JP4905769B2 - 粉体塗料用エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

粉体塗料用エポキシ樹脂組成物 Download PDF

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Description

本発明は、通常使用する硬化触媒を使用せずとも焼き付けによって硬化し、塗膜物性に優れ、かつ高温焼付時の塗膜着色を抑えた粉体塗料用エポキシ樹脂組成物に関する。
各微粉に塗料構成成分が存在する粉体塗料はその構成上、一般の塗料に使用される有機溶剤が含まれないため環境負荷が極めて少ない塗料である。中でも、エポキシ樹脂と硬化剤からなるエポキシ系粉体塗料は、優れた防食性、密着性、耐水性、耐薬品性および機械的特性を与える塗膜が得られることより、家電機器、電子部品、金属家具、建築資材の被覆に幅広く使用されている。この粉体塗料は、一般的に常温で塗装後に被塗物を高温に加熱し、この熱により粉体塗料のレベリングおよび硬化がなされる。
前記粉体塗料は、一般に硬化触媒を外部添加して使用することにより、適切な硬化性と塗膜物性を得るが、触媒は使用量が多い場合は塗料の貯蔵安定性に問題があり、使用量が少ない場合は、塗料作成時における均一分散性の確保する必要がある。また、触媒は焼付時に揮発成分となり、更に焼付を高温で行った場合は、特に淡色塗料色で着色が著しくなるなどの課題があった。
触媒としては従来、アミン類、イミダゾール系化合物、イミダゾール系化合物を多官能フェノール類で包接した化合物、ジアザビシクロウンデセンなどの含窒素複素環式化合物、第四級アンモニウム、ホスホニウムなどの化合物を添加使用する方法がある。前出塗料貯蔵安定性の解題の解決策としては、ポリエポキシドとイミダゾール系化合物との付加物の金属塩錯体化合物を使用する提案がされているが、エポキシ樹脂と相溶性が改善されているが混合性が十分でなく、また、焼付を高温にした場合、再生したイミダゾール系化合物由来と思われる塗膜着色は著しかった。
(例えば、特許文献1参照。)
特開平10−30015号公報(第2頁)
上記の様な実情に鑑み、本発明は通常使用する硬化触媒を使用せずとも焼き付けによって硬化し、塗膜物性に優れ、高温焼付時の塗膜着色を抑えることができ、且つ塗料の貯蔵安定性に優れる粉体塗料用エポキシ樹脂組成物を提供する事にある。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、固形エポキシ樹脂として特定の固形エポキシ樹脂を必須成分として含有させる事により通常使用する硬化触媒を使用せずとも焼き付けによって硬化し、塗膜物性に優れ、かつ高温焼付時の塗膜着色を抑えることができ、且つ塗料の貯蔵安定性に優れる粉体塗料が得られる事を見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち本発明は、固形エポキシ樹脂(A)と硬化剤(B)を必須成分とすることを特徴とする粉体塗料用エポキシ樹脂組成物であって、固形エポキシ樹脂(A)が活性水素含有化合物(x1)とエピハロヒドリン(x2)と四級オニウム塩含有エポキシ化合物(x3)とを反応させることにより得られる固形エポキシ樹脂(a1)を必須成分として含有することを特徴とする粉体塗料用エポキシ樹脂組成物を提供するものである。
本発明のエポキシ樹脂組成物を用いることにより、外部添加の触媒を用いなくとも優れた機械強度を有した硬化物を提供することができる。また、高温焼付時の着色が少ない塗膜が得られるため、焼付温度条件の範囲が広く設定でき、塗料の貯蔵安定性も良好なため、工業的価値が高いものである。
本発明は固形エポキシ樹脂(A)と硬化剤(B)を必須成分とすることを特徴とする粉体塗料用エポキシ樹脂組成物であって、固形エポキシ樹脂(A)が活性水素含有化合物(x1)とエピハロヒドリン(x2)と四級オニウム塩含有エポキシ化合物(x3)とを反応させることにより得られる固形エポキシ樹脂(a1)を必須成分として含有することを特徴とする。
固形本発明で使用する固形エポキシ樹脂(a1)とは、活性水素化合物(x1)とエピハロヒドリン(x2)と四級オニウム塩含有エポキシ化合物(x3)とを反応させることによって得られる、常温で固形状のエポキシ樹脂である。
前記活性水素含有化合物(x1)としては、エピハロヒドリンとの反応によりエポキシ基を有する化合物が得られるものであればよく、例えば、フェノール性水酸基含有化合物、アルコール性水酸基含有化合物、カルボキシル基含有化合物、アミノ基含有化合物等が挙げられる。これらの中でも、エポキシ樹脂組成物の硬化性に優れ、得られる硬化物の機械的物性に優れる点から、フェノ−ル性水酸基含有化合物を用いることが好ましい。
前記フェノール性水酸基含有化合物としては、特に限定されるものではないが、1分子中に2個以上のフェノール性水酸基を有する化合物であることが好ましく、例えば、ビスフェノール類としては、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン(ビスフェノールF)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールC)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(ビスフェノールZ)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン(ビスフェノールS)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン(ビスフェノールAP)、ジフェノール酸及びこれらの置換基含有体等が挙げられ、多価フェノール類としては、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、p−tert−ブチルフェノールノボラック樹脂、ノニルフェノールノボラック樹脂、ジジクロペンタジエンフェノール樹脂、t−ブチルカテコール、ハイドロキノン、レゾルシン等が挙げられる。得られるエポキシ樹脂(A)の分子量の調整等を目的として、1価のフェノール類を併用することも可能であり、例えば、フェノール、p−エチルフェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、p−ターシャリブチルフェノール、s−ブチルフェノール、ノニルフェノール、キシレノール等が挙げられる。これらのフェノール性水酸基含有化合物は1種類で用いても、2種類以上を併用しても良い。
前記アルコール性水酸基含有化合物としては、例えば、ブタノール等の脂肪族アルコールや炭素数11〜12の脂肪族アルコール等の1価のアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、エリスリトール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、トリメチロールプロパン等の多価アルコールが挙げられ、これらは1種類で用いても、2種類以上を併用しても良い。
前記カルボキシル基含有化合物としては、例えば、アジピン酸や長鎖合成二塩基酸等の脂肪族系カルボキシル基含有化合物、フタル酸やテレフタル酸等の芳香族系カルボキシル基含有化合物、芳香環を種々の段階に水添したテトラヒドロフタル酸やヘキサヒドロフタル酸等の環状系カルボキシル基含有化合物、ダイマー酸等の重合脂肪酸系カルボキシル基含有化合物、ネオデカン酸やネオノナン酸等が挙げられ、これらは1種類で用いても、2種類以上を併用しても良い。
前記アミノ基含有化合物としては、ジアミノジフェニルメタンやその置換基含有体、アニリン、トルイジン、ジアミノジフェニルスルホン等の芳香族アミン系、メタキシレンジアミンや1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン等の脂肪族アミン系、p−アミノフェノール、m−アミノフェノール、p−アミノクレゾール等のアミノフェノール等が挙げられ、これらは1種類で用いても、2種類以上を併用しても良い。
又、前記フェノール性水酸基含有化合物、アルコール性水酸基含有化合物、カルボキシル基含有化合物、アミノ基含有化合物等は1種類で用いても良いし、種類の異なる化合物類を併用しても良い。
本発明で用いるエピハロヒドリン(x2)としては、特に限定されず、例えば、エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、β−メチルエピクロルヒドリン等が挙げられ、工業的入手が容易なことからエピクロルヒドリンを用いることが好ましい。
本発明で用いる四級オニウム塩含有エポキシ化合物(x3)としては、例えば、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、ビニル基を有する脂環式モノエポキシド等のエポキシ基含有ビニルモノマーと、4級オニウム塩を有するアクリル酸モノマー等の4級オニウム塩を有するビニルモノマーとの共重合物や、下記一般式(1)
Figure 0004905769
(式中、Rは水素原子又はメチル基であり、Qは窒素原子又はリン原子であり、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子であり、R、R、Rはそれぞれ、独立にアルキル基又はアリール基を表す。)
で表される化合物が挙げられる。
前記ビニル基を有する脂環式モノエポキシドとしては、例えば、セロキサイド2000(商品名:ダイセル化学工業株式会社製)が挙げられ、4級オニウム塩を有するアクリル酸モノマーとしては、例えば、DMAEA−Q(株式会社興人製、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート−メチルクロライド塩、79%水溶液)や、DMAPAA−Q(株式会社興人製、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド−メチルクロライド塩、75%水溶液)等が挙げられる。
また、四級オニウム塩含有エポキシ化合物(x3)として、エポキシ基含有ビニルモノマーと、アクリルアミドや3級アミンを有するアクリルモノマーを共重合させた後に、アルキルハライドで4級塩化した化合物も使用することができる。
これらの中でも、得られるエポキシ樹脂(a1)を含む組成物の硬化性に優れる点から、前記一般式(1)で表される化合物を用いることが好ましく、特に入手が容易である点から、前記一般式(1)中のR、R、Rがそれぞれ同一または異なる炭素原子数1〜4の直鎖状のアルキル基である化合物を用いることが好ましく、Rが水素原子、Qが窒素原子、R、R、Rがメチル基であり、Xが塩素原子であるSY−GTA80[商品名、阪本薬品工業株式会社製、NV=80重量%水溶液、エポキシ当量(固形分):151g/eq]を用いることが最も好ましい。
次に、本発明で用いるエポキシ樹脂(a1)の製造方法について詳述する。該製造方法は、原料として、前記した活性水素含有化合物(x1)、エピハロヒドリン(x2)、四級オニウム塩含有エポキシ化合物(x3)を用いること以外になんら制限されるものではないが、工業的に実施可能である点から、例えば、フェノール性水酸基含有化合物を用いる場合には、フェノール性水酸基含有化合物とエピハロヒドリン(x2)と四級オニウム塩含有エポキシ化合物(x3)の溶解混合物に水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物を添加し、または添加しながら20〜120℃で1〜10時間反応させる方法が好ましい。エピハロヒドリン(x2)の添加量としては、フェノール性水酸基含有化合物中の活性水素(水酸基)1当量に対して、通常、0.3〜20当量の範囲で用いられ、好ましくは0.6〜4.0当量の範囲である。また、四級オニウム塩含有エポキシ化合物(x3)の使用量としては、フェノール性水酸基含有化合物の活性水素(水酸基)1当量に対して、0.01〜0.30当量の範囲で用いられ、好ましくは0.03〜0.15当量の範囲であり、目的とするエポキシ樹脂(a1)のエポキシ当量に応じて、適宜設定することが好ましい。
前記アルカリ金属水酸化物はその水溶液を使用してもよく、その場合は該アルカリ金属水酸化物の水溶液を一括、間欠、又は連続的に反応系内に供給することにより、製造することが出来る。
また、フェノール性水酸基含有化合物とエピハロヒドリン(x2)と四級オニウム塩含有エポキシ化合物(x3)との溶解混合物にテトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド等の四級アンモニウム塩を触媒として添加し、50〜150℃で1〜5時間反応させて得られる該フェノール類のハロヒドリンエーテル化物にアルカリ金属水酸化物の固体または水溶液を加え、再び20〜120℃で1〜10時間反応させ脱ハロゲン化水素(閉環)させる方法でもよい。
更に、反応を円滑に進行させるためにメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、ジオキサンなどのエーテル類、ジメチルスルホン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒などを添加して反応を行うことが好ましい。溶媒を使用する場合のその使用量としては、エピハロヒドリン(x2)の量に対し通常5〜50重量%、好ましくは10〜30重量%である。また非プロトン性極性溶媒を用いる場合はエピハロヒドリン(x2)の量に対し通常5〜100重量%、好ましくは10〜60重量%である。
これらのエポキシ化反応の反応物を水洗後、または水洗無しに加熱減圧下、110〜250℃、圧力10mmHg以下でエピハロヒドリン(x2)や他の添加溶媒などを除去する。その後、粗化合物を再びトルエン、メチルイソブチルケトンなどの溶剤に溶解し、生成した塩を濾過などにより除去し、更に、加熱減圧下トルエン、メチルイソブチルケトンなどの溶剤を留去することによりエポキシ樹脂(a1)を得る事ができる。
また、エピクロルヒドリン(x2)が全て反応に使用されるタイプでは、エポキシ化反応の反応物を水洗後、脱水濾過などにより除去し、更に、加熱減圧下トルエン、メチルイソブチルケトンなどの溶剤を留去することによりエポキシ樹脂(a1)を得る事ができる。
また、更に加水分解性ハロゲンの少ない化合物とするために必要に応じて、エピハロヒドリン(x2)や添加溶媒等を回収した後に得られる粗化合物を再びトルエン、メチルイソブチルケトンなどの溶剤に溶解し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物の水溶液を加えて更に反応させて閉環を確実なものにすることもできる。この場合、アルカリ金属水酸化物の使用量は粗化合物中に残存する加水分解性塩素1モルに対して、通常0.5〜10モル、好ましくは1.2〜5.0モルである。反応温度としては通常50〜120℃、反応時間としては通常0.5〜3時間である。反応速度の向上を目的として、四級アンモニウム塩やクラウンエーテル等の相関移動触媒を存在させてもよい。相関移動触媒を使用する場合のその使用量としては、粗化合物に対して0.1〜3.0重量%の範囲であることが好ましい。その後、生成した塩を水洗、脱水濾過などにより除去し、更に、加熱減圧下トルエン、メチルイソブチルケトンなどの溶剤を留去することによりエポキシ樹脂(a1)を得る事ができる。
次に、アルコール性水酸基含有化合物を活性水素含有化合物(x1)として用いる場合について詳述する。アルコール性水酸基含有化合物を用いる場合は、大別して2通りの方法がある。第一の方法は、アルコール類と四級オニウム塩含有エポキシ化合物(x3)との溶解混合物に三フッ化ホウ素エーテル錯体等のルイス酸を添加して、エピハロヒドリン(x2)を滴下し、反応させた後に得られたクロルヒドリン付加物に、さらに、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物を添加し、または添加しながら20〜120℃で1〜10時間閉環反応させる方法が挙げられる。この時、必要に応じトルエン等の反応溶媒を使用することが出来る。
第二の方法は、アルコール性水酸基含有化合物とエピハロヒドリン(x2)と四級オニウム塩含有エポキシ化合物(x3)の溶解混合物にテトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩やエチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルホスホニウムブロマイド等の第四級ホスホニウム塩などを触媒として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物を添加し、または添加しながら20〜120℃で1〜10時間反応させる方法が挙げられる。
前記アルカリ金属水酸化物はその水溶液を使用してもよく、その場合は該アルカリ金属水酸化物の水溶液を一括、間欠、又は連続的に反応系内に供給することにより、製造することが出来る。
これらのエポキシ化反応の反応物を水洗後、または水洗無しに加熱減圧下、110〜250℃、圧力10mmHg以下でエピハロヒドリン(x2)や他の添加溶媒などを除去する。その後、粗化合物を再びトルエン、メチルイソブチルケトンなどの溶剤に溶解し、生成した塩を濾過などにより除去し、更に、加熱減圧下トルエン、メチルイソブチルケトンなどの溶剤を留去することによりエポキシ樹脂(a1)を得る事ができる。
また、更に加水分解性ハロゲンの少ない化合物とするために必要に応じて、前述のフェノール性水酸基含有化合物を用いた際と同様の手法で、再閉環反応・精製を行っても良い。
カルボキシル基含有化合物を活性水素含有化合物(x1)とする場合には、カルボキシル基含有化合物と大過剰のエピハロヒドリン(x2)と四級オニウム塩含有エポキシ化合物(x3)の溶解混合物に水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物を添加し、または添加しながら20〜120℃で1〜10時間反応させる方法が挙げられる。必要に応じ、四級アンモニウム塩等を触媒として用いても良い。エピハロヒドリン(x2)の添加量としては、カルボキシル基含有化合物類中の活性水素(カルボキシル基)1当量に対して、通常、5.0〜20当量の範囲で用いられる。また、四級オニウム塩含有エポキシ化合物(x3)は、カルボキシル基含有化合物の活性水素(カルボキシル基)1当量に対して、0.01〜0.30当量の範囲で用いることが好ましい。
前記アルカリ金属水酸化物はその水溶液を使用してもよく、その場合は該アルカリ金属水酸化物の水溶液を一括、間欠、又は連続的に反応系内に供給することにより、製造することが出来る。
更に、反応を円滑に進行させるためにメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、ジオキサンなどのエーテル類、ジメチルスルホン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒などを添加して反応を行うことが好ましい。溶媒を使用する場合のその使用量としては、エピハロヒドリンの量に対し通常5〜50重量%、好ましくは10〜30重量%である。また非プロトン性極性溶媒を用いる場合はエピハロヒドリンの量に対し通常5〜100重量%、好ましくは10〜60重量%である。
これらのエポキシ化反応の反応物を水洗後、または水洗無しに加熱減圧下、110〜250℃、圧力10mmHg以下でエピハロヒドリンや他の添加溶媒などを除去する。その後、粗化合物を再びトルエン、メチルイソブチルケトンなどの溶剤に溶解し、生成した塩を濾過などにより除去し、更に、加熱減圧下トルエン、メチルイソブチルケトンなどの溶剤を留去することによりエポキシ樹脂(a1)を得る事ができる。
また、更に加水分解性ハロゲンの少ない化合物とするために必要に応じて、前述のフェノール性水酸基含有化合物を用いた際と同様の手法で、再閉環反応・精製を行っても良い。
次に、アミノ基含有化合物を活性水素含有化合物(x1)として用いる場合についてであるが、この場合は、過剰量のエピハロヒドリン(x2)と四級オニウム塩含有エポキシ化合物(x3)及び、共溶剤として水やアルコール類の溶解混合物に該アミノ基含有化合物を徐々に分割で仕込み、1,2クロルヒドリン体を生成させ、その後、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物を添加し、または添加しながら20〜90℃で1〜10時間反応させる方法が好ましい。
アミノ基とエピハロヒドリン(x2)との付加反応は無触媒でも進行し、急激な発熱を伴うため必要に応じて、エピハロヒドリン(x2)の一部を四級オニウム塩含有エポキシ化合物(x3)と共存させ、アミノ基含有化合物を仕込み終わった後に、残りのエピハロヒドリン(a2)を仕込んでも良い。エピハロヒドリン(x2)の添加量としては、アミノ基含有化合物類中の活性水素1当量に対して、通常、1.5〜20当量の範囲で用いられる。また、四級オニウム塩含有エポキシ化合物(x3)は、アミノ基含有化合物の活性水素1当量に対して、0.01〜0.30当量の範囲で用いることが好ましい。
前記アルカリ金属水酸化物はその水溶液を使用してもよく、その場合は該アルカリ金属水酸化物の水溶液を一括、間欠、又は連続的に反応系内に供給することにより、製造することが出来る。
これらのエポキシ化反応の反応物を水洗後、または水洗無しに加熱減圧下、110〜250℃、圧力10mmHg以下でエピハロヒドリンや他の添加溶媒などを除去する。その後、粗化合物を再びトルエン、メチルイソブチルケトンなどの溶剤に溶解し、生成した塩を濾過などにより除去し、更に、加熱減圧下トルエン、メチルイソブチルケトンなどの溶剤を留去することによりエポキシ樹脂(a1)を得る事ができる。
また、更に加水分解性ハロゲンの少ない化合物とするために必要に応じて、前述のフェノール性水酸基含有化合物を用いた際と同様の手法で、再閉環反応・精製を行っても良い。
上述の如く得られる固形エポキシ樹脂(a1)は、単独又は2種類以上併用して使用することができる。
また、本発明の粉体塗料用エポキシ樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて前述のエポキシ樹脂(a1)以外の固形エポキシ樹脂を併用することも可能である。
併用できるその他の固形エポキシ樹脂としては、常温で固形であれば特に限定されるものではなく、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール付加反応型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂変性フェノール樹脂型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。
これらの中で、塗膜物性、塗料のブロッキング性から固形のビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール付加反応型エポキシ樹脂が好ましい。
本発明で用いる硬化剤(B)としては、特に限定されず、常温で固形であれば特に限定されないが、イミダゾール・イミダゾリン系化合物、ジシアンジアミド、有機酸ヒドラジン及びその誘導体、多価カルボン酸と多価アルコールから得られるポリエステル樹脂、フェノール樹脂及びその誘導体等が挙げられる。これらの硬化剤は、硬化が充分に進行する点から、後述の比率で配合することが好ましい。
前記のジシアンジアミドを硬化剤として使用した場合の配合量は、エポキシ樹脂(A)100重量部あたり、ジシアンジアミド0.1〜10重量部が好ましい。
ここで用いられるイミダゾール・イミダゾリン系化合物としては、特に限定されず、メチルイミダゾール、メチルイミダゾリン、ドデシルイミダゾール、ドデシルイミダゾリン、ヘプタデシルイミダゾール、ヘプタデシルイミダゾリン、フェニルイミダゾール、フェニルイミダゾリンやそれらの1−シアノエチル化物、イソシアヌル酸付加物、トリメリット酸付加物、イミダゾール、イミダゾリン類とビスフェノール類との反応物等が挙げられる。前記イミダゾール・イミダゾリン系化合物を硬化剤として使用した場合の配合量は、エポキシ樹脂(A)100重量部あたり、イミダゾール・イミダゾリン系化合物0.1〜10重量部が好ましい。
有機酸ヒドラジン及びその誘導体としては、特に限定されず、例えば、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバチン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド等が挙げられる。前記有機酸ヒドラジン及びその誘導体を硬化剤として使用した場合の配合量は、エポキシ樹脂(A)100重量部あたり、有機酸ヒドラジン及びその誘導体2〜15重量部が好ましい。
カルボキシル基含有ポリエステル樹脂としては、多価カルボン酸と多価アルコールから得られ、1分子中に少なくとも2個のカルボキシル基を有する化合物であれば特に限定されないが、本発明の粉体塗料用エポキシ樹脂組成物を硬化する事によって得られる塗膜物性、塗料のブロッキング性から、軟化点が90〜130℃であるものが好ましく、これらの例としては、ファインディックM−8520(大日本インキ化学製:軟化点105℃)、ファインディックM−8850(大日本インキ化学製:軟化点104℃)、ファインディックM−8842(大日本インキ化学製:軟化点115℃)、ファインディックM−8630(大日本インキ化学製:軟化点119℃)、ファインディックM−8860(大日本インキ化学製:軟化点113℃)等が挙げられる。前記カルボキシル基含有ポリエステル樹脂を硬化剤として使用した場合の配合量は、エポキシ樹脂(A)100重量部あたり、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂25〜400重量部が好ましい。
フェノール樹脂及びその誘導体としては、常温で固形であれば特に限定されず、例えば、フェノールホルムアルデヒド樹脂、クレゾールホルムアルデヒド樹脂、ビスフェノールAホルムアルデヒド樹脂やそれらとトリアジンとの反応物、ビスフェノール類とビスフェノール型エポキシ樹脂との反応物等が挙げられる。中でも粉体塗料としての貯蔵安定性、流動性の向上から軟化点90〜130℃のものが好ましい。前記フェノール樹脂及びその誘導体を硬化剤として使用した場合の配合量は、エポキシ樹脂(A)100重量部あたり、前記フェノール樹脂及びその誘導体4〜40重量部が好ましい。また、ビスフェノールAホルムアルデヒド樹脂の場合は、エポキシ樹脂(A)100重量部に対してビスフェノールAホルムアルデヒド樹脂を15〜250重量部の割合で配合してもよい。
また、本発明の粉体塗料用エポキシ樹脂組成物の特性を損なわない範囲において必要に応じて硬化促進剤を併用しても良い。硬化促進剤としては特に限定されるものではないが、例えば、コハク酸、アジピン酸、サリチル酸、スベリン酸、セバチン酸等の有機酸。2,4,6−トリ(ジメチルアミノメチル)フェノール、ベンジルジメチルアミン、DBU等の第3級アミン類、トリフェニルホスフィン(TPP)等の3級ホスフィン類が挙げられる。これらの硬化促進剤は、本発明の粉体塗料用エポキシ樹脂組成物中のエポキシ樹脂(A)100重量部あたり、硬化促進剤0.01〜5重量部が好ましい。
本発明の粉体塗料用エポキシ樹脂組成物は、必要に応じて体質顔料又は着色材、例えば硫酸バリウム、酸化チタン、タルク、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、シリカ、マイカ、アルミナ、カーボンブラック、フタロシアニングリーン、フタロシアニンブルーなどを配合することができる。これらの体質顔料又は着色材の使用量は特に限定されるものではないが、粉体塗料用エポキシ樹脂組成物中の10〜50重量%となる範囲であることが好ましい。
また、本発明の粉体塗料用エポキシ樹脂組成物は、必要に応じて流展剤や消泡剤、カップリング剤を使用することもできる。
かかる材料を用いての粉体塗料化は、例えば、固形エポキシ樹脂(A)及び硬化剤(B)に、更に必要に応じ、硬化促進剤、体質顔料又は着色材、その他の添加剤などを粗粉砕、配合し、この配合物を、粉砕機(例えば、ヘンシェルミキサー)を用いて充分に粉砕、混合した後加熱されたニーダーを用いて溶融混練後、冷却した後粉砕、分級して得られる。
この様にして得られる本発明の粉体塗料用は、平均粒子径20〜150μmであることが好ましい。平均粒径20μ以下であると塗装時の塗着効率が低下し、150μm以上であると外観の平滑性が劣った塗膜が得られる。
以下に本発明を実施例により詳述するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、実施例中「部」、「%」は特に断りのない限り、重量基準である。
合成例1
温度計、撹拌機、窒素ガス導入管、分液コックを付したガラス4つ口フラスコに、ビスフェノールA342gとエピクロルヒドリン263.7g、SY−GTA80(阪本薬品工業製、エポキシ当量151g/eq、不揮発分80%水溶液)28.4g、トルエン105g、イソプロピルアルコール53gを仕込み溶解させた。その後、窒素ガスパージを施しながら、50℃に昇温した後に、20%水酸化ナトリウム水溶液22.5gを添加し、55℃に昇温しながら1時間攪拌した。次いで20%水酸化ナトリウム水溶液22.5gを添加し55℃で1時間攪拌した。更に、80℃に昇温後20%水酸化ナトリウム水溶液525gを2時間かけて滴下し、30分同温度で攪拌した。次にトルエン340gを添加し均一に混合し、水層を除去した。その後、トルエン183gを添加した。反応液を中和後に系内を脱水し、精密濾過を経た後に、溶媒を減圧下で留去する事によって、エポキシ当量395g/eq、軟化点71℃のエポキシ樹脂(a1−1)を得た。
合成例2
温度計、撹拌機、窒素ガス導入管、分液コックを取り付けたガラス4つ口フラスコに軟化点90℃のオルソ−クレゾールノボラック樹脂380gとエピクロルヒドリン952g、イソプロピルアルコール 278g、SY−GTA80 59.8gを仕込み溶解させた。その後、窒素ガスパージを施しながら、45℃に昇温した後に、49%水酸化ナトリウム水溶液19.4gを加え1時間攪拌した。次いで49%水酸化ナトリウム35.7gを1時間かけて滴下後、50℃に昇温しながら49%水酸化ナトリウム35.7gを30分かけて滴下し、同温度で0.5時間撹拌を続けた。次に水を157g添加して均一に混合し、水層を除去した。次いで49%水酸化ナトリウム90.3gを0.5時間かけて滴下後、同温度で0.5時間撹拌を続け、水143gを添加して均一に混合し、水層を除去した。次いで、49%水酸化ナトリウム103.3gを0.5時間かけて滴下後、同温度で0.5時間撹拌を続け、水150gを添加して均一に混合し、水層を除去した。反応液を中和後、未反応のエピクロルヒドリンを減圧下で留去させた。それで得られた粗樹脂にメチルイソブチルケトン300gを添加し溶解した。次いで共沸によって系内を脱水し、精密濾過を経た後に、溶媒を減圧下で留去して、エポキシ当量242g/eq、軟化点75℃の固形エポキシ樹脂(a1−2)を得た。
合成例3
温度計、撹拌機、窒素ガス導入管、分液コックを取り付けたガラス4つ口フラスコに軟化点 ℃のビスフェノールAノボラック樹脂310gとエピクロルヒドリン783g、イソプロピルアルコール 199g、SY−GTA80 49.1gを仕込み溶解させた。その後、窒素ガスパージを施しながら、45℃に昇温した後に、49%水酸化ナトリウム水溶液16.0gを加え1時間攪拌した。次いで49%水酸化ナトリウム29.3gを1時間かけて滴下後、50℃に昇温しながら49%水酸化ナトリウム29.3gを30分かけて滴下し、同温度で0.5時間撹拌を続けた。次に水を100g添加して均一に混合し、水層を除去した。次いで49%水酸化ナトリウム74.5gを0.5時間かけて滴下後、同温度で0.5時間撹拌を続け、水109gを添加して均一に混合し、水層を除去した。次いで、49%水酸化ナトリウム85.0gを0.5時間かけて滴下後、同温度で0.5時間撹拌を続け、水124gを添加して均一に混合し、水層を除去した。反応液を中和後、未反応のエピクロルヒドリンを減圧下で留去させた。それで得られた粗樹脂にメチルイソブチルケトン272gを添加し溶解した。次いで共沸によって系内を脱水し、精密濾過を経た後に、溶媒を減圧下で留去して、エポキシ当量248g/eq、軟化点93℃の固形エポキシ樹脂(a1−3)を得た。
合成例4
温度計、撹拌機、窒素ガス導入管、分液コックを付したガラス4つ口フラスコに、ビスフェノールA342gとエピクロルヒドリン319g、SY−GTA80(阪本薬品工業製、エポキシ当量151g/eq、不揮発分80%水溶液)28.4g、トルエン112g、イソプロピルアルコール56gを仕込み溶解させた。その後、窒素ガスパージを施しながら、50℃に昇温した後に、20%水酸化ナトリウム水溶液22.5gを添加し、55℃に昇温しながら1時間攪拌した。次いで20%水酸化ナトリウム水溶液22.5gを添加し55℃で1時間攪拌した。更に、80℃に昇温後20%水酸化ナトリウム水溶液645gを2時間かけて滴下し、30分同温度で攪拌した。次にトルエン363gを添加し均一に混合し、水層を除去した。その後、トルエン195gを添加した。反応液を中和後系内を脱水し、精密濾過を経て、不揮発分70%、エポキシ当量(固形分値)298g/eqのエポキシ樹脂トルエン溶液を得た。この溶液600gを温度計、撹拌機、窒素ガス導入管を付したガラス4つ口フラスコに量り取り、ビスフェノールA 88.3gを加え、減圧下脱溶剤後、130℃で3時間攪拌を行い、エポキシ当量920g/eq、軟化点113℃の固形エポキシ樹脂(a1−4)を得た。
合成例5(EPN)・・・ブロッキング
温度計、撹拌機、窒素ガス導入管、分液コックを付したガラス4つ口フラスコに、軟化点70℃のフェノールノボラック樹脂 400gとエピクロルヒドリン1052g、SY−GTA80(阪本薬品工業製、エポキシ当量151g/eq、不揮発分80%水溶液)74.0g、イソプロピルアルコール257gを仕込み溶解させた。その後、窒素ガスパージを施しながら、45℃に昇温した後に、20%水酸化ナトリウム水溶液58.5gを添加し、2時間攪拌した。次に、同温度にて20%水酸化ナトリウム水溶液114.6gを1時間滴下し、60℃に昇温後20%水酸化ナトリウム水溶液114.6gを滴下し0.5時間攪拌した。水層を除去した後に50℃で49%水酸化ナトリウム水溶液117.4gを滴下した後に水170gを加え均一化後、静置後水層を除去した。更に50℃で49%水酸化ナトリウム水溶液117.4gを滴下した後に水170gを加え均一化後、静置後水層を除去した。次に、反応液を中和後、未反応のエピクロルヒドリンを減圧下で留去させた。それで得られた粗樹脂にトルエン270gを添加し溶解した。次いで共沸によって系内を脱水し、精密濾過を経た後に、溶媒を減圧下で留去して、エポキシ当量219g/eq、軟化点52℃の固形エポキシ樹脂(a1−5)を得た。
合成例5(BPAセミ1段)混練時ゲル化
温度計、撹拌機、窒素ガス導入管、分液コックを付したガラス4つ口フラスコに、ビスフェノールA342gとエピクロルヒドリン319g、SY−GTA80(阪本薬品工業製、エポキシ当量151g/eq、不揮発分80%水溶液)28.4g、トルエン112g、イソプロピルアルコール56gを仕込み溶解させた。その後、窒素ガスパージを施しながら、50℃に昇温した後に、20%水酸化ナトリウム水溶液22.5gを添加し、55℃に昇温しながら1時間攪拌した。次いで20%水酸化ナトリウム水溶液22.5gを添加し55℃で1時間攪拌した。更に、80℃に昇温後20%水酸化ナトリウム水溶液645gを2時間かけて滴下し、30分同温度で攪拌した。次にトルエン363gを添加し均一に混合し、水層を除去した。その後、トルエン195gを添加した。反応液を中和後に系内を脱水し、精密濾過を経て、不揮発分70%、エポキシ当量(固形分値)298g/eqのエポキシ樹脂トルエン溶液を得た。この溶液600gを温度計、撹拌機、窒素ガス導入管を付したガラス4つ口フラスコに量り取り、ビスフェノールA 101.3gを加え、減圧下脱溶剤後、150℃で2時間攪拌を行い、エポキシ当量1109g/eq、軟化点128℃の固形エポキシ樹脂(a1−6)を得た。
合成例1〜6で得られた固形エポキシ樹脂(a1−1)〜(a1−6)および固形エポキシ樹脂、硬化剤、添加剤を表1−1、1−2に示す配合で予備混合した後、エクストルーダーとしてコペリオン社製コニーダーPCS−30を用い、バレル温度90℃にて溶融混練した。混練物は冷却後粉砕、分級して平均粒径60μmの粉体塗料(P1〜P7)を得た。なお、合成例6の固形エポキシ(a1−6)を使用した場合、溶融混練時にゲル化したため、塗料を得る事ができなかった。
応用例1〜5および比較応用例1、2
得られた前記粉体塗料(P1〜P7)を印加電圧−70kVにて幅70mm×長150mm×厚0.8mmのリン酸亜鉛鋼板へ静電塗装を行った後、電気式乾燥機中にて焼付し、約50μm厚の塗膜を得た。得られた塗膜は基準板との黄変度比較、付着性試験、耐おもり落下性試験、耐中性塩水噴霧性試験の評価と、塗料の貯蔵安定性を以下の基準に従って行った。結果を表2−1、2−2に示す。
(黄変度)
JIS K5600−4−5−1999の塗膜の視覚特性(測色)に準拠し、基準板(YI=0.87)と黄変度の比較を行った。
(付着性試験)
JIS K5600−5−6−1999の付着性(クロスカット)に準拠し、1mm間隔で行った。
〇:残分100確保、×:残分100未満
(耐おもり落下性試験)
JIS K5600−5−3−1999の6(デュポン式)に準拠し、撃心1/2インチ、500gの重りを使用して行い、塗膜はがれの出ない高さを判定した。
〇:50cmで剥がれなし。×:50cmで剥がれ発生
(耐中性塩水噴霧性試験)
JIS K5600−7−1−1999(耐中性塩水噴霧性)に準拠し、塗膜面に基材に達する傷を入れ、35℃で5%NaCl水溶液を500時間連続噴霧した後の、剥離幅を確認した。剥離幅の単位はmmである。
(貯蔵安定性)
高さ10mm・50φのガラスシャーレーに、作成した粉体塗料を5g敷き、20g・40φのおもしを置き、40℃1週間保存後し、形状の変化を確認した。ブツまたはブロッキングの発生が見られない場合を問題なしとした。
○:問題なし、×:ブツまたはブロッキング発生
Figure 0004905769
Figure 0004905769
EPICLON AM-040-P:ビスフェノールA型固形エポキシ樹脂、軟化点94℃(大日本インキ化学工業株式会社製)、FINEDIC M-8842:カルボキシル基末端ポリエステル樹脂、軟化点115℃(大日本インキ化学工業株式会社製)、FINEDIC M-8830:カルボキシル基末端ポリエステル樹脂、軟化点108℃(大日本インキ化学工業株式会社製)、キュアゾールC17Z:イミダゾール系化合物(四国化成工業株式会社製)、モダフロー2000:流展剤(モンサント株式会社製)、ベンゾイン:和光純薬製、消泡剤、タイペークCR-95:酸化チタン(石原産業株式会社製)
Figure 0004905769
Figure 0004905769

Claims (7)

  1. 固形エポキシ樹脂(A)と硬化剤(B)を必須成分とすることを特徴とする粉体塗料用エポキシ樹脂組成物であって、固形エポキシ樹脂(A)が活性水素含有化合物(x1)とエピハロヒドリン(x2)と四級オニウム塩含有エポキシ化合物(x3)とを反応させることにより得られる固形エポキシ樹脂(a1)を必須成分として含有することを特徴とする粉体塗料用エポキシ樹脂組成物。
  2. 固形エポキシ樹脂(a1)の軟化点が60〜120℃の範囲にある、請求項1の粉体塗料用エポキシ樹脂組成物。
  3. 前出4級オニウム塩含有エポキシ化合物(x3)が4級アンモニウム塩含有エポキシ化合物である請求項1または2記載の粉体塗料用エポキシ樹脂組成物。
  4. 前記四級オニウム塩含有エポキシ化合物(x3)が下記一般式(1)
    Figure 0004905769
    (式中、Rは水素原子又はメチル基であり、Qは窒素原子又はリン原子であり、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子であり、R、R、Rはそれぞれ、独立にアルキル基又はアリール基を表す。)
    で表される化合物である請求項1または2記載の粉体塗料用エポキシ樹脂組成物。
  5. 前記一般式(1)中のR、R、Rがそれぞれ独立に炭素原子数1〜4の直鎖状のアルキル基である請求項4記載の粉体塗料用エポキシ樹脂組成物。
  6. 活性水素化合物(x1)が2価以上のフェノール性水酸基含有化合物である請求項1〜5何れか1項記載の粉体塗料用エポキシ樹脂組成物。
  7. 硬化剤(B)が、軟化点90〜130℃の範囲にあるカルボキシル基含有ポリエステル樹脂である請求項1〜6何れか1項記載の粉体塗料用エポキシ樹脂組成物。
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