JP4528167B2 - 磁気特性解析システム及び磁気特性解析方法 - Google Patents

磁気特性解析システム及び磁気特性解析方法 Download PDF

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Description

本発明は、磁気特性解析システム及び磁気特性解析方法に関し、特に磁性体を含む装置や設備の磁気特性を解析するために用いて好適なものである。
従来から、2次元磁気測定装置で測定した2次元のデータを用いて電磁場を解析する技術が提案されている(非特許文献1〜3を参照)。かかる技術では、2次元磁気測定装置で測定した2次元のデータに有限要素法(FEM:Finite Element Method)を適用して、基本波成分の磁束密度を解析している。
ところで、磁性材料を用いて構成される電気機器等における磁束密度には、高調波成分が存在している場合が多い。図9(a)に示すように、ロータ901と、ステ−タ902とを有するモータを例に挙げて説明すると、ロータ901を構成する永久磁石から発生する磁束は、空間的に矩形波であり高調波成分を含んでいるため、ロータ901により励磁されるステ−タ902の磁束も高調波成分が付与されたものになる。具体的に説明すると、例えば、図9(b)に示すように、ステ−タ902のティース先端部902aでは、磁束密度が一様でなくなる。よって、図10に示すように、ティース先端部902aに発生する回転磁界に高調波成分が含むことになる。
このように、モータにおける磁束密度には、高調波成分が存在している。同様に、発電機や、変圧器等における磁束密度にも、高調波成分が存在している場合が多い。しかしながら、前述した非特許文献1及び2に記載の技術では、磁束密度の基本波成分のみを解析している。このため、磁束密度の高調波成分を解析することができない。また、非特許文献3に記載の技術では、磁界については高調波成分を解析しているが、磁束密度については基本波成分しか解析していない。
そこで、磁束密度の基本波成分以外を解析する技術が提案されている(特許文献1を参照)。具体的に、特許文献1に記載の技術では、2次元磁気測定装置で測定した2次元のデータを用いて得られた磁束密度の基本波成分から、磁束密度の高周波特性を類推するようにしている。
特開2004−184233号公報 M.Enokizono,"Two-dimensional Magnetic Property",JIEE-A,Vol.115,No1,pp.1-8,1998. K.Fujisaki,Y.Nemoto,S.Sato,M.Enokizono and H.Shimoji,"2-D vector Magnetic method in comparison with conventional method",7th International WorkShop on 1&2-Dimensional Magnetic Measurement and Testing Proceeding,edited by J.Sievert(PTB-E-81).pp.159-166.,2002 H.Shimoji,M.Enokizono,T.Togata,T.Honda,"A new modeling of the vector magnetic property",IEEE Trans.Magn,Vol.38,No.2,pp.861-864,March 2002
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、磁束密度の高周波特性を類推するに過ぎず、且つ磁束密度の高調波成分を解析するものではない。よって、かかる技術では、磁束密度の高調波成分を正確に解析することができなかった。
以上のように、従来の技術では、磁束密度の高調波成分を考慮して電磁場を解析することが困難であるという問題点があった。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、磁束密度の高調波成分を可及的に正確に解析することができるようにすることを目的とする。
本発明の磁気特性解析システムは、解析対象となる領域の電磁場を解析して、前記解析対象となる領域の磁束密度及び磁界の時系列データを求める電磁場解析手段と、前記電磁場解析手段により求められた磁束密度の時系列データに基づく磁束密度、又は磁界の時系列データに基づく磁界を磁性体に与えて、前記磁性体の磁束密度と磁界とを測定する磁気特性測定手段と、前記磁気特性測定手段により測定された磁束密度と磁界とを用いて、前記磁性体の磁気特性を求める磁気特性解析手段とを有し、前記解析対象となる領域には磁性体が含まれ、前記磁束密度と磁界とを測定する磁性体は、前記解析対象となる領域に含まれる磁性体と同じ種類の磁性体であることを特徴とする。
本発明の磁気特性解析方法は、解析対象となる領域の電磁場を解析して、前記解析対象となる領域の磁束密度及び磁界の時系列データを求める電磁場解析ステップと、前記電磁場解析ステップにより求められた磁束密度の時系列データに基づく磁束密度、又は磁界の時系列データに基づく磁界を磁性体に与えて、前記磁性体の磁束密度と磁界とを測定する磁気特性測定ステップと、前記磁気特性測定ステップにより測定された磁束密度と磁界とを用いて、前記磁性体の磁気特性を求める磁気特性解析ステップとを有し、前記解析対象となる領域には磁性体が含まれ、前記磁束密度と磁界とを測定する磁性体は、前記解析対象となる領域に含まれる磁性体と同じ種類の磁性体であることを特徴とする。
本発明によれば、解析対象となる領域の電磁場を解析して、前記解析対象となる領域の磁束密度及び磁界の時系列データを求め、求めた磁束密度又は磁界を磁性体に与えて、前記磁性体の磁束密度と磁界とを測定し、測定した磁束密度と磁界とを用いて、前記磁性体の磁気特性を求めるようにしたので、高調波成分が含んだ磁束密度を磁性体に与えて磁気特性を測定することができる。これにより、高調波成分を含んだ電磁場を可及的に高精度に解析することができる。
次に、図面を参照しながら、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態の磁気特性解析システムの構成の一例を示した図である。
図1において、磁気特性解析システムは、電磁場解析装置100と、2次元磁気測定装置200と、電磁場解析装置100及び2次元磁気測定装置200を通信可能に接続するネットワーク300とを備えて構成される。
(電磁場解析装置)
電磁場解析装置100は、解析対象となる装置や設備等に生じる電磁場を解析するためのものである。電磁場解析装置100のハードウェア構成は、例えば、図2に示すようなものになる。
図2において、電磁場解析装置100は、CPU101と、ROM102と、RAM103と、キーボード(KB)104のキーボードコントローラ(KBC)105と、表示部としてのCRTディスプレイ(CRT)106のCRTコントローラ(CRTC)107と、ハードディスク(HD)108及びフレキシブルディスク(FD)109のディスクコントローラ(DKC)110と、ネットワーク111との接続のためのネットワークインターフェースコントローラ(NIC)112とが、システムバス113を介して互いに通信可能に接続された構成としている。
CPU101は、ROM102或いはHD108に記憶されたソフトウェア、或いはFD109より供給されるソフトウェアを実行することで、システムバス103に接続された各構成部を総括的に制御する。
すなわち、CPU101は、所定の処理シーケンスに従った処理プログラムを、ROM102、或いはHD108、或いはFD109から読み出して実行することで、後述する動作を実現するための制御を行う。
RAM103は、CPU101の主メモリ或いはワークエリア等として機能する。
KBC105は、KB104や図示していないポインティングデバイス等からの指示入力を制御する。
CRTC107は、CRT106の表示を制御する。
DKC110は、ブートプログラム、種々のアプリケーション、編集ファイル、ユーザファイル、ネットワーク管理プログラム、及び本実施の形態における所定の処理プログラム等を記憶するHD108及びFD109とのアクセスを制御する。
NIC112は、ネットワーク111上の装置或いはシステムと双方向にデータをやりとりする。
以上のようにして構成される電磁場解析装置100は、解析対象となる装置や設備等により占められる空間を分割し、分割した各分割領域(要素)に生じる磁束密度B(={Bx,By})と、磁界H(={Hx,Hy})を、マックスウェルの電磁方程式に基づく有限要素法による電磁場解析により求める演算を行う。ここでは、電磁場解析として二次元場について考える。同様のことが三次元場に対しても適用可能である。具体的に説明すると、例えば、電磁場解析装置100は、以下の(1式)に示す静磁場に関する方程式を用いて演算を行う。
Figure 0004528167
ここで、[μ]-1 、透磁率の逆数である。また、Aは、ベクトルポテンシャルである。このベクトルポテンシャルAは、以下の(2式)のように定義される。Bx、Byは、それぞれ各分割領域(要素)に生じる磁束密度Bのx軸方向及びy軸方向の値である。Hx、Hyは、それぞれ各分割領域(要素)に生じる磁界Hのx軸方向及びy軸方向の値である。
Figure 0004528167
ここで、J0は、電気機器に励磁される印加電流である。この式を基に、空間的に離散化された分割領域(要素)での補間関数を用いて、変分法またはガラーキン法により構成方程式を求める。そして、ガウスの消去法またはICCG法を用いて、前記分割領域(要素)でのベクトルポテンシャルAを求め、そこでの磁束密度Bと磁界Hを求める。ここでは、印加電流の時系列変化およびロータの空間的時系列変化を時々刻々させることにより、求められた磁束密度Bは、解析対象となる装置や設備等に生じる電磁場に応じて高調波成分を含む時系列データとなり、2次元磁気測定装置200に出力される。電磁場解析としては、渦電流を含んだ過渡解析で行っても良いし、渦電流が無視できるようであれば静磁場解析で行ってもよい。なお、有限要素法の詳細は、例えば、「中田、高橋『電気工学の有限要素法第二版』森北出版、1982」に記載されているので、ここでは、概略のみを記した。
(2次元磁気測定装置)
図1に説明を戻し、2次元磁気測定装置200は、電磁場解析装置100で解析された各分割領域(要素)の磁束密度Bの時系列データを用いて、解析対象となる装置や設備等に使用されているものと同種類の磁性材料(以下、試料と称する)400の磁束密度B(={Bx,By})と磁界H(={Hx,Hy})を測定するためのものである。
図1において、2次元磁気測定装置200は、制御部201と、データ格納部202と、X方向電源203と、Y方向電源204と、第1のデジタルオシロスコープ205と、第2のデジタルオシロスコープ206と、試料設置部207とを有している。
制御部201は、2次元磁気測定装置200を統括制御するものであり、例えば、CPU、ROM、及びRAMを備えたマイクロコンピュータを用いて構成される。
データ格納部202は、2次元磁気測定装置200で測定された磁束密度B(={Bx,By})や磁界H(={Hx,Hy})等を格納するものであり、例えば、ハードディスクを用いて構成される。
なお、制御部201とデータ格納部202は、例えば、図2に示したような構成を有するパーソナルコンピュータ内に配設されている。
X方向電源203は、制御部201からの制御に従って、試料400のx軸方向を励磁するために励磁用継鉄207i、207jに巻き回されている励磁コイル207a、207bに電力を供給するためのものである(図3を参照)。Y方向電源204は、制御部201からの制御に従って、試料400のy軸方向を励磁するために励磁用継鉄207k、207lに巻き回されている励磁コイル207c、207dに電力を供給するためのものである(図3を参照)。
第1のデジタルオシロスコープ205は、試料400のx軸方向における磁束密度Bxを測定するためのBxコイル207eに流れる電流波形、試料400のy軸方向における磁束密度Byを測定するためのByコイル207fに流れる電流波形、X方向電源203から出力される電圧波形、及びY方向電源204から出力される電圧波形を、それぞれ1ch〜4chでモニタするものである。
第2のデジタルオシロスコープ206は、試料400のx軸方向における磁界Hxを測定するためのHxコイル207gに流れる電流波形、試料400のy軸方向における磁界Hyを測定するためのHyコイル207hに流れる電流波形、Bxコイル207eに印加される電圧波形、及びByコイル207fに印加される電圧波形を、それぞれ1ch〜4chでモニタするものである。
なお、本実施形態では、以上のようにしてモニタされている値は、1周期の波形をN(Nは正の整数、例えばN=512)分割してサンプリングすることにより得られるデジタル信号に変換されて(AD変換されて)制御部201に出力される。
ここで、図3を参照しながら、2次元磁気測定装置200に配設された試料設置部207の詳細な構成の一例について説明する。
本実施形態の試料設置部207は、励磁コイル207a〜207dと、Bxコイル207eと、Byコイル207fと、Hxコイル207gと、Hyコイル207hと、励磁用継鉄207i〜207lとを有している。
励磁用継鉄207iと励磁用継鉄207jは、x軸方向において、試料400を介して対向するように配設されている。また、励磁用継鉄207kと励磁用継鉄207lは、y軸方向において、試料400を介して対向するように配設されている。なお、本実施形態における試料400は、例えば、縦及び横が80mm、厚さが0.35mmの薄板鋼板である。なお、試料400は、強磁性体、フェリ磁性体、硬磁性体、軟磁性体、パーマロイ等の磁性材料であれば、薄板鋼板でなくてもよいということは言うまでもない。
また、試料400内に磁束を集中させるために、励磁用継鉄207i〜207jの先端は、先細りの形状を有している。さらに、試料400内の磁束を均一にするために、試料400と、励磁用継鉄207i〜207lとの間には、0.1mm程度の隙間が設けられている。
励磁コイル207a〜207dは、それぞれ励磁用継鉄207i〜207lに巻き回されている。
Bxコイル207eは、試料400の中心点を介してx軸方向おいて対向するように設けられた2つの穴を通して巻き回されている。Byコイル207fは、試料400の中心点を介してy軸方向おいて対向するように設けられた2つの穴を通して巻き回されている。
Hyコイル207hは、試料400の上方または下方において、y軸方向に巻き回されている。Hxコイル207gは、Hyコイル207h上でx軸方向に巻き回されている。
以上のようにして構成された2次元磁気測定装置200を用いて、試料400の磁束密度Bと磁界Hとを測定する。
具体的に説明すると、まず、制御部201は、電磁場解析装置100で電磁場解析された各要素の磁束密度Bの時系列データを入力する。そして、制御部201は、試料400の磁束密度Bが、入力した磁束密度Bになるように、励磁コイル207a〜207dに印加する電圧の値(以下、電圧指示値と称す)を、X方向電源203及びY方向電源204に出力する。
図3において、試料400のx軸方向を励磁するための励磁コイル207a、207bについては、例えば、以下の(3式)で表される電圧指示値Vx(t)をX方向電源203に出力する。また、試料400のy軸方向を励磁するための励磁コイル207c、207dについては、例えば、以下の(4式)で表される電圧指示値Vy(t)をY方向電源204に出力する。
Figure 0004528167
ここで、ex(t)、ey(t)は、以下の(5式)及び(6式)で表される。
ex(t)=Bx´(t)−Bx(t) ・・・(5式)
ey(t)=By´(t)−By(t) ・・・(6式)
Bx´(t)は、電磁場解析装置100から出力された磁束密度Bのx軸方向のデータであり、By´(t)は、電磁場解析装置100から出力された磁束密度Bのy軸方向のデータである。
また、Bx(t)は、2次元磁気測定装置200で測定された磁束密度のx軸方向のデータであり、By(t)は、2次元磁気測定装置200で測定された磁束密度のy軸方向のデータである。さらに、k1x、k2x、k3x、k1y、k2y、k3yは、一定値であり、オペレータ等によって適宜決定される値である。
以上のようにして電圧指示値Vx(t)、Vy(t)を入力したX方向電源203及びY方向電源204は、その電圧指示値Vx(t)、Vy(t)に従って、励磁コイル207a〜207dに電圧を印加する。励磁コイル207a〜207dに印加された電圧と、励磁コイル207a〜207dに流れた電流は、それぞれ、第1のデジタルオシロスコープ205と、第2のデジタルオシロスコープ206でモニタされる。モニタされた電圧及び電流は、AD変換されて制御部201に出力される。これにより、制御部201は、励磁コイル207a〜207dに印加された電圧と、励磁コイル207a〜207dに流れた電流を知ることができる。
以上のようにして励磁コイル207a〜207dに電圧が印加され、電流が流れると、試料400がx軸方向に励磁される。そうすると、Bxコイル207eに誘起される電圧と、Bxコイル207eに流れる電流とが、それぞれ第2のデジタルオシロスコープ206と、第1のデジタルオシロスコープ205とでモニタされる。モニタされた電圧及び電流は、AD変換されて制御部201に出力される。これにより、制御部201は、Bxコイル207eに誘起される電圧と、Bxコイル207eに流れる電流とを知ることができ、これらBxコイル207eに誘起される電圧と、Bxコイル207eに流れる電流とを用いて、試料400のx軸方向における磁束密度Bxを求めることができる。
また、励磁コイル207a〜207dに電圧が印加され、電流が流れると、Hxコイル207gに電圧が誘起され、電流が流れる。このようにしてHxコイル207gに流れる電流は、第2のデジタルオシロスコープ206でモニタされる。これにより、制御部201は、Hxコイル207gに流れる電流を知ることができ、このHxコイル207gに流れる電流を用いて、試料のx軸方向における磁界Hxを求めることができる。
同様に、励磁コイル207a〜207dに電圧が印加され、電流が流れると、試料400がy軸方向に励磁される。そうすると、Byコイル207fに誘起される電圧と、Byコイル207fに流れる電流とが、それぞれ第2のデジタルオシロスコープ206と、第1のデジタルオシロスコープ205とでモニタされる。モニタされた電圧及び電流は、AD変換されて制御部201に出力される。これにより、制御部201は、Byコイル207fに誘起される電圧と、Byコイル207fに流れる電流とを知ることができ、試料400のy軸方向における磁束密度Byを求めることができる。
また、励磁コイル207a〜207dに電圧が印加され、電流が流れると、Hyコイル207hに電圧が誘起され、電流が流れる。このようにしてHyコイル207hに流れる電流は、第2のデジタルオシロスコープ206でモニタされる。これにより、制御部201は、Hyコイル207hに流れる電流を知ることができ、試料のy軸方向における磁界Hyを求めることができる。
磁束密度Bx、磁束密度By、磁界Hx、磁界Hyは、それぞれ、Bxコイル207eに誘起される電圧、Byコイル207fに誘起される電圧、Hxコイル207gに電圧が誘起される電圧、Hyコイル207hに電圧が誘起される電圧を、時間積分して求めることもできる。
以上のようにして求めた磁束密度Bx、Byのデータが1周期分集まると、制御部201は、以下の(7式)を用いて、磁束密度Bx、Byのデータが収束したか否かを判定する。
Figure 0004528167
ここで、Bxoは、電磁場解析装置100で求められたx軸方向における磁束密度Bx´(t)の最大値であり、Byoは、電磁場解析装置100で求められたy軸方向における磁束密度By´(t)の最大値である。
この判定の結果、前記(7式)を満たす場合には、制御部201は、磁束密度Bx、Byの1周期分のデータと、それら磁束密度Bx、Byのデータに対応する磁界Hx、Hyの1周期分のデータとをデータ格納部202に格納すると共に、これら磁束密度Bx、Byのデータと、磁界Hx、Hyのデータとを用いて、試料400における透磁率と鉄損とを求める。なお、透磁率は、例えば、磁束密度Bx、Byと磁界Hx、Hyとの比を算出することにより求めることができる。また、鉄損は、例えば、磁束密度Bx、Byのデータと、磁界Hx、Hyのデータとから得られるB−Hカーブの面積を算出することにより求めることができる。
一方、前記(7式)を満たさない場合には、前記(7式)を満たすまで、磁束密度Bx、Byの1周期分のデータと、磁界のHx、Hyの1周期分のデータとを繰り返し取得する。
以上のようにして、試料400における透磁率と鉄損とを求めると、制御部201は、求めた透磁率のデータと鉄損のデータとを、電磁場解析装置100に出力する。なお、ここでは、透磁率のデータと鉄損のデータとを自動的に電磁場解析装置100に出力するようにしたが、これらのデータを、電磁場解析装置100からの要求に応じて出力するようにしてもよい。
こうして試料400における透磁率のデータと鉄損のデータとを入力した電磁場解析装置100は、例えば、その入力した鉄損データを、解析対象となる装置における、試料400と同一材料で構成された部分の鉄損として表示する。鉄損を表示する形態は、鉄損の値そのものを表示してもよいし、解析対象となる装置の鉄損の分布を表示してもよい。
なお、ここでは、2次元磁気測定装置200の制御部201で透磁率や鉄損を求めるようにしたが、磁束密度Bx、Byの1周期分のデータと、磁界のHx、Hyの1周期分のデータを、2次元磁気測定装置200から電磁場解析装置100に出力し、これらのデータを用いて電磁場解析装置100で透磁率や鉄損を求めるようにしてもよい。
次に、図4のフローチャートを参照しながら、本実施形態の電磁場解析装置100の概略動作の一例を説明する。
まず、ステップS1において、前記(1式)及び(2式)等を用いて、解析対象となる装置や設備等の電磁場解析を行う。このとき、入力パラメータとして、解析対象となる装置の透磁率μを入力するとともに、分割領域(要素)の大きさや分割数、及び印加電流J0を入力し、さらに必要に応じて周波数や物性値等に関する情報を入力してから電磁場解析を行う。
次に、ステップS2において、ステップS1において行った電磁場解析により得られた磁束密度Bの時系列データを2次元磁気測定装置200に出力する。ここで磁束密度Bの時系列データとしては、図10のごときものである。
次に、ステップS3において、2次元磁気測定装置200から試料400における透磁率のデータと鉄損のデータとを入力するまで待機する。これらのデータを入力すると、ステップS4に進み、その鉄損のデータを用いて、解析対象となる装置における鉄損分布を求め、その鉄損分布を表示する。
次に、図5のフローチャートを参照しながら、本実施形態の2次元磁気測定装置200の制御部201における概略動作の一例を説明する。
まず、ステップS11において、電磁場解析装置100で電磁場解析された磁束密度Bの時系列データを入力するまで待機する。磁束密度Bの時系列データを入力すると、ステップS12に進み、入力した磁束密度Bの時系列データを一時的に記憶する。
次に、ステップS13において、磁束密度B(={Bx、By})の測定値を入力するまで待機する。磁束密度B(={Bx、By})の測定値を入力すると、ステップS14に進み、前記(5式)及び(6式)を用いて、ステップS11で入力した磁束密度Bの時系列データと、ステップS13で入力した磁束密度B(={Bx、By})の測定値との差分ex(t)、ey(t)を求める。
次に、ステップS15において、前記(3式)及び(4式)を用いて、電圧指示値Vx(t)、Vy(t)を求める。
次に、ステップS16において、ステップS15で求めた電圧指示値Vx(t)、Vy(t)を、それぞれX方向電源203、Y方向電源204に出力し、励磁コイル207a〜207dに印加する電圧値を指示する。
次に、ステップS17において、磁界H(={Hx、Hy})の測定値を入力するまで待機し、磁界H(={Hx、Hy})の測定値を入力すると、ステップS18に進み、ステップS13で入力したと判定した磁束密度B(={Bx、By})の測定値と、ステップS16で入力したと判定した磁界H(={Hx、Hy})の測定値とが、それぞれ1周期分揃っているか否かを判定する。この判定の結果、1周期分の測定値が揃っていない場合には、1周期分の測定値が揃うまで、ステップS13〜ステップS18を繰り返し行う。
こうして、1周期分の測定値が揃うと、ステップS19に進み、前記(7式)の収束条件を満足するか否かを判定する。この判定の結果、前記(7式)の収束条件を満足しない場合には、前記(7式)の収束条件を満足するまで、ステップS13〜ステップS19を繰り返し行う。
こうして、前記(7式)の収束条件を満足すると、ステップS20に進み、磁束密度B(={Bx、By})と、磁界H(={Hx、Hy})の1周期分のデータをデータ格納部202に格納すると共に、これら磁束密度B(={Bx、By})のデータと、磁界H(={Hx、Hy})のデータとを用いて、試料400における透磁率と鉄損を求め、求めた透磁率のデータと鉄損のデータとを電磁場解析装置100に出力する。
以上のように本実施形態では、まず、電磁場解析装置100は、解析対象の装置における電磁場解析を行い、磁束密度の時系列データを求める。2次元磁気測定装置200は、その磁束密度の時系列データに合わせて算出した電圧指示値Vx(t)、Vy(t)を励磁コイル207a〜207dに印加して、試料400における磁束密度Bx、Byと磁界Hx、Hyを測定する。電磁場解析装置100で電磁場解析されることにより得られた磁束密度の時系列データは、高調波成分を含むものであるので、この高調波成分をも考慮して電圧指示値Vx(t)、Vy(t)を設定することができる。これにより、x軸方向の磁束密度Bxと、y軸方向の磁束密度Byとが相互に寄与し合っている回転磁界や交番磁界に、高調波成分が含まれている場合でも電磁場解析を可及的に高精度に行うことができる。したがって、本実施形態の磁気特性解析システムを用いて磁気特性(鉄損)を解析し、解析した結果に基づいてモータ、発電機、変圧器を設計すれば、高効率のモータ、発電機、変圧器を実現することが可能になる。
なお、本実施形態のように、図5のステップS19において、前記(7式)を用いて収束判定を行えば、より正確な測定を行うことができ好ましいが、必ずしもこの収束判定を行う必要はない。
また、本実施形態では、入力パラメータとして透磁率μを用いたが、解析対象となる装置に含まれる磁性体の磁化容易軸と最大磁束密度とのなす角度φに依存する物性値(すなわちφ異方性を有する物性値)であれば、透磁率μでなくてもよい。
さらに、本実施形態のように、試料400として、解析対象となる装置や設備等と同種類の磁性材料を用いれば、解析対象となる装置や設備等における磁気特性をより精度よく解析することができ好ましいが、必ずしも試料400として、解析対象となる装置や設備等と同種類の磁性材料を用いる必要はない。
また、本実施形態では、試料400の磁束密度Bが、電磁場解析装置100で電磁場解析された各要素の磁束密度Bになるように、励磁コイル207a〜207dに対する電圧指示値を決定するようにしたが、試料400の磁界Hが、電磁場解析装置100で電磁場解析された各要素の磁界Hになるように、励磁コイル207a〜207dに対する電圧指示値を決定するようにしてもよい。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。前述した第1の実施形態では、2次元磁気測定装置200で求められた鉄損のデータを、電磁場解析装置100において無条件で採用して解析対象の装置の鉄損を求めるようにした。
これに対し、本実施形態では、電磁場解析装置100で電磁場解析する際の入力パラメータとして用いた透磁率のデータと、2次元磁気測定装置200で求められた透磁率のデータとを比較し、これらのデータが所定の範囲内にある場合にのみ、2次元磁気測定装置200で求めた鉄損のデータを、解析対象の装置の鉄損を求めるためのデータとして採用するようにしている。
このように、本実施形態と前述した第1の実施形態とでは、磁気特性解析システムのソフトウェアの処理の一部が異なるだけであるので、前述した第1の実施形態と同一の部分については、図1〜図5に付した符号と同一の符号を付す等して詳細な説明を省略する。
図6は、本実施形態の電磁場解析装置100の概略動作の一例を説明するフローチャートである。
ステップS21〜S23は、図4のステップS1〜S3と同じである。すなわち、ステップS21において、前記(1式)及び(2式)等を用いて、解析対象となる装置の電磁場解析を行う。次に、ステップS22において、ステップS21において行った電磁場解析により得られた磁束密度Bの時系列データを2次元磁気測定装置200に出力する。ここで磁束密度Bの時系列データとしては、図10のごときものである。
次に、ステップS23において、2次元磁気測定装置200から試料400における透磁率のデータと鉄損のデータとを入力するまで待機する。そして、これらのデータを入力すると、ステップS24に進み、ステップS23で入力した試料400における透磁率のデータと、ステップS21で電磁場解析する際の入力パラメータとして用いた透磁率のデータとが所定の範囲内にあるか否かを判定する。
この判定の結果、ステップS23で入力した試料400における透磁率のデータと、ステップS21で電磁場解析する際の入力パラメータとして用いた透磁率のデータとが所定の範囲内にない場合には、ステップS21に戻り、ステップS23で入力した透磁率のデータを入力パラメータとして、電磁場解析を再度行う。そして、ステップS23で入力した試料400における透磁率のデータと、ステップS21で電磁場解析する際の入力パラメータとして用いた透磁率のデータとが所定の範囲内になるまで、ステップS21〜S24を繰り返す。
以上のようにして、ステップS23で入力した試料400における透磁率のデータと、ステップS21で電磁場解析する際の入力パラメータとして用いた透磁率のデータとが所定の範囲内になると、ステップS25に進み、ステップS4と同様に、ステップS23で入力した試料400における鉄損のデータを用いて、解析対象となる装置における鉄損分布を求め、その鉄損分布を表示する。
以上のように本実施形態では、2次元磁気測定装置200における測定に基づいて求められた試料400における透磁率のデータと、電磁場解析する際の入力パラメータとして用いた透磁率のデータとが所定の範囲内にある場合に限り、2次元磁気測定装置200での測定に基づく鉄損のデータを、解析対象となる装置における鉄損を求める際のデータとして採用するようにしたので、高調波成分を含んだ回転磁界や交番磁界が発生する場合の電磁場解析をより一層高精度に行うことができる。
なお、本実施形態では、ステップS24において、ステップS23で入力した試料400における透磁率のデータと、ステップS21で電磁場解析する際の入力パラメータとして用いた透磁率のデータとが所定の範囲内にあるか否かを判定したが、必ずしもこのようにする必要はない。例えば、ステップS23で入力した試料400における透磁率のデータと、前回入力した試料400における透磁率のデータとが所定の範囲内にあるか否かを判定するようにしてもよい。
また、試料400における透磁率のデータと、電磁場解析する際の入力パラメータとして用いた透磁率のデータとが所定の範囲内にあるか否かを判定するようにしたが、例えば、電磁場解析する際の入力パラメータとして鉄損のデータを使用する場合には、試料400における鉄損のデータと、電磁場解析する際の入力パラメータとして用いた鉄損のデータとが所定の範囲内にあるか否かを判定するようにしてもよい。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。前述した第1及び第2の実施形態では、電磁場解析装置100と2次元磁気測定装置200とをそれぞれ1つずつ設けて磁気特性解析システムを構成するようにした。このようにすると、解析対象となる装置に含まれる磁性体(鋼材)の種類が複数ある場合、2次元磁気測定装置200は、磁性体(鋼材)の種類に応じて何度も測定を繰り返さなければならない。そこで、本実施形態では、解析対象となる装置に含まれる磁性体の種類と同数の2次元磁気測定装置200を設けるようにしている。
例えば、解析対象となる装置に含まれる磁性体(鋼材)が、3種類の鋼材A〜Cである場合には、図7に示すように、鋼材Aにおける鉄損のデータを2次元磁気測定の結果に基づいて求める第1の2次元磁気測定装置200aと、鋼材Bにおける鉄損のデータを2次元磁気測定の結果に基づいて求める第2の2次元磁気測定装置200bと、鋼材Cにおける鉄損のデータを2次元磁気測定の結果に基づいて求める第3の2次元磁気測定装置200cとを設けるようにする。
なお、第1〜第3の2次元磁気測定装置200a〜200cは、前述した第1及び第2の実施形態の2次元磁気測定装置200と同じである。そして、電磁場解析装置100は、第1〜第3の2次元磁気測定装置200a〜200cから入力した各鋼材A〜Cにおける透磁率のデータと鉄損のデータとを用いて、図4や図6に示したフローチャートの処理を各鋼材A〜Cのそれぞれに対して行い、解析対象となる装置における鉄損の分布を求めるようにする。
以上のようにすれば、高調波成分を含んだ回転磁界や交番磁界が発生する場合の電磁場解析をより高速に行うことができる。
なお、本実施形態では、解析対象となる装置における磁性体(鋼材)については、1つの2次元磁気測定装置200で2次元磁気測定を行うようにしたが、例えば、解析対象となる装置における磁性体(鋼材)の磁気特性が、場所によって異なる場合には、同種の磁性体(鋼材)についても複数の2次元磁気測定装置200で2次元磁気測定を行うようにしてもよい。このようにすれば、電磁場解析をより一層高速に行うことができる。
また、本実施形態のように、解析対象となる装置に含まれる磁性体の種類と同数の2次元磁気測定装置200を設ければ、解析対象となる装置に含まれる全ての磁性体に対する測定を並行に行うことができ好ましいが、複数の2次元磁気測定装置200を設けていれば、必ずしも解析対象となる装置に含まれる磁性体の種類と同数の2次元磁気測定装置200を設ける必要はないということは言うまでもない。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。前述した第1〜第3の実施形態では、測定及び解析を2次元で行うようにしたが、本実施形態では、測定及び解析を1次元で行うようにしている。このように、本実施形態と前述した第1〜第3の実施形態とでは、測定及び解析する次元が異なるだけであるので、前述した第1〜第3の実施形態と同一の部分については、図1〜図7に付した符号と同一の符号を付す等して詳細な説明を省略する。
図8は、本実施形態における1次元磁気測定装置の構成の一例を示した図である。
図8において、1次元磁気測定装置800は、制御部801と、データ格納部802と、電源803と、デジタルオシロスコープ804と、いわゆるエプスタイン装置である試料設置部805とを有している。
制御部801のハードウェアの構成は、前述した第1〜第3の実施形態における制御部201と同じである。制御部801のソフトウェアの構成は、2次元ではなく1次元のデータの処理を行う他は、前述した第1〜第3の実施形態における制御部201と同じである。
データ格納部802のハードウェアの構成は、前述した第1〜第3の実施形態におけるデータ格納部202と同じであり、1次元磁気測定装置800で測定された磁束密度B(={Bx})や磁界H(={Hx})等を格納するものである。
なお、制御部801とデータ格納部802は、例えば、図2に示したような構成を有するパーソナルコンピュータ内に配設されている。
電源803は、制御部801からの制御に従って、試料805aに巻き回された1次巻線805bに電力を供給するためのものである。試料805aは、複数の短冊形の薄板鋼板を組み合わせて中空立方体形状を形成し、口の字状の磁路が形成されるようにしたものである。
デジタルオシロスコープ804は、1次巻線805bに流れる電流波形と、試料805aに巻き回された2次巻線805cにおける電圧波形及び電流波形とをモニタするものである。
なお、本実施形態では、以上のようにしてモニタされている値は、1周期の波形をN(Nは正の整数、例えばN=512)分割してサンプリングすることにより得られるデジタル信号に変換されて(AD変換されて)制御部801に出力される。
以上のようにして構成された2次元磁気測定装置200を用いて、試料805aの磁束密度Bを測定する。
具体的に説明すると、まず、制御部800は、電磁場解析装置100で電磁場解析された1次元の磁束密度Bの時系列データを入力する。そして、制御部800は、試料805aの磁束密度Bが、入力した磁束密度Bになるように、1次巻線805bに対する電圧指示値Vx(t)を、電源803に出力する。ここで、電圧指示値Vx(t)は、例えば前記(3式)で表される。また、電磁場解析装置100では、2次元の式である前記(1式)及び(2式)を、1次元の式に置き換えて電磁場解析を行う。
以上のようにして電圧指示値Vx(t)を入力した電源803は、その電圧指示値Vx(t)に従って、1次巻線805bに電圧を印加する。これにより、2次巻線805cに電圧が発生する。このようにして1次巻線805bに印加された電圧と、1次巻線805bに流れる電流と、2次巻線805cに発生した電圧は、デジタルオシロスコープ804でモニタされる。モニタされた電圧及び電流は、AD変換されて制御部801に出力される。これにより、制御部201は、1次側の電力Wと、1次巻線805bに流れる電流Iと、2次巻線805cに発生する電圧Vとを知ることができる。そして、(8式)〜(10式)を用いて、試料805aにおける磁束密度Bと磁界Hとを求める。
Figure 0004528167
以上のようにして求めた磁束密度Bのデータが1周期分集まると、制御部801は、磁束密度Bのデータが収束したか否かを判定し、収束した場合には、磁束密度Bの1周期分のデータと、それら磁束密度Bのデータに対応する磁界Hの1周期分のデータとをデータ格納部802に格納すると共に、これら磁束密度Bのデータと、磁界Hのデータとを用いて、試料805aにおける透磁率と鉄損とを求める。
一方、磁束密度Bのデータが収束していない場合には、収束するまで磁束密度Bの1周期分のデータと、磁界のHの1周期分のデータとを繰り返し取得する。
以上のようにして、試料805aにおける透磁率と鉄損とを求めると、制御部801は、求めた透磁率のデータと鉄損のデータとを、電磁場解析装置100に出力する。
透磁率のデータと鉄損のデータとを入力した電磁場解析装置100は、例えば、その入力した鉄損データを、解析対象となる装置における、試料805aと同一材料で構成された部分の鉄損として表示する。
以上のように本実施形態では、電磁場解析装置100は、解析対象の装置における電磁場解析を行い、1次元の磁束密度の時系列データを求める。1次元磁気測定装置800は、電磁場解析装置100で求められた磁束密度に合わせて電圧指示値Vx(t)を算出し、算出した電圧指示値Vx(t)をエプスタイン装置の1次巻線805bに印加して、試料805aにおける磁束密度と磁界とを測定する。このようにすれば、1次元の解析を行う場合であっても、高調波成分を含んだ電磁場解析を可及的に高精度に行うことができる。
なお、本実施形態では、第1の実施形態の磁気特性解析システムにおける測定及び解析対象を1次元にした場合を説明したが、第2及び第3の実施形態の磁気特性解析システムにおける測定及び解析対象を1次元にすることも、本実施形態で説明したのと全く同様にして可能であることは言うまでもない。
また、本実施形態では、試料設置部805をエプスタイン装置とした場合を説明したが、試料設置部805はエプスタイン装置に限定されるものではない。例えばSST(Single Sheet Tester)を用いて試料における1次元の磁束密度Bや磁界Hを求めるようにしてもよい。
(本発明の他の実施形態)
前述した実施形態の機能を実現するべく各種のデバイスを動作させるように、該各種デバイスと接続された装置あるいはシステム内のコンピュータに対し、前記実施形態の機能を実現するためのソフトウェアのプログラムコードを供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(CPUあるいはMPU)に格納されたプログラムに従って前記各種デバイスを動作させることによって実施したものも、本発明の範疇に含まれる。
また、この場合、前記ソフトウェアのプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード自体、およびそのプログラムコードをコンピュータに供給するための手段、例えば、かかるプログラムコードを格納した記録媒体は本発明を構成する。かかるプログラムコードを記憶する記録媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
また、コンピュータが供給されたプログラムコードを実行することにより、前述の実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードがコンピュータにおいて稼働しているOS(オペレーティングシステム)あるいは他のアプリケーションソフト等と共同して前述の実施形態の機能が実現される場合にもかかるプログラムコードは本発明の実施形態に含まれることは言うまでもない。
さらに、供給されたプログラムコードがコンピュータの機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに格納された後、そのプログラムコードの指示に基づいてその機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合にも本発明に含まれることは言うまでもない。
本発明の第1の実施形態を示し、磁気特性解析システムの構成の一例を示した図である。 本発明の第1の実施形態を示し、電磁場解析装置のハードウェア構成の一例を示した図である。 本発明の第1の実施形態を示し、2次元磁気測定装置に配設された試料設置部の詳細な構成の一例を示した図である。 本発明の第1の実施形態を示し、電磁場解析装置の概略動作の一例を説明するフローチャートである。 本発明の第1の実施形態を示し、2次元磁気測定装置の制御部における概略動作の一例を説明するフローチャートである。 本発明の第2の実施形態を示し、電磁場解析装置の概略動作の一例を説明するフローチャートである。 本発明の第3の実施形態を示し、磁気特性解析システムの構成の一例を示した図である。 本発明の第4の実施形態を示し、1次元磁気測定装置の構成の一例を示した図である。 従来の技術を示し、ロータ及びステ−タを有するモータの構成と、そのモータのティース先端部における磁束密度の分布とを概念的に示した図である。 従来の技術を示し、モータのティース先端部における磁束密度の波形と回転磁界の波形とを示した図である。
符号の説明
100 電磁場解析装置
200 2次元磁気測定装置
201 制御部
203 X方向電源
204 Y方向電源
207、805 試料設置部
207a〜207d 励磁コイル
207e Bxコイル
207f Byコイル
207g Hxコイル
207h Hyコイル
207i〜207l 励磁用継鉄
400、805a 試料
805b 1次巻線
805c 2次巻線

Claims (9)

  1. 解析対象となる領域の電磁場を解析して、前記解析対象となる領域の磁束密度及び磁界の時系列データを求める電磁場解析手段と、
    前記電磁場解析手段により求められた磁束密度の時系列データに基づく磁束密度、又は磁界の時系列データに基づく磁界を磁性体に与えて、前記磁性体の磁束密度と磁界とを測定する磁気特性測定手段と、
    前記磁気特性測定手段により測定された磁束密度と磁界とを用いて、前記磁性体の磁気特性を求める磁気特性解析手段とを有し、
    前記解析対象となる領域には磁性体が含まれ、
    前記磁束密度と磁界とを測定する磁性体は、前記解析対象となる領域に含まれる磁性体と同じ種類の磁性体であることを特徴とする磁気特性解析システム。
  2. 前記電磁場解析手段は、解析対象となる領域を複数の要素に分割し、分割した各要素の電磁場を、有限要素法を用いて解析して、前記解析対象となる領域における前記各要素の磁束密度及び磁界の時系列データを求めることを特徴とする請求項1に記載の磁気特性解析システム。
  3. 前記磁気特性は、鉄損を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気特性解析システム。
  4. 前記磁束密度の時系列データは、2次元ベクトルで表される時系列データであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の磁気特性解析システム。
  5. 前記電磁場解析手段で行われる電磁場の解析で使用する物性データの少なくとも1つは、透磁率であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の磁気特性解析システム。
  6. 前記磁気特性解析手段により求められた磁気特性と、前記電磁場解析手段で行われる電磁場の解析に使用した物性データの1つである磁気特性との差が、所定の範囲内であるか否かを判定する判定手段を有し、
    前記電磁場解析手段は、前記磁気特性の差が、所定の範囲内でないと前記判定手段により判定された場合には、前記磁気特性解析手段により求められた磁気特性を使用して前記電磁場を再度解析することを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の磁気特性解析システム。
  7. 前記磁気特性測定手段を複数備えたことを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の磁気特性解析システム。
  8. 前記磁気特性測定手段を、前記解析対象となる領域に存在する磁性体の種類に応じた数だけ備えたことを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の磁気特性解析システム。
  9. 解析対象となる領域の電磁場を解析して、前記解析対象となる領域の磁束密度及び磁界の時系列データを求める電磁場解析ステップと、
    前記電磁場解析ステップにより求められた磁束密度の時系列データに基づく磁束密度、又は磁界の時系列データに基づく磁界を磁性体に与えて、前記磁性体の磁束密度と磁界とを測定する磁気特性測定ステップと、
    前記磁気特性測定ステップにより測定された磁束密度と磁界とを用いて、前記磁性体の磁気特性を求める磁気特性解析ステップとを有し、
    前記解析対象となる領域には磁性体が含まれ、
    前記磁束密度と磁界とを測定する磁性体は、前記解析対象となる領域に含まれる磁性体と同じ種類の磁性体であることを特徴とする磁気特性解析方法。
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