JP4439973B2 - 電磁場解析装置、電磁場解析方法、コンピュータプログラム、及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

電磁場解析装置、電磁場解析方法、コンピュータプログラム、及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体 Download PDF

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Description

本発明は、電磁場解析装置、電磁場解析方法、コンピュータプログラム、及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関し、特に、磁性体を含む複数の物質が存在している領域に発生する電磁場を解析するために用いて好適なものである。
一般に、電気機器を使用すると周囲に磁界が発生する。そこで、磁気シールド装置を用いて、上記電気機器から発生する磁界が周囲に漏れないようにすることが行われている。
そして、近年の技術の発達により、大電流を使用する大型の電気機器を使用する施設が増えてきている。このような大型の電気機器に対しては、大型の磁気シールド装置を使用する必要がある。
また、磁気シールド装置の近くに大電流が流れていたり、残留磁場のある磁性体があったりする場合には、そこから磁場が発生する。このような磁場は、磁気シールド装置内で精密装置の精密な測定を行おうとする場合の妨げとなる。また、外部磁場が進入しないように磁気シールド装置を構成する必要もある。
例えば、1辺の長さが2[m]、厚さが1[mm]の方向性電磁鋼板を、200枚用意し、これら200枚の方向性電磁鋼板を、間隔を隔てて簾状に並べ、全体として2[m]角の大きさになるように構成された大型の磁気シールド装置が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
ところで、このような大型の磁気シールド装置の有用性を検証するために、上記大型の磁気シールド装置に生じる電磁場を数値解析するのが望ましい。このような場合、従来は、有限要素法を用いるようにするのが一般的であった。この有限要素法では、解析しようとする領域を比較的単純な形状の多数の領域(セル)に分割して、電磁場を解析する。
上述したように、磁気シールド装置は、磁気異方性を有する鋼板を用いて構成されるので、上記有限要素法を用いて電磁場を解析する場合、上記解析しようとする領域を非常に細かくする必要がある。具体的に説明すると、上記解析しようとする領域を、0.2[mm]角程度の大きさを有する多数のセルに分割する必要がある。
特開2002−164686号公報
しかしながら、上述した例のような大型の磁気シールド装置に生じる電磁場を、上記従来の有限要素法により解析しようとすると、一辺が2[m]の立方体の領域を0.2[mm]角の領域(セル)に分割しなければならない。したがって、解析する領域の数が1兆個程度になる。
ところが、現在のパーソナルコンピュータにおける主記憶装置の容量は、最大でも4[GB]程度である。したがって、解析することができる領域(セル)の数は、最大でも百万個程度である。
このように、大規模の磁気シールド装置における電磁場を、上記従来の有限要素法を用いて解析しようとすると、解析に必要なデータ量が、パーソナルコンピュータの記憶容量を遥かに超えてしまう。このため、上述した磁気シールド装置のような大規模の設備に生じる電磁場を解析することが極めて困難であるという問題点があった。
本発明は、上述の問題点にかんがみてなされたものであり、大規模の設備に生じる電磁場を容易に且つ確実に解析することができるようにすることを目的とする。
本発明の電磁場解析装置は、解析対象領域に生じる電磁場を解析する電磁場解析装置であって、磁性体を含む複数の物質により占められている等価要素内における平均磁束密度と、平均磁界と、上記平均磁束密度及び上記磁性体の磁化容易軸のなす角度と、上記平均磁束密度及び上記平均磁界のなす角度とを含む複数の磁気特性を、上記等価要素に与える外部磁界を変えることによって求める第1の磁気特性演算手段と、上記解析対象領域に生じる電磁場を解析する為に用いる複数の磁気特性であって、上記第1の磁気特性演算手段により求められた複数の磁気特性の少なくとも2つをそれぞれが代表する磁気特性を求める第2の磁気特性演算手段と、上記第2の磁気特性演算手段により求められた磁気特性を用いて、上記等価要素よりも広い解析対象領域に生じる電磁場を解析する電磁場解析手段とを有することを特徴とする。
また、本発明のその他の特徴とするところは、磁性体を含む複数の物質により占められている等価要素内における平均磁束密度と、平均磁界と、上記平均磁束密度及び上記磁性体の磁化容易軸のなす角度と、上記平均磁束密度及び上記平均磁界のなす角度とを求める磁気特性演算手段と、上記平均磁束密度と、平均磁界と、上記平均磁束密度及び上記平均磁界のなす角度とを用いて、上記等価要素よりも広い解析対象領域に生じる電磁場を解析する電磁場解析手段とを有し、上記磁気特性演算手段は、上記求める平均磁束密度が所定の値になるように外部磁界を調節し、上記調節した外部磁界を上記等価要素に与えて、上記平均磁束密度と、上記平均磁界と、上記平均磁束密度及び上記平均磁界のなす角度とを求めることを特徴とする。
本発明の電磁場解析方法は、解析対象領域に生じる電磁場を解析する電磁場解析方法であって、磁性体を含む複数の物質により占められている等価要素内における平均磁束密度と、平均磁界と、上記平均磁束密度及び上記磁性体の磁化容易軸のなす角度と、上記平均磁束密度及び上記平均磁界のなす角度とを含む複数の磁気特性を、上記等価要素に与える外部磁界を変えることによって求める第1の磁気特性演算ステップと、上記解析対象領域に生じる電磁場を解析する為に用いる複数の磁気特性であって、上記第1の磁気特性演算手段により求められた複数の磁気特性の少なくとも2つをそれぞれが代表する磁気特性を求める第2の磁気特性演算ステップと、上記第2の磁気特性演算ステップにより求められた磁気特性を用いて、上記等価要素よりも広い解析対象領域に生じる電磁場を解析する電磁場解析ステップとを有することを特徴とする。
また、本発明のその他の特徴とするところは、磁性体を含む複数の物質により占められている等価要素内における平均磁束密度と、平均磁界と、上記平均磁束密度及び上記磁性体の磁化容易軸のなす角度と、上記平均磁束密度及び上記平均磁界のなす角度とを求める磁気特性演算ステップと、上記平均磁束密度と、平均磁界と、上記平均磁束密度及び上記平均磁界のなす角度とを用いて、上記等価要素よりも広い解析対象領域に生じる電磁場を解析する電磁場解析ステップとを有し、上記磁気特性演算ステップは、上記求める平均磁束密度が所定の値になるように外部磁界を調節し、上記調節した外部磁界を上記等価要素に与えて、上記平均磁束密度と、上記平均磁界と、上記平均磁束密度及び上記平均磁界のなす角度とを求めることを特徴とする。
本発明のコンピュータプログラムは、解析対象領域に生じる電磁場の解析をコンピュータに実行させるプログラムであって、磁性体を含む複数の物質により占められている等価要素内における平均磁束密度と、平均磁界と、上記平均磁束密度及び上記磁性体の磁化容易軸のなす角度と、上記平均磁束密度及び上記平均磁界のなす角度とを含む複数の磁気特性を、上記等価要素に与える外部磁界を変えることによって求める第1の磁気特性演算ステップと、上記解析対象領域に生じる電磁場を解析する為に用いる複数の磁気特性であって、上記第1の磁気特性演算手段により求められた複数の磁気特性の少なくとも2つをそれぞれが代表する磁気特性を求める第2の磁気特性演算手段と、上記第2の磁気特性演算ステップにより求められた磁気特性を用いて、上記等価要素よりも広い解析対象領域に生じる電磁場を解析する電磁場解析ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
また、本発明のその他の特徴とするところは、磁性体を含む複数の物質により占められている等価要素内における平均磁束密度と、平均磁界と、上記平均磁束密度及び上記磁性体の磁化容易軸のなす角度と、上記平均磁束密度及び上記平均磁界のなす角度とを求める磁気特性演算ステップと、上記平均磁束密度と、平均磁界と、上記平均磁束密度及び上記平均磁界のなす角度とを用いて、上記等価要素よりも広い解析対象領域に生じる電磁場を解析する電磁場解析ステップとをコンピュータに実行させ、上記磁気特性演算ステップは、上記求める平均磁束密度が所定の値になるように外部磁界を調節し、上記調節した外部磁界を上記等価要素に与えて、上記平均磁束密度と、上記平均磁界と、上記平均磁束密度及び上記平均磁界のなす角度とを求めることを特徴とする。
本発明によれば、磁性体を含む複数の物質により占められている等価要素内における平均磁束密度と、平均磁界と、上記平均磁束密度及び上記磁性体の磁化容易軸のなす角度と、上記平均磁束密度及び上記平均磁界のなす角度とを含む磁気特性の少なくとも2つをそれぞれが代表する複数の磁気特性を求め、求めた磁気特性を用いて、上記等価要素よりも広い領域に生じる電磁場を解析するようにしたので、従来のように解析領域を多数の要素に分割しなくても、解析対象領域に生じる電磁場を解析することができる。さらに、等価要素内における複数の磁気特性の全てを使用せずに電磁場を解析することができる。以上より、電磁場を解析する際に要する記憶容量を大幅に減らすことができるようになり、従来では解析が困難であった大規模の設備における電磁場を確実に解析することができる。
また、本発明の他の特徴によれば、磁性体を含む複数の物質により占められている等価要素内における平均磁束密度が所定の値になるように外部磁界を調節し、上記調節した外部磁界を上記等価要素に与えて、上記等価要素内における平均磁束密度と、平均磁界と、上記平均磁束密度及び上記平均磁界のなす角度とを求め、求めた平均磁束密度と、平均磁界と、上記平均磁束密度及び上記平均磁界のなす角度とを用いて、上記等価要素よりも広い解析対象領域に生じる電磁場を解析するようにしたので、従来のように解析領域を多数の要素に分割しなくても、解析対象領域に生じる電磁場を解析することができる。さらに、求める平均磁束密度を所望の値にすることができるので、等価要素における磁気特性を可及的に正確に求めることができるようになる。これにより、解析対象領域に生じる電磁場を可及的に正確に解析することができる。
(第1の実施の形態)
次に、図面を参照しながら、本発明における第1の実施の形態について説明する。
図1は、本実施の形態における電磁場解析装置の構成の一例を示したブロック図である。なお、本実施の形態では、図2に示すように、等間隔(30[mm]間隔)で簾状に並べられている5枚の鋼板(磁性体)20a〜20eを含む解析対象領域21に生じる電磁場を解析する場合を例に挙げてについて説明する。なお、解析対象領域21は、縦が4000[mm]、横が1155[mm]の大きさを有する長方形の領域である。また、各鋼板20a〜20eは、それぞれ、1000[mm]の幅を有するとともに、1[mm]の厚さを有している。また、解析対象領域21に生じる電磁場とは、例えば、磁気シールド装置に生じる電磁場である。
図1において、電磁場解析装置1は、操作部2と、表示部3と、処理部4とを有している。
操作部2は、キーボードやマウスなどにより構成される装置であり、ユーザ(解析者)により入力された内容を処理部4に伝えるようにするための装置である。
表示部3は、ディスプレイなどにより構成される装置であり、処理部4により実行された処理結果などを表示するための装置である。ユーザは、この表示部3に表示された内容を見ながら、操作部2を操作して所望の内容を入力する。
処理部4は、CPU、ROM、及びRAMなどにより構成されるコンピュータである。この処理部4は、上記ROMに記録されているプログラムを実行するなどして電磁場解析装置1における処理動作を行う。
具体的に、処理部4は、平均磁界演算部4aと、磁気特性曲線作成部4bと、磁界分布演算部4cとを有している。
平均磁界演算部4aは、図2に示した解析対象領域21内の所定の解析領域に対して、等価的な要素を適用し、この等価的な要素内の平均磁束密度Baveと平均磁界Haveとを演算する。この他、平均磁界演算部4aは、演算した平均磁束密度Baveと平均磁界Haveとのなす角度θBHなども演算する。なお、上記において、太字はベクトルであることを示している。また、本発明では、上記等価的な要素を等価要素と称する。
図2に示すように、解析対象領域21には、磁性体(鋼板20)と非磁性体(空気)とからなる等価要素31が繰り返して存在している。つまり、図2においては、等価要素31が、X方向に10個、Y方向に5個存在していることになる。そこで、本実施の形態では、図2の解析対象領域21における磁性体20を、等価要素31に置き換え、この等価要素31の磁気特性を用いて解析対象領域21における電磁場を計算するようにする。このようにすれば、従来の技術のように図2の解析対象領域21を多数の領域に分割する必要がなくなる。本実施形態の電磁場解析装置1では、上記等価要素31の磁気特性を得る部分が、図1における処理部4の平均磁界演算部4a及び磁気特性曲線作成部4bであり、この等価要素31の磁気特性を用いることにより、解析対象領域21における分割数を従来よりも大幅に少なくして解析対象領域21における電磁場を解析する部分が、処理部4の磁界分布演算部4cである。
ここで、図3と図4を参照しながら、本実施の形態における解析領域と等価要素について詳細に説明する。
図3は、等価要素31の磁気特性(例えば、平均磁束密度Baveと平均磁界Haveの関係や、平均磁束密度Baveと平均磁界Haveとのなす角度θBHと平均磁束密度Baveとの関係)を求めるための解析モデルの一例を示した図である。図3に示すように、等価要素31は、図2の等価要素31と同じであり、磁性体20eの中央部20e1と、その側方の空気とによって形成される2次元の領域(平面)であり、縦が100[mm]、横が31[mm]の大きさを有する。ここでは、等価要素を、図2の磁性体20eの一部とした場合を例に挙げて説明しているが、図2の他の磁性体20a、20bなどであっても、磁気特性はほぼ同じであるので、本手法での図2の解析では、図3より算出した同じ磁気特性データを用いてもかまわない。
解析領域30は、等価要素31を中央に含む2次元の領域(平面)であり、縦が200[mm]、横が200[mm]の大きさを有する。
図4は、図3の解析領域30を、有限要素法による電磁場解析にて解析できるように、正方形または長方形からなる複数の領域に解析領域30を分割した様子を示した図である。なお、この分割した複数の領域は、それぞれ有限要素法(FEM:Finite Element Method)により計算することができる適切な大きさを有している。また、以下の説明では、この分割した領域を分割領域と表す。なお、本実施の形態では、電磁場の解析手法として有限要素法を用いているが、差分法およびフーリエ変換、フーリエ級数といった他の数値解析手法で用いても、有限要素法を用いた場合と同様に電磁場を解析することができる。
平均磁界演算部4aは、外部磁界Hextを解析領域30に与えた際に、複数の分割領域のそれぞれに生じる磁束密度Bと、磁界Hとを求める。外部磁界Hextは、以下の(1式)のように表される。
ext={HextX,HextY}・・・(1式)
このように、外部磁界Hextは、磁化容易軸方向の値HextXと、磁化困難軸方向の値HextYとを有する2次元のベクトルである。なお、本実施の形態では、外部磁界Hextと磁化容易軸Xとのなす角度φにより、外部磁界Hextの方向を特定するようにしている(図2〜図4を参照)。
このような外部磁界Hextを与えたときに、図4の斜線で示した分割領域に生じる磁束密度B(i,j)と磁界H(i,j)は、それぞれ以下の(2式)及び(3式)により表される。
B(i,j)={BX(i,j),BY(i,j)}・・・(2式)
H(i,j)={HX(i,j),HY(i,j)}・・・(3式)
なお、上記において、i,jは、分割領域の場所を特定するための自然数である。
このように、各分割領域に生じる磁束密度B(i,j)と磁界H(i,j)も、磁化容易軸方向の値BX(i,j)、HX(i,j)と、磁場困難軸方向の値BY(i,j)、HY(i,j)とを有する2次元のベクトルである。こうした、各分割領域に生じる磁束密度B(i,j)と磁界H(i,j)は、マックスウェルの電磁方程式に基づく有限要素法による電磁場解析より得られる。具体的には以下の(4式)に示す静磁場に関する方程式を用いる。
Figure 0004439973
ここで、[μ]-1は、透磁率の逆数である。また、Aは、ベクトルポテンシャルであり、このベクトルポテンシャルAは、以下の(5式)のように定義される。
Figure 0004439973
また、J0は、電気機器に励磁される印加電流である。この式を基に、図4のごとく空間的に離散化された分割領域での補間関数を用い、変分法またはガラーキン法を用いて、構成方程式を求め、ガウスの消去法またはICCG法を用いて、分割領域でのベクトルポテンシャルAを求め、それから、そこでの磁束密度B(i,j)と磁界H(i,j)を求めている。なお、有限要素法の詳細は、例えば、「中田、高橋『電気工学の有限要素法第二版』森北出版、1982」に記載されているので、ここでは、概略のみを記した。
そして、平均磁界演算部4aは、以上のようにして得られた各分割領域に生じる磁束密度B(i,j)と、磁界H(i,j)の中から、等価要素31に生じる磁束密度B(i,j)と磁界H(i,j)を抽出する。
そして、抽出した磁束密度B(i,j)と磁界H(i,j)から、等価要素31内の平均磁束密度Baveと平均磁界Haveを求める。具体的には、以下の(6式)〜(11式)により求める。

Figure 0004439973
なお、上記において、BX(i,j)は、磁束密度B(i,j)の磁化容易軸方向の値である。BY(i,j)は、磁束密度B(i,j)の磁化困難軸方向の値である。
また、HX(i,j)は、磁界H(i,j)の磁化容易軸方向の値である。HY(i,j)は、磁界H(i,j)の磁化困難軸方向の値である。
また、ΔS(i,j)は、分割領域の大きさ(面積)である(図4を参照)。
なお、本実施の形態では、平均磁束密度Baveと磁化容易軸Xとのなす角度θBにより、平均磁束密度Baveの方向を特定するようにしている。また、平均磁界Haveと磁化容易軸Xとのなす角度θHにより、平均磁界Haveの方向を特定するようにしている(図3を参照)。
また、上記のようにして、各分割領域に生じる磁束密度B(i,j)と磁界H(i,j)を求める際には、図5に示すような予め実験で測定した鋼板20のB−H曲線を用いるようにする。図5において、黒丸でプロットされているB−H曲線51は、磁性体20〜24の磁化容易軸方向におけるB−H曲線である。また、白抜きの四角でプロットされているB−H曲線52は、鋼板20の磁化困難軸方向におけるB−H曲線である。
以上のことから、等価要素31における磁気特性は、以下の(12式)〜(14式)により求められる。
Figure 0004439973
そして、外部磁界Hextの大きさと方向(外部磁界Hextと、磁化容易軸Xとのなす角度φ)を変えて、上記(2式)〜(14式)による計算を繰り返し行う。
具体的に説明すると、例えば、外部磁界Hextと磁化容易軸Xとのなす角度φを、0、15、30、45、60、75、90[°]にし、それぞれの角度φにおいて、外部磁界Hextの大きさを、0[Gauss]から10000[Gauss]まで100[Gau
ss]おきに可変した場合の平均磁束密度Baveと平均磁界Haveとを求める。
さらに、平均磁界演算部4aは、以上のようにして求めた平均磁束密度Baveと、平均磁界Haveと、平均磁束密度Baveと磁化容易軸Xとのなす角度θBと、平均磁束密度Baveと平均磁界Haveとのなす角度θBHと基づいて、後述する磁気特性曲線作成部4bにおいて使用する平均磁束密度Baveや平均磁界Haveなどの磁気特性を、ノルム法を用いて求める。以下に、後述する磁気特性曲線作成部4bにおいて使用する磁気特性の求め方の一例を説明する。
まず、図6(a)に示すように、平均磁界演算部4aは、以上のようにして求めた平均磁束密度Baveと、平均磁界Haveと、平均磁束密度Baveと磁化容易軸Xとのなす角度θBとから定まる演算点Pi(iは自然数)を、座標空間{Have,Bave,θB}に与える。そして、座標空間に与えた、後述する磁気特性曲線作成部4bにおいてその磁気特性を使用する点である代表点Pxから距離εの範囲内に位置する3つの演算点Piを求め、求めた演算点Piにおける磁気特性を用いて代表点Pxにおける磁気特性を求める。このようにして求めた代表点Pxにおける磁気特性は、上記代表点Pxから距離εの範囲内に位置する複数の演算点Piにおける磁気特性を代表するものとなる。図6(a)に示した例では、3つの演算点P1、P2、P3における磁気特性をまとめて、代表点Pxにおける磁気特性と見なすことができる。
具体的に、本実施の形態では、以下のようにして代表点Pxにおける磁気特性を求めるようにしている。
まず、平均磁界演算部4aは、図6(a)に示したようにして座標空間{Have,Bave,θB}に与えた演算点Piを、図6(b)に示すように部分空間{Bave,θB}に当てはめる。また、部分空間{Bave,θB}に、後述する磁気特性曲線作成部4bがB−H曲線を作成する為の、所望の値を持つ代表点Pxを当てはめる。
次に、図6(c)に示すように、平均磁界演算部4aは、部分空間{Bave,θB}に当てはめた演算点Piをσ空間{Bave´,θB´}に写像する。具体的に、σ空間における平均磁束密度Bave´を、以下の(15)式のように定義する。
Figure 0004439973
上記(15式)において、Baveiは、演算点Piにおける平均磁束密度Baveである。また、Baveaは、部分空間{Bave,θB}に当てはめた全ての演算点Piにおける平均磁束密度Baveの平均値である。σBは、演算点Piにおける平均磁束密度Baveの標準偏差である。具体的に、Bavea、σBは、それぞれ以下の(16式)及び(17)式のように表される。
Figure 0004439973
また、σ空間における角度θB´を、以下の(18式)のように定義する。
Figure 0004439973
上記(18)式において、θBiは、演算点Piにおける角度θBの値である。また、θBaは、部分空間{Bave,θB}に当てはめた全ての演算点Piにおける角度θBの平均値である。σθは、演算点Piにおける角度θBの標準偏差である。具体的に、θBa、σθは、それぞれ以下の(19式)及び(20)式のように表される。
Figure 0004439973
以上のようにして演算点Pi´をσ空間に写像するとともに、上記代表点Pxもσ空間に写像する。そして、平均磁界演算部4aは、σ空間に写像された代表点Px´に近い演算点Pi´(図6の例では、演算点P1´〜P3´)を3つ選択する。そして、選択した3つの演算点Pi´に対応する部分空間{Bave,θB}上の演算点Piと、代表点Px´に対応する部分空間{Bave,θB}上の代表点Pxとの関係は、以下の(21式)(図6に示した例では(22式))により表される。
Figure 0004439973
上記aiは、代表点Pxと、演算点Pi(i=1〜3)とにより導出される定数である。図6に示した例では、定数a1〜a3は、数理計画法における最小二乗法を用いることにより求めることができる。具体的には、以下の(23式)を満たすような定数ai(a1〜a3)を求めることになる。
Figure 0004439973
すなわち、演算点Piの数が、演算点Piを定めるパラメータの数以下である場合には、(23式)を満たすようにするために、定数ai(a1〜a3)の偏微分値が0となるような計算を行うことで、定数ai(a1〜a3)を求めることができる。一方、演算点Piの数が、演算点Piを定めるパラメータの数よりも多い場合には、複数の解が得られるので、それら複数の解の中から1つを選ぶために、上記(23式)を2次計画法の一般系に変形することで、定数ai(a1〜a3)を求めることができる。なお、定数aiを求める方法は、このようなものに限定されないということは言うまでもない。例えば、演算点Piが2つの場合には、上記(21式)により演算点Piの逆行列を求めて、定数aiを求めるようにしてもよい。
以上より、代表点Pxにおける平均磁界Havexは、以下の(24)式で表される。
Figure 0004439973
また、平均磁界演算部4aは、平均磁束密度Baveと、平均磁束密度Baveと磁化容易軸Xとのなす角度θBと、平均磁束密度Baveと平均磁界Haveとのなす角度θBHとから定まる演算点Qi(iは自然数)を、座標空間{θBH,Bave,θB}に与える。そして、座標空間に予め与えた、後述する磁気特性曲線作成部4bにおいてその磁気特性を使用する点である代表点Qxから距離σの範囲内に位置する3つの演算点Qiを求め、求めた演算点Qiにおける磁気特性を用いて代表点Qxにおける磁気特性を求める。このようにして求めた代表点Qxにおける磁気特性は、上記代表点Qxから距離δの範囲内に位置する複数の演算点Qiにおける磁気特性を代表するものとなる。したがって、図7(a)に示した例では、3つの演算点Q1、Q2、Q3における磁気特性をまとめて、代表点Qxにおける磁気特性と見なすことができる。
具体的に、本実施の形態では、以下のようにして代表点Qxにおける磁気特性を求めるようにしている。
まず、平均磁界演算部4aは、図7(a)に示したようにして座標空間{θBH,Bave,θB}に与えた演算点Qiを、図7(b)に示すように部分空間{Bave,θB}に当てはめる。また、部分空間{Bave,θB}に、後述する磁気特性曲線作成部4bがB−θ曲線を作成する為の、所望の代表点Qxを当てはめる。なお、部分空間{Bave,θB}に当てはめる代表点Qxは、上記代表点Pxと同じ点である。
次に、図7(c)に示すように、平均磁界演算部4aは、部分空間{Bave,θB}に当てはめた演算点Qiをσ空間{Bave´,θB´}に写像する。具体的に、σ空間における平均磁束密度Bave´と角度θB´は、それぞれ上記(15)式及び(18式)のように定義される。
以上のようにして演算点Qi´をσ空間に写像するとともに、上記代表点Qxもσ空間に写像する。そして、平均磁界演算部4aは、σ空間に写像された代表点Qx´に近い演算点Qi´(図7の例では、演算点Q1´〜Q3´)を3つ選択する。そして、選択した3つの演算点Qi´に対応する部分空間{Bave,θB}上の演算点Qiと、代表点Qx´に対応する部分空間{Bave,θB}上の代表点Qxとの関係は、以下の(25式)、(26式)により表される。
Figure 0004439973
なお、上記aiは、代表点Qxと、演算点Qi(i=1〜3)とにより導出される定数である。図6に示した例では、定数a1〜a3は、上記(23式)と同様に最小二乗法を用いることにより求められる。ただし、上述したように、代表点Pxと、演算点Pi(i=1〜3)とを用いて定数a1〜a3を求めた場合には、必ずしも代表点Qxと、演算点Qi(i=1〜3)とを用いて定数a1〜a3を求める必要はない。
以上より、代表点Qxにおける角度θBHは、以下の(27)式で表される。
Figure 0004439973
以上のように、平均磁界演算部4aは、平均磁束密度Baveと、平均磁界Haveと、平均磁束密度Baveと磁化容易軸Xとのなす角度θBと、平均磁束密度Baveと平均磁界Haveとのなす角度θBHとから定まる多数の演算点Pi、Qiを、1つ又は複数の代表点Px、Qxにまとめ、まとめた代表点Px、Qxにおける平均磁束密度Baveと、平均磁界Haveと、平均磁束密度Baveと磁化容易軸Xとのなす角度θBと、平均磁束密度Baveと平均磁界Haveとのなす角度θBHとをノルム法により求める。そして求めた代表点Px、Qxにおける特性を磁気特性曲線作成部4bに出力する。なお、本実施の形態では、代表点Px´、Qx´に近い演算点Pi´を3つ選択するようにしたが、選択する数は3つに限定されないというこ
とは言うまでもない。
以上のようにして、本実施の形態の平均磁界演算部4aは、以下の4つの関係を、それぞれ、外部磁界Hextの大きさと、外部磁界Hextと磁化容易軸Xとのなす角度φとをパラメータとして求めるようにする。
1.外部磁界Hext−角度θB
2.外部磁界Hext−平均磁束密度Bave
3.外部磁界Hext−平均磁界Have
4.外部磁界Hext−角度θBH
なお、本実施の形態では、外部磁界Hextと、角度θB、平均磁束密度Bave、平均磁界Have、及び角度θBHとの関係を求めるようにしたが、外部磁束密度Bextと、角度θB、平均磁束密度Bave、平均磁界Have、及び角度θBHとの関係を求めるようにしてもよい。
また、外部磁界Hextを変更するに際し、新しい外部磁界Hextは、以下の(28式)で表される緩和法に従って求めることができる。
Figure 0004439973
なお、上記Hext newは、求めようとする新しい外部磁界Hextである。上記Hext now
、現在設定されている外部磁界Hextである。上記Hext oldは、1回前に設定された外部
磁界Hextである。上記αは、緩和係数であり、概ね0.9以上1.2以下の範囲の値を
とる。
磁気特性曲線作成部4bは、平均磁界演算部4aにより求められた代表点Px、Qxにおける、平均磁束密度Baveと平均磁界Haveとに基づいて、等価要素31におけるB−H曲線を作成する。すなわち、平均磁界Haveと平均磁束密度Baveとの関係を表す曲線を作成する。そして、作成したB−H曲線を記録媒体に記録する。等価要素31におけるB−H曲線の具体的な作成方法の一例を、図8〜図を参照しながら説明する。
そして、平均磁界演算部4aにて求めた複数の代表点P x において、平均磁束密度Baveと磁化容易軸Xとのなす角度θBが、0、15、30、90[°]のときの平均磁束密度Baveと平均磁界Haveを求める。なお、このときに使用する平均磁束密度Baveと磁化容易軸Xとのなす角度θBは、0、15、30、90[°]に限定されないということは言うまでもない。
そして、以上のようにして求めた平均磁束密度Baveと平均磁界Haveとの関係を表すB−H曲線100〜103を作成する(図を参照)。さらに、これらB−H曲線100〜103に対して平準化処理を行う。本実施の形態では、この平準化処理を行ったB−H曲線110〜113を、等価要素31におけるB−H曲線とする(図を参照)。
また、磁気特性曲線作成部4bは、平均磁界演算部4aにより求められた代表点Px、Qxにおける、平均磁束密度Baveと平均磁界Haveとに基づいて、等価要素31におけるB−θ曲線を作成する。すなわち、平均磁束密度Baveと平均磁界Haveとのなす角度θBHと(図3を参照)、平均磁束密度Baveとの関係を表す曲線を作成する。そして、作成したB−θ曲線を記録媒体に記録する。
具体的に説明すると、図1に示すように、平均磁束密度Baveと平均磁界Haveとのなす角度θBHと、平均磁束密度Baveとの関係を表すB−θ曲線120〜123を、平均磁束密度Baveと磁化容易軸Xとのなす角度θBをパラメータとして作成する。図1に示した例では、平均磁束密度Baveと磁化容易軸Xとのなす角度θBが、0、15、30、90[°]のときの曲線120〜123を作成する。なお、パラメータとして使用する平均磁束密度Baveと磁化容易軸Xとのなす角度θBは、図に示したB−H曲線110〜113を作成する際に使用した角度θBと同じ値を用いるようにする。
磁界分布演算部4cは、以上のようにして磁気特性曲線作成部4bにより作成されたB−H曲線110〜113とB−θ曲線120〜123とに基づいて、解析対象領域21に生じる電磁場(磁束線)を求める。そして、例えば、求めた電磁場(磁束線)から、解析対象領域21内の所望の位置における磁束密度を求める。なお、解析対象領域21に生じる磁束線は、有限要素法(FEM)を用いて求めるようにする。なお、有限要素法による電磁場解析の方法は、前述した通りである。
また、有限要素法を用いる際には、辺要素有限要素法を適用するのが好ましい。本実施の形態では、二次元モデルを用いているが、後述する三次元モデルにおいては、辺要素を適用して電磁場解析を行うことは特に重要である。節点要素を適用した場合よりも、辺要素を適用した場合の方が、解析に用いるデータ量が少なくなるからである。具体的に説明すると、節点要素を適用した場合には、要素における頂点(節点)の数(本実施形態では4)に、次元の数(本実施形態では2)を乗じた数(本実施形態では8)に基づいたデータが必要になる。一方、辺要素を適用した場合には、要素を構成する辺の数(本実施形態では6)に基づいたデータがあればよい。
この他、節点要素有限要素法を適用した場合よりも、辺要素有限要素法を適用した場合の方が、より正確に電磁場(磁束線)を求めることができるという利点もある。具体的に説明すると、例えば、対向する2辺のうちの一方が異なる物質(本実施形態では鋼板と空気)の境界にある長方形の領域(要素)に対して、節点要素有限要素法を適用した場合、各節点から得られる物理量は、上記異なる物質における物理量が混合したものとなってしまう。これに対し、辺要素有限要素法を適用した場合、上記対向する2辺のうちの一方から得られる物理量は、上記異なる物質における物理量が混合したものになるが、上記対向する2辺のうちの他方から得られる物理量は、1つの物質の物理量となる。したがって、上記のような長方形の領域(要素)では、節点要素有限要素法を適用するよりも、辺要素有限要素法を適用した方が、より正確に磁束線を求めることができる。
なお、等価要素31の磁気特性を求めるために、図3において、等価要素31に外部磁界Hextを印加すると、等価要素31内の磁性体20e1は磁化されるが、磁性体20e1の形状及び数によっては、反磁界の影響が出てきて、所定の磁気特性を得られない場合がある。そのために、本実施の形態では、図2に示したように、反磁界が出ない程度に磁性体の数、大きさに注意した広い領域を、電磁場を解析する領域として考えるようにするのが好ましい。
次に、図1のフローチャートを参照しながら、本実施の形態の電磁場解析装置1における処理動作の一例を説明する。
まず、最初のステップS1において、平均磁界演算部4aは、解析領域30に与える外部磁界Hextの大きさを初期値(0[Gauss])に設定する。
次に、ステップS2において、平均磁界演算部4aは、外部磁界Hextと磁化容易軸Xとのなす角度φを初期値(0[°])に設定する。
このように、外部磁界Hextと磁化容易軸Xとのなす角度φを設定することにより、外部磁界Hextの方向を設定する。
次に、ステップS3において、平均磁界演算部4aは、解析領域30の境界条件を、外部磁界Hextに応じて設定する。具体的に説明すると、本実施の形態では、外部磁界Hextを与えたときに、例えば図4の解析領域30における境界の要素に、外部磁界Hextに相当する値を挿入して境界条件を設定するようにする。
次に、ステップS4において、平均磁界演算部4aは、外部磁界Hextの設定内容に従って、解析領域30に生じる磁束密度B(i,j)と磁界H(i,j)を演算する。
具体的に説明すると、外部磁界Hextを境界条件として与えて、解析領域30に対し前述した有限要素法の電磁場解析を実行する。
次に、ステップS5において、平均磁界演算部4aは、上記ステップS4における処理により得られた磁束密度B(i,j)と磁界H(i,j)の中から、等価要素31に生じる磁束密度B(i,j)と磁界H(i,j)を抽出する。
次に、ステップS6において、平均磁界演算部4aは、ステップS5で抽出した磁束密度B(i,j)と磁界H(i,j)とを用いて、等価要素における磁気特性(等価要素31内の平均磁束密度Bave(i,j)と、平均磁界Have(i,j)と)を求めて記録媒体に格納する。さらに、求めた平均磁束密度Bave及び平均磁界Haveのなす角度θBHを求めて記録媒体に格納する。
次に、ステップS7において、平均磁界演算部4aは、外部磁界Hextの大きさが規定値であるか否かを判定する。
本実施の形態では、外部磁界Hextの大きさを、0、100、500、1000、2000、5000、10000[Gauss]の順で増大させるようにしている。したがって、10000[Gauss]が規定値となる。
このステップS7の判定の結果、外部磁界Hextの大きさが規定値でない場合には、ステップS6に進んで設定値を変更する。例えば、外部磁界Hextの大きさの設定値が、0[Gauss]である場合には、設定値を100[Gauss]に変更する。そして、ステップS3に戻る。
一方、外部磁界Hextの大きさの設定値が規定値である場合には、ステップS9に進んで設定値を初期値にリセットする。
次に、ステップS10において、平均磁界演算部4aは、外部磁界Hextの方向(外部磁界Hextと磁化容易軸Xとのなす角度φ)の設定値が、規定値であるか否かを判定する。
本実施の形態では、外部磁界Hextと磁化容易軸Xとのなす角度φを、0、15、30、45、60、75、90[°]の順で増大させるようにしている。したがって、90[°]が規定値となる。
このステップS10の判定の結果、外部磁界Hextの方向(外部磁界Hextと磁化容易軸Xとのなす角度φ)の設定値が、規定値でない場合には、ステップS11に進んで設定値を変更する。例えば、外部磁界Hextと磁化容易軸Xとのなす角度φの設定値が、0[°]である場合には、設定値を15[°]に変更する。そして、ステップS3に戻る。
一方、外部磁界Hextの方向(外部磁界Hextと磁化容易軸Xとのなす角度φ)の設定値が、規定値である場合には、ステップS12に進んで設定値を初期値にリセットする。
次に、ステップS13において、平均磁界演算部4aは、ステップS6で求めた平均磁束密度Bave(i,j)、平均磁界Have(i,j)、及び角度θB、θBHとから定まる演算点Pi、Qiを、1つ又は複数の代表点Px、Qxにまとめる。そして、まとめた代表点Px、Qxにおける平均磁束密度Baveと、平均磁界Haveと、角度θB、θBHとをノルム法により求める。
次に、ステップS14において、磁気特性曲線作成部4bは、ステップS6で求められた平均磁束密度Bave(i,j)と平均磁界Have(i,j)とから、等価要素31におけるB−H曲線110〜113を作成する。
次に、ステップS15において、磁気特性曲線作成部4bは、ステップS6で求められた平均磁束密度Bave(i,j)と、平均磁束密度Bave及び平均磁界Haveのなす角度θBHとから、等価要素31におけるB−θ曲線120〜123を作成する。
最後に、ステップS16において、磁界分布演算部4cは、ステップS14、15で作成された等価要素31におけるB−H曲線110〜113と、ステップS17で作成されたB−θ曲線120〜123とを用いて、解析対象領域21に生じる電磁場を求める。
次に、図1及び図1のフローチャートを参照しながら、図1のステップS13における代表点Px、Qxにおける磁気特性を求める際の、電磁場解析装置1における処理動作の一例を説明する。
まず、最初のステップS21において、平均磁界演算部4aは、ステップS14で求めた平均磁束密度Baveと、平均磁界Haveと、平均磁束密度Bave及び磁化容易軸Xのなす角度θBとから定まる演算点Piを、座標空間{Have,Bave,θB}に与える。
次に、ステップS22において、平均磁界演算部4aは、ステップS21で座標空間{Have,Bave,θB}に与えた演算点Piを、部分空間{Bave,θB}に当てはめる。
次に、ステップS23において、平均磁界演算部4aは、ステップS22で部分空間{Bave,θB}に当てはめた演算点Piをσ空間{Bave´,θB´}に写像する。
次に、ステップS24において、平均磁界演算部4aは、σ空間{Bave´,θB´}において、1番目の代表点Px´(Pxj´;j=1)を指定する。
次に、ステップS25において、平均磁界演算部4aは、ステップS24で指定した代表点Pxj´の近くにある3つの演算点Pi´を求める。
次に、ステップS26において、平均磁界演算部4aは、ステップS25で求めた3つの演算点Pi´に対応する部分空間{Bave,θB}上の演算点Piにおける平均磁束密度Bave及び角度θBと、上記指定した代表点Pxj´に対応する部分空間{Bave,θB}上の代表点Pxjにおける平均磁束密度Bave及び角度θBとを用いて、最小二乗法により、定数ai(a1〜a3)を求める((23式)を参照)。
次に、ステップS27において、平均磁界演算部4aは、ステップS26で求めた定数ai(a1〜a3)と、ステップS25で求めた3つの演算点Pi´に対応する座標空間{Have,Bave,θB}上の平均磁束密度Haveとを、上記(24式)に代入して、代表点Pxにおける平均磁界Havexを求める。
次に、ステップS28において、平均磁界演算部4aは、全ての代表点Pxjを指定したか否かを判定する(すなわち、jが所定の自然数であるか否かを判定する)。この判定の結果、全ての代表点Pxjを指定していない場合には、ステップS29に進み、次の代表点Pxj(j=j+1)を指定する。そして、全ての代表点Pxjを指定したと判定するまで、ステップS25〜S29の処理動作を繰り返す。
ステップS28において、全ての代表点Pxjを指定したと判定すると、図1のステップS30に進み、平均磁界演算部4aは、ステップS6で求めた平均磁束密度Baveと、平均磁界Haveと、平均磁束密度Baveと平均磁界Haveとのなす角度θBHとから定まる演算点Qiを、座標空間{θBH,Bave,θB}に与える。
次に、ステップS31において、平均磁界演算部4aは、ステップS30で座標空間{θBH,Bave,θB}に与えた演算点Qiを、部分空間{Bave,θB}に当てはめる。
次に、ステップS32において、平均磁界演算部4aは、ステップS31で部分空間{Bave,θB}に当てはめた演算点Qiを、σ空間{Bave´,θB´}に写像する。
次に、ステップS33において、平均磁界演算部4aは、σ空間{Bave´,θB´}において、1番目の代表点Qx´(Qxj´;j=1)を指定する。
次に、ステップS34において、平均磁界演算部4aは、ステップS33で指定した代表点Qx´の近くにある3つの3つの演算点Qi´を求める。
次に、ステップS35において、平均磁界演算部4aは、ステップS34で求めた3つの演算点Qi´に対応する座標空間{θBH,Bave,θB}上の演算点Qiにおける平均磁束密度Bave及び角度θBと、上記指定した代表点Qxj´に対応する座標空間{θBH,Bave,θB}上の代表点Qxjにおける平均磁束密度Bave及び角度θBとを用いて、最小二乗法
により、定数ai(a1〜a3)を求める((23式)を参照)。なお、上記ステップS26で求めた定数ai(a1〜a3)を用いる場合には、このステップS35の処理を省略してもよい。
次に、ステップS36において、平均磁界演算部4aは、ステップS35(またはステップS27)で求めた定数ai(a1〜a3)と、ステップS34で求めた3つの演算点Qi´に対応する座標空間{θBH,Bave,θB}上の角度θBHとを、上記(27式)に代入して、代表点Qxにおける角度θBHxを求める。
次に、ステップS37において、平均磁界演算部4aは、全ての代表点Qxjを指定したか否かを判定する(すなわち、jが所定の自然数であるか否かを判定する。)。この判定の結果、全ての代表点Qxjを指定していない場合には、ステップS38に進み、次の代表点Qxj(j=j+1)を指定する。そして、全ての代表点Qxjを指定したと判定するまで、ステップS34〜S38の処理動作を繰り返す。
次に、図1のフローチャートを参照しながら、図1のステップS14におけるB−H曲線を作成する際の、電磁場解析装置1における処理動作の一例を説明する。
まず、最初のステップS41において、磁気特性曲線作成部4bは、ステップS13で求められた平均磁束密度Baveと磁化容易軸Xとのなす角度θBと、外部磁界Hextとの関係を表す曲線80〜86を、前述した線形補間を行うなどして作成する。
次に、ステップS42において、磁気特性曲線作成部4bは、ステップS41で求めた曲線80〜86から、平均磁束密度Baveと磁化容易軸Xとのなす角度θBが、0、15、30、90[°]のときの平均磁束密度Baveと平均磁界Haveを求める。
最後に、ステップS43において、磁気特性曲線作成部4bは、ステップS42で求めた平均磁束密度Baveと平均磁界Haveとの関係を表すB−H曲線110〜113を、上述した平準化処理を行うなどして作成する。
次に、図1のフローチャートを参照しながら、図1のステップS15におけるB−θ曲線を作成する際の、電磁場解析装置1における処理動作の一例を説明する。
まず、最初のステップS51において、磁気特性曲線作成部4bは、ステップS13で求められた平均磁束密度Baveと磁化容易軸Xとのなす角度θBが、0、15、30、90[°]のときの平均磁束密度Baveと平均磁界Haveとのなす角度θBHを求める。
そして、ステップS32において、磁気特性曲線作成部4bは、図1のステップ42で求めた、平均磁束密度Baveと磁化容易軸Xとのなす角度θBが、0、15、30、90[°]のときの平均磁束密度Baveと、ステップS51で求めた、平均磁束密度Baveと磁化容易軸Xとのなす角度θBが、0、15、30、90[°]のときの平均磁束密度Baveと平均磁界Haveとのなす角度θBHとの関係を表すB−θ曲線120〜123を作成する。
以上のような、解析対象領域21に生じる電磁場(例えば磁束線)を求める本実施の形態の手法(等価BH法)をまとめると、図1に示すようになる。
次に、以上のようにして求められる磁束密度の解析結果について示す。
図1は、本実施の形態の方法で解析した結果と、従来の方法で解析した結果とを比較した図である。
具体的に、図1(a)は、外部磁界Hextと磁化容易軸Xとのなす角度(外部磁界進入角度)φと、図2に示したA点における磁束密度との関係を比較した図である。
また、図1(b)は、外部磁界Hextと磁化容易軸Xとのなす角度(外部磁界進入角度)φと、図2に示したB点における磁束密度との関係を比較した図である。
なお、図1においては、本実施の形態における方法を等価BH法と表している。また、これらの結果を表形式であらわしたものを以下の表1に示す。

Figure 0004439973
なお、図18(a)に示すように、本実施の形態の方法(等価BH法)を用いると、図2に示した解析対象領域21により占められている領域(縦4000[mm]、横1155[mm])は、667個の領域(要素)に分割される。これに対し、図18(b)に示すように、従来の有限要素法を用いると、解析対象領域21により占められている領域は、52488個の領域(要素)に分割される。
これらのことから(表1、図1、図18)、本実施の形態の方法で解析した場合には、分割する領域の数(要素数)を少なくしても、従来の方法で解析した場合と略同様の結果が得られることが分かる。
以上のように本実施の形態では、所定の間隔を有して繰り返し存在している磁性体20の中央部20e1と、その側方の空気とにより占められる所定の領域を1つの等価要素31とし、その等価要素31における平均磁束密度Baveと、平均磁界Haveと、平均磁束密度Bave及び平均磁界Haveのなす角度θBHとを演算し、演算した平均磁界Haveと平均磁束密度Baveとの関係を表すB−H曲線110〜113、及び平均磁束密度Baveと平均磁界Haveとのなす角度θBHと、平均磁束密度Baveとの関係を表すB−θ曲線120〜123を、角度θBをパラメータとして作成し、作成したB−H曲線110〜113とB−θ曲線120〜123とを用いて、解析対象領域21に生じる磁束線を求めるようにしたので、多数の要素に分割しなくても、解析対象領域21に生じる電磁場を解析することができる。これにより、電磁場を解析する際に要する記憶容量を大幅に減らすことができるようになり、従来では解析が困難であった大規模の設備における電磁場を確実に解析することができる。
このように、等価な磁気特性を用いて解析対象領域21の電磁場を解析する点で、このような電磁場の解析手法を、等価B−H法と呼ぶ。
特に、本実施の形態では、平均磁束密度Baveと、平均磁界Haveと、平均磁束密度Bave及び磁化容易軸Xのなす角度θBとから定まる演算点Piを、座標空間{Have,Bave
θB}に与えるとともに、平均磁束密度Baveと、平均磁束密度B ave 及び磁化容易軸Xのなす角度θ B 、平均磁束密度Bave及び平均磁界Haveのなす角度θBHとから定まる演算点Qiを、座標空間{θBH,Bave,θB}に与え、平均磁束密度Baveと角度θBとが互いに同一の代表点Px、Qxを定め、代表点Pxの近傍にある3つの演算点Piを用いて、代表点Pxにおける平均磁界Haveを求めるとともに、代表点Qxの近傍にある3つの演算点Qiを用いて、代表点Qxにおける角度θBHを求め、求めた平均磁界Have及び角度θBHと、代表点Px、Qxを定めた際に用いた平均磁束密度Baveと角度θBとを、磁気特性曲線作成部4bに出力するようにしたので、等価要素31内の3つの磁気特性(平均磁束密度Bave、平均磁界Have)を、1つの磁気特性として磁気特性曲線作成部4bに出力することができる。これにより、磁気特性曲線作成部4bが、B−H曲線110〜113、及びB−θ曲線120〜123を作成する際に使用するデータ量を可及的に少なくすることができ、しかも上記3つの磁気特性を使用した場合と同等の(正確な)B−H曲線110〜113、及びB−θ曲線120〜123を得ることができる。
さらに、部分空間(座標空間){Bave,θB}上の演算点及び代表点を、部分空間(座標空間){Bave,θB}、{θBH,Bave,θB}の各軸を無次元化したσ空間(座標空間){Bave´,θB´}に写像するようにしたので、代表点と演算点との距離をより容易に且つ確実に求めることができるようになる。
なお、本実施の形態では、平均磁束密度Baveを基準(B中心)として、電磁場を解析する場合について説明したが、平均磁界Haveを基準(H中心)としてもよい。例えば、本実施の形態では、平均磁束密度Baveと磁化容易軸Xとのなす角度θBをパラメータとして、B−H曲線110〜113を作成するようにしたが、平均磁界Haveと磁化容易軸Xとのなす角度θHをパラメータとしてこれらを作成するようにしてもよい。
また、外部磁界Hextを与えた際に生じる鉄損を求めるようにしてもよい。具体的に説明すると、例えば、磁気特性曲線作成部4bにより作成されたB−H曲線110〜113に基づいて、鉄損を求める。また、求めた鉄損と、平均磁束密度Baveとの関係を表す曲線を、平均磁束密度Baveと磁化容易軸Xとのなす角度θBをパラメータとして作成し、作成した曲線を記録媒体に記録するようにしてもよい。
さらに、等価要素は、磁性体を含む複数の物質により占められている領域であれば、図3に示したものに限定されない。すなわち、解析領域30の中の代表的な領域であれば、等価要素の位置及び大きさは、図3に示したものに限定されず、解析対象領域21における磁界分布が適切に得られる範囲で適宜決定することができる。
例えば、図19に示すように、中空直方体状に加工された鋼板210を用いて構成される磁気シールド装置(解析対象領域)211に生じる電磁場を解析する場合にも、本実施の形態の電磁場解析装置1を適用することができる。この場合、等価要素212は、例えば、鋼板210の側断面の一部と、その側方の空気とによって形成される2次元の領域(平面)となる。そして、この等価要素212に外部磁界Hextを与え、前述したようにして、平均磁束密度Baveと、平均磁界Haveを演算する。さらに、平均磁束密度Bave及び平均磁界Haveのなす角度θBHとを演算する。そして、磁気シールド装置(解析対象領域)211に生じる電磁場を求める。
ここで、外部磁界Hextは、例えば、図19に示すように、鋼板210によって囲まれる中空領域の央部に配設された励磁器213により与えられる。具体的に説明すると、コア213aに巻き回されたコイル213bに電流を流すことにより、外部磁界Hextを等価要素212に与えるようにする。なお、外部磁界Hextの大きさと向きは、それぞれコイル213bに電流の大きさと、コア213aの角度φ´とを変えることにより、変えることができる。
この他、実際のシールド装置を、縮小(例えば(1/16)倍、又は(1/8)倍に)したものを解析対象のシールド装置とし、この解析対象のシールド装置に生じる磁束線を、上述したようにして求めるようにしてもよい。
なお、上述した解析領域は、複数種類の等価要素から構成される場合もあり、その場合は、等価要素は複数種類存在することになる。この場合、等価要素は複数種類存在するので、それに対応した図に相当する等価B−H曲線も複数種類存在することになる。
また、本実施の形態では、磁性体20eの中央部20e1と、その側方の空気とによって形成される2次元の領域を等価要素31としたが、等価要素に含まれる物質はこれらに限定されない。すなわち、磁性体と非磁性体とにより占められている領域であれば、どのような領域を等価要素としてもよい。ここで、磁性体は、鉄やコバルトといった強磁性体に限らず、酸化鉄などの常磁性体など強磁性体以外の磁性体であってもよい。また、非磁性体とは、空気に限らず、銅コイル、木、及び樹脂など、磁性を帯びないものを指す。
また、電磁場解析装置1における操作部2と表示部3と処理部4とは、同一の空間にあってもよいし、ネットワークを介して結合していても構わない。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。上述した第1の実施の形態では、2次元の電磁場を解析する場合について説明したが、本実施の形態では、3次元の電磁場を解析する場合について説明する。このように、本実施の形態と、上述した第1の実施の形態とは、解析する電磁場の次元が異なるだけであるので、上述した第1の実施の形態と同一の部分については、図1〜図19に付した符号と同一の符号を付すなどして詳細な説明を省略する。
図2は、本実施の形態の電磁場解析装置で解析を行う磁気シールド装置の構成の一例を示した図である。本実施の形態では、この磁気シールド装置のシールド性能を評価する場合の電磁場解析装置について説明する。
図2において、磁気シールド装置は、長さが300mm、幅が25mm、厚さが1mmの鋼板を32枚組み合わせて構成される。具体的に説明すると、「口」の字状に配置した4枚の鋼板の組みを、30mm間隔で8組み積み上げて磁気シールド装置を構成している。この場合、磁性体と非磁性体とからなる等価要素としては、等価要素222と等価要素223とが考えられる。本実施の形態では、等価要素222の場合の等価な磁気特性についてまず説明する。なお、この図2は、上述した第1の実施の形態における図2に相当する図である。
図2は、図2に示した等価要素222の磁気特性を求めるため解析モデルの一例を示した図であり、上述した第1の実施の形態における図3又は図19に相当する。図2に示すように、解析領域220の中に、等価要素222が存在し、等価要素222の中に、磁性体221の中央部221aがある。
本実施の形態において、等価要素222内にある磁性体(の央部)221aは、幅(磁化容易軸(X軸)と磁化困難軸(Y軸)とに垂直な垂直軸(Z軸)方向の長さ)が25mmであり、厚み(磁化困難軸(Y軸)方向の長さ)が1mmであり、長さ(磁化容易軸(X軸)方向の長さ)が、25mmとする。
また、本実施の形態における解析領域220は、等価要素222を中央に含む3次元の領域(空間)である。
このように、本実施の形態では、鋼板20の磁化容易軸Xと、磁化困難軸Yと、垂直軸Zとにより定められる3次元の領域(空間)に生じる電磁場を解析するようにしている。
また、本実施の形態では、図2(a)に示すように、立方体または直方体からなる複数の分割領域に解析領域220を分割するようにしている。なお、これら複数の分割領域は、それぞれ有限要素法(FEM)により計算することができる適切な大きさを有している。
平均磁界演算部4aは、外部磁界Hextを解析領域220の境界領域に与えた際に、有限要素法による電磁場解析によって、複数の分割領域のそれぞれに生じる磁束密度Bと、磁界Hとを求める。外部磁界Hextは、以下の(29式)のように表される。
ext={HextX,HextY,Hextz}・・・(29式)
このように、外部磁界Hextは、磁化容易軸方向の値HextXと、磁化困難軸方向の値HextYの値と、垂直軸方向の値Hextzの値とを有する3次元のベクトルである。
そして、このような外部磁界Hextを等価要素222に与えたときに、図2(a)の斜線で示した分割領域に生じる磁束密度B(i,j,k)と磁界H(i,j,k)は、それぞれ以下の(30式)及び(31式)により表される。
B(i,j,k)={BX(i,j,k),BY(i,j,k),Bz(i,j,k)}・・・(30式)
H(i,j,k)={HX(i,j,k),HY(i,j,k),Bz(i,j,k)}・・・(31式)
なお、上記において、i,j,kは分割領域の場所を特定するための自然数である。
このように、各分割領域に生じる磁束密度B(i,j,k)と磁界H(i,j,k)も、磁化容易軸方向の値BX(i,j,k)、HX(i,j,k)と、磁場困難軸方向の値BY(i,j,k)、HY(i,j,k)と、垂直軸方向の値Bz(i,j,k)、Hz(i,j,k)とを有する3次元のベクトルである。
平均磁界演算部4aは、以上のようにして得られた各分割領域における磁束密度B(i,j,k)と磁界H(i,j,k)の中から、等価要素222に生じる磁束密度B(i,j,k)と磁界H(i,j,k)を抽出し、抽出した磁束密度B(i,j,k)と磁界H(i,j,k)から、等価要素222における平均磁束密度Baveと平均磁界Haveを求める。
図2に示すように、本実施の形態では、平均磁束密度Baveを、磁化容易軸−磁化困難軸方向の成分BaveX-Yと、垂直軸方向の成分BaveZとに分けて求める。なお、以下の説明では、平均磁束密度Baveの磁化容易軸−磁化困難軸方向の成分BaveX-Yと、垂直軸方向の成分BaveZを、それぞれ第2及び第3の平均磁束密度BaveX-Y、BaveZと表す。
また、平均磁界Haveについても、磁化容易軸−磁化困難軸方向の成分HaveX-Yと、垂直軸方向の成分HaveZとに分けて求める。なお、以下の説明では、平均磁界Haveの磁化容易軸−磁化困難軸方向の成分HaveX-Yと、垂直軸方向の成分HaveZを、それぞれ第2及び第3の平均磁界HaveX-Y、HaveZと表す。
そして、磁化容易軸−磁化困難軸方向については、上述した第1の実施の形態と同様に、外部磁界Hext1の大きさと方向を変えて、第2の平均磁束密度BaveX-Yと、第2の平均磁界HaveX-Yと、第2の平均磁束密度BaveX-Yと第2の平均磁界HaveX-Yとのなす角度θBHX-Yとを求める(図2を参照)。
なお、上記において、外部磁界Hext1は、外部磁界Hextの磁化容易軸−磁化困難軸方向の成分を表す。
一方、垂直軸方向については、外部磁界Hext2の大きさを変えて、第3の平均磁束密度BaveZと、第3の平均磁界HaveZと、第3の平均磁束密度BaveZと第3の平均磁界HaveZとのなす角度θBHZとを求める。
なお、上記において、外部磁界Hext2は、Hextの垂直軸方向成分を表す。
そして、平均磁界演算部4aは、磁化容易軸−磁化困難軸方向及び垂直軸方向のそれぞれについて、上述した第1の実施の形態と同様に、代表点Px、Qxにおける磁気特性を求める。
このときの平均磁界演算部4aにおける処理動作は、図1及び図1に示したフローチャートと同じであるが、処理概要を説明すると、まず、平均磁界演算部4aは、第2の平均磁束密度BaveX-Yと、第2の平均磁界HaveX-Yと、第2の平均磁束密度BaveX-Yと磁化容易軸Xとのなす角度θBX-Yとから定まる演算点Piを、座標空間{HaveX-Y,BaveX-Y,θBX-Y}に与える。
次に、平均磁界演算部4aは、座標空間{HaveX-Y,BaveX-Y,θBX-Y}に与えた演算点Piを、部分空間{BaveX-Y,θBX-Y}に当てはめ、当てはめた演算点Piをσ空間{BaveX-Y´,θBX-Y´}に写像する。
次に、平均磁界演算部4aは、例えば、σ空間{BaveX-Y´,θBX-Y´}において代表点Px´を指定し、指定した代表点Px´の近くにある3つの演算点Pi´を求め、求めた3つの演算点Pi´に対応する部分空間{BaveX-Y,θBX-Y}上の演算点Piにおける第2の平均磁束密度BaveX-Y及び角度θBX-Yと、上記指定した代表点Px´に対応する部分空間{BaveX-Y,θBX-Y}上の代表点Pxにおける第2の平均磁束密度BaveX-Y及び角度θBX-Yとを用いて、最小二乗法により、定数ai(a1〜a3)を求める。
そして、平均磁界演算部4aは、定数ai(a1〜a3)と、3つの演算点Pi´に対応する座標空間{HaveX-Y,BaveX-Y,θBX-Y}上の演算点Piにおける第2の平均磁束密度HaveX-Yとを、上記(24式)に代入して、代表点Pxにおける第2の平均磁界HaveX-Yを求める。
また、平均磁界演算部4aは、第2の平均磁束密度BaveX-Yと、第2の平均磁界HaveX-Yと、第2の平均磁束密度BaveX-Yと第2の平均磁界HaveX-Yとのなす角度θBHX-Yとから定まる演算点Qiを、座標空間{θBHX-Y,BaveX-Y,θBX-Y}に与える。
次に、平均磁界演算部4aは、座標空間{θBHX-Y,BaveX-Y,θBX-Y}に与えた演算点Qiを、部分空間{BaveX-Y,θBX-Y}に当てはめ、当てはめた演算点Qiを、σ空間{BaveX-Y´,θBX-Y´}に写像する。
次に、平均磁界演算部4aは、σ空間{BaveX-Y´,θBX-Y´}において代表点Qx´を指定し、指定した代表点Qx´の近くにある3つの演算点Qi´を求め、求めた3つの演算点Qi´に対応する部分空間{BaveX-Y,θBX-Y}上の演算点Qiにおける第2の平均磁束密度BaveX-Y及び角度θBX-Yと、上記指定した代表点Qx´に対応する部分空間{BaveX-Y,θBX-Y}上の代表点Qxにおける第2の平均磁束密度BaveX-Y及び角度θBX-Yとを用いて、最小二乗法により、定数ai(a1〜a3)を求める。
ただし、上述したように、代表点Pxと、演算点Pi(i=1〜3)とを用いて定数a1〜a3を求めた場合には、必ずしも代表点Qxと、演算点Qi(i=1〜3)とを用いて定数a1〜a3を求める必要はない。
そして、平均磁界演算部4aは、定数ai(a1〜a3)と、3つの演算点Qi´に対応する座標空間{θBHX-Y,BaveX-Y,θBX-Y}上の角度θBHX-Yとを、上記(27式)に代入して、代表点Qxにおける角度θBHX-Yを求める。
なお、垂直軸方向についても、代表点Px、Qxにおける、第3の平均磁束密度BaveZと第3の平均磁界HaveZとを、上述したのと同様にして求めるようにしてもよいが、角度θBZは、90[°]で一定であるため、本実施の形態では、外部磁界Hext2の大きさを変えて求めた、第3の平均磁束密度BaveZと、第3の平均磁界HaveZとをそのまま磁気特性曲線作成部4bに出力するようにしている。
磁気特性曲線作成部4bは、以上のようにして平均磁界演算部4aにより求められた代表点Px、Qxにおける、第2の平均磁束密度BaveX-Yと、第2の平均磁界HaveX-Yとに基づいて、図2(a)に示すようなB−H曲線2401を作成する。また、平均磁界演算部4aにより求められた第3の平均磁束密度BaveZと、第3の平均磁界HaveZとに基づいて、図2(b)に示すようなB−H曲線2402を作成する。
さらに、平均磁界演算部4aにより求められた代表点Px、Qxにおける、第2の平均磁束密度BaveX-Yと、角度θBHX-Yとに基づいて、図2に示すようなB−θ曲線2501を作成する。
すなわち、第2の平均磁束密度BaveX-Yと、第2の平均磁界HaveX-Yとから求まるB−H曲線2401a〜2401nを、上述した第1の実施の形態と同様にして作成する。また、第3の平均磁束密度BaveZと、第3の平均磁界HaveZとから求まるB−H曲線2402を作成する。
さらに、第2の平均磁束密度BaveX-Yと、第2の平均磁束密度BaveX-Yと第2の平均磁界HaveX-Yとのなす角度θBHX-Yとから求まるB−θ曲線2501a〜2501nを、上述した第1の実施の形態と同様にして作成する。
以上のように、本実施の形態では、3次元の値を有する平均磁束密度Baveと平均磁界Haveを、磁化容易軸−磁化困難軸方向成分と、垂直方向成分とに分けて求めるようにし、磁化容易軸−磁化困難軸方向成分については、上述した第1の実施の形態と同様にして、B−H曲線2401と、B−θ曲線2501とを作成し、垂直軸方向については別途B−H曲線2402を作成するようにしたので、上述した第1の実施の形態における効果に加え、3次元の等価要素222におけるB−H曲線と、B−θ曲線とを、複雑な計算を行うことなく作成することができる。
また、上述した第1の実施の形態と同様に、等価要素内の代表点における磁気特性を求めて、磁気特性曲線作成部4bに出力するようにしたので、磁気特性曲線作成部4bが、B−H曲線2401、及びB−θ曲線2501を作成する際に使用するデータ量を可及的に少なくすることができる。
なお、本実施の形態では、第3の平均磁束密度Bavezと、第3の平均磁界Havezを演算するようにしたが、これらを演算せずに予め用意しておいてもよい。すなわち、垂直軸方向の成分については、予め用意したB−H曲線を使用してもよい。この場合、透磁率(比透磁率)を一定としてもよい。例えば、比透磁率の値を1000としてもよい。
また、上述したようにして平均磁束密度Baveと平均磁界Haveを求めるに際し、等価要素222おける三軸(磁化容易軸X、磁化困難軸Y、垂直軸Z)と、解析領域220の互いに直交する三軸(縦、横、高さ方向の軸)とが一致しない場合には、等価要素221を座標変換または回転変換させるなどして、等価要素222における三軸と、解析領域220における三軸とを一致させるようにするのが好ましい。
さらに、本実施の形態では、解析領域220及び等価要素222を、磁化容易軸Xと、磁化困難軸Yと、垂直軸Zとから定まる3次元の領域(空間)としたが、上述した第1の実施の形態と同様に、解析領域及び等価要素を、磁化容易軸Xと、磁化困難軸Yとから定まる2次元の領域(平面)としてもよい。
また、図2に示した等価要素223についても、等価要素222の磁気特性を求める場合と同様の処理を行えばよい。この場合、図19に示したモデルを三次元に展開したものを、等価要素の磁気特性を求めるための解析モデルとして用い、その解析モデルのコーナ部分を等価要素として用いるようにすればよい。
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、本実施の形態と上述した第2の実施の形態とは、平均磁束密度Baveと平均磁界Haveの演算方法が異なるだけであるので、上述した第1及び第2の実施の形態と同一の部分については、図1〜図2に付した符号と同一の符号を付すなどして詳細な説明を省略する。
図2に示すように、本実施の形態における解析領域220と等価要素222は、第2の実施の形態と同じである。そして、解析領域220は、図2(a)に示したようにして複数の分割領域に分割される。
平均磁界演算部4aは、外部磁界Hextを解析領域220の境界領域に与えた際に、有限要素法による電磁場解析によって、複数の分割領域のそれぞれに生じる磁束密度Bと、磁界Hとを求める。外部磁界Hextは、上述した第2の実施の形態と同様に、3次元のベクトルである((29式)を参照))。
また、外部磁界Hextを等価要素222に与えたときに、図2(a)の斜線で示した分割領域に生じる磁束密度B(i,j,k)と磁界H(i,j,k)も、上述した第2の実施の形態と同様に、3次元のベクトルである((30式)、(31式)を参照)。
平均磁界演算部4aは、各分割領域に生じる磁束密度B(i,j,k)と磁界H(i,j,k)の中から、等価要素222に生じる磁束密度B(i,j,k)と磁界H(i,j,k)を抽出し、抽出した磁束密度B(i,j,k)と磁界H(i,j,k)とから、等価要素221における平均磁束密度Baveと平均磁界Haveとを求める。具体的には、以下の(32式)〜(39式)により求める。

Figure 0004439973
なお、上記において、BX(i,j,k)は、磁束密度B(i,j,k)の磁化容易軸方向の値である。BY(i,j,k)は、磁束密度B(i,j,k)の磁化困難軸方向の値である。BZ(i,j,k)は、磁束密度B(i,j,k)の垂直軸方向の値である。
また、HX(i,j,k)は、磁界H(i,j,k)の磁化容易軸方向の値である。HY(i,j,k)は、磁界H(i,j,k)の磁化困難軸方向の値である。HZ(i,j,k)は、磁界H(i,j,k)の垂直軸方向の値である。
また、ΔV(i,j,k)は、分割領域の大きさ(体積)である。
そして、図2(a)に示すように、本実施の形態では、角度αB、βBにより、平均磁束密度Baveの方向を特定するようにしている。具体的に角度αBは、第1の基準線OPと、磁化困難軸Yとのなす角度である。ここで、第1の基準線OPとは、平均磁束密度Baveの磁化容易軸方向の値BaveXと、磁化困難軸方向の値BaveYとから定まるベクトルである。また、角度βBは、第1の基準線OPと、平均磁束密度Baveとのなす角度である。
ここで、角度αBは、以下の(40式)で表される。
αB=90−θB・・・(40式)
なお、上記において、θBは、第1の基準線OPと磁化容易軸Xとのなす角度であり、上述した第1及び第2の実施の形態で説明した角度θBに対応するものである。
また、図2(b)に示すように、本実施の形態では、角度αH、βHにより、平均磁界Haveの方向を特定するようにしている。具体的に角度αHは、第2の基準線OQと、磁化困難軸Yとのなす角度である。ここで、第2の基準線OQとは、平均磁界Haveの磁化容易軸方向の値HaveXと、磁化困難軸方向の値HaveYとから定まるベクトルである。また、角度βHは、第2の基準線OQと、平均磁束密度Haveとのなす角度である。
ここで、角度αHは、以下の(41式)で表される。
αH=90−θH・・・(41式)
なお、上記において、θHは、第2の基準線OQと磁化容易軸Xとのなす角度であり、上述した第1及び第2の実施の形態で説明した角度θHに対応するものである。
そして、平均磁界演算部4aは、外部磁界Hextの大きさと、方向を変えて、上記(32式)〜(39式)による演算を行い、平均磁束密度Baveと平均磁界Haveを求める。
なお、本実施の形態において、外部磁界Hextの方向は、図2に示すように、角度φ1、φ2により特定するようにしている。ここで、角度φ1は、外部磁界Hextの磁化容易軸方向の値Hextxと、磁化困難軸方向の値HextYとから定まる基準線ORと、磁化容易軸Xとのなす角度である。また、角度φ2は、基準線ORと、外部磁界Hextとのなす角度である。なお、以下の説明では、角度φ1、φ2を用いて外部磁界Hextの方向が特定する場合を例に挙げて説明するが、外部磁界Hextの方向が特定できれば、必ずしも角度φ1、φ2を用いて外部磁界Hextの方向が特定する必要はない。
また、平均磁界演算部4aは、図2(c)に示すように、第1の基準線OPと第2の基準線OQとのなす角度αBHを求める。なお、この角度αBHは、前述した第1及び第2の実施形態で説明した角度θBHに対応するものである。
さらに、平均磁界演算部4aは、以上のようにして求めた平均磁束密度Baveと、平均磁界Haveと、第1の基準線OPと磁化困難軸Yとのなす角度αBと、第1の基準線OPと平均磁束密度Baveとのなす角度βBと、第1の基準線OPと第2の基準線OQとのなす角度αBHと、第2の基準線OQと平均磁束密度Haveとのなす角度βHと基づいて、後述する磁気特性曲線作成部4bにおいて使用する平均磁束密度Baveと平均磁界Haveを、上述した第1及び第2の実施の形態と同様に、ノルム法を用いて求める。
求め方は、上述した第1及び第2の実施の形態と同様であるが、本実施の形態では、3次元の領域を等価要素222としているため、図2〜図3に示すように、4つ又は8つの座標空間{Have,Bave,αB(βB)}、{αBH,Bave,αB(βB)}、{βH,Bave,αB(βB)}、{βB,Bave,αB(βB)}に、上述するようにして求めた各磁気特性Have、Bave、αB、βB、αBH、βHをプロットする。
そして、これら座標空間{Have,Bave,αB(βB)}、{αBH,Bave,αB(βB)}、{βH,Bave,αB(βB)}、{βB,Bave,αB(βB)}にプロットした演算点Pi、Qi、Ri、Siを、部分空間{Bave,αB}に割り当てる。また、部分空間{Bave,αB}に、平均磁束密度Baveと角度αB(βB)とが互いに同一の所望の代表点Px、Qx、Rx、Sxを割り当てる。
そして、割り当てた演算点Pi、Qi、Ri、Si及び代表点Px、Qx、Rx、Sxを、σ空間{Bave´,αB´(βB´)}、{Bave´,βB´(βB´)}に写像する。
そして、σ空間{Bave´,αB´(βB´)}上において、代表点Px´、Qx´、Rx´、Sx´の近くにある演算点Pi´、Qi´、Ri´、Si´を複数(例えば3つ)求める。そして、求めた演算点Pi´、Qi´、Ri´、Si´に対応する部分空間{Bave,αB(βB)}上の演算点Pi、Qi、Ri、Siにおける平均磁束密度Bave及び角度αB(βB)と、代表点Px´、Qx´、Rx´、Sx´に対応する部分空間{Bave,αB(βB)}上の代表点Px、Qx、Rx、Sxにおける平均磁束密度Bave及び角度αB(βB)とを用いて、上述した第1及び第2の実施の形態と同様に、定数aiを求める。そして、求めた定数aiを用いて、代表点Px´、Qx´、Rx´、Sx´における平均磁界Have、及び角度αBH、βH、βBを求める。
以上のようにして、本実施の形態の平均磁界演算部4aは、以下の6つの関係を、それぞれ、外部磁界Hextの大きさと、角度φ1、φ2とをパラメータとして求めるようにする。
1.外部磁界Hext−平均磁束密度Bave
2.外部磁界Hext−平均磁界Have
3.外部磁界Hext−角度αB
4.外部磁界Hext−角度βB
5.外部磁界Hext−角度βH
6.外部磁界Hext−角度αH
なお、上記において、外部磁界Hextと角度βHとの関係(外部磁界Hext−角度βH)、又は外部磁界Hextと角度αHとの関係(外部磁界Hext−角度αH)の代わりに、外部磁界Hextと角度αBHとの関係(外部磁界Hext−角度αBH)を求めるようにしてもよい。
磁気特性曲線作成部4bは、図3に示すように、平均磁界演算部4aで求められた代表点Px、Qx、Rx、Sxにおける磁気特性(Bave、αB、Have、αBH、βH、βB)に基づいて、角度αB、βBをパラメータとして、等価要素222におけるB−H曲線3101a〜3101n、すなわち、平均磁束密度Baveと平均磁界Haveとの関係を表す曲線を作成する。
また、図3に示すように、磁気特性曲線作成部4bは、平均磁界演算部4aで求められた代表点Px、Qx、Rx、Sxにおける磁気特性(Bave、αB、Have、αBH、βH、βB)に基づいて、角度αB、βBをパラメータとして、等価要素222における第1のB−θ曲線3201a〜3201n、すなわち、平均磁束密度Baveと、第1の基準線OPと第2の基準線OQとのなす角度αBHとの関係を表す曲線を作成する。
さらに、図3に示すように、磁気特性曲線作成部4bは、角度αB、βBをパラメータとして、等価要素222における第2のB−θ曲線3301a〜3301n、すなわち、平均磁束密度Baveと、第2の基準線OQと平均磁界Haveとのなす角度βHとの関係を表す曲線を作成する。
以上のように、本実施の形態では、3次元の値を有する平均磁束密度Baveと平均磁界Haveと関係と、平均磁束密度Baveと角度αBHとの関係と、平均磁束密度Baveと角度βHとの関係を、角度αB、βBをパラメータとして求めるようにしたので、上述した第1及び第2の実施の形態における効果に加え、3次元の値を有する平均磁束密度Baveと平均磁界Haveを、より正確に求めることができる。
また、上述した第1及び第2の実施の形態と同様に、等価要素内の代表点における磁気特性を求めて、磁気特性曲線作成部4bに出力するようにしたので、磁気特性曲線作成部4bが、B−H曲線3101、及び第1及び第2のB−θ曲線3201、3301を作成する際に使用するデータ量を可及的に少なくすることができる。
なお、本実施の形態では、磁気特性曲線作成部4bが、B−H曲線3101a〜3101nと、第1及び第2のB−θ曲線3201a〜3201n、3301a〜3301nとを作成するようにしたが、磁界分布演算部4cが、磁気シールド装置に生じる電磁場を求めることができれば、磁気特性曲線作成部4bで作成する曲線は、これらに限定されないということは言うまでもない。
(第4の実施の形態)
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。本実施の形態では、上述した第1の実施の形態において、求めた平均磁束密度Baveが所定の値になるように、外部磁界Hextを調整し、調整した外部磁界Hextを解析領域30の境界領域に与えて、有限要素法による電磁場解析によって、等価要素31における磁気特性(平均磁束密度Bave、平均磁界Have、角度θB、θBH)を求めるようにしている。このように、本実施の形態と、上述した第1の実施の形態では、平均磁界演算部4aにおける処理動作の一部が異なるだけであるので、上述した第1の実施の形態と同一の部分については、図1〜図19に付した符号と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
及び図1などに示したように、平均磁束密度Baveと、平均磁界Haveとの関係を表すB−H曲線や、平均磁束密度Baveと、角度θBHとの関係を表すB−θ曲線は、非線形な曲線となる。また、磁気特性曲線作成部4bは、平均磁界演算部4aで求められた平均磁束密度Bave、平均磁界Have、及び角度θBHをプロットした後、平準化処理を行って、B−H曲線及びB−θ曲線を作成する。
したがって、例えば、図3に示すように、磁気特性曲線作成部4bは、プロットした点(図中○)に基づいて平準化処理を行って、B−H曲線3401を作成する。このように0.3[T]から1.2[T]までの平均磁束密度Baveがプロットされず、平均磁界演算部4aで求められた平均磁束密度Baveが離散化していると、本来は、B−H曲線3402を作成すべきであったのに、このB−H曲線3402とは異なるB−H曲線3401を作成してしまう場合がある。そこで、本実施の形態では、平均磁界演算部において、求める平均磁束密度Baveが所定の値になるように、外部磁界Hextを調整し、調整した外部磁界Hextを解析領域に与えて、等価要素における磁気特性(平均磁束密度Bave、平均磁界Have、角度θB、θBH)を求めるようにする。
本実施の形態の電磁場解析装置のハードウェアの構成は、図1に示したものと同じである。また、解析対象領域は、図2に示したものと同じであり、この解析対象領域には、幅が1000[mm]、厚さが1[mm]の鋼板20a〜20eが、簾状に等間隔に並べられている。
また、等価要素及び解析領域は、図3に示したものと同じである、すなわち、等価要素は、磁性体20eの中央部20e1と、その側方の空気とによって形成される2次元の領域(平面)であり、縦が100[mm]、横が31[mm]の大きさを有する。また、解析領域は、等価要素を中央に含む2次元の領域(平面)であり、縦が200[mm]、横が200[mm]の大きさを有する。さらに、解析領域は、図4に示したように複数の分割領域に分割される。
ここで、平均磁界演算部における具体的な処理について説明する。
上述した第1の実施の形態と同様に、平均磁界演算部は、上記(1式)により表される外部磁界Hextを解析領域に与えた際に、複数の分割領域のそれぞれに生じる磁束密度Bと、磁界Hとを求める。なお、外部磁界Hextの方向は、外部磁界Hextと磁化容易軸Xとのなす角度φにより特定される。
そして、平均磁界演算部は、各分割領域に生じる磁束密度B(i,j)と、磁界H(i,j)の中から、等価要素に生じる磁束密度B(i,j)と磁界H(i,j)を抽出する。
そして、抽出した磁束密度B(i,j)と磁界H(i,j)から、等価要素内の平均磁束密度Baveと平均磁界Haveを、上記(6式)〜(11式)により求める。
なお、本実施の形態においても、平均磁束密度Baveと磁化容易軸Xとのなす角度θBにより、平均磁束密度Baveの方向を特定するようにしている。また、平均磁界Haveと磁化容易軸Xとのなす角度θHにより、平均磁界Haveの方向を特定するようにしている。また、各分割領域に生じる磁束密度B(i,j)と磁界H(i,j)を求める際には、図5に示した鋼板20のB−H曲線を用いるようにする。
以上のことから、等価要素における磁気特性を、上記(12式)〜(14式)により求める。
そして、平均磁界演算部は、外部磁界Hextの大きさと方向(外部磁界Hextと磁化容易軸Xとのなす角度φ)を所定値に設定して、上記(2式)〜(14式)による計算を行い、平均磁束密度Baveと平均磁界Haveとを求める。そして、求めた平均磁束密度Baveの大きさと、平均磁束密度Bave及び磁化容易軸Xのなす角度θBとが、設定値B1、設定値θ1に一致するか否かを判定する。この判定の結果、一致した場合には、求めた平均磁束密度Baveと平均磁界Haveとを磁気特性曲線作成部4bに出力するものとする。一方、一致しない場合には、外部磁界Hextの大きさと方向を修正する。
具体的に説明すると、求めた平均磁束密度Baveの大きさが、設定値B1よりも大きい場合には、外部磁界Hextの大きさをΔHだけ増加させる。一方、求めた平均磁束密度Baveの大きさが、設定値B1よりも小さい場合には、外部磁界Hextの大きさHextをΔHだけ減少させる。
また、求めた角度θBが、設定値θ1よりも大きい場合には、角度φをΔφだけ増加させる。一方、求めた角度θBが、設定値θ1よりも小さい場合には、角度φをΔφだけ減少させる。
そして、平均磁束密度Baveの大きさBaveが設定値B1に一致し、且つ角度θBが設定値θ1に一致するまで、以上の計算を繰り返し行う。
なお、本実施の形態においては、設定値B1を、0、0.2、0.4、0.6、0.8、1.0、1.2、1.4[T]としている。また、設定値θ1を、0、15、30、90[°]としている。すなわち、設定値B1及び設定値θ1が、これらの値になるように、外部磁界Hextの大きさと角度φとを修正し、上記の計算を繰り返し行うようにしている。
以上のようにして、本実施の形態の平均磁界演算部4aは、以下の4つの関係を、それぞれ、外部磁界Hextの大きさと、外部磁界Hextと磁化容易軸Xとのなす角度φとをパラメータとして求めるようにする。
1.外部磁界Hext−角度θB
2.外部磁界Hext−平均磁束密度Bave
3.外部磁界Hext−平均磁界Have
4.外部磁界Hext−角度θBH
磁気特性曲線作成部4bは、平均磁界演算部により求められた、平均磁束密度Baveと平均磁界Haveとに基づいて、等価要素におけるB−H曲線とB−θ曲線とを作成する。
等価要素におけるB−H曲線とB−θ曲線の具体的な作成方法は、上述した第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
磁界分布演算部4cは、以上のようにして磁気特性曲線作成部4bにより作成されたB−H曲線とB−θ曲線とに基づいて、解析対象領域21に生じる電磁場(磁束線)を求める。電磁場の具体的な求め方は、上述した第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
次に、図3及び図3のフローチャートを参照しながら、本実施の形態の電磁場解析装置の処理動作の一例について説明する。
まず、最初のステップS61、S62は、図1のステップS1、S2と同様であり、平均磁界演算部は、解析領域の境界領域に与える外部磁界Hextの大きさを初期値(0[Gauss])に設定した後、外部磁界Hextと磁化容易軸Xとのなす角度φを初期値(0[°])に設定する。
次に、ステップS63において、平均磁界演算部は、平均磁束密度Baveの大きさを初期値に設定する。
次に、ステップS64において、平均磁界演算部は、平均磁束密度Bave及び磁化容易軸Xのなす角度θBを初期値に設定する。
次のステップS65は、図1のステップS3と同様であり、平均磁界演算部は、解析領域の境界条件を、外部磁界Hextに応じて設定する。
次のステップS66は、図1のステップS4と同様であり、平均磁界演算部は、外部磁界Hextの設定内容に従って、解析領域に生じる磁束密度B(i,j)と磁界H(i,j)を演算する。
次に、ステップS67において、平均磁界演算部は、上記ステップS66における処理により得られた磁束密度B(i,j)と磁界H(i,j)の中から、等価要素に生じる磁束密度B(i,j)と磁界H(i,j)を抽出する。
次に、ステップS68において、平均磁界演算部は、ステップS67で抽出した磁束密度B(i,j)と磁界H(i,j)とを用いて、等価要素内の平均磁束密度Bave(i,j)と、平均磁界Have(i,j)とを求める。さらに、求めた平均磁束密度Bave及び平均磁界Haveのなす角度θBHを求める。
次に、ステップS69において、平均磁界演算部は、ステップS68で求めた平均磁束密度Bave(i,j)の大きさが設定値であるか否かを判定する。この判定の結果、平均磁束密度Bave(i,j)の大きさが設定値でなければ、ステップS70に進み、平均磁界演算部は、外部磁界Hextの大きさを修正する。そして、ステップS68で求めた平均磁束密度Bave(i,j)の大きさが、設定値になるまで、ステップS65〜70の処理動作を繰り返す。
このようにして、ステップS68で求めた平均磁束密度Bave(i,j)の大きさBaveが、設定値になると、ステップS71に進む。
ステップS71において、平均磁界演算部は、ステップS68で求めた平均磁束密度Bave及び磁化容易軸Xのなす角度θBが設定値であるか否かを判定する。この判定の結果、角度θBが設定値でなければ、ステップS72に進み、平均磁界演算部は、外部磁界Hextと磁化容易軸Xとのなす角度φを修正する。そして、ステップS68で求めた平均磁束密度Bave及び磁化容易軸Xのなす角度θBが、設定値になるまで、ステップS65〜ステップS72の処理動作を繰り返す。
このようにして、ステップS68で求めた平均磁束密度Bave及び磁化容易軸Xのなす角度θBが、設定値になると、図3のステップS73に進む。
次に、図3のステップS73において、平均磁界演算部は、外部磁界Hextの大きさと、外部磁界Hextと磁化容易軸Xとのなす角度φとを初期値に設定する(リセットする)。
次に、ステップS74において、平均磁界演算部は、平均磁束密度Bave及び磁化容易軸Xのなす角度θBが規定値であるか否かを判定する。本実施の形態では、平均磁束密度Bave及び磁化容易軸Xのなす角度θBを、0、15、30、90[°]の順で増大させるようにしている。したがって、90[°]が規定値となる。
このステップS74の判定の結果、平均磁束密度Bave及び磁化容易軸Xのなす角度θBが規定値でない場合には、ステップS75に進んで設定値を変更する。例えば、角度θBの設定値が0[°]である場合には、設定値を15[°]に変更する。そして、角度θBが規定値になるまで、ステップS65〜75の処理動作を繰り返す。
このようにして角度θBが規定値になると、ステップS76に進み、平均磁界演算部は、平均磁束密度Baveの大きさが規定値であるか否かを判定する。本実施の形態では平均磁束密度Baveの大きさを0、0.2、0.4、0.6、0.8、1.0、1.2、1.4[T]の順で増大させるようにしている。したがって、1.4[T]が規定値となる。
このステップS76の判定の結果、平均磁束密度Baveの大きさが規定値でない場合には、ステップS77に進んで設定値を変更する。例えば、平均磁束密度Baveの大きさが0[T]である場合には、設定値を0.2[T]に変更する。そして、平均磁束密度Baveの大きさが規定値になるまで、ステップS65〜77の処理動作を繰り返す。
このようにして、平均磁束密度Baveの大きさが規定値になると、ステップS78に進み、磁気特性曲線作成部4bは、ステップS61〜S77の処理動作により求められた平均磁束密度Bave(i,j)と平均磁界Have(i,j)とから、等価要素におけるB−H曲線を作成する。なお、B−H曲線の具体的な作成方法は、図1のフローチャートと同様である。
次に、ステップS79において、磁気特性曲線作成部4bは、ステップS61〜S77の処理動作により求められた平均磁束密度Bave(i,j)と、平均磁束密度Bave及び平均磁界Haveのなす角度θBHとから、等価要素31におけるB−θ曲線を作成する。なお、B−θ曲線の具体的な作成方法は、図1のフローチャートと同様である。
最後に、ステップS80において、磁界分布演算部4cは、ステップS78で作成された等価要素におけるB−H曲線と、ステップS79で作成されたB−θ曲線とを用いて、解析対象領域に生じる電磁場を求める。
以上のように本実施の形態では、求める平均磁束密度Baveが所定の値になるように、外部磁界Hextを調整し、調整した外部磁界Hextを解析領域に与えて、等価要素における磁気特性(平均磁束密度Bave、平均磁界Have、角度θB、θBH)を求めるようにしたので、B−H曲線及びB−θ曲線を作成するために行うプロットが、離散化してしまうことを防止することができる。したがって、上記プロットに基づいて平準化処理を行ってもB−H曲線及びB−θ曲線を正確に求めることができるようになる。
なお、本実施の形態においても、上述した第1の実施の形態で説明したように、等価要素内の代表点における磁気特性を求めて、B−H曲線及びB−θ曲線を作成する際のデータ量を少なくするようにしてもよい。
また、外部磁界Hextを調整する方法は、上述したものに限定されない。例えば、緩和法を用いたり、過緩和係数を用いたり、Newton-Rapson法を用いたりして、外部磁界Hextを調整するようにしてもよい。
(第5の実施の形態)
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。上述した第4の実施の形態では、2次元の電磁場を解析する場合について説明したが、本実施の形態では、上述した第2の実施の形態と同様にして3次元の電磁場を解析する場合について説明する。このように、本実施の形態と、上述した第4の実施の形態とは、解析する電磁場の次元が異なるだけであるので、上述した第1、第2、及び第4の実施の形態と同一の部分については、図1〜図2、図3〜図3に付した符号と同一の符号を付すなどして詳細な説明を省略する。
本実施の形態の等価要素及び解析領域は、図2に示したものと同じである。なお、解析領域は、図2(a)に示したように、立方体または直方体からなる複数の分割領域に分割される。
ここで、平均磁界演算部における具体的な処理について説明する。
上述した第2の実施の形態と同様に、平均磁界演算部は、上記(29式)により表される外部磁界Hextを解析領域の境界領域に与えた際に、複数の分割領域のそれぞれに生じる磁束密度Bと、磁界Hとを求める。
平均磁界演算部は、以上のようにして得られた各分割領域における磁束密度B(i,j,k)と磁界H(i,j,k)の中から、等価要素に生じる磁束密度B(i,j,k)と磁界H(i,j,k)を抽出し、抽出した磁束密度B(i,j,k)と磁界H(i,j,k)から、等価要素における平均磁束密度Baveと平均磁界Haveを求める。
このとき、図2に示したように、平均磁束密度Baveを、磁化容易軸−磁化困難軸方向の成分である第2平均磁束密度BaveX-Yと、垂直軸方向の成分である第3の平均磁束密度BaveZとに分けて求める。
また、平均磁界Haveについても、磁化容易軸−磁化困難軸方向の成分である第2の平均磁界HaveX-Yと、垂直軸方向の成分である第3の平均磁界HaveZとに分けて求める。
そして、磁化容易軸−磁化困難軸方向については、上述した第4の実施の形態と同様に、外部磁界Hext1の大きさと方向を変えて、第2の平均磁束密度BaveX-Yと、第2の平均磁界HaveX-Yと、第2の平均磁束密度BaveX-Yと第2の平均磁界HaveX-Yとのなす角度θBHX-Yとを求める(図2を参照)。
なお、上記において、外部磁界Hext1は、外部磁界Hextの磁化容易軸−磁化困難軸方向の成分を表す。
そして、求めた第2の平均磁束密度BaveX-Yの大きさと、第2の平均磁束密度BaveX-Y及び磁化容易軸Xのなす角度θBとが、設定値B1、設定値θ1に一致するか否かを判定す
る。この判定の結果、一致した場合には、求めた第2の平均磁束密度BaveX-Yと第2の平均磁界HaveX-Yとを磁気特性曲線作成部4bに出力するものとする。一方、一致しない場合には、外部磁界Hext1の大きさと方向を修正する。
具体的に説明すると、求めた第2の平均磁束密度BaveX-Yの大きさが、設定値B1よりも大きい場合には、外部磁界Hext1の大きさをΔHだけ増加させる。一方、求めた第2の平均磁束密度BaveX-Yの大きさが、設定値B1よりも小さい場合には、外部磁界Hext1の大きさをΔHだけ減少させる。
また、求めた角度θBが、設定値θ1よりも大きい場合には、角度φをΔφだけ増加させる。一方、求めた角度θBが、設定値θ1よりも小さい場合には、角度φをΔφだけ減少させる。
そして、第2の平均磁束密度BaveX-Yの大きさが設定値B1に一致し、且つ角度θBが設定値θ1に一致するまで、以上の計算を繰り返し行う。
そして、予め定められた複数の設定値B1、θ1について、上記の計算を行う。
一方、垂直軸方向については、外部磁界Hext2の大きさを変えて、第3の平均磁束密度BaveZと、第3の平均磁界HaveZと、第3の平均磁束密度BaveZと第3の平均磁界HaveZとのなす角度θBHZとを求める。
なお、上記において、外部磁界Hext2は、Hextの垂直軸方向成分を表す。また、第3の平均磁束密度BaveZと、第3の平均磁界HaveZとは、概ね線形になると仮定し、第3の平均磁束密度BaveZが所定の値になるように外部磁界Hext2を調整しないようにしたが、磁化容易軸―磁化困難軸方向と同様に、外部磁界Hext2を調整して第3の平均磁束密度BaveZが所定の値になるようにしてもよい。
磁気特性曲線作成部4bは、以上のようにして平均磁界演算部により求められた、第2の平均磁束密度BaveX-Yと、第2の平均磁界HaveX-Yとに基づいて、角度θBX-YをパラメータとしてB−H曲線を作成する。また、平均磁界演算部により求められた第3の平均磁束密度BaveZと、第3の平均磁界HaveZとに基づいてB−H曲線を作成する。
さらに、平均磁界演算部により求められた、第2の平均磁束密度BaveX-Yと、角度θBHX-Yとに基づいて、角度θBX-YをパラメータとしてB−θ曲線を作成する。
なお、B−H曲線とB−θ曲線の作成方法は、上述した第1及び第2の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
磁界分布演算部4cは、以上のようにして磁気特性曲線作成部4bにより作成されたB−H曲線とB−θ曲線とに基づいて、解析対象領域に生じる電磁場(磁束線)を求める。電磁場の具体的な求め方は、上述した第1及び第2の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
なお、本実施の形態においても、上述した第2の実施の形態で説明したように、等価要素内の代表点における磁気特性を求めて、B−H曲線及びB−θ曲線を作成する際のデータ量を少なくするようにしてもよい。
(第6の実施の形態)
次に、本発明の第6の実施の形態について説明する。上述した第4の実施の形態では、2次元の電磁場を解析する場合について説明したが、本実施の形態では、上述した第3の実施の形態と同様にして3次元の電磁場を解析する場合について説明する。このように、本実施の形態と、上述した第4の実施の形態とは、解析する電磁場の次元が異なるだけであるので、上述した第1〜第5の実施の形態と同一の部分については、図1〜図3に付した符号と同一の符号を付すなどして詳細な説明を省略する。
本実施の形態の等価要素及び解析領域は、図2に示したものと同じである。なお、解析領域は、図2(a)に示したように、立方体または直方体からなる複数の分割領域に分割される。
ここで、平均磁界演算部における具体的な処理について説明する。
上述した第3の実施の形態と同様に、平均磁界演算部は、上記(29式)により表された外部磁界Hextを解析領域の境界領域に与えた際に、複数の分割領域のそれぞれに生じる磁束密度Bと、磁界Hとを求める。
平均磁界演算部は、各分割領域に生じる磁束密度B(i,j,k)と磁界H(i,j,k)の中から、等価要素に生じる磁束密度B(i,j,k)と磁界H(i,j,k)を抽出し、抽出した磁束密度B(i,j,k)と磁界H(i,j,k)とから、等価要素における平均磁束密度Baveと平均磁界Haveとを求める。具体的には、上記(32式)〜(39式)により求める。
そして、図2(a)に示したように、本実施の形態においても、上述した第3の実施の形態と同様に、角度αB、βBにより、平均磁束密度Baveの方向を特定するようにしている。
また、図2(b)に示したように、本実施の形態においても、上述した第3の実施の形態と同様に、角度αH、βHにより、平均磁界Haveの方向を特定するようにしている。
そして、平均磁界演算部は、外部磁界Hextの大きさと、方向を変えて、上記(32式)〜(39式)による演算を行い、平均磁束密度Baveと平均磁界Haveを求める。
なお、図2に示したように、本実施の形態においても、上述した第3の実施の形態と同様に、外部磁界Hextの方向は、角度φ1、φ2により特定するようにしている。
また、図2(c)に示したように、平均磁界演算部4aは、第1の基準線OPと第2の基準線OQとのなす角度αBHを求める。
そして、求めた平均磁束密度Baveの大きさと、第1の基準線OP及び磁化困難軸Yのなす角度αBと、第1の基準線OP及び平均磁束密度Baveのなす角度βBとが、設定値B1と、設定値θ1と、設定値α1と、設定値β1と一致するか否かを判定する。この判定の結果、一致した場合には、求めた平均磁束密度Baveと平均磁界Haveとを磁気特性曲線作成部4bに出力するものとする。一方、一致しない場合には、外部磁界Hextの大きさと方向を修正する。
具体的に説明すると、求めた平均磁束密度Baveの大きさが、設定値B1よりも大きい場合には、外部磁界Hextの大きさをΔHだけ増加させる。一方、求めた平均磁束密度Baveの大きさが、設定値B1よりも小さい場合には、外部磁界Hextの大きさをΔHだけ減少させる。
また、求めた角度αBが、設定値α1よりも大きい場合には、角度φ1をΔφ1だけ増加させる。一方、求めた角度αBが、設定値α1よりも小さい場合には、角度φ1をΔφ1だけ減少させる。
さらに、求めた角度βBが、設定値β1よりも大きい場合には、角度φ2をΔφ2だけ増加させる。一方、求めた角度βBが、設定値β1よりも小さい場合には、角度φ2をΔφ2だけ減少させる。
そして、平均磁束密度Baveの大きさが設定値B1に一致し、且つ角度αB、βBが設定値αB、βBに一致するまで、以上の計算を繰り返し行う。
そして、予め定められた複数の設定値B1、αB、βBについて、上記の計算を行う。
以上のようにして、平均磁界演算部は、以下の6つの関係を、それぞれ、外部磁界Hextの大きさと、角度φ1、φ2とをパラメータとして求めるようにする。
1.外部磁界Hext−平均磁束密度Bave
2.外部磁界Hext−平均磁界Have
3.外部磁界Hext−角度αB
4.外部磁界Hext−角度βB
5.外部磁界Hext−角度βH
6.外部磁界Hext−角度αH
なお、上記において、外部磁界Hextと角度βHとの関係(外部磁界Hext−角度βH)、又は外部磁界Hextと角度αHとの関係(外部磁界Hext−角度αH)の代わりに、外部磁界Hextと角度αBHとの関係(外部磁界Hext−角度αBH)を求めるようにしてもよい。
磁気特性曲線作成部4bは、以上のようにして平均磁界演算部により求められた、平均磁束密度Baveと、平均磁界Haveとに基づいて、角度αB、βBをパラメータとしてB−H曲線を作成する。
また、平均磁界演算部により求められた、平均磁束密度Baveと、角度αBHとに基づい
て、角度αB、βBをパラメータとして第1のB−θ曲線を作成する。
さらに、平均磁界演算部により求められた、平均磁束密度Baveと、角度βHとに基づいて、角度αB、βBをパラメータとして第2のB−θ曲線を作成する。
なお、B−H曲線と第1及び第2のB−θ曲線の作成方法は、上述した第1〜第3の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
磁界分布演算部4cは、以上のようにして磁気特性曲線作成部4bにより作成されたB−H曲線と第1及び第2B−θ曲線とに基づいて、解析対象領域に生じる電磁場(磁束線)を求める。電磁場の具体的な求め方は、上述した第1〜第3の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
なお、本実施の形態においても、上述した第3の実施の形態で説明したように、等価要素内の代表点における磁気特性を求めて、B−H曲線と第1及び第2のB−θ曲線を作成する際のデータ量を少なくするようにしてもよい。
以上のように、第5及び第6の実施の形態のようにすれば、3次元の解析対象領域における電磁場を求める際に作成する際にも、B−H曲線及びB−θ曲線を作成するために行うプロットが、離散化してしまうことを防止することができる。したがって、上記プロットに基づいて平準化処理を行ってもB−H曲線及びB−θ曲線を正確に求めることができるようになる。
(本発明の他の実施形態)
上述した各実施の形態における電磁場解析装置、及び全体モデル解析装置による制御動作は、図3に示すようなコンピュータシステムを用いることにより実現することができる。
図3は、電磁場解析装置1に配設されたコンピュータシステムの構成の一例を示したブロック図である。
図3において、コンピュータシステム3700は、CPU3701と、ROM3702と、RAM3703と、キーボード(KB)3704のキーボードコントローラ(KBC)3705と、表示部としてのCRTディスプレイ(CRT)3706のCRTコントローラ(CRTC)3707と、ハードディスク(HD)3708及びフレキシブルディスク(FD)3709のディスクコントローラ(DKC)3710と、ネットワーク3711との接続のためのネットワークインターフェースコントローラ(NIC)3712とが、システムバス3713を介して互いに通信可能に接続された構成としている。
CPU3701は、ROM3702或いはHD3708に記憶されたソフトウェア、或いはFD3709より供給されるソフトウェアを実行することで、システムバス3703に接続された各構成部を総括的に制御する。
すなわち、CPU3701は、所定の処理シーケンスに従った処理プログラムを、ROM3702、或いはHD3708、或いはFD3709から読み出して実行することで、後述する動作を実現するための制御を行う。
RAM3703は、CPU3701の主メモリ或いはワークエリア等として機能する。
KBC3705は、KB3704や図示していないポインティングデバイス等からの指示入力を制御する。
CRTC3707は、CRT3706の表示を制御する。
DKC3710は、ブートプログラム、種々のアプリケーション、編集ファイル、ユーザファイル、ネットワーク管理プログラム、及び本実施の形態における所定の処理プログラム等を記憶するHD3708及びFD3709とのアクセスを制御する。
NIC3712は、ネットワーク3711上の装置或いはシステムと双方向にデータをやりとりする。
また、上述した各実施の形態の機能を実現するべく各種のデバイスを動作させるように、上記各種デバイスと接続された装置あるいはシステム内のコンピュータに対し、上記実施の形態の機能を実現するためのソフトウェアのプログラムコードを供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(CPUあるいはMPU)に格納されたプログラムに従って上記各種デバイスを動作させることによって実施したものも、本発明の範疇に含まれる。
また、この場合、上記ソフトウェアのプログラムコード自体が上述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード自体、およびそのプログラムコードをコンピュータに供給するための手段、例えば、かかるプログラムコードを格納した記録媒体は本発明を構成する。かかるプログラムコードを記憶する記録媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
また、コンピュータが供給されたプログラムコードを実行することにより、上述した実施の形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードがコンピュータにおいて稼働しているOS(オペレーティングシステム)あるいは他のアプリケーションソフト等と共同して上述の実施形態の機能が実現される場合にもかかるプログラムコードは本発明の実施形態に含まれる。
さらに、供給されたプログラムコードがコンピュータの機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに格納された後、そのプログラムコードの指示に基づいてその機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって上述した実施の形態の機能が実現される場合にも本発明に含まれる。
本発明の第1の実施の形態を示し、電磁場解析装置の構成の一例を示したブロック図である。 本発明の第1の実施の形態を示し、電磁場解析装置により解析する磁気シールド装置のモデルの一例を示した図である。 本発明の第1の実施の形態を示し、解析領域と等価要素の一例を示した図である。 本発明の第1の実施の形態を示し、解析領域を分割して得られる分割領域の一例を示した図である。 本発明の第1の実施の形態を示し、鋼板のB−H曲線の一例を示した図である。 本発明の第1の実施の形態を示し、平均磁束密度と平均磁界と平均磁束密度及び磁化容易軸のなす角度とから定まる座標空間と、平均磁束密度と平均磁束密度及び磁化容易軸のなす角度とから定まる部分空間と、部分空間に対応するσ空間との一例を示した図である。 本発明の第1の実施の形態を示し、平均磁束密度と平均磁束密度及び磁化容易軸のなす角度と平均磁束密度及び平均磁界のなす角度とから定まる座標空間と、平均磁束密度と平均磁束密度及び磁化容易軸のなす角度とから定まる部分空間と、部分空間に対応するσ空間との一例を示した図である。 本発明の第1の実施の形態を示し、等価要素におけるB−H曲線の一例を示した図である。 本発明の第1の実施の形態を示し、平準化処理を行った等価要素におけるB−H曲線の一例を示した図である。 等価要素におけるB−θ曲線の一例を示した図である。 本発明の第1の実施の形態を示し、電磁場解析装置における処理動作の一例を説明するフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態を示し、代表点における磁気特性を求める際の、電磁場解析装置における処理動作の一例を説明するフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態を示し、図1に続く、代表点における磁気特性を求める際の、電磁場解析装置における処理動作の一例を説明するフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態を示し、電磁場解析装置におけるB−H曲線を作成する際の具体的な処理動作の一例を説明するフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態を示し、電磁場解析装置におけるB−θ曲線を作成する際の具体的な処理動作の一例を説明するフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態を示し、解析対象領域に生じる電磁場を求める手法をまとめて示した図である。 本発明の第1の実施の形態を示し、本実施の形態の方法で解析した結果と、従来の方法で解析した結果とを比較した図である。 本発明の第1の実施の形態を示し、本実施の形態の方法で解析する際に要する要素数の一例と、従来の方法で解析する際に要する要素数の一例を示した図である。 本発明の第1の実施の形態を示し、等価要素の他の例を示した図である。 本発明の第2の実施の形態を示し、磁気シールド装置の構成の一例を示した図である。 本発明の第2の実施の形態を示し、解析領域と等価要素の一例を示した図である。 本発明の第2の実施の形態を示し、解析領域を分割して得られる分割領域の一例を示した図である。 本発明の第2の実施の形態を示し、等価要素におけるB−H曲線の一例を示した図である。 本発明の第2の実施の形態を示し、等価要素におけるB−θ曲線の一例を示した図である。 本発明の第3の実施の形態を示し、解析領域と等価要素の一例を示した図である。 本発明の第3の実施の形態を示し、平均磁束密度の方向と平均磁界の方向を特定する方法の一例を説明する図である。 本発明の第3の実施の形態を示し、平均磁束密度と平均磁界と第1の基準線及び磁化困難軸(平均磁束密度)のなす角度とから定まる座標空間と、平均磁束密度と第1の基準線及び磁化困難軸(平均磁束密度)のなす角度とから定まる部分空間と、部分空間に対応するσ空間との一例を示した図である。 本発明の第3の実施の形態を示し、平均磁束密度と第1及び第2の基準線のなす角度と第1の基準線及び磁化困難軸(平均磁束密度)のなす角度とから定まる座標空間と、平均磁束密度と第1の基準線及び磁化困難軸(平均磁束密度)とから定まる部分空間と、部分空間に対応するσ空間との一例を示した図である。 本発明の第3の実施の形態を示し、平均磁束密度と平均磁界と第2の基準線及び磁化困難軸(平均磁界)のなす角度とから定まる座標空間と、平均磁束密度と第2の基準線及び磁化困難軸(平均磁界)のなす角度とから定まる部分空間と、部分空間に対応するσ空間との一例を示した図である。 本発明の第3の実施の形態を示し、等価要素におけるB−H曲線の一例を示した図である。 本発明の第3の実施の形態を示し、等価要素における第1のB−θ曲線の一例を示した図である。 本発明の第3の実施の形態を示し、等価要素における第2のB−θ曲線の一例を示した図である。 本発明の第4の実施の形態を示し、平均磁束密度と平均磁界との適切な関係を示すB−H曲線と、平均磁束密度と平均磁界との不適切な関係を示すB−H曲線との一例を示す図である。 本発明の第4の実施の形態を示し、電磁場解析装置における処理動作の一例を説明するフローチャートである。 本発明の第4の実施の形態を示し、図3に続く、電磁場解析装置における処理動作の一例を説明するフローチャートである。 本発明の他の実施の形態を示し、電磁場解析装置及び全体モデル解析装置に配設されたコンピュータシステムの構成の一例を示したブロック図である。
1 電磁場解析装置
2 操作部
3 表示部
4 処理部
4a 平均磁界演算部
4b 磁気特性曲線作成部
4c 磁界分布演算部
20 磁性体(鋼板)
21 解析対象領域
30、220 解析領域
31、222、223 等価要素
110〜113、2401、2402、3101 B−H曲線
120〜123、2501 B−θ曲線
3201 第1のB−θ曲線
3301 第2のB−θ曲線

Claims (31)

  1. 解析対象領域に生じる電磁場を解析する電磁場解析装置であって、
    磁性体を含む複数の物質により占められている等価要素内における平均磁束密度と、平均磁界と、上記平均磁束密度及び上記磁性体の磁化容易軸のなす角度と、上記平均磁束密度及び上記平均磁界のなす角度とを含む複数の磁気特性を、上記等価要素に与える外部磁界を変えることによって求める第1の磁気特性演算手段と、
    上記解析対象領域に生じる電磁場を解析する為に用いる複数の磁気特性であって、上記第1の磁気特性演算手段により求められた複数の磁気特性の少なくとも2つをそれぞれが代表する磁気特性を求める第2の磁気特性演算手段と、
    上記第2の磁気特性演算手段により求められた磁気特性を用いて、上記等価要素よりも広い解析対象領域に生じる電磁場を解析する電磁場解析手段とを有することを特徴とする電磁場解析装置。
  2. 上記第2の磁気特性演算手段は、上記第1の磁気特性演算手段により求められた平均磁束密度の大きさと、平均磁界の大きさと、上記平均磁束密度及び上記磁性体の磁化容易軸のなす角度とから定められる演算点を、座標空間に複数与えるとともに、上記複数の演算点の少なくとも2つをそれぞれが代表する複数の代表点を上記座標空間に与え、
    上記座標空間に与えた代表点の近くにある少なくとも2つの演算点を上記座標空間から抽出し、
    上記抽出した演算点における平均磁界と、平均磁束密度及び平均磁界のなす角度とを用いて、上記代表点における平均磁界と、平均磁束密度及び平均磁界のなす角度とを求めることを特徴とする請求項に記載の電磁場解析装置。
  3. 上記第2の磁気特性演算手段は、上記第1の磁気特性演算手段により求められた平均磁束密度の大きさと、平均磁界の大きさと、上記平均磁束密度及び上記磁性体の磁化容易軸のなす角度とから定められる演算点を、第1の座標空間に複数与えるとともに、上記複数の演算点の少なくとも2つをそれぞれが代表する複数の代表点を上記第1の座標空間に与え、
    上記第1の座標空間に与えた複数の演算点と、複数の代表点とを、上記第1の座標空間を無次元化した第2の座標空間に写像し、
    上記第2の座標空間に写像した代表点の近くにある少なくとも2つの演算点を上記第2の座標空間から抽出し、
    上記第2の座標空間から抽出した演算点における平均磁界と、平均磁束密度及び平均磁界のなす角度とを用いて、上記代表点における平均磁界と、平均磁束密度及び平均磁界のなす角度とを求めることを特徴とする請求項に記載の電磁場解析装置。
  4. 上記第2の磁気特性演算手段は、上記第1の磁気特性演算手段により求められた平均磁束密度の大きさと、平均磁界の大きさと、第1の基準線及び磁化困難軸のなす角度と、上記第1の基準線及び上記平均磁束密度のなす角度と、第1及び第2の基準線のなす角度と、上記第2の基準線及び上記平均磁界のなす角度とから定められる演算点を、第1の座標空間に複数与えるとともに、上記複数の第1の演算点の少なくとも2つをそれぞれが代表する複数の代表点を上記第1の座標空間に与え、
    上記第1の座標空間に与えた代表点の近くにある少なくとも2つの演算点を上記第1の座標空間から抽出し、
    上記第1の磁気特性演算手段により求められた平均磁束密度の大きさと、上記平均磁束密度及び第1の基準線のなす角度とから定められる演算点を、第2の座標空間に複数与えるとともに、上記複数の第2の演算点の少なくとも2つをそれぞれが代表する複数の代表点を上記第2の座標空間に与え、
    上記第2の座標空間に与えた代表点の近くにある少なくとも2つの演算点を上記第2の座標空間から抽出し、
    上記抽出した演算点における平均磁界と、第1及び第2の基準線のなす角度と、上記平均磁界及び上記第2の基準線のなす角度とを用いて、上記代表点における平均磁界と、第1及び第2の基準線のなす角度と、上記平均磁界及び上記第2の基準線のなす角度とを求めるようにし、
    上記第1の基準線は、上記第1の磁気特性演算手段により求められた平均磁束密度の磁化容易軸の値及び磁化困難軸の値から定められる線であり、
    上記第2の基準線は、上記第1の磁気特性演算手段により求められた平均磁界の磁化容易軸の値及び磁化困難軸の値から定められる線であることを特徴とする請求項に記載の電磁場解析装置。
  5. 上記第2の磁気特性演算手段は、上記第1の磁気特性演算手段により求められた平均磁束密度の大きさと、平均磁界の大きさと、第1の基準線及び磁化困難軸のなす角度と、上記第1の基準線及び上記平均磁束密度のなす角度と、第1及び第2の基準線のなす角度と、上記第2の基準線及び上記平均磁界のなす角度とから定められる演算点を、第1の座標空間に複数与えるとともに、上記複数の演算点の少なくとも2つをそれぞれが代表する複数の代表点を上記第1の座標空間に与え、
    上記第1の座標空間に与えた複数の演算点と、複数の代表点とを、上記第1の座標空間を無次元化した第2の座標空間に写像し、
    上記第2の座標空間に写像した代表点の近くにある少なくとも2つの演算点を上記第2の座標空間から抽出し、
    上記第1の磁気特性演算手段により求められた平均磁束密度の大きさと、上記平均磁束密度及び第1の基準線のなす角度とから定められる演算点を、第3の座標空間に複数与えるとともに、上記複数の第3の演算点の少なくとも2つをそれぞれが代表する複数の代表点を上記第3の座標空間に与え、
    上記第3の座標空間に与えた複数の演算点と、複数の代表点とを、上記第3の座標空間を無次元化した第4の座標空間に写像し、
    上記第4の座標空間に写像した代表点の近くにある少なくとも2つの演算点を上記第4の座標空間から第4の座標空間から抽出し、
    上記抽出した演算点における平均磁界と、第1及び第2の基準線のなす角度と、上記平均磁界及び上記第2の基準線のなす角度とを用いて、上記代表点における平均磁界と、第1及び第2の基準線のなす角度と、上記平均磁界及び上記第2の基準線のなす角度とを求めるようにし、
    上記第1の基準線は、上記第1の磁気特性演算手段により求められた平均磁束密度の磁化容易軸の値及び磁化困難軸の値から定められる線であり、
    上記第2の基準線は、上記第1の磁気特性演算手段により求められた平均磁界の磁化容易軸の値及び磁化困難軸の値から定められる線であることを特徴とする請求項に記載の電磁場解析装置。
  6. 上記第2の磁気特性演算手段により求められた平均磁束密度と、平均磁界との関係を表すB−H曲線と、上記平均磁束密度と、上記平均磁束密度及び上記平均磁界のなす角度との関係を表すB−θ曲線とを作成する磁気特性曲線作成手段を有し、
    上記電磁場解析手段は、上記磁気特性曲線作成手段により作成されたB−H曲線と、B−θ曲線とに基づいて、上記等価要素よりも広い解析対象領域に生じる電磁場を解析することを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の電磁場解析装置。
  7. 上記複数の物質は、磁性体と非磁性体であり、
    上記第1の磁気特性演算手段は、上記磁性体の一部と、その周囲の非磁性体により占められている等価要素内における平均磁束密度と、平均磁界とを演算することを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の電磁場解析装置。
  8. 上記電磁場解析手段は、上記磁性体を含む複数の物質が繰り返し存在している領域に生じる電磁場を解析することを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の電磁場解析装置。
  9. 磁性体を含む複数の物質により占められている等価要素内における平均磁束密度と、平均磁界と、上記平均磁束密度及び上記磁性体の磁化容易軸のなす角度と、上記平均磁束密度及び上記平均磁界のなす角度とを求める磁気特性演算手段と、
    上記平均磁束密度と、平均磁界と、上記平均磁束密度及び上記平均磁界のなす角度とを用いて、上記等価要素よりも広い解析対象領域に生じる電磁場を解析する電磁場解析手段とを有し、
    上記磁気特性演算手段は、上記求める平均磁束密度が所定の値になるように外部磁界を調節し、上記調節した外部磁界を上記等価要素に与えて、上記平均磁束密度と、上記平均磁界と、上記平均磁束密度及び上記平均磁界のなす角度とを求めることを特徴とする電磁場解析装置。
  10. 上記磁気特性演算手段は、上記求める平均磁束密度の大きさと、方向とが所定の値になるように上記外部磁界を調節することを特徴とする請求項に記載の電磁場解析装置。
  11. 上記磁気特性演算手段は、上記求める平均磁束密度の大きさと、上記平均磁束密度及び上記磁性体の磁化容易軸のなす角度とが所定の値になるように上記外部磁界を調節することを特徴とする請求項10に記載の電磁場解析装置。
  12. 上記磁気特性演算手段は、上記求める平均磁束密度の大きさと、上記平均磁束密度及び上記磁性体の磁化困難軸のなす角度と、上記平均磁束密度及び基準線のなす角度とが所定の値になるように上記外部磁界を調節するようにし、
    上記基準線は、上記求める平均磁束密度の磁化困難軸方向の値及び磁化容易軸方向の値から定められる線であることを特徴とする請求項10に記載の電磁場解析装置。
  13. 上記磁気特性演算手段により求められた平均磁束密度と、平均磁界との関係を表すB−H曲線と、上記平均磁束密度と、上記平均磁束密度及び上記平均磁界のなす角度との関係を表すB−θ曲線とを作成する磁気特性曲線作成手段を有し、
    上記電磁場解析手段は、上記磁気特性曲線作成手段により作成されたB−H曲線と、B−θ曲線とに基づいて、上記等価要素よりも広い解析対象領域に生じる電磁場を解析することを特徴とする請求項12の何れか1項に記載の電磁場解析装置。
  14. 上記複数の物質は、磁性体と非磁性体であり、
    上記磁気特性演算手段は、上記磁性体の一部と、その周囲の非磁性体により占められている等価要素内における平均磁束密度と、平均磁界とを演算することを特徴とする請求項13の何れか1項に記載の電磁場解析装置。
  15. 上記電磁場解析手段は、上記磁性体を含む複数の物質が繰り返し存在している領域に生じる電磁場を解析することを特徴とする請求項14の何れか1項に記載の電磁場解析装置。
  16. 解析対象領域に生じる電磁場を解析する電磁場解析方法であって、
    磁性体を含む複数の物質により占められている等価要素内における平均磁束密度と、平均磁界と、上記平均磁束密度及び上記磁性体の磁化容易軸のなす角度と、上記平均磁束密度及び上記平均磁界のなす角度とを含む複数の磁気特性を、上記等価要素に与える外部磁界を変えることによって求める第1の磁気特性演算ステップと、
    上記解析対象領域に生じる電磁場を解析する為に用いる複数の磁気特性であって、上記第1の磁気特性演算手段により求められた複数の磁気特性の少なくとも2つをそれぞれが代表する磁気特性を求める第2の磁気特性演算ステップと、
    上記第2の磁気特性演算ステップにより求められた磁気特性を用いて、上記等価要素よりも広い解析対象領域に生じる電磁場を解析する電磁場解析ステップとを有することを特徴とする電磁場解析方法。
  17. 上記第2の磁気特性演算ステップは、上記第1の磁気特性演算ステップにより求められた平均磁束密度の大きさと、平均磁界の大きさと、上記平均磁束密度及び上記磁性体の磁化容易軸のなす角度とから定められる演算点を、座標空間に複数与えるとともに、上記複数の演算点の少なくとも2つをそれぞれが代表する複数の代表点を上記座標空間に与え、
    上記座標空間に与えた代表点の近くにある少なくとも2つの演算点を上記座標空間から抽出し、
    上記抽出した演算点における平均磁界と、平均磁束密度及び平均磁界のなす角度とを用いて、上記代表点における平均磁界と、平均磁束密度及び平均磁界のなす角度とを求めることを特徴とする請求項16に記載の電磁場解析方法。
  18. 上記第2の磁気特性演算ステップは、上記第1の磁気特性演算ステップにより求められた平均磁束密度の大きさと、平均磁界の大きさと、上記平均磁束密度及び上記磁性体の磁化容易軸のなす角度とから定められる演算点を、第1の座標空間に複数与えるとともに、上記複数の演算点の少なくとも2つをそれぞれが代表する複数の代表点を上記第1の座標空間に与え、
    上記第1の座標空間に与えた複数の演算点と、複数の代表点とを、上記第1の座標空間を無次元化した第2の座標空間に写像し、
    上記第2の座標空間に写像した代表点の近くにある少なくとも2つの演算点を上記第2の座標空間から抽出し、
    上記第2の座標空間から抽出した演算点における平均磁界と、平均磁束密度及び平均磁界のなす角度とを用いて、上記代表点における平均磁界と、平均磁束密度及び平均磁界のなす角度とを求めることを特徴とする請求項16に記載の電磁場解析方法。
  19. 上記第2の磁気特性演算ステップは、上記第1の磁気特性演算ステップにより求められた平均磁束密度の大きさと、平均磁界の大きさと、第1の基準線及び磁化困難軸のなす角度と、上記第1の基準線及び上記平均磁束密度のなす角度と、第1及び第2の基準線のなす角度と、上記第2の基準線及び上記平均磁界のなす角度とから定められる演算点を、第1の座標空間に複数与えるとともに、上記複数の第1の演算点の少なくとも2つをそれぞれが代表する複数の代表点を上記第1の座標空間に与え、
    上記第1の座標空間に与えた代表点の近くにある少なくとも2つの演算点を上記第1の座標空間から抽出し、
    上記第1の磁気特性演算ステップにより求められた平均磁束密度の大きさと、上記平均磁束密度及び第1の基準線のなす角度とから定められる演算点を、第2の座標空間に複数与えるとともに、上記複数の第2の演算点の少なくとも2つをそれぞれが代表する複数の代表点を上記第2の座標空間に与え、
    上記第2の座標空間に与えた代表点の近くにある少なくとも2つの演算点を上記第2の座標空間から抽出し、
    上記抽出した演算点における平均磁界と、第1及び第2の基準線のなす角度と、上記平均磁界及び上記第2の基準線のなす角度とを用いて、上記代表点における平均磁界と、第1及び第2の基準線のなす角度と、上記平均磁界及び上記第2の基準線のなす角度とを求めるようにし、
    上記第1の基準線は、上記第1の磁気特性演算ステップにより求められた平均磁束密度の磁化容易軸の値及び磁化困難軸の値から定められる線であり、
    上記第2の基準線は、上記第1の磁気特性演算ステップにより求められた平均磁界の磁化容易軸の値及び磁化困難軸の値から定められる線であることを特徴とする請求項16に記載の電磁場解析方法。
  20. 上記第2の磁気特性演算ステップは、上記第1の磁気特性演算ステップにより求められた平均磁束密度の大きさと、平均磁界の大きさと、第1の基準線及び磁化困難軸のなす角度と、上記第1の基準線及び上記平均磁束密度のなす角度と、第1及び第2の基準線のなす角度と、上記第2の基準線及び上記平均磁界のなす角度とから定められる演算点を、第1の座標空間に複数与えるとともに、上記複数の演算点の少なくとも2つをそれぞれが代表する複数の代表点を上記第1の座標空間に与え、
    上記第1の座標空間に与えた複数の演算点と、複数の代表点とを、上記第1の座標空間を無次元化した第2の座標空間に写像し、
    上記第2の座標空間に写像した代表点の近くにある少なくとも2つの演算点を上記第2の座標空間から抽出し、
    上記第1の磁気特性演算ステップにより求められた平均磁束密度の大きさと、上記平均磁束密度及び第1の基準線のなす角度とから定められる演算点を、第3の座標空間に複数与えるとともに、上記複数の第3の演算点の少なくとも2つをそれぞれが代表する複数の代表点を上記第3の座標空間に与え、
    上記第3の座標空間に与えた複数の演算点と、複数の代表点とを、上記第3の座標空間を無次元化した第4の座標空間に写像し、
    上記第4の座標空間に写像した代表点の近くにある少なくとも2つの演算点を上記第4の座標空間から第抽出し、
    上記抽出した演算点における平均磁界と、第1及び第2の基準線のなす角度と、上記平均磁界及び上記第2の基準線のなす角度とを用いて、上記代表点における平均磁界と、第1及び第2の基準線のなす角度と、上記平均磁界及び上記第2の基準線のなす角度とを求めるようにし、
    上記第1の基準線は、上記第1の磁気特性演算ステップにより求められた平均磁束密度の磁化容易軸の値及び磁化困難軸の値から定められる線であり、
    上記第2の基準線は、上記第1の磁気特性演算ステップにより求められた平均磁界の磁化容易軸の値及び磁化困難軸の値から定められる線であることを特徴とする請求項16に記載の電磁場解析方法。
  21. 上記第2の磁気特性演算ステップにより求められた平均磁束密度と、平均磁界との関係を表すB−H曲線と、上記平均磁束密度と、上記平均磁束密度及び上記平均磁界のなす角度との関係を表すB−θ曲線とを作成する磁気特性曲線作成ステップを有し、
    上記電磁場解析ステップは、上記磁気特性曲線作成ステップにより作成されたB−H曲線と、B−θ曲線とに基づいて、上記等価要素よりも広い解析対象領域に生じる電磁場を解析することを特徴とする請求項1620の何れか1項に記載の電磁場解析方法。
  22. 上記複数の物質は、磁性体と非磁性体であり、
    上記第1の磁気特性演算ステップは、上記磁性体の一部と、その周囲の非磁性体により占められている等価要素内における平均磁束密度と、平均磁界とを演算することを特徴とする請求項1620の何れか1項に記載の電磁場解析方法。
  23. 上記電磁場解析ステップは、上記磁性体を含む複数の物質が繰り返し存在している領域に生じる電磁場を解析することを特徴とする請求項1622の何れか1項に記載の電磁場解析方法。
  24. 磁性体を含む複数の物質により占められている等価要素内における平均磁束密度と、平均磁界と、上記平均磁束密度及び上記磁性体の磁化容易軸のなす角度と、上記平均磁束密度及び上記平均磁界のなす角度とを求める磁気特性演算ステップと、
    上記平均磁束密度と、平均磁界と、上記平均磁束密度及び上記平均磁界のなす角度とを用いて、上記等価要素よりも広い解析対象領域に生じる電磁場を解析する電磁場解析ステップとを有し、
    上記磁気特性演算ステップは、上記求める平均磁束密度が所定の値になるように外部磁界を調節し、上記調節した外部磁界を上記等価要素に与えて、上記平均磁束密度と、上記平均磁界と、上記平均磁束密度及び上記平均磁界のなす角度とを求めることを特徴とする電磁場解析方法。
  25. 上記磁気特性演算ステップは、上記求める平均磁束密度の大きさと、方向とが所定の値になるように上記外部磁界を調節することを特徴とする請求項24に記載の電磁場解析方法。
  26. 上記磁気特性演算ステップは、上記求める平均磁束密度の大きさと、上記平均磁束密度及び上記磁性体の磁化容易軸のなす角度とが所定の値になるように上記外部磁界を調節することを特徴とする請求項25に記載の電磁場解析方法。
  27. 上記磁気特性演算ステップは、上記求める平均磁束密度の大きさと、上記平均磁束密度及び上記磁性体の磁化困難軸のなす角度と、上記平均磁束密度及び基準線のなす角度とが所定の値になるように上記外部磁界を調節するようにし、
    上記基準線は、上記求める平均磁束密度の磁化困難軸方向の値及び磁化容易軸方向の値から定められる線であることを特徴とする請求項25に記載の電磁場解析方法。
  28. 上記磁気特性演算ステップにより求められた平均磁束密度と、平均磁界との関係を表すB−H曲線と、上記平均磁束密度と、上記平均磁束密度及び上記平均磁界のなす角度との関係を表すB−θ曲線とを作成する磁気特性曲線作成ステップを有し、
    上記電磁場解析ステップは、上記磁気特性曲線作成ステップにより作成されたB−H曲線と、B−θ曲線とに基づいて、上記等価要素よりも広い解析対象領域に生じる電磁場を解析することを特徴とする請求項2427の何れか1項に記載の電磁場解析方法。
  29. 解析対象領域に生じる電磁場の解析をコンピュータに実行させるプログラムであって、
    磁性体を含む複数の物質により占められている等価要素内における平均磁束密度と、平均磁界と、上記平均磁束密度及び上記磁性体の磁化容易軸のなす角度と、上記平均磁束密度及び上記平均磁界のなす角度とを含む複数の磁気特性を、上記等価要素に与える外部磁界を変えることによって求める第1の磁気特性演算ステップと、
    上記解析対象領域に生じる電磁場を解析する為に用いる複数の磁気特性であって、上記第1の磁気特性演算手段により求められた複数の磁気特性の少なくとも2つをそれぞれが代表する磁気特性を求める第2の磁気特性演算手段と、
    上記第2の磁気特性演算ステップにより求められた磁気特性を用いて、上記等価要素よりも広い解析対象領域に生じる電磁場を解析する電磁場解析ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
  30. 磁性体を含む複数の物質により占められている等価要素内における平均磁束密度と、平均磁界と、上記平均磁束密度及び上記磁性体の磁化容易軸のなす角度と、上記平均磁束密度及び上記平均磁界のなす角度とを求める磁気特性演算ステップと、
    上記平均磁束密度と、平均磁界と、上記平均磁束密度及び上記平均磁界のなす角度とを用いて、上記等価要素よりも広い解析対象領域に生じる電磁場を解析する電磁場解析ステップとをコンピュータに実行させ、
    上記磁気特性演算ステップは、上記求める平均磁束密度が所定の値になるように外部磁界を調節し、上記調節した外部磁界を上記等価要素に与えて、上記平均磁束密度と、上記平均磁界と、上記平均磁束密度及び上記平均磁界のなす角度とを求めることを特徴とするコンピュータプログラム。
  31. 上記請求項2930の何れか1項に記載のコンピュータプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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