JP6878218B2 - 燃料貯蔵施設、燃料貯蔵施設の改造方法および原子炉建屋 - Google Patents

燃料貯蔵施設、燃料貯蔵施設の改造方法および原子炉建屋 Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、燃料貯蔵施設、燃料貯蔵施設の改造方法および原子炉建屋に関する。
従来、原子力発電所の貯蔵プールに保管される核燃料貯蔵ラックの保管方法には、核燃料貯蔵ラックを貯蔵プールの床面に固定する固定式と、核燃料貯蔵ラックを貯蔵プールの床面に置くだけの自立式の2種類がある。近年、基準地震動の見直しが行われ、想定される地震荷重が大きく見積もられている。固定式では、地震の揺れに対して核燃料貯蔵ラックを支持しきれないおそれがある。特に、核燃料貯蔵ラック同士が異なる位相で振動した場合に、隣接する核燃料貯蔵ラックの支持荷重が重なって過大な荷重が発生するおそれがある。一方、自立式では、滑りまたは浮き上がりによって、核燃料貯蔵ラック同士が衝突したり、貯蔵プールの側壁に衝突したりするおそれがある。
このような過大な地震に対応するために、核燃料貯蔵ラック同士を連結する構造が提案されている。例えば、核燃料貯蔵ラックの上端部に係合溝を設け、この係合溝に上方から係合部材を挿入することにより、核燃料貯蔵ラック同士を連結している。
特許第5439202号公報
従来の核燃料貯蔵ラックでは、連結部材の嵌め合わせにより連結しているので、嵌め合い公差、または核燃料貯蔵ラックの据付公差に起因するがたつきが発生し易い。特に、地震発生時に核燃料貯蔵ラックの水平荷重が連結部材に集中するため、核燃料貯蔵ラックの外枠構造体と連結部材との接続部分に局所的に過大な荷重が発生してしまうという課題がある。
本発明の実施形態は、このような事情を考慮してなされたもので、地震発生時に核燃料貯蔵ラックの振動を抑えることができる燃料貯蔵技術を提供することを目的とする。
本発明の実施形態に係る燃料貯蔵施設は、貯蔵プールの水中に核燃料を貯蔵する第1ラックと第2ラックの少なくとも2個のラックが並んで配置され、その間に、前記第1ラックと前記第2ラックの少なくとも一方に対して揺動可能な状態で配置される特定部材を備え、前記特定部材は、前記第1ラックの外面に対面する第1面と、前記第1面との間隔が保たれるとともに前記第2ラックの外面に対面する第2面と、を有し、前記第1ラックと前記第1面との間または前記第2ラックと前記第2面との間の少なくとも一方に前記水が出入り可能な隙間が形成され、前記隙間の寸法が、入り込む前記水の流れにより流体−構造連成力を向上可能な寸法に設定されている。
本発明の実施形態により、地震発生時に核燃料貯蔵ラックの振動を抑えることができる燃料貯蔵技術が提供される。
第1実施形態の核燃料貯蔵ラックの保管装置を示す側面図。 第1実施形態の核燃料貯蔵ラックの保管装置を示す平面図。 第1実施形態の特定部材を示す側面図。 第1実施形態の特定部材を示す平面図。 第2実施形態の特定部材を示す側面図。 第3実施形態の特定部材を示す側面図。 第4実施形態の特定部材を示す側面図。 第5実施形態の核燃料貯蔵ラックの保管装置を示す平面図。 第6実施形態の核燃料貯蔵ラックの保管装置を示す側面図。 第6実施形態の壁面用の特定部材を示す側面図。 第6実施形態の壁面用の特定部材を示す平面図。 第7実施形態の核燃料貯蔵ラックの保管装置を示す側面図。
(第1実施形態)
以下、本実施形態の燃料貯蔵施設およびその改造方法を添付図面に基づいて説明する。まず、第1実施形態の核燃料貯蔵ラックの保管装置について図1から図4を用いて説明する。図1の符号1は、第1実施形態の核燃料貯蔵ラックの保管装置である。
図1および図2に示すように、原子力発電所において、原子炉格納容器を取り囲む原子炉建屋には、燃料貯蔵施設が設けられる。この燃料貯蔵施設には、例えば、原子炉の炉心で使用した使用済核燃料を保管するための貯蔵プール2が設けられている。この貯蔵プール2は、底面3および壁面4を有し、その内部に多量の水5が溜められる。この貯蔵プール2には、使用済核燃料を収めた燃料集合体6(図3参照)を貯蔵する核燃料貯蔵ラック7が沈められている。なお、1つの貯蔵プール2の水中には、複数個のラック7が保管されている。これらのラック7に貯蔵された使用済核燃料は、水5で冷却されることで崩壊熱が除去される。なお、ラック7に貯蔵される核燃料は、使用前のものであっても良い。
本実施形態では、貯蔵プール2の底面3(床面)に置くだけの自立式のラック7を例示する。なお、固定式のラック7であっても本実施形態を適用することができる。また、貯蔵プール2の底面3には、基礎盤8(鋼製ライナ)が置かれている。この基礎盤8の上面(床面)にラック7が着座されている。なお、貯蔵プール2の底面3にラック7を直接置いても良い。
ラック7は、複数本の角管9を互いに溶接させて形成されている。1本の角管9には、1本の燃料集合体6(図3参照)が収容される。なお、それぞれの角管9は、直立して設けられる。燃料集合体6は、角管9の上方の開口から出し入れされる。また、それぞれの角管9の下端は、支持パッド10に固定されている。本実施形態では、平面視で縦方向に10本の角管9が並ぶとともに、横方向に10本の角管9が並んで1個のラック7を構成する。つまり、ラック7は、平面視で正方形状を成す。なお、全てのラック7は、同一構成を成す。
平面視において、貯蔵プール2は、長方形状を成す。この貯蔵プール2の横方向および縦方向に複数個のラック7が格子状に配置されている。本実施形態では、横方向に4個のラック7が並んで配置されるとともに、縦方向に2個のラック7が並んで配置される。つまり、4個のラック7が並ぶ方向(紙面横方向)と直交する方向(紙面縦方向)に他のラック7が並んで配置される。なお、本実施形態では、合計8個のラック7を図示しているが、ラック7の個数は、特に限定されるものではない。少なくとも2個のラック7が配置されていれば良い。
図3および図4に示すように、ラック7同士の間には、特定部材11が配置される。特定部材11は、平面視で直線状を成す部材である。なお、これらの図において、紙面左側のラック7を第1ラック7Aと称するとともに、紙面右側のラック7を第2ラック7Bと称して以下に説明する。なお、図3では、理解を助けるために、特定部材11の一部を断面にして図示している。
第1ラック7Aと第2ラック7Bが並んで配置されると、第1ラック7Aの外面12と第2ラック7Bの外面12とが、互いに対面して配置される。つまり、所定のラック7の側周面に存在する4つの外面12(側面)のうちの1の外面12が、他のラック7の外面12と対向し、かつ互いの外面12が平行を成すように配置される。そして、これら外面12同士の間の空間Cに特定部材11が挿入される。
第1実施形態の特定部材11は、ボックス状を成す。この特定部材11は、第1ラック7Aの外面12に対面する第1面13と、第2ラック7Bの外面12に対面する第2面14とを有する。この特定部材11は、第1面13を有する第1板部15と、第2面14を有する第2板部16とを梁部17により連結して形成される。なお、梁部17が第1面13から第2面14までの間隔(幅寸法Z)を保つ構造部となっている。また、第1面13から第2面14までの間隔は、垂直方向および水平方向に亘って均一の間隔となっている。
特定部材11を構成する第1板部15および第2板部16は、特定部材11の厚さ方向の剛性が角管9と同程度またはそれ以上の剛性となるように構成される。また、梁部17も充分な強度を有する。なお、梁部17の強度は、万が一、ラック7が第1板部15または第2板部16に衝突した場合に、潰れることで緩衝を行える程度の強度であることが好ましい。
特定部材11が第1ラック7Aと第2ラック7Bとの間の空間Cに配置されると、特定部材11の第1面13は、第1ラック7Aの外面12と平行を成すとともに、特定部材11の第2面14は、第2ラック7Bの外面12と平行を成す。第1面13と第1ラック7Aの外面12および第2面14と第2ラック7Bの外面12は、必ずしも平行である必要はなく、例えば、特定部材11が側面視または平面視で傾斜されて配置されても良い。また、第1面13または第2面14が曲面を構成していても良い。なお、第1面13または第2面14が曲面であっても、第1面13から第2面14までの間隔は、垂直方向および水平方向に亘って均一の間隔であることが好ましい。
また、特定部材11における第1面13および第2面14以外の2つの側面18,19は、側板部20,21でそれぞれ閉塞されている。さらに、特定部材11の上部は、上板部22で閉塞されている。なお、第2板部16には、特定部材11の内部と外部とで水5が出入りする連通口23が設けられている。
このようにすれば、この連通口23から特定部材11の内部に水5が入るので、第1板部15と第2板部16との間の水5により、1のラック7から他のラック7に向けて放射される放射線(中性子線)を遮蔽することができる。また、特定部材11を軽量化することができるので、設置作業を容易に行うことができる。
なお、連通口23を設ける位置および数は、特に限定されない。また、連通口23を設けることに換えて、特定部材11の上面または側面を閉塞しない構成(即ち、上方ないし側方から見て梁部17がむき出しに見える構成)としても良い。特定部材11を撤去する際の排水のためには、低位置または底部に開口(連通口23)があることが望ましい。
また、梁部17が第1面13から第2面14までの間隔を保つことで、特定部材11の体積を一定に保つことができる。さらに、特定部材11がラック7同士の間の空間Cに配置されることで、ラック7に接する空間(隙間G)の体積を小さくすることができる。
特定部材11の下部には、貯蔵プール2の底に設けられた基礎盤8(床面)に着座される着座部24が設けられる。この着座部24により特定部材11が基礎盤8に着座して自立する。本実施形態では、貯蔵プール2の底に置くだけの自立式の特定部材11を例示する。このようにすれば、特定部材11の設置作業を容易に行うことができる。なお、基礎盤8に固定する固定式の特定部材11であっても本実施形態を適用することができる。なお、貯蔵プール2の底面3に特定部材11を直接置いても良い。
特定部材11において、第1面13および第2面14のそれぞれの高さ寸法Y(着座部24を含む高さ寸法:縦寸法)が、ラック7の高さ寸法H(縦寸法)に対応する寸法となっている。つまり、第1面13および第2面14のそれぞれの高さ寸法Yが、互いに同一寸法を成し、かつラック7の高さ寸法Hと同一寸法となっている。
なお、第1面13および第2面14の高さ寸法Yは、ラック7の高さ寸法Hと必ずしも同一とする必要はなく、所望の流体−構造連成力が得られるように設計されていれば良い。具体的には、第1面13および第2面14をラック7よりも低くした場合、ラック7と同程度の高さとした場合に比べると流体−構造連成力は小さくなるが、想定する地震動に対して充分な耐震性を得られるのであればラック7よりも低くても良い。また、特定部材11は、燃料の移送作業などの障害とならないようにラック7と同程度以下の高さであることが望ましいが、流体−構造連成力の観点でいえばラック7より高くても良い。
また、特定部材11において、第1面13および第2面14のそれぞれの水平寸法X(横寸法)が、ラック7の水平寸法V(横寸法)に対応する寸法となっている。つまり、第1面13および第2面14のそれぞれの水平寸法Xが互いに同一寸法を成し、かつラック7の水平寸法Vと同一寸法となっている。なお、第1面13および第2面14の水平寸法Xは、ラック7の水平寸法Vとほぼ同じ寸法であれば良い。第1面13および第2面14の水平寸法Xが、ラック7の水平寸法Vよりも若干長くても良いし、若干短くても良い。
また、第1面13から第2面14までの間隔、つまり、特定部材11の幅寸法Zが、第1ラック7Aと第1面13との間または第2ラック7Bと第2面14との間の少なくとも一方に水5が出入り可能な隙間Gを形成する寸法となっている。本実施形態では、第1ラック7Aと第1面13との間または第2ラック7Bと第2面14との間の両方に、隙間Gが形成されている。なお、この隙間Gには、上方または側方から水5が出入り可能となっている。なお、一方のみに水5が出入り可能とする場合は、他方の面では特定部材11とラック7が直接接触する。
なお、本実施形態では、第1ラック7Aと第1面13との隙間Gと、第2ラック7Bと第2面14との隙間Gとが同一寸法になっているが、第1ラック7Aと第1面13との隙間Gと、第2ラック7Bと第2面14との隙間Gとを異なる寸法にしても良い。
地震発生時にラック7が水平方向に揺れたときに、ラック7と特定部材11との隙間Gに対して、上方または側方から水5が入り込む流れFが生じる。この隙間Gに存在する水5によって、流体−構造連成力が生じるようになり、第1ラック7Aと第2ラック7Bとを一体的に振動させることができる。本実施形態では、全てのラック7の間に特定部材11が配置されるので、全てのラック7が一体的に振動するようになる。このようにすれば、地震発生時にラック7の振動を抑えることができる。
本実施形態では、地震発生時に、第1ラック7Aの外面12と第1面13との隙間Gおよび第2ラック7Bの外面12と第2面14との隙間Gで水5が流動されることで、水5と第1ラック7Aおよび第2ラック7Bとの間で働く流体−構造連成力を、特定部材11を介して向上させることができる。即ち、隙間Gに出入りされる水5によって、第1ラック7Aおよび第2ラック7Bと水5との間に働く流体−構造連成力を、特定部材11を用いて強化することができる。
流体−構造連成(Fluid-Structure Interaction: FSI)とは、流体の流れによって構造物が変形し、構造物が変形することによって流れが影響を受け、流体と構造物の相互作用が含まれる現象のことである。本実施形態では、この流体の流れによって構造物が受ける力を流体−構造連成力と称している。この流体−構造連成力は、公知のシミュレータを用いて解析することができる。
地震が発生し、ラック7が水平方向に揺れると、隙間Gに存在する水5がラック7の揺れとともに流動される。この水5の流動によって流体−構造連成力が向上し、ラック7同士が連結された状態になる。このとき、隙間Gが広い場合よりも狭い場合の方が、隙間Gを流れる水5の流速が速くなる。特に、広い空間にある水5が、狭い隙間Gに入り込むときに、水5の流速が加速されるので、大きな流体−構造連成力が生じるようになる。例えば、空間の幅を狭くした場合に、その狭くした寸法に応じて水5の流速が速くなる。そして、水5の慣性力も大きくなる。
この流体−構造連成力が生じることにより、地震により加わるエネルギーに対してラック7の見かけ上の重さを増大させることができる。その結果、ラック7の振動が抑えられる。特に、隙間Gに対して上方から入り込む水5の流れFが生じる場合に、この水5は、横揺れの地震動からエネルギーを得ることがないので、ラック7の見かけ上の重さを増大させることにのみに仕事をするようになる。そのため、ラック7の横揺れを抑えることができる。
以上のように、本実施形態では、燃料ラック7の間に特定部材11を設置するのみの簡素な構成で燃料ラック7間の隙間を調整して流体−構造連成力を向上させることができる。
また、特定部材11は、クレーン(天井クレーンまたは燃料交換機など)により容易に撤去することができる。また、貯蔵プール2または燃料ラック7の保守作業などにおいて、空間Cに検査装置、治具、工具などを投入する必要がある場合には、特定部材11を一時的に撤去して保守作業などの作業領域を確保することができる。
また、燃料ラック7同士の隙間を所望の流体−構造連成力を得られる程度に狭くした構成と比しても、以下の優位な点がある。即ち、特定部材11を撤去して空間を確保できるため、燃料ラック7の設置作業、貯蔵プール2に設置するその他の機器の組立作業、保守作業などの作業領域を広く確保できる。また、燃料ラック7同士の隙間を広くできるため、燃料ラック7の貯蔵プール2内へ配置する設計の自由度および作業性を確保できる。特に、燃料ラック7設置時の作業性および燃料ラック7同士の衝突回避のため、燃料ラック7同士の隙間は、ある程度以上とすることが通常求められる。
また、基礎盤8が燃料ラック7の設置位置を前提とした構造となっている。このため、既存の貯蔵プール2において燃料ラック7の配置を変更して隙間を調節するには、基礎盤8の改造工事が必要となる。この改造工事を実施するには、貯蔵中の燃料を別の場所で保管する必要もあり、現実的には実施が困難である。これに対して、本実施形態の改造方法では、既存の貯蔵プール2に対しても容易に適用可能である。
なお、図面では、理解を助けるために、ラック7の幅寸法W、ラック7同士の間の空間C、隙間G、特定部材11の幅寸法Zを誇張して図示している。ラック7同士の間の空間C(距離)に応じて、特定部材11の幅寸法Zが決定される。例えば、特定部材11の幅寸法Zが狭ければ、その重量および燃料の遮蔽に問題がなければ、特定部材11を、中実の板材を着座部24から上方に延びるように設けた構成であってもいい。
本実施形態では、水5の流体−構造連成力によってラック7同士が連結された状態になるので、隣り合うラック7同士が互いに逆方向に動くことが困難になる。そのため、ラック7同士が一体となって同相で群振動される。また、ラック7が群振動されることで、ラック7同士が衝突するおそれもなくなる。
また、第1面13から第2面14までの間隔が、垂直方向および水平方向に亘って均一の間隔であることで、流体−構造連成力による効果を大きくすることができる。
また、固定式のラック7に本実施形態を適用した場合において、ラック7が群振動されることで、ラック7の上端が互いに離れる方向に揺れることを防止することができる。例えば、ラック7の上端が互いに離れる方向に揺れてしまうと、ラック7の四隅を固定する複数本のアンカーボルトのうち、互いに近接するアンカーボルト同士に互いに抜ける方向に力が加わってしまう場合がある。このような場合に、基礎盤8の限定的な領域に引き抜き力が集中し、基礎盤8が破損してしまうおそれがある。本実施形態では、ラック7が群振動されるので、互いに近接するアンカーボルトにおいて、一方に抜ける方向に力が加わっても、他方に押し付ける方向に力が加わるので、基礎盤8の限定的な領域で引き抜き力と押し付け力が相殺する。これにより、基礎盤8の破損を抑制することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態の核燃料貯蔵ラックの保管装置1Aについて図5を用いて説明する。なお、前述した実施形態に示される構成部分と同一構成部分については同一符号を付して重複する説明を省略する。また、この図において、紙面左側のラック7を第1ラック7Aと称するとともに、紙面右側のラック7を第2ラック7Bと称して以下に説明する。
図5に示すように、第2実施形態の特定部材11Aは、第1面13を有する第1板部15と、第2面14を有する第2板部16とを、梁部17により連結して形成される。なお、第2実施形態の特定部材11Aでは、第1実施形態の特定部材11と異なり、20,21と上板部22と着座部24が設けられていない。
第2実施形態の特定部材11Aの上部には、側面視で逆U字状を成す接続部25(掛止部)が設けられる。この接続部25は、特定部材11Aの幅方向に延び、その端部に爪部26を備える。また、接続部25は、特定部材11Aの水平方向の所定の2箇所に設けられる。
第1ラック7Aおよび第2ラック7Bにおいて、特定部材11Aに向く外面12の上部には、フック状を成す支持部27(受け部)が設けられる。特定部材11Aの接続部25の爪部26は、第1ラック7Aおよび第2ラック7Bの支持部27に掛止される。このようにして、特定部材11Aが吊り下げられる。
このようにすれば、地震発生時に特定部材11Aが揺れても、特定部材11Aの位置が自重で復元される。そのため、第1ラック7Aと第1面13との隙間G(図3参照)および第2ラック7Bと第2面14との隙間G(図3参照)を保つことができる。そして、隙間Gに入り込む水5の流れFにより流体−構造連成力を向上させ、地震発生時のラック7の振動を抑えることができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態の核燃料貯蔵ラックの保管装置1Bについて図6を用いて説明する。なお、前述した実施形態と同一構成で重複する構成を省略する。また、この図において、紙面左側のラック7を第1ラック7Aと称するとともに、紙面右側のラック7を第2ラック7Bと称して以下に説明する。
図6に示すように、第3実施形態の特定部材11Bは、第1板部15の第1面13および第2板部16の第2面14に設けられる複数の突出部28を備える。第1面13に設けられた突出部28は、第1ラック7Aの外面12に向かって水平方向に突出されている。また、第2面14に設けられた突出部28は、第2ラック7Bの外面12に向かって水平方向に突出されている。
このようにすれば、地震発生時に、第1面13または第2面14と、ラック7の外面12との接触が防止され、水5が出入り可能な隙間G(図3参照)を維持することができる。つまり、地震発生時の流体−構造連成力の性能の変化を抑えることができる。そして、隙間Gに入り込む水5の流れFにより流体−構造連成力を向上させ、地震発生時のラック7の振動を抑えることができる。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態の核燃料貯蔵ラックの保管装置1Cについて図7を用いて説明する。なお、前述した実施形態と同一構成で重複する構成を省略する。また、この図において、紙面左側のラック7を第1ラック7Aと称するとともに、紙面右側のラック7を第2ラック7Bと称して以下に説明する。
図7に示すように、第4実施形態の特定部材11Cは、第1板部15の第1面13および第2板部16の第2面14に設けられる複数の緩衝部材29を備える。これらの緩衝部材29は、板バネを屈曲させて形成されている。第1面13に設けられた緩衝部材29は、第1ラック7Aの外面12に向かって膨出(突出)するように屈曲されている。また、第2面14に設けられた緩衝部材29は、第2ラック7Bの外面12に向かって膨出(突出)するように屈曲されている。
このようにすれば、第1面13または第2面14と、ラック7の外面12との接触が防止され、水5が出入り可能な隙間G(図3参照)を維持することができる。つまり、地震発生時の流体−構造連成力の性能の変化を抑えることができる。そして、隙間Gに入り込む水5の流れFにより流体−構造連成力を向上させ、地震発生時のラック7の振動を抑えることができる。なお、万が一、ラック7が揺れて特定部材11Cに接触される場合であっても、緩衝部材29によって、接触の衝撃が緩和されるので、ラック7を疵付けることがない。
(第5実施形態)
次に、第5実施形態の核燃料貯蔵ラックの保管装置1Dについて図8を用いて説明する。なお、前述した実施形態と同一構成で重複する構成を省略する。
図8に示すように、第5実施形態では、平面視で直線状を成す第1特定部材31と、平面視で十字形状(プラス記号形状)を成す第2特定部材32と、平面視でT字形状を成す第3特定部材33との3種類の特定部材31,32,33が設けられる。
第1特定部材31は、ラック7の対向する外面の中央位置に配置される。これらの第1特定部材31は、2個のラック7の外面に対応し、かつ平面視で直線状に延びる2つの面(第1面および第2面)を有する。これらの第1特定部材31によって、流体−構造連成力が向上し、2個のラック7同士が第1特定部材31を介して連結された状態になる。
第2特定部材32は、4個のラック7の角部が近接する位置に配置される。これらの第2特定部材32は、4個のラック7の角部に対応し、かつ平面視でL字状に曲がった4つの面(第1面、第2面、第3面および第4面)を有する。これらの第2特定部材32によって、流体−構造連成力が向上し、4個のラック7同士が第2特定部材32を介して連結された状態になる。
第3特定部材33は、貯蔵プール2の壁面4に近接する位置に配置される。これらの第3特定部材33は、2個のラック7の角部に対応し、かつ平面視でL字状に曲がった2つの面(第1面および第2面)を有する。これらの第3特定部材33によって、流体−構造連成力が向上し、2個のラック7同士が第3特定部材33を介して連結された状態になる。
さらに、第3特定部材33は、壁面4に対応し、かつ平面視で直線状に延びる1つの面(第3面)を有する。この第3面は、壁面4に向き、かつ壁面4から離れて設けられる。そして、第3特定部材33と壁面4との間に広い空間が確保される。
第5実施形態では、ラック7と壁面4との間の広い空間に隣接する第3特定部材33が平面視でT字状を成すことで、壁面4に近接する側方からラック7同士の隙間G(図3参照)に、水5が入り難くなる。そのため、側方から入ってくる水5の流れFが加速され、流体−構造連成力が向上する。
貯蔵プール2の横方向および縦方向に複数個のラック7が格子状に配置されている状態において、つまり、第2特定部材32が、横方向に並ぶ複数個のラック7と、縦方向(直交する方向)に並ぶ複数個のラック7とが、配置される範囲に亘って四方に延びている。
このようにすれば、横方向または縦方向のいずれの方向に並ぶラック7であっても、ラック7と水5との間に働く流体−構造連成力を強化することができる。なお、横方向に並ぶ2個のラック7の間に配置される第1特定部材31が、縦方向に並ぶ他のラック7が配置される範囲に亘って延びても良い。
第5実施形態では、複数の特定部材31,32,33の端部同士を互いに連結する連結部材34が設けられる。なお、連結部材34は、特定部材31,32,33の端部を挟み込む機構を有する。または、連結部材34は、特定部材31,32,33の端部に嵌るソケットを有する。
例えば、第1特定部材31では、一方の端部が連結部材34を介して第2特定部材32と連結され、他方の端部が連結部材34を介して第3特定部材33と連結される。このようにすれば、複数の特定部材31,32,33を連結部材34で一体化することができるので、特定部材31,32,33を一体化することができる。また、多数のラック7が配置された貯蔵プールに容易に設置することができる。
なお、複数の第1特定部材31同士を連結部材34で連結しても良い。このようにすれば、小型の第1特定部材31(分割された特定部材)を製造しておき、貯蔵プール2で連結することができるようになる。そのため、特定部材の製造性および搬送性が向上する。
また、例えば、ラック7同士の間の空間Cの平面視の形状が複雑な形状である場合であって、分割された特定部材を多数製造しておき、空間Cの形状に合わせて特定部材を組み合わせることで、設置作業を容易に行うことができる。
なお、第3特定部材33の第3面を壁面4に近接させて、第3特定部材33の第3面と壁面4との隙間を狭くすることで、第3特定部材33と壁面4とに働く流体−構造連成力を向上させても良い。このようにすれば、壁面4とラック7とが第3特定部材33を介して連結された状態になる。
(第6実施形態)
次に、第6実施形態の核燃料貯蔵ラックの保管装置1Eについて図9から図11を用いて説明する。なお、前述した実施形態と同一構成で重複する構成を省略する。
図9に示すように、第6実施形態では、ラック用の特定部材11に加えて壁面用の特定部材41が設けられる。壁面用の特定部材41は、ラック7と貯蔵プール2の壁面4との間に配置される。なお、ラック用の特定部材11は、第1実施形態のものを例示しているが、第1から第5実施形態のいずれのものを適用しても良い。
図10および図11に示すように、壁面用の特定部材41は、第1面42を有する第1板部44と、第2面43を有する第2板部45とを、梁部46により連結して形成される。なお、梁部46が第1面42から第2面43までの間隔(幅寸法M)を保つ構造部となっている。また、第1面42から第2面43までの間隔は、垂直方向および水平方向に亘って均一の間隔となっている。
さらに、第1板部44および第2板部45の下部には、貯蔵プール2の底に設けられた基礎盤8(床面)に着座される着座部47が設けられる。この着座部47により壁面用の特定部材41が基礎盤8に着座され、その位置が一定に保たれる。
第6実施形態では、貯蔵プール2の底(床面)に置くだけの自立式の壁面用の特定部材41を例示している。なお、基礎盤8に固定する固定式の壁面用の特定部材41であっても良い。さらに、貯蔵プール2の底面3に壁面用の特定部材41を直接置いても良い。
ラック7が貯蔵プール2の壁面4に近接して配置されると、ラック7の外面12と貯蔵プール2の壁面4とが、互いに対面して配置される。つまり、所定のラック7の側周面に存在する4つの外面12(側面)のうちの1の外面12が、貯蔵プール2の壁面4と対向し、かつ、この外面12と壁面4が平行を成すように配置される。そして、外面12と壁面4の間の空間Sに壁面用の特定部材41が挿入される。
壁面用の特定部材41が壁面4とラック7との間の空間Sに配置されると、壁面用の特定部材41の第1面42は、壁面4と平行を成すとともに、壁面用の特定部材41の第2面43は、ラック7の外面12と平行を成す。
また、梁部46が第1面42から第2面43までの間隔を保つことで、壁面用の特定部材41の体積を一定に保つことができる。さらに、壁面用の特定部材41が壁面4とラック7の間の空間Sに配置されることで、壁面4およびラック7に接する空間(隙間P)の体積を小さくすることができる。
壁面用の特定部材41において、第1面42および第2面43のそれぞれの高さ寸法L(着座部47を含む高さ寸法:縦寸法)が、ラック7の高さ寸法H(縦寸法)に対応する寸法となっている。つまり、第1面42および第2面43のそれぞれの高さ寸法Lが、互いに同一寸法を成し、かつラック7の高さ寸法Hと同一寸法となっている。なお、第1面42および第2面43の高さ寸法Lは、ラック7の高さ寸法Hとほぼ同じ寸法であれば良い。第1面42および第2面43の高さ寸法Lが、ラック7の高さ寸法Hよりも若干長くても良いし、若干短くても良い。
また、壁面用の特定部材41において、第1面42および第2面43のそれぞれの水平寸法K(横寸法)が、ラック7の水平寸法V(横寸法)に対応する寸法となっている。つまり、第1面42および第2面43のそれぞれの水平寸法Kが互いに同一寸法を成し、かつラック7の水平寸法Vと同一寸法となっている。なお、第1面42および第2面43の水平寸法Kは、ラック7の水平寸法Vとほぼ同じ寸法であれば良い。第1面42および第2面43の水平寸法Kが、ラック7の水平寸法Vよりも若干長くても良いし、若干短くても良い。
また、第1面42から第2面43までの間隔、つまり、壁面用の特定部材41の幅寸法Mが、壁面4と第1面42との間またはラック7と第2面43との間の少なくとも一方に水5が出入り可能な隙間Pを形成する寸法となっている。第6実施形態では、壁面4と第1面42との間またはラック7と第2面43との間の両方に、隙間Pが形成されている。なお、この隙間Pには、上方または側方から水5が出入り可能となっている。
なお、第6実施形態では、壁面用の特定部材41と壁面4との隙間Pと、壁面用の特定部材41とラック7との隙間Pとが同一寸法となっているが、壁面用の特定部材41と壁面4との隙間Pと、壁面用の特定部材41とラック7との隙間Pとを異なる寸法にしても良い。
なお、壁面用の特定部材41から壁面4までの隙間Pと、壁面用の特定部材41からラック7までの隙間Pとが、同一寸法を成している。さらに、壁面用の特定部材41から壁面4までの隙間Pと、壁面用の特定部材41からラック7までの隙間Pと、ラック用の特定部材11からラック7の外面12までの隙間G(図3参照)とが、同一寸法を成している。
なお、第6実施形態では、壁面用の特定部材41が形成する隙間Pと、ラック用の特定部材11が形成する隙間G(図3参照)とが、同一寸法を成しているが、壁面用の特定部材41が形成する隙間Pよりも、ラック用の特定部材11が形成する隙間Gを狭くすることが好ましい。このようにすれば、地震発生時のラック7の揺れが抑えられる。
地震発生時にラック7が水平方向に揺れたときに、壁面用の特定部材41と壁面4との隙間Pおよび壁面用の特定部材41とラック7との隙間Pに対して、上方または側方から水5が入り込む流れFが生じる。この隙間Pに存在する水5によって、流体−構造連成力が生じるようになり、ラック7を壁面4に対して固定させることができる。また、全てのラック7の間にラック用の特定部材11が配置されるので、全てのラック7が一体的になり、かつ全てのラック7が、水5が発生させる流体−構造連成力を介して壁面4に固定された状態になる。このようにすれば、地震発生時にラック7の振動を抑えることができる。
さらに、地震発生時のラック7の振動数を変化させることができる。壁面用の特定部材41と壁面4との隙間Pおよび壁面用の特定部材41とラック7との隙間Pが、狭くなるに連れて、ラック7の剛性が壁面4の剛性と同じ位になってゆく。つまり、ラック7の振動数を調整することができる。
例えば、貯蔵プール2が設けられている建物の固有振動数に対し、ラック7の振動数が異なるように壁面用の特定部材41を用いて調整を行うことで、建物の固有振動数と一致する振動数の地震が発生した場合であっても、ラック7の揺れが抑えられる。そのため、耐震性を向上させることができる。また、隙間G,Pにおける水5の流れFによって、流動抵抗による減衰力を得ることができき、地震による振動を抑制することができる。
また、地震発生時にラック7が壁面4に向かって滑ってしまっても、壁面用の特定部材41が緩衝部材となるので、ラック7が壁面4に衝突してしまうことを防止することができる。
なお、第6実施形態では、ラック用の特定部材11を設けなくても良い。例えば、ラック7同士の間の空間Cの寸法を充分に小さくした場合は、ラック用の特定部材11の設置を省略しても良い。そして、壁面4に近接して配置されたラック7から壁面までの空間Sにのみ、壁面用の特定部材41を配置する。このときに、壁面用の特定部材41から壁面4までの隙間Pと、壁面用の特定部材41からラック7までの隙間Pとが、それぞれラック7同士の間の空間Cの寸法よりも大きくなるように、第1面42から第2面43までの間隔(幅寸法M)を調整する。このようにすれば、地震発生時に全てのラック7の揺れが抑えられる。
なお、第6実施形態では、ラック7の個数は、特に限定されるものではない。第6実施形態では、少なくとも1個のラック7が配置されていれば良い。
なお、壁面用の特定部材41が、壁面4に沿って並ぶ複数個のラック7が配置される範囲に亘って延びる水平寸法Kを有していても良い。
なお、壁面用の特定部材41の端部同士を互いに連結する連結部材を設けるようにしても良い。つまり、第5実施形態のラック用の特定部材11を連結部材34で連結する構成を、第6実施形態の壁面用の特定部材41に適用しても良い。
なお、壁面用の特定部材41の第1面42または第2面43の少なくとも一方に設けられ、壁面4またはラック7に向かって突出する突出部を設けるようにしても良い。つまり、第3実施形態のラック用の特定部材11の突出部28を、第6実施形態の壁面用の特定部材41に設けても良い。
なお、壁面用の特定部材41の第1面42または第2面43の少なくとも一方に設けられ、壁面4またはラック7に向かって突出する緩衝部材を設けるようにしても良い。つまり、第4実施形態のラック用の特定部材11の緩衝部材29を、第6実施形態の壁面用の特定部材41に設けても良い。
(第7実施形態)
次に、第7実施形態の核燃料貯蔵ラックの保管装置1Fについて図12を用いて説明する。なお、前述した実施形態と同一構成で重複する構成を省略する。
図12に示すように、第7実施形態の壁面用の特定部材41Aは、第1面42を有する第1板部44と、第2面43を有する第2板部45とを、梁部46により連結して形成される。なお、第7実施形態の壁面用の特定部材41Aでは、第6実施形態の壁面用の特定部材41Aと異なり、着座部47が設けられていない。
第7実施形態の壁面用の特定部材41Aの上部には、吊り下げ用のワイヤから成る接続部48が設けられる。また、壁面4には、接続部48が接続されるフレーム状の支持部49が、水平方向に突出して設けられている。この支持部49に対して接続部48が接続される。このようにして、壁面用の特定部材41Aが吊り下げられる。
なお、接続部48は、壁面用の特定部材41Aの梁部46から上方に延びる。第7実施形態では、1つの壁面用の特定部材41Aに対して2本の接続部48が設けられている。
このようにすれば、地震発生時に壁面用の特定部材41Aが揺れても、壁面用の特定部材41Aの位置が自重で復元される。そのため、壁面4と第1面42との隙間P(図10参照)およびラック7と第2面43との隙間P(図10参照)を保つことができる。そして、隙間Pに入り込む水5の流れFにより流体−構造連成力を向上させ、地震発生時のラック7の振動を抑えることができる。
本実施形態に係る核燃料貯蔵ラックの保管装置を第1実施形態から第7実施形態に基づいて説明したが、いずれか1の実施形態において適用された構成を他の実施形態に適用しても良いし、各実施形態において適用された構成を組み合わせても良い。
なお、従来技術において、地震発生時に複数個のラック7を一体的に振動させようとすると、互いのラック7を連結部材で連結しなければならない。この場合に、ラック7の水平荷重が連結部材に集中するため、ラック7の外枠構造体と連結部材との接続部分に局所的に過大な荷重が発生してしまう。これに対して本実施形態では、ラック7同士が互いに連結されず、特定部材11が向上させる流体−構造連成力によって、ラック7同士が連結される。そのため、地震発生時に局所的に過大な荷重が発生してしまうことがない。そして、ラック7に負荷を与えることなく、ラック7の振動を抑えることができる。
なお、本実施形態では、複数本の角管9を互いに溶接させてラック7が形成されているが、ラック7は、その他の態様であっても良い。例えば、フレームを用いて形成したラックでも良いし、外周面を板で覆ったラックでも良い。
平面視で縦方向に10本および横方向に10本の角管9が並んで互いに溶接されて通常のラック7を構成しているが、10本の角管9を1列に並べて互いに溶接してラックを構成し、このラックを特定部材としても良い。そして、この特定部材を2個の通常のラック7同士の間に配置する。
なお、本実施形態では、ラック用の特定部材11の第1面13および第2面14の両方が、ラック7の外面12から離れていることで、隙間Gを形成しているが、第1面13または第2面14のいずれか一方の面をラック7の外面12に接触させても良い。また、壁面用の特定部材11において、第1面13を壁面4に接触させても良いし、第2面14をラック7の外面12に接触させても良い。
以上説明した実施形態によれば、貯蔵プールの水中に核燃料を貯蔵する第1ラックと第2ラックの少なくとも2個のラックが並んで配置され、その間に配置される特定部材を備えることにより、地震発生時に核燃料貯蔵ラックの振動を抑えることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1(1A,1B,1C,1D,1E,1F)…核燃料貯蔵ラックの保管装置、2…貯蔵プール、3…底面、4…壁面、5…水、6…燃料集合体、7…ラック、7A…第1ラック、7B…第2ラック、8…基礎盤、9…角管、10…支持パッド、11(11A,11B,11C,11)…特定部材、12…外面、13…第1面、14…第2面、15…第1板部、16…第2板部、17…梁部、18,19…側面、20,21…側板部、22…上板部、23…連通口、24…着座部、25…接続部、26…爪部、27…支持部、28…突出部、29…緩衝部材、31…第1特定部材、32…第2特定部材、33…第3特定部材、34…連結部材、41(41A)…壁面用の特定部材、42…第1面、43…第2面、44…第1板部、45…第2板部、46…梁部、47…着座部、48…接続部、49…支持部、C…ラック同士の間の空間、F…水の流れ、G…隙間、H…ラックの高さ寸法、K…壁面用の特定部材の水平寸法、L…壁面用の特定部材の高さ寸法、M…壁面用の特定部材の幅寸法、P…隙間、S…ラックから壁面までの空間、V…ラックの水平寸法、W…ラックの幅寸法、X…特定部材の水平寸法、Y…特定部材の高さ寸法、Z…特定部材の幅寸法。

Claims (13)

  1. 貯蔵プールの水中に核燃料を貯蔵する第1ラックと第2ラックの少なくとも2個のラックが並んで配置され、その間に、前記第1ラックと前記第2ラックの少なくとも一方に対して揺動可能な状態で配置される特定部材を備え、
    前記特定部材は、前記第1ラックの外面に対面する第1面と、前記第1面との間隔が保たれるとともに前記第2ラックの外面に対面する第2面と、を有し、
    前記第1ラックと前記第1面との間または前記第2ラックと前記第2面との間の少なくとも一方に前記水が出入り可能な隙間が形成され、前記隙間の寸法が、入り込む前記水の流れにより流体−構造連成力を向上可能な寸法に設定されている燃料貯蔵施設。
  2. 前記特定部材は、前記第1面を有する第1板部と前記第2面を有する第2板部を梁部により連結して形成される請求項1に記載の燃料貯蔵施設。
  3. 前記第1ラックと前記第2ラックとが並ぶ方向と直交する方向に他のラックが並んで配置され、
    前記特定部材が、前記直交する方向に並んだ少なくとも2個のラックが配置される範囲に亘って延びる請求項1または請求項2に記載の燃料貯蔵施設。
  4. 複数の前記特定部材の端部同士を互いに連結する連結部材を備える請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の燃料貯蔵施設。
  5. 前記特定部材を前記貯蔵プールの床面に着座させる着座部を備える請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の燃料貯蔵施設。
  6. 前記特定部材の上部に設けられる接続部と、
    前記ラックに上部に設けられる支持部と、
    を備え、
    前記接続部を前記支持部に掛止して前記特定部材を吊り下げる請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の燃料貯蔵施設。
  7. 前記第1面または前記第2面の少なくとも一方に設けられ、前記ラックに向かって突出する突出部を備える請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の燃料貯蔵施設。
  8. 前記第1面または前記第2面の少なくとも一方に設けられ、前記ラックに向かって突出する緩衝部材を備える請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の燃料貯蔵施設。
  9. 貯蔵プールの水中に核燃料を貯蔵するラックが前記貯蔵プールの壁面に近接して配置され、前記ラックと前記壁面の間に、少なくとも前記壁面に対して揺動可能な状態で配置される特定部材を備え、
    前記特定部材は、前記ラックの外面に対面する第1面と、前記第1面との間隔が保たれるとともに前記壁面に対面する第2面と、を有し、
    前記ラックと前記第1面との間または前記壁面と前記第2面との間の少なくとも一方に前記水が出入り可能な隙間が形成され、前記隙間の寸法が、入り込む前記水の流れにより流体−構造連成力を向上可能な寸法に設定されている燃料貯蔵施設。
  10. 前記特定部材を前記貯蔵プールの床面に着座させる着座部を備える請求項9に記載の燃料貯蔵施設。
  11. 前記特定部材の上部に設けられる接続部と、
    前記壁面に設けられる支持部と、
    を備え、
    前記接続部を前記支持部に掛止して前記特定部材を吊り下げる請求項9に記載の燃料貯蔵施設。
  12. 貯蔵プールの水中に核燃料を貯蔵する第1ラックと第2ラックの少なくとも2個のラックが並んで配置され、その間に、前記第1ラックの外面に対面する第1面と、前記第1面との間隔が保たれるとともに前記第2ラックの外面に対面する第2面と、を有する特定部材を、前記第1ラックと前記第2ラックの少なくとも一方に対して揺動可能な状態で配置し、
    前記第1ラックと前記第1面との間または前記第2ラックと前記第2面との間の少なくとも一方に前記水が出入り可能な隙間形成され、前記隙間の寸法が、入り込む前記水の流れにより流体−構造連成力を向上可能な寸法に設定されている燃料貯蔵施設の改造方法。
  13. 原子炉格納容器を取り囲み、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の燃料貯蔵施設を備える原子炉建屋。
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