JP2004269824A - エポキシ樹脂組成物、及び粉体塗料用樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】塗料の流れ性や塗膜の光沢、機械的特性等に優れ、かつ低温硬化時においても高い防食性を有する固形エポキシ樹脂組成物、およびそれを用いた粉体塗料用樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】ビス(ヒドロキシフェニル)ポリ(オキシフェニレン)(a1)の残基を骨格に含有する固形エポキシ樹脂(A)と硬化剤(B)を含むことを特徴とするエポキシ樹脂組成物、及びビス(ヒドロキシフェニル)ポリ(オキシフェニレン)(a1)の残基を骨格に含有する固形エポキシ樹脂(A)と硬化剤(B)を含むことを特徴とする粉体塗料用樹脂組成物。
【選択図】 なし。
【解決手段】ビス(ヒドロキシフェニル)ポリ(オキシフェニレン)(a1)の残基を骨格に含有する固形エポキシ樹脂(A)と硬化剤(B)を含むことを特徴とするエポキシ樹脂組成物、及びビス(ヒドロキシフェニル)ポリ(オキシフェニレン)(a1)の残基を骨格に含有する固形エポキシ樹脂(A)と硬化剤(B)を含むことを特徴とする粉体塗料用樹脂組成物。
【選択図】 なし。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、塗料の流れ性や塗膜の光沢、機械的特性等に優れ、かつ低温硬化時においても高い防食性を有し、粉体塗料用途に好適に用いることができるエポキシ樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、エポキシ樹脂と硬化剤を含む粉体塗料は、耐水性・耐薬品性等の防食性、密着性、および機械的特性等に優れる塗膜が得られることから、家電機器、電子部品、金属家具、建築資材の被覆等に幅広く使用されている。該粉体塗料は、一般的に常温で塗装後に被塗物を高温に加熱し、この熱により粉体塗料のレベリングおよび硬化が進行する。このため塗料組成物の各成分の性能に加え、塗装後の加熱温度、溶融時の流れ性、硬化性(硬化速度)により塗膜の性能が決定する。
【0003】
一般的に粉体塗料用のエポキシ樹脂としてはビスフェノールA(BPA)型固形エポキシ樹脂が使用されているが、溶融時の流れ性と硬化性から、形成塗膜の性能を維持するためには180〜220℃の高温の硬化温度を必要とする。このため、多大なエネルギーを必要とし、且つ硬化反応終了後、被塗物が冷却するまでの間も高温下にあることから塗膜劣化が起こり易く、長期防食性について十分な性能が得られていない。従って、低温硬化が可能であり、且つ長期防食性に優れる塗膜が得られるエポキシ樹脂が求められている。これらの問題点を解決する手段として、溶融時の粘度が低く塗料とした時の流れ性が良好で、低温硬化が可能である2,5−ジ−ターシャリーブチルハイドロキノンとエピクロルヒドリンとの反応物である結晶性エポキシ樹脂を用いた粉体塗料用組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、該塗料を用いた塗膜の長期防食性においては、満足できるレベルではない。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−138502号公報(第2−3頁)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記実情に鑑み、本発明の課題は、塗料の流れ性や塗膜の光沢、機械的特性等に優れ、かつ低温硬化時においても高い防食性を有する固形エポキシ樹脂組成物、およびそれを用いた粉体塗料用樹脂組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、ビス(ヒドロキシフェニル)ポリ(オキシフェニレン)の残基を骨格に有する固形エポキシ樹脂を塗料に用いることによって、塗料の流れ性や塗膜の光沢、機械的特性等に優れ、かつ低温硬化時における防食性を著しく改善できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明は、ビス(ヒドロキシフェニル)ポリ(オキシフェニレン)(a1)の残基を骨格に含有する固形エポキシ樹脂(A)と硬化剤(B)を含むことを特徴とするエポキシ樹脂組成物、及びそれを用いた粉体塗料用樹脂組成物を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明で用いる固形エポキシ樹脂(A)としては、ビス(ヒドロキシフェニル)ポリ(オキシフェニレン)(a1)の残基を骨格に有すればよく、その構造として特に限定されるものではない。
【0009】
前記固形エポキシ樹脂(A)のエポキシ当量及び軟化点としては、得られるエポキシ樹脂の貯蔵時におけるブロッキングの発生を抑えられ、また、これを用いた粉体塗料組成物の流れ性が良好である点から、エポキシ当量が400〜1300g/eqであり、且つ環球法(5℃/分昇温法)による軟化点が70〜105℃である事が好ましく、エポキシ当量が600〜1300g/eqであり、且つ軟化点が80〜105℃であることが特に好ましい。
【0010】
前記固形エポキシ樹脂(A)中のビス(ヒドロキシフェニル)ポリ(オキシフェニレン)(a1)の残基の含有量としては、特に制限されるものではないが、得られるエポキシ樹脂組成物の塗膜の耐食性及び機械物性が良好である点から、ビス(ヒドロキシフェニル)ポリ(オキシフェニレン)(a1)の残基と後述する他のフェノール類(a3)の残基の重量比が5/95〜99/1であることが好ましく、10/90〜50/50であることが特に好ましい。
【0011】
前記ビス(ヒドロキシフェニル)ポリ(オキシフェニレン)(a1)としては、置換基を有していても良い2個以上の芳香環がエーテル結合によって連結され、両末端の芳香環にヒドロキシ基を置換基として有している構造であれば、特に制限されるものではないが、例えば、下記一般式(1)
【化2】
(式中nは0〜5であり、R1〜R12は水素原子または炭素原子数1〜4の炭化水素基である。)
で表されるものが挙げられる。
【0012】
前記一般式(1)中のR1〜R12はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、例えば、ジヒドロキシジフェニルエーテル、ビス(ジメチルヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(t−ブチルヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(ヒドロキシフェニルオキシ)ベンゼン、ビス(ジエチルヒドロキシフェニルオキシ)ベンゼン等が挙げられる。これらの化合物は、1種類で用いることも、長さの異なる混合物を用いても良く、また、種類の異なる化合物の混合物として使用することも可能である。
【0013】
これらの中でも、得られる塗膜の長期防食性に優れる点から、前記一般式(1)中のnが0〜2であり、R1〜R12が水素原子であり、エーテル結合がヒドロキシ基に対してパラ位で連結された構造であることが好ましく、特にnが0である化合物を70〜99重量%含有する化合物であることが好ましく、98重量%以上の純度を有する4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルが特に好ましい。また、得られる固形エポキシ樹脂(A)の溶融粘度が低く、粉体塗料を調製する際の作業性が良好で、かつ得られる塗膜の黄変性が抑えられる点からは、芳香環にt−ブチル基を置換基として有し、エーテル結合がヒドロキシ基に対してオルト位またはパラ位であることが好ましく、ビス(t−ブチルヒドロキシフェニル)エーテルが特に好ましい。
【0014】
前記一般式(1)で表される化合物の製造方法としては特に限定されるものではないが、例えば、置換基を有していても良いハイドロキノン、カテコール、レゾルシン等のジヒドロキシベンゼンを、活性白土等の固体酸触媒を用いて脱水反応を行うことによって得ることができ、また、製品等として入手したものをそのまま使用することも可能である。
【0015】
本発明で用いる固形エポキシ樹脂(A)は前述のビス(ヒドロキシフェニル)ポリ(オキシフェニレン)(a1)の残基を骨格に有するものであるが、これ以外に、他のフェノール類(a3)の残基を有していても良い。ここで用いることができる他のフェノール類(a3)としては、特に限定されるものではないが、例えば、フェノール、クレゾール、p−t−ブチルフェノール等の1価フェノール類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、テトラブロモビスフェノールA、ビスクレゾールF、ビスフェノールS等のビスフェノール類、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、プロピルジヒドロキシベンゼン、ジプロピルジヒドロキシベンゼン、ブチルジヒドロキシベンゼン、ジブチルジヒドロキシベンゼン、オクチルジヒドロキシベンゼン、ジオクチルジヒドロキシベンゼン、ノニルジヒドロキシベンゼン、ジノニルジヒドロキシベンゼン等のジヒドロキシベンゼン類、ビフェノール、ナフタレン等が挙げられ、得られる固形エポキシ樹脂(A)を用いた塗膜の基材に対する密着性が良好であり、且つ防食性に優れる点からは、ビスフェノールA、ビスフェノールFの残基を骨格に有することが好ましい。
【0016】
前記固形エポキシ樹脂(A)の製造方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、以下の▲1▼〜▲3▼で示される方法が挙げられる。
【0017】
▲1▼ビス(ヒドロキシフェニル)ポリ(オキシフェニレン)(a1)を必須とするフェノール類とエピハロヒドリンとを反応させる方法。
▲2▼▲1▼で得られたエポキシ樹脂をさらにビス(ヒドロキシフェニル)ポリ(オキシフェニレン)(a1)及び/又は他のフェノール類(a3)で伸長反応させる方法。
▲3▼他のフェノール類(a3)とエピハロヒドリンから得られるエポキシ樹脂をビス(ヒドロキシフェニル)ポリ(オキシフェニレン)(a1)を含むフェノール類で伸長反応させる方法。
【0018】
まず▲1▼の手法について説明する。
この手法は、従来フェノール類とエピハロヒドリンを用いてエポキシ樹脂を得る製法と同様であり、フェノール類として、ビス(ヒドロキシフェニル)ポリ(オキシフェニレン)(a1)を必須とするものであればよく、特に制限されるものではないが、例えば、用いるフェノール類中の全水酸基の1当量に対し、エピハロヒドリンを0.3〜10当量添加し、塩基の存在下に、40〜100℃で常圧または、減圧下で、必要に応じて、溶媒を用いて反応を行う方法が挙げられる。
【0019】
前記溶媒としては、例えば、イソプロピルアルコール、ブタノール等のアルコール類、ジオキサン等のエーテル類、ジメチルスルフォキシド、1,3−ジメチルイミダゾリジノン等の非プロトン性極性溶媒を挙げることができる。
【0020】
塩基としては特に限定されるものではないが、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化バリウム、酸化マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられる。この中でも水酸化カリウム及び水酸化ナトリウムが好ましい。また、これらの塩基は水溶液、固形のいずれでも好適に用いられる。
【0021】
前記エピハロヒドリンとしては特に限定されるものではないが、例えば、エピクロルヒドリン、β−メチルエピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、β−メチルエピブロモヒドリン等が挙げられる。これらの中でも反応性の点からエピクロルヒドリンが好ましい。
【0022】
また、本発明の効果を損なわない範囲で、用いるフェノール類としてビス(ヒドロキシフェニル)ポリ(オキシフェニレン)(a1)以外の前述の他のフェノール類(a3)を併用しても良い。
【0023】
次いで、▲2▼の、▲1▼で得られたエポキシ樹脂をさらにビス(ヒドロキシフェニル)ポリ(オキシフェニレン)(a1)及び/又は他のフェノール類(a3)で伸長反応させる方法について説明する。
【0024】
この伸長反応は、触媒存在下で120〜220℃で加熱攪拌することによって行うことができる。前記触媒としては、特に限定されるものではないが、例えば、オニウム塩、ホスフィン類、アルカリ金属水酸化物等が挙げられ、その使用量としては、原料として用いるエポキシ樹脂とフェノール類の合計100重量部に対して0.001〜0.1重量部の範囲であることが好ましい。また反応時間としては、反応途中の樹脂のエポキシ当量を測定することによって反応を追跡し、所望のエポキシ当量に達するまでの時間を必要とするが、得られる固形エポキシ樹脂の安定性を考慮し、1〜15時間の範囲であることが好ましい。
【0025】
また、エポキシ樹脂とフェノール類の仕込み比としては、所望の固形エポキシ樹脂(A)のエポキシ当量から算出することが好ましい。
【0026】
次いで、前記▲3▼の他のフェノール類(a3)とエピハロヒドリンから得られるエポキシ樹脂をビス(ヒドロキシフェニル)ポリ(オキシフェニレン)(a1)を含むフェノール類で伸長反応させる方法について説明する。
【0027】
ここで用いることができるエポキシ樹脂としては、前記▲1▼の製造方法と同様にして、他のフェノール類(a3)とエピハロヒドリンとを原料として得られるものであり、また、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスクレゾールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ樹脂等として製品として入手することも可能である。これらの中でも、得られる固形エポキシ樹脂(A)を用いた粉体塗料の硬化性が良好であり、得られる塗膜の耐衝撃性、防食性に優れる点から、ビスフェノール型エポキシ樹脂(a2)を用いることが好ましく、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂を用いることが特に好ましい。
【0028】
この伸長反応は、前述の▲2▼の手法と同様に行うことができ、エポキシ樹脂とフェノール類の仕込みの比率は、所望の固形エポキシ樹脂(A)のエポキシ当量から算出することが好ましい。
【0029】
上記の▲1▼〜▲3▼の方法で得られる固形エポキシ樹脂(A)の中でも、▲3▼の方法で得られるものがエポキシ当量及び分子量の調整、ビス(ヒドロキシフェニル)ポリ(オキシフェニレン)(a1)の樹脂中への導入量の調整が容易であることから、所望とする性質を有する点から好ましく、特にビスフェノール型エポキシ樹脂をビス(ヒドロキシフェニル)ポリ(オキシフェニレン)(a1)で伸長反応させて得られる固形エポキシ樹脂(A)を用いることが好ましい。
【0030】
また、本発明のエポキシ樹脂組成物には、前記手法によって得られる固形エポキシ樹脂(A)の他に、さらに本発明の効果を損なわない範囲で、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジヒドロキシベンゼン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ樹脂等の固形エポキシ樹脂を併用してもよく、この場合の配合量としては、組成物中のエポキシ樹脂全体に対して、30重量%以下であることが好ましい。
【0031】
本発明で用いる硬化剤(B)としては、特に限定されるものでないが、アミン系硬化剤(b1)、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂が挙げられる。これらの中でも、アミン系硬化剤(b1)としては、イミダゾール類、有機酸ヒドラジン、ジシアンジアミドが好ましい。
【0032】
前記イミダゾール類としては、例えば、メチルイミダゾール、メチルイミダゾリン、ドデシルイミダゾール、ドデシルイミダゾリン、ヘプタデシルイミダゾール、ヘプタデシルイミダゾリン、フェニルイミダゾール、フェニルイミダゾリン、それらの1−シアノエチル化物、イソシアヌル酸付加物、トリメリット酸付加物、イミダゾール、イミダゾリン類とビスフェノール類との反応物等が挙げられる。前記イミダゾール類を硬化剤(B)として使用する場合の配合量は、本発明のエポキシ樹脂組成物中の全エポキシ樹脂100重量部に対し、0.1〜10重量部の範囲であることが好ましい。
【0033】
前記ジシアンジアミドを硬化剤(B)として使用する場合の配合量は、本発明のエポキシ樹脂組成物中の全エポキシ樹脂100重量部に対し、0.1〜10重量部の範囲であることが好ましい。
【0034】
有機酸ヒドラジンとしては、貯蔵安定性が飛躍的に向上し、かつ硬化後に加熱を行う場合の黄変性が著しく改善される点からポリカルボン酸ポリヒドラジド、及びその誘導体が好ましく、例えば、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバチン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド等及びそれらの誘導体が挙げられる。前記有機酸ヒドラジンを硬化剤(B)として使用する場合の配合量は、本発明のエポキシ樹脂組成物中の全エポキシ樹脂100重量部に対し、2〜15重量部の範囲であることが好ましい。
【0035】
前記ポリエステル樹脂としては、塗膜物性、塗料製造性が良好である点から多価カルボン酸と多価アルコールを反応させて得られる、1分子中に少なくとも2個のカルボキシル基を有する軟化点が80〜130℃であるカルボキシル基含有ポリエステル樹脂(b2)が好ましく、例えばファインディックM−8520(大日本インキ化学工業株式会社製:軟化点105℃)、ファインディックM−8850(大日本インキ化学工業株式会社製:軟化点104℃)、ファインディックM−8841(大日本インキ化学工業株式会社製:軟化点114℃)、ファインディックM−8630(大日本インキ化学工業株式会社製:軟化点119℃)、ファインディックM−8860(大日本インキ化学工業株式会社製:軟化点113℃)等が挙げられる。前記ポリエステル樹脂を硬化剤(B)として使用する場合の配合量は、本発明のエポキシ樹脂組成物中の全エポキシ樹脂100重量部に対し、25〜400重量部の範囲であることが好ましい。
【0036】
前記フェノール樹脂としては、常温で固形であれば特に限定されず、例えば、フェノールホルムアルデヒド樹脂、クレゾールホルムアルデヒド樹脂、ビスフェノールAホルムアルデヒド樹脂及びそれらとトリアジンとの反応物、ビスフェノール類とビスフェノール型エポキシ樹脂との反応物等が挙げられ、これらの中でも粉体塗料としての貯蔵安定性、流動性に優れる点から軟化点80〜130℃のフェノール樹脂(b3)が好ましく、具体的にはフェノライトTD−2090(大日本インキ化学工業株式会社製:軟化点120℃)、フェノライトVH−4170(大日本インキ化学工業株式会社製:軟化点105℃)、フェノライトKH−6115(大日本インキ化学工業株式会社製:軟化点115℃)等の製品として入手できるものが挙げられる。前記フェノール樹脂を硬化剤(B)として使用する場合の配合量は、本発明のエポキシ樹脂組成物中の全エポキシ樹脂100重量部に対し、4〜40重量部の範囲であることが好ましい。また、ビスフェノールAホルムアルデヒド樹脂の場合は、本発明のエポキシ樹脂組成物中の全エポキシ樹脂100重量部に対し、15〜250重量部の範囲で配合してもよい。
【0037】
本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じて硬化促進剤を併用しても良い。硬化促進剤としては特に限定されるものではないが、例えば、コハク酸、アジピン酸、サリチル酸、スベリン酸、セバチン酸等の有機酸、2,4,6−トリ(ジメチルアミノメチル)フェノール、ベンジルジメチルアミン、1,8−ジアザビシクロ−[5,4,0]−ウンデセン(DBU)等の第3級アミン類、トリフェニルホスフィン(TPP)等の3級ホスフィン類が挙げられる。これらの硬化促進剤は、本発明のエポキシ樹脂組成物中の全エポキシ樹脂100重量部に対して、0.01〜5重量部の範囲で使用することが好ましい。
【0038】
本発明の粉体塗料用樹脂組成物は、前述の本発明のエポキシ樹脂組成物を含んでなるものであり、必要に応じて更に充填材を配合することが好ましい。前記充填材としては、特に制限されるものではないが、例えば硫酸バリウム、酸化チタン、タルク、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、シリカ、マイカ、アルミナ等の体質顔料、カーボンブラック、フタロシアニングリーン、フタロシアニンブルー等の着色剤を挙げることができる。前記充填材の使用量は特に限定されるものではないが、粉体塗料用樹脂組成物中の10〜50重量%となる範囲であることが好ましい。
【0039】
本発明の粉体塗料用樹脂組成物を用いて粉体塗料を調製する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、固形エポキシ樹脂(A)及び硬化剤(B)、必要に応じて、充填材、硬化促進剤、その他の添加剤などを粗粉砕、配合した後、ヘンシェルミキサー等の粉砕機を用いて充分に粉砕、混合し、これを加熱されたニーダーを用いて溶融混練し、冷却後粉砕、分級する方法が挙げられる。
【0040】
前記手法によって得られる粉体塗料としては、平均粒子径20〜150μmであることが好ましい。
【0041】
【実施例】
以下に本発明を実施例により詳述するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、実施例中特に断りのない限り、「部」「%」は重量基準である。
【0042】
合成例1 ビス(ヒドロキシフェニル)ポリ(オキシフェニレン)の合成
水分離装置を付けた1000mlの4つ口フラスコに、ハイドロキノン100g、メシチレン200g及び活性白土SA−35(日本活性白土社製:水分含有率8.0重量%)17gを入れ、脱水操作を実施しながら160℃で4時間二量化反応させた。脱水二量化反応後、60℃の水200gを加え、系内を攪拌下に80℃まで加熱して未反応のハイドロキノンと脱水二量化反応で得られた4,4‘−ジヒドロキシジフェニルエーテル類とを溶解させた後、80℃でろ過して固体酸触媒の活性白土をろ別し、ろ液を20℃まで冷却した。析出した結晶をろ過して採取し、水で洗浄後、減圧乾燥を行って4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル(a1−1)を得た。
【0043】
合成例2 ビス(ヒドロキシフェニル)ポリ(オキシフェニレン)の合成
ハイドロキノン100gの代わりにハイドロキノン50gとt−ブチルハイドロキノン50gを用いた以外は実施例1と同様に脱水二量化反応と分離操作を行って、芳香環の一部にt−ブチル基を有するジヒドロキシジフェニルエーテル(a1−2)を得た。
【0044】
合成例3 エポキシ樹脂の合成
攪拌機、温度計、冷却器を備えた、2リットルの四つ口フラスコにビスフェノールA型エポキシ樹脂、EPICLON 850−S(大日本インキ化学工業社製 エポキシ当量=188g/eq)1450g、ビスフェノールA450g、合成例1で得られた4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル(a1−1)100gと、50%テトラメチルアンモニュウムクロライド0.3gを入れ攪拌をし、140℃まで約2時間かけ昇温し、更に140℃で6時間攪拌しエポキシ樹脂(A−1)を得た。得られたエポキシ樹脂は、エポキシ当量=721g/eq、軟化点=91℃であった。
【0045】
合成例4 エポキシ樹脂の合成
攪拌機、温度計、冷却器を備えた、2リットルの四つ口フラスコにビスフェノールF型エポキシ樹脂、EPICLON 830−S(大日本インキ化学工業社製 エポキシ当量=170g/eq)1391g、ビスフェノールF509g、合成例1で得られた4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル(a1−1)100gと、50%テトラメチルアンモニュウムクロライド0.3gを入れ攪拌をし、140℃まで約2時間かけ昇温し、更に140℃で6時間攪拌しエポキシ樹脂(A−2)を得た。得られたエポキシ樹脂は、エポキシ当量=921g/eq、軟化点=91℃であった。
【0046】
合成例5 エポキシ樹脂の合成
攪拌機、温度計、冷却器を備えた、2リットルの四つ口フラスコにビスフェノールA型エポキシ樹脂、EPICLON 850−S(大日本インキ化学工業社製 エポキシ当量=188g/eq)1435g、ビスフェノールA465g、合成例2で得られた(a1−2)100gと、50%テトラメチルアンモニュウムクロライド0.3gを入れ攪拌をし、140℃まで約2時間かけ昇温し、更に140℃で6時間攪拌しエポキシ樹脂(A−3)を得た。得られたエポキシ樹脂は、エポキシ当量=726g/eq、軟化点=89℃であった。
【0047】
合成例6 エポキシ樹脂の合成
攪拌機、温度計、冷却器を備えた、2リットルの四つ口フラスコにビスフェノールA型エポキシ樹脂、EPICLON 850−S(大日本インキ化学工業社製 エポキシ当量=188g/eq)1458g、ビスフェノールA442g、2−ターシャルブチルハイドロキノン50g、合成例1で得られた4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル(a1−1)50gと、50%テトラメチルアンモニウムクロライド0.3gを入れ攪拌をし、140℃まで約2時間かけ昇温し、更に140℃で6時間攪拌しエポキシ樹脂(A−4)を得た。得られたエポキシ樹脂は、エポキシ当量=720g/eq、軟化点=91℃であった。
【0048】
実施例1〜8
合成例3〜6で得られたエポキシ樹脂(A−1)〜(A−4)を、表1−1〜2に記載の割合で配合し、ヘンシェルミキサーを用いて充分に粉砕、混合しエポキシ樹脂組成物を得た。その後、エクストルーダーとして、Buss社製 コ・ニーダーPCS−30を用い、バレル温度を80〜90℃に加熱しながら溶融混練し、押出し、冷却後粉砕、分級して粒径20〜50μmの粉体塗料(P1〜P8)を得た。
【0049】
比較例1〜4
特許文献1で用いられたエポキシ樹脂(東都化成株式会社製、エポトートYDC−1312、エポキシ当量176g/eq、融点141℃)及びBPA型固形エポキシ樹脂 EPICLON AM−041−P(大日本インキ化学工業株式会社製、エポキシ当量770g/eq、軟化点96℃)を用いた以外は、上記実施例と同様にしてエポキシ樹脂組成物および粉体塗料(Q1〜Q4)を調製した。
【0050】
応用例1〜8、及び比較応用例1〜4
得られた前記粉体塗料(P1〜P8及びQ1〜Q4)を用いて、印加電圧−70kVにて幅70mm×長150mm×厚0.8mmのリン酸亜鉛鋼板へ静電塗装を行った後、電気式乾燥機中にて焼付を行い、硬化後の膜厚が60μmの塗膜を得た。得られた塗膜の外観、硬化性、耐衝撃試験、塩水噴霧試験、光沢を以下の基準に従って行った。結果を表2−1〜2に示す。
【0051】
硬化塗膜の外観
塗膜表面の平滑度を目視で確認した。ユズ肌、ピンホール等の異常が確認されない場合を良好とした。
○:良好、×:不良
【0052】
硬化性
塗膜面のキシレンによる溶剤ラビング性を調べ、基材に到達するまでに100回以上を要した場合を良好とした。
○:良好、×:不良
【0053】
耐衝撃性試験
JIS K 5400−1990の8・3・2(デュポン式衝撃試験)により、500gでの耐衝撃高さを確認した。単位はcmである。
【0054】
塩水噴霧試験
塗膜面に基材に達する傷を入れ、35℃で5%NaCl水溶液を1000時間連続噴霧した後の塗膜の状態、および傷口にナイフをいれてのクリープの剥離幅を確認した。状態は膨れが発生した場合を不良とした。また、剥離幅の単位はmmである。
○:問題なし、×:膨れ発生
【0055】
光沢
JIS K 5600−4−7(鏡面光沢度)により、入射角20℃での鏡面光沢度を確認した。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】
【表3】
【0059】
【表4】
【0060】
【発明の効果】
本発明のよれば、塗料の流れ性や塗膜の光沢、機械的特性等に優れ、かつ低温硬化時においても高い防食性を有する固形エポキシ樹脂組成物、およびそれを用いた粉体塗料用樹脂組成物を提供できる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、塗料の流れ性や塗膜の光沢、機械的特性等に優れ、かつ低温硬化時においても高い防食性を有し、粉体塗料用途に好適に用いることができるエポキシ樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、エポキシ樹脂と硬化剤を含む粉体塗料は、耐水性・耐薬品性等の防食性、密着性、および機械的特性等に優れる塗膜が得られることから、家電機器、電子部品、金属家具、建築資材の被覆等に幅広く使用されている。該粉体塗料は、一般的に常温で塗装後に被塗物を高温に加熱し、この熱により粉体塗料のレベリングおよび硬化が進行する。このため塗料組成物の各成分の性能に加え、塗装後の加熱温度、溶融時の流れ性、硬化性(硬化速度)により塗膜の性能が決定する。
【0003】
一般的に粉体塗料用のエポキシ樹脂としてはビスフェノールA(BPA)型固形エポキシ樹脂が使用されているが、溶融時の流れ性と硬化性から、形成塗膜の性能を維持するためには180〜220℃の高温の硬化温度を必要とする。このため、多大なエネルギーを必要とし、且つ硬化反応終了後、被塗物が冷却するまでの間も高温下にあることから塗膜劣化が起こり易く、長期防食性について十分な性能が得られていない。従って、低温硬化が可能であり、且つ長期防食性に優れる塗膜が得られるエポキシ樹脂が求められている。これらの問題点を解決する手段として、溶融時の粘度が低く塗料とした時の流れ性が良好で、低温硬化が可能である2,5−ジ−ターシャリーブチルハイドロキノンとエピクロルヒドリンとの反応物である結晶性エポキシ樹脂を用いた粉体塗料用組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、該塗料を用いた塗膜の長期防食性においては、満足できるレベルではない。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−138502号公報(第2−3頁)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記実情に鑑み、本発明の課題は、塗料の流れ性や塗膜の光沢、機械的特性等に優れ、かつ低温硬化時においても高い防食性を有する固形エポキシ樹脂組成物、およびそれを用いた粉体塗料用樹脂組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、ビス(ヒドロキシフェニル)ポリ(オキシフェニレン)の残基を骨格に有する固形エポキシ樹脂を塗料に用いることによって、塗料の流れ性や塗膜の光沢、機械的特性等に優れ、かつ低温硬化時における防食性を著しく改善できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明は、ビス(ヒドロキシフェニル)ポリ(オキシフェニレン)(a1)の残基を骨格に含有する固形エポキシ樹脂(A)と硬化剤(B)を含むことを特徴とするエポキシ樹脂組成物、及びそれを用いた粉体塗料用樹脂組成物を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明で用いる固形エポキシ樹脂(A)としては、ビス(ヒドロキシフェニル)ポリ(オキシフェニレン)(a1)の残基を骨格に有すればよく、その構造として特に限定されるものではない。
【0009】
前記固形エポキシ樹脂(A)のエポキシ当量及び軟化点としては、得られるエポキシ樹脂の貯蔵時におけるブロッキングの発生を抑えられ、また、これを用いた粉体塗料組成物の流れ性が良好である点から、エポキシ当量が400〜1300g/eqであり、且つ環球法(5℃/分昇温法)による軟化点が70〜105℃である事が好ましく、エポキシ当量が600〜1300g/eqであり、且つ軟化点が80〜105℃であることが特に好ましい。
【0010】
前記固形エポキシ樹脂(A)中のビス(ヒドロキシフェニル)ポリ(オキシフェニレン)(a1)の残基の含有量としては、特に制限されるものではないが、得られるエポキシ樹脂組成物の塗膜の耐食性及び機械物性が良好である点から、ビス(ヒドロキシフェニル)ポリ(オキシフェニレン)(a1)の残基と後述する他のフェノール類(a3)の残基の重量比が5/95〜99/1であることが好ましく、10/90〜50/50であることが特に好ましい。
【0011】
前記ビス(ヒドロキシフェニル)ポリ(オキシフェニレン)(a1)としては、置換基を有していても良い2個以上の芳香環がエーテル結合によって連結され、両末端の芳香環にヒドロキシ基を置換基として有している構造であれば、特に制限されるものではないが、例えば、下記一般式(1)
【化2】
(式中nは0〜5であり、R1〜R12は水素原子または炭素原子数1〜4の炭化水素基である。)
で表されるものが挙げられる。
【0012】
前記一般式(1)中のR1〜R12はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、例えば、ジヒドロキシジフェニルエーテル、ビス(ジメチルヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(t−ブチルヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(ヒドロキシフェニルオキシ)ベンゼン、ビス(ジエチルヒドロキシフェニルオキシ)ベンゼン等が挙げられる。これらの化合物は、1種類で用いることも、長さの異なる混合物を用いても良く、また、種類の異なる化合物の混合物として使用することも可能である。
【0013】
これらの中でも、得られる塗膜の長期防食性に優れる点から、前記一般式(1)中のnが0〜2であり、R1〜R12が水素原子であり、エーテル結合がヒドロキシ基に対してパラ位で連結された構造であることが好ましく、特にnが0である化合物を70〜99重量%含有する化合物であることが好ましく、98重量%以上の純度を有する4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルが特に好ましい。また、得られる固形エポキシ樹脂(A)の溶融粘度が低く、粉体塗料を調製する際の作業性が良好で、かつ得られる塗膜の黄変性が抑えられる点からは、芳香環にt−ブチル基を置換基として有し、エーテル結合がヒドロキシ基に対してオルト位またはパラ位であることが好ましく、ビス(t−ブチルヒドロキシフェニル)エーテルが特に好ましい。
【0014】
前記一般式(1)で表される化合物の製造方法としては特に限定されるものではないが、例えば、置換基を有していても良いハイドロキノン、カテコール、レゾルシン等のジヒドロキシベンゼンを、活性白土等の固体酸触媒を用いて脱水反応を行うことによって得ることができ、また、製品等として入手したものをそのまま使用することも可能である。
【0015】
本発明で用いる固形エポキシ樹脂(A)は前述のビス(ヒドロキシフェニル)ポリ(オキシフェニレン)(a1)の残基を骨格に有するものであるが、これ以外に、他のフェノール類(a3)の残基を有していても良い。ここで用いることができる他のフェノール類(a3)としては、特に限定されるものではないが、例えば、フェノール、クレゾール、p−t−ブチルフェノール等の1価フェノール類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、テトラブロモビスフェノールA、ビスクレゾールF、ビスフェノールS等のビスフェノール類、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、プロピルジヒドロキシベンゼン、ジプロピルジヒドロキシベンゼン、ブチルジヒドロキシベンゼン、ジブチルジヒドロキシベンゼン、オクチルジヒドロキシベンゼン、ジオクチルジヒドロキシベンゼン、ノニルジヒドロキシベンゼン、ジノニルジヒドロキシベンゼン等のジヒドロキシベンゼン類、ビフェノール、ナフタレン等が挙げられ、得られる固形エポキシ樹脂(A)を用いた塗膜の基材に対する密着性が良好であり、且つ防食性に優れる点からは、ビスフェノールA、ビスフェノールFの残基を骨格に有することが好ましい。
【0016】
前記固形エポキシ樹脂(A)の製造方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、以下の▲1▼〜▲3▼で示される方法が挙げられる。
【0017】
▲1▼ビス(ヒドロキシフェニル)ポリ(オキシフェニレン)(a1)を必須とするフェノール類とエピハロヒドリンとを反応させる方法。
▲2▼▲1▼で得られたエポキシ樹脂をさらにビス(ヒドロキシフェニル)ポリ(オキシフェニレン)(a1)及び/又は他のフェノール類(a3)で伸長反応させる方法。
▲3▼他のフェノール類(a3)とエピハロヒドリンから得られるエポキシ樹脂をビス(ヒドロキシフェニル)ポリ(オキシフェニレン)(a1)を含むフェノール類で伸長反応させる方法。
【0018】
まず▲1▼の手法について説明する。
この手法は、従来フェノール類とエピハロヒドリンを用いてエポキシ樹脂を得る製法と同様であり、フェノール類として、ビス(ヒドロキシフェニル)ポリ(オキシフェニレン)(a1)を必須とするものであればよく、特に制限されるものではないが、例えば、用いるフェノール類中の全水酸基の1当量に対し、エピハロヒドリンを0.3〜10当量添加し、塩基の存在下に、40〜100℃で常圧または、減圧下で、必要に応じて、溶媒を用いて反応を行う方法が挙げられる。
【0019】
前記溶媒としては、例えば、イソプロピルアルコール、ブタノール等のアルコール類、ジオキサン等のエーテル類、ジメチルスルフォキシド、1,3−ジメチルイミダゾリジノン等の非プロトン性極性溶媒を挙げることができる。
【0020】
塩基としては特に限定されるものではないが、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化バリウム、酸化マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられる。この中でも水酸化カリウム及び水酸化ナトリウムが好ましい。また、これらの塩基は水溶液、固形のいずれでも好適に用いられる。
【0021】
前記エピハロヒドリンとしては特に限定されるものではないが、例えば、エピクロルヒドリン、β−メチルエピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、β−メチルエピブロモヒドリン等が挙げられる。これらの中でも反応性の点からエピクロルヒドリンが好ましい。
【0022】
また、本発明の効果を損なわない範囲で、用いるフェノール類としてビス(ヒドロキシフェニル)ポリ(オキシフェニレン)(a1)以外の前述の他のフェノール類(a3)を併用しても良い。
【0023】
次いで、▲2▼の、▲1▼で得られたエポキシ樹脂をさらにビス(ヒドロキシフェニル)ポリ(オキシフェニレン)(a1)及び/又は他のフェノール類(a3)で伸長反応させる方法について説明する。
【0024】
この伸長反応は、触媒存在下で120〜220℃で加熱攪拌することによって行うことができる。前記触媒としては、特に限定されるものではないが、例えば、オニウム塩、ホスフィン類、アルカリ金属水酸化物等が挙げられ、その使用量としては、原料として用いるエポキシ樹脂とフェノール類の合計100重量部に対して0.001〜0.1重量部の範囲であることが好ましい。また反応時間としては、反応途中の樹脂のエポキシ当量を測定することによって反応を追跡し、所望のエポキシ当量に達するまでの時間を必要とするが、得られる固形エポキシ樹脂の安定性を考慮し、1〜15時間の範囲であることが好ましい。
【0025】
また、エポキシ樹脂とフェノール類の仕込み比としては、所望の固形エポキシ樹脂(A)のエポキシ当量から算出することが好ましい。
【0026】
次いで、前記▲3▼の他のフェノール類(a3)とエピハロヒドリンから得られるエポキシ樹脂をビス(ヒドロキシフェニル)ポリ(オキシフェニレン)(a1)を含むフェノール類で伸長反応させる方法について説明する。
【0027】
ここで用いることができるエポキシ樹脂としては、前記▲1▼の製造方法と同様にして、他のフェノール類(a3)とエピハロヒドリンとを原料として得られるものであり、また、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスクレゾールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ樹脂等として製品として入手することも可能である。これらの中でも、得られる固形エポキシ樹脂(A)を用いた粉体塗料の硬化性が良好であり、得られる塗膜の耐衝撃性、防食性に優れる点から、ビスフェノール型エポキシ樹脂(a2)を用いることが好ましく、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂を用いることが特に好ましい。
【0028】
この伸長反応は、前述の▲2▼の手法と同様に行うことができ、エポキシ樹脂とフェノール類の仕込みの比率は、所望の固形エポキシ樹脂(A)のエポキシ当量から算出することが好ましい。
【0029】
上記の▲1▼〜▲3▼の方法で得られる固形エポキシ樹脂(A)の中でも、▲3▼の方法で得られるものがエポキシ当量及び分子量の調整、ビス(ヒドロキシフェニル)ポリ(オキシフェニレン)(a1)の樹脂中への導入量の調整が容易であることから、所望とする性質を有する点から好ましく、特にビスフェノール型エポキシ樹脂をビス(ヒドロキシフェニル)ポリ(オキシフェニレン)(a1)で伸長反応させて得られる固形エポキシ樹脂(A)を用いることが好ましい。
【0030】
また、本発明のエポキシ樹脂組成物には、前記手法によって得られる固形エポキシ樹脂(A)の他に、さらに本発明の効果を損なわない範囲で、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジヒドロキシベンゼン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ樹脂等の固形エポキシ樹脂を併用してもよく、この場合の配合量としては、組成物中のエポキシ樹脂全体に対して、30重量%以下であることが好ましい。
【0031】
本発明で用いる硬化剤(B)としては、特に限定されるものでないが、アミン系硬化剤(b1)、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂が挙げられる。これらの中でも、アミン系硬化剤(b1)としては、イミダゾール類、有機酸ヒドラジン、ジシアンジアミドが好ましい。
【0032】
前記イミダゾール類としては、例えば、メチルイミダゾール、メチルイミダゾリン、ドデシルイミダゾール、ドデシルイミダゾリン、ヘプタデシルイミダゾール、ヘプタデシルイミダゾリン、フェニルイミダゾール、フェニルイミダゾリン、それらの1−シアノエチル化物、イソシアヌル酸付加物、トリメリット酸付加物、イミダゾール、イミダゾリン類とビスフェノール類との反応物等が挙げられる。前記イミダゾール類を硬化剤(B)として使用する場合の配合量は、本発明のエポキシ樹脂組成物中の全エポキシ樹脂100重量部に対し、0.1〜10重量部の範囲であることが好ましい。
【0033】
前記ジシアンジアミドを硬化剤(B)として使用する場合の配合量は、本発明のエポキシ樹脂組成物中の全エポキシ樹脂100重量部に対し、0.1〜10重量部の範囲であることが好ましい。
【0034】
有機酸ヒドラジンとしては、貯蔵安定性が飛躍的に向上し、かつ硬化後に加熱を行う場合の黄変性が著しく改善される点からポリカルボン酸ポリヒドラジド、及びその誘導体が好ましく、例えば、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバチン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド等及びそれらの誘導体が挙げられる。前記有機酸ヒドラジンを硬化剤(B)として使用する場合の配合量は、本発明のエポキシ樹脂組成物中の全エポキシ樹脂100重量部に対し、2〜15重量部の範囲であることが好ましい。
【0035】
前記ポリエステル樹脂としては、塗膜物性、塗料製造性が良好である点から多価カルボン酸と多価アルコールを反応させて得られる、1分子中に少なくとも2個のカルボキシル基を有する軟化点が80〜130℃であるカルボキシル基含有ポリエステル樹脂(b2)が好ましく、例えばファインディックM−8520(大日本インキ化学工業株式会社製:軟化点105℃)、ファインディックM−8850(大日本インキ化学工業株式会社製:軟化点104℃)、ファインディックM−8841(大日本インキ化学工業株式会社製:軟化点114℃)、ファインディックM−8630(大日本インキ化学工業株式会社製:軟化点119℃)、ファインディックM−8860(大日本インキ化学工業株式会社製:軟化点113℃)等が挙げられる。前記ポリエステル樹脂を硬化剤(B)として使用する場合の配合量は、本発明のエポキシ樹脂組成物中の全エポキシ樹脂100重量部に対し、25〜400重量部の範囲であることが好ましい。
【0036】
前記フェノール樹脂としては、常温で固形であれば特に限定されず、例えば、フェノールホルムアルデヒド樹脂、クレゾールホルムアルデヒド樹脂、ビスフェノールAホルムアルデヒド樹脂及びそれらとトリアジンとの反応物、ビスフェノール類とビスフェノール型エポキシ樹脂との反応物等が挙げられ、これらの中でも粉体塗料としての貯蔵安定性、流動性に優れる点から軟化点80〜130℃のフェノール樹脂(b3)が好ましく、具体的にはフェノライトTD−2090(大日本インキ化学工業株式会社製:軟化点120℃)、フェノライトVH−4170(大日本インキ化学工業株式会社製:軟化点105℃)、フェノライトKH−6115(大日本インキ化学工業株式会社製:軟化点115℃)等の製品として入手できるものが挙げられる。前記フェノール樹脂を硬化剤(B)として使用する場合の配合量は、本発明のエポキシ樹脂組成物中の全エポキシ樹脂100重量部に対し、4〜40重量部の範囲であることが好ましい。また、ビスフェノールAホルムアルデヒド樹脂の場合は、本発明のエポキシ樹脂組成物中の全エポキシ樹脂100重量部に対し、15〜250重量部の範囲で配合してもよい。
【0037】
本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じて硬化促進剤を併用しても良い。硬化促進剤としては特に限定されるものではないが、例えば、コハク酸、アジピン酸、サリチル酸、スベリン酸、セバチン酸等の有機酸、2,4,6−トリ(ジメチルアミノメチル)フェノール、ベンジルジメチルアミン、1,8−ジアザビシクロ−[5,4,0]−ウンデセン(DBU)等の第3級アミン類、トリフェニルホスフィン(TPP)等の3級ホスフィン類が挙げられる。これらの硬化促進剤は、本発明のエポキシ樹脂組成物中の全エポキシ樹脂100重量部に対して、0.01〜5重量部の範囲で使用することが好ましい。
【0038】
本発明の粉体塗料用樹脂組成物は、前述の本発明のエポキシ樹脂組成物を含んでなるものであり、必要に応じて更に充填材を配合することが好ましい。前記充填材としては、特に制限されるものではないが、例えば硫酸バリウム、酸化チタン、タルク、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、シリカ、マイカ、アルミナ等の体質顔料、カーボンブラック、フタロシアニングリーン、フタロシアニンブルー等の着色剤を挙げることができる。前記充填材の使用量は特に限定されるものではないが、粉体塗料用樹脂組成物中の10〜50重量%となる範囲であることが好ましい。
【0039】
本発明の粉体塗料用樹脂組成物を用いて粉体塗料を調製する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、固形エポキシ樹脂(A)及び硬化剤(B)、必要に応じて、充填材、硬化促進剤、その他の添加剤などを粗粉砕、配合した後、ヘンシェルミキサー等の粉砕機を用いて充分に粉砕、混合し、これを加熱されたニーダーを用いて溶融混練し、冷却後粉砕、分級する方法が挙げられる。
【0040】
前記手法によって得られる粉体塗料としては、平均粒子径20〜150μmであることが好ましい。
【0041】
【実施例】
以下に本発明を実施例により詳述するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、実施例中特に断りのない限り、「部」「%」は重量基準である。
【0042】
合成例1 ビス(ヒドロキシフェニル)ポリ(オキシフェニレン)の合成
水分離装置を付けた1000mlの4つ口フラスコに、ハイドロキノン100g、メシチレン200g及び活性白土SA−35(日本活性白土社製:水分含有率8.0重量%)17gを入れ、脱水操作を実施しながら160℃で4時間二量化反応させた。脱水二量化反応後、60℃の水200gを加え、系内を攪拌下に80℃まで加熱して未反応のハイドロキノンと脱水二量化反応で得られた4,4‘−ジヒドロキシジフェニルエーテル類とを溶解させた後、80℃でろ過して固体酸触媒の活性白土をろ別し、ろ液を20℃まで冷却した。析出した結晶をろ過して採取し、水で洗浄後、減圧乾燥を行って4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル(a1−1)を得た。
【0043】
合成例2 ビス(ヒドロキシフェニル)ポリ(オキシフェニレン)の合成
ハイドロキノン100gの代わりにハイドロキノン50gとt−ブチルハイドロキノン50gを用いた以外は実施例1と同様に脱水二量化反応と分離操作を行って、芳香環の一部にt−ブチル基を有するジヒドロキシジフェニルエーテル(a1−2)を得た。
【0044】
合成例3 エポキシ樹脂の合成
攪拌機、温度計、冷却器を備えた、2リットルの四つ口フラスコにビスフェノールA型エポキシ樹脂、EPICLON 850−S(大日本インキ化学工業社製 エポキシ当量=188g/eq)1450g、ビスフェノールA450g、合成例1で得られた4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル(a1−1)100gと、50%テトラメチルアンモニュウムクロライド0.3gを入れ攪拌をし、140℃まで約2時間かけ昇温し、更に140℃で6時間攪拌しエポキシ樹脂(A−1)を得た。得られたエポキシ樹脂は、エポキシ当量=721g/eq、軟化点=91℃であった。
【0045】
合成例4 エポキシ樹脂の合成
攪拌機、温度計、冷却器を備えた、2リットルの四つ口フラスコにビスフェノールF型エポキシ樹脂、EPICLON 830−S(大日本インキ化学工業社製 エポキシ当量=170g/eq)1391g、ビスフェノールF509g、合成例1で得られた4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル(a1−1)100gと、50%テトラメチルアンモニュウムクロライド0.3gを入れ攪拌をし、140℃まで約2時間かけ昇温し、更に140℃で6時間攪拌しエポキシ樹脂(A−2)を得た。得られたエポキシ樹脂は、エポキシ当量=921g/eq、軟化点=91℃であった。
【0046】
合成例5 エポキシ樹脂の合成
攪拌機、温度計、冷却器を備えた、2リットルの四つ口フラスコにビスフェノールA型エポキシ樹脂、EPICLON 850−S(大日本インキ化学工業社製 エポキシ当量=188g/eq)1435g、ビスフェノールA465g、合成例2で得られた(a1−2)100gと、50%テトラメチルアンモニュウムクロライド0.3gを入れ攪拌をし、140℃まで約2時間かけ昇温し、更に140℃で6時間攪拌しエポキシ樹脂(A−3)を得た。得られたエポキシ樹脂は、エポキシ当量=726g/eq、軟化点=89℃であった。
【0047】
合成例6 エポキシ樹脂の合成
攪拌機、温度計、冷却器を備えた、2リットルの四つ口フラスコにビスフェノールA型エポキシ樹脂、EPICLON 850−S(大日本インキ化学工業社製 エポキシ当量=188g/eq)1458g、ビスフェノールA442g、2−ターシャルブチルハイドロキノン50g、合成例1で得られた4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル(a1−1)50gと、50%テトラメチルアンモニウムクロライド0.3gを入れ攪拌をし、140℃まで約2時間かけ昇温し、更に140℃で6時間攪拌しエポキシ樹脂(A−4)を得た。得られたエポキシ樹脂は、エポキシ当量=720g/eq、軟化点=91℃であった。
【0048】
実施例1〜8
合成例3〜6で得られたエポキシ樹脂(A−1)〜(A−4)を、表1−1〜2に記載の割合で配合し、ヘンシェルミキサーを用いて充分に粉砕、混合しエポキシ樹脂組成物を得た。その後、エクストルーダーとして、Buss社製 コ・ニーダーPCS−30を用い、バレル温度を80〜90℃に加熱しながら溶融混練し、押出し、冷却後粉砕、分級して粒径20〜50μmの粉体塗料(P1〜P8)を得た。
【0049】
比較例1〜4
特許文献1で用いられたエポキシ樹脂(東都化成株式会社製、エポトートYDC−1312、エポキシ当量176g/eq、融点141℃)及びBPA型固形エポキシ樹脂 EPICLON AM−041−P(大日本インキ化学工業株式会社製、エポキシ当量770g/eq、軟化点96℃)を用いた以外は、上記実施例と同様にしてエポキシ樹脂組成物および粉体塗料(Q1〜Q4)を調製した。
【0050】
応用例1〜8、及び比較応用例1〜4
得られた前記粉体塗料(P1〜P8及びQ1〜Q4)を用いて、印加電圧−70kVにて幅70mm×長150mm×厚0.8mmのリン酸亜鉛鋼板へ静電塗装を行った後、電気式乾燥機中にて焼付を行い、硬化後の膜厚が60μmの塗膜を得た。得られた塗膜の外観、硬化性、耐衝撃試験、塩水噴霧試験、光沢を以下の基準に従って行った。結果を表2−1〜2に示す。
【0051】
硬化塗膜の外観
塗膜表面の平滑度を目視で確認した。ユズ肌、ピンホール等の異常が確認されない場合を良好とした。
○:良好、×:不良
【0052】
硬化性
塗膜面のキシレンによる溶剤ラビング性を調べ、基材に到達するまでに100回以上を要した場合を良好とした。
○:良好、×:不良
【0053】
耐衝撃性試験
JIS K 5400−1990の8・3・2(デュポン式衝撃試験)により、500gでの耐衝撃高さを確認した。単位はcmである。
【0054】
塩水噴霧試験
塗膜面に基材に達する傷を入れ、35℃で5%NaCl水溶液を1000時間連続噴霧した後の塗膜の状態、および傷口にナイフをいれてのクリープの剥離幅を確認した。状態は膨れが発生した場合を不良とした。また、剥離幅の単位はmmである。
○:問題なし、×:膨れ発生
【0055】
光沢
JIS K 5600−4−7(鏡面光沢度)により、入射角20℃での鏡面光沢度を確認した。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】
【表3】
【0059】
【表4】
【0060】
【発明の効果】
本発明のよれば、塗料の流れ性や塗膜の光沢、機械的特性等に優れ、かつ低温硬化時においても高い防食性を有する固形エポキシ樹脂組成物、およびそれを用いた粉体塗料用樹脂組成物を提供できる。
Claims (8)
- ビス(ヒドロキシフェニル)ポリ(オキシフェニレン)(a1)の残基を骨格に含有する固形エポキシ樹脂(A)と硬化剤(B)を含むことを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
- 固形エポキシ樹脂(A)がビスフェノール型エポキシ樹脂(a2)をビス(ヒドロキシフェニル)ポリ(オキシフェニレン)(a1)で伸長反応させて得られるエポキシ樹脂である請求項1記載のエポキシ樹脂組成物。
- 固形エポキシ樹脂(A)がエポキシ当量が400〜1300g/eq、且つ軟化点が70〜105℃である請求項3記載のエポキシ樹脂組成物。
- 硬化剤(B)がアミン系硬化剤(b1)である請求項3記載のエポキシ樹脂組成物。
- アミン系硬化剤(b1)が、イミダゾール類、有機酸ヒドラジン、又はジシアンジアミドである請求項5記載のエポキシ樹脂組成物。
- 硬化剤(B)が、軟化点90〜130℃であるカルボキシル基含有ポリエステル樹脂(b2)、または軟化点70〜130℃であるフェノール樹脂(b3)である請求項3記載のエポキシ樹脂組成物。
- 請求項1〜7の何れか1項記載のエポキシ樹脂組成物を含むことを特徴とする粉体塗料用樹脂組成物。
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---|---|---|---|
JP2003066366A JP2004269824A (ja) | 2003-03-12 | 2003-03-12 | エポキシ樹脂組成物、及び粉体塗料用樹脂組成物 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011150024A (ja) * | 2010-01-19 | 2011-08-04 | Seiko Epson Corp | 液体現像剤および画像形成装置 |
RU2472829C1 (ru) * | 2011-07-13 | 2013-01-20 | Общество с ограниченной ответственностью "УралХимГрупп" | Эмаль для нанесения защитных покрытий |
RU2654753C1 (ru) * | 2016-12-19 | 2018-05-22 | Акционерное общество "Научно-исследовательский институт полимерных материалов" | Эмаль для атмосферостойких коррозионностойких покрытий |
-
2003
- 2003-03-12 JP JP2003066366A patent/JP2004269824A/ja active Pending
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