JP2022008137A - ラベル付き溶接缶及びその製造方法 - Google Patents

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正明 藤谷
Masaaki Fujitani
禅 金山
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Abstract

【課題】小ロット多品種の製品に対応可能なラベル付溶接缶において、エアゾール製品にも使用可能なラベル付き溶接缶及びその製造方法を提供する。【解決手段】側面に継ぎ目8を有する溶接缶の側面にラベルが貼着されているラベル付き溶接缶1において、継ぎ目を除いた位置に耐水性を有する接着性ラベルが貼着されていることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、ラベル付き溶接缶及びその製造方法に関するものであり、より詳細には、エアゾール製品の品質検査にも対応可能な耐水性を有するラベル付き溶接缶及びその製造方法に関する。
金属缶の外面に商品名や各種デザインを施す方法としては、印刷が施されたプラスチックなどのフィルムからなるラベルを、接着層を介して貼着する方法や熱収縮フィルムを用いたシュリンクラベルを熱装着する方法等の他、オフセット印刷等の版式印刷や版を使用しないインクジェット印刷等により、缶胴部への曲面印刷や金属板への平面印刷を施すことにより行われている。
近年、製品の多品種・小ロット化が進む中、製品の納期、コストに対する要求も高まっており、短納期で迅速かつ適時な製品出荷が求められてきている。それらの要求に応えるため、顧客注文に応じ必要量の印刷ラベルを製造し金属缶に被覆することや、予めラベルを製造しておき、顧客注文に応じてそのラベルに追加印刷や塗装をした後、金属缶に被覆することにより製造することや、或いは予め製造したラベルを金属缶に被覆した後、ラベルに追加印刷や塗装して製造することができることから、ラベル付き缶は製品納期の短縮化の点で有利である。またラベル付き缶は、印刷が施される金属缶のように表面状態によらないで美観に優れた印刷缶を製造できるため、金属缶への印刷前のベースコートや表面処理工程の必要が無い点においても、製造工程の短縮化が可能である(特許文献1、2等)。
特開2003-81267号公報 特開2015-117030号公報
溶接缶を使用するエアゾール製品においても、小ロット多品種の内容物に対応するために、製缶後の溶接缶に印刷済みラベルを被覆することが要望されているが、エアゾール製品においては、内容物充填後の品質検査として、湯中に浸漬して内容物の漏洩をチェックすることが行われるため、かかる検査前に溶接継ぎ目を覆うラベルを取り付けると上記検査を適切に行うことができないという問題がある。またラベルとしてシュリンクラベルを用いることにより、溶接継ぎ目の位置にかかわらず溶接缶胴部を覆うことも可能であるが、上記検査に際して、溶接部が覆われるため、20μm以下の孔あきがある場合に溶接部漏洩が検出できないことや、シュリンクラベルの上下端部から水が浸入し、ラベルの変色や水の残留により缶に錆が発生するおそれがある。
更に従来のエアゾール製品においては、上記温水検査のために、内容物充填後にラベルを取り付ける必要があったため、需要者側にラベル取付けの負担がかかることにより、生産性や経済性の点で十分満足するものではなかった。
従って本発明の目的は、小ロット多品種の製品に対応可能なラベル付き溶接缶において、エアゾール製品にも使用可能なラベル付き溶接缶及びその製造方法を提供することである。
本発明によれば、側面に継ぎ目を有する溶接缶の側面に、前記継ぎ目を除いた位置にラベルが貼着されていることを特徴とするラベル付き溶接缶が提供される。
本発明のラベル付き溶接缶においては、
1.前記溶接缶が、内容物充填後に温水検査に付されるエアゾール缶であること、
2.前記ラベルが、耐水性を有する接着性ラベルであること、
3.前記ラベルが、缶側から、接着層、樹脂フィルム層、印刷層、透明保護層の順に配置されていること、
4.前記樹脂フィルム層が、合成紙又は透明フィルムから成ること、
5.前記合成紙が、空隙を有する合成紙であること、
6.前記印刷層が、刷版を使用しないデジタル印刷により形成されていること、
7.前記ラベルの容器軸方向の両端縁が、前記継ぎ目から2mm以上且つ缶円周長の1/4までの長さの範囲でそれぞれ離間していること、
8.前記ラベルが、固体識別データを有すること、
9.前記ラベルが、ラベル端縁から0.5~5mmの距離を置いて印刷層が形成されていること、
が好適である。
本発明によればまた、上記ラベル付き溶接缶の製造方法であって、溶接缶にラベルを取り付けるにあたって、溶接缶の継ぎ目の位置を位置決め装置により検知し、検知された継ぎ目を除く位置にラベルを貼着することを特徴とするラベル付き溶接缶の製造方法が提供される。
本発明のラベル付き溶接缶の製造方法においては、前記ラベルが貼着された溶接缶に内容物を充填することが、好適である。
本発明のラベル付き溶接缶においては、溶接継ぎ目の箇所を除いてラベルが取り付けられていることから、エアゾール製品に使用された場合にも、温水検査を適切に行うことが可能であり、しかも耐水性のラベルが使用されていることにより温水検査に付された場合でもラベルの損傷が有効に防止されている。
また本発明のラベル付き溶接缶の製造方法によれば、内容物の充填前にラベルの取り付けが可能であり、小ロット多品種のエアゾール製品に使用される溶接缶において、ラベルが取付けられた状態で、温水検査に付することができ、生産性及び経済性に優れている。
本発明のラベル付き溶接缶の一例を示す図である。 本発明のラベル付き溶接缶のラベル位置を説明するための図である。 本発明のラベル付き溶接缶に用いられるラベルの断面構造の一例を示す図である。 本発明のラベル付き溶接缶に用いられるラベルの断面構造の他の一例を示す図である。 本発明のラベル付き溶接缶に用いられるラベルの断面構造の他の一例を示す図である。 本発明のラベル付き溶接缶に用いられるラベルの断面構造の他の一例を示す図である。
(ラベル付き溶接缶)
本発明のラベル付き溶接缶においては、前述したとおり、溶接継ぎ目を除いた位置にラベルが取り付けられていることが重要な特徴であり、これにより、温水検査が必要なエアゾール製品にも対応可能なラベル付き溶接缶とすることができる。すなわち、前述した通り、エアゾール製品においては、内容物噴射のための噴射剤が内容物と一緒に充填されており、容器に高い内圧がかかっていることから、温水中に溶接缶を浸漬する内容物の漏洩検査が義務付けられている。本発明のラベル付き溶接缶においては、溶接継ぎ目部分がラベルで覆われていないため、漏洩の有無を容易且つ確実に検知することが可能となる。
図1は本発明のラベル付き溶接缶の一例を示す側面図であり、図2は、図1におけるX部分の断面を拡大して示す一部拡大断面図である。全体を1で表すラベル付き溶接缶は、概略的に言って、金属板2の両端縁部2a,2bのオーバーラップ部分が溶接部3となって接合されて筒状の缶胴部4として形成されている。この缶胴部4の開口両端部に缶蓋5及び缶底6が二重巻締めされて成っており、図1中、引照数字7a,7bは巻締部をそれぞれ示している。なお、本明細書においては、図1において、缶胴部4を構成する金属板2の両端縁部2a,2bのオーバーラップ部分の缶外面に位置する端縁2bを、継ぎ目8と定義し、缶胴の軸方向(高さ方向)と平行なラベルの端縁を軸方向端縁、缶胴の開口端部(周方向)と平行なラベルの端縁を周方向端縁と定義する。
またこの具体例においては、缶蓋5は、エアゾール製品用の噴射装置を装着可能な目金蓋(マウンテンカップ)から成っている。
図1に示す具体例においては溶接缶1の缶胴部4の外面に、矩形のラベル10が、缶胴部の継ぎ目8を除いた位置に取り付けられている。具体的には、ラベル10の軸方向端縁10a,10bは、缶胴部4の継ぎ目8から、それぞれ2mm以上且つ缶円周長の1/4までの長さの範囲で継ぎ目から離れている(図1中、それぞれLa,Lbで示す)。
(ラベル)
本発明のラベル付き溶接缶に取付けられるラベルとしては、この種の缶に取り付けられていた従来公知のラベルを使用することができるが、前述した温水検査に対応するためには、耐水性のあるラベルであることが好適である。
本発明に用いるラベルは、上述したように、ラベルの容器軸方向両端縁がそれぞれ缶胴部の溶接継ぎ目から2mm以上且つ缶円周長の1/4までの長さ、好適には3mm以上の長さとなるように形成されていることが、ラベル取り付け位置に誤差が生じた場合でも、ラベルで継ぎ目を覆うおそれがないことから望ましい。またラベルの軸方向長さは、ラベルの取り付け位置に誤差が生じた場合でも、巻締部にかからないようにするために、缶胴の軸方向長さ(缶蓋巻締部上端と缶底巻締部下端の距離)よりも6mm以上小さいことが好適である。
なおラベルの形状は矩形であることが一般的であるが、これに限定されず、楕円や多角形等種々の形状をとり得る。
またラベルは、取り付けに際して、ラベルの金属缶側に位置する面に接着剤を塗布する接着剤層をそれ自体有していないラベルであってもよいが、生産性の観点からは、ラベル下面に予め接着層が形成されている接着性ラベルであることが好適である。
本発明のラベル付き容器に適用されるラベルとして、これに限定されないが、図3~図6にその一例の断面図を示す。
図3に示すラベルは、ラベルの基材となる樹脂フィルム11の下面(以下、金属缶側を下側とする)に接着層12が形成され、樹脂フィルム11の上面に印刷層(絵柄層13a)、絵柄層13aを保護するためのトップコート層(仕上げニス層)14が形成されている。
また図4に示すラベルは、樹脂フィルム11の下面に接着層12が形成され、樹脂フィルム11の上面に絵柄層13aが形成されている点は図3のラベルと同様であるが、絵柄層13aを保護するための透明樹脂フィルム15が、接着層16を介して形成されている。
また図5に示すラベルは、ラベルの基材として透明樹脂フィルム11を用い、この透明樹脂フィルム11の下面に絵柄層13a、ベタ印刷層13bから成る印刷層13が形成され、ベタ印刷層13bの下面に接着層12が形成されている。
更に図6に示すラベルは、図3に示すラベルにおいて、樹脂フィルム11の上面にベタ印刷層13bを形成し、その上に絵柄層13aが形成されている例である。
[樹脂フィルム]
本発明に用いるラベルの基材になる樹脂フィルム層としては、それ自体公知の熱可塑性樹脂、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1-ブテン、ポリ4-メチル-1-ペンテン或いはエチレン、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン等のα-オレフィン同志のランダムあるいはブロック共重合体や、環状オレフィン共重合体などのオレフィン系樹脂;エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体、エチレン・塩化ビニル共重合体等のエチレン・ビニル系共重合体樹脂;ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体、ABS、α-メチルスチレン・スチレン共重合体等のスチレン系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル・塩化ビニリデン共重合体、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のビニル系樹脂;ナイロン6、ナイロン6-6、ナイロン6-10、ナイロン11、ナイロン12等のアミド樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリカーボネート;ポリフエニレンオキサイド;ポリ乳酸などの生分解性樹脂;などから形成することができる。中でも、耐水性や耐熱性の点からポリプロピレンまたはポリエチレンテレフタレートを用いることが好適である。
樹脂フィルムの厚みは特に制限されないが、12~100μmの範囲にあることが好適である。また樹脂フィルムは一軸又は二軸に延伸されたものであってもよく、特に耐傷性などの強度の点から、二軸延伸フィルムを好適に使用できる。
また樹脂フィルムは、絵柄層よりも上側(外側)に位置する場合には、無色透明であることが好ましいが、有色透明や、絵柄層の視認性を損なわない限り、一部不透明部分があっても良い。また絵柄層よりも下側(缶胴側)に位置する場合には、白色顔料などを含有する不透明フィルムや、空隙を有する白色の合成紙(たとえば、(株)ユポ・コーポレーションのユポ、東洋紡(株)のカミシャイン)であってもよい。
また、加飾性向上の観点から、ホログラムやレンズ調のフィルムを用いてもよい。
[接着層]
本発明に用いるラベルにおいて、ラベルを缶外面に取り付けるための接着層は、加熱加圧により缶外面に容易に接着し得る公知の熱硬化型接着剤、例えば、ポリウレタン系、熱硬化性のポリエステル樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂等を熱硬化性樹脂成分として含み、イソシアネート或いはメラミン樹脂等を硬化剤成分として、熱硬化性樹脂成分100重量部当り0.1~10重量部程度の量で含有しているものを使用することができる。更に、一般的には、硬化前の安定性を確保するために、適宜の量でオキシム、ラクタム、エステル、ケトン、アミド等の低分子化合物が配合され、このような低分子化合物によってイソシアネート基等の官能基がブロックされている接着剤を好適に使用することができる。
接着層は、このような熱硬化型接着剤を各種溶剤に分散又は溶解させた接着剤溶液をローラー塗布等により塗布し、乾燥することにより形成され、その厚みは一般に1~10μmの範囲にあることが好ましい。
尚、加圧のみで缶外面に容易に接着する、粘着糊を接着層に用いることもできる。例えば、アクリル系、ゴム系、シリコーン系の水性エマルジョンや溶剤の粘着糊を使用することができる。
尚、ラベルが金属面を覆うためのベタ印刷層13bを有しない場合には、接着層に酸化チタン等の顔料を配合してもよい。また接着層に顔料が配合されていることにより、ラベルを金属缶に巻き付けて加熱することによる貼着を行うに際して、接着層の熱収縮を有効に防止することができ、熱収縮による印刷像の歪み等を有効に防止することができる。このような顔料の配合量は、接着層中の10~90重量%が好ましい。
[印刷層]
ラベルに形成される印刷層は、グラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷等の高速で大量に印刷可能な従来公知の版式印刷の他、製版の必要がなく、小ロット多品種の製品に有効に利用できるインクジェット印刷等のデジタル印刷を用いて印刷層を形成できる。
印刷層は、図5及び6に示したように、絵柄層13aとベタ印刷層13bの組み合わせであってもよく、このようなベタ印刷層13bを形成し、金属缶の金属面を覆うことにより、絵柄層13aが鮮明になり、印刷層13の加飾性を高めることができる。ベタ印刷の色に制限はないが、特に白インキによるベタ印刷が加飾上好ましい。
また、図に示した具体例では、印刷層は、樹脂フィルムの一方の面に形成されていたが、両面に設けてもよい。また、例えば地模様等の印刷層を直接金属缶外面に印刷した印刷層を設けた後、絵柄層を有するラベルを取り付けてラベル付き溶接缶を製造することもできる。
更に化粧品用途では高いアイキャッチ効果を要求されるため、鏡面フィルム(蒸着フィルム)、ホログラムフィルム、ホットスタンプ加工などを付加することもできる。
また印刷層には、商品の名称や商品イメージ等に基づくデザイン画像が形成される他、個体識別コードが含まれていることが望ましい。これにより、製品の品質管理等が容易になる。
すなわち、印刷ラベルがラベルのデザイン画像とは別に、個体識別データを有することにより、ラベルデザインを損なうことなく、ラベルの製造工程、無地缶へのラベルの取付工程、ラベルの検査工程、内容物の充填工程等の各工程で、コードを読み取り、データ管理することにより、クレーム等が発生した場合等に、ロット番号や生産日時から問題商品の速やかな回収が可能になると共に、どの段階でクレームの原因が生じたかを容易に検出することが可能となり、溶接缶の品質管理が確実且つ容易になるという利点がある。
固体識別コードとしては、データマトリックスコードやバーコードなどの二次元データコードを使用することができ、特に多種のデータを保有できるデータマトリックスコードを好適に使用することができる。
データマトリックスコードには、ネガ番号、商品名称、缶型、下地情報等の容器情報、製造年月日、製造ロット番号等の製造情報が固定データとして含まれる他、製品番号がバリアブルデータとして含まれる。
具体的には、上記固定データ及びバリアブルデータをCSVデータとして作成し、このCSVデータを専用ソフトでデータマトリックスコードに変換する。変換されたデータマトリックスコードを印刷ラベルのデザインデータ内に挿入して、デザインデータとデータマトリックスコードが組み合わされたラベルデータを作成する。次いでこのラベルデータを用いてRIP処理してラベルシートの所定の位置に印刷することにより、ラベルが完成する。
印刷層は、ラベル端縁から0.5~5mmの距離を置いて、加飾性(デザイン性)を保持する観点からは1~2mmの距離を置いて、形成されていることが好ましい。すなわち、他の層との接着性に劣る印刷層の端部はラベル剥離の起点となりやすいことから、ラベル端縁から上記範囲の位置には、印刷層が形成されておらず、樹脂フィルム層、透明保護層、及び接着層が形成されていることにより、ラベル剥離を有効に抑制することができる。特に温水検査に付されるエアゾール缶ではその効果が顕著である。また、製品搬送の際の振動などによるラベルの疵付きや剥離を防止する効果を得ることもできる。
[透明保護層]
透明保護層は、印刷層を保護するために形成され、前述した通り、透明樹脂フィルム又は透明トップコート層(仕上げニス層)から成り、有色透明であってもよいが無色透明であることが好ましい。
透明樹脂フィルムとしては、前述した樹脂フィルムを使用することができ、耐水性及び透明性の観点からポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンを好適に使用できる。
また、トップコート層(仕上げニス層)としては、従来公知の透明な硬化性樹脂を使用することができ、例えば、熱硬化性のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂成分と、フェノール樹脂、アミノ樹脂、イソシアネート樹脂等の硬化剤成分から成る熱硬化性塗料組成物や、紫外線硬化性エポキシ樹脂と重合開始剤の組み合わせ、エポキシアクリレート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、熱硬化型アクリル樹脂等の紫外線硬化型モノマー乃至プレポリマーと光重合触媒の組み合わせ、から成る紫外線硬化性塗料組成物を用いることができる。
仕上げニスには、パラフィン、シリコンオイル等の滑剤成分を配合することもできる。
尚、仕上げニス層は、後述するように、ラベルを溶接缶に取り付けた後、施すこともできる。
[その他の層]
本発明のラベル缶においては、上述した樹脂フィルム層、接着層、印刷層、透明保護層の他、他の層を有していてもよい。
例えば、金属粉顔料或いはパール顔料を含む光沢層、蒸着層、金属箔等を形成することができ、これにより金属光沢や光輝性を高め、ラベルの加飾性を向上することができる。また印刷層の下地としてアンカーコート層を形成することもできる。
(溶接缶)
本発明に用いる溶接缶は、従来公知の溶接缶を制限なく使用することができ、特に図1に示したようなエアゾール缶を好適に用いることができる。
後述する有機被覆金属板の所望の大きさのブランクを、有機被覆が缶内面側となるように曲げ加工を行い、溶接のための金属露出部が形成された両端縁部を重ね合わせ、端部を溶接又は熱融着することにより円筒状の溶接缶胴を成形できる。次いで、必要により、溶接接合部分の内面溶接継ぎ目の金属露出部に、従来公知の補正塗料を用いて補正膜を形成する。また必要によりネックイン加工等を施すこともできる。その後、開口両端部に、底蓋及び目金蓋を二重巻締することにより溶接缶を作製できる。
溶接缶に用いられる金属板としては、各種表面処理鋼板が使用される。表面処理鋼板としては、冷間圧延鋼板を焼鈍後二次冷間圧延し、亜鉛メッキ、錫メッキ、ニッケルメッキ、ニッケル錫メッキ、電解クロム酸処理、クロム酸処理等の表面処理の少なくとも1種を用いることができる。
金属板の厚みは、金属の種類、容器の用途或いはサイズによっても相違するが、一般に0.05~0.5mmの厚みを有することが好ましい。
溶接缶の製造に用いられる表面処理金属板には、有機被覆が形成されていることが望ましく、このような有機被覆としては、各種熱可塑性樹脂から成る樹脂被覆や、熱硬化性塗料からなる塗膜を挙げることができる。この場合、上記の表面処理鋼板の少なくとも一方の表面に、熱可塑性樹脂被覆又は熱硬化性塗膜が形成された有機被覆表面処理鋼板となる。
熱可塑性樹脂から成る樹脂被覆としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリルエステル共重合体、アイオノマー等のオレフィン系樹脂フィルム、又はポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム、もしくはナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン11、ナイロン12等のポリアミドフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム等の熱可塑性樹脂フィルムの未延伸又は二軸延伸したものであってもよい。これらの中でもポリエステルフィルムを好適に使用できる。
樹脂被覆の形成に際して、表面処理鋼板と熱可塑性樹脂被覆との間に、エポキシフェノール系塗料等の従来公知の接着用プライマーや、ウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤、酸変性オレフィン樹脂系接着剤等の従来公知の接着剤の層を従来公知の処方に従って設けることも可能である。
熱可塑性樹脂被覆は、単層の樹脂層であってもよく、また同時押出等による多層の樹脂層であってもよい。
塗膜としては、フェノールエポキシ系塗料、アミノ-エポキシ系塗料等の変性エポキシ塗料、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体けん化物、塩化ビニル-酢酸ビニル-無水マレイン酸共重合体、エポキシ変性-、エポキシアミノ変性-、エポキシフェノール変性-ビニル塗料又は変性ビニル塗料、ポリエステル系塗料、アクリル系塗料、スチレン-ブタジエン系共重合体等の合成ゴム系塗料等熱硬化性塗料の単独又は2種以上の組合せであってもよい。
これらの中でも、ポリエステル樹脂と、フェノール樹脂、アミノ樹脂、イソシアネート樹脂等の硬化剤から成るポリエステル系塗料を好適に使用できる。
尚、缶外面側においては、上記塗料組成物に酸化チタン等の白色顔料を含有させて成るホワイトコート層としてもよく、この場合には、金属板の地色を隠蔽できるので、ラベルのベタ印刷層の形成を省略することができる。
上記有機被覆には、それ自体公知の樹脂用配合剤、例えば非晶質シリカ等のアンチブロッキング剤、無機フィラー、各種帯電防止剤、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等を公知の処方に従って配合することができる。
有機被覆の厚みは、熱可塑性樹脂被覆で一般に3~50μm、特に5~40μmの範囲にあることが望ましく、塗膜の場合には、焼付け後の厚みが1~50μm、特に3~30μmの範囲にあることが好ましい。厚みが上記範囲を下回ると、耐腐食性が不十分となり、厚みが上記範囲を上回ると加工性の点で問題を生じやすい。
(ラベル付き溶接缶の製造方法)
本発明のラベル付き缶の製造方法においては、溶接缶の胴部の溶接継ぎ目を目印として位置決め装置を用いて、予め作成されたラベルで溶接継ぎ目を除いた位置に取り付ける。この際、前述した通り、ラベルの周方向長さは、溶接缶の缶胴周長よりも4mm以上短く形成され、ラベルの軸方向両端部は、溶接継ぎ目を挟んで2mm以上離間した位置に取付けられる。次いでラベルを溶接缶に巻きつけた状態で、所定の温度と圧力をかけて接着層を加熱硬化又は圧力のみで接着させることにより、ラベルが溶接缶に貼着されることでラベル付き溶接缶を製造することができる。
本発明のラベル付き溶接缶では、ラベルを取り付けた後、必要に応じて仕上げニス層を形成することもできる。これによりラベル付き溶接缶に艶や搬送性を付与することもできる。
本発明のラベル付き溶接缶は、内容物が充填された充填缶にラベルを被覆させることで完成されてもよいが、好適には、ラベルが取り付けられた空缶の状態で需要者に供給され、内容物が充填されることが、生産性や経済性の点から好ましい。また本発明のラベル付き溶接缶においては、エアゾール缶としたときに、ラベルが取り付けられた状態で温水検査を行うことができる。
(実験例1)
缶径66mm(円周長207mm)、缶胴の軸方向長さ176mmの溶接缶に対して、矩形ラベルの周長方向の長さを変えて貼着した結果を示す。
ラベルの高さは160mmで固定した。
Figure 2022008137000002
円周長との差が2mmの場合(前記ラベルの容器軸方向の両端縁が、前記継ぎ目から1mm離間)では、ラベルが継ぎ目にかかる割合は過半を超えていたが、円周長との差を4mmまで広げる(前記ラベルの容器軸方向の両端縁が、前記継ぎ目から2mm離間)ことでラベルが継ぎ目にかかる割合は大幅に低下することが分かる。
さらに6mmまで広げる(前記ラベルの容器軸方向の両端縁が、前記継ぎ目から3mm離間)ことで確実に継ぎ目を避けてラベリングできることが分かる。
(実験例2)
実験例1で用いた溶接缶と同様の溶接缶を用い、この溶接缶にラベル端縁まで印刷層が形成されたラベルと、ラベル端縁から0.5mmに印刷層を形成しないラベルと、ラベル端縁から1mmに印刷層を形成しないラベルをそれぞれ貼着した。実験例1の表1における円周長との差はいずれも6mmとした。
これら3種のラベル付き溶接缶をそれぞれ200個ずつ、58℃の温水中で15分間と30分間の2条件で温水検査を行った。15分浸漬ではいずれのラベル付き溶接缶においてもラベル剥離は生じなかった。30分浸漬では、ラベル端縁まで印刷層が形成されたラベルを貼着したラベル付溶接缶のうち3個でラベル剥離が生じたが、ラベル端縁から0.5mmに印刷層を形成しないラベルと、ラベル端縁から1mmに印刷層を形成しないラベルをそれぞれ貼着したラベル付溶接缶ではラベル剥離は生じなかった。
(実験例3)
実験例2で作成した3種のラベル付き溶接缶をそれぞれ、段ボールに合計1053個詰めた。この段ボールを振動条件が同一になるようにトラックの荷台後輪付近に載置して、700km走行する輸送試験を行った。
ラベル端縁まで印刷層を有するラベルを貼着したラベル付き溶接缶を詰めた段ボール中では、1053個中52個のラベル付き溶接缶でラベルの剥離又は疵付きが発生したが、ラベル端縁から0.5mmが無印刷であるラベルを貼着したラベル付き溶接缶を詰めた段ボール中では、1053個中1個にのみラベルに疵が付いていた。また、ラベル端縁から1mmが無印刷であるラベルを貼着したラベル付き溶接缶を詰めた段ボール中では、ラベルに疵は付かなかった。
1 ラベル付き溶接缶、2 金属板、3 溶接部、4 缶胴部、5 缶蓋、6 缶底、7 巻締部、8 継ぎ目、10 ラベル、11 樹脂フィルム、12 接着層、13 印刷層、14 トップコート層、15 透明樹脂フィルム、16 接着層。

Claims (12)

  1. 側面に継ぎ目を有する溶接缶の側面に、前記継ぎ目を除いた位置にラベルが貼着されていることを特徴とするラベル付き溶接缶。
  2. 前記溶接缶が、内容物充填後に温水検査に付されるエアゾール缶である請求項1記載のラベル付き溶接缶。
  3. 前記ラベルが、耐水性を有する接着性ラベルである請求項1又は2記載のラベル付き溶接缶。
  4. 前記ラベルが、缶側から、接着層、樹脂フィルム層、印刷層、透明保護層の順に配置されている請求項1~3の何れかに記載のラベル付き溶接缶。
  5. 前記樹脂フィルム層が、合成紙又は透明フィルムから成る請求項4記載のラベル付き溶接缶。
  6. 前記合成紙が、空隙を有する合成紙である請求項5記載のラベル付き溶接缶。
  7. 前記印刷層が、刷版を使用しないデジタル印刷により形成されている請求項4~6の何れかに記載のラベル付き溶接缶。
  8. 前記ラベルの容器軸方向の両端縁が、前記継ぎ目から2mm以上且つ缶円周長の1/4までの長さの範囲でそれぞれ離間している請求項1~7の何れかに記載のラベル付き溶接缶。
  9. 前記ラベルが、固体識別データを有する請求項1~8の何れかに記載のラベル付き溶接缶。
  10. 前記ラベルが、ラベル端縁から0.5~5mmの距離を置いて印刷層が形成されている請求項1~9の何れかに記載のラベル付き溶接缶。
  11. 請求項1~10の何れかに記載のラベル付き溶接缶の製造方法であって、溶接缶にラベルを取り付けるにあたって、溶接缶の継ぎ目の位置を位置決め装置により検知し、検知された継ぎ目を除く位置にラベルを貼着することを特徴とするラベル付き溶接缶の製造方法。
  12. 前記ラベルが貼着された溶接缶に内容物を充填する請求項11のラベル付き溶接缶の製造方法。
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