JP3454438B2 - 金属缶体の製造方法 - Google Patents

金属缶体の製造方法

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JP3454438B2 JP22999893A JP22999893A JP3454438B2 JP 3454438 B2 JP3454438 B2 JP 3454438B2 JP 22999893 A JP22999893 A JP 22999893A JP 22999893 A JP22999893 A JP 22999893A JP 3454438 B2 JP3454438 B2 JP 3454438B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属板から有底筒状に
成形され缶胴部外面側に美粧性が付与されてなる金属缶
体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】飲料物等の金属容器として、アルミニウ
ム合金の薄板等から一方に開口端部を有する有底筒状に
成形された金属缶体の前記開口端部に別途製造されたイ
ージーオープン缶蓋等を二重巻締めしてなるツーピース
缶が知られている。前記ツーピース缶では、美粧性を付
与すると共に外傷から保護するために、有底筒状の金属
缶体の外面側に保護被覆層が形成されている。
【0003】従来、前記ツーピース缶は、まず有底筒状
に成形された金属缶体の表面に化成処理を施し、次いで
缶胴部外面側にオフセット印刷により曲面印刷し、焼き
付けて前記保護被覆層を形成することにより製造されて
いる。前記ツーピース缶の缶内面側は、内容物に対する
耐腐食性を付与するために、前記缶外面側の曲面印刷の
のち内面塗料を塗装し焼き付けることにより被覆されて
いる。
【0004】また、前記ツーピース缶の製造方法とし
て、予め両面が合成樹脂製フィルムで被覆された金属板
を用いる方法も知られている。この製造方法では、まず
前記両面が被覆された金属板から一方に開口端部を有す
る有底筒状の金属缶体を成形し、この金属缶体の缶胴部
外面側を被覆する前記合成樹脂製フィルムにオフセット
印刷により曲面印刷を施すことにより、缶外面側に美粧
性が付与される。この製造方法によれば、前記合成樹脂
製フィルムにより缶内外面が被覆保護されるので、缶内
面側の塗装が不要になるという効果が得られる。
【0005】しかしながら、前記オフセット印刷では1
工程の印刷色数に制限がある上に、曲面に印刷するため
に位置合せが困難で重ね刷りができないため十分な美粧
性を付与できないという不都合がある。また、製缶速度
自体は毎分1000缶以上という高速であるため、前記
曲面印刷の速度を前記製缶速度に対応させると、美麗な
印刷を安定して行うことが困難になるという不都合があ
る。さらに、金属缶体の製造はロット毎の生産量の少な
い多品種少量生産になることが多いため、前記オフセッ
ト印刷用の版型を交換する頻度が高くなり、生産性が低
下するという不都合もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる不都
合を解消して、金属板から有底筒状に成形された金属缶
体の缶胴部外面側に優れた美粧性を付与することができ
る金属缶体の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明の金属缶体の製造方法は、金属板から一方
に開口端部を有する有底筒状の金属缶体を成形する金属
缶体成形工程と、前記金属缶体の缶胴部を加熱する第1
の加熱工程と、加熱された前記金属缶体の缶胴部外面側
に、一方の面に印刷層を設けてなるポリエステルフィル
ムを、数平均分子量5000〜20000のエポキシ樹
脂と無水トリメリット酸系硬化剤とを70/30〜99
/1の重量比で含む熱硬化型接着剤層を介して熱接着す
る熱接着工程と、前記缶胴部外面側に前記ポリエステル
フィルムが接着された前記金属缶体を200〜210℃
の温度範囲に1〜2分間保持するように加熱して、前記
熱硬化型接着剤を熱硬化させる第2の加熱工程と、から
なることを特徴とする。
【0008】前記熱硬化型樹脂系接着剤は、高温で短時
間の加熱で前記金属缶体と前記ポリエステルフィルムと
の間で十分な接着強度を得るために、数平均分子量50
00〜20000のエポキシ樹脂と無水トリメリット酸
系硬化剤とを70/30〜99/1の重量比で含む樹脂
からなるものを用いる。
【0009】前記エポキシ樹脂は数平均分子量が500
0未満のときには接着強度が不足し、20000を超え
るときには高粘度となり塗布作業性が低下する。また、
前記数平均分子量が5000未満であると、前記ポリエ
ステルフィルムに予め塗布乾燥して接着剤層を形成する
ときに、前記接着剤層の粘着性が高くなり、タックフリ
ー性が低下する。前記エポキシ樹脂は、ビスフェノール
とエピクロルヒドリンとの反応により得られるビスフェ
ノール型エポキシ樹脂であることが好ましく、高分子量
エポキシ樹脂のいわゆるフェノキシ樹脂も含まれる。ま
た、硬化剤としては、前記無水トリメリット酸系硬化剤
以外にさらにフェノール樹脂などの他の硬化剤を含んで
いてもよい。
【0010】前記熱硬化型樹脂系接着剤は、硬化剤とし
て無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン
酸無水物、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、
メチルシクロヘキサンジカルボン酸無水物等の酸無水物
系硬化剤を用いてもよいが、硬化性、塗布後の膜の耐ブ
ロッキング性、タックフリー性等に優れている点から無
水トリメリット酸及びその誘導体からなる無水トリメリ
ット酸系硬化剤が好ましい。前記無水トリメリット酸の
誘導体としては、例えば、グリセロールトリストリメリ
テート無水物、無水トリメリット酸の二量体、エチレン
グリコールビストリメリテート無水物等を挙げることが
できる。
【0011】前記熱硬化型樹脂系接着剤において、前記
エポキシ樹脂99重量部に対して前記無水トリメリット
酸系硬化剤の配合量が1重量部未満では高温で加熱して
も前記エポキシ樹脂の硬化に長時間を要し、またエポキ
シ樹脂70重量部に対して前記無水トリメリット酸系硬
化剤の配合量を30重量部を超える割合としても前記エ
ポキシ樹脂の硬化を促進する効果はそれ以上には向上さ
れない。
【0012】前記本発明により製造される金属缶体は、
その缶胴部の缶外面側は前記ポリエステルフィルムで被
覆されているが、缶内面側には金属が露出している。
【0013】そこで、前記本発明では、前記ポリエステ
ルフィルムが接着された前記金属缶体の缶内面側の金属
露出部に熱硬化型塗料を塗装し、次いで加熱して前記塗
料を熱硬化させることにより前記金属露出部を被覆す
る。或は、前記金属板として、その缶内面となる側に、
ポリエステルフィルムが熱硬化型樹脂系接着剤層を介し
て予め熱接着されている金属板を用いてもよい。
【0014】前記熱硬化型塗料は、該熱硬化型塗料が前
記熱硬化型樹脂系接着剤が熱硬化する温度範囲で硬化す
る塗料であって、該熱硬化型塗料の熱硬化のための加熱
と、前記熱硬化型樹脂系接着剤の熱硬化のための加熱ま
たは前記ポリエステルフィルムの内部応力の緩和のため
の加熱とを同時に行う。前記温度範囲で硬化する熱硬化
型塗料として、例えば、エポキシフェノール樹脂系塗
料、アクリル樹脂系塗料、エポキシアクリル樹脂系塗料
等公知の塗料を用いることができる。前記熱硬化型塗料
は、溶剤または水に溶解して塗布するものでもよく、粉
体塗料であってもよい。
【0015】また、缶内面となる側にポリエステルフィ
ルムが熱硬化型樹脂系接着剤層を介して予め熱接着され
ている金属板を用いるときには、該ポリエステルフィル
ムが熱接着されている金属板から一方に開口端部を有す
る有底筒状の金属缶体を形成する。
【0016】前記本発明により製造される金属缶体は、
別途製造されたイージーオープン缶蓋等を二重巻締めす
るために、前記ポリエステルフィルムが接着された前記
金属缶体の開口端部にネックイン加工及びフランジ加工
が施される。
【0017】また、前記ポリエステルフィルムは、寸法
安定性を確保し、耐外傷性を向上すると共に、熱処理に
よる該ポリエステルフィルム中の低重合度成分(オリゴ
マー)の表面への析出を防止するために、前記印刷層が
設けられている側の反対側に熱硬化型オーバーコート層
が設けられている。
【0018】
【作用】本発明の金属缶体の製造方法によれば、金属板
から成形された一方に端部を有する有底筒状の金属缶体
の缶胴部を予備加熱し、その缶胴部外面側に、一方の面
に印刷層を設けてなるポリエステルフィルムを熱硬化型
樹脂系接着剤層を介して熱接着したのち、さらに加熱し
て前記熱硬化型樹脂系接着剤を硬化させることにより、
高温で短時間の加熱で前記ポリエステルフィルムが前記
金属缶体に確実に接着されるので、前記ポリエステルフ
ィルムが製缶速度に対応する速度で前記缶胴部外面側に
接着される。
【0019】前記熱硬化型樹脂系接着剤は、数平均分子
量5000〜20000のエポキシ樹脂と無水トリメリ
ット酸系硬化剤とを70/30〜99/1の重量比で含
み、前記缶胴部外面側に前記ポリエステルフィルムが接
着された前記金属缶体を200〜210℃の温度範囲に
1〜2分間保持するように加熱することにより、高温で
短時間の加熱で前記金属缶体と前記ポリエステルフィル
ムとの間で大きな接着強度が得られる。
【0020】本発明の金属缶体の製造方法によれば、缶
胴部外面側に前記ポリエステルフィルムを接着すること
により、耐腐食性、耐外傷性が確保されると共に、該ポ
リエステルフィルムに設けられた前記印刷層により缶胴
部外面側に美粧性が付与される。前記印刷層は前記金属
缶体に接着される前のポリエステルフィルムにグラビア
印刷等で予め設けられているので、前記缶胴部外面側の
曲面に対してオフセット印刷する場合と異なり、色数、
多重印刷等に制限がなく、前記金属缶体の缶胴部外面側
に優れた美粧性が付与される。また、前記ポリエステル
フィルムは、予め前記印刷層を設けて準備しておくこと
ができるので、前記缶胴部外面側の曲面に対してオフセ
ット印刷する場合と異なり、ロット毎にオフセット印刷
の版型を交換する必要がなく前記印刷されたポリエステ
ルフィルムを交換すればよく、生産性が向上する。
【0021】本発明の金属缶体の製造方法では、前記ポ
リエステルフィルムが接着された前記金属缶体の缶内面
側の金属露出部に熱硬化型塗料を塗装し、次いで加熱し
て前記塗料を熱硬化させることにより、或は缶内面とな
る側にポリエステルフィルムが熱硬化型樹脂系接着剤層
を介して予め熱接着されている金属板を用いることによ
り、前記金属露出部が被覆されるので、前記缶内面側の
金属露出部が内容物に接触することによる基体金属の腐
食や溶出する金属による内容物のフレーバーの変化が防
止される。
【0022】前記熱硬化型塗料が、前記缶外面に接着さ
れるポリエステルフィルムの熱硬化型樹脂系接着剤が熱
硬化する温度範囲で硬化するものであるときには、該熱
硬化型塗料の熱硬化のための加熱と、前記熱硬化型樹脂
系接着剤の熱硬化のための加熱または内部応力の緩和の
ための加熱とを同時に行うことができ、いずれか一方の
加熱処理を省略することができる。
【0023】また、缶内面となる側に内面保護用として
のポリエステルフィルムが熱硬化型樹脂系接着剤層を介
して予め熱接着されている金属板を用いるときには、該
ポリエステルフィルムが熱接着されている金属板から一
方に開口端部を有する有底筒状の金属缶体を形成するこ
とにより、缶内面側の金属露出部が前記ポリエステルフ
ィルムで被覆された金属缶体が容易に得られる。
【0024】前記本発明により製造される金属缶体は、
前記開口端部にネックイン加工及びフランジ加工を施す
ことにより、前記開口端部にネックイン部及びフランジ
部が形成され、イージーオープン缶蓋等の二重巻締めが
可能になる。前記ネックイン加工及びフランジ加工は、
前記ポリエステルフィルムが接着された金属缶体に対し
て行うことにより、前記ネックイン部及びフランジ部が
前記ポリエステルフィルムで被覆された金属缶体が容易
に得られる。
【0025】また、前記ポリエステルフィルムは、前記
印刷層が設けられている側の反対側に熱硬化型オーバー
コート層を設けることにより、前記ポリエステルフィル
ムの伸縮が規制され熱処理によても良好な寸法安定性が
確保されるとともに、耐外傷性が向上される。また、前
記熱硬化型オーバーコート層を設けることにより、前記
ポリエステルフィルムが接着された金属缶体にレトルト
殺菌処理等の熱処理を施す際にポリエステルフィルム中
の低重合度成分(オリゴマー)が表面に析出することが
防止され、滑り性がよくなる。
【0026】
【実施例】次に、添付の図面を参照しながら本発明の金
属缶体の製造方法についてさらに詳しく説明する。図1
は本発明の第1の実施例により得られる金属缶体の断面
図であり、図2はポリエステルフィルムの構成例を示す
説明的断面図であり、図3は図1のIII−III線断
面図であり、図4は図1のA部拡大断面図である。ま
た、図5は本発明の第2の実施例により得られる金属缶
体の断面図である。
【0027】次に、第1の実施例について説明する。
【0028】本実施例では、まず、コイル状金属材料
(アルミニウム3004材)に絞りしごき(DI)加工
を施して図1(a)示の金属缶体1を成形した。金属缶
体1は断面平面状の缶胴部2と内部に湾曲した底部3と
を有し、底部3には外方に突出する脚部4が形成されて
いる。また、金属缶体1は底部3の反対側が開口端部5
となっており、図1(a)に仮想線示する部分がトリミ
ングされて所定の高さに成形されている。
【0029】次に、前記絞りしごき加工等により金属缶
体1の内外面に付着している油分を脱脂、水洗した。次
いで、金属缶体1に、リン酸系処理液等による化成処理
を施した後、さらに水洗、乾燥した。
【0030】次に、金属缶体1を缶胴部2の外面側表面
が100〜200℃になるように予備加熱し、図2示の
ように、一方の面に印刷層21が形成されており、印刷
層21の上に熱硬化型樹脂系接着剤層22が形成されて
いる二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フ
ィルム6を、熱硬化型樹脂系接着剤層22を介して熱接
着した。二軸延伸PETフィルム6の他方の面には熱硬
化型オーバーコート層23が設けられている。
【0031】前記印刷層21は、例えば顔料を含む樹脂
からなる印刷インクによりグラビア印刷を施すことによ
り形成されており、予め平面状の二軸延伸PETフィル
ム6に設けられるので、色数、多重印刷等に制限を受け
ることがなく、優れた美粧性を備えている。前記熱硬化
型樹脂系接着剤層22は、数平均分子量10000のエ
ポキシ樹脂とグリセロールトリストリメリテート無水物
とを95/5の重量比で含む樹脂からなる。また、前記
熱硬化型オーバーコート層23は、エポキシ樹脂とアミ
ノプラスト樹脂とからなり短時間硬化触媒として有機酸
またはリン酸、ポリリン酸等の無機酸が添加されている
熱硬化型樹脂からなり、印刷層21の形成に先立って形
成される。前記組成の熱硬化型樹脂は、高温短時間の加
熱で硬化フィルムを形成することができ、オリゴマー析
出防止、滑り性向上のために、さらにシリコン或はワッ
クスが添加されていることが好ましい。
【0032】尚、二軸延伸PETフィルム6の両端部6
a,6aは、図3(a)示のように互いに重ね合わせて
接着してもよく、図3(b)示のように突き合わせて接
着してもよい。突き合わせて接着するときには、両端部
6a,6a間の隙間6bが小さいほどよく、通常0.5
mm以下になるようにされている。
【0033】次に、図1(b)示のように金属缶体1の
缶内面側の金属露出部に水性の内面塗料7を塗布する。
このようにすることにより、金属缶体1の内面が被覆さ
れると共に、図4示のように、開口端部5における金属
缶体1の基体金属端面1a及び缶外面側の二軸延伸PE
Tフィルム6に被覆されていない部分1bも被覆するこ
とができる。前記内面塗料7としては、熱硬化型樹脂系
接着剤層22の硬化温度と同程度の温度で硬化できる点
から、例えば溶剤系エポキシフェノール樹脂系塗料、水
性系エポキシアクリル樹脂系塗料等の熱硬化型塗料が好
適に用いられる。
【0034】次に、金属缶体1を200〜210℃の温
度範囲に1〜2分間保持するように加熱し、前記熱硬化
型樹脂系接着剤層22を硬化させて二軸延伸PETフィ
ルム6の接着強度を増大させると共に内面塗料7を硬化
させた。このようにすることにより、熱硬化型樹脂系接
着剤層22を硬化させるための加熱と、内面塗料7を硬
化させるための加熱とを同時に行うことができるので好
都合である。
【0035】次に、金属缶体1の開口端部5にネックイ
ン加工及びフランジ加工を施し、図1(b)に仮想線示
するように、ネックイン部8及びフランジ部9を形成し
て、金属缶体10を製造した。この結果、二軸延伸PE
Tフィルム6の印刷層21により、缶外面側に優れた美
粧性が付与された金属缶体10が得られた。
【0036】次に、第2の実施例について説明する。
【0037】本実施例では、コイル状金属材料(アルミ
ニウム3004材)の缶内面となる側に、一方の面に熱
硬化型樹脂系接着剤層が形成された無地のポリエステル
フィルムを該熱硬化型樹脂系接着剤層を介して予め熱接
着した。尚、前記熱硬化型樹脂系接着剤層は、熱硬化型
樹脂系接着剤層22と同様の接着剤から形成されてい
る。
【0038】そして、このコイル状金属材料に絞りしご
き加工を施して図5(a)示の金属缶体51を成形し
た。金属缶体51は缶内面側に無地のポリエステルフィ
ルム52が接着されている以外は、図1(a)示の金属
缶体1と同様の構成となっている。無地のポリエステル
フィルム52は、比較的ガラス転移点の低い共重合ポリ
エステル等が好ましく、印刷が施されないので高い強度
は要求されず、延伸フィルムでもよく、全く延伸されて
いないフィルムであってもよい。
【0039】次に、金属缶体51を図1(b)示の内面
塗料7の塗装を行わなかった以外は前記第1の実施例と
同様に処理して、図5(b)示の金属缶体53を製造し
た。この結果、二軸延伸PETフィルム6の印刷層21
により、缶外面側に優れた美粧性が付与された金属缶体
53が得られた。
【0040】尚、金属缶体51において、ポリエステル
フィルム52は前記金属材料の絞りしごき加工により内
部応力を生じているが、二軸延伸PETフィルム6の熱
接着後に金属缶体51を120〜230℃の温度範囲に
30秒〜5分間保持するように加熱して、前記熱硬化型
樹脂系接着剤層22を硬化させて二軸延伸PETフィル
ム6の接着強度を増大させる熱処理により、同時に前記
缶内面側に接着されているポリエステルフィルム52の
内部応力が緩和されることになるので好都合である。ま
た、金属缶体53は缶内面側がポリエステルフィルム5
2により被覆されているので、内容物に対して優れた耐
腐食性を備えている。
【0041】前記各実施例では、コイル状金属材料に絞
りしごき(DI)加工を施して有底筒状の金属缶体を成
形するようにしているが、前記金属缶体はドロー・シン
・リドロー(DTR)加工或はドロー・リドロー(D
R)加工により成形するようにしてもよい。また、前記
金属材料として鋼板等の他の缶体材料を用いてもよい。
【0042】
【発明の効果】以上のことから明らかなように、本発明
の製造方法によれば、金属板から成形された有底筒状の
金属缶体の缶胴部外面側に、予め印刷層が設けられてい
る前記ポリエステルフィルムを接着することにより、色
数、多重印刷等の制限なく、前記缶胴部外面側に優れた
美粧性を付与することができる。また、前記ポリエステ
ルフィルムにより、前記缶胴部外面側の耐腐食性及び耐
外傷性を確保することができる。また、前記ポリエステ
ルフィルムは、予め前記印刷層を設けて準備しておくこ
とにより、前記ポリエステルフィルムを交換するだけで
ロット交換に対応できるので、生産性を向上することが
できる。
【0043】また、前記ポリエステルフィルムを熱硬化
型樹脂系接着剤層を介して接着することにより、短時間
で所要の接着強度が得られるので、前記接着を製缶速度
に対応する速度で行うことができる。前記熱硬化型樹脂
系接着剤は、エポキシ樹脂と無水トリメリット酸系硬化
剤とからなることにより、高温で短時間の加熱で前記金
属缶体と前記ポリエステルフィルムとの間で大きな接着
強度を得ることができる。
【0044】また、前記ポリエステルフィルムが接着さ
れた前記金属缶体の缶内面側の金属露出部に塗料を塗装
し、次いで加熱して前記塗料を熱硬化させることによ
り、或は缶内面となる側に、ポリエステルフィルムが熱
硬化型樹脂系接着剤層を介して予め熱接着されている金
属板を用いることにより、前記缶内面側の金属露出部を
被覆して基体金属の腐食や溶出する金属による内容物の
フレーバーの変化を防止することができる。
【0045】前記熱硬化型塗料が、前記熱硬化型樹脂系
接着剤が熱硬化する温度範囲で硬化する塗料であること
により、該熱硬化型塗料の熱硬化のための加熱と、前記
熱硬化型樹脂系接着剤の硬化後の内部応力の緩和のため
の加熱とを同時に行い、いずれか一方の加熱処理を省略
することができる。
【0046】また、缶内面となる側にポリエステルフィ
ルムが熱硬化型樹脂系接着剤層を介して予め熱接着され
ている金属板を用いるときには、該ポリエステルフィル
ムが熱接着されている金属板から一方に開口端部を有す
る有底筒状の金属缶体を形成することにより、缶内面側
の金属露出部が前記ポリエステルフィルムで被覆された
金属缶体を容易に得ることができる。
【0047】また、前記ポリエステルフィルムが接着さ
れた金属缶体に対してネックイン加工及びフランジ加工
を施すことにより、前記ネックイン部及びフランジ部が
前記ポリエステルフィルムで被覆された金属缶体を容易
に得ることができる。
【0048】また、前記ポリエステルフィルムの前記印
刷層と反対側の面に熱硬化型オーバーコート層を設ける
ことにより、前記ポリエステルフィルムにおいて良好な
寸法安定性を確保することができると共に、耐外傷性を
向上することができる。また、前記熱硬化型オーバーコ
ート層により、前記ポリエステルフィルム中の低重合度
成分の析出を防止することができ、滑り性を向上するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例により得られる金属缶体
の断面図。
【図2】ポリエステルフィルムの構成例を示す説明的断
面図。
【図3】図1のIII−III線断面図。
【図4】図1のA部拡大断面図。
【図5】本発明の第2の実施例により得られる金属缶体
の断面図。
【符号の説明】 1,51…一方に開口部を有する有底筒状の金属缶体、
2…缶胴部、 5…開口端部、 6…印刷層を設けて
なるポリエステルフィルム、 7…熱硬化型塗料、 8
…ネックイン部、 9…フランジ部、 10,53…金
属缶体、 21…印刷層、 22…熱硬化型樹脂系接着
剤層、 23…熱硬化型オーバーコート層、 52…ポ
リエステルフィルム。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田村 秀行 埼玉県岩槻市鹿室839−1 北海製罐株 式会社技術本部内 (72)発明者 田村 道也 埼玉県岩槻市鹿室839−1 北海製罐株 式会社技術本部内 (56)参考文献 特開 平3−230940(JP,A) 特開 昭64−77517(JP,A) 特開 昭57−35976(JP,A) 特開 平5−179205(JP,A) 特開 平4−57747(JP,A) 特開 昭60−168643(JP,A) 特公 平2−22112(JP,B2) 特許3271819(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 65/00 - 65/82 B65D 25/00 - 25/56

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属板から一方に開口端部を有する有底筒
    状の金属缶体を成形する金属缶体成形工程と、 前記金属缶体の缶胴部を加熱する第1の加熱工程と、 加熱された前記金属缶体の缶胴部外面側に、一方の面に
    印刷層を設けてなるポリエステルフィルムを、数平均分
    子量5000〜20000のエポキシ樹脂と無水トリメ
    リット酸系硬化剤とを70/30〜99/1の重量比で
    含む熱硬化型接着剤層を介して熱接着する熱接着工程
    と、 前記缶胴部外面側に前記ポリエステルフィルムが接着さ
    れた前記金属缶体を200〜210℃の温度範囲に1〜
    2分間保持するように加熱して、前記熱硬化型接着剤を
    熱硬化させる第2の加熱工程と、からなることを特徴と
    する金属缶体の製造方法。
  2. 【請求項2】前記ポリエステルフィルムが接着された前
    記金属缶体の缶内面側の金属露出部に熱硬化型塗料を塗
    装し、次いで加熱して前記塗料を熱硬化させることを特
    徴とする請求項1記載の金属缶体の製造方法。
  3. 【請求項3】前記熱硬化型塗料は前記熱硬化型接着剤が
    熱硬化する温度範囲で熱硬化する塗料であって、前記熱
    硬化型塗料の熱硬化のための加熱と前記熱硬化型接着剤
    の熱硬化のための加熱とを同時に行うことを特徴とする
    請求項2記載の金属缶体の製造方法。
  4. 【請求項4】前記金属板が、その缶内面となる側に、ポ
    リエステルフィルムが熱硬化型樹脂系接着剤層を介して
    予め熱接着されていることを特徴とする請求項1記載の
    金属缶体の製造方法。
  5. 【請求項5】前記缶内面となる側にポリエステルフィル
    ムが熱接着されている金属板から一方に開口端部を有す
    る有底筒状の金属缶体を成形することを特徴とする請求
    項4記載の金属缶体の製造方法。
  6. 【請求項6】前記ポリエステルフィルムが接着された前
    記金属缶体の開口端部にネックイン加工及びフランジ加
    工を施すことを特徴とする請求項1記載の金属缶体の製
    造方法。
  7. 【請求項7】前記印刷層を設けたポリエステルフィルム
    が、前記印刷層が設けられている側の反対側に熱硬化型
    オーバーコート層が設けられてなることを特徴とする請
    求項1記載の金属缶体の製造方法。
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