JP2014086197A - 誘導加熱調理器 - Google Patents

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Shintaro Noguchi
新太郎 野口
Kenji Watanabe
賢治 渡辺
Fumitaka Ogasawara
史太佳 小笠原
Masashi Kinoshita
雅志 木下
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Abstract

【課題】鍋底のセンサ上に位置する部分に局所的に水が溜まった状態で予熱加熱されていることを検知して、所定時間火力を低下させることで鍋底の異常温度上昇を防止し、所定時間後には設定火力に復帰して予熱時間を不要に長くしないようにすること。
【解決手段】赤外線センサの第1の正の検知温度勾配を検知した後、所定の負の温度勾配を検知した場合、または第1の正の検知温度勾配よりも大きい第2の正の検知温度勾配を検知した場合、設定火力よりも小さい第2の加熱出力で加熱し、第2の加熱出力は、所定時間経過後に設定火力に復帰する。
【選択図】図8

Description

本発明は、調理容器などの被加熱物を加熱する誘導加熱調理器に関するものである。
近年、鍋やフライパンなどの調理容器を、加熱コイルにより誘導加熱する誘導加熱調理器が、一般家庭や業務用のキッチンなどで広く用いられており、サーミスタなどの感熱素子や赤外線センサをトッププレートの下面に設けて、調理容器の底面の温度を検出し、検出した温度が目標温度と一致するように加熱コイルを制御している。
しかしながら、調理容器の底面の温度上昇は、揚げ物調理のように鍋に大量の油や食材が入っているとき(負荷が大きいとき)は緩やかであるが、フライパンに少量油しか投入されていないとき(負荷が小さいとき)は急激であるために次のような課題がある。
例えば、感熱素子を用いて加熱調理の温度制御をする場合は、調理容器からトッププレートに伝導された熱を検出することによって、トッププレートの上に載置されている調理容器の底面の温度を検出するため、調理容器の底面の温度変化に対する追従性があまり良くない。そのため、調理容器の底面の温度が急激に上昇した場合、実際の調理容器の底面の温度と感熱素子による検出温度との誤差が大きくなる。したがって、実際の調理容器の底面の温度が目標温度に達したことをすぐには検知できず、加熱を継続してしまい、調理容器の底面の温度が目標温度を大きく超えてしまう場合があった。
これに対して、赤外線センサを用いて加熱調理の温度制御を行う場合は、被加熱物から発せられる赤外線を直接検知するので感熱素子に比べると熱応答性がよく、異常温度上昇を起こりにくくすることができる(例えば、特許文献1参照)。
図9は従来の誘導加熱調理器における予熱時の温度制御を示す図である。図9において、所定の加熱電力量P1(3kW)で予熱を開始する。赤外線センサの出力増加量が第1の所定増加量△V1に達するまでの間、所定の加熱出力P1で予熱が継続される。赤外線センサの出力増加量が第1の所定増加量△V1に達すると、被加熱物が予熱の目標温度に達したと判断し、報知部から予熱完了を出力し、加熱電力量をP2にする。
特許第5029550号
しかしながら前記従来の構成では、所定の火力(例えば、3kW)で予熱を行い、所定の温度に到達するまでは所定の火力で加熱が継続されるので、鍋底のセンサ(赤外線センサや感熱素子)上に位置する部分に局所的に水が溜まった(例えば鍋底全体ではなく、一部分に水が残っている)状態で、特に高火力で加熱を行った場合、水が溜まっている部分以外の鍋底温度が所定温度まで上昇しているにも関わらず、センサ上の鍋底の温度が上昇せず、センサ出力が上昇しないため、水が乾いてセンサ上の鍋底温度が上昇してセンサ出力が上昇する状態になるまでは加熱を継続するので、水がない部分は過加熱されて鍋底が異常高温になる可能性があるという課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、加熱出力を使用者の操作により自由に選
択できる加熱モードや加熱出力が予め決まっている自動調理モードを行った時、局所的に水が溜まった状態で加熱されていたとしても鍋底の異常温度上昇を防止し、また所定時間後には設定火力に復帰して予熱時間を必要以上に長くしない使い勝手の良い加熱調理器を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の誘導加熱調理器は、赤外線が透過する材料で形成されたトッププレートと、前記トッププレート上に載置された調理容器を誘導加熱する加熱コイルと、前記加熱コイルを駆動するインバータ回路と、前記調理容器の底面から放射され、前記トッププレートを透過した赤外線を検出する赤外線センサと、前記インバータ回路の出力を制御する制御部と、前記制御部の加熱開始の指示および設定火力を変更する操作部とを備え、前記制御部は前記赤外線センサの出力と前記設定火力に応じて決められた制御温度に基づいて前記インバータ回路の出力を制御する温度制御手段と、前記赤外線センサで検知した温度の検出値の時間変化量を算出する温度勾配算出手段とを有し、前記操作部により加熱が開始され、前記赤外線センサの出力が所定の温度相当に達した以降に、前記温度勾配算出手段が所定の負の温度勾配を検知した場合、前記設定火力よりも小さい第2の加熱出力で加熱するようにしたものである。
これによって、加熱出力を使用者の操作により自由に選択できる加熱モードや加熱出力が予め決まっている自動調理モードを行う際、赤外線センサの検知温度が急激な上昇からの温度低下を検知すると、局所的に水が溜まった状態で加熱されて鍋底が異常高温状態になっている可能性があると判断し、所定時間火力を低下させることで特に底が薄い鍋底の異常温度上昇を防止し、また所定時間後には設定火力に復帰させると予熱時間が必要以上に長くならないようにでき、使用者が違和感なく調理を継続でき、使い勝手が悪くならないようにすることができる。
本発明の誘導加熱調理器は、加熱出力を使用者の操作により自由に選択できる加熱モードや加熱出力が予め決まっている自動調理モードを行った場合において、特に鍋底のセンサ上に位置する部分に局所的に水が残った状態で高火力の加熱を行ったとき、鍋底の異常温度上昇を防止し、所定時間後には設定火力に復帰することで予熱時間が必要以上に長くならないようにすることができる。
本発明の第1の実施の形態における誘導加熱調理器の全体構成図 本発明の第1の実施の形態における誘導加熱調理器の赤外線センサの略回路図 本発明の第1の実施の形態における誘導加熱調理器の赤外線センサの出力特性グラフ 本発明の第1の実施の形態における誘導加熱調理器の加熱前の調理容器の状態を示す図 本発明の第1の実施の形態における誘導加熱調理器の赤外線センサの検知温度と火力の時間変化を示す図 本発明の第1の実施の形態における誘導加熱調理器の赤外線センサの検知温度と調理容器の水のない部分の温度の関係を示す図 本発明の第1の実施の形態における誘導加熱調理器の調理容器底面の残水加熱を検知したときの状態を示す図 本発明の第1の実施の形態における誘導加熱調理器の調理容器底面の残水加熱を検知した後設定火力に復帰した状態を示す図 従来の誘導加熱調理器における予熱時の温度制御を示す図
第1の発明は、赤外線が透過する材料で形成されたトッププレートと、前記トッププレート上に載置された調理容器を誘導加熱する加熱コイルと、前記加熱コイルを駆動するインバータ回路と、前記調理容器の底面から放射され、前記トッププレートを透過した赤外線を検出する赤外線センサと、前記インバータ回路の出力を制御する制御部と、前記制御部の加熱開始の指示および設定火力を変更する操作部とを備え、前記制御部は前記赤外線センサの出力と前記設定火力に応じて決められた制御温度に基づいて前記インバータ回路の出力を制御する温度制御手段と、前記赤外線センサで検知した温度の検出値の時間変化量を算出する温度勾配算出手段とを有し、前記操作部により加熱が開始され、前記赤外線センサの出力が所定の温度相当に達した以降に、前記温度勾配算出手段が所定の負の温度勾配を検知した場合、前記設定火力よりも小さい第2の加熱出力で加熱するので、加熱出力を使用者の操作により自由に選択できる加熱モードや加熱出力が予め決まっている自動調理モードを行う際、鍋底の赤外線センサ上に位置する部分に水が残った状態で加熱された際、油などの負荷を投入することで生じる初期の温度上昇からの温度低下を検知して、センサ上の残水によってセンサ上に位置する部分以外の鍋底の異常高温の可能性があると判断し、火力を低下させることによって、特に底が薄い鍋底の異常温度上昇を防止し、未然に鍋底の異常高温を防ぐことができる。
第2の発明は、特に、第1の発明の加熱調理器において、前記制御部は、前記赤外線センサの出力が所定の温度相当に達した以降に、前記温度勾配算出手段が所定の負の温度勾配を検知した場合に代えて、前記赤外線センサの出力が所定の温度相当に達した時点から第1の所定時間中に前記温度勾配算出手段が第1の正の検知温度勾配を検知し、前記第1の所定時間経過後に所定の負の温度勾配を検知した場合、前記第2の加熱出力で加熱するので、鍋底の赤外線センサ上に位置する部分に水が残った状態で特に底が薄い鍋が加熱された場合において、鍋底の急激な温度上昇中に油が投入されたときの温度低下を検知して火力を低下させることによって、異常加熱された薄底の鍋に投入された少量の油が異常高温になることを防ぐことができ、未然に鍋底の異常高温を防ぐことができる。
第3の発明は、特に、第2の発明の加熱調理器において、前記制御部は、前記赤外線センサの出力が所定の温度相当に達した時点から第1の所定時間中に前記温度勾配算出手段が前記第1の正の検知温度勾配を検知したときは、前記第1の所定時間経過後に所定の負の温度勾配を検知した場合に加えて、前記第1の正の検知温度勾配よりも所定量だけ大きい第2の正の検知温度勾配を検知した場合においても、前記第2の加熱出力で加熱するので、鍋底の赤外線センサ上に位置する部分に水が残った状態で加熱された場合において、所定の温度勾配から急激に温度上昇すると、赤外線センサ4上に位置する部分の水が乾いたことによる急激な温度上昇が発生したと判断し、設定火力よりも小さい第2の加熱出力で加熱でき、未然に鍋底の異常高温を防ぐことができる。
第4の発明は、特に、第1〜第3の発明の加熱調理器において、第2の加熱出力は、第2の所定時間経過後設定火力に復帰させるので、予熱完了前の食材投入による温度低下によって第2の加熱出力で加熱した場合でも必要以上に予熱時間が長くならないようにすることができる。
第5の発明は、特に、第1〜第4の発明の加熱調理器において、第2の加熱出力で加熱する直前に、第3の所定時間だけ加熱出力をオフすることで、鍋底温度が異常高温に近い状態まで上昇している可能性を考慮して、鍋底温度を冷却することができる。
第6の発明は、特に、第1〜第5の発明の加熱調理器において、前記調理容器を予熱する予熱工程を有する自動調理機能を備え、前記第2の加熱出力による加熱は前記自動調理
の前記予熱工程にて行われるので、加熱開始後に予熱が完了するまでは使用者が手動で火力を変更できない予熱機能を要する自動調理を備えたものにおいて、鍋底の赤外線センサ上に位置する部分に水が残った状態で加熱された場合でも鍋底の異常加熱や異常高温を防止することができるとともに、予熱時間が必要以上に長くならないので安全で使い勝手よく予熱調理を行うことができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1に、本発明の実施の形態における誘導加熱調理器の全体構成図を示す。本実施形態の誘導加熱調理器は、炒め物などの高火力での加熱を行う際に、調理容器の材質や形状によらず安全に最適な火力で調理を行うことができ、熱応答性の良い赤外線センサ4による調理容器2の温度に対応した出力信号を用いることによって、加熱時における最適制御を行う。この誘導加熱調理器は、例えば、キッチンなどのキャビネットに組み込んで使用される。
本発明の実施形態の誘導加熱調理器は、機器上面に設けられたトッププレート1と、高周波磁界を発生させることによって、トッププレート1上の調理容器2を誘導加熱する加熱コイル3(外コイル3a及び内コイル3b)と、を備える。トッププレート1は、ガラスなどの電気絶縁物からなり、赤外線を透過する。加熱コイル3は、トッププレート1の下方に設けられている。加熱コイル3は、同心円状に2分割されて外コイル3aと内コイル3bを形成している。外コイル3aと内コイル3bの間に、隙間が設けられている。調理容器2は、加熱コイル3の高周波磁界により発生した渦電流によって、発熱する。
トッププレート1の使用者側には、加熱の開始/停止などを使用者が指示するための操作部14が設けられている。また、操作部14と調理容器2との間に表示部(図示せず)が設けられている。
赤外線センサ4は、外コイル3aと内コイル3bとの間の隙間の下方に設けられる。この位置は、加熱コイル3の高周波磁界が強いため、調理容器2の底面の略最高温度を検出することができる。調理容器2の底面から放射された、調理容器2の底面温度に基づく赤外線は、トッププレート1を通って入射し、外コイル3aと内コイル3bとの間の隙間を通って、赤外線センサ4により受光される。赤外線センサ4は、受光した赤外線を検出し、検出した赤外線量に基づいた赤外線検出信号5を出力する。なお、赤外線センサ4の設置場所は、被加熱物から放射される赤外線を検出できれば位置を限定しない。
加熱コイル3の下方には、商用電源6から供給される交流電圧を直流電圧に変換する整流平滑部7と、整流平滑部7から直流電圧を供給されて高周波電流を生成し、生成した高周波電流を加熱コイル3に出力するインバータ回路8とが設けられる。また、商用電源6と整流平滑部7との間に、商用電源6から整流平滑部7に流れる入力電流を検出するための入力電流検出部9が設けられている。
整流平滑部7は、ブリッジ接続されたダイオードで構成される全波整流器10と、全波整流器10の出力端子間に接続された、チョークコイル16及び平滑コンデンサ17で構成されるローパスフィルタと、を有する。インバータ回路8は、スイッチング素子11(本実施形態ではIGBT)と、スイッチング素子11と逆並列に接続されたダイオード12と、加熱コイル3に並列に接続された共振コンデンサ13と、を有する。インバータ回路8のスイッチング素子11がオン/オフすることによって、高周波電流が発生する。インバータ回路8と加熱コイル3は、高周波インバータを構成する。
本実施形態の誘導加熱調理器は、さらに、インバータ回路8のスイッチング素子11のオン/オフを制御することによって、インバータ回路8から加熱コイル3に供給される高周波電流を制御する制御部15を有する。制御部15は、操作部14から送信される信号及び赤外線センサ4が検出した温度に基づいて、スイッチング素子11のオン/オフを制御する。
制御部15は、赤外線センサの出力に基づいて加熱コイル3の高周波電流を制御して調理容器2の加熱電力量を制御する温度制御手段と、赤外線センサ4で検知した温度の検出値の時間変化量を算出する温度勾配算出手段と、温度勾配算出手段の算出値を記憶する算出値記憶手段と、を含む。
操作部14は、表示部の手前側(使用者側)に設けられる。操作部14は、複数の静電容量式のスイッチ14a〜14dを含む。スイッチ14a〜14dは、調理に関する指示を入力するためのスイッチであって、加熱部の数に対応させて設けられている。
各スイッチ14a〜14dには、それぞれ特定の機能が割り当てられている。例えば、スイッチ14aは、調理の開始及び終了を制御する機能が割り当てられた切/入スイッチである。なお、スイッチは、静電容量式に限定するものではなく、タクトスイッチのような押しボタン式でもよい。
スイッチ14dは、「加熱」「予熱加熱」「焼き物」「揚げ物」「湯沸かし」「炊飯」の調理メニューに適した動作モードに切り換える機能が割り当てられたメニュースイッチである。メニュースイッチ14dを押下することによって、「加熱」「予熱加熱」「焼き物」「揚げ物」「湯沸かし」「炊飯」のように文字やイラストが点滅し、動作モードの選択が切り換えられる。「加熱」「予熱加熱」「焼き物」「揚げ物」「湯沸かし」「炊飯」の動作モードが選択されているときに、切/入スイッチ14aが操作されると、選択されている動作モードが決定され、決定された動作モードに対応する表示が点灯し、決定されなかった動作モードに対応する表示が消灯する。
スイッチ14bは、火力などの出力設定値を上げる機能が割り当てられたアップキーであり、スイッチ14cは、火力などの出力設定値を下げる機能が割り当てられたダウンキーである。「加熱」モードが設定されている場合、スイッチ14b及びスイッチ14cによって、火力の設定が可能となる。
また、制御部15の制御モードは、加熱が停止した状態である待機モードとなる。待機モードでは、加熱動作時の動作を制御するための制御モードである動作モードが選択できる。待機モードにおいて制御モード選択キーとして機能するスイッチ14cを操作すると複数の動作モードの中からひとつの動作モードを選択できる。
例えば、「焼き物」モードが選択されて待機モードとなっているときに、加熱開始キー14aが押されると(操作されると)加熱動作が開始され、制御部15は出力設定値を自動的に例えば「設定火力=3000W」として「焼き物」モードの予熱加熱を開始する。なお、「焼き物」モードは使用者が選択した出力設定値(例えば、設定温度「230℃」、「200℃」、・・・「140℃」)を任意に選択して加熱する動作モードであり、スイッチ14bは、出力設定値として設定温度を上げる機能が割り当てられ、スイッチ14cは、出力設定値として設定温度を下げる機能が割り当てられ、使用者はスイッチ14b及びスイッチ14cにより任意に設定温度を変更することができる。
制御部15が加熱モードで動作するときは、スイッチ14b及びスイッチ14cを操作
することにより出力設定値としての設定火力を変更することができる。スイッチ14b及びスイッチ14cにより、出力設定値が変更されると、制御部15にそのことを伝達するための出力設定情報が出力される。制御部15は、インバータ回路8の入力電流を、カレントトランスを含む入力電流検出部9でモニタして、加熱出力が出力設定値となるようにインバータ回路8を構成するスイッチング素子(図示せず)を制御して必要な大きさの高周波電流を加熱コイル3に供給する。
図2に、本発明の第1の実施の形態における誘導加熱調理器の赤外線センサの略回路図を示す。赤外線センサ4は、フォトダイオード21と、オペアンプ22と、抵抗23、24とを有する。抵抗23、24の一端はフォトダイオード21に接続され、他端はオペアンプ22の出力端子及び反転出力端子にそれぞれ接続されている。フォトダイオード21は、トッププレート1を透過するおよそ3ミクロン以下の波長の赤外線が照射されると電流が流れ、照射される赤外線の温度が高くなればなるほど、流れる電流の大きさ及び増加率が大きくなるInGaAs等で形成された受光素子である。フォトダイオード21により発生した電流は、オペアンプ22によって増幅され、調理容器2の温度を示す赤外線検出信号25(電圧値Vに相当)として、制御部15に出力される。赤外線センサ4は、調理容器2から放射される赤外線を受光するため、トッププレート1を介して温度を検出するサーミスタと比較して、熱応答性が良い。
図3に、本発明の第1の実施の形態における誘導加熱調理器の赤外線センサの出力特性グラフを示す。図3において、横軸は調理容器などの調理容器2の底面温度であり、縦軸は赤外線センサ4が出力する赤外線検出信号25の電圧値を示す。トッププレート1を透過するおよそ3ミクロン以下の波長の赤外線が照射されると電流が流れ、照射される赤外線の温度が高くなればなるほど、流れる電流の大きさ及び増加率が大きくなるInGaAs等で形成された受光素子であるため、例えば、140℃〜200℃を低温域、200℃〜250℃を中温域、250〜330℃を高温域と定義すると、照射される赤外線の温度(検出値)が大きくなればなるほど、増幅率を切り替え、低温域→中温域→高温域のように温度領域を切り替える。なお、赤外線センサ4は、フォトダイオードに限定するものではない(サーモパイルなど対象物から放射される赤外線を検知するセンサであればよい)。
本実施形態においては、基本的な制御構成として炒め物など高火力が必要なときの調理と調理容器の材質、形状によっては調理容器の過加熱や油発火への影響を及ぼすものに対して最適な火力で加熱するようにしているため、加熱時の目標温度が高い場合に調理容器の底厚が薄い(例えば、1mm以下)ものであれば、過加熱にならないように火力を補正し、一般的な調理容器(例えば、底厚2.5mm以上のフライパンなど)においては、高火力の出力が得られればよいことが通常の考え方(仕様)である。そこで、本実施形態の赤外線センサ4は、調理容器2の底面温度が約140〜200℃のときに低温域の赤外線検出信号25を出力し、底面温度が約200〜250℃のときに中温域の赤外線検出信号25を出力し、底面温度が約250〜330℃のときに高温域の赤外線検出信号25を出力する特性を有する。また、赤外線センサ4は、調理容器2底面温度が約140℃未満のときには赤外線検出信号25を出力しない。この場合の「赤外線検出信号25を出力しない」とは、赤外線検出信号25を全く出力しないだけでなく、実質的に出力しないこと、すなわち制御部15が赤外線検出信号25の大きさの変化に基づいて調理容器2の底面の温度変化を実質的に読み取れない程の微弱な信号を出力することを含む。赤外線検出信号25の出力値は、調理容器2の温度が約140℃以上になると、指数関数的に増加する。
上記のように構成される本実施形態の誘導加熱調理器の動作について、以下に説明する。
図4は、本発明の第1の実施の形態における誘導加熱調理器の加熱前の調理容器の状態を示す図であり、調理容器2のセンサ上に位置する部分に水が残った状態を示している。
図5は、本発明の第1の実施の形態における誘導加熱調理器の赤外線センサの検知温度と火力の時間変化を示す図であり、図4の状態で、メニュースイッチ14dから選択した「焼き物」モードで加熱を行ったときの赤外線センサ4で検知した温度と火力の時間変化を示している。なお、ここで記載する「焼き物」モードとは、フライパンや鍋を所定の火力で加熱して、所定の温度に到達すると予熱完了報知を行い、設定温度を維持して調理を行う自動調理モードである。本実施例では、説明を簡単にするため「3000W」で加熱開始し、予熱完了温度までに低下する火力は「2000W」までとし、それ以外の火力に変更されないものとする。前述した火力で予熱完了温度、例えば、赤外線センサ4の検知温度が摂氏温度で230℃に到達すると予熱完了報知を行い、予熱完了後は230℃の温度を維持できるレベルまで火力を下げて温度制御を行う。
図5において、加熱を開始してから調理容器2の底面に残った水が乾くまでの間は、赤外線センサ4の検知温度は調理容器2の底面温度を正確に検知できず、設定火力のまま火力を維持する。赤外線センサ4上に位置する調理容器2の底面の水が乾くと、赤外線センサ4の検知温度は調理容器2底面の水のない部分が過加熱されていたため急激に上昇し、その後予熱完了温度に到達して火力を下げる。しかしながら、図6に記すように、赤外線センサ4が調理容器2の底面の水を検知している間、水のない部分の温度は加熱され続けるので実際の赤外線センサ4の検知温度に対して調理容器2の底面温度は乖離が生じる。この場合、調理容器2の水が乾くまでの間、および乾いてから赤外線センサ4の検知温度が予熱完了温度に到達する間、水のない部分は赤外線センサ4の制御温度を超えているにも関わらず上昇を続け、異常温度上昇(例えば、350℃以上)となる可能性がある。
これに対し、図7に記すように加熱開始以後、所定(基準)温度を超えた後に所定の負の勾配(所定の温度低下)を検知すると、設定火力よりも小さい第2の加熱出力(例えば、1000W)で加熱する。なお、所定(基準)温度を超えてから検知を行うのは、赤外線センサ4が正しい出力を行い、温度上昇の検知動作を安定して行える状態であるかを確認するためである。設定火力よりも小さい第2の加熱出力で加熱すると、急激に上昇を続けていた調理容器2の底面の温度は降下し過加熱状態ではなくなり、赤外線センサ4の検知温度、すなわち所望の温度に収束する。したがって、調理容器2の底面の異常温度上昇を防ぐことができる。
また、赤外線センサ4の出力が所定温度に達した時点から第1の所定時間中に、図8に示すように赤外線センサの第1の正の検知温度勾配を検知した以降に、或いは第1の所定時間経過後に、所定の負の温度勾配を検知した場合、設定火力よりも小さい第2の加熱出力で加熱するようにすれば、鍋底の赤外線センサ上に位置する部分に水が残った状態で特に底が薄い鍋が加熱された場合において生じる急激な温度上昇中に油が投入されてもその低下温度を検知することによって低火力で加熱を行い、未然に鍋底の調理容器2の底面の異常高温を防ぐことができる。
また、赤外線センサ4の出力が所定温度に達した時点から第1の所定時間中に、第1の製の検知温度勾配を検知した以降に、或いは第1の所定時間経過後に、第1の正の検知温度勾配よりも大きい第2の正の検知温度勾配を検知した場合、設定火力よりも小さい第2の加熱出力で加熱するようにすれば、所定の温度勾配から急激に温度上昇しているので、赤外線センサ4上に位置する部分の水が乾いたことによる急激な温度上昇と判断して火力を低下でき、未然に鍋底の異常高温を防ぐことができる。
また、設定火力よりも小さい第2の加熱出力は、第2の所定時間経過後(例えば、30
秒間)に設定火力に復帰するようにすれば、予熱完了前の食材投入による温度低下によって検知し、第2の加熱出力で加熱した場合でも違和感なく、不要に予熱時間が長くならないようにすることができる。なお、前述の第2の所定時間は第2の加熱出力で加熱している間に調理容器2の底面に残った水が乾く時間を想定しており、その値は任意に設定する。
また、第2の加熱出力で加熱する直前に、第3の所定時間(例えば、5秒間)だけ加熱出力をオフ(図示せず)するようにすれば、鍋底温度が異常高温に近い状態まで上昇している場合には、鍋底温度を冷却することができる。
また、特に本実施例のように、加熱開始後に予熱が完了するまでは使用者が手動で火力を変更できない予熱機能を要する自動調理を備えたものにおいて、鍋底の赤外線センサ上に位置する部分に水が残った状態で加熱された場合でも鍋底の異常加熱や異常高温を防止することができる。
また、特に本実施例のように、加熱開始後に予熱が完了するまでは使用者が手動で火力を変更できない予熱機能を要する自動調理を備えたものにおいて、予熱中に第2の加熱出力による加熱を行うので、予熱のような高火力で加熱を行う自動調理において、鍋底の赤外線センサ上に位置する部分に水が残った状態で加熱された場合でも鍋底の異常高温を防ぐことができるとともに、予熱時間が必要以上に長くならないので安全で使い勝手よく予熱調理を行うことができる。
以上のことから、本実施の形態によれば、赤外線センサ4に位置する部分に、局所的に水が溜まった状態で加熱出力を使用者の操作により自由に選択できる加熱モードや加熱出力が予め決まっている自動調理モードを行っても、赤外線センサ4の検知温度に急激な上昇や急激な上昇からの温度低下を検知した場合には、加熱されているときに鍋底が異常高温状態になっている可能性があると判断し、所定時間火力低下を行うことで鍋底の異常温度上昇を防止し、また所定時間後には設定火力に復帰させるので予熱時間が必要以上に長くならないようにすることで、使用者が違和感なく調理を継続でき、使い勝手が悪くならないようにすることができる。
以上のように、本発明にかかる加熱調理器は、調理容器を高火力で予熱する炒め物調理などが行われる一般家庭やレストランなどで使用される加熱調理器に有用である。
1 トッププレート
2 調理容器
3 加熱コイル
3a 外コイル
3b 内コイル
4 赤外線センサ
6 商用電源
7 整流平滑部
8 インバータ回路
10 全波整流器
11 スイッチング素子
12 ダイオード
13 共振コンデンサ
14 操作部
14a〜14f スイッチ
15 制御部
16 チョークコイル
17 平滑コンデンサ
21 フォトダイオード
22 オペアンプ

Claims (6)

  1. 赤外線が透過する材料で形成されたトッププレートと、前記トッププレート上に載置された調理容器を誘導加熱する加熱コイルと、前記加熱コイルを駆動するインバータ回路と、前記調理容器の底面から放射され、前記トッププレートを透過した赤外線を検出する赤外線センサと、前記インバータ回路の出力を制御する制御部と、前記制御部の加熱開始の指示および設定火力を変更する操作部とを備え、前記制御部は前記赤外線センサの出力と前記設定火力に応じて決められた制御温度に基づいて前記インバータ回路の出力を制御する温度制御手段と、前記赤外線センサで検知した温度の検出値の時間変化量を算出する温度勾配算出手段とを有し、前記操作部により加熱が開始され、前記赤外線センサの出力が所定の温度相当に達した以降に、前記温度勾配算出手段が所定の負の温度勾配を検知した場合、前記設定火力よりも小さい第2の加熱出力で加熱することを特徴とする誘導加熱調理器。
  2. 前記制御部は、前記赤外線センサの出力が所定の温度相当に達した以降に、前記温度勾配算出手段が所定の負の温度勾配を検知した場合に代えて、前記赤外線センサの出力が所定の温度相当に達した時点から第1の所定時間中に前記温度勾配算出手段が第1の正の検知温度勾配を検知し、前記第1の所定時間経過後に所定の負の温度勾配を検知した場合、前記第2の加熱出力で加熱する請求項1に記載の誘導加熱調理器。
  3. 前記制御部は、前記赤外線センサの出力が所定の温度相当に達した時点から第1の所定時間中に前記温度勾配算出手段が前記第1の正の検知温度勾配を検知したときは、前記第1の所定時間経過後に所定の負の温度勾配を検知した場合に加えて、前記第1の正の検知温度勾配よりも所定量だけ大きい第2の正の検知温度勾配を検知した場合においても、前記第2の加熱出力で加熱する請求項2に記載の誘導加熱調理器。
  4. 前記第2の加熱出力は、第2の所定時間経過後設定火力に復帰する請求項1〜3のいずれかに記載の誘導加熱調理器。
  5. 前記第2の加熱出力で加熱する直前に、第3の所定時間だけ加熱出力をオフする請求項1〜4のいずれかに記載の誘導加熱調理器。
  6. 前記調理容器を予熱する予熱工程を有する自動調理機能を備え、前記第2の加熱出力による加熱は前記自動調理の前記予熱工程にて行われる請求項1〜5のいずれかに記載の誘導加熱調理器。
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JP7330838B2 (ja) 2019-09-27 2023-08-22 東芝ホームテクノ株式会社 炊飯器

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