JP2005100067A - マイクロ磁化解析プログラムおよび解析装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 マイクロ磁化解析の精度を向上させる。
【解決手段】 微小分割要素の中心に割り当てられるマイクロ磁化と、要素の辺、または節点に割り当てられるベクトルポテンシャルとのパラメータの入力を受け取る手順1と、マイクロ磁化に対する外部磁界を与える磁場方程式を作成する手順2と、該磁場方程式の解を求める手順3と、該解を用いてLLG方程式の時間積分を求める手順4と、手順4で求められたマイクロ磁化が収束条件を満足するかを判定する手順5と、満足しない時、磁場方程式を修正して時刻をステップ的に増加させる手順6と、前記手順3以降を繰返す処理繰返し手順とを計算機に実行させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、磁性体の周囲の磁界解析などを行なう磁化解析方式に係わり、更に詳しくは例えばハードディスクの磁気ヘッドの書き込み、あるいは読み出し動作などを対象として、解析対象を微小な要素に分割し、分割された微小要素に、必要に応じて微小な磁石に相当するマイクロ磁化を割り当てて磁界解析を行なうためのマイクロ磁化解析プログラム、および解析装置に関する。
近年、例えば巨大磁気抵抗効果(ジャイアント・マグネト・レジスティブ,GMR)型ヘッドなどの実用化に伴って、ハードディスクなどの面記録密度が飛躍的に向上している。このような磁気ヘッドの開発のために、シミュレーションによる特性予測などが重要となっている。
一般にこのような磁界解析を行なうにあたっては、有限要素法を用いて解析領域を微小な要素に分割し、磁性体が存在する領域では各要素に磁化を割り当て、また要素の辺、または節点にベクトルポテンシャルを配置して、磁化と磁界の関係、すなわちB−H曲線、またはM−H曲線を与えて解析が行なわれる。なお、明細書中においてはベクトルについては記号にアンダーラインをつけて表す。
このような磁界解析の従来技術として、次の文献がある。
斉藤、「マイクロマグネティックスの有限要素法〜定式化から応用まで〜」,日本応用磁気学会誌 22巻、12号、pp1437−1447(1998) 山田、向山、金井「GMRヘッドシミュレーションシステム:3D−GMRSIM」,FUGITSU 51巻、5号、pp291−296(09,2000)
非特許文献1は、マイクロマグネティックスを用いて磁界解析を行おうとしている人を対象として、4つの研究機関の最近のマイクロマグネティックスの有限要素法による解析の考え方をレビューし、更に有限要素法の実際を実例にそって検証し、その応用までを述べた文献である。
非特許文献2では、巨大磁気抵抗効果(GMR)型ヘッドの再生特性シミュレーションシステムが紹介されており、その中で本発明においても使用する磁化の運動を記述するためのランダウ・リフシッツ・ギルバート(LLG)方程式を用いた磁界解析法が論じられている。
しかしながらこのような従来の解析法では、有限要素法を用いる場合に、マイクロ磁化がメッシュ分割された要素の辺、または節点に割り当てられていた。一般に磁化解析においては、前述のようにベクトルポテンシャルのパラメータが要素の辺、または節点に割り当てられるが、それにならってマイクロ磁化ベクトルのパラメータが要素の辺、または節点に割り当てられていた。そして要素の中心に対するマイクロ磁化を求める時には、補間法を用いて計算が行なわれていた。
しかしながらマイクロ磁化ベクトルは一般にその大きさ、すなわち長さは一定であり、磁界の周りで回転しながら歳差運動を行い、全体的なエネルギーの安定状態において向きが定まるものであり、補間法を用いるとベクトルの大きさ、すなわち長さが変わってしまい、正確な解析結果が得られないという問題点があった。
またB−H曲線などを用いる従来の方法では、非線形性を考慮するためにヒステリシス解析が不可能であり、また磁気異方性、結晶境界、交換相互作用による交換磁界などの各種の磁気的性質を考慮した解析ができないという問題点があった。
本発明の課題は、上述の問題点に鑑み、マイクロ磁化解析において、マイクロ磁化ベクトルをメッシュ分割された微小要素の中心に割り当て、またLLG方程式と磁場方程式とをタイムステップ毎に同時に解くことにより、さらに磁気異方性など、従来の解析で考慮されなかった磁気的性質を取り入れた解析を行なうことによって、解析精度を向上させたマイクロ磁化解析方式を提供することである。
図1は本発明のマイクロ磁化解析プログラムの原理的な機能ブロック図である。同図は、マイクロ磁化ベクトルをメッシュ分割された微小要素の中心に割り当てた有限体積法を用いて、タイムステップ毎に磁場方程式の解を求め、その解をLLG方程式に対する外部磁界としてLLG方程式の時間積分を求める手順を、求められたマイクロ磁化が収束条件を満足するまで繰返す、マイクロ磁化解析プログラムの原理的な機能ブロック図である。
図1において、まず1で解析対象領域を微小分割した要素の中心に割り当てられるマイクロ磁化ベクトルのパラメータ、および要素の辺、または節点に割り当てられるベクトルポテンシャルのパラメータの入力が受け取られ、2で入力されたパラメータを用いてマイクロ磁化に対する外部磁界を与える磁場方程式が作成されて時刻が0に初期化され、3でその磁場方程式の解が求められ、4でその解を非定常のLLG方程式に対する外部磁界としてLLG方程式の時間積分が求められ、5でその時間積分によって求められたマイクロ磁化が収束条件を満足するか否かが判定され、収束条件を満たさない時、求められたマイクロ磁化を用いて6で磁場方程式が修正されて時刻がステップ的に増加させられた後に3に戻り、磁場方程式の解を求める手順以降が繰返される。また図1の5で収束条件が満たされた時には、LLG方程式の時間積分によって求められたマイクロ磁化を用いて、7でマイクロ磁化による磁界を求める手順が実行される。
本発明においては、図1の手順2で作成される磁場方程式は、ベクトルポテンシャルを用いる定常磁場方程式、あるいは非定常磁場方程式である。
発明の実施の形態においては、図1のLLG方程式の時間積分を求める手順4において、隣接要素との間の交換相互作用による交換磁界として、自要素に割り当てられたマイクロ磁化ベクトルと隣接要素に割り当てられたマイクロ磁化ベクトルとの差と、交換相互作用係数との積を設定することもでき、この場合、隣接要素に対する交換相互作用の係数と自要素に対する係数とが異なる時、両者の平均値を交換相互作用係数として用いることもできる。
またLLG方程式の時間積分を求める手順4において、それぞれ複数の要素から構成される要素グループの境界に接する要素に対する交換磁界として、その境界に対して割り当てられた交換相互作用係数と、要素グループに割り当てられた交換相互作用係数とのいずれかのうちで外部から指定された係数と、自要素に割り当てられたマイクロ磁化ベクトルと隣接要素に割り当てられたマイクロ磁化ベクトルの差との積を設定することもできる。
更にLLG方程式の時間積分を求める手順4において、それぞれ複数の要素から構成される要素グループの境界に接する要素に対応して、その境界に対して割り当てられた交換磁界の入力値、または自要素に割り当てられたマイクロ磁化ベクトルと隣接要素に割り当てられたマイクロ磁化ベクトルとの差と乗算されて交換磁界が求められるべき係数であって、要素のサイズに依存する交換相互作用係数の入力値を外部から受け取り、該入力値を用いて交換磁界の値を設定することもできる。
次に本発明のマイクロ磁化解析装置は、解析対象領域を微小要素にメッシュ分割し、要素の中心にマイクロ磁化ベクトルのパラメータを割り当て、磁場方程式とLLG方程式とを同時に用いてマイクロ磁化解析を行なう解析装置である。
本発明のマイクロ磁化解析装置は、微小要素に割り当てられるマイクロ磁化ベクトルのパラメータ、および要素の辺、または節点に割り当てられるベクトルポテンシャルのパラメータの入力を受け取るパラメータ入力手段と、入力されたパラメータを用いてマイクロ磁化に対する外部磁界を与える磁場方程式を作成し、時刻を初期化する磁場方程式作成手段と、磁場方程式の解を求める手段と、LLG方程式の時間積分を求める手段と、時間積分によって求められたマイクロ磁化が収束条件を満足するか否かを判定する収束条件判定手段と、収束条件を満たさない時に求められたマイクロ磁化を用いて磁場方程式を修正し、時刻をステップ的に増加させる磁場方程式修正手段と、修正された磁場方程式を用いてその解を求める手段以降の動作を繰返させる制御手段とを備える。
また本発明のマイクロ磁化解析装置は、収束条件判定手段によって収束条件が満たされたと判定された時、LLG方程式の時間積分によって求められたマイクロ磁化を用いてマイクロ磁化による磁界を求める磁界計算手段を更に備える。
以上のように本発明によれば、マイクロ磁化ベクトルのパラメータがメッシュ分割された要素の中心に割り当てられて、磁化解析が行なわれる。
本発明によれば、マイクロ磁化ベクトルのパラメータをメッシュ分割された要素の中心に割り当て、磁場方程式とLLG方程式とを同時に解くことによって、また従来のB−H曲線では表現しきれなかった磁気異方性、交換磁界、結晶境界などを、各種の定数としてダイアログで設定可能とすることによって、マイクロ磁化解析の精度を大幅に向上させることが可能となる。
以下図2以降を用いて本発明の実施形態について説明する。図2は本発明のマイクロ磁化解析の対象となる計算領域の考え方の説明図である。同図においては、計算領域の内部に2つの磁石AとB、および空気領域が存在する。
この計算領域を微小な要素にメッシュ分割し、例えば要素毎に材料に依存する物性値を定義することになるが、メッシュ分割された1つ1つの微小要素毎に材料の性質を定義する作業は膨大となるため、同一の材料に対する要素はあらかじめグループ化し、グループに対して解析条件を設定するものとすると、図2においては磁石Aに対する要素グループ、磁石Bに対する要素グループ、および空気領域の要素グループの3つのグループから計算領域が構成されることになる。
図3はマイクロ磁化解析の具体的な対象としてのハードディスクドライブ(HDD)垂直記録ヘッドに対する磁界解析の説明図である。同図において、HDD垂直記録ヘッド10が微小要素にメッシュ分割され、書き込みヘッドの先端の要素が更に細かく、例えば数十〜数百nmのオーダーに微小分割されて、マイクロ磁化解析領域11(太線部分)が形成される。
マイクロ磁化解析領域11の内部の各要素、実際には例えば数千個以上の要素のそれぞれに対して、マイクロ磁化(ベクトル)12が割り当てられる。このマイクロ磁化12は、本実施形態においては各要素の中心に割り当てられるところに大きな特徴がある。コイル13に電流を流すことによって、ディスク(媒体)14に対するデータの書き込みが行なわれるが、例えばこのデータ書き込みにおける磁界解析が行われる。
垂直記録ヘッド10のうちで、マイクロ磁化12が割り当てられるマイクロ磁化解析領域11以外の部分は、例えば磁気飽和がないものとしてマイクロ磁化は割り当てられず、線形解析が行なわれる。なおマイクロ磁化はミクロな磁石に対応すると考えることもでき、その概念は磁気モーメントの考え方も含め、一般的な磁化べクトルと基本的に同じである。
図4は本実施形態における磁化解析の全体処理フローチャートである。本実施形態では、マイクロ磁化の運動を記述する非定常のLLG(ランダウ・リフシッツ・ギルバート)方程式に対する外部磁界を求めるために定常、または非定常の磁場の連立方程式を解き、求められた外部磁界を用いたLLG方程式の時間積分によってマイクロ磁化の運動を解析することに基本的な特徴がある。そして、このLLG方程式の時間積分によって、個々のマイクロ磁化の運動を時間と座標の関数として求めることができる。
図4において処理が開始されると、まずステップS1で要素グループおよび要素境界に対する解析条件の設定が行なわれる。前述のように微小要素の1つ1つに対して解析条件の設定を行う処理は膨大となるため、要素グループのそれぞれに属する要素に対して一括して解析条件が、また基本的に要素グループの境界に対して解析条件の設定が行われる。この設定処理については更に後述する。
ステップS2で磁場の連立方程式としての定常磁場方程式、または非定常磁場方程式における要素行列が作成され、磁場計算のための連立方程式が作成される。
ここで作成される定常磁場方程式は、ベクトルポテンシャルを用いる方程式であり、本実施形態においては、例えば図3のコイル13に流れる電流の電流密度をJoとして次の形で与えられる。
Figure 2005100067
ここでνは透磁率μの逆数(ν0=1/μ0
また、非定常磁場方程式は、同様にベクトルポテンシャルとスカラポテンシャルφを用いるものであり、次の形で与えられる。ここでスカラポテンシャルφは物理量をあらわすものではなく、積分定数のようなものである。なおσは導電率である。
Figure 2005100067
Figure 2005100067
定常磁場方程式は、定常電流や時間的にゆっくり変化する電流がコイルに流れた場合の磁場解析に用いられるものであり、磁場の時間変化による渦電流を考慮することなく、磁場計算が行なわれる。
具体的にはハードディスクにおいてリード動作を行なう場合のリードヘッドの周囲の磁場解析、すなわち読み込み部に一定のセンス電流を流し、ディスクからの磁界をセンス電流の変化で感知する場合の磁場解析に用いられる。
非定常磁場方程式は、電流の時間的変化が大きい場合の磁場計算に用いられるものであり、具体的には図3で説明したようにコイル13に電流を流し、データ書き込みを行なうときの書き込み磁界の解析を行なう場合に用いられる。
図4のステップS2で磁場(磁界)の連立方程式が作成されると、ステップS3で解析時刻tが0に初期化され、ステップS4で磁場の連立方程式が解かれ、ステップS5でその計算された磁場をLLG方程式(歳差運動方程式)におけるマイクロ磁化に対する外部磁界として、LLG方程式の時間積分が求められ、ステップS6で収束条件が満足されたか否かが判定される。ここで時間積分の時間範囲としては後述するステップS8における時間ステップ幅Δtが用いられる。
マイクロ磁化ベクトルの運動を記述する歳差運動方程式(LLG方程式)は次の形で与えられる。
Figure 2005100067
Figure 2005100067
ここでγは摩擦係数であり、αは角周波数に依存する定数である。また effは実効磁界、 exは主として隣接要素のマイクロ磁化ベクトルから受ける交換相互作用による交換磁界、 kは異方性磁界、 extは外部磁界(反磁界を含む)である。
なお、ここで異方性磁界 kは磁性体の磁化容易軸(自発磁化の方向)との角度に対応する磁界である。交換磁界 exについてはさらに後述する。
図5はマイクロ磁化の歳差運動の説明図である。マイクロ磁化は磁界、例えば後述する実効磁界の回りで歳差運動をしながら、外部磁界や他のマイクロ磁化による交換相互作用による磁界などの作用のもとで、全体としてのエネルギーが安定な状態に収束する。すなわち、図4のステップS6においては、の時間的変化率の大きさがある閾値より小さくなるという、次の条件を判定することによって収束条件の判定が行なわれる。
Figure 2005100067
収束条件が満足されていないと判定された時には、ステップS7で磁場方程式における要素行列の修正が行なわれる。
ここで、例えば、前述の定常磁場方程式を行列で表現すると次式の形式となる。
Figure 2005100067
行列Cが要素行列であり、この行列の逆行列を両辺に左側から乗算することによって、外部磁界に対応して、n個のベクトルポテンシャル 1 n が求められる。ここでnは、後述するようにベクトルポテンシャルをメッシュ分割された要素の辺に割り当てる場合には辺の数、節点に割り当てる場合には節点の数となる。
ステップS5でマイクロ磁化が求められると、この行列形式の磁場方程式における右辺のマイクロ磁化に関係する項を修正することによって、ベクトルポテンシャルを求めるための連立方程式における要素行列の修正が行なわれる。
図4において、続いてステップS8で解析時刻tの値がΔtだけインクリメントされ、ステップS4以降の処理が繰返され、ステップS6で収束条件が満足されたと判定された時点でステップS9で磁界が計算されて、処理を終了する。ステップS9ではマイクロ磁化に対して、次式によって磁界の計算が行われる。
Figure 2005100067
なおステップS6での収束条件の判定に代わって、あらかじめ解析の最大時間Tmaxを設定し、その時間が経過した時点でステップS9を実行することも当然可能である。
続いて図4のステップS1における要素グループと要素境界に対する解析条件の設定について説明する。図6、および図7はこの解析条件設定における本実施形態に特有の処理としての、メッシュ分割された微小要素へのマイクロ磁化の磁化ベクトルパラメータと、ベクトルポテンシャルのパラメータの割り当ての説明図である。
本実施形態においては、マイクロ磁化の磁化ベクトルを、一般的な有限要素法における処理のように要素の節点、または辺に配置し、要素の内部は関数を用いて補間するという配置方法をとらず、マイクロ磁化の磁化ベクトルのパラメータを要素の中心に配置し、要素内部全体における値として定義する有限体積法を用いることとし、従って要素内部の値を求めるための補間のための関数を使用することなく、解析が行なわれる。
図6においてベクトルポテンシャルのパラメータ、例えばそのx,y,z成分は要素の辺に割り当てられ、マイクロ磁化ベクトルのパラメータは要素の中心に割り当てられる。
図7においては、ベクトルポテンシャルのパラメータは要素の節点に、またマイクロ磁化ベクトルのパラメータは要素の中心に割り当てられる。
一般的に磁場解析において、ベクトルポテンシャルを要素の節点や辺に配置すると、の回転として得られる磁束密度は要素の中心に配置される。従って一般的な磁化との関係から磁化も要素中心に配置されることになる。
この考えからすればマイクロ磁化解析においても、マイクロ磁化を磁化と同様に要素中心に配置することが妥当と考えられる。そこで本実施形態ではマイクロ磁化を中心に配置し、ベクトルポテンシャルを決定するために磁場方程式、すなわち連立方程式を解くことによって磁界解析を行なうことにする。
図8はマイクロ磁化領域からの磁界の説明図である。マイクロ磁化ベクトルを要素の中心にそれぞれ配置することによって、全体エネルギーが安定状態となった収束状態においては、マイクロ磁化領域からの磁界は個々のマイクロ磁化からの磁界の重ね合わせとして求められる。
図9は、図4のステップS1における解析条件設定処理の詳細フローチャートである。本実施形態では、前述のように同一材料の要素は要素グループとしてグループ化し、その要素グループに対する解析条件と、要素境界、例えば要素グループの境界に対する解析条件を設定するものとし、図9では例えばユーザ側から入力される解析条件の値が、後述するダイアログによって受け取られることになる。
図9において処理が開始されると、まずステップS11で要素グループ番号Nが0に初期化され、ステップS12で要素番号Iが0に初期化され、ステップS13で各要素グループ、ここではグループ番号Nが0の要素グループに対して指定される物性値、例えば透磁率、マイクロ磁化などの要素グループ解析条件の指定が受け取られる。本実施形態では、これらの物性値は要素グループに対して指定されるため、この処理をステップS12の前に実行することも可能である。
続いてステップS14で辺、または節点の番号Jが初期化され、ステップS15で境界条件があるか否かが判定される。境界条件が有る場合とは、例えば図2で説明した計算領域の1番外側の境界においてベクトルポテンシャルの値が0であることがあらかじめ指定されているように、境界に対する解析条件の指定を受け取る必要がない場合に相当する。
境界条件がない場合には、ステップS16で要素境界に対して指定されるベクトルポテンシャルやスカラーポテンシャルφの値の指定が受け取られ、ステップS17で辺、または節点の番号Jがその最大値Jmax未満であるか否かが判定され、最大値未満である時にはステップS18でJの値がインクリメントされた後に、ステップS15以降の処理が繰返される。またステップS15で境界条件有りと判定されると、直ちにステップS17の処理に移行する。
ステップS17で辺、または節点の番号Jがその最大値Jmaxに達したと判定されると、ステップS19で要素番号Iがその最大値Imax未満であるか否かが判定され、未満である時にはステップS20でIの値がインクリメントされた後に、ステップS13以降の処理が繰返される。
ステップS19で要素番号Iの値がその最大値に達したと判定されると、ステップS21で要素グループ番号Nがその最大値Nmax未満であるか否かが判定され、未満である時にはステップS22でNの値がインクリメントされた後に、ステップS12以降の処理が繰返され、ステップS21で要素グループ番号Nがその最大値に達したと判定された時点で処理を終了する。
図9で説明した解析条件設定は図14、15で後述するダイアログを用いて行なわれる。要素グループに対する条件設定ダイアログでは、(7)式で説明した連立方程式を作成するための条件として要素グループの性質の選択や、具体的な物性値の設定が行なわれる。また要素境界に対する条件設定ダイアログでは、例えば熱伝導の問題で、ある境界の温度を設定するように、境界におけるベクトルポテンシャルの値などが具体的に指定される。なお要素グループに対する条件設定の前に、境界に対する条件設定を行なってもよいことは当然である。
ここで要素境界という用語について図10を用いて説明する。要素境界という用語は当然1つの要素と隣接要素との境界を意味するが、本実施形態では要素グループの境界も意味するものとし、図10に示すように2つの要素グループに共通の要素境界も定義可能とする。
本実施形態では、従来のようにB−H曲線やM−H曲線を用いるだけでは表現しきれない交換相互作用、結晶境界、反磁性結合などのさまざまな磁気的性質を考慮した磁化解析が可能となる。このような磁気的性質の考慮について図11において説明する。
図11は図4のステップS5におけるLLG方程式時間積分の詳細処理フローチャートである。この処理は、マイクロ磁化の運動を記述する歳差運動方程式、すなわちランダウ・リフシッツ・ギルバート(LLG)方程式の、図4で説明した時間ステップΔtの範囲毎に時間積分を行なう処理であり、ここでは実際にLLG方程式の時間積分を求める前に、各要素または要素グループ毎に隣接要素から受け取る交換相互作用による交換磁界 ex の値を求め、その値をLLG方程式の実効磁界の1項目とするための処理が行なわれた後に、時間積分が実行される。
図11において、まずステップS31で要素グループのグループ番号Nが0に初期化され、ステップS32でN番目の要素グループ内の要素の番号Iが0に初期化され、ステップS33で要素番号Iの要素がマイクロ磁化であるか否か、すなわちその要素の中心にマイクロ磁化が割り当てられているか否かが判定され、割り当てられている場合にはステップS34で隣接の要素がマイクロ磁化であるか否かが判定され、マイクロ磁化である場合には、ステップS35以降で交換相互作用による交換磁界 ex を求める処理が行なわれる。
ステップS35で現在処理の対象となっている番号Iの要素と隣接の要素との間に交換相互作用の境界が有るか否かが判定される。例えば2つの要素の間を結晶の境界としてシミュレーションを行なうような場合には、そのような結晶境界に対応する交換相互作用境界が設定されるが、そのような境界がない場合にはステップS36で、処理を簡単化するために要素グループに対応して設定された交換相互作用係数が同じであるか否かが判定される。すなわち番号Iの要素と隣接の要素とが、例えばそれぞれ別々の要素グループに属するものとすると、それぞれの要素グループに対する交換相互作用の係数が同じであるか否かが判定される。隣接の要素とグループが同じであればここでの判定結果は当然Yesとなる。
隣接要素グループの間で係数の値が同じである場合には、ステップS37で番号Iの要素自身の相互作用の係数が、隣接要素からの交換相互作用の係数とされ、ステップS38でLLG方程式の実効磁界 eff 内の交換磁界 ex が追加される。
ここで交換相互作用による交換磁界について図12、および図13を用いて説明する。図12は有限体積法においてi番目の要素に割り当てられた磁化ベクトル i と、i+1番目の要素、すなわち隣接要素に割り当てられた磁化ベクトル i+1を示す。いずれのベクトルもそれぞれの要素の中心に割り当てられていることが、磁化ベクトルの始点を各要素の中心に一致させていることに示されている。
隣接要素からの交換相互作用による交換磁界は、2つの磁化ベクトル、すなわち隣接要素に割り当てられた磁化ベクトル i +1と自要素に割り当てられた磁化ベクトル iとの差に対して、隣接要素からの交換相互作用の係数を乗算することによって求められる。
図13はこの磁化ベクトルの差の説明図である。同図において、i+1番目の要素に割り当てられた磁化ベクトルと、i番目の要素に割り当てられた磁化ベクトルとの差が示されている。この磁化ベクトルの差に対して、例えば図11のステップS37で求められた隣接要素からの交換相互作用の係数を乗算することによって交換磁界 exが求められ、ステップS38においてその交換磁界 exがLLG方程式の実効磁界における交換磁界として使用されることになる。
図11のステップS33で要素番号iの要素にマイクロ磁化が割り当てられていないと判定されると、ステップS40でグループ内の要素番号Iがその最大値Imax未満であるか否かが判定され、未満である時にはステップS41でIの値がインクリメントされ、ステップS33以降の処理が繰返される。
ステップS34で隣接の要素にマイクロ磁化が割り当てられていないと判定されると、隣接の要素から交換相互作用を受けることがないため、ステップS42で相互作用の係数が0とされ、ステップS38の処理に移行する。ここでは当然交換磁界 exは0とされることになる。
またステップS35で要素間に交換相互作用の境界があると判定されると、ステップS43でその境界に対して定義された係数の値が隣接要素からの交換相互作用の係数とされる。例えば境界が結晶境界に対応するものである場合には、この係数の値を弱めに設定することによって、この境界を結晶の境界としてシミュレーションを行なうことが可能となる。そしてステップS38でその係数の値を用いて求められた交換磁界 ex がLLG方程式の交換磁界として用いられる。
交換相互作用は、本来は、クーロン相互作用とパウリの原理から出てくるスピンの方向に依存する電子間の相互作用であり、要素が微小になるほどその影響は大きくなる。交換相互作用は例えば要素グループの間でマイクロ磁化ベクトルの方向をそろえる作用を持ち、交換相互作用(の係数)が均一であれば、ベクトルの方向が変化するとしても、その変化は連続的となる。
従って、前述のように交換相互作用の係数を小さくする、すなわち作用を弱めることによって要素間を結晶境界としたシミュレーションができる。逆に係数を大きくすることで強磁性結合を、さらに係数を負にすることで反磁性結合を表現することが可能となる。
次にステップS36で隣接要素グループとの間で交換相互作用が同じでないと判定されると、ステップS44でその要素、すなわち番号Iの要素と隣接要素との相互作用係数の平均値が求められ、この値が相互作用の係数とされ、ステップS38において追加される ex の値が求められることになる。
ステップS40でI、すなわち要素グループ内の要素番号Iがその最大値Imaxに達したと判定されると、ステップS45で要素グループ番号Nがその最大値Nmax未満であるか否かが判定され、未満である時にはステップS46でNの値がインクリメントされた後に、ステップS32以降の処理が繰返される。そしてステップS45でNの値がその最大値に達したと判定されると、ステップS47で実際にLLG方程式の時間積分が求められ、処理を終了する。
最後に図14と図15を用いて、要素グループに対する解析条件の設定と要素境界条件の設定とについて説明する。図14は要素グループに対する解析条件設定用のダイアログを示す。なお以下の説明における□1〜□26は図14、図15内の正方形で囲まれた1〜26に対応する。
図14において、本発明に直接関連する部分を中心に説明する。まず□1は要素グループの番号、すなわID、□2は要素グループの名前であり、□3材料選択は要素グループに対する材料を指定するものである。「設定なし」はこの要素グループを計算に使用しないことを指定し、「空気」はその領域を空気として、「導体」はその領域を電流が流れることが可能な領域として、「磁性体」は電流が流れ、かつ磁性体として扱う領域を指定し、「マイクロ磁化」は電流が流れることが可能で、かつマイクロ磁化が割り当てられる領域として指定するものである。
□4励磁電流は、磁場を生じる電流が流れる要素として指定するものであり、□5非線型は磁性体の磁気的性質をB−H曲線、またはM−H曲線として設定するものであり、□6の着磁は計算の前に外部からある方向の磁界を加えて、例えばマイクロ磁化の性質、すなわちその大きさや方向を指定するためのものである。□7は準定常計算用に磁化を固定する、すなわち□12のIDで指定されたグループに対してだけ、マイクロ磁化計算を実行すべきことを指定するものである。
□8は透磁率、□9は誘電率、□10は□6の着磁における着磁の大きさ、□11はその各成分である。□13は、例えば着磁強度を最初の解析では小さな値から始め、次の解析では段々と大きくし、最大値に達した後に、着磁強度を減少させながらマイクロ磁化解析を繰返す場合における着磁強度の大きさのステップ数に相当する。
□14は本解析において重要な変数の設定領域であり、容易軸磁界は磁気異方性による磁化容易軸方向の磁界、交換係数は交換相互作用係数、磁化強度はマイクロ磁化の強度、摩擦係数はLLG方程式における摩擦係数の値を指定するものである。
□15は磁化容易軸方向を指定するものであり、その方向はランダム、または整列した方向に指定される。図16は初期磁化ベクトルの方向を各座標軸成分として指定するものであり、着磁の場合と強制的な指定の場合とがある。□17、□18は本実施形態に直接の関係はなく、その説明を省略する。
図15は要素境界条件設定用ダイアログを示す。同図において□19は磁場計算用境界、□20は励磁電流境界の指定のためのものであるが、これらは本実施形態に直接の関係がないため、その説明を省略する。
□21は交換相互作用を設定するものである。例えば境界に対しては、交換相互作用は要素間の距離の2乗に反比例するため、要素のサイズに依存する係数の設定を行なうことも可能であり、また係数の値の代わりに交換磁界の値を直接に設定することも可能である。なおここで要素境界に対して交換相互作用の設定を行なうと、その設定は図14における要素グループに対する設定より優先される。
□22、□23、□24は各ポテンシャルの入力を行なうためのものであり、ベクトルポテンシャルAの各成分、スカラーポテンシャルφ、磁気ポテンシャルφmを入力するためのものである。
□25は磁化ベクトルを固定するものであり、例えばX方向を固定することによって、マイクロ磁化ベクトルのY成分、Z成分のみが変化することになる。□26はここで指定されるIDの境界が呼ばれた時にのみ、励磁電流用境界が有効になることを示している。
以上のように要素グループや要素境界に対して、各種の設定、例えば容易軸方向の磁界などの設定を行なうことによって従来のB−H曲線を用いる方法に比較して多様かつ精度の良い解析ができる。
以上において本発明のマイクロ磁化解析プログラムについてその詳細を説明したが、このようなマイクロ磁化解析を行なうマイクロ磁化解析装置は当然一般的なコンピュータシステムとして構成することが可能である。
図16はそのようなコンピュータシステム、すなわちハードウエア環境の構成ブロック図である。
図16においてコンピュータシステムは中央処理装置(CPU)20、リードオンリメモリ(ROM)21、ランダムアクセスメモリ(RAM)22、通信インタフェース23、記憶装置24、入出力装置25、可搬型記憶媒体の読み取り装置26、およびこれらの全てが接続されたバス27によって構成されている。
記憶装置24としてはハードディスク、磁気ディスクなど様々な形式の記憶装置を使用することができ、このような記憶装置24、またはROM21に図5,図9および図11のフローチャートに示されたプログラムや、本発明の特許請求の範囲の請求項1〜4のプログラムなどが格納され、そのようなプログラムがCPU20によって実行されることにより、本実施形態における要素の中心にマイクロ磁化を割り当てた解析、磁場方程式とLLG方程式とを同時に解く解析などが可能となる。
このようなコンピュータで使用するプログラムは、プログラム提供者28側から、ネットワーク29、および通信インタフェース23を介して、例えば記憶装置24に格納されることも、また市販され、流通している可搬型記憶媒体30に格納され、読み取り装置26にセットされて、CPU20によって実行されることも可能である。可搬型記憶媒体30としてはCD−ROM、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク、DVDなど様々な形式の記憶媒体を使用することができる。
(付記1) 解析対象領域を微小分割した要素の中心に割り当てられるマイクロ磁化ベクトルのパラメータ、および要素の辺、または節点に割り当てられるベクトルポテンシャルのパラメータの入力を受け取る手順と、
該入力されたパラメータを用いて、マイクロ磁化に対する外部磁界を与える磁場方程式を作成し、時刻を初期化する手順と、
該磁場方程式の解を求める手順と、
該解を非定常のLLG方程式に対する外部磁界として、該LLG方程式の時間積分を求める手順と、
該時間積分によって求められたマイクロ磁化が収束条件を満足するか否かを判定する手順と、
該収束条件を満足しない時、該求められたマイクロ磁化を用いて前記磁場方程式を修正し、時刻をステップ的に増加させる手順と、前記磁場方程式の解を求める手順以降を繰返す処理繰り返し手順とを計算機に実行させるためのマイクロ磁化解析プログラム。
(付記2) 前記収束条件が満足された時、前記LLG方程式の時間積分によって求められたマイクロ磁化を用いて、マイクロ磁化による磁界を求める手順を更に計算機に実行させることを特徴とする付記1記載のマイクロ磁化解析プログラム。
(付記3) 前記磁場方程式が、ベクトルポテンシャルを用いる定常磁場方程式であることを特徴とする付記1記載のマイクロ磁化解析プログラム。
(付記4) 前記磁場方程式が、非定常磁場方程式であることを特徴とする付記1記載のマイクロ磁化解析プログラム。
(付記5) 前記LLG方程式の時間積分を求める手順において、
隣接要素との間の交換相互作用による交換磁界として、自要素に割り当てられたマイクロ磁化ベクトルと隣接要素に割り当てられたマイクロ磁化ベクトルとの差と、交換相互作用係数との積を設定することを特徴とする付記1記載のマイクロ磁化解析プログラム。
(付記6) 前記隣接要素に対する交換相互作用の係数と自要素に対する交換相互作用の係数とが異なる時、両者の平均値を前記積における交換相互作用係数とすることを特徴とする付記5記載のマイクロ磁化解析プログラム。
(付記7) 前記LLG方程式の時間積分を求める手順において、
それぞれ複数の要素から構成される要素グループの境界に接する要素に対する前記交換磁界として、該境界に対して割り当てられた交換相互作用係数と要素グループに割り当てられた交換相互作用係数とのいずれかのうちで外部から指定された係数と、自要素に割り当てられたマイクロ磁化ベクトルと隣接要素に割り当てられたマイクロ磁化ベクトルとの差との積を設定することを特徴とする付記1記載のマイクロ磁化解析プログラム。
(付記8) 前記LLG方程式の時間積分を求める手順において、
それぞれ複数の要素から構成される要素グループの境界に接する要素に対応して、該境界に対して割り当てられた交換磁界の入力値、または自要素に割り当てられたマイクロベクトルと隣接要素に割り当てられたマイクロ磁化ベクトルとの差と乗算されて交換磁界が求められるべき係数であって、要素のサイズに依存する交換相互作用係数の入力値を外部から受け取り、該入力値を用いて交換磁界の値を設定することを特徴とする付記1記載のマイクロ磁化解析プログラム。
(付記9) 解析対象領域を微小分割した要素の中心に割り当てられるマイクロ磁化ベクトルのパラメータ、および要素の辺、または節点に割り当てられるベクトルポテンシャルのパラメータの入力を受け取る入力手段と、
該入力されたパラメータを用いて、マイクロ磁化に対する外部磁界を与える磁場方程式を作成し、時刻を初期化する磁場方程式作成手段と、
該磁場方程式の解を求める手段と、
該解を非定常のLLG方程式に対する外部磁界として、該LLG方程式の時間積分を求める手段と、
該時間積分によって求められたマイクロ磁化が収束条件を満足するか否かを判定する収束条件判定手段と、
該収束条件を満足しない時、該求められたマイクロ磁化を用いて前記磁場方程式を修正し、時刻をステップ的に増加させる磁場方程式修正手段と、
該修正された磁場方程式を用いて、磁場方程式の解を求める手段以降の動作を繰返させる制御手段とを備えることを特徴とするマイクロ磁化解析装置。
(付記10) 前記収束条件が満足された時、前記LLG方程式の時間積分によって求められたマイクロ磁化を用いて、マイクロ磁化による磁界を求める磁界計算手段をさらに備えることを特徴とする付記9記載のマイクロ磁化解析装置。
本発明は、磁気ヘッドの製造産業は当然のこととして、マイクロ磁化ベクトルを用いた磁化解析を必要とする全ての産業において利用可能である。
本発明のマイクロ磁化解析プログラムの原理的な機能ブロック図である。 本実施形態におけるマイクロ磁化解析の計算領域の説明図である。 HDD垂直記録ヘッドに対する解析方法の説明図である。 本実施形態におけるマイクロ磁化解析の基本処理フローチャートである。 マイクロ磁化の歳差運動の説明図である。 本実施形態におけるパラメータの要素への割り当ての説明図(その1)である。 本実施形態におけるパラメータの要素への割り当ての説明図(その2)である。 マイクロ磁化領域からの磁界の説明図である。 解析条件設定処理の詳細フローチャートである。 要素境界の説明図である。 LLG方程式時間積分処理の詳細フローチャートである。 有限体積法におけるマイクロ磁化の割り当ての説明図である。 図12におけるマイクロ磁化ベクトルの差の説明図である。 要素グループ解析条件設定用ダイアログを示す図である。 要素境界解析条件設定用ダイアログを示す図である。 マイクロ磁化解析装置を構成するコンピュータシステムを示すブロック図である。
符号の説明
10 HDD垂直記録ヘッド
11 マイクロ磁化解析領域
12 マイクロ磁化
13 コイル
14 ディスク(媒体)
20 中央処理装置(CPU)
21 リードオンリメモリ(ROM)
22 ランダムアクセスメモリ(RAM)
23 通信インタフェース
24 記憶装置
25 入出力装置
26 読み取り装置
27 バス
28 プログラム提供者
29 ネットワーク
30 可搬型記憶媒体

Claims (5)

  1. 解析対象領域を微小分割した要素の中心に割り当てられるマイクロ磁化ベクトルのパラメータ、および要素の辺、または節点に割り当てられるベクトルポテンシャルのパラメータの入力を受け取る手順と、
    該入力されたパラメータを用いて、マイクロ磁化に対する外部磁界を与える磁場方程式を作成し、時刻を初期化する手順と、
    該磁場方程式の解を求める手順と、
    該解を非定常のLLG方程式に対する外部磁界として、該LLG方程式の時間積分を求める手順と、
    該時間積分によって求められたマイクロ磁化が収束条件を満足するか否かを判定する手順と、
    該収束条件を満足しない時、該求められたマイクロ磁化を用いて前記磁場方程式を修正し、時刻をステップ的に増加させる手順と、前記磁場方程式の解を求める手順以降を繰返す処理繰り返し手順とを計算機に実行させるためのマイクロ磁化解析プログラム。
  2. 前記収束条件が満足された時、前記LLG方程式の時間積分によって求められたマイクロ磁化を用いて、マイクロ磁化による磁界を求める手順を更に計算機に実行させることを特徴とする請求項1記載のマイクロ磁化解析プログラム。
  3. 前記磁場方程式が、ベクトルポテンシャルを用いる定常磁場方程式であることを特徴とする請求項1記載のマイクロ磁化解析プログラム。
  4. 前記磁場方程式が、非定常磁場方程式であることを特徴とする請求項1記載のマイクロ磁化解析プログラム。
  5. 解析対象領域を微小分割した要素の中心に割り当てられるマイクロ磁化ベクトルのパラメータ、および要素の辺、または節点に割り当てられるベクトルポテンシャルのパラメータの入力を受け取る入力手段と、
    該入力されたパラメータを用いて、マイクロ磁化に対する外部磁界を与える磁場方程式を作成し、時刻を初期化する磁場方程式作成手段と、
    該磁場方程式の解を求める手段と、
    該解を非定常のLLG方程式に対する外部磁界として、該LLG方程式の時間積分を求める手段と、
    該時間積分によって求められたマイクロ磁化が収束条件を満足するか否かを判定する収束条件判定手段と、
    該収束条件を満足しない時、該求められたマイクロ磁化を用いて前記磁場方程式を修正し、時刻をステップ的に増加させる磁場方程式修正手段と、
    該修正された磁場方程式を用いて、磁場方程式の解を求める手段以降の動作を繰返させる制御手段とを備えることを特徴とするマイクロ磁化解析装置。
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