JP6845785B2 - パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、パワーステアリング装置に関するものである。
パワーステアリング装置として、特許文献1には、ラック軸を軸方向に摺動可能に嵌装したギヤボックスの左右両側部に、マニュアル駆動のピニオンを回転可能に支持するピニオンハウジングと、電動機駆動のピニオンを回転可能に支持する電動機出力軸ハウジングと、が設けられるパワーステアリング装置が開示されている。
実開昭60−151774号公報
特許文献1に開示されるような、いわゆるデュアルピニオン式のパワーステアリング装置では、車両の左右方向の一方側に操舵トルクが入力されるステアリング側のピニオンが設けられ、他方側に補助トルクが入力されるアシスト側のピニオンが設けられる。操舵トルクが入力されるピニオンには、ステアリングシャフトやトルクセンサが連結される。補助トルクが入力されるピニオンには、電動機や減速機が取り付けられる。このように、車両中心に対して左右に配置される2つのピニオンは、取り付けられる構成部品が相違するため、一般的には、互いに異なる形状に形成される。また、2つのピニオンは、ラック軸に対する傾斜角度が異なるため、歯のねじれ方向も異なる。
パワーステアリング装置においては、左ハンドル車と右ハンドル車とで、構成を共通化して製造コストを低減することが求められている。しかしながら、デュアルピニオン式パワーステアリング装置では、2つのピニオンは歯のねじれが異なるため、例えば、左ハンドル車において操舵トルクが入力されるピニオンを、そのまま右ハンドル車に転用して、操舵トルクをラックシャフトに伝達するステアリング側のピニオンとして使用することは困難である。
以上から、取り付けられる構成部品の相違とピニオンの歯のねじれ方向の相違により、左ハンドル車と右ハンドル車の2車種のそれぞれにおいて、ステアリング側及びアシスト側の2つのピニオンを製造しなければならず、製造コストの増加を招いていた。
本発明は、このような技術的課題に鑑みてなされたものであり、パワーステアリング装置の製造コストを低減することを目的とする。
第1の発明は、パワーステアリング装置であって、車輪を転舵するラックシャフトと、操舵ハンドルからの操舵トルクが入力される入力シャフトと、入力シャフトに連結されるトーションバーと、ラックシャフトに連係する第1出力シャフト及び第2出力シャフトと、トーションバーのねじれを検知して操舵トルクを検出するトルクセンサと、トルクセンサの検出結果に基づいて、補助トルクを発生する電動モータと、を備え、第1出力シャフト及び第2出力シャフトは、それぞれトーションバーと連結可能に構成され、第1出力シャフト及び第2出力シャフトの一方にはトーションバーが連結され、他方には電動モータから補助トルクが伝達されることを特徴とする。
第1の発明では、第1出力シャフト及び第2出力シャフトのいずれもトーションバーと連結可能である。このため、ハンドル位置が左右いずれの場合であっても、トーションバー、入力シャフト、及びトルクセンサを含む操舵側ユニットを第1出力シャフトまたは第2出力シャフトを介してラックシャフトに取り付けることができる。トーションバーと連結していない第1出力シャフト又は第2出力シャフトには、電動モータの補助トルクが入力される。このように、トーションバーと連結するシャフトを変えることで、左ハンドル車及び右ハンドル車のいずれであっても操舵側ユニットをラックシャフトに取り付けることができ、パワーステアリング装置の構成を共通化することができる。
第2の発明は、第1出力シャフト及び第2出力シャフトが、それぞれトーションバーを圧入可能な圧入穴を有して、トーションバーと連結可能に構成されることを特徴とする。
第3の発明は、入力シャフト、トーションバー、及びトルクセンサを収容するケースと、第1出力シャフトを回転自在に支持する第1ハウジングと、第2出力シャフトを回転自在に支持する第2ハウジングと、をさらに備え、ケースは、複数のケース孔を有し、第1ハウジングは、複数の第1取付孔を有して、ケース孔及び第1取付孔にわたって挿入される締結ボルトによってケースが取付可能に構成され、第2ハウジングは、複数の第2取付孔を有して、ケース孔及び第2取付穴にわたって挿入される締結ボルトによってケースが取付可能に構成され、複数の第1取付孔間のピッチ及び複数の第2取付孔間のピッチが、それぞれ複数のケース孔間のピッチと一致して、ケースが第1ハウジング及び第2ハウジングの両方に取付可能に構成されることを特徴とする。
第3の発明では、ケースを第1ハウジング及び第2ハウジングの両方に取り付けることができる。よって、ハンドル位置が左右のいずれであっても、共通のケースを使用することができる。
第4の発明は、ケースが、凸部を有し、第1ハウジング及び第2ハウジングが、凸部が嵌合可能な凹部をそれぞれ有することを特徴とする。
第4の発明では、ケースが第1ハウジング及び第2ハウジングのいずれに取り付けられる場合であっても、凸部と凹部とが嵌合するため、ケース孔と第1取付孔または第2取付孔との位置合わせをすることができる。よって、ケースと第1ハウジング及び第2ハウジングとの取付性が向上する。
第5の発明は、互いに噛み合うウォームホイール及びウォームシャフトによって構成され電動モータの回転を減速する減速機構をさらに備え、第1出力シャフト及び第2出力シャフトのそれぞれは、ラックシャフトのラックギヤに噛み合うピニオンギヤが形成されるピニオン部と、ウォームホイールが圧入される圧入部と、圧入部に対してピニオン部とは反対側に設けられると共に圧入部よりも大径に形成され、ウォームホイールに当接して位置決めする位置決め部と、を有することを特徴とする。
第5の発明では、位置決め部に対してピニオン部とは反対の基端側の形状はウォームホイールの位置決め精度に影響しない。パワーステアリング装置では、車両のハンドル位置によって、操舵ハンドル側と入力シャフトとの連結位置が異なる。このような場合であっても、第1出力シャフト及び第2出力シャフトの基端側の形状を互いに異ならせることで、第1出力シャフトまたは第2出力シャフトに取り付けられる操舵側ユニットの入力シャフトの位置を調整することができる。このため、ハンドル位置にかかわらず共通の操舵側ユニットを使用する場合においても、操舵ハンドルと入力シャフトとを容易に位置合わせして連結することができる。
本発明によれば、パワーステアリング装置の製造コストを低減することができる。
本発明の実施形態に係るパワーステアリング装置の構成図である。 本発明の実施形態に係る第1出力シャフトを示す断面図である。 本発明の実施形態に係る第2シャフトを示す断面図である。 本発明の実施形態に係るケースの取付構造を示す平面図である。 本発明の実施形態に係るカバーの取付構造を示す平面図である。
図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
まず、図1を参照して、本実施形態におけるパワーステアリング装置100の全体構成について説明する。以下では、パワーステアリング装置100が左ハンドル車用のパワーステアリング装置として構成される場合について説明する。
パワーステアリング装置100は、ドライバによって操舵トルクが入力される操舵ハンドルとしてのステアリングホイール1の回転に応じて車両の車輪2を転舵させる転舵機構10と、ドライバの操舵トルクをアシストする補助トルクを発生するアシスト機構30と、操舵トルクのアシスト量を制御するコントローラ50と、を備える。
転舵機構10は、ステアリングホイール1に連結されステアリングホイール1の回転に応じて回転する第1ステアリングシャフト3と、車輪2を転舵するラックシャフト5と、ラックシャフト5に連係する第2ステアリングシャフト4と、第1ステアリングシャフト3と第2ステアリングシャフト4との接続と切断とを切り換える接続切換部としてのクラッチ6と、クラッチ6が切断された状態で第1ステアリングシャフト3に操舵反力を付与する反力モータ61と、を有する。
クラッチ6は電磁クラッチであり、電磁コイルが励磁状態で第1ステアリングシャフト3と第2ステアリングシャフト4を切断し、電磁コイルが非励磁状態で第1ステアリングシャフト3と第2ステアリングシャフト4を機械的に接続する。クラッチ6が切断された状態ではステアバイワイヤ制御が行われ、クラッチ6が接続された状態ではアシスト制御が行われる。
反力モータ61は、ロータが第1ステアリングシャフト3と共に回転するように設けられる。反力モータ61の駆動力は、減速機構62によって回転速度が減じられて第1ステアリングシャフト3に出力される。したがって、クラッチ6が切断された状態で反力モータ61が駆動すると、運転者のステアリング操作に対して第1ステアリングシャフト3に操舵反力が付与される。これにより、運転者のステアリング操作に対して擬似的なハンドルの重さを与えることができる。減速機構62は、第1ステアリングシャフト3に連結されたウォームホイール62aと、ウォームホイール62aと噛み合うと共に反力モータ61の出力軸に連結されたウォームシャフト62bと、によって構成されるウォームギヤである。また、第1ステアリングシャフト3には、ステアリングホイール1の回転角度である操舵角度を検出する舵角センサ63が設けられる。
第2ステアリングシャフト4は、クラッチ6に接続された入力シャフト11と、ラックシャフト5に連係する第1出力シャフト20と、入力シャフト11と第1出力シャフト20を連結するトーションバー13と、を有する。第1出力シャフト20には、ラックシャフト5に形成されたラックギヤ5aと噛み合う第1ピニオンギヤ22aが形成される。第1出力シャフト20の具体的構成については、後に詳細に説明する。
クラッチ6が接続された状態で、ステアリングホイール1が操作されると、第1ステアリングシャフト3及び第2ステアリングシャフト4が回転する。この回転が第1ピニオンギヤ22a及びラックギヤ5aによって直線運動に変換され、ナックルアーム14等を介して車輪2が転舵される。
アシスト機構30は、トーションバー13のねじれ角度を検知して操舵トルクを検出するトルクセンサ31と、トルクセンサ31の検出結果に基づいて操舵トルクを補助する第1アシスト機構32及び第2アシスト機構35と、を有する。
第1アシスト機構32は、第2ステアリングシャフト4、具体的には、第1出力シャフト20に補助トルクを付与する。第1アシスト機構32は、トルクセンサ31の検出結果に基づいて補助トルクを発生する電動モータとしての第1転舵モータ33と、第1転舵モータ33の回転を減速して第1出力シャフト20に伝達する第1減速機構34と、を有する。
第1減速機構34は、互いに噛み合うウォームホール(以下、「第1ウォームホイール」と称する。)34a及びウォームシャフト(以下、「第1ウォームシャフト」と称する。)34bによって構成されるウォームギヤである。
第2アシスト機構35は、トルクセンサ31の検出結果に基づいて、補助トルクを発生する電動モータとしての第2転舵モータ36と、ラックシャフト5に連係し、第2転舵モータ36の駆動力をラックシャフト5に伝達する第2出力シャフト40と、第2転舵モータ36の回転を減速して第2出力シャフト40の伝達する第2減速機構37と、を有する。
第2出力シャフト40には、ラックシャフト5のラックギヤ5aと噛み合う第2ピニオンギヤ42aが形成される。第2出力シャフト40の具体的構成については、後に詳細に説明する。
第2減速機構37は、互いに噛み合うウォームホール(以下、「第2ウォームホイール」と称する。)38a及びウォームシャフト(以下、「第2ウォームシャフト」と称する。)38bによって構成されるウォームギヤである。
コントローラ50は、CPU(中央演算処理装置)、ROM(リードオンリメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、及びI/Oインターフェース(入出力インターフェース)を備えたマイクロコンピュータで構成される。RAMはCPUの処理におけるデータを記憶し、ROMはCPUの制御プログラム等を予め記憶し、I/Oインターフェースは接続された機器との情報の入出力に使用される。コントローラ50は、複数のマイクロコンピュータで構成されてもよい。コントローラ50は、少なくとも、本実施形態に係る制御を実行するために必要な処理を実行可能となるようにプログラムされている。なお、コントローラ50は一つの装置として構成されていても良いし、複数の装置に分けられ、本実施形態における各制御を当該複数の装置で分散処理するように構成されていてもよい。
コントローラ50には、舵角センサ63の検出信号及びトルクセンサ31の検出信号の他、車速等の車両の状態情報が入力される。
以上のように、パワーステアリング装置100では、第1出力シャフト20及び第2出力シャフト40の2つのシャフトがラックシャフト5に連係する。第1出力シャフト20及び第2出力シャフト40は、それぞれ車両の左右に離間して設けられる。本実施形態のパワーステアリング装置100は、図1に示すように、相対的に車両の左側に設けられる第1出力シャフト20にステアリングホイール1からの操舵トルクが入力される左ハンドル車用に構成される。
また、パワーステアリング装置100では、操舵トルク及び第1アシスト機構32からの補助トルクが第1出力シャフト20に入力され、第2アシスト機構35からの補助トルクが第2出力シャフト40に入力される。このように、パワーステアリング装置100は、ラックシャフト5に連係する2つのピニオンシャフト(第1出力シャフト20及び第2出力シャフト40)を有するデュアルピニオン式であり、ピニオンシャフトのそれぞれに補助トルクが入力される2アシスト式のものである。
次に、パワーステアリング装置100の作動について説明する。
通常時には、クラッチ6が切断されてステアバイワイヤ制御が行われる。ステアバイワイヤ制御では、コントローラ50は、ステアリングホイール1の操作状態に応じて第1転舵モータ33を制御すると共に第2転舵モータ36を制御する。これにより、車輪2が転舵される。具体的には、コントローラ50は、舵角センサ63の検出結果や車速に基づいて目標転舵角を設定し、車輪2の転舵角が目標転舵角に一致するように第1転舵モータ33及び第2転舵モータ36を制御する。
また、ステアバイワイヤ制御では、コントローラ50は、車輪2の転舵状態に応じて反力モータ61を制御し、ステアリングホイール1に操舵反力を付与する。具体的には、コントローラ50は、ステアリング操作によって路面から受ける反力に相当する目標操舵反力を設定し、第1ステアリングシャフト3に付与される操舵反力が目標操舵反力に一致するように反力モータ61を制御する。
コントローラ50が自己の制御系統に異常があると判断した場合には、クラッチ6が接続されてステアバイワイヤ制御からアシスト制御に切り換わる。クラッチ6は、コントローラ50の制御系統に異常が発生した場合には、切断状態から接続状態へ切り換わる。
まず、コントローラ50が反力モータ61及びこれを制御する系統に異常があると判断した場合について説明する。この場合、コントローラ50は、トルクセンサ31の検出結果に基づいて、運転者によるステアリング操作を補助するアシスト力が第1出力シャフト20及び第2出力シャフト40に付与されるように第1転舵モータ33及び第2転舵モータ36を制御する。この際、反力モータ61は、ステアリング操作の負荷とならないようにコントローラ50とは切断されて無負荷状態となる。このように、反力モータ61又は反力モータ61を制御する系統に異常が発生した場合には、第1,第2転舵モータ33,36によるアシスト制御が行われる。
次に、コントローラ50が第1,第2転舵モータ33,36又はこれらを制御する系統に異常があると判断した場合について説明する。この場合、コントローラ50は、トルクセンサ31の検出結果に基づいて、運転者によるステアリング操作を補助するアシスト力が第1ステアリングシャフト3に付与されるように反力モータ61を制御する。この際、第1,第2転舵モータ33,36は、ステアリング操作の負荷とならないようにコントローラ50とは切断されて無負荷状態となる。このように、第1,第2転舵モータ33,36又はこれらを制御する系統に異常が発生した場合には、反力モータ61によるアシスト制御が行われる。反力モータ61によるアシスト制御が可能なように、反力モータ61の駆動力は、減速機構62によって回転速度が減じられて第1ステアリングシャフト3に出力される。
次に、図2から図5を参照して、パワーステアリング装置100の具体的構成について説明する。なお、図2は、第1出力シャフト20の周辺を示す断面図である。図3は、第2出力シャフト40の周辺を示す断面図である。
図2及び図3に示すように、パワーステアリング装置100は、ラックシャフト5を収容するギヤケース70と、第1出力シャフト20を回転自在に支持する第1ハウジング71と、第2出力シャフト40を回転自在に支持する第2ハウジング72と、入力シャフト11、トーションバー13、及びトルクセンサ31を収容するケース73と、を備える。
ギヤケース70は、ラックシャフト5が収容されるラック収容孔70aと、第1出力シャフト20の一部が収容される第1シャフト収容孔70b(図2参照)と、第2出力シャフト40の一部が収容される第2シャフト収容孔70c(図3参照)と、を有する。第1シャフト収容孔70b及び第2シャフト収容孔70cは、それぞれ後述する第1出力シャフト20における第1ピニオン部22の第1ピニオンギヤ22a及び第2出力シャフト40における第2ピニオン部42の第2ピニオンギヤ42aがラックシャフト5のラックギヤ5aに噛み合うように、ラック収容孔70aに開口する。
ギヤケース70の内部には、それぞれラックシャフト5を第1出力シャフト20及び第2出力シャフト40に向けて付勢するスプリング86a,87aを有する2つの支持機構86,87が設けられる。一方の支持機構86は、ラックシャフト5に対して第1出力シャフト20とは反対側に設けられる。他方の支持機構87は、ラックシャフト5に対して第2出力シャフト40とは反対側に設けられる。支持機構86,87によってラックシャフト5が第1出力シャフト20及び第2出力シャフト40に向けて付勢されることにより、ラックシャフト5と第1出力シャフト20及び第2出力シャフト40との間のバックラッシュが低減される。よって、第1出力シャフト20及び第2出力シャフト40が回転してラックシャフト5が移動する際の歯打ち音が低減される。
第1ハウジング71及び第2ハウジング72は、それぞれギヤケース70に取り付けられる。本実施形態では、第1ハウジング71及び第2ハウジング72は、ギヤケース70と別体に形成されるが、これに限らず、ギヤケース70と一体に形成されてもよい。
図2に示すように、第1ハウジング71には、第1ウォームホイール34aと第1出力シャフト20の一部とを収容する第1収容孔(凹部)71aが設けられる。第1出力シャフト20は、ギヤケース70と第1ハウジング71との間で支持される軸受81を介してギヤケース70及び第1ハウジング71に回転自在に支持される。
第1出力シャフト20は、軸受82を介してギヤケース70に支持される第1先端部21と、ラックシャフト5のラックギヤ5aと噛み合う第1ピニオンギヤ22aが形成される第1ピニオン部22と、第1減速機構34の第1ウォームホイール34aが圧入される第1圧入部23と、第1圧入部23よりも大径に形成され第1ウォームホイール34aを位置決めする第1位置決め部24と、トーションバー13が圧入される第1圧入穴27が形成される第1基端部25と、を有する。第1出力シャフト20では、先端側(反入力シャフト側)へ向かって、第1位置決め部24、第1圧入部23、第1ピニオン部22、第1先端部21の順で設けられ、この順で外径が小さくなる階段状に形成される。第1出力シャフト20は、第1基端部25に設けられる第1圧入穴27にトーションバー13が圧入されることで、トーションバー13を介して入力シャフト11に連結される。
第1位置決め部24と第1圧入部23との間には、第1段差面26が形成される。第1減速機構34の第1ウォームホイール34aは、第1段差面26に当接するまで第1圧入部23に圧入される。これにより、第1ウォームホイール34aは、第1ウォームシャフト34bと噛み合う適切な位置に位置決めされる。
ケース73は、入力シャフト11が挿通する支持孔73aと、入力シャフト11、トーションバー13、及びトルクセンサ31を収容する収容凹部73bと、を有する。以下では、入力シャフト11、トーションバー13、及びトルクセンサ31をまとめて「操舵側ユニット」とも称する。
入力シャフト11は、軸受83によってケース73に回転自在に支持される。入力シャフト11の一方の端部は、支持孔73aを通じてケース73から突出し、自在継手(図示省略)及びクラッチ6を介して第1ステアリングシャフト3に連結される。
トーションバー13は、一端が入力シャフト11に挿入されて連結される。トーションバー13の他端には、外周にセレーション加工が施されるセレーション部13aが形成される。セレーション部13aが、第1出力シャフト20の第1圧入穴27に圧入される。
トルクセンサ31は、入力シャフト11と第1出力シャフト20とにわたって設けられる。トルクセンサ31は、公知の構成を採用できるため、具体的構成の図示及び詳細な説明は省略する。
図2及び図4に示すように、ケース73と第1ハウジング71とは、複数(本実施形態では3つ)の締結ボルト90によって連結される。ケース73には、図2に示すように、各締結ボルト90が挿通する第1ケース孔73cが形成される。また、第1ハウジング71には、内周に雌ねじが形成され、各締結ボルト90が螺合可能な第1取付孔71cがケース73の第1ケース孔73cに対応する位置に形成される。締結ボルト90がケース73の第1ケース孔73cに挿通し第1ハウジング71の第1取付孔71cに螺合することで、ケース73が第1ハウジング71に取り付けられる。
また、ケース73には、第1ハウジング71の第1収容孔71aの開口部71bに嵌合する第1環状凸部73d(凸部)が設けられる。ケース73の第1環状凸部73dが第1ハウジング71の第1収容孔71aに嵌合してインロー構造を構成することで、第1出力シャフト20の径方向における第1ケース孔73cと第1取付孔71cとが位置合わせされる。したがって、締結ボルト90を用いたケース73と第1ハウジング71との取付性が向上する。
図3に示すように、第2ハウジング72には、第2出力シャフト40の一部と第2ウォームホイール37aを収容する第2収容孔72aが設けられる。第2出力シャフト40は、ギヤケース70と第2ハウジング72との間で支持される軸受84を介してギヤケース70及び第2ハウジング72に回転自在に支持される。
第2出力シャフト40は、軸受85によってギヤケース70に支持される第2先端部41と、ラックシャフト5のラックギヤ5aと噛み合う第2ピニオンギヤ42aが形成される第2ピニオン部42と、第2減速機構37の第2ウォームホイール37aが圧入される第2圧入部43と、第2圧入部43よりも大径に形成され第2ウォームホイール37aを位置決めする第2位置決め部44と、トーションバー13のセレーション部13aが圧入可能な第2圧入穴47が形成される第2基端部45と、を有する。第2出力シャフト40では、先端側へ向かって、第2位置決め部44、第2圧入部43、第2ピニオン部42、第2先端部41の順で設けられ、この順で外径が小さくなる階段状に形成される。
第2位置決め部44と第2圧入部43との間には、第2段差面46が形成される。第2減速機構37の第2ウォームホイール37aは、第2段差面46に当接するまで第2圧入部43に圧入される。これにより、第2ウォームホイール37aは、第2ウォームシャフト37bと噛み合う適切な位置に位置決めされる。
第2ハウジング72には、図3及び図5に示すように、第2収容孔72aを封止するカバー74が取り付けられる。カバー74と第2ハウジング72とは、3つの締結ボルト90によって連結される。カバー74には、図3に示すように、締結ボルト90が挿通する3つの第2ケース孔74cが形成される。第2ハウジング72には、内周に雌ねじが形成され、締結ボルト90が螺合可能な3つの第2取付孔72cが第2ケース孔74cに対応する位置に形成される。締結ボルト90がカバー74の第2ケース孔74cに挿通し第2ハウジング72の第2取付孔72cに螺合することで、カバー74が第2ハウジング72に取り付けられる。
ケース73の第1取付孔71cどうしの相対的な位置関係(第1取付孔71c間のピッチ)は、カバー74の第2取付孔72cどうしの相対的な位置関係(第2取付孔72c間のピッチ)と一致する。本実施形態では、図4及び図5に示すように、第1取付孔71c及び第2取付孔72cはそれぞれ同一円周上に配置されるため、第1取付孔71cが形成されるピッチ角α1,β1が、第2取付孔72cが形成されるピッチ角α2,β2とそれぞれ一致する。よって、第1ケース孔73c及び第2ケース孔74cも、第1取付孔71c及び第2取付孔72cと同じピッチ角で設けられる。つまり、ケース73と第1ハウジング71との取付構造と、カバー74と第2ハウジング72との取付構造とは、同様の構造である。
したがって、ケース73は、締結ボルト90によって第1ハウジング71に取り付け可能であるとともに、第2ハウジング72にも取り付け可能である。同様に、カバー74は、締結ボルト90によって第2ハウジング72にも取り付け可能であるとともに、第1ハウジング71にも取り付け可能である。
また、カバー74には、図3に示すように、第2出力シャフト40の第2基端部45を収容する基端収容凹部74aが形成される。カバー74は、第2ハウジング72の第2収容孔72aの開口部72bに嵌合する第2環状凸部(凸部)74bを有する。カバー74の第2環状凸部74bが第2ハウジング72の第2収容孔72aに嵌合してインロー構造を構成することで、第2出力シャフト40の径方向において第2ケース孔74cと第2取付孔72cとが位置合わせされる。したがって、締結ボルト90を用いたカバー74と第2ハウジング72との取付性が向上する。
第1ハウジング71の第1収容孔71aの開口部71bと第2ハウジング72の第2収容孔72aの開口部72bとは、互いに同一の内径に形成される。ケース73の第1環状凸部73dとカバー74の第2環状凸部74bとは、互いに同一の外径に形成される。
ここで、車両内のレイアウトの制限により、第1出力シャフト20と第2出力シャフト40とは、ラックシャフト5に対して直交して設けられずに、左右方向に傾斜して設けられることがある。また、第1出力シャフト20の第1ピニオンギヤ22aは、ラックシャフト5のラックギヤ5aとの噛み合いを滑らかにするため、第1出力シャフト20の中心に対してねじれて形成される。同様に、第2出力シャフト40の第2ピニオンギヤ42aは、第2出力シャフト40の中心に対してねじれて形成される。第1出力シャフト20と第2出力シャフト40とは、ラックシャフト5に対する傾斜方向が異なるため、第1ピニオンギヤ22aと第2ピニオンギヤ42aのねじれの方向も異なる。
一方、パワーステアリング装置100には、左ハンドル車に搭載される場合と右ハンドル車に搭載される場合とで、構成を共通化してコストを低減させたいという要望がある。
しかしながら、第1出力シャフト20と第2出力シャフト40とは第1ピニオンギヤ22aと第2ピニオンギヤ42aのねじれが異なるため、単に第1出力シャフト20と第2出力シャフト40の左右の配置を入れ替えて使用することは困難である。
そこで、本実施形態では、第1出力シャフト20及び第2出力シャフト40の両方が、トーションバー13と連結可能に構成されている。具体的には、第1出力シャフト20及び第2出力シャフト40は、それぞれトーションバー13のセレーション部13aが圧入可能な第1圧入穴27及び第2圧入穴47を有する。
これにより、入力シャフト11、トーションバー13、及びトルクセンサ31を含む操舵側ユニットは、上記実施形態のように車両の左側の第1出力シャフト20に取り付けることができると共に、右側の第2出力シャフト40にも取り付けることができる。パワーステアリング装置100を右ハンドル車用として構成する場合には、本実施形態とは反対に、操舵側ユニットを、第1出力シャフト20には取り付けず、第2出力シャフト40に取り付ければよい。
以上のように、パワーステアリング装置100では、右ハンドル車と左ハンドル車のいずれにおいても、車両の左側では共通の第1出力シャフト20を使用し、右側では共通の第2出力シャフト40を使用することができる。ハンドル位置に関わらず、第1出力シャフト20及び第2出力シャフト40を共通に使用することができるため、パワーステアリング装置100の製造コストを低減することができる。
また、第1ハウジング71における第1取付孔71c間のピッチは、第2ハウジング72における第2取付孔72c間のピッチと一致する。これにより、ケース73が第1ハウジング71及び第2ハウジング72の両方に取り付け可能であると共に、カバー74も第1ハウジング71及び第2ハウジング72の両方に取り付け可能である。よって、操舵側ユニットを第1出力シャフト20及び第2出力シャフト40のいずれに取り付ける場合であっても、言い換えれば、パワーステアリング装置100が左ハンドル車用及び右ハンドル車用のいずれに構成される場合であっても、共通のケース73及びカバー74を使用することができる。したがって、パワーステアリング装置100の製造コストをさらに低減することができる。
さらに、ケース73の第1環状凸部73d及びカバー74の第2環状凸部74bは、互いに同一の外径に形成される。また、第1ハウジング71における第1収容孔71aの開口部71bと第2ハウジング72における第2収容孔72aの開口部72bは、互いに同一の内径に形成される。よって、ケース73の第1環状凸部73dは、第1ハウジング71の第1収容孔71a及び第2ハウジング72の第2収容孔72aの両方に嵌合可能である。同様に、カバー74の第2環状凸部74bは、第1ハウジング71の第1収容孔71a及び第2ハウジング72の第2収容孔72aの両方に嵌合可能である。
よって、ケース73が第1ハウジング71及び第2ハウジング72のいずれに取り付けられる場合であっても、第1環状凸部73dが第1収容孔71aまたは第2収容孔72aとインロー構造を構成して、第1ケース孔73cと第1取付孔71cまたは第2取付孔72cとが位置合わせされる。同様に、カバー74が第1ハウジング71及び第2ハウジング72のいずれに取り付けられる場合であっても、第2環状凸部74bが第1収容孔71aまたは第2収容孔72aとインロー構造を構成して、第2ケース孔74cと第1取付孔71cまたは第2取付孔72cとが位置合わせされる。したがって、パワーステアリング装置100が左ハンドル車用及び右ハンドル車用のいずれに構成されても、ケース73及びカバー74は、第1ハウジング71及び第2ハウジング72への取り付けを容易に行いつつ、共通化することができる。
また、第1出力シャフト20及び第2出力シャフト40は、それぞれ第1ウォームホイール34a及び第2ウォームホイール37aを位置決めする第1位置決め部24及び第2位置決め部44を有する。これにより、第1,第2ウォームホイール34a,37aと第1,第2ウォームシャフト34b,37bとの噛み合い精度を確保しつつ、第1,第2ウォームホイール34a,37aを第1出力シャフト20及び第2出力シャフト40に取り付けることができる。
ここで、左ハンドル車と右ハンドル車とでは、車内スペースのレイアウトが異なることがある。例えば、入力シャフト11と第1ステアリングシャフト3とを連結するための自在継手の位置が、左ハンドル車のほうがステアリングホイール1に対してより近い位置(車両の上方)となる場合がある。このような場合には、左ハンドル車において操舵ユニットが取り付けられる第1出力シャフト20は、第2出力シャフト40よりも、第1位置決め部24から第1基端部25の端面との間の長さが、自在継手の位置の違いに応じて長く形成される。これにより、第1出力シャフト20及び第2出力シャフト40のそれぞれの第1ウォームホイール34a及び第2ウォームホイール37aと自在継手との間の距離を互いに一致させることができる。よって、左ハンドル車及び右ハンドル車で共通の操舵側ユニットを使用した場合であって、入力シャフト11と自在継手とを容易に位置合わせして連結することができる。なお、このような場合であっても、第1位置決め部24及び第2位置決め部44によって第1ウォームホイール34a及び第2ウォームホイール37aの位置決めがされるため、基端側の形状は、第1ウォームホイール34a及び第2ウォームホイール37aの位置決め精度には影響しない。
次に、本実施形態の変形例について説明する。
上記実施形態では、トーションバー13が第1出力シャフト20及び第2出力シャフト40の両方に連結可能に構成されるとともに、ケース73及びカバー74のそれぞれが、第1ハウジング71及び第2ハウジング72の両方に取り付け可能に構成される。これに対し、必ずしも、ケース73及びカバー74のそれぞれが、第1ハウジング71及び第2ハウジング72の両方に取り付け可能に構成されていなくてもよい。少なくともトーションバー13が第1出力シャフト20及び第2出力シャフト40の両方に連結可能に構成されるものであれば、ハンドル位置にかかわらず、共通の第1出力シャフト20及び第2出力シャフト40を使用することができるため、製造コストを低減することができる。
また、上記実施形態では、トーションバー13のセレーション部13aが第1出力シャフト20の第1圧入穴27及び第2出力シャフト40の第2圧入穴47に圧入可能に構成されることで、トーションバー13が第1出力シャフト20及び第2出力シャフト40の両方に連結可能に構成される。これに対し、トーションバー13は、第1出力シャフト20及び第2出力シャフト40に連結可能であれば、セレーション部13aが圧入される構成に限らず、その他の構成であってもよい。例えば、セレーション加工が施されず、単に円柱状に形成されるトーションバー13の端部を第1圧入穴27及び第2圧入穴47に圧入可能に構成してもよい。
また、上記実施形態では、第1出力シャフト20及び第2出力シャフト40は、それぞれ第1位置決め部24及び第2位置決め部44を有する。これに対し、第1,第2ウォームホイール34a,37aと第1,第2ウォームシャフト34b,37bとのかみ合い精度を確保できる場合には、第1位置決め部24及び第2位置決め部44が設けられなくてもよい。
また、上記実施形態では、第1ハウジング71の第1取付孔71c、第2ハウジング72の第2取付孔72c、ケース73の第1ケース孔73c、カバー74の第2ケース孔74cは、それぞれピッチが一致するように3つずつ形成される。ケース73及びカバー74と第1ハウジング71及び第2ハウジング72とは、3つの締結ボルト90によって取り付けられる。これに対し、ケース73及びカバー74のそれぞれが第1ハウジング71及び第2ハウジング72の両方に取り付け可能に構成する場合、締結ボルト90の数以上の穴を形成するように構成してもよい。つまり、締結ボルト90が挿通または螺合するケース孔と取付孔との組み合わせを任意に選択し、ケース73及びカバー74と第1ハウジング71及び第2ハウジング72とを取り付けるように構成してもよい。例えば、ケース73を第1ハウジング71に取り付ける場合を例に説明すると、第1ケース孔73cと第1取付孔71cをそれぞれ6つずつ形成し、そのうちから任意の3組を使用して締結ボルト90で締結するように構成してもよい。これによれば、締結ボルト90を挿通する穴を選択できるため、第1ハウジング71に対してケース73を相対回転させて、ケース73の取り付け位置を変更することができる。また、例えば、ケース73を第1ハウジング71に取り付ける場合と第2ハウジング72に取り付ける場合とで、ケース73の取付姿勢を変更することができる。これにより、ケース73、カバー74、第1ハウジング71及び第2ハウジング72の設計(取付)の自由度を向上させることができる。
また、上記実施形態では、パワーステアリング装置100は、ステアバイワイヤ方式、かつ、2アシスト式のものである。これに対し、パワーステアリング装置100は、2つのピニオンを備えるデュアルピニオン式のものであれば、例えば、機械式のものや、操舵側ユニットが取り付けられないピニオンシャフトに対して1つの電動モータによって補助トルクを付与する1アシスト式のものに適用してもよい。
また、上記実施形態では、ケース73の第1ケース孔73cには雌ねじが形成されず、第1ハウジング71及び第2ハウジング72の第1取付孔71c及び第2取付孔72cは、雌ねじが形成されて締結ボルト90が螺合可能に形成される。これに限らず、締結ボルト90によってケース73を第1ハウジング71及び第2ハウジング72に取付可能であれば、第1ケース孔73cに雌ねじが形成され、第1取付孔71c及び第2取付孔72cは雌ねじが形成されない孔であってもよい。また、第1ケース孔73c、第1取付孔71c、及び第2取付孔72cが、それぞれ雌ねじが形成されない貫通孔として形成され、これらを挿通する締結ボルト90とナットとによって、ケース73が第1ハウジング71及び第2ハウジング72に取付可能となるように構成してもよい。このように、第1ケース孔73cと第1取付孔71cとにわたって挿入される締結ボルト90によって、ケース73が第1ハウジング71に取付可能に構成されると共に、第1ケース孔73cと第2取付孔72cとにわたって挿入される締結ボルト90によって、ケース73が第2ハウジング72に取付可能に構成される限り、孔の構成は任意とすることができる。カバー74の第2ケース孔74cについても、ケース73の第1ケース孔73cと同様である。
以上の実施形態によれば、以下に示す効果を奏する。
パワーステアリング装置100では、トーションバー13が第1出力シャフト20及び第2出力シャフト40の両方に連結可能に構成される。よって、入力シャフト11、トルクセンサ31、およびトーションバー13を含む操舵側ユニットは、第1出力シャフト20に取り付けることができると共に、第2出力シャフト40にも取り付けることができる。これにより、右ハンドル車と左ハンドル車のいずれにおいても、車両の左側では共通の第1出力シャフト20を使用し、右側では共通の第2出力シャフト40を使用することができる。したがって、ハンドル位置に関わらず、第1出力シャフト20及び第2出力シャフト40を共通に使用することができ、パワーステアリング装置100の製造コストを低減することができる。
また、パワーステアリング装置100では、第1ハウジング71における第1取付孔71c間のピッチと第2ハウジング72における第2取付孔72c間のピッチとが互いに一致するため、入力シャフト11及びトルクセンサ31を収容するケース73を第1ハウジング71及び第2ハウジング72の両方に取り付けることができる。同様に、カバー74も、第1ハウジング71及び第2ハウジング72の両方に取り付けることができる。よって、右ハンドル車と左ハンドル車のいずれにおいても、共通のケース73及びカバー74を使用することができ、パワーステアリング装置100の製造コストをさらに低減することができる。
また、ケース73の第1環状凸部73dは、第1ハウジング71の第1収容孔71aと第2ハウジング72の第2収容孔72aの両方に嵌合可能に形成される。カバー74の第2環状凸部74bも、第1収容孔71aと第2収容孔72aの両方に嵌合可能に形成される。よって、共通のケース73及びカバー74は、第1ハウジング71及び第2ハウジング72のいずれに取り付けられる場合であっても、第1ケース孔73c及び第2ケース孔74cと第1取付孔71c及び第2取付孔72cとを容易に位置合わせすることができる。よって、製造コストを低減しつつ、ケース73及びカバー74と第1ハウジング71及び第2ハウジング72との取付性を確保することができる。
また、左ハンドル車の場合と右ハンドル車の場合とでは、第1ステアリングシャフト3に連結される自在継手の位置が異なることがある。これに対し、パワーステアリング装置100では、第1出力シャフト20及び第2出力シャフト40は、それぞれ第1ウォームホイール34a及び第2ウォームホイール37aを位置決めする第1位置決め部24及び第2位置決め部44を有する。これにより、第1出力シャフト20及び第2出力シャフト40において、第1位置決め部24及び第2位置決め部44よりも基端側の形状は、第1ウォームホイール34a及び第2ウォームホイール37aの位置決め精度に影響せず、任意の形状とすることができる。よって、第1出力シャフト20及び第2出力シャフト40において、第1位置決め部24及び第2位置決め部44より基端側の形状を互いに異ならせて、第1ウォームホイール34a及び第2ウォームホイール37aと自在継手との間のそれぞれの距離が互いに等しくなるように構成できる。よって、共通の操舵側ユニットを第1出力シャフト20及び第2出力シャフト40のいずれに取り付ける場合であっても、スペーサを用いるなどの方法をとることなく、入力シャフト11と自在継手とを容易に連結することができる。
以下、本発明の実施形態の構成、作用、及び効果をまとめて説明する。
パワーステアリング装置100は、車輪2を転舵するラックシャフト5と、ステアリングホイール1からの操舵トルクが入力される入力シャフト11と、入力シャフト11に連結されるトーションバー13と、ラックシャフト5に連係する第1出力シャフト20及び第2出力シャフト40と、トーションバー13のねじれを検知して操舵トルクを検出するトルクセンサ31と、トルクセンサ31の検出結果に基づいて、補助トルクを発生する電動モータ(第1転舵モータ33、第2転舵モータ36)と、を備え、第1出力シャフト20及び第2出力シャフト40は、それぞれトーションバー13と連結可能に構成され、第1出力シャフト20及び第2出力シャフト40の一方(第1出力シャフト20)にはトーションバー13が連結され、他方(第2出力シャフト40)には電動モータ(第2転舵モータ36)から補助トルクが伝達される。
この構成では、第1出力シャフト20及び第2出力シャフト40のいずれもトーションバー13と連結可能である。このため、ハンドル位置が左右いずれの場合であっても、トーションバー13、入力シャフト11、及びトルクセンサ31を含む操舵側ユニットを第1出力シャフト20または第2出力シャフト40を介してラックシャフト5に取り付けることができる。トーションバー13と連結していない第1出力シャフト20又は第2出力シャフト40には、電動モータ(第2転舵モータ36)の補助トルクが入力される。このように、トーションバー13と連結するシャフトを変えることで、左ハンドル車及び右ハンドル車のいずれであっても操舵側ユニットをラックシャフト5に取り付けることができる。よって、パワーステアリング装置100の構成を共通化することができ、製造コストを低減することができる。
また、パワーステアリング装置100では、第1出力シャフト20及び第2出力シャフト40は、それぞれトーションバー13を圧入可能な圧入穴(第1圧入穴27,第2圧入穴47)を有して、トーションバー13と連結可能に構成される。
また、パワーステアリング装置100は、入力シャフト11、トーションバー13、及びトルクセンサ31を収容するケース73と、第1出力シャフト20を回転自在に支持する第1ハウジング71と、第2出力シャフト40を回転自在に支持する第2ハウジング72と、をさらに備え、ケース73は、複数の第1ケース孔73cを有し、第1ハウジング71は、複数の第1取付孔71cを有して、ケース孔73c及び第1取付孔71cにわたって挿入される締結ボルト90によってケース73が取付可能に構成され、第2ハウジング72は、締結ボルト90が螺合可能な複数の第2取付孔72cを有して、ケース孔73c及び第2取付孔72cにわたって挿入される締結ボルト90によってケース73が取付可能に構成され、複数の第1取付孔71c間のピッチ及び複数の第2取付孔72c間のピッチが、それぞれ複数の第1ケース孔73c間のピッチと一致して、ケース73が第1ハウジング71及び第2ハウジング72の両方に取付可能に構成される。
この構成では、ケース73を第1ハウジング71及び第2ハウジング72の両方に取り付けることができる。よって、ハンドル位置が左右のいずれであっても、共通のケース73を使用することができる。したがって、パワーステアリング装置100の製造コストをさらに低減することができる。
また、パワーステアリング装置100では、ケース73は、円筒状に形成される第1環状凸部73dを有し、第1ハウジング71及び第2ハウジング72は、それぞれ第1環状凸部73dが嵌合可能な第1収容孔71a及び第2収容孔72aを有する。
この構成では、ケース73が第1ハウジング71及び第2ハウジング72のいずれに取り付けられる場合であっても、第1環状凸部73dと第1収容孔71aまたは第2収容孔72aに嵌合して、第1ケース孔73cと第1取付孔71cまたは第2取付孔72cとの位置合わせをすることができる。よって、ケース73と第1ハウジング71及び第2ハウジング72との取付性が向上する。
また、パワーステアリング装置100は、互いに噛み合うウォームホイール(第1ウォームホイール34a,第2ウォームホイール37a)及びウォームシャフト(第1ウォームシャフト34b,第2ウォームシャフト37b)によって構成され電動モータ(第1転舵モータ33,第2転舵モータ36)の回転を減速する減速機構(第1減速機構34,第2減速機構37)をさらに備え、第1出力シャフト20及び第2出力シャフト40のそれぞれは、ラックシャフト5のラックギヤ5aに噛み合うピニオンギヤ(第1ピニオンギヤ22a,第2ピニオンギヤ42a)が形成されるピニオン部(第1ピニオン部22,第2ピニオン部42)と、ウォームホイール(第1ウォームホイール34a,第2ウォームホイール37a)が圧入される圧入部(第1圧入部23,第2圧入部43)と、圧入部(第1圧入部23,第2圧入部43)に対してピニオン部(第1ピニオン部22,第2ピニオン部42)とは反対側に設けられると共に圧入部(第1圧入部23,第2圧入部43)よりも大径に形成され、ウォームホイール(第1ウォームホイール34a,第2ウォームホイール37a)に当接して位置決めする位置決め部(第1位置決め部24,第2位置決め部44)と、を有する。
この構成では、位置決め部(第1位置決め部24,第2位置決め部44)に対してピニオン部(第1ピニオン部22,第2ピニオン部42)とは反対の基端側の形状はウォームホイール(第1ウォームホイール34a,第2ウォームホイール37a)の位置決め精度に影響しない。よって、第1出力シャフト20及び第2出力シャフト40の基端側の形状を互いに異ならせることで、ステアリングホイール1に連結される自在継手からウォームホイール(第1ウォームホイール34a,第2ウォームホイール37a)までの距離を、互いに等しくすることができる。よって、左ハンドル車と右ハンドル車とで、共通の操舵側ユニットを使用する場合においても、自在継手と入力シャフト11とを容易に連結することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一つを示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
1…ステアリングホイール、2…車輪、5…ラックシャフト、5a…ラックギヤ、11…入力シャフト、13…トーションバー、20…第1出力シャフト、22…第1ピニオン部(ピニオン部)、22a…第1ピニオンギヤ(ピニオンギヤ)、23…第1圧入部(圧入部)、24…第1位置決め部(位置決め部)、27…第1圧入穴(圧入穴)、31…トルクセンサ、33…第1転舵モータ(電動モータ)、34…第1減速機構(減速機構)、34a…第1ウォームホイール(ウォームホイール)、34b…第1ウォームシャフト(ウォームシャフト)、36…第2転舵モータ(電動モータ)、37…第2減速機構(減速機構)、37a…第2ウォームホイール(ウォームホイール)、37b…第2ウォームシャフト(ウォームシャフト)、40…第2出力シャフト、42…第2ピニオン部(ピニオン部)、42a…第2ピニオンギヤ(ピニオンギヤ)、43…第2圧入部(圧入部)、44…第2位置決め部(位置決め部)、47…第2圧入穴(圧入穴)、70…ギヤケース、71…第1ハウジング、71a…第1収容孔(凹部)、71c…第1取付孔、72…第2ハウジング、72a…第2収容孔(凹部)、72c…第2取付孔、73…ケース、73c…第1ケース孔(ケース孔)、73d…第1環状凸部(凸部)、90…締結ボルト、100…パワーステアリング装置

Claims (5)

  1. 車輪を転舵するラックシャフトと、
    操舵ハンドルからの操舵トルクが入力される入力シャフトと、
    前記入力シャフトに連結されるトーションバーと、
    前記ラックシャフトに連係する第1出力シャフト及び第2出力シャフトと、
    前記トーションバーのねじれを検知して前記操舵トルクを検出するトルクセンサと、
    前記トルクセンサの検出結果に基づいて、補助トルクを発生する電動モータと、を備え、
    前記第1出力シャフト及び前記第2出力シャフトは、それぞれ前記トーションバーと連結可能に構成され、
    前記第1出力シャフト及び前記第2出力シャフトの一方には前記トーションバーが連結され、他方には前記電動モータから補助トルクが伝達されることを特徴とするパワーステアリング装置。
  2. 前記第1出力シャフト及び前記第2出力シャフトは、それぞれ前記トーションバーを圧入可能な圧入穴を有して、前記トーションバーと連結可能に構成されることを特徴とする請求項1に記載のパワーステアリング装置。
  3. 前記入力シャフト、前記トーションバー、及び前記トルクセンサを収容するケースと、
    前記第1出力シャフトを回転自在に支持する第1ハウジングと、
    前記第2出力シャフトを回転自在に支持する第2ハウジングと、をさらに備え、
    前記ケースは、複数のケース孔を有し、
    前記第1ハウジングは、複数の第1取付孔を有して、前記ケース孔及び前記第1取付孔にわたって挿入される締結ボルトによって前記ケースが取付可能に構成され、
    前記第2ハウジングは、複数の第2取付孔を有して、前記ケース孔及び前記第2取付孔にわたって挿入される前記締結ボルトによって前記ケースが取付可能に構成され、
    前記複数の第1取付孔間のピッチ及び前記複数の第2取付孔間のピッチが、それぞれ前記複数のケース孔間のピッチと一致して、前記ケースが前記第1ハウジング及び前記第2ハウジングの両方に取付可能に構成されることを特徴とする請求項1または2に記載のパワーステアリング装置。
  4. 前記ケースは、凸部を有し、
    前記第1ハウジング及び前記第2ハウジングは、前記凸部が嵌合可能な凹部をそれぞれ有することを特徴とする請求項3に記載のパワーステアリング装置。
  5. 互いに噛み合うウォームホイール及びウォームシャフトによって構成され前記電動モータの回転を減速する減速機構をさらに備え、
    前記第1出力シャフト及び前記第2出力シャフトのそれぞれは、
    前記ラックシャフトのラックギヤに噛み合うピニオンギヤが形成されるピニオン部と、
    前記ウォームホイールが圧入される圧入部と、
    前記圧入部に対して前記ピニオン部とは反対側に設けられると共に前記圧入部よりも大径に形成され、前記ウォームホイールに当接して位置決めする位置決め部と、を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載のパワーステアリング装置。
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