JP4899392B2 - 舵角比可変制御装置及びスパイラルケーブルの誤組み付け検出方法 - Google Patents

舵角比可変制御装置及びスパイラルケーブルの誤組み付け検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、ステアリングホイール操舵角に対するピニオンシャフトの転舵角を任意に変更可能な舵角比可変制御装置に関し、特に、スパイラルケーブルの誤組み付け検出に関する。
従来、ステアリングホイールが接続されたシャフトにスパイラルケーブルを備えた構成として、エアーバッグ用のスパイラルケーブルが知られている。このスパイラルケーブルは、一端が車体側に固定され、ステアリングシャフトの外周に余裕を持って巻かれた後、他端がステアリングシャフト側に固定されている。このスパイラルケーブルを組み付ける際、ステアリングホイールをロックtoロック(例えば右側に突き当たるまで操舵後、左側に突き当たるまで操舵すること)とし、左右回転に対して余裕を持って確実に組み付けられているかを確認している。尚、ステアリングシャフト自体にはロックする要素はないため、ラック軸に設けられた突き当て部が物理的に規制される(すなわち、当接する)ことをロックと定義する。
仮に、確認が不十分で、例えば右方向への余裕が無かった場合であっても、エアーバッグ用のスパイラルケーブルは、運転者のステアリングホイール操作力によって容易に破断可能な構成となっている。よって、ステアリングが操作途中でロックされるような不具合は発生しない。
近年、運転者のステアリング操舵角に対し、実際の転舵角を変更可能な舵角比可変制御機構が提案されている(例えば特許文献1)。この公報には、舵角比を変更するアクチュエータとしてモータを備え、モータのステータはステアリングシャフトと一体に固定されている。このステータと車体側との間にはエアーバッグと同様にスパイラルケーブルが備えられ、ステアリングシャフトの回転に伴ってステータが回転したとしても、電源供給及び回転角信号の送信を可能としている。
特開2003−324836号公報
エアーバッグ用のスパイラルケーブルと同様、組み付け後にステアリングのロックtoロックにより組み付け確認を行う場合、下記に示す問題があった。すなわち、舵角比可変制御機構は、低車速時にはステアリングホイール操舵角に対するラック移動量を増大させる方向に制御する。よって、舵角比可変制御機構が作動している場合におけるラック突き当て部までの移動量とステアリングホイール操舵角とが一致しておらず、必ずしも正しく組み付いているかどうかの確認を行うことができない。これは、エアーバッグのスパイラルケーブルについても同様に確認を行うことができない。
また、この舵角比可変制御機構のモータへの電源供給ライン等は、モータ作動を確保するための電流に対応可能な線径とされているため、容易に破断できない。よって、組み付け時の確認が不十分のときは、ステアリングホイール操舵角に対してラック突き当て部に到達する前にステアリングが操作途中でスパイラルケーブルによりロックされる虞があった。
本発明は、上述の課題に着目してなされたもので、スパイラルケーブルの組み付け後、確実に組み付け確認が可能な舵角比可変制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の舵角比可変制御装置では、運転者の操作するステアリングホイールに接続されたステアリングシャフトと、操向輪を転舵するラック&ピニオン機構のピニオンが接続されたピニオンシャフトと、前記ステアリングシャフト操舵角(θ)に対する前記ピニオンシャフトの転舵角(δ)の比を表す舵角比(δ/θ)を変更可能な舵角比可変制御機構と、一端が車体側に固定され、前記ステアリングシャフトの外周に余裕を持って巻かれた後、他端が前記ステアリングシャフト側に固定されたスパイラルケーブルと、を備えた舵角比可変制御装置において、前記ステアリングシャフトの左右操舵角を規制する突き当て手段と、前記突き当て手段により規制させ、前記スパイラルケーブルの組み付け確認を行うかどうかを判断する確認判断手段と、該確認判断手段により組み付け確認を行うと判断されたときは、前記舵角比可変制御機構の舵角比を1以下に制御する誤組み付け検出手段と、を設け、前記誤組み付け検出手段は、前記舵角比可変制御機構により制御される最小舵角比に対応する最大ステアリングシャフト操舵角に到達するまでの前記舵角比可変制御機構の舵角比を、前記最大ステアリングシャフト操舵角以上のときに最大転舵角の下限値以下の転舵角となる1以下の第1の舵角比特性に設定し、前記最大ステアリングシャフト操舵角を越えたときは前記突き当て手段により規制することを特徴とする。

組み付け確認を行う際は、ステアリングシャフト操舵角に対するピニオンシャフトの転舵角が小さくなるように制御される。よって、突き当て手段により規制されるまでのステアリングシャフト操舵角を十分に確保することが可能となり、確実にスパイラルケーブルの誤組み付けを検出することができる。
以下、本発明の舵角比可変制御装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
図1は実施例1の舵角比可変制御装置の構成を表す概略図である。ステアリングホイール1には、ステアリングシャフト3が接続されている。ステアリングシャフト3にはステアリングホイール操舵角を検出する操舵角センサ2が設けられると共に、舵角比可変制御機構20のアッパ側に接続されている。舵角比可変制御機構20のロア側にはピニオンシャフト4が接続されている。ピニオンシャフト4にはピニオンシャフト転舵角を検出する転舵角センサ5が設けられている。ピニオンシャフト4の下端にはピニオン6が設けられ、ラック軸7上に形成されたラック歯と噛み合うことで周知のラック&ピニオン機構を構成している。
運転者によりステアリングホイール1が操作されると、ステアリングシャフト3の回転が舵角比可変制御機構20に伝達され、舵角比可変制御機構20から出力されたピニオンシャフト4の回転によりピニオン6が回転する。ピニオン6の回転は、ラック軸7の軸方向移動に変換され、操向輪8を転舵する。
アシストコントロールユニット10には、操舵角センサ2により検出された操舵角θと、転舵角センサ5により検出された転舵角δと、車速センサ9により検出された車速VSP等が入力される。アシストコントロールユニット10では、各センサ値に基づいて、操舵角θに対する転舵角δの比を表す舵角比δ/θが演算され、舵角比可変制御機構20に対し制御指令を出力する。尚、転舵角センサ5に代えて、舵角比可変制御機構20のモータに搭載されたモータ回転角センサ等を用い操舵角センサ2の検出値に加減算を行うことで転舵角δを検出してもよく、特に限定しない。
アシストコントロールユニット10内には、スパイラルケーブル誤組み付けを検出する手段として、誤組み付け検出制御部10aが設けられている。確認判断手段としての確認判断部11からスパイラルケーブルの組み付け確認を行う信号が誤組み付け検出制御部10aに入力されると、誤組み付け検出用の舵角比制御が実行される。確認判断部11としては、例えば組み立て工場等でアシストコントロールユニット10に対し図外の誤組み付け検出制御端末等から信号を出力しても良いし、車室内に設けられた各種スイッチの組み合わせによって確認判断部11に信号を出力してもよく、特に限定しない。
図2は舵角比可変制御機構20の構成を表す概略図である。ステアリングシャフト3には、図3の断面図に示すように、一端が車体側に固定され、ステアリングシャフト3の外周に余裕を持って巻かれた後、他端がステアリングシャフト3側に固定されたスパイラルケーブル21aが収装されたスパイラルケーブルユニット21が設けられている。また、ステアリングシャフト3には、外歯ギヤ24と、電動アクチュエータとしての電動モータ20aを構成するステータ22が一体に取り付けられている。スパイラルケーブル21aのステアリングシャフト側はステータ22と接続され、ステアリングシャフト3が回転したとしても常にステータ22に電源等を供給可能な構成となっている。
ステータ22の内周には電動モータ20aを構成するロータ23が設けられ、このロータ23によりウェーブジェネレータ26を駆動する。ウェーブジェネレータ26は楕円形のカムを有し、長径と短径の位置関係を変更可能な構成となっている。ウェーブジェネレータ26の外周には金属弾性体の外歯を有するフレクスプライン27がベアリングを介して配置されている。このフレクスプライン27はピニオンシャフト4と接続されている。外歯ギヤ24及びフレクスプライン27の外周には外歯ギヤ24と同じ歯数の内歯を有するサーキュラスプライン25が嵌合され、外歯ギヤ24の回転をフレクスプライン27に伝達している。フレクスプライン27の歯数は、外歯24の歯数よりも2歯多く形成され長径部分のみサーキュラスプライン25と嵌合し、短径部分はサーキュラスプライン25と非嵌合状態とされている。ロータ23が1回転すると、ウェーブジェネレータ26によりフレクスプライン27が弾性変形されて長径と短径の位置関係が変更され、2歯分の回転を増減速する所謂ハーモニックドライブ機構が搭載されている。また、図示しないロック機構が設けられており、フェール時やイグニッションOFF時には、ロータ23とステータ22とが一体となるように固定することで舵角比1を達成する。尚、舵角比可変制御機構20の詳細については、例えば特開2004−58745号公報や、特開2003−324836号公報等に記載されているため、説明を省略する。
図4はステアリングシャフト3の回転速度とピニオンシャフト4の回転速度とロータ23の回転速度の関係を表す共通速度線図(以下、共線図と記載する)を表す図である。図4中、上側の領域が右側に操舵したときの回転速度を表し、下側の領域が左側に操舵したときの回転速度を表す。実施例1の舵角比可変制御機構20は、ステアリングシャフト3とステータ22が一体に回転するため、ロータ23の回転速度はステータ22に対する回転速度ではなく、車体側に対する回転速度とする。以下、パターン(1)〜(4)について説明する。尚、説明の都合上、ステアリングシャフト3を右側に操舵したときについて説明するが、左側に操舵したときも同様である。
〔パターン(1)〕
図4中(1)に示すように、ステアリングシャフト3を右側に操舵するとき、アシストコントロールユニット10により舵角比δ/θを1よりも大きくする制御指令が出力されると、ロータ23がステアリングシャフト3よりも高回転となり、ステアリングシャフト3の回転速度よりもピニオンシャフト4の回転速度を増速する。
〔パターン(2)〕
図4中(2)に示すように、ステアリングシャフト3を右側に操舵するとき、アシストコントロールユニット10により舵角比δ/θを1とする制御指令が出力されると、ロータ23がステアリングシャフト3と同じ回転となり、ステアリングシャフト3の回転速度とピニオンシャフト4の回転速度は同じとなる。尚、ステータ22はステアリングシャフト3と一体に回転するため、ロータ23はステータ22に対し固定された状態となる(フェール時もロック機構によってパターン(2)を達成する)。
〔パターン(3)〕
図4中(3)に示すように、ステアリングシャフト3を右側に操舵するとき、アシストコントロールユニット10により舵角比δ/θを1よりも小さくする制御指令が出力されると、ロータ23がステアリングシャフト3よりも低回転となり、ステアリングシャフト3の回転速度よりもピニオンシャフト4の回転速度を減速する。
〔パターン(4)〕
図4中(4)に示すように、ピニオンシャフト4の回転を固定した場合、ロータ23を左側に回転すると、ステアリングシャフト3は右側に回転する。すなわち、ピニオンシャフト4を固定したときは、ロータ23の回転方向とステアリングシャフト3の回転方向の関係が逆転する。
(誤組み付け検出制御)
次に、誤組み付け検出制御部10aにおいて実行されるスパイラルケーブル21aの誤組み付け検出制御及び、誤組み付け検出方法について説明する。実施例1の誤組み付け検出制御は、基本的に車両の組み立て工場や、修理工場等で行われるもので、車両には既に舵角比可変制御機構20及び操舵角センサ2が組み付けられ、各種センサの初期化等が行われた後に実行する。また、舵角比可変制御機構20のロック機構は解除されている。
図5は誤組み付け検出制御を表すフローチャートである。
ステップ101では、操向輪8を直進状態に固定する(請求項9の第1行程に相当)。
ステップ102では、確認判断部11により組み付け確認を行うかどうかを判断し、組み付け確認を行うときはステップ102へ進み、それ以外は本制御フローを終了する。
ステップ103では、電動モータ20aを左側に駆動し、ステアリングシャフト3(ステアリングホイール1)を右側に回転する。言い換えると、ピニオンシャフト4が固定されていることからδ≒0(一定)となり、舵角比δ/θを0(すなわち特許請求の範囲に記載の舵角比1以下に相当)に制御することとなる。
ステップ104では、電動モータ20aの負荷が急激に増大することに伴う電流異常が発生したか、もしくは操舵角センサ2の検出値に基づいてステアリングシャフト3が停止したかどうかによってスパイラルケーブル21aが引っかかったかどうかを判断し、各条件を満たしたときはスパイラルケーブル21aの組み付け異常と判断してステップ110へ進み、それ以外はステップ105へ進む。
ステップ105では、操舵角センサ2の操舵角θが、通常の車両走行時に舵角比可変制御機構20により制御される最小舵角比に対応する最大ステアリングシャフト操舵角である右側θmax以上、かつ、操舵角センサ2の検出可能操舵角である右側θlim以下かどうかを判断し、条件を満たしたときはステップ106へ進み、それ以外はステップ103からステップ105を繰り返す。
ステップ106では、電動モータ20aを右側に駆動し、ステアリングシャフト3(ステアリングホイール1)を左側に回転する。言い換えると、ピニオンシャフト4が固定されていることからδ≒0(一定)となり、舵角比δ/θを0(すなわち1以下)に制御することとなる。
ステップ107では、電動モータ20aの負荷が急激に増大することに伴う電流異常が発生したか、もしくは操舵角センサ2の検出値に基づいてステアリングシャフト3が停止したかどうかを判断し、各条件を満たしたときはスパイラルケーブル21aの組み付け異常と判断してステップ110へ進み、それ以外はステップ108へ進む。
ステップ108では、操舵角センサ2の操舵角θが、舵角比可変制御機構20により制御される最小舵角比に対応する最大ステアリングシャフト操舵角である左側θmax以上、かつ、操舵角センサ2の検出可能操舵角である左側θlim以下かどうかを判断し、条件を満たしたときはステップ109へ進み、それ以外はステップ106からステップ108を繰り返す。
ステップ109では、電動モータ20aを左側に駆動し、ステアリングシャフト3(ステアリングホイール1)を中立位置に戻して本制御フローを終了する。
ステップ110では、スパイラルケーブル21aの誤組み付けを解消する修理作業を実行する。
(誤組み付け検出制御の作用)
次に、誤組み付け検出制御の作用について、図6のタイムチャートに基づいて説明する。図6中、細い実線は従来技術におけるスパイラルケーブル21aが正常に組み付けられたときのステアリングシャフト3の操舵角θの経時変化を表し、太い実線は実施例1におけるスパイラルケーブル21aが正常に組み付けられたときのステアリングシャフト3の操舵角θの経時変化を表し、太い点線は実施例1におけるスパイラルケーブル21aが誤組み付けによりずれて組み付けられたときのステアリングシャフト3の操舵角θの経時変化を表す。また、操舵角θのタイムチャートの図中左側縦軸方向には、スパイラルケーブル21aの可動範囲を表す。この縦軸の範囲内であればスパイラルケーブル21aがステアリングシャフト3の回転を阻害することがなく、この範囲を外れたときにステアリングシャフト3の回転は停止される。まず、制御開始前において、操向輪8を直進状態に固定する。これにより、ピニオンシャフト4が固定される。
〔スパイラルケーブル正常組み付け時の作用〕
時刻t1において、確認判断部11により組み付け確認を行うと判断されると、電動モータ20aを左側に駆動し、ステアリングシャフト3(ステアリングホイール1)を右側に回転する。言い換えると、ピニオンシャフト4が固定されていることからδ≒0(一定)となり、舵角比δ/θを0(すなわち1以下)に制御する。
時刻t2において、操舵角センサ2の操舵角θが、舵角比可変制御機構20により制御される最小舵角比に対応する最大ステアリングシャフト操舵角である右側θmax以上、かつ、操舵角センサ2の検出可能操舵角である右側θlim以下に到達すると、電動モータ20aの駆動を停止する。尚、実施例1では、θmax以上、かつ、θlim以下としたが、この範囲に設定された所定の操舵角θ1に到達した時に電動モータ20aの駆動を停止してもよい。
時刻t3において、電動モータ20aを右側に駆動し、ステアリングシャフト3(ステアリングホイール1)を左側に回転する。
時刻t4において、操舵角センサ2の操舵角θが、舵角比可変制御機構20により制御される最小舵角比に対応する最大ステアリングシャフト操舵角である左側θmax以上、かつ、操舵角センサ2の検出可能操舵角である左側θlim以下に到達すると、電動モータ20aの駆動を停止する。
時刻t5において、電動モータ20aを左側に駆動し、ステアリングシャフト3(ステアリングホイール1)を中立位置に戻し、時刻t6において操舵角θが中立位置に戻ると本制御を終了する。
〔スパイラルケーブル誤組み付け時の作用〕
次に、スパイラルケーブル誤組み付け時の作用を説明する。ここで、スパイラルケーブル21aは、右側に1回転分(操舵角にして360度)だけずれて組み付けられたものとする。
時刻t1〜時刻t3までは、上述の正常時と同様であるため説明を省略する。時刻t31において、ステアリングシャフト3の操舵角θがスパイラルケーブル21aの可動範囲を超えると、電動モータ20aの回転はスパイラルケーブル21aの張力により固定されるため、電動モータ20aに流れる電流値は逆起電圧が無くなるため上昇する。また、操舵角θも変化せず、固定値となる。このときは、スパイラルケーブル21aの誤組み付けが発生したと判断して修理作業を実行する。
(従来例との対比)
ここで、実施例1の作用を従来例との対比に基づいて説明する。ここでは従来例として、スパイラルケーブル21aの可動範囲全てにおいて電動モータ20aを駆動し、スパイラルケーブル21aの張力によって発生する電流負荷の上昇を検知するまでの操舵角θが所定値以上かどうか、また、左右の端部の間に中立位置が存在するかどうかを検出し、スパイラルケーブル誤組み付けを検出する方法を例に示す。
このような従来例の方法では、スパイラルケーブル21aはある程度の余裕を持ってステアリングシャフト3に巻き付けられているため、操舵角センサ2の検出可能操作量θlim以上までステアリングシャフト3が回転してしまうこととなる。すなわち、操舵角センサ2があり得ない値としてフェール判断をしてしまい、初期化をやり直す必要があり、好ましくない。一般に、操舵角センサ2の初期化は車両組立後、4輪のアライメント調整と同時に行われるため、スパイラルケーブル21aの誤組み付け検出により再度操舵角センサ2の初期化を行わなければならなかった。
図7はステアリングシャフト3の操舵角θと、ピニオンシャフト4の転舵角δの関係を表す図である。図7中、θminは最大舵角比制御時の最大ステアリングシャフト操舵角を表し、θconは非制御状態の最大ステアリングシャフト操舵角を表し、θmaxは最小舵角比制御時の最大ステアリングシャフト操舵角を表す。図7に示すように、舵角比可変制御機構20により最大舵角比となるように舵角比制御が行われている最中にフェールが発生し、転舵角が0のときに対応する操舵角0の位置(すなわち、中立位置)が左右どちからに最もずれ、転舵角が0のときに操舵角が発生している状態で非制御状態(コンベンショナルな車両状態)となった場合を想定する。図7に示すように、中立位置が左側にずれたままの状態で左側に操舵を行った場合、ステアリングシャフト3は最小舵角比に対応する最大ステアリングシャフト操舵角θmaxまで移動する。すなわち、最大ステアリングシャフト操舵角θmaxの範囲内にスパイラルケーブル21aの可動範囲が存在すれば、フェール時においてもステアリングシャフト3がスパイラルケーブル21aにより停止されるようなことはない。
尚、実施例1では最小舵角比と最大舵角比が非制御状態を中心に対称に設定されているため上記作用となるが、最小舵角比と最大舵角比が非制御状態を中心に非対称に設定されている場合は、例えば、最大舵角比に制御した状態で右側最大操舵時にフェールし、非制御状態となったままで左側操舵を行った場合の操舵角と、最小舵角比に制御した状態で左側操舵を行った場合の操舵角とを比較し、どちらか大きい方の操舵角を最大ステアリングシャフト操舵角θmaxと定義すればよい。
上記各課題に鑑み、実施例1では、舵角比可変制御機構20により制御される最小舵角比に対応する最大ステアリングシャフト操舵角である左側θmax以上、操舵角センサ2の検出可能操舵角であるθlim以下の範囲でスパイラルケーブル21aの誤組み付けを検出することとした。これにより、操舵角センサ2がフェール判断をすることがなく、初期化をやり直したりする必要がない。また、必要な範囲のみ誤組み付けを検知するため、従来例に比べて誤組み付け検出制御による作業時間を大幅に短縮することが可能となり、作業効率の向上を図ることができる。
実施例1の構成にあっては、下記に列挙する作用効果を奏する。
(1).スパイラルケーブル21aの組み付け確認を行うと判断されたときは、舵角比可変制御機構20の舵角比を1以下に制御する誤組み付け検出手段としての誤組み付け検出制御部10aを設けた。よって、突き当て手段により規制されるまでの間にステアリングホイール1の操舵角θを十分に確保することが可能となり、確実にスパイラルケーブル21aの誤組み付けを検出することができる。
(2).突き当て手段は、舵角比可変制御機構20により制御される最小舵角比に対応する最大ステアリングシャフト操舵角θmax以上、操舵角センサ2検出可能操舵角θlim以下の範囲でステアリングシャフト3の操作を規制する手段とした。よって、走行時に最小舵角比に制御されている状態でフェール状態となった場合に、中立ズレが発生した状態で反対側に操舵した場合に発生する操舵角θに対しても、スパイラルケーブル21aが引っかかることがない。また、操舵角センサ2がフェール判断をすることがなく、初期化をやり直したりする必要がない。また、必要な範囲のみ誤組み付けを検知するため、従来例に比べて誤組み付け検出制御による作業時間を大幅に短縮することが可能となり、作業効率の向上を図ることができる。
次に、実施例2について説明する。基本的な構成は実施例1と同様であるため異なる転について説明する。実施例1では、電動モータ20aの駆動によってスパイラルケーブル21aの誤組み付け検出を行った。これに対し、実施例2では作業者のステアリングホイール1の操作によって誤組み付け検出を行う。
図8は実施例2の舵角比可変制御装置の構成を表す概略図である。実施例2の舵角比可変制御装置では、報知手段としてのブザー12が設けられ、誤組み付け検出制御部10aからの制御信号により後述する作業状態を作業者に報知可能な構成となっている。
(誤組み付け検出制御)
次に、誤組み付け検出制御部10aにおいて実行されるスパイラルケーブル21aの誤組み付け検出制御及び、誤組み付け検出方法について説明する。実施例2の誤組み付け検出制御は、基本的に車両の組み立て工場や、修理工場等で行われるもので、車両には既に舵角比可変制御機構20及び操舵角センサ2が組み付けられ、各種センサの初期化等が行われた後に実行する。図9は誤組み付け検出制御を表すフローチャートである。
ステップ201では、操向輪8を直進状態に固定する(請求項9の第1行程に相当)。
ステップ202では、確認判断部11により組み付け確認を行うかどうかを判断し、組み付け確認を行うときはステップ102へ進み、それ以外は本制御フローを終了する。
ステップ203では、作業者に対しステアリングホイール1(ステアリングシャフト3)を右側に回転するよう指示する。このとき、電動モータ20aはフリーに回転可能な状態であり、言い換えると、ピニオンシャフト4が固定され(δ≒0(一定))、ステアリングシャフト3が回転されることから、舵角比δ/θを0(すなわち1以下)に制御することと同義である。尚、予め作業者により手順が決定されているときは、特に指示を出す必要はない。
ステップ204では、操舵角センサ2の操舵角θが、舵角比可変制御機構20により制御される最小舵角比に対応する最大ステアリングシャフト操舵角である右側θmax以上かどうかを判断し、条件を満たしたときはステップ205へ進み、それ以外はステップ203からステップ204を繰り返す。
ステップ205では、ブザー12により右側への回転を停止するよう作業者に報知する。
ステップ206では、ステアリングホイール1(ステアリングシャフト3)を左側に回転するよう指示する。
ステップ207では、操舵角センサ2の操舵角θが、舵角比可変制御機構20により制御される最小舵角比に対応する最大ステアリングシャフト操舵角である左側θmax以上かどうかを判断し、条件を満たしたときはステップ208へ進み、それ以外はステップ206からステップ207を繰り返す。
ステップ208では、ブザー12により右側への回転を停止するよう作業者に報知する。
ステップ209では、ステアリングホイール1を左右に回転させた際、右端及び左端でブザーが報知したかどうかを判断し、報知した場合は、スパイラルケーブル21aによる引っ掛かりなどが無いと判定して本制御フローを終了し、それ以外のときはステップ210に進む。
ステップ210では、スパイラルケーブル21aの誤組み付けを解消する修理作業を実行する。
(誤組み付け検出制御の作用)
次に、誤組み付け検出制御の作用について説明する。基本的な作用は実施例1と同様であるため異なる点についてのみ説明する。実施例1では電動モータ20aの駆動によってステアリングシャフト3(ステアリングホイール1)を回転させた。これに対し、実施例2では、作業者のステアリングホイール1の左右方向の操舵によって検出する点が異なる。尚、操舵角センサ2の値は実施例1で説明した図6に示すタイムチャートと同様であり、ピニオンシャフト4を固定した状態で、ステアリングホイール1を回転させたときに回転する電動モータ20aの回転も実施例1で説明した図6に示すタイムチャートと同様(ただし、電動モータ駆動用の電流は流していない)であるため、図6のタイムチャートを用いて説明する。
〔スパイラルケーブル正常組み付け時の作用〕
時刻t1において、確認判断部11により組み付け確認を行うと判断されると、ステアリングホイール1(ステアリングシャフト3)を右側に回転する。言い換えると、ピニオンシャフト4が固定されていることからδ≒0(一定)となり、舵角比δ/θを0(すなわち1以下)に制御しているのと同義である。
時刻t2において、操舵角センサ2の操舵角θが、舵角比可変制御機構20により制御される最小舵角比に対応する最大ステアリングシャフト操舵角である右側θmax以上に到達すると、ブザー12により右側への回転を停止するよう作業者に報知する。尚、実施例2では、θmax以上としたが、この範囲に設定された所定の操舵角θ1に到達した時にブザー12により報知してもよい。
時刻t3において、ステアリングホイール1(ステアリングシャフト3)を左側に回転する。
時刻t4において、操舵角センサ2の操舵角θが、舵角比可変制御機構20により制御される最小舵角比に対応する最大ステアリングシャフト操舵角である左側θmax以上に到達すると、ブザー12により左側への回転を停止するよう作業者に報知する。
時刻t5において、ステアリングホイール1(ステアリングシャフト3)を中立位置に戻し、時刻t6において操舵角θが中立位置に戻ると本制御を終了する。
〔スパイラルケーブル誤組み付け時の作用〕
次に、スパイラルケーブル誤組み付け時の作用を説明する。ここで、スパイラルケーブル21aは、右側に1回転分(操舵角にして360度)だけずれて組み付けられたものとする。
時刻t1〜時刻t3までは、上述の正常時と同様であるため説明を省略する。時刻t31において、ステアリングホイール1の操舵角θがスパイラルケーブル21aの可動範囲を超えると、ステアリングシャフト3の回転はスパイラルケーブル21aの張力により固定されるため、左側θmax以上の領域に到達することができない。また、操舵角θも変化せず、固定値となる。よって、左側の操舵に対してブザー12による報知ができず、このときは、スパイラルケーブル21aの誤組み付けが発生したと判断して修理作業を実行する。
実施例2では、舵角比可変制御機構20により制御される最小舵角比に対応する最大ステアリングシャフト操舵角である左側θmax以上でスパイラルケーブル21aの誤組み付けを検出することとした。これにより、操舵角センサ2がフェール判断をすることがなく、初期化をやり直したりする必要がない。また、必要な範囲のみ誤組み付けを検知するため、従来例に比べて誤組み付け検出制御による作業時間を大幅に短縮することが可能となり、作業効率の向上を図ることができる。
尚、実施例2では、θmax以上の領域に到達したときにブザー12により報知したが、ブザー等の音による報知以外に画像表示やランプ点灯によって報知してもよい。また、電動モータ20aによりステアリングシャフト3の回転を停止する方向に反力を発生させ、作業者に報知してもよい。また、θlimに到達した場合には、電動モータ20aの駆動によりステアリングシャフト3に反力を発生させ、それ以上ステアリングシャフト3が回転しないように阻止しても良いし、図外の電動パワーステアリング機構等によって反力を発生させてもよい。これにより、操舵角センサ2のフェール判断を確実に防止できる。
実施例2については、実施例1の作用効果に加えて下記に列挙する作用効果を奏する。
(3).スパイラルケーブル21aの組み付け確認をするとき、最大ステアリングシャフト操舵角θmax以上、操舵角センサ2検出可能操舵角θlim以下の範囲にあることを報知する報知手段(具体的には、ブザー12等)を設けた。よって、作業者等に必要な作業が行われたことを報知することで、作業負担を軽減することができる。
次に、実施例3について説明する。基本的な構成は実施例1,2と同様であるため、異なる点についてのみ説明する。実施例1,2では、共にピニオンシャフト4を固定し、ステアリングシャフト3(ステアリングホイール1)を回転させることで誤組み付け検出を行った。これに対し、実施例3では、ピニオンシャフト4を固定することなく誤組み付け検出を行う点が異なる。
図10は実施例3の舵角比可変制御装置の構成を表す概略図である。ラック軸7には、
このラック軸7の軸方向移動量を物理的に規制するラックストッパ7a,7bが左右両方に設けられている。ラックストッパ7a,7bは、車体側に設けられた係合部50a,50bと係合することでラック軸7の軸方向移動が規制される。
(誤組み付け検出制御)
次に、誤組み付け検出制御部10aにおいて実行されるスパイラルケーブル21aの誤組み付け検出制御及び、誤組み付け検出方法について説明する。実施例3の誤組み付け検出制御は、基本的に車両の組み立て工場や、修理工場等で行われるもので、車両には既に舵角比可変制御機構20及び操舵角センサ2が組み付けられ、各種センサの初期化等が行われた後に実行する。図11は誤組み付け検出制御を表すフローチャートである。
ステップ301では、確認判断部11により組み付け確認を行うかどうかを判断し、組み付け確認を行うときはステップ302へ進み、それ以外は本制御フローを終了する。
ステップ302では、作業者に対しステアリングホイール1(ステアリングシャフト3)を右側に回転するよう指示する。尚、予め作業者により手順が決定されているときは、特に指示を出す必要はない。
ステップ303では、誤組み付け検出制御部10aにおいて、ステアリングホイール1が操作可能な最大操舵角θmaxと、前記ピニオンシャフト4がラックストッパ7a,7bに規制される最大転舵角δmaxとが一致するように最小舵角比に制御する。このとき、電動モータ20aは上記パターン(3)で説明したように、ステアリングシャフト3を右側に操舵するとき、アシストコントロールユニット10により舵角比δ/θを1よりも小さくする制御指令が出力され、ロータ23がステアリングシャフト3よりも低回転となり、ステアリングシャフト3の回転速度よりもピニオンシャフト4の回転速度を減速する。
ステップ304では、ラックストッパ7a,7bにより規制されたかどうかを判断し、規制されたときはスパイラルケーブル21aによる引っ掛かりなどが無いと判定してステップ306へ進み、それ以外はステップ305へ進む。尚、ラックストッパ7a,7bにより規制されたかどうかは、操舵角センサ2の操舵角θが、ステアリングホイール1が操作可能な最大ステアリングシャフト操舵角である右側θmax以上かどうかで判断してもよいし、作業者が予め定められたステアリングホイール1操作量を操作したかどうかによって判断してもよい。
ステップ305では、ステアリングホイール1を操作している途中で引っ掛かりがあったかどうかを判断し、引っ掛かりがあるときはステップ310へ進んで修理作業を行い、それ以外のときはステップ302〜ステップ304を繰り返す。
ステップ306では、作業者に対しステアリングホイール1(ステアリングシャフト3)を左側に回転するよう指示する。尚、予め作業者により手順が決定されているときは、特に指示を出す必要はない。
ステップ307では、誤組み付け検出制御部10aにおいて、ステアリングホイール1が操作可能な最大操舵角θmaxと、前記ピニオンシャフト4がラックストッパ7a,7bに規制される最大転舵角δmaxとが一致するように最小舵角比に制御する。このとき、電動モータ20aは上記パターン(3)で説明したように、ステアリングシャフト3を右側に操舵するとき、アシストコントロールユニット10により舵角比δ/θを1よりも小さくする制御指令が出力され、ロータ23がステアリングシャフト3よりも低回転となり、ステアリングシャフト3の回転速度よりもピニオンシャフト4の回転速度を減速する。
ステップ308では、ラックストッパ7a,7bにより規制されたかどうかを判断し、規制されたときはスパイラルケーブル21aによる引っ掛かりなどが無いと判定して本制御を終了し、それ以外はステップ309へ進む。この判定についてはもステップ304と同様である。
ステップ309では、ステアリングホイール1を操作している途中で引っ掛かりがあったかどうかを判断し、引っ掛かりがあるときはステップ310へ進んで修理作業を行い、それ以外のときはステップ306〜ステップ308を繰り返す。
ステップ310では、スパイラルケーブル21aの誤組み付けを解消する修理作業を実行する。
(誤組み付け検出制御の作用)
次に、誤組み付け検出制御の作用について図12のタイムチャートに基づいて説明する。図12中、細い実線は従来技術におけるステアリングシャフト3の操舵角θの経時変化を表し、太い実線は実施例3のステアリングシャフト3の操舵角θの経時変化を表し、太い点線はピニオンシャフト4の転舵角δの経時変化を表す。また、操舵角θ及び転舵角δのタイムチャートの図中左側縦軸方向には、スパイラルケーブル21aの可動範囲を表す。この縦軸の範囲内であればスパイラルケーブル21aがステアリングシャフト3の回転を阻害することがなく、この範囲を外れたときにステアリングシャフト3の回転は停止される。
〔スパイラルケーブル正常組み付け時の作用〕
時刻t1において、確認判断部11により組み付け確認を行うと判断されると、ステアリングホイール1(ステアリングシャフト3)を右側に回転する。このとき、誤組み付け検出制御部10aにより舵角比δ/θは1よりも小さく制御しているため、舵角比=1(図12中点線参照)よりも転舵角δは小さく制御されている。
時刻t2において、操舵角センサ2の操舵角θが、ステアリングホイール1が操作可能な最大ステアリングシャフト操舵角である右側θmax以上に到達すると、ラックストッパ7aが車体側の係合部50aと突き当たる。尚、実施例3では、θmax以上としたが、この範囲に設定された所定の操舵角θ1に到達した時にラックストッパが突き当たる構成としてもよい。
時刻t3において、ステアリングホイール1(ステアリングシャフト3)を左側に回転する。
時刻t4において、操舵角センサ2の操舵角θが、ステアリングホイール1が操作可能な最大ステアリングシャフト操舵角である左側θmax以上に到達すると、ラックストッパ7bが車体側の係合部50bと突き当たる。
時刻t5において、ステアリングホイール1(ステアリングシャフト3)を中立位置に戻し、時刻t6において操舵角θが中立位置に戻ると本制御を終了する。尚、アシストコントロールユニット10内に中立ズレ修正用の手段を備えている場合は、中立位置に戻すことなく作業を終了したとしても、自動的に中立位置が修正される。
〔スパイラルケーブル誤組み付け時の作用〕
次に、スパイラルケーブル誤組み付け時の作用を説明する。ここで、スパイラルケーブル21aは、右側に1回転分(操舵角にして360度)だけずれて組み付けられたものとする。
時刻t1は、上述の正常時と同様であるため説明を省略する。時刻t11において、ステアリングホイール1の操舵角θがスパイラルケーブル21aの可動範囲を超えると、ステアリングシャフト3の回転はスパイラルケーブル21aの張力により固定されるため、右側θmax以上の領域に到達することができない。また、ラックストッパ7aも係合部50aに突き当たっていない。よって、右側の操舵に対して右側θmaxに到達できないため、このときは、スパイラルケーブル21aの誤組み付けが発生したと判断して修理作業を実行する。
(従来例との対比)
ここで、実施例3の作用を従来例との対比に基づいて説明する。ここでは従来例として、通常の舵角比可変制御が実行された場合の構成を例に示す。尚、通常の舵角比可変制御とは、図13の操舵角θ−転舵角δ相関図に示すように、車速等に基づいて運転者の操舵角θに対する転舵角δを設定する制御であり、通常、車両停止状態では舵角比=1以上(最大舵角比相当)に設定し、運転者のステアリング操作負担の軽減を図るよう制御されるものである。
実施例3の誤組み付け検出制御は、基本的に車両の組み立て工場や、修理工場等で行われるもので、車両には既に舵角比可変制御機構20及び操舵角センサ2が組み付けられ、各種センサの初期化等が行われた後に実行する。このとき、作業者が単にステアリングホイール1を操作した場合には、図12中、細い実線で示すように舵角比可変制御機構20の作用によって転舵角δは図12中、点線で示すように制御されることとなる。このとき、転舵角δは操舵角θよりも大きくなるように、言い換えると舵角比δ/θが1より大きな値で制御される。
ここで、スパイラルケーブル21aが右側に1回転分足りない状態で誤組み付けされている場合(操舵角θの可動範囲がスパイラルケーブル21aによってθfailに制限されている場合)について説明する。操舵角θが上昇すると、転舵角δは操舵角θよりも大きな傾きで上昇する。よって、操舵角θがθfailに到達する前にラックストッパ7aは車体側の係合部50aと係合することとなり、それ以上はステアリングホイール1は回転しない。このとき、スパイラルケーブル21aが誤組み付けされている場合であっても、ラックストッパ7aと係合部50aの係合により、誤組み付けされているかどうかを検出することはできない。
これに対し、実施例3では、ステアリングホイール1が操作可能な最大操舵角θmaxと、ピニオンシャフト4がラックストッパ7a,7bにより規制される最大転舵角δmaxとが一致する舵角比δ/θが1以下の値、すなわち最小舵角比に制御される。よって、操舵角θが最大操舵角θmaxに到達する前に転舵角δが最大転舵角δmaxに到達することがなく、スパイラルケーブル21aの誤組み付けが発生している場合には、最大舵角θmaxに到達する前に確実に検出することができる。
また、実施例1の図7において説明したように、舵角比可変制御機構20により最大舵角比となるように舵角比制御が行われている最中にフェールが発生し、中立位置が最もずれたままの状態を維持し非制御状態(コンベンショナルな車両状態)となった場合でも、最大ステアリングシャフト操舵角θmaxの範囲内にスパイラルケーブル21aの可動範囲が存在すれば、フェール時においてもステアリングシャフト3がスパイラルケーブル21aにより停止されるようなことはない。
また、突き当て手段として、ラックストッパ7a,7bと係合部50a,50bとの係合による手段としたことで、操舵角θmaxがそれ以上回転してしまうことがない。よって、操舵角センサ2等がフェール判断をすることがなく、初期化をやり直したりする必要がない。また、必要な範囲のみ誤組み付けを検知するため、従来例に比べて誤組み付け検出制御による作業時間を大幅に短縮することが可能となり、作業効率の向上を図ることができる。
尚、実施例3では、舵角比δ/θが最小舵角比に対応するよう制御したが、操舵角θが最大操舵角θmaxに到達したときに、ピニオンシャフト4の転舵角δが最大転舵角δmaxに到達するよう制御すればよい。例えば、ステアリングホイール1を操作開始直後は、舵角比δ/θを最小舵角比よりも更に小さな舵角比とし、途中から舵角比=1もしくはそれ以上として制御してもよく、特に限定しない。
実施例3にあっては、下記に示す作用効果を奏する。
(4).突き当て手段を、ラック軸7の軸方向移動量を物理的に規制するラックストッパ7a,7bとし、ステアリングホイール1が操作可能な最大操舵角θmaxと、ピニオンシャフト4がラックストッパ7a,7bにより規制される最大転舵角δmaxとが一致する舵角比に制御する手段とした。よって、誤組み付け検出制御の開始時に操向輪8を直進状態に固定することなく、誤組み付け検出を行うことができる。
基本的な構成は実施例3と同様であるため、異なる点についてのみ説明する。実施例3では、作業者のステアリングホイール1操作によってステアリングシャフト3(ステアリングホイール1)を回転させることで誤組み付け検出を行った。これに対し、実施例4では、電動パワーステアリング機構30によりピニオンシャフト4を回転し、誤組み付け検出を行う点が異なる。
図14は実施例4の舵角比可変制御装置の構成を表す概略図である。ピニオンシャフト4上には、運転者の操舵力をアシストする電動パワーステアリング機構30(以下、EPSと記載)が設けられている。このEPS30は、通常制御時にあっては、運転者の操舵トルクや車速等に基づいて所望のトルクを発生可能な構成とされている。実施例4のEPS30にあっては、誤組み付け検出制御部10aからの制御指令に基づいて駆動可能に構成されている。尚、EPS30用のコントロールユニットを別途備え、通信等によりアシストコントロールユニット10からの指令信号に基づいて制御してもよく、特に限定しない。
(誤組み付け検出制御)
次に、誤組み付け検出制御部10aにおいて実行されるスパイラルケーブル21aの誤組み付け検出制御及び、誤組み付け検出方法について説明する。実施例4の誤組み付け検出制御は、基本的に車両の組み立て工場や、修理工場等で行われるもので、車両には既に舵角比可変制御機構20,EPS30及び操舵角センサ2が組み付けられ、各種センサの初期化等が行われた後に実行する。図15は誤組み付け検出制御を表すフローチャートである。
ステップ401では、確認判断部11により組み付け確認を行うかどうかを判断し、組み付け確認を行うときはステップ402へ進み、それ以外は本制御フローを終了する。
ステップ402では、EPS30に対し、ピニオンシャフト4を右側に回転するよう制御指令を出力する。
ステップ403では、誤組み付け検出制御部10aにおいて、ステアリングホイール1が操作可能な最大操舵角θmaxと、前記ピニオンシャフト4がラックストッパ7a,7bに規制される最大転舵角δmaxとが一致する最小舵角比に制御する。このとき、電動モータ20aは上記パターン(3)で説明したように、EPS30によりピニオンシャフト4を右側に転舵するとき、アシストコントロールユニット10により舵角比δ/θを1よりも小さくする制御指令が出力され、ロータ23がピニオンシャフト4よりも低回転となり、ステアリングシャフト3の回転速度をピニオンシャフト4の回転速度よりも増速する。
ステップ404では、ラックストッパ7a,7bにより規制されたかどうかを判断し、規制されたときはスパイラルケーブル21aによる引っ掛かりなどが無いと判定してステップ306へ進み、それ以外はステップ305へ進む。尚、ラックストッパ7a,7bにより規制されたかどうかは、操舵角センサ2の操舵角θが、ステアリングホイール1が操作可能な最大ステアリングシャフト操舵角である右側θmax以上かどうかで判断してもよいし、EPS30の電流指令値の変化からラックストッパ7a,7bにより規制されたと判断してもよいし、EPS30に備えられた図外の回転数センサ等によって判断してもよく特に限定しない。
ステップ405では、ステアリングホイール1を操作している途中で引っ掛かりがあったかどうかを判断し、引っ掛かりがあるときはステップ310へ進んで修理作業を行い、それ以外のときはステップ302〜ステップ304を繰り返す。尚、引っ掛かりがあったかどうかは、電動モータ20aの電流値に基づいて負荷を検出しても良いし、EPS30の電流値に基づいて負荷を検出してもよく、特に限定しない。
ステップ406では、誤組み付け検出制御部10aにおいて、ステアリングホイール1が操作可能な最大操舵角θmaxと、前記ピニオンシャフト4がラックストッパ7a,7bに規制される最大転舵角δmaxとが一致する舵角比に制御する。このとき、電動モータ20aは上記パターン(3)で説明したように、EPS30によりピニオンシャフト4を左側に転舵するとき、アシストコントロールユニット10により舵角比δ/θを1よりも小さくする制御指令が出力され、ロータ23がピニオンシャフト4よりも低回転となり、ステアリングシャフト3の回転速度をピニオンシャフト4の回転速度よりも増速する。
ステップ407では、誤組み付け検出制御部10aにおいて、ステアリングホイール1が操作可能な最大操舵角θmaxと、前記ピニオンシャフト4がラックストッパ7a,7bに規制される最大転舵角δmaxとが一致する舵角比に制御する。
ステップ408では、ラックストッパ7a,7bにより規制されたかどうかを判断し、規制されたときはスパイラルケーブル21aによる引っ掛かりなどが無いと判定して本制御を終了し、それ以外はステップ309へ進む。この判定についてもステップ405で説明した場合と同様である。
ステップ409では、ステアリングホイール1を操作している途中で引っ掛かりがあったかどうかを判断し、引っ掛かりがあるときはステップ310へ進んで修理作業を行い、それ以外のときはステップ306〜ステップ308を繰り返す。
ステップ410では、スパイラルケーブル21aの誤組み付けを解消する修理作業を実行する。
(誤組み付け検出制御の作用)
次に、実施例4の誤組み付け検出制御の作用について説明する。基本的な作用は実施例3と同じであるため、異なる点についてのみ説明する。実施例3では、作業者のステアリングホイール1の操作によって誤組み付け検出を行った。これに対し、実施例4では、EPS30の回転によりピニオンシャフト4を回転し、この回転によりステアリングシャフト3及びステアリングホイール1を回転することで誤組み付け検出を行う点が異なる。
実施例4では、実施例3の作用効果に加えて、下記に示す効果を有する。
(5).EPS30の操作によって突き当て手段としてのラックストッパ7a,7bを係合部50a,50bに当接させた。よって、全ての作業を完全に自動化することができる。また、実施例1のように操向輪8を固定するといった作業を必要とせず、確実にスパイラルケーブル21aの誤組み付けを検出することができる。
次に実施例5について説明する。基本的な構成は実施例3と同様であるため、異なる点についてのみ説明する。尚、実施例5では、より明確に前提条件を考慮した実施例であるため、まず、前提条件及びその前提条件に対応する検討事項についての定義を明確化し下記に記載する。
(転舵角に対する検討事項)
図16は転舵角(ピニオン角)に発生しうる誤差を含めた転舵角最小値及び転舵角最大値の関係を表す図である。車両には、片側(例えば右側)の転舵角設計値に対し、ラックストロークの公差やトー調整などの要素によって、バラツキが生じる。例えば、図16に示すように、車両設計上の転舵角設計値を片側でaと設定する。また、ラックストロークの公差を±b、トー調整によるバラツキを±c、操舵角センサ2やアクチュエータ(舵角比可変制御機構20等)の取付によるバラツキを±dとする。
このとき、片側の転舵角である片側ピニオン角最小値δminは全ての公差やバラツキがマイナス側となった場合であるため、δmin=(a−b−c−d)により表される。また、片側の転舵角である片側ピニオン角最大値δmaxは全ての公差やバラツキがプラス側となった場合であるため、δmax=(a+b+c+d)により表される。まず、転舵角にはこれら転舵角δの誤差が存在することを前提としなければならない。
(操舵角に対する検討事項)
〔最大ステアリングシャフト操舵角について〕
誤組み付け検出制御は、全ての車両に同一の判断基準を設けるため、バラツキが最も大きい車両に対応可能な基準を全車両に設ける必要がある。図17は操舵角に要求される角度範囲を表す図である。以下、片側のみについて説明するが、基本的に左右対称に設計するため、反対側の操舵角についても同様に設定すればよい。
設計値ベースの値として、操舵角設計値範囲をSa、この設計値範囲に基づいた通常制御時の操舵角使用範囲をSua、図7で説明したようなシステムフェール時に中立位置が左右どちらかに最もずれたときに使用する設計値に基づいた操舵角範囲をSfaとする。
設計値ベースから片側ピニオン角最小δminに対応する値として、図16において説明した片側ピニオン角最小値δminのときに対応する片側操舵角最小の操舵角範囲をSamin、この操舵角範囲に基づいた通常制御時の操舵角使用範囲をSuamin、フェール時に最もずれたときに使用する操舵角範囲をSfaminとする。
設計値ベースから片側ピニオン角最大δmaxに対応する値として、図16において説明した片側ピニオン角最大値δmaxのときに対応する片側操舵角最大の操舵角範囲をSamax、この操舵角範囲に基づいた通常制御時の操舵角使用範囲をSuamax、フェール時に最もずれたときに使用する操舵角範囲をSfamaxとする。
図17から理解されるように、全ての車両に適用可能な誤組み付け検出制御の場合、誤組み付け検出制御において確認する必要のある操舵角範囲は、片側ピニオン角最大値Sfamaxに対応する値である。よって、最大ステアリングシャフト操舵角はSfamaxとなり、この値を以下Aとして記述する。
〔操作可能な最大操舵角について〕
操作可能な最大操舵角とは、誤組み付け検出制御時にこれ以上の値まで操舵した場合、操舵角センサ2の検出可能範囲を超過し、舵角比可変制御機構20がフェールしてしまう、又は、エアバッグ用のスパイラルケーブルを切断するなどの問題が発生する値である。図18は操作可能な最大操舵角を表す具体例である。図18中、αは、(運転者の操舵使用範囲)<(操舵角センサ信号の検出可能範囲)<(エアバッグスパイラルの可動範囲)の関係にある場合を表す。このとき、操作可能な最大操舵角は操舵角センサ信号の検出可能範囲に規定される。図18中、βは、(運転者の操舵使用範囲)<(エアバッグスパイラルの可動範囲)<(操舵角センサ信号の検出可能範囲)の関係にある場合を表す。このとき、操作可能な最大操舵角はエアバッグスパイラルの組み付け範囲に規定される。
上述したように、操作可能な最大操舵角を規定する要素は、エアバッグスパイラルもしくは操舵角センサ2の両要素が考えられ、どちらかによって規定された範囲を操作可能な最大操舵角Bとして記述する。
(誤組み付け検出制御処理において考慮する条件)
次に、誤組み付け検出制御処理を行う上で考慮しなければならない条件について説明する。この条件は以下の2つの条件に集約できる。
条件1)バラツキを含めた全ての車両で、誤組み付け検出制御で確認の必要な範囲まで操舵することが可能であること。言い換えると、最大ステアリングシャフト操舵角Aまでスパイラルケーブル等に引っかからないようにすることであり、引っかかる場合には必要な範囲の誤組み付け検出制御が実行できないからである。
条件2)操作可能な最大操舵角Bを超過しないようにすること。言い換えると、操作可能な最大操舵角Bを超過する場合には、システムフェールもしくはエアバッグスパイラルの破断等を招き、作業性の低下を招くからである。
図19は上記条件1を操舵角と転舵角の関係を用いて表す図である。図19の点線に示す舵角比で誤組み付け検出制御する際、誤組み付け検出制御対象車両がバラツキ最小の場合(δminに相当)、最大ステアリングシャフト操舵角Aの範囲内でラックストッパ7a,7bに当接してしまい、スパイラル誤組み付けによるロックと区別できず、正確に誤組み付け検出制御できない。よって、図19の実線に示すように、誤組み付け検出制御対象車両がバラツキ最小の場合であっても、最大ステアリングシャフト操舵角Aの範囲内でラックストッパ7a,7bに当接することのない舵角比で制御しなければならない。
図20は上記条件2を操舵角と転舵角の関係を用いて表す図である。図20の点線に示す舵角比で誤組み付け検出制御する際、誤組み付け検出制御対象車両がバラツキ最大の場合(δmaxに相当)、操作可能な最大操舵角Bにおいてラックストッパ7a,7bに当接しないと、Bを越えてもラックストッパ7a,7bによりロックしないため、システムのフェールやエアバッグスパイラルの破断が発生する虞がある。よって、図20の実線に示すように、誤組み付け検出制御対象車両がバラツキ最大の場合であっても、操作可能な最大操舵角Bにおいてラックストッパ7a,7bに当接する舵角比で制御しなければならない。
ここで、具体的な例について説明する。図21は、転舵角のバラツキの最大側(δmax)が500度、最小側(δmin)が450度であり、Aが550度、Bが700度のような車種における誤組み付け検出制御を表す図である。図21に示すように、この車種にあっては、条件1及び条件2を同時に満たす舵角比を一定として設計することが可能である。具体的には、Aにおいてバラツキ最小であってもラックストッパ7a,7bに当接せず、一方、Bに至る手前でバラツキ最大であってもラックストッパ7a,7bに当接させることができる。
しかしながら、舵角比を一定として設計することが不可能な関係が存在する場合を見出した。図22及び図23は、転舵角のバラツキの最大側(δmax)が550度、最小側(δmin)が450度であり、Aが650度、Bが700度のような車種における誤組み付け検出制御を表す図である。
図22に示すように、条件1を満たすべく、Aにおいてバラツキ最小であってもラックストッパ7a,7bに当接しないような舵角比を設定すると、バラツキ最大の車両に適用した場合、Bを超過してもラックストッパ7a,7bに当接できず、条件2を満たすことができない。
図23に示すように、条件2を満たすべく、Bにおいてバラツキ最大であってもBに到達する前にラックストッパ7a,7bにより当接する舵角比を設定すると、バラツキ最小の車両に適用した場合、Aに到達する前にラックストッパ7a,7bに当接してしまい、条件1を満たすことができない。
そこで、実施例5では、中立位置から最大ステアリングシャフト操舵角Aまでの範囲と、最大ステアリングシャフト操舵角Aから操作可能な最大操舵角Bまでの範囲とで、異なる舵角比を設定することで、上記課題を解決することとした。
(誤組み付け検出制御)
次に、実施例5の誤組み付け検出制御部10aにおいて実行されるスパイラルケーブル21aの誤組み付け検出制御及び、誤組み付け検出方法について説明する。実施例5の誤組み付け検出制御は、基本的に車両の組み立て工場や、修理工場等で行われるもので、車両には既に舵角比可変制御機構20及び操舵角センサ2が組み付けられ、各種センサの初期化等が行われた後に実行する。
図24は誤組み付け検出制御を表すフローチャートである。尚、実施例5を適用する車種は、バラツキ最小値δmin=450°、バラツキ最大値δmax=550°、最大ステアリングシャフト操舵角A=650°、操作可能な最大操舵角B=700°に設定されているものとする。
ステップ501では、操向輪8及びステアリングホイール1の中立位置を合わせる。
ステップ502では、確認判断部11により組み付け確認を行うかどうかを判断し、組み付け確認を行うときはステップ503へ進み、それ以外は本制御フローを終了する。
ステップ503では、作業者に対しステアリングホイール1(ステアリングシャフト3)を右側に回転するよう指示する。尚、予め作業者により手順が決定されているときは、特に指示を出す必要はない。また、実施例4のようにEPS30により操作してもよく、特に限定しない。
ステップ504では、誤組み付け検出制御部10aにおいて、第1の舵角比制御を実行する。ここで、第1の舵角比とは、最大ステアリングシャフト操舵角Aに到達するまでの操舵角と転舵角の関係を、Aにおいてバラツキ最小であってもラックストッパ7a,7bに当接しないような舵角比を表す。よって、第1の舵角比=(δmin/A)により規定される。尚、実施例5では、余裕を持ってδminを440°に設定した第1の舵角比で制御するものとする。
ステップ505では、ステアリングホイール1を操作している途中で引っ掛かりがあったかどうかを判断し、引っ掛かりがあるときはステップ516へ進んで修理作業を行い、それ以外のときはステップ506へ進む。
ステップ506では、操舵角θが最大ステアリングシャフト操舵角Aよりも大きいかどうかを判断し、大きいときはステップ507へ進み、それ以外のときはステップ504〜ステップ506を繰り返し、第1の舵角比による制御を継続する。
ステップ507では、ラックストッパ7a,7bに当接するまで第2の舵角比特性に制御する。ここで、第2の舵角比とは、最大ステアリングシャフト操舵角Aを超過した後、操作可能な最大操舵角Bまでの操舵角と転舵角の関係を、Bに至るまでの間にバラツキ最大であってもラックストッパ7a,7bに当接する舵角比特性を表す。第2の舵角比は、A(=650°)まで第1の舵角比で転舵された後、B(=700°)まで操舵された際に、転舵角がばらつき最大側である550°まで必ず到達するように設定する。
つまり、操舵角がBのときの転舵角を550°以上に設定し、上記第1の舵角比で決定される操舵角がAの位置での転舵角の値と直線で結べばよい。例えば、操舵角がBの位置での転舵角の値を560°にした場合、第2の舵角比特性は、転舵角と操舵角との関係が下記式を満たすように設定する。
転舵角={(560°-440°)/(700°-650°)}×操舵角-1120°
ステップ508では、ラックストッパ7a,7bに当接した後、ステアリングホイール1を中立位置に戻す。尚、中立位置に戻すときは、当然のことながら操舵角がAに戻るまでは第2の舵角比特性で制御し、操舵角がAから中立に戻るまでは第1の舵角比で制御することで、中立位置がずれないように制御するものとする。
ステップ509〜ステップ515では、上記右側において行った制御を左側において行うステップであり、左右反対以外は同じであるため説明を省略する。
図25は実施例5の誤組み付け検出制御処理による操舵角と転舵角の関係を表す図である。図25に示すように、中立位置から最大ステアリングシャフト操舵角Aの範囲を第1の舵角比制御エリアとして制御され、最大ステアリングシャフト操舵角Aから操作可能な最大操舵角Bまでの範囲を第2の舵角比制御エリアとして制御される。これにより、操舵角がAにおいては条件1を満たし、操舵角がAを超過してBに到達する前に条件2を満たすことが可能となる。これにより、確実に誤組み付け検出制御を実行可能とするとともに、操舵角センサ2がフェールに陥ることや、エアバッグスパイラル等の破断を回避することができる。
以上説明したように、実施例5の舵角比可変制御装置にあっては、下記に列挙する作用効果を得ることができる。
(6)舵角比可変制御機構20により制御される最小舵角比に対応する最大ステアリングシャフト操舵角Aに到達するまでの舵角比を、最大ステアリングシャフト操舵角A以上のときに最大転舵角の下限値δmin以下の転舵角となる1以下の第1の舵角比特性に設定し、最大ステアリングシャフト操舵角Aを越えたときはラックストッパ7a,7bにより規制することとした。
よって、バラツキを含めた全ての車両で、誤組み付け検出制御で確認の必要な範囲まで操舵することが可能となり、最大ステアリングシャフト操舵角Aまでスパイラルケーブル等に引っかからないようにすることで、必要な範囲の誤組み付け検出制御を実行することができる。尚、実施例5では、突き当て手段をラックストッパ7a,7bとしたが、操舵角センサ2の信号に基づいて所定操舵角以上のときに警報音を発してもよいし、EPS30等を備えた場合は、EPS30により反力を与えてストッパ機能を発揮させてもよい。
(7)最大ステアリングシャフト操舵角Aを越え、かつ、ステアリングホイールが操作可能な最大操舵角B以下でラックストッパ7a,7bにより規制することとした。
よって、操作可能な最大操舵角Bを超過することがなく、システムフェールもしくはエアバッグスパイラルの破断等を回避しつつ、誤組み付け検出制御を実行することで、作業性の向上を図ることができる。
(8)突き当て手段を、ラック軸の軸方向移動量を物理的に規制するラックストッパ7a,7bとし、ステアリングホイール1が操作可能な最大操舵角Bで、最大転舵角の上限値δmax以上の転舵角となるように1以下の第2の舵角比特性に設定することとした。
よって、第2の舵角比特性で制御している間に、操作可能な最大操舵角Bを超過する前にラックストッパ7a,7bにより規制することが可能となり、確実にシステムフェールもしくはエアバッグスパイラルの破断等を回避しつつ、誤組み付け検出制御を実行することができる。
次に、実施例6について説明する。基本的な構成は実施例5と同じであるため、異なる点についてのみ説明する。実施例5では、操作可能な最大操舵角Bの値を、操舵角センサ2の値がシステムフェールと判断しない範囲で設定していた(図18のα参照)。これに対し、実施例6では、図18のαにおいて示す操作可能な最大操舵角の範囲をエアバッグスパイラルの組み付け範囲近傍に拡大するものである。
通常、舵角比可変制御機構等のように操舵角センサ2からのセンサ情報を用いるシステムでは、操舵角センサ2から送信されてくる値が一定値を超えた場合、操舵角センサ2が故障していると判断してシステムを停止させるセンサフェール対応ロジックを搭載していることがある。
ここで、誤組み付け検出制御処理において、このロジックを解除することができれば、操作可能な最大操舵角Bを拡大することが可能である。具体的には、操作可能な最大操舵角Bが舵角比とラックストッパ7a,7bにより決定されている場合、ステアリングホイール1側にロック機構が存在しないことから、エアバッグスパイラル破断を回避可能な範囲であれば拡大可能である。
上述の「操舵角センサ2から送信されてくる値が一定値を超えた場合」の一定値とは、操舵角センサ2の構造により決定され、正しく操舵角を検出できる範囲の上限値を表す。例えば、操舵角センサ2の検出可能範囲が700°であり、エアバッグスパイラルの切断ポイントが750°であった場合、上記ロジックを解除することにより、Bを700°から750°まで拡大することが可能となり、設計の自由度を向上させることができる。
本実施例6の具体的な制御内容は、実施例5において説明したフローチャートにおいて、ステップ502において組み付け確認を実行すると判断したときは、上記ロジックを解除する指令をアシストコントロールユニット10に出力し、ステップ507における第2の舵角比特性を算出する際に、拡大されたBを用いて制御することで達成可能である。
実施例6にあっては、下記に示す作用効果を得ることができる。
(9)少なくともスパイラルケーブル誤組み付け検出時において、ステアリングホイール操舵角が、操作可能な最大操舵角Bに到達する前に最大転舵角の上限値δmaxに到達することとした。具体的には、ステアリングホイールが操作可能な最大操舵角Bを、ロジックの解除により拡大することとした。
よって、実施例5のように第2の舵角比を設定する場合と異なり、第1の舵角比のみ設定することで誤組み付けを検出可能な車種の適用範囲を拡大することが可能となり、汎用性を向上することができる。
次に、実施例7について説明する。基本的な構成は実施例5と同じであるため異なる点についてのみ説明する。
(応答遅れに対する検討事項)
通常、モータは、制御部分からの指令によって駆動される。ここで、モータの駆動では、制御部分からの指令に対し、モータの応答性、回転数-トルク特性といった性能により応答遅れが生じてしまう。そのため、舵角比可変制御機構20においても、制御部分であるアシストコントローラ10から電動モータ20aへの指令を、実施例5において説明した条件1,2を満たすようにぎりぎりに設定した場合、誤組み付け検出制御を正確に行うことができない場合が発生する。以下、それらの具体的事象について説明する。
図26は、指令値と実駆動量との応答遅れに基づく操舵角に対する転舵角の関係を表す図である。図26に示すように、第1の舵角比制御エリアでは、作業者の操舵に対して舵角比を1以下に設定しているため、電動モータ20aにより減算する制御が実行される。このとき、実線で示す指令値を出力したとしても、電動モータ20aの応答遅れにより減算が間に合わず、実際に発生する転舵角は大きくなる。
一方、第2の舵角比制御エリアでは、作業者の操舵に対して舵角比を大きく設定する必要があり、電動モータ20aにより加算する制御が実行される。このとき、実線で示す指令値を出力したとしても、電動モータ20aの応答遅れにより加算が間に合わず、実際に発生する転舵角は小さくなる。
そのため、モータ性能の応答遅れを考慮した応答遅れ分の余裕代を備えた舵角比の設定を行う必要がある。
上述したように、最大ステアリングシャフト操舵角Aにおいて舵角比可変制御機構20は、減算制御から加算制御に切り換えられるため、電動モータ20aの回転方向は一気に反転することを意味する。その際、電動モータ20aは慣性の法則により今まで通りの方向に動こうとするが、電動モータ20aへの指令値は反転しているため、電動モータ20aへの電流指令値を出力する方向は反転する。つまり、電動モータ20aの駆動方向と指令に基づく出力方向が異なってしまう。
アシストコントローラ10には、電動モータ20aの実際の駆動方向と反対方向に強い電流指令が発生した場合、電動モータ20aへの負荷を抑制することを目的として、システムを停止させるモータフェール対応ロジックが搭載されている。このようなモータフェール対応ロジックを搭載したシステムでは、負荷が高い場合にシステムを停止する結果、指令値通りに電動モータ20aを駆動させることができない。通常、電動モータ20aへの指令の急変具合が大きくなればなるほど、上記モータフェール対応ロジックが作動しやすくなる。具体的には、モータフェール対応ロジックは、電動モータ20aの駆動方向と反対側に所定以上(例えば、定格を越えるような値)の電流指令が出た場合にシステムを停止する。
一方、アシストコントローラ10から電動モータ20aへの指令値に対し、余裕代を取りすぎた場合を想定する。第1の舵角比から第2の舵角比に変化するところで、モータへの指令値が反対方向に急変する。そのため、偏差量(指令値と実際のモータ位置の差)が増加し、この偏差量に概ね比例する電流指令値は、やはり所定以上の電流指令が出力されるため、上記モータフェール対応ロジックが作動し、システムを停止してしまう。
図27は操舵角がAにおいて電動モータ20aの駆動方向と指令方向が反転した際にシステムが停止した場合の操舵角と転舵角の関係を表す図である。図27に示すように、操舵角Aにおいて指令値が急変することでシステムが停止すると、舵角比が1となり、コンベンショナルな車両と同じとなる。よって、操舵角に対して転舵角を得られず、結果、操作可能な最大操舵角Bを超過してしまい、誤組み付け検出制御を実行できない。
上述の観点から、電動モータ20aが駆動方向を変更する際に、変化量を制限することで、言い換えると変化率が所定値以下となるように偏差量を抑制し、モータが所定以上の電流指令値を出力しないように設定することとした。
図28は変化量を制限した場合の操舵角と転舵角の関係を表す図である。図28に示すように、Aにおいてバラツキ最小側から最低限の余裕代分のみ引いて設定する。また、Bにおいてバラツキ最大側より大きな転舵角となる最低限の余裕代分を足した位置以上であって、かつ、これ以上高い位置で設定するとAにおける指令値急変でシステムが停止する虞がある上限値よりも低い位置となるように設定することとした。
これにより、モータフェール対応ロジックが作動することなく、安定的に誤組み付け検出制御を実行することができる。
(具体例)
具体的な例として、誤組み付け検出制御中の作業者の操舵速度の最大値を500°/秒とする。そして、電動モータ20aは、指令値が向きを変更してから、0.03秒遅れて駆動方向を変更できる場合を想定する。
この場合、最大ステアリングシャフト操舵角Aから操作可能な最大操舵角Bの範囲で電動モータ20aが1000°/秒以上回転数設計の場合、偏差が所定以上発生してしまい、モータフェール対応ロジックの作動によりシステム停止モードに入ってしまう。
つまり、上記具体例の場合、最大ステアリングシャフト操舵角Aから操作可能な最大操舵角Bのモータの駆動量が100°以下となるように設計する必要がある。例えば、操舵角がAの位置での転舵角をバラツキ最小側から余裕代として15°取ることで435°とし、原点と(A(650)、435)を結ぶように、第1の舵角比を設定した場合、操舵角がBの位置での転舵角の値を585(=435+100+50)未満に設定し、(A(650)、435)と直線で結んで第2の舵角比を設定すればよい。
(モータ回転速度上限値に対する検討事項)
通常、モータの応答性、回転数-トルク特性といった性能上、1秒間に回転可能な速度に限界がある。そのため、AからBの範囲での電動モータ20aの駆動量を大きく設定すると、作業者の操舵速度に制限を設ける必要があり、誤組み付け検出制御にかかる時間が増加する。
図29は電動モータ20aの回転可能な速度を考慮して、作業者の操舵速度に制限を設けた場合の操舵角と転舵角の関係を表す図である。例えば、最大ステアリングシャフト操舵角Aを越えてから、作業者に操舵速度の制限を与えると、実線で示す指令値に対し、実際の転舵角も小さな偏差で追従していることが分かる。一方、一点鎖線で示すように、作業者の操舵速度に制限を与えない場合は、実線で示す指令値に対し、転舵角が追従できず、バラツキ最大側ではラックストッパ7a,7bに当たるまでに操作可能な最大操舵角Bを越えてしまい、フェール対応ロジック作動によるシステム停止や、エアバッグスパイラルの切断等が発生する虞がある。
ここで、実施例7で用いた電動モータ20aが性能的に1秒間に800°までしか駆動できないものとする。図30は、AからBの範囲でのモータ回転角、作業者に許容される操舵速度の最大値、誤組み付け検出制御を終了するのにかかる最低限の時間の関係を表す図である。
例えば、作業者の操舵速度の最大値が400°/秒〜500°/秒程度であれば、A(650°)からB(700°)の範囲でのモータの駆動量が80〜100°になるように第2の舵角比を設定する。尚、実施例7では、作業者の最大操舵速度が400°/秒であったとする。
つまり、操舵角の値がBのときの転舵角の値を、モータの定常偏差の余裕代を含め、560°と設定した場合、操舵角がAの位置では、転舵角は430°(=560°-80°(AからBの間のモータ駆動による転舵量)−50(AからBの間のステアリングホイール操舵による転舵量))に設定する。これで、AからBの間の舵角比(第2の舵角比)が決定される。
第1の舵角比に関しては、原点(操舵角0、転舵角0)と、(B(650°)、430)の両点を直線で結ぶことで決定できる。これにより、作業者は、作業中に操舵速度のことを気にする必要が無くなり、誤組み付け検出にかかる時間を短縮することができる。
尚、モータ回転角速度の制限が厳しい第2の舵角比を先に決定したが、第2の舵角比よりも第1の舵角比のほうがモータ回転角速度的に厳しい(単位操舵角あたりのモータ回転量が大きい)場合は、第1の舵角比を先に決定した後、第2の舵角比を決定すればよい。
例えば、転舵角ばらつきの最大側が500°、最小側が350°であり、Aが500°、Bが700°のような車両の場合、ステアリングホイール中立位置からA(500°)まで操舵する間に、モータを150°以上回転させる必要があるものの、AからBの間に関しては、モータを回転させる必要がない。ステアリングホイール中立位置からAまで操舵する間のモータ回転角の量を200°未満に設定すれば、作業者がAまで操舵した後、モータ回転を止めることで、上述した条件2を自動的に満たすからである。
これにより、モータの性能としては、第2の舵角比で制御されているよりも、第1の舵角比で制御されている方が条件として厳しくなる。そのため、まず、作業者の最大操舵速度及びモータ性能から、第1の舵角比を決定し、それに基づいて第2の舵角比を決定するようにすればよい。
以上説明したように、実施例7にあっては、下記に列挙する作用効果を得ることができる。
(10)第1の舵角比特性から第2の舵角比特性に設定するときの舵角比特性の変化率が所定値以下となるように、第1の舵角比特性及び第2の舵角比特性を設定することとした。
よって、電動モータ20aに過大な負荷が作用してシステムが停止するといったことがなく、安定的に誤組み付け検出制御を実行することができる。
(11)電動モータ20aの回転角速度が所定値以下となるように第2の舵角比特性を設定し、この設定された第2の舵角比特性に基づいて第1の舵角比特性を設定することとした。
よって、作業者は、作業中に操舵速度のことを気にする必要が無くなり、誤組み付け検出にかかる時間を短縮することができる。
(他の実施例)
以上、上記実施例1〜7について説明したが、上記実施例に限られず、下記に示す構成としてもよい。例えば、実施例5〜7では、最大ステアリングシャフト操舵角Aにおいて、第1の舵角比特性から第2の舵角比特性に切り換えたが、条件1を満たすのであれば、第1の舵角比特性から第2の舵角比特性に切り換えるポイントはAから前後してもよい。図31は第1の舵角比特性から第2の舵角比特性に切り換えるポイントをAよりも小さな操舵角及び大きな操舵角に設定した場合の操舵角と転舵角の関係を表す図である。切り換えポイントをAよりも小さな操舵角に設定しようが、大きな操舵角に設定しようが、Aを通過する際にバラツキ最小の転舵角δminより下回っていればラックストッパ7a,7bによりロックされることがなく、誤組み付け検出制御を実行できる。
同様に、切り換えポイントをAよりも小さな操舵角に設定しようが、大きな操舵角に設定しようが、Bに到達する前にバラツキ最大の転舵角δmaxに到達できればラックストッパ7a,7bに当てることができるため、操作可能な最大操舵角を超過することがなく、フェール対応ロジック等の作動の回避、及びエアバッグスパイラルの切断の回避を達成できる。これら切り換えポイント等の設定は、電動モータ20aの特性等を考慮して適宜設定すればよい。
また、図32に示すように、実施例5〜7では、操舵角と実舵角の関係が直線で描かれているが、条件1,2を満たすように曲線的に設定してもよい。
また、本願発明は舵角比可変制御機構20に設けられたスパイラルケーブル21aに限られない。すなわち、ステアリングホイール1もしくはステアリングシャフト3と一体に回転する機器等に接続されたケーブルの誤組み付けを検出する手段として適宜設定可能である。例えば、ステアリングシャフト3と一体に回転するエアーバッグ機構と接続されたスパイラルケーブルの組み付け誤差等を検出する際にも同様の作用効果が得られる。
実施例1の舵角比可変制御装置の構成を表す概略図である。 実施例1の舵角比可変制御機構20の構成を表す概略図である。 実施例1のスパイラルケーブル部分の断面図である。 実施例1のステアリングシャフトの回転速度とピニオンシャフトの回転速度とロータの回転速度の関係を表す共通速度線図を表す図である。 実施例1の誤組み付け検出制御を表すフローチャートである。 実施例1の誤組み付け検出制御の作用を表すタイムチャートである。 実施例1の操舵角θと転舵角δの関係を表す図である。 実施例2の舵角比可変制御装置の構成を表す概略図である。 実施例2の誤組み付け検出制御を表すフローチャートである。。 実施例3の舵角比可変制御装置の構成を表す概略図である。 実施例3の誤組み付け検出制御を表すフローチャートである。 実施例3の誤組み付け検出制御の作用を表すタイムチャートである。 実施例3の操舵角θ−転舵角δ相関図である。 実施例4の舵角比可変制御装置の構成を表す概略図である。 実施例4の誤組み付け検出制御を表すフローチャートである。 転舵角に発生しうる誤差を含めた転舵角最小値及び転舵角最大値の関係を表す図である。 操舵角に要求される角度範囲を表す図である。 操作可能な最大操舵角を表す具体例である。 実施例5の条件1を操舵角と転舵角の関係を用いて表す図である。 実施例5の条件2を操舵角と転舵角の関係を用いて表す図である。 実施例5の転舵角のバラツキの最大側が500度、最小側が450度であり、Aが550度、Bが700度のような車種における誤組み付け検出制御を表す図である。 実施例5の転舵角のバラツキの最大側が550度、最小側が450度であり、Aが650度、Bが700度のような車種における誤組み付け検出制御を表す図である。 実施例5の転舵角のバラツキの最大側が550度、最小側が450度であり、Aが650度、Bが700度のような車種における誤組み付け検出制御を表す図である。 実施例5の誤組み付け検出制御を表すフローチャートである。 実施例5の誤組み付け検出制御処理による操舵角と転舵角の関係を表す図である。 指令値と実駆動量との応答遅れに基づく操舵角に対する転舵角の関係を表す図である。 操舵角がAにおいて電動モータ20aの駆動方向と指令方向が反転した際にシステムが停止した場合の操舵角と転舵角の関係を表す図である。 実施例7の変化量を制限した場合の操舵角と転舵角の関係を表す図である。 実施例7の電動モータの回転可能な速度を考慮して、作業者の操舵速度に制限を設けた場合の操舵角と転舵角の関係を表す図である。 AからBの範囲でのモータ回転角、作業者に許容される操舵速度の最大値、誤組み付け検出制御を終了するのにかかる最低限の時間の関係を表す図である。 他の実施例における第1の舵角比特性から第2の舵角比特性に切り換えるポイントをAよりも小さな操舵角及び大きな操舵角に設定した場合の操舵角と転舵角の関係を表す図である。 他の実施例における条件1,2を満たすように舵角比特性を曲線的に設定した場合の操舵角と転舵角の関係を表す図である。
符号の説明
1 ステアリングホイール
2 操舵角センサ
3 ステアリングシャフト
4 ピニオンシャフト
5 転舵角センサ
6 ピニオン
7 ラック軸
7a,7b ラックストッパ
8 操向輪
9 車速センサ
10 アシストコントロールユニット
10a 誤組み付け検出制御部
11 確認判断部
20 舵角比可変制御機構
21 スパイラルケーブルユニット
21a スパイラルケーブル
22 ステータ
23 ロータ
30 電動パワーステアリング機構
50a,50b 係合部

Claims (16)

  1. 運転者の操作するステアリングホイールに接続されたステアリングシャフトと、
    操向輪を転舵するラック&ピニオン機構のピニオンが接続されたピニオンシャフトと、
    前記ステアリングシャフト操舵角(θ)に対する前記ピニオンシャフトの転舵角(δ)の比を表す舵角比(δ/θ)を変更可能な舵角比可変制御機構と、
    一端が車体側に固定され、前記ステアリングシャフトの外周に余裕を持って巻かれた後、他端が前記ステアリングシャフト側に固定されたスパイラルケーブルと、
    を備えた舵角比可変制御装置において、
    前記ステアリングシャフトの左右操舵角を規制する突き当て手段と、
    前記突き当て手段により規制させ、前記スパイラルケーブルの組み付け確認を行うかどうかを判断する確認判断手段と、
    該確認判断手段により組み付け確認を行うと判断されたときは、前記舵角比可変制御機構の舵角比を1以下に制御する誤組み付け検出手段と、
    を設け
    前記誤組み付け検出手段は、前記舵角比可変制御機構により制御される最小舵角比に対応する最大ステアリングシャフト操舵角に到達するまでの前記舵角比可変制御機構の舵角比を、前記最大ステアリングシャフト操舵角以上のときに最大転舵角の下限値以下の転舵角となる1以下の第1の舵角比特性に設定し、前記最大ステアリングシャフト操舵角を越えたときは前記突き当て手段により規制することを特徴とする舵角比可変制御装置。
  2. 運転者の操作するステアリングホイールに接続されたステアリングシャフトと、
    操向輪を転舵するラック&ピニオン機構のピニオンが接続されたピニオンシャフトと、
    前記ステアリングシャフト操舵角(θ)に対する前記ピニオンシャフトの転舵角(δ)の比を表す舵角比(δ/θ)を変更可能な舵角比可変制御機構と、
    一端が車体側に固定され、前記ステアリングシャフトの外周に余裕を持って巻かれた後、他端が前記ステアリングシャフト側に固定されたスパイラルケーブルと、
    を備えた舵角比可変制御装置において、
    前記ステアリングシャフトの左右操舵角を規制する突き当て手段と、
    前記舵角比可変制御機構の舵角比を1以下に制御し、前記突き当て手段により規制させることで前記スパイラルケーブルの組み付け確認を行う誤組み付け検出手段と、
    を設け、
    前記誤組み付け検出手段は、前記舵角比可変制御機構により制御される最小舵角比に対応する最大ステアリングシャフト操舵角に到達するまでの前記舵角比可変制御機構の舵角比を、前記最大ステアリングシャフト操舵角以上のときに最大転舵角の下限値以下の転舵角となる1以下の第1の舵角比特性に設定し、前記最大ステアリングシャフト操舵角を越えたときは前記突き当て手段により規制することを特徴とする舵角比可変制御装置。
  3. 請求項1または2に記載の舵角比可変制御装置において、
    前記誤組み付け検出手段は、前記最大ステアリングシャフト操舵角を越え、かつ、前記ステアリングホイールが操作可能な最大操舵角以下で前記突き当て手段により規制することを特徴とする舵角比可変制御装置。
  4. 請求項1または2に記載の舵角比可変制御装置において、
    前記誤組み付け検出手段は、少なくとも前記スパイラルケーブル誤組み付け検出時において、前記ステアリングホイール操舵角が、前記操作可能な最大操舵角に到達する前に前記最大転舵角の上限値に到達することを特徴とする舵角比可変制御装置。
  5. 請求項1ないし4いずれか1つに記載の舵角比可変制御装置において、
    前記ピニオンシャフトの転舵角を軸方向移動に変換するラック軸を有し、
    前記突き当て手段を、前記ラック軸の軸方向移動量を物理的に規制するラックストッパとし、
    前記誤組み付け検出手段は、前記第1の舵角比特性が設定された状態で前記最大ステアリングシャフト操舵角を越えたときは、前記ステアリングホイールが操作可能な最大操舵角で、最大転舵角の上限値以上の転舵角となるように1以下の第2の舵角比特性に設定することを特徴とする舵角比可変制御装置。
  6. 請求項5に記載の舵角比可変制御装置において、
    前記第1の舵角比特性から前記第2の舵角比特性に設定するときの前記舵角比特性の変化率が所定値以下となるように、前記第1の舵角比特性及び前記第2の舵角比特性を設定することを特徴とする舵角比可変制御装置。
  7. 請求項5または6に記載の舵角比可変制御装置において、
    前記舵角比可変制御機構の回転角速度が所定値以下となるように前記第2の舵角比特性を設定し、この設定された第2の舵角比特性に基づいて前記第1の舵角比特性を設定することを特徴とする舵角比可変制御装置。
  8. 請求項1または2に記載の舵角比可変制御装置において、
    前記ステアリングシャフト操舵角を検出する操舵角センサを設け、
    前記突き当て手段は、前記舵角比可変制御機構により制御される最小舵角比に対応する最大ステアリングシャフト操舵角以上、前記操舵角センサ検出可能操舵角以下の範囲でステアリングシャフトの操作を規制する手段としたことを特徴とする舵角比可変制御装置。
  9. 請求項1または2に記載の舵角比可変制御装置において、
    前記ステアリングシャフト操舵角を検出する操舵角センサを設け、
    前記スパイラルケーブルの組み付け確認をするとき、前記最大ステアリングシャフト操舵角以上、前記操舵角センサ検出可能操舵角以下の範囲にあることを報知する報知手段を設けたことを特徴とする舵角比可変制御装置。
  10. 運転者の操作するステアリングホイールに接続されたステアリングシャフトと、
    操向輪を転舵するラック&ピニオン機構のピニオンが接続されたピニオンシャフトと、
    前記ステアリングシャフト操舵角(θ)に対する前記ピニオンシャフトの転舵角(δ)の比を表す舵角比(δ/θ)を変更可能な舵角比可変制御機構と、
    一端が車体側に固定され、前記ステアリングシャフトの外周に余裕を持って巻かれた後、他端が前記ステアリングシャフト側に固定されたスパイラルケーブルと、
    を備えた舵角比可変制御装置において、
    前記ステアリングシャフトの左右操舵角を規制する突き当て手段と、
    前記突き当て手段により規制させ、前記スパイラルケーブルの組み付け確認を行うかどうかを判断する確認判断手段と、
    該確認判断手段により組み付け確認を行うと判断されたときは、前記舵角比可変制御機構の舵角比を1以下に制御する誤組み付け検出手段と、
    を設け、
    前記ピニオンシャフトの転舵角を軸方向移動に変換するラック軸を有し、
    前記突き当て手段を、前記ラック軸の軸方向移動量を物理的に規制するラックストッパとし、
    前記誤組み付け検出手段は、前記ステアリングホイールが操作可能な最大操舵角と、前記ピニオンシャフトが前記ラックストッパにより規制される最大転舵角とが一致する舵角比に制御する手段としたことを特徴とする舵角比可変制御装置。
  11. 運転者の操作するステアリングホイールに接続されたステアリングシャフトと、
    操向輪を転舵するラック&ピニオン機構のピニオンが接続されたピニオンシャフトと、
    前記ステアリングシャフト操舵角(θ)に対する前記ピニオンシャフトの転舵角(δ)の比を表す舵角比(δ/θ)を変更可能な舵角比可変制御機構と、
    一端が車体側に固定され、前記ステアリングシャフトの外周に余裕を持って巻かれた後、他端が前記ステアリングシャフト側に固定されたスパイラルケーブルと、
    を備えた舵角比可変制御装置において、
    前記ステアリングシャフトの左右操舵角を規制する突き当て手段と、
    前記舵角比可変制御機構の舵角比を1以下に制御し、前記突き当て手段により規制させることで前記スパイラルケーブルの組み付け確認を行う誤組み付け検出手段と、
    を設け、
    前記ピニオンシャフトの転舵角を軸方向移動に変換するラック軸を有し、
    前記突き当て手段を、前記ラック軸の軸方向移動量を物理的に規制するラックストッパとし、
    前記誤組み付け検出手段は、前記ステアリングホイールが操作可能な最大操舵角と、前記ピニオンシャフトが前記ラックストッパにより規制される最大転舵角とが一致する舵角比に制御する手段としたことを特徴とする舵角比可変制御装置。
  12. 請求項1ないし11いずれか1つに記載の舵角比可変制御装置において、
    運転者の操舵トルクをアシストする電動パワーステアリング機構を有し、
    前記誤組み付け検出手段は、前記電動パワーステアリング機構の操作によって前記突き当て手段により規制させることを特徴とする舵角比可変制御装置。
  13. 請求項1ないし12いずれか1つに記載の舵角比可変制御装置において、
    前記スパイラルケーブルは、前記ステアリングシャフトと一体に回転する舵角比可変制御機構の電動アクチュエータと接続されることを特徴とする舵角比可変制御装置。
  14. 請求項1ないし13いずれか1つに記載の舵角比可変制御装置において、
    前記スパイラルケーブルは、前記ステアリングシャフトと一体に回転するエアーバッグ機構と接続されることを特徴とする舵角比可変制御装置。
  15. 運転者の操作するステアリングホイールに接続されたステアリングシャフトと、
    操向輪を転舵するラック&ピニオン機構のピニオンが接続されたピニオンシャフトと、
    前記ステアリングシャフト操舵角(θ)に対する前記ピニオンシャフトの転舵角(δ)の比を表す舵角比(δ/θ)を電動アクチュエータにより変更可能な舵角比可変制御機構と、
    一端が車体側に固定され、前記ステアリングシャフトの外周に余裕を持って巻かれた後、他端が前記ステアリングシャフト側に固定されたスパイラルケーブルと、
    ステアリングホール操舵角を検出する操舵角センサと、
    前記ステアリングシャフトの左右操舵角を前記舵角比可変制御機構により制御される最小舵角比に対応する最大ステアリングシャフト操舵角以上、前記操舵角センサ検出可能操舵角以下の範囲で規制する突き当て手段と、
    を備えた舵角比可変制御装置において、
    前記操向輪を直進状態とし、前記ピニオンシャフトを固定する第1行程と、
    前記電動アクチュエータにより前記ステアリングシャフトを第1方向に駆動し、前記突き当て手段により規制されたときは前記スパイラルケーブルが正常に組み付けられていると判断して第3行程に進み、それ以外のときは前記スパイラルケーブルが誤って組み付けられていると判断して修理作業を行う第2工程と、
    前記第2工程終了後、前記電動アクチュエータにより前記ステアリングシャフトを前記第1方向と異なる第2方向に駆動し、前記突き当て手段により規制されたときは前記スパイラルケーブルが正常に組み付けられていると判断して第4工程に進み、それ以外のときは前記スパイラルケーブルが誤って組み付けられていると判断して修理作業を行う第3行程と、
    前記第3行程終了後、前記第1方向に駆動し、前記ステアリングシャフトを中立位置まで駆動する第4工程と、
    を行うことを特徴とするスパイラルケーブルの誤組み付け検出方法。
  16. 運転者の操作するステアリングホイールに接続されたステアリングシャフトと、
    操向輪を転舵するラック&ピニオン機構のピニオンが接続されたピニオンシャフトと、
    前記ステアリングシャフト操舵角(θ)に対する前記ピニオンシャフトの転舵角(δ)の比を表す舵角比(δ/θ)を変更可能な舵角比可変制御機構と、
    一端が車体側に固定され、前記ステアリングシャフトの外周に余裕を持って巻かれた後、他端が前記ステアリングシャフト側に固定されたスパイラルケーブルと、
    前記ステアリングシャフトの左右操舵角を規制する突き当て手段と、
    を備えた舵角比可変制御装置において、
    前記ステアリングシャフトを第1方向に駆動すると共に、前記舵角比可変制御機構の舵角比を1以下に制御し、前記突き当て手段により規制されたときは前記スパイラルケーブルが正常に組み付けられていると判断して第2行程に進み、それ以外のときは前記スパイラルケーブルが誤って組み付けられていると判断して修理作業を行う第1工程と、
    前記第1工程終了後、前記ステアリングシャフトを前記第1方向と異なる第2方向に駆動すると共に、前記舵角比可変制御機構の舵角比を1以下に制御し、前記突き当て手段により規制されたときは前記スパイラルケーブルが正常に組み付けられていると判断して誤組み付け検出作業を終了し、それ以外のときは前記スパイラルケーブルが誤って組み付けられていると判断して修理作業を行う第2行程と、
    を行うことを特徴とするスパイラルケーブルの誤組み付け検出方法。
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