JP6331460B2 - エポキシ化合物及びその製造方法、エポキシ化合物含有組成物並びに硬化物 - Google Patents
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存在下で反応させることにより、上記課題を解決し得ることを見出したものであることを見出したものである。即ち、本発明の要旨は以下の[1]〜[10]に存する。
本発明のエポキシ化合物の製造方法は、エポキシ化合物(A)とフェノール系化合物(B)を下記式(1)で表されるホスフィン系化合物(C)の存在下に反応させるものである。
グリシジルエーテル、テトラメチルビスフェノールSジグリシジルエーテル等のビスフェノール系ジグリシジルエーテル類;ビフェノールジグリシジルエーテル、テトラメチルビフェノールジグリシジルエーテル、ジメチルビフェノールジグリシジルエーテル、テトラ−t−ブチルビフェノールジグリシジルエーテル等のビフェノール系ジグリシジルエーテル類;ハイドロキノンジグリシジルエーテル、メチルハイドロキノンジグリシジルエーテル、ジブチルハイドロキノンジグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、メチルレゾルシンジグリシジルエーテル等のベンゼンジオール系ジグリシジルエーテル類;ジヒドロアントラハイドロキノンジグリシジルエーテル、ジヒドロキシジフェニルエーテルジグリシジルエーテル、チオジフェノールジグリシジルエーテル、ジヒドロキシナフタレンジグリシジルエーテル等が挙げられる。
ビスフェノールE、ビスフェノールZ、ビスフェノールS、ビスフェノールAD、ビスフェノールアセトフェノン、ビスフェノールトリメチルシクロヘキサン、ビスフェノールフルオレン、テトラメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、テトラ−t−ブチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールS等のビスフェノール類;ビフェノール、テトラメチルビフェノール、ジメチルビフェノール、テトラ−t−ブチルビフェノール等のビフェノール類;ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、ジブチルハイドロキノン、レゾルシン、メチルレゾルシン等のベンゼンジオール類(ここで、「ベンゼンジオール類」とは、1個のベンゼン環を有する化合物であって、当該ベンゼン環に2個の水酸基が直接結合した化合物である。);ジヒドロアントラハイドロキノン等のジヒドロアントラハイドロキノン類;ジヒドロキシジフェニルエーテル等のジヒドロキシジフェニルエーテル類;チオジフェノール等のチオジフェノール類;ジヒドロキシナフタレン等のジヒドロキシナフタレン類;ジヒドロキシスチルベン等のジヒドロキシスチルベン類;フェノールノボラック樹脂類、クレゾールノボラック樹脂類、ビスフェノールAノボラック樹脂等のビスフェノール系ノボラック樹脂類;ナフトールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、テルペンフェノール樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール樹脂、フェノールビフェニレン樹脂、フェノール変性キシレン樹脂等の種々のフェノール樹脂類や、これらの種々のフェノール類と、ヒドロキシベンズアルデヒド、クロトンアルデヒド、グリオキザール等の種々のアルデヒド類との縮合反応で得られる多価フェノール樹脂類;重質油又はピッチ類とフェノール類とホルムアルデヒド類との共縮合樹脂等の各種のフェノール系化合物等が挙げられる。以上に挙げたフェノール化合物(B)は、1種のみでも複数種を組み合わせて使用することもできる。
本発明に使用するフェノール化合物(B)の使用量は、エポキシ化合物(A)1.00モルに対し、0.05モル以上であることが好ましく、0.10モル以上であることがより好ましく、0.15モル以上であることが更に好ましく、0.20モル以上であることが特に好ましい。一方、本発明に使用するフェノール化合物(B)の使用量は、エポキシ化合物(A)1.00モルに対し、1.25モル以下であることが望ましく、1.20モル以下であることが好ましく、モル1.15以下であることが更に好ましく、1.10モル以下であることが特に好ましい。使用するフェノール化合物(B)の配合量が上記下限値以上であると分子量伸長の点で好ましく、特に、この範囲において、低分子量のエポキシ化合物を得たい場合にはフェノール化合物の量を少なくし、高分子量のエポキシ化合物を得たい場合にはフェノール化合物の量を多くすればよい。一方、上記上限値以下であると硬化性が良好なエポキシ化合物が得られ易いために好ましい。
本発明に用いるホスフィン系化合物(C)は前記式(1)で表される化合物である。ホスフィン系化合物(C)は、エポキシ化合物(A)とフェノール系化合物(B)との反応における触媒として作用する。
、y及びzのうちの少なくとも1つは1〜5の整数である。x、y及びzのうちの少なくとも1つは、4以下の整数であることが好ましく、3以下の整数であることがより好ましく、1であることが最も好ましい。また、x、y及びzは同じ値であることが好ましい。
トリ−2,5−キシリルホスフィン、トリ−3,5−キシリルホスフィン、トリス(p−tert−ブチルフェニル)ホスフィン、トリス(p−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(p−tert−ブトキシフェニル)ホスフィン、トリ(p−n−オクチルフェニル)ホスフィン、トリ(p−n−ノニルフェニル)ホスフィン等が挙げられる。なお、ホスフィン系化合物(C)は、1種のみでも複数種を組み合わせて使用することもできる。
本発明において、ホスフィン系化合物(C)と共に、その他の触媒を組み合わせて用いてもよい。その他の触媒としては、通常、アドバンス法の触媒として用いられるものであれば特に制限されないが、例えば、アルカリ金属化合物、ホスフィン系化合物(C)以外の有機リン化合物、第3級アミン、第4級アンモニウム塩、環状アミン類、イミダゾール
類等が挙げられる。
様のものを用いることができる。
エポキシ化合物(A)とフェノール化合物(B)との反応は、常圧、加圧、減圧いずれの条件で行うこともできる。また、反応温度は通常、80〜240℃、好ましくは100〜220℃、より好ましくは120〜200℃である。反応温度が上記下限以上であると反応を進行させやすいために好ましい。また、反応温度が上記上限以下であると副反応が進行しにくく、高純度のエポキシ化合物を得る観点から好ましい。
本発明の製造方法では、その反応工程において、溶媒を用いてもよい。この溶媒としては、原料を溶解するものであれば、どのようなものでもよいが、通常は有機溶媒である。
本発明のエポキシ化合物は、反応終了後に溶剤を混合して固形分濃度を調整してもよい。その溶剤としては、通常、エポキシ化合物を溶解するものであれば、どのようなものでもよいが、通常は有機溶剤である。有機溶剤の具体例としては前述の有機溶媒として挙げたものと同様のものを用いることができる。なお、本発明において、「溶媒」と「溶剤」という語は、エポキシ化合物の反応時に用いるものを「溶媒」、反応終了後に用いるものを「溶剤」として用いることとするが、同種のものを用いても、異種のものを用いてもよい。
本発明のエポキシ化合物は、エポキシ当量が、100g/eq以上であることが好ましく、200g/eq以上であることがより好ましく、300g/eq以上であることが更に好ましく、500g/eq以上であることが特に好ましい。一方、200,000g/eq以下であることが好ましく、150,000g/eq以下であることがより好ましく、100,000g/eq以下であることが更に好ましく、50,000g/eq以下であることが特に好ましい。エポキシ当量が上記下限値以上であるとエポキシ化合物の可撓性の観点で好ましく、上記上限値以下であると、後述するエポキシ化合物含有組成物を硬化させる際、エポキシ基間の架橋点間密度が高くなり硬化物性を得やすい点で好ましい。なお、本発明において「エポキシ当量」とは、「1当量のエポキシ基を含むエポキシ化合物の質量」と定義され、JIS K7236に準じて測定することができる。
本発明のエポキシ化合物含有組成物は、少なくとも前述した本発明のエポキシ化合物と硬化剤とを含むものである。また、本発明のエポキシ化合物含有組成物には、必要に応じて、他のエポキシ化合物、硬化促進剤、その他の成分等を適宜配合することができる。本発明のエポキシ化合物含有組成物は貯蔵安定性に優れるものである。
本発明のエポキシ化合物含有組成物に用いる硬化剤は、エポキシ化合物のエポキシ基間の架橋反応及び/又は鎖長延長反応に寄与する物質である。なお、本発明においては通常、「硬化促進剤」と呼ばれるものであってもエポキシ化合物のエポキシ基間の架橋反応及び/又は鎖長延長反応に寄与する物質であれば、硬化剤とみなすこととする。
。
1.5の範囲となるように用いることが好ましい。イミダゾール系化合物を用いる場合、固形分としての全エポキシ化合物成分100重量部に対して0.5〜10重量部の範囲で用いることが好ましい。アミド系化合物を用いる場合、固形分としての全エポキシ化合物成分とアミド系化合物との合計量に対して0.1〜20重量%の範囲で用いることが好ましい。カチオン重合開始剤を用いる場合、固形分としての全エポキシ化合物成分100重量部に対し、0.01〜15重量部の範囲で用いることが好ましい。有機ホスフィン類を用いる場合、固形分としての全エポキシ化合物成分と有機ホスフィン類との合計量に対して0.1〜20重量%の範囲で用いることが好ましい。
本発明のエポキシ化合物含有組成物には、本発明のエポキシ化合物以外のエポキシ化合物(本明細書において、「他のエポキシ化合物」と称することがある。)を用いることができる。なお、他のエポキシ化合物はエポキシ化合物(A)とフェノール系化合物(B)をホスフィン系化合物(C)の存在下で反応させて得られたものでなければ、その化合物の種類は本発明のエポキシ化合物と同種の化合物であってもよい。
本発明のエポキシ化合物含有組成物には、以上に挙げた成分以外に、その他の成分を含有することができる。その他の成分としては例えば、硬化促進剤(ただし、前記硬化剤に該当するものを除く。)、カップリング剤、難燃剤、酸化防止剤、光安定剤、可塑剤、反応性希釈剤、充填顔料、無機充填材、有機充填材等が挙げられる。上記したようなその他の成分はエポキシ化合物含有組成物の所望の物性により適宜組み合わせて用いることができる。
本発明のエポキシ化合物含有組成物を硬化させることにより、硬化物を得ることができる。ここでいう「硬化」とは熱及び/又は光等によりエポキシ樹脂組成物を意図的に硬化させることを意味するものであり、その硬化の程度は所望の物性、用途により制御すればよい。また、硬化の程度は完全硬化の状態であっても、半硬化の状態であってもよいが、エポキシ基と硬化剤の硬化反応の反応率として通常、5〜95%である。
0〜160℃で10〜30分の一次加熱と、一次加熱温度よりも40〜120℃高い120〜200℃で60〜150分の二次加熱との二段処理で行うことが、硬化不良を少なくする点で好ましい。
本発明の製造方法によれば、十分に高分子量化させたエポキシ化合物を得ることが可能であり、かつ得られたエポキシ化合物は、他の成分、特に硬化剤を配合した際の貯蔵安定性に優れたものである。このことから、本発明のエポキシ化合物の製造方法により得られるエポキシ化合物、及びそれを配合したエポキシ化合物含有組成物は、塗料、電気・電子材料、接着剤、炭素繊維強化樹脂(CFRP)等の分野において好適に用いることができる。
以下の実施例において用いた原料、触媒、溶媒及び溶剤は以下の通りである。
A−1:ビスフェノールFジグリシジルエーテル(三菱化学社製 jER(登録商標) 806H、エポキシ当量:170g/eq)
A−2:ビスフェノールAジグリシジルエーテル(三菱化学社製 jER(登録商標) 828US、エポキシ当量:186g/eq)
B−1:ビスフェノールF(フェノール性水酸基当量:100g/eq)
B−2:ビスフェノールA(フェノール性水酸基当量:114g/eq)
C−1:トリ(p−トリル)ホスフィン(北興化学工業社製、下記式(2)で表される化合物)10重量%トルエン溶液
C−2:トリス(4−メトキシフェニル)ホスフィン(北興化学工業社製、下記式(3)で表される化合物)10重量%トルエン溶液
C−3:トリ(p−tert−ブチルフェニル)ホスフィン(北興化学工業社製、下記式(4)で表される化合物)10重量%トルエン溶液
c−1:テトラメチルアンモニウムヒドロキシド27重量%水溶液(日本特殊化学工業社製)
c−2:テトラメチルアンモニウムクロリド50重量%水溶液(日本特殊化学工業社製)c−3:エチルトリフェニルホスホニウムヨージド(北興化学工業社製)20重量%エタノール溶液
c−4:水酸化ナトリウム10重量%水溶液
c−5:トリフェニルホスフィン(北興化学工業社製)10重量%トルエン溶液
D−1:メチルエチルケトン
D−2:メチルイソブチルケトン
D−3:トルエン
E−1:メチルエチルケトン
E−2:メチルイソブチルケトン
E−3:トルエン
以下の実施例・比較例における評価方法は以下の通りである。
実施例1−1〜1−5及び比較例1−1〜1〜5で得られたエポキシ化合物について、JIS K 7236に基づいてエポキシ当量を測定した。
実施例2−1〜2−5及び比較例2−1〜2〜5で得られたエポキシ化合物含有組成物について、23℃で24時間放置した後の状態を目視で観察し、以下の基準で貯蔵安定性を評価した。
○:ゲル化せずに流動性があるもの
△:ゲル化しなかったが、増粘し、流動性が低下したもの
×:ゲル化し流動性をもたなくなったもの
(実施例1−1)
ビスフェノールFジグリシジルエーテル(A−1)500.0重量部、ビスフェノールF(B−1)223.8重量部、トリ(p−トリル)ホスフィン10重量%トルエン溶液(C−1)2.0重量部を耐圧反応容器に入れ、窒素ガス雰囲気下170℃で6時間、重合反応を行い、目的とするエポキシ化合物を得た。これを723.8重量部のメチルエチルケトン(E−1)中に溶解させた。得られたエポキシ化合物について、エポキシ当量を前記の方法にて評価した。その結果は、表−1に示した通りである。
ビスフェノールAジグリシジルエーテル(A−2)500.0重量部、ビスフェノールF(B−1)244.4重量部、トリ(p−トリル)ホスフィン10重量%トルエン溶液(C−1)5.0重量部、トルエン(D−3)39.2重量部を耐圧反応容器に入れ、窒素ガス雰囲気下170℃で6時間、重合反応を行い、目的とするエポキシ化合物を得た。これを46.1重量部のメチルイソブチルケトン(E−2)、46.1重量部のトルエン(E−3)、613.0重量部のメチルエチルケトン(E−1)の混合溶剤中に溶解させた。得られたエポキシ化合物について、エポキシ当量を前記の方法にて評価した。その結果は、表−1に示した通りである。
ビスフェノールAジグリシジルエーテル(A−2)1200.0重量部、ビスフェノールF(B−1)586.5重量部、トリス(4−メトキシフェニル)ホスフィン10重量%トルエン溶液(C−2)11.0重量部、トルエン(D−3)94.0重量部を耐圧反応容器に入れ、窒素ガス雰囲気下170℃で6時間、重合反応を行い、目的とするエポキシ化合物を得た。これを116.0重量部のメチルイソブチルケトン(E−2)、116.0重量部のトルエン(E−3)、1471.2重量部のメチルエチルケトン(E−3)の混合溶剤中に溶解させた。得られたエポキシ化合物について、エポキシ当量を前記の方法にて評価した。その結果は、表−1に示した通りである。
ビスフェノールAジグリシジルエーテル(A−2)400.0重量部、ビスフェノールF(B−1)195.5重量部、トリ(p−tert−ブチルフェニル)ホスフィン10重量%トルエン溶液(C−3)4.0重量部、トルエン(D−3)27.3重量部を耐圧反応容器に入れ、窒素ガス雰囲気下170℃で6時間、重合反応を行い、目的とするエポキシ化合物を得た。これを38.9重量部のメチルイソブチルケトン(E−2)、38.9重量部のトルエン(E−3)、490.4重量部のメチルエチルケトン(E−1)の混合溶剤中に溶解させた。得られたエポキシ化合物について、エポキシ当量を前記の方法にて評価した。その結果は、表−1に示した通りである。
ビスフェノールAジグリシジルエーテル(A−2)400.0重量部、ビスフェノールA(B−2)229.1重量部、トリ(p−トリル)ホスフィン10重量%トルエン溶液(C−1)8.0重量部、トルエン(D−3)61.9重量部を耐圧反応容器に入れ、窒素ガス雰囲気下170℃で6時間、重合反応を行い、目的とするエポキシ化合物を得た。これを20.6重量部のメチルイソブチルケトン(E−2)、20.6重量部のトルエン(E−3)、518.1重量部のメチルエチルケトン(E−1)の混合溶剤中に溶解させた。得られたエポキシ化合物について、エポキシ当量を前記の方法にて評価した。その結果は、表−1に示した通りである。
ビスフェノールAジグリシジルエーテル(A−2)526.0重量部、ビスフェノールF(B−1)264.3重量部、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド27重量%水溶液(c−1)を3.0重量部、メチルエチルケトン(D−1)197.6重量部を耐圧反応容器に入れ、窒素ガス雰囲気下135℃で6時間、重合反応を行い、目的とするエポキシ化合物を得た。これを597.8重量部のメチルエチルケトン(E−1)中に溶解させた。得られたエポキシ化合物について、エポキシ当量を前記の方法にて評価した。その結果は、表−1に示した通りである。
ビスフェノールAジグリシジルエーテル(A−2)500.0重量部、ビスフェノールF(B−1)246.6重量部、テトラメチルアンモニウムクロリド50重量%水溶液(c−2)を1.6重量部、反応溶剤として19.7重量部のメチルイソブチルケトン、トルエン(D−3)19.7重量部を耐圧反応容器に入れ、窒素ガス雰囲気下165℃で6時間、重合反応を行い、目的とするエポキシ化合物を得た。これを46.2重量部のメチルイソブチルケトン(E−2)、46.2重量部のトルエン(E−3)、614.9重量部のメチルエチルケトン(E−1)の混合溶剤中に溶解させた。得られたエポキシ化合物について、エポキシ当量を前記の方法にて評価した。その結果は、表−1に示した通りである。
ビスフェノールAジグリシジルエーテル(A−2)500.0重量部、ビスフェノールF(B−1)244.4重量部、エチルトリフェニルホスホニウムヨージド(北興化学工業社製)20重量%エタノール溶液(c−3)2.5重量部、19.6重量部のメチルイソブチルケトン(D−2)、19.6重量部のトルエン(D−3)を耐圧反応容器に入れ、窒素ガス雰囲気下165℃で6時間、重合反応を行い、目的とするエポキシ化合物を得た。これを46.1重量部のメチルイソブチルケトン(E−2)、46.1重量部のトルエン(E−3)、613.0重量部のメチルエチルケトン(E−1)の混合溶剤中に溶解させた。得られたエポキシ化合物について、エポキシ当量を前記の方法にて評価した。その結果は、表−1に示した通りである。
ビスフェノールAジグリシジルエーテル(A−2)502.9重量部、ビスフェノールA(B−2)212.6重量部、水酸化ナトリウム10重量%水溶液(c−4)3.0重量部を耐圧反応容器に入れ、窒素ガス雰囲気下165℃で6時間、重合反応を行い、目的とするエポキシ化合物を得た。これを715.5重量部のメチルエチルケトン(E−1)中に溶解させた。得られたエポキシ化合物について、エポキシ当量を前記の方法にて評価した。その結果は、表−1に示した通りである。
ビスフェノールAジグリシジルエーテル(A−2)500.0重量部、ビスフェノールF(B−1)244.0重量部、トリフェニルホスフィン10重量%トルエン溶液(c−5)を10.0重量部、39.2重量部のトルエン(D−3)を耐圧反応容器に入れ、窒素ガス雰囲気下165℃で6時間、重合反応を行い、目的とするエポキシ化合物を得た。これを44.8重量部のメチルイソブチルケトン(E−2)、44.8重量部のトルエン(E−3)、609.0重量部のメチルエチルケトン(E−1)の混合溶剤中に溶解させた。得られたエポキシ化合物について、エポキシ当量を前記の方法にて評価した。その結果は、表−1に示した通りである。比較例1−5では用いた触媒種とその使用料以外は実施例1−2と同様の条件で実施したが、実施例1−2と比較してエポキシ当量の値が半分程度であり、十分に高分子量化したエポキシ化合物を得ることができなかった。
実施例1−1〜1−5及び比較例1−1〜1−5のそれぞれにおいて得られたエポキシ化合物、及びイソホロンジイソシアネートのアダクト体(三菱化学社製 マイテック(登録商標) NY260A NCO基量:10.8重量%)を表−2に示した通り配合した。得られたエポキシ化合物含有組成物について、前記の方法にて貯蔵安定性を評価した。
その結果を表−2に示す。
表−1に示したように、実施例1−1と比較例1−4はエポキシ化合物(A)の使用量
に対し、フェノール化合物(B)の使用量を比較的少量として低分子量のエポキシ化合物を得るための条件とした例であり、一方、実施例1−2〜1−5及び比較例1−1〜1−3、1−5はエポキシ化合物(A)の使用量に対し、フェノール化合物(B)の使用量を比較的多量として高分子量のエポキシ化合物を得るための条件とした例である。比較例1−5は実施例1−2に対して触媒種を変更し、更にその使用量を多くした以外は同様の条件であったにも関わらず、得られたエポキシ化合物のエポキシ当量の値が半分程度であった、このことから、触媒としてトリフェニルホスフィンを用いた場合には、エポキシ化合物の高分子量化が十分に進行しないことがわかる。
Claims (3)
- 前記式(1)において、R1〜R3が炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数1〜10
のアルコキシ基である、請求項1に記載のエポキシ化合物の製造方法。 - エポキシ化合物(A)1.00モルに対し、フェノール系化合物(B)を0.05〜1
.25モル用い、かつホスフィン系化合物(C)の使用量がエポキシ化合物(A)の使用
量の10〜50,000重量ppmである、請求項1又は2に記載のエポキシ化合物の製
造方法。
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