JP2000095248A - 金属光沢を有するフィルム貼着缶体 - Google Patents

金属光沢を有するフィルム貼着缶体

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JP2000095248A
JP2000095248A JP10265586A JP26558698A JP2000095248A JP 2000095248 A JP2000095248 A JP 2000095248A JP 10265586 A JP10265586 A JP 10265586A JP 26558698 A JP26558698 A JP 26558698A JP 2000095248 A JP2000095248 A JP 2000095248A
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film
resin film
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thermoplastic resin
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JP10265586A
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English (en)
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Hisashi Shoji
尚志 庄子
Atsushi Kobayashi
淳 小林
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Daiwa Can Co Ltd
Original Assignee
Daiwa Can Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 缶体の缶胴に付与される文字や模様のデザイ
ンについて、2ピース缶と3ピース缶の何れについて
も、缶胴の金属材料の如何にかかわらず、アルミ合金製
DI缶の場合と同様に、光輝性が高く鮮やかな金属光沢
色を有するデザインのものにすることができると共に、
更には、アルミ合金製DI缶とは異なるような色調の金
属光沢色を有するデザインのものにもできるようにす
る。 【解決手段】 熱可塑性樹脂フィルム17を主体層とし
て少なくとも金属蒸着層15と印刷インキ層13とを設
けた樹脂製フィルム6を、金属蒸着層15の方が印刷イ
ンキ層13よりも金属製の缶胴本体5の金属面に近くな
るように、缶胴2の外面側に貼着する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、文字や模様の印刷
を予め施した印刷済みの樹脂製フィルムが缶胴の金属面
の外面側に貼着されているフィルム貼着缶体に関し、特
に、貼着される印刷済み樹脂製フィルムによって缶胴に
付与される文字や模様を金属光沢色を生かしたデザイン
のものとしたようなフィルム貼着缶体に関する。
【0002】
【従来の技術】絞りしごき加工により缶胴と底部が一体
的に成形される2ピース缶(DI缶)では、加工工程で
外面側の金属面がしごきダイスに直接接触した状態でし
ごき加工が施されることにより、缶胴の外面側の金属面
が非常に平滑な鏡面状態となっており、特に、アルミニ
ウム合金製DI缶については、缶胴の金属面が明るい金
属光沢を有するものとなっていることから、これを利用
して、ドライオフセット印刷により缶胴の表面に印刷す
る文字や模様を、金属面の金属光沢を生かしたデザイン
のものとするということが従来から行なわれている。
【0003】なお、アルミニウム合金板や表面処理鋼板
のような金属板から絞りしごき加工や深絞り加工(絞り
再絞り加工)により缶胴と缶底が一体的に成形される2
ピース缶では、その缶胴に所望の文字や模様を直接印刷
する場合、円筒状に成形された缶胴に対して印刷を施す
こととなってグラビア印刷やフレキソ印刷等を直接施す
ことが困難であることから、通常、ドライオフセット印
刷により文字や模様の印刷を行っている。
【0004】そのような成形済みの缶体の缶胴に所望の
文字や模様を付与するためのドライオフセット印刷で
は、共通のブランケットに一旦全ての色のインキを塗布
し、また、各色のインクが重ならないように塗布するこ
とから、その色数や色調に限界があるため、そのような
欠点を解消すべく、缶胴の外面に対して直接印刷を施す
のではなく、二軸延伸ポリエステルなどの熱可塑性樹脂
のフィルムに対して予めグラビア印刷やフレキソ印刷に
より印刷を施した印刷済みの樹脂製フィルムを金属製缶
胴の外面側に貼着したようなフィルム貼着缶体が従来か
ら公知となっている。(例えば、特開平3−23094
0号公報,特開平4−57747号公報,特開平7−8
9552号公報等参照)
【0005】一方、上記のような缶胴への文字や模様の
付与とは全く別の技術として、電解クロム酸処理鋼板,
極薄錫メッキ鋼板等のブリキと比べると耐蝕性や美観性
に劣る表面処理鋼板に対して、金属蒸着層を有する二軸
延伸ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムを積層し
た表面処理鋼板を製缶用の素材として提供すること、及
び、これを絞り加工することで耐蝕性や美観性が向上し
た2ピース缶(絞り缶や深絞り缶)を製造するというこ
とが従来公知となっている。(例えば、特公昭61−5
1987号公報,特公平2−20418号公報,特公平
4−13143号公報,特公平4−13144号公報等
参照)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、アルミニウ
ム合金製DI缶(以下DIA缶ということがある)の缶
胴に対してその金属面の金属光沢を生かすようなデザイ
ンの文字や模様を印刷したものでは、印刷インキ層のな
い部分(透明なトップコート層だけが塗布されている部
分)が明るいシルバー系の金属光沢を有すると共に、印
刷インキ層のある部分についても、インキによる隠蔽力
の強い色(例えば、白色,黒色,茶色等)以外の色につ
いては、金属面の金属光沢が印刷インキ層を透して強く
影響を及ぼすことにより、例えば、淡黄色のインキの場
合には黄金色となるというように、その印刷部分が金属
光沢色を有するものとなっている。
【0007】これに対して、錫メッキ鋼板のような表面
処理鋼板製のDI缶では、加工工程で外面側の金属面に
しごき加工が施されることにより、缶胴の外面側の金属
面が非常に平滑な鏡面状態となって金属光沢を有するも
のとはなっているが、アルミニウム合金製DI缶では明
るい金属光沢を有するものとなるのに対して、例えば、
錫メッキ鋼板製DI缶(以下DIS缶ということがあ
る)ではやや黒味がかった金属光沢を有するものとな
る。
【0008】そのため、そのような表面処理鋼板製DI
缶の缶胴に金属面の金属光沢を生かすような文字や模様
を印刷した場合、印刷インキ層のない部分がやや黒味が
かった金属光沢を有するものになると共に、印刷インキ
層のある部分については、インキによる隠蔽力の強い色
(例えば、白色,黒色,茶色等)以外の色について、金
属面の金属光沢がインキ層を透して影響を及ぼすことに
より、その印刷部分が金属光沢色を有するものとなるも
のの、例えば、淡黄色のインキの場合、DIA缶では黄
金色となるのに対して、DIS缶ではややくすんだ黄金
色になるというように、アルミニウム合金製のDI缶と
同じような鮮やかな装飾効果を得ることは難しい。
【0009】一方、表面処理鋼板の缶胴ブランクを筒状
に丸めてその両端部を重合して接合することにより缶胴
が形成される3ピース缶では、表面の粗度が比較的大き
い表面処理鋼板を丸めただけで缶胴としており、その外
面側の金属面がDI缶のような鏡面状態とはならないた
め、その上にオフセット印刷により薄い色のインキで印
刷しても鈍い金属光沢色しか得られず、DI缶のような
金属光沢色を生かしたデザインの缶胴を得ることはでき
ない。
【0010】特に、最近の3ピース缶の溶接缶胴では、
製缶コストを下げるために、金属メッキ量を著しく削減
している(例えば、錫メッキ鋼板の例を挙げると、従来
は、片面当たり2.8g/m2 以上であったものが、最
近は1.1g/m2 内外である。)ことから、金属メッ
キによる輝度が従来よりも大幅に低下しているので、そ
の上にオフセット印刷で薄い色のインキで印刷しても殆
ど金属光沢色は得られない。
【0011】また、DI缶と同じ2ピース缶でも、しご
き加工を施してない深絞り缶や、金属板を予め塗膜又は
熱可塑性樹脂フィルムで被覆した後に絞りしごき加工を
施したり、絞りと曲げ延ばし加工(ストレッチ加工)を
施して成形したような缶では、缶胴の外面の表面粗度が
それらの加工により元の金属板の表面粗度よりも大きく
なる傾向にあるため、通常のDI缶の缶胴のような鏡面
状態とはならず、艶消し状態になって、その上にオフセ
ット印刷で薄い色のインキで印刷しても、DIA缶のよ
うな光輝性の高い金属光沢色を得ることはできない。
【0012】そのことから、例えば、アルミニウムのよ
うな金属を真空蒸着した金属蒸着層を有する二軸延伸ポ
リエチレンテレフタレート樹脂フィルムを積層した表面
処理鋼板を絞り加工することにより製造される従来公知
の2ピース缶(絞り缶や深絞り缶)についても、その缶
胴の金属光沢が、DIA缶の缶胴のような鏡面状態の金
属光沢ではなく、金属蒸着層が引き延ばされた艶消し状
態の金属光沢であるため、その上にオフセット印刷で薄
い色のインキで印刷しても、DIA缶のような光輝性の
高い金属光沢色を得ることはできないものと考えられ
る。
【0013】すなわち、飲料缶詰等の缶体の缶胴に文字
や模様を付与する場合、アルミニウム合金製DI缶で従
来から見られるような、単独のインキでは表現しにくい
金属光沢色を使用したデザインは、人目を引きやすいの
で好まれる傾向にあるにもかかわらず、上記のようなそ
れぞれの理由により、アルミニウム合金製DI缶以外で
は、缶胴に付与する文字や模様を、人目を引くような光
輝性が高く鮮やかな金属光沢色を有するデザインのもの
とすることはできない。
【0014】本発明は、上記のような問題の解消を課題
とするものであり、具体的には、缶体の缶胴に付与され
る文字や模様のデザインについて、2ピース缶と3ピー
ス缶の何れについても、缶胴の金属材料の如何にかかわ
らず、アルミ合金製DI缶の場合と同様に、光輝性が高
く鮮やかな金属光沢色を有するデザインのものにするこ
とができると共に、更には、アルミ合金製DI缶とは異
なるような色調の金属光沢色を有するデザインのものに
もできるようにすることを課題とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記のような
課題を解決するために、熱可塑性樹脂フィルムを主体層
として少なくとも金属蒸着層と印刷インキ層とを設けた
樹脂製フィルムを、金属蒸着層の方が印刷インキ層より
も金属製の缶胴本体の金属面に近くなるように、缶胴の
外面側に貼着することを特徴とするものである。
【0016】上記のような構成により、缶胴用の金属板
が極薄錫メッキ鋼板,ニッケルメッキ鋼板,電解クロム
酸処理鋼板等の表面処理鋼板のようにそれ自体が金属光
沢の殆どないものでも、文字や模様の印刷されていない
部分が金属蒸着層による光輝性が高く鮮やかな金属光沢
を有すると共に、印刷インキ層により付与される文字や
模様についても、特別に顔料の隠蔽力が高い色を除い
て、印刷インキ層よりも下層の金属蒸着層による金属光
沢の影響を受けることで、その色と金層蒸着層の金属光
沢が組み合わされた金属光沢色となることから、光輝性
の高い金属光沢色を利用したデザインによる装飾効果を
得ることができる。
【0017】また、缶胴の金属材料の如何にかかわら
ず、蒸着金属の種類を変えることにより、アルミニウム
を蒸着した一般的なシルバータイプ以外にも、例えば、
銅を使うことでブロンズ色、銅亜鉛系を使うことでゴー
ルド色、クロムニッケル系を使うことでアルミニウムの
場合よりもダークなシルバー色というように、色調の異
なる金属光沢を得ることができ、また、シーライト加工
を使用すれば、部分的に金属蒸着層を有するような金属
蒸着フィルムを得ることができるため、パターン化した
金属光沢色のデザインを得ることができる。
【0018】しかも、そのような金属蒸着層を有する印
刷済みの樹脂製フィルムは、2ピース缶では、成形済み
の筒状の缶胴の外面に貼着されるだけであり、3ピース
缶でも、表面処理鋼板に貼着された後の製缶時に曲げ加
工を受けるだけであって、加工によって缶胴全体の表面
粗度が大きくなるような絞り加工、曲げ延ばし加工、し
ごき加工等の過酷な加工を受けていないことから、金属
蒸着層による金属光沢が缶体の加工時に低下するような
ことはない。
【0019】また、金属蒸着層を有する印刷済みの樹脂
製フィルムを金属製の缶胴本体或いは缶胴用金属板に貼
着することで、個々の缶体に対してそれぞれ個別に金属
蒸着や印刷を施すようなことなく、多数の缶体分を長尺
の樹脂製フィルムに対して連続して印刷したり金属蒸着
したりすることができるため、缶胴に対する印刷や金属
蒸着の付与を高速化することができる。
【0020】また、缶胴の外面に付与する文字や模様の
印刷について、オフセット印刷以外に、グラビア印刷や
フレキソ印刷のようなその他の印刷方法も適宜選択的に
実施することが可能となり、それによって、缶胴に直接
印刷するドライオフセット印刷の場合と比べて、その色
数や色調の自由度を増大させることができると共に、印
刷インキ層を透して現れる金属光沢の影響を大きくし
て、印刷インキ層の色と金属光沢が組み合わされた金属
光沢色を出し易くすることができる。
【0021】すなわち、グラビア印刷やフレキソ印刷で
使用される印刷インキは、通常の金属印刷で使用される
オフセット印刷用の印刷インキに比べて、樹脂成分の含
有量が非常に少なく、特別に顔料の隠蔽力が高い色を除
いて透明性が高いことから、上記のような効果が期待で
きるのである。
【0022】なお、上記のような構成の金属光沢を有す
るフィルム貼着缶体については、周知の又は実用化され
ている2ピース缶や3ピース缶のフィルム貼着缶体にお
ける貼着フィルムの製造工程の一部を変更するだけで、
すなわち、缶胴に貼着するための印刷済み樹脂製フィル
ムに対して予め金属蒸着層を設けるという工程を付加す
るだけで、又は金属蒸着層を設けた樹脂製フィルムを印
刷済み樹脂製フィルムと接合しておくだけで製造するこ
とができるため、製缶コストを大幅に上げることなく高
い装飾効果を得ることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の金属光沢を有する
フィルム貼着缶体の実施形態について、図面に基づいて
詳細に説明する。
【0024】図1は、本発明の金属光沢を有するフィル
ム貼着缶体について、表面処理鋼板の缶胴を有する3ピ
ース缶による一実施形態を示すもので、図1(A)は、
缶体の全体を示すものであり、図(B)は、印刷済みの
樹脂製フィルムが貼着された缶胴の断面積層構造を示す
ものである。
【0025】本実施形態のフィルム貼着缶体1は、図1
(A)に示すように、円筒状に成形した缶胴2に対して
上蓋3と底蓋4をそれぞれ巻締により一体化した3ピー
ス缶であって、缶胴2は、表面処理鋼板5からなる金属
製の缶胴本体の外面(表面処理加工が施された状態の金
属面の外面)に印刷済みの樹脂製フィルム6が貼着され
ているものである。
【0026】缶胴2の表面処理鋼板5の外面に貼着され
ている印刷済みの熱可塑性樹脂製フィルム6は、本実施
形態では、図1(B)に示すように、表面処理鋼板5の
側から順に、接着剤層18,熱可塑性樹脂フィルム層1
7,金属蒸着層15の下地としてのアンカーコート層1
6,金属蒸着層15,接着剤層14,印刷インキ層1
3,透明な熱可塑性樹脂フィルム層12,潤滑剤含有ト
ップコート層11となっている。
【0027】上記のような各層からなる印刷済みの樹脂
製フィルム6は、図2(A)に示すような印刷インキ層
13を有する熱可塑性樹脂フィルム(以下、印刷フィル
ムという)7と、図2(B)に示すような金属蒸着層1
5を有する熱可塑性樹脂フィルム(以下、金属蒸着フィ
ルムという)8とを、図2(C)に示すように接着剤層
14を介してラミネートして予め一枚の積層フィルム6
としたものである。
【0028】すなわち、印刷フィルム7は、図2(A)
に示すように、主体層となる透明な熱可塑性樹脂フィル
ム12に対して、その裏面側(表面処理鋼板5に近い
側)に、複数色の印刷インキにより文字や模様を印刷し
た印刷インキ層13を設けると共に、その表面側(表面
処理鋼板5から遠い側)に、滑性剤を含有した透明なト
ップコート層11を全面的に設けたものである。
【0029】また、金属蒸着フィルム8は、図2(B)
に示すように、主体層となる熱可塑性樹脂フィルム17
に対して、その裏面側(表面処理鋼板5に近い側)に、
表面処理鋼板に貼着するための接着剤層18を設けると
共に、その表面側(表面処理鋼板5から遠い側)に、ア
ンカーコート層16を介して金属蒸着層15を設けたも
のである。
【0030】缶胴2の本体となる表面処理鋼板5は、厚
さが0.10〜0.30mm程度で錫メッキ量が1.1
g/m2 内外の極薄錫メッキ鋼板であるが、3ピース缶
の缶胴に使用できる金属板としては、その他にも、冷延
板,溶融亜鉛および亜鉛合金メッキ鋼板,電気亜鉛およ
び亜鉛合金メッキ鋼板,ブリキ,ティンフリースチー
ル,クロムメッキ鋼板,アルミメッキ鋼板,ニッケルメ
ッキ鋼板,その他の各種合金メッキ鋼板,アルミニウム
合金板,その他の金属板、および、それらに必要に応じ
て、化成処理、例えば、リン酸塩処理,クロメート処
理,クロム・クロメート処理,有機クロメート処理,コ
バルト複合酸化膜処理,ニッケル置換メッキ,その他の
処理を行ったものなどがある。
【0031】印刷フィルム7の主体層となる透明な熱可
塑性樹脂フィルム12は、厚さが10〜30μm程度の
二軸延伸ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(P
ET−BOフィルム)であるが、比較的透明性が高くし
かも耐熱性に優れた熱可塑性樹脂フィルムであれば使用
することができ、具体的には、ポリエチレンテレフタレ
ート樹脂以外にも、ポリブチレンテレフタレート樹脂な
どのポリエステル系樹脂、エチレングリコールとテレフ
タル酸及びイソフタル酸との共重合体などからなる共重
合ポリエステル系樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリカー
ボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポ
リ塩化ビニリデン共重合体などのうちから選ばれた透明
な高分子樹脂単体、あるいは上記樹脂の複合体からなる
熱可塑性樹脂フィルムが使用可能であり、該フィルムの
厚さについては材質の違いなどによって適宜決定され
る。
【0032】印刷フィルム7の表面に形成されているト
ップコート層11については、缶体の缶胴表面に滑性を
与えるために、滑性剤を含有した透明な熱硬化性樹脂と
して、例えば、エポキシ−アミノ系樹脂,エポキシ−メ
ラミン系樹脂,ポリエステル−アミノ系樹脂,アクリル
系樹脂などの熱硬化性樹脂に対してシリコンやワックス
などの滑性剤を0.1〜3重量%配合させたものであっ
て、厚さ1μm程度となるように塗布されている。
【0033】すなわち、トップコート層11の主樹脂と
しては、ポリエステル樹脂,アクリル樹脂,エポキシ樹
脂等を使用することができ、硬化剤としては、メラミン
樹脂等のアミノ樹脂、フェノール樹脂等を使用すること
ができ、さらに、滑性剤としては、ラノリン,カルナ
バ,パラフィン,ポリエチレン,PTFE(四フッ化エ
チレン樹脂),ポリエーテル変性ジメチルシラン等のシ
リコン類およびシリカ等が有効である。
【0034】印刷フィルム7の裏面に形成される印刷イ
ンキ層13は、熱硬化性のウレタン系樹脂からなるグラ
ビア印刷用のインキを使用したものであって、フィルム
への印刷方法としては、グラビア印刷,フレキソ印刷の
うちから適宜選択可能であるが、色数を豊富に使って色
調豊かで美麗な文字や模様を印刷するためには、グラビ
ア印刷を選択するのが良い。
【0035】なお、グラビア印刷に使用されるインキの
組成については、例えば、通常の金属印刷で使用される
オフセット印刷用インキでは、顔料が5〜40%,樹脂
が50%〜,溶剤が〜10%,硬化剤が少々,添加剤が
少々であるのに対して、グラビア印刷用インキでは、顔
料が5〜40%,樹脂が10〜20%,溶剤が40〜8
5%,硬化剤なし,添加剤が少々となっている。
【0036】上記のように、グラビア印刷用インキで
は、通常の金属印刷で使用されるオフセット印刷用イン
キと比べて、樹脂分の割合が非常に少なくなっているの
が特徴であり、一般的に金属に印刷するためのオフセッ
ト印刷用インキの樹脂(脂肪酸変成アルキッド,油変成
性ポリエステル)とグラビア印刷用インキの樹脂(ウレ
タン系,ポリエステル系)の屈折率は、1.50〜1.
65程度で大きな差はない。
【0037】そのため、印刷インキ層13の透明性につ
いては、単位面積当たりの塗布量が同じで同一顔料であ
れば、樹脂分の割合が少ないグラビア印刷用インキの方
が、一般的に金属に印刷するためのオフセット印刷用イ
ンキよりも有利なものとなる。(樹脂にも微小な添加剤
が少量混在しているため、それが光の直進性に影響を与
えることとなり、また、膜厚が厚くなるため入射光が減
衰する。)
【0038】また、グラビア印刷用インキを使用するこ
とで、グラビア印刷用インキ特有のパール光沢をもった
インキを使用することができ、そのようなパール光沢と
金属光沢を組み合わせることによって新しいイメージの
色調によるデザインが可能となる。
【0039】金属蒸着フィルム8の主体層となる熱可塑
性樹脂フィルム17は、本実施形態では、印刷フィルム
の熱可塑性樹脂フィルムと同じ二軸延伸ポリエチレンテ
レフタレート樹脂フィルム(PET−BOフィルム)を
使用しているが、この熱可塑性樹脂フィルム17につい
ても、印刷フィルム7の熱可塑性樹脂フィルム12と同
様に、その他の樹脂を使用することも可能であって、こ
の熱可塑性樹脂フィルム17については、印刷フィルム
7の熱可塑性樹脂フィルム12のような透明性は特に必
要とはされない。
【0040】アンカーコート層16を介して熱可塑性樹
脂フィルム17に密着される金属蒸着層15について
は、蒸着する金属はアルミニウムが一般的であるが、そ
のようなアルミニウムによるシルバータイプ以外にも、
例えば、銅を使うことでブロンズ色、銅亜鉛系を使うこ
とでゴールド色、クロムニッケル系を使うことでアルミ
ニウムの場合よりもダークなシルバー色というように、
色調の異なる金属光沢を得ることができるものである。
【0041】なお、例えば、アルミニウムについて、真
空蒸着法等によりアンカーコート層16を介して熱可塑
性樹脂フィルム17に蒸着する場合、50〜3000Å
の厚みの範囲内で蒸着することが好ましく、50Å以下
の厚みでは充分な金属光沢を得ることができず、300
0Å以上では、充分な金属光沢を得ることはできるもの
の、蒸着速度を低下させなければならないことから生産
性が著しく低下することとなる。
【0042】アンカーコート層16は、熱可塑性樹脂フ
ィルム17に対する金属蒸着層15の密着性を向上させ
るためのものであって、具体的には、硬化剤としてフェ
ノール系,ユリア系,アミド系,エステル系,アクリル
系,ウレタン系の各樹脂の1種以上を配合したエポキシ
樹脂を使用することができ、エポキシ樹脂と硬化剤の配
合比については、硬化剤の種類によって一概には言えな
いが、一般的には、エポキシ樹脂固形分100重量部に
対して硬化剤を5〜100重量部添加すれば良い。
【0043】そのようなエポキシ樹脂によるアンカーコ
ート層16は、0.05〜5.0g/m2 となるように
熱可塑性樹脂フィルム17に対して塗布されている。す
なわち、塗布量が0.05g/m2 以下では、熱可塑性
樹脂フィルム17への均一な塗布が困難となり、金属蒸
着層15との密着力が部分的に低下する傾向にある一
方、塗布量が5.0g/m2 以上になると、熱可塑性樹
脂フィルム17と金属蒸着層15との密着力は確保され
るものの、熱可塑性樹脂フィルム17へのアンカーコー
ト層16の塗布後、ドライヤーオーブンにおける溶剤離
脱性が低下して作業性が著しく低下することとなる。
【0044】金属蒸着フィルム8の主体層となる熱可塑
性樹脂フィルム17に対してその缶胴金属面側の面に塗
布される接着剤層18は、従来のフィルム貼着缶体で缶
胴金属面にフィルムを貼着するために使用されている接
着剤と同じものであって、加熱と加圧により密着し易い
ような熱硬化性樹脂の接着剤によるものであり、例え
ば、ポリエステル樹脂とエポキシ樹脂およびアミノ樹脂
とを配合した接着剤を使用することができ、そのような
接着剤としては、具体的には、ポリエステルを主成分と
する熱硬化性樹脂があり、その他の硬化性樹脂成分とし
てEB硬化性(電子硬化性)樹脂を併用することができ
る。
【0045】この接着剤層18は、熱可塑性樹脂フィル
ム17の片側の面(缶胴表面側の面)に対して全面的に
設けることが好ましく、上記のような接着剤を使用する
場合、少なくとも50mg/dm2 以上(好ましくは、
90〜110mg/dm)となるように全面塗布する
こととなる
【0046】なお、金属蒸着フィルム8の主体層となる
熱可塑性樹脂フィルム17として、例えば、共重合ポリ
エステル系樹脂,変性ポリプロピレン樹脂のように熱接
着性の高い樹脂を選択することにより、上記のような接
着剤層18を設けなくても、加熱と加圧により該熱可塑
性樹脂フィルム17を金属製の缶胴本体或いは缶胴用の
金属板の金属面側に直接貼着することが可能となる。
【0047】上記のように各層を有する印刷フィルム7
と金属蒸着フィルム8のラミネートについては、主にウ
レタン系接着剤を使用したドライラミネート、主に酢酸
ビニル系樹脂エマルジョン接着剤を使用したウエットラ
ミネート、主にEVA系接着剤を使用したホットメルト
ラミネート、主に有機チタネート系,ウレタン系,イミ
ン系接着剤を使用した押し出しラミネートなどの方法が
考えられる。
【0048】しかしながら、3ピース缶では内容物によ
りレトルト処理を受ける場合が多く、この観点から、上
記の接着法のうちウレタン系接着剤(特に2液硬化型)
を使用したドライラミネートが最適であることから、印
刷フィルム7と金属蒸着フィルム8を接着するための接
着剤層14については、そのようなドライラミネートの
ためのウレタン系接着剤が使用されている。
【0049】上記のような印刷フィルム7と金属蒸着フ
ィルム8をラミネートした積層フィルム6を印刷済み樹
脂製フィルムとして3ピース缶の缶胴2に貼着した本実
施形態のフィルム貼着缶体1では、図示していないが、
一方の面に印刷済みの樹脂製フィルムが貼着され、他方
の面に塗膜が形成されるか又は熱可塑性樹脂製フィルム
が貼着された帯状の表面処理鋼板を、一缶分毎の大きさ
の缶胴ブランクに切断してから、該缶胴ブランクをフィ
ルム貼着面が外面となるように筒状に丸めてその両端部
を重合して接合することにより、印刷済みの樹脂製フィ
ルムを貼着した缶胴が形成されている。
【0050】そのような3ピース缶のフィルム貼着缶体
における缶胴の製造の一例について更に詳しく説明する
と、缶胴ブランクに切断される前の表面処理鋼板に貼着
される印刷済みの樹脂製フィルムについては、先ず、主
体層となる透明な熱可塑性樹脂フィルム12の長尺フィ
ルムに対して、その一方の面(表面)上に潤滑剤含有の
トップコート層11を形成すると共に、反対側の面(裏
面)上にグラビア印刷又はフレキソ印刷により印刷イン
キ層13を形成することで、印刷フィルム7の長尺フィ
ルムを製造する。
【0051】その際、印刷フィルム7の長尺フィルムに
は、一缶毎の缶詰ラベルに相当する印刷の繰り返し模様
を、長尺フィルムの長手方向に沿って連続的に印刷する
と共に、そのような長尺フィルムの長手方向に沿って延
びる連続印刷を、長尺フィルムの幅方向で、印刷部分が
非印刷部分を隔てて複数条(複数個の缶体分の印刷)と
なるように印刷することで、印刷インキ層13を形成す
る。(トップコート層11についても、印刷インキ層1
3と同様に、塗装部分が未塗装部分を隔てて複数条とな
るように施される。)
【0052】上記のような繰り返し模様の連続印刷につ
いては、必ずしも複数条となるようにしなければならな
いことはないが、複数条となるように印刷した方が、一
条ずつ印刷する場合と比べて、印刷効率が高く、また、
印刷済みのフィルムを金属板に貼着する場合の生産効率
が高いことによって、製缶コストを低く抑えることがで
きる。
【0053】一方、印刷フィルム7とは別に、熱可塑性
樹脂フィルム17の長尺フィルムに対して、その一方の
面(表面)上にアンカーコート層16を形成し、該アン
カーコート層16上に金属蒸着層15を形成すると共
に、反対側の面(裏面)上に接着剤を塗布して接着剤層
18を形成することで、金属蒸着フィルム8の長尺フィ
ルムを製造する。
【0054】そして、この金属蒸着フィルム8の長尺フ
ィルムと上記の印刷フィルム7の長尺フィルムとを、金
属蒸着層15の上に印刷インキ層13が重なるように、
接着剤14を介してラミネートすることで、印刷インキ
層13と金属蒸着層15を有する一枚の積層フィルム6
の長尺フィルムとする。
【0055】そして、そのような印刷フィルム7と金属
蒸着フィルム8をラミネートした長尺の積層フィルム6
を、図示していないが、金属蒸着フィルムの側が表面処
理鋼板の側になるように、帯状の表面処理鋼板に貼着す
る直前に非印刷部分を切断除去してから、複数条の印刷
部分が狭い間隔を隔てて配置されるように、予め加熱さ
れた帯状の表面処理鋼板の一方の表面側に対し、金属蒸
着フィルムの裏面側に塗布された接着剤層を介して加熱
貼着する。
【0056】なお、長尺の積層フィルムを貼着する帯状
の表面処理鋼板については、該フィルムの貼着面とは反
対側の面に対して、予め、表面処理鋼板の長手方向に延
びる複数条の塗装がインナーコート(内面塗膜)として
施されているか、あるいは、該フィルムと表面処理鋼板
との貼着工程と同時又はその前後に、インナーコートの
代わりとなる熱可塑性合成樹脂フィルムを複数条貼着す
ることとなる。
【0057】そして、積層フィルムによる複数条の印刷
部分が貼着された帯状の表面処理鋼板を、一缶分毎の大
きさの缶胴ブランクに切断し、該缶胴ブランクの積層フ
ィルムを貼着した側が外面になり、積層フィルムを切除
した部分が重合部になるように、該缶胴ブランクを丸め
て両端縁部を重ね合わせ、該重合部を抵抗シーム溶接す
ることにより接合し、接合部の内外を保護塗料で被覆す
ることにより、金属蒸着層を有する印刷済み樹脂製フィ
ルム(積層フィルム)が貼着された3ピース缶用の缶胴
が製造される。
【0058】上記のように缶胴が製造される本実施形態
の金属光沢を有するフィルム貼着缶体によれば、缶胴用
の金属板が極薄錫メッキ鋼板,ニッケルメッキ鋼板等の
表面処理鋼板のようにそれ自体が金属光沢の殆どないも
のでも、文字や模様の印刷されていない部分が金属蒸着
層による鮮やかな金属光沢を有すると共に、印刷インキ
層により付与される文字や模様についても、特別に顔料
の隠蔽力が高い色を除いて、印刷インキ層によりも下層
の金属蒸着層による金属光沢の影響を受けることで、そ
の色と金層蒸着層の金属光沢が組み合わされた光輝性の
高い金属光沢色となることから、金属光沢色を利用した
デザインによる装飾効果を得ることができる。
【0059】また、上記のように金属蒸着層により金属
光沢を得ていることで、缶胴の金属材料の如何にかかわ
らず、蒸着金属の種類を変えることによって、アルミニ
ウムを蒸着した一般的なシルバータイプ以外にも、例え
ば、銅を使うことでブロンズ色、銅亜鉛系を使うことで
ゴールド色、クロムニッケル系を使うことでアルミニウ
ムの場合よりもダークなシルバー色というように、色調
の異なる金属光沢を得ることができ、また、シーライト
加工を使用すれば、部分的な蒸着が可能となって、パタ
ーン化した蒸着フィルムを得ることができる。
【0060】そのような金属蒸着層を有する印刷済みの
熱可塑性樹脂フィルムは、2ピース缶では、成形済みの
筒状の缶胴の外面に貼着されるだけであり、3ピース缶
でも、表面処理鋼板に貼着された後の製缶時に曲げ加工
を受けるだけであって、加工によって表面粗度が大きく
なるような絞り加工、曲げ延ばし加工、しごき加工等の
過酷な加工を受けていないことから、金属蒸着層による
金属光沢が低下するようなことはない。
【0061】また、金属蒸着層を有する印刷済みの熱可
塑性樹脂フィルムを金属製缶胴本体或いは缶胴用金属板
に貼着することで、個々の缶体に対してそれぞれ個別に
金属蒸着や印刷をすることなく、多数の缶体分を長尺の
熱可塑性樹脂フィルムに対して連続して印刷したり金属
蒸着したりすることができるため、缶胴に付与する印刷
インキ層や金属蒸着層の形成を高速化することができる
と共に、文字や模様を付与するための印刷について、オ
フセット印刷以外に、グラビア印刷やフレキソ印刷のよ
うなその他の印刷方法も適宜選択的に実施することが可
能となり、缶胴に直接印刷するドライオフセット印刷の
場合と比べて、その色数や色調の自由度を増大させるこ
とができる。
【0062】なお、本実施形態では、金属蒸着層よりも
上層に形成される印刷インキ層を、グラビア印刷又はフ
レキソ印刷により形成することで、それらの印刷法で使
用される印刷インキが通常の金属印刷で使用されるオフ
セット印刷用の印刷インキに比べて樹脂成分の含有量が
非常に少なく、特別に顔料の隠蔽力が高い色を除いて透
明性が高いことから、下層の金属蒸着層による金属光沢
の影響をより大きく受けて、その色と金層蒸着層の金属
光沢が組み合わされた光輝性の高い金属光沢色を出し易
いものとなっている。
【0063】また、本実施形態では、缶胴の外側面に貼
着されている印刷済みの熱可塑性樹脂フィルムを、金属
蒸着層を有する熱可塑性樹脂フィルムと、印刷インキ層
を有する熱可塑性樹脂フィルムとをラミネートした積層
フィルムとすることで、異なる色調の金属蒸着層を有す
る熱可塑性樹脂フィルムと、異なるデザインの印刷イン
キ層を有する熱可塑性樹脂フィルムとを組み合わせるこ
とによって、より少ない在庫により様々なデザインの缶
体貼着用フィルムを得ることができる。なお、印刷済み
の熱可塑性樹脂フィルムとして、透明な熱可塑性樹脂フ
ィルム一方の面に、順次、印刷インキ層とトップコート
層を設けたものも使用可能である。
【0064】また、本実施形態では、金属蒸着層を有す
る印刷済みの熱可塑性樹脂フィルム(積層フィルム)の
最外層を潤滑剤を含有するトップコート層としているこ
とで、缶体外面の滑り性が向上して、缶蓋巻締時や缶詰
製造時のようなその後の工程での缶体の搬送性が向上さ
せることができ、また、トップコート層が熱硬化性樹脂
であるため、缶詰製造工程の加熱殺菌時にフィルムが熱
収縮を起こしたり、表面にオリゴマーが析出して印刷効
果を減殺するというようなこともない。
【0065】また、本実施形態の金属光沢を有するフィ
ルム貼着缶体によれば、実用化されているフィルム貼着
缶体の製造工程の一部を変更するだけで、すなわち、従
来の印刷済み樹脂製フィルムに金属蒸着フィルムをラミ
ネートする(別の熱可塑性樹脂フィルム上にアンカーコ
ート層を形成する工程と、アンカーコート層の上に金属
蒸着層を形成する工程と、金属蒸着層の上に接着剤層を
形成する工程と、この熱可塑性樹脂フィルムと印刷済み
フィルムとを接着剤層を介して接着する工程を付加す
る)だけで、今まで得られなかった高い装飾効果の缶胴
を、製缶コストを大幅に上げることなく生産することが
できる。
【0066】以上、本発明の金属光沢を有するフィルム
貼着缶体の一実施形態について説明したが、本発明は、
上記のような実施形態にのみ限定されるものではなく、
例えば、上記の実施形態は表面処理鋼板の缶胴を備えた
3ピース缶についてのものであるが、そのような3ピー
ス缶に限らず、表面処理鋼板のDI缶やその他の絞り加
工や絞り再絞り加工による2ピース缶に対しても実施可
能であり、更には、アルミニウム合金製のDI缶に対し
ても、アルミニウム以外の金属による金属蒸着層とする
ことにより、異なる色調の金属光沢とすることで今まで
にない装飾効果の得られるように実施することも可能で
ある。
【0067】なお、2ピース缶の場合には、例えば、連
続的に加熱されながら送られてくる有底円筒状の金属製
缶体に対して、金属蒸着層を有する印刷済みの樹脂製フ
ィルムの長尺フィルムを、その横幅が缶胴の周長よりも
やや長くなるように、一缶分毎の大きさのフィルムシー
トに切断してから、加熱された各缶体の円筒状の缶胴に
連続的に供給して、フィルムシートをその両端部同士を
重ね合わせるように筒状の缶胴の外面に貼付して接着剤
層により仮接着してから、更に、接着剤層が固化する前
にロールで押圧することにより本接着して、有底円筒状
のフィルム貼着缶体とした後、内面塗装やネックイン加
工などのその後の加工工程に送り出すこととなる。
【0068】また、本発明の金属光沢を有するフィルム
貼着缶体では、缶胴に貼着するための金属光沢を有する
樹脂製フィルムについても、上記の実施形態に示したよ
うな印刷フィルムと金属蒸着フィルムとの積層フィルム
に限らず、例えば、図3および図4に示すように、主体
層となる一枚の熱可塑性樹脂フィルム17に対して、一
方の面にアンカーコート層16/金属蒸着層15/印刷
インキ層13/トップコート層11を形成すると共に他
方の面に接着剤層18を形成したり、または、一方の面
にアンカーコート層16/金属蒸着層15/アンカーコ
ート層16/印刷インキ層13/トップコート層11を
形成すると共に他方の面に接着剤層18を形成したよう
な樹脂製フィルムによって実施することも可能である。
【0069】
【発明の効果】以上説明したような本発明の金属光沢を
有するフィルム貼着缶体によれば、缶体の缶胴に付与さ
れる文字や模様のデザインについて、2ピース缶と3ピ
ース缶の何れについても、缶胴の金属材料の如何にかか
わらず、金属蒸着層を有する印刷済みの樹脂製フィルム
を、缶胴に貼着するだけ又は缶胴材料に貼着しておくだ
けで、アルミ合金製DI缶の場合と同様に、鮮やかな金
属光沢色を有するデザインのものにすることができると
共に、更には、アルミ合金製DI缶とは異なるような色
調の金属光沢色を有するデザインのものにすることもで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の金属光沢を有するフィルム貼着缶体の
一実施形態に係る(A)3ピース缶の全体を示す一部断
面斜視図,および(B)該3ピース缶の缶胴の断面積層
構造を示す部分拡大断面図。
【図2】図1(B)に示した樹脂製フィルム(缶体貼着
用フィルム)を構成するための(A)印刷フィルム,
(B)金属蒸着フィルム,および(C)印刷フィルムと
金属蒸着フィルムをラミネートした樹脂製フィルムのそ
れぞれについての断面積層構造を示す部分拡大断面図。
【図3】本発明の他の実施形態における樹脂製フィルム
(缶体貼着用フィルム)の断面積層構造を示す部分拡大
断面図。
【図4】本発明の更に他の実施形態における樹脂製フィ
ルム(缶体貼着用フィルム)の断面積層構造を示す部分
拡大断面図。
【符号の説明】
1 金属製缶体 2 缶胴 5 表面処理鋼板(金属製の缶胴本体) 6 樹脂製フィルム(積層フィルム) 7 印刷フィルム 8 金属蒸着フィルム 11 潤滑剤含有トップコート 12 透明な熱可塑性樹脂フィルム 13 印刷インキ層 14 接着剤層 15 金属蒸着層 16 アンカーコート層 17 熱可塑性樹脂フィルム 18 接着剤層
フロントページの続き Fターム(参考) 3E061 AA16 AB13 AC05 AC07 BA01 BA02 BB01 3E062 AA04 AB02 AC03 DA01 DA09 JA01 JB04 JB24 JB25 JB26 JC09 JD10 4F100 AB01B AB01C AB10 AK01A AK01D AK01E AK07 AK35 AK41 AK42 AK53G AS00E AT00E BA01C BA03 BA05 BA07 BA10A BA10E CA19E CB00 DA01 EH66B GB16 HB31 HB31A JB16A JB16D JL01 JN01D JN24

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂フィルムを主体層として少
    なくとも金属蒸着層と印刷インキ層とを設けた樹脂製フ
    ィルムが、金属蒸着層の方が印刷インキ層よりも金属製
    の缶胴本体の金属面に近くなるように、缶胴の外面側に
    貼着されていることを特徴とする金属光沢を有するフィ
    ルム貼着缶体。
  2. 【請求項2】 樹脂製フィルムの印刷インキ層が、グラ
    ビア印刷又はフレキソ印刷によるものであることを特徴
    とする請求項1に記載の金属光沢を有するフィルム貼着
    缶体。
  3. 【請求項3】 缶胴の外面側に貼着されている樹脂製フ
    ィルムが、熱可塑性樹脂フィルムに対して金属蒸着層を
    形成した金属蒸着フィルムと、透明な熱可塑性樹脂フィ
    ルムに対して印刷インキ層を形成した印刷フィルムとを
    ラミネートした積層フィルムであることを特徴とする請
    求項1又は2に記載の金属光沢を有するフィルム貼着缶
    体。
  4. 【請求項4】 缶胴の外面側に貼着されている積層フィ
    ルムが、該缶胴の金属面側から順に、接着剤層/熱可塑
    性樹脂フィルム層/アンカーコート層/金属蒸着層/接
    着剤層/印刷インキ層/透明な熱可塑性樹脂フィルム層
    /潤滑剤含有トップコート層となっていることを特徴と
    する請求項3に記載の金属光沢を有するフィルム貼着缶
    体。
  5. 【請求項5】 缶胴の外面側に貼着されている積層フィ
    ルムが、該缶胴の金属面側から順に、熱接着性を有する
    熱可塑性樹脂フィルム層/アンカーコート層/金属蒸着
    層/接着剤層/印刷インキ層/透明な熱可塑性樹脂フィ
    ルム層/潤滑剤含有トップコート層となっていることを
    特徴とする請求項3に記載の金属光沢を有するフィルム
    貼着缶体。
  6. 【請求項6】 樹脂製フィルムを貼着した缶胴が、片面
    に樹脂製フィルムが貼着された表面処理鋼板を、一缶分
    毎の大きさの缶胴ブランクに切断してから、該缶胴ブラ
    ンクをフィルム貼着面が外面となるように筒状に丸めて
    その両端部を重合して接合することにより形成されるよ
    うな3ピース缶の缶胴であることを特徴とする請求項1
    乃至5に記載の金属光沢を有するフィルム貼着缶体。
  7. 【請求項7】 樹脂製フィルムを貼着した缶胴が、缶底
    が一体的に成形された有底筒状の金属製缶体の缶胴本体
    に対して、長尺の樹脂製フィルムを、その横幅が缶胴の
    周長よりもやや長くなるように、一缶分毎の大きさのフ
    ィルムシートに切断してから、その両端部同士を重ね合
    わせるように筒状の缶胴の外面に貼着することにより形
    成されるような2ピース缶の缶胴であることを特徴とす
    る請求項1乃至5に記載の金属光沢を有するフィルム貼
    着缶体。
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