樹脂系塗料として、例えば、不飽和ポリエステル樹脂系塗料,アクリル樹脂系塗料,エポキシ−アミノ系樹脂やエポキシ−エステル系樹脂等を主成分とするエポキシ樹脂系塗料、アミノ−アルキッド系樹脂やアクリル−アルキッド系樹脂やスチレン変性アルキッド系樹脂を主成分とするアルキッド樹脂系塗料等の透明な熱硬化型塗料を使用しているが、電子硬化型塗料や紫外線硬化型塗料を含有していても良い。そのような樹脂系塗料に対して、滑り性を向上させるためにシリコンやワックス等の滑剤を少量添加しているが、従来(印刷済み樹脂フィルムにオーバーコートの非塗装部分を形成する場合)よりも滑剤の含有量を少なくしている。
【0026】
なお、上記のような滑剤を含有する硬化型樹脂系塗料は、基材となる熱可塑性樹脂フィルム22の表面に塗布して熱風等により乾燥・硬化させることで、オーバーコート層21として形成されるのであるが、その際の乾燥・硬化については、熱可塑性樹脂フィルム22の表面に塗布された硬化型樹脂系塗膜に対して、完全に硬化しない程度(ゲル分率で略10〜60%の範囲の硬化度)の時間で加熱を停止しておくようにしている
【0027】
熱可塑性樹脂フィルム22に形成される印刷インキ層23の印刷インキについては、文字や図柄を印刷により施すものであるため特別制限するものではないが、熱硬化性のウレタン系樹脂をバインダーとするインキが一般的に使用されており、その印刷方法としては、グラビア印刷,フレキソ印刷,オフセット印刷等、各種の印刷方法を適宜選択可能であるが、色数を豊富に使って色調豊かで美麗な文字や図柄を印刷したい場合には、グラビア印刷法により印刷するのがよい。
【0028】
印刷済み樹脂フィルム20の最内層となる接着剤層24の接着剤については、例えば、不飽和ポリエステル樹脂,ウレタン樹脂,エポキシ樹脂,アクリル樹脂,アミノ樹脂等の単独、又はこれらに硬化剤を加えた樹脂組成物、及びこれらの2種類以上の樹脂を混合した組成物に溶剤を加えた接着剤を塗布して乾燥させたものであって、樹脂組成物のみの接着剤だけでなく、樹脂組成物に対して更に二酸化チタンや雲母等の無機顔料や染料等の着色剤を添加した接着剤を使用することができ、また、密着付与剤,アンチブロッキング剤等の添加物を含有させることもできる。
【0029】
なお、接着剤層24を構成する樹脂成分とオーバーコート層21を構成する樹脂成分とが加熱時に反応し易くするためには、接着剤層24に含有される樹脂とオーバーコート層21に含有される樹脂とを同一または同系統のものにしたり、一方の層の樹脂の硬化剤となる樹脂を他方の層に含有させるようにすることが好ましい。
【0030】
さて、本実施形態のDI缶による印刷済みフィルム貼着缶体について、上記のような各材料により構成される印刷済み樹脂フィルムの缶体への貼着の状態を説明すると、アルミニウム合金板から絞りしごき加工により有底円筒状に成形されたDI缶体に対して、缶内外面から成形時に使用された潤滑剤(クーラント)を洗い落としてから、化成処理によりジルコニウム系化成処理膜を形成させ、その後、図1(A)に示すように、缶体10の胴部2の外面に印刷済み樹脂フィルム20を貼着するのであるが、その前に、印刷済み樹脂フィルムの接着剤層の硬化型樹脂系接着剤の接着温度以上に缶体を予備加熱している。この予備加熱の工程は、フィルム貼着装置のマンドレルに缶体を供給する工程から、缶体をマンドレルに冠着した直後までの間に、熱風や誘導加熱や赤外線加熱等の適宜の手段により行われる。
【0031】
一方、一缶分の高さの幅で長尺の印刷済み樹脂フィルムが巻き付けられたリール(コイル)を、フィルム貼着装置のリール回転軸に装着して、このリールから巻き解きながら印刷済み樹脂フィルムを押圧ロール方向へ供給し、一缶分の長さ(缶胴の円周長さよりも僅かに長い)のシートに切断してから、押圧ロールに吸着させて、貼着ステーションでマンドレルに冠着させてある予備加熱されている缶体の胴部に、押圧ロールによりフィルムに押圧力を加えながら端部から徐々に貼り付けて行き、最後にフィルム(シート)の後端部分が前端部分の上に重なるように貼り付ける。
【0032】
そして、印刷済み樹脂フィルムが貼着された缶体の底部側に吸引手段を接近させる一方、マンドレルの内部から加圧空気を噴出させて缶体をマンドレルから取り外すと共に、缶体の底部を吸引手段に吸着させる。その後、吸着コンベアにより又は転がしながら缶体を内面塗装装置に送り、内面塗装装置において、缶体の底部側を吸着しながら回転させる回転手段により、缶体を高速回転させながら缶体の内面側に熱硬化型塗料をスプレー塗装することで内面塗装を行う。
【0033】
その後、缶体をネットコンベア上へ正立状態で載置し、熱風ゾーンと空冷ゾーンを有するオーブン内を通過させることにより、印刷済み樹脂フィルムが貼着された缶体を150〜240℃で30〜120秒間の後加熱処理をすることにより、内面塗膜を乾燥・硬化させると共に、接着剤層の硬化型樹脂系接着剤と、オーバーコート層の硬化型樹脂系塗膜とをほぼ完全に硬化させる。この後加熱処理によって、印刷済み樹脂フィルム同士の重合部分の接着強度は、200g以上となる。なお、内面塗装する前に後加熱処理する場合には、印刷済みフィルム貼着缶体を100〜240℃で5〜60秒間加熱処理すれば良い。
【0034】
上記のよう本実施形態の印刷済みフィルム貼着缶体の製造方法について、更に、その具体的な各実施例と各比較例の内容、および、各実施例と各比較例とでそれぞれ製造された缶体を実験して検討した結果について以下に説明する。
【0035】
【実施例】
〔実施例1〕
厚さが16μm、幅が980mmの二軸延伸された透明なポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(PETフィルム)をリールから巻き解きながら供給して、先ず、その一方の側の全面に、ポリエステル樹脂系熱硬化型塗料を乾燥膜厚が1〜2μmになるように塗装し、その硬化度がゲル分率で20〜40%程度になるように熱風乾燥させてオーバーコート層を形成させてから、その反対側の面に、ウレタン系樹脂と顔料とを主成分とする各色のインキを使用したグラビア印刷方法による繰り返し印刷を施し、直ちに、印刷インキ層の上から全面的に、変性ポリエステル樹脂を主体とする熱硬化型接着剤を乾燥膜厚2〜4μmになるように塗布して熱風乾燥させることで接着剤層を形成した後、この印刷済み樹脂フィルムを、フィルム両端の非印刷部分を切断して除去することにより一缶分の高さとほぼ同じ幅にした状態でリールに巻き取った。
【0036】
オーバーコート層を形成するためのポリエステル樹脂系熱硬化型塗料については、不飽和ポリエステル樹脂の90重量部に対し、10重量部のアミノ樹脂を加えたものに、1.0重量部のシリコンと、1.8重量部のワックスを添加した熱硬化型樹脂系塗料を使用した。また、接着剤層を形成するための変性ポリエステル樹脂系接着剤については、不飽和ポリエステル樹脂に数%のエポキシ樹脂と数%のイソシアネートを添加してから加熱処理して変性したポリエステル樹脂の31.0重量部に対し、1.6重量部のブロックイソシアネートと、1.6重量部のイソシアネートを加えたものに、0.4重量部の密着付与剤と、0.4重量部のアンチブロッキング剤と、65.0重量部の二酸化チタンを添加した熱硬化型樹脂系接着剤を使用した。
【0037】
なお、上記のようなポリエステル樹脂系熱硬化型塗料によるオーバーコート層が形成された印刷済み樹脂フィルムの最外面(オーバーコート層の表面)の滑性を、アルテック社のモビリティー測定器(クロム鋼球3点荷重式:2kg荷重)を使用して測定したところ、動摩擦係数は、0.1000であった。
【0038】
リールに巻き取った長尺の印刷済み樹脂フィルムは、フィルム貼着装置において、リール回転軸に装着して巻き解きながら、押圧ロール方向に向けて供給しながら、一缶分の長さのシートに切断し、押圧ロールの外周面に吸着させて、貼着ステーションで、予め140〜170℃に予備加熱されてマンドレルに冠着されている缶体の胴部に対して、押圧ロールによりフィルムに押圧力を加えながら端部から徐々に貼り付けて行き、最後にフィルム(シート)の後端部分を前端部分の上に重ねるように貼り付けることで、貼着を終了した。
【0039】
その後、印刷済み樹脂フィルムが貼着された缶体を、周知の方法によりマンドレルから取り外して、缶体の底部を吸着して高速回転させながら、その内面側に、スプレー装置によりエポキシ−アミノ系樹脂塗料を所定量塗布し、オーブン内を通過させることにより、約230℃で60秒間加熱して、内面塗膜を乾燥・硬化させると共に、印刷済み樹脂フィルムのオーバーコート層の熱硬化型樹脂系塗料と接着剤層の熱硬化型樹脂系接着剤とをそれぞれ略完全に硬化させた。
【0040】
なお、上記の実施例における印刷済み樹脂フィルムの製造に関して、フィルム同士の重合部分にオーバーコート層を設けない従来の印刷済み樹脂フィルムの場合には、オーバーコート非塗装部分と印刷図柄の端部との位置合わせをしながら印刷する(なお、印刷インキ層の上にオーバーコート層を形成するタイプでは、印刷図柄の端部とオーバーコートの非塗装部分との位置合わせをしながらオーバーコート塗装を行う)必要があることで、印刷済み樹脂フィルムの生産速度は、せいぜい100m/分程度であったのに対して、オーバーコート層を全面的に設けている上記の実施例の印刷済み樹脂フィルムでは、そのような位置合わせの必要がないため、印刷済み樹脂フィルムの生産速度を150m/分に上げることができた。
【0041】
また、フィルム同士の重合部分にオーバーコート層を設けない従来の印刷済み樹脂フィルムの場合には、オーバーコート非塗装部分と印刷図柄の端部との位置合わせを何度か行ってから、うまく位置合わせができる状態になるまでの間に、かなりの印刷ロスが発生しているが、そのような場合と比べて、オーバーコート層を全面的に設けている上記の実施例の印刷済み樹脂フィルムでは、印刷ロスを約10%削減することができた。
【0042】
〔実施例2〕
印刷済み樹脂フィルムのオーバーコート層を形成するポリエステル樹脂系熱硬化型塗料として、不飽和ポリエステル樹脂の90重量部に対し、10重量部のアミノ樹脂を加えたものに、1.0重量部のシリコンと、1.5重量部のワックスを添加した熱硬化型樹脂系塗料を使用したという以外の点については、上記の実施例1と全く同じように印刷済みフィルム貼着缶体を製造した。なお、貼着前の印刷済み樹脂フィルムの最外面(オーバーコート層の表面)の滑性(動摩擦係数)については、実施例1と同様に測定したところ、0.1100であった。
【0043】
〔実施例3〕
印刷済み樹脂フィルムのオーバーコート層を形成するアクリル樹脂系熱硬化型塗料として、熱硬化型アクリル樹脂の100重量部に対し、1.0重量部のシリコンと、1.3重量部のワックスを添加した熱硬化型樹脂系塗料を使用したという以外の点については、上記の実施例1と全く同じように印刷済みフィルム貼着缶体を製造した。なお、貼着前の印刷済み樹脂フィルムの最外面(オーバーコート層の表面)の滑性(動摩擦係数)については、実施例1と同様に測定したところ、0.1220であった。
【0044】
〔実施例4〕
印刷済み樹脂フィルムのオーバーコート層を形成するポリエステル樹脂系熱硬化型塗料として、不飽和ポリエステル樹脂の90重量部に対し、10重量部のアミノ樹脂を加えたものに、1.0重量部のシリコンと、1.0重量部のワックスを添加した熱硬化型樹脂系塗料を使用したという以外の点については、上記の実施例1と全く同じように印刷済みフィルム貼着缶体を製造した。なお、貼着前の印刷済み樹脂フィルムの最外面(オーバーコート層の表面)の滑性(動摩擦係数)については、実施例1と同様に測定したところ、0.1380であった。
【0045】
〔実施例5〕
印刷済み樹脂フィルムのオーバーコート層を形成するポリエステル樹脂系熱硬化型塗料として、不飽和ポリエステル樹脂の90重量部に対し、10重量部のアミノ樹脂を加えたものに、1.0重量部のシリコンと、0.5重量部のワックスを添加した熱硬化型樹脂系塗料を使用したという以外の点については、上記の実施例1と全く同じように印刷済みフィルム貼着缶体を製造した。なお、貼着前の印刷済み樹脂フィルムの最外面(オーバーコート層の表面)の滑性(動摩擦係数)については、実施例1と同様に測定したところ、0.1850であった。
【0046】
〔比較例1〕
印刷済み樹脂フィルムのオーバーコート層を形成するポリエステル樹脂系熱硬化型塗料として、不飽和ポリエステル樹脂の90重量部に対し、10重量部のアミノ樹脂を加えたものに、1.0重量部のシリコンと、2.5重量部のワックスを添加した熱硬化型樹脂系塗料を使用したという以外の点については、上記の実施例1と全く同じように印刷済みフィルム貼着缶体を製造した。なお、貼着前の印刷済み樹脂フィルムの最外面(オーバーコート層の表面)の滑性(動摩擦係数)については、実施例1と同様に測定したところ、0.0900であった。
【0047】
〔比較例2〕
印刷済み樹脂フィルムのオーバーコート層を形成するポリエステル樹脂系熱硬化型塗料として、不飽和ポリエステル樹脂の90重量部に対し、10重量部のアミノ樹脂を加えたものに、1.0重量部のシリコンと、2.0重量部のワックスを添加した熱硬化型樹脂系塗料を使用したという以外の点については、上記の実施例1と全く同じように印刷済みフィルム貼着缶体を製造した。なお、貼着前の印刷済み樹脂フィルムの最外面(オーバーコート層の表面)の滑性(動摩擦係数)については、実施例1と同様に測定したところ、0.0950であった。
【0048】
〔比較例3〕
印刷済み樹脂フィルムのオーバーコート層を形成するポリエステル樹脂系熱硬化型塗料として、不飽和ポリエステル樹脂の90重量部に対し、10重量部のアミノ樹脂を加えたものに、1.0重量部のシリコンと、0.3重量部のワックスを添加した熱硬化型樹脂系塗料を使用したという以外の点については、上記の実施例1と全く同じように印刷済みフィルム貼着缶体を製造した。なお、貼着前の印刷済み樹脂フィルムの最外面(オーバーコート層の表面)の滑性(動摩擦係数)については、実施例1と同様に測定したところ、0.1950であった。
【0049】
〔比較例4〕
印刷済み樹脂フィルムのオーバーコート層を形成するポリエステル樹脂系熱硬化型塗料として、不飽和ポリエステル樹脂の90重量部に対し、10重量部のアミノ樹脂を加えたものに、1.0重量部のシリコンと、0.1重量部のワックスを添加した熱硬化型樹脂系塗料を使用したという以外の点については、上記の実施例1と全く同じように印刷済みフィルム貼着缶体を製造した。なお、貼着前の印刷済み樹脂フィルムの最外面(オーバーコート層の表面)の滑性(動摩擦係数)については、実施例1と同様に測定したところ、0.200であった。
【0050】
上記のような印刷済みフィルム貼着缶体の製造方法の各実施例と各比較例について、以下のような各実験を行ってその結果を比較検討した。なお、各実験における各実施例と各比較例のサンプル数については何れも10缶(N=10)である。
【0051】
〔実験1〕
各実施例と各比較例のそれぞれについて、印刷済み樹脂フィルムを缶体に貼着してから、後加熱処理をする前の缶体と、後加熱処理をした後の缶体とについて、印刷済み樹脂フィルム同士を重ね合わせた接合部分に、幅2.5mmの間隔で切り込みを入れ、上側の印刷済み樹脂フィルムを、東洋精機(株)製のSTROGRAPH V10−Cを使用して、100mm/分の引張り速度で長さ3cm引っ張って剥離するに要した力(g)を測定した。
【0052】
〔実験2〕
各実施例と各比較例のそれぞれについて、印刷済み樹脂フィルムを缶体に貼着してから、缶体を内面塗装装置に搬送して缶体の内面塗装を行った後で、印刷済み樹脂フィルムの貼着状況を観察した。評価基準は、下記の通りである。
フィルム同士の重合部分に剥がれ又は浮き上がりが全く無い・・・・・◎
フィルム同士の重合部分の一部に浮き上がり有るもの1缶以下・・・・○
フィルム同士の重合部分に剥がれ又は浮き上がりが5缶以上有り・・・×
【0053】
〔実験3〕
各実施例と各比較例のそれぞれについて、印刷済み樹脂フィルムを缶体に貼着してから、後加熱処理を行った後で、ネックイン加工装置とフランジ加工装置に搬送する際の缶体の流れ性と、それらの装置で4段ネックイン加工とフランジ加工とを施した後の缶体外面の疵付き状態とについてそれぞれ観察した。
耐疵付き性の評価基準は、下記の通りである。
10缶共に殆ど疵付きが無い場合・・・・・・◎
目立たない疵付き缶が3缶以下の場合・・・○
5缶以上に疵付きが有る場合・・・・・・・・×
流れ性の評価基準は、下記の通りである。
缶がスムーズに流れて全く問題なし・・・・・・・◎
缶がスムーズに流れ難いが製缶に支障なし・・・・○
缶が時々詰まって製缶に支障有り・・・・・・・・×
【0054】
〔実験4〕
各実施例と各比較例のそれぞれについて、製造された印刷済みフィルム貼着缶体(後加熱処理済み)を、切り開いてから板状に伸ばして平滑にした後、アルテック社のモビリティー測定器(クロムメッキ鋼球3点荷重式:2kg荷重)を使用して、印刷済みフィルム貼着缶体の胴部外面の動摩擦抵抗を測定した。
【0055】
上記のような各実験による測定結果の平均値(N=10)については、以下の表1に示す通りである。
【0056】
【表1】
Figure 0004925153
【0057】
表1に示した実験結果について更に詳しく説明すると、実施例1については、印刷済み樹脂フィルムを貼着した直後(後加熱処理前)の缶体で、フィルム重合部分の接着強度は5gであり、フィルム重合部分を観察したところ、1缶について僅かに浮き上がった部分があったが、後加熱処理後の缶体には、そのような浮き上がった部分は全く見当たらなく、しかも、フィルム重合部分の接着強度を測定しようとしたが、全く剥離しなかった缶体が8缶あり、測定できた缶体2缶は、それぞれ200gと210gであった。また、オーバーコート層の表面に疵は見当たらず、耐疵付き性は良好であり、缶体の滑り性と流れ性も良好であった。更に、後加熱処理後の缶体について、その開口端部分に4段のネックイン加工を施してから、フランジ加工を施した後、フィルム重合部分を観察したが、何れのサンプルでもフィルムの剥離や浮きが発生している箇所は全くなかった。
【0058】
また、実施例2と実施例3については、後加熱処理前の缶体のフィルム重合部分の接着強度はそれぞれ15g、30gで、フィルム重合部分の剥離や浮き上がりは全く見られず、後加熱処理後のフィルム重合部分の接着強度は、接着力が強すぎて剥離しなかったので測定不能であった。また、缶体のオーバーコート層の表面に疵は全く見当たらず、オーバーコート層の耐疵付き性は良好であり、缶体の滑り性と流れ性も良好であった。更に、後加熱処理後の缶体について、その開口端部分に4段のネックイン加工を施してから、フランジ加工を施した後、フィルム重合部分を観察したが、何れのサンプルでもフィルムの剥離や浮きが発生している箇所は全くなかった。
【0059】
また、実施例4と実施例5については、後加熱処理前の缶体のフィルム重合部分の接着強度はそれぞれ60g、100gで、フィルム重合部分には剥離や浮き上がり全く見られず、後加熱処理後のフィルム重合部分の接着強度は、接着力が強すぎて剥離しなかったので測定不能であった。また、缶体のオーバーコート層の表面の疵については、目立たない疵付き缶がそれぞれ1缶と3缶あっただけで耐疵付き性もほぼ良好あり、缶体の滑り性と流れ性もほぼ良好であった。更に、後加熱処理後の缶体について、その開口端部分に4段のネックイン加工を施してから、フランジ加工を施した後、フィルム重合部分を観察したが、何れのサンプルでもフィルムの剥離や浮きが発生している箇所は全くなかった。
【0060】
一方、比較例1については、後加熱処理前の缶体のフィルム重合部分の接着強度は1g未満であり、缶体の内面に保護塗料を塗装する際の缶体回転支持手段等との摩擦により、何れのサンプルでもフィルム重合部分で剥離が発生しており、しかも、後加熱処理後のフィルム重合部分の接着強度も5gしかないので、缶体の開口端部分にネックイン加工やフランジ加工を施した後では、何れのサンプルでもフィルム重合部分からフィルム剥離が発生していた。
【0061】
また、比較例2については、後加熱処理前の缶体のフィルム重合部分の接着強度が3gであり、缶体の内面に保護塗料を塗装する際の缶体回転支持手段等との摩擦により剥離またはフィルムの浮き上がりが6缶発生しており、後加熱処理後のフィルム重合部分の接着強度は100gとなったが、缶体の開口端部分に4段ネックイン加工とフランジ加工を施した後でフィルム重合部分を観察したところ、フィルム重合部分でフィルム剥離が発生していた缶が2缶あった。
【0062】
また、比較例3と比較例4については、後加熱処理前の缶体のフィルム重合部分の接着強度が120gと200gであり、何れも、この段階でのフィルム重合部分の接着力が強いので、缶体の内面塗装時にフィルム重合部分で剥離が発生したものはなかったが、缶体の表面に目立たない疵付き缶があり(比較例3では3缶、比較例4では7缶)、何れの缶体も表面の滑り性が良くなかった。なお、缶体表面の滑り性が良くないと、缶体が搬送路で詰まり易く、製缶スピード及び缶詰製造スピードを上げることができないために、缶体及び缶詰の生産効率も低下させることとなる。
【0063】
上記のような実験結果から見て、実施例1〜5については、何れも、飲料缶詰等の缶体として使用するのに問題がないことが判ったのに対して、比較例1と比較例2については、フィルム重合部分でフィルム剥離が発生することにより、飲料缶詰等の缶体として使用するのに不適当であり、また、比較例3と比較例4については、缶体の表面の滑り性が良くないことで、缶体の表面に疵が付いたり、缶体及び缶詰の生産効率が低下することにより、飲料缶詰等の缶体として使用するのに不適当であることが判った。
【0064】
上記のような実施例を含む本実施形態の印刷済みフィルム貼着缶体の製造方法によれば、製造された缶体で、貼着された印刷済み樹脂フィルムの前端部分のオーバーコート層の上に後端部分の接着剤層が重なるように貼着しているにもかかわらず、このフィルム同士の重合部分の接着強度(ピール強度)を200g以上としていることから、例えば、開口端部の縮径率が胴部の最大外径部の9.1%以上となるようなネックイン加工(外径約66mmの缶胴の開口端部への3段以上のネックイン加工に相当)を施しても、フィルム同士の重合部分で剥離が起きることはなく、しかも、印刷済み樹脂フィルムが貼着された缶体の胴部外面の動摩擦係数が0.048〜0.090の範囲内となっていることで、オーバーコート層による缶体の滑り性を充分に保証することができる。
【0065】
また貼着する前の印刷済み樹脂フィルムについて、その表面(不完全硬化状態のオーバーコート層)の動摩擦係数を0.100〜0.185としていることで、オーバーコート層の硬化型樹脂系塗膜に含有させる滑剤の量を少なくすることができ、その結果、予備加熱された缶体に印刷済み樹脂フィルムを貼着したときの接着強度は、搬送時に接触する装置部品や缶体内面へのスプレー塗装時に接触する缶体回転保持手段との接触では剥離しない程度に維持され、また、同時にこれら装置部品等との接触では疵が付かない程度の滑り性と硬さが備わっている。
【0066】
そして、印刷済み樹脂フィルムが貼着された缶体を100〜240℃の温度に加熱して、オーバーコート層の硬化型樹脂系塗膜と接着剤層の硬化型樹脂系接着剤とを熱硬化させて略完全に硬化させていることで、硬化型樹脂系接着剤による接着剤層は、缶体の胴部外面と強力に接合すると共に、オーバーコート層の硬化型樹脂系塗膜とも強力に接合することとなり、その結果、得られた印刷済みフィルム貼着缶体では、ネックイン加工を受けても印刷済み樹脂フィルム同士の重合部分で剥離が起きるようなことはない。
【0067】
また、印刷済み樹脂フィルムが貼着された缶体を100〜240℃の温度に加熱する後加熱処理により、オーバーコート層の硬化型樹脂系塗膜が略完全に硬化する時に、該塗膜中に含有されている滑剤が塗膜の表面付近に浮き出してくることから、缶胴表面の動摩擦係数が元の印刷済み樹脂フィルムの時よりも低下して滑り性が良好になるため、ネックイン加工工具等との摩擦抵抗が小さくなり、缶体搬送時の滑り性も良好で缶胴外面に擦り疵が付くことは殆どなく、缶詰製造時の缶の滑り性も良好で缶胴外面に疵が付くことは殆どない。
【0068】
さらに、缶体の胴部外面を一周して前端部分のオーバーコート層の上に後端部分の接着剤層を重ね合わすように貼着したときの印刷済み樹脂フィルム同士の重合部分の接着強度(ピール強度)を4〜80gの範囲内としていることで、缶体の搬送時における搬送経路との摩擦や、内面塗料塗布時における缶体回転のための保持手段との摩擦程度では剥離することはなく、その後の加熱処理により、印刷済み樹脂フィルム同士の接着強度(ピール強度)が200g以上となるようにしていることで、その後で3段以上の多段のネックイン加工とフランジ加工が施されても、また、缶詰製造時のレトルト加熱殺菌処理を受けても、印刷済み樹脂フィルムが剥離することは殆どない。
【0069】
以上、本発明の印刷済みフィルム貼着缶体製造方法の一実施形態について説明したが、本発明は、上記のような実施形態に限られるものではなく、例えば、印刷済み樹脂フィルムが貼着される缶体(金属缶本体)については、絞り加工としごき加工によるDI缶に限らず、深絞り缶でも良いし、溶接缶胴のような胴部に継ぎ目のある3ピース缶用の缶体であっても良い。
【0070】
また、缶体の内外面にジルコニウム系化成処理が施されたアルミニウム合金板製の缶体に限らず、その他の化成処理が施されたアルミニウム合金板製缶体や表面処理鋼板製缶体、或いは、金属板の両面に保護被膜となる熱可塑性樹脂フィルムがラミネートされた樹脂被覆金属板製缶体等のような従来から製造されている缶体を適宜選択的に使用することができる。なお、樹脂被覆金属板から製造された缶体の場合には、缶体の内面に熱硬化型樹脂系塗料による保護塗膜を形成する必要はない。
【0071】
また、缶体の胴部外面に貼着される印刷済み樹脂フィルムについては、上記の実施形態に示したような、基材となる熱可塑性樹脂フィルムに対してオーバーコート層と印刷インキ層と接着剤層を形成したような印刷済み樹脂フィルムに限らず、その他にホログラム形成層や金属蒸着層などの層を適宜に形成したような印刷済み樹脂フィルムを使用して実施することも可能である等、適宜設計変更可能なものであることは言うまでもない。
【0072】
【発明の効果】
以上説明したような本発明の印刷済みフィルム貼着缶体の製造方法によれば、製造された缶体で、印刷済み樹脂フィルムのオーバーコート層による缶体の滑り性を充分に保証することができ、且つ、印刷済み樹脂フィルム同士の重合部分での接着強度を充分に保証することができて、しかも、印刷済み樹脂フィルムに印刷ロスやオーバーコートロスによる不良品を発生させることなく、印刷済み樹脂フィルムの製造スピードや貼着スピードを上げることができて、その結果、缶体および缶詰の製造において生産効率を向上させることができる。
また上記のような効果を有する印刷済みフィルム貼着缶体を、オーバーコート層となる硬化型樹脂系塗膜に含有させる滑剤の添加量を少なくした状態で効果的に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の製造方法により製造される印刷済みフィルム貼着缶体について、(A)ネック・フランジ加工前と(B)ネック・フランジ加工後のそれぞれの状態の外観を示す側面図。
【図2】 本発明の製造方法により製造される印刷済みフィルム貼着缶体について、(A)印刷済み樹脂フィルムの積層構造を示す断面図、および(B)印刷済みフィルム貼着缶体の胴部のフィルム重合部分を示す横断面図。
【符号の説明】
1 印刷済みフィルム貼着缶体
2 胴部
3 底部
4 ネック部
5 フランジ部
10 缶体(金属缶本体)
20 印刷済み樹脂フィルム
21 オーバーコート層
22 熱可塑性樹脂フィルム
23 印刷インキ層
24 接着剤層

Claims (1)

  1. 缶体の胴部外面に印刷済みの樹脂フィルムが接着剤層を介して貼着された後、缶体の胴部の開口端付近にネックイン加工が施されることで、ネックイン加工により縮径された開口端部の縮径率が、缶体の胴部の最大外径部の9.1%以上となっている印刷済みフィルム貼着缶体を製造するための方法において、
    熱硬化性樹脂100重量部に対して1.0重量部のシリコンと0.5〜1.8重量部のワックスを添加した熱硬化型樹脂系塗膜が、表面の動摩擦係数が0.100〜0.185で不完全に硬化させた状態のオーバーコート層として最外層に全面的に形成され、且つ、熱硬化型樹脂系接着剤による接着剤層が最内層として全面的に形成されている長尺の印刷済み樹脂フィルムを使用して、
    この長尺のフィルムから一缶分の長さに切断された印刷済み樹脂フィルムを、予備加熱された缶体の胴部外面に押圧ロールにより押圧しながら徐々に巻き付けて、缶体の胴部外面を一周して前端部分のオーバーコート層の上に後端部分の接着剤層が重なるように貼着することで、印刷済み樹脂フィルム同士の重合部分の接着強度(ピール強度)が4〜80gの範囲内となるようにしてから、
    その後、印刷済み樹脂フィルムが貼着された缶体を貼着された缶体を100〜240℃の温度に加熱処理して、オーバーコート層の熱硬化型樹脂系塗膜と接着剤層の熱硬化型樹脂系接着剤とを略完全に熱硬化させることで、印刷済み樹脂フィルムが貼着された缶体の胴部外面の動摩擦係数が0.048〜0.090の範囲内となり、且つ、印刷済み樹脂フィルム同士の重合部分の接着強度(ピール強度)が200g以上となるようにしたことを特徴とする印刷済みフィルム貼着缶体の製造方法
JP2001243304A 2001-08-10 2001-08-10 印刷済みフィルム貼着缶体の製造方法 Expired - Lifetime JP4925153B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001243304A JP4925153B2 (ja) 2001-08-10 2001-08-10 印刷済みフィルム貼着缶体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001243304A JP4925153B2 (ja) 2001-08-10 2001-08-10 印刷済みフィルム貼着缶体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003054569A JP2003054569A (ja) 2003-02-26
JP4925153B2 true JP4925153B2 (ja) 2012-04-25

Family

ID=19073425

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001243304A Expired - Lifetime JP4925153B2 (ja) 2001-08-10 2001-08-10 印刷済みフィルム貼着缶体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4925153B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4890748B2 (ja) * 2004-07-23 2012-03-07 株式会社フジシールインターナショナル 缶貼り付け用印刷フィルム
JP5482100B2 (ja) * 2009-10-28 2014-04-23 東洋製罐株式会社 金属缶用印刷フィルム、その製造方法及び製造装置
JP6726525B2 (ja) * 2016-05-18 2020-07-22 昭和電工パッケージング株式会社 容器用積層シートおよび容器

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3211364B2 (ja) * 1992-04-30 2001-09-25 三菱化学ポリエステルフィルム株式会社 積層ポリエチレン−2,6−ナフタレートフィルム
JP3454438B2 (ja) * 1993-09-16 2003-10-06 北海製罐株式会社 金属缶体の製造方法
JP3611620B2 (ja) * 1995-02-24 2005-01-19 北海製罐株式会社 ネックイン缶体の製造方法
JP3524264B2 (ja) * 1996-04-09 2004-05-10 大和製罐株式会社 フイルム貼着缶体およびその製造方法
JP3349038B2 (ja) * 1996-04-26 2002-11-20 大和製罐株式会社 フィルム貼着缶体の製造方法
JP3862051B2 (ja) * 1998-12-18 2006-12-27 大和製罐株式会社 フィルム貼着缶体の製造方法
JP2001026749A (ja) * 1999-03-03 2001-01-30 Kansai Paint Co Ltd オーバーコート組成物及びこの組成物を用いた接着用積層フィルム
JP2001113658A (ja) * 1999-10-21 2001-04-24 Mitsubishi Polyester Film Copp 金属缶ラミネート用ポリエステルフィルム
JP2003054567A (ja) * 2001-08-09 2003-02-26 Toyo Seikan Kaisha Ltd レトルト可能な印刷フイルムラミネート缶とその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003054569A (ja) 2003-02-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2011092927A1 (ja) 容器用インキジェット印刷フィルム、その製造方法及び製造装置
CN105829209B (zh) 容器用印制膜及其制造方法
JP6314468B2 (ja) 印刷缶及びその製造方法
JP6503726B2 (ja) 容器用印刷フィルム及びその製造方法
JP2017200764A (ja) 鏡面ラベル及びその製造方法
EP0128717B1 (en) Decorating substrate materials
JP4925153B2 (ja) 印刷済みフィルム貼着缶体の製造方法
CA3025733C (en) Process for forming a paper container and related methods and materials
JP5482100B2 (ja) 金属缶用印刷フィルム、その製造方法及び製造装置
JP3747427B2 (ja) ホログラム付き缶体
JP2003095231A (ja) 印刷済みフィルム貼着缶体の製造方法
JP4609872B2 (ja) 印刷済みフィルム貼着缶体の製造方法
US3863374A (en) Labeled side-seamed can body
JP3524264B2 (ja) フイルム貼着缶体およびその製造方法
JP3013046B2 (ja) 転写印刷di缶体の製造方法
JP3862051B2 (ja) フィルム貼着缶体の製造方法
JPH0596627A (ja) ポリエチレンテレフタレートフイルムラミネート缶体
JP2022008137A (ja) ラベル付き溶接缶及びその製造方法
JP2000177745A (ja) シ―ムレス金属缶およびその製造方法
JP4587423B2 (ja) 3ピース缶用溶接缶胴の製造方法
JP2002193267A (ja) マット調容器およびその製造方法
JP4557275B2 (ja) 印刷済みフィルム貼着缶体の製造方法
JP3365902B2 (ja) フイルム貼着缶体およびその製造方法
WO2020137798A1 (ja) ラベル缶及びその製造方法
GB2052437A (en) Improvements in labelling containers

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080718

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110315

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110318

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110510

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111104

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111129

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120202

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120202

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150217

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4925153

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

EXPY Cancellation because of completion of term