JP2020158091A - ステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】転舵軸の動作が制限される状態において、ステアリングホイールの切り込み方向への操舵操作を規制して、運転者のステアリングホイールの操舵操作に関する違和感を軽減することができるステアリング装置を提供する。【解決手段】ステアリングホイール12の操舵操作に反力を与えるためのステアリングシャフト13に連結された反力アクチュエータ18を備えると共に、反力アクチュエータコントローラ42の反力指令信号生成部64によって、転舵軸17の動作が制限される状態(ストロークエンドの状態)においては、ステアリングホイール12の切り込み方向への操舵操作を規制する反力を反力アクチュエータ18に与える。ステアリングホイール12の操舵操作と転舵軸17の転舵動作が対応し、運転者の操舵違和感を軽減することができる。【選択図】図5

Description

本発明は自動車に搭載されるステアリング装置に係り、特にステアリングシャフトと転舵機構が機械的に分離されているステアリング装置に関するものである。
ステアリング装置においては、ステアリングシャフトを転舵機構から切り離し、ステアリングシャフトの回動角、回動方向、及び回動トルク等を検出し、これらの検出信号に基づいて転舵アクチュエータの動作量を制御して転舵軸を駆動する、いわゆる、ステア・バイ・ワイヤ方式のステアリング装置が知られている。このようなステアリング装置は、例えば、特開2018−122821号公報(特許文献1)に示されている。
ステア・バイ・ワイヤ方式のステアリング装置においては、ステアリングホイールの操舵角と転舵アクチュエータの動作量との対応関係が、機械的な制約を受けずに設定できることから、自動車の車速の高低、旋回半径の長短、自動車の加減速の有無等の自動車の走行状態に応じた操舵特性の変更に柔軟に対応でき、設計自由度が向上するという利点を有している。更には、自動運転システムへの対応が容易であるという利点を有する等、従来のステアリング装置に比べて多くの利点を有している。
尚、転舵機構に転舵力を与える転舵アクチュエータとしては、走行状態に応じた転舵特性の変更が容易なことから、一般的には電動モータが用いられている。また、転舵機構から切り離されたステアリングシャフト側には、反力を付与するための反力用電動モータを取り付けて、ステアリングホイールに適度の反力を加えることにより、ステアリングホイールと転舵機構とが、機械的に連結されたかの如き感覚で操舵操作を行うことができるように構成してある。
尚、以下では、ステアリングホイールから反力用電動モータまでの系統を「操舵系統」とし、転舵機構から転舵輪までの系統を「転舵系統」として説明する。
特開2018−122821号公報
ところで、以上のような構成のステア・バイ・ワイヤ方式のステアリング装置は、ステアリングシャフトが転舵機構に機械的に連結されていないため、転舵軸の動作が制限される状態であっても、ステアリングホイールを回転させることができる。
例えば、ステアリングホイールを中立位置(自動車を直進させる位置)に対して左右へ回転操作して操舵を行い、転舵軸を移動限界まで移動して転舵軸の移動が制限された場合(一般には「ストロークエンド」と呼称されている)、従来のステアリング装置では、転舵機構とステアリングシャフトとが機械的に連結されているので、ステアリングホイールの回転は停止、或いは抑制される。しかしながら、ステア・バイ・ワイヤ方式のステアリング装置では、転舵機構とステアリングシャフトとが分離されているので、転舵機構と無関係にステアリングホイールを回転操作することができる。
同様に、転舵輪が道路の側溝に落ちる、或いは車輪止めに接触するといった原因で、転舵軸の移動が制限された場合(一般には「デッドロック」と呼称されている)には、転舵機構とステアリングシャフトとが機械的に連結されていれば、ステアリングホイールの回転は停止、或いは抑制される。しかしながら、ステア・バイ・ワイヤ方式のステアリング装置では、転舵機構とステアリングシャフトとが分離されているので、ステアリングホイールを依然として回転操作することができる。
このように、ステア・バイ・ワイヤ方式のステアリング装置においては、ステアリングホイールが転舵機構と無関係に回転操作されることがあり、運転者から見るとステアリングホイールの操作に違和感を生じるという不具合があった。
本発明の目的は、転舵軸の動作が制限される状態においては、ステアリングホイールの切り込み方向への回転操作を規制して、運転者のステアリングホイールの操舵操作に関する違和感を軽減することができるステアリング装置を提供することにある。
本発明は、
転舵可動部材を備え、転舵可動部材の動きに応じて転舵輪を転舵させる転舵機構と、
転舵可動部材に転舵力を付与する転舵アクチュエータと、
操舵入力部であって、操舵入力軸と、反力アクチュエータと、操舵操作量センサを含み、
操舵入力軸は、転舵輪と機械的につながっておらず、ステアリングホイールの回転に応じて回転可能であり、
反力アクチュエータは、モータロータと、ステータコイルを含み、モータロータは、操舵入力軸と繋がっており、
操舵操作量センサは、操舵入力軸の回転量に関する操舵操作量信号を出力可能であり、
コントローラであって、転舵アクチュエータコントローラと、反力アクチュエータコントローラを含み、
転舵アクチュエータコントローラは、転舵指令信号生成部を含み、転舵指令信号生成部は、操舵操作量信号に基づき、転舵アクチュエータを駆動、制御する転舵指令信号を生成し、
反力アクチュエータコントローラは、反力指令信号生成部を含み、反力指令信号生成部は、転舵可動部材の動作が制限される状態においては、ステアリングホイールの切り込み方向への回転操作を規制する反力を操舵入力軸に与えるように反力アクチュエータを駆動、制御する反力指令信号を生成する
ことを特徴としている。
尚、転舵可動部材の動作が制限される状態とは、少なくとも、転舵可動部材がストロークエンドに達した状態、或いはデッドロックに陥った状態を含むものである。
本発明によれば、転舵可動部材の動作が制限される状態においては、ステアリングホイールの切り込み方向への回転操作を規制するように反力アクチュエータの制御を行うことで、ステアリングホイールによる操舵操作と転舵可動部材による転舵動作が対応し、運転者の操舵違和感を軽減することができる。
本発明が適用されるステア・バイ・ワイヤ方式のステアリング装置の構成を示す構成図である。 図1に示す転舵機構の詳細な断面を示す断面図である。 図1に示す制御装置の概略を示す構成図である。 図3に示す制御装置の具体的な構成を示す構成図である。 図4に示す反力アクチュエータコントローラの機能を示す機能ブロック図である。 図5に示す転舵軸突き当て判定ブロックの機能を示す機能ブロック図である。 補正反力値と転舵角の関係を説明する説明図である。 図5の機能ブロックで実行される制御フローを示す第1の制御フローチャートである。 図5の機能ブロックで実行される制御フローを示す第2の制御フローチャートである。 操舵入力軸であるステアリングシャフトと反力用電動モータの第1の構成を示す構成図である。 図10に示す回転規制機構の実施形態であって、動作する前の第1の回転規制機構の構成を示す構成図である。 図11Aに示す第1の回転規制機構の動作した後の構成を示す構成図である。 図11A、図11Bに示す第1の回転規制機構の動作を説明する説明図である。 図11A、図11Bに示す第1の回転規制機構の動作を更に説明する説明図である。 図10に示す回転規制機構の実施形態であって、動作する前の第2の回転規制機構の構成を示す構成図である。 図14Aに示す第2の回転規制機構の動作した後の構成を示す構成図である。 回転規制機構をステアリングホイールとステアリングハウジングの間に配置した構成を示す構成図である。 図11A、図11Bに示す第1の回転規制機構を動作させる制御フローを示す制御フローチャートである。 図11A、図11Bに示す第1の回転規制機構をキー・オフ・ロックに使用する場合の制御フローを示す制御フローチャートである。 操舵入力軸であるステアリングシャフトと反力用電動モータの第2の構成を示す構成図である。 図18に示す回転規制機構の実施形態であって、変速機付き回転規制機構の構成を示す構成図である。 図19に示す変速機付き回転規制機構の動作する前の状態を示す構成図である。 図19に示す変速機付き回転規制機構の動作した後の状態を示す構成図である。 図18に示す回転規制機構の実施形態であって、変速機付き回転規制機構の変形例の構成を示す構成図である。 図21に示す変速機付き回転規制機構の変形例の駆動機構を説明する構成図である。 図19に示す変速機付き回転規制機構の動作する前の状態を示す構成図である。 図19に示す変速機付き回転規制機構の動作した後の状態を示す構成図である。 図18に示す回転規制機構の実施形態であって、第2の変速機付き回転規制機構の構成を示す構成図である。 図24に示す変速機付き回転規制機構の動作する前の状態を示す構成図である。 図24に示す変速機付き回転規制機構の動作した後の状態を示す構成図である。 ステアリングホイールに内蔵されているエアバッグ装置のワイヤハーネスであって、中立位置におけるワイヤハーネスの状態を示す説明図である。 ステアリングホイールに内蔵されているエアバッグ装置のワイヤハーネスであって、左側最大転舵位置におけるワイヤハーネスの状態を示す説明図である。 ステアリングホイールに内蔵されているエアバッグ装置のワイヤハーネスであって、右側最大転舵位置におけるワイヤハーネスの状態を示す説明図である。 反力用電動モータの動作角度、回転規制機構の動作角度、ワイヤハーネスの破断限界角度、及び操舵角センサの検出限界角度の関係を説明する説明図である。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されることなく、本発明の技術的な概念の中で種々の変形例や応用例をもその範囲に含むものである。
本発明の実施形態を説明する前に、本発明の前提となるステアリング装置の構成について説明する。
先ず、ステアリングシャフトを転舵軸から切り離し、ステアリングシャフトの回動角、回動方向、及び回動トルク等を操舵角センサや操舵トルクセンサで検出し、これらの検出信号に基づいて転舵アクチュエータの動作量を制御して転舵軸を駆動する、ステア・バイ・ワイヤ方式のステアリング装置について説明する。尚、転舵機構の構成は後述する。
図1において、転舵輪10はタイロッド11によって転舵される構成となっており、このタイロッド11は、後述する転舵軸(転舵可動部材)17に連結されている。そして、ステアリングホイール12はステアリングシャフト13に連結されており、ステアリングシャフト13には操舵角センサ14、及び操舵トルクセンサ15が設けられている。
ここで、操舵角センサ14、及び操舵トルクセンサ15は「操舵操作量センサ」として用いられる。また、ステアリングホイール12、ステアリングシャフト13、及び操舵操作量センサ14、15は操舵入力部として表される。
ステアリングシャフト13は、転舵機構16の転舵軸17に連携されておらず、ステアリングシャフト13の先端には反力用電動モータ(反力アクチュエータ)18が設けられている。つまり、ステアリングシャフト13は転舵機構16と機械的に連結されていない構成とされ、結果的にステアリングシャフト13と転舵機構16とは分離される形態となっている。反力用電動モータ18はコントローラ19によって駆動される。
転舵軸17を含む転舵機構16には、転舵用電動モータ機構(転舵アクチュエータ)21が設けられており、この転舵用電動モータ機構21は転舵軸16の転舵動作を制御する。そして、ステアリングホイール12の回転を操舵角センサ14、操舵トルクセンサ15によって、操舵角信号と操舵トルク信号として検出し、これらの検出信号はコントローラ19に入力される。尚、コントローラ19には、これ以外に外部センサ20から種々の検出信号が入力されている。
コントローラ19は、入力された操舵角信号や操舵トルク信号に基づいて転舵用電動モータ機構21の制御量を演算し、更に転舵用電動モータ機構21を駆動する。尚、転舵用電動モータ機構21の制御量は、操舵角信号や操舵トルク信号以外のパラメータも使用することができる。
転舵用電動モータ機構21の回転は、入力側プーリ(図示せず)からベルト(図示せず)を介して、転舵機構16の出力側プーリ(図示せず)を回転させ、更にナット(図示せず)によって転舵軸16を軸方向にストローク動作して転舵輪10を転舵する。これらについては後述する。
また、コントローラ19は、入力された操舵角信号や操舵トルク信号に基づいて反力用電動モータ18の制御量を演算し、更に反力用電動モータ18を駆動する。尚、反力用電動モータ18の制御量は、操舵角信号や操舵トルク信号以外のパラメータも使用することができる。
ここで、図1ではコントローラ19は1つの機能ブロックで示されているが、後述するように、反力アクチュエータコントローラと、転舵アクチュエータコントローラに分離して設けられており、両者は通信線で接続されている。反力アクチュエータコントローラは反力用電動モータ18に設けられ、転舵アクチュエータコントローラは転舵用電動モータ機構21に設けられている。
転舵機構16には転舵量センサ22が設けられており、この転舵量センサ22は、転舵輪10の実際の転舵量を検出して転舵量信号を出力する。転舵量センサ22は転舵軸17の軸方向の移動量を検出しており、移動量が所定値を超えると転舵軸17が移動限界まで移動したことが検出される。そして、転舵量センサ22からの実際の転舵量信号は、転舵輪10が所定の「ストロークエンド」に到達したか否かを判断するための信号として用いられる。
ここで、ストロークエンドとは、ステアリングホイール12が中立位置(自動車を直進させる位置に相当する)に対して左右へ回転操作されて操舵を行う場合において、転舵軸17を移動限界まで移動させた状態を表している。尚、ストロークエンドとは、転舵軸17であるラックバーや、ラックバーに連結されたボールジョイント、及びボールジョイントに連結されたタイロッド等の機構部品が他の機構部品に当接し、それ以上のストローク動作ができない状態だけを意味するのではなく、機構部品同士の衝突を避ける目的で移動限界までストロークする状態よりもストローク量が少ない状態をも含むものである。
次に転舵機構16の構成について説明する。図2は転舵機構16の軸方向の断面を示している。
転舵機構16の各構成要素は、転舵軸17を軸方向に移動可能に収容する転舵軸収容部30と、転舵軸収容部30の軸方向中間部に配置され転舵軸17を包囲するように形成された減速機収容部31とから構成されるハウジング32内に収容されている。減速機収容部31には、後述する減速機33が収容されている。
転舵用電動モータ機構21は、転舵用電動モータ35と、転舵用電動モータ35を駆動する後述の転舵アクチュエータコントローラ44と、転舵用電動モータ35の出力を転舵軸17に伝達するねじ機構36とを有している。転舵用電動モータ35は、運転者によりステアリングホイール12に入力された操舵トルクおよび操舵量に応じて、転舵アクチュエータコントローラ44により回転量、回転速度等が制御されている。
ねじ機構36は、ナット37と出力プーリ38とを有している。出力プーリ38の形状は円筒状の部材であって、ナット37に一体的に回転可能に固定されている。転舵用電動モータ35の駆動軸には円筒状の入力プーリ39が一体的に回転するように固定されている。出力プーリ38と入力プーリ39との間にはベルト40が巻回されている。入力プーリ39、出力プーリ38およびベルト40によって減速機33が構成されている。
ナット37は、転舵軸17を包囲するように環状に形成され、転舵軸17に対し回転自在に設けられている。ナット37の内周には、螺旋状に溝が形成されており、この溝がナット側ボールねじ溝を構成している。転舵軸17の外周にも螺旋状の溝が形成されており、この溝が転舵軸側ボールねじ溝17a、17bを構成している。
転舵軸17にナット37を挿入した状態で、ナット側ボールねじ溝と転舵軸側ボールねじ溝17a、17bとによってボール循環溝を形成している。ボール循環溝内には金属製の複数のボールが充填されており、ナット37が回転するとボール循環溝内をボールが移動することにより、ナット37に対して転舵軸17が長手方向にストローク動作して移動する。
このように、転舵アクチュエータコントローラ44によって転舵用電動モータ35の回転量、回転方向、回転速度等を制御して、ステアリングホイール12の操舵に合せて転舵軸17を動作させることで、自動車を操縦することができる。
尚、図2に示す転舵機構16は、自動車の前輪だけに搭載した形態を示しているが、自動車の後輪側にも搭載することができる。したがって、自動車の前輪だけではなく、後輪も転舵用電動モータ35によって転舵することができる。
次に図3は、図1に示すコントローラ19による反力用電動モータ18と転舵用電動モータ35の制御回路の概略の構成を示している。尚、このコントローラ19は、反力アクチュエータコントローラと転舵アクチュエータコントローラの両方を示している。
ステアリングホイール12に接続されたステアリングシャフト13には、操舵角センサ14、及び操舵トルクセンサ15が設けられ、反力用電動モータ18が機械的に接続されている。操舵角センサ14は、ステアリングシャフト13の操舵角を検出するセンサであり、操舵トルクセンサ15はステアリングシャフト13に作用する操舵トルクを検出するセンサである。
反力用電動モータ18は、コントローラ19によって制御されるモータドライバ23を介して、ステアリングシャフト13に反力を付与する電動モータであり、操舵トルクセンサ15の入力を監視し、定められた反力をステアリングシャフ13に与えている。
また、コントローラ19は、モータドライバ24を介して転舵軸17と機械的に接続された転舵用電動モータ35に、操舵角センサ14や操舵トルクセンサ15等の検出信号に応じた駆動信号を与えている。
コントローラ19には、操舵角センサ14から操舵角信号が与えられ、操舵トルクセンサ15から操舵トルク信号が与えられ、更には、車速センサ25やヨーレートセンサ26等の走行状態センサから、転舵に影響する自動車の走行状態検出信号が与えられている。また、コントローラ19には、転舵軸17を覆うハウジング32(図2参照)の途中部分に取り付けられた転舵量センサ22から、転舵軸17の移動位置(転舵量に相当)の検出信号が与えられている。
ここで、転舵量センサ22は転舵軸17の位置を検出するものであるが、転舵軸17はタイロッド11に直接的に接続されていることから、転舵量センサ22の検出値によって、転舵輪10の転舵位置を検出することが可能となる。このように、転舵量センサ22は、転舵輪10の転舵位置検出器として機能するものである。
コントローラ19は、操舵角センサ14、操舵トルクセンサ、及び走行状態センサ25、26から与えられる操舵角、操舵トルク、及び走行状態の検出信号等を所定のサンプリング周期で取り込み、例えば、取り込まれた走行状態に応じて予め記憶させてある制御マップを参照し、取り込まれた検出信号に応じて転舵軸17に加えるべき転舵量を求め、この転舵量を得るために転舵用電動モータ35に通電すべきコイル電流を算出し、この算出結果に応じた制御信号をモータドライバ24に与えている。
ここで、コントローラ19及び転舵用電動モータ機構21には、ギア比可変ステアリングシステム(VGRS:Variable Gear Ratio Steering)が搭載されている。VGRSシステムは、自動車の走行状態情報を用いた転舵角制御の一形態に相当するものであり、転舵輪10の転舵角をステアリングホイール12の操舵角と車速に応じて制御する。
そして、コントローラ19は、車速が低いほどステアリングホイール12の操舵角に対して転舵輪10の転舵角が大きくなるように制御し、車速が高いほどステアリングホイール12の操舵角に対して転舵輪10の転舵角が小さくなるように制御している。尚、このVGRSシステムは、必ずしも搭載されるものでもない。
更には、ステアリングホイール12の回転量(切れ角)に応じて転舵輪10の転舵角(ステアリングギア比)を変えることも可能である。例えば、ステアリングホイール12が中立位置付近ではステアリングギア比を低くして、ステアリング操作量に対して転舵輪の切れ角を小さく設定し、切り込んでいくにしたがってステアリングギア比を高くして、ステアリング操作量に対して転舵輪の切れ角を大きく設定することができる。
次にステアリング装置に使用される反力用電動モータ18、及び転舵用電動モータ35を制御するコントローラ19の詳細な構成について説明する。
図4は、コントローラ19のハードウェア構成を示している。コントローラ19は、金属、或いは合成樹脂から作られた箱状のハウジング41に内蔵された反力アクチュエータコントローラ42と、これも金属、或いは合成樹脂から作られた箱状のハウジング43に内蔵された転舵アクチュエータコントローラ44から構成されている。
本実施形態では、反力アクチュエータコントローラ42は、図10に示すように反力用電動モータ18に内蔵され、転舵アクチュエータコントローラ44は、図2に示すように転舵用電動モータ35に内蔵されている。尚、反力アクチュエータコントローラ42と、転舵アクチュエータコントローラ44は、破線で示す共通のハウジング45に共に内蔵して、別の構成部材に設けることもできる。
反力アクチュエータコントローラ42は、反力アクチュエータ用マイクロプロセッサ46を主たる構成要素としており、更に通信回路47を備えている。反力アクチュエータ用マイクロプロセッサ46は、演算装置であるCPU48、メモリであるROM49、RAM50、EEPROM(フラッシュROM)51、A/D変換器52、バスライン53等を備えている。
CPU48は、ROM49に格納された各種プログラムを実行して反力用電動モータ18を制御する。したがって、プログラムによって実行される動作は、制御機能として捉えることができる。
ROM49は、CPU48が実行する各種プログラムを格納する。具体的には、ROM49には、反力用電動モータ18を制御するモータ制御処理(反力制御処理)を実行するための制御プログラムが格納されている。更に、このROM49には、反力用電動モータ18の診断を実行する診断プログラムが格納されている。制御プログラム、診断プログラムは、CPU48によって、所定の制御機能、診断機能を実行するものである。
RAM50は、CPU48が制御プログラムを実行する場合に、その作業領域として使用され、処理過程で必要とするデータや処理結果が一時的に記憶される。同様に診断プログラムを実行して、エラーコードとして診断結果が一時的に記憶される。
EEPROM51は、電源遮断後においても記憶内容を保持可能なメモリであり、ハードウェア固有の補正値や、診断機能を実行した後のエラーコードが格納されている。また、A/D変換器52は、外部センサからのアナログ検出信号をデジタル信号に変換する機能を備えている。
更に、反力アクチュエータコントローラ42は報知装置62を作動させる機能を備えている。反力アクチュエータコントローラ42は、ステアリングホイールが切り込み方向へ操舵操作された場合において、転舵輪10の転舵状態に応じて設定されたステアリングシャフト13の操舵角を超えると、運転者に対して警告を行うべく報知装置62を作動させる警告指令信号を出力する。
報知装置62としては、ワーニングランプの点灯装置、警告音の吹鳴装置、反力用電動モータ18によるステアリングホイール12の正逆回転の振動付与装置等がある。反力アクチュエータコントローラ42は、これら報知装置62に対して警告指令信号を出力すれば良い。
このように、反力用電動モータ18による反力(ステアリングホイール12の回転規制トルク)を超えて、ステアリングホイール12が操舵操作される場合、運転者に対し警告することにより、ステアリングホイール12の切り込み方向への更なる操舵操作を抑制することができる。
次に、転舵アクチュエータコントローラ44は、転舵アクチュエータ用マイクロプロセッサ54を主たる構成要素としており、更に通信回路55を備えている。
転舵アクチュエータ用マイクロプロセッサ54は、演算装置であるCPU56、メモリであるROM57、RAM58、EEPROM(フラッシュROM)59、A/D変換器60、バスライン61等を備えている。
CPU56は、ROM57に格納された各種プログラムを実行して転舵用電動モータ35を制御する。したがって、プログラムによって実行される動作は、制御機能として捉えることができる。
ROM57は、CPU56が実行する各種プログラムを格納する。具体的には、ROM57には、転舵用電動モータ35を制御するモータ制御処理(操舵制御処理)を実行するための制御プログラムが格納されている。更に、このROM57には、転舵用電動モータ35の診断を実行する診断プログラムが格納されている。制御プログラム、診断プログラムは、CPU56によって、所定の制御機能、診断機能を実行するものである。
RAM58は、CPU56が制御プログラムを実行する場合に、その作業領域として使用され、処理過程で必要とするデータや処理結果が一時的に記憶される。同様に診断プログラムを実行して、エラーコードとして診断結果が一時的に記憶される。
EEPROM59は、電源遮断後においても記憶内容を保持可能なメモリであり、ハードウェア固有の補正値や、診断機能を実行した後のエラーコードが格納されている。また、A/D変換器60は、外部センサからのアナログ検出信号をデジタル信号に変換する機能を備えている。
ここで、転舵アクチュエータ用マイクロプロセッサ54は二重系に構成されており、2組の転舵アクチュエータ用マイクロプロセッサ54は、夫々に演算装置であるCPU56、メモリであるROM57、RAM58、EEPROM(フラッシュROM)59、A/D変換器60、バスライン61等を備えている。
また、一方の転舵アクチュエータ用マイクロプロセッサ54には、第1操舵操作量センサ14M、15Mから第1通信線を介して第1通信回路63Aに第1操舵操作量信号が送られ、他方の転舵アクチュエータ用マイクロプロセッサ54には、第2操舵操作量センサ14S、15Sから第2通信線を介して第2通信回路63Bに第2操舵操作量信号が送られている。
ここで、第1操舵操作量信号と第2操舵操作量信号を、別々の通信線を介して転舵アクチュエータ用マイクロプロセッサ54に送信することにより、一方の操舵操作量センサ、通信線、通信回路が失陥した場合においても、他方の操舵操作量センサ、通信線、通信回路により、操舵操作量信号を送信することができ、転舵用電動モータ35の駆動、制御を継続することができる。同様に、ここでは記載していないが、走行状態を検出する車速センサやヨーレートセンサも二重系とすることができる。
また、転舵アクチュエータ用マイクロプロセッサ54には、転舵量センサ22の実際の転舵量信号が入力されており、転舵アクチュエータ用マイクロプロセッサ54は、転舵輪10が所定のストロークエンドに到達したか否かを判断している。
そして、反力アクチュエータコントローラ42の通信回路47と転舵アクチュエータコントローラ44の通信回路55は、双方向で相互に通信可能である。したがって、転舵アクチュエータコントローラ44で検出した、操舵操作量センサ14、15の操舵操作量信号や転舵量センサ22の転舵量信号を反力アクチュエータコントローラに転送する、及び転舵アクチュエータコントローラ44で演算した転舵用電動モータ35の制御信号を転送するといった動作を実行できる。もちろん、反力アクチュエータコントローラ42からも反力用電動モータ18の制御信号を転送するといった動作も実行できる。
尚、操舵操作量センサ14、15の操舵操作量信号や転舵量センサ22の転舵量信号は、反力アクチュエータ用マイクロプロセッサ46に入力されても良いことはいうまでもない。
ここで、本実施形態では、転舵軸17の動作が制限される状態において、ステアリングホイール12の切り込み方向への回転操作を規制するため、反力用電動モータ18の反力を制御することを目的としている。このため、以下では、反力用電動モータ18の制御を中心に説明する。
次に、反力アクチュエータ用マイクロプロセッサ46で実行される反力用電動モータ18の制御方法について説明する。
反力アクチュエータ用マイクロプロセッサ46は、CPU48によってROM49に格納された制御プログラムを実行して反力用電動モータ18を制御する。このため、プログラムによって実行される動作は、制御機能として捉えることができる。そして、図5は本実施形態に関する制御機能ブロックを示しており、特に反力用電動モータ18を制御する機能ブロックを示している。
図5において、反力アクチュエータ用マイクロプロセッサ46は、反力指令信号生成部64を含み、この反力指令信号生成部64は、転舵軸17の動作が制限される状態(ストロークエンドやデッドロックの状態)において、ステアリングホイール12の切り込み方向への回転操作を規制する反力を、ステアリングシャフト13に与えるように反力用電動モータ18を駆動、制御する反力指令信号を生成する機能を備えている。
そして、反力指令信号生成部64は、少なくとも、基本反力演算ブロック65と、転舵軸突き当て判定ブロック66と、補正反力演算ブロック67と、最終反力演算ブロック68とから構成されている。
基本反力演算ブロック65は、少なくとも、操舵角センサ14からの舵角信号、操舵トルクセンサ15からのトルク信号、車速センサ25からの車速信号、ヨーレートセンサ26からのヨーレート信号等の少なくとも1つ以上が入力され、これらの検出信号を用いて基本となる反力信号が演算される。この基本反力信号は、例えば、ステアリングホイール12の回転方向と回転量に応じた反力を反力用電動モータ18に与えるための制御信号である。
転舵軸突き当て判定ブロック66は、転舵輪10が所定のストロークエンドに到達したか否かを判断する機能を有し、転舵輪10がストロークエンドに到達したとき、転舵輪突き当て判断信号を出力する。
これによれば、ステアリングシャフト13と転舵輪10の関係にずれが生じた場合、例えばステアリングシャフト13と転舵輪10の中立位置にずれが生じた場合であっても、転舵輪10が所定のストロークエンドに到達したことをもって、転舵輪突き当て判断信号を生成することができる。
転舵軸突き当て判定ブロック66は、種々の方法が考えられるが、本実施形態では次のような方法を採用している。
転舵軸突き当て判定ブロック66には、転舵量センサ22から実際の転舵量が入力されている。この転舵量センサ22は、転舵軸17のストローク量を検出しており、転舵軸17がストークエンドの位置に達したことを検出すると、転舵輪突き当て判断信号を出力する。そして、この転舵輪突き当て判断信号は、補正反力演算ブロック66に送られる。
ここで、転舵輪10のストロークエンドは、転舵輪10の最大切れ角に対応しているため、転舵輪10の転舵角に対応した実際の転舵量信号に基づき、転舵輪10が所定のストロークエンドに到達したか否かを判断することができる。これによって、実際の転舵輪10の状態を反映したストロークエンドの到達判断を行うことができる。
また、転舵軸突き当て判定ブロック65は、転舵軸17のストローク動作に制限が生じる状態を検出することで、転舵輪突き当て判断信号を生成することもできる。転舵軸17のストローク動作に制限が生じる状態とは、転舵輪10が道路の側溝に落ちる、或いは車輪止めに接触するといった原因で、転舵軸17の移動が制限されるデッドロックが生じた場合である。
図6において、転舵軸突き当て判定ブロック66は、少なくとも、操舵偏差演算ブロック69と、トルク演算ブロック70と、トルク比較ブロック71と、トルク設定ブロック72とから構成されている。
操舵偏差演算ブロック69には、転舵量センサ22からの転舵量信号と、操舵角センサ14からの操舵角信号が入力されている。そして、転舵軸17の転舵量信号は、正規のステアリングホイール12の操舵角と見做されるので、転舵量信号は正規の操舵角信号として操舵角に換算される。
そして、この換算された正規の操舵角信号と、現時点のステアリングホイール12の操舵角信号の操舵偏差(Δθ)を求めると、ステアリングホール12の回転量と、これに対応した転舵軸17の転舵量の関係が把握できる。操舵偏差(Δθ)が大きいほど、ステアリングホイール12が過剰に回転していることを示している。
次に、操舵偏差演算ブロック69で求められた操舵偏差(Δθ)は、操舵トルク演算ブロック70に送られ、操舵偏差(Δθ)から操舵トルク(T)が演算される。操舵トルク(T)は、転舵用電動モータ35のモータトルクに相当し、横軸に操舵偏差(Δθ)をとり、縦軸に操舵トルク(T)をとった「偏差−トルクマップ」から求められる。この「偏差-トルクマップ」は予め実験的に求められている。
操舵トルク演算ブロック70で求められた操舵トルクは、操舵トルク比較ブロック71に送られ、操舵トルク設定ブロック72で設定されている設定操舵トルク(Tset)と比較される。この設定操舵トルク(Tset)も予め実験的に求められている。そして、操舵トルク演算ブロック70で求められた操舵トルク(T)が設定操舵トルク(Tset)より大きくなると、デッドロック状態に陥ったことが判断できる。
そして、転舵軸17がストロークエンドに達したか、或いはデッドロック状態に陥ったことを検出すると、転舵輪突き当て判断信号を出力する。そして、この転舵輪突き当て判断信号は、補正反力演算ブロック67に送られる。
このように、操舵角センサ14からの操舵角信号の値が切り込み方向に増大しているにも拘わらず、転舵量センサ22からの転舵量信号がある値で止まって増大しないような場合、転舵輪10がストロークエンドに到達していると判断することができる。また、転舵輪10がストロークエンドに到達していない場合であっても、転舵輪10が側溝に落ちて転舵不能となるデッドロックに陥っていると判断することができる。
図5に戻って、補正反力演算ブロック67は、転舵軸17がストロークエンドまで移動した状態、或いはデッドロックに陥った状態では、反力用電動モータ18に、ステアリングホイール12の回転操作を抑制、或いは規制する補正反力信号を生成する。
転舵軸17がストロークエンドに達した状態で、更に運転者がステアリングホイール12を回転させようとした場合においては、従来のステアリング機構では転舵軸17とステアリングシャフト13がギア機構によって連結されているので、ステアリングホイール12を回転させることができなくなり、運転者は違和感を覚えない。これに対して、ステア・バイ・ワイヤ方式ではステアリングホイール12を回転させることができ、運転者は違和感を覚えることになる。
このため、補正反力演算ブロック67は、反力用電動モータ18に対してステアリングホイール12の回転を抑制、或いは規制する補正反力信号を生成している。この補正反力信号は、例えばステップ的に大きくなる補正反力信号であっても良く、また、ステアリングホイール12の回転量が増えるほど大きくなる補正反力信号であっても良い。このため、補正反力演算ブロック67には、操舵角信号が入力されている。
図7は、補正反力信号の補正反力値の一例を示しており、中立位置からステアリングホイール12を右回転させた時のストロークエンド「R」とステアリングホイール12を左回転させた時のストロークエンド「L」との間の区間Sは、補正反力値(Fn)は「0」とされ無補正となる。
これに対して、補正反力演算ブロック67には操舵角信号が入力されているため、ストロークエンド「R」に達した後に、更にステアリングホイール12を右回転させると、この回転量(操舵角信号)に対応して補正反力値Fc(+)は(+)側に増加していく。逆に、ストロークエンド「L」に達した後に、更にステアリングホイール12を左回転させると、この回転量(操舵角信号)に対応して補正反力値Fc(−)は(−)側に増加していく。したがって、ステアリングホイール12がストロークエンドに達すると、反力用電動モータ18に与えられる駆動信号は、この補正反力値を反映されたものとなる。
ここで、上述した補正反力値はステアリングホイール12の回転量に対応して補正反力値を定めているが、破線で示すようにストロークエンドに達するとステップ状に補正反力値を大きくするように設定することも可能である。尚、補正反力値を直線的に増加させず、曲線状に増加させることも可能である。
更に、本実施形態ではストロークエンドに達してから補正反力値を発生させているが、必要に応じて白抜き矢印で示すように、デッドロック状態が発生した時にストロークエンドに達する前に補正反力値(Fdr)を発生することも可能である。
次に、補正反力演算ブロック67で求められた補正反力信号は、最終反力演算ブロック68に送られる。最終反力演算ブロック68は、基本反力演算ブロック65から送られてくる基本反力信号に、補正反力演算ブロック67で求められた補正反力信号を加算して、最終反力信号を求めている。
この最終反力信号は反力用電動モータ18に送られ、ステアリングシャフト13を介して、ステアリングホイール12に反力を与えることになる。尚、補正反力演算ブロック67で求められた補正反力信号は、補正反力係数であっても良く、図7に示すような特性が得られる補正係数を設定すれば良い。補正反力係数の場合は、基本反力信号に乗算して最終反力信号が生成される。
以上のような構成を採用することよって、転舵軸17の動作が制限される状態においては、ステアリングホイール12の切り込み方向への回転操作を抑制、或いは規制するように反力用電動モータ18の制御を行うことで、ステアリングホイール12の操舵操作と転舵軸17の転舵動作が対応し、運転者の操舵違和感を軽減することができる。
次に、上述した図5、図6に示す制御ブロックを実行する制御フローを、図8、図9を用いて説明する。ここで、図8はストロークエンドの状態を検出する場合の制御フローを示し、図9はデッドロックの状態を検出する場合の制御フローを示している。まず、最初に図8を用いてストロークエンドを検出する場合の制御フローを説明する。尚、これらの制御フローは所定時間毎に、反力アクチュエータ用マイクロプロセッサ46で繰り返されて実行される。
≪ステップS10≫
ステップS10においては、転舵量センサ22によって転舵軸17の転舵量を取り込む。転舵軸17は転舵用電動モータ35によって駆動され、所定のストローク動作によって軸方向に移動されるが、この時の転舵軸17の転舵位置を検出して転舵量としている。転舵軸17の転舵位置の検出が終了するとステップS11に移行する。
≪ステップS11≫
ステップS11においては、検出された転舵位置がストロークエンドに達しているかどうかを判断している。この判断は図5の転舵軸突き当て判定ブロック66に相当し、ストロークエンドに対応した転舵位置と、検出された転舵位置を比較することによって判断することができる。ストロークエンドに達していないとステップS12に移行し、ストロークエンドに達しているとステップS13に移行する。
≪ステップS12≫
ステップS11でストロークエンドに達していないと判断されると、ステップS12においては、図5に示すように操舵角信号や、トルク信号、車速信号、ヨーレート信号等の幾つかの検出信号を用いて基本反力信号を生成し、反力用電動モータ18を駆動する。これによって、運転者はステアリングホイール12から適度な反力を受けながら、ステアリングホイール2を操作することができる。この処理は基本反力演算ブロック65、最終反力演算ブロック68に相当する。
反力用電動モータ18を駆動すると、エンドに抜けて、次の起動タイミングを待つことになる。次の起動タイミングがくると、同じ動作を繰り返すことはいうまでもない。
≪ステップS13≫
ステップS11でストロークエンドに達していると判断されると、ステップS13においては、ストロークエンドに対応した処理を実行するためにストロークエンド判断を確定し、ステップS14に移行する。
≪ステップS14≫
ステップS14においては、ストロークエンドに達しているので、報知装置62によって警報を発して、運転者にストロークエンドに達していることを報知する。警報を出力するとステップS15に移行する。
≪ステップS15≫
ステップS15においては、図5に示すように操舵角信号を用いて補正反力信号を生成し、更に補正反力信号を基本反力信号に加算して最終反力信号を生成する。補正反力信号は、ステアリングホイール12の操舵角に対応して決められており、操舵角が大きいほど大きくなる特性に決められている。この処理は補正反力演算ブロック67、最終反力演算ブロック68に相当する。最終反力信号が求まるとステップS16に移行する。
≪ステップS16≫
ステップS16においては、ステップS15で求められた最終反力信号に基づいて反力用電動モータ18を駆動する。これによって、ステアリングホール12には反力用電動モータ18から大きな反力が与えられる。
そして、運転者はステアリングホイール12から大きな反力を受けるので、ストロークエンドに達したことを認識でき、運転者はステアリングホイール12の操作に違和感を覚えなくなる。ステップS16の処理を終了するとステップS17に移行する。
≪ステップS17≫
ステップS17においては、転舵軸17がストロークエンドの状態を維持しているかどうかを判断している。転舵軸17が依然としてストロークエンドの状態にあると判断されると、再びステップS15に戻って補正反力信号が加算された最終反力信号によって反力用電動モータ18の駆動を継続する。一方、転舵軸17がストロークエンドの状態にないと判断されると、ステップS18に移行する。
≪ステップS18≫
ステップS18においては、ストロークエンドの状態から通常の状態に復帰したと見做して、ステップS14で実行している警報の報知を解除する。そして、警報の報知が解除されるとステップS12に移行する。
ステップS12に移行すると、基本反力信号に基づいて反力用電動モータ18を駆動する。これによって、運転者はステアリングホイール12から適度な反力を受けながら、ステアリングホイール2を操作することができる。反力用電動モータ18を駆動すると、エンドに抜けて、次の起動タイミングを待つことになる。次の起動タイミングがくると、同じ動作を繰り返すことはいうまでもない。
次に、図9に基づきデッドロック状態を検出する場合の制御フローを説明する。この制御フローは、ストロークエンドに達した状態にも対応できる。このため、幾つかの制御ステップは共通であるので、これらの説明は省略する。尚、これらの制御フローも所定時間毎に繰り返されて実行される。
≪ステップS20≫
ステップS20においては、操舵角センサ14によってステアリングホイール12の操舵角と、転舵量センサ22によって転舵軸17の実際の転舵量を取り込む。ここで、転舵量センサ22の実際の転舵量は、ステアリングホイールの操舵角と見做されるので、実際の転舵量によって、正規のステアリングホイール12の操舵角が推定できる。そして、操舵角と転舵量から操舵偏差(Δθ)を求める。この処理は図6の操舵偏差演算ブロック69に相当し、操舵偏差(Δθ)を求めるとステップS21に移行する。
≪ステップS21≫
ステップS21においては、ステップS20で求められた操舵偏差(Δθ)を用いて、「偏差−トルクマップ」から操舵トルク(T)をマップ換算して演算する。操舵偏差(Δθ)が大きいほど、デッドロックした転舵軸17の転舵位置に対して、ステアリングホイール12は過剰に操作されていることになる。この処理は図6の操舵トルク演算ブロック70に相当する。そして、操舵トルク(T)が求められると、ステップS22に移行する。
≪ステップS22≫
ステップS22においては、デッドロック状態に陥っているかどうかの判断が行われる。この判断はステップS21で求められた操舵トルク(T)と予め定めた設定操舵トルク(Tset)とを比較して、デッドロックの状態かどうかを判断している。操舵トルク(T)が設定操舵トルク(Tset)より大きいとデッドロックの状態であると判断し、操舵トルク(T)が設定操舵トルク(Tset)より小さいとデッドロックの状態ではないと判断している。この処理は図6の操舵トルク比較ブロック71に相当している。
ステップS22で、デッドロックの状態にないと判断されるとステップS12に移行し、デッドロックの状態にあると判断されるとステップS23に移行する。
≪ステップS12≫
ステップS12においては、図8と同様なので説明を省略する。
≪ステップS23≫
ステップS22でデッドロックの状態にあると判断されると、ステップS23においては、デッドロックの状態に対応した処理を実行するためにデッドロック状態判断を確定し、ステップS14、S15、S16に移行する。
≪ステップS14≫、≪ステップS15≫、≪ステップS16≫、
ステップS14、ステップS15、ステップS16においては、図8と同様なので説明を省略する。尚、図7に示しているように、ステアリングホイール12が左回転していると、デッドロックが発生した場合には補正反力値Fdr(−)が発生される。もちろん、ステアリングホイール12を右回転すると、補正反力値Fdr(+)が発生される。ステップS14〜ステップS16を実行するとステップS24に移行する。
≪ステップS24≫
ステップS24においては、転舵輪10がデッドロックの状態を脱しているかどうかを判断している。そして、依然としてデッドロックの状態にあると判断されると、再びステップS15に戻って補正反力信号が加算された最終反力信号によって反力用電動モータ18の駆動を継続する。一方、デッドロックの状態にないと判断されると、ステップS18に移行する、
≪ステップS18≫
ステップS18においては警報の報知を解除し、更にステップS12に移行して基本反力信号に基づいて反力用電動モータ18を駆動する。反力用電動モータ18を駆動すると、エンドに抜けて、次の起動タイミングを待つことになる。次の起動タイミングがくると、同じ動作を繰り返すことはいうまでもない。
以上の説明はデッドロックの状態の場合であるが、設定操舵トルク(Tset)をストロークエンドの状態に対応して設定することで、ストロークエンドに達した場合も対応することができる。
本実施形態によれば、反力アクチュエータコントローラ42の反力指令信号生成部64によって、転舵軸17の動作が制限される状態においては、ステアリングホイール12の切り込み方向への回転操作を抑制、或いは規制する反力をステアリングシャフト13に与えるように反力用電動モータ18を駆動、制御する構成としている。これによって、ステアリングホイール12の操舵操作と転舵軸17の転舵動作が対応し、運転者の操舵違和感を軽減することができる。
ところで、以上に述べた実施形態では、ステアリングホイール12の回転動作を反力用電動モータ18で抑制、或いは規制するものであるが、更に、これに加えて機械的な回転規制機構を併せて設けることも可能である。次に、このような機械的な回転規制機構について説明する。
図10において、ステアリングホイール12はステアリングシャフト13に連結されており、ステアリングシャフト13には、図1に示している操舵角センサ14、及び操舵トルクセンサ15が設けられている。ここで、操舵角センサ14、及び操舵トルクセンサ15は図面には示していない。
ステアリングシャフト13は、細長い中空のステアリングハウジング75の内部に収納されており、ステアリングホイール12とは反対側の端部は、反力用電動モータ18の回転軸76に連結されている。この回転軸76はモータロータ79に連結されており、更にステアリングシャフト13と回転軸76は同軸となるように機械的に連結され、回転軸76はステアリングシャフト13に対して反力を与える構成とされている。
このように、ステアリングシャフト13とモータロータ79とは直結されて一体に回転するように繋がっている。ステアリングシャフト13とモータロータ75を直結構造とすることにより、両者の間の剛性が高まり、反力制御における操舵フィーリングを向上させることができる。
ステアリングハウジング75の端面には、モータハウジング77が液密的に固定されており、内部にコイルが巻回されたモータステータ78が収納され、更にモータステータ78の内部には、モータロータ79が回転可能に収納されている。モータロータ79には、回転軸76が固定的に連結されており、モータロータ79によって回転軸76に回転トルク(反力)が与えられる。
また、回転軸76のステアリングシャフト13の反対側には、回転軸76の回転数や回転角度を検出するモータ回転角度センサ80が設けられている。モータ回転角度センサ80は、永久磁石やGMR素子等から構成されており、反力アクチュエータコントローラ42の樹脂基板に設けられた検出回路で回転数や回転角度が検出される。
モータハウジング77のステアリングハウジング75の反対側には、これも液密的にカバー81が固定されており、内部に反力アクチュエータコントローラ42が内蔵されている。反力アクチュエータコントローラ42は、図4に示されている構成のコントローラである。また、反力アクチュエータコントローラ42は、コネクタ組立体82によって電源に接続され、また通信線を介して操舵アクチュエータコントローラ44と接続されている。
モータハウジング77とステアリングハウジング75の間の空間には、回転軸76、及びステアリングシャフト13の回転を規制する回転規制機構83が設けられている。回転規制機構83は、ステアリングシャフト側回転規制部(回転側回転規制部)と、モータハウジング側回転規制部(固定側回転規制部)からなり、ステアリングシャフト13の回転に伴い回転するステアリングシャフト側回転規制部が、モータハウジング側回転規制部と当接することにより、ステアリングシャフト13の回転を規制することができる。
更に具体的には、回転規制機構83は、回転軸76に一体的に固定された複数の停止歯を備えた停止ギア84A(ステアリングシャフト側回転規制部に相当)と、停止ギア84Aの停止歯の間に突入、離脱する停止ピン84B(モータハウジング側回転規制部に相当)と、停止ピンを駆動する停止ピン駆動モータ84C(モータハウジング側回転規制部に相当)とから構成されている。
そして、ステアリングシャフト13の回転軸線の方向において、ステアリングホイール11、ステアリングシャフト13、回転規制機構83、反力用電動モータ18、反力アクチュエータコントローラ42、及びコネクタ組立体82の順に配置されている。
このように、反力アクチュエータコントローラ42が、反力用電動モータ18を挟んで回転規制機構83の反対側に設けられていることで、反力アクチュエータコントローラ42の信号線、電力供給用コネクタ、ワイヤハーネス等が、回転規制機構83やステアリングシャフト13と干渉するのを避けることができる。
次に、図11Aは回転規制機構83が動作していない状態を示し、図11Bは回転規制機構83が動作している状態を示している。ここで、停止ピン84Bにはラック歯が形成され、このラック歯に停止ピン駆動モータ84Cに設けられたピニオンギアが噛み合っている。そして、ピニオンギアの回転によって停止ギア84Aの停止歯の間に、停止ピン84Bが突入したり、或いは離脱したりする。
このように、回転規制機構83は、ステアリングシャフト13の回転軸線に関する周方向において、複数箇所に設けられた複数の係合凹部(停止ギア84Aの停止歯の間の空間)を備え、この複数の係合凹部の何れかに係合する停止ピン84Bから構成されているので、簡素な構成により、ステアリングシャフト13の回転を機械的に規制することができる。
ここで、停止ギア84Aに複数の停止歯を設けたのは、自動車の運転状態やステアリングギア比の設定状態に応じて、ステアリングシャフト13の回転が停止される位置が一定ではないので、どの回転位置でもステアリングシャフト13の回転を停止できるようにするためである。
回転規制機構83は、任意の回転位置、又は所定角度毎の回転位置で、ステアリングシャフト13の回転を規制可能である。このように、機械的な回転規制機構83を設けることによって、上述した反力用電動モータ18による反力が加えられている状態で、更にステアリングシャフト13が無理に回転されて、ステアリングシャフト13が際限なく回転されることを規制することができる。
そして、図8や図9に示す制御フローよってストロークエンドに達した状態や、デッドロックに陥った状態で、反力用電動モータ18に反力が与えられた後に、更にステアリングホイール12が所定量だけ回転されると、停止ピン駆動モータ84Cが駆動される。
したがって、回転規制機構83は、図11Aの状態から図11Bに示す状態に変化して、停止ピン駆動モータ84Cの回転によって、停止ピン84Bが停止ギア84Aの停止歯の間に突入され、ステアリングシャフト13の回転が強制的に規制される。
また、これとは別に、反力用電動モータ18の動作によってステアリングホイール12の回転速度が所定速度以下になった時に、停止ピン駆動モータ84Cが駆動されるようにしても良い。この場合も、停止ピン駆動モータ84Cの回転によって、停止ピン84Bが停止ギア84Aの停止歯の間に突入され、ステアリングホイール12の回転が強制的に規制される。
このように、ステアリングホイール12が切り込み方向へ操作されるとき、反力指令信号生成部64は、回転規制機構83がステアリングシャフト13の回転を規制する前に、反力信号を生成してステアリングホイール12の回転を事前に抑制している。
このように、回転規制機構83がステアリングホイール12の回転を規制する前に、反力用電動モータ18によりステアリングシャフトの回転を抑制しておくので、回転規制機構83に作用する負荷の低減、又は回転規制機構83が作動するときの衝撃がステアリングホイール12に大きく伝わることを抑制することができる。
更には、図12に示しているように反力指令信号生成部64は、回転規制機構83が「機械的停止位置」でステアリングホイール12の回転を規制した後に、反力信号の値を減少させるように動作させることもできる。尚、反力信号の減少はステップ的に低減しても良いし、破線で示すように徐々に低減するようにしても良い。
これによって、回転規制機構83によってステアリングホイール12の回転が規制された状態においては、反力用電動モータ18による制御の必要性が低下しているため、反力信号の値を低減することで、反力用電動モータ18における消費電力の低減や、反力用電動モータの小型化を図れる等の効果を奏することができる。
図13にストロークエンド(或いはデッドロック)に達した以降のステアリングホイール12の回転速度、反力用電動モータ18の反力、及び回転規制機構83の時系列の動作を示している。
今、時刻t1でストロークエンド(或いはデッドロック)の状態に達すると、反力用電動モータ18に反力が与えられ、これによってステアリングシャフト13に加わる反力が増加していく。この反力の増加にしたがって、ステアリングホイール12の回転速度が低下していくが、時刻t2で所定の回転速度閾値に達すると、ステアリングホイール12の回転速度が十分に低下していると判断される。
この時、時刻t2でステアリングホイール12に与えられる反力は一定値に保持されると共に、回転規制機構83の停止ピン駆動モータ84Cが駆動される。ここで、反力が一定値に保持される時刻t2と停止ピン84Bが駆動される時刻t3は異なっているが、ほぼ同じ時刻に設定しても良い。そして、停止ピン駆動モータ84Cの回転によって、停止ピン84Bが停止ギア84Aの停止歯の間に突入され、ステアリングシャフト3の回転が強制的に規制される。
更に、停止ピン84Bが駆動された後は、反力用電動モータ18の反力をステアリングシャフト13に与える必要がないので、時刻t3以降では反力用電動モータ18に与える電力を徐々に減少する。尚、時刻t3で反力用電動モータ18の電力を遮断することも可能である。更に、停止ピン84Bを駆動する時期は、回転速度閾値によって判断しているが、ストロークエンドに達した状態からステアリングホイール12が所定角度だけ回転した時を時刻t2としても良い。
このように、回転規制機構83によってステアリングホイール12の回転が規制された状態においては、反力用電動モータ18による制御の必要性が低下しているため、反力信号の値を低減することで、反力用電動モータ18における消費電力の低減や、反力用電動モータの小型化を図る等の効果を奏することができる。
ここで、図11A、図11Bに示す回転規制機構83は、停止ギア84Aと停止ピン84Bによってステアリングシャフト13の回転を停止しているが、図14A、図14Bに示すようにブレーキ機構を使用するようにしても良い。
図14A、図14Bにおいて、ステアリングシャフト13にはブレーキディスク(被摺動部)85Aが固定されており、ステアリングシャフト13とブレーキディスク85Aは一体的に動作される。また、ブレーキディスク85Aには、ブレーキパッド85Bが切離可能に設けられており、このブレーキパッド85Bはブレーキロッド85Dに取り付けられている。ブレーキロッド85Dにはラック歯が形成され、ブレーキパッド駆動モータ85Cに設けられたピニオンギアによって、ブレーキパッド85Bはブレーキディスク85Aに押し付けられ、ブレーキパッド85Bとの間に摩擦力を発生させる。
そして、図8や図9に示す制御フローよってストロークエンドに達した状態や、デッドロックに陥った状態で、反力用電動モータ18に反力が与えられた後に、ステアリングホイール12が所定量だけ回転されたり、或いはステアリングホイール12の回転速度が所定の回転速度閾値に達すると、ブレーキパッド駆動モータ85Cが駆動される。
したがって、回転規制機構83は、図14Aの状態から図14Bに示す状態に変化して、ブレーキパッド駆動モータ85Cの回転によって、ブレーキパッド85Bがブレーキディスク85Aに押圧されて摩擦力を発生し、ステアリングシャフト13の回転が強制的に規制される。
このように、ブレーキディスク85Aとブレーキパッド85Bとの摩擦力で、ステアリングシャフト13の回転を規制する構成としたことにより、ステアリングシャフト13の回転を任意の回転位置において規制することができる。
以上に説明した回転規制機構83は、ステアリングハウジング75と反力用電動モータ18の間に介装されているが、図15に示すように、ステアリングホイール12とステアリングハウジング75の間に介装することもできる。
図15において、ステアリングホイール12とステアリングハウジング75の間の空間には、ステアリングシャフト13の回転を規制する回転規制機構83が設けられている。図15に示す回転規制機構は、図10に示す回転規制機構83と同様に、ステアリングシャフト13に一体的に固定された複数の停止歯を備えた停止ギア84Aと、停止ギア84Aの停止歯の間に突入、離脱する停止ピン84Bと、停止ピンを駆動する停止ピン駆動モータ84Cとから構成されている。
そして、図15に示す回転規制機構83においても、図10と同様に、図8や図9に示す制御フローよってストロークエンドに達した状態や、デッドロックに陥った状態で、反力用電動モータ18に反力が与えられた後に、ステアリングホイール12の回転速度が回転速度閾値に達すると、停止ピン駆動モータ84Cが駆動される。したがって、回転規制機構83が、図11Aの状態から図11Bに示す状態に変化して、停止ピン駆動モータ84Cの回転によって、停止ピン84Bが停止ギア84Aの停止歯の間に突入され、ステアリングシャフト13の回転が強制的に規制される。
次に、回転規制機構83を駆動するための制御フローを図16に基づいて説明する。この制御フローは図8に示す制御フローに追加されて実行される。
≪ステップS15≫
ステップS15は図8に示す制御ステップと同様であり、操舵角信号を用いて補正反力信号を生成し、更に補正反力信号を基本反力信号に加算して最終反力信号を生成する。最終反力信号が求まるとステップS25に移行する。
≪ステップS25≫
ステップS25においては、停止フラグに「1」が立っているかどうかを判断する。この停止フラグは、後述するステップS27、S28が実行された時に「1」を立てるものである。つまり、停止フラグは回転規制機構83によってステアリングシャフト13の回転が規制された時に「1」が立てられる。
このステップS25で、停止フラグが「0」であると、回転規制機構83が動作されていない状態を表し、停止フラグが「1」であると、回転規制機構83が動作されている状態を表している。したがって、停止フラグが「0」であると、最初にストロークエンドの状態に達したと判断されてステップS16に移行する。一方、停止フラグが「1」であると、既に回転規制機構83によってステアリングホイールの回転が規制されているとしてステップS24に移行する。
≪ステップS16≫
ステップS16においては、図8と同様なので説明を省略する。ステップS16を実行すると、反力用電動モータ18によってステアリングシャフト13に反力が与えられ、これに伴ってステアリングホイール12の回転速度が低下する。これは図13で説明した通りである。ステップS16で、反力がステアリングシャフト13に与えられると、ステップS26に移行する。
≪ステップS26≫
ステップS26においては、ステアリングホイール12の回転速度が回転速度閾値に達したどうかを判断している。回転速度閾値に達していない場合は、図8と同様にステップS24に移行し、更にステップS24ではストロークエンドの状態かどうかを判断する。ストロークエンドの状態であれば、再びステップS25に戻る。
一方、ステップS26で、ステアリングホイール12の回転速度が回転速度閾値に達した判断された場合は、ステップS27に移行する。
≪ステップS27≫
ステップS27においては、回転規制機構83の停止ピン駆動モータ84Cが駆動される。この停止ピン駆動モータ84Cの回転によって、停止ピン84Bが停止ギア84Aの停止歯の間に突入され、ステアリングシャフト13の回転が強制的に規制される。
ただ、この場合は反力用電動モータ18によって、ステアリングホイール12の回転がかなり低下されているので、停止ピン84Bによって停止ギア84Aの回転を止めても、ステアリングホイール12には、それほど衝撃は発生しない。停止ピン駆動モータ84Cによる停止ピン84Bの駆動が完了するとステップS28に移行する。
≪ステップS28≫
ステップS28においては、回転規制機構83でステアリングホイール12の回転を規制しているので、これ以降では反力用モータ18に電力を与える必要性がない。したがって、このステップS28では、反力用電動モータへの電力量を減少する。これによって、反力用電動モータ18における消費電力の低減や、反力用電動モータ18の小型化を図る等の効果を奏することができる。
尚、反力用電動モータ18への電力量を減少するのに代えて、反力用電動モータ18への電力を停止することもできる。反力用電動モータ18への電力を減少させるとステップ29に移行する。
≪ステップS29≫
ステップS29においては、ステップS27で回転規制機構83の停止ピン駆動モータ84Cを駆動しているので、停止フラグに「0」の代わりに「1」を立てる。この停止フラグは、上述したように「0」であると回転規制機構83が動作されていない状態を表し、「1」であると回転規制機構83が動作されている状態を表している。この停止フラグは、上述したステップS25で使用される。
停止フラグの設定が完了するとステップS24に移行し、図8に示した制御フローと同じ制御を実行する。この場合、ステップS24で依然としてストロークエンドの状態にあると判断されると、ステップS25に戻って停止フラグの状態を判断している。ステップS29で停止フラグに「1」が立っているので、ステップS25では、回転規制機構83を駆動したまま、再びステップ24の判断を繰り返すように動作する。
回転規制機構83は、上述したように任意の回転位置、又は所定角度毎の回転位置で、ステアリングシャフト13の回転を規制可能である。このように、機械的な回転規制機構83を設けることによって、ステアリングシャフト13が際限なく回転することを規制することができる。
ここで、回転規制機構83は、別の利用方法として、自動車の推進装置のスイッチ(例えば、キースイッチ)がオフになったとき、ステアリングシャフトの回転を規制することもできる。尚、自動車の推進装置としては、例えば、内燃機関、電動モータ等がある。また、内燃機関や電動モータは停止しているが、アクセサリスイッチがオンの状態においても、ステリングホイール12の回転を規制するようにしても良い。図17にその制御フローを示している。
≪ステップS30≫
ステップS30においては、内燃機関を始動するためにキースイッチをオンし、次にスタータモータによって内燃機関を始動する。キースイッチがオンされるとステップS31に移行する。
≪ステップS31≫
ステップS31においては、図11Bに示す状態にある回転規制機構83を、図11Aに示す状態の回転規制機構83に移行する。このためキースイッチがオンされると、停止ピン駆動モータ84Cを駆動して、停止ピン84Bを停止ギア84Aの停止歯の間から離脱させる。ここで、図11Bに示す状態にあるのを「キー・オフ・ロック(Key・OFF・Lock」と称している。キー・オフ・ロックが解除されるとステップ32に移行する。
≪ステップS32≫
ステップS32においては、自動車を操舵するために図8、或いは図9にある制御フローを実行する。尚、ここでは示していないが内燃機関は燃焼サイクルを実行し、クランクシャフトの回転は、クラッチやトランスミッションを介して駆動輪に与えられる。したがって、自動車は通常の走行動作を行なうことができる。次に自動車を停止する場合はステップS33に移行する。
≪ステップS33≫
ステップS33においては、内燃機関を停止するためキースイッチをオフして、燃料制御機能や点火制御機能を停止させる。これによって、内燃機関は停止されるが、この場合、反力アクチュエータコントローラ42はシャットダウンされていない。そして、キースイッチがオフされるとステップS34に移行する。
≪ステップS34≫
ステップS34においては、図11Aに示す状態にある回転規制機構83を、図11Bに示す状態の回転規制機構83に移行する。このためキースイッチがオフされると、停止ピン駆動モータ84Cを駆動して、停止ピン84Bを停止ギア84Aの停止歯の間に突入させる。これによって、ステアリングシャフト13は回転できない状態になる。
このように本実施形態の回転規制機構83は、キー・オフ・ロックとしても使用することができる。この場合、車両の停止中にステアリングホイールが操作されることにより、ステアリングホイールと転舵輪の関係がずれることを抑制することができる。
上述した回転規制機構83は、基本的には反力用電動モータ18の反力によってステアリングホイール12の回転速度が所定の回転速度閾値に達すると、電気的に動作してステアリングシャフト13の回転を規制するものであるが、更に以下に示すような回転規制機構を採用することもできる。
図18にその構成を示しており、ステアリングハウジング75の端面にはモータハウジング(操舵入力部ハウジング)77が液密的に固定されており、内部にコイルが巻回されたモータステータ78が収納され、更にモータステータ77の内部にはモータロータ79が回転可能に収納されている。モータロータ79には、回転軸76が固定的に連結されており、モータロータ79によって回転軸76に反力(回転トルク)が与えられる。
また、回転軸76のステアリングシャフト13の反対側には、回転軸76の回転数や回転角度を検出するモータ回転角度センサ80が設けられている。モータ回転角度センサ80は、永久磁石やGMR素子等から構成されており、反力アクチュエータコントローラ42の樹脂基板に設けられた検出回路で回転数や回転角度が検出される。
モータハウジング77のステアリングハウジング75の反対側には、これも液密的にカバー81が固定されており、内部に反力アクチュエータコントローラ42が内蔵されている。反力アクチュエータコントローラ42は図4に示されている構成のコントローラである。また、反力アクチュエータコントローラ42は、コネクタ組立体82によって電源に接続され、また通信線を介して操舵アクチュエータコントローラ44と接続されている。
モータハウジング77とステアリングハウジング75の間の空間には、ステアリングシャフト13の回転を規制する変速機付き回転規制機構86が設けられている。更に、変速機付き回転規制機構86は、回転規制位置を変更できる回転規制位置変更機構87が設けられている。これらの具体的な構成は追って説明する。
変速機付き回転規制機構86は遊星歯車機構からなっており、この遊星歯車機構は、詳細は後述するが、サンギア、プラネタリギア、リングギア、及びプラネタリキャリアから構成されている。そして、サンギア、プラネタリギア、リングギア、又はプラネタリキャリアの1つの回転を規制することにより、ステアリングシャフト13の回転を規制することができる。
本実施形態においても、変速機付き回転規制機構86は、ステアリングシャフト側回転規制部(回転側回転規制部)と、モータハウジング側回転規制部(固定側回転規制部)からなり、ステアリングシャフト13の回転に伴い回転するステアリングシャフト側回転規制部が、モータハウジング側回転規制部と当接することにより、ステアリングシャフト13の回転を規制することができる。
具体的には、変速機付き回転規制機構86は、ステアリングシャフト13に連結されたサンギアと、このサンギアに噛み合ったプラネタリギア、及びプラネタリキャリア(ステアリングシャフト側回転規制部に相当)と、モータハウジング77の内壁に固定され、内周にプラネタリギアが噛み合ったリングギアに設けた停止ピン(モータハウジング側回転規制部に相当)から構成されている。
そして、本実施形態においてもステアリングシャフト13の回転軸線の方向において、ステアリングホイール11、ステアリングシャフト13、変速機付き回転規制機構86、反力用電動モータ18、操舵アクチュエータコントローラ44、及びコネクタ組立体82の順に配置されている。
このように、操舵アクチュエータコントローラ44が、反力用電動モータ18を挟んで変速機付き回転規制機構86の反対側に設けられていることで、操舵アクチュエータコントローラ44の信号線、電力供給用コネクタ、ワイヤハーネス等が、変速機付き回転規制機構86やステアリングシャフト13と干渉するのを避けることができる。
また、ステアリングシャフト13と反力用電動モータ13の回転軸76とを変速機付き回転規制機構86を同軸上に配置したので、回転運動の伝達経路を効率よく構成することができる。
また、本実施形態では、変速機付き回転規制機構86は遊星歯車機構から構成されているので、遊星歯車機構を構成する1つのギアを減速機構によって減速することで、ステアリングシャフト13の回転を規制することができる。また、遊星歯車の変速比を変えることによって、ステアリングシャフト13の回転規制位置を変えることもできる。
また、本実施形態では、図18にあるように、反力用電動モータ18は、モータロータ79の回転角を検出するモータ回転角センサ80を有しており、反力アクチュエータコントローラ42は、モータ回転角センサ80の出力信号に基づき、操舵操作量信号を生成することもできる。
反力用電動モータ18が、例えばブラシレスモータのように、モータロータの回転角を検出するモータ回転角センサ80を有する場合、このモータ回転角センサ80の出力信号を用い、変速機付き回転規制機構86の変速比と、モータ回転角センサ80がどちらの方向へどれだけ回転したかに関する情報を考慮することで、ステアリングシャフト13、つまりステアリングホイール12の回転量である操舵角を検出することができる。
更には、以下に述べる実施形態のように、ギアの減速や変速比によらず遊星歯車を構成する構成部品、例えば、リングギアに設けた停止ピンとプラネタリキャリアが所定の規制位置で互いに当接することにより、ステアリングシャフト13の回転を規制する構成とすることもできる。
図19には、変速機付き回転規制機構86の構成を示しているが、ステアリングシャフト13やモータロータ79の回転軸76の表示は省略している。
図19において、ステアリング側軸部88とモータ側軸部89は、同軸で一体的に形成されており、途中にサンギア90が形成されている。サンギア90の外周には所定の歯数を有するギア歯が形成されている。そして、ステアリング側軸部88はステアリングシャフト13に連結され、モータ側軸部89はモータロータ79の回転軸76に連結されている。
尚、ステアリング側軸部88とモータ側軸部89は、ステアリングシャフト13と一体的に形成しても良いし、また、ステアリング側軸部88とモータ側軸部89は、モータロータ79の回転軸76と一体的に形成しても良い。
サンギア90は、リングギア91の中央付近に配置されており、サンギア90とリングギア91の間には2個のプラネタリギア92が配置されている。そして、サンギア90とプラネタリギア92は互いのギア歯が噛み合い、同様にプラネタリギア92とリングギア91は互いのギア歯が噛み合っている。ここで、リングギア91はモータハウジング77の内壁面に固定されており、リングギア91は回転することはない。
2個のプラネタリギア92は、180°の角度間隔を有して配置されており、夫々のプラネタリギア92はプラネタリギアキャリア93によって連結されている。プラネタリギアキャリア93の両端には、プラネタリギア92が回転可能に支持されている。更に、プラネタリキャリア93の中央付近には、環状の支持環部94が形成されており、この支持環部94は、ステアリング側軸部88に回転可能に軸支されている。したがって、プラネタリギア92及びプラネタリキャリア93は、サンギア90を回転中心にして、サンギア90の回転によって回転可能となっている。
また、プラネタリキャリア93の一方には、リングギア91の円環状の端面領域91Aまで延びる停止片93Sが形成されており、この停止片93Sは、プラネタリキャリア93の回転によって、リングギア91の端面領域91Aに取り付けた停止ピン95と当接する長さに設定されている。つまり、プラネタリキャリア93の停止片93Sが、ステアリングシャフト側回転規制部であり、リングギア91の停止ピン95が、モータハウジング側回転規制部となる。
したがって、ステアリングシャフト13の回転に対して、プラネタリキャリア93の回転は減速された形態となるので、本実施形態の遊星歯車機構は減速機として機能している。つまり、プラネタリキャリア93の回転範囲よりも多くステアリングホイール12を回転させる構成とすることができる。また、遊星歯車機構を変速機(減速機)として使用するので、変速機の小型化を図りながら、大きな減速比を得ることができる。
そして、ステアリングホイール12の回転によってストロークエンドに達した時、或いはストロークエンドより所定角度だけ多く回転した時に、プラネタリキャリア93の停止片93Sが停止ピン95と当接するように組み付けられている。
次に、この変速機付き回転規制機構86の動作について説明するが、図20Aはステアリングホイール12が中立位置にある状態を示し、図20Bは転舵軸17がストロークエンドにある状態を示している。
図20Aにおいて、ステアリングホイール12が中立位置にあると、停止ピン95の軸心、2個のプラネタリギア92の回転中心、サンギア90の回転中心、及びプラネタリキャリア93の停止片93Sの半径方向に延びる軸線は、ほぼ同一線上に位置している。
この状態で、ステアリングホイール12が回転されると、図20A、図20Bにあるように、ステアリングシャフト13と一体に設けられたサンギア90が自転し、更にサンギア90と噛合うプラネタリギア92が自転しながら公転する。この時、プラネタリギア92に連結されたプラネタリキャリア93が、プラネタリギアの公転と一緒に公転する。
プラネタリキャリア93は、支持環部94がステアリング側軸部88に回転可能に支持されているので、ステアリングシャフト13とプラネタリキャリア93とは相対回転する。そして、ストロークエンド達するか、或いはストロークエンドより所定角度だけ多く回転すると、図20Bに示すようにプラネタリキャリア93の停止片93Sが停止ピン95に当接して、ステアリングシャフト13の回転が規制される。尚、この状態においては、反力用電動モータ18はステアリングシャフト13に反力を与えている。
このように、変速機付き回転規制機構86は、ステアリングホイール12がストロークエンドに達するまで回転した位置、或いはストロークエンドより所定角度だけ多く回転した位置で、ステアリングシャフト13の回転を規制可能である。
機械的な変速機付き回転規制機構86を設けることによって、上述した反力用電動モータ18による反力が加えられている状態で、更にステアリングシャフト13が無理に回転されて、ステアリングシャフト13が際限なく回転されることを規制することができる。
ところで、上述したようにステアリングギア比によっては、ステアリングホイール12の回転量に対して転舵軸17が大きくストロークする設定がなされる場合がある。この場合は、図19に示す変速機付き回転規制機構86の構成では、プラネタリキャリア93の停止片93Sが停止ピン95に当接する前にストロークエンドに達してしまう恐れが生じる。このため、本実施形態では図21、図22に示す回転規制位置変更機構87を提案している。尚、この回転規制位置変更機構87は図18に示しているものである
図21、図22において、リングギア91の円環状の端面領域91Aには、可動停止ピン96Aが設けられている。この可動停止ピン96Aは、停止ピン95を基準にして両側に90°の間隔を有して円環状の端面領域91Aから突出し、また後退する構成とされている。そして、図22に示すように、可動停止ピン96Aは可動停止ピンロッド96Bに連結され、この可動停止ピンロッド96Bの一端にはラック歯が形成されている。可動停止ピンロッド96Bのラック歯には、可動停止ピン駆動モータ96Cに設けられたピニオンギアが噛み合っており、ピニオンギアの回転によって可動停止ピン96Aが突出し、また後退する。
そして、回転規制位置変更機構87に設けた可動停止ピン駆動モータ96Cは、例えば、ステアリングホイール12の回転量に対して転舵軸17が大きくストロークするステアリングギア比に設定された場合に駆動される。したがって、回転規制位置変更機構87は、図23A、図23Bに示すように、停止ピン95に代えて可動停止ピン96Aを突出させ、この可動停止ピン96Aがプラネタリキャリア93の停止片93Sの回転を規制することになる。
このように、ステアリングギア比の変更に基づき、可動停止ピン96Aがリングギア91の円環状の端面領域91Aから突出されると、図23Aに示す中立位置の状態からステアリングホイール12が回転され、ステアリングホイール12がストロークエンドに達するまで回転した位置、或いはストロークエンドより所定角度だけ多く回転した位置で、プラネタリキャリア93の停止片93Sが可動停止ピン96Aに接触してステアリングシャフト13の回転が強制的に規制される。
上述した遊星歯車機構による回転規制機構83、86においては、ステアリング側軸部88とモータ側軸部89は一体化され、この間にサンギア90を設けているので、ステアリング側軸部88とモータ側軸部89は一体的に回転される構成となっている。
一方、ステアリング側軸部88とモータ側軸部89を別体に分離して、ステアリング側軸部88とモータ側軸部89をそれぞれ別のギアに連結することで、ステアリング側軸部88とモータ側軸部89の回転を相互に変えることができる。つまり、ステアリング側軸部88の回転に対して、モータ側軸部89を減速、或いは増速することができる。
例えば、減速する場合は、ステアリング側軸部88にサンギア90を固定し、モータ側軸部89にリングギア91を固定し、プラネタリキャリア93をモータハウジング77に固定する構成が考えられる。
この場合、ステアリング側軸部88の回転とサンギア90の回転は同じ(一対一の関係)であり、このサンギア90の回転に合わせてプラネタリギア92も回転する。ただ、プラネタリキャリア93は固定されているので、プラネタリギア92は、サンギア90とプラネタリギア92との減速比で回転することになる。
プラネタリギア92が回転すると、リングギア91も回転するが、リングギア91の回転は、サンギア90(=ステアリング側軸部)の回転に比べて減速されることになる。但し、リングギア91は、サンギア90に対して回転方向が逆となるので、プラネタリギア92の回転を逆に伝えるため、プラネタリギア92とリングギア91の間に更に追加のプラネタリギアを介装するようにすれば良い。
尚、変速機付き回転規制機構86は、リングギア91に停止片を設け、モータハウジングの側に、この停止片と突き当たる停止ピンを設けておけば、図19に示す変速機付き回転規制機構86と同様の動作を行なうことができる。例えば、適当なギア比を設定してやれば、ステアリングシャフト13(=ステアリング側軸部)が中立位置から3回転すると、リングギア91は0.5回転して停止片が停止ピンに当接し、これによってステアリングシャフトの回転を規制できるようになる。同様にステアリングシャフト13が逆回転した時も同様の動作を行なうことはもちろんである。
一方、増速する場合は、ステアリング側軸部88にリングギア91を固定し、モータ側軸部89にサンギア90を固定し、プラネタリキャリア93をモータハウジング77に固定する構成が考えられる。
この場合、ステアリング側軸部88の回転とリングギア91の回転は同じ(一対一の関係)であり、このリングギア91の回転に合わせてプラネタリギア92も回転する。ただ、プラネタリキャリア93は固定されているので、プラネタリギア92は、リングギア91とプラネタリギア92との増速比で回転することになる。
プラネタリギア92が回転すると、サンギア90も回転するが、サングギア90の回転は、リングギア91(=ステアリング側軸部)の回転に比べて増速されることになる。但し、サンギア90は、リングギア91に対して回転方向が逆となるので、この場合もプラネタリギア92の回転を逆に伝えるため、プラネタリギア92とリングギア91の間に更に追加のプラネタリギアを介装するようにすれば良い。
尚、増速する場合の回転規制機構は、図11A、図11Bに示すような回転規制機構83を使用することができる。回転規制機構83を使用すれば、ステアリングシャフト13の回転軸線に関する周方向において、複数箇所に設けられた複数の停止歯84Aの間の空間の何れかに停止ピン84Bが突入されるので、簡素な構成により、ステアリングシャフト13の回転を機械的に規制することができる。
また、これ以外の減速/増速機構として、ステアリング側軸部88がサンギア90、或いはプラネタリキャリア93の一方に連結され、モータ側軸部89がプラネタリキャリア93、或いはサンギア90の他方に連結することもできる。尚、リングギア91はモータハウジング77に固定されている。ここで、本実施形態では操舵角センサ14は、プラネタリキャリア93の回転角度を検出する構成とされている。
このようにプラネタリキャリア93の回転は、サンギア90の回転に比べて大幅に減速されるため、操舵角センサがプラネタリキャリア93の1回転を検出することで、1回転を超えるステアリングシャフト13の回転量を検出することができる。
以上説明したように、遊星歯車機構を用いることによって、反力用電動モータ18の特性や回転規制機構83、86の構造等に応じてステアリングシャフト13の回転速度に対する反力用電動モータ18の回転軸76の回転速度を設定することができる。
また、ステアリングシャフト13の回転を変速機(遊星歯車機構)により反力用電動モータ18の回転軸76の回転速度を増大させる構成とした場合は、反力用電動モータ18が発生するトルクがより小さくて済む。このため、反力用電動モータ18の小型化、または反力用電動モータ18における消費電力の低減等の効果を得ることができる。
以上の回転規制機構83、86は遊星歯車機構を利用しているが、次に他の回転規制機構について説明する。図24は、ウォームギア機構を利用した変速機付き回転規制機構97を示している。
図24において、ウォームギア機構を利用した変速機付き回転規制機構97においては、ステアリング側軸部98とモータ側軸部99は、同軸で一体的に形成されており、途中にウォーム100が形成されている。ウォーム100の外周には螺旋状のギア歯が形成されている。そして、ステアリング側軸部98はステアリングシャフト13に連結され、モータ側軸部99はモータロータ79の回転軸76に連結されている。
円形状のウォームホイール101の外周には、ウォームホイール101の回転軸線に対して斜めに傾斜したギア歯が形成されており、このギア歯にウォーム100の螺旋状のギア歯が螺合されている。また、ウォームホイール101は回転支軸102によって回転可能に支持されており、回転支軸102はモータハウジング77に回転自在に軸支されている。
ウォームホイール101の側端面101Aには、停止片103がウォームホイール101の回転軸線方向に沿って延びるようにして固定されている。また、モータハウジング77の内周には停止ピン104が固定されている。この停止ピン104は、ウォーム100が回転して、ウォームホイール101が、ストロークエンドに対応する位置、或いはストロークエンドより所定角度だけ多く回転した位置まで回転すると、停止片103と当接して、ウォームホイール101の回転を規制している。
次に、この変速機付き回転規制機構97の動作について説明するが、図25Aはステアリングホイール12が中立位置にある状態を示し、図25Bはステアリングホイール12がストロークエンドに対応する位置、或いはストロークエンドより所定角度だけ多く回転した位置にある状態を示している。
図25Aにおいて、ステアリングホイール12が中立位置にあると、停止ピン104の軸心、ウォームホイール101の回転中心、及びウォームホイール101の停止片103の軸心は、半径方向に延びる同一線上に位置している。
この状態で、ステアリングホイール12が回転されると、図25A、図25Bにあるように、ステアリングシャフト13と一体に設けられたウォーム100が回転し、これと同時に、ウォーム100の螺旋状のギア歯によってウォームホイール101も回転する。ウォームホイール101の回転支軸102は、モータハウジング77に回転可能に支持されているので、ステアリングホイール12がストロークエンドに対応する位置、或いはストロークエンドより所定角度だけ多く回転した位置に達すると、図25Bに示すように、ウォームホイール101の停止片103が停止ピン104に当接して、ステアリングシャフト13の回転が規制される。
このように、ステアリングシャフト13に繋がっているウォーム100の回転に比べてウォームホイール101の回転を減速することができる。また、ステアリングホイール101に回転力が付与されたとき、ステアリングホイール12に適度な抵抗力を与えることができる。
ここで、図19、図24に示す回転規制機構86、或いは回転規制機構97には操舵角センサ14を設けることができる。
例えば、回転規制機構86においては、ステアリング側軸部88に形成したサンギア90は、ステアリングシャフト13と一体的に回転するので、サンギア90によって回転されるプラネタリキャリア93の回転はステアリングシャフト13の回転を示すことになる。したがって、プラネタリキャリア93に操舵角センサ14を設けることで間接的にステアリングシャフト13の操舵角を検出できる。
また、回転規制機構97においては、ステアリング側軸部98に形成したウォーム100は、ステアリングシャフト13と一体的に回転するので、ウォーム100によって回転されるウォームホイール101の回転はステアリングシャフト13の回転を示すことになる。したがって、ウォームホイール101に操舵角センサ14を設けることで間接的にステアリングシャフト13の操舵角を検出できる。
このように操舵角センサ14は、プラネタリキャリア93、或いはウォームホイール101の回転角度を検出可能である。また、操舵角センサ14が検出可能な角度範囲は、プラネタリキャリア93、或いはウォームホイール101の停止ピン95、或いは停止ピン104によって決まる回転可能な角度範囲よりも大きい範囲に設定されている。
これによって、プラネタリキャリア93、或いはウォームホイール101の回転角度が、操舵角センサの検出可能範囲を超えることがなくなり、操舵角センサが検出不能となる事態を避けることができる。
ところで、ステアリングホイール12の内部にはエアバッグ装置が内蔵されており、更にエアバッグ装置を起動するための電力を供給するワイヤハーネスが収納されている。図26Aは、ステアリングホイール12の中立位置におけるワイヤハーネスの状態を示し、図26Bは、ステアリングホイール12が左回転側に回転された左側最大操舵位置におけるワイヤハーネスの状態を示し、図26Cは、ステアリングホイール12が右回転側に回転された右側最大操舵位置におけるワイヤハーネスの状態を示している。
図26A〜図26Cにおいて、エアバッグ装置105は、ホイールハウジング(ハーネスケース)106内に、ハーネスケース軸107が配置されており、このハーネスケース軸107はステアリングシャフト13に接続されている。したがって、ハーネスケース軸107はステアリングシャフト13と一体的に回転される。
ハーネスケース軸107には第1コネクタ108が取り付けられ、この第1コネクタ108にワイヤハーネス109が電気的、機械的に接続されている。一方、ホイールハウジング106には第2コネクタ110が取り付けられ、この第2コネクタ110にワイヤハーネス109が電気的、機械的に接続されている。
したがって、加速度センサ(図示せず)や衝撃センサ(図示せず)によって自動車の衝突が検出されると、バッテリからの電力が第2コネクタ110、ワイヤハーネス109、及び第1コネクタ108に供給され、インフレータ(図示せず)を作動することができる。
ここで、ワイヤハーネス109は、ハーネスケース軸107の周囲に複数回に亘って巻き掛けられている。ところが、ステア・バイ・ワイヤ方式だとステアリングホイール12が際限なく回転される恐れがあるので、ワイヤハーネス109の電気的接続が遮断される恐れがあり、この対策が必要である。
例えば、図26Aの中立位置からステアリングホイール12が左回転されて図26Bの状態に移行していくと、ワイヤハーネス109がホイールハウジング106の外壁側に寄って行き、最大操舵位置を超えて更に操舵されると、ハーネスケース軸107に取り付けた第1コネクタ108とワイヤハーネス109との接続部が破断する恐れが生じる。
同様に、図26Aの中立位置からステアリングホイール12が右回転されて図26Cの状態に移行していくと、ワイヤハーネス109がハーネスケース軸107に巻きとられ、最大操舵位置を超えて更に操舵されると、ホイールハウジング106に取り付けた第2コネクタ110とワイヤハーネス109との接続部が破断する恐れが生じる。
したがって、本実施形態の回転規制機構86、97においては、停止片93、或いは停止片103が停止ピン95、104と当接するとき、ワイヤハーネス109が所定量の撓みを有するように設定されている。
このように、ステアリングシャフト13を最大限回転させた状態においても、ワイヤハーネス109は所定量の撓みを有しているため、ワイヤハーネス109と第1コネクタ108、或いは第2コネクタの接続部が切断されたり、ワイヤハーネス109に過大な負荷がかかり、耐久性が低下したりすることを抑制することができる。
以上に述べてきたように、本実施形態においては、反力用電動モータ18の動作角度、回転規制機構86、97の規制角度、ワイヤハーネス109の破断限界角度、及び操舵角センサ14の検出限界角度について密接な関係を有している。
図27に示しているように、反力用電動モータ18が動作する操舵角範囲に対して、回転規制機構86、97よる規制が行わる規制角度は、角度(Mgnθ1)だけ大きく設定されている。これによって、反力用電動モータ18の制御に影響を与えない余裕代が得られる。
また、回転規制機構86、97による規制が行われない操舵角範囲に対して、ワイヤハーネスが破断する破断限界角度は角度(Mgnθ2)だけ大きく設定されている。これによって、ワイヤハーネスを破断させない余裕代が得られる。
更に、ワイヤハーネスが破断しない操舵角範囲に対して、操舵角センサの検出限界角度は角度(Mgnθ3)だけ大きく設定されている。これによって、ステアリングホイールの中立位置見失わない余裕代が得られる。
このように、本実施形態においては、反力用電動モータ18の動作角度、回転規制機構86、97の規制角度、ワイヤハーネス109の破断限界角度、及び操舵角センサ14の検出限界角度について規定したので、夫々の機能が互いに干渉することなく実行されるようになる。
以上述べた通り、本発明によれば、ステアリングホイールの操舵操作に反力を与えるためのステアリングシャフトに連結された反力アクチュエータを備えると共に、反力アクチュエータコントローラの反力指令信号生成部によって、転舵軸の動作が制限される状態においては、ステアリングホイールの切り込み方向への操舵操作を規制する反力を反力アクチュエータに与える、構成としている。
この構成によれば、ステアリングホイールの操舵操作と転舵軸の転舵動作が対応し、運転者の操舵違和感を軽減することができる。
尚、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
10…転舵輪、12…ステアリングホイール、13…ステアリングシャフト、 14…操舵角センサ、15…操舵と衝くセンサ、17…転舵軸、18…反力用電動モータ、19…制御装置、22…転舵量センサ、42…反力アクチュエータコントローラ、44…操舵アクチュエータコントローラ、46…反力アクチュエータ用マイクロプロセッサ、65…基本反力演算ブロック、66…転舵軸突き当て判定ブロック、67…補正反力演算ブロック、68…最終反力演算ブロック69…操舵偏差演算ブロック、70…操舵トルク演算ブロック、71…操舵トルク比較ブロック、83…回転規制機構、84A…停止ギア、84B…停止ピン、84C…停止ピン駆動モータ、86…回転規制機構、90…サンギア、91…リングギア、92…プラネタリギア、93…プラネタリキャリア、93S…停止片、95…停止ピン、97…回転規制機構、100…ウォーム、101…ウォームホイール、103…停止片、104…停止ピン。

Claims (29)

  1. 転舵可動部材を備え、前記転舵可動部材の動きに応じて転舵輪を転舵させる転舵機構と、
    前記転舵可動部材に操舵力を付与する転舵アクチュエータと、
    操舵入力部であって、操舵入力軸と、反力アクチュエータと、操舵操作量センサを含み、
    前記操舵入力軸は、前記転舵輪と機械的につながっておらず、ステアリングホイールの回転に応じて回転可能であり、
    前記反力アクチュエータは、モータロータと、ステータコイルを含み、前記モータロータは、前記操舵入力軸と繋がっており、
    前記操舵操作量センサは、前記操舵入力軸の回転量に関する信号である操舵操作量信号を出力可能であり、
    コントローラであって、転舵アクチュエータコントローラと、反力アクチュエータコントローラを含み、
    前記転舵アクチュエータコントローラは、操舵指令信号生成部を含み、操舵指令信号生成部は、操舵操作量信号に基づき、前記転舵アクチュエータを駆動、制御する操舵指令信号を生成し、
    前記反力アクチュエータコントローラは、反力指令信号生成部を含み、前記反力指令信号生成部は、前記転舵可動部材の動作が制限される状態において、前記ステアリングホイールの切り込み方向への操舵操作を規制する反力を前記操舵入力軸に与えるように前記反力アクチュエータを駆動する反力指令信号を生成する
    ことを特徴とするステアリング装置。
  2. 請求項1に記載のステアリング装置であって、
    前記反力アクチュエータコントローラは、更に転舵輪突き当て判断部を含み、
    前記転舵輪突き当て判断部は、前記転舵輪が所定のストロークエンドに到達したか否かを判断し、前記転舵輪が前記所定のストロークエンドに到達したとき、転舵輪突き当て判断信号を出力し、
    前記反力指令信号生成部は、前記前記転舵輪突き当て判断信号に基づき前記反力指令信号を生成する
    ことを特徴とするステアリング装置。
  3. 請求項2に記載のステアリング装置であって、
    更に、転舵量センサを備え、前記転舵量センサは、前記転舵輪の転舵量を検出して転舵量信号を出力可能であり、
    前記転舵輪突き当て判断部は、前記転舵量信号に基づき、前記転舵輪が前記所定のストロークエンドに到達したか否かを判断する
    ことを特徴とするステアリング装置。
  4. 請求項2に記載のステアリング装置であって、
    更に、転舵量センサを備え、前記転舵量センサは、前記転舵輪の転舵量を検出して転舵量信号を出力可能であり、
    前記転舵輪突き当て判断部は、操舵トルク信号生成部を含み、前記操舵トルク信号生成部は、操舵トルク信号を生成し、前記操舵トルク信号は、前記操舵操作量信号と前記転舵量信号に基づき生成され、
    前記転舵輪突き当て判断部は、前記操舵トルク信号に基づき、前記転舵輪が前記所定のストロークエンドに到達したか否かを判断する
    ことを特徴とするステアリング装置。
  5. 請求項2に記載のステアリング装置であって、
    更に、転舵量センサを備え、前記転舵量センサは、前記転舵輪の転舵量を検出して転舵量信号を出力可能であり、
    前記転舵輪突き当て判断部は、操舵トルク信号生成部を含み、前記操舵トルク信号生成部は、操舵トルク信号を生成し、前記操舵トルク信号は、前記操舵操作量信号と前記転舵量信号に基づき生成され、
    前記反力指令信号生成部は、前記操舵トルク信号の値が所定値以上のとき、前記反力指令信号を生成する
    ことを特徴とするステアリング装置。
  6. 請求項1に記載のステアリング装置であって、
    前記コントローラは前記転舵アクチュエータコントローラと、前記反力アクチュエータコントローラと、第1通信回路と、第2通信回路を含み、
    前記反力アクチュエータコントローラは、反力アクチュエータコントローラ用ハウジングと、前記反力アクチュエータコントローラ用ハウジングに収納された反力アクチュエータ用マイクロプロセッサを含み、
    前記反力指令信号生成部は、前記反力アクチュエータ用マイクロプロセッサに設けられており、
    前記転舵アクチュエータコントローラは、転舵アクチュエータ用コントローラハウジングと、前記転舵アクチュエータ用コントローラハウジングに収納された第1の転舵アクチュエータ用マイクロプロセッサと第2の転舵アクチュエータ用マイクロプロセッサを含み、
    前記操舵指令信号生成部は、前記第1及び第2の転舵アクチュエータ用マイクロプロセッサに設けられており、
    前記操舵操作量センサは、第1操舵操作量センサと、第2操舵操作量センサを含み、
    前記第1操舵操作量センサは、前記操舵操作量信号としての第1操舵操作量信号を出力し、前記第2操舵操作量センサは、前記操舵操作量信号としての第2操舵操作量信号を出力し、
    前記第1操舵操作量信号は、前記第1通信回路を介して前記第1の転舵アクチュエータ用マイクロプロセッサに送信され、前記第2操舵操作量信号は、前記第2通信回路を介して前記第2の転舵アクチュエータ用マイクロプロセッサに送信される
    ことを特徴とするステアリング装置。
  7. 請求項1に記載のステアリング装置であって、
    前記コントローラは報知装置を備え、
    前記コントローラは、前記転舵輪のストロークに応じて設定された前記操舵入力軸の操舵角を超えるように、前記ステアリングホイールが切り込み方向へ操舵操作されるとき、前記報知装置を作動させる警告指令信号を出力する
    ことを特徴とするステアリング装置。
  8. 請求項1に記載のステアリング装置であって、
    前記操舵入力部は、回転規制機構を備え、
    前記回転規制機構は、操舵軸側回転規制部と、固定側回転規制部を含み、
    前記操舵入力軸の回転に伴い回転する前記操舵軸側回転規制部が、前記固定側回転規制部と当接することにより、前記操舵入力軸の回転を規制可能である
    ことを特徴とするステアリング装置。
  9. 請求項8に記載のステアリング装置であって、
    前記ステアリングホイールが切り込み方向へ操舵操作されるとき、前記反力指令信号生成部は、前記回転規制機構が前記操舵入力軸の回転を規制する前に、前記反力指令信号を生成する
    ことを特徴とするステアリング装置。
  10. 請求項8に記載のステアリング装置であって、
    前記回転規制機構は、前記操舵入力軸の回転位置が任意、または所定間隔毎に設けられた複数の位置において、前記操舵入力軸の回転を規制可能である
    ことを特徴とするステアリング装置。
  11. 請求項10に記載のステアリング装置であって、
    前記ステアリングホイールが切り込み方向へ操舵操作されるとき、前記反力指令信号生成部は、前記回転規制機構が前記操舵入力軸の回転を規制する前に、前記反力指令信号を生成する
    ことを特徴とするステアリング装置。
  12. 請求項11に記載のステアリング装置であって、
    前記反力指令信号生成部は、前記回転規制機構が前記操舵入力軸の回転を規制した後、前記反力指令信号の反力値を減少させる
    ことを特徴とするステアリング装置。
  13. 請求項11に記載のステアリング装置であって、
    前記回転規制機構は、前記操舵入力軸の回転速度が所定値以下となったとき、前記操舵入力軸の回転を規制する
    ことを特徴とするステアリング装置。
  14. 請求項10に記載のステアリング装置であって、
    前記操舵軸側回転規制部は、前記操舵入力軸の回転軸線に関する周方向において複数箇所に設けられた複数の係合凹部を含み、
    前記固定側回転規制部は、複数の前記係合凹部の何れかに係合するピン部材である
    ことを特徴とするステアリング装置。
  15. 請求項10に記載のステアリング装置であって、
    前記操舵軸側回転規制部は、被摺動部を含み、
    前記固定側回転規制部は、前記被摺動部に当接し、前記被摺動部との摩擦力により前記操舵入力軸の回転を規制する
    ことを特徴とするステアリング装置。
  16. 請求項10に記載のステアリング装置であって、
    前記回転規制機構は、遊星歯車機構を含み、
    前記遊星歯車機構は、サンギア、プラネタリギア、リングギア、及びプラネタリキャリアからなり、
    前記サンギア、前記プラネタリギア、前記リングギア、及び前記プラネタリキャリアの1つの回転を規制することにより、前記操舵入力軸の回転を規制する
    ことを特徴とするステアリング装置。
  17. 請求項10に記載のステアリング装置であって、
    前記回転規制機構は、車両の推進装置のスイッチがオフになったとき、前記操舵入力軸の回転を規制する
    ことを特徴とするステアリング装置。
  18. 請求項9に記載のステアリング装置であって、
    前記操舵入力部は変速機を備え、前記変速機は、前記操舵入力軸と前記反力アクチュエータの間に設けられ、前記操舵入力軸の回転速度に対する前記モータロータの回転速度を増大、または減少させる
    ことを特徴とするステアリング装置。
  19. 請求項18に記載のステアリング装置であって、
    前記操舵入力部は、操舵入力部ハウジングを備え、
    前記変速機は、減速機であって、
    前記操舵入力部ハウジングは、内部空間に前記操舵入力軸、前記回転規制機構、及び前記減速機を収容しており、
    前記操舵軸側回転規制部は、前記減速機に設けられ、
    前記固定側回転規制部は、前記操舵入力部ハウジングに設けられ、
    前記減速機は、前記操舵入力軸と繋がっており、前記操舵入力軸の回転速度よりも前記操舵軸側回転規制部の回転速度を減速させることを特徴とするステアリング装置。
  20. 請求項18に記載のステアリング装置であって、
    前記変速機は、前記操舵入力軸の回転速度に対する前記モータロータの回転速度を増大させる
    ことを特徴とするステアリング装置。
  21. 請求項18に記載のステアリング装置であって、
    前記変速機は、遊星歯車機構であることを特徴とするステアリング装置。
  22. 請求項21に記載のステアリング装置であって、
    前記遊星歯車機構は、サンギア、プラネタリギア、リングギア、及びプラネタリキャリアを含み、
    前記操舵入力軸は、前記サンギアと前記プラネタリキャリアの一方に繋がっており、
    前記モータロータは、前記サンギアと前記プラネタリキャリアの他方に繋がっており、
    前記操舵操作量センサは、前記プラネタリキャリアの回転角度を検出することを特徴とするステアリング装置。
  23. 請求項18に記載のステアリング装置であって、
    前記変速機はウォームギアであって、前記ウォームギアは、ウォームと、ウォームホイールを含み、
    前記操舵入力軸は、前記ウォームの一端と繋がっており、前記モータロータは、前記ウォームの他端と繋がっている
    ことを特徴とするステアリング装置。
  24. 請求項18に記載のステアリング装置であって、
    前記反力アクチュエータは、前記モータロータの回転角を検出し、前記操舵操作量センサとしてのモータ回転角センサを含み、
    前記反力アクチュエータコントローラは、前記モータ回転角センサの出力信号に基づき、前記操舵操作量信号を生成する
    ことを特徴とするステアリング装置。
  25. 請求項18に記載のステアリング装置であって、
    前記操舵入力軸は、前記モータロータと一体に回転するように繋がっている
    ことを特徴とするステアリング装置。
  26. 請求項18に記載のステアリング装置であって、
    前記操舵入力軸の回転軸線の方向において、前記操舵入力軸、前記変速機、前記反力アクチュエータ、前記反力アクチュエータコントローラの順に配置されている
    ことを特徴とするステアリング装置。
  27. 請求項18に記載のステアリング装置であって、
    前記変速機は、第1変速部材と第2変速部材を含み、
    前記第1変速部材は、前記操舵入力軸と繋がっており、
    前記第2変速部材は、前記第1変速部材の回転速度とは異なる回転速度で回転可能で、しかも前記モータロータと繋がっており、
    前記操舵操作量センサは、前記第2変速部材の回転角度を検出可能であり、かつ、前記操舵操作量センサの検出可能な角度範囲は、前記第2変速部材の回転可能な角度範囲よりも大きい
    ことを特徴とするステアリング装置。
  28. 請求項8に記載のステアリング装置であって、
    前記ステアリングホイールには、エアバッグ装置に電力を供給するワイヤハーネスが収容されており、
    前記回転規制機構は、前記操舵軸側回転規制部が前記固定側回転規制部と当接するとき、前記ワイヤハーネスが所定量の撓みを有するように、前記ステアリングホイールの回転角度を規制する
    ことを特徴とするステアリング装置。
  29. 請求項1に記載のステアリング装置であって、
    前記操舵入力軸は、前記モータロータと一体に回転するように繋がっている
    ことを特徴とするステアリング装置。
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