JP2004160662A - 印刷装置における排版装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】使用済みのマスタの先端部が排版ローラ対でくわえられる際の排版ローラの周速度が、あまりにも高速回転となっているため、マスタ先端部の角部が耳折れしたり破れたりして巻き取られていたという問題点や、排版したマスタの後端部が排版ローラ部分に巻き付いてしまいジャムが発生してしまったり、圧縮板が動作する時にマスタの後端部が圧縮板先端部に引っ掛ってしまったりする問題点を解決する。
【解決手段】制御手段20は、排版ローラ対6により使用済みのマスタ3の先端部をくわえ込まれるまでの排版ローラ周速度が、搬送時周速度の半分ないし同等である第1の周速度となるように、その後の搬送時周速度が、ドラム周速度と同等ないしドラム周速度よりも速い第2の周速度となるように、使用済みのマスタ3の後端が排版ローラ対6を抜ける直前の時、第2の周速度の最高速度よりもさらに速い第3の周速度となるようにステッピングモータ11を制御する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、孔版印刷装置等を含む印刷装置における排版装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
印刷装置として輪転式の孔版印刷装置が知られている。この孔版印刷装置では、版胴とも呼ばれている多孔性円筒状の外周部を備えた印刷ドラムの外周面上に巻装されている使用済みの版(以下、「使用済みのマスタ」という)を、排版駆動手段により回転駆動される排版ローラ対(排版剥離手段)で挟持して搬送し印刷ドラムから剥離して排版ボックスに収納する排版装置を有している(例えば、特許文献1ないし3参照)。
【0003】
上記排版装置における排版ローラ対(以下、単に「排版ローラ」というときがある)の周速度は、排版時における印刷ドラムの周速度と比べて、同じかそれ以上の周速度で回転させているのが一般的であり、排版ローラの回転開始から終了まで一定速度で回転させていた。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−43394号公報(図1ないし図3)
【特許文献2】
特開平8−238835号公報(図1および図2)
【特許文献3】
特開平8−267897号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この様な排版ローラの回転制御方法においては、使用済みのマスタの先端部をくわえる動作が印刷ドラム停止状態で行われため、排版ローラの周速度(以下、「排版ローラ周速度」というときがある)がくわえられるべき使用済みのマスタに対してあまりにも高速回転となっており、そのマスタ先端部の角部が耳折れした状態になったり、破れてしまったりして巻き取られていた。耳折れしたマスタや先端部が破れたマスタを排版ボックス内に排版収納させた場合、綺麗な蛇腹状に折り畳まれなくなって排版収納量が減少してしまうという問題や、破れたマスタ片がローラに巻き付いて次の排版時に邪魔をしてしまうという問題等があった。
【0006】
また、排版ローラによるマスタ後端部の排出性能、すなわちその蹴り出し力が不足していることに起因して、まれにではあるが排版ローラによるマスタ排出能力不足で、排版したマスタの後端部が排版ローラ部分に巻き付いてしまい排版ミス・ジャムが発生してしまったり、圧縮板が動作する時にマスタの後端部が圧縮板先端部に引っ掛ってしまったりする問題があった(後述する図4および図6参照)。
【0007】
前者の問題は排版ローラ周速度(排版ローラの回転速度)を遅く、後者の問題は排版ローラ周速度を速くするという飛躍的着想をもってすれば改善可能であったが、従来においては排版ローラの駆動源(排版駆動手段)としては、装置本体側の印刷ドラムを回転駆動する駆動モータからによるものがほとんどであるため、容易に排版ローラの回転速度を変えることができなかった。排版駆動手段としてDCモータを用いている場合の回転速度変更は、例えば排版ローラ駆動機構のギヤ列の減速比を変えるか、DCモータへの印加電圧を制御するしか方法がなかった。
【0008】
そして、ギヤ列の減速比変更で対応する場合には、ギヤ減速の組み合わせの数だけ部品が必要となり、コストアップになる上、ギヤの組み合わせが異なるだけの排版装置の種類が発生してしまうことで管理が煩雑になっていた。また、DCモータへの印加電圧制御にて対応する場合(例えば、DCモータにエンコーダを取り付け、入力パルスに応じて電流の印加時間を制御する等)は、その電圧制御装置を印刷装置に搭載しなければならず、これもコストアップとなってしまう。
【0009】
したがって、本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、上記各問題点を解決することを目的とし、請求項ごとには次のようである。
請求項1および2記載の発明の目的は、排版剥離手段(例えば排版ローラ対)により使用済みのマスタの先端部をくわえ込まれるまでの排版剥離手段の周速度が、印刷ドラムの回転と同時に排版剥離手段が回転して使用済みのマスタを巻き取る時における搬送時周速度の半分ないし同等である比較的遅い第1の周速度となるように排版駆動手段を制御することによって、排版剥離手段でマスタ先端部の角部が耳折れしたり破れてしまったりすることなく、使用済みのマスタの先端部を確実にくわえ込むことができるようにすることにある。
請求項3および4記載の発明の目的は、請求項1および2記載の発明の目的に加えて、使用済みのマスタの先端部をくわえ込まれた後の搬送時周速度が、排版時における印刷ドラムの周速度と同等ないし該印刷ドラムの周速度よりも速い第2の周速度となるように排版駆動手段を制御することによって、排版剥離手段によって使用済みのマスタの先端部が確実にくわえられたマスタを、その後の搬送状態も曲がること無く排版装置内に進入させるという安定した巻き取り動作をさせて、例えば排版容器内に搬送させて綺麗な蛇腹状に収納させ、結果的に排版収納量が増加するようにすることにある。
【0010】
請求項5記載の発明の目的は、使用済みのマスタの後端が排版剥離手段を抜ける直前の時、排版時における印刷ドラムの周速度の1.5倍以上の第3の周速度となるように、排版駆動手段を制御することによって、使用済みのマスタの後端部を蹴り出す力を増して、そのマスタの後端部が排版剥離手段に巻き付いて排版ミスが発生したり、蹴り出し能力不足によりそのマスタの後端部が例えば圧縮板のような圧縮手段の先端部に引っ掛ってしまったりする不具合を無くすことにある。
【0011】
請求項6記載の発明の目的は、請求項1ないし5の何れか一つに記載の発明の目的に加えて、使用済みのマスタの後端が排版剥離手段を抜ける直前の時、排版時における印刷ドラムの周速度の1.5倍以上となるように、排版駆動手段を制御することによって、使用済みのマスタの後端部を蹴り出す力を増して、そのマスタの後端部が排版剥離手段に巻き付いて排版ミスが発生したり、蹴り出し能力不足によりそのマスタの後端部が例えば圧縮板のような圧縮手段の先端部に引っ掛ってしまったりする不具合も無くすことにある。
【0012】
請求項7記載の発明の目的は、請求項6記載の発明の目的に加えて、角度検出手段からの回転角度検出信号に基づいて、排版剥離手段の周速度を第2の周速度から第3の周速度に切り替えることによって、排版時のマスタ搬送量がばらつくこと無く排版剥離手段の周速度(回転速度)の切り替えを可能とすることにある。
【0013】
請求項8記載の発明の目的は、請求項1ないし7の何れか一つに記載の発明の目的に加えて、排版剥離手段の周速度を変えることに伴う排版駆動手段の回転速度変更手段として、ステッピングモータを使用することで、安価で容易に実施できるようにすることにある。また、回転速度が遅い程ステッピングモータの駆動トルクがアップするという特性を利用して、さらに確実に使用済みのマスタの先端部をくわえ込むことができるようにすることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決すると共に上記目的を達成するために、各請求項記載の発明では、以下の特徴ある手段・構成を採っている。
請求項1記載の発明は、印刷ドラムに巻かれた使用済みのマスタを挟持して搬送し該印刷ドラムから剥離する排版剥離手段と、該排版剥離手段を回転駆動する排版駆動手段とを有する印刷装置における排版装置において、上記排版剥離手段により使用済みのマスタの先端部をくわえ込まれるまでの上記排版剥離手段の周速度が、上記印刷ドラムの回転と同時に上記排版剥離手段が回転して上記使用済みのマスタを挟持して搬送する時における搬送時周速度の半分ないし同等程度である比較的遅い第1の周速度となるように、上記排版駆動手段を制御する第1の制御手段を具備することを特徴とする。
【0015】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の印刷装置における排版装置において、第1の周速度は、上記搬送時周速度の0.5〜1.0倍であることを特徴としている。
【0016】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の印刷装置における排版装置において、使用済みのマスタの先端部をくわえ込まれた後の上記搬送時周速度が、排版時における上記印刷ドラムの周速度と同等ないし該印刷ドラムの周速度よりも速い第2の周速度となるように、上記排版駆動手段を制御する第2の制御手段を具備することを特徴とする。
【0017】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の印刷装置における排版装置において、第2の周速度は、上記印刷ドラムの周速度の1.0〜1.4倍であることを特徴とする。
【0018】
請求項5記載の発明は、印刷ドラムに巻かれた使用済みのマスタを挟持して搬送し該印刷ドラムから剥離する排版剥離手段と、該排版剥離手段を回転駆動する排版駆動手段とを有する印刷装置における排版装置において、上記排版剥離手段により挟持搬送された使用済みのマスタの後端が上記排版剥離手段を抜ける直前の時、排版時における上記印刷ドラムの周速度の1.5倍以上となるように、上記排版駆動手段を制御する第3の制御手段を具備することを特徴とする。
【0019】
請求項6記載の発明は、請求項1ないし5の何れか一つに記載の印刷装置における排版装置において、上記排版剥離手段により挟持搬送された使用済みのマスタの後端が上記排版剥離手段を抜ける直前の時、排版時における上記印刷ドラムの周速度の1.5倍以上である第3の周速度となるように、上記排版駆動手段を制御する第3の制御手段を具備することを特徴とする。
【0020】
請求項7記載の発明は、請求項6記載の印刷装置における排版装置において、上記印刷ドラムの回転角度を検出する角度検出手段を有し、第2の制御手段は、上記角度検出手段からの回転角度検出信号に基づいて、上記排版剥離手段の周速度を第2の周速度から第3の周速度に切り替えることを特徴とする。
【0021】
請求項8記載の発明は、請求項1ないし7の何れか一つに記載の印刷装置における排版装置において、上記排版駆動手段は、ステッピングモータであることを特徴とする。
【0022】
上記排版剥離手段の具体例としては、後述する図1、図3ないし図5に示す排版ローラ対6が用いられるほか、排版ローラ対の外周に排版剥離用ないしは搬送用のベルトを巻き付けたような態様のものも含まれる。また、後述する排版装置に具備されているような印刷ドラム上の使用済みのマスタに接触すべく変位自在な排版ローラ対や排版ベルトを用いた排版装置にも応用可能である。すなわち、印刷ドラムに巻かれた使用済みのマスタを剥離し搬送する排版剥離手段と、該排版剥離手段を回転駆動する排版駆動手段とを有する印刷装置における排版装置にも応用可能である。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して実施例を含む本発明の実施の形態(以下、「実施形態」という)を説明する。本発明を適用する図4および図5を含む従来例および各実施形態等に亘り、同一の機能や形状等を有する部材や構成部品等の構成要素については、同一符号を付すことにより一度説明した後はその説明を省略する。図および説明の簡明化を図るため、図に表されるべき構成要素であっても、その図において特別に説明する必要がない構成要素については適宜断わりなく省略することがある。
まず、図5を参照して、本発明の実施形態を適用するデジタル感熱式の孔版印刷装置の概略的な全体構成と共に、その動作について簡単に説明する。図5に示す孔版印刷装置は、印刷装置の一例である。
【0024】
図5において、符号50は、装置本体フレームを示す。装置本体フレーム50の上部にある、符号80で示す部分は原稿読取装置を構成し、その下方の符号90で示す部分は製版給版装置、その左側に符号100で示す部分は多孔性円筒状の版胴を外周部に備えた印刷ドラム1が配置されたドラム装置、その左の符号70で示す部分は本発明を具体的に適用する排版装置、製版給版装置90の下方の符号110で示す部分は給紙装置、印刷ドラム1の下方の符号120で示す部分は印圧装置、装置本体フレーム50の左下方の符号130で示す部分は排紙装置を、それぞれ示している。
【0025】
原稿読取装置80は、図示しない原稿載置台上から移送される原稿60の表面の画像を読み取る機能・構成を、製版給版装置90は、ロール状に巻かれたマスタ3を製版し給版搬送する機能・構成を、印刷ドラム1は、製版済みのマスタ3をその外周面に巻装する機能・構成を、ドラム装置100および印圧装置120は、印刷ドラム1上の製版済みのマスタ3にインキを供給し、後述する押圧手段により印刷ドラム1に対して印刷用紙62を押し付けて印刷用紙62上に印刷画像を形成する機能・構成を、排版装置70は、印刷ドラム1の外周面から使用済みのマスタ3を剥ぎ取り搬送しこれを排版ボックス75内に排出・排版する機能・構成を、給紙装置110は、給紙台51上に積載された印刷用紙62を印刷ドラム1とプレスローラ103との間に給送する機能・構成を、排紙装置130は、ドラム装置100および印圧装置120にて印刷された印刷用紙62を排紙台52に排出する機能・構成を、それぞれ有する。
【0026】
排版装置70は、図5および図6に示すように、印刷ドラム1に巻かれた使用済みのマスタ3を挟持して搬送し該印刷ドラム1から剥離する排版剥離手段としての排版ローラ対6と、排版ローラ対6を回転駆動する排版駆動手段(駆動源)としてのDCモータ78と、排版ローラ対6により剥離された使用済みのマスタ3(以下、「剥離済みのマスタ3」という)を収納する収納空間部75bおよび剥離済みのマスタ3を該収納空間部75bまで案内する案内壁面75aを備えた収納容器としての排版ボックス75と、案内壁面75aに沿って移動可能な先端部74aを備え剥離済みのマスタ3を収納空間部75bに搬送し圧縮する圧縮手段としての圧縮板74と、圧縮板74をして往復揺動運動をさせる図示しない排版圧縮機構とを具備している。
【0027】
排版ローラ対6は、例えば特開2000−43394号公報の図1ないし図3に示されていると同様に、外周面に多数の歯車状突起(図示せず)を有する剛性体ローラ8と、この剛性体ローラ8の外周面に当接する弾性体ローラ7と、この弾性体ローラ7の外周面よりも外方へ放射状に突出した複数の弾性羽根9を有する羽根ローラ10とから構成されている。
排版ローラ対6を構成する上記各ローラは、印刷ドラム1上の使用済みのマスタ3のマスタ幅方向(印刷ドラム1の軸線方向)に沿って複数配置され、かつ、上記マスタ幅方向の中心に対して略対称となる位置に配置されている。
排版剥離手段として上記したような排版ローラ対6を使用する場合には、特開平6−234264号公報や上記特開2000−43394号公報に記載されているように、印刷ドラム1の外周面に巻装されたマスタ3には、印刷ドラム1の外周面に巻き付けられる際に製版給版装置(例えば特開平6−234264号公報の図2参照)により、印刷ドラム1から離間する方向に湾曲する習性のカール癖(印刷ドラム1の外周面に巻き付くのと反対方向のカール癖)が付けられている。
このような排版ローラ対6を使用すれば、使用済みのマスタ3を印刷ドラム1の外周面から剥離・排版するために、排版ローラや分離爪を揺動させるソレノイドやスプリングなどの複雑な機構を必要とせず、またそれらの位置関係の微妙な調整をする必要もなく、しかも印刷ドラム1の外表面を傷つけることがなくて、孔版印刷装置の小型化およびコストダウンを図れるというものである。
【0028】
上記排版圧縮機構は、共にその図示を省略した、駆動手段としての正逆転可能な排版圧縮モータと、この排版圧縮モータの出力軸に固着されたウォームおよびこのウォームと常時噛み合うウォームホイールからなるウォームギヤと、上記ウォームホイールと同軸上に設けられた小径ギヤおよびアイドルギヤ等を含むギヤ列と、このギヤ列の最終段のギヤに固定されている圧縮板74の支軸74bとから主に構成されている。上記排版圧縮機構は、装置本体側に配設されている。 圧縮板74は、上記排版圧縮機構により、剥離済みのマスタ3を排版ボックス75の収納空間部75bに搬送・圧縮する図6に二点鎖線で示す収納位置と、この収納位置から右方へ揺動して排版ローラ対6からの剥離済みのマスタ3の導入に支障とならない図5および図6に実線で示す非収納位置(ホームポジション)との間で、支軸74bを中心とした往復揺動運動をする。
【0029】
図6において、符号75cは、排版ボックス75を装置本体から着脱する際に把持・操作するための取っ手を示す。排版ボックス75は、周知の着脱手段を介して装置本体に対して着脱自在になされている。排版ボックス75は、案内壁面75aの部分が部分円筒状をなす部分を有し、全体として概略筐体状に形成されていて、印刷ドラム1の軸線方向に沿って延在して設けられている。
圧縮板74の基端部は、装置本体側に所定角度回動自在に支持された支軸74bに固定され、圧縮板74の先端部74aは、支軸74bを中心として揺動自在に設けられている。案内壁面75aは、使用されるマスタ3の最大幅寸法よりも長くマスタ3の幅方向、すなわち印刷ドラム1の軸線方向と平行に延在している。排版ボックス75の案内壁面75aは、圧縮板74先端部74aが描く往復揺動軌跡と後述する隙間を介して略一致した部分円筒内壁面形状をなしている。
【0030】
次に、孔版印刷装置の全体動作について以下に説明する。
先ず、ユーザは原稿読取装置80の上部に配置された原稿載置台(図示せず)に、印刷すべき画像を持った原稿60を載置し、図示しない操作パネルに配設されている製版スタートキー(図示せず)を押す。この製版スタートキーの押下に伴い、先ず排版工程が実行される。すなわち、この状態においては、ドラム装置100の印刷ドラム1の外周面に前回の印刷で使用された使用済みのマスタ3が装着されたまま残っていて、印刷ドラム1はそのマスタクランパ2が図5に二点鎖線で示す略左横ないしは左斜め上方に位置する印刷ドラム1の回転位置、すなわちホームポジション(排版位置)を占めて停止している。
【0031】
上記製版スタートキーからの製版スタート信号がトリガとなって、直ちに、装置本体側に配設されていてマスタクランパ2を開閉駆動する図示しない開閉装置が作動することにより、マスタクランパ2が図5に二点鎖線で示すように拡開されると、印刷ドラム1から離間する方向に湾曲する習性のカール癖を付けられた使用済みのマスタ3の先端部が開放されフリーな状態となる。この直前において、排版ローラ対6がDCモータ78の起動により、例えば図3を借りて説明するギヤ列13を介して、図2に一点鎖線で示されているように一定の回転速度(排版ローラ周速度)で回転駆動されることによって、使用済みのマスタ3の先端部が排版ローラ対6にくわえ込まれた後、一時的に排版ローラ対6の回転が停止する。この後、上記開閉装置が作動することにより、マスタクランパ2が閉じられると、印刷ドラム1を回転駆動する図示しないメインモータの起動により、印刷ドラム1がインキ供給管104を兼ねる支軸104の周りに図5中矢印A方向(時計回り方向)に回転を始め、これと同時に排版ローラ対6が再び回転駆動されることで、剥離済みのマスタ3は排版ローラ対6により挟持されながら排版ボックス75に向けて搬送され、案内壁面75aに案内されつつ排版ボックス75内に排出され収納されていく。
【0032】
この際、排版ローラ対6によるマスタ3の蹴り出しが不十分で、圧縮板74が時計回り方向に揺動した時に案内壁面75aと圧縮板74の先端部74aとの隙間Cに剥離済みのマスタ3の後端部が挟まり残ったままの状態で排版ボックス75内に搬送されていく場合がある。このような状態では、圧縮板74が剥離済みのマスタ3を圧縮後、再びホームポジションに戻ってきてもなお圧縮板74の先端部74aにそのマスタ3が引っ掛ったままであり、次の排版動作において剥離済みのマスタ3の進入を妨げてしまうという問題があった。
【0033】
一方、排版装置70内では、上記排版圧縮モータが正転駆動されることにより、上記排版圧縮モータの回転運動が上記排版圧縮機構によって圧縮板74の揺動運動に変換され、圧縮板74は図5および図6において時計回り方向に図示しない圧縮板圧縮センサによって検知されるまで揺動し、排版ボックス75内に収納されている剥離済みのマスタ3をさらに排版ボックス75の左側奥部へ向けて搬送しつつ圧縮する。
説明が前後するが、後述するマスタ3に対する製版動作およびカッタ95による切断動作が終了すると、上記排版圧縮モータが逆転駆動されることにより、圧縮板74は図示しない圧縮板ホームポジションセンサによって検知されるまで、すなわちホームポジションである非収納位置を占めるまで反時計回り方向に揺動し、ホームポジションで停止し、一連の排版動作が完了する。
【0034】
排版工程が終了後、原稿読取装置80では原稿読み取りが行われる。すなわち、図示しない原稿載置台に載置された原稿60は、分離ローラ81、前原稿搬送ローラ対82a,82bおよび後原稿搬送ローラ対83a,83bのそれぞれの回転により矢印Y2からY3方向に搬送されつつ露光読み取りに供される。このとき、原稿60が多数枚あるときは、分離ブレード84の作用でその最下部の原稿のみが搬送される。原稿60の画像読み取りは、コンタクトガラス85上を搬送されつつ、蛍光灯86により照明された原稿60の表面からの反射光を、ミラー87で反射させレンズ88を通して、CCD(電荷結合素子)から成る画像センサ89に入射させることにより行われる。その画像が読み取られた原稿60は原稿トレイ80A上に排出される。画像センサ89で光電変換された電気信号は、装置本体フレーム50内の図示しないアナログ/デジタル(A/D)変換基板に入力されデジタル画像信号に変換される。
【0035】
一方、この画像読み取り動作と並行して、デジタル信号化された画像情報に基づき製版および給版工程が行われる。すなわち、製版給版装置90の所定部位にマスタ3を繰り出し可能にセットされたロール状のマスタロール3Aから、マスタ3が引き出され、サーマルヘッド91にマスタ3を介して押圧しているプラテンローラ92、および送りローラ対93a,93bの回転によりマスタ搬送方向Yの下流側に搬送される。このように搬送されるマスタ3に対して、サーマルヘッド91にライン状に並んだ多数の微小な発熱素子が、上記A/D変換基板から送られてくるデジタル画像信号に応じて各々選択的に発熱し、発熱した発熱素子に接触しているマスタ3の熱可塑性樹脂フィルムが溶融穿孔される。このように、画像情報に応じたマスタ3の位置選択的な溶融穿孔により、画像情報が穿孔パターンとして書き込まれる。
【0036】
マスタ3は、連続シート状をなし、例えば、厚さが0.5〜5μmのポリエステルテレフタレート(PET)系の熱可塑性樹脂フィルムと、和紙や合成繊維等から構成される多孔質支持体とを接着剤等で貼り合わせたものが用いられる。マスタ3としては、上記したものの他、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)からなる細い合成繊維が100%入っている多孔性支持体と、ポリエチレンテレフタレート(PET)からなる熱可塑性樹脂フィルムとを貼り合わせたいわゆる合成繊維ベースマスタや、多孔性支持体の無いいわゆる実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタ3も用いられる。
【0037】
画像情報が書き込まれた製版済みのマスタ3の先端は、給版ローラ対94a,94bにより印刷ドラム1の外周部側へ向かって送り出され、図示しない給版ガイド板により進行方向を下方へ変えられ、図5に示す給版位置状態にある印刷ドラム1の拡開したマスタクランパ2(二点鎖線で示す)へ向かって垂れ下がる。このとき印刷ドラム1は、排版工程により使用済みのマスタ3を既に除去されている。
そして、製版済みのマスタ3の先端が、一定のタイミングでマスタクランパ2によりクランプ・保持されると、印刷ドラム1は図中A方向(時計回り方向)に回転しつつ外周面に製版済みのマスタ3を徐々に巻きつけていく。製版済みのマスタ3の後端部はカッタ95により一定の長さに切断される。
【0038】
一版の製版済みのマスタ3が印刷ドラム1の外周面に巻装されると製版および給版工程が終了し、印刷工程が開始される。先ず、給紙台51上に積載された印刷用紙62のうちの最上の1枚が、給紙コロ111および分離コロ対112a,112bによりレジストローラ対113a,113bに向けて矢印Y4方向に送り出され、さらにレジストローラ対113a,113bにより印刷ドラム1の回転と同期した所定のタイミングで印刷ドラム装置100および印圧装置120に送られる。送り出された印刷用紙62が、印刷ドラム1とこれに印刷用紙62を押し付ける押圧手段としてのプレスローラ103との間にくると、印刷ドラム1の外周面下方に離間していたプレスローラ103が上方に移動されることにより、印刷ドラム1の外周面に巻装された製版済みのマスタ3に押圧される。こうして、印刷ドラム1の多孔部および製版済みのマスタ3の穿孔パターン部(共に図示せず)からインキが滲み出し、この滲み出たインキが印刷用紙62の表面に転移されて、印刷画像が形成される。
押圧手段としては、上記プレスローラ103の他に、印刷ドラムの外径と略同径の圧胴や、膨出可能な印刷ドラム(版胴)内に配設されたインキ供給装置を構成する中押しローラとも呼ばれるインキローラ突出タイプのものも用いられる(例えば特開平1−204781号公報や特開平3−197078号参照)。
【0039】
このとき、印刷ドラム1の内周側では、インキ供給管104からインキローラ105とドクターローラ106との間に形成されたインキ溜まり107にインキが供給され、印刷ドラム1の回転方向と同一方向に、かつ、印刷ドラム1の回転速度と同期して回転しながら内周面に転接するインキローラ105により、インキが印刷ドラム1の内周側に供給される。インキは、例えばW/O型のエマルションインキを使用している。
【0040】
ドラム装置100および印圧装置120において印刷画像が形成された印刷用紙62は、排紙装置130における排紙剥離爪114および送風用ファン119からの送風によって印刷ドラム1から剥がされ、吸着用ファン118に吸引されつつ、吸着排紙入口ローラ115および吸着排紙出口ローラ116に掛け渡された多孔性の搬送ベルト117の反時計回り方向の回転により、矢印Y5のように排紙台52へ向かって搬送され、排紙台52上に順次排出積載される。このようにして所謂版付け印刷とも呼ばれる試し刷りが終了する。
【0041】
次に、上記操作パネルに配設されている図示しないテンキーで印刷枚数をセットし、上記操作パネルに配設されている図示しない印刷スタートキーを押下すると上記試し刷りと同様の工程で、給紙、印刷および排紙の各工程がセットした印刷枚数分繰り返して行われ、孔版印刷の全工程が終了する。
【0042】
図1ないし図3に、本発明の一実施形態を示す。
本実施形態に係る孔版印刷装置は、図5に示した孔版印刷装置と比較して、図1(a)に示すように、印刷ドラム1の回転角度を検出する角度検出手段を有すること、図5および図6に示した排版装置70に代えた排版装置30を有すること、および排版ローラ対6の周速度を排版動作の所定の時機(タイミング)で切り替える制御手段20を有することが主に相違する。
以下、排版ローラ対6の周速度を、「排版ローラ周速度」または「排版ローラ回転速度」というときがある。排版ローラ対6の周速度、排版ローラ周速度とは、弾性体ローラ7や剛性体ローラ8の外周面の速度を指す。本実施形態では、弾性体ローラ7や剛性体ローラ8の外径および図3に示すギヤ列13を変えずにそのままとしているので、排版ローラ周速度は排版ローラ回転速度と同じことを意味する。
【0043】
印刷ドラム1は、例えばギヤやベルト等の周知の駆動力伝達手段を介して印刷ドラム駆動手段としてのメインモータ35に連結されており、メインモータ35によって回転駆動される。メインモータ35は、例えばDCモータからなり、装置本体フレーム50に固定されている。
上記角度検出手段は、図1(a)に示すように、エンコーダ板14、エンコーダセンサ15、ドラムセンサフィラ16およびドラムホームポジションセンサ17から構成されている。
メインモータ35の出力軸には、多数のスリットを備えたエンコーダ板14が取り付けられている。エンコーダ板14近傍の装置本体フレーム50には、エンコーダ板14を所定の間隔をもって挾み付けるフォトインタラプタ(透過型の光学センサ)からなるエンコーダセンサ15が配設されている。メインモータ35の回転駆動によるエンコーダ板14の回転動作に協働して発生されたパルス数をエンコーダセンサ15で検出することにより、印刷ドラム1の回転角度や回転速度が検出されるようになっている。エンコーダ板14およびエンコーダセンサ15は、フォトロータリエンコーダであり、インクリメンタル型のパルスエンコーダを構成している。
【0044】
印刷ドラム1の図1(a)における奥側の端板には、印刷ドラム1の回転位置を検知し割り出すための上記端板からさらに奥側に突出した正面視で略「く」字形状をなすドラムセンサフィラ16が固定されている。
一方、印刷ドラム1の図1(a)における奥側の端板に対向した本体フレーム50側の所定位置には、印刷ドラム1がそのマスタクランパ2を印刷ドラム1の略左横ないしは左斜め上方に位置させる排版位置でもあるホームポジションを占めたときに、ドラムセンサフィラ16と係合することによってそのホームポジションを検知するためのドラムホームポジション検知手段としてのドラムホームポジションセンサ17が配置されている。ドラムホームポジションセンサ17は、透過型の光学センサからなる。
【0045】
図1(a)に示す印刷ドラム1の回転位置は、印刷ドラム1がホームポジションを占めて停止している状態を表している。この時、ドラムホームポジションセンサ17は、印刷ドラム1側のドラムセンサフィラ16によってその光路を遮断されて、印刷ドラム1のホームポジションをオン検知している状態にある。このホームポジションが、印刷ドラム1の回転角度検出の基準となっている。
なお、メインモータ35側に配設した上記パルスエンコーダに代えて、これを印刷ドラム1側に配設してもよい。印刷ドラム1側に上記パルスエンコーダと同様のものを配設すれば、メインモータ35と印刷ドラム1との間を連結しているギヤやベルト等(回転駆動力伝達手段)のバックラッシュやベルトの伸びによる印刷ドラム1の回転角度のばらつき・変動等を排除して、印刷ドラム1の回転角度を直接的に正確に検出できる。
【0046】
排版装置30は、図5および図6に示した従来例の排版装置70と比較して、排版ローラ対6を回転駆動するDCモータ78に代えて、排版ローラ対6を回転駆動する排版駆動手段(駆動源)としてのステッピングモータ11を有すること、排版ボックス75に代えて、剥離済みのマスタ3を収納する収納空間部5bを備えた収納容器としての排版ボックス5を有すること、排版ボックス75の案内壁面75aに代えて、案内壁面18aを備えた上ガイド板18を有すること、圧縮板74に代えて、案内壁面18aに沿って移動可能な先端部4aを備え剥離済みのマスタ3を収納空間部5bに搬送し圧縮する圧縮手段としての圧縮板4を有すること、および従来例の排版圧縮機構に代えて、圧縮板4をして往復揺動運動をさせる図示しない排版圧縮機構を有することが主に相違する。
【0047】
図3を参照して、ステッピングモータ11の回転駆動力を排版ローラ対6に伝達する駆動力伝達手段としてのギヤ列13を説明する。
ギヤ列13は、ステッピングモータ11の出力軸に固着されたモータギヤ13aと、モータギヤ13aと噛み合う小径アイドルギヤ13bと、小径アイドルギヤ13bと同軸上に一体的に設けられた大径アイドルギヤ13cと、大径アイドルギヤ13cと噛み合うローラギヤ13dと、ローラギヤ13dと同軸上であってローラギヤ13dよりも内側のローラ軸8aの一端部に固着された駆動ギヤ13eと、駆動ギヤ13eと噛み合う従動ギヤ13fとから構成されている。
小径アイドルギヤ13bおよび大径アイドルギヤ13cは、装置本体フレーム50側の図示しない側板に軸を持って回転自在に支持されている。ローラギヤ13dは、剛性体ローラ8のローラ軸8aの一端部に固着されている。従動ギヤ13fは、弾性体ローラ7および羽根ローラ10の共通のローラ軸7aの一端部に固着されている。各ローラ軸7a,8aは、各ローラ軸7a,8aの両端部に配設された一対の側板(図示せず)に回転自在に支持されている。ステッピングモータ11は、上記側板に固定されている。
【0048】
本実施形態の上記排版圧縮機構は、上記した従来のそれと比較して、往復揺動運動させる方向が上記した従来例と逆であることのみ相違し、他は実質的に同様である。
圧縮板4は、上記排版圧縮機構により、反時計回り方向に揺動して剥離済みのマスタ3を排版ボックス5の収納空間部5bに搬送・圧縮する図示しない収納位置と、この収納位置から時計回り方向へ揺動して排版ローラ対6からの剥離済みのマスタ3を受けて載置する図1に示す非収納位置(ホームポジション)との間で、支軸4bを中心とした往復揺動運動をする。
【0049】
図1において、符号5cは、排版ボックス5を装置本体から着脱する際に把持・操作するための取っ手を示す。排版ボックス5は、周知の着脱手段を介して装置本体に対して着脱自在になされている。排版ボックス5は、略筐体状に形成されていて、印刷ドラム1の軸線方向に沿って延在して設けられている。
圧縮板4の基端部は、装置本体側に所定角度回動自在に支持された支軸4bに固定され、圧縮板4の先端部4aは、支軸4bを中心として揺動自在に設けられている。圧縮板4の基端部には、剥離済みのマスタ3の先端部を当接させてこれを順次折り畳むように癖付けするための立壁面4cが形成されている。
上ガイド板18の案内壁面18aは、使用されるマスタ3の最大幅寸法よりも長くマスタ3の幅方向、すなわち印刷ドラム1の軸線方向と平行に延在している。案内壁面18aは、圧縮板4の先端部4aが描く往復揺動軌跡と図4に示す隙間Cを介して略一致した部分円筒内壁面形状をなしている。
【0050】
図1(a)に示すように、制御手段20は、本実施形態に係る孔版印刷装置の主として排版制御のうちの排版ローラ周速度の可変制御を行うためのものである。以下、説明の簡明化を図るため、孔版印刷装置の上記排版制御以外の全体動作を制御するものとして図示しないメイン制御手段があり、このメイン制御手段と制御手段20とは互いに指令信号やオン/オフ信号あるいはデータ信号等を送受信しているものとして説明する。
制御手段20は、それぞれ図示しない、CPU(中央演算処理装置)、I/O(入出力)ポート、RAM(読み書き可能な記憶装置)、ROM(読み出し専用記憶装置)および図示しないタイマ等を備え、それらが信号バスによって接続された構成を有するマイクロコンピュータを具備している。
【0051】
制御手段20の上記CPU(以下、単に「制御手段20」というときがある)は、上記入力ポートおよび各センサ入力回路を介して、エンコーダセンサ15、ドラムホームポジションセンサ17と電気的に接続されていて、エンコーダセンサ15から印刷ドラム1の回転角度に係る出力信号(データ信号:パルス信号)、ドラムホームポジションセンサ17から印刷ドラム1のホームポジションを検出するための出力信号(オン/オフ信号)を受信する。
これにより、制御手段20は、ドラムホームポジションセンサ17からの印刷ドラム1の回転角度の基準となるホームポジションに係る信号およびメインモータ35の回転量(回転数)に係るエンコーダセンサ15からのパルス数に基づいて、印刷ドラム1の回転角度を計算し、後述する排版ローラ周速度の変更のタイミングを判断する。
【0052】
制御手段20は、上記出力ポートおよび図示しない制御回路を含むモータ駆動回路12を介して、ステッピングモータ11に電気的に接続されていて、ステッピングモータ11を制御する指令信号をモータ駆動回路12に送信する。
【0053】
排版ローラ周速度(排版ローラ回転速度)の変更は、制御手段20によりステッピングモータ11に供給するパルスの周波数(pps:pulse per second)を変えること、すなわちパルス間隔を変える(パルス間隔を狭くしていけば加速、一定間隔では等速、パルス間隔を広くしていけば減速)ことで容易に行える。制御手段20は、実施例的に言えば、例えば市販のマイクロコンピュータを用いて容易に構成することができる。
【0054】
制御手段20の上記RAMは、上記CPUでの計算結果を一時記憶したり、エンコーダセンサ15からの印刷ドラム1の回転角度に係る出力信号や、ドラムホームポジションセンサ17からの印刷ドラム1のホームポジションを検出するための出力信号を随時記憶したりしてこれら信号の入出力を行う。
制御手段20の上記ROMには、上記CPUが後述する制御機能を発揮するための、「図2に示す排版ローラ周速度を変えるためのステッピングモータ11に供給するパルスの周波数と印刷ドラム1の回転角度に係るエンコーダセンサ15から出力されるパルス数との関係データ」や「ステッピングモータ11に供給するパルスの周波数を変えるためのプログラム」が予め記憶・格納されている。
【0055】
第1に、制御手段20は、エンコーダセンサ15からの印刷ドラム1の回転角度に係る出力信号(パルス数信号)、ドラムホームポジションセンサ17から印刷ドラム1のホームポジションを検出するための出力信号を参照しながら、排版ローラ対6により使用済みのマスタ3の先端部をくわえ込まれるまでの排版ローラ周速度が、印刷ドラム1の回転と同時に排版ローラ対6が回転して使用済みのマスタ3を挟持して搬送する時における搬送時周速度の半分ないし同等である比較的遅い第1の周速度(具体的には、搬送時周速度の0.5〜1.0倍)となるように、モータ駆動回路12を介してステッピングモータ11を制御する第1の制御手段としての制御機能を有する。以下、「モータ駆動回路12を介してステッピングモータ11を制御する」ことを、単に「ステッピングモータ11を制御する」という。
【0056】
第2に、制御手段20は、エンコーダセンサ15からの印刷ドラム1の回転角度に係る出力信号(パルス数信号)、ドラムホームポジションセンサ17から印刷ドラム1のホームポジションを検出するための出力信号を参照しながら、排版ローラ対6によって使用済みのマスタ3の先端部をくわえ込まれた後の搬送時周速度が、排版時における印刷ドラム1の周速度(ドラム周速度)と同等ないしドラム周速度よりも速い第2の周速度(実施例的には、ドラム周速度の1.0〜1.4倍)となるように、ステッピングモータ11を制御する第2の制御手段としての制御機能を有する。
【0057】
第3に、制御手段20は、エンコーダセンサ15からの印刷ドラム1の回転角度に係る出力信号(パルス数信号)、ドラムホームポジションセンサ17から印刷ドラム1のホームポジションを検出するための出力信号を参照しながら、使用済みのマスタ3の後端が排版ローラ対6を抜ける直前の時、第2の周速度の最高速度よりもさらに速い第3の周速度(実施例的には、ドラム周速度の1.5倍以上1.8倍以下)となるように、ステッピングモータ11を制御する第3の制御手段としての制御機能を有する。
【0058】
次に、図1(a)(b)(c)および図2を参照して、本実施形態における要部の排版動作、すなわち排版時における挟持搬送動作の一連の流れおよび排版ローラ周速度(排版ローラの回転速度)の可変制御を説明する。なお、図1(a)(b)(c)に示した圧縮板4、排版ボックス5、排版ローラ対6および上ガイド板18の位置関係や形状は、図の簡明化を図るために簡略的に描かれていて、図4(a)(b)に示したものが正確であることを付記しておく。以下、排版時における「挟持搬送」、「挟持搬送動作」という用語を、より分かりやすい「排版巻き取り」、「排版巻き取り動作」と言い替えることがある。
【0059】
まず、図1(a)に示したように、印刷ドラム1がホームポジション(排版位置)を占めて停止した直後において、図5で説明したと同様の詳細動作を介してマスタクランパ2が開く。マスタクランパ2が開く直前において、図2に示すように、ステッピングモータ11が起動されることにより排版ローラ対6が回転を開始して、フリーになった使用済みのマスタ3の先端部をくわえ込む。
印刷ドラム1がホームポジションを占めて停止し、図2において印刷ドラム1の回転角度が0°(度)になる時、排版ローラ対6により使用済みのマスタ3の先端部をくわえ込まれるまでの排版ローラ周速度(回転速度)は、図2のaで示す範囲に対応して設定されている。すなわち、制御手段20によって、印刷ドラム1の回転と同時に排版ローラ対6が回転して使用済みのマスタ3を挟持し搬送する時における搬送時周速度の半分ないし同等である比較的遅い第1の周速度(実施例的には、搬送時周速度の0.5〜1.0倍)となるような所定のパルス周波数のパルスに係るデータを上記ROMから呼び出して、その所定のパルスをステッピングモータ11に供給する。
【0060】
ここで、排版ローラ周速度が搬送時周速度の0.5倍未満であると、版付け印刷を含めて最初の印刷物が得られるまでのFPT(ファースト・プリントタイム)が余りにも長くなる点から、また1.0倍を超えると後述する利点や効果を得られなくなってしまう点から好ましくない。
上記した特有の排版ローラ周速度の制御により、使用済みのマスタ3の先端部の角部が耳折れしたり、マスタ3が破れてしまったりすることがなくなり、使用済みのマスタ3の先端部を排版ローラ対6で確実にくわえ込むことができる。
【0061】
使用済みのマスタ3の先端部が排版ローラ対6にくわえ込まれた後、一時的にステッピングモータ11が停止されることにより排版ローラ対6の回転が停止するが、この状態は図2では省略している。この後、上記開閉装置が作動することにより、マスタクランパ2が閉じられると、印刷ドラム1は図1(b)中矢印A方向に回転を開始し、これと同時に排版ローラ対6が回転駆動されることで、排版ローラ対6が使用済みのマスタ3を排版装置30の内部に搬送して行く。
【0062】
この排版巻き取り中には、剥離済みのマスタ3の先端部が圧縮板4の立壁面4cに当接することで順次折り畳まれるように癖付けされて圧縮板4上に載置されていくと共に、その際の搬送時周速度が図2のbで示す範囲に対応して設定されている(印刷ドラム1の回転角度で0°以上270°以内の範囲)。
すなわち、制御手段20によって、搬送時周速度が排版時における印刷ドラム1の周速度(ドラム周速度)と同等ないしドラム周速度よりも速い第2の周速度(実施例的には、ドラム周速度の1.0〜1.4倍)となるような所定のパルス周波数のパルスに係るデータを上記ROMから呼び出して、その所定のパルスをステッピングモータ11に供給する。排版ローラ対6の回転速度の切り替えタイミングは、印刷ドラム1が回転するのと同時に行っている。
【0063】
ここで、排版ローラ周速度(搬送時周速度)がドラム周速度の1.0倍未満であると、排版ローラ対6により挟持搬送される印刷ドラム1上の使用済みのマスタ3がだぶついて排版ジャムを生じたり、使用済みのマスタ3に付着しているインキが印刷装置の内部に有る構成部品や部材等に接触して印刷装置内部を汚してしまったりするという点から、また1.4倍を超えると印刷ドラム1上の使用済みのマスタ3を無理矢理引っ張ってしまうことで挟持搬送中のマスタ3が破れてしまう虞や、綺麗な蛇腹状に折り畳まれなくなる等の後述する利点や効果を得られなくなってしまう点から好ましくない。
上記した特有の排版ローラ周速度の制御により、排版ローラ対6によってその先端部が綺麗にくわえられた使用済みのマスタ3は、その後の搬送状態も曲がって進入すること無く排版装置30内部の圧縮板4上に整然と折り畳まれた状態で載置収納されていき、次いで圧縮板4の反時計回り方向の揺動搬送動作によって排版ボックス5内に搬送され綺麗な蛇腹状に折り畳まれた状態で圧縮・収納される。結果として排版収納量が増加するという利点が得られる。
【0064】
図1(c)に示す排版巻き取り動作は、排版ローラ対6から剥離済みのマスタ3)の後端が抜ける直前の位置を示しており、その際の搬送時周速度が図2のcで示す範囲に対応して設定されている(印刷ドラム1の回転角度で271°以上360°以内の範囲)。すなわち、制御手段20によって、使用済みのマスタ3の後端が排版ローラ対6を抜ける直前の時、第2の周速度の最高速度よりもさらに速い第3の周速度(実施例的には、ドラム周速度の1.5倍以上1.8倍以下)となるような所定のパルス周波数のパルスに係るデータを上記ROMから呼び出して、その所定のパルスをステッピングモータ11に供給する。
【0065】
排版ローラ対6の回転速度切り替えタイミングは、予め確認を行って決められた印刷ドラム1の回転位置に達した時点で行っている。ここで、「予め確認」とは、使用済みのマスタ3の後端が排版ローラ対6に巻き付いたり、圧縮板4の先端部4aに引っ掛ってしまうような不具合が発生しない位置を見極めた後に決定することを意味する。
【0066】
ここで、排版ローラ周速度(搬送時周速度)がドラム周速度の1.5倍未満であると、後述する利点や効果を得られなくなってしまう点から好ましくない。さらに、ドラム周速度のさらに1.8倍を超えると、排版ローラ対6と印刷ドラム1の周速度差が大きくなり、モータ(ステッピングモータ11)の異常音を引き起こしてしまったり、モータに過度な負荷を与えてしまうという点から好ましくない。
上記した特有の排版ローラ周速度の制御により、使用済みのマスタ3の後端部を蹴り出す力が増し、排版ローラ対6にそのマスタ3の後端部が巻き付くような不具合がが無くなるほか、蹴り出し能力不足により使用済みのマスタ3の後端部が圧縮板4の先端部4aに引っ掛ってしまう不具合も無くなる。
【0067】
排版ローラ周速度における第1の周速度ないし第3の周速度の上記設定において、所定の範囲を持たせているのは、ステッピングモータ11の特性(主として駆動トルク)、排版ローラ対6を構成している各ローラの配置個数やそのレイアウトのバリエーションにより、またマスタ3のサイズ(主としてマスタ搬送方向と直交するマスタ幅サイズ)の大小により、あるいはインキの種類や環境の変動(温湿度)の影響を受けて、その適正な周速度の範囲が変わるからである。
【0068】
図1および図3に示した排版装置30および制御構成にて、確認試験を実施したところ、上述した利点および後述する効果のとおりの良好な結果を得ることができた。主要な確認試験条件を挙げると、以下のとおりである。
マスタ3の構成:ポリエステルテレフタレート(PET)系の熱可塑性樹脂フィルムと多孔質支持体とからなる感熱孔版原紙
インキ:エマルションインキ
試験に用いた孔版印刷装置:株式会社リコー製のプリポートJP750(2003年4月発売予定)
本実施形態の利点を、図4(a)(b)に示す比較例(従来例)としての排版装置70Aと比較して説明する。
排版装置70Aは、本実施形態の排版装置30と比較して、図5に示した従来例と同様のDCモータ78で、常に一定の排版ローラ周速度で排版ローラ対6が回転駆動されることのみ相違するものである。
すなわち、図4(a)ないし図4(b)に示すように、排版ローラ対6による使用済みのマスタ3の後端部の蹴り出しが不十分で、圧縮板4が反時計回り方向に揺動した時に、排版装置70Aの上がイド板18の案内壁面18aと圧縮板4の先端部4aとの隙間Cに、剥離済みのマスタ3の後端部が挟まり残ったままの状態で排版ボックス(図示せず)内に搬送されていく。この様な状態では、圧縮板4が剥離済みのマスタ3を圧縮後、再びそのホームポジションに戻ってきてもなお圧縮板4の先端部4aに剥離済みのマスタ3が引っ掛ったままであり、次の排版動作においてマスタの進入を妨げてしまうという問題点となる。
【0069】
上記した排版巻き取り動作(挟持搬送動作)は、印刷ドラム1が1回転した頃に終了し、その後、さらに印刷ドラム1が給版位置まで回転して停止し、次の給版動作を待つこととなる。
一方、剥離済みのマスタ3が排版装置30の排版ボックス5内に完全に取り込まれると、上記排版圧縮モータの起動により圧縮板4が支軸4bを中心として反時計回り方向に揺動することにより、剥離済みのマスタ3が排版ボックス5の収納空間部5b内に搬送されて圧縮・収納される。
【0070】
本実施形態によれば、上記利点のほか次の利点も得られる。すなわち、従来例と比較して、排版駆動手段としてステッピングモータ11を使用していること、およびこれを制御するための制御手段20を具備しているという比較的簡素な制御構成を付加するだけで、安価で容易に排版ローラ周速度(回転速度)の切り替えを行うことができる。また、使用済みのマスタ3の先端部をくわえるタイミングは印刷ドラム1が停止した状態であるため、排版ローラ対6がそのマスタ3の先端部をくわえた状態でマスタ3表面を排版ローラ対6がスリップして回転している状態であり、この状態ではステッピングモータ11に負荷が加わっている。このタイミングでは、上述したように排版ローラ周速度(回転速度)を比較的遅い第1の周速度にしているため、ステッピングモータ11使用の場合、その特性上、回転速度が遅い程ステッピングモータ11の駆動トルクがアップするため、上記スリップを減少させてさらに確実に使用済みのマスタ3をくわえ込むことができるという利点が得られる。
【0071】
本発明に係る排版装置は、上述した排版ローラ対6を具備するものに限らず、例えば特開平10−193768号公報の図1および図7等に示されているような排版剥離ローラ(51)、排版ローラ(53)、排版モータ(52)および図示しない移動手段等を具備し、排版剥離ローラ(51)が上記移動手段を介して、印刷ドラム(2)の外周面上の使用済マスタ(22b)の先端部に接触すべく変位してその先端部をすくい上げて剥離し挟持・搬送する形態のものにも応用可能である。
例えば特開平8−238835号公報の図2等に示されているような排版ローラー(17,18,19,20,21,22)、無端ベルト(23,24,25,26)、リンク(27,28)およびソレノイド(29)等から構成された排版手段(9)にも応用可能である。
また、特開平11−10996号公報の図1等に示されているような排版コロ上(71)、排版コロ下(2)、排版搬送コロ上、下(75,76)および排版搬送コロ上、下(75,76)と排版コロ上、下対(71,2)との間に掛け渡された上下一対の排版搬送ベルト上、下(73,74)を具備し、排版コロ下(2)が版胴(101)外周面の使用済みのマスタ(61)の後端部に接触すべく変位してその先端部をすくい上げて剥離し挟持・搬送する形態のものにも応用可能である。
【0072】
上記実施形態のマスタ剥離方式は、例えば特開平5−309933号および特開平5−286223号公報等に開示されているものと同様に、印刷ドラム(版胴)に配設されているマスタクランパを開放させて、マスタ先端部から使用済みのマスタを剥離し始めるマスタ先端部剥離方式であったが、これに限らず、例えば実公平2−274号、特開昭63−74679号公報等に開示されているように、印刷ドラム(版胴)の外周面に巻装されている使用済みのマスタ後端部に変位自在な排版コロを接触させてマスタ後端部から使用済みのマスタを剥離し始めるマスタ後端部剥離方式のものにも応用可能である。
以上述べたとおり、本発明を実施例を含む特定の実施形態等について説明したが、本発明の構成は、上述した実施形態等に限定されるものではなく、これらを適宜組み合わせて構成してもよく、本発明の範囲内において、その必要性及び用途等に応じて種々の実施形態や実施例を構成し得ることは当業者ならば明らかである。
【0073】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、上述したような従来装置の有する諸問題点を解決して新規な印刷装置における排版装置を提供することができる。請求項ごとの効果を挙げれば次のとおりである。
請求項1および2記載の発明によれば、排版剥離手段(例えば排版ローラ対)により使用済みのマスタの先端部をくわえ込まれるまでの排版剥離手段の周速度が、印刷ドラムの回転と同時に排版剥離手段が回転して使用済みのマスタを巻き取る時における搬送時周速度の半分ないし同等である比較的遅い第1の周速度(例えば、搬送時周速度の0.5〜1.0倍)となるように、第1の制御手段により排版駆動手段が制御されることによって、使用済みのマスタの先端部の角部が耳折れしたり破れてしまったりすることなく、使用済みのマスタの先端部を確実にくわえ込むことができる。
【0074】
請求項3および4記載の発明によれば、使用済みのマスタの先端部をくわえ込まれた後の搬送時周速度が、排版時における印刷ドラムの周速度と同等ないし該印刷ドラムの周速度よりも速い第2の周速度(例えば、印刷ドラムの周速度の1.0〜1.4倍)となるように、第2の制御手段により排版駆動手段が制御されることによって、請求項1および2記載の発明の効果に加えて、排版剥離手段によって使用済みのマスタの先端部が確実にくわえられたマスタを、その後の搬送状態も曲がること無く排版装置内に進入し、安定した挟持搬送動作を行うことができて、例えば排版容器内に搬送して綺麗な蛇腹状に収納されるので、結果的に排版収納量が増加するという効果を奏する。
【0075】
請求項5記載の発明によれば、使用済みのマスタの後端が排版剥離手段を抜ける直前の時、排版時における印刷ドラムの周速度の1.5倍以上の第3の周速度となるように、制御手段により排版駆動手段が制御されることによって、使用済みのマスタの後端部を蹴り出す力が増し、そのマスタの後端部が排版剥離手段に巻き付いて排版ミスが発生したり、蹴り出し能力不足によりそのマスタの後端部が例えば圧縮板のような圧縮手段の先端部に引っ掛ってしまったりする不具合も無くなる。
【0076】
請求項6記載の発明によれば、使用済みのマスタの後端が排版剥離手段を抜ける直前の時、排版時における印刷ドラムの周速度の1.5倍以上の第3の周速度となるように、制御手段により排版駆動手段が制御されることによって、請求項1ないし5の何れか一つに記載の発明の効果に加えて、使用済みのマスタの後端部を蹴り出す力が増し、そのマスタの後端部が排版剥離手段に巻き付いて排版ミスが発生したり、蹴り出し能力不足によりそのマスタの後端部が例えば圧縮板のような圧縮手段の先端部に引っ掛ってしまったりする不具合も無くなる。
【0077】
請求項7記載の発明によれば、第2の制御手段は、角度検出手段からの回転角度検出信号に基づいて、排版剥離手段の周速度を第2の周速度から第3の周速度に切り替えることにより、請求項6記載の発明の効果に加えて、排版時のマスタ搬送量がばらつくこと無く排版剥離手段の周速度(回転速度)の切り替えが可能である。例えば、排版剥離手段の回転量を検知してその周速度の切り替えを行った場合には、使用済みのマスタに対する排版剥離手段のスリップ等によりマスタの搬送量がばらつく可能性があるため、常に一定のマスタ搬送位置でその回転速度切り替えができるとは限らない。
【0078】
請求項8記載の発明によれば、排版駆動手段としてステッピングモータを使用しているので、請求項1ないし7の何れか一つに記載の発明の効果に加えて、安価で容易に排版剥離手段の周速度(回転速度)の切り替えができる。また、使用済みのマスタの先端部をくわえるタイミングは印刷ドラムが停止した状態であるため、排版剥離手段がそのマスタの先端部をくわえた状態でマスタ表面を排版剥離手段がスリップして回転している状態であり、この状態ではステッピングモータに負荷が加わっている。このタイミングでは、上述したように排版剥離手段の周速度(回転速度)を比較的遅い第1の周速度にしているため、ステッピングモータ使用の場合、その特性上、回転速度が遅い程ステッピングモータの駆動トルクがアップするため、上記スリップを減少させてさらに確実に使用済みのマスタをくわえ込むことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す孔版印刷装置における排版装置の制御構成を含む要部の構成および各動作の推移状態を示す一部断面正面図である。
【図2】本実施形態および従来例の排版ローラ周速度と印刷ドラムの回転角度との関係を示すグラフである。
【図3】本実施形態におけるステッピングモータおよびギヤ列の構成および動作を示す斜視図である。
【図4】従来例の問題点を説明するための排版装置の要部の正面図である。
【図5】本発明を適用する孔版印刷装置の要部の一部断面正面である。
【図6】本発明を適用する従来の別の排版装置の要部の一部断面正面図である。
【符号の説明】
1 印刷ドラム
3 マスタ(版)
4 圧縮手段としての圧縮板
5 収納容器としての排版ボックス
6 排版剥離手段としての排版ローラ対
11 排版駆動手段としてのステッピングモータ
12 モータ駆動回路
15 回転角度検出手段を構成するエンコーダセンサ
17 回転角度検出手段を構成するドラムホームポジションセンサ
20 制御手段
30 排版装置
35 印刷ドラム駆動手段としてのメインモータ

Claims (8)

  1. 印刷ドラムに巻かれた使用済みのマスタを挟持して搬送し該印刷ドラムから剥離する排版剥離手段と、該排版剥離手段を回転駆動する排版駆動手段とを有する印刷装置における排版装置において、
    上記排版剥離手段により使用済みのマスタの先端部をくわえ込まれるまでの上記排版剥離手段の周速度が、上記印刷ドラムの回転と同時に上記排版剥離手段が回転して上記使用済みのマスタを挟持して搬送する時における搬送時周速度の半分ないし同等程度である比較的遅い第1の周速度となるように、上記排版駆動手段を制御する第1の制御手段を具備することを特徴とする印刷装置における排版装置。
  2. 請求項1記載の印刷装置における排版装置において、
    第1の周速度は、上記搬送時周速度の0.5〜1.0倍であることを特徴とする印刷装置における排版装置。
  3. 請求項1または2記載の印刷装置における排版装置において、
    使用済みのマスタの先端部をくわえ込まれた後の上記搬送時周速度が、排版時における上記印刷ドラムの周速度と同等ないし該印刷ドラムの周速度よりも速い第2の周速度となるように、上記排版駆動手段を制御する第2の制御手段を具備することを特徴とする印刷装置における排版装置。
  4. 請求項3記載の印刷装置における排版装置において、
    第2の周速度は、上記印刷ドラムの周速度の1.0〜1.4倍であることを特徴とする印刷装置における排版装置。
  5. 印刷ドラムに巻かれた使用済みのマスタを挟持して搬送し該印刷ドラムから剥離する排版剥離手段と、該排版剥離手段を回転駆動する排版駆動手段とを有する印刷装置における排版装置において、
    上記排版剥離手段により挟持搬送された使用済みのマスタの後端が上記排版剥離手段を抜ける直前の時、排版時における上記印刷ドラムの周速度の1.5倍以上となるように、上記排版駆動手段を制御する第3の制御手段を具備することを特徴とする印刷装置における排版装置。
  6. 請求項1ないし5の何れか一つに記載の印刷装置における排版装置において、上記排版剥離手段により挟持搬送された使用済みのマスタの後端が上記排版剥離手段を抜ける直前の時、排版時における上記印刷ドラムの周速度の1.5倍以上である第3の周速度となるように、上記排版駆動手段を制御する第3の制御手段を具備することを特徴とする印刷装置における排版装置。
  7. 請求項6記載の印刷装置における排版装置において、
    上記印刷ドラムの回転角度を検出する角度検出手段を有し、
    第2の制御手段は、上記角度検出手段からの回転角度検出信号に基づいて、上記排版剥離手段の周速度を第2の周速度から第3の周速度に切り替えることを特徴とする印刷装置における排版装置。
  8. 請求項1ないし7の何れか一つに記載の印刷装置における排版装置において、上記排版駆動手段は、ステッピングモータであることを特徴とする印刷装置における排版装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007245510A (ja) * 2006-03-15 2007-09-27 Tohoku Ricoh Co Ltd 排版装置および孔版印刷装置

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