JP4598370B2 - 排版装置および印刷装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷ドラムの外周面に巻き付けられた使用済みのマスタを排版する排版装置およびこの排版装置を有する印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、加熱穿孔製版された孔版原紙とも呼ばれるマスタを回転自在な版胴の外周面に巻装し、版胴内部に設けられたインキ供給手段によりインキを供給し、プレスローラあるいは版胴と略同径の圧胴等の押圧手段で印刷用紙を連続的に押圧して、版胴開孔部、マスタ穿孔部よりインキを滲み出させて印刷を行う感熱デジタル式の孔版印刷装置が知られている。
【0003】
版胴は、多孔性の支持円筒体に、樹脂あるいは金属網体のメッシュスクリーンを複層巻装した構成を有している。以下、この明細書では、「版胴」をその外周部に備えた「印刷ドラム」として表現することとし、「版胴」のことを単に「印刷ドラム」というときがある。
マスタは、熱可塑性樹脂フィルム(以下、単に「フィルム」というときがある)に、多孔質支持体(以下、単に「支持体」というときがある)を構成する和紙繊維や合成繊維、あるいは和紙と合成繊維とを混抄したものを貼り合わせたラミネート構造を有している。フィルムの厚みは、大体1〜2μm程度のものが一般に用いられる。マスタのフィルム面をサーマルヘッドの発熱素子に接触させ、サーマルヘッドを主走査方向に作動させ、搬送手段としてのプラテンローラ等でマスタを副走査方向に移動させながら加熱穿孔製版するようになっている。
印刷に供された使用済みのマスタは排版装置の排版ローラ対(排版剥離手段)により挟持され、版胴の外周面から剥離されて排版ボックス内に収容されるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
従来の排版ローラ対(排版剥離手段)の好例としては、例えば、排版ローラ対(以下、単に「排版ローラ」というときがある)の一方のローラの脇に複数の弾性羽根がその遠心方向に放射状に延びる羽根ローラを設け、弾性羽根が他方のローラの外周面に弾性的に曲がり変形しながら当接するようにし、弾性羽根で剥離されたマスタ(以下、「剥離済みのマスタ」という)を引き込むと共に、弾性羽根の弾性変形による復元反発力で剥離済みのマスタを叩いて上記一方のローラの外周面に巻き付かないようにしたものも既に公知である(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
ところで、排版ローラの駆動源(排版駆動手段)として、DCモータを使用したものにあっては、DCモータの特性上、排版搬送時の負荷変動によって該モータが停止することもなく、特に細かな回転制御をする必要性がなかった(例えば、特許文献3参照)。
一方、近年、排版ローラの駆動源もしくは排版駆動手段としての排版ローラ駆動モータに、ステッピングモータを使用したものにあっては、排版ローラ対が使用済みのマスタの先端をくわえてから排版装置内(排版ボックス)に搬送するまでの間の排版ローラの周速度(もしくは回転速度)は一定速で駆動されるか、あるいは回転途中にステッピングモータの回転速度の切り替えにより排版ローラの周速度(もしくは回転速度)を変えているものがあった(例えば、特許文献4参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−230303号公報
【特許文献2】
特開2000−43394号公報(図1ないし図3)
【特許文献3】
特開平8−267897号公報(図1、図2、図4)
【特許文献4】
特願2002−325602号
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、例えば特開2000−43394号公報(特許文献2)に記載されている排版装置において、印刷が完了し不要となった使用済みのマスタを印刷ドラムの外周面(版胴の外周面)から剥離搬送・排版する排版動作時において、排版ローラ駆動部(排版ローラ駆動モータ)に最も負荷が掛かるタイミングは、排版ローラが使用済みのマスタの先端部をくわえた時点から印刷ドラムの回転と同時に使用済みのマスタの巻き取り開始する直前までの間、つまり印刷ドラムの外周面に滲み出たインキがほとんど付着していない部分の使用済みのマスタ表面上を排版ローラがスリップしながら回転している排版動作の初期時である。
【0008】
従来までの排版ローラ駆動モータにステッピングモータを使用した排版装置における排版ローラの回転方法においては、排版ローラが使用済みのマスタの先端をくわえてから印刷ドラム上の使用済みのマスタ全てを排版装置内部に搬送し終えるまでの間、一定の周速度(もしくは回転速度)で回転するか、または搬送・排版途中で周速度を変えて巻き取り続ける方法であった。
【0009】
しかし、この様な回転方法においては、環境条件の変化による使用済みのマスタ表面の摩擦係数の増加や、経時による排版ローラ表面状態の変化(例えば、高湿度環境により使用済みのマスタ表面の摩擦係数が大きくなる条件や、長期間機械が使用されずに排版ローラに付着したインキが乾燥した状態になり、排版ローラ表面の潤滑材となるインキ不足での負荷が増加)等による排版動作が行われ、予想外の負荷が排版ローラに加わった場合に、脱調によるステッピングモータの回転停止の不具合が発生してしまう。排版途中に、ステッピングモータが停止すれば、勿論、剥離された使用済みのマスタが排版ローラ対の間や排版経路等に詰まって排版ジャムとなってしまい、詰まった使用済みのマスタを除去処理するためにユーザの手を煩わせてしまうどころか、使用済みのマスタの詰まり状態によってはサービスマン・コールとなりかねなかった。
【0010】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、上記諸問題点を解決して良好な排版を可能とし、後述する効果を奏する新規な排版装置およびこれを有する印刷装置を提供することを主な目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決すると共に上記各目的を達成するために、請求項ごとの発明では次のような特徴的な手段・構成を採っている。
請求項1記載の発明は、印刷ドラムの外周面に巻き付けられた使用済みのマスタを挟持して剥離・搬送する排版ローラ対と、該排版ローラ対を回転駆動する排版ローラ駆動手段と、該排版ローラ駆動手段を起動させる起動信号を生成する起動手段とを具備し、上記排版ローラ駆動手段としてステッピングモータを使用した排版装置であって、上記起動手段からの起動信号に基づいて、上記排版ローラ対が上記印刷ドラム上の使用済みのマスタの先端部を挟持するまで回転した後、一旦、上記排版ローラ対が回転を停止し、排版動作のための上記印刷ドラムの回転開始後0.5秒以内に上記排版ローラ対が再度回転開始するように上記ステッピングモータを制御し、かつ、上記排版ローラ対により使用済みのマスタの先端部を挟持されるまでの排版ローラ周速度が、上記印刷ドラムの回転と同時に上記排版ローラ対が回転して使用済みのマスタを挟持して搬送する時における搬送時周速度の半分ないし同等である第1の周速度となるように上記ステッピングモータを制御し、なおかつ、上記排版ローラ対により使用済みのマスタの先端部を挟持された後の上記搬送時周速度が、排版時における上記印刷ドラムの周速度よりも速い該印刷ドラムの周速度の1.5倍未満の第2の周速度となるように上記ステッピングモータを制御する制御手段を有することを特徴とする。
【0013】
請求項記載の発明は、請求項1記載の排版装置において、上記排版ローラ対が再度回転開始するタイミングは、上記印刷ドラムの回転開始タイミングに設定されていることを特徴とする。
【0014】
請求項記載の発明は、請求項1または2記載の排版装置において、上記排版ローラ対と上記ステッピングモータとの間にトルクリミッタを設け、上記トルクリミッタの設定トルク以上の負荷トルクが上記ステッピングモータへ伝達されるのを規制したことを特徴とする。
【0015】
請求項記載の発明は、請求項1ないしの何れか一つに記載の排版装置において、上記排版ローラ対の一方のローラ側には該一方のローラと同期回転する羽根部材が設けられ、該羽根部材は上記一方のローラの外周面よりもその遠心方向へ延びる複数の弾性羽根を具備し、該弾性羽根は弾性変形しながら上記排版ローラ対の他方のローラの外周面に接触するように構成されており、上記排版ローラ対は、上記印刷ドラムの外周面に巻き付けられた使用済みのマスタの先端部を挟持して剥離しながら引き込むことを特徴とする。
【0016】
請求項記載の発明は、製版済みのマスタを外周面に巻装する印刷ドラムを具備し、該印刷ドラム上の製版済みのマスタに用紙を押し付けて印刷を行う印刷装置において、請求項1ないしの何れか一つに記載の排版装置を有することを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して実施例を含む本発明の実施の形態(以下、「実施形態」という)を説明する。各実施形態や各変形例等に亘り、同一の機能および形状等を有する構成要素(部材や構成部品)等については、一度説明した後では同一符号を付すことによりその説明を省略する。図において一対で構成されていて特別に区別して説明する必要がない構成要素は、説明の簡明化を図る上から、その片方を適宜記載することでその説明に代えるものとする。図および説明の簡明化を図るため、図に表されるべき構成要素であっても、その図において特別に説明する必要がない構成要素は適宜断わりなく省略することがある。公開特許公報等の構成要素を引用して説明する場合は、その符号に括弧を付して示し、各実施形態等のそれと区別するものとする。
【0018】
(第1の実施形態)
図1ないし図5を参照して、本発明の第1の実施形態を説明する。
まず、図1に基づいて、本実施形態における印刷装置の一例としての孔版印刷装置100の構成の概要を説明する。孔版印刷装置100は、図示しない原稿の画像を読み取る周知構成の画像読取装置(スキャナ)50と、該画像読取装置50によって読み取られた画像情報または図示しないパーソナルコンピュータ等の外部接続機器により入力された画像情報に基づいてマスタ8を製版すると共に給版する製版給版装置51と、給紙台としての給紙トレイ58上の印刷用紙P(以下、「用紙P」という)を給紙する給紙装置52と、製版済みのマスタ8もしくは使用済みのマスタ8を外周面に巻装する印刷ドラム1と、印刷ドラム1の内部に配設された後述するインキ供給装置と、印刷ドラム1から剥離された印刷済みの用紙Pを吸引搬送する排紙搬送装置53と、該排紙搬送装置53により搬送された用紙Pが排出収容される排紙台としての排紙トレイ54と、印刷ドラム1の外周面から使用済みのマスタ8を剥離・排版する排版装置55等とを具備している。
上記したとおり、孔版印刷装置100は、印刷ドラム1上の製版済みのマスタ8に印刷ドラム1の内部に配設された上記インキ供給装置からインキを供給しながら、印刷ドラム1上の製版済みのマスタ8に用紙Pを押し付けて印刷を行うように構成されている。
【0019】
以下、上記各装置および印刷ドラム1周りの構成について詳述する。
製版給版装置51は、図1に示すように、図示しないホルダ部材、プラテンローラ10、サーマルヘッド11、カッタ12、反転ローラ対13およびガイド板14を具備している。
マスタ8は、芯材8bにロール状に巻成されたマスタロール8aから繰り出し可能になされている。マスタロール8aは、芯材8bを介して図示しないホルダ部材に回転可能に支持されている。マスタ8は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)系のフィルムに、支持体として和紙繊維や合成繊維、あるいは和紙と合成繊維とを混抄したものを接着剤で貼り合わせたラミネート構造を有しているものが用いられる。
【0020】
マスタ8の繰り出し方向X1(以下、「マスタ搬送方向X1」という)の下流には、図示しない製版部側板に回転自在に支持されたプラテンローラ10と、多数の発熱素子をその主走査方向に有するサーマルヘッド11とが設けられている。マスタ8は、図示しないバネ部材等の付勢手段により付勢されたサーマルヘッド11によりプラテンローラ10に押圧されている。サーマルヘッド11は、マスタ8を介してプラテンローラ8に相対的に接離自在になされている。
プラテンローラ10は、図示しないステッピングモータにより時計回り方向に回転駆動され、これによりマスタ8がマスタロール8aから繰り出されるようになっている。
プラテンローラ10のさらに下流側には、製版済みのマスタ8を所定の長さに切断するギロチンタイプのカッタ12が設けられている。カッタ12は、可動刃としての上刃12aと固定刃としての下刃12bとを有している。カッタ12としては、上記のものに限らず、回転刃移動タイプを採用してもよい。
【0021】
カッタ12の下流側には、上記製版部側板に回転自在に支持された反転ローラ対13が配設されており、該反転ローラ対13は、互いに圧接した状態で設けられている。反転ローラ対13は、プラテンローラ10の周速度より僅かに速い周速度に設定されており、マスタ8との間で滑りながらマスタ8に適度な張力を付与するようになっている。反転ローラ対13の下流側には、製版済みのマスタ8の先端部を後述するクランパ7に案内する湾曲したガイド板14が設けられている。
【0022】
図示しないが画像読取装置50の上部には、原稿を分離搬送する自動原稿搬送装置(ADF)が設けられている。画像読取装置50は、ADFにより搬送された原稿を順次自動的に搬送しながら読み取ったり、ADFを用いずに図示しないコンタクトガラス面に載置された原稿を読み取ることができる周知の構成・機能を有している。
【0023】
印刷ドラム1は、図1および図2に示すように、その外周部に配置された円筒状の版胴を有している。該版胴は、インキ通過性の多数の開孔を開けて形成された開孔部1a(印刷可能領域:インキ浸透部とも呼ばれる)と非インキ通過性の非開孔部1b(非印刷可能領域)とからなる支持円筒体の外周に、図示しないメッシュスクリーンが複数層巻装された構成を有している。
開孔部1aおよび非開孔部1bを備えた上記支持円筒体は、例えばステンレススチール等の金属薄板で形成されている。開孔部1aは、図1および図2において梨地模様で示されており、クランパ7配置部の周辺を除くその円周上の所定の範囲にわたり形成されている。非開孔部1bは、図1および図2においてハッチングを施されて示されており、クランパ7配置部の周辺に形成されている。上記メッシュスクリーンは、上記支持円筒体の開孔部1aに対応した領域よりもやや広い一部非開孔部1bに及ぶ領域に巻装されていて、例えば樹脂あるいは金属製網体状のインキ通過性領域部と、このインキ通過性領域部に連結したインキ不通過領域としてのレザー部とを有する。
【0024】
上記支持円筒体の両端部は、図2に示すように、紙面の手前側および奥側に配設された端板としての一対のドラムフランジ9(図2では紙面の奥側を示し、手前側を省略している)に固定されている。印刷ドラム1は、一対のドラムフランジ9を介して、支軸5を兼ねるインキパイプ5の周りに回転自在に支持されている。印刷ドラム1は、例えばギヤやベルト等の周知の駆動伝達手段を介して印刷ドラム駆動手段としてのドラム駆動モータ41に連結されており、ドラム駆動モータ41からの駆動力を伝達されて図1中矢印方向A(時計回り)に回転駆動される。ドラム駆動モータ41は、例えばDCモータからなり、孔版印刷装置本体側に固定されている。
【0025】
印刷ドラム1は、そのホームポジションを兼ねる排版位置および給版位置近傍においてそれぞれ停止可能になっている。ここで、ホームポジション(排版位置)とは、図2に示すように、クランパ7が印刷ドラム1の左斜め上方に位置する印刷ドラム1の回転位置をいい、排版ローラ対30に近接した位置を意味する。
給版位置とは、クランパ7が図1において略右横に位置する印刷ドラム1の回転位置をいう。
【0026】
印刷ドラム1をホームポジション(排版位置)および給版位置に位置決め停止させる構成は、例えば本願出願人が提案した特開平6−247031号公報の図1に示されているものと同様のものを採用している。すなわち、上記公報の図1に開示されているように、印刷ドラム1(上記公報では版胴5)のドラムフランジ9に植設されたホームポジション(排版位置)を規定するための排版用位置決めピン(22)と、給版位置を規定するための給版用位置決めピン(21)と、孔版印刷装置本体側(上記公報の図2に示す側板23)に配設され排版用作動アーム(32)における他端側の折り曲げ(32a)部の裏側に固定された排版用位置決めピン(22)または給版用位置決めピン(21)と係合する排版および給版兼用の、らっぱ状の広い間口を持った開口部(37)およびこの開口部(37)に連通した位置決め溝(38)が形成された位置決めガイド(39)とから主に構成されている。
【0027】
孔版印刷装置100は、印刷ドラム1の回転角度、すなわち印刷ドラム1の回転位置を検出する角度検出手段(回転位置検出手段)を有する。該角度検出手段は、図2に示すように、エンコーダ板16、エンコーダセンサ17、ドラムセンサフィラ18およびドラムホームポジションセンサ19から構成されている。 ドラム駆動モータ41の出力軸には、多数のスリットを備えたエンコーダ板16が取り付けられている。エンコーダ板16近傍の孔版印刷装置本体側には、エンコーダ板16を所定の間隔をもって挾み付けるフォトインタラプタ(透過型の光学センサ)からなるエンコーダセンサ17が配設されている。ドラム駆動モータ41の回転駆動によるエンコーダ板16の回転動作に協働して発生されたパルス数をエンコーダセンサ17で検出することにより、印刷ドラム1の回転角度や回転速度が検出されるようになっている。エンコーダ板16およびエンコーダセンサ17は、フォトロータリエンコーダであり、インクリメンタル型のパルスエンコーダを構成している。
【0028】
印刷ドラム1の図2に示す奥側のドラムフランジ9には、印刷ドラム1の回転位置を検知し割り出すためのドラムフランジ9からさらに奥側に突出した正面視で略「く」字形状をなす遮光部材としてのドラムセンサフィラ18が固定されている。
一方、印刷ドラム1の図2に示す奥側のドラムフランジ9に対向した孔版印刷装置本体側の所定位置には、印刷ドラム1が排版位置でもあるホームポジションを占めたときに、ドラムセンサフィラ18と係合することによってそのホームポジションを検知するためのドラムホームポジション検知手段としてのドラムホームポジションセンサ19が配置されている。ドラムホームポジションセンサ19は、透過型の光学センサからなる。
【0029】
図2に示す印刷ドラム1の回転位置は、印刷ドラム1がホームポジションを占めて停止している状態を表している。この時、ドラムホームポジションセンサ19は、印刷ドラム1側のドラムセンサフィラ18によってその光路を遮断されて、印刷ドラム1のホームポジションをオン検知している状態にある。このホームポジションが、印刷ドラム1の回転角度(回転位置)検出の基準となっている。
なお、ドラム駆動モータ41側に配設した上記パルスエンコーダに代えて、これを印刷ドラム1側に配設してもよい。印刷ドラム1側に上記パルスエンコーダと同様のものを配設すれば、ドラム駆動モータ41と印刷ドラム1との間を連結しているギヤやベルト等(駆動伝達手段)のバックラッシュやベルトの伸びによる印刷ドラム1の回転角度のばらつき・変動等を排除して、印刷ドラム1の回転角度を直接的に正確に検出できる。
【0030】
印刷ドラム1の内部には、図示しない側板がその軸線方向に間隔をおいてインキパイプ5に固定されている。これらの側板間には、インキローラ2がその軸部を支持されて回転自在に設けられている。インキローラ2は、図示しないギヤやベルト等の駆動伝達手段により、印刷ドラム1と同期して同一方向に回転駆動される。
インキローラ2の外周面と僅かな隙間をおいてドクターローラ3が設けられており、該ドクターローラ3は、インキローラ2とドクターローラ3との間に形成される断面略楔状のインキ溜まり4のインキを計量しつつインキローラ2の外周面に薄膜状に供給する。インキ溜まり4のインキは、図示しないインキポンプにより、印刷ドラム1の外部に設けられたインキパック等より吸引され、インキパイプ5の供給孔5aより滴下供給されてインキローラ2とドクターローラ3の回転により混練される。
インキローラ2、ドクターローラ3およびインキパイプ5等により、印刷ドラム1上の製版済みのマスタ8にインキを供給するインキ供給装置が構成されている。印刷ドラム1は、孔版印刷装置本体に対してその軸線方向に上記インキ供給装置および上記インキパック等と一体化されたドラムユニットを構成していて、孔版印刷装置本体に対して着脱可能となっている。
【0031】
印刷ドラム1の非開孔部1b表面には、図1ないし図3に示すように、印刷ドラム1の一つの母線に沿って、平坦面を有するステージ6およびマスタ挟持部材としてのクランパベース48が設けられている。クランパベース48は、例えば強磁性体からできている。クランパベース48には、その詳しい図示を省略しているが、蹴り出し部材36と一体的に成形された複数の蹴り出し爪(図示せず)を緩く嵌入する略U字形状の溝(図示せず)がクランパ軸25方向に複数形成されている。
【0032】
ステージ6およびクランパベース48と平行に、製版済みのマスタ8もしくは使用済みのマスタ8の先端部をクランプ・保持する保持手段としてのクランパ7がクランパ軸25を介して所定角度回動可能、すなわちクランパ7の自由端部が揺動可能に支持されている。クランパ7およびクランパベース48は、使用される最大サイズのマスタ8のマスタ幅方向Yの寸法よりも少なくとも長く印刷ドラム1の軸線方向に延びて設けられている。
クランパ7は、弾性状の永久磁石(例えばゴム磁石)からできている図示しない磁石板(上記特開平6−247031号公報の図8および図9に示されているクランパ(54)の磁石板(14a)と同様)と図示しないクランプ板(上記特開平6−247031号公報の図8および図9に示されているクランパ(54)のクランプ板(61)と同様)とから主に構成されており、ステージ6上に固定されたクランパベース48と対向して開閉自在になされている。上記図示しないクランプ板には、上記特開平6−247031号公報の図8および図9に示されているリフト爪(59)および垂下片(60A)と同様に、その両端において、リフト爪(図示せず)をその垂下部に有しクランク状に折り曲げられた垂下片(図示せず)が一体形成されている。
【0033】
図1は、クランパ7の閉じ動作によって、製版給版装置51から供給された製版済みのマスタ8の先端部がクランパベース48との間で挟持・クランプされている状態を表している。
クランパ軸25の一端には、上記特開平6−247031号公報の図8および図9に示されているクランパ駆動レバー(20)と同様のものが実質一体的に取り付けられている。
一方、孔版印刷装置本体側には、上記特開平6−247031号公報の図1、図2、図6および図7に示されている原紙係止装置(60)と同様の、印刷ドラム1がホームポジション(排版位置)および給版位置を占めたときにクランパ7を開閉する給版用作動アーム(25)、排版用作動アーム(32)およびラック駆動モータ(45)と同じ図2に示す正逆転可能なクランパ開閉モータ45等を具備した開閉装置(図示せず)が配設されている。クランパ開閉モータ45は、例えばDCモータである。
【0034】
クランパ7の近傍には、上記特開平6−247031号公報の図8ないし図11に示されている弾性薄片(56)と同様の蹴り出し部材36が揺動可能に配設されている。蹴り出し部材36の基端部は、クランパ軸25の配置部よりも印刷ドラム1の図2中二点鎖線で示す矢印方向Aの後方寄りのステージ6に所定角度回動自在に支持された回転軸37に固定されている。回転軸37は、印刷ドラム1の軸線方向に沿ってクランパ軸25と平行に設けられている。また、蹴り出し部材36の両端には、上記特開平6−247031号公報の図8ないし図11に示されている弾性薄片(56)の両端に上記特開平6−247031号公報の図8ないし図11に示されている弾性薄片(56)の係合爪(63)と同様の係合爪(図示せず)が一体成形されている。
蹴り出し部材36の自由端部は、クランパ7の開動作と連動して、図2において回転軸37を中心として反時計回りに回転・揺動される。すなわち、蹴り出し部材36の自由端部は、上記弾性薄片(56)と同様に、排版用作動アーム(32)が第3の位置に揺動してクランパ駆動レバー(20)と係合し所定の角度θ2以上に開いたときに、クランパ7と連動して揺動する構成・機能を有する。
【0035】
蹴り出し部材36には、マスタ幅方向Yに亘り上記弾性薄片(56)と一体的に形成された櫛の歯状の複数の蹴り出し爪(62)と同様の複数の蹴り出し爪(図示せず)が印刷ドラム1の軸線方向に沿って一体的に形成されている。蹴り出し部材36は、上記複数の蹴り出し爪によって、印刷ドラム1の外周面に巻き付けられた使用済みのマスタ8の先端部を印刷ドラム1の略遠心方向へ蹴り出す機能を有する。蹴り出し部材36は、例えばステンレススチール等の弾性を有する薄板でできていて、印刷ドラム1の軸線方向の中央に対してその左右両側に対称な形状をなす。
クランパベース48には、上記特開平6−247031号公報における上記弾性薄片(56)の複数の蹴り出し爪(62)と互いに嵌入し合う複数の凹部(57)と同様に、蹴り出し部材36の上記複数の蹴り出し爪と互いに嵌入し合う複数の溝(図示せず)が形成されている。
蹴り出し部材36の上記複数の蹴り出し爪は、後述するようにクランパ7が所定の角度θ2(上記特開平6−247031号公報の図11参照)以上よりも大きく拡開される排版工程でのみ、クランパベース48から印刷ドラム1の略遠心方向に突出することで、使用済みのマスタ8の先端部を同方向へ蹴り出す動きを行うようになっている。製版済みのマスタ8もしくは使用済みのマスタ8あるいは未製版のマスタ8の先端部は、クランパベース48とクランパ7とで挟持・クランプされる。
【0036】
排版装置55は、図1ないし図3に示すように、印刷ドラム1の左側に配置されている。排版装置55は、印刷ドラム1の外周面に巻き付けられた使用済みのマスタ8を挟持して剥離しながら引き込むことで搬送する排版ローラ対30と、この排版ローラ対30を回転駆動する排版ローラ駆動手段としての排版ローラ駆動モータ65と、排版ローラ駆動モータ65の回転駆動力を排版ローラ対30に伝達する駆動伝達手段としてのギヤ列70と、排版ローラ対30により剥離された使用済みのマスタ8(以下、「剥離済みのマスタ8」というときがある)を収納する収納空間部35を備えた収納容器としての排版ボックス35と、排版ボックス35の上方に設けられ案内壁面28aを備えた上ガイド板28と、上ガイド板28の案内壁面28aに沿って移動可能な先端部34bを備え剥離済みのマスタ8を収納空間部35aに搬送し圧縮する圧縮手段としての圧縮板34と、圧縮板34をして往復揺動運動をさせるその図示を省略した排版圧縮機構とを具備している。
【0037】
排版ローラ対30は、互いに圧接する排版上ローラ31と排版下ローラ33とを有しており、これらのローラの軸部をなす回転軸38,39は、後述する変形例を示す図6を借りて説明すると、同図の紙面の手前側および奥側に配設された一対の排版装置側板56a,56bに回転自在に支持されている。
【0038】
図3に示すように、排版ローラ対30は、ギヤ列70を介して、排版ローラ駆動モータ65に連結されていて、同モータ65により回転駆動される。図3において、符号X2は、剥離済みのマスタ8が排版ローラ対30によって搬送・排出されるマスタ排出方向を示す。
排版ローラ駆動モータ65としては、後述するように排版ローラ対30の周速度(もしくは回転速度)の変更が容易で制御し易く、かつ、比較的安価なステッピングモータを使用している。以下、排版ローラ駆動モータ65を「ステッピングモータ65」と言い替えたり、排版ローラ対30の周速度を「排版ローラ周速度」または「排版ローラ回転速度」と言い替えたりするときがある。排版ローラ対30の周速度、排版ローラ周速度とは、排版上ローラ31や排版下ローラ33の外周面の速度を指す。本実施形態では、排版上ローラ31や排版下ローラ33の外径およびギヤ列70を変えずにそのままとしているので、排版ローラ周速度は排版ローラ回転速度と同じことを意味する。
【0039】
ここで、ギヤ列70(駆動伝達手段)を説明する。ギヤ列70は、排版ローラ駆動モータ65の出力軸に固着されたモータギヤ71と、モータギヤ71と噛み合う第1中間ギヤ72と、第1中間ギヤ72と同軸上に一体的に設けられた第2中間ギヤ73と、第2中間ギヤ73と噛み合う排版ローラギヤ74と、排版ローラギヤ74と同軸上であって排版ローラギヤ74よりも内側の回転軸39の一端部に固着された排版下ローラ用ギヤ75と、排版下ローラ用ギヤ75と噛み合う排版上ローラ用ギヤ76とから構成されている。
【0040】
第1中間ギヤ72および第2中間ギヤ73は、図6を借りて説明すると、同図の紙面の奥側に配設された排版装置側板56bにギヤスタッド(軸)77を持って回転自在に支持されている。排版ローラギヤ74は、排版下ローラ33の回転軸39の一端部に固着されている。排版上ローラ用ギヤ76は、排版上ローラ31の回転軸38の一端部に固着されている。各回転軸38,39は、各回転軸38,39の両端部に配設された図6のみに示す排版装置側板対56a,56bに回転自在に支持されている。排版ローラ駆動モータ65は、図示しない不動部材としてのモータブラケットを介して排版装置側板対56bに固定されている。ギヤスタッド77も、排版装置側板対56bに固定されている。
【0041】
上記構成のとおり、排版上ローラ31と排版下ローラ33とは、図2に示すように排版ローラ駆動モータ65により互いに反対向きに、ちなみに図2においては排版上ローラ31が時計回りに、排版下ローラ33は反時計回りに回転駆動される。
【0042】
排版ローラ対30は、印刷ドラム1の軸線方向に間隔をおいて複数設けられており、各排版ローラ対30における排版上ローラ31の脇には該排版上ローラ31と同期回転する羽根部材としての羽根車32が設けられている。
図2および図3に示すように、羽根車32は、排版上ローラ31の回転軸38に固定されたローラ状の基部32bと、この基部32bから排版上ローラ31の遠心方向(径方向)に放射状に延び、排版上ローラ31の外周面・外径よりも外方に突出する長さを有する複数の弾性羽根32aとを有している。排版上ローラ31および羽根車32は、例えばニトリルゴムやシリコンゴム等の耐油性を備えた弾性体で形成されている。排版上ローラ31および羽根車32を、同一材料で一体成形すれば製造および組み立てが容易となる。
【0043】
図2に示すように、弾性羽根32aは、排版時には排版下ローラ33に当接して折れ曲がるように変形する。弾性羽根32aは、使用済みのマスタ8の先端部に接触して排版上ローラ31と排版下ローラ33とのニップ部に使用済みのマスタ8を引き込む役目と、使用済みのマスタ8を叩くことで排版上ローラ31の周面に剥離済みのマスタ8が貼り付くことを防止する機能とを有している。
弾性羽根の長さは、マスタ8を引っ掛け易いように1枚ごとに長短のものを組み合わせてもよい。
【0044】
排版下ローラ33は、樹脂(例えば、ABS樹脂やポリアセタール樹脂)で形成されており、その外周面にはインキを含んだ使用済みのマスタ8の貼り付きを低減するために、すなわち使用済みのマスタ8との接触面積を低減できるように、歯形加工やローレット加工処理が施されている(図2参照)。
【0045】
排版ローラ対30の左側には、図1および図2中矢印方向に支軸34aを中心に揺動可能な圧縮板34が設けられている。圧縮板34の基端部は、排版装置側板対56a,56b間に所定角度回動可能に支持されている支軸34aに固定されている。圧縮板34の基端部側には、剥離済みのマスタ8の先端部を当接させてこれを順次折り畳むように癖付けするための立壁面34cが一体的に形成されている。
【0046】
上記排版圧縮機構は、共にその図示を省略した、駆動手段としての正逆転可能な排版圧縮モータと、この排版圧縮モータの出力軸に固着されたウォームおよびこのウォームと常時噛み合うウォームホイールからなるウォームギヤと、上記ウォームホイールと同軸上に設けられた小径ギヤおよびアイドルギヤ等を含むギヤ列と、このギヤ列の最終段のギヤに固定されている圧縮板34の支軸34aとから主に構成されている。上記排版圧縮機構は、孔版印刷装置本体側に配設されている。
【0047】
圧縮板34は、上記排版圧縮モータにより、所定のタイミングで駆動される。上記排版圧縮機構によって、圧縮板34の自由端側は、排版ローラ対30に近接した位置を通過して、排版ローラ対30により剥離・搬送された剥離済みのマスタ8を押圧しながら排版ボックス35の上方に設けられた上ガイド板28の案内壁面28aに沿って移動し、排版ボックス35の奥部に剥離済みのマスタ8を移動しながら圧縮収納するようになっている。上ガイド板28は、印刷ドラム1の軸線方向に沿って延在して設けられている。
換言すれば、圧縮板34は、上記排版圧縮機構により、剥離済みのマスタ8を図4(b)に二点鎖線で示す位置で受け取り、図4(b)に実線で示す同図中矢印方向(反時計回り)に揺動して排版ボックス35の収納空間部35aに搬送し圧縮する図示しない収納位置と、この収納位置から時計回りに揺動・復帰して排版ローラ対30からの剥離済みのマスタ8を受けて載置する図1、図2および図4(a)に実線で示す非収納位置(ホームポジション)との間で、支軸34aを中心とした往復揺動運動をする。
【0048】
排版ボックス35は、周知の着脱手段(例えば、凹部を備えた案内支持部材と、その凹部に選択的に嵌入・係合する凸部を備えた被案内支持部材とからなる)を介して排版装置側板対56a,56bに対して着脱自在に設けられており、剥離済みのマスタ8で満杯になった排版ボックス35を取っ手35bを持って取り外し、適宜廃棄できるようになっている。排版ボックス35は、略筐体状に形成されていて、印刷ドラム1の軸線方向に沿って延在して設けられている。
【0049】
図2において、操作パネル68は、孔版印刷装置100の各装置に指示を与えて所望する動作を行わせるように操作するためのものであり、画像読取装置50の上部の一側部に配設されている。操作パネル68には、原稿の画像の読み取りから排版、製版、給版、版付け印刷、排紙工程に至るまでの一連の工程(動作)を起動するための、すなわち排版動作および製版動作を開始させるための排版・製版指令としての起動信号(以下、「スタート信号」と言い替える)を生成・出力する排版・製版動作起動手段としての製版スタートキー69と、以下それぞれ図示しない、印刷枚数等を入力・設定するための印刷枚数設定手段としてのテンキーと、このテンキーで置数(入力・設定)された印刷枚数分の印刷動作の起動等を行うための印刷動作起動手段としての印刷スタートキーと、試し刷りを行うための試し刷り動作起動手段としての試し刷りキーと、印刷ドラム1の回転速度である印刷速度の設定値としての印刷速度レベル1速ないし5速の5段階の印刷速度の中から1つの印刷速度を選択的に設定するための印刷速度設定手段としての印刷速度設定キーと、この印刷速度設定キーにより設定された印刷速度を表示するためのLED(発光ダイオード)群からなる速度表示器等とが配置されている。
【0050】
次に、図2を参照して、孔版印刷装置100の主として排版動作に関連する制御構成を説明する。
図2において、制御手段67は、本実施形態に係る孔版印刷装置100の主として排版動作に関連する制御構成、すなわち印刷ドラム1のホームポジション(排版位置)での停止・起動タイミング制御、クランパ7の開閉制御および排版制御のうちの排版ローラ対30の駆動制御を行う。以下、説明の簡明化を図るため、孔版印刷装置100の上記制御以外の全体動作を制御するものとして図示しないメイン制御手段があり、このメイン制御手段と制御手段67とは互いに指令信号やオン/オフ信号あるいはデータ信号等を送受信しているものとして説明する。
【0051】
制御手段67は、それぞれ図示しない、CPU(中央演算処理装置)、I/O(入出力)ポート、RAM(読み書き可能な記憶装置)、ROM(読み出し専用記憶装置)およびタイマ等を備え、それらが信号バスによって接続された構成を有するマイクロコンピュータを具備している。
制御手段67のCPUは、上記入力ポートおよび各センサ入力回路等を介して、エンコーダセンサ17、ドラムホームポジションセンサ19、製版スタートキー69と電気的に接続されていて、エンコーダセンサ17から印刷ドラム1の回転角度に係る出力信号(データ信号:パルス信号)を、ドラムホームポジションセンサ19からの印刷ドラム1のホームポジションを検出するための出力信号(オン/オフ信号)を、製版スタートキー69から排版・製版動作を起動させる、すなわち排版ローラ駆動モータ65を起動させる出力信号(オン信号=スタート信号(起動信号)/オフ信号)を受信する。これにより、制御手段67は、ドラムホームポジションセンサ19からの印刷ドラム1の回転角度の基準となるホームポジションに係る信号およびドラム駆動モータ41の回転量(回転数)に係るエンコーダセンサ17からのパルス数に基づいて、印刷ドラム1の回転位置を計算し、後述する排版ローラ対30の起動(回転駆動開始)タイミング等、つまり排版ローラ駆動モータ65の起動タイミング等を判断する。
【0052】
制御手段67のCPU(以下、前後の文章内容から明らかにCPUと分かるときには単に「制御手段67」という)は、上記出力ポートおよび図示しない制御回路を含むモータ駆動回路66を介して、ステッピングモータ(排版ローラ駆動モータ)65に電気的に接続されていて、排版ローラ駆動モータ65を制御する指令信号をモータ駆動回路66に送信する。
また、制御手段67は、上記出力ポートおよび図示しない制御回路を含むモータ駆動回路42を介して、ドラム駆動モータ41(DCモータ)に電気的に接続されていて、ドラム駆動モータ41を制御する指令信号をモータ駆動回路42に送信する。
また、制御手段67は、上記出力ポートおよび図示しない制御回路を含むモータ駆動回路を介して、クランパ7を開閉する上記開閉装置のクランパ開閉モータ45に電気的に接続されていて、クランパ開閉モータ45を制御する指令信号をそのモータ駆動回路に送信する。
【0053】
制御手段67のRAMは、CPUでの計算結果を一時記憶したり、エンコーダセンサ17からの印刷ドラム1の回転角度に係る出力信号や、ドラムホームポジションセンサ19からの印刷ドラム1のホームポジションを検出するための出力信号、あるいは製版スタートキー69からの排版・製版動作を起動させる出力信号を随時記憶したりしてこれら信号の入出力を行う。
制御手段67のROMには、CPUが後述する制御機能を発揮するための、「排版ローラ対30の起動(回転駆動開始)・停止タイミングおよび回転駆動終了タイミングに係る排版ローラ駆動モータ65に供給するパルス数の関係データ」、「排版ローラ対30の周速度(回転速度)を変えるための排版ローラ駆動モータ65に供給するパルスの周波数と印刷ドラム1の回転角度に係るエンコーダセンサ17から出力されるパルス数との関係データ」や「排版ローラ駆動モータ65に供給するパルスの周波数を変えるためのプログラム」および「クランパ7の開閉動作および排版動作等に係るプログラム」等が予め記憶されている。
【0054】
第1に、制御手段67(CPU)は、製版スタートキー69からのスタート信号に基づいて、またエンコーダセンサ17からの印刷ドラム1の回転角度に係る出力信号(パルス数信号)、ドラムホームポジションセンサ19からの印刷ドラム1のホームポジションを検出するための出力信号を参照しながら、印刷ドラム1がホームポジション(排版位置)を占めていることを確認した上で、図2に示すようにクランパ7がクランパベース48から開くように(これと連動して蹴り出し部材36も開く)クランパ開閉モータ45を制御した後、排版ローラ対30が印刷ドラム1上の使用済みのマスタ8の先端部を挟持するまで回転するようにステッピングモータ(排版ローラ駆動モータ)65を制御し、その後一旦、排版ローラ対30が回転を停止するように排版ローラ駆動モータ65を制御し、その後、排版動作のための印刷ドラム1の回転開始と同時に排版ローラ対30が再度回転開始するように排版ローラ駆動モータ65を制御する制御機能を有する。
【0055】
上記した制御手段67のCPUによる制御の際の、「排版動作のための印刷ドラム1の回転開始と同時に排版ローラ対30が再度回転開始するタイミング」は、印刷ドラム1の回転開始タイミングに予め設定されていて、このタイミングは制御手段67のROMに予め記憶されている。すなわち、「排版動作のための印刷ドラム1の回転開始と同時に排版ローラ対30が再度回転開始するタイミング」は、ドラム駆動モータ41の起動タイミングを採用してもよいし、あるいはエンコーダセンサ17からの印刷ドラム1の回転角度に係る出力信号(パルス数信号)とドラムホームポジションセンサ19からの印刷ドラム1のホームポジションを検出するための出力信号とから判断される印刷ドラム1の回転開始タイミングを採用してもよい。
なお、「排版動作のための印刷ドラム1の回転開始と同時に排版ローラ対30が再度回転開始するタイミング」は、上記設定内容に限らず、印刷ドラム1の回転開始後0.5秒以内に設定されていてもよい。
【0056】
ここで、印刷ドラム1がホームポジション(排版位置)を占めていることを確認した上で、図2に示すようにクランパ7が拡開するようにクランパ開閉モータ45を制御した後、排版ローラ対30が印刷ドラム1上の使用済みのマスタ8の先端部を挟持するまで回転するようにステッピングモータ(排版ローラ駆動モータ)65を制御し、その後一旦、排版ローラ対30が回転を停止するように排版ローラ駆動モータ65を制御し、その後、排版動作のための印刷ドラム1の回転開始と同時か、その直後0.5秒以内に排版ローラ対30が再度回転開始するように排版ローラ駆動モータ65を制御するための具体的な時間間隔は、例えば排版ローラ対30を構成する構成部品等の寸法・形状や回転駆動される際の周速度、印刷ドラム1の外径、クランパ7のマスタ挟持部中心からマスタ巻装部外周に沿った非開孔部1bと開孔部1aとの境界までの印刷ドラム1の外周長さおよび回転駆動される際の周速度等の設定条件によりある程度変動するものであるため、最終的には実験等により最適な設定範囲が決定される。
【0057】
第2に、制御手段67は、エンコーダセンサ17からの印刷ドラム1の回転角度に係る出力信号(パルス数信号)、ドラムホームポジションセンサ19からの印刷ドラム1のホームポジションを検出するための出力信号を参照しながら、排版ローラ対30により使用済みのマスタ8の先端部をくわえ込まれる(挟持される)までの排版ローラ周速度が、印刷ドラム1の回転と同時に排版ローラ対30が回転して使用済みのマスタ8を挟持して搬送する時における搬送時周速度の半分ないし同等である比較的遅い第1の周速度(実施例的には、搬送時周速度の0.5〜1.0倍)となるように、排版ローラ駆動モータ65を制御する制御機能を有する。
【0058】
第3に、制御手段67は、エンコーダセンサ17からの印刷ドラム1の回転角度に係る出力信号(パルス数信号)、ドラムホームポジションセンサ19からの印刷ドラム1のホームポジションを検出するための出力信号を参照しながら、排版ローラ対30によって使用済みのマスタ8の先端部をくわえ込まれた後の搬送時周速度が、排版時における印刷ドラム1の周速度(ドラム周速度)と略同等ないしドラム周速度よりも速い第2の周速度(実施例的には、ドラム周速度の略同等の1.0〜1.5倍未満)となるように、排版ローラ駆動モータ65を制御する制御機能を有する。
【0059】
排版ローラ対30の周速度の変更は、制御手段67により排版ローラ駆動モータ65に供給するパルスの周波数(pps:pulse per second)を変えること、すなわちパルス間隔を変える(パルス間隔を狭くしていけば加速、一定間隔では等速、パルス間隔を広くしていけば減速)ことで容易に行える。
【0060】
図1等に示すように、印刷ドラム1の下側には、印刷ドラム1上の製版済みのマスタ8に用紙Pを押し付ける押圧手段21が設けられている。押圧手段21は、図示しない孔版印刷装置本体の側板に回転自在に支持されたアーム軸22aと、該アーム軸22aに一端側を固定されたプレスローラアーム対22と、該プレスローラアーム対22の他端側に軸部を支持されて回転自在に設けられたプレスローラ23を有している。
アーム軸22aの一端側には、図示しないカムフォロアが設けられており、印刷ドラム1と同期して回転する図示しないカムに沿って図示しない引張バネ等の付勢手段により印刷ドラム1に対して接離するようになっている。プレスローラ23は、印刷時以外は図示しない係止手段により印刷ドラム1から離間した実線で示す位置に保持されている。なお、押圧手段としては、印刷ドラム1の外径と略同じ径を有する圧胴等を用いる場合もある。
【0061】
給紙装置52は、用紙Pを積載する昇降自在な給紙台としての給紙トレイ58と、用紙Pを最上のものから順に1枚ずつ分離して給送する分離給紙手段としての給紙コロ59、60および分離コロ61と、分離給送された用紙Pを所定のタイミングで印刷ドラム1とプレスローラ23との間の印圧部に搬送するレジストローラ対20を有している。
印刷ドラム1の左下側には、印刷ドラム1に近接して用紙Pを印刷ドラム1の表面より剥離する軸部を中心に揺動自在な剥離爪62が設けられている。剥離爪62で剥離された用紙Pは排紙搬送装置53の搬送ローラ63によりファン64の吸引力で吸着されながら搬送され、排紙台としての排紙トレイ54へ排出される。
【0062】
次に、孔版印刷装置100の動作を、図5(a),(b)のタイミングチャートを併用して適宜比較しながら説明する。なお、図5(a)は、従来の孔版印刷装置による排版動作のタイミングチャートを、図5(b)は本実施形態の孔版印刷装置100による排版動作のタイミングチャートを示している。
以下、排版動作における「挟持搬送」、「挟持搬送動作」という用語を、より分かりやすい「排版巻き取り」、「排版巻き取り動作」と言い替えることがある。
【0063】
孔版印刷装置100の初期状態としては、印刷ドラム1の外周面に前回の印刷で使用された使用済みのマスタ8が装着されたまま残っていて、印刷ドラム1はクランパ7が図2における左斜め上方に位置する印刷ドラム1の回転位置、すなわち印刷ドラム1の回転角度が0°(ホームポジション:排版位置)を占めて停止している状態にある。この際には、図2には図の簡明化のため示していないが、クランパ7と蹴り出し部材36とは、クランパ軸25に装着された図示しないねじりコイルばねの閉じる向きへの付勢力および上記磁石板の吸磁力によって閉じた状態にあり、使用済みのマスタ8の先端部がクランパ7とクランパベース48との間でクランプ・保持されている。
【0064】
この初期状態で、ユーザによって図示しないADFに原稿がセットされて、操作パネル68の製版スタートキー69が押下されることにより、一連の動作を自動的に行うためのスタート信号が出され、これがトリガとなって、先ず排版工程が実行される。
【0065】
すなわち、上記スタート信号がトリガとなって、クランパ7を開閉駆動する図示しない開閉装置のクランパ開閉モータ45が起動(例えば正転駆動)されることにより、クランパ7が図2に示すように開放され、これに連動して蹴り出し部材36による使用済みのマスタ8先端部の蹴り上げ動作が行われる。
すなわち、図示しない排版用作動アーム(32)が第3の位置へ揺動され、クランパ7が給版に必要な所定の角度θ1(上記特開平6−247031号公報の図10参照)よりもさらに大きい排版用の角度θ2に開かれる状態になることで、クランパ7の上記リフト爪の上昇と連動して蹴り出し部材36の上記係合爪が持ち上げられ、これにより蹴り出し部材36の上記複数の蹴り出し爪がクランパベース48の上記複数の溝から印刷ドラム1の略遠心方向へ突出する向きに揺動されることで、クランパ7に保持されていた使用済みのマスタ8の先端部が、そのマスタ8自身の腰の強さと蹴り出し部材36の上記複数の蹴り出し爪の上記突出的な揺動とによって、排版ローラ対30側に蹴り上げられ開放されフリーな状態となり、この状態での使用済みのマスタ8先端部の排版ローラ対30への受け渡しが確実に行われることとなる(図5(a),(b)の時間t1〜t2参照)。
【0066】
次いで、上述したクランパ7の開放動作およびこれに連動しての蹴り出し部材36の蹴り上げ動作後、制御手段67からの指令により排版ローラ駆動モータ65が起動・オンされることで、排版ローラ対30が回転し始める(図5(a),(b)の時間t3〜参照)。
開放された使用済みのマスタ8の先端部が、回転している排版ローラ対30によって、まず羽根車32の弾性羽根32aに接触されて排版上ローラ31と排版下ローラ33とのニップ部に引き込みくわえ込まれる。この時、印刷ドラム1は未だ停止したままの状態であり、排版ローラ対30が使用済みのマスタ8を巻き取ろうとする力は、印刷ドラム1自体を回転させる程のトルクは持っていないため、排版ローラ対30が使用済みのマスタ8表面上をスリップしている状態にある。
【0067】
この時の排版ローラ対30の回転開始により使用済みのマスタ8の先端部をくわえ込まれるまでの排版ローラ対30の周速度(回転速度)は、印刷ドラム1の回転と同時に排版ローラ対30が回転して使用済みのマスタ8を挟持し引き込み剥離搬送する時における引き込み時周速度の半分ないし同等である比較的遅い第1の周速度(実施例的には、排版ローラ対30による引き込み時周速度の0.5〜1.0倍)に設定されていて、その周速度で排版ローラ対30が回転駆動される。すなわち、制御手段67からの指令によって、排版ローラ対30による引き込み時周速度の0.5〜1.0倍となるような所定のパルス周波数のパルスに係るデータを上記ROMから呼び出して、その所定のパルスを排版ローラ駆動モータ65に供給する。
ここで、排版ローラ対30の周速度が引き込み時周速度の0.5倍未満であると、版付け印刷を含めて最初の印刷物が得られるまでのFPT(ファースト・プリントタイム)が余りにも長くなる点から、また1.0倍を超えると、次の点から好ましくない。すなわち、従来の排版ローラ対30による使用済みのマスタ8の先端部をくわえる動作では、印刷ドラム1の停止状態で行われていたため、排版ローラ対30の周速度がくわえられるべき使用済みのマスタ8に対してあまりにも高速回転となっており、そのマスタ先端部の角部が耳折れした状態になったり、破れてしまったりして巻き取られていた。耳折れしたマスタ8や先端部が破れたマスタ8を排版ボックス内に排版収納させた場合、綺麗な蛇腹状に折り畳まれなくなって排版収納量が減少してしまうという問題や、破れたマスタ片がローラに巻き付いて次の排版時に邪魔をしてしまうという問題等があったため、引き込み時周速度の0.5〜1.0倍の周速度に設定すれば、これらの問題を解消して、使用済みのマスタ8の先端部の角部が耳折れしたり破れてしまったりすることなく、使用済みのマスタ8の先端部を確実にくわえ込むことができるからである。
【0068】
排版ローラ対30(排版上ローラ31と排版下ローラ33と)のニップ部にくわえ込まれている使用済みのマスタ8の先端部は、図2に明示されているとおり、印刷ドラム1の非開孔部1bに対応して巻き付けられている部分であるから、印刷ドラム1の開孔部1aから滲み出たインキがほとんど付着しておらず、このインキ非付着部分ともいえる使用済みのマスタ8の先端部に対して、排版ローラ対30がスリップしながら回転していることが分かる。
【0069】
本発明における排版ローラ対30の特有の回転制御方式は、図2に示されている状態、すなわち排版ローラ対30の左側のニップ部近傍に配置された図示しない検知手段(例えば反射型のフォトセンサ)により剥離済みのマスタ8の先端がニップ部に引き込まれたことが検知され、剥離済みのマスタ8の先端部が排版ローラ対30のニップ部に挟持されくわえ込まれた状態で、制御手段67からの指令によって、一旦、排版ローラ対30の回転を停止するように排版ローラ駆動モータ65の回転駆動が停止(排版ローラ駆動モータ65がオフ)されることである(図5(b)の時間t4〜t6参照)。この排版ローラ駆動モータ65の回転駆動停止時間(排版ローラ対30の回転停止時間でもある)は、上述したような条件によっても多少異なるが、排版ローラ対30の回転停止後、0.2秒に設定している。
【0070】
排版ローラ駆動モータ65の回転駆動停止動作に引き続き、上記開閉装置のクランパ開閉モータ45が例えば逆転駆動されるように起動されることにより、クランパ7および蹴り出し部材36が閉じられる(図5(a),(b)の時間t4〜t5参照)。この後、制御手段67からの指令により、ドラム駆動モータ41が起動・オンされることによって、印刷ドラム1が支軸5の周りに図2では二点鎖線で図4(a)では実線で示す矢印A方向(時計回り)に回転を始める(図5(a),(b)の時間t6〜参照)。
【0071】
ドラム駆動モータ41の起動・オンと同時に、制御手段67からの指令により排版ローラ駆動モータ65が起動・オンされることによって、排版ローラ対30が再度回転駆動される。なお、排版ローラ駆動モータ65が再度起動されるタイミングは、図5(b)の時間t6以降の破線で示すように、ドラム駆動モータ41の起動後0.5秒以内、つまり印刷ドラム1の回転開始後0.5秒以内に設定されていてもよい。
【0072】
排版ローラ対30が再度回転駆動されることで、図2から図4(a)に示すように、その直後には印刷ドラム1のインキ浸透部でもある開孔部1aに巻かれていた使用済みのマスタ8の部分が排版ローラ対30に進入することになり、排版ローラ対30が剥離済みのマスタ8を排版装置55の内部に搬送して行く。この動作状態は、使用済みのマスタ8の最後端部まで続く。
この排版巻き取り中には、図4(a)に示すように、剥離済みのマスタ8は印刷ドラム1の回転と共に、排版上ローラ31と排版下ローラ33との間に挟持されて羽根車32により排版上ローラ31との貼り付きを防止されながら印刷ドラム1の表面から剥離され、剥離済みのマスタ8の先端部が圧縮板34の立壁面34cに当接することで順次折り畳まれるように癖付けされて圧縮板34上に載置されていくと共に、その際の搬送時周速度が印刷ドラム1の回転角度で0°以上270°以内の範囲に対応して設定されている。
【0073】
ここで、再び排版ローラ対30が回転し始めるタイミングは、当然ながら印刷ドラム1の回転以前では、ステッピングモータ65の脱調となり停止してしまい、印刷ドラム1の回転後0.5秒以降では、排版ローラ対30にくわえ込まれた部分の使用済みのマスタ8と印刷ドラム1の外周表面に密着している使用済みのマスタ8との間の撓みが大きくなり過ぎて、撓んだマスタ8が機械内部に接触してしまい汚損する場合がある点から好ましくない。
【0074】
上記排版動作時には、制御手段67からの指令によって、排版ローラ対30の引き込み時周速度が排版時における印刷ドラム1の周速度(ドラム周速度)と同等ないしドラム周速度よりも速い第2の周速度(実施例的には、ドラム周速度と略同等の1.0〜1.5倍程度)となるような所定のパルス周波数のパルスに係るデータを上記ROMから呼び出して、その所定のパルスを排版ローラ駆動モータ65に供給する。
【0075】
ここで、排版ローラ周速度(引き込み時周速度)がドラム周速度の1.0倍未満であると、排版ローラ対30により挟持引き込み搬送される印刷ドラム1上の使用済みのマスタ8がだぶついて排版ジャムを生じたり、使用済みのマスタ8に付着しているインキが孔版印刷装置100の内部に有る構成部品や部材等に接触して印刷装置内部を汚してしまったりするという点から、また1.5倍を超えると印刷ドラム1上の使用済みのマスタ8を無理矢理引っ張ってしまうことで挟持搬送中のマスタ8が破れてしまう虞や、綺麗な蛇腹状に折り畳まれなくなる等の利点を得られなくなってしまう点から好ましくない。
【0076】
排版ローラ周速度における第1の周速度ないし第2の周速度の上記設定において、所定の範囲を持たせているのは、ステッピングモータ65の特性(主として駆動トルク)、排版ローラ対30を構成している各ローラの配置個数やそのレイアウトのバリエーションにより、またマスタ8のサイズ(主としてマスタ搬送方向X1と直交する方向のマスタ幅サイズ)の大小により、あるいはインキの種類や環境の変動(温湿度)の影響を受けて、その適正な周速度の範囲が変わるからである。
【0077】
図1ないし図5に示した排版装置55および制御構成にて、確認試験を実施したところ、上述した利点および後述する効果のとおりの良好な結果を得ることができた。主な確認試験条件を挙げると、以下のとおりである。
マスタ8の構成:ポリエチレンテレフタレート(PET)系の熱可塑性樹脂フィルム(厚み1.5μm)と多孔質支持体(厚み44μm)とからなるマスタ(感熱孔版原紙(トータルの厚み45.5μm))
インキ:エマルションインキ
試験に用いた孔版印刷装置:株式会社リコー製のプリポートJP750
上述したとおり、排版ローラ駆動モータ65に最も負荷が加わる時点は、排版ローラ対30が使用済みのマスタ8の先端部をくわえ込みスリップしながら回転している瞬間であるが、本実施形態によれば、排版ローラ対30が使用済みのマスタ8の先端部をくわえ込みことが検知された時点で、排版ローラ対30の回転を一旦停止させ、排版動作のための印刷ドラム1の回転開始と同時か、またはその直後0.5秒以内に再び排版ローラ対30を回転させているため、万一、使用済みのマスタ8の先端部をくわえた時点で排版ローラ駆動モータ(ステッピングモータ)65のモータ耐トルク以上の負荷を受け同ステッピングモータ65が脱調により停止したとしても、以降の排版巻取動作(印刷ドラム1を回転しながら排版巻き取りを行う動作)に支障をきたすことなく次の動作に進むことができるという利点がある。
したがって、本実施形態によれば最終的には、ステッピングモータ65が排版途中に停止することにより発生する、剥離された使用済みのマスタ8が排版ローラ対の間や排版経路等に詰まって発生する排版ジャムや、詰まった使用済みのマスタ8を除去処理するためにユーザの手を煩わせてしまうことや、あるいは使用済みのマスタ8の詰まり状態によってはサービスマン・コールとなること等を未然に防止することができる。
【0078】
なお、排版動作のために印刷ドラム1の回転時に排版ローラ対30が回転する状態においては、印刷ドラム1の周速度(ドラム周速度)と同等ないしドラム周速度よりも速い第2の周速度(実施例的には、ドラム周速度と略同等の1.0〜1.5倍程度)という比較的高速で回転する上、さらに印刷ドラム1が回転している間は、排版ローラ対30と接触する使用済みのマスタ8の片面にインキが付着した状態にあり、インキが潤滑材の役目となってほとんど排版ローラ駆動モータ65には負荷が掛からない状態であるから、ステッピングモータ65の脱調が起こりにくくなる。
【0079】
加えて、排版ローラ対30が再度回転開始するタイミングは、印刷ドラム1の回転開始タイミングに設定されている、換言すれば印刷ドラム1の回転開始をトリガとしているので、印刷ドラム1が停止した状態(使用済みのマスタ8が停止した状態)で排版ローラ対30が回転するという状態、すなわち印刷ドラム1上の使用済みのマスタ8を無理矢理引っ張ってしまうことで挟持搬送中のマスタ8が破れてしまう虞や、綺麗な蛇腹状に折り畳まれなくなる等の不具合発生を未然かつ確実に防止できる。
【0080】
また、本実施形態によれば、上記利点のほか次の利点も得られる。すなわち、従来例と比較して、排版ローラ駆動手段としてステッピングモータ65を使用していること、およびこれを制御するための制御手段67を具備しているという比較的簡素な制御構成を付加するだけで、安価で容易に排版ローラ周速度(回転速度)の切り替えを行うことができる。また、使用済みのマスタ8の先端部をくわえるタイミングは印刷ドラム1が停止した状態であるため、排版ローラ対30がそのマスタ8の先端部をくわえた状態でマスタ8表面を排版ローラ対30がスリップして回転している状態であり、この状態ではステッピングモータ65に負荷が加わっている。このタイミングでは、上述したように排版ローラ周速度(回転速度)を比較的遅い第1の周速度にしているため、ステッピングモータ65使用の場合、その特性上、回転速度が遅い程ステッピングモータ65の駆動トルクがアップするため、上記スリップを減少させてさらに確実に使用済みのマスタ8をくわえ込むことができるという利点が得られる。
【0081】
説明が前後するが、使用済みのマスタ8の印刷ドラム1の表面からの剥離が完了すると、印刷ドラム1はクランパ7が図1において略右横に位置する給版位置に達するまで回転して停止する。印刷ドラム1が給版位置に停止した状態において、上記開閉装置が作動して図示しない給版用作動アーム(25)が第1の位置へ揺動することにより、クランパ7が給版に必要な所定の角度θ1内に開いている状態となる。
【0082】
給版待機状態になると原稿が画像読取装置50に搬送され、CCD、A/D変換器、製版制御装置等を経由して画像情報に応じてサーマルヘッド11の発熱素子にパルス状に通電がなされる。そして、サーマルヘッド11を主走査方向に作動させると共に、図示しないステッピングモータが回転してプラテンローラ10および反転ローラ対13等によりマスタ8を副走査方向に搬送しながら、マスタ8のフィルム部分が加熱穿孔される製版が行われる。
【0083】
ガイド板14により、製版済みのマスタ8の先端部がステージ6におけるクランパベース48とクランパ7との間に案内されて、図示しないステッピングモータのステップ数などの情報により製版済みのマスタ8の先端部がクランパ7の挟持領域に到達したと判断されると、上記開閉装置によりクランパ7が閉じられることにより、製版済みのマスタ8の先端部が吸着挟持される。この製版済みのマスタ8の先端部の挟持と共に、印刷ドラム1がマスタ8の搬送速度と略同じ速度で回転を再開し、製版済みのマスタ8を印刷ドラム1の外周面へ巻き付けるマスタ巻装動作が行われる。
【0084】
図示しないステッピングモータのステップ数より製版が終了したと判断されると、カッタ12が作動してマスタ8が切断されると共に、プラテンローラ10および反転ローラ対13等が停止し、切断された製版済みのマスタ8の後端が印刷ドラム1の回転により製版給版装置51より完全に引き出されると、印刷ドラム1へのマスタ巻装動作が完了する。
【0085】
この給版・巻装動作と並行して、剥離済みのマスタ8が排版装置55の排版ボックス35内に完全に取り込まれると、図4(b)に示すように、蛇腹状に収納・載置された圧縮板34が、上記排版圧縮モータの起動により支軸34aを中心として反時計回りに揺動されることによって、その自由端部が上ガイド板28の案内壁面28aに沿って移動されることで、剥離済みのマスタ8が排版ボックス35の収納空間部35a内に搬送されて圧縮・収納され、所定の位置で停止する。所定時間後、圧縮板34は時計回りに回転して初期位置に復帰する。
【0086】
印刷ドラム1への製版済みのマスタ8の巻装が完了すると、給紙コロ59、60が作動することにより、給紙コロ60と分離コロ61との分離作用によって給紙トレイ58から用紙Pが1枚だけ分離されて用紙搬送方向Xに給送され、所定のタイミングで回転するレジストローラ対20により印刷ドラム1とプレスローラ23との間に向けて搬送される。図示しない用紙センサにより用紙Pの進入が検知されると、押圧手段21の図示しない係止手段が解除されることにより、プレスローラ23が図示しないカムの回転によって上昇し、印刷ドラム1上の製版済みのマスタ8に用紙Pを押圧し、マスタ8にインキを充填する試し刷りとも呼ばれる版付けが行われる。
【0087】
用紙Pは、印刷ドラム1に接近・離間する剥離爪62により印刷ドラム1の表面から剥離され、排紙搬送装置53等により搬送されて排紙トレイ54に排出積載される。その後、操作パネル68に配設されている上記テンキーで印刷枚数をセットし、操作パネル68に配設されている上記印刷スタートキーを押下すると上記試し刷りと同様の工程で、給紙、印刷および排紙の各工程がセットした印刷枚数分繰り返して行われ、孔版印刷の全工程が終了する。
【0088】
なお、本実施形態の孔版印刷装置100は、特開2000−43394号公報(特許文献2)記載の排版装置をベースとして、これを後述する効果を奏するように改良したものであるから、特開2000−43394号公報の段落「0038」および「0041」等に記載されている基本的な効果を奏することはいうまでもない。
同様に、本実施形態の孔版印刷装置100は、特許文献2(特開平6−247031号公報)記載の原紙係止装置をベースとして、これを後述する効果を奏するように改良したものであるから、上記特開平6−247031号公報に記載されている基本的な効果を奏することはいうまでもない。
【0089】
(第1の実施形態の変形例)
図6に、第1の実施形態の変形例を示す。
この変形例は、第1の実施形態の排版装置55に代えた排版装置55Aを有することのみ相違する。排版装置55Aは、排版装置55と比較して、図3に示したギヤ列70に代えた駆動伝達手段としての図6に示すギヤ列70Aを有することのみ相違し、この他の構成は排版装置55と同様である。ギヤ列70Aは、排版装置55のギヤ列70と比較して、第1中間ギヤ72と第2中間ギヤ73との間に内蔵された図中ハッチングを施して示すトルクリミッタ78を有していることが主に相違する。
【0090】
トルクリミッタ78の内輪部には第1中間ギヤ72が、トルクリミッタ78の外輪部には第2中間ギヤ73が、それぞれ固定されている。トルクリミッタ78は、その設定トルク以上の負荷トルクがステッピングモータ65へ伝達されるのを規制する機能を有する。
換言すれば、排版ローラ対30に異常な負荷トルクが加わると、トルクリミッタ78の作用によって、第1、第2中間ギヤ72,73の内外輪とでスリップして、ステッピングモータ65(排版ローラ駆動モータ65)までその設定トルク以上の負荷が伝わらない仕組みとなっている。上記構成のとおり、トルクリミッタ78は、排版ローラ対30とステッピングモータ65との間に設けられていると言える。
【0091】
したがって、図6に示した変形例によれば、排版ローラ対30を駆動するためのギヤ列70Aに、設定トルク以上の負荷トルクがステッピングモータ(排版ローラ駆動モータ)65へ伝達されるのを規制するトルクリミッタ78を設けているため、万一、予期しない過大な負荷トルクが排版ローラ対30に加わった場合においても、ステッピングモータ65まではトルクリミッタ78の設定トルク以上の負荷トルクが伝わらないため、ステッピングモータ65特有の脱調によるモータ停止が発生する可能性が、第1の実施形態よりもさらに低くなる。
【0092】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、上述したような従来装置の有する諸問題点を解決して新規な排版装置および印刷装置を提供することができる。請求項ごとの効果を挙げれば次のとおりである。
請求項1記載の発明によれば、ステッピングモータ(排版ローラ駆動手段)に最も負荷が加わる時点は、排版ローラ対が使用済みのマスタの先端部を挟持(くわえ込み)・スリップしながら回転している瞬間であるが、本発明の制御手段は、起動手段からの起動信号に基づいて、排版ローラ対が印刷ドラム上の使用済みのマスタの先端部を挟持するまで回転した後、一旦、排版ローラ対が回転を停止し、排版動作のための印刷ドラムの回転開始後0.5秒以内に排版ローラ対が再度回転開始するようにステッピングモータを制御するので、ステッピングモータがモータ耐トルク以上の負荷を受けることで脱調により停止する不具合を未然に防止すると共に、排版ローラ対により使用済みのマスタの先端部を挟持された後の搬送時周速度が、排版時における印刷ドラムの周速度よりも速い該印刷ドラムの周速度の1.5倍未満の第2の周速度となるようにステッピングモータを制御するので、排版ローラ対により挟持引き込み搬送される印刷ドラム上の使用済みのマスタがだぶついて排版ジャムを生じたり、使用済みのマスタに付着しているインキが印刷装置の内部に有る構成部品や部材等に接触して印刷装置内部を汚してしまったりすることなく、また印刷ドラム上の使用済みのマスタを無理矢理引っ張ってしまうことで挟持搬送中のマスタが破れてしまう虞や、綺麗な蛇腹状に折り畳まれなくなる不具合を生じることなく、以降の印刷ドラムの回転しながらの排版動作に支障をきたすことなく次の動作に進むことができる。加えて、従来装置と比較して、排版ローラ駆動手段としてステッピングモータを使用している点およびこれを制御する制御手段を具備しているという比較的簡素な制御構成を付加するだけで、第1の周速度ないし第2の周速度までの排版ローラ周速度の切り替えを安価かつ容易に行うことができる。
【0093】
請求項記載の発明によれば、排版ローラ対が再度回転開始するタイミングは、印刷ドラムの回転開始タイミングに設定されているので、請求項1記載の発明の効果に加えて、印刷ドラムが停止した状態(使用済みのマスタが停止した状態)で排版ローラ対が回転するということで、印刷ドラム上の使用済みのマスタを無理矢理引っ張ってしまうことで挟持搬送中のマスタが破れてしまう虞や、綺麗な蛇腹状に折り畳まれなくなる等の不具合発生を未然かつ確実に防止することができる。
【0094】
請求項記載の発明によれば、排版ローラ対とステッピングモータとの間にトルクリミッタを設け、トルクリミッタの設定トルク以上の負荷トルクがステッピングモータへ伝達されるのを規制したので、請求項1または2記載の発明の効果に加えて、万一、予期しない過大な負荷トルクが排版ローラ対に加わった場合においても、ステッピングモータ(排版ローラ駆動手段)まではトルクリミッタの設定トルク以上の負荷トルクが伝わらないため、ステッピングモータ特有の脱調によるモータ停止が発生する可能性がさらに低くなる。
【0095】
請求項記載の発明によれば、排版ローラ対の少なくとも一方が印刷ドラム上の使用済みのマスタに接触して剥離するという変位可能な構成を必要とせずに比較的簡易な構成で、使用済みのマスタの排版ローラ対への貼り付きや巻き付きを防止しながら回転可能な排版ローラ対を具備する排版装置において、請求項1ないしの何れか一つに記載の発明の効果を奏する。
【0096】
請求項記載の発明によれば、製版済みのマスタを外周面に巻装する印刷ドラムを具備し、印刷ドラム上の製版済みのマスタに用紙を押し付けて印刷を行う印刷装置において、請求項1ないしの何れか一つに記載の発明の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す孔版印刷装置の一部断面正面図である。
【図2】図1の孔版印刷装置におけるクランパ、排版装置周りの主な制御構成およびそれらの動作を示す一部を破断した一部断面拡大正面図である。
【図3】図1および図2の排版装置におけるステッピングモータ、ギヤ列の構成および動作を示す斜視図である。
【図4】(a)は、図1および図2の排版装置の要部の初期動作を、(b)は、同排版装置の要部の終期動作をそれぞれ示す一部断面正面図である。
【図5】(a)は、従来の孔版印刷装置の排版動作を表す、(b)は、本発明の第1の実施形態の孔版印刷装置の排版動作を表すタイミングチャートである。
【図6】第1の実施形態の変形例を示す排版装置に配設されたギヤ列の概略的な正面図である。
【符号の説明】
1 印刷ドラム
7 保持手段としてのクランパ
8 マスタ(孔版原紙)
30 排版ローラ対
31 一方のローラとしての排版ローラ上
32 羽根部材としての羽根車
32a 弾性羽根
33 他方のローラとしての排版ローラ下
41 印刷ドラム駆動手段としてのドラム駆動モータ
45 クランパ開閉モータ
55,55A 排版装置
65 排版ローラ駆動手段としてのステッピングモータ(排版ローラ駆動モータ)
67 制御手段
69 起動手段としての製版スタートキー
70,70A 駆動伝達手段としてのギヤ列
78 トルクリミッタ
100 孔版印刷装置
X1 マスタ搬送方向
X2 マスタ排出方向
Y マスタ幅方向

Claims (5)

  1. 印刷ドラムの外周面に巻き付けられた使用済みのマスタを挟持して剥離・搬送する排版ローラ対と、該排版ローラ対を回転駆動する排版ローラ駆動手段と、該排版ローラ駆動手段を起動させる起動信号を生成する起動手段とを具備し、上記排版ローラ駆動手段としてステッピングモータを使用した排版装置であって、
    上記起動手段からの起動信号に基づいて、上記排版ローラ対が上記印刷ドラム上の使用済みのマスタの先端部を挟持するまで回転した後、一旦、上記排版ローラ対が回転を停止し、排版動作のための上記印刷ドラムの回転開始後0.5秒以内に上記排版ローラ対が再度回転開始するように上記ステッピングモータを制御し、かつ、上記排版ローラ対により使用済みのマスタの先端部を挟持されるまでの排版ローラ周速度が、上記印刷ドラムの回転と同時に上記排版ローラ対が回転して使用済みのマスタを挟持して搬送する時における搬送時周速度の半分ないし同等である第1の周速度となるように上記ステッピングモータを制御し、なおかつ、上記排版ローラ対により使用済みのマスタの先端部を挟持された後の上記搬送時周速度が、排版時における上記印刷ドラムの周速度よりも速い該印刷ドラムの周速度の1.5倍未満の第2の周速度となるように上記ステッピングモータを制御する制御手段を有することを特徴とする排版装置。
  2. 請求項1記載の排版装置において、
    上記排版ローラ対が再度回転開始するタイミングは、上記印刷ドラムの回転開始タイミングに設定されていることを特徴とする排版装置。
  3. 請求項1または2記載の排版装置において、
    上記排版ローラ対と上記ステッピングモータとの間にトルクリミッタを設け、上記トルクリミッタの設定トルク以上の負荷トルクが上記ステッピングモータへ伝達されるのを規制したことを特徴とする排版装置。
  4. 請求項1ないし3の何れか一つに記載の排版装置において、
    上記排版ローラ対の一方のローラ側には該一方のローラと同期回転する羽根部材が設けられ、該羽根部材は上記一方のローラの外周面よりもその遠心方向へ延びる複数の弾性羽根を具備し、該弾性羽根は弾性変形しながら上記排版ローラ対の他方のローラの外周面に接触するように構成されており、
    上記排版ローラ対は、上記印刷ドラムの外周面に巻き付けられた使用済みのマスタの先端部を挟持して剥離しながら引き込むことを特徴とする排版装置。
  5. 製版済みのマスタを外周面に巻装する印刷ドラムを具備し、該印刷ドラム上の製版済みのマスタに用紙を押し付けて印刷を行う印刷装置において、
    請求項1ないし4の何れか一つに記載の排版装置を有することを特徴とする印刷装置。
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