JP5593934B2 - 磁気交換結合エネルギー算出プログラム、算出方法及び算出装置 - Google Patents

磁気交換結合エネルギー算出プログラム、算出方法及び算出装置 Download PDF

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Description

本発明は、磁気交換結合エネルギー算出プログラム、算出方法及び算出装置に関する。
従来より、磁性体を含む複数の物質により占められている等価要素内の平均磁束密度及び平均磁界を演算し、上記平均磁束密度及び平均磁界を用いて、上記等価要素よりも広い領域に生じる電磁場を解析する装置が知られている。また、従来より、電磁場解析対象領域を微小領域に分割し、微小領域における最小磁束密度と最大磁束密度との比αをパラメータとするH−B曲線及びW−B曲線をデータベースに格納し、電磁場の解析を実行するシステムが知られている。さらに、従来より、磁性体材料内において原子の磁気モーメントの向きが同じ向きに揃った領域である磁区の構造を段階的に変化させ、段階毎に磁性材料の磁気エネルギーを算出して、最も磁気エネルギーが小さくなる段階を求める装置が知られている。また、従来より、磁気異方性のような、従来の解析で考慮されていない磁気的性質を取り入れて、マイクロ磁化解析を実行するプログラムが知られている。
マイクロ磁化解析とは、図1に示すように、磁性体を小さな磁石の集合としてモデル化し、磁区の状態を数値シミュレーションする手法である。マイクロ磁化とは、個々の小さな磁石又は小さな磁性体要素のことである。マイクロ磁化解析では、計算コストの観点から実際の原子サイズオーダーのメッシュは使用せず、約10nmのメッシュを使用する。一般に用いられるメッシュサイズ(〜10nm)では、隣接するメッシュの磁化ベクトルの成す角は5度以下と小さく、角度はほぼ連続とみなされる。
マイクロ磁化の運動を支配する方程式(支配方程式)は下記の式(1)であり、LLG(Landau-Lifshitz-Gilbert)方程式と呼ばれている。
Figure 0005593934
ここでM、γ、α、Heffは、それぞれ磁化ベクトル、磁気回転比、摩擦係数、有効磁界である。
また、有効磁界Heffは、式(2)のように複数の磁界ベクトルの合成である。マイクロ磁化が受ける磁界は、外部磁界Hout、反磁界Hdemag、異方性磁界Han、及び磁気交換結合磁界Hexである。
Figure 0005593934
磁気交換結合磁界Hexは、本来隣接する原子間に作用する力である。原子間距離より大きいサイズでメッシュ分割された解析モデルを用いて、計算精度を維持したマイクロ磁化の解析を行うためには、隣接する磁化ベクトルの角度変化が10度以下となるぐらい小さいサイズ(〜10nm)でメッシュ分割された解析モデルが必要である。
マイクロ磁化解析は、主にミクロンオーダーの小さな磁性体を解析対象としてきたが、計算機の進歩によって近年では数十ミクロンオーダーの磁性体材料への適用が実現されている。今後は、モータや変圧器等のさらに大規模な磁性体領域を解析対象とする必要性が出てくると予想されている。
特開2005−43340号公報
特開2004−347482号公報
特開2004−219178号公報
特開2005−100067号公報
上述したように、マイクロ磁化解析を高精度で実現するために必要なメッシュサイズは、約10nm以下であるため、解析対象領域を大きくするにしたがって取り扱わなければならないメッシュ数が増大するという問題がある。メッシュサイズを大きくすると、計算に必要な自由度が小さくなるため、計算時間の短縮化が可能となる。しかしながら、メッシュサイズを大きくすると、隣接する磁化ベクトルの成す角が10度以上になることがあるため、安易にメッシュサイズを増加すると計算精度は保証されない。
また、従来のマイクロ磁化解析では、メッシュサイズが大きくなると(例えば10nm以上)、磁化ベクトルの回転角度(隣接する磁化ベクトルの成す角)が増大するため、高精度なマイクロ磁化解析を実現できないという問題、即ち、磁気交換結合エネルギーや磁気交換結合磁界の計算精度が低下する問題がある。
上記課題に鑑み、明細書に開示された磁気交換結合エネルギー算出プログラム、算出方法及び算出装置は、従来よりも磁化ベクトルの回転角度が大きくなる場合でも、高精度な磁気交換結合磁界を算出できることを目的とする。
上記目的を達成するため、明細書に開示された磁気交換結合エネルギー算出プログラムは、コンピュータに、有限体積法で使用される、隣接し合う要素の中心に配置される2つの磁化ベクトルの間を結ぶ直線を複数の領域に分割し、前記分割された領域毎の磁化ベクトルを、当該2つの磁化ベクトルに直交する回転軸を基準として、当該2つの磁化ベクトルに基づき補間する第1手順、及び前記補間された磁化ベクトルに加わる力として作用する磁界を前記補間された領域毎の磁化ベクトルの回転角で積分することにより、磁気交換結合磁界を算出する第2手順を実行させる。
明細書に開示された磁気交換結合エネルギー算出プログラムは、コンピュータに、有限体積法で使用される、隣接し合う要素の中心に配置される2つの磁化ベクトルの間を結ぶ直線を複数の領域に分割し、前記分割された領域毎の磁化ベクトルを、当該2つの磁化ベクトルに直交する回転軸を基準として、当該2つの磁化ベクトルに基づき補間する第1手順、及び前記補間された磁化ベクトルが占める体積のエネルギーを前記補間された領域毎の磁化ベクトルの回転角で積分することにより、磁気交換結合エネルギーを算出する第2手順を実行させる。
明細書に開示された磁気交換結合エネルギー算出方法は、有限体積法で使用される、隣接し合う要素の中心に配置される2つの磁化ベクトルの間を結ぶ直線を複数の領域に分割し、前記分割された領域毎の磁化ベクトルを、当該2つの磁化ベクトルに直交する回転軸を基準として、当該2つの磁化ベクトルに基づき補間する第1手順、及び前記補間された磁化ベクトルに加わる力として作用する磁界を前記補間された領域毎の磁化ベクトルの回転角で積分することにより、磁気交換結合磁界を算出する第2手順を備える。
明細書に開示された磁気交換結合エネルギー算出方法は、有限体積法で使用される、隣接し合う要素の中心に配置される2つの磁化ベクトルの間を結ぶ直線を複数の領域に分割し、前記分割された領域毎の磁化ベクトルを、当該2つの磁化ベクトルに直交する回転軸を基準として、当該2つの磁化ベクトルに基づき補間する第1手順、及び前記補間された磁化ベクトルが占める体積のエネルギーを前記補間された領域毎の磁化ベクトルの回転角で積分することにより、磁気交換結合エネルギーを算出する第2手順を備える。
明細書に開示された磁気交換結合エネルギー算出装置は、有限体積法で使用される、隣接し合う要素の中心に配置される2つの磁化ベクトルの間を結ぶ直線を複数の領域に分割し、前記分割された領域毎の磁化ベクトルを、当該2つの磁化ベクトルに直交する回転軸を基準として、当該2つの磁化ベクトルに基づき補間する補間手段と、前記補間された磁化ベクトルに加わる力として作用する磁界を前記補間された領域毎の磁化ベクトルの回転角で積分することにより、磁気交換結合磁界を算出する算出手段とを備える。
明細書に開示された磁気交換結合エネルギー算出プログラム、算出方法及び算出装置は、従来よりも磁化ベクトルの回転角度が大きくなる場合でも、高精度な磁気交換結合磁界を算出できる。
マイクロ磁化解析で使用される磁性体モデルの一例を示す図である。 磁気交換結合エネルギー算出装置の構成を示すブロック図である。 2つの磁化ベクトルの成す角が90度である場合の例を示す図である。 式(4)を用いて算出された磁気交換結合エネルギーと式(5)を用いて算出された磁気交換結合エネルギーの誤差と、磁化ベクトルの回転角度との関係を示すグラフである。 有限体積法において磁化ベクトルを配置した様子を示す図である。 隣接する2つの磁化ベクトルが占める体積を示す図である。 2つの磁化ベクトルに直交する回転軸uと回転角Θの例を示す図である。 2つの磁化ベクトルの成す角を補間し、2つの磁化ベクトルの間をN分割する状態を示す図である。 磁気交換結合エネルギーの計算手順を示すフローチャートである。 磁気交換結合磁界の計算手順を示すフローチャートである。 磁区状態の解答例を示す図である。 (A)〜(C)は、磁性体モデルを10nmのメッシュサイズで分割して、マイクロ磁化解析を実行した結果を示す図である。 (A)〜(C)は、磁性体モデルを30nmのメッシュサイズで分割して、マイクロ磁化解析を実行した結果を示す図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
図2は、本実施の形態に係る磁気交換結合エネルギー算出装置の構成を示すブロック図である。
図2の磁気交換結合エネルギー算出装置は、コンピュータ1である。コンピュータ1は、コンピュータ1の全体動作を制御するCPU(Central Processing Unit)11(補間手段、算出手段)、ワーキングエリアとして機能するメモリ12、OS(Operating System)やシミュレーション用のプログラムを含むハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)13、ネットワークインターフェイスカード(NIC:Network Interface Card)14、入力インターフェイス(I/F)15及びビデオインターフェイス(I/F)16を備えている。CPU11は、メモリ12、HDD13、NIC14、入力I/F15及びビデオI/F16に接続されている。入力I/F15にはキーボード・マウス17が接続されている。ビデオI/F16には、モニタ18が接続されている。CPU11は、HDD13に格納されているシミュレーション用のプログラムを読み出し、実行することで、有限体積法を利用するマイクロ磁化解析を実行する。また、マイクロ磁化解析に使用される磁性体モデルのデータは、予めHDD13に格納されているものとする。
以下、2つの磁化ベクトルを用いた簡単な計算によって、磁気交換結合エネルギーの計算精度の低下問題について説明する。
シミュレーション用のプログラムが上記式(1)の磁化ベクトルのLLG方程式を離散化すると、磁気交換結合エネルギーは下記式(3)となる。
Figure 0005593934
ここで、各パラメータは以下のとおりである。
e:磁気交換結合エネルギー密度、A:磁気交換結合係数、M:磁性材料の単位体積当たりの飽和磁化、L:隣接する磁化ベクトル同士の距離、M:i番目の磁化ベクトル、dS:隣接するメッシュ間の断面積、Θ:隣接する磁化ベクトルのなす角
図3に示すように、2つの磁化ベクトルの成す角が90度である場合、シミュレーション用のプログラムが、2つのメッシュ間で磁化ベクトルが不連続となる従来手法を用いて、上記式(1)の磁化ベクトルのLLG方程式を離散化すると、磁気交換結合エネルギーは下記式(4)になる。
Figure 0005593934
同様に2つの磁化ベクトルの成す角が90度である場合、シミュレーション用のプログラムが、2つのメッシュ間で補間した磁化ベクトルを積分して磁気交換結合エネルギーを計算すると、磁気交換結合エネルギーは式(5)になる。この計算式は、上記2つの磁化ベクトルの回転角が線形かつ連続的に変化すると仮定し、2つの磁化ベクトルが占める領域を角度θで積分することで解析的に得られる。
Figure 0005593934
前者の磁気交換結合エネルギーは、後者の磁気交換結合エネルギーに比べて磁気交換結合エネルギーの絶対値が約20%低下する。つまり、磁化ベクトルの回転角が例えば90度である場合のように磁化ベクトルの回転角が大きい場合、従来の手法では、精度の良い磁気交換結合エネルギーが得られない。
図4は、式(4)を用いて算出された磁気交換結合エネルギーと式(5)を用いて算出された磁気交換結合エネルギーの誤差と、磁化ベクトルの回転角度との関係を示すグラフである。図4に示すように、誤差の大きさは、磁化ベクトルの回転角度の増加に従って増加する。つまり、メッシュサイズが大きくなると(例えば10nm以上)、磁化ベクトルの回転角度が増大するため、磁気交換結合エネルギーの誤差も増大する。
本実施の形態では、従来のメッシュに比べて、大きいサイズ(例えば30nm)のメッシュを含む磁性体モデルを作成した場合でも、シミュレーション用のプログラムは、隣接するメッシュ間の磁化ベクトルの回転角度が連続かつ線形的に変化すると仮定して、2つの磁化ベクトルが占める領域を積分(解析解)することで、精度の良い磁気交換結合エネルギーを算出する。
以下、精度の良い磁気交換結合エネルギーを算出する方法を具体的に説明する。
一般的なマイクロ磁化解析の離散化手法には、要素中心に磁化ベクトルを配置する有限体積法が用いられる。有限体積法には有限要素法のような補間関数が存在しないが、要素中心の値を線形補間することで、要素境界面の値を求めることができる。図5は、有限体積法において磁化ベクトルを配置した様子を示す図である。以下の説明では、隣接するメッシュの磁化ベクトルの回転角が連続的に変化すると仮定し、シミュレーション用のプログラムが、有限体積法に線形補間の考え方を適用して、磁気交換結合エネルギーを高精度に求める。
隣接する2つの磁化ベクトルが占める体積Vijは、図6の斜線の領域である。この領域の磁気交換結合エネルギーは、下記式(6)になる。
Figure 0005593934
ここでdSijは2つのメッシュ間の断面積であり、 Lijは2つの磁化ベクトル間の距離である。dVijは下記式(7)で示され、Lijは下記式(8)で示される。
Figure 0005593934
従来より一般的に用いられている2つの磁化ベクトルMiとMjの磁気交換結合エネルギーの式(9)は、隣接する磁化ベクトルの回転角度が小さい場合(例えば、10度以下の場合)には使用できるが、隣接する磁化ベクトルの回転角度が大きくなると磁気交換結合エネルギーの誤差が増大する問題を持っている。
Figure 0005593934
磁気交換結合エネルギーを正確に計算するためには、シミュレーション用のプログラムが、2つの磁化ベクトルMiとMjの成す角を算出し、線形補間された回転角を使って、2つの磁化ベクトルMiとMjが占める体積のエネルギーを積分して、解析的に磁気交換結合エネルギーを求める必要がある。回転角は線形的に変化するため、2つの磁化ベクトルの成す角θがπ以下である場合に、図7に示す回転軸u及び回転角Θはそれぞれ下記式(10)、式(11)のように計算できる。ここで、Msは磁化ベクトルの大きさである。また、回転軸uは、2つの磁化ベクトルMi、Mj と直交するベクトルである。
Figure 0005593934
磁気交換結合エネルギーの1次元における距離の積分を回転角の積分に変数変換すると、式(6)は式(12)のように変形できる。
Figure 0005593934
ここで、シミュレーション用のプログラムが、右辺の角度θに関する積分を解析的に計算すると、正確な磁気交換結合エネルギーは下記式(13)となる。
Figure 0005593934
式(13)は、シミュレーション用のプログラムが、磁気交換結合エネルギーを解析的に計算した結果であるが、シミュレーション用のプログラムが、図8に示すように、磁化ベクトルMiとMj の成す角を補間し、式(6)の積分区間をN分割し、磁化ベクトルMiとMj の占める体積のエネルギーを数値積分しても、精度の良い磁気交換結合エネルギーを計算することができる。式(6)は数値積分の形式で表現されると式(14)となる。ここで、M1はMiに相当し、MNはMjに相当する。また、wはガウス積分の重み関数である。Nは積分区間の分割数であり、ユーザが指定することができる。
Figure 0005593934
図9は、シミュレーション用のプログラムが実行する磁気交換結合エネルギーの計算手順を示すフローチャートである。
まず、シミュレーション用のプログラムは、磁気交換結合エネルギーを初期化する、即ち磁気交換結合エネルギーEexを0に設定する(ステップS1)。次に、シミュレーション用のプログラムは、磁性体モデルに含まれる、計算対象の磁化ベクトルMiの「i」の値を「1」から「全メッシュ数」まで順次インクリメントする(ステップS2−1〜ステップS2−2のループ)。「i」の値をインクリメントするタイミングは、後述するステップS4及びS5の処理が終了するS2−2のタイミングである。シミュレーション用のプログラムが、磁化ベクトルMiの「i」の値を「全メッシュ数」に設定し、ステップS4及びS5の処理が終了した場合には、本計算は終了する。
シミュレーション用のプログラムは、磁性体モデルに含まれる、計算対象の磁化ベクトルMiに隣接する磁化ベクトルMjの「j」の値を「0」から「全メッシュ数−1」まで順次インクリメントする(ステップS3−1〜ステップS3−2のループ)。「j」の値をインクリメントするタイミングは、後述するステップS4及びS5の処理が終了するS3−2のタイミングである。
シミュレーション用のプログラムは、ステップS3−1の後に、上記式(7)、(8)に従って、2つの磁化ベクトルMi,Mjが占める体積dVij及び2つの磁化ベクトルMi,Mj間の距離Lijを計算し、且つ上記式(11)に従って、回転角Θを計算する(ステップS4)。その後、シミュレーション用のプログラムは、計算された体積dVij、距離Lij、回転角Θ及び上記式(13)を使って、磁気交換結合エネルギーEijを計算し、計算された磁気交換結合エネルギーEijをそれまでの合計の磁気交換結合エネルギーEexに加算し、全体の磁気交換結合エネルギーEexを求める(ステップS5)。ステップS5では、シミュレーション用のプログラムは、磁化ベクトルMi,Mj の「i」「j」の値がインクリメントされる度に磁気交換結合エネルギーEijを計算する。尚、シミュレーション用のプログラムは、上記ステップS5において、式(14)を使って、磁気交換結合エネルギーEijを計算してもよい。
シミュレーション用のプログラムは、磁気交換結合エネルギーEijを磁化ベクトルで微分することで、磁気交換結合磁界を算出することができる(Hex,ij=−∂Eij/∂Mi)。
以上説明したように、シミュレーション用のプログラムは、有限体積法で使用される、隣接し合う要素の中心に配置される2つの磁化ベクトルMi,Mj の間の回転角を、当該2つの磁化ベクトルMi,Mjに直交する回転軸uを基準として、線形的に補間し、2つの磁化ベクトルMi,Mjが占める体積Vのエネルギーを線形的に補間された回転角で積分することにより、磁気交換結合エネルギーを算出する。よって、従来よりも精度の良い磁気交換結合エネルギーを算出することができる。
または、シミュレーション用のプログラムは、2つの磁化ベクトルMi,Mjの間の回転角を補間し、2つの磁化ベクトルMi,Mj間を複数の領域に分割して、2つの磁化ベクトルMi,Mjが占める体積Vのエネルギーを分割された領域毎に数値積分することによって、磁気交換結合エネルギーを算出するので、従来よりも精度の良い磁気交換結合エネルギーを算出することができる。
また、シミュレーション用のプログラムは、上記算出された磁気交換結合エネルギーを磁化ベクトルで微分することで得られる磁気交換結合磁界をLLG方程式の有効磁界に含まれる磁気交換結合磁界として用いることで、高精度なマイクロ磁化解析を実現できる。
次に、精度の良い磁気交換結合磁界を算出する方法を具体的に説明する。
マイクロ磁化のLLG方程式において、マイクロ磁化に加わる力として作用する磁気交換結合による磁界は式(15)になる。
Figure 0005593934
従来手法では、dlijをLと近似する計算を使って、式(16)のように磁気交換結合磁界を計算した。
Figure 0005593934
この近似計算は、磁化ベクトルの回転角が大きくなるにしたがって、計算精度が低下する問題を持っている。より高精度に磁気交換結合による磁界を計算するためには、シミュレーション用のプログラムが、解析的に積分を実行する必要がある。
式(15)の解析的な計算では、2つの磁化ベクトルMi,Mjの回転軸に対して回転する角度θで積分する。2つの磁化ベクトルMi,Mjに直交する回転軸uは、ベクトル積によって下記式(17)で表される。回転軸uの周りに磁化ベクトルMiを回転することによって、磁化ベクトルMjは回転角の関数として表現できるので、回転角による解析的な積分が可能となる。磁化ベクトルMiを回転軸uに対してθ回転する変換行列T(Mi→Mj)は下記式(18)となり、磁化ベクトルMj の変換式は下記式(19)となる。ここで、Iijは単位行列である。
Figure 0005593934
磁化ベクトルの変化量は変換行列Tを用いて表すと、下記式(20)になる。
Figure 0005593934
シミュレーション用のプログラムが、式(20)を用いて、式(15)の磁気交換結合磁界を解析的に積分すると、下記式(21)を得る。ここでは、シミュレーション用のプログラムは、式(15)の磁気交換結合磁界の1次元における距離の積分を回転角Θの積分に変数変換している。
Figure 0005593934
ここで、τijは下記式(22)である。
Figure 0005593934
シミュレーション用のプログラムは、式(21)、(22)を用いることで、従来手法の式(16)に比べて、より高精度に磁気交換結合磁界を計算することが可能となる。
式(21)、(22)は、解析的に磁気交換結合磁界を積分した結果であるが、シミュレーション用のプログラムは、磁化ベクトルMi,Mjの成す角を補間し、式(15)の積分区間をN分割し、マイクロ磁化に加わる力として作用する磁界を数値積分しても高精度の磁気交換結合磁界を計算することができる。式(15)を数値積分で表現すると、式(23)が得られる。ここで、M1はMiに相当し、MNはMjに相当する。また、wはガウス積分の重み関数である。尚、積分区間の分割数Nは、ユーザが指定することができる。
Figure 0005593934
シミュレーション用のプログラムは、LLG方程式の有効磁界である磁気交換結合磁界として、解析解である式(21)の値又は数値積分より得られる式(23)の値を用いることで、高精度なマイクロ磁化解析を実現できる。
図10は、シミュレーション用のプログラムが実行する磁気交換結合磁界の計算手順を示すフローチャートである。
まず、シミュレーション用のプログラムは、磁気交換結合磁界を初期化する、即ち磁気交換結合磁界Hex,ijを0に設定する(ステップS11)。次に、シミュレーション用のプログラムは、磁性体モデルに含まれる、計算対象の磁化ベクトルMiの「i」の値を「1」から「全メッシュ数」まで順次インクリメントする(ステップS12−1〜ステップS12−2のループ)。「i」の値をインクリメントするタイミングは、後述するステップS14及びS15の処理が終了するS12−2のタイミングである。シミュレーション用のプログラムが、磁化ベクトルMiの「i」の値を「全メッシュ数」に設定し、ステップS14及びS15の処理が終了した場合には、本計算は終了する。
シミュレーション用のプログラムは、磁性体モデルに含まれる、計算対象の磁化ベクトルMiに隣接する磁化ベクトルMj の「j」の値を「0」から「全メッシュ数−1」まで順次インクリメントする(ステップS13−1〜ステップS13−2のループ)。「j」の値をインクリメントするタイミングは、後述するステップS14及びS15の処理が終了するS13−2のタイミングである。
シミュレーション用のプログラムは、ステップS13−1の後に、上記式(7)、(8)に従って、2つの磁化ベクトルMi,Mjが占める体積dVij及び2つの磁化ベクトルMi,Mj間の距離Lijを計算し、上記(17)、(18)に従って、回転軸u及び変換行列Tを計算し、且つ上記式(11)に従って、回転角Θを計算する(ステップS14)。その後、シミュレーション用のプログラムは、計算された体積dVij、距離Lij、回転軸u、変換行列T、回転角Θ及び上記式(21)、(22)を使って、磁気交換結合磁界Hex,ijを計算し、計算された磁気交換結合磁界Hex,ijをそれまでの合計の磁気交換結合磁界Hexに加算し、全体の磁気交換結合磁界Hexを求める(ステップS15)。ステップS15では、シミュレーション用のプログラムは、磁化ベクトルMi,Mjの「i」「j」の値がインクリメントされる度に磁気交換結合磁界Hex,ijを計算する。尚、シミュレーション用のプログラムは、上記ステップS15において、式(23)を使って、磁気交換結合磁界Hex,ijを計算してもよい。
以上説明したように、シミュレーション用のプログラムは、有限体積法で使用される、隣接し合う要素の中心に配置される2つの磁化ベクトルMi,Mjの間の回転角を、当該2つの磁化ベクトルMi,Mjに直交する回転軸uを基準として、線形的に補間し、2つの磁化ベクトルMi,Mjに加わる力として作用する磁界を線形的に補間された回転角で積分することにより、磁気交換結合磁界を算出する。よって、従来よりも精度の良い磁気交換結合磁界を算出することができる。
または、シミュレーション用のプログラムは、2つの磁化ベクトルMi,Mjの間の回転角を補間し、2つの磁化ベクトルMi,Mj間を複数の領域に分割して、2つの磁化ベクトルMi,Mjに加わる力として作用する磁界を分割された領域毎に数値積分することによって、磁気交換結合磁界を算出するので、従来よりも精度の良い磁気交換結合磁界を算出することができる。
また、シミュレーション用のプログラムは、LLG方程式の有効磁界に含まれる磁気交換結合磁界として、上記算出された磁気交換結合磁界を用いることで、高精度なマイクロ磁化解析を実現できる。
本実施の形態で使用されるシミュレーション用のプログラムは、マイクロ磁化を扱う磁気シミュレーション用のアプリケーションソフトである。また、本実施の形態で実行されるマイクロ磁化解析は、HDD磁気ヘッド、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)、超小型モータ等への適用が可能である。
(実施例)
本出願人は、上記方法で算出した磁気交換結合磁界をLLG方程式の有効磁界の交換結合磁界として使用し、マイクロ磁化解析を行った。このマイクロ磁化解析では、本出願人は、下記のモデル条件(磁性体サイズ、材料特性)を使用し、磁性体モデルのメッシュサイズを変えた場合でも、メッシュサイズの変更前後の磁区状態が同様であるかを検証した。図11は、磁区状態の解答例である。
〔モデル条件〕
磁性体領域のサイズ(X×Y×Z):500×500×10(nm)
磁化の大きさ Ms:8E+5(A/m)
異方性磁界 Ku:5E+2(J/m3
磁気交換結合係数A:1.3E-11(J/m)
減衰係数 α:1
図12(A)〜(C)は、磁性体モデルを10nmのメッシュサイズで分割して、マイクロ磁化解析を実行した結果を示す。図12(A)は、磁化ベクトルの状態を示す。図12(B)は磁化ベクトルのX軸方向の成分を示す。図12(C)は磁化ベクトルのY軸方向の成分を示す。また、図12(B)、(C)においては、赤色がプラス方向の成分を示し、青色がマイナス方向の成分を示す。磁性体モデルを10nmのメッシュサイズで分割した場合には、図11に示す解答例と同様の磁区状態が得られる。
図13(A)〜(C)は、磁性体モデルを30nmのメッシュサイズで分割して、マイクロ磁化解析を実行した結果を示す。図13(A)は、磁化ベクトルの状態を示す。図13(B)は磁化ベクトルのX軸方向の成分を示す。図13(C)は磁化ベクトルのY軸方向の成分を示す。図13(B)、(C)においては、赤色がプラス方向の成分を示し、青色がマイナス方向の成分を示す。図13(A)に示すように、磁化ベクトルの回転の不連続性が見られるが、メッシュサイズ10nmの結果と同様に、図11の解答例と同様の磁区状態が得られる。
これにより、メッシュサイズを粗くしても(10nm→30nm)、同様の磁区状態が得られるので、上述した磁気交換結合磁界を精度良く算出する方法が有効であることが分かる。また、メッシュサイズを粗くしても(10nm→30nm)、精度良くマクロ磁化解析を実施できる。さらに、メッシュサイズを3倍に増加すると、LLG方程式の自由度を約1/27に低減でき、計算に必要なメモリリソースの低減(約1/27)に寄与できる。また、同時に計算時間の短縮化(約1/27)にも寄与することが可能となる。
以上の実施の形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)コンピュータに、有限体積法で使用される、隣接し合う要素の中心に配置される2つの磁化ベクトルの間の回転角を、当該2つの磁化ベクトルに直交する回転軸を基準として、補間する第1手順、及び前記2つの磁化ベクトルに加わる力として作用する磁界を前記補間された回転角で積分することにより、磁気交換結合磁界を算出する第2手順を実行させることを特徴とする磁気交換結合エネルギー算出プログラム。
(付記2)前記第2手順は、前記2つの磁化ベクトルに加わる力として作用する磁界を前記線形的に補間された回転角で積分することにより得られる式(i)、(ii)に従って、前記磁気交換結合磁界を算出することを特徴とする付記1に記載の磁気交換結合エネルギー算出プログラム。
Figure 0005593934
Hex,ij:磁気交換結合磁界、A:磁気交換結合係数、dSij:2つの要素間の断面積、Ms:単位体積あたりの飽和磁化、Lij:2つの磁化ベクトル間の距離、Θij:線形的に補間された回転角、Iij:単位行列、ui, uj:2つの磁化ベクトルに直交する回転軸、ux、uy、uz:回転軸のベクトル成分
(付記3)前記2つの磁化ベクトル間を複数の領域に分割して、前記2つの磁化ベクトルに加わる力として作用する磁界を前記分割された領域毎に数値積分することによって、前記磁気交換結合磁界を算出する第3手順を備えることを特徴とする付記1又は2に記載の磁気交換結合エネルギー算出プログラム。
(付記4)前記第3手順は、前記2つの磁化ベクトル間を複数の領域に分割して、前記2つの磁化ベクトルに加わる力として作用する磁界を前記分割された領域毎に数値積分する式(iii)に従って、前記磁気交換結合磁界を算出することを特徴とする請求項3に記載の磁気交換結合エネルギー算出プログラム。
Figure 0005593934
Hex,ij:磁気交換結合磁界、A:磁気交換結合係数、dSij:2つの要素間の断面積、Ms:単位体積あたりの飽和磁化、Lij:2つの磁化ベクトル間の距離、N:分割数、wi:ガウス積分の重み関数、M1、MN:隣接する2つの磁化ベクトル
(付記5)前記算出された磁気交換結合磁界をLLG(Landau-Lifshitz-Gilbert)方程式の有効磁界に含まれる交換結合磁界として使用することにより、マイクロ磁化解析を行うことを特徴とする付記1乃至4のいずれかに記載の磁気交換結合エネルギー算出プログラム。
(付記6)コンピュータに、有限体積法で使用される、隣接し合う要素の中心に配置される2つの磁化ベクトルの間の回転角を、当該2つの磁化ベクトルに直交する回転軸を基準として、補間する第1手順、及び前記2つの磁化ベクトルが占める体積のエネルギーを前記補間された回転角で積分することにより、磁気交換結合エネルギーを算出する第2手順を実行させる磁気交換結合エネルギー算出プログラム。
(付記7)前記第2手順は、前記2つの磁化ベクトルが占める体積のエネルギーを前記補間された回転角で積分することにより得られる式(iv)に従って、前記磁気交換結合エネルギーを算出することを特徴とする付記6に記載の磁気交換結合エネルギー算出プログラム。
Figure 0005593934
Eij:磁気交換結合エネルギー、A:磁気交換結合係数、dSij:2つの要素間の断面積、Lij:2つの磁化ベクトル間の距離、Θ:線形的に補間された回転角
(付記8)前記2つの磁化ベクトル間を複数の領域に分割して、前記2つの磁化ベクトルが占める体積のエネルギーを前記分割された領域毎に数値積分することによって、前記磁気交換結合エネルギーを算出する第3手順を備えることを特徴とする付記6又は7に記載の磁気交換結合エネルギー算出プログラム。
(付記9)前記第3手順は、前記2つの磁化ベクトル間を複数の領域に分割して、前記2つの磁化ベクトルが占める体積のエネルギーを前記分割された領域毎に数値積分する式(v)に従って、前記磁気交換結合エネルギーを算出することを特徴とする付記8に記載の磁気交換結合エネルギー算出プログラム。
Figure 0005593934
Eij:磁気交換結合エネルギー、A:磁気交換結合係数、dSij:2つの要素間の断面積、Ms:単位体積あたりの飽和磁化、Lij:2つの磁化ベクトル間の距離、N:分割数、wi:ガウス積分の重み関数、M1、MN:隣接する2つの磁化ベクトル
(付記10)有限体積法で使用される、隣接し合う要素の中心に配置される2つの磁化ベクトルの間の回転角を、当該2つの磁化ベクトルに直交する回転軸を基準として、補間する第1手順、及び前記2つの磁化ベクトルに加わる力として作用する磁界を前記補間された回転角で積分することにより、磁気交換結合磁界を算出する第2手順を備えることを特徴とする磁気交換結合エネルギー算出方法。
(付記11)前記2つの磁化ベクトル間を複数の領域に分割して、前記2つの磁化ベクトルに加わる力として作用する磁界を前記分割された領域毎に数値積分することによって、前記磁気交換結合磁界を算出する第3手順を備えることを特徴とする付記10に記載の磁気交換結合エネルギー算出方法。
(付記12)前記算出された磁気交換結合磁界をLLG(Landau-Lifshitz-Gilbert)方程式の有効磁界に含まれる交換結合磁界として使用することにより、マイクロ磁化解析を行うことを特徴とする付記10又は11に記載の磁気交換結合エネルギー算出方法。
(付記13)有限体積法で使用される、隣接し合う要素の中心に配置される2つの磁化ベクトルの間の回転角を、当該2つの磁化ベクトルに直交する回転軸を基準として、補間する第1手順、及び前記2つの磁化ベクトルが占める体積のエネルギーを前記補間された回転角で積分することにより、磁気交換結合エネルギーを算出する第2手順を備えることを特徴とする磁気交換結合エネルギー算出方法。
(付記14)前記2つの磁化ベクトル間を複数の領域に分割して、前記2つの磁化ベクトルが占める体積のエネルギーを前記分割された領域毎に数値積分することによって、前記磁気交換結合エネルギーを算出する第3手順を備えることを特徴とする請求項13に記載の磁気交換結合エネルギー算出方法。
(付記15)有限体積法で使用される、隣接し合う要素の中心に配置される2つの磁化ベクトルの間の回転角を、当該2つの磁化ベクトルに直交する回転軸を基準として、補間する補間手段と、前記2つの磁化ベクトルに加わる力として作用する磁界を前記補間された回転角で積分することにより、磁気交換結合磁界を算出する算出手段とを備えることを特徴とする磁気交換結合エネルギー算出装置。
(付記16)前記算出手段は、前記2つの磁化ベクトルが占める体積のエネルギーを前記補間された回転角で積分することにより、磁気交換結合エネルギーを算出することを特徴とする付記15に記載の磁気交換結合エネルギー算出装置。

Claims (12)

  1. コンピュータに、
    有限体積法で使用される、隣接し合う要素の中心に配置される2つの磁化ベクトルの間を結ぶ直線を複数の領域に分割し、前記分割された領域毎の磁化ベクトルを、当該2つの磁化ベクトルに直交する回転軸を基準として、当該2つの磁化ベクトルに基づき補間する第1手順、及び
    前記補間された磁化ベクトルに加わる力として作用する磁界を前記補間された領域毎の磁化ベクトルの回転角で積分することにより、磁気交換結合磁界を算出する第2手順
    を実行させることを特徴とする磁気交換結合エネルギー算出プログラム。
  2. 前記第2手順に代えて、前記補間された磁化ベクトルに加わる力として作用する磁界を前記分割された直線上の領域毎に数値積分することにより、前記磁気交換結合磁界を算出する第3手順を備えることを特徴とする請求項1に記載の磁気交換結合エネルギー算出プログラム。
  3. 前記算出された磁気交換結合磁界をLLG(Landau-Lifshitz-Gilbert)方程式の有効磁界に含まれる交換結合磁界として使用することにより、マイクロ磁化解析を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気交換結合エネルギー算出プログラム。
  4. コンピュータに、
    有限体積法で使用される、隣接し合う要素の中心に配置される2つの磁化ベクトルの間を結ぶ直線を複数の領域に分割し、前記分割された領域毎の磁化ベクトルを、当該2つの磁化ベクトルに直交する回転軸を基準として、当該2つの磁化ベクトルに基づき補間する第1手順、及び
    前記補間された磁化ベクトルが占める体積のエネルギーを前記補間された領域毎の磁化ベクトルの回転角で積分することにより、磁気交換結合エネルギーを算出する第2手順
    を実行させることを特徴とする磁気交換結合エネルギー算出プログラム。
  5. 前記第2手順に代えて、前記補間された磁化ベクトルが占める体積のエネルギーを前記分割された直線上の領域毎に数値積分することにより、前記磁気交換結合エネルギーを算出する第3手順を備えることを特徴とする請求項4に記載の磁気交換結合エネルギー算出プログラム。
  6. 有限体積法で使用される、隣接し合う要素の中心に配置される2つの磁化ベクトルの間を結ぶ直線を複数の領域に分割し、前記分割された領域毎の磁化ベクトルを、当該2つの磁化ベクトルに直交する回転軸を基準として、当該2つの磁化ベクトルに基づき補間する第1手順、及び
    前記補間された磁化ベクトルに加わる力として作用する磁界を前記補間された領域毎の磁化ベクトルの回転角で積分することにより、磁気交換結合磁界を算出する第2手順
    を備えることを特徴とする磁気交換結合エネルギー算出方法。
  7. 前記第2手順に代えて、前記補間された磁化ベクトルに加わる力として作用する磁界を前記分割された直線上の領域毎に数値積分することにより、前記磁気交換結合磁界を算出する第3手順を備えることを特徴とする請求項6に記載の磁気交換結合エネルギー算出方法。
  8. 前記算出された磁気交換結合磁界をLLG(Landau-Lifshitz-Gilbert)方程式の有効磁界に含まれる交換結合磁界として使用することにより、マイクロ磁化解析を行うことを特徴とする請求項6又は7に記載の磁気交換結合エネルギー算出方法。
  9. 有限体積法で使用される、隣接し合う要素の中心に配置される2つの磁化ベクトルの間を結ぶ直線を複数の領域に分割し、前記分割された領域毎の磁化ベクトルを、当該2つの磁化ベクトルに直交する回転軸を基準として、当該2つの磁化ベクトルに基づき補間する第1手順、及び
    前記補間された磁化ベクトルが占める体積のエネルギーを前記補間された領域毎の磁化ベクトルの回転角で積分することにより、磁気交換結合エネルギーを算出する第2手順
    を備えることを特徴とする磁気交換結合エネルギー算出方法。
  10. 前記第2手順に代えて、前記補間された磁化ベクトルが占める体積のエネルギーを前記分割された直線上の領域毎に数値積分することにより、前記磁気交換結合エネルギーを算出する第3手順を備えることを特徴とする請求項9に記載の磁気交換結合エネルギー算出方法。
  11. 有限体積法で使用される、隣接し合う要素の中心に配置される2つの磁化ベクトルの間を結ぶ直線を複数の領域に分割し、前記分割された領域毎の磁化ベクトルを、当該2つの磁化ベクトルに直交する回転軸を基準として、当該2つの磁化ベクトルに基づき補間する補間手段と、
    前記補間された磁化ベクトルに加わる力として作用する磁界を前記補間された領域毎の磁化ベクトルの回転角で積分することにより、磁気交換結合磁界を算出する算出手段とを備えることを特徴とする磁気交換結合エネルギー算出装置。
  12. 前記算出手段は、前記補間された磁化ベクトルが占める体積のエネルギーを前記補間された領域毎の磁化ベクトルの回転角で積分することにより、磁気交換結合エネルギーを算出することを特徴とする請求項11記載の磁気交換結合エネルギー算出装置。
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