JP4901289B2 - 大型精密貨物の輸送用パレット装置 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体製造装置等のような大型な精密貨物を固縛し航空機などの貨物室に積み込んで搭載するのに好適な大型精密貨物の輸送用パレット装置に関する。
一般に、航空機は、気象条件によっては乱気流等の影響を受けて大きな振動や衝撃を発生しやすく、航空貨物が振動や衝撃に敏感な精密機器などの場合、精密航空貨物は、防振機能を備えた航空コンテナ(特許文献1参照)内に積み込み、この防振航空コンテナを使い航空機貨物室に搭載して空輸している。
ところが、コンテナ輸送式では、上記防振航空コンテナがドアで開閉する箱型で、収納する貨物のサイズや形状に制限があるので、航空貨物が振動や衝撃に弱い精密機器であっても、半導体製造装置などの大型な精密機器の場合には、それを格納して輸送することができない場合がある。
そこで、従来、航空貨物が大型の精密機器の場合は、コンテナ輸送式に代え、たとえば図9に示すような防振機能を備えた輸送用パレット装置を用いて、パレット輸送式により大型精密航空貨物を固縛し貨物室に積み込んで空輸している。
従来の輸送用パレット装置は、矩形な規定サイズの台座プレート1と、フォークリフト搬送用の輸送パレット2と、防振パレット3と、箱形の保護カバー4と、タイダウン用ロープ5を備えた構成になっている。輸送パレット2は、金属製で、天板2aと底板2b間を複数の脚柱2cで連結し、脚柱2c間にフォークリフトのフォークエントリー部となる差込口2dが形成されている。防振パレット3は、同様に金属製の天板3aと底板3bを備え、天板3aと底板3b間を、ゴムやコイルばね等の弾性体で形成した脚柱3cで連結した構造になっている。
そこで、従来の輸送用パレット装置は、台座プレート1の上に輸送パレット2を載せて連結し、更に輸送パレット2上に防振パレット3を重ねて連結してから、防振パレット3の上に精密航空貨物6を載せて固定する。そして、精密航空貨物6に保護カバー4を被せて輸送パレット2に取り付けてから、保護カバー4の周りにタイダウン用ロープ5を掛けて台座プレート1に緊締して一体化し、全体にネットを掛けて固縛している。しかる後、航空機貨物室に積み込んで、台座プレート1を備付けの緊締装置で床面に固定して輸送している。
特開2002−255279号公報
ところで、航空機貨物室には、構造上、室内の高さ寸法に制限があり、そのために、輸送用パレット装置は、航空コンテナと同様に、精密航空貨物を固縛した状態での組立高さが、所定の航空局耐空性審査基準に基づく耐空性要件(例えば3m程度)を満たすことが必要になっている。
ところが、従来の輸送用パレット装置では、台座プレート1上に、精密機器の保護に不可欠の防振パレット3だけでなく、フォークリフトで搬送するために必要な輸送パレット2を別途に重ねて組み立てる構造であるため、精密航空貨物6を固縛した状態での組立高さが所定の耐空性要件の高さ制限を超えてしまうことがあるという課題がある。また、金属製の重い輸送パレット2が必要な分だけ、全体の積載重量が過重となり、耐空性要件の重量制限をも超えてしまうことがあるという課題があった。
更に、従来の輸送用パレット装置では、防振パレット3が天板3aと底板3b間の脚柱3cをゴムやコイルばね等の弾性体で形成した単純な構成でるため、これでは、輸送中など振動や衝撃を受けたときに発生する自由振動を早期に且つ効果的に抑えることができず、その結果、依然として、大型精密航空貨物の振動等に起因する損傷を確実には防止することができないという課題があった。
そのため、上記目的を達成すべく、請求項1に記載の発明は、たとえば以下に図面を用いて説明する実施の形態に示すとおり、大型の精密航空貨物Dのような精密貨物を固縛し、室内の高さに制限のある貨物室に積み込んで搭載するための輸送用パレット装置Aにおいて、四方周縁に連結用金具を掛ける複数の掛止め部10を備えた矩形な台座プレートBと、該台座プレートB上に載置して前記連結用金具で前記掛止め部10に掛け止めて連結する矩形な下架台11と、上側に前記精密貨物を載置して締結する矩形な上架台12とを、連結軸30と連結穴40の嵌め合いで可動に連結すると共に、それら上架台12と下架台11間に挟んで複数の防振手段Vを脚部として立設し、該防振手段Vで前記上架台12を弾性的に支持する防振パレットPと、前記上架台12に載せた前記精密貨物の形状に合わせて、防護板材を用いて一端開放の変形箱形につくってから、前記精密貨物に被せて開口枠部52を前記下架台11の四方周縁に載せ、該下架台11に締結して組み立てる保護カバーCと、該保護カバーCの周りに掛けて、端縁に有した掛止用フックfを前記台座プレートBの掛止め部10に掛けて緊締するタイダウン用ロープrとを備え、前記下架台11は、四方周縁にフォーク差込口15の開いた防護パイプ16を格子状に連通させて形成したフォークガイド14を配設すると共に、該フォークガイド14で仕切られる空間に、前記防振手段Vを落し込んで立設する収納凹部20a〜20iを形成してなり、前記防振手段Vは、圧縮コイルばね45の外周又は内周に粘弾性シート46を接着したダンピングコイルばねからなることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の大型精密貨物の輸送用パレット装置Aにおいて、たとえば以下に図面を用いて説明する実施の形態に示すとおり、前記下架台11は、隣り合う前記フォーク差込口15間に側面枠板17を立設して四方の側面を形成すると共に底面を底板13で塞いで形成し、前記四方周縁に載せて取り付ける前記保護カバーCとで、前記精密貨物を収納する気密な防塵室Rを形成してなることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の大型精密貨物の輸送用パレット装置Aにおいて、たとえば以下に図面を用いて説明する実施の形態に示すとおり、前記防振パレットPは、前記下架台11に、前記連結軸30としてボルト軸を立設する一方、該ボルト軸を挿通する前記連結穴30を前記上架台12に設け、該上架台12と前記下架台11とを、前記ボルト軸とナット31で着脱自在に連結する一方、前記防振手段Vの両端コイル部内に、それぞれ前記下架台11の収納凹部20a〜20iに設ける上向きの取付凸部24と、前記上架台12に設ける下向きの取付凸部37を嵌め込んで、該防振手段Vを前記収納凹部20a〜20i内で着脱自在に立設して取り替え可能としてなることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の大型精密貨物の輸送用パレット装置Aにおいて、たとえば以下に図面を用いて説明する実施の形態に示すとおり、前記下架台11の前記連結軸30を前記上架台12の前記連結穴40に遊嵌し、該上架台12を前記下架台11に対して3次元方向に可動に連結してなることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、(1)防振パレットを、格子状にフォークガイドを配設した下架台と、精密貨物を載せる上架台を連結軸と連結穴の嵌め合いで可動に連結すると共に、下架台のフォークガイドで仕切って形成した収納凹部内に、脚部として防振手段を落し込んで立設し、その防振手段で上架台を弾性的に支持する構成とすることによって、防振手段からなる脚部の高さの分だけ、輸送用パレット装置全体の組立高さが低くなり、しかも、従来、精密機器の保護に不可欠の防振パレットとは別に必要であったフォークリフト搬送用の輸送パレットが不要となるため、それだけ精密貨物を固縛した状態での組立高さが低く抑えられ、その結果、精密貨物が、例えば航空貨物の場合に、所定の耐空性要件内に常に収めることができると共に、軽量化を図ることができ、重量制限の点においても、耐空性要件内に常に収めることができるという効果がある。(2)更に、防振パレットの下架台に格子状のフォークガイドを配設する一方、フォークガイドで仕切って形成した収納凹部内に防振手段のダンピングコイルばねを立設する構成であるため、防振パレット上に精密貨物を載せフォークリフトを使って荷役作業を行うべくフォーク差込口にフォークを差し込んで搬送するときに、フォークを所定の挿入方向へ容易且つ確実に案内することができ、一方で、防振手段のダンピングコイルばねにフォークが当たってダンピングコイルばねが損傷しないように保護することもできる。(3)加えて、防振手段は、圧縮コイルばねに粘弾性シートを接着したダンピングコイルばねで形成するため、振動が伝達されて圧縮コイルばねが伸縮すると、それに伴って粘弾性シートが個々のコイル間で折れ曲がり変形し、この粘弾性シートの折れ曲がり動作によって圧縮コイルばねの振幅を小さく抑えて自由振動(伸縮)を速く減衰させ、これにより、極力少ない変位で衝撃を緩衝することができ、それだけ振動を速やかに且つ効果的に減衰させて精密貨物が振動に起因して損傷するのを確実に防止することもできる。
請求項2に記載の発明によれば、防振パレットの下架台は、隣り合うフォーク差込口間に側面枠板を設けて四方の側面を形成すると共に底面を底板で塞いで形成し、斯かる下架台と、その四方周縁に載せて取り付ける保護カバーとで気密な防塵室を形成し、防塵室に精密貨物を収納して固縛する構成であるため、フォークの差込みなどの際に侵入しやすい粉塵等から精密貨物を確実に保護して安全に輸送することができる。
請求項3に記載の発明によれば、防振パレットが、下架台に、連結軸を立設する一方、連結軸を挿通する連結穴を上架台に設け、上架台と下架台とを、連結軸とナットとで着脱自在に連結する一方、防振手段の両端コイル部に、それぞれ下架台の取付凸部と上架台の取付凸部を嵌め込んで、防振手段のダンピングコイルばねを収納凹部に着脱自在に立設する構成であるため、防振パレット上に載せる精密貨物の重量に応じて、ダンピングコイルばねを簡単に取り替えることができ、これにより、必要に応じてダンピングコイルばねのばね性や設置個数を変更し、精密貨物に悪影響を与える特定の共振周波数を排除したり、防振性能を容易に調整することができる。
請求項4に記載の発明によれば、防振パレットが、下架台の連結軸を上架台の連結穴に遊嵌し、下架台に対し上架台を上下左右前後の三次元方向に可動に連結して組み立てる構成であるため、輸送中などに受ける多様な振動に対しても、防振手段の防振作用を妨げることなく、常に有効に振動減衰機能を発揮することもできる。
以下、図面を参照しつつ、本発明を実施するための最良の形態につき詳細に説明する。
図1は、本発明の一例である輸送用パレット装置を正面から見て示す組立断面図である。輸送用パレット装置Aは、大型の精密航空貨物Dとして、たとえば半導体製造装置を固縛して輸送する手段で、台座プレートBと、防振パレットPと、保護カバーCと、端縁に掛止用フックfを有したタイダウン用ロープrとを備えて構成されている。
台座プレートBは、航空機の貨物室に合わせて定められた、所定サイズの矩形な平パレット型で、アルミ板とこれを縁取るアルミ材でつくり、四方周縁に、連結用金具を掛ける複数の掛止リング(掛止め部)10を立設すると共に、図示省略するネットに備えた掛止用フックを掛ける多数の掛止め溝を切ってある。
防振パレットPは、台座プレートB上に載せて連結する下架台11と、精密航空貨物Dを載せる上架台12とを備え、その上架台12と下架台11間を脚部としての防振手段Vで連結して上架台12を支持した構成になっている。
下架台11は、図2および図3でも示すように、ベースの底面を規定する、例えば5mmの肉厚なアルミ板からなる矩形の底板13を備え、底板13上にフォークガイド14を組み付けてなる。フォークガイド14は、アルミ板を用いて曲げ成形し、四方周縁に断面が横長矩形なフォーク差込口15の開いた防護パイプ16を形成し、これら防護パイプ16を交差させて格子状に連通するように組み立てて、底板13上に溶着してなる。更に、底板13の四方の側縁には、隣り合うフォーク差込口15間に側面枠板17を立設してなる。そして、下架台11は、側面枠板17とフォークガイド14とで仕切られる空間に、それぞれ防振手段Vの矩形な複数の収納凹部20a〜20iを形成してなる。
下架台11において、中央の収納凹部20aには、4隅にばねホルダ21を固着している。ばねホルダ21は、いずれもアルミ製の、L板状に折り曲げたアングル板22を下板23上に立てて溶着してなり、アングル板22を4隅のコーナーに添わせて縦向きに固定する。下板23には、上面に肉厚な円板を溶着して防振手段Vの取付凸部24を形成している。収納凹部20aの図2中左右隣りの収納凹部20b・20cには、それぞれ内側寄りのコーナーにばねホルダ21を固着する一方、外側寄りのコーナーに補強パイプ25を固着する。補強パイプ25は、アルミム板を中空な三角柱状に折り曲げてつくり、外側寄りのコーナーに添わせて立設し、下架台11の長さ方向左右において強度を高めた構造にしている。中央の収納凹部20aの図2中上下に位置する細長い収納凹部20d・20eには、向かい合う隅部にそれぞればねホルダ26を固着している。ばねホルダ26は、アルミ製の、チャンネル状に折り曲げた枠板27を下板28上に立てて溶着してなり、枠板27を隅部に嵌め込んで縦向きに固定する。下板28には、前記下板23と同様に、上面に円板を溶着して取付凸部24を形成している。更に、これら収納凹部20d・20eの図2中左右両側の収納凹部20f〜20iには、片側の隅部に、ばねホルダ26を固着する一方、ばねホルダ26と向き合う他側の隅部、即ち下架台11の4隅にアルミ製平板からなる支持板29を立設している。
下架台11において、支持板29は、それぞれ連結軸30を縦向きに支持している。連結軸30は、図3(A)に示すように、先端に、固定用ナット31や抜止めワッシャー32を螺合するねじ部30aを螺設したボルト軸からなる。そして、コ形状に曲げた取付ブラケット19を介して支持板29に固着し、ねじ部30aを上向きにして下架台11の4隅から突設している。更に、下架台11は、連結軸30近傍の側面枠板17にアイボルト33を固定し、その取付リング33aを外向きに突設している。また、下架台11は、四方周縁に沿って矩形枠状に鍔状の取付板枠34を固着している。
一方、上架台12は、図4および図5に示すように、図中上下の短手な幅方向に所定間隔をあけて複数の横フレーム35(図示例は4本)を並列し、横フレーム35上に、それら横フレーム35と直交する向きに複数の縦フレーム36(図示例は5本)を、所定間隔をあけて並置し、縦横サイズが下架台11よりやや小型な格子状に組み立ててなる。横フレーム35は、アルミ製の2本の細長い薄形な角パイプを、横に重ねて溶着し扁平な中空角材で形成してなる。各横フレーム35の下面には、下架台11における防振手段Vの取付凸部24と対応する位置に、同様に肉厚な円板を溶着して取付凸部37を突設している。更に、各横フレーム35…の中で、上架台12の幅方向両側(図4中上下両側)の横フレーム35aには、各々の長手方向両端に連結プレート38を溶着し、その先端板部38aを縦フレーム36から外向きに突設している。連結プレート38は、アルミ板の両側縁を起こしてコ形状に曲げてつくり、先端板部38aには、下架台11に立設した連結軸30に対応する位置に、連結軸30が遊びをもって嵌合するように、その軸径より大きな連結穴40を設けてなる。他方の縦フレーム36は、アルミ板をチャンネル状に折り曲げてつくり、その両側縁を横フレーム35上に溶着し、両側縁と反対の上面に硬質ゴム製の弾性板41を接着している。そして、各縦フレーム36…の中で、上架台12の幅方向両側(図4中左右両側)の縦フレーム36aには、各々の外側面に支持ブラケット42を取り付けている。支持ブラケット42は、アルミ製のアングル板42aに補強リブ42bを溶着してなる。そして、前記精密航空貨物Dの底面に付設の取付用ブラケット43(図1参照)と対応する位置において、外側の縦フレーム36aの外側面に、ボルトとナットで締結して着脱自在に取り付けている。
防振パレットPにおいて、防振手段Vは、図6に示すように、圧縮コイルばね45の外周に粘弾性シート46を接着したダンピングコイルばねからなる。粘弾性シート46は、たとえばアクリル系樹脂からなる粘弾性体を厚みがほぼ均一に、且つ圧縮コイルばね45の自由長よりも長いシート状に形成したものである。また、粘弾性シート46は、自己粘着性を有し、隣接するコイル間の隙間dに曲がり込む屈曲部46aが形成されるように、圧縮コイルばね45に圧着されている。従って、防振手段Vによれば、例えば圧縮コイルばね45の減衰比が0.001程度のものである場合、減衰比が0.6程度まで改善され、振動系に置かれて圧縮コイルばね45が伸縮すると、図7に示すように、それに伴って粘弾性シート46が個々のコイル間で折れ曲がり変形するように動作し、この動作によって粘弾性シート46の動的ばね定数を低減することができ、その結果、圧縮コイルばね45による振動絶縁と粘弾性シート46の減衰力とによって圧縮コイルばね45の自由振動(伸縮)を速く減衰させると共に、振動系の固有振動数と共振倍率が低く抑えられる構造になっている。なお、防振手段Vは、圧縮コイルばね45の内周に粘弾性シート46を接着した弾性体で形成することもできる。
そこで、防振パレットPは、下架台11において、収納凹部20a〜20i内に防振手段Vを落し込み、図1に示すように、防振手段Vの下コイル部をばねホルダ21(26)の取付凸部24に嵌め込んで防振手段Vを立てる。そして、下架台11上に上架台12を載せ、防振手段Vの上コイル部に上架台12側の取付凸部37を嵌め込んで、防振手段Vを、下架台11と上架台12間で挟んで脚部として立設し、防振手段Vで上架台12を弾性的に支持する。そのとき、防振手段Vは、防振パレットP上に載置する精密航空貨物Dの重量に応じた予圧をかけた状態で設置される。一方、上架台12の連結穴40に下架台11の連結軸30を挿通させて遊嵌し、連結軸30のねじ部30aに抜止めワッシャー32を螺合してから固定用ナット31を螺合し、下架台11に対し上架台12を三次元方向に可動に連結して組み立ててなる。
保護カバーCは、外側の段ボール50の内面に発泡スチロールからなる養生材51を張り合わせた防護板材を用いて、精密航空貨物Dの形状に合わせて一側開放の変形箱形につくり、その開口枠部52を木枠で枠付けして形成してなる。
そこで、以上の構成部品からなる輸送用パレット装置Aは、台座プレートB上に防振パレットPを載せ、下架台11のアイボルト33の取付リング33aと、掛止リング10とを連結用金具55で繋いで台座プレートBに下架台11を連結してから、上架台12の縦フレーム36上に弾性板41を介して精密航空貨物Dを載せ、その取付ブラケット43を支持ブラケット42上に重ねてボルトとナットで締結する。それから、精密航空貨物Dに保護カバーCを被せ、その開口枠部52を下架台11の取付板枠34上に載せてボルトとナットで締結してから、保護カバーCの周りにタイダウン用ロープrを掛け、その掛止用フックfを掛止リング10に掛け止めて台座プレートBに保護カバーCを緊締する。そして、保護カバーBと、防振パレットPの下架台11とで、その間に気密な防塵室Rを形成し、防塵室Rに精密航空貨物Dを密閉した状態で固縛し、図示省略するが、最後に全体にネットを掛け、そのネットの掛止用フックを台座プレートBの前記掛止め溝に掛け止めて組み立ててなる。
さて、例えば空港内において、上述のように精密航空貨物Dを固縛して組み立てた輸送用パレット装置Aを航空貨物室内に積み込んで搭載する場合は、パレット/コンテナドーリー等に乗せて航空機のそばまで運び、カーゴローダ等で航空貨物室まで引き上げて所定搭載位置へ搬入し、台座プレートBの掛止リング10を貨物室内に備付けの緊締装置に掛けて床面に固定してから空輸する。なお、輸送用パレット装置Aは、例えば工場から空港までトラックに搭載して運送する場合は、台座プレートBを使用せず、保護カバーCの周りにタイダウン用ロープrを掛けて掛止用フックfを直接的に荷台の緊締装置に掛けて緊締してからトラック輸送する。
そこで、輸送用パレット装置Aでは、防振パレットPにおいて、上架台12ではなく、下架台11に対し保護カバーCを取り付けてタイダウンロープrで緊締する一方、保護カバーC内で防振手段Vで支えた上架台12に精密航空貨物Dを載せて保持し、防振手段Vの振動減衰作用が発揮される状態で組み立てられる構成であるため、たとえ輸送中などに衝撃を受けて振動が伝達されることがあっても、航空機やトラックからの振動は、防振パレットPの防振手段Vによる防振機能が働いて減衰し、精密航空貨物Dへ伝達されるのを抑えて振動に起因して精密航空貨物Dが損傷するのを防止することができる。
しかも、輸送用パレット装置Aは、防振手段Vが圧縮コイルばね45に粘弾性シート46を接着したダンピングコイルばねで形成するため、振動が伝達されて圧縮コイルばね45が伸縮すると、それに伴って粘弾性シート46が個々のコイル間で折れ曲がり変形し、この粘弾性シート46の折れ曲がり動作によって圧縮コイルばね45の振幅を小さく抑えて自由振動(伸縮)を速く減衰させ、これにより、極力少ない変位で衝撃を緩衝することができ、それだけ振動を速やかに且つ効果的に減衰させて精密航空貨物Dが振動に起因して損傷するのを確実に防止することができる。
また、輸送用パレット装置Aは、防振パレットPが、下架台11の連結軸30を上架台12の連結穴40に遊嵌する一方、連結軸30のねじ部30aに抜止めワッシャー32を螺合して抜け止め状態で、下架台11に対し上架台12を上下左右前後の三次元方向に可動に連結して組み立てる構成であるため、輸送中などに受ける多様な振動に対しても、防振手段Vの防振作用を妨げることなく、有効に振動減衰機能を発揮することができるようになっている。
更に、輸送用パレット装置Aは、防振パレットPが、下架台11に、連結軸30を立設する一方、連結軸30を挿通する連結穴40を上架台12に設け、上架台12と下架台11とを、連結軸30とナット31とで着脱自在に連結する一方、防振手段Vの両端コイル部に、それぞれ下架台11の取付凸部24と上架台12の取付凸部37を嵌め込んで、防振手段Vのダンピングコイルばねを収納凹部20a〜20iに着脱自在に立設する構成であるため、防振パレットP上に載せる精密航空貨物Dの重量に応じて、ダンピングコイルばねを簡単に取り替えることができ、これにより、ダンピングコイルばねのばね性や設置個数を変更し、精密貨物に悪影響を与える特定の共振周波数を排除したり、防振性能を容易に調整することができるようになっている。
加えて、輸送用パレット装置Aにおいて、防振パレットPの下架台11には、四方周縁にフォーク差込口15の開いた防護パイプ16を格子状に連通させてフォークガイド14を配設する一方、フォークガイド14で仕切られる空間に防振手段Vのダンピングコイルばねを立設する収納凹部20a〜20iを形成する構成であるため、防振パレットP上に精密航空貨物Dを載せフォークリフトを使って荷役作業を行う場合、フォーク差込口15にフォークを差し込んで搬送するときに、フォークをフォークガイド14で案内し、防振手段Vにフォークが当たるのを防いで防振手段Vを保護するようになっている。
そして、輸送用パレット装置Aは、防振パレットPの下架台11に、隣り合うフォーク差込口15の間に側面枠板17を設けて四方の側面を形成すると共に底面を底板13で塞いで形成し、斯かる下架台11と、その四方周縁に載せて取り付ける保護カバーCとで気密な防塵室Rを形成し、防塵室Rに精密航空貨物Dを収納して固縛する構成であるため、フォークの差込みなどの際に侵入しやすい粉塵等から精密航空貨物Dを保護して安全に輸送することができるようになっている。
本発明の一例である輸送用パレット装置を正面から見て示す組立断面図である。 防振パレットの下架台を示す平面図である。 (A)は下架台の正面図、(B)は側面図である。 防振パレットの上架台を示す平面図である。 (A)は上架台の正面図、(B)は側面図である。 (A)は防振手段のダンピングコイルばねの正面図、(B)は縦断面図である。 ダンピングコイルばねの動作説明図である。 防振パレットの下架台と上架台の連結構造を示す斜視図である。 従来の輸送用パレット装置を示す組立断面図である。
符号の説明
A 輸送用パレット装置
B 台座プレート
C 保護カバー
D 精密航空貨物
P 防振パレット
R 防塵室
V 防振手段(ダンピングコイルばね)
r タイダウン用ロープ
11 下架台
12 上架台
13 下架台の底板
14 フォークガイド
15 フォーク差込口
16 防護パイプ
17 下架台の側面枠板
20a〜20i 防振手段の収納凹部
24・37 防振手段の取付凸部
30 下架台の連結軸
32 抜止めワッシャー
40 上架台の連結穴
45 圧縮コイルばね
46 粘弾性シート

Claims (4)

  1. 大型の精密貨物を固縛し、室内の高さに制限のある貨物室に積み込んで搭載するための輸送用パレット装置において、
    四方周縁に連結用金具を掛ける複数の掛止め部を備えた矩形な台座プレートと、
    該台座プレート上に載置して前記連結用金具で前記掛止め部に掛け止めて連結する矩形な下架台と、上側に前記精密貨物を載置して締結する矩形な上架台とを、連結軸と連結穴の嵌め合いで可動に連結すると共に、それら上架台と下架台間に挟んで複数の防振手段を脚部として立設し、該防振手段で前記上架台を弾性的に支持する防振パレットと、
    前記上架台に載せた前記精密貨物の形状に合わせて、防護板材を用いて一端開放の変形箱形につくってから、前記精密貨物に被せて開口枠部を前記下架台の四方周縁に載せ、該下架台に締結して組み立てる保護カバーと、
    該保護カバーの周りに掛けて、端縁に有した掛止用フックを前記台座プレートの掛止め部に掛けて緊締するタイダウン用ロープとを備え、
    前記下架台は、四方周縁にフォーク差込口の開いた防護パイプを格子状に連通させて形成したフォークガイドを配設すると共に、該フォークガイドで仕切られる空間に、前記防振手段を落し込んで立設する収納凹部を形成してなり、
    前記防振手段は、圧縮コイルばねの外周又は内周に粘弾性シートを接着したダンピングコイルばねからなることを特徴とする、大型精密貨物の輸送用パレット装置。
  2. 前記下架台は、隣り合う前記フォーク差込口間に側面枠板を立設して四方の側面を形成すると共に底面を底板で塞いで形成し、前記四方周縁に載せて取り付ける前記保護カバーとで、前記精密貨物を収納する気密な防塵室を形成してなることを特徴とする、請求項1に記載の大型精密貨物の輸送用パレット装置。
  3. 前記防振パレットは、前記下架台に、前記連結軸としてボルト軸を立設する一方、該ボルト軸を挿通する前記連結穴を前記上架台に設け、該上架台と前記下架台とを、前記ボルト軸とナットで着脱自在に連結する一方、前記防振手段の両端コイル部内に、それぞれ前記下架台の収納凹部に設ける上向きの取付凸部と、前記上架台に設ける下向きの取付凸部を嵌め込んで、該防振手段を前記収納凹部内で着脱自在に立設して取り替え可能としてなることを特徴とする、請求項1又は2に記載の大型精密貨物の輸送用パレット装置。
  4. 前記下架台の前記連結軸を前記上架台の前記連結穴に遊嵌し、該上架台を前記下架台に対して3次元方向に可動に連結してなることを特徴とする、請求項3に記載の大型精密貨物の輸送用パレット装置。
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