JP2011173389A - 孔版印刷装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】多孔質支持体を薄く形成したマスタを使用した場合でも、版胴上におけるマスタの有無の検知精度を高めることを課題とする。
【解決手段】マスタ8が巻着される版胴1の表面上のマスタ巻着部分のうちマスタの版胴回転方向後端部が巻着される後端検知箇所に、マスタの光反射率とは異なる光反射率を有する後端側シート21を設け、その後端検知箇所からの反射光を光学センサ18で受光することにより版胴にマスタが巻着されているか否かを検知し、この検知により版胴にマスタが巻着されていないことを検知したときに、製版済みのマスタを版胴に巻着させる。
【選択図】図1
【解決手段】マスタ8が巻着される版胴1の表面上のマスタ巻着部分のうちマスタの版胴回転方向後端部が巻着される後端検知箇所に、マスタの光反射率とは異なる光反射率を有する後端側シート21を設け、その後端検知箇所からの反射光を光学センサ18で受光することにより版胴にマスタが巻着されているか否かを検知し、この検知により版胴にマスタが巻着されていないことを検知したときに、製版済みのマスタを版胴に巻着させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、回転駆動する版胴に対して製版済みのマスタを巻着し、その版胴に巻着されたマスタと印刷用紙とを当接加圧することにより、マスタの製版孔を介して版胴から供給されるインキ等の画像形成剤を印刷用紙に付着させることで、印刷用紙に画像を印刷する孔版印刷装置に関するものである。
この種の孔版印刷装置としては、熱可塑性樹脂からなるマスタを加熱穿孔し、このマスタに形成された穿孔(製版孔)を通してインキ(画像形成剤)を印刷用紙に転移させて印刷を行うものが知られている(特許文献1)。この孔版印刷装置は、マスタを製版する製版部と、製版部で製版されたマスタを受け取ってこのマスタに基づく印刷を行う印刷部とを主要な構成要素として構成されている。製版部では、マスタを所定のマスタ案内経路に案内し、その案内過程で、例えばサーマルヘッドによってマスタに形成画像に応じた製版孔を加熱穿孔する。印刷部では、インキ供給部を内部に備えた多孔性円筒状の版胴に製版済みのマスタを巻き付け、その版胴上のマスタに印刷用紙をプレスローラで連続的に押し付ける。これにより版胴の孔及びマスタの製版孔からインキを漏れ出させて印刷用紙にインキを転移させ、その印刷用紙にマスタに基づく画像を印刷する。
従来、マスタとしては、1〜3μm程度の厚みをもった熱可塑性の樹脂フィルムに多孔質支持体を貼り合わせたラミネート構造のものが広く用いられている。多孔質支持体としては、和紙繊維や合成繊維、あるいは和紙繊維と合成繊維とを混抄した繊維等が一般に用いられている。このようなマスタにおいては、印刷部における印刷動作時に、多孔質支持体の部分から滲み出たインキが樹脂フィルムの製版孔を通過し、印刷用紙へ転移する。ところが、マスタの多孔質支持体を構成する各種繊維には、繊維が複雑に絡み合って塊となっている部分や太い繊維部分などの繊維目と呼ばれる現象が発生する。このような繊維目が存在するマスタに基づき印刷が行われた場合、その繊維目の部分で画像のベタ部に抜けが生じたり、細線や文字が切れたりかすれたりするといった不具合が起こる。そこで、近年、多孔質支持体を薄くして繊維目を少なくする試みがなされている。
孔版印刷装置では、版胴上の不要な旧マスタを除去した後、その版胴に新たなマスタを巻着させる。このとき、不要となった旧マスタが除去されないまま新しいマスタが重ねて巻着されることを避けるため、一般に、旧マスタが版胴から除去されたかどうかをマスタ有無検知手段により確認する。このマスタ有無検知手段としては、マスタが巻着される版胴表面上の所定のマスタ巻着部分のうちマスタの版胴回転方向先端部が巻着される検知箇所に、マスタの光反射率とは異なる光反射率を有する被検知部を設けたものが広く用いられている。このマスタ有無検知手段によれば、被検知部とマスタとの光反射率の違いから、その検知箇所にマスタが存在するか否かを識別することができる。
ところが、繊維目を少なくするために多孔質支持体を薄く形成したマスタは、多孔質支持体が厚い従来のマスタよりも光透過率が高くなる。そのため、検知箇所にマスタが存在していても、そのマスタの下にある被検知部からの反射光が光学センサに受光されてしまい、マスタが存在していないと誤検知してしまうおそれがあった。このため、多孔質支持体を薄く形成したマスタを使用した場合、版胴上におけるマスタの有無の検知が不安定になり、旧マスタの上に更に新マスタがセットされてしまうおそれがあるという問題が生じる。
特に、印刷用紙に転移したインキが速やかに浸透乾燥するように、水分をオイル分で包んだ形のエマルジョンインキを用いて印刷を行う場合、上記問題は顕著なものとなる。すなわち、このようなインキを用いると、版胴に巻着されている多孔質支持体の繊維部分にインキのオイル分が徐々に浸透拡散し、その全体が濡れた状態になる。多孔質支持体が厚い従来のマスタであれば、オイル分が浸透拡散して濡れた状態になっても、その光透過率が大幅に高まることはない。しかしながら、多孔質支持体を薄く形成したマスタにおいては、その多孔質支持体の繊維部分にインキのオイル分が浸透拡散すると、マスタの光透過率が極端に高まる現象が生じる。この現象は、例えばスリガラスに水が付いて透過率が大幅に高くなる現象に似たものである。更に、オイル分が浸透拡散して濡れた状態になると、版胴表面とマスタとが密着してしまう。これらの結果、オイルを含有するエマルジョンインキを用いた場合には、検知箇所にマスタが存在していても、そのマスタの下にある被検知部からの反射光が光学センサに受光され、マスタが存在していないと誤検知してしまうおそれが高まる。したがって、上記問題が顕著なものとなる。
本発明は、以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、多孔質支持体を薄く形成したマスタを使用した場合でも、版胴上におけるマスタの有無の検知精度が高い孔版印刷装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、回転駆動する版胴に対して製版済みのマスタを巻着し、該版胴に巻着されたマスタと印刷用紙とを当接加圧することにより、該マスタの製版孔を介して該版胴から供給される画像形成剤を該印刷用紙に付着させることで、該印刷用紙に画像を印刷する孔版印刷装置において、製版済みのマスタを上記版胴に巻着するマスタ巻着手段と、不要となったマスタを上記版胴から除去するマスタ除去手段と、上記マスタ巻着手段によりマスタが巻着される版胴表面上のマスタ巻着部分のうちマスタの版胴回転方向後端部が巻着される検知箇所に、マスタの光反射率とは異なる光反射率を有する被検知部を設け、検知箇所からの反射光を光学センサで受光することにより該被検知部とマスタとの光反射率の違いから上記版胴にマスタが巻着されているか否かを検知するマスタ有無検知手段と、上記マスタ有無検知手段が上記版胴にマスタが巻着されていないことを検知したときに、上記マスタ巻着手段を制御して製版済みのマスタを該版胴に巻着させる制御手段とを有することを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の孔版印刷装置において、上記マスタ有無検知手段は、上記マスタ巻着部分のうちマスタの版胴回転方向先端部が巻着される検知箇所にも上記被検知部を設け、マスタの版胴回転方向先端部及び後端部がそれぞれ巻着される2つの検知箇所について上記版胴にマスタが巻着されているか否かを検知するものであり、上記制御手段は、上記2つの検知箇所の両方について上記マスタ有無検知手段が上記版胴にマスタが巻着されていないことを検知したときに、上記マスタ巻着手段を制御して製版済みのマスタを該版胴に巻着させることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2の孔版印刷装置において、上記マスタ有無検知手段は、マスタの版胴回転方向後端部が巻着される検知箇所について上記版胴にマスタが巻着されているか否かの検知動作を、マスタの版胴回転方向先端部が巻着される検知箇所について上記版胴にマスタが巻着されていないことを検知した後に行うことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の孔版印刷装置において、上記画像形成剤として、オイル成分を含有したエマルジョンインキを用いることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の孔版印刷装置において、上記制御手段は、電源投入後又は上記版胴が着脱された後であって、その後に初めて上記マスタ巻着手段が製版済みのマスタを該版胴に巻着する前に、上記マスタ有無検知手段の検知結果にかかわらず、上記マスタ除去手段を制御して不要となったマスタを該版胴から除去させる動作を実行させることを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の孔版印刷装置において、上記マスタ有無検知手段は、上記マスタ巻着部分のうちマスタの版胴回転方向先端部が巻着される検知箇所にも上記被検知部を設け、マスタの版胴回転方向先端部及び後端部がそれぞれ巻着される2つの検知箇所について上記版胴にマスタが巻着されているか否かを検知するものであり、上記制御手段は、上記2つの検知箇所の両方について上記マスタ有無検知手段が上記版胴にマスタが巻着されていないことを検知したときに、上記マスタ巻着手段を制御して製版済みのマスタを該版胴に巻着させることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2の孔版印刷装置において、上記マスタ有無検知手段は、マスタの版胴回転方向後端部が巻着される検知箇所について上記版胴にマスタが巻着されているか否かの検知動作を、マスタの版胴回転方向先端部が巻着される検知箇所について上記版胴にマスタが巻着されていないことを検知した後に行うことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の孔版印刷装置において、上記画像形成剤として、オイル成分を含有したエマルジョンインキを用いることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の孔版印刷装置において、上記制御手段は、電源投入後又は上記版胴が着脱された後であって、その後に初めて上記マスタ巻着手段が製版済みのマスタを該版胴に巻着する前に、上記マスタ有無検知手段の検知結果にかかわらず、上記マスタ除去手段を制御して不要となったマスタを該版胴から除去させる動作を実行させることを特徴とするものである。
本発明者は、実際には検知箇所にマスタが存在していても、マスタが存在していないと誤検知されてしまう原因について検討し、次のような知見を得た。
従来の孔版印刷装置における検知箇所は、一般に、版胴表面上のマスタ巻着部分のうちマスタの版胴回転方向先端部(以下、単に「先端部」という。)が巻着される箇所である。これは、マスタ有無検知手段の光学センサの位置とマスタ除去手段によりマスタを版胴から除去する位置との関係で、マスタが巻着されていないという検知結果を得てから直ぐにマスタ除去手段によるマスタの除去動作を実行する上では、マスタ先端部の巻着箇所を検知箇所とする必要があったからである。また、版胴表面上におけるマスタの巻着位置は、通常、マスタの先端を基準に位置決めされるため、マスタの先端部が巻着される箇所を検知箇所とすれば、使用されるマスタの版胴回転方向長さがどのような長さであっても、同じタイミングでマスタの有無を検知できるという利点もあるからである。ところが、マスタ先端部が巻着される箇所では、マスタと版胴とが互いに密着しやすい。その理由は次のとおりである。版胴に巻着されたマスタと印刷用紙とを当接加圧する際には、印刷用紙に張りを持たせる必要がある。そのため、マスタと印刷用紙との当接部よりも用紙搬送方向上流側で印刷用紙を送り出す搬送ローラ対の用紙搬送速度は、当接部における用紙搬送速度よりも僅かに遅くなるように設定される。その結果、マスタと印刷用紙との当接部では、用紙面法線方向の当接圧力に加え、印刷用紙を用紙搬送方向上流側へ引っ張る引張力が加わる。このような引張力は、用紙面法線方向の当接圧力だけが加わる場合よりも、マスタと印刷用紙との密着性を高めるように作用する。ただし、マスタ先端から版胴回転方向下流側の一定長さ分は、通常、印刷用紙と重ならないため、マスタ先端部が印刷用紙との当接部において上記引張力を直接受けることはない。しかしながら、マスタ先端部が当接部を抜けた後にその後端側が印刷用紙から上記引張力を受けることで、マスタ先端部にも後端側へ引っ張る引張力が加わる。その結果、マスタ先端部と印刷用紙との密着性が高まってしまう。このように、マスタ先端部では印刷用紙との密着性が高いため、多孔質支持体を薄く形成したマスタを用いた場合には、その箇所にマスタが存在していても、そのマスタの下にある被検知部からの反射光が光学センサに受光されてしまい、マスタが存在していないと誤検知されてしまう。特に、画像形成剤として、オイル成分を含有したエマルジョンインキを用いた場合には、上述したように更に誤検知が起きやすい。
そこで、本発明においては、版胴にマスタが巻着されているか否かを検知する検知箇所として、版胴表面上のマスタ巻着部分のうちマスタの版胴回転方向後端部(以下、単に「後端部」という。)が巻着される箇所を用いる。マスタ後端部は、通常、印刷用紙と重ならないため、マスタ後端部が印刷用紙との当接部において上記引張力を直接受けることはない。また、マスタ後端部が当接部を抜けた後に上記引張力を受けることもない。そのため、マスタ後端部には上記引張力が加わることはない。その結果、マスタ先端部と比較して、印刷用紙との密着性は低いものとなる。その結果、多孔質支持体を薄く形成したマスタを用いたときでも、マスタ先端部が巻着される箇所を検知箇所とする場合と比較して、誤検知の発生を抑制できる。
従来の孔版印刷装置における検知箇所は、一般に、版胴表面上のマスタ巻着部分のうちマスタの版胴回転方向先端部(以下、単に「先端部」という。)が巻着される箇所である。これは、マスタ有無検知手段の光学センサの位置とマスタ除去手段によりマスタを版胴から除去する位置との関係で、マスタが巻着されていないという検知結果を得てから直ぐにマスタ除去手段によるマスタの除去動作を実行する上では、マスタ先端部の巻着箇所を検知箇所とする必要があったからである。また、版胴表面上におけるマスタの巻着位置は、通常、マスタの先端を基準に位置決めされるため、マスタの先端部が巻着される箇所を検知箇所とすれば、使用されるマスタの版胴回転方向長さがどのような長さであっても、同じタイミングでマスタの有無を検知できるという利点もあるからである。ところが、マスタ先端部が巻着される箇所では、マスタと版胴とが互いに密着しやすい。その理由は次のとおりである。版胴に巻着されたマスタと印刷用紙とを当接加圧する際には、印刷用紙に張りを持たせる必要がある。そのため、マスタと印刷用紙との当接部よりも用紙搬送方向上流側で印刷用紙を送り出す搬送ローラ対の用紙搬送速度は、当接部における用紙搬送速度よりも僅かに遅くなるように設定される。その結果、マスタと印刷用紙との当接部では、用紙面法線方向の当接圧力に加え、印刷用紙を用紙搬送方向上流側へ引っ張る引張力が加わる。このような引張力は、用紙面法線方向の当接圧力だけが加わる場合よりも、マスタと印刷用紙との密着性を高めるように作用する。ただし、マスタ先端から版胴回転方向下流側の一定長さ分は、通常、印刷用紙と重ならないため、マスタ先端部が印刷用紙との当接部において上記引張力を直接受けることはない。しかしながら、マスタ先端部が当接部を抜けた後にその後端側が印刷用紙から上記引張力を受けることで、マスタ先端部にも後端側へ引っ張る引張力が加わる。その結果、マスタ先端部と印刷用紙との密着性が高まってしまう。このように、マスタ先端部では印刷用紙との密着性が高いため、多孔質支持体を薄く形成したマスタを用いた場合には、その箇所にマスタが存在していても、そのマスタの下にある被検知部からの反射光が光学センサに受光されてしまい、マスタが存在していないと誤検知されてしまう。特に、画像形成剤として、オイル成分を含有したエマルジョンインキを用いた場合には、上述したように更に誤検知が起きやすい。
そこで、本発明においては、版胴にマスタが巻着されているか否かを検知する検知箇所として、版胴表面上のマスタ巻着部分のうちマスタの版胴回転方向後端部(以下、単に「後端部」という。)が巻着される箇所を用いる。マスタ後端部は、通常、印刷用紙と重ならないため、マスタ後端部が印刷用紙との当接部において上記引張力を直接受けることはない。また、マスタ後端部が当接部を抜けた後に上記引張力を受けることもない。そのため、マスタ後端部には上記引張力が加わることはない。その結果、マスタ先端部と比較して、印刷用紙との密着性は低いものとなる。その結果、多孔質支持体を薄く形成したマスタを用いたときでも、マスタ先端部が巻着される箇所を検知箇所とする場合と比較して、誤検知の発生を抑制できる。
以上、本発明によれば、多孔質支持体を薄く形成したマスタを使用した場合でも、版胴上におけるマスタの有無の検知精度が高いという優れた効果が得られる。
以下、本発明に係る孔版印刷装置の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
なお、以下に説明する本実施形態の孔版印刷装置は、一例であり、本発明が本実施形態の孔版印刷装置の構成に限定されるものではない。
なお、以下に説明する本実施形態の孔版印刷装置は、一例であり、本発明が本実施形態の孔版印刷装置の構成に限定されるものではない。
図1は、製版済みのマスタが版胴に巻着された状態の孔版印刷装置の概略構成を示す模式図である。
本実施形態に係る孔版印刷装置は、主に、製版孔を有するマスタを製版する製版部と、製版部で製版されたマスタを受け取ってこのマスタに基づく印刷を行う印刷部とから構成されている。
本実施形態に係る孔版印刷装置は、主に、製版孔を有するマスタを製版する製版部と、製版部で製版されたマスタを受け取ってこのマスタに基づく印刷を行う印刷部とから構成されている。
まず、本実施形態の製版部の構成について説明する。
ロール芯8aに製版前のマスタを巻き付けて構成されるマスタロール8bは、そのロール芯8aが図示しない製版部側板に回転自在に支持されている。マスタロール8bから引き出されたマスタロール引出部8cは、図示しない駆動源であるステッピングモータにより回転駆動するプラテンローラ9と、多数の発熱素子を有するサーマルヘッド10との間に挟持されている。以下、この挟持部分を加熱穿孔部という。この加熱穿孔部において、サーマルヘッド10は、図示しない付勢部材(スプリングなど)により、プラテンローラ9に当接した状態が維持されている。ステッピングモータによりプラテンローラ9が回転駆動すると、マスタロール8bからマスタロール引出部8cが繰り出される。
ロール芯8aに製版前のマスタを巻き付けて構成されるマスタロール8bは、そのロール芯8aが図示しない製版部側板に回転自在に支持されている。マスタロール8bから引き出されたマスタロール引出部8cは、図示しない駆動源であるステッピングモータにより回転駆動するプラテンローラ9と、多数の発熱素子を有するサーマルヘッド10との間に挟持されている。以下、この挟持部分を加熱穿孔部という。この加熱穿孔部において、サーマルヘッド10は、図示しない付勢部材(スプリングなど)により、プラテンローラ9に当接した状態が維持されている。ステッピングモータによりプラテンローラ9が回転駆動すると、マスタロール8bからマスタロール引出部8cが繰り出される。
また、プラテンローラ9が設けられた加熱穿孔部に対してマスタロール引出部8cの繰り出し方向下流側には、お互いを押圧した状態で回転駆動する搬送ローラ対12が設けられている。搬送ローラ対12は、プラテンローラ9によるマスタロール引出部8cの繰り出し速度よりも僅かに早い周速で回転駆動するように設定されている。これにより、プラテンローラ9とサーマルヘッド10との間に挟持されるマスタロール引出部8cには、適度な張力が付与される。
また、プラテンローラ9が設けられた加熱穿孔部と搬送ローラ対12との間のマスタロール引出部8cの繰り出し経路上には、マスタロール引出部8cを切断するカッタ11が設けられている。このカッタ11は、上記加熱穿孔部において後述するように加熱穿孔されたマスタロール引出部8cを適当な長さに切断するものであり、上下刃(ギロチンタイプ)又は回転刃移動タイプ等の構成を利用できる。加熱穿孔部において加熱穿孔され、カッタ11によって切断されたマスタロール引出部8cが、製版済みのマスタ8として版胴1の表面に巻着されることになる。また、搬送ローラ対12に対してマスタロール引出部8cの繰り出し方向下流側には、搬送ローラ対12によって搬送されるマスタロール引出部8cあるいはマスタ8を版胴1の表面へ案内するガイド板13が設けられている。
次に、本実施形態の印刷部の構成について説明する。
印刷部は、版胴1を有し、製版部のガイド板13によって案内されるマスタロール引出部8cあるいはマスタ8が版胴1の頂部に案内される位置に版胴1が配置されている。この版胴1は、画像形成剤であるインキが通過可能な開口部分1aとインキの通過が不可能な非開口部分とを有する多孔性支持円筒体の外周面に、樹脂或いは金属網体のメッシュスクリーンを複数回巻き付けた構造を有する。この版胴1は、インキパイプ5を支軸に回転自在に支持された図示しないフランジに固着されており、図示しない駆動源であるモータによって図中時計回り方向へ回転駆動する。
印刷部は、版胴1を有し、製版部のガイド板13によって案内されるマスタロール引出部8cあるいはマスタ8が版胴1の頂部に案内される位置に版胴1が配置されている。この版胴1は、画像形成剤であるインキが通過可能な開口部分1aとインキの通過が不可能な非開口部分とを有する多孔性支持円筒体の外周面に、樹脂或いは金属網体のメッシュスクリーンを複数回巻き付けた構造を有する。この版胴1は、インキパイプ5を支軸に回転自在に支持された図示しないフランジに固着されており、図示しない駆動源であるモータによって図中時計回り方向へ回転駆動する。
版胴1の内部には、インキパイプ5に固設された図示しない側板に対して軸部を回転自在に支持されたインキローラ2が設けられている。このインキローラ2は、図示しない駆動伝達手段(ギヤ或いはベルト等)により、版胴1と同期して図中矢印方向に回転駆動する。また、版胴1の内部には、インキローラ2の外周面と対向する位置にはドクタローラ3が配置されている。インキローラ2とドクタローラ3との対向部の上部に形成される楔状空間にはインキ溜まり4が形成される。このインキ溜まり4には、版胴1の外部に設けられたインキパック等からのインキがインキパイプ5の供給穴より供給される。インキ溜まり4のインキは、インキローラ2の表面に供給され、インキローラ2の表面から版胴1の開口部分1aを介して版胴1の表面側に滲み出ることになる。なお、版胴1は、インキローラ2やドクタローラ3と一体支持されたユニット構造になっており、版胴1の回転軸方向に沿って孔版印刷装置本体に対して着脱可能に構成されている。
版胴1の非開孔部分には、その非開孔部分における一母線に沿った平面をなすステージ6が設けられており、ステージ6上にはクランパ軸によって開閉自在に支持されたクランパ7が配設されている。製版部から繰り出されたマスタ8は、その繰り出し方向先端部が版胴1の回転が停止した状態でクランパ7によって挟持された後、版胴1が回転駆動することで版胴1の表面上の所定のマスタ巻着部分に巻着される。非開孔部分上のマスタ先端部が巻着される箇所には、低反射率を有する被検知部としての先端側シート20が貼着されている。また、本実施形態においては、非開孔部分上のマスタ後端部が巻着される箇所にも、被検知部として先端側シート20と同様の後端側シート21が貼着されている。これらのシート20,21は、マスタ8が版胴1に巻着されていない場合には、版胴1が回転駆動して、マスタ有無検知手段としてのセンサ18と対向するセンサ対向領域内に位置することで、そのシート20,21からの反射光がセンサ18によって検知する。一方、マスタ8が版胴1に巻着されている場合には、これらのシート20,21をマスタ8が覆った状態となるので、センサ18はマスタ8からの反射光を検知することになる。マスタ8は、シート20,21よりも高い光反射率を有するので、センサ18の出力値の違いにより、そのシート20,21上にマスタ8が存在するか否かを識別することができる。
版胴1の下方には、版胴1に巻着されたマスタ8と印刷用紙とを当接加圧するためのプレスローラ15が配置されている。このプレスローラ15は、その軸部両端が2つのプレスローラアーム16の一端でそれぞれ回動自在に支持されている。2つのプレスローラアーム16の他端は、図示しない筺体側板に回転自在に支持されたアーム軸16aに固定されている。アーム軸16aは、その軸端には図示しないカムフォロアが設けられ、図示しない付勢手段(スプリング等)により図中時計回りに付勢されている。図示しないカムによって当該付勢手段の付勢力に抗してアーム軸16aを図中反時計回りに回動させることで、プレスローラ15を版胴1から離間した離間位置へ移動させることができる。離間位置へ移動したプレスローラ15は、図示しない係止手段(ストッパとそれを駆動するソレノイド等)によって当該離間位置に保持される。この係止手段を解除すると、当該付勢手段の付勢力によりアーム軸16aを図中時計回りに回動し、プレスローラ15が版胴1に当接する当接位置に移動する。プレスローラ15は、版胴1の開口部分1aの版胴回転方向先端より僅かに版胴方向下流側の位置で版胴1に当接するように、当接タイミングが制御されている。
プレスローラ15の図中右側には、図示しない給紙トレイと、その給紙トレイに積載された用紙束から1枚の印刷用紙を分離して送り出す分離給紙装置と、分離給紙装置より給送される印刷用紙をプレスローラ15と版胴1との対向部(インキ転移部)にタイミングを取って送り込むレジストローラ対17とが設けられている。また、インキ転移部に対して版胴回転方向下流側で版胴1の表面に対向する位置には、剥離爪14が設けられている。この剥離爪14は、インキ転移部を通過した印刷用紙をマスタ8から剥離させるためのものである。マスタ8から剥離した印刷用紙は、剥離爪14の下方に位置する排紙トレイ19へ排紙される。
次に、本実施形態の孔版印刷装置の動作について説明する。
図2は、新たな画像を印刷する際の動作の流れを示すフローチャートである。
電源投入後、図示しない制御部は、図示しない版胴駆動モータを駆動させて、版胴1の回転位置が所定のホームポジション(以下「HP」という。)まで版胴1を回転駆動し、そのHPで停止させる制御を行う(S1,S2)。その後、原稿が図示しない原稿読み取り部にセットされて、図示しない製版スタートボタンが操作されると(S3のYes)、制御部は、まず、版胴駆動モータを駆動して、版胴1にマスタ8が巻着されていてもいなくても不要となったマスタ8を版胴1から除去する排版処理を行う(S4)。この排版処理では、版胴駆動モータを駆動し、所定の剥離位置でクランパ7を開状態にし、不要となったマスタ8の先端をクランパ7から開放する。その後、不要となったマスタは、図示しない排版装置によって、版胴1から剥離され、廃棄処理がなされる。
図2は、新たな画像を印刷する際の動作の流れを示すフローチャートである。
電源投入後、図示しない制御部は、図示しない版胴駆動モータを駆動させて、版胴1の回転位置が所定のホームポジション(以下「HP」という。)まで版胴1を回転駆動し、そのHPで停止させる制御を行う(S1,S2)。その後、原稿が図示しない原稿読み取り部にセットされて、図示しない製版スタートボタンが操作されると(S3のYes)、制御部は、まず、版胴駆動モータを駆動して、版胴1にマスタ8が巻着されていてもいなくても不要となったマスタ8を版胴1から除去する排版処理を行う(S4)。この排版処理では、版胴駆動モータを駆動し、所定の剥離位置でクランパ7を開状態にし、不要となったマスタ8の先端をクランパ7から開放する。その後、不要となったマスタは、図示しない排版装置によって、版胴1から剥離され、廃棄処理がなされる。
続いて、制御部は、図3に示すように、版胴1の外周面に貼着された先端側シート20の貼着箇所(以下、「先端検知箇所」という。)がセンサ18のセンサ対向領域に位置するように版胴1を回転させ、その位置で停止させる(S5)。そして、制御部は、センサ18の出力値を取得し、その出力値からマスタ8が剥離されずに版胴1に巻着されたままであるか、マスタ8が剥離されて版胴1に巻着されていないかを判断する(S6)。本実施形態においては、先端側シート20の光反射率はマスタ8の光反射率よりも低いので、センサ18の出力値が所定の閾値よりも低い場合にはマスタが巻着されていないと判断し、所定の閾値以上の場合にはマスタが巻着されていると判断することができる。この判断において、マスタが巻着されていると判断された場合には(S6のYes)、再び排版処理に戻る(S4)。
一方、マスタが巻着されていないと判断された場合(S6のNo)、製版処理(S9)に進む前に、本実施形態では、マスタが巻着されていないことを再確認する処理を行う。具体的には、制御部は、図4に示すように、版胴1の外周面に貼着された後端側シート21の貼着箇所(以下、「後端検知箇所」という。)がセンサ18のセンサ対向領域に位置するように版胴1を回転させ、その位置で停止させる(S7)。そして、制御部は、センサ18の出力値を取得し、その出力値からマスタ8が剥離されずに版胴1に巻着されたままであるか、マスタ8が剥離されて版胴1に巻着されていないかを判断する(S8)。この判断は、上述した先端検知箇所での判断と同様である。この判断において、マスタが巻着されていると判断された場合には(S8のYes)、再び排版処理に戻る(S4)。
上述した先端検知箇所と後端検知箇所の両方でマスタが巻着されていないと判断されたら(S6のNo,S8のNo)、制御部は、製版処理を実行する(S9)。この製版処理において、制御部は、クランパ7が版胴1の頂部に位置するように版胴1を回転させ、その位置で停止させる。そして、制御部は、図示しない開閉装置によりクランパ軸が回転されることで、クランパ7を開状態にする。これにより、給版待機状態となる。一方、図示しないステッピングモータが回転してプラテンローラ9及び搬送ローラ対12により、マスタロール8bからマスタロール引出部8cを引き出しながら、そのマスタロール引出部8cにサーマルヘッド10により加熱穿孔する。サーマルヘッド10は、原稿読み取り部で読み取った原稿の画像情報に応じて各発熱素子をON/OFF制御し、各発熱素子の熱でマスタ8の熱可塑性樹脂フィルムを加熱穿孔する。これにより、画像情報に応じた穿孔画像がマスタロール引出部8cに形成される。マスタロール引出部8cの先端は、プラテンローラ9及び搬送ローラ対12の搬送力により、ガイド板13に案内されながら版胴1上のクランパ7とステージ6との間に送られる。マスタロール引出部8cの先端がクランパ7に届いたかどうかは、例えばステッピングモータのステップ数により判断する。マスタロール引出部8cの先端がクランパ7に届いたと判断されると、図示しない開閉装置によりクランパ7が閉じられ、マスタロール引出部8cの先端を挟持するとともに、プラテンローラ9及び搬送ローラ対12によるマスタロール引出部8cの繰り出し速度と略同じ速度で版胴1を回転させ、版胴1にマスタロール引出部8cを巻着する。一方で、ステッピングモータのステップ数に基づいた所定のタイミングでカッタ11が作動し、マスタロール引出部8cを切断するとともに、プラテンローラ9及び搬送ローラ対12による搬送を停止する。カッタ11により切断されてマスタロール8bから分離したマスタロール引出部8cが製版済みのマスタ8となる。このマスタ8は、プラテンローラ9及び搬送ローラ対12の搬送停止後、版胴1の回転により版胴1側へ引き出されて、その全体が搬送1の外周面に巻着される。製版済みのマスタ8の版胴回転方向長さは、マスタ8の後端部が後端側シート21の少なくとも一部を覆う長さとなるように設定されている。
また、このようにして製版処理で版胴1にマスタ8を巻着させる動作と並行して、制御部は、版胴1の先端検知箇所及び後端検知箇所がセンサ18のセンサ対向領域を通過するときにマスタ8が巻着されているか否かを判断する(S10)。この判断においても、排版処理後に行うマスタ有無検知処理(S5〜S8)と同様に行う。すなわち、まず、版胴1の先端検知箇所がセンサ18のセンサ対向領域を通過するときにマスタ8が巻着されているか否かを判断し、この判断でマスタが巻着されていると判断されればそのまま印刷処理(S12)へ移行する。一方、この判断でマスタが巻着されていないと判断されたら、版胴1の後端検知箇所がセンサ18のセンサ対向領域を通過するときにマスタ8が巻着されているか否かを判断し、この判断でマスタが巻着されていると判断された場合も、印刷処理(S12)へ移行する。ただし、先端検知箇所及び後端検知箇所の両方でマスタが巻着されていないと判断された場合には、エラー終了する(S11)。
印刷処理では、図示しない給紙トレイに積載されている用紙束から1枚の印刷用紙が分離給送され、レジストローラ対17でタイミングを取られて版胴1とプレスローラ15との間のインキ転移部に送出される。図示しないセンサにより印刷用紙の搬送が検出されると、プレスローラ15の係止手段が解除され、プレスローラ15が上昇して版胴1に当接した状態になる、これにより、巻着されたマスタ8を版胴1に密着させる版付けが行われるととともに、インキ転移部において印刷用紙がマスタ8へ押し付けられる。インキ転移部では、インキローラ2から供給されたインキが版胴1の開口部分1aから版胴1の表面側に滲み出て、そのインキがサーマルヘッド10により加熱穿孔されて形成されたマスタ8の製版孔から印刷用紙に転移する。これにより、各製版孔に対応する印刷用紙上の箇所にインキが付着して印刷用紙上に画像が印刷される。このようにして画像が印刷された印刷用紙は、剥離爪14等の作用によりマスタ8から剥離し、排紙トレイ19へ排出される。
なお、電源投入後に、版胴1を有する版胴ユニットを交換等ために着脱した場合の動作時に行うマスタ有無検知処理も、上述したマスタ有無検知処理(S5〜S8)と同様に行ってもよい。すなわち、安全カバーを兼ねる孔版印刷装置のフロントカバーが開放され、版胴ユニットが引き出されて、別の版胴ユニット(以下「カラー版胴ユニット」という。)に交換されてセットされ、フロントカバーが閉められた後に、カラー版胴ユニットの版胴1が駆動モータにより回転駆動して、上述したマスタ有無検知処理を行う。
以上、本実施形態に係る孔版印刷装置は、回転駆動する版胴1に対して製版済みのマスタ8を巻着し、版胴1に巻着されたマスタ8と印刷用紙とを当接加圧することにより、マスタ8の製版孔を介して版胴1から供給される画像形成剤としてのインキを印刷用紙に付着させることで、印刷用紙に画像を印刷する孔版印刷装置である。この孔版印刷装置は、製版済みのマスタ8を版胴1に巻着するマスタ巻着手段としての製版部、ステージ6及びクランパ7等と、不要となったマスタ8を版胴1から除去するマスタ除去手段としての排版装置と、マスタ8が巻着される版胴表面上のマスタ巻着部分のうちマスタ8の版胴回転方向後端部が巻着される後端検知箇所に、マスタ8の光反射率とは異なる光反射率を有する被検知部としての後端側シート21を設け、その後端検知箇所からの反射光を光学センサ18で受光することにより後端側シート21とマスタ8との光反射率の違いから版胴1にマスタ8が巻着されているか否かを検知するマスタ8有無検知手段、及び、この後端検知箇所でのマスタ有無検知により版胴1にマスタ8が巻着されていないことを検知したときに、製版済みのマスタ8を版胴1に巻着させる制御手段として機能する制御部とを有している。これにより、多孔質支持体を薄く形成したマスタ8を用いたときでも、マスタ8の先端部が巻着される先端検知箇所での検知結果のみでマスタ8の有無を検知する場合よりも、マスタが無いと誤検知してしまう事態の発生を抑制できる。その結果、排版すべきマスタの上に新しいマスタがセットされてしまうことを有効に抑制できる。
また、本実施形態では、版胴1のマスタ巻着部分のうち、マスタ8の版胴回転方向先端部が巻着される先端検知箇所にも先端側シート20を設け、マスタ8の版胴回転方向先端部及び後端部がそれぞれ巻着される先端検知箇所及び後端検知箇所の2箇所について、版胴1にマスタ8が巻着されているか否かを検知する。そして、制御部は、これら2つの検知箇所の両方について版胴1にマスタ8が巻着されていないことを検知したときに、製版済みのマスタ8を版胴1に巻着させる。これにより、マスタが無いと誤検知してしまう事態の発生をより確実に抑制することができる。
また、本実施形態においては、後端検知箇所についてのマスタ有無検知動作を、先端検知箇所について版胴1にマスタ8が巻着されていないことを検知した後に行う。したがって、後端検知箇所についてのマスタ有無検知動作を行う前に先端検知箇所についてのマスタ有無検知動作を行うことになる。よって、マスタが有ると検知されたときの処理動作については、先端検知箇所についてのマスタ有無検知動作の結果がそのまま利用される。先端検知箇所でマスタ有無検知処理を行っていた従来の装置構成は、先端検知箇所でマスタ有無検知処理を行うことを前提に最適化された構成となっている。よって、従来の装置構成を採用すれば、マスタが有ると検知されたときの処理動作については、従来同様、最適化された動作となり、従来の装置構成を有効活用できる。
また、本実施形態においては、上述したとおり、マスタが無いと誤検知してしまう事態の発生を抑制できるので、この誤検知が生じやすくなるオイル成分を含有したエマルジョンインキを用いても、排版すべきマスタの上に新しいマスタがセットされてしまうことを有効に抑制できる。
また、本実施形態において、制御部は、電源投入後又は版胴1が着脱された後であって、その後に初めて製版済みのマスタ8を版胴1に巻着する前に、マスタ有無検知結果にかかわらず、排版装置を制御して不要となったマスタ8を版胴1から除去させる動作を実行させる。これにより、電源投入後又は版胴1が着脱された後に生じ得る、排版すべきマスタの上に新しいマスタがセットされてしまう不具合をより有効に抑制できる。
また、本実施形態では、版胴1のマスタ巻着部分のうち、マスタ8の版胴回転方向先端部が巻着される先端検知箇所にも先端側シート20を設け、マスタ8の版胴回転方向先端部及び後端部がそれぞれ巻着される先端検知箇所及び後端検知箇所の2箇所について、版胴1にマスタ8が巻着されているか否かを検知する。そして、制御部は、これら2つの検知箇所の両方について版胴1にマスタ8が巻着されていないことを検知したときに、製版済みのマスタ8を版胴1に巻着させる。これにより、マスタが無いと誤検知してしまう事態の発生をより確実に抑制することができる。
また、本実施形態においては、後端検知箇所についてのマスタ有無検知動作を、先端検知箇所について版胴1にマスタ8が巻着されていないことを検知した後に行う。したがって、後端検知箇所についてのマスタ有無検知動作を行う前に先端検知箇所についてのマスタ有無検知動作を行うことになる。よって、マスタが有ると検知されたときの処理動作については、先端検知箇所についてのマスタ有無検知動作の結果がそのまま利用される。先端検知箇所でマスタ有無検知処理を行っていた従来の装置構成は、先端検知箇所でマスタ有無検知処理を行うことを前提に最適化された構成となっている。よって、従来の装置構成を採用すれば、マスタが有ると検知されたときの処理動作については、従来同様、最適化された動作となり、従来の装置構成を有効活用できる。
また、本実施形態においては、上述したとおり、マスタが無いと誤検知してしまう事態の発生を抑制できるので、この誤検知が生じやすくなるオイル成分を含有したエマルジョンインキを用いても、排版すべきマスタの上に新しいマスタがセットされてしまうことを有効に抑制できる。
また、本実施形態において、制御部は、電源投入後又は版胴1が着脱された後であって、その後に初めて製版済みのマスタ8を版胴1に巻着する前に、マスタ有無検知結果にかかわらず、排版装置を制御して不要となったマスタ8を版胴1から除去させる動作を実行させる。これにより、電源投入後又は版胴1が着脱された後に生じ得る、排版すべきマスタの上に新しいマスタがセットされてしまう不具合をより有効に抑制できる。
1 版胴
1a 開口部分
2 インキローラ
5 インキパイプ
6 ステージ
7 クランパ
8 マスタ
8a ロール芯
8b マスタロール
8c マスタロール引出部
9 プラテンローラ
10 サーマルヘッド
11 カッタ
12 搬送ローラ対
13 ガイド板
14 剥離爪
15 プレスローラ
17 レジストローラ対
18 センサ
19 排紙トレイ
20 先端側シート
21 後端側シート
1a 開口部分
2 インキローラ
5 インキパイプ
6 ステージ
7 クランパ
8 マスタ
8a ロール芯
8b マスタロール
8c マスタロール引出部
9 プラテンローラ
10 サーマルヘッド
11 カッタ
12 搬送ローラ対
13 ガイド板
14 剥離爪
15 プレスローラ
17 レジストローラ対
18 センサ
19 排紙トレイ
20 先端側シート
21 後端側シート
Claims (5)
- 回転駆動する版胴に対して製版済みのマスタを巻着し、該版胴に巻着されたマスタと印刷用紙とを当接加圧することにより、該マスタの製版孔を介して該版胴から供給される画像形成剤を該印刷用紙に付着させることで、該印刷用紙に画像を印刷する孔版印刷装置において、
製版済みのマスタを上記版胴に巻着するマスタ巻着手段と、
不要となったマスタを上記版胴から除去するマスタ除去手段と、
上記マスタ巻着手段によりマスタが巻着される版胴表面上のマスタ巻着部分のうちマスタの版胴回転方向後端部が巻着される検知箇所に、マスタの光反射率とは異なる光反射率を有する被検知部を設け、検知箇所からの反射光を光学センサで受光することにより該被検知部とマスタとの光反射率の違いから上記版胴にマスタが巻着されているか否かを検知するマスタ有無検知手段と、
上記マスタ有無検知手段が上記版胴にマスタが巻着されていないことを検知したときに、上記マスタ巻着手段を制御して製版済みのマスタを該版胴に巻着させる制御手段とを有することを特徴とする孔版印刷装置。 - 請求項1の孔版印刷装置において、
上記マスタ有無検知手段は、上記マスタ巻着部分のうちマスタの版胴回転方向先端部が巻着される検知箇所にも上記被検知部を設け、マスタの版胴回転方向先端部及び後端部がそれぞれ巻着される2つの検知箇所について上記版胴にマスタが巻着されているか否かを検知するものであり、
上記制御手段は、上記2つの検知箇所の両方について上記マスタ有無検知手段が上記版胴にマスタが巻着されていないことを検知したときに、上記マスタ巻着手段を制御して製版済みのマスタを該版胴に巻着させることを特徴とする孔版印刷装置。 - 請求項2の孔版印刷装置において、
上記マスタ有無検知手段は、マスタの版胴回転方向後端部が巻着される検知箇所について上記版胴にマスタが巻着されているか否かの検知動作を、マスタの版胴回転方向先端部が巻着される検知箇所について上記版胴にマスタが巻着されていないことを検知した後に行うことを特徴とする孔版印刷装置。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の孔版印刷装置において、
上記画像形成剤として、オイル成分を含有したエマルジョンインキを用いることを特徴とする孔版印刷装置。 - 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の孔版印刷装置において、
上記制御手段は、電源投入後又は上記版胴が着脱された後であって、その後に初めて上記マスタ巻着手段が製版済みのマスタを該版胴に巻着する前に、上記マスタ有無検知手段の検知結果にかかわらず、上記マスタ除去手段を制御して不要となったマスタを該版胴から除去させる動作を実行させることを特徴とする孔版印刷装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010040816A JP2011173389A (ja) | 2010-02-25 | 2010-02-25 | 孔版印刷装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2010040816A JP2011173389A (ja) | 2010-02-25 | 2010-02-25 | 孔版印刷装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2011173389A true JP2011173389A (ja) | 2011-09-08 |
Family
ID=44686722
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2010040816A Withdrawn JP2011173389A (ja) | 2010-02-25 | 2010-02-25 | 孔版印刷装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2011173389A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN112440551A (zh) * | 2019-08-30 | 2021-03-05 | 迅普精工株式会社 | 孔版印刷装置 |
-
2010
- 2010-02-25 JP JP2010040816A patent/JP2011173389A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN112440551A (zh) * | 2019-08-30 | 2021-03-05 | 迅普精工株式会社 | 孔版印刷装置 |
JP2021037628A (ja) * | 2019-08-30 | 2021-03-11 | デュプロ精工株式会社 | 孔版印刷装置 |
JP7365675B2 (ja) | 2019-08-30 | 2023-10-20 | デュプロ精工株式会社 | 孔版印刷装置 |
CN112440551B (zh) * | 2019-08-30 | 2023-12-29 | 迅普精工株式会社 | 孔版印刷装置 |
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