JPH10188042A - 有限要素法による解析方法及びその装置 - Google Patents

有限要素法による解析方法及びその装置

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JPH10188042A
JPH10188042A JP35037596A JP35037596A JPH10188042A JP H10188042 A JPH10188042 A JP H10188042A JP 35037596 A JP35037596 A JP 35037596A JP 35037596 A JP35037596 A JP 35037596A JP H10188042 A JPH10188042 A JP H10188042A
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Hiroshi Yoneda
弘 米田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベクトルポテンシャルを用いた節点要素有限
要素法において、磁性体が存在する等のように材料定数
が不連続な場合に、計算量や使用メモリを節約して精度
よい解析ができる有限要素法による解析方法を提供する
ことを目的とする。 【解決手段】 解析対象を有限の要素に分割して解析す
る有限要素法による解析で、空間内に磁気コア31があ
る場合のように、分割された要素間に材料定数(例えば
透磁率)が不連続に変る不連続面が有る場合に、前記材
料定数の不連続面の位置に不連続面の法線方向に少なく
とも1層の新たな要素35を追加して有限要素法による
解析を行うことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は有限要素法の解析方
法、特に未知数としてベクトルポテンシャルを用い、3
次元節点要素を用いた有限要素法解析装置、並びに任意
の複数点の磁界を境界条件として与えられた場合の磁界
の方程式を解く双極子重畳法による解析方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、計算機の発達に伴って、電磁界,
構造,熱,流体等の自然現象を数値解析して、各種装置
の計算及び開発に役立てることが一般的になっている。
数値計算法の種類としては、各種のものがあり各々長
所,短所を有するが、汎用性、融通性に優れている有限
要素法が最も広く使用されている。
【0003】有限要素法による解析の手順を有限要素解
析システムの構成を示す図8を用いて説明する。入力装
置6より、解析モデルの要素分割に必要な情報、例えば
各要素内の材料定数や境界条件等が入力され、要素分割
装置1に対して設定される。要素分割装置1の要素分割
部10は、上記情報に基づき有限要素データを作成す
る。作成された有限要素データはメモリ4に格納され
る。有限要素解析装置2の有限要素解析部20は、メモ
リ4から有限要素データを入力され、有限要素解析を行
った後に有限要素解析結果をメモリ5に格納する。計算
結果処理装置3は、メモリ5からの有限要素解析結果を
処理して、表示装置7へ図形やデータとして表示する。
【0004】ここで、有限要素法には、未知数の種類に
対応して各種のものがある。磁界計算を例に取れば、磁
界の値をそのまま未知数にとる方法、スカラポテンシャ
ルを未知数にとる方法、ベクトルポテンシャルを未知数
にとる方法等がある。さらに細かく述べれば、例えばベ
クトルポテンシャルも磁気ベクトルポテンシャルと電流
ベクトルポテンシャル等に分けることができる。
【0005】また、未知数の分布の表現の仕方にも種々
あり、未知数を有限要素の節点上に定義して、要素内の
値を補間する節点要素有限要素法と、未知数を要素の辺
上に定義して要素内の値を補間する辺要素有限要素法が
ある。これらの有限要素法の各手法は、計算精度,計算
量,使い勝手等の点で、各々長所,短所を有しており、
どれか1つが一番優れているというわけでなく、場合に
応じて最適な手法を使い分ける必要がある。
【0006】しかしながら、材料定数が要素間で不連続
な場合には、一般的に精度が悪くなる。すなわち、未知
数としてベクトルポテンシャルを用いた節点要素有限要
素法は広く用いられている手法であるが、磁性体が存在
して材料定数が磁性体の表面で不連続に変化するような
場合には精度が悪い。この精度の悪い従来例を図9に示
す磁気回路を用いて説明する。
【0007】図9の(a)は上面図、(b)は側面図で
ある。磁性コア31が閉磁路を形成し、その一部に巻か
れたコイル32に電流33が流されている。この状態に
おける磁界解析を行うためには、磁性コア,コイル及び
それらを取り巻く空気を含めた3次元領域を取り出し、
その領域内を有限要素に分割して有限要素解析を行う必
要がある。
【0008】有限要素解析のための有限要素分割にはい
ろいろな仕方があり、図10の(a),(b)に有限要
素分割の例を示す。図10の(a),(b)は、前記磁
性コア31の1つの断面の近傍を取り出すためである。
図中、34は空気である。図10の(a)は磁性コア3
1の断面を1つの要素に分割した場合の例であり、図1
0の(b)は4×4=16個の要素に分割した場合であ
る。
【0009】さて、図9に示すモデルのコア31内の磁
束密度の真値を知ることはできないが、過程磁路法によ
る計算や十分細かな要素分割によって計算した値から推
定することはできる。図10の(a)のように、磁性コ
ア31の断面内を1つの要素として分割して計算する場
合の磁性コア内の磁束密度は、真値の0.7%つまり真
値の1/150程度の値になる。従って、計算精度は極
めて悪い。一方、図10の(b)のように磁性コア断面
を16個の要素で分割して計算した場合は、真値の93
%の値となり、真値には大分近づいてはいるがそれでも
7%程度の誤差がある。
【0010】以上のように、ベクトルポテンシャルを未
知数とした節点要素有限要素法では、磁性体が存在する
場合に精度が悪く、精度の良好な解を得るためには要素
分割を細かくする必要があり、計算量並びにメモリ容量
が増大する欠点があった。一般に、材料定数が要素間で
不連続な場合には、節点要素有限要素法では一般的に精
度が悪くなり、精度を良くするには計算量並びにメモリ
容量の増大が必要となる。
【0011】一方、前記のような誤差は辺要素有限要素
法では発生しないが、一般に自然現象の数値解析には節
点要素有限要素法が使用されているため、節点要素と辺
要素とを併用するには節点要素と辺要素とで異なる有限
要素分割データを作成する必要が生じ、作業効率が悪か
った。
【0012】
【発明か解決しようとする課題】本発明は、前記従来の
欠点を除去し、有限要素法、特に節点要素有限要素法に
おいて、材料定数が要素間で不連続な場合にも、計算量
並びにメモリ容量の増大を伴なわずに精度良く解析が可
能な有限要素法による解析方法及び装置を提供する。
【0013】また、ベクトルポテンシャルを用い3次元
節点要素を用いた有限要素法において、材料定数が要素
間で不連続な場合にも、計算量並びにメモリ容量の増大
を伴なわずに精度良い解析が可能な有限要素法による解
析方法及び装置を提供する。また、磁性体が存在する空
間の磁界を計算量並びにメモリ容量の増大を伴なわずに
精度良く解析することが可能な有限要素法による解析方
法及び装置を提供する。
【0014】更に、複数位置での磁界が知られている場
合に、空間の磁界を計算量並びにメモリ容量の増大を伴
なわずに精度良く解析が可能な有限要素法による解析方
法及び装置を提供する。
【0015】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に、本発明の有限要素法による解析方法は、解析対象を
有限の要素に分割して解析する有限要素法による解析方
法であって、分割された要素間に材料定数が不連続に変
る不連続面が有る場合に、前記材料定数の不連続面の位
置に不連続面の法線方向に少なくとも1層の新たな要素
を追加して解析を行うことを特徴とする。
【0016】又、本発明の有限要素法解析装置は、解析
対象を有限の要素に分割して解析する有限要素法解析装
置であって、分割された要素間に材料定数が不連続に変
る不連続面が有るか否かを判断する不連続面判断手段
と、不連続面が有る場合に、前記材料定数の不連続面の
位置に不連続面の法線方向に少なくとも1層の新たな要
素を追加する要素追加手段と、新たな要素が追加されて
た有限要素に基づいて解析を行う有限要素解析手段とを
備えることを特徴とする。
【0017】又、本発明の有限要素法による解析方法
は、解析対象を有限の要素に分割して解析する有限要素
法による解析方法であって、複数位置における磁界の値
が与えられた場合に、該磁界の条件を満たすように複数
の磁気双極子を配置して空間内の所望の位置の磁界を求
め、前記空間内に磁性体が存在して材料定数が不連続に
変る不連続面が有る場合には、前記材料定数の不連続面
の位置に不連続面の法線方向に少なくとも1層の新たな
要素を追加して有限要素法による解析を行うことを特徴
とする。
【0018】かかる構成において、分割された要素間に
材料定数が不連続に変る不連続面が有る場合に、前記材
料定数の不連続面の位置に不連続面の法線方向に少なく
とも1層の新たな要素を追加して解析を行うことによ
り、計算量並びにメモリ容量の増大を伴なわずに精度良
く解析が可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳細
に説明する。尚、本実施の形態では空気中に磁気コアが
存在する空間、あるいは複数位置での磁界が分っている
空間を解析対象としたが、これに限定されず有限要素に
分割された有限要素データが要素境界面で不連続な場合
に、好適に適用される。
【0020】<空気中に磁気コアが存在する空間の解析
例>本実施の形態を図1と図2を用いて説明する。図1
の(a)は、図10の(a)と同じ図であり用いた符号
も同じであり、本実施の形態の有限要素法解析システム
において、解析者が作成する有限要素分割データの一例
である。図1の(b)は、本実施の形態の有限要素解析
装置2が、図1の(a)の有限要素分割データを基に薄
い要素層35を磁性コア31の表面近傍に自動作成し
た、有限要素解析に用いる有限要素分割データを示して
いる。図1の(b)では、図1の(a)の磁性コア31
の表面に存在する4つの節点A,B,C,Dから磁性体
内部に移動した位置に、同数の節点A´,B´,C´,
D´を作成して、新しい要素35としている。
【0021】図2は、本実施の形態の有限要素法解析シ
ステムの構成を示している。図2では、図8と同じ機能
の箇所には同じ符号を用いている。図2の図8と異なる
箇所は、有限要素法解析装置2が、有限要素データ変換
部21と有限要素解析部20とから構成されているとこ
ろである。つまり、本実施の形態の有限要素法解析装置
2では、図1の(a)に示す要素分割データが入力され
ると、有限要素データ変換部21で図1の(b)に示す
要素分割データに変換した後に、有限要素解析部20に
よって図1(b)に示す要素分割データを用いて解析を
行う。但し、境界条件は、要素データ変換後に再設定す
るか、あるいは初期の場合には、この時点で設定を行う
必要がある。また、解析が終了したならば、解析結果お
よび解析に用いた変換後の有限要素分割データをメモリ
5に格納し、これを計算結果処理装置3で処理を行い、
表示装置7へ図形やデータとして表示する。
【0022】図16は、本実施の形態の有限要素法解析
システム、あるいは後述の磁気双極子重畳法解析システ
ムを実現するワークステーションの構成例である。図
中、6−1は解析対象のデータや要素分割データ、ある
いは動作指令を入力するをキーボード入力部、6−2は
表示画面上の位置を指示あるいは動作指示を行うマウス
入力部、7は解析対象や有限要素分割後に対象及び解析
結果を表示する表示装置、100はデータを記憶する磁
気ディスク等の補助記憶を有するワークステーション本
体であり、演算・制御用のCPUと制御プログラムを記
憶するROMと補助記憶用のRAMとを含む。
【0023】図17は、本実施の形態の有限要素法解析
システム、あるいは後述の磁気双極子重畳法解析システ
ムを実現するハードウエアの構成例である。図中、20
0は演算・制御用のCPU、201はCPU200の制
御プログラムを記憶するROMで、要素分割用210
a,有限要素データ変換用201b,有限要素解析用2
01c,計算結果処理用201d,磁気双極子配置用2
01eの各処理手順が格納されている。202は補助記
憶用のRAMで、解析対象データ202a,点要素デー
タと境界条件データとを含む有限要素データ202b,
解析結果データ202cとを記憶する。203はハード
ディスクやフロッピーディスク等の大容量の外部記憶装
置であって、RAM202上のデータの退避に使用され
る一時記憶部203aと要素分割,有限要素データ変
換,磁気双極子配置等に使用される汎用データを記憶す
るデータベース部203bとから成る。
【0024】204は、上記キーボード入力部6−1や
マウス入力部6−2からの入力データ、あるいは外部機
器から通信等で入力されるデータを、システム内に転送
する入力インタフェース、205は、上記表示装置7や
プリンタ8への出力データ、あるいは外部機器へ通信等
で出力されるデータを、システム外へ転送する出力イン
タフェースである。
【0025】ここで、本実施の形態の概念を簡単に説明
する。上記図1の(a)の有限要素データに基づく解析
方法によると、ベクトルポテンシャルの発散が零以外の
値を持ちうる。ベクトルポテンシャルの発散が存在する
ということは、ある面に対するベクトルポテンシャルの
法線方向成分が不連続になりうることを示す。その結
果、材料定数が空間的に不連続に変化している場合にお
いては、ベクトルポテンシャルの法線成分が不連続にな
る。一方、節点要素有限要素法では、必然的にベクトル
ポテンシャルの全成分が連続になるように扱われるた
め、磁性体表面におけるベクトルポテンシャルの不連続
性を表現することができず、正しい解を得ることができ
なくなる。
【0026】図10の(b)のように磁性体の要素分割
を細かくした場合に誤差が減少するのは、ベクトルポテ
ンシャルの不連続なジャンプを近似的に連続な変化で表
現することが可能になるためである。これを図3で説明
する。空気と磁性体との境界を挟んで、d−a、a−c
という要素分割をする場合のベクトルポテンシャルの法
線成分の分布が41で示すように不連続だったとする。
ここで、d−a、a−b、b−cというように、幅hの
a−bで示される要素を追加すると、ベクトルポテンシ
ャルの法線成分の分布は42で示すようにほぼ連続な分
布で表現することが可能になる。
【0027】以上の理由から考えると、磁性体の要素分
割は図10の(b)のように一様に細かくするよりも、
図4の(a),(b)に示すように材料定数の不連続面
近傍のみを細かく分割した方が精度改善の効果が大きい
ことが分る。図4の(a)は、磁性体方面に接する磁性
体内部に薄い要素の層35を設けている。図4の(b)
は、磁性体方面に接する空気側に薄い要素の層36を設
けている。図4の(a),(b)共に31は磁性コアを
表わし、34は空気を表わしている。
【0028】このような要素分割で計算した場合の磁性
コア31内の磁束密度の値は、真値に対して、図4の
(a)の場合は真値との誤差が2%程度であったが、図
4の(b)の場合は真値の3%(1/35)程度の値し
かなかった。つまり、図4の(a)の場合は、図10の
(b)よりも要素数が少ないのにもかかわらず、より真
値に近い値画得られたが、図4の(b)の場合は、図1
0の(a)よりは真値に近付いたものの誤差が大変大き
い。
【0029】以上の結果より、材料定数が不連続に変化
する位置では、不連続面に接して磁性体側に薄い要素の
層を設けることが精度改善に有効であることが分る。
尚、本実施の形態では、薄い要素層が一層の場合を示し
たが、複数層を設ける方がより効果がある。また、一般
的に磁性体内部においては磁束の分布が空間的に変化す
るので、磁性体表面の薄い要素層に加えて、磁性体内部
を必要に応じて細かく要素分割する必要がある。
【0030】本実施の形態による有限要素法解析システ
ムによれば、図4の(a)で説明した要素分割に相当す
る要素分割を図1の(b)のように自動的に作成して解
析を行うので、解析の精度がよいという長所を有する。
また、図8に示す有限要素分割装置1を用いて図1の
(b)に示すような要素分割を行うためには、磁性体近
傍に特別な薄い要素層を作成するためのデータを入力す
る必要があり、要素作成作業が煩雑となり長い作業時間
を要した。しかし、以下に説明するように、図2に示す
本実施の形態によれば、有限要素解析装置2が有限要素
データ変換部21で、図1の(a)の有限要素分割デー
タを元に図1の(b)に示す薄い要素層35を磁気コア
の表面近傍に自動作成するので、従来行われていたよう
に特別な要素の層を予め設ける必要がなく、要素分割作
業が簡単化される。
【0031】更に、要素分割データ自体が他の手法によ
る要素分割データと共有化できるため、データの援用が
行えデータ保管のための重複を省くことができるなど、
多くの利点を有する。また、図2に示す本実施の形態の
有限要素法解析システムは、図8に示す従来の有限要素
法解析システムの有限要素解析装置2に、有限要素デー
タ変換部21を追加するだけでよく、従来のシステムを
そのまま活用できるという利点を有する。
【0032】図5は、図2の有限要素データ変換部21
において、図1の(b)に示す要素層35を作成する方
法の例を示している。図5において、51が鉄と空気と
の境界面である。但し、説明を簡単にするために断面を
とって示している。ここで、境界面51は予め設定され
た各要素の材料定数のブロックの表面(フリーフェイ
ス)として自動的に検出することができる。境界面51
上には、元の要素分割による節点が存在している。
【0033】作成は、まず新しく追加する要素層の幅h
を決定し、要素の面から構成される磁性体と空気の境界
面51と平行な面52を想定し、境界上の節点54と対
応する位置に新しい節点53を追加する。つまり、節点
54が平面上にある場合には、その平面から垂直方向に
移動した位置に新しい節点53を設定する。また、節点
54が角点にある場合には、新しく想定した面52の対
応する角点に新しい節点53を設定する。
【0034】以上のように新しく節点53を追加するこ
とにより、新しい要素35の層を作成することができ
る。ここで要素35の幅hは、磁性体の幅を基準にして
決定する。hは少なくとも磁性体の幅の1/4以下に設
定されるが、より小さいhが望ましい。その理由は、図
3の説明から明らかなように、要素層の幅hの領域では
正しい結果を与えないからである。尚、磁性体の形状に
よっては、hを決定する基準とする磁性体の幅は場所に
よって異なるものを用いる。
【0035】図6に本実施の形態の他の有限要素法解析
システムの構成を示す。図8と同じものについては、同
じ符号を用いている。本例においては、有限要素分割装
置1を要素分割部10と要素データ変換部11とから構
成しているところに特徴がある。要素分割部10では、
要素データ変換部11において図1の(a)の要素分割
データを作成し、要素データ変換部11において図1の
(a)の要素分割データを図1の(b)のように自動的
に変換するものである。
【0036】本例では、上記例において有限要素解析装
置2に設けていた要素分割データ変換部21を、有限要
素分割装置1内に設けたものである。上記2つの例を比
べると、後者は有限要素解析装置2を全く変更しなくて
よい利点がある。また、境界条件は要素データ変換後に
一度設定すればよいので、従来の構成をそのまま利用で
きる利点がある。その他、上記例と同様の効果を有す
る。
【0037】図7に本実施の形態の更に他の有限要素法
解析システムの構成を示す。図7で符号45はメモリ、
8は要素データ変換装置1、他の符号は上記例と同じも
のを示す。本実施の形態では要素データ変換機能が要素
データ変換装置8として独立して存在する点が、他の例
と異なる。本例においては、要素分割装置1で作成され
てメモリ4に格納された要素データを要素データ変換装
置8に入力し、材料定数の異なる境界部に薄い要素数を
自動作成した後、変更、追加された新しい要素分割デー
タをメモリ45に格納する。有限要素解析装置2は、メ
モリ45から要素分割データを入力して解析を行う。
【0038】本例においては、要素データ変換装置8が
独立しているので、独立した要素分割装置1および有限
要素解析装置2に対し何の変更も加える必要がなく、上
記例と同じ効果を得ることができ、従来システムの導入
が容易であるという利点を有する。本実施の形態の有限
要素法解析システムによれば、精度のよい結果が得られ
ることを以下に説明する。尚、A,B,A´はベクトル
である。
【0039】磁界解析の未知数として、磁気ベクトルポ
テンシャルAを用いると、ベクトルポテンシャルAと磁
束密度Bとの関係は、式1となる。
【0040】
【数1】B=rotA ここで、式1の関係を満たすベクトルポテンシャルとし
て、式2に示す別の値A´が存在することはよく知られ
ている。
【0041】
【数2】A´=A+gradφ ここで、φは空間的に分布を持つスカラポテンシャルで
ある。式1はベクトルポテンシャルが一義的に定まらな
いことを示しているので、何らかの方法でベクトルポテ
ンシャル条件を課す必要がある。その1つの方法が、境
界条件としてベクトルポテンシャルの値を指定すること
である。このことにより、ベクトルポテンシャルは自由
度を失い、与えた境界条件を満たす解が一義的に定ま
る。
【0042】また、図2,図6または図7の構成におい
て、要素データ変換部21,11またはデータ変換装置
8を使用するか否かを選択できるようにすれば、本実施
の形態の要素分割装置によって、異なる有限要素法の種
類に適した要素分割データが作成できる。以上説明した
ように、本実施の形態は材料定数の異なる領域の境界に
薄い要素の層を作成する要素データ変換機能を設けるこ
とにより、 解析精度が向上し、 解析社が要素分割作業において特別な配慮を行う必要
がなく、効率の向上する、 異材料境界に設ける要素に最適な要素データが作れ、 かつ、従来のシステムをそのまま利用できる、などの
効果を有する。
【0043】<複数位置における磁界の値が既知である
場合の解析例>複数位置における磁界の値が既知である
場合に、他の任意位置における磁界の値を得たい場合が
ある。これは、既知の磁界の値を境界条件として磁界の
方程式を解くことに相当する。磁界計算の手法として
は、最近では有限要素法では特定の境界条件が用いられ
るのが通常であって、任意の境界値を与えて解くのは、
計算処理が複雑になる。
【0044】他に、適当な磁界発生源(電流や磁化)を
仮定し、指定位置の磁界が与えられた値になるようにす
る方法も考えられるが、これはいわゆる逆問題となり既
知の磁界の値を満たすような磁界発生源を求める問題と
なる。しかし、一般に有限要素法では、ポテンシャルの
微係数で表わされる磁界の精度が悪いため、精度のよい
計算が困難である。また、計算そのものも複雑となる。
【0045】一方、電解の場合には、複数点の電解の値
を満足するように、電荷を配置する電荷重畳法がある。
しかし、磁界の場合には、通常N極とS極が対になって
いるため、単に電荷を配置しするだけではこの条件を満
たせない。整理すると、従来の解析方法では、以下のよ
うな欠点があった。 計算が複雑であり、計算時間が多くかかる。
【0046】有限要素法の場合には、磁界の精度が悪
い。 電荷重畳法では、磁界特有のN極とS極の対の関係を
満たすことができない。 本実施の形態では、複数位置の磁界の値を満たすよう
に、複数個の磁気双極子を配置することにより、境界条
件を満たす磁界方程式を解くとともに、前記境界条件を
満たす磁界発生源(磁気双極子)の分布を決定する。
【0047】図11は本実施の形態を説明するための図
である。図12では2次元的な場合を考え、紙面の奥行
方向には磁界の変化はないものとして説明する。図11
で101は磁界の値が与えられる点、102は磁気双極
子を配置する位置である。この例では、磁界の値が与え
られる点101と磁気双極子102とは、点101を中
心とする同心円周上に配置する。また、点101におけ
る磁界は径方向成分Brのみを与える。磁気双極子は、
この場合は3次元的には紙上の双極子となるが、本実施
の形態においては、図11に示す断面上において点とみ
なす。磁界が与えられた点の座標(xi ,yi )と双極
子の位置(uj ,Vj )とを次式のように配置する。
【0048】
【数3】xi =R・cos{2π(i−1)/N} yi =R・sin{2π(i−1)/N} (i=1,
…N)
【0049】
【数4】 uj =r・cos{4π(j−1)/N+π/N} vj =r・sin{4π(j−1)/N+π/N}
(i=1,…N/2)但し、Rおよびrは、磁界データ
点および双極子点の配置される円周の半径、Nは磁界デ
ータ点数である。また、i番目の磁界データ点における
磁界の径方向成分をRri 、j番目の磁気双極子の磁気
モーメントをmj で表わすことにすると、次式の関係を
得る。
【0050】
【数5】 但し、rij:磁気双極子点jと磁界データ点iの距離 ei :中心から磁界データ点iに向かう単位ベクトル eij:磁気双極子点jから、磁界データ点iに向かう単
位ベクトル (式5)は、(i=1,…N)について成立する。一
方、磁気双極子は、N/2個あり、各々2成分を持つの
で、合計N個の成分がある。従って、(式5)を全て磁
界データ点について連立させれば、磁気双極子のN個の
成分を未知数とした連立1次方程式が構成される。これ
を解くことにより、磁気モーメントの値が決定される。
【0051】上記の手順により、mj が求まれば、任意
点の磁界は(式5)のデータ点のかわりに、所望点の位
置をとることにより計算できる。但し、この計算方法
は、全空間を真空もしくは均一材質の場合にのみ適用す
る。近傍に磁性体などが配置された場合の磁界分布の計
算は、磁気双極子の値から磁化密度分布を計算し、それ
を磁界発生源とする磁界計算を、例えば有限要素法等に
よる数値計算によって行えることによりできる。この有
限要素法による数値計算において、前記実施の形態の<
空気中に磁気コアが存在する空間の解析例>が使用でき
るのは明かである。
【0052】磁化密度の計算は以下のように行う。ま
ず、1つの磁気双極子が断表する体積(本実施の形態で
は、奥行方向に他に長さを考えると代表面積として扱っ
てよい)を考える。代表領域としては、例えば、磁気双
極子を中心とするドーナツ上の領域を考え、それを等分
したものをとることができる。この場合、代表体積V
は、(式6)で計算できる。
【0053】
【数6】V=π{R2 −(2r−R)2 } 磁化密度Mは(式9)で計算する。
【0054】
【数7】M=m/V 以上のように、本実施の形態では、磁気双極子を使用し
ているために、磁化密度への変換が極めて容易に行え
る。尚、本実施の形態では2次元場の場合を示したが、
3次元問題では、本実施の形態における円周を球面に置
き換えることによって本発明の手法が容易に適用でき
る。但し、その場合は(式5)を(式8)に置き換えれ
ばよい。
【0055】
【数8】 但し、用いた変数の定義は(式5)と同じである。
【0056】以上述べたように、本実施の形態は以下の
利点を有する。 極めて簡単な計算によって、与えられた磁界データを
満足する磁界計算ができる。 一度磁気モーメントを計算すると、任意点の磁界を精
度よく計算することができる。
【0057】磁界発生源としての磁界密度分布を容易
に計算することができる。 本実施の形態の他の例を図12を用いて説明する。本例
も上記例と同じ2次元場として説明する。図12で、記
号101,103は図11と同じである。112は磁気
双極子の位置を示す。磁界(径方向成分)のデータ点が
円周上に配置されている点は、実施の形態5と同じであ
るが、本実施の形態6においては、磁気双極子の向きを
全て径方向に固定し、磁界データと同じ数を配するとこ
ろが異なる。また、磁気双極子の位置としては、中心1
03と磁界データ点101を結ぶ直線状の点にとってい
る。磁界データ点の位置(xi ,yi )、磁気双極子の
位置(uj ,vj )は次式で表わされる。
【0058】
【数9】xi =R・cos{2π(i−1)/N} yi =R・sin{2π(i−1)/N} (i=1,
…N)
【0059】
【数10】uj =r・cos{2π(j−1)/N} vj =r・sin{2π(j−1)/N} (i=1,
…N) 但し、R、r、Nは上記例と同じである。i番目の磁界
データ点における磁界の径方向成分をBri 、j番目の
磁気双極子の磁気モーメントをmrj で表わすことにす
ると、(式11)の関係を得る。
【0060】
【数11】 ただし,ej は中心から磁気双極子点jに向かう単位ベ
クトルであり、rij,ei 、eijは実施の形態5と同じ
である。
【0061】(式11)は、(i=1,…N)について
成立する。従って、Byi (i=1,…N)が既知であ
れば、mrj (j=1…N)を未知数とする連立一次方
程式を構成する。これを解けば、磁気双極子の分布が求
まる。磁気双極子の分布が求まれば、(式11)におい
て、磁界データ点の位置のかわりに、所望の位置を与え
れば、任意点における磁界が計算できる。また、磁気双
極子から磁化密度の分布を求めることは、上記例と同様
の考え方および手順で行える。
【0062】本例は、上記例と同じ利点を有するが、更
に以下の点において上記例よりも優れた点を持つ。 磁気双極子の数が上記例の2倍と多いため、磁気双極
子の空間的分布をより詳細に表現できる。また、これに
より任意空間点における磁界の分布もより詳細に表現で
きるため、急峻な分布をより正確に計算できる。
【0063】従来のこの種の計算においては、離散点
に条件のみを課しているために、条件の与えられた点
(磁界データ点)以外では、任意性があり、このため計
算者が所望するものと合致しない不自然な分布が得られ
る場合がある。本例では、磁界データ点と同じ数の磁気
双極子を用いており、しかも、磁気双極子の位置を、中
心と磁界データ点を結ぶ直線上に配していることによ
り、このような不自然な解の発生を除去することができ
る。
【0064】このことを図13を用いて以下説明をす
る。図13は、磁界データとして全て同じ値を与えた場
合に、本発明による磁気双極子重畳法によって計算され
た磁界の分布を示している。図13の(a)が前者例に
よるもの、図13の(B)が後者例によるものである。
各々横軸は、角度位置θ、縦軸は磁界の径方向成分Br
である。図13において131は、磁界データ点におけ
る値を示す。132、133は、磁気双極子重畳法で計
算した分布を示す。図13よりわかるように、実施の形
態6は、データ点間における波打ちが小さくより自然で
ある。この理由は、先にも述べたように、磁気双極子と
磁界データ点の相対位置関係において、実施の形態6の
方がよりバランスがよいためである。
【0065】以上、ここでは2次元場の場合について説
明したが、3次元場の場合には、実施の形態5における
場合と同様にして計算を行うことができる。その場合の
計算式は(式12)となる。
【0066】
【数12】 (式12)で用いた変数は、(式8),(式11)の場
合と同じである。
【0067】3次元場の場合は、球面上に磁界データ点
をとるが、本例では中心と磁界データ点を結ぶ線上にと
るので、磁気双極子の位置を容易に決めることができ
る。尚、本例では、磁気双極子を磁界データ点よりも中
心点側に配置しているが、中心点よりも遠い側に設ける
こともできる。個の場合、磁界データ点の内側の領域に
おける磁界計算が可能である。
【0068】また、磁気双極子の径方向位置であるが、
これは磁界データの数や、磁界データの種類によって最
適な位置が異なる。磁界データの点数が72程度の場合
には、磁界データの位置から磁界データ半径の2〜10
%の距離だけ離れた位置に定めるのが適している。。と
ころで、磁気双極子の位置が妥当であるかどうかの判断
は、以下のようにして行う。
【0069】磁気双極子によって計算した磁界データ
面上での磁界の分布の波打ち(図13に示すもの)の程
度が小さい方がよい。つまり分布が滑らかである方がよ
い。具体的な評価量としては、図13に示す波打ちの凸
凹の量の最大をd、磁界の値の最大をBrmax とする
時、両者の比をとり、(式13)の範囲を満たすのが望
ましい。
【0070】
【数13】d/Brmax ×100<10(%) 磁気モーメントの値が、磁界分布に応じて変化した方
がよい。従って、磁気モーメントが全て同じ方向を向
き、かつその値が等しくなるのは不自然である。つま
り、磁気モーメントは均一でない方がよい。具体的評価
量としては、磁気双極子の磁気モーメントの最大mr
max と最小mrmin に対して、少なくとも(式14)の
範囲にあるのが望ましい。
【0071】
【数14】(mrmax −mrmin )/|mrmax |×1
00>50(%) 但し、磁気双極子の値は、外向きを正、内向きを負にと
る。 磁気双極子の値を磁化密度Mに変換した時、磁化密度
Mは、通常使用される永久磁石の磁化の値から大きくず
れるのは不自然である。従って、磁化密度が(式15)
の範囲にあるのが望ましい。
【0072】
【数15】M<10(τ) 図14を用いて本実施の形態の更に他に例を説明する。
図14は、2次元場の場合を示す。図14において、1
41は磁界データ点であり、円周上に配置される。14
4は中心である。143は磁気双極子であり、1つの磁
界データ点と中心に対して、対称な位置に9個が配置さ
れている。但し、この9個の磁気双極子の磁気モーメン
トは、図べて中心から磁界データ点141に向かう方向
を持ち、大きさも同じである。
【0073】この場合、磁界データBri と、磁気双極
子mrj の関係は、(式11)(式12)と同様の式で
表わされ、磁界データの数Nと同じ数の関係式が成立す
る。一方、磁気双極子の値である未知数mrj も磁界デ
ータと同じNであるので、連立一次方程式を解くことに
よって、容易に解くことができる。本例においては、先
述の2つの例に比べて更に以下の利点を有する。
【0074】2つの磁界データ点に対し、複数個の磁
気双極子が分布して配置されるため、磁気双極子が発生
する磁界分布に生ずる図13に示される波打ちの減少が
大幅に抑制され、より自然かつ正確な磁界計算が可能で
ある。 直訴極子を磁化密度に変換する場合、図14の145
に示されるように、各磁気双極子の代表領域を定める
と、1つの磁気双極子が代表する領域は小さくなるた
め、換算後の磁化密度の精度が向上し、この磁化密度を
磁界発生源として有限要素方等によって計算した場合の
磁界の精度も大幅に改善される。
【0075】前述した計算は、いずれもパーソナルコン
ピュータやエンジニアリングワークステーション等の比
較的小型の計算機上で実行することができる。図15
は、実行処理の一例を示す流れ図である。以下、図15
に従って処理の流れを説明する。 ステップS1にて、磁界データを入力する。
【0076】ステップS2にて、前記の方法で連立1
次方程式を構成し、それを解くことによって、磁気双極
子のモーメントを計算する。 ステップS3にて、磁気双極子を磁化密度に変換す
る。 ステップS4にて、磁界の滑らかさ、磁気モーメント
の不均一性、磁化密度の大きさ、などの評価量を計算す
る。
【0077】ステップS5にて、前項の評価量を用い
て、求めた磁気モーメントの良否を判定する。 ステップS5にて良と判定された場合、ステップS6
へ行き、計算したい位置を指定して、所望の位置の磁界
の計算を行う。 ステップS7では、必要に応じて、磁化密度を記憶装
置に格納する。
【0078】ステップS5にて否と判定された場合、
ステップS8へ行き、磁気モーメントの結果がよくない
場合の計算として、磁気双極子の径方向位置を変更し
て、計算をやり直す。 前記のような計算機を用いたシミュレータにおいては、
必要に応じて、計算データや計算結果を画面表示するこ
とにより、計算の操作性、利便性を高めることができ
る。
【0079】また、与える磁界データとしては、測定デ
ータを使用することができる。以上詳細に説明したよう
に、本実施の形態では複数位置の磁界の値を満たすよう
に複数個の磁気双極子を配置することにより、境界条件
を満たす磁界方程式を解くとともに、前記境界条件を満
たす磁界発生源(磁気双極子)の分布を決定するので、
以下の効果を持つ。
【0080】複数点の磁界データを満たす場の磁界計
算を簡単な演算処理によって実行できる。 任意位置の磁界を簡単に、しかも精度よく計算でき
る。 上記磁場を形成する磁界発生源としての磁化密度の分
布を容易に計算することができる。
【0081】磁界計算の精度を判定する評価量を用い
て、計算の良否を判定することができるとともに、計算
パラメータを最適化することができる。
【0082】尚、本発明は、複数の機器(例えば、ホス
トコンピュータ、インタフェース機器、リーダ、プリン
タ等)から構成されるシステムに適用しても、一つの機
器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置
等)に適用してもよい。また、本発明の目的は、前述し
た実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラム
コードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に
供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(ま
たはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラ
ムコードを読出し実行することによっても、達成される
ことは言うまでもない。
【0083】この場合、記憶媒体から読出されたプログ
ラムコード自体が上述した実施の形態の機能を実現する
ことになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体
は本発明を構成することになる。プログラムコードを供
給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピディ
スク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、
CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモ
リカード、ROMなどを用いることができる。
【0084】また、コンピュータが読出したプログラム
コードを実行することにより、前述した実施形態の機能
が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示
に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレ
ーティングシステム)などが実際の処理の一部または全
部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能
が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0085】更に、記憶媒体から読出されたプログラム
コードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードや
コンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメ
モリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に
基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わ
るCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、そ
の処理によって前述した実施形態の機能が実現される場
合も含まれることは言うまでもない。
【0086】本発明を上記記憶媒体に適用する場合、そ
の記憶媒体には、先に説明したフローチャートに対応す
るプログラムコードを格納することになる。
【0087】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は材料定数
の異なる領域の境界に、薄い要素の層を作成する要素デ
ータ変換機能を設けることにより、以下の効果を有す
る。 解析精度が向上し、 解析者が、要素分割作業において異材料境界に特別な
配慮を行う必要がなく、効率の向上する、 異材料境界に設ける要素に最適な要素データが作れ、 かつ、従来のシステムをそのまま利用できる。
【0088】本発明は複数位置の磁界の値を満たすよう
に複数個の磁気双極子を配置することにより、境界条件
を満たす磁界方程式を解くとともに、前記境界条件を満
たす磁界発生源(磁気双極子)の分布を決定するので、
以下の効果を持つ。 複数点の磁界データを満たす場の磁界計算を簡単な演
算処理によって実行できる。
【0089】任意位置の磁界を簡単に、しかも精度よ
く計算できる。 上記磁場を形成する磁界発生源としての磁化密度の分
布を容易に計算することができる。 磁界計算の精度を判定する評価量を用いて、計算の良
否を判定することができるとともに、計算パラメータを
最適化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態の要素分割を説明するための図で
ある。
【図2】本実施の形態の有限要素法解析システムの一構
成例を示す図である。
【図3】磁性体表面近傍のポテンシャルの分布を説明す
るための図である。
【図4】磁性体近傍の要素分割を細かくした例を示す図
である。
【図5】追加要素の作成方法を説明するための図であ
る。
【図6】本実施の形態の有限要素法解析システムの他の
構成例を示す図である。
【図7】本実施の形態の有限要素法解析システムの更に
他の構成を示す図である。
【図8】従来の有限要素法解析システムを説明するため
の構成図である。
【図9】有限要素法の精度を説明するために用いる磁気
回路の例を示す図である。
【図10】要素分割の例を示す図である。
【図11】本実施の形態の磁気双極子の配置の一例を示
す図である。
【図12】本実施の形態の磁気双極子の配置の他例を示
す図である。
【図13】本実施の形態における磁界の分布の波打ちを
説明するための図である。
【図14】本実施の形態の磁気双極子の配置の更に他例
を説明するための図である。
【図15】本実施の形態の磁界計算の実行処理の一例を
示す流れ図である。
【図16】本実施の形態の有限要素法解析システム、あ
るいは磁気双極子重畳法解析システムを実現するワーク
ステーションの構成例を示す図である。
【図17】本実施の形態の有限要素法解析システム、あ
るいは磁気双極子重畳法解析システムを実現するハード
ウエアの構成例を示す図である。

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 解析対象を有限の要素に分割して解析す
    る有限要素法による解析方法であって、 分割された要素間に材料定数が不連続に変る不連続面が
    有る場合に、前記材料定数の不連続面の位置に不連続面
    の法線方向に少なくとも1層の新たな要素を追加して解
    析を行うことを特徴とする有限要素法による解析方法。
  2. 【請求項2】 前記要素の追加は、材料定数の不連続面
    上の節点を前記不連続面から離れる方向に移動した位置
    に新しい節点を生成することによって行われることを特
    徴とする請求項1記載の有限要素法による解析方法。
  3. 【請求項3】 追加される前記要素の位置は要素毎に設
    定された材料定数の情報に基づいて決定されることを特
    徴とする請求項1または2記載の有限要素法による解析
    方法。
  4. 【請求項4】 追加される前記要素は、材料定数のより
    大きい領域内に追加されることを特徴とする請求項3記
    載の有限要素法による解析方法。
  5. 【請求項5】 前記材料定数を透磁率とすることを特徴
    とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載の有限要素
    法による解析方法。
  6. 【請求項6】 追加される前記要素の厚みを磁性体の厚
    みの4分の1以下にすることを特徴とする請求項5記載
    の有限要素法による解析方法。
  7. 【請求項7】 前記解析は、未知数としてベクトルポテ
    ンシャルを用い、かつ3次元節点要素を用いて行なわれ
    ることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1つに記
    載の有限要素法による解析方法。
  8. 【請求項8】 解析対象を有限の要素に分割して解析す
    る有限要素法解析装置であって、 分割された要素間に材料定数が不連続に変る不連続面が
    有るか否かを判断する不連続面判断手段と、 不連続面が有る場合に、前記材料定数の不連続面の位置
    に不連続面の法線方向に少なくとも1層の新たな要素を
    追加する要素追加手段と、 新たな要素が追加されてた有限要素に基づいて解析を行
    う有限要素解析手段とを備えることを特徴とする有限要
    素法解析装置。
  9. 【請求項9】 前記要素追加手段は、材料定数の不連続
    面上の節点を前記不連続面から離れる方向に移動した位
    置に新しい節点を生成することにより新たな要素を追加
    することを特徴とする請求項8記載の有限要素法解析装
    置。
  10. 【請求項10】 前記要素追加手段は、追加される要素
    の位置を要素毎に設定された材料定数の情報に基づいて
    決定する要素位置決定手段を備えることを特徴とする請
    求項8または9記載の有限要素法解析装置。
  11. 【請求項11】 前記要素位置決定手段は、前記新たな
    要素を材料定数のより大きい領域内に追加することを特
    徴とする請求項10記載の有限要素法解析装置。
  12. 【請求項12】 前記材料定数を透磁率とすることを特
    徴とする請求項8乃至11のいずれか1つに記載の有限
    要素法解析装置。
  13. 【請求項13】 前記要素追加手段は、前記新たな要素
    の厚みを磁性体の厚みの4分の1以下にする厚み決定手
    段を更に備えることを特徴とする請求項12記載の有限
    要素法解析装置。
  14. 【請求項14】 前記解析は、未知数としてベクトルポ
    テンシャルを用い、かつ3次元節点要素を用いて行なわ
    れることを特徴とする請求項8乃至13のいずれか1つ
    に記載の有限要素法解析装置。
  15. 【請求項15】 解析対象を有限の要素に分割して解析
    する有限要素法による解析方法であって、 複数位置における磁界の値が与えられた場合に、該磁界
    の条件を満たすように複数の磁気双極子を配置して空間
    内の所望の位置の磁界を求め、 前記空間内に磁性体が存在して材料定数が不連続に変る
    不連続面が有る場合には、前記材料定数の不連続面の位
    置に不連続面の法線方向に少なくとも1層の新たな要素
    を追加して有限要素法による解析を行うことを特徴とす
    る有限要素法による解析方法。
  16. 【請求項16】 前記磁気双極子の位置を固定し、磁気
    双極子の大きさと向きとを与えられた磁界の条件を満た
    すように決定することを特徴とする請求項15記載の有
    限要素法による解析方法。
  17. 【請求項17】 前記磁気双極子の位置と向きを固定
    し、磁気双極子の大きさを与えられた磁界の条件を満た
    すように決定することを特徴とする請求項15記載の有
    限要素法による解析方法。
  18. 【請求項18】 前記磁気双極子の位置を、ある1点と
    与えられた磁界の位置を結ぶ線上に配置することを特徴
    とする請求項15乃至17のいずれか1つに記載の有限
    要素法による解析方法。
  19. 【請求項19】 前記磁気双極子の位置を、ある1点と
    与えられた磁界の位置の間に配置することを特徴とする
    請求項15乃至17のいずれか1つに記載の有限要素法
    による解析方法。
  20. 【請求項20】 1つの磁界の値に対して1つの磁気双
    極子を配置することを特徴とする請求項15記載の有限
    要素法による解析方法。
  21. 【請求項21】 1つの磁界の値に対して複数の磁気双
    極子を配置することを特徴とする請求項15記載の有限
    要素法による解析方法。
  22. 【請求項22】 更に、求めた磁気双極子の値をその磁
    気双極子が代表する体積で割ることによって、磁化密度
    の分布を計算することを特徴と得する請求項15記載の
    有限要素法による解析方法。
  23. 【請求項23】 更に、求めた磁気双極子の値から計算
    した磁界分布の滑らかさの程度によって、求めた磁気双
    極子の良否を判定することを特徴とする請求項15記載
    の有限要素法による解析方法。
  24. 【請求項24】 更に、求めた磁気双極子の値の不均一
    によって、求めた磁気双極子の良否を判定することを特
    徴とする請求項15または23記載の有限要素法による
    解析方法。
  25. 【請求項25】 更に、求めた磁化密度の値によって、
    求めた磁気双極子の良否を判定することを特徴とする請
    求項15または23または24記載の有限要素法による
    解析方法。
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Cited By (4)

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