JP4903463B2 - 排版装置および孔版印刷装置 - Google Patents

排版装置および孔版印刷装置 Download PDF

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Description

本発明は、印刷ドラムの外周面に巻き付けられた使用済みの孔版原紙とも呼ばれるマスタを排版する排版装置およびそれを有する孔版印刷装置に関する。
従来より、加熱穿孔製版したマスタを回転自在な版胴の外周面に巻装し、版胴内部に設けられたインキ供給手段によりインキを供給し、プレスローラあるいは版胴と略同径の圧胴等の押圧手段で印刷用紙(以下、「用紙」という)を版胴上の製版済みのマスタに対して連続的に押圧して、版胴開孔部、マスタ穿孔部よりインキを滲み出させて印刷を行う感熱デジタル式の孔版印刷装置が知られている。
版胴は、多孔性の支持円筒体に、樹脂あるいは金属網体のメッシュスクリーンを複層巻装した構成を有している。以下、この明細書では、「版胴」をその外周部に備えた「印刷ドラム」として表現することとし、「版胴」のことを単に「印刷ドラム」というときがある。
マスタは、熱可塑性樹脂フィルム(以下、単に「フィルム」という)に、多孔質支持体(以下、単に「支持体」という)を構成する和紙繊維や合成繊維、あるいは和紙と合成繊維とを混抄したものを貼り合わせたラミネート構造を有している。フィルムの厚みは、大体1〜2μm程度のものが一般に用いられる。マスタのフィルム面をサーマルヘッドの発熱素子に接触させ、サーマルヘッドを主走査方向に作動させ、搬送手段としてのプラテンローラ等でマスタを副走査方向に移動させながら加熱穿孔製版するようになっている。
印刷に供された使用済みのマスタは、排版装置の排版ローラ対により挟持され、版胴の外周面から剥離されて排版ボックス内に収容されるようになっている。
従来の排版装置の好例としては、排版ローラ対の一方のローラの脇に複数の弾性羽根がその遠心方向に放射状に延びる羽根ローラを設け、弾性羽根が他方のローラの外周面に弾性的に曲がり変形しながら当接するようにし、弾性羽根で剥離されたマスタ(以下、「剥離済みのマスタ」という)を引き込むと共に、弾性羽根の弾性変形による復元反発力で剥離済みのマスタを叩いて上記一方のローラの外周面に巻き付かないようにした排版装置が知られている。そして、弾性羽根は、その断面が長方形の角柱ないしは板状に形成されており、他方のローラの周面に対して一方のローラと弾性羽根が略同等の幅割合で接触するようになっている(例えば、特許文献1参照)。
また、製版済みのマスタの先端部をクランプ・保持する開閉可能なクランパ(保持手段)の近傍に、クランパの開閉動作と連動して揺動可能に配設され、印刷ドラムの外周面に巻き付けられた使用済みのマスタの先端部を印刷ドラムの略遠心方向へ蹴り出す爪状部材を印刷ドラムの軸線方向に沿って複数備えた弾性薄板(蹴り出し手段)を有する孔版印刷装置における原紙係止装置も既に公知である(例えば、特許文献2参照)。
この特許文献2(特開平6−247031号公報(=特許第2803954号公報))記載の技術によれば、クランパを給版および排版に必要な所定の角度にそれぞれ開くことができることにより比較的簡素な機構の自動給版および自動排版装置を使用することが可能となると共に、排版位置においてクランパが排版に必要な大きい角度に開かれ、クランパと連動して揺動する弾性薄板が凹部から印刷ドラム(版胴)の遠心方向へ突出する向きに揺動されるので、使用済みのマスタ(原紙)の確実な排版を実現することができ、加えてその機構の簡単化により装置の小型軽量化を図ることができ、信頼性が高く、廉価に生産できる原紙係止装置を提供することができるという効果を奏するものである。
また、特許文献3(特開2004−195873号公報)に記載された排版装置によれば、排版ローラ対の回転開始を保持手段による使用済みのマスタの先端部の開放前に行い、かつ、上記排版ローラ対によって使用済みのマスタの先端部が挟持された状態での上記排版ローラ対の回転動作を所定時間保持するように構成することにより、例えば比較的支持体の厚みの薄い低強度のマスタであっても、排版ローラ対(のニップ部)と印刷ドラムの外周面との間の使用済みのマスタを確実に伸張してから排版収納動作を行うようにし、排版ローラ対による使用済みのマスタの先端部の挟持を確実にして、使用済みのマスタの片側とか局部が挟まれないまま弛んだ状態で排版収納動作を行うことを防止して、マスタの幅方向に亘り略全面で一定した量のマスタを例えばマスタ収納部に送り込み、使用済みのマスタの収納時の折り畳み動作を安定させ、途中で折れたり引っかかり排版ジャムになってしまうことを防止するというものである。
ところで、孔版印刷装置では、インキが多孔質支持体である和紙繊維とフィルムの穿孔部を通過して印刷用紙に転移する訳であるが、支持体が厚いとその支持体の空隙部に入り込んで捨てられる無駄な廃棄インキ量が多くなってしまったり、支持体繊維が複雑に絡み合って塊となっている部分とか、太い繊維が穿孔部分を横切っている場合などに、インキの通過が阻害されて画像のベタ部が抜けたり、細線や文字が切れたりかすれたりする「繊維目」と呼ばれる現象が発生するという不具合があった。
そこで、近年、廃棄インキ等の低減を兼ねて多孔質支持体の厚み自体を薄くしたり、あるいは支持体繊維を細くしたりして繊維目による画質劣化を低減させる試みがなされている。
このように、マスタの強度を担っている支持体が薄くなったり、密度が下がってくると、マスタ自体の強度(剛性・剛度)が大幅に下がって従来よりも曲がりやすくなる。また、このようなマスタの製作は、技術的に高いレベルのものであることから、マスタ自体が高価なものとなる。
特開2000−43394号公報 特開平6−247031号公報 特開2004−195873号公報
排版ローラに対するマスタの巻き付き防止に関しては、幾つかの防止策が講じられており、その一例としては、例えば、特許文献2(特開平6−247031号公報(=特許第2803954号公報))、特許文献3(特開2004−195873号公報)などに記載されたものが知られている。
特許文献2(特開平6−247031号公報(=特許第2803954号公報))記載の技術では、上述した弾性薄板(蹴り出し手段)がクランパと連動して揺動して、クランパベースに形成されたU字形状の溝部(凹部)から印刷ドラム(版胴)の遠心方向へ突出する向きに揺動されるので、使用済みのマスタ(孔版原紙)の確実な排版を提供している。
しかしながら、排版ローラに対する使用済みのマスタの巻き付きを完全に消滅するのは非常に困難であり、クランパから開放されたマスタの先端部が急激に回転し始める排版ローラに跳ね返され不安定な挙動になり、そのマスタの片側や局部だけが排版ローラ対に挟まれない状態になり、排版ローラ対に対するマスタの巻き付きが発生するという問題があった。特に、比較的支持体の厚みの薄い低強度のマスタを印刷ドラムの外周面から剥離排版する際には、上記弾性薄板(蹴り出し手段)を採用しても、マスタの腰の強さ(強度)が下がることにより、使用済みのマスタの先端部がクランパから開放された時のそのマスタ先端部の挙動が不安定になり、波打ちし易くなって排版装置への入り込みが不安定になってしまうという問題点があった。
特許文献3(特開2004−195873号公報)に記載された排版装置では、先述のような比較的支持体の厚みの薄い低強度のマスタであっても、排版ローラ対による使用済みのマスタの先端部の挟持を確実にして、途中で折れたり引っかかり排版ジャムになってしまうことを防止するというものであった。
しかしながら、特許文献3においても、排版ローラに対する使用済みのマスタの巻き付きを完全に消滅するのは非常に困難であり、クランパから開放された使用済みのマスタの先端部が回転する排版ローラに跳ね返され不安定な挙動になり、そのマスタの片側だけが排版ローラ対に挟まれない状態になり、排版ローラ対に対するマスタの巻き付きが発生するという問題点があった。
また、多孔質支持体の厚み自体を薄くしたり、あるいは支持体繊維を細くしたりして繊維目による画質劣化を低減させるようなマスタの製作は、技術的に高いレベルのものであるため、マスタ自体が高価なものとなってしまう。それ故に、高画質を必要としない場合は、低コストのマスタ、つまり強度の高いマスタを使用することになる。このような高強度のマスタを、特許文献3(特開2004−195873号公報)記載の排版装置で排版した場合には、回転する排版ローラ対に強度の高いマスタの先端部を飛びこませることになるため、そのマスタの先端部は低強度のマスタの場合に比べて、より一層跳ね返されてしまい、不安定な挙動になって、排版ローラ対ヘの巻付きを発生させてしまうことがあった。
そこで、本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、排版ローラ対の回転速度を適正に制御することにより、使用済みのマスタの先端部を排版ローラ対のニップ部に確実に引き込み挟持し、マスタを略均一に伸張することができる新規な排版装置およびそれを有する孔版印刷装置を提供することを主な目的とする。
上述した課題を解決するとともに上述した目的を達成するために、各請求項ごとの発明では、以下のような特徴ある手段・発明特定事項(以下、「構成」という)を採っている。
請求項1記載の発明は、製版済みのマスタの先端部を保持する保持手段を備えた印刷ドラムの外周面に巻き付けられた使用済みのマスタを挟持して剥離しながら引き込む排版ローラ対を有し、該排版ローラ対の一方のローラ側には該一方のローラと同期回転する羽根部材が設けられ、該羽根部材は上記一方のローラの外周面よりもその遠心方向へ延びる複数の弾性羽根を具備し、該弾性羽根は弾性変形しながら上記排版ローラ対の他方のローラの外周面に接触するようにした排版装置において、上記保持手段が使用済みのマスタの先端部を開放した後に、上記排版ローラ対をして回転開始させ、上記印刷ドラムから使用済みのマスタを剥離しながら引き込みする際の上記排版ローラ対の回転速度に関して、上記排版ローラ対により使用済みのマスタの先端が挟持されるまでの間は、剥離された使用済みのマスタの先端を挟持して剥離搬送する時の上記排版ローラ対の回転速度よりも低速の第1周速度で上記排版ローラ対を回転させ、該排版ローラ対により使用済みのマスタの先端部を挟持した後から上記排版ローラ対と上記印刷ドラムの外周面との間で使用済みのマスタを略均一に伸張する際には、第1周速度より徐々に速くして第2周速度で回転させ、使用済みのマスタを略均一に伸張した後、そのマスタを上記印刷ドラムから剥離搬送する際には、上記排版ローラ対を第2周速度よりも速い第3周速度で回転させることにより、第1周速度<第2周速度<第3周速度としたことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の排版装置において、上記複数の弾性羽根の長さが、上記一方のローラの円周方向で異なるように短い羽根と長い羽根とが互い違いに形成されていることを特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項1記載の排版装置において、上記複数の弾性羽根の長さが、上記一方のローラの円周方向で異なるように形成され、かつ、上記回転軸線方向で略等しく形成されており、上記長さの相違する上記複数の弾性羽根に対応して、該羽根の厚みを含む形状が異なっていることを特徴とする排版装置。
ここで、「上記複数の弾性羽根の長さが、上記一方のローラの円周方向で異なるように形成され」とは、後述の実施形態や変形例等に示したように一方のローラの円周方向で1つずつ互い違いに形成されている状態、または複数本ずつ互い違いに形成されている状態を含む他、長い弾性羽根の間に複数の短い弾性羽根群が形成されている状態や、長い弾性羽根が一方のローラの円周方向に連続して複数形成された長い弾性羽根群同士の間に少なくとも1つの短い弾性羽根が形成されているような状態も含まれる。
また、「回転軸線方向で略等しく形成されている」とは、羽根部材の回転軸線方向において、弾性羽根の長さが等しいことを含む他、弾性羽根の長さが公差設定内にあることを意味する。換言すれば、弾性羽根の先端が同一の円周面上にある、すなわち弾性羽根の先端が揃っていることを意味する(以下、同様)。
請求項記載の発明は、製版済みのマスタの先端部を保持する保持手段を備え該製版済みのマスタを外周面に巻き付ける印刷ドラムと、上記保持手段の近傍に揺動可能に配設され、上記印刷ドラムの外周面に巻き付けられた使用済みのマスタの先端部を上記印刷ドラムの略遠心方向へ蹴り出す爪状部を上記印刷ドラムの軸線方向に沿って複数備えた蹴り出し手段と、上記印刷ドラムの外周面上の使用済みのマスタを剥離し排版する排版装置とを具備する孔版印刷装置において、上記排版装置は、請求項1ないしの何れか一つに記載のものであることを特徴とする孔版印刷装置である。
本発明によれば、上記課題を解決して新規な排版装置およびそれを有する孔版印刷装置を提供することができる。主な発明の効果を挙げれば、以下のとおりである。
請求項1記載の発明によれば、上記構成により、排版ローラ対の回転速度に関して、低速である第1周速度から徐々に第2周速度へと速くすることにより、使用済みのマスタの先端部の角部が排版ローラに跳ね返されて耳折れしたり破れてしまったりすることなく、使用済みのマスタの先端部を確実に挟持することができるとともに、印刷ドラムの外周面と排版ローラ対との間の使用済みのマスタを略均一に伸張することができる。これにより使用済みのマスタの片側とか局部が挟まれないまま弛んだ状態で排版収納動作が行われる場合と違って、マスタ幅方向に亘り略全面で一定した量のマスタを例えばマスタ収納部に送り込むことができ、使用済みのマスタの収納時の折り畳み動作が安定し、途中で折れたり引っかかり排版ジャムになってしまうことも防止できるようになる。
請求項2記載の発明によれば、上記構成により、排版の際に、如何なる強度の使用済みのマスタでもその先端部を排版ローラ対に確実に挟持することができるため、使用済みのマスタを跳ね返したりして不安定になったり、排版ローラ対に巻き付いたりすることを防止できると共に、それを簡単かつ安価な構成で実現できる。
請求項3記載の発明によれば、上記構成により、排版ローラ対が回転の際に振動し、使用済みのマスタの先端部の引きこみ時や搬送中に使用済みのマスタが波打って排版ローラ対ヘ巻き付いたりするのを防止できる。
請求項記載の発明によれば、前記各発明の効果を奏する排版装置を有する孔版印刷装置を提供できる。
以下、図を参照して実施例を含む本発明の実施の形態を説明する。各実施形態や変形例等に亘り、同一の機能および形状等を有する部材や構成部品等の構成要素については、一度説明した後では同一符号を付すことによりその説明をできるだけ省略する。図において一対で構成されていて特別に区別して説明する必要がない構成要素は、説明の簡明化を図る上から、その片方を適宜記載することでその説明に代えるものとする。図および説明の簡明化を図るため、図に表されるべき構成要素であっても、その図において特別に説明する必要がない構成要素は適宜断わりなく省略することがある。公開特許公報等の構成要素を引用して説明する場合は、その符号に括弧を付して示し、各実施形態等のそれと区別するものとする。
(第1の実施形態)
図1ないし図11を参照して、本発明の第1の実施形態を説明する。
まず、図1に基づいて、本実施形態における孔版印刷装置100の構成の概要を説明する。孔版印刷装置100は、図示しない原稿の画像を読み取る周知構成の画像読取装置(スキャナ)50と、該画像読取装置50によって読み取られた画像情報または図示しないパーソナルコンピュータ等の外部接続機器により入力された画像情報に基づいてマスタ8を製版すると共に給版する製版装置51と、給紙台としての給紙トレイ58上の印刷用紙P(以下、「用紙P」という)を給紙する給紙装置52と、印刷ドラム1と、該印刷ドラム1から剥離された印刷済みの用紙Pを吸引搬送する排紙搬送装置53と、該排紙搬送装置53により搬送された用紙Pが排出収容される排紙台としての排紙トレイ54と、印刷ドラム1の外周面から使用済みのマスタ8を剥離し収納する排版装置55等を有している。
以下、上記各装置および印刷ドラム1周りの構成について詳述する。
製版装置51は、図1に示すように、図示しないホルダ部材、プラテンローラ10、サーマルヘッド11、カッタ12、反転ローラ対13およびガイド板14を具備している。
マスタ8は、芯材8bにロール状に巻成されたマスタロール8aから繰り出し可能になされている。マスタロール8aは、芯材8bを介して図示しないホルダ部材に回転可能に支持されている。マスタ8は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)系のフィルムに、支持体として和紙繊維や合成繊維、あるいは和紙と合成繊維とを混抄したものを接着剤で貼り合わせたラミネート構造を有しているものが用いられる。
マスタ8は、従来のマスタであれば、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)系等のフィルムの厚みが大体1〜2μm程度で、その支持体の厚みが45〜55μm程度で、トータルの厚み50〜60μm程度のものが使用される。これに対し、排版動作時における廃棄インキ等の低減を兼ねて多孔質支持体の厚み自体を薄くしたり、その支持体繊維を細くしたりして繊維目による画質劣化を低減させることが可能な高画質のマスタ8の場合は、例えばフィルム構成は前記従来のマスタと同じで、その支持体の厚みが25〜30μm程度で、トータルの厚み30〜35μm程度のものが使用される。このように、高画質のマスタ8は、従来のマスタと比較して、その厚みが比較的薄く、かつ、低強度となるため、高画質のマスタ8の腰の強さは、従来のマスタのそれと比較して、30〜50%程度低下している。
マスタ8の繰り出し方向X1の下流には、図示しない製版部側板に回転自在に支持されたプラテンローラ10と、多数の発熱素子をその主走査方向に有するサーマルヘッド11とが設けられている。マスタ8は、図示しないバネ部材等の付勢手段により付勢されたサーマルヘッド11によりプラテンローラ10に押圧されている。サーマルヘッド11は、マスタ8を介してプラテンローラ8に相対的に接離自在になされている。
プラテンローラ10は、図示しないステッピングモータにより時計回り方向に回転駆動され、これによりマスタ8がマスタロール8aから繰り出されるようになっている。
プラテンローラ10のさらに下流側には、製版済みのマスタ8を所定の長さに切断するギロチンタイプのカッタ12が設けられている。カッタ12は、可動刃としての上刃12aと固定刃としての下刃12bとを有している。カッタ12としては、上記のものに限らず、回転刃移動タイプを採用してもよい。
カッタ12の下流側には、上記製版部側板に回転自在に支持された反転ローラ対13が配設されており、該反転ローラ対13は、互いに圧接した状態で設けられている。反転ローラ対13は、プラテンローラ10の周速度より僅かに速い速度に設定されており、マスタ8との間で滑りながらマスタ8に適度な張力を付与するようになっている。反転ローラ対13の下流側には、製版済みのマスタ8の先端部を後述するクランパ7に案内する湾曲したガイド板14が設けられている。
図示しないが画像読取装置50の上部には、原稿を分離搬送する自動原稿搬送装置(ADF)が設けられている。画像読取装置50は、ADFにより搬送された原稿を順次自動的に搬送しながら読み取ったり、ADFを用いずに図示しないコンタクトガラス面に載置された原稿を読み取ることができる周知の構成・機能を有している。
印刷ドラム1は、図1および図2に示すように、その外周部に配置された円筒状の版胴を有している。該版胴は、インキ通過性の多数の開孔を開けて形成された開孔部1aと非インキ通過性の非開孔部1bとからなる支持円筒体の外周に、図示しないメッシュスクリーンが複数層巻装された構成を有している。
開孔部1aおよび非開孔部1bを備えた上記支持円筒体は、例えばステンレススチール等の金属薄板で形成されている。開孔部1aは、図1および図2において梨地模様で示されており、クランパ7配置部の周辺を除くその円周上の所定の範囲にわたり形成されている。非開孔部1bは、図1および図2においてハッチングを施されて示されており、クランパ7配置部の周辺に形成されている。上記メッシュスクリーンは、上記支持円筒体の非開孔部1bに略対応した領域に巻装されていて、例えば樹脂あるいは金属製網体状のインキ通過性領域部と、このインキ通過性領域部に連結したインキ不通過領域としてのレザー部とを有する。
上記支持円筒体の両端部は、図2に示すように、紙面の手前側および奥側に配設された端板としての一対のドラムフランジ9(図2では紙面の奥側を示す)に固定されている。印刷ドラム1は、一対のドラムフランジ9を介して、支軸5を兼ねるインキパイプ5の周りに回転自在に支持されている。印刷ドラム1は、例えばギヤやベルト等の周知の駆動伝達手段を介して印刷ドラム駆動手段としてのメインモータ15に連結されており、メインモータ15からの駆動力を伝達されて図1および図2中矢印方向A(時計回り)に回転駆動される。メインモータ15は、例えばDCモータからなり、孔版印刷装置本体側に固定されている。
印刷ドラム1は、そのホームポジションを兼ねる排版位置および給版位置近傍においてそれぞれ停止可能になっている。ここで、ホームポジション(排版位置)とは、図2に示すように、クランパ7が印刷ドラム1の略左横ないしは左斜め上方に位置する印刷ドラム1の回転位置をいい、排版ローラ対30に近接した位置を意味する。給版位置とは、クランパ7が図1において略右横に位置する印刷ドラム1の回転位置をいう。
印刷ドラム1をホームポジション(排版位置)および給版位置に位置決め停止させる構成は、例えば本願出願人が提案した特開平6−247031号公報の図1に示されているものと同様のものを採用している。すなわち、上記公報の図1に開示されているように、印刷ドラム1(上記公報では版胴5)のドラムフランジ9に植設されたホームポジション(排版位置)を規定するための排版用位置決めピン(22)と、給版位置を規定するための給版用位置決めピン(21)と、孔版印刷本体側(上記公報の図2に示す側板23)に配設され排版用作動アーム(32)における他端側の折り曲げ(32a)部の裏側に固定された排版用位置決めピン(22)または給版用位置決めピン(21)と係合する排版および給版兼用の、らっぱ状の広い間口を持った開口部(37)およびこの開口部(37)に連通した位置決め溝(38)が形成された位置決めガイド(39)とから主に構成されている。
孔版印刷装置100は、印刷ドラム1の回転角度、すなわち印刷ドラム1の回転位置を検出する角度検出手段(回転位置検出手段)を有する。該角度検出手段は、図2に示すように、エンコーダ板16、エンコーダセンサ17、ドラムセンサフィラ18およびドラムホームポジションセンサ19から構成されている。
メインモータ15の出力軸には、多数のスリットを備えたエンコーダ板16が取り付けられている。エンコーダ板16近傍の孔版印刷装置本体側には、エンコーダ板16を所定の間隔をもって挾み付けるフォトインタラプタ(透過型の光学センサ)からなるエンコーダセンサ17が配設されている。メインモータ15の回転駆動によるエンコーダ板16の回転動作に協働して発生されたパルス数をエンコーダセンサ17で検出することにより、印刷ドラム1の回転角度や回転速度が検出されるようになっている。エンコーダ板16およびエンコーダセンサ17は、フォトロータリエンコーダであり、インクリメンタル型のパルスエンコーダを構成している。
印刷ドラム1の図2に示す奥側のドラムフランジ9には、印刷ドラム1の回転位置を検知し割り出すためのドラムフランジ9からさらに奥側に突出した正面視で略「く」字形状をなすドラムセンサフィラ18が固定されている。
一方、印刷ドラム1の図2に示す奥側のドラムフランジ9に対向した孔版印刷装置本体側の所定位置には、排版位置でもあるホームポジションを占めたときに、ドラムセンサフィラ18と係合することによってそのホームポジションを検知するためのドラムホームポジション検知手段としてのドラムホームポジションセンサ19が配置されている。ドラムホームポジションセンサ19は、透過型の光学センサからなる。
図2に示す印刷ドラム1の回転位置は、印刷ドラム1がホームポジションを占めて停止している状態を表している。この時、ドラムホームポジションセンサ19は、印刷ドラム1側のドラムセンサフィラ18によってその光路を遮断されて、印刷ドラム1のホームポジションをオン検知している状態にある。このホームポジションが、印刷ドラム1の回転角度(回転位置)検出の基準となっている。
なお、メインモータ15側に配設した上記パルスエンコーダに代えて、これを印刷ドラム1側に配設してもよい。印刷ドラム1側に上記パルスエンコーダと同様のものを配設すれば、メインモータ15と印刷ドラム1との間を連結しているギヤやベルト等(回転駆動力伝達手段)のバックラッシュやベルトの伸びによる印刷ドラム1の回転角度のばらつき・変動等を排除して、印刷ドラム1の回転角度を直接的に正確に検出できる。
印刷ドラム1の内部には、図示しない側板がその軸線方向に間隔をおいてインキパイプ5に固定されている。これらの側板間には、インキローラ2がその軸部を支持されて回転自在に設けられている。インキローラ2は、図示しないギヤやベルト等の駆動伝達手段により、印刷ドラム1と同期して同一方向に回転駆動される。
インキローラ2の外周面と僅かな隙間をおいてドクターローラ3が設けられており、該ドクターローラ3は、インキローラ2とドクターローラ3との間に形成される断面略楔状のインキ溜まり4のインキを計量しつつインキローラ2の外周面に薄膜状に供給する。インキ溜まり4のインキは、図示しないインキ供給装置により、印刷ドラム1の外部に設けられたインキパック等より吸引され、インキパイプ5の供給孔5aより滴下供給されてインキローラ2とドクターローラ3の回転により混練される。印刷ドラム1は、孔版印刷装置本体に対してその軸線方向に上記インキ供給装置および上記インキパック等と一体化されたドラムユニットを構成していて、孔版印刷装置本体に対して着脱可能となっている。
印刷ドラム1の非開孔部1b表面には、図1ないし図3に示すように、印刷ドラム1の一つの母線に沿って、平坦面を有するステージ6およびマスタ挟持部材としてのクランパベース48が設けられている。クランパベース48は、例えば強磁性体からできている。クランパベース48には、図3ないし図7に詳しく示すように、後述する蹴り出し部材36と一体的に成形された複数の爪状部36a,36bを緩く嵌入する略U字形状の溝部48a,48bがクランパ軸25方向に複数形成されている。
ステージ6およびクランパベース48と平行に、製版済みのマスタ8の先端部をクランプ・保持する保持手段としてのクランパ7がクランパ軸25を介して所定角度回動可能、すなわちクランパ7の自由端部が揺動可能に支持されている。クランパ7およびクランパベース48は、図3に示すように、使用される最大サイズの二点鎖線で示すマスタ8のマスタ幅方向Yの寸法よりも少なくとも長く印刷ドラム1の軸線方向に延びて設けられている。
クランパ7は、図3ないし図7に詳しく示すように、弾性状の永久磁石(例えばゴム磁石)からできている磁石板7aと、クランプ板7bとから主に構成されており、ステージ6上に固定されたクランパベース48と対向して開閉自在になされている。クランプ板7bには、クランパ軸25方向の両端部において、クランク状に折り曲げ成形されたリフト爪7cと、垂下片7dとが一体的に成形されている。クランプ板7bは、例えばステンレススチール等の金属で一体成形されている。磁石板7aは、クランプ板7bに適宜の両面テープ等によって貼着・固定されている。
図1および図3は、クランパ7の閉じ動作によって、製版装置51から供給された製版済みのマスタ8の先端部がクランパベース48との間で挟持・クランプされている状態を表している。
クランパ軸25の一端には、上記特開平6−247031号公報の図8および図9に示されているクランパ駆動レバー(20)と同様のクランパ駆動レバー26が実質一体的に取り付けられている。クランパ駆動レバー26には、上記特開平6−247031号公報の図1、図2、図6および図7に示されている給版用作動アーム(25)または排版用作動アーム(32)が第1または第3の位置を占めたときに給版用作動アーム(25)または排版用作動アーム(32)の各係合部(26,35)と係合する係合面26aが形成されている。
一方、孔版印刷装置本体側には、上記特開平6−247031号公報の図1、図2、図6および図7に示されている原紙係止装置(60)と同様の、印刷ドラム1がホームポジション(排版位置)および給版位置を占めたときにクランパ7を開閉する給版用作動アーム(25)、排版用作動アーム(32)およびラック駆動モータ(45)と同じ図2に示すラック駆動モータ45等を具備した開閉装置(図示せず)が配設されている。
クランパ7の近傍には、蹴り出し部材36が揺動可能に配設されている。蹴り出し部材36は、印刷ドラム1の外周面に巻き付けられた使用済みのマスタ8の先端部を印刷ドラム1の略遠心方向へ蹴り出す爪状部36a,36bを印刷ドラム1の軸線方向に沿って複数備えた蹴り出し手段としての構成・機能を有する。蹴り出し部材36は、例えばステンレススチール等の弾性を有する薄板でできていて、印刷ドラム1の軸線方向の中央に対してその左右両側に対称な形状をなす。蹴り出し部材36には、その自由端部側に櫛の歯状に形成された上記複数の爪状部36a,36bの他に、クランプ板7bのリフト爪7cに接触可能な係合爪36cがその両端部に一体的に成形されている。
印刷ドラム1の両端部のドラムフランジ9における係合爪36cの近傍には、クランパ7の開閉時に、係合爪36cとの干渉を避けるための逃げ凹部9aが形成されている。なお、図4ないし図7では、ドラムフランジ9の形状、蹴り出し部材36やクランパベース48の厚み等を誇張・拡大して示している。
特開2004−195873号公報(特許文献3)では、複数の爪状部36a,36bのうち、印刷ドラム1の外周面に沿った方向の長さは、使用済みのマスタ8の両側縁側に対応して配設された爪状部36aの方が、使用済みのマスタ8の内側に対応して配設された爪状部36bよりも長くなるように形成されているが、本実施形態においては、爪状部36a,36bの長さは同じでもよい。
図1および図3に示すように、クランパ7が閉じられているとき、蹴り出し部材36の爪状部36a,36bは、クランパベース48の溝部48a,48b内に嵌入・収納されるようになっている。蹴り出し部材36の爪状部36a,36bは、後述するようにクランパ7が所定の角度θ2以上よりも大きく拡開される排版工程でのみ、クランパベース48から印刷ドラム1の略遠心方向に突出することで、使用済みのマスタ8の先端部を同方向へ蹴り出す動きを行うようになっている。
蹴り出し部材36の基端部は、クランパ軸25の配置部よりも印刷ドラム1の図2中矢印方向Aの後方寄りのステージ6に所定角度回動自在に支持された回転軸37に固定されている。回転軸37は、印刷ドラム1の軸線方向に沿ってクランパ軸25と平行に設けられている。蹴り出し部材36の自由端部は、クランパ7の開閉動作と連動して、図2において回転軸37を中心として反時計回りに回転・揺動される。
蹴り出し部材36は、図5および図7に示すように、図示しない排版用作動アーム(32)が第3の位置に揺動してクランパ駆動レバー26と係合することにより、クランパ7が所定の角度θ2以上に開いたとき、このクランパ7の開放動作と連動して揺動する。
説明が前後するが、製版済みのマスタ8あるいは未製版のマスタ8をクランプするとき、クランパベース48の複数の溝部48a,48bは、そのマスタ8の先端よりも内側になるように配置されており、マスタ8の先端部はクランパベース48とクランパ7とで挟持・クランプされる。
図1および図2において、印刷ドラム1の左側に配置された排版装置55は、印刷ドラム1の外周面に巻き付けられた使用済みのマスタ8を挟持して剥離しながら引き込む排版ローラ対30を有している。排版ローラ対30は互いに圧接する排版ローラ上31と排版ローラ下33とを有しており、これらのローラの軸部をなす回転軸38,39は、図示しない排版ユニット側板に回転自在に支持されている。排版ローラ下33には図示しない駆動ギヤが固定されており、これと噛み合う図示しないギヤ列等の駆動伝達手段を介して、排版ローラ下33は、駆動手段としての例えばステッピングモータ75に連結されている。
ステッピングモータ75は、排版ローラ対30を回転駆動する駆動手段としての機能を有する。これにより、排版ローラ上31と排版ローラ下33とは、図2に示すようにステッピングモータ75により互いに反対向きに、ちなみに図2では排版ローラ上31が時計回りに、排版ローラ下33は反時計回りに回転駆動される。なお、上記駆動手段としては、DCモータ等でもよいが、回転速度の変更が容易で制御し易い比較的安価なステッピングモータ75を用いている。
排版ローラ対30は、図9に示すように、印刷ドラム1の軸線方向に間隔をおいて複数設けられており、各排版ローラ対30における排版ローラ上31の脇には該排版ローラ上31と同期回転する羽根部材としての羽根車32(以下、「羽根ローラ32」と言い替える)が設けられている。
図2、図8および図9に示すように、羽根ローラ32(羽根ローラ32)は、排版ローラ上31の回転軸38に固定されたローラ状のローラ基部32bと、このローラ基部32bから排版ローラ上31の遠心方向(半径方向)に放射状に延び、その先端(自由端)が排版ローラ上31の外周面・外径よりも外方に突出する長さを有する複数の弾性羽根32aを有している。排版ローラ上31および羽根ローラ32は、耐油性・耐インキ性を有する例えばニトリルゴムやシリコンゴム等の弾性体で形成されている。排版ローラ上31および羽根ローラ32を、同一材料で一体成形すれば製造および組み立てが容易となる。
弾性羽根32aは、使用済みのマスタ8の先端部に接触して排版ローラ上31と排版ローラ下33とのニップ部に使用済みのマスタ8を引き込む役目と、使用済みのマスタ8を叩くことで排版ローラ上31の周面に剥離済みのマスタ8が貼り付くことを防止する機能とを有している。
弾性羽根32aの形状は、図8に詳しく示すように、回転軸38を含むローラ基部32bから遠心方向に延びた複数の弾性羽根32aの長さが、羽根ローラ32の円周方向で異なるように互い違いに形成されていて、かつ、回転軸38の軸線方向(以下、「回転軸線方向」という)で等しく形成、すなわちその先端が同一の回転軸線方向で揃って形成されている。この特有な弾性羽根32aの形状により、使用済みのマスタ8の先端部を引っ掛け易くなっている。
ここで、弾性羽根32aにおける短い羽根32a(以下、単に「短羽根」という)の長さは、長い羽根32a(以下、単に「長羽根」という)を1とした場合、0.5〜0.7程度の割合で設定・形成される。また、羽根の厚みは、0.5〜2mm程度で、例えば長羽根が1.5〜2mm程度のとき、短羽根は0.5〜1.5mm程度に設定・形成される。これは排版ローラ下33との間で剥離された使用済みのマスタ8を搬送する際に、長・短羽根による搬送力の差が出ないようにするためである。なお、図9は、羽根ローラ32における弾性羽根32aの短羽根部位を断面で示しており、弾性羽根32aの短羽根の長さが回転軸線方向で等しく、かつ、その先端が揃っている状態を表している。
図8(a)、図8(b)に示すように、弾性羽根32aは、図2に示す直前の状態、すなわち後で詳述するように、使用済みのマスタ8の先端部が蹴り出し部材36によって蹴り上げられることで、開放された使用済みのマスタ8の先端部と接触する排版時には、弾性羽根32aの先端部が排版ローラ下33の外周面に当接して折れ曲がるように変形する。このとき、弾性羽根32aの長さが短いと弾性力が強くなり、図8(b)の太矢印に示すような排版ローラ下33を押し下げる力F1が作用してしまう。それ故に、図8(c)に示すように、長・短羽根の厚みtが同じで同一材料で形成されている場合、同図の太矢印に示すように排版ローラ対30に力F2(>F1)が作用し、図中矢印方向への回転の際に排版ローラ対30が振動し、マスタ8の先端部引きこみや搬送が安定しなくなってしまう場合があるため、長・短羽根の厚みtに差を設けておくことが望ましい。振動が発生すると、マスタ8の先端部引きこみ時や搬送中にマスタ8が波打ち、排版ローラ対30ヘの巻き付きを発生しやすくなってしまう。ここで、「排版ローラ対30ヘの巻き付き」とは、排版ローラ上31、羽根ローラ32および排版ローラ下33の少なくとも一つの部材に、使用済みのマスタ8の先端部が巻き付くことを指している。
なお、弾性羽根32aの羽根の幅(図8では紙面奥行き方向、図9では左右方向の寸法)は、長・短羽根共に、3〜5mmに設定・形成している。
つまり、全ての弾性羽根32aの寸法が長く形成されその先端が揃っていると、使用済みのマスタ8の先端部が跳ね返されてしまうが、本実施形態のように羽根ローラ32の円周方向で短羽根を互い違いに設けているため、長羽根に挟まれた短羽根の部分に空間40が生じ、この空間40にマスタ8の先端部が入り込み、跳ね返されることなく、排版ローラ対30のニップ部に確実に引き込むことができる。弾性羽根32aを設けるピッチを広げることで、マスタ8の先端部を入り込み易くすることも可能であるが、排版ローラ対30のニップ部での搬送力が弱くなってしまうので、ピッチを広げるには制約がある。このピッチの適正範囲例としては、羽根ローラ32の回転軸38の回転中心を中心として、隣る弾性羽根32a同士のなす角度が45°〜72°位が適当である。
弾性羽根32aの長・短羽根を上述したように特有の形状・長さに形成した羽根ローラ32を備えた排版ローラ対30を有する本実施形態の排版装置55と、特開2004−195873号公報(特許文献3)のように全て長羽根(弾性羽根32a)に形成した羽根車(32)を備えた排版ローラ対(30)を有する排版装置(55)とで、マスタ8の腰の強さを数種類に変えて比較試験を行った結果、本発明の第1の実施形態の図8(a)、図8(b)に示したものの方が排版ローラ対30への巻き付きがなく、また排版ジャムを発生することもなく、その効果において明確な有意差が認められた。
排版ローラ下33は、樹脂(例えば、ABS樹脂やポリアセタール樹脂)で形成されており、その外周面にはインキを含んだ使用済みのマスタ8の貼り付きを低減するために、すなわち使用済みのマスタ8との接触面積を低減できるように、歯形加工やローレット加工処理が施されている。
弾性羽根32aは、使用済みのマスタ8との接触を少なくした柱状形状を有しているので、特開2000−43394号公報の図3に示されている従来の弾性羽根(13)よりも使用済みのマスタ8の貼り付きを低減できる。
排版ローラ対30の左側には、上記排版ユニット側板間に一端側を回転可能に支持され矢印方向(上下方向)に軸部を中心に揺動する圧縮部材としての圧縮板34が設けられている。圧縮板34の自由端側は、排版ローラ対30に近接した位置を通過して、排版ローラ対30により排出された剥離済みのマスタ8、すなわち廃棄マスタ8dを押圧しながら排版ボックス35の壁面に沿って移動し、排版ボックス35の奥部に廃棄マスタ8dを移動しながら圧縮収納するようになっている。
圧縮板34は、図示しないモータ等により所定のタイミングで駆動される。排版ボックス35は、図示しない排版装置本体に対して着脱自在に設けられており、満杯になった廃棄マスタ8dを適宜廃棄できるようになっている。
次に、図2を参照して、孔版印刷装置100のクランパ7の開閉制御構成および排版制御構成を説明する。
図2において、制御手段77は、本実施形態に係る孔版印刷装置100の主としてクランパ7の開閉制御および排版制御のうちの排版ローラ対30の駆動制御を行うためのものである。以下、説明の簡明化を図るため、孔版印刷装置100の上記制御以外の全体動作を制御するものとして図示しないメイン制御手段があり、このメイン制御手段と制御手段77とは互いに指令信号やオン/オフ信号あるいはデータ信号等を送受信しているものとして説明する。
制御手段77は、それぞれ図示しない、CPU(中央演算処理装置)、I/O(入出力)ポート、RAM(読み書き可能な記憶装置)、ROM(読み出し専用記憶装置)および図示しないタイマ等を備え、それらが信号バスによって接続された構成を有するマイクロコンピュータを具備している。
制御手段77の上記CPUは、上記入力ポートおよび各センサ入力回路を介して、エンコーダセンサ17、ドラムホームポジションセンサ19と電気的に接続されていて、エンコーダセンサ17から印刷ドラム1の回転角度に係る出力信号(データ信号:パルス信号)、ドラムホームポジションセンサ19から印刷ドラム1のホームポジションを検出するための出力信号(オン/オフ信号)を受信する。これにより、制御手段77は、ドラムホームポジションセンサ19からの印刷ドラム1の回転角度の基準となるホームポジションに係る信号およびメインモータ15の回転量(回転数)に係るエンコーダセンサ17からのパルス数に基づいて、印刷ドラム1の回転位置を計算し、後述する排版ローラ対30の起動(回転駆動開始)タイミング等を判断する。
制御手段77の上記CPUは、上記出力ポートおよび図示しない制御回路を含むモータ駆動回路76を介して、ステッピングモータ75に電気的に接続されていて、ステッピングモータ75を制御する指令信号をモータ駆動回路76に送信する。また、制御手段77は、上記出力ポートおよび図示しない制御回路を含むモータ駆動回路を介して、クランパ7を開閉する上記開閉装置のラック駆動モータ45に電気的に接続されていて、ラック駆動モータ45を制御する指令信号をそのモータ駆動回路に送信する。
制御手段77のRAMは、上記CPUでの計算結果を一時記憶したり、エンコーダセンサ17からの印刷ドラム1の回転角度に係る出力信号や、ドラムホームポジションセンサ19からの印刷ドラム1のホームポジションを検出するための出力信号を随時記憶したりしてこれら信号の入出力を行う。
制御手段77の上記ROMには、上記CPUが後述する制御機能を発揮するための、「排版ローラ対30の起動(回転駆動開始)タイミングおよび回転駆動終了タイミングに係る、使用済みのマスタ8が伸張されるに要する時間排版ローラ対30を回転駆動するためのステッピングモータ75に供給するパルス数の関係データ」、「排版ローラ対30の周速度(回転速度)を変えるためのステッピングモータ75に供給するパルスの周波数と印刷ドラム1の回転角度に係るエンコーダセンサ17から出力されるパルス数との関係データ」や「ステッピングモータ75に供給するパルスの周波数を変えるためのプログラム」および「クランパ7の開閉動作および排版動作等に係るプログラム」等が予め記憶されている。
制御手段77の上記CPUは、エンコーダセンサ17からの印刷ドラム1の回転角度に係る出力信号(パルス数信号)、ドラムホームポジションセンサ19から印刷ドラム1のホームポジションを検出するための出力信号を参照しながら、ラック駆動モータ45を起動させることにより、クランパ7が使用済みのマスタ8の先端部を開放した後に、排版ローラ対30が回転開始するようにモータ駆動回路76を介してステッピングモータ75を制御し、かつ、印刷ドラム1から使用済みのマスタ8を剥離しながら引き込みする際の排版ローラ対30の回転速度(周速度)に関して、排版ローラ対30により使用済みのマスタ8の先端が挟持されるまでの間は、剥離された使用済みのマスタ8の先端を挟持し剥離搬送する時の排版ローラ対30の回転速度(周速度)よりも排版ローラ対30が低速で回転し、その回転速度(周速度)が徐々に速くなるように、モータ駆動回路76を介してステッピングモータ75を制御する制御機能を有する。
ここで、排版ローラ対30の回転速度(周速度)を徐々に速くさせる制御動作を所定時間継続することで、後述のように印刷ドラム1と排版ローラ対30のニップ部との間における使用済みのマスタ8が伸張されるに要する時間は、例えば排版ローラ対30を構成する構成部品等の寸法・形状や駆動される際の周速度、およびマスタ8の支持体の厚みによるマスタの強度(腰の強さ)等により変動するものであることはいうまでもない。
排版ローラ対30の回転速度(周速度)の変更は、制御手段77によりステッピングモータ75に供給するパルスの周波数(pps:pulse per second)を変えること、すなわちパルス間隔を変える(パルス間隔を狭くしていけば加速、一定間隔では等速、パルス間隔を広くしていけば減速)ことで容易に行える。制御手段77は、実施例的に言えば、例えば市販のマイクロコンピュータを用いて容易に構成することができる。
図1等に示すように、印刷ドラム1の下側には、印刷ドラム1上の製版済みのマスタ8に用紙Pを押圧する押圧手段21が設けられている。押圧手段21は、図示しない孔版印刷装置本体の側板に回転自在に支持されたアーム軸22aと、該アーム軸22aに一端側を固定されたプレスローラアーム対22と、該プレスローラアーム対22の他端側に軸部を支持されて回転自在に設けられたプレスローラ23を有している。
アーム軸22aの一端側には、図示しないカムフォロアが設けられており、印刷ドラム1と同期して回転する図示しないカムに沿って図示しない引張バネ等の付勢手段により、プレスローラ23が印刷ドラム1に対して接離するようになっている。プレスローラ23は、印刷時以外は図示しない係止手段により印刷ドラム1から離間した実線で示す位置に保持されている。なお、押圧手段としては、印刷ドラム1の外径と略同じ径を有する圧胴等を用いる場合もある。
給紙装置52は、用紙Pを積載する昇降自在な給紙台としての給紙トレイ58と、用紙Pを最上のものから順に1枚ずつ分離して給送する分離給紙手段としての給紙コロ59、60および分離コロ61と、分離給送された用紙Pを所定のタイミングで印刷ドラム1とプレスローラ23との間の印圧部に搬送するレジストローラ対20とを有している。
印刷ドラム1の左下側には、印刷ドラム1に近接して用紙Pを印刷ドラム1の表面より剥離する軸部を中心に揺動自在な剥離爪62が設けられている。剥離爪62で剥離された用紙Pは排紙搬送装置53の搬送ローラ63によりファン64の吸引力で吸着されながら搬送され、排紙台としての排紙トレイ54へ排出される。
次に、孔版印刷装置100の動作を説明する。孔版印刷装置100の初期状態としては、印刷ドラム1の外周面に前回の印刷で使用された使用済みのマスタ8が装着されたまま残っていて、印刷ドラム1はクランパ7が図2における略左横ないしは左斜め上方に位置する印刷ドラム1の回転位置、すなわち印刷ドラム1の回転角度が0°(ホームポジション:排版位置)を占めて停止している。
この初期状態で、図示しないADFに原稿がセットされて、図示しない操作パネルのテンキー等により印刷枚数が入力設定される。次いで、上記操作パネルに配設されているスタートボタン等が押されること等によりスタート信号が出され、これがトリガとなって、先ず排版工程が実行される。
上記スタート信号がトリガとなって、クランパ7を開閉駆動する図示しない開閉装置のラック駆動モータ45が起動される。上記開閉装置のラック駆動モータ45が駆動されることにより、クランパ7が図2に示すように開放され、これに連動して蹴り出し部材36による使用済みのマスタ8先端部の蹴り上げ動作が行われる。
すなわち、図5および図7に示すように図示しない排版用作動アーム(32)が第3の位置へ揺動され、クランパ7が給版に必要な所定の角度θ1よりもさらに大きい排版用の角度θ2に開かれる状態になることで、リフト爪7cの上昇と連動して係合爪36cが持ち上げられ、これにより蹴り出し部材36の爪状部36a,36bが溝部48a,48bから印刷ドラム1の略遠心方向へ突出する向きに揺動されることで、使用済みのマスタ8の先端部がその両側縁部を含めてマスタ幅方向Yの全体に亘って確実に蹴り上げられ開放されてフリーな状態となり、この状態での使用済みのマスタ8先端部の排版ローラ対30への受け渡しが確実に行われることとなる。これにより、より確実に排版ジャムの発生を防止することが可能となる。
次いで、制御手段77からの指令により、ステッピングモータ75が回転駆動開始(起動)されることにより、排版ローラ対30が低速で回転開始する。そして、排版ローラ対30の回転速度(周速度)を徐々に速くしていき、これを所定時間継続した後停止する。このような動作をさせることにより、低速回転している排版ローラ対30に、開放された使用済みのマスタ8の先端部を羽根ローラ32の弾性羽根32aに確実に接触させて、排版ローラ上31と排版ローラ下33とのニップ部に確実に引き込み挟持する。そして排版ローラ対30と印刷ドラム1の外周面との間の使用済みのマスタ8を略均一に伸張するに必要な回転速度となるように、ステッピングモータ75が制御される。
なお、ラック駆動モータ45が起動されてから(クランパ7が開放され、使用済みのマスタ8先端部が開放・フリーとなってから)ステッピングモータ75が起動されるまでの時間は、用いられているマスタの腰の強さにもよるが、実験結果からは0.1〜0.5秒程度の時間であることが望ましいことが分かっている。0.1秒未満であると、従来技術(例えば特許文献3参照)と同様に羽根ローラ32の弾性羽根32aによって開放された使用済みのマスタ8先端部を跳ね返す虞がある点から、また0.5秒を超えると、版付け印刷を含めて最初の印刷物が得られるまでのFPT(ファースト・プリントタイム)が長くなる点から好ましくない。
図10および図11を参照して、上記排版ローラ対30の回転速度制御の詳細を説明する。
図10および図11において、第1周速度とは、使用済みのマスタ8の先端を含む先端部を挟持・咥える時の排版ローラ対30の周速度(排版ローラ上31の外周面の速度をいう)を意味し、後述の第3周速度の0.1〜0.5倍に設定される。
第2周速度とは、使用済みのマスタ8の先端部を挟持・咥えた後、そのマスタ8を印刷ドラム1との間で略均一に伸張する時の排版ローラ対30の周速度を意味し、後述の第3周速度の0.5〜1.0倍に設定される。
第3周速度とは、第2周速度にて使用済みのマスタ8を略均一に伸張した後、そのマスタを印刷ドラム1から剥離搬送する時の排版ローラ対30の周速度、換言すれば使用済みのマスタ8を挟持し引き込み剥離搬送する時における引き込み時の排版ローラ対30の周速度を意味し、印刷ドラム1の周速度の1.0〜1.4倍に設定される。
開放された使用済みのマスタ8の先端部を排版ローラ上31と排版ローラ下33のニップ部に確実に引き込む際には、排版ローラ対30の回転速度(周速度)がより低速であることが望ましく、印刷ドラム1の回転と同時に排版ローラ対30が回転して使用済みのマスタ8を挟持し引き込み剥離搬送する時における引き込み時周速度、すなわち第3周速度の1割ないし半分である比較的遅い第1周速度(具体的には、第3周速度の0.1ないし0.5倍)に設定されている。
また、使用済みのマスタ8の先端部を排版ローラ対30のニップ部に引き込んだ後、排版ローラ対30と印刷ドラム1の外周面との間の使用済みのマスタ8を略均一に伸張する際には、第1周速度より比較的速い速度であることが望ましく、第3周速度の半分ないし同等である比較的遅い第2周速度(具体的には、第3周速度の0.5〜1.0倍)に設定されている。
すなわち、制御手段77からの指令によって、例えば第3周速度の0.2倍で回転開始し、2秒で周速度1.0倍まで加速した後停止するようなパルス周波数のパルスに係るデータを、上記ROMから呼び出して、その所定のパルスをステッピングモータ75に供給する制御を行う。このように、マスタ8の先端部を引き込んで伸張するまでの排版ローラ対30の周速度(第1周速度から第2周速度)の加速時間(回転動作の所要時間)は0.5〜2秒である。
ここで、排版ローラ対30の周速度が一定速度で、上記引き込み時周速度の0.5倍未満である場合、上記FPTが余りにも長くなる点から、また、使用済みのマスタ8の先端部を排版ローラ対30のニップ部に引き込んだ後、排版ローラ対30と印刷ドラム1の外周面との間の使用済みのマスタ8を略均一に伸張する際の伸張力が弱くなってしまう点からも好ましくない。
また、開放された使用済みのマスタ8の先端部を排版ローラ上31と排版ローラ下33のニップ部に確実に引き込む際の周速度が、0.5倍を超えると、次の点から好ましくない。すなわち、排版ローラ対30の周速度が挟持・咥えられるべき使用済みのマスタ8に対して余りにも高速回転となってしまうことにより、そのマスタ8先端部の角部が跳ね返されて耳折れした状態になったり、破れてしまったりして巻き取られていた。耳折れしたマスタ8やその先端部が破れたマスタ8を排版ボックス35内に排版収納させた場合、綺麗な蛇腹状に折り畳まれなくなって排版収納量が滅少してしまうという問題点や、破れたマスタ片や、跳ね返されたマスタが不安定になり、排版ローラ対30に巻き付いて次の排版時に邪魔をしてしまうという問題点等があったため、上記引き込み時周速度の0.1〜0.5倍の周速度に設定すれば、これらの問題を解消して、使用済みのマスタ8の先端部の角部が耳折れしたり破れてしまったりすることなく、使用済みのマスタ8の先端部を確実に挟持・咥え込むことができるからである。
上述した回転速度制御において、制御手段77により、「その回転速度を徐々に速くさせる」とは、排版ローラ対30によって使用済みのマスタ8の先端部を挟持・咥える時からそのマスタ8を印刷ドラム1との間で略均一に伸張するまでの間で、排版ローラ対30の回転速度(周速度)を徐々に速くする(排版ローラ対30を回転開始後、第1周速度から第2周速度まで変化させる)ことを意味している。図10において、第1周速度、第3周速度に達するまでの傾きは、ステッピングモータ75の回転駆動開始に必要なスローアップカーブを示している。
排版ローラ対30の回転速度(周速度)を第1周速度から第2周速度へ変化させる態様には、図11(a)ないし図11(d)に示すように、いくつかのバリエーションが考えられる(t’’=0.5〜2.0秒(s))。
第1に、図11(a)に示すように、第1周速度から第2周速度へと、直線的に変化させる場合が挙げられる。
第2に、図11(b)に示すように、一定時間t’(=t’’/3〜t’’/2)、第1周速度を維持した後、第2周速度まで直線的に変化させる場合が挙げられる。
第3に、図11(c)に示すように、一定時間t’(=t’’/3〜t’’/2)、第1周速度を維持した後、第2周速度まで急激に変化させt’’まで維持する場合が挙げられる。
第4に、図11(d)に示すように、カーブが曲線Rを描くように変化(例えばSinカーブ)変化させる場合が挙げられる。
使用済みのマスタ8の先端部が排版ローラ対30に咥え込まれ排版ローラ対30の上記回転動作が所定時間経過した後、図示しない検知手段により剥離済みのマスタ8の先端が排版ローラ対30のニップ部に引き込まれたことが検知されると、一時的に排版ローラ対30の回転が停止する。この後、上記開閉装置が作動することにより、クランパ7が閉じられると、直ちにメインモータ15が回転駆動開始(起動)されることにより、印刷ドラム1が支軸5の周りに図2中二点鎖線で示す矢印A方向(時計回り方向)に回転を始め、これと同時に排版ローラ対30が再び回転駆動されることで、剥離済みのマスタ8は印刷ドラム1の回転と共に、排版ローラ上31と排版ローラ下33との間に挟持されて羽根ローラ32により排版ローラ上31との貼り付きを防止されながら印刷ドラム1の表面から順次剥離され、圧縮板34と排版ボックス35との空間部に蛇腹状に折り畳まれながら収納される。
なお、上記検知手段の一例としては、図2における排版ローラ対30のニップ部近傍(図2のニップ部を通って形成される排版経路の左上方近傍)に配設されている反射型の光学センサからなるマスタ検知センサが挙げられる。
この排版動作時には、制御手段77からの指令によって、排版ローラ対30の上記引き込み時周速度が排版時における印刷ドラム1の周速度(ドラム周速度)と同等ないしドラム周速度よりも速い第3周速度(具体的には、ドラム周速度の1.0〜1.4倍)となるような所定のパルス周波数のパルスに係るデータを上記ROMから呼び出して、その所定のパルスをステッピングモータ75に供給する。排版ローラ対30の回転速度の切り替えタイミングは、印刷ドラム1が回転するのと同時に行っている。
ここで、排版ローラ周速度(引き込み時周速度)がドラム周速度の1.0倍未満であると、排版ローラ対30により挟持引き込み搬送される印刷ドラム1上の使用済みのマスタ8がだぶついて排版ジャムを生じたり、使用済みのマスタ8に付着しているインキが孔版印刷装置100の内部に有る構成部品や部材等に接触して印刷装置内部を汚してしまったりするという点から、また1.4倍を超えると印刷ドラム1上の使用済みのマスタ8を無理矢理引っ張ってしまうことで挟持搬送中のマスタ8が破れてしまう虞や、綺麗な蛇腹状に折り畳まれなくなる等の利点を得られなくなってしまう点から好ましくない。
使用済みのマスタ8の印刷ドラム1の表面からの剥離が完了すると、印刷ドラム1はクランパ7が図2において略右横に位置する給版位置に達するまで回転して停止する。印刷ドラム1が給版位置に停止した状態において、上記開閉装置が作動して図示しない給版用作動アーム(25)が第1の位置へ揺動することにより、図4および図6に示すように、クランパ7が給版に必要な所定の角度θ1内に開いている状態となる。この時、リフト爪7cと係合爪36cとが当接状態で逃げ凹部9a上方に位置しており、蹴り出し部材36の爪状部36a,36bはクランパベース48の溝部48a,48b内に嵌入されたままであるため、給版時におけるクランパ7とクランパベース48とによる製版済みのマスタ8先端部の給版(着版)は、爪状部36a,36bと干渉すること無く確実になされる。
給版待機状態になると原稿が画像読取装置50に搬送され、CCD、A/D変換器、製版制御装置等を経由して画像情報に応じてサーマルヘッド11の発熱素子にパルス状に通電がなされる。そして、サーマルヘッド11を主走査方向に作動させると共に、図示しないステッピングモータが回転してプラテンローラ10および反転ローラ対13等によりマスタ8を副走査方向に搬送しながら、マスタ8のフィルム部分が加熱穿孔される製版が行われる。
ガイド板14により、製版済みのマスタ8の先端部がステージ6におけるクランパベース48とクランパ7との間に案内されて、図示しないステッピングモータのステップ数などの情報により製版済みのマスタ8の先端部がクランパ7の挟持領域に到達したと判断されると、上記開閉装置によりクランパ7が閉じられることにより、製版済みのマスタ8の先端部が吸着挟持される。この製版済みのマスタ8の先端部の挟持と共に、印刷ドラム1がマスタ8の搬送速度と略同じ速度で回転を再開し、製版済みのマスタ8を印刷ドラム1の外周面へ巻き付けるマスタ巻装動作が行われる。
図示しないステッピングモータのステップ数より製版が終了したと判断されると、カッタ12が作動してマスタ8が切断されると共に、プラテンローラ10および反転ローラ対13等が停止し、切断された製版済みのマスタ8の後端が印刷ドラム1の回転により製版装置51より完全に引き出されると、印刷ドラム1へのマスタ巻装動作が完了する。
この給版・巻装動作と並行して排版装置55における圧縮板34が時計回り方向に回転し、蛇腹状に収納された廃棄マスタ8dを排版ボックス35の壁面に沿って移動させ、奥部へ押圧しながら廃棄マスタ8dを圧縮した状態で所定位置で停止する。所定時間後、圧縮板34は反時計回り方向に回転して初期位置に復帰する。
印刷ドラム1への製版済みのマスタ8の巻装が完了すると、給紙コロ59、60が作動することにより、給紙コロ60と分離コロ61との分離作用によって給紙トレイ58から用紙Pが1枚だけ分離されて用紙搬送方向Xに給送され、所定のタイミングで回転するレジストローラ対20により印刷ドラム1とプレスローラ23との間に向けて搬送される。図示しない用紙センサにより用紙Pの進入が検知されると、押圧手段21の図示しない係止手段が解除されることにより、プレスローラ23が図示しないカムの回転および図示しない引張バネ等の付勢手段による付勢力によって上昇し、印刷ドラム1上の製版済みのマスタ8に用紙Pを押圧し、マスタ8にインキを充填する版付けが行われる。
用紙Pは、印刷ドラム1に接近・離間する剥離爪62により印刷ドラム1の表面から剥離され、排紙搬送装置53等により搬送されて排紙トレイ54に排出積載される。その後、設定された枚数の印刷が同じ動作で行われる。
なお、第1の実施形態の孔版印刷装置100は、特許文献1(特開2000−43394号公報)記載の排版装置をベースとして、これを上述した効果を奏するように改良したものであるから、特開2000−43394号公報の段落「0038」および「0041」等に記載されている基本的な効果を奏することはいうまでもない(以下の変形例等でも同様)。
同様に、第1の実施形態の孔版印刷装置100は、特許文献2(特開平6−247031号公報)記載の原紙係止装置をベースとして、これを後述する効果を奏するように改良したものであるから、上記従来の技術や特開平6−247031号公報に記載されている基本的な効果を奏することはいうまでもない(以下の変形例等でも同様)。
図12に、第1の実施形態の変形例1を示す。
この変形例1は、図8および図9に示した第1の実施形態における排版ローラ対30の羽根ローラ32と比較して、羽根ローラ32に代えた羽根ローラ32Aを用いる点のみ相違する。羽根ローラ32Aは、羽根ローラ32と比較して、複数の弾性羽根32aの短羽根の厚みtではなく、図12(b)に示すように短羽根の回転軸線方向の幅bを長羽根のそれと比べて狭くした点のみ異なる。
例えば、長羽根の幅bが3〜5mmであるのに対して、短羽根の幅bを1.5〜2mm程度に設定・形成したものである。弾性羽根32aの厚みtは、長・短羽根共に1.5〜2mm程度に設定・形成されている。本変形例においても、弾性羽根32aにおける長・短羽根の遠心方向長さについては、第1の実施形態と同様に特有の形状に設定・形成されていて、その作用、利点は、図8(a)、図8(b)等に示したものと同様である。
図13に、第1の実施形態の変形例2を示す。
この変形例2は、図8および図9に示した第1の実施形態における排版ローラ対30の羽根ローラ32と比較して、羽根ローラ32に代えた羽根ローラ32Bを用いる点のみ相違する。羽根ローラ32Bは、羽根ローラ32と比較して、複数の弾性羽根32aにおける長・短羽根の厚みtを共に0.5〜1.5mmと同等程度にした上で、長羽根の根元のみに10度(10°)程度のテーパを付けて長羽根の弾性力を高めるようにした点のみ異なる。なお、複数の弾性羽根32aにおける長・短羽根の図における紙面奥行き方向の幅は、共に同じに設定・形成されている。本変形例においても、その作用、利点は、図8(a)、図8(b)等に示したものと同様である。
なお、変形例1、2においても、第1の実施形態における排版ローラ対30の回転速度制御動作等を含む制御動作を適用して、上述の効果を奏することができることはいうまでもない。
以上述べたとおり、本発明を実施例を含む特定の実施形態等について説明したが、本発明の構成は、上述した実施形態等に限定されるものではなく、それらを適宜組み合わせて構成してもよく、本発明の範囲内において、その必要性および用途等に応じて種々の実施形態や実施例を構成し得ることは当業者ならば明らかである。
本発明の第1の実施形態を示す孔版印刷装置の一部断面正面図である。 図1の孔版印刷装置におけるクランパ、排版装置周りの主な制御構成およびそれらの動作を示す一部断面拡大正面図である。 図1の孔版印刷装置におけるクランパ、クランパベースおよび蹴り出し部材周りの平面図である。 図1の孔版印刷装置におけるクランパおよび蹴り出し部材周りの給版位置での動作を示す斜視図である。 図1の孔版印刷装置におけるクランパおよび蹴り出し部材周りの排版位置での動作を示す斜視図である。 図4の動作を示す一部断面正面図である。 図5の動作を示す一部断面正面図である。 (a)、(b)、(c)は、図1の孔版印刷装置における排版装置の排版ローラ対の正面図である。 図1の孔版印刷装置における排版装置の排版ローラ対の正面図である。 排版ローラ対の回転速度(周速度)制御の具体例を表す速度線図である。 (a)、(b)、(c)、(d)は、排版ローラ対の回転速度(周速度)制御において、第1周速度から第2周速度へと変化させる種々の態様を示す速度線図である。 (a)は、変形例1における排版装置の羽根ローラの正面図、(b)は、同羽根ローラの側面図である。 変形例2におけるにおける排版装置の羽根ローラの正面図である。
符号の説明
1 印刷ドラム
7 保持手段としてのクランパ
8 マスタ(孔版原紙)
25 クランパ軸
26 クランパ駆動レバー
30 排版ローラ対
31 一方のローラとしての排版ローラ上
32、32A、32B 羽根部材としての羽根ローラ(羽根車)
32a 弾性羽根
33 他方のローラとしての排版ローラ下
34 圧縮部材としての圧縮板
35 排版ボックス
36 蹴り出し手段としての蹴り出し部材
36a,36b 爪状部
37 揺動支点としての回転軸
38 回転軸
45 ラック駆動モータ
48 クランパベース
48a、48b 溝部
55 排版装置
75 ステッピングモータ
77 制御手段
100 孔版印刷装置
t 弾性羽根の厚み
b 弾性羽根の幅
Y マスタ幅方向

Claims (4)

  1. 製版済みのマスタの先端部を保持する保持手段を備えた印刷ドラムの外周面に巻き付けられた使用済みのマスタを挟持して剥離しながら引き込む排版ローラ対を有し、該排版ローラ対の一方のローラ側には該一方のローラと同期回転する羽根部材が設けられ、該羽根部材は上記一方のローラの外周面よりもその遠心方向へ延びる複数の弾性羽根を具備し、該弾性羽根は弾性変形しながら上記排版ローラ対の他方のローラの外周面に接触するようにした排版装置において、
    上記保持手段が使用済みのマスタの先端部を開放した後に、上記排版ローラ対をして回転開始させ、上記印刷ドラムから使用済みのマスタを剥離しながら引き込みする際の上記排版ローラ対の回転速度に関して、上記排版ローラ対により使用済みのマスタの先端が挟持されるまでの間は、剥離された使用済みのマスタの先端を挟持して剥離搬送する時の上記排版ローラ対の回転速度よりも低速の第1周速度で上記排版ローラ対を回転させ、該排版ローラ対により使用済みのマスタの先端部を挟持した後から上記排版ローラ対と上記印刷ドラムの外周面との間で使用済みのマスタを略均一に伸張する際には、第1周速度より徐々に速くして第2周速度で回転させ、使用済みのマスタを略均一に伸張した後、そのマスタを上記印刷ドラムから剥離搬送する際には、上記排版ローラ対を第2周速度よりも速い第3周速度で回転させることにより、第1周速度<第2周速度<第3周速度としたことを特徴とする排版装置。
  2. 請求項1記載の排版装置において、
    上記複数の弾性羽根の長さが、上記一方のローラの円周方向で異なるように短い羽根と長い羽根とが互い違いに形成されていることを特徴とする排版装置。
  3. 請求項1記載の排版装置において、
    上記複数の弾性羽根の長さが、上記一方のローラの円周方向で異なるように形成され、かつ、上記回転軸線方向で略等しく形成されており、
    上記長さの相違する上記複数の弾性羽根に対応して、該羽根の厚みを含む形状が異なっていることを特徴とする排版装置。
  4. 製版済みのマスタの先端部を保持する保持手段を備え該製版済みのマスタを外周面に巻き付ける印刷ドラムと、上記保持手段の近傍に揺動可能に配設され、上記印刷ドラムの外周面に巻き付けられた使用済みのマスタの先端部を上記印刷ドラムの略遠心方向へ蹴り出す爪状部を上記印刷ドラムの軸線方向に沿って複数備えた蹴り出し手段と、上記印刷ドラムの外周面上の使用済みのマスタを剥離し排版する排版装置とを具備する孔版印刷装置において、
    上記排版装置は、請求項1ないし3の何れか一つに記載のものであることを特徴とする孔版印刷装置
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