JP4915419B2 - 着磁解析方法、着磁解析装置及びコンピュータプログラム - Google Patents
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Description
従来、磁石素材に着磁してなる永久磁石の着磁状態を示すパラメータを算出する(着磁解析する)ために、種々の方法、装置等が提案されている(特許文献1,2参照)。
しかしながら、従来の着磁解析方法においては、着磁解析によって得られる着磁状態と、実測される着磁状態とが大幅に異なることがある。このため、設計時に予定した機器の特性と、実際に製造された機器の特性とが異なり、所望の特性を得られないことがある。
また、特許文献1,2においては、不完全着磁領域の存在について何ら言及されておらず、このため解析過程において、不完全着磁領域の存在が一切考慮されていない。
ここで、領域パラメータは、例えば、着磁磁界に対応する減磁曲線に基づいて求められるリコイル比透磁率及び保磁力等である。
ここで、材料、グレード等の種類が異なる永久磁石に関する減磁曲線は異なるが、同じ種類の永久磁石に関しては、形状、寸法等に関係なく同じ減磁曲線を利用することが可能であるため、形状、寸法等が異なる永久磁石毎に、実測された減磁曲線を新たに準備する必要はない。
例えば、第5発明のコンピュータプログラムを、パーソナルコンピュータ、サーバ等にインストールすることによって第4発明の着磁解析装置となし、この着磁解析装置を用いて、第2発明の着磁解析方法が実行される。
ここで、着磁器パラメータとは、着磁器に係る空芯コイルの巻数及び抵抗値、コンデンサの静電容量及び着磁電圧、並びに着磁器の内部抵抗値等をいい、磁石パラメータとは、磁石素材に係る抵抗率、及び初磁化曲線等をいい、また、状態パラメータとは、永久磁石の着磁状態を示すものをいう。
まず、着磁磁界算出手段が、磁石素材に磁界を印加して着磁する着磁器に係るコイル形状、電源回路等の着磁器パラメータ、及び磁石素材に係る初磁化曲線、抵抗率等の磁石パラメータを用いて、磁場解析を有限要素法、積分要素法等で行なう。これによって、着磁磁界算出手段は、磁石素材の各部位に印加される着磁磁界を算出する。なお、当然のことながら磁場解析時には渦電流を考慮することが必要である。
ここで、不完全着磁領域に係る予め実測された減磁曲線が用いられているため、算出された不完全着磁領域に係る領域パラメータには、不完全着磁領域の着磁状態が反映されている。
以上のようにして、不完全着磁領域の着磁状態を考慮しつつ、永久磁石の着磁状態が高精度に解析される。
なお、有限要素法、積分要素法等で行なう磁場解析は、従来の手順と略同様の手順で簡易に行なうことが可能である。
リコイル比透磁率及び保磁力夫々は、不完全着磁領域に係る予め実測された減磁曲線に基づいて容易に算出され、不完全着磁領域の減磁特性を近似的に表わしている。つまり、算出されたリコイル比透磁率及び保磁力夫々には、不完全着磁領域の着磁状態が反映されている。
このため、解析結果としての着磁状態と、実測される着磁状態との乖離を防止することができ、延いては、永久磁石の着磁状態の解析結果に基づいて設計される機器に関して、設計時に予定した機器の特性と、実際に製造された機器の特性とを略一致させることができる。
10 CPU
2 CD−ROM
3,32 永久磁石(解析対象)
30,31 磁石素材
4 着磁器
51,52,53,54,55,56 減磁曲線
510,520,530,540,550,560 減磁曲線
着磁解析装置1は、例えばパーソナルコンピュータを用いてなり、CPU10、ROM11、RAM12、表示部13、操作部14、補助記憶部15及び外部記憶部16を備え、これらの装置各部はバス、信号線等を介して適宜に接続されている。
操作部14は、例えばキーボード及びマウスを用いてなる。
着磁解析装置1のユーザは、表示部13を視認しながら操作部14を操作することによって、例えば所要のデータを着磁解析装置1に入力し、着磁解析処理(図9参照)を実行させる。
また、外部記憶部16は、例えばCD−ROMドライブを用いてなり、CPU10に制御されて、可搬性を有する記録媒体(例えば本実施の形態のコンピュータプログラムが記録されているCD−ROM2)からコンピュータプログラム、データ等を読み込む。読み込まれたコンピュータプログラム、データ等は、補助記憶部15に書き込まれる。
更に詳細には、CPU10が、着磁磁界算出ステップ、パラメータ算出ステップ、着磁状態算出ステップ等を含む本実施の形態のコンピュータプログラムに従って、着磁磁界算出処理(後述する図9に示すS17参照)、パラメータ算出処理(S18参照)、着磁状態算出処理(S19参照)等を含む着磁解析処理を実行することによって、パーソナルコンピュータが本実施の形態の着磁解析装置1として機能する。
図2は、本発明の実施の形態1に係る着磁解析方法の解析対象である永久磁石3となすべき磁石素材30の模式的な斜視図であり、図3は、磁石素材30に磁界を印加して着磁する着磁器4の要部を示す回路図である。
図4は、本発明の実施の形態1に係る着磁解析方法で用いられる永久磁石3の初磁化曲線を示す特性図であり、横軸は磁界H[kA/m]を示し、縦軸は磁束密度B[T]を示している。
以下、磁石表面の磁束密度分布を磁束分布という。
永久磁石3の注目部位3a,3b,3cは、永久磁石3の縦長さL×横幅Bの一面に関し、縦長さL方向の一端(例えば図10に示す0[mm]の位置)から他端(10[mm]の位置)まで連続する直線的な部位であり、更に詳細には、第1の注目部位3aは永久磁石3の横幅B方向中心位置、第3の注目部位3cは永久磁石3の横幅B方向一端部、第2の注目部位3bは第1の注目部位3aと第3の注目部位3cとの中間部に夫々位置する。
更に、磁石素材30の磁化特性は非線形であり、これを示すデータとして、図4に示すような初磁化曲線が用いられる。
本実施の形態における初磁化曲線は、解析対象である永久磁石3となすべき磁石素材30に関して予め実測してなり、印加される着磁磁界に対応した初磁化曲線であるが、磁石素材30と同じ種類の磁石素材に関して実測された初磁化曲線を用いても問題はない。
電源装置44及びスイッチ45は夫々コンデンサ43に並列に接続されており、コンデンサ43には、電源装置44から給電されることによって、大量の電荷が蓄えられる。
また、空芯コイル41の内部の中心位置に、永久磁石3となすべき磁石素材30が配される。
スイッチ42をオフに、スイッチ45をオンとして、コンデンサ43に大量の電荷を蓄えた後、スイッチ42,45の極性を同時に反転させることによって、コンデンサ43から空芯コイル41へ大きなパルス電流が流れ、このとき空芯コイル41で発生した巨大な磁界が磁石素材30に印加され、このため磁石素材30が着磁されて永久磁石3となる。
空芯コイル41の巻き数及び抵抗値、コンデンサ43の静電容量及び着磁電圧、並びに着磁器4の内部抵抗値は、着磁器4の固有の着磁器パラメータ(以下、回路条件という)として、後述するように、着磁解析の際に用いられる。
この場合、空芯コイル41の形状及び寸法に応じたメッシュ分割モデルが作成され、更に、磁石素材30(延いては永久磁石3)の形状及び寸法に応じたメッシュ分割モデルが作成される(図2参照)。
空芯コイル41の形状及び寸法と、磁石素材30の形状及び寸法(即ち永久磁石3の形状及び寸法)と、これらのメッシュ分割モデルと(以下、モデル形状という)は、後述するように、着磁解析の際に用いられる。
また、図6は、従来の手法で、不完全着磁領域の減磁曲線61〜66を完全着磁領域の減磁曲線60の相似形で表現した特性図である。
図5及び図6夫々の横軸は磁界H[kA/m]を示し、縦軸は磁束密度B[T]を示している。
ただし、磁石素材30と同じ種類の磁石素材を用いて実測された減磁曲線を用いても問題はなく、この場合も、減磁曲線51〜56夫々と略同様の減磁曲線が得られる。
保磁力の負数“−Hcb”は、減磁曲線と横軸との交点の値であり、リコイル比透磁率μは、減磁曲線の傾きである。リコイル比透磁率μ及び保磁力Hcbは、減磁特性を近似的に表わすパラメータである。
また、図8は、完全着磁領域及び不完全着磁領域夫々に係る着磁磁界Hとリコイル比透磁率μとの関係を示す特性図であり、横軸は着磁磁界H[kA/m]を示し、縦軸はリコイル比透磁率μを示している。
図7及び図8夫々において、プロット(黒四角印)及び実線で示されているグラフが、図5に示す実測に基いた減磁曲線の定義に対応し、二点鎖線で示されているグラフが、図6に示す従来の手法の定義に対応する。
また、図8に示すように、着磁磁界Hの大きさの増大に伴って、0[kA/m]〜1592[kA/m]の着磁磁界Hに対応するリコイル比透磁率μ(即ち不完全着磁領域に係るリコイル比透磁率μ)は急激に減少し、1592[kA/m]以上の着磁磁界Hに対応するリコイル比透磁率μ(即ち完全着磁領域に係るリコイル比透磁率μ)は略一定である。
このため、図7に示すように、着磁磁界Hの大きさの増大に伴って、保磁力Hcbは正比例的に増大する。また、図8に示すように、着磁磁界Hの大きさが増大しても、リコイル比透磁率μは一定である。
このため、本実施の形態においては、このような保磁力Hcbとリコイル比透磁率μとを、永久磁石3の不完全着磁領域に係る領域パラメータとして用いる。
図9は、着磁解析装置1のCPU10が実行する着磁解析処理の手順を示すフローチャートである。
CPU10は、作業者に対して所要のデータの入力を促す入力画面を、表示部13に表示させる(S11)。
作業者は、作成したこれらのメッシュ分割モデルのデータと、空芯コイル41の形状及び寸法夫々のデータと、永久磁石3の形状及び寸法夫々のデータとを、モデル形状のデータとして、着磁解析装置1に入力する。
なお、メッシュ分割モデルのデータは、外部から着磁解析装置1に入力する構成ではなく、空芯コイル41の形状及び寸法、磁石素材30の形状及び寸法等に応じて、着磁解析装置1で生成する構成でもよい。
また、作業者は、実測された減磁曲線のデータを、着磁解析装置1に入力する。
更に作業者は、着磁器4の固有の着磁器パラメータである空芯コイル41の巻き数及び抵抗値夫々のデータ、コンデンサ43の静電容量及び着磁電圧夫々のデータ、並びに着磁器4の内部抵抗値のデータを、回路条件のデータとして、着磁解析装置1に入力する。
以上のような各種のデータの入力は、作業者が操作部14を用いて手作業で入力するか、又は、データが記憶されている記録媒体を外部記憶部16に読み取らせて入力する。なお、補助記憶部15に予め記憶されているデータを選択する、図示しないネットワークからデータをダウンロードする等の手段でデータを入力する構成でもよい。
S20では、CPU10は、第1、第2、及び第3の注目部位3a,3b,3c(図2参照)夫々における磁束密度BをS19で算出された状態パラメータをもとに算出し、注目部位3a,3b,3c夫々に関する磁束分布のグラフを表示させる。本実施の形態においては、この磁束分布が解析結果である。
また、S17におけるCPU10は、着磁器4に係る着磁器パラメータ及び磁石素材30に係る磁石パラメータを用いて磁場解析を行なうことによって、磁石素材30の各部位に印加される着磁磁界を算出する着磁磁界算出手段として機能する。
図10、図11及び図12夫々において、プロット(黒四角印)及び実線で示されているグラフが解析結果であり、実線で示されているグラフが実測結果である。
図10、図11及び図12夫々同様に、図13及び図14夫々の横軸は、例えば注目部位3a上の位置を示し、縦軸は磁束密度B[mT]を示している。また、プロット(黒四角印)及び実線で示されているグラフが解析結果であり、実線で示されているグラフが実測結果である。
図13及び図14夫々に示すように、永久磁石の着磁率が異なる場合でも、着磁解析装置1で算出された解析結果としての磁束分布と、実測された磁束分布とは略一致する。
図15及び図16夫々の横軸は、例えば図2に示す注目部位3aのような永久磁石表面の注目部位の位置(具体的には永久磁石の一端からの距離[mm])を示し、縦軸は磁束密度B[mT]を示している。0[mm]の位置が前記一端、10[mm]の位置が永久磁石の他端である。
図15に示すように、従来の着磁解析方法を用いた場合でも、完全着磁状態の永久磁石の解析結果と実測結果とは略一致する。
しかしながら、従来の着磁解析方法を用いた場合、図16に示すように、不完全着磁状態の永久磁石の解析結果と実測結果が大幅に異なる。特に、距離2[mm]〜8[mm](即ち永久磁石の中央部)に対応する解析結果と実測結果が非常に大きく乖離している。
そして、このようなコンピュータプログラムは、着磁磁界算出手段、パラメータ算出手段、及び着磁状態算出手段を、コンピュータのハードウェア要素を用いてソフトウェア的に実現する。
また、本実施の形態では直方体状の永久磁石3を例示したが、これに限らず、環状、筒状等、形状が異なる永久磁石に対して本発明を適用してもよい。
本実施の形態では、実施の形態1の図3に示す着磁器4に相当する着磁器4で磁石素材31に着磁してなる永久磁石32を解析対象とする着磁解析方法を説明する。ただし、本実施の形態の着磁器4は、空芯コイル41とは異なる着磁コイルを備える。
本実施の形態に係る着磁解析装置1は、実施の形態1の図1に示す着磁解析装置1と略同様の構成を有する。
その他、実施の形態1に対応する部分には同一符号を付してそれらの説明を省略する。
更に詳細には、永久磁石32は、外径36.45[mm]、内径30.45[mm]、軸長方向の長さ21[mm]を有するNd−Fe−B系ラジアル異方性焼結磁石であり、円筒状の磁石素材31を交互異極にスキュー着磁してなる。永久磁石32のスキュー角は、軸長方向に対して13.3[°]である。このように着磁された永久磁石32は、外周面側N極32aと外周面側S極32bとが周方向に交互に形成された一体のリングとなっている。つまり、永久磁石32は磁化方向が径方向である。
本実施の形態においては、永久磁石32の軸方向中央部の外周面から1[mm]離隔し、且つ周方向に沿う位置を注目部位3d(図17参照)とし、図示しない計測機器で実測された注目部位3dの磁束密度分布(即ち実測結果)と、着磁解析装置1で算出された注目部位3dの磁束密度分布(即ち解析結果)とを比較する。
また、磁石素材31は希土類希元素を含む異方性磁性体であり、磁石素材31の抵抗率は144×10-8[Ω・m]、残留磁束密度は1.23[T]、保磁力は1671[kA/m]以上である。
磁石素材31の材料、抵抗率、及び初磁化曲線は、磁石素材31の固有の磁石パラメータ(即ち磁石特性)として、磁場解析の際に用いられる。
磁石素材31は、着磁器4が備える着磁コイルの内部の中心位置に配されてスキュー着磁され、永久磁石32となる。
着磁コイルの巻き数及び抵抗値、コンデンサ43の静電容量及び着磁電圧、並びに着磁器4の内部抵抗値は、着磁器4の固有の着磁器パラメータ(即ち回路条件)として、着磁解析の際に用いられる。本実施の形態では、回路条件の一つであるコンデンサ43の着磁電圧に着目し、第1の条件(1000[V])、第2の条件(2000[V])、及び第3の条件(3000[V])の3種類の条件下で着磁解析を行なう。以下では、この3種類の条件を着磁条件という。
着磁コイルの形状及び寸法と、磁石素材31の形状及び寸法(即ち永久磁石32の形状及び寸法)と、これらのメッシュ分割モデルと(即ちモデル形状)は、着磁解析の際に用いられる。
図19に示す減磁曲線510〜560夫々は、解析対象である永久磁石32となすべき磁石素材31を用いて実測してなる減磁曲線である。具体的には、磁石素材31に1405、1015、834、661、484、又は306[kA/m]の着磁磁界を印加してなる不完全着磁状態の永久磁石に関して実測してなり、印加される着磁磁界に応じた減磁曲線である。
以上のような減磁曲線に基づいて、保磁力Hcbとリコイル比透磁率μとが算出される。図19には、減磁曲線540に係る保磁力Hcbとリコイル比透磁率μとが図示されている。
保磁力の負数“−Hcb”は、減磁曲線と横軸との交点の値であり、リコイル比透磁率μは、減磁曲線の傾きである。リコイル比透磁率μ及び保磁力Hcbは、減磁特性を近似的に表わすパラメータである。
以上のような図19、図20及び図21夫々の特性図は、実施の形態1の図5、図7及び図8夫々の特性図に相当するため、これらについての詳細な説明は省略する。
従って、着磁解析装置1のCPU10は、S11〜S16の処理を実行することによって各種データの受け付けが完了した後、受け付けたデータの内、回路条件、磁石特性、モデル形状等のデータを適宜に用いて有限要素法で磁場解析を行なうことによって、磁石素材31のメッシュ分割モデルの各メッシュ要素に印加される着磁磁界を算出する(S17の処理)。
次いでCPU10は、S17で求めた各メッシュ要素に係る着磁磁界の算出結果と、減磁曲線のデータとに基づいて、リコイル比透磁率μ及び保磁力Hcbを各メッシュ要素について算出する(S18の処理)。
最後にCPU10は、S19で算出された状態パラメータを所定の形式に編集してなる出力画面を表示部13に表示させ(S20の処理)、着磁解析処理を終了する。
S20では、CPU10は、図17に示す注目部位3dにおける磁束密度Bを、S19で算出された状態パラメータをもとに算出し、注目部位3dに関する磁束分布のグラフを表示させる。本実施の形態においては、この磁束分布が解析結果である。
図25においては、各着磁条件下で着磁してなる永久磁石32を備える電動モータの無負荷誘起電圧の実測値がプロット(黒丸印)のみで示されている。また、着磁解析装置1で算出された各着磁条件下での解析結果に基づいて求めた無負荷誘起電圧の計算値がプロット(白丸印)及び実線で示されている。更に、従来の着磁解析方法を用いて算出された各着磁条件下での解析結果に基づいて求めた無負荷誘起電圧の計算値(12.1[V/krpm])が破線で示されている。
図25に示す特性図からは、従来の着磁解析方法を用いる場合、設計時に予定した機器の特性と、実際に製造された機器の特性とが異なり、所望の特性を得られないことがあるが、本発明の着磁解析方法を用いる場合は、設計時に予定した機器の特性と実際に製造された機器の特性とが略一致するため、容易に所望の特性を得られることがわかる。
なお、本実施の形態1,2に記載した各種の数値(例えば永久磁石3,32夫々の寸法)は一例であり、これらに限定されるものではない。
Claims (5)
- 着磁器で磁石素材に着磁してなる永久磁石の着磁状態を解析する着磁解析方法において、
着磁状態を解析するに際し、永久磁石の不完全着磁領域の各部位について、予め実測してなり、印加される着磁磁界に応じた減磁曲線を用い、
解析対象となる永久磁石の不完全着磁領域に係る領域パラメータを算出することを特徴とする着磁解析方法。 - 前記着磁器に係る着磁器パラメータ及び磁石素材に係る磁石パラメータを用いて磁場解析を行なうことによって、前記磁石素材の各部位に印加される着磁磁界を算出し、
該着磁磁界の算出結果と、前記減磁曲線とに基づいて、前記領域パラメータを前記各部位について算出し、
前記領域パラメータの算出結果を用いて磁場解析を行なうことによって、前記解析対象となる永久磁石の着磁状態を示す状態パラメータを算出することを特徴とする請求項1に記載の着磁解析方法。 - 前記領域パラメータとして、不完全着磁領域の減磁特性を近似的に表わすリコイル比透磁率と保磁力とを用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の着磁解析方法。
- 着磁器で磁石素材に着磁してなる永久磁石の着磁状態を解析する着磁解析装置において、
前記着磁器に係る着磁器パラメータ及び磁石素材に係る磁石パラメータを用いて磁場解析を行なうことによって、前記磁石素材の各部位に印加される着磁磁界を算出する着磁磁界算出手段と、
該着磁磁界算出手段による算出結果、及び、永久磁石の不完全着磁領域の各部位について、予め実測してなり、印加される着磁磁界に応じた減磁曲線に基づいて、解析対象となる永久磁石の不完全着磁領域に係る領域パラメータを前記各部位について算出するパラメータ算出手段と、
該パラメータ算出手段による算出結果を用いて磁場解析を行なうことによって、前記解析対象となる永久磁石の着磁状態を示す状態パラメータを算出する着磁状態算出手段と
を備えることを特徴とする着磁解析装置。 - 永久磁石の不完全着磁領域の各部位について、予め実測してなり、印加される着磁磁界に応じた減磁曲線を与えられたコンピュータに、着磁器で磁石素材に着磁してなる永久磁石の着磁状態を解析させるためのコンピュータプログラムであって、
コンピュータに、前記着磁器に係る着磁器パラメータ及び磁石素材に係る磁石パラメータを用いて磁場解析を行なわせることによって、前記磁石素材の各部位に印加される着磁磁界を算出させるステップと、
コンピュータに、前記着磁磁界の算出結果、及び、与えられた減磁曲線に基づいて、解析対象となる永久磁石の不完全着磁領域に係る領域パラメータを前記各部位について算出させるステップと、
コンピュータに、前記領域パラメータの算出結果を用いて磁場解析を行なわせることによって、前記解析対象となる永久磁石の着磁状態を示す状態パラメータを算出させるステップと
を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
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