JP4920720B2 - 誘導加熱調理器 - Google Patents

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Description

この発明は、被加熱物内の内容物の粘性を推定し、粘性に応じた加熱制御を行う誘導加熱調理器に関するものである。
鍋等の被加熱物内で調理される内容物には、水などの比較的粘性が低いものだけではなく、ポタージュスープやカレーなどの様に粘性の高い食材も多い。粘性の高い食材は加熱調理時に対流が起きにくいため、鍋側面に近い部分の内容物の温度は上昇しやすいが、鍋側面から離れた部分の温度が上がりにくい。したがって、鍋側面近くの内容物のみが異常に加熱され、焦げ付きが発生する。
そこで、従来より内容物の粘性を考慮した加熱制御を行う誘導加熱調理器が提案されている。例えば、「被調理物を入れる鍋を誘導加熱する加熱コイルと、加熱コイルを用いて誘導加熱を行うための高周波電力供給手段と、加熱コイルにより被加熱物が直接加熱されない位置の被加熱物下部温度を検出する第1の温度検出手段と、加熱コイルにより被加熱物が直接加熱される位置の被加熱物下部温度を検出する第2の温度検出手段と、第1の温度検出手段および第2の温度検出手段の検出値の差を基に被加熱物内の被調理物の粘性を判定する粘性判定手段と、加熱制御を行うための制御手段とを備え、粘性判定手段で被加熱物内の被調理物の粘性を判断し、加熱量に反映することで被調理物の粘性に応じた加熱制御を行うことを特徴とする加熱調理器。」がある(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−140762号公報(請求項1、第1図)
上記特許文献1では、被加熱物の2箇所の温度を検出し、その検出値の差を基に被加熱物内の被調理物の粘性を判定しているため、二つの温度検出手段を設ける必要があり、この結果、コストが増大し、また、誘導加熱調理器の他の各種部品類のレイアウト上の制約が増すという問題があった。
この発明はこのような点に鑑みなされたもので、低コストで各種部品のレイアウト上の制約を低減することが可能な誘導加熱調理器を得ることを目的とする。
この発明に係る誘導加熱調理器は、被加熱物を載置する天板と、天板の下に設けられ、被加熱物を誘導加熱する加熱コイルと、交流電圧を高周波電圧に変換して加熱コイルに高周波電流を流す駆動回路と、被加熱物の表面の温度を検出する温度検出手段と、天板に載置された被加熱物の重量を検知する重量検知手段と、駆動回路を制御する制御回路とを備え、制御回路は、重量検知手段の検知重量が重いほど、小さい値となるように粘性しきい値を設定すると共に、所定時間、所定入力電力となるように駆動回路を制御し、その間の温度検出手段による検出温度の温度上昇値又は温度上昇率を算出し、算出した温度上昇値又は温度上昇率が、粘性しきい値よりも大きい場合、粘性高と推定し、算出した温度上昇値又は温度上昇率が、粘性しきい値以下の場合、粘性低と推定し、推定結果に応じて駆動回路を制御するものである。
この発明によれば、制御回路が所定時間、所定入力電力となるように駆動回路を制御し、その間の温度検出手段による検出温度の温度上昇値又は温度上昇率を算出し、その算出結果に基づいて被加熱物内の内容物の粘性推定を行うようにしたため、温度検出手段を複数個設ける必要がなくなり、誘導加熱調理器のコストを低減するとともに、その各種部品のレイアウト上の制約を低減することができる。
実施の形態1に係る誘導加熱調理器の構成を示すブロック図である。 実施の形態1の誘導加熱調理器の動作を示すフローチャートである。 実施の形態1における時間tと目標温度Tobjとの関係式fT(t) を示す図である。 実施の形態2の誘導加熱調理器の動作を示すフローチャートである。 実施の形態3に係る誘導加熱調理器の構成を示すブロック図である。 実施の形態3の誘導加熱調理器の動作を示すフローチャートである。 合計重量Jに応じた粘性しきい値を算出するための関係式fα(J) を示す図である。 実施の形態4の誘導加熱調理器の動作を示すフローチャートである。 単位重量当たりの温度上昇値α/Jと係数Kとの関係式fK(α/J)を示す図である。 実施の形態5の誘導加熱調理器の動作を示すフローチャートである。 鍋と内容物の合計重量Jに応じた最大積算電力量Pobjを算出するための関係式fP(J) を示す図である。 実施の形態6の誘導加熱調理器の動作を示すフローチャートである。 実施の形態7の誘導加熱調理器の動作を示すフローチャートである。 実施の形態8における時間tと目標温度Tobjとの関係式fT(t) を示す図である。 実施の形態9に係る誘導加熱調理器の構成を示すブロック図である。 実施の形態10に係る加熱コイルの形状および駆動回路の構成を示す図である。 図1に示す誘導加熱調理器の他の第1の態様を示すブロック図である。 図1に示す誘導加熱調理器の他の第2の態様を示すブロック図である。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る誘導加熱調理器の構成を示すブロック図である。
誘導加熱調理器は、被加熱物である鍋1を載置する天板2と、天板2の下に配設した加熱コイル3と、鍋側面から放射される赤外線に基づき鍋側面温度を非接触で検出する温度検出手段である赤外線センサー4とを備えている。また、誘導加熱調理器は、商用交流電源5から供給される商用電力を高周波電力に変換して加熱コイル3に高周波電流を流す駆動回路6と、入力電流検出回路7と、入力電圧検出回路8と、制御回路9とを備えている。赤外線センサー4、入力電流検出回路7および入力電圧検出回路8のそれぞれの検出値は制御回路9に出力される。加熱コイル3、駆動回路6、制御回路9、入力電流検出回路7および入力電圧検出回路8は筐体10内に収納されている。なお、鍋1に投入される内容物11としては、ポタージュスープ、カレー、味噌汁、水などがある。
制御回路9はマイクロコンピュータで構成され、CPU、RAMおよびROM等を備えており、ROMには制御プログラムと、内容物11の粘性の高低を推定するための後述の粘性しきい値と、後述の各関係式等が記憶されている。制御回路9は、制御プログラムにしたがって誘導加熱調理器全体を制御する。また、制御回路9は、鍋1内で調理される内容物11の粘性を推定する粘性推定機能を備えており、その推定結果に基づき駆動回路6を制御して入力電力を制御する。
制御回路9は、入力電流検出回路7からの入力電流と、入力電圧検出回路8からの入力電圧とから入力電力を演算し、所定時間、所定の入力電力を維持するように駆動回路6を制御する。そして、このときの鍋側面の温度上昇値又は温度上昇率を赤外線センサー4の検出温度に基づいて演算し、温度上昇値又は温度上昇率に基づいて内容物11の粘性推定を行う。そして、制御回路9は、粘性が高いと判定した場合、粘性が高い場合用の制御(後述)を行う。粘性が高い場合用の制御とは、具体的には鍋側面の温度上昇率を、予め設定した所定の温度上昇率に抑え、粘性が低い場合に比べてゆっくりと加熱する制御である。
図2は実施の形態1の誘導加熱調理器の動作を示すフローチャートである。以下、図2を参照して実施の形態1の誘導加熱調理器の動作を説明する。
操作入力部(図示せず)から加熱動作の開始が入力され、火力レベルが設定されると、制御回路9は、内蔵のタイマー(図示せず)の計測時間tを初期値としてゼロに設定する(S10)。次に、制御回路9は、赤外線センサー4から鍋側面の初期温度Toを読み込む(S11)。そして、制御回路9は駆動回路6の駆動を開始する。制御回路9は、入力電流検出回路7および入力電圧検出回路8からの検出値により入力電力を把握しており、その入力電力が所定電力を所定時間t0継続するように(例えば、入力電力500Wで20秒間継続するように)、駆動回路6を制御する(S12)。これにより、加熱コイル3に高周波電流が流され、鍋1が誘導加熱される。
そして、所定入力電力で所定時間駆動後、赤外線センサー4で鍋側面温度Taを読み込み、鍋側面温度TaとS11で読み込んだ初期温度Toとから、所定時間内での鍋側面の温度上昇値αを演算する(S13)。
以上のS11〜S14の処理により、所定入力電力で所定時間駆動した場合の鍋側面の温度上昇値が演算される。
ここで、内容物11の粘性が高い場合は、鍋1内で対流が発生せず、内容物11は鍋1と接する部分しか加熱されない。このため、温度上昇値αは大きい値を示す。一方、粘性が低い場合は、鍋1内で対流が発生し、鍋1の熱は内容物11中心部まで伝わるため、温度上昇値αは小さい値を示す。したがって、制御回路9は温度上昇値αと予め設定された粘性しきい値とを比較し(S15)、温度上昇値αが粘性しきい値以下であれば内容物11の粘性が低いと判定し、使用者による設定火力にするための通常の電力制御を行う(S23)。一方、温度上昇値αが粘性しきい値未満であれば内容物11の粘性が高いと判定し、粘性が高い場合用の制御(S16〜S22)を行う。S16〜S22については後述する。
ここで、粘性しきい値について説明する。誘導加熱調理器の加熱効率は約90%であるため、例えば1KWを5秒間投入した場合、鍋1に与えられる合計電力量は0.9×1KW×5秒=4500W秒となる。また、鍋の重量をW(g)、鍋の比熱A(cal/(g・℃))、鍋内部の水の量をM(g)、水の比熱=1とすると、鍋と水を1℃上昇するのに必要な熱量は、次の(1)式で求められる。
4.18×(1×M+W×A) ・・・(1)
なお、1cal=4.18J
したがって、正常な対流が発生していれば内容物11全体が一律に温度上昇し、温度上昇値は次の(2)式で求められる。
4500/(4.18×(1×M+W×A)) ・・・(2)
対流が発生する場合において最も上昇値が大きくなるのは、軽い鍋で少ない水を加熱した場合である。そこで、例えば水の量M=200、鍋の重量W=800、鍋の比熱A=0.13とした場合、上記(1)式より、おおよそ3.5℃の上昇値となる。したがって、これよりも温度上昇値が大きい場合は、正常に対流が発生しておらず、内容物11の粘性が高いといえる。以上より、軽い鍋で少ない水を加熱した場合の温度上昇値を予め算出し、この値を粘性しきい値とする。なお、粘性しきい値を算出するにあたっての鍋の重量W、鍋の比熱A、鍋内部の水の量Mは、上記の数値に限られたものではない。
図2のフローチャートの説明に戻る。制御回路9は、S15において温度上昇値αが粘性しきい値より高く、内容物11の粘性が高いと判定した場合、粘性が高い場合用の制御(S16〜S22)を行う。粘性が高い場合用の制御とは、上述したように、鍋側面の温度上昇率を、予め設定した所定の温度上昇率に抑え、粘性が低い場合に比べてゆっくりと加熱する制御である。
以下、S16〜S22の処理について詳細に説明する。図3はS16〜S22の処理に用いる時間tと目標温度Tobjとの関係式fT(t) を示す図で、この関係式fT(t)の傾きが所定の温度上昇率に相当する。なお、図3において途中傾きが0になっているが、これは最終目標温度(使用者により設定された火力に対応する温度)に到達した場合を示している。
まず、制御回路9は、所定の単位時間(図3では例えば1秒)をカウントする(S16)。これによりS17〜S22の処理は1秒毎に実行されることになる。そして、タイマーtをカウントアップし(S17)、図3の関係式fT(t) から現時間(t=1)に対応した目標温度Tobjを決定する(S18)。なお、関係式fT(t) を用いるのに代えて、時間tと目標温度Tobjとを対応付けたテーブルを用いて目標温度Tobjを決定するようにしてもよい。
そして、赤外線センサー4により鍋側面温度Taを読み込み(S19)、鍋側面温度Taが目標温度Tobjに等しくなるように駆動回路6にて加熱コイル3を制御する(S20〜S22)。すなわち、鍋側面温度Taが目標温度Tobj未満であれば加熱コイル電流を増加するように駆動回路6を制御し(S22)、鍋側面温度Taが目標温度Tobj以上であれば、加熱コイル電流が停止するように駆動回路6を制御する。そして、S16に戻って同様の処理を1秒毎に繰り返す。以上のS16〜S22の処理により、鍋側面の温度は図3で示すような所定の傾き(温度上昇率)にしたがって温度上昇する。そして、使用者による設定火力に対応した温度(最終目標温度)となると、その温度を維持する制御を行う。なお、最終目標温度は使用者による設定火力により異なるものであり、例えばさらに強い火力が設定された場合は、図3点線に示すように同じを保ったままさらに上昇し、対応の最終目標温度で傾き0となる関係式となる。
以上説明したように実施の形態1によれば、所定時間、所定電力で誘導加熱を行い、その間の赤外線センサー4が検出した温度上昇値に基づいて内容物11の粘性を推定するようにしたことにより、温度センサーを複数個設ける必要がなくなる。よって、誘導加熱調理器のコストを低減するとともに、その各種部品のレイアウト上の制約を低減することができる。
また、鍋側面の温度上昇値に基づいて粘性推定を行うようにしたので、反り鍋などの場合でも正確に温度検出を行うことができ、ポタージュスープやカレーなどの様に粘性の高い食材を正確に検知することが可能である。
また、天板2を介して天板2の下方から鍋1の温度を検出する温度センサーの場合、温度検出が可能となるまでに天板2の温度上昇に伴う遅延が生じるが、赤外線センサーではこのような遅延無く鍋1の温度検出が可能である。したがって、調理開始後最初の粘性推定を早期に行うことができる。
また、粘性が高いと推定した場合、鍋側面の温度上昇率を所定の温度上昇率に抑え、ゆっくりと加熱するようにしたので、内容物11の対流に頼らず、熱伝導中心に内容物11を均一に加熱することができる。これにより、鍋表面近傍の部分的な異常加熱による焦げ付きを回避できる。また、鍋表面近傍の食材のみが高温に加熱されて爆発的に沸騰する突沸現象を防止できる。さらに、鍋温度が所定温度に到達すると加熱を停止して仕上がり報知する機能においては、内部が充分に加熱されていない状態での仕上がり報知が動作してしまうことを回避できる。
また、粘性推定を行うに際し、所定時間、所定電力で鍋1を誘導加熱し、そのときの鍋側面の温度上昇値を用いるようにしたので、内容物11の粘性を正確に判断することが可能となる。すなわち、鍋側面の温度上昇値は、鍋1内の内容物11の粘性高の場合と低の場合とで確実に差が生じる。このため、鍋1を所定時間、所定電力で誘導加熱して差が生じる状態を作り出した上で粘性推定を行うことにより、内容物11の粘性を正確に判断することが可能となる。
なお、上記の説明では鍋1の種類(材質)を考慮せずに粘性しきい値を設定しているが、鍋1の種類(材質)を考慮して最適な粘性しきい値を設定しても良い。この場合、従来既存の方法で鍋1の材質を判定し、その判定結果に対応した粘性しきい値を用いて粘性推定を行うようにすればよい。この場合、さらに正確な粘性推定が可能となる。
また、温度検出手段として、赤外線センサーを用いているため、天板2の下面に接触させてこの天板2の板厚分を経由して鍋1の温度を検出することになるサーミスターに比較して、遅延なく温度を検出することができる。このため、より正確に内容物の11の粘性を推定することができる。
実施の形態2.
実施の形態1では加熱開始後に1回だけ粘性推定を行っていたが、実施の形態2では加熱中に繰り返し粘性推定を行うようにしたものである。
実施の形態2の誘導加熱調理器のブロック構成は実施の形態1の図1と同じであり、実施の形態1とはその動作が異なるのみである。図4は実施の形態2の誘導加熱調理器の動作を示すフローチャートである。なお、図4においてS10〜S23までは実施の形態1と同じであり、実施の形態2ではS24とS25が追加されている点が異なる。以下、実施の形態2の誘導加熱調理器の動作を、実施の形態1と異なる点を中心に図4を参照して説明する。
S15の粘性推定を行った後、鍋側面の温度を所定の温度上昇率αで上昇させるための制御(S17〜S22)を行う。そして、前回の粘性推定から所定時間ts(例えば3分)経過したかを判定し(S24)、前回の粘性推定から所定時間ts経過していなければS16に戻り、所定時間ts経過していればS11に戻る。すなわち、所定時間ts経過していれば、再度、所定時間t0、所定電力で加熱コイル3を駆動し、このときの鍋側面の温度上昇値を演算して粘性推定を行う。
以上説明したように実施の形態2によれば、実施の形態1と同様の作用効果が得られると共に、加熱中も繰り返し粘性推定を行うようにしたので、調理途中で粘性が変化した場合、その変化に対応した加熱制御が可能である。例えば、調理途中でカレールー等を投入して粘性が増加した場合等に対応可能となる。また、加熱開始時は粘性が高く、温度上昇に伴い粘性が低下するような場合には、加熱開始当初は温度上昇率を抑えた制御となり、その後、粘性が低下すると、使用者による火力設定に応じた通常の電力制御に切り替わる。このように、調理開始から調理終了に渡って粘性の変化に応じた適切な制御に切り替わるため、使い勝手の良い誘導加熱調理器を提供できる。
実施の形態3.
実施の形態1では粘性しきい値を固定値としていたが、実施の形態3では鍋1と内容物11との合計重量Jに応じて可変としたものである。すなわち、実施の形態1では、軽い鍋1で少量の水を加熱した場合を温度上昇値が最も大きくなる場合とみなし、水の量Mおよび鍋の重量Wをある値に固定して粘性しきい値(温度上昇値)を固定値として決定していた。しかしながら、鍋1が大きい場合や内容物11の量が多い場合は、熱容量が大きいため、内容物11の粘性が高かったとしても、所定時間、所定電力を投入した際の温度上昇値は小さくなる。このため、粘性が低い場合との区別が困難で、粘性が低いと見誤る可能性がある。そこで、実施の形態3では合計重量Jが重いほど、粘性しきい値が小さくなるように設定し、その粘性しきい値に基づいて粘性の高低を判断することで、さらに粘性推定の精度を向上するようにしたものである。
図5は実施の形態3における誘導加熱調理器のブロック構成を示す図である。図5において、図1と同一部分には同一符号を付す。
実施の形態3の誘導加熱調理器において、キッチン台13の開口部に筐体10部分が挿入され、天板2の外周部がキッチン台13上に係止し、筐体10と天板2とで構成される誘導加熱調理器本体がキッチン台13に載置されている。また、天板2の四隅とキッチン台13の上面との間には重量検知手段12(12a、12b、12c(図示せず)、12d(図示せず))が配置されている。重量検知手段12は、具体的には例えば歪みセンサーで構成される。
各重量検知手段12は、天板2上に鍋1が載置されると、誘導加熱調理器本体(天板2と筐体10)と、鍋1と、内容物11との合計重量に応じた信号をそれぞれ出力する。制御回路9は、各重量検知手段12の出力より求めた重量から予め記憶されている本体重量を差し引き、鍋1と内容物11の重量を算出する。
図6は実施の形態3の誘導加熱調理器の動作を示すフローチャートである。なお、図6は、図2に示した実施の形態1のフローチャートにおいてS11に代えてS11aを行い、S15に代えてS15aを行うようにした点のみが異なり、その他は実施の形態1と同じである。また、図7は、合計重量Jに応じた粘性しきい値を算出するための関係式fα(J) を示す図である。以下、実施の形態3の誘導加熱調理器の動作を、実施の形態1と異なる点を中心に図6を参照して説明する。
実施の形態3では、赤外線センサー4の初期温度Toの読み込みと同時に各重量検知手段12の出力から鍋1と内容物11の合計重量Jを算出する(S11a)。そして、S15aの粘性推定では、S11aで算出した合計重量Jに応じた粘性しきい値を図7に示す関係式fα(J) から決定する。この関係式fα(J) は予め制御回路9のメモリ内に記憶されている。なお、関係式fα(J) を用いるのに代えて、合計重量Jと粘性しきい値とを対応付けたテーブルを用いて粘性しきい値を決定するようにしてもよい。
そして、関係式fα(J) により決定した粘性しきい値と鍋側面の温度上昇値αとを比較し(S15a)、温度上昇値αが粘性しきい値以下であれば内容物11の粘性が低いと判定し、使用者による設定火力にするための通常の電力制御を行う(S23)。一方、温度上昇値αが粘性しきい値未満であれば内容物11の粘性が高いと判定し、粘性が高い場合用の制御(S16〜S22)を行う。S16〜S22は実施の形態1と同様であり、鍋側面の温度上昇を所定の温度上昇率に抑えながら加熱する制御を行う。
以上説明したように実施の形態3によれば、実施の形態1と同様の作用効果が得られると共に、鍋1と内容物11との合計重量Jが重いほど、粘性しきい値が小さくなるように設定するようにしたので、実際の多様な使用状況に見合った粘性推定が可能となる。すなわち、例えば粘性の高い内容物11を多量に調理する場合でも、粘性が低いと見誤ることなく粘性が高いと正確に推定することが可能となる。
なお、上記では合計重量Jから関係式fα(J) により一意に粘性しきい値を決定するようにしていたが、さらに正確を期す場合は次のようにする。鍋1の重量Wと、内容物11の重量Mとをそれぞれ測定する。そして、これらの測定値を用いて所定時間t0、所定電力を投入した場合の温度上昇値αを例えば上記(2)を用いて演算し、これを粘性しきい値とする。なお、Aは鍋1の比熱であり、内容物11の比熱は1と仮定して演算する。また、鍋1に内容物11を投入した後など、鍋1と内容物11の合計重量しか測定できない場合には、鍋1の重量を代表的な重量値に固定し、合計重量から差し引いた値を内容物11の重量と見なして演算するようにしてもよい。例えば、鍋と内容物の合計重量が3kgの場合、鍋1部分の重量Wを1kgの固定値とし、内容物11の重量Mの部分を2kgとして温度上昇値を求め、この値を粘性しきい値とする。
上記実施の形態3では鍋1の大きさや内容物11の量の変化に対応するため、合計重量Jに応じて粘性しきい値を変更するようにしていたが、この方法に代えて以下のようにしてもよい。鍋1の側面温度がある一定温度Tα 上昇するのに必要な合計電力量を鍋1と内容物11の重量を用いて計算し、その計算上の必要電力量と実際に要した積算電力量との比較により粘性推定を行うようにする。すなわち、鍋1と内容物11の重量を測定して、対流が生じている場合に、鍋1の温度がある一定温度Tα 上昇するのに必要な合計電力量を、4.18×(1×M+W×A)×Tα で求め、この合計電力量が入力されるように実際に電力投入を開始する。そして、その合計電力量に到達する前に一定温度Tα 上昇した場合には粘性高と推定する。
具体例で説明すると、温度Tα を3.5℃とした時、鍋1の重量M=200、内容物11の重量W=800、鍋1の比熱A=0.13であれば、約4500W秒を投入すれば温度Tα に到達するはずであるが、それよりも少ない電力量で3.5℃上昇した場合、粘性が高いと推定する。この方法では、いわば上記式で計算された合計電力値が粘性推定のしきい値となり、鍋1や内容物11の重量に応じて異なる値となる。この方法においても、重量に応じて粘性しきい値を変えるため、重量の軽重にかかわらず粘性推定が行える。
実施の形態4.
上記各実施の形態では、粘性が高いと推定した場合、粘性低の場合に比べて低い温度上昇率に抑えて鍋側面の温度を目標温度まで上昇させる加熱制御を行っているが、実施の形態4では、粘性推定時の粘性の程度に応じて、その温度上昇率を可変としたものである。具体的には粘性が高いほど温度上昇率を低く設定し、ゆっくりと加熱するようにしたものである。
実施の形態4の誘導加熱調理器のブロック構成は実施の形態3の図5と同様であり、実施の形態3とはその動作が異なるのみである。図8は実施の形態4の誘導加熱調理器の動作を示すフローチャートである。なお、図8のフローチャートは、図6に示した実施の形態3のS15aの直後に新たにS15bを追加するとともに、S18に代えてS18aとした点のみが異なり、その他は実施の形態3と同様である。また、図9は単位重量当たりの温度上昇値α/Jと係数Kとの関係式fK(α/J)を示す図である。係数Kは、単位時間(図9のフローチャートでは1秒(S16参照))毎の目標温度Tobjを算出する際の係数であり、いわば温度上昇率を決定する係数である。以下、実施の形態4の誘導加熱調理器の動作を、実施の形態3と異なる点を中心に図8を参照して説明する。
S15で粘性推定を行い、粘性高と推定した場合、制御回路9はS14で演算した温度上昇値αを鍋1と内容物11の合計重量Jで割って、単位重量当たりの温度上昇値を演算する。そして、図9の関係式fK(α/J)から係数Kを算出する。なお、関係式fK(α/J)を用いるのに代えて、単位重量当たりの温度上昇値α/Jと係数Kとを対応付けたテーブルを用いて係数Kを決定するようにしてもよい。
そして、鍋側面の温度上昇率を粘性が低い場合に比べて抑える制御(S16〜S22)に入る。まず制御回路9は、所定時間(ここでは例えば1秒)をカウントする(S16)。これによりS17〜S22の処理は1秒毎に実行されることになる。そして、タイマーtをカウントアップし(S17)、fT(t)×Kを演算して現時間(t=1)に対応した目標温度Tobjを決定する(S18a)。ここで、図9に示したように、単位重量当たりの温度上昇値が大きい場合、即ち、粘性が大きいと推定される場合は係数Kが小さくなる。このため、鍋側面温度Taを最終目標温度まで上昇させる際の温度上昇率が小さくなる。即ち、推定粘性の高いものほどよりゆっくりと加熱されることになる。これ以降の動作は実施の形態3と同様である。
以上説明したように実施の形態4によれば、推定粘性の高い物ほどよりゆっくりと加熱するようにしたので、内容物11の鍋1への焦げ付きや、鍋表面近傍の食材のみが高温に加熱されて爆発的に沸騰する突沸現象を防止できる。また、比較的粘性の低い食材については、温度上昇を速くするので、使い勝手の良い誘導加熱調理器を提供できる。
実施の形態5.
上記各実施の形態では、粘性高と推定した場合に、温度上昇率を低く抑えて前記被加熱物の温度を目標温度まで上昇させるように制御しており、この点は実施の形態5も同様である。実施の形態5では、使用者による設定火力に応じた温度(最終の目標温度)への到達、未到達にかかわらず、入力積算電力量が、鍋1と内容物11の合計重量Jに応じて決定した最大積算電力量Pobjを超えた場合は、加熱を停止するようにしたものである。
実施の形態5の誘導加熱調理器のブロック構成は実施の形態3の図5と同じであり、実施の形態3とはその動作が異なるのみである。図10は実施の形態5の誘導加熱調理器の動作を示すフローチャートである。なお、図10は、図6に示した実施の形態3のフローチャートにおいてS10に代えてS10a、S11に代えてS11aを行い、さらにS27〜S30が新たに加えた点のみが異なり、その他は実施の形態3と同じである。また、図11は、鍋1と内容物11の合計重量Jに応じた最大積算電力量Pobjを算出するための関係式fP(J) を示す図である。なお、図11は検出した重量物をおおよそ100℃にする為に必要な積算電力量となっている。以下、実施の形態5の誘導加熱調理器の動作を、実施の形態3と異なる点を中心に図10を参照して説明する。
操作入力部(図示せず)から加熱動作の開始が入力され、火力レベルが設定されると、制御回路9は、内蔵のタイマー(図示せず)の計測時間tを初期値としてゼロに設定するとともに、積算電力量Pをゼロに設定する(S10a)。その後、S23までは実施の形態6と同様である。そして、入力電圧と入力電流を読み込んで入力電力Wを計算し(S27)、積算電力量Pに入力電力Wを加算して積算電力量Pを更新する(S28)。S28はS16の処理にて1秒毎に実行される為、P+W×1秒によりワット・秒の積算電力量がPに加算されていく。そして、積算電力量Pが最大積算電力量Pobjを超えない間はS16に戻って所定の温度上昇率に抑えた加熱制御を行い、最大積算電力量Pobjを超えた場合、加熱を停止する(S30)。最大積算電力量Pobjは、鍋1の側面温度をここではおよそ100℃にするために必要な積算電力量であるため、最大積算電力量Pobjを超える場合とは、およそ100℃に到達した場合となる。実施の形態5は、鍋1の温度を、使用者による設定火力に応じた温度(最終の目標温度)へ最終的に導くことにこだわらず、粘性が高い場合の突沸現象の防止を優先した制御である。
以上説明したように実施の形態5によれば、粘性の高い食材の場合は、温度上昇率を抑えて加熱速度をゆっくりとすることで、鍋1の中央部も含めて内容物11の温度を全体的に一様に上昇させる。加えて、投入電力量が最大積算電力量Pobjを超えた場合、加熱を停止する。このように二重の制御を行うようにしたため、より確実に内容物の鍋への焦げ付きや、鍋表面近傍の食材のみが高温に加熱され、爆発的に沸騰する突沸現象を防止できる。
なお、関係式fP(J) を用いるのに代えて、合計重量Jと最大積算電力量Pobjとを対応付けたテーブルを用いて最大積算電力量Pobjを決定するようにしてもよい。
また、上記では合計重量Jから関係式fP(J) により一意に最大積算電力量Pobjを決定するようにしていたが、さらに正確を期す場合は次のようにする。鍋1の重量Wと、内容物11の重量Mとをそれぞれ測定する。そして、これらの測定値を用いて4.18×(1×M+W×A)×Tobjを演算して最大積算電力量Pobjを決定する。例えば、M=200、W=800、A=0.13、最終的な目標温度を100℃とすると4.18×(1×200+800×0.13)×100=127KW秒となる。
実施の形態6.
実施の形態6は、いわば実施の形態2(調理中の繰り返し粘性推定)と実施の形態3(合計重量Jに応じた粘性しきい値設定)とを組み合わせた形態に相当するものである。
実施の形態6の誘導加熱調理器のブロック構成は実施の形態3の図5と同じである。図12は実施の形態6の誘導加熱調理器の動作を示すフローチャートである。なお、図12は、図6に示した実施の形態3のフローチャートに対してS24とS25とが追加されている点のみが異なり、その他は実施の形態3と同様である。以下、実施の形態6の誘導加熱調理器の動作の要点を図12を参照して説明する。
実施の形態6では、実施の形態3と同様に所定時間、所定電力で動作させて、鍋側面の温度上昇値αの演算と、鍋1および内容物11の合計重量Jの検出を行う(S10〜S14)。そして、合計重量Jに応じた粘性しきい値fα(J)と温度上昇値αとの比較により粘度推定を行う。実施の形態6では、この粘度推定を実施の形態2と同様に所定時間Ts(例えば3分)毎に粘性推定を行う。
以上説明したように実施の形態6によれば、実施の形態2および実施の形態3と同様の作用効果が得られるとともに、以下の効果が得られる。すなわち、調理途中でカレールー等を投入して粘性が増加したり、内容物11を新たに投入して重量が増加したり、また、蒸発により重量の減少が生じた場合でも、粘性変化や重量変化を加味した正確な粘性推定が可能となる。よって、調理開始から調理終了に渡って、内容物11の鍋1への焦げ付きや突沸現象を防止できる。
実施の形態7.
実施の形態7は、内容物11の粘性が高いと推定し、温度上昇率を抑えた制御を行っている最中に使用者による内容物11のかきまぜ行為があった場合にはそのかきまぜ行為を検出する。そして、かきまぜ行為終了後に再度粘性推定を行い、その粘性推定結果に応じて加熱制御を行うようにしたものである。
実施の形態7の誘導加熱調理器のブロック構成は実施の形態3の図5と同じであり、実施の形態3とはその動作が異なるのみである。図13は実施の形態7の誘導加熱調理器の動作を示すフローチャートである。図13は、実施の形態4の動作を示す図8のフローチャートに対して、S31〜S35が追加されている点が異なる。以下、実施の形態7の誘導加熱調理器の動作を、実施の形態4と異なる点を中心に図13を参照して説明する。
実施の形態7では、粘性が高いと推定した場合(S15a)、実施の形態4と同様に鍋側面の温度上昇率を予め設定した温度上昇率に抑える制御(S16〜S22)を行い、その制御中に以下のS31〜S34の処理を行う。すなわち、制御回路9は鍋1と内容物11の合計重量JをJoldに格納し(S31)、続いて鍋1と内容物11の合計重量Jを新たに読み込み(S32)、ΔJ=│J−Jold│を演算する(S33)。これらの処理により、1秒前のJoldと今回のJとの重量差がΔJとして演算される。使用者によりかきまぜが行われた場合、そのかきまぜ行為による内容物11の動きによって重量検知手段12による検出値が変化するため、ΔJは所定値よりも大きな値となる。したがって、ΔJが所定値を超える場合(S34)、かきまぜ行為有と判定する。そして、そのかきまぜ行為が終了すると(S35)、S11aに戻り、鍋側面の温度上昇値αの演算と重量Jの検出を行って再度粘性推定を行う。よって、かきまぜ行為によって粘性が低下し、S15aの粘性推定結果が粘性低となった場合には、粘性高の場合の制御から、通常の加熱制御に切り替えられる。一方、ΔJが所定値未満の場合(S34)、かきまぜ行為無と判定してS16に戻り、粘性高の場合の制御を継続して行う。
以上説明したように実施の形態7では、実施の形態4と同様の作用効果が得られるとともに、以下の効果が得られる。すなわち、粘性高の場合の温度上昇率を抑えた制御を行っている最中に使用者による内容物11のかきまぜ行為があり、そのかきまぜ行為によって粘性が低下した場合には、使用者による火力設定に応じた通常の電力制御に切り替えられる。よって、実際の調理作業に見合った加熱制御が可能となり、使い勝手の良い誘導加熱調理器を提供できる。
実施の形態8.
図14は実施の形態8における時間tと目標温度Tobjとの関係式fT(t) を示す。上記実施の形態1〜7では、図3に示すように時間tと目標温度Tobjとの関係式が直線的に上昇する関数となっているが、図14では、加熱開始当初の低温時に比べて高温時の関係式の傾きが小さく(すなわち温度上昇率が低く)なっている。これにより、高温時にはさらにゆっくりと加熱する制御となる。なお、図14の関係式fT(t)についても、時間tと目標温度Tobjとを対応付けたテーブルに代えてもよい。また、図14では、温度上昇率をいわば2段階に設定した例を示したが、さらに多段としてもよい。要は、この実施の形態8は、最初の粘性推定で粘性高と判定した場合、その後の鍋側面の検知温度が高くなるにつれ、鍋側面の温度上昇率が低下するように制御する形態を含むものである。このように制御することにより、内容物11の鍋1への焦げ付きや、鍋表面近傍の食材のみが高温に加熱されて爆発的に沸騰する突沸現象をより確実に防止できる。
実施の形態9.
図15は実施の形態9における誘導加熱調理器を示すものである。図15において、図5に示した実施の形態3と同一部分には同一符号を付す。
実施の形態9の誘導加熱調理器は、実施の形態3の誘導加熱調理器に、さらに使用者に音声で報知するための音声出力装置14と、使用者に表示で報知するための表示装置15とを備えたものである。その他は実施の形態3と同様である。
実施の形態9の制御回路9は、内容物11の粘性が高いと推定した場合、音声出力装置14および表示装置15の一方又は両方にてかきまぜを行なうように報知させる。これにより、使用者によるかきまぜが行なわれるため、局部的な異常温度上昇が解消できるので、内容物11の鍋1への焦げ付きや、鍋表面近傍の食材のみが高温に加熱されて爆発的に沸騰する突沸現象を防止できる。
実施の形態10.
実施の形態10における誘導加熱調理器のブロック構成は図1又は図5で示されるが、加熱コイル3の形状および駆動回路6の構成が図16に示される構成となっている。図16に示すように加熱コイル3は内側加熱コイル3aと、外側加熱コイル3bとに分かれて構成されており、駆動回路6は内側加熱コイル3aと外側加熱コイル3bとを同時又は個別に駆動できる。
実施の形態10の制御回路9は、内容物11の粘性が高いと推定した場合、内側加熱コイル3aと外側加熱コイル3bとを所定間隔で交互に駆動させる。これにより、局部的な異常温度上昇が解消できるので、内容物11の鍋1への焦げ付きや、鍋表面近傍の食材のみが高温に加熱されて爆発的に沸騰する突沸現象を防止できる。
上記各実施の形態では、一部の実施の形態を除きそれぞれ別の実施の形態として説明したが、各実施の形態それぞれの特徴部分を適宜組み合わせた構成としてもよい。例えば、実施の形態4(粘性が高くなるにつれて温度上昇率を低く設定)と実施の形態2(調理中の繰り返し粘性推定)とを組み合わせた構成としてもよい。また、実施の形態1と実施の形態9とを組み合わせた構成としてもよい。この場合、制御回路9は粘性が高いと推定すると、粘性低の場合に比べて低い温度上昇率に抑えて鍋1の側面温度を目標温度まで上昇させるとともに、かきまぜを行なうように報知する制御を行う。
なお、上記各実施の形態では粘性推定に際し、所定時間t0経過前後の温度上昇値αに基づき粘性推定を行うようにしたが、温度上昇値αを所定時間t0で除算した温度上昇率に基づき粘性推定を行うようにしてもよい。
また、上記実施の形態1においては、赤外線センサー4が、天板2の上側に配置されているが、図17及び図18に示すように、天板2の下側に設けて、天板2を通して鍋1の底面の温度を検出するようにしてもよい。
なお、図17は、加熱コイル3が図16に示した所謂、分割タイプのもので、赤外線センサー4を内側加熱コイル3aと外側加熱コイル3bの間の隙間の下方に配置したものである。また、図18は、赤外線センサー4を加熱コイル3の中心付近下方に配置したものである。図17及び図18に示す実施形態においては、天板2の上方に赤外線センサー4自体やその支持部材を配置することが不要になり、天板2上全面を平らにすることができる。その結果、視覚的にすっきりしたデザインで、天板2上の掃除もし易い誘導加熱調理器を提供することができる。
また、実施の形態2乃至10においても、図17及び図18と同様に赤外線センサーを配置するようにしてもよいのは勿論である。
1 鍋、2 天板、3 加熱コイル、3a 内側加熱コイル、3b 外側加熱コイル、4 赤外線センサー、5 商用交流電源、6 駆動回路、7 入力電流検出回路、8 入力電圧検出回路、9 制御回路、10 筐体、11 内容物、12 重量検知手段、13 キッチン台、14 音声出力装置、15 表示装置。

Claims (13)

  1. 被加熱物を載置する天板と、
    該天板の下に設けられ、前記被加熱物を誘導加熱する加熱コイルと、
    交流電圧を高周波電圧に変換して前記加熱コイルに高周波電流を流す駆動回路と、
    前記被加熱物の表面の温度を検出する温度検出手段と、
    前記天板に載置された被加熱物の重量を検知する重量検知手段と、
    前記駆動回路を制御する制御回路とを備え、
    前記制御回路は、前記重量検知手段の検知重量が重いほど、小さい値となるように粘性しきい値を設定すると共に、所定時間、所定入力電力となるように前記駆動回路を制御し、その間の前記温度検出手段による検出温度の温度上昇値又は温度上昇率を算出し、前記算出した温度上昇値又は温度上昇率が、前記粘性しきい値よりも大きい場合、粘性高と推定し、前記算出した温度上昇値又は温度上昇率が、前記粘性しきい値以下の場合、粘性低と推定し、推定結果に応じて前記駆動回路を制御することを特徴とする誘導加熱調理器。
  2. 被加熱物を載置する天板と、
    該天板の下に設けられ、前記被加熱物を誘導加熱する加熱コイルと、
    交流電圧を高周波電圧に変換して前記加熱コイルに高周波電流を流す駆動回路と、
    前記被加熱物の表面の温度を検出する温度検出手段と、
    前記天板に載置された被加熱物の重量を検知する重量検知手段と、
    前記駆動回路を制御する制御回路とを備え、
    前記制御回路は、被加熱物を一定温度上昇させるのに必要な電力量を前記重量検知手段で検知した前記被加熱物の検知重量を用いて計算し、前記計算上の必要電力量を目標積算電力量として前記駆動回路を制御し、実際の積算電力量が前記目標積算電力量に達する前に前記温度検出手段による検出温度が前記一定温度上昇した場合、粘性高と推定し、実際の積算電力量が前記目標積算電力量に達した以降に前記温度検出手段による検出温度が前記一定温度上昇した場合、粘性低と推定し、推定結果に応じて前記駆動回路を制御することを特徴とする誘導加熱調理器。
  3. 前記制御回路は粘性高と推定した場合、粘性低の場合に比べて低い温度上昇率に抑えて前記被加熱物の温度を目標温度まで上昇させるように前記駆動回路を制御することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の誘導加熱調理器。
  4. 前記制御回路は粘性高と推定した場合、その粘度が高いほど、低い温度上昇率に抑えて前記被加熱物の温度を目標温度まで上昇させるように前記駆動回路を制御することを特徴とする請求項記載の誘導加熱調理器。
  5. 前記制御回路は、前記粘性推定の結果が粘性高の場合、その後の前記温度検出手段の検知温度が高くなるにつれ、被加熱物の温度上昇率が低下するように前記駆動回路を制御することを特徴とする請求項又は請求項記載の誘導加熱調理器。
  6. 前記制御回路は、前記天板に載置された被加熱物の重量を検知する重量検知手段が検知した検知重量に応じて最大積算電力量を決定し、その最大積算電力量を超えた場合、目標温度への到達、未到達にかかわらず加熱を停止することを特徴とする請求項1乃至請求項の何れかに記載の誘導加熱調理器。
  7. 前記制御回路は、加熱途中で前記粘性推定を繰り返し行い、最新の推定結果に基づいて前記駆動回路を制御することを特徴とする請求項1乃至請求項の何れかに記載の誘導加熱調理器。
  8. 前記制御回路は、前記天板に載置された被加熱物の重量を検知する重量検知手段が検知した検知重量の変動からかきまぜ行為が行われたこと検出すると、かきまぜ行為終了後に粘性推定をし直し、最新の推定結果に基づいて前記駆動回路を制御することを特徴とする請求項1乃至請求項の何れかに記載の誘導加熱調理器。
  9. 粘性が高い場合にかきまぜを行うように外部に報知する報知手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項の何れかに記載の誘導加熱調理器。
  10. 前記加熱コイルは少なくとも内側と外側とに分割されて個別駆動可能に構成され、前記制御回路は、粘性が高いと推定した場合、内側と外側の加熱コイルを交互に駆動することを特徴とする請求項1乃至請求項の何れかに記載の誘導加熱調理器。
  11. 前記温度検出手段は、前記天板より上側に設けられ、前記被加熱物の側面の温度を検出することを特徴とする請求項1乃至請求項1の何れかに記載の誘導加熱調理器。
  12. 前記温度検出手段は、前記天板より下側に設けられ、前記被加熱物の底面の温度を検出することを特徴とする請求項1乃至請求項1の何れかに記載の誘導加熱調理器。
  13. 前記温度検出手段は、赤外線センサーであることを特徴とする請求項1乃至請求項1の何れかに記載の誘導加熱調理器。
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