図1には、緩衝デバイス10が示されている。これは、2つの長手方向の梁100を備える。これらは、IPNビーム(即ち、規格準拠のI型梁)である。双方の梁のサイズは、例えば120mmX64mmである。
図1には、これらの2つの長手方向の梁100に対して横方向に、2つの横梁110が示されている。これらは、梁100を略3分の1である3つの部分に分割することから中間横梁と称される。これらの梁も同じく、例えばサイズ100mmx100mmのIPNビームである。
図1には、梁100に対して横方向に、梁100の端と交差することから端部横梁と称される2つの横梁111も示されている。合計4つの横梁110および111は、長手方向の梁100と共に3つの長方形部分を画定し、これらの長方形部分は各々横梁110および横梁111を長辺として有し、かつ3つの長方形部分は合わせて、その長辺が長手方向の梁100によって構成される長方形を形成する。
横梁110および横梁111は、梁100の上向きに配置される、上面として明示される面へ剛性的に締結される。
ここで、梁が他の配列で実装されてもよいことは留意されるべきである。
梁100の下面として明示されるもう一方の面には、図1では140で参照されるVibcable型(Vibcableは商標)のショックアブソーバである4つの緩衝ユニットが締結されている。本例によれば、各緩衝ユニットは、長手方向の棒の間に巻かれたケーブルによって構成される。緩衝ユニットは、例えばボルトによって長手方向の梁100へ締結される。各緩衝ユニットは、長手方向の梁100の一端に位置合わせされる。したがって、これらの緩衝ユニットは長方形を形成する。或いは、3つの位置合わせされていないポイントに配置される3つの緩衝ユニットが用いられてもよい。さらなる代替例では、5つ以上の緩衝ユニットが用いられてもよい。
ここでは、他のタイプの緩衝ユニットが用いられてもよいことが観察される。例示として、図11を参照して説明されるように、緩衝システムは、可撓性材料のブロック、例えばSilentbloc(Silentblocは商標)の名称でも知られるゴムブロックを備えてもよい。また緩衝システムは、異なるタイプの緩衝ユニットも備えてもよい。
緩衝ユニットは、梁100とは反対側の遠位で、梁100の面に平行しかつ緩衝デバイス10の下側の締結を形成するプレート130を支える。
長手方向の梁100の各々の下面では、両端に存在する2つの緩衝ユニットの間に、梁表面の一部分で構成されるハンドリング面160が位置決めされる。緩衝ユニット間の空きスペースは、緩衝デバイス10の片側から、または前記デバイスのもう一方の側からパレットジャッキ(不図示)のフォークを挿入させるためのものであってもよい。よってハンドリング面は、デバイスを、デバイスが搬送されるように上側へ持ち揚げる働きをする。別の実施形態では、緩衝ユニットは、ハンドリング面が横梁110および横梁111へ緩衝ユニットを介して結合されるように相違して配置されることが観察される。したがって、横梁110および横梁111に対して緩衝デバイスの運搬中にハンドリング装置により発生される振動は減衰される。
最後に、本図では、緩衝デバイス10の片側に120および121で参照される4つのアドオンパーツが取り付けられ、これらは、一方の長手方向の梁100の外側へ各々横梁110または横梁111と同一平面に締結される。これらのアドオンパーツの機能については後述する。
図2は、同じ緩衝デバイス10を図1の右側から見た側面図を示す。ここでは、横梁110および横梁111が梁100へ各々101および102で参照されるスペーサを介して締結されることが観察される。
図3は、同じ緩衝デバイス10を図1の右下から見た側面図を示す。この場合も、スペーサ102並びに端部アドオンパーツと称されるアドオンパーツ121が見受けられる。
図4には、同じ緩衝デバイス10がこの場合は上から見て示されていて、緩衝ユニット140は部分的にしか見えない。横梁110および横梁111は、アドオンパーツ120および121と同じ側の端が対応する長手方向の梁100の縁と位置合わせされていることが観察される。しかしながら、長手方向の梁100のアドオンパーツ120および121が取り付けられない側では、横梁110および横梁111は長手方向の梁100の縁を僅かに越えて突き出る。
図5には、先行する諸図に示されているような緩衝デバイス10へ締結される間の3つのITラック510より成る列500が示されている。図示されている3つのITラック510は並列式であり、それらのメインドア550は列500の同じ側(図5の右側)に配置されている。この例によれば、ITラック510は各々、メインドア550とは反対面に位置づけられる「低温ドア」として明示される二次ドア520の厚さ内に包含される冷却システムも有する。
本図において、各ITラック510の底部は、下部530と称される、ITラックの他の部分より僅かに狭いゾーンを備える。ITラック510に合わせて下部530を包囲する空のゾーンは、本図では締結スペース540として明示される空間を構成する。
ITラック510の列500を緩衝デバイス10へ締結するステップの間、横梁110および横梁111は締結スペース540内に位置合わせされる。したがって、端部横梁111は、列500の両端で締結スペース540の位置に位置合わせされることになるのに対して、中間横梁110は、列500の連続する2つのITラック510の下部530間に位置決めされる2倍の締結スペース540内に位置合わせされることになる。ここでは、梁110および梁111のサイズは締結スペース540内へ挿入されるように適合化されていることが観察される。これらの部材は全て、例えばボルトを用いて剛性的に締結される。さらに、二次ドア520のドア枠の下部は、アドオンパーツ120および121と接触して位置合わせされることになる。本図において、ボルトによる締結は、梁111、110の端部およびアドオンパーツ121において示されている。
したがって、各ITラック510の下部530は、緩衝デバイス10の連続する2つの横梁110または横梁111間に位置決めされる。
図6は、ITラック510の列500を緩衝デバイス10上へ締結する同じステップを示す。この場合もやはり、列500の下部530および締結スペース540に対する横梁110および横梁111の相補的な配置および形状を観察することができる。
また本図には、緩衝ユニット140間の長手方向の梁100の下部によって構成されるハンドリング面160も示されている。
図7には、列500を緩衝デバイス10上へ締結したことによって生じたIT装置700が示されていて、3つのITラック510並びにハンドリング面160を認識することができる。
図8は、同じIT装置700を図7の右から見た側面図を示す。具体的には、メインドア550を認識することができる。この場合も、列500のITラックの下部530に対する横梁110および横梁111の相補的な配置および形状を観察することができる。また、ハンドリング面160並びに緩衝ユニットの締結プレート130も示されている。
図9は、同じIT装置700をやはり側面から、但し図7に示されているIT装置700の背面から見た図を示している。二次ドア520は、ドア枠がアドオンパーツ121に接触した状態で認識することができ、アドオンパーツ121はドアサポートとして機能するが、これはアドオンパーツ120の場合も同様である。
図10には、図7から図9までに示されているもの等の2つのIT装置700を組み込む可搬式ITホスティングセンタのためのコンテナ1000が示されている。
コンテナ1000は、各IT装置700の緩衝デバイス10の下側の締結プレート130がボルト締めされる水平の下壁1005を備える。下壁1005は、コンテナの輸送中、またはコンテナが海洋プラットフォームのように強い震動を受けるゾーンに置かれると、具体的には垂直に振動しがちである。
2つのIT装置700は、第1のIT装置のITラックのメインドア550が第2のIT装置のITラックのメインドア550に対面して互いに並列して配置される。したがって、2つのIT装置700は頭尾式に配置される。
ITラックの列は、コンテナのフロントドア(一方のフロントドアは図の左側で隠蔽され、本図の右側にあるもう一方のフロントドアはコンテナの一部の内部が見えるように切欠きが行われていて示されていない)に対して平行に、よってその長手軸に対して垂直に配置される。さらに、2列のケースが(本図の背部において)コンテナの同じ横壁に接触していることも留意することができる。
コンテナの床を形成する横方向のアクセスデッキ1010は、2つのIT装置700間に配置される。このアクセスデッキの厚さの内部には、ITラックの冷却システムへ給液する働きをする液圧管1030が存在する。これらの液圧管1030は、冷水の供給および温水の供給を含む。コンテナの床を形成する横方向のアクセスデッキ1010は、IT装置700の二次ドアを含む面の前にも配置される。
コンテナ1000の一方の長手方向の垂直壁沿いには、長手方向の技術デッキ1020も存在する。これもまた、コンテナ内部の床を形成する。
したがって、人であるオペレータは、横方向のアクセスデッキ1010および長手方向のアクセスデッキ1020上を歩いてコンテナ1000内を移動し、かつコンテナから出ることなくITラックの前後にアクセスしてもよい。
ここでは、長手方向のアクセスデッキ1020および横方向のアクセスデッキ1010の何れも緩衝システムを持たないことが留意される。これらは、ITラックへも、これまでに述べたようにIT装置700毎に固有である緩衝デバイス10へも剛性的に締結されない。したがって、コンテナが振動しそうになると、これらのアクセスデッキは、包含する電子コンポーネントの保護を可能にする減衰された動作を有するITラックとは独立して振動する場合がある。ある特定の実施形態では、アクセスデッキ1010および1020は、コンテナの下壁1005へ剛性的に締結される。
コンテナ1000が運搬されると、または過酷な環境による震動を受けると、緩衝ユニットはさらに非線形減衰をもたらし、ITラック内に包含される電子コンポーネントを保全する。
コンテナ1000は、好ましくは、各IT装置700の頂部をコンテナ1000の天井へ結合するケーブルも備えることは留意されるべきである。このケーブル(不図示)は、コンテナの長手方向に強い衝撃を受けた場合でもケースを垂直位置に保持できるようにする。
例示として、図11は、本発明による第2の緩衝デバイスの斜視図を示している。図11に示されているデバイスは図1に示されているものに類似しているが、この場合の4つの緩衝ユニットは1140で参照されるSilentblocタイプであって、互いから分離されて弾性材料により共に保持される2つの剛性サポートを備える。
ある代替実施形態(不図示)によれば、この緩衝システムは、コンテナの上壁へ例えば剛性的に締結されるように適合化される締結部材を備える。これもまた、輸送中、またはコンテナが海洋プラットフォーム等の強い震動を受けるゾーンに置かれると、具体的には垂直に振動しがちである。したがって、ITラックは、緩衝ユニットを含む先に示したものに類似する緩衝システムを介して天井から懸垂される。しかしながら、これらの緩衝ユニットは、先に述べた実施形態では圧縮して作動するのに対して、この場合は伸張して作動する。
次に、このようなコンテナ1000の作製方法について明記する。当初、コンテナ1000は空である。
第1のステップは、IT装置700が規格サイズであってもよい既定サイズのITラックをこの場合は3つ含むことを認識した上で、コンテナ1000を発注したホスティングセンタの将来のユーザによって望まれるIT装置700の数を決定することから成る。他の実施形態によれば、IT装置は1つまたは2つのITラック、またはそれ以上のITラックを含んでもよいことが観察される。
第2のステップは、横方向のアクセスデッキ1010をコンテナの一方のフロントドア(積載中はバックドアと称され、かつその間は閉止されてもよい)の近くに設置すること、かつ恐らくはこれを下壁へ剛性的に締結することから成る。
次に、第3のステップの間、図7に示されているもの等のIT装置700は、コンテナ1000の背部に第1の横方向アクセスデッキ1010沿いに、よってコンテナ1000の長手軸に対して横断方向へ配置される。IT装置700は、ハンドリング面160を利用して、パレットジャッキ等の軽量のハンドリング装置を用いることにより供給されてもよい。この場合、軽量のハンドリング装置は、開放されたフロントドア(バックドアから遠位)から進入し、IT装置700を置きかつ再度同じ開放されたフロントドアからコンテナを出る。
プレート130が、効果的には、コンテナの下壁1005へボルト締めされる。次に、第1の長手方向のアクセスデッキ1020並びに第2の横方向のアクセスデッキ1010が、恐らくは下壁1005へのボルト締めによって所定位置に置かれる。液圧管および電気ケーブルは、IT装置700のITラックへ液体および電気を例えばその下部530によって供給するためにこれらのアクセスデッキの厚さ内に嵌め込まれる。
次に、引き続き軽量のハンドリング装置を用いて開放されたフロントドアから、第2のIT装置700が先と同様にその固有の緩衝システムを包含して運び入れられる。これは、同じ横壁に当てて、第1のIT装置700に並列して、好ましくはそれと頭尾関係で配置される。或いは、これは頭尾式に配置されないことも可能である。これは、他の横壁に当てて配置される可能性もある。
これらの動作が、要求されるITパワーに依存して所望される回数で反復される。長手方向および横方向のアクセスデッキは、オペレータがITラックの前にITラック内部での作業を可能にする高さで直立できるように、ITラックの列の周りに配置される。
コンテナの作製方法は、軽量のハンドリング装置なしで実装されてもよく、その統合された緩衝ユニットを装備したITラックは、人であるオペレータによって運搬されかつ所定位置に置かれる。この場合、ハンドリング面160の存在は不要である。
さらに、ハンドリング面が存在する場合、このハンドリング面は異なる形状であってもよく、専用のハンドリング装置が、専用に作製されるか別途入手可能であるかに関わらず、IT装置700をコンテナの外側からコンテナの内側へ運搬できることのみが肝要である。
次に、コンテナ1000はトラックによって、または船舶によって運搬されてもよく、または海洋ゾーン等の強い振動を受けるゾーンに設置されてもよい。設置されたIT装置700は、その組み込まれた緩衝システムによって完全に保護される。
本発明は、記述されている実施形態に限定されるものではなく、当業者の能力の範囲内にある全ての変形を包含する。