JP2017200764A - 鏡面ラベル及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】美麗な鏡面光沢性を有すると共に、金属缶に貼着した時にオーバーラップ部における適切な接着が可能であり、ネックイン加工等によってしわが発生することなどが有効に防止された鏡面ラベル及びこの鏡面ラベルが貼着された金属缶を提供することである。【解決手段】樹脂フィルムの一方の表面に金属層が形成された金属層形成樹脂フィルムの一方の表面に、グラビア印刷像が形成され、該グラビア印刷像を覆うように半硬化状態の保護層が形成されていると共に、該金属層形成樹脂フィルムのグラビア印刷像が形成されていない他方の表面に接着層が形成されることを特徴とする鏡面ラベルである。【選択図】図1

Description

本発明は、金属缶等の容器に施されるラベルに関するものであり、より詳細には、グラビア印刷による美麗な印刷が施された鏡面光沢を有する鏡面ラベル及びその効率的な製造方法に関する。
アルミ、スチール等の金属から成形された金属缶は、耐衝撃性が高く、しかも、酸素等のガスを透過せず、プラスチック容器に比して内容物の保存性が格段に優れており、さらに、ガラスビンに比して軽量であるなどの利点を有しており、炭酸飲料、アルコール性飲料、その他の飲料や各種食品用の容器として広く使用されている。
このような金属缶においては、缶胴部に直接印刷が施され、商標、製造者、その他の各種商品情報、或いは意匠等が表示されていたが、缶胴部への曲面印刷では意匠性に優れた鮮明な印刷像を形成することが難しいことから、印刷像が形成された樹脂フィルムを別個に作製し、この樹脂フィルムを金属缶の胴部に貼着する手法が採用されている。
近年、金属缶においても、高級感を有し、購入者の購買意欲を喚起し得る加飾性に優れた印刷像を有することが望まれており、特に金属缶では、鏡面光沢が重視されている。
しかしながら、アルミ合金板や表面処理鋼板等を絞りしごき加工やストレッチドロー加工等をすることによって成形されるシームレス缶においては、過酷な加工を受けるために肌荒れして、十分な鏡面光沢を得ることが困難であり、特に樹脂被覆金属板から成形されたシームレス缶は、金属面が成形工具に直接触れないため、樹脂被覆の下の金属面の肌荒れが大きく、比較的金属光沢が得られやすいアルミ缶においても鏡面光沢を得ることができない。
このような観点から、金属缶に巻き付けて使用する印刷像が形成された樹脂フィルムから成るラベルに、印刷層と共に光輝性を有する金属箔や金属蒸着層を設けて、鏡面光沢感を有するラベルとすることが提案されているが(特許文献1及び2)、これらのラベルを金属缶に貼着して成るラベル缶においては、ブリスタが多数発生してしまい、満足する鏡面光沢を得ることができない。
本発明者等はこのようなブリスタの発生は、金属缶にラベルを接着する接着剤の硬化反応の際に発生するガスが、気体不透過性を有する金属箔或いは金属蒸着層の存在によりラベル外に放散されないことに起因することを見出し、このようなガスを発生しない接着剤を用いることにより、ブリスタの発生がなく、鏡面光沢性に優れた加飾缶体を提案した(特許文献3)。
ところで、このような加飾缶体に用いられる、印刷層と共に、金属箔や金属蒸着層を有する鏡面光沢ラベル(積層フィルム)は、一般に樹脂フィルムに裏面印刷が施された印刷フィルムと、蒸着層を有する蒸着フィルムとを接着剤を用いて貼り合せ、これを高温長期間のエージング処理を行った後、内面に上述した特殊な接着剤を塗布して、長尺状の積層フィルムとして製造し、これをいったん巻き取った後、金属缶胴部の大きさに切断して枚葉ラベルを作成する。この枚葉ラベルを金属缶胴部に被覆した後、仕上げニス層を塗布し、この仕上げニス層と接着剤を硬化することにより金属缶胴部に鏡面光沢ラベルが被覆された加飾缶体が形成されている。
特開平11−272172号公報 特開2005−1676号公報 WO2010/016503
上記鏡面光沢ラベルは、印刷フィルムと蒸着フィルムという2つのフィルムをそれぞれ作成し、これを貼り合わせて製造しなければならない上、長時間のエージング処理が必要であることから、製造工程が多く、生産性や経済性の点で未だ充分満足するものではない。
また鏡面光沢ラベルの金属缶への貼り合わせに際して、ラベルの両端部は重ね合わせる必要があり、上記鏡面光沢ラベルのように印刷フィルムと蒸着フィルムの2枚を接合して成る場合には、このオーバーラップ部ではフィルムが4枚重なった状態になることから厚みが大きく、鏡面光沢ラベルを貼着した後に行うネックイン加工において、特に缶胴板厚が薄い場合にはオーバーラップ部近傍のネック部にしわが発生する場合があった。
その一方、鏡面光沢フィルムとして一枚の基材フィルムに印刷層及び蒸着層を形成しても、上記問題は容易には解決できない。すなわち、このような構成の一枚のフィルムでは金属缶に貼着し、仕上げニスが施されるまでは、印刷層がむき出しの状態になる。その結果、製造工程で印刷像に傷がつくおそれや、剥離した印刷インキが製造設備を汚染したり、或いは蒸着層を形成する際に印刷インキから発生するガスによって蒸着ムラが発生する等の問題が生じるおそれがある。そのため、印刷層を保護するための保護層が必要になるが、長尺フィルムの巻き取りに際しては接着層と保護層のブロッキングを防止する一方、金属缶に被覆した時のオーバーラップ部における接着層と保護層の適切な接着の両立を実現することは容易でない。
また鏡面ラベルをレトルト殺菌処理が必要な内容物を充填する容器に使用した場合に、印刷画像の白化や、ラベルの層間密着性が低下してブリスタ状のフィルム膨れ欠陥が生じるという問題も認識された。尚、本明細書において、ラベルの層間密着性とは、オーバーラップ部における接着層と保護層の密着性を意味する。
従って本発明の目的は、美麗な鏡面光沢性を有すると共に、金属缶に貼着した時にオーバーラップ部における適切な接着が可能であり、ネックイン加工等によってしわが発生することなどが有効に防止された鏡面ラベルを提供することである。
本発明の他の目的は、上述したような問題を生じることなく、一枚の基材フィルムに印刷層及び蒸着層が形成された鏡面光沢ラベルを効率よく製造し得る方法を提供することである。
本発明の更に他の目的は、レトルト殺菌処理やパストライズ殺菌等に賦された場合にも、グラビア印刷像の白化や、ラベルの層間密着性の低下を生じることのない、耐レトルト性を有する鏡面ラベルを提供することである。
本発明によれば、樹脂フィルムの一方の表面に金属層が形成された金属層形成樹脂フィルムの一方の表面に、グラビア印刷像が形成され、該グラビア印刷像を覆うように半硬化状態の保護層が形成されていると共に、該金属層形成樹脂フィルムのグラビア印刷像が形成されていない他方の表面に接着層が形成されることを特徴とする鏡面ラベルが提供される。
本発明の鏡面ラベルにおいては、
1.前記保護層が、エポキシイソシアネート系組成物、ウレタンイソシアネート系組成物、アクリルイソシアネート系組成物、ポリカーボネートイソシアネート系組成物、ポリエステルイソシアネート系組成物のいずれか、或いはこれらの2種以上の混合物から成ること、
2.前記樹脂フィルムが透明樹脂フィルムであり、前記グラビア印刷像が前記金属層形成樹脂フィルムの樹脂フィルム側に形成され、前記接着層が前記金属層側に形成されていること、
3.前記鏡面ラベルの高さ方向に延びる端縁の少なくとも一方における保護層が、該端縁から0.5〜10mmの幅において、他の部分の保護層の厚みの10〜90%の厚みであること、
4.前記保護層が、前記グラビア印刷像側に位置する下側保護層と、該下側保護層の上に形成される上側保護層とから成る二層構成の保護層であること、
5.前記保護層の上側保護層が、ポリエステルイソシアネート系組成物から成ること、
6.前記保護層の下側保護層が、エポキシイソシアネート系組成物から成ること、
7.前記グラビア印刷に用いられるインク組成物のベース樹脂が、アクリル系樹脂であること、
が好適である。
本発明によればまた、上記鏡面ラベルが貼着されて成る鏡面ラベル金属缶であって、前記鏡面ラベル上に仕上げニス層が形成されていることを特徴とする鏡面ラベル金属缶が提供される。
本発明によれば更に、上記鏡面ラベルを金属缶の胴部に貼着した後、少なくとも前記鏡面ラベル上に仕上げニスを塗装し、これを硬化させることにより仕上げニス層を形成して成ることを特徴とする鏡面ラベル金属缶の製造方法が提供される。
本発明によれば更にまた、金属層が形成された樹脂フィルムの一方に、グラビア印刷することによりグラビア印刷像を形成する工程、該グラビア印刷像を覆うように、半硬化状態の保護層を形成する工程、前記金属層が形成された樹脂フィルムのグラビア印刷像が形成されていない他方の表面に接着剤を塗布して接着層を形成する工程、を含むことを特徴とする鏡面ラベルの製造方法が提供される。
本発明の鏡面ラベルは、金属層を有する場合でも樹脂フィルムが一枚であることから、金属層を有するフィルム及び印刷像を有するフィルムを接着剤を用いて積層して成る従来の鏡面光沢ラベルに比して製造が容易且つ経済的であり、しかもラベル自体の厚みが薄いことから、金属缶に貼着した場合のオーバーラップ部における厚みが低減されており、ネック加工におけるしわの発生が有効に防止されている。
また、印刷像を覆うように保護層が形成されていることから、製造工程における印刷像の保護が可能であると共に、この保護層が金属缶等に貼着されるまでは半硬化状態として保持されているため、長尺フィルムの巻き取りの際に接着層と保護層がブロッキングすることがないと共に、ラベルを金属缶等に巻き付け、ラベル端部が重ね合わされた状態で加熱することにより、接着層と保護層が密着した状態で硬化して、両者が強固に接合し、オーバーラップ部でのラベルの接着不良(ブリスタや剥離、或いはしわの発生)を有効に防止できる。
また保護層としてエポキシイソシアネート系組成物、ウレタンイソシアネート系組成物、アクリルイソシアネート系組成物、ポリカーボネートイソシアネート系組成物、ポリエステルイソシアネート系組成物のいずれか、或いはこれらの2種以上の混合物から成る樹脂組成物を使用した場合には、金属缶にラベルを貼着した場合のオーバーラップ部におけるブリスタの発生も有効に防止することができると共に、オーバーラップ部となる保護層の厚みを低減することによってもブリスタの発生を有効に防止でき、優れた鏡面光沢性を発現することができる。
更に保護層を、グラビア印刷像側の下側保護層と、該下側保護層の上に形成される上側保護層の2層構成の保護層とすることにより、下側保護層及び上側保護層のそれぞれに要求される性質に合わせた樹脂組成物により形成することが可能になり、レトルト殺菌のような高温高湿度条件下に賦された場合にも、ラベルの層間密着性の低下やグラビア印刷像の白化を有効に防止することが可能となる。
特に、下側保護層を水分バリア性に優れたエポキシイソシアネート系組成物で形成することにより、グラビア印刷画像への到達水分量を減少させ、グラビア印刷画像の白化を防止できると共に、上側保護層を接着層との接着性に優れたポリエステルイソシアネート系組成物で形成することにより、レトルト後の層間密着性を向上させることができ、耐レトルト性が顕著に向上する。
また、グラビア印刷に用いるインク組成物のベース樹脂として、アクリル系樹脂を用いることによってもグラビア印刷画像の白化を防止できるので耐レトルト性が向上される。
尚、本明細書における「耐レトルト性」は、レトルト殺菌処理のみならず、パストライズ殺菌等の他の高温殺菌処理に賦された場合にも、殺菌後の層間密着性やグラビア印刷画像の白化を防止できることを含む意味である。
本発明の上記作用効果は、後述する実施例及び比較例の結果を対比することからも明らかである。
すなわち、金属層を有する樹脂フィルムと印刷像が形成された樹脂フィルムの2枚を接合して成る鏡面ラベルでは、金属缶に貼着した後、ネック加工を行うと、ネック部にしわが発生し(比較例1)、或いは保護層を形成しない場合には、製造工程でブロッキングや印刷像に傷がついてしまう(比較例2)。更にまた鏡面ラベルを金属缶に貼着した後、仕上げニス層を形成しない場合には、光沢が十分得られず、外観特性に劣るようになる(比較例3)。
これに対して、本発明の鏡面ラベル(実施例1〜16)においては、ロールに巻き取られた長尺の状態でも、ブロッキングが有効に防止されている。また金属缶の胴部に貼着した場合でも、印刷像に傷がつくことがなく、オーバーラップ部にブリスタや剥離、或いはシワの発生がなく、優れた鏡面光沢性を有していることが明らかである。
またエポキシイソシアネート系組成物から成る下側保護層とポリエステルイソシアネート系組成物から成る上側保護層を組み合わせて成る2層構成の保護層を形成した金属缶においては、レトルト殺菌前における各評価結果が優れていることは勿論、レトルト殺菌後のオーバーラップ部のブリスタの発生が有効に防止されていることが明らかである(実施例13、14)。更にグラビア印刷に用いられるインク組成物のベース樹脂がアクリル系樹脂であることによっても印刷画像の白化を防止できることが明らかである(実施例13、16)。
本発明の鏡面ラベルの層構成を示す図である。 本発明の鏡面ラベルの層構成の他の一例を示す図である。 本発明の鏡面ラベルの層構成の他の一例を示す図である。 本発明の金属缶のオーバーラップ部の断面構造を説明する図である。 図3に示す鏡面ラベルを用いた金属缶のオーバーラップ部の断面構造を説明する図である。 図1に示した鏡面ラベルを貼着した金属缶の層構成を示す図である。
(鏡面ラベル)
[層構成]
本発明の鏡面ラベルの層構成を図1,図2及び図3を参照して説明する。
図1に示すように、全体を1で示す本発明の鏡面ラベルは、樹脂フィルム10を基材フィルムとし、この樹脂フィルム10の一方の表面に、グラビア印刷による印刷像11が形成され、更にこの印刷像11を覆うように、半硬化状態の保護層12が設けられている。またこの樹脂フィルム10の他方の表面には、後述する金属蒸着層や金属箔から成る金属層13が形成され、更にこの金属層13の上に接着層14が形成されている。
また図2に示す本発明の他の態様の鏡面ラベルにおいては、樹脂フィルム10の一方の表面に、金属蒸着層や金属箔から成る金属層13が形成され、この金属層13の上にグラビア印刷による印刷像11が形成され、この印刷像11を覆うように、半硬化状態の保護層12が設けられている。また樹脂フィルム10の他方の表面に接着層14が形成されている。
更に図3に示す本発明の他の態様の鏡面ラベルにおいては、保護層12が、グラビア印刷による印刷像11を覆うように、形成される下側保護層12aと、下側保護層12aの上に形成される半硬化状態の上側保護層12bの2層構成を有している。
これらの鏡面ラベルはいずれも、グラビア印刷像側が外表面側となり、接着層14側が金属缶側となるようにして貼着されている。
[樹脂フィルム]
本発明の鏡面ラベルの基材フィルムとなる樹脂フィルムは、それ自体公知の熱可塑性樹脂、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテン或いはエチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン同士のランダム或いはブロック共重合体や、環状オレフィン共重合体などのオレフィン系樹脂;エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体、エチレン・塩化ビニル共重合体等のエチレン・ビニル系共重合体樹脂;ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体、ABS、α−メチルスチレン・スチレン共重合体等のスチレン系樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル・塩化ビニリデン共重合体、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のビニル系樹脂;ナイロン6、ナイロン6−6、ナイロン6−10、ナイロン11、ナイロン12等のアミド樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリカーボネート;ポリフエニレンオキサイド;ポリ乳酸などの生分解性樹脂;などから形成されていてよい。
尚、樹脂フィルム10はこれに限定されないが透明であることが好ましい。
一般的には、透明性に優れていると同時に、この鏡面ラベルを製造する際に行われる加熱硬化のための熱処理に対しての耐熱性が良好であり、さらには、保護層の半硬化状態(この点については後述する)を判定するために使用される有機溶剤に対して不溶であるという点で、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂が好適に使用される。
樹脂フィルムの厚みは特に制限されないが、過度に厚いと、鏡面ラベルが必要以上に厚くなってしまい、ラベルを金属缶に貼着したときにオーバーラップ部の厚みが厚くなり、ネックイン加工によるネックシワが発生し、金属缶の外観が損なわれるおそれがある。具体的な厚みは、金属缶の大きさ等によっても異なるので一概に規定できないが、一般的な飲料用の金属缶の場合、樹脂フィルムの厚みは、8〜20μm程度である。樹脂フィルムは一軸或いは二軸延伸されたものであってもよく、特に二軸延伸されたものを好適に使用することができる。
[金属層]
本発明の鏡面ラベルにおいては、樹脂フィルムの一方の表面に金属層が形成される。金属層としては、金属蒸着層や、アルミ箔等の金属箔を挙げることができる。
金属蒸着層は、上述した樹脂フィルムに、真空蒸着法等の従来公知の方法により金属を蒸着することにより形成する。蒸着層に用いる金属としてはアルミニウム、銅、クロム、銀等を挙げることができるが、中でもシルバー調の金属色を有すると共に鏡面光沢性に優れるという加飾効果を有し、且つコストと汎用性の点からアルミニウムが最も好適に使用される。
蒸着層の厚みは、200〜800Åの範囲内で蒸着することが好ましく、好適には300〜600Åの範囲にあることが望ましい。蒸着層の厚みが200Å未満では十分な鏡面光沢を得ることができず、隠ぺい力に劣り、800Åを超えると充分な鏡面光沢が得られるとしても、蒸着処理に時間がかかり、生産性が低下する。
また金属箔としては、アルミ箔の他、銅、銀、亜鉛、ニッケル等の単体又は合金を薄肉化したものを使用することができる。金属箔の厚みは3〜10μm程度であり、樹脂フィルムに接着層を介してラミネートされる。
[グラビア印刷像]
本発明においては、樹脂フィルム上、或いは樹脂フィルムに形成された金属層上に形成される印刷像は、高速で大量に印刷可能であると共に色調豊かで美麗な印刷で可能なグラビア印刷により形成される。グラビア印刷のインキは従来公知のインキを使用することができ、具体的にはアクリル系、ウレタン系、ポリエステル系等の熱硬化性樹脂をベース樹脂とする熱硬化型インキを好適に使用することができる。尚、ベース樹脂としてウレタン系樹脂を使用する場合には、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂をブレンドして使用することが好適である。
特に本発明の鏡面ラベルを、レトルト殺菌処理が必要な内容物を充填する容器に使用する場合には、耐レトルト性を向上可能なアクリル系樹脂をベース樹脂とするインク組成物を使用することが望ましい。すなわち、アクリル系樹脂は親水性が大きいことから、レトルト殺菌処理により水分が侵入した場合も、水分が気泡になることが抑制され、印刷画像の白化を有効に防止できると考えられる。
尚、濃色の印刷画像の部分では白化が生じていても目立たず、その存在が認識されないので、透明や淡色の印刷画像についてはアクリル系樹脂をベース樹脂とする印刷インク組成物を使用し、それ以外の部分ではウレタン系樹脂等をベ―ス樹脂とする印刷インク組成物を用いることもでき、インクの色によって、ベース樹脂を変えることもできる。
またグラビア印刷のインキには、アルミニウム粉、銀粉、銅粉などの金属粉顔料、或いは薄板状の雲母粒子の表面を二酸化チタンや酸化鉄などによりコートして得られるパール顔料等を配合することができ、これにより更に加飾性が向上する。金属粉顔料やパール顔料等は、従来公知のものを使用することができるが、粒子径が最大100nmの範囲のものを使用することが好ましい。
更に、グラビア印刷に先立って、樹脂フィルム上には、透明なアンカーコート層が形成されていてもよい。アンカーコート層としては、従来公知のものを使用することができ、例えば、熱硬化性アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂等を所定の溶剤に分散乃至溶解して成る塗布液を塗布・乾燥し、次いで加熱することにより形成することができる。アンカーコート層の厚みは通常0.1〜2.0μm程度である。
[保護層]
グラビア印刷像を保護するために形成される保護層は、ラベルの状態では半硬化状態に保持されていることが重要であり、また、エポキシイソシアネート系組成物、ウレタンイソシアネート系組成物、アクリルイソシアネート系組成物、ポリカーボネートイソシアネート系組成物、ポリエステルイソシアネート系組成物のいずれか、或いはこれらの2種以上の混合物から成ることが好ましい。また保護層は無色透明であることが好ましい。
すなわち、保護層を形成するために用いられるエポキシイソシアネート系組成物、ウレタンイソシアネート系組成物、アクリルイソシアネート系組成物、ポリカーボネートイソシアネート系組成物、ポリエステルイソシアネート系組成物のいずれか、或いはこれらの2種以上の混合物は、硬化反応においてガスの発生が少なく、しかも室温での保管中にも反応して徐々にガスが抜けることから、金属缶に貼着したときにオーバーラップ部にブリスタを発生することが有効に防止できる。
また保護層は、オーバーラップ部においてラベルの接着層と接着されるものであるので、ラベル同士の接着性を向上させるために、接着層を形成する樹脂と同種の樹脂から成るものを選択することが好ましく、例えば、接着層として後述するポリエステルイソシアネート系接着組成物が使用される場合には、保護層もポリエステルイソシアネート系組成物から成ることにより、耐レトルト性が向上する。
保護層を構成する樹脂組成物には、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、シリコンワックスなどの潤滑剤を0.005〜5重量%の範囲で配合することもでき、これにより長尺状に巻き取られた状態、或いは巻き取られた後、金属缶の大きさに合わせて裁断された鏡面ラベルを重ねて保管する場合にも接着層とのブロッキング防止効果を向上できる。
また保護層がラベルの状態では半硬化状態であることが重要なのは以下の理由による。すなわち、図4又は図5に示すように、金属缶20の胴部にまかれた鏡面ラベル1は、オーバーラップ部Xでは保護層12(図5においては上側保護層12b)と接着層14が面接した状態で、接着層14の熱硬化が行われ、ラベル1を金属缶20に接着するが、保護層12が完全に硬化された状態では、保護層12と接着層14とを接着することができず、オーバーラップ部Xではラベルの剥がれを生じてしまい、金属缶の商品価値を著しく低下させてしまう。
これに対して本発明では、ラベルの状態では保護層12が半硬化状態に保持されているので、接着層14の加熱硬化と同時に、保護層12が硬化することができるため、オーバーラップ部Xでは、両者の間に架橋結合が生じてがっちりと接合し、上述したようなラベルの剥がれの発生を有効に防止することができる。
保護層の半硬化状態は、後述する実施例に示されているように、溶媒としてエチルアルコール(EtOH)を用いてのEtOHラビング法により評価することができる。この評価値は、半硬化物をEtOHで湿潤させた状態で行ったラビング回数により表示され、この値が大きいほど、硬化が進行しており、この値が小さいほど、未硬化の状態にあることを示す。本発明においては、この値が5〜90回の範囲にあることが好適である。すなわち、この値が大きすぎると、硬化が進行しすぎてしまい、金属缶への貼着時において、保護層と接着層との接着が困難となってしまい、オーバーラップ部Xでのラベル間の剥離を防止することが困難となってしまう。一方、評価値が上記範囲よりも小さいと、硬化が不十分となり、保護層がベタついたものとなり、長尺状に巻き取られた場合、或いは巻き取られた後、金属缶の大きさに合わせて裁断された枚葉のラベルを重ねて保管する場合等にブロッキングしてしまい、保護層或いは接着層が部分的に剥離し、加飾性不足や金属缶への接着不良が発生するおそれがある。
尚、半硬化状態の保護層の形成は、印刷像を被覆するように塗布された樹脂組成物の塗布層を、完全に硬化せず、また接着層が先に形成されている場合には、接着層を硬化させないように、低温、短時間での熱処理、具体的には40℃〜200℃、1〜300秒程度の条件で半硬化させる方法や、保護層樹脂組成物の主剤に対する硬化剤の割合を低減して半硬化状態に調整する方法により行うことができる。
このような半硬化状態の保護層の厚みは、通常、印刷像(通常0.1〜10μm程度の厚み)の上に存在する被覆部分の厚みが0.1〜10μm程度、特に0.4〜5μm程度とするのがよい。この厚みが薄すぎると、保護層の保護性能が低くなり、また必要以上に厚くすることは、コストの増大等を招くに過ぎないからである。
また、特に本発明の鏡面ラベルを金属缶に使用する場合には、オーバーラップ部におけるラベルの厚みを減少させるために、オーバーラップ部を構成する部分の保護層の厚みを他の部分に比して薄くすることが好ましい。
すなわち、本発明においては、保護層はエポキシイソシアネート系組成物、ウレタンイソシアネート系組成物、アクリルイソシアネート系組成物、ポリカーボネートイソシアネート系組成物、ポリエステルイソシアネート系組成物のいずれか、或いはこれらの2種以上の混合物を半硬化状態で使用するが、これらの組成物は、硬化の際に少量ではあるがガスを発生することから、オーバーラップ部の保護層の厚みを薄くしておくことにより、ガスの発生量を低減させると共に、ガスが抜けやすくすることが望ましい。
保護層の厚みを薄くするのは、オーバーラップ部となるラベルの缶高さ方向となる少なくとも一方の端縁であり、特にオーバーラップ部の容器側となる一方の端縁の厚みが薄いことが望ましい。一般的な金属缶の場合において、少なくとも幅0.5〜10mmの部分において保護層の厚みを薄くすることが好ましく、その厚みは、オーバーラップ部以外の保護層の厚みの10〜90%の厚みであることが好ましい。
また保護層の表面は、算術平均粗さによる表面粗度(Ra)が0.2μm以下であることが好ましい。すなわち、保護層によってグラビア印刷像による凹凸を平滑化することにより、ラベルの光沢性を向上することができ、また仕上げニスを設けた後における金属缶胴の光沢性も向上し、金属層による鏡面光沢と相俟って意匠性に優れたラベルを提供することが可能になる。
更に、保護層には、保護層の透明性を損なわない限り、アンチブロッキング剤を配合することもできる。これによりロール状に巻き取った際に接着層とのブロッキングを防止することができる。
このようなアンチブロッキング剤としては、シリカ系、炭酸カルシウム系、アルミナ系、シリカアルミナ系、チタン系、クレイ系、ゼオライト系等、従来公知の無機系アンチブロッキング剤、架橋ポリスチレン粒子、架橋ポリアクリレート粒子などの架橋樹脂粒子等の有機系アンチブロッキング剤を例示することができ、平均粒径が0.1〜10μmの大きさものを0.1〜50重量%含有することができる。
本発明においては、上述した保護層(以下、「上側保護層」という)とグラビア印刷像の間に、グラビア印刷像を覆うように更に他の保護層(以下、「下側保護層」という)を形成することもできる。これにより、上側保護層の存在と相俟って、グラビア印刷像の保護がより確実になると共に、上側保護層の厚みを低減することもでき、オーバーラップ部におけるブリスタの発生を更に抑制することが可能になる。
このような下側保護層を構成する樹脂は特に限定されず、種々の樹脂を使用することができ、これに限定されないが、エポキシアミノ系樹脂組成物や、上述した保護層と同一のもの、特にエポキシイソシアネート系樹脂組成物を例示することができる。
また、上側保護層はラベルの状態で半硬化状態であることが必要であるが、この下側保護層の硬化の程度は特に限定されない。好適にはEtOHラビングが100回以上であって、上側保護層のEtOHラビング回数よりもその回数が多い硬化状態であることが望ましい。これにより、半硬化状態の上側保護層の厚みを薄くし得ることと相俟って、オーバーラップ部におけるブリスタの発生を更に抑制することが可能になる。また上側保護層のEtOHラビング回数が小さい半硬化状態である場合には、下側保護層が硬化状態にあることによって、グラビア印刷像を有効に保護することが可能になる。
下側保護層の厚みは、上側保護層と組み合わせた保護層全体の厚みが、上側保護層のみを設けた場合と同様の厚み、すなわち0.1〜10μm程度、特に0.4〜5μm程度の厚みに設定するのが好ましく、上側保護層と下側保護層との厚み比が、80:20〜20:80の範囲にあることが好適である。
下側保護層は、例えばグラビア印刷画像が形成された部分のみを覆うように、部分的に形成されていてもよいが、全体を均一に覆う層(ベタ層)であることが好ましい。
また、下側保護層は、グラビア印刷像の上に形成されるものであることから、画像の鮮明性を確保すべく透明且つ無色であることが好ましい。
本発明の鏡面ラベルを、レトルト殺菌処理が必要な内容物を充填する容器に使用する場合には、前述したとおり、上側保護層がポリエステルイソシアネート系組成物から成り、下側保護層がエポキシイソシアネート系組成物から成ることが望ましい。
[接着層]
接着層は、本発明の鏡面ラベルを金属缶等に貼着するために設けられている層であり、加熱加圧により金属缶等の表面、例えば図4,図5及び図6に示す具体例では金属缶20を構成する金属板20a上の樹脂被覆層20bに鏡面ラベルを貼着するものである。本発明においては、かかる接着層を形成する接着樹脂(接着剤)として、ポリエステルイソシアネート系接着組成物、特に硬化剤成分が内部ブロック型のポリイソシアネートが使用されたものを好適に使用することができる。
すなわち、鏡面光沢を付与するために金属層が必須の鏡面ラベルにおいては、金属層が樹脂フィルムの一方の表面に形成されていることから、加熱硬化に際してガスを放出する接着樹脂を使用すると、接着層を加熱硬化させて金属缶の胴部に貼着する際に発生するガスが金属層に遮断されてラベル外部に排出されず、その結果、鏡面ラベルが部分的に金属缶の胴部表面から浮き上がってしまうブリスタ現象が生じることがある。
このため本発明においては、熱硬化性樹脂成分として熱硬化性のポリエステル樹脂が使用され且つ硬化剤成分として内部ブロック型のポリイソシアネートが使用されているガス非放出性のポリエステルイソシアネート系接着樹脂を使用する。このガス非放出性のポリエステルイソシアネート系接着樹脂は、硬化剤として用いる内部ブロック型イソシアネートが、イソシアネート基同士の反応によりウレトジオン基やウレトイミン基が形成されたものであり、これによりイソシアネートが封鎖され、硬化前での安定性が確保できるというものである。すなわち、内部ブロック型イソシアネートが硬化剤成分として使用されている場合には、ポリイソシアネート同士の相互反応によってイソシアネート基が封鎖(内部ブロック)されているため、加熱硬化によってイソシアネート基の相互反応によって形成されたウレトジオン基やウレトイミン基がイソシアネート基に解離し、ガス発生の要因である低分子化合物を発生させない。このため、上記のようなガスの発生によるブリスタ現象を効果的に防止することができるのである。
尚、上記のような内部ブロック型ポリイソシアネートは、それ自体公知であり、例えば特開2005−154443号や特開2006−169243号等には、その製法等が開示されており、また、このような内部ブロック型ポリイソシアネートが配合された熱硬化型樹脂は、東洋紡社により、バイロン670の商品名でも市販されている。
接着層は、このようなガス非放出型のポリエステルイソシアネート系接着樹脂を各種溶剤に分散乃至溶解させた接着剤溶液をローラ塗布等により塗布し、乾燥することにより形成される。かかる接着層の厚みは、1〜10μmの範囲にあることが好ましい。
また接着層には、酸化チタン等の顔料が配合されていることが好適である。接着層に顔料が配合されていることにより、鏡面ラベルを金属缶の胴部に巻き付けて加熱により貼着を行うに際して、接着層の熱収縮を有効に防止することができ、熱収縮による印刷像の歪み等を有効に防止することができる。このような顔料は、接着層中に10〜90重量%の量で含有されていることが好ましい。
[その他の層]
本発明の鏡面ラベルは上述した層構造を基本構造とするものであるが、鏡面ラベルの加飾性を向上するために他の層を追加することもできる。
例えば、上述したグラビア印刷像と金属層との間に、ホログラムパターンを形成することもでき、これにより金属光沢と印刷像による鏡面ラベルに立体的装飾的な効果を相乗的に加飾することができる。
ホログラムパターンの形成は従来公知の方法により行うことができ、本発明においては、樹脂フィルムのグラビア印刷像を形成する面、或いは金属層を形成する面の何れに形成してもよい。
またグラビア印刷像と共にインクジェット印刷像を有していてもよく、グラビア印刷像形成後又は形成前のいずれに形成することもできる。
更に、光輝顔料などの顔料含有塗料層やホワイトコート層を、金属層とグラビア印刷像の間に全面或いは部分的に形成し、グラビア印刷像の加飾性を向上させることができる。特にグラビア印刷に文字がある場合などは、ホワイトコート層を形成することによって文字をより鮮明にすることができる。
[鏡面ラベルの製造方法]
前述した層構成を有する本発明の鏡面ラベルは、金属層が形成された基材樹脂フィルムの一方に、グラビア印刷することによりグラビア印刷像を形成する工程、該グラビア印刷像を覆うように保護層を形成する工程、前記金属層が形成された樹脂フィルムのグラビア印刷像が形成されていない他方の表面に接着剤を塗布して接着層を形成する工程、を少なくとも含む製造方法により製造することができ、この順序で各層を形成することが好適であるが、他の層の形成に悪影響を与えないような順序であれば適宜変更することもできる。
すなわち、樹脂フィルムの一方の面に、前述した金属層が形成された樹脂フィルムを準備する。金属層が金属蒸着層の場合は、樹脂フィルム上に直接金属蒸着層を従来公知の蒸着方法により形成し、金属層がアルミ箔等の金属箔の場合には、接着層を介して樹脂フィルムに金属箔等を積層する。金属箔と樹脂フィルムの接着には、ウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤、酸変性オレフィン系接着剤等の従来公知の接着剤を使用することができる。
尚、樹脂フィルムには金属層の形成又はグラビア印刷に先立って、コロナ処理やプラズマ処理等の従来公知の表面処理を施してもよい。
次いで、金属層が積層された樹脂フィルムの一方の表面に、好適には樹脂フィルム側に、グラビア印刷を施した後、印刷像を乾燥又は硬化させる。
形成されたグラビア印刷像の上にエポキシイソシアネート系組成物、ウレタンイソシアネート系組成物、アクリルイソシアネート系組成物、ポリカーボネートイソシアネート系組成物、ポリエステルイソシアネート系組成物のいずれか、或いはこれらの2種以上の混合物から成る保護層を形成する。保護層は、少なくともロール状に巻き取られる際に半硬化状態になっていることが重要であり、保護層を形成する樹脂組成物を塗布した直後に加熱乾燥させて半硬化状態にしてもよいし、接着層の加熱乾燥と同時に半硬化状態にすることもできる。
半硬化状態の保護層の形成は、低温、短時間での熱処理、具体的には40〜200℃、1〜300秒程度の条件で半硬化させることにより行 うことができる。
本発明の鏡面ラベルにおいては、前述したとおり、保護層を形成する樹脂組成物から放出されるガス量を低減させると共に、またその放出を容易にすると共に、オーバーラップ部における厚みの増大を低減するために、鏡面ラベルのオーバーラップ部となる少なくとも一方の端縁、具体的には金属缶の場合で幅0.5〜10mmの端縁の保護層の厚みを、他の部分に比して10〜90%の厚みを低減させるように塗工量を調節することが望ましい。
更に、接着層を構成する非ガス放出性のポリエステルイソシアネート系接着組成物を、保護層とは反対側の金属層又は樹脂フィルムの上に塗布・乾燥することにより鏡面ラベルを作成することが好ましい。
ポリエステルイソシアネート系接着組成物の塗工に際しては、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素類などの溶剤を使用することができる。
接着層の厚みは、一般に1〜6μm、特に2〜5μmの範囲にあることが好ましい。
本発明の鏡面ラベルは、一般に、ロール状の樹脂フィルムを用い、上述したように、金属層、グラビア印刷像、保護層、接着層が形成された後、ロール状に巻き取られるが、本発明においては、保護層が半硬化状態に保持されているので、ロール状に巻き取られても、保護層と接着層がブロッキングすることもない。
このようにして製造されたロール状に巻き取られた長尺状のラベルは、金属缶等への貼着時に巻き出され、適宜の大きさのブランク状に裁断されて、本発明の鏡面ラベルとして完成する。
(鏡面ラベルを貼着する容器)
本発明の鏡面ラベルは、後述する金属缶のみならず、プラスチック容器やパウチ等にも使用することができる。
プラスチック容器やパウチは従来公知のものを制限なく使用することができ、プラスチック容器としては、これに限定されないが、ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂を押出ブロー成形、インジェクションブロー成形して成る中空容器や、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂等から成る二軸延伸ブロー成形ボトル、或いは熱可塑性樹脂から成るシートを真空成形等して成るカップ型容器等、従来公知のプラスチック容器を例示でき、金属缶の場合と同様に、これらの胴部に貼着して使用することができる。
またパウチとしては、例えばヒートシール性樹脂から成る内層/アルミニウム箔等の酸素遮断性中間層/延伸プラスチック樹脂から成る外層等の積層体をヒートシールして成るパウチ等、従来公知のパウチに制限なく使用することができ、この場合には、パウチの側面に鏡面ラベルを貼着することにより使用することができる。
(鏡面ラベル金属缶)
本発明の鏡面ラベルは、特に金属缶のラベルとして好適に使用することができ、金属缶(必要により加熱)の胴部に巻き付けられ、端部がオーバーラップされた状態で所定温度に加熱され、接着層の硬化及び半硬化状態の保護層の硬化を行うことにより、金属缶の胴部表面に貼着される。本発明の鏡面ラベルにおいては保護層が半硬化状態に保持されている状態で金属缶への貼着が行われるため、オーバーラップ部において、接着層と保護層との硬化によって両層をしっかりと接着固定することができ、オーバーラップ部での剥がれも有効に防止されている。
図6は本発明の鏡面ラベル金属缶の一例の断面構造を示す図であり、本発明の鏡面ラベルが貼着された金属缶30は、金属缶を構成する金属板20a上の樹脂被覆層20b上に、鏡面ラベルの接着層14が位置し、保護層12上に、仕上げニス層21が形成される。仕上げニス層が形成された鏡面ラベル金属缶は、ネックイン加工、フランジ加工に付されて完成する。
仕上げニス層を形成することにより、鏡面ラベルの鏡面光沢性が際立ち、更に加飾性が向上する。
仕上げニスとしては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂と、硬化剤としてメラミン等のアミノ樹脂、フェノール樹脂、イソシアネート樹脂等を熱硬化性樹脂100重量部当たり0.1〜10重量部程度の量で含有して成る、従来公知の仕上げニスを使用することができる。
また仕上げニスには、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、シリコンワックス等の潤滑剤を0.1〜3重量%配合させたものを使用できる。
仕上げニス層の厚みは、0.1〜10μm、特に0.5〜5μmの範囲にあることが好ましい。
仕上げニス層の形成は、一般に170〜230℃の温度で0.5〜2分間加熱することにより行われる。
本発明の鏡面ラベルが貼着される金属缶は、特に制限されず、各種金属板、例えばアルミニウム板、アルミニウム合金板、ティンフリースチールなどの表面処理鋼板、ブリキ板、クロムメッキ鋼板、アルミメッキ鋼板、ニッケルメッキ鋼板、スズニッケルメッキ鋼板、その他各種の合金メッキ鋼板などを、絞り加工、絞りしごき加工、再絞り加工、曲げ伸ばし加工(ストレッチドロー加工)などによって成形したシームレス缶、及び溶接缶など、各種のタイプの金属缶が使用される。また上記金属板はその表面に、ポリエステルフィルム、ナイロンフィルム、ポリプロピレンフィルム等の樹脂フィルムが被覆された樹脂被覆金属板であってもよく、特に、シームレス缶のように過酷な成形加工により得られるものでは、樹脂被覆金属板を使用することが好適である。またこの樹脂被覆には、スチール缶においては酸化チタン等の白色顔料が配合される場合がある。
本発明を次の実験例で説明する。
尚、鏡面ラベル金属缶(以下、鏡面ラベル缶と呼称することがある)の評価は、実施例で得られた鏡面ラベルを缶胴直径52.5mmのシームレス缶のネック相当部を含めた缶胴に貼着した後、シングルネックのダイネック加工で直径50.5mmにまで縮径した後、フランジ加工したものを用いた。シームレス缶は板厚0.185mmの電解クロム酸処理鋼板の両面に熱可塑性ポリエチレンテレフタレート樹脂をラミネートし、公知のストレッチドロー加工で成形した。
(評価方法及び測定方法)
<コイルブロッキング性評価>
作製した長尺コイルを一旦巻き取り、巻きだしを行った後、コイル表面を視覚検査して、ブロッキング性評価とした。評価したブロッキングとは、コイル巻取り時に、保護層(比較例2ではグラビア印刷像)と接着層とが接着することにより、コイル巻出し時に層の一部が剥離して他の層に接着した状態になる欠陥である。
缶ブランク1000缶相当の面積について次の基準で評価した。
○:全缶相当のブランクに剥離なし。
△:直径0.5mm未満の剥離が、10缶相当ブランク未満にある。製品として許容範囲内である。
×:直径0.5mm未満の剥離が10缶相当ブランク以上にある、或いは直径0.5mm以上の剥離が1缶相当ブランク以上にある。
<印刷像キズ評価>
作製した鏡面ラベル缶1000缶について、印刷像のキズを視覚検査した。キズは搬送ガイド等と缶胴との擦れによる印刷像の削れ(剥離)として評価した。
○:全缶にキズ(印刷像剥離)なし。
△:直径0.5mm未満のキズ(印刷像剥離)が10缶未満にある。製品として許容範囲内である。
×:直径0.5mm未満のキズ(印刷像剥離)が10缶以上にある、或いは直径0.5mm以上のキズ(印刷像剥離)が1缶以上にある。
<加工オーバーラップ部ブリスタ評価>
得られた鏡面ラベル缶のダイネック加工されたオーバーラップ部(OL部)を、視覚観察した。保護層と接着層の密着性が不足しダイネック加工によりフィルム間に剥離が生じた場合には、ネック部にブリスタ状のフィルム膨れ欠陥として観察される。鏡面ラベル缶1000缶について評価した。
○:全缶に膨れなし。
△:直径0.5mm未満の膨れが10缶未満にある。製品として許容範囲内である。
×:直径0.5mm未満の膨れが10缶以上にある、或いは直径0.5mm以上の膨れが1缶以上にある。
<缶胴オーバーラップ部ブリスタ評価>
得られた鏡面ラベル缶胴のオーバーラップ部(OL部)を、視覚観察した。金属層に挟まれたオーバーラップ部の保護層組成物或いは接着層樹脂の硬化時にガスが発生した場合には、缶胴OL部にブリスタ状のフィルム膨れ欠陥として観察される。鏡面ラベル缶1000缶について評価した。
○:全缶に膨れなし。
△:直径0.5mm未満の膨れが10缶未満にある。製品として許容範囲内である。
×:直径0.5mm未満の膨れが10缶以上にある、或いは直径0.5mm以上の膨れが1缶以上にある。
<オーバーラップ部ネックシワ評価>
得られた鏡面ラベル缶10缶につき、オーバーラップ部(OL部)のネックシワ程度を外観から視覚観察した。
○:全缶に明らかなネックシワがない。
△:ごくわずかなネックシワが1缶以下にある。製品として許容範囲内である。
×:明らかなネックシワが1缶以上にある、あるいはごくわずかなネックシワが2缶以上にある。
<缶胴光沢度評価>
得られた鏡面ラベル缶の缶胴部を切り出し、外面についてグロスメータ(HORIBA社製IG―410)で光沢度を評価した。
○:グロスが70以上。
△:グロスが40以上70未満。
×:グロスが40未満。
<保護層硬化程度の測定>
得られた鏡面ラベルについて、保護層硬化程度の測定を次のように行った。重さ1kgの柄付きハンマーの先端にガーゼを被せ、エチルアルコール(EtOH)をガーゼに浸透させ、ハンマーを片手に持ち、保護層外面に湿ったガーゼ部分を当て、一定の速度で10cmの距離を往復させた。速度は、1秒に1往復で行った。保護層が剥がれるまでの往復回数を数えて、ラビング回数とした。
<レトルト殺菌後の評価>
得られた鏡面ラベル缶に水を充填し、蓋を二重巻締めし、3缶を結わいて缶同士を接触させた状態で、130℃30分の条件で蒸気式静置レトルト処理を行った後、冷却した。
得られたレトルト処理済み鏡面ラベル缶について、上記[加工オーバーラップ部ブリスタ評価]に記載した方法で評価した。
また得られたレトルト処理済み鏡面ラベル缶について、缶同士の接触部の透明グラビアインク部分を視覚検査で白化の程度を評価した。評点は以下の基準で行った。
○:白化なし
△:わずかに白化があるが、製品許容範囲内である。
×:白化が大きく、製品許容範囲外である。
(実施例1)
<鏡面ラベルの作製>
厚みが12μmの長尺透明二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)の片面にアルミニウム蒸着層(厚み500Å)を形成し、他方の面にグラビア印刷により印刷像を形成して乾燥した。このときグラビア印刷像は缶の缶胴中央相当部とともにオーバーラップ相当部にも形成した。尚、グラビア印刷インクは、ウレタン樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂のブレンド物をベース樹脂とするものを使用した。続いて、エポキシ樹脂にイソシアネート系硬化剤を配合し、ポリエチレンワックスを0.5重量%で配合した保護層形成用組成物を、グラビア印刷像上に、缶ブランク中央相当部での厚みが4.0μm、缶ブランクオーバーラップ相当部の下側フィルム端縁となる部分の厚みが2.0μm、となるように塗工した後、熱風吹きつけ型の加熱オーブンで130℃×8秒の焼付処理を行い、半硬化状態の保護層を形成した。次いで金属蒸着層上に、ポリエステル系樹脂にイソシアネート系硬化剤および酸化チタン(乾燥樹脂中の50重量%)を配合した接着剤をグラビアコーターにて厚さ5μmに塗装し、130℃×8秒で乾燥した後、巻き取りローラでコイルとして巻き取った。
<鏡面ラベル金属缶の作製>
上記で作製した長尺状のラベルを巻き出した後、金属缶の大きさに合わせて切断して枚葉鏡面ラベルを作製し、160℃に加温したシームレス缶の外面に加圧しながら巻き回し、鏡面ラベルの両端を重ねてオーバーラップ部を接着させ、200℃×1分の焼付けをオーブンで行うことによって保護層と接着剤の焼付硬化を行った。次いで、エポキシ樹脂にアミノ系硬化剤を配合して成る仕上げニスを塗工して、215℃×80秒で焼き付け硬化させて仕上げニス層を形成した。その後、開口部側をネッキング加工したのちフランジ加工して、鏡面ラベル金属缶を作製した。オーバーラップ部の幅は5mmに設定した。シームレス缶の内容積は200mlであった。得られた鏡面ラベル、鏡面ラベル金属缶について上述の評価を行った。
上記のようにして得られた鏡面ラベルの仕様、保護層の仕様、金属缶仕様、コイルブロッキング性評価結果、缶体評価結果を表1に示した。
(実施例2)
保護層形成用組成物にワックスを配合しない以外は、実施例1と同様にして、鏡面ラベル及び鏡面ラベル金属缶を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例3)
保護層形成用組成物として、実施例1のエポキシイソシアネート系組成物に代えてウレタンイソシアネート系組成物を使用した以外は、実施例1と同様にして、鏡面ラベル及び鏡面ラベル金属缶を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例4)
保護層のオーバーラップ部における厚みを、他の部分の100%(即ちベタ塗装)とした以外は、実施例1と同様にして、鏡面ラベル及び鏡面ラベル金属缶を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例5)
保護層のオーバーラップ部における厚みを、他の部分の10%とした以外は、実施例1と同様にして、鏡面ラベル及び鏡面ラベル金属缶を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例6)
保護層の硬化程度(半硬化状態の程度)を、EtOHラビング回数を90回とした以外は、実施例1と同様にして、鏡面ラベル及び鏡面ラベル金属缶を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例7)
保護層の硬化程度(半硬化状態の程度)を、EtOHラビング回数を5回とした以外は、実施例1と同様にして、鏡面ラベル及び鏡面ラベル金属缶を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例8)
保護層形成用組成物として、実施例1のエポキシイソシアネート系組成物に代えてポリカーボネートイソシアネート系組成物を使用した以外は、実施例1と同様にして、鏡面ラベル及び鏡面ラベル金属缶を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例9)
金属層として、アルミニウム蒸着層の代わりに、接着剤(ウレタン樹脂系)を介してアルミニウム箔(厚み7μm)を積層した以外は、実施例1と同様にして、鏡面ラベル及び鏡面ラベル金属缶を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例10)
実施例1における、アルミ蒸着層が形成された長尺透明二軸延伸PETフィルムのアルミニウム蒸着層上にグラビア印刷により印刷像を形成し、PETフィルム面に接着層を形成した以外は、実施例1と同様にして、鏡面ラベル及び鏡面ラベル金属缶を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例11)
実施例1における保護層の代わりに、下側保護層(以下、「下層」という)としてエポキシアミノ系組成物を乾燥膜厚2μmと成るようにベタ塗布・乾燥し、その上面に上側保護層(以下、「上層」という)としてポリエステルイソシアネート系組成物を乾燥膜厚2μmと成るようにベタ塗布・乾燥した以外は、実施例1と同様にして、鏡面ラベル及び鏡面ラベル金属缶を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例12)
保護層の上層の硬化程度を、EtOHラビング回数を5回とした以外は、実施例11と同様にして、鏡面ラベル及び鏡面ラベル金属缶を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例13)
実施例11における下層の代わりに、エポキシイソシアネート系組成物を乾燥膜厚2μmと成るようにベタ塗布・乾燥し、グラビア印刷インクは、アクリル系樹脂をベース樹脂とするグラビア印刷インクを使用した以外は、実施例11と同様にして、鏡面ラベル及び鏡面ラベル金属缶を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例14)
グラビア印刷インクとして、ウレタン樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂のブレンド物をベース樹脂とするものを使用した以外は、実施例13と同様にして、鏡面ラベル及び鏡面ラベル金属缶を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例15)
保護層の上層の硬化程度を、EtOHラビング回数を5回とした以外は、実施例14と同様にして、鏡面ラベル及び鏡面ラベル金属缶を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例16)
グラビア印刷インクとして、アクリル系樹脂をベース樹脂とするグラビア印刷インクを使用した以外は、実施例11と同様にして、鏡面ラベル及び鏡面ラベル金属缶を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例1)
厚みが12μmの二軸延伸PETフィルムの片面にグラビア印刷像を形成した印刷フィルムを作製した。また同様の二軸延伸PETフィルムの片面にアルミニウム蒸着層(500Å)を形成し、蒸着フィルムを作製した。
印刷フィルムの印刷インキ面側にポリエステルポリウレタン樹脂から成る透明接着剤を用いて蒸着フィルムのPETフィルム側とラミネートし、60℃3日間の熱処理を行って、ラミネートフィルムを作製した。
作成したラミネートフィルムの蒸着層側に、実施例1と同様に接着剤を塗布して接着層を形成することにより、鏡面ラベルを作製した。
実施例1と同様にして、金属缶に貼着して、仕上げニス層を形成して鏡面ラベル金属缶を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例2)
保護層を形成しない以外は、実施例1と同様にして、鏡面ラベル及び鏡面ラベル金属缶を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例3)
仕上げニス層を形成しない以外は、実施例1と同様にして、鏡面ラベル及び鏡面ラベル金属缶を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
本発明の鏡面ラベルは、美麗な鏡面光沢を有し、金属缶に貼着した場合にオーバーラップ部の剥離やブリスタの発生或いはネック部のしわの発生も有効に防止され、外観特性に優れていることから、飲食品や化粧品の用途に使用される金属缶に好適に使用することができる。また保護層を特定の組成物から成る下側保護層及び上側保護層の2層構成とすることや、アクリル樹脂をベース樹脂とする印刷インクを用いることにより耐レトルト性も向上することから、レトルト殺菌処理が必要な内容物を充填する容器にも好適に使用することができる。
1 鏡面ラベル、10 樹脂フィルム、11 グラビア印刷像、12 保護層、12a 下側保護層、12b 上側保護層、13 金属層、14 接着層、20 金属缶、21 仕上げニス層、30 鏡面ラベル金属缶。

Claims (12)

  1. 樹脂フィルムの一方の表面に金属層が形成された金属層形成樹脂フィルムの一方の表面に、グラビア印刷像が形成され、該グラビア印刷像を覆うように半硬化状態の保護層が形成されていると共に、該金属層形成樹脂フィルムのグラビア印刷像が形成されていない他方の表面に接着層が形成されることを特徴とする鏡面ラベル。
  2. 前記保護層が、エポキシイソシアネート系組成物、ウレタンイソシアネート系組成物、アクリルイソシアネート系組成物、ポリカーボネートイソシアネート系組成物、ポリエステルイソシアネート系組成物のいずれか、或いはこれらの2種以上の混合物から成る請求項1記載の鏡面ラベル。
  3. 前記樹脂フィルムが透明樹脂フィルムであり、前記グラビア印刷像が前記金属層形成樹脂フィルムの樹脂フィルム側に形成され、前記接着層が前記金属層側に形成されている請求項1又は2記載の鏡面ラベル。
  4. 前記鏡面ラベルの高さ方向に延びる端縁の少なくとも一方における保護層が、該端縁から0.5〜10mmの幅において、他の部分の保護層の厚みの10〜90%の厚みである請求項1〜3の何れかに記載の鏡面ラベル。
  5. 前記保護層が、前記グラビア印刷像側に位置する下側保護層と、該下側保護層の上に形成される上側保護層とから成る二層構成の保護層である請求項1〜4の何れかに記載の鏡面ラベル。
  6. 前記上側保護層が、ポリエステルイソシアネート系組成物から成る請求項5記載の鏡面ラベル。
  7. 前記下側保護層が、エポキシイソシアネート系組成物から成る請求項5又は6記載の鏡面ラベル。
  8. 前記グラビア印刷に用いられるインクのベース樹脂が、アクリル系樹脂である請求項1〜7の何れかに記載の鏡面ラベル。
  9. 請求項1〜8の何れかに記載の鏡面ラベルが貼着されて成る鏡面ラベル金属缶であって、前記鏡面ラベル上に仕上げニス層が形成されていることを特徴とする鏡面ラベル金属缶。
  10. 請求項1〜8の何れかに記載の鏡面ラベルを金属缶の胴部に貼着した後、少なくとも前記鏡面ラベル上に仕上げニスを塗装し、これを硬化させることにより仕上げニス層を形成して成ることを特徴とする鏡面ラベル金属缶の製造方法。
  11. 金属層が形成された樹脂フィルムの一方に、グラビア印刷することによりグラビア印刷像を形成する工程、
    該グラビア印刷像を覆うように、半硬化状態の保護層を形成する工程、
    前記金属層が形成された樹脂フィルムのグラビア印刷像が形成されていない他方の表面に接着剤を塗布して接着層を形成する工程、
    を含むことを特徴とする鏡面ラベルの製造方法。
  12. 前記保護層を形成する工程において、前記鏡面ラベルの高さ方向に延びる端縁の少なくとも一方における保護層を、該端縁から0.5〜10mmの幅において、他の部分の保護層の厚みの10〜90%の厚みにする請求項11記載の鏡面ラベルの製造方法。
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